(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179903
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】点眼補助具および点眼装置
(51)【国際特許分類】
A61J 1/05 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61J1/05 313B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099205
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】594007696
【氏名又は名称】株式会社エスワイ精機
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】首長 英夫
(72)【発明者】
【氏名】正宗 さやか
(72)【発明者】
【氏名】窪田 礼子
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047BB11
4C047CC24
4C047DD01
4C047DD22
4C047DD30
4C047GG24
(57)【要約】
【課題】点眼器から一定量の点眼液を吐出させる。
【解決手段】点眼補助具は、点眼器を用いるユーザによる点眼を補助する点眼補助具であって、一方向に貫通する開口部を有する開口形成部と、一端部と他端部とを有して一方向に沿って延伸し、一端部が開口形成部に接続する第1構造部と、一端部と他端部とを有して一方向に沿って延伸するとともに、一端部が開口形成部に接続し、一端部を支点として他端部が第1構造部に対して進退移動可能な第2構造部と、第1構造部および第2構造部の少なくとも何れか一方に設けられ他方に向けて突出する突出部と、第2構造部の他端部に設けられ、他端部の移動に伴って他の部材に接触し、突出部と突出部に対向する対向部との間隔を予め定めた距離にする接触部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点眼器を用いるユーザによる点眼を補助する点眼補助具であって、
一方向に貫通する開口部を有する開口形成部と、
一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸し、当該一端部が前記開口形成部に接続する第1構造部と、
一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸するとともに、当該一端部が前記開口形成部に接続し、当該一端部を支点として当該他端部が前記第1構造部に対して進退移動可能な第2構造部と、
前記第1構造部および前記第2構造部の少なくとも何れか一方に設けられ他方に向けて突出する突出部と、
前記第2構造部の前記他端部に設けられ、当該他端部の移動に伴って他の部材に接触し、前記突出部と当該突出部に対向する対向部との間隔を予め定めた距離にする接触部と、
を備えることを特徴とする点眼補助具。
【請求項2】
前記第2構造部に設けられて、ユーザが当該第2構造部を移動させる際に指で摘まむ摘部を有し、
前記接触部は、前記摘部に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の点眼補助具。
【請求項3】
前記摘部の外形は、前記点眼器において点眼薬を貯留する貯留部の外形よりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の点眼補助具。
【請求項4】
前記摘部は、前記接触部の反対面に設けられて当該接触部側に向けて窪む凹部を有している、ことを特徴とする請求項2に記載の点眼補助具。
【請求項5】
前記突出部は、湾曲形状に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の点眼補助具。
【請求項6】
前記開口形成部、前記第1構造部、前記第2構造部、前記突出部および前記接触部は、一体形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の点眼補助具。
【請求項7】
前記開口形成部と前記第2構造部との間に設けられ、内側に向けて窪む溝部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の点眼補助具。
【請求項8】
点眼薬を貯留する貯留部、当該貯留部から点眼薬が吐出される吐出部、および当該貯留部に対して当該吐出部とは反対側に設けられ板状に形成される板状部を有する点眼器が取り付けられ、当該点眼器を用いた点眼を補助する点眼補助具であって、
前記点眼器の前記吐出部を保持する保持部と、
一端部が前記保持部に接続し、他端部が移動可能に設けられる移動部と、
前記移動部に設けられるとともに当該移動部の移動に伴って前記貯留部を押す押部と、
前記移動部に設けられて前記押部の移動範囲を制限する制限部と、
を備えることを特徴とする点眼補助具。
【請求項9】
前記制限部は、前記移動部の移動に伴って前記板状部に突き当たり前記押部の移動を制限する、ことを特徴とする請求項8に記載の点眼補助具。
【請求項10】
前記点眼器は、前記吐出部を封するキャップ部を有し、
前記保持部は、前記キャップが設けられた前記点眼器の前記吐出部を保持する、ことを特徴とする請求項8に記載の点眼補助具。
【請求項11】
前記点眼器の前記キャップ部に接続し、当該キャップ部を当該点眼器から取り外すことが可能な取外部を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の点眼補助具。
【請求項12】
前記保持部は、前記点眼器を取り付ける際に前記点眼器の向きを案内する案内部を有している、ことを特徴とする請求項8に記載の点眼補助具。
【請求項13】
点眼薬を貯留する貯留部、当該貯留部から点眼薬が吐出される吐出部、および当該貯留部に対して当該吐出部とは反対側に設けられ板状に形成される板状部を有する点眼器と、
一方向に貫通する開口部を有し、当該開口部に前記点眼器の前記吐出部が貫通して取り付けられる取付部と、
一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸するとともに、当該一端部が前記取付部に接続し、当該一端部を支点として当該他端部が移動可能な第1構造部と、
一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸するとともに、当該一端部が前記取付部に接続し、当該一端部を支点として当該他端部が移動可能な第2構造部と、
前記第1構造部および前記第2構造部にてそれぞれ突出して設けられ、当該第1構造部および当該第2構造部の移動に伴って、前記点眼器の前記貯留部を押す突出部と、
前記第1構造部および前記第2構造部にそれぞれ設けられ、当該第1構造部および当該第2構造部が移動した際に、前記点眼器の前記板状部を挟み込むことが可能な挟部と、
を備えることを特徴とする点眼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼補助具および点眼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、薬液瓶の首部を挿通する保持孔を形成した中間部材と、その両側に首振り可能に連結した薬液瓶を収納する収納凹部を備えた一対の保持部材とを具備し、不使用時には前記一対の保持部材間に薬液瓶を収納する収納容器を備え、また前記中間部材の適所には、点眼操作の際に目の周囲に当接することにより、前記薬液瓶を点眼位置に正確に保持するアダプタを立設してあり、点眼操作の際には、前記一対の保持部材の間で薬液瓶を保持するとともに、てこの原理を利用して、一対の保持部材の間の作用点部から薬液瓶に加えた力よりも大きな力が加わるようにした点眼補助具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、点眼薬を点眼する際に、点眼薬の点眼量は処方の観点からも大切である。したがって、点眼器から一定量の点眼液を吐出させることができれば、ユーザは安心して点眼を行うことができる。
本発明は、点眼器から一定量の点眼液を吐出させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、点眼器を用いるユーザによる点眼を補助する点眼補助具であって、一方向に貫通する開口部を有する開口形成部と、一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸し、当該一端部が前記開口形成部に接続する第1構造部と、一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸するとともに、当該一端部が前記開口形成部に接続し、当該一端部を支点として当該他端部が前記第1構造部に対して進退移動可能な第2構造部と、前記第1構造部および前記第2構造部の少なくとも何れか一方に設けられ他方に向けて突出する突出部と、前記第2構造部の前記他端部に設けられ、当該他端部の移動に伴って他の部材に接触し、前記突出部と当該突出部に対向する対向部との間隔を予め定めた距離にする接触部と、を備えることを特徴とする点眼補助具である。
【0006】
ここで、前記第2構造部に設けられて、ユーザが当該第2構造部を移動させる際に指で摘まむ摘部を有し、前記接触部は、前記摘部に設けられるとよい。
また、前記摘部の外形は、前記点眼器において点眼薬を貯留する貯留部の外形よりも大きいとよい。
また、前記摘部は、前記接触部の反対面に設けられて当該接触部側に向けて窪む凹部を有しているとよい。
また、前記突出部は、湾曲形状に形成されるとよい。
また、前記開口形成部、前記第1構造部、前記第2構造部、前記突出部および前記接触部は、一体形成されているとよい。
また、前記開口形成部と前記第2構造部との間に設けられ、内側に向けて窪む溝部を備えるとよい。
【0007】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、点眼薬を貯留する貯留部、当該貯留部から点眼薬が吐出される吐出部、および当該貯留部に対して当該吐出部とは反対側に設けられ板状に形成される板状部を有する点眼器が取り付けられ、当該点眼器を用いた点眼を補助する点眼補助具であって、前記点眼器の前記吐出部を保持する保持部と、一端部が前記保持部に接続し、他端部が移動可能に設けられる移動部と、前記移動部に設けられるとともに当該移動部の移動に伴って前記貯留部を押す押部と、前記移動部に設けられて前記押部の移動範囲を制限する制限部と、を備えることを特徴とする点眼補助具である。
【0008】
ここで、前記制限部は、前記移動部の移動に伴って前記板状部に突き当たり前記押部の移動を制限するとよい。
また、前記点眼器は、前記吐出部を封するキャップ部を有し、前記保持部は、前記キャップが設けられた前記点眼器の前記吐出部を保持するとよい。
また、前記点眼器の前記キャップ部に接続し、当該キャップ部を当該点眼器から取り外すことが可能な取外部を備えるとよい。
また、前記保持部は、前記点眼器を取り付ける際に前記点眼器の向きを案内する案内部を有しているとよい。
【0009】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、点眼薬を貯留する貯留部、当該貯留部から点眼薬が吐出される吐出部、および当該貯留部に対して当該吐出部とは反対側に設けられ板状に形成される板状部を有する点眼器と、一方向に貫通する開口部を有し、当該開口部に前記点眼器の前記吐出部が貫通して取り付けられる取付部と、一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸するとともに、当該一端部が前記取付部に接続し、当該一端部を支点として当該他端部が移動可能な第1構造部と、一端部と他端部とを有して前記一方向に沿って延伸するとともに、当該一端部が前記取付部に接続し、当該一端部を支点として当該他端部が移動可能な第2構造部と、前記第1構造部および前記第2構造部にてそれぞれ突出して設けられ、当該第1構造部および当該第2構造部の移動に伴って、前記点眼器の前記貯留部を押す突出部と、前記第1構造部および前記第2構造部にそれぞれ設けられ、当該第1構造部および当該第2構造部が移動した際に、前記点眼器の前記板状部を挟み込むことが可能な挟部と、を備えることを特徴とする点眼装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、点眼器から一定量の点眼液を吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態の点眼補助具の全体斜視図である。
【
図2】点眼補助具の対象となる点眼ボトルの説明図である。
【
図4】第1実施形態の点眼補助具の動作の説明図である。
【
図5】第2実施形態の点眼補助具の全体斜視図である。
【
図7】第2実施形態の点眼補助具の分解斜視図である。
【
図8】第2実施形態の点眼補助具の動作の説明図である。
【
図9】第2実施形態の点眼補助具におけるキャップ部の取り外し機能の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の点眼補助具1の全体斜視図である。
【0014】
(点眼補助具1)
図1に示すように、本実施形態の点眼補助具1は、点眼ボトル90(後述)を保持する保持部10と、ユーザが点眼補助具1を用いる際に操作する第1操作部20と、第1操作部20とともにユーザが点眼補助具1を用いる際に操作する第2操作部30と、を備える。
【0015】
点眼補助具1は、概形がU字状に形成されている。以下の説明において、U字状における内側に相当する点眼補助具1の領域を内側と呼び、U字状における外側に相当する点眼補助具1の領域を外側と呼ぶ。また、
図1に示す点眼補助具1の紙面下側を一方側と呼び、
図1に示す点眼補助具1の紙面上側を他方側と呼ぶ。
【0016】
そして、点眼補助具1には、内側に点眼ボトル90(後述の
図2参照)が取り付けられる。そして、本実施形態の点眼補助具1は、ユーザが点眼ボトル90を用いて眼に点眼をする際に、ユーザによる点眼の操作を補助する。
【0017】
ところで、本実施形態の点眼補助具1は、特に使い切りタイプの点眼ボトル90を対象とするものである。このタイプの点眼ボトル90は、一度の点眼に対応した量の点眼液が充填されるものであって、使い切りタイプではないものと比較してサイズが小さく、比較的薄い板状に形成されている(後述の
図2参照)。したがって、このタイプの点眼ボトル90は、例えば高齢者や患者などのユーザが使用する際、操作が非常に困難なものであった。そこで、本実施形態の点眼補助具1は、このような点眼ボトル90を用いるユーザを補助し、特に一定量の点眼を容易にする。
【0018】
ここで、点眼補助具1の詳細な説明のために、点眼補助具1が用いられる点眼ボトル90について説明する。
図2は、点眼補助具1の対象となる点眼ボトル90の説明図である。
【0019】
図2(A)に示すように、点眼ボトル90は、全体として板状であって、一方向に沿って延伸するとともに比較的薄く形成される。そして、点眼ボトル90は、本体となる本体部91と、本体部91に対して切り離すことが可能なキャップ部92とを有する。
本体部91は、点眼液が溜められる貯留部93と、貯留部93から点眼液が吐出される吐出部94とを有する。貯留部93を挟んでキャップ部92とは反対側に設けられる板状部95とを有する。また、キャップ部92は、吐出部94に接続した状態で貯留部93を密封する。点眼ボトル90の材料には、例えば合成樹脂を用いることができる。そして、本実施形態の点眼ボトル90は、貯留部93に貯留される点眼液の量を目視で確認することが可能な透明に形成される。
【0020】
図2(B)に示すように、使用前の点眼ボトル90は、本体部91にキャップ部92が接続されている。したがって、キャップ部92が取り付けられた状態では、貯留部93に溜められる点眼薬は密封される。また、板状部95には、点眼薬の名称、製造メーカ名、製造ロッド番号など点眼ボトル90に関する文字や図形の情報が設けられる。
【0021】
そして、
図2(C)に示すように、本体部91からキャップ部92を切り離すことで、吐出部94から点眼薬が流出することが可能な状態になる。本実施形態のキャップ部92は、本体部91に対して回転させることで本体部91からねじ切られる構造になっている。この状態で、貯留部93を押すことで、吐出部94から押込み量に応じた量の点眼薬が吐出される。なお、貯留部93には、3滴(例えば1滴は、約0.04mL)分に対応する点眼薬が溜められている。
【0022】
続いて、本実施形態の点眼補助具1について詳細に説明する。
図3は、第1実施形態の点眼補助具1の説明図である。なお、
図3(A)は、点眼補助具1の正面図である。
図3(B)は、点眼補助具1の側面図である。
図3(C)は、点眼補助具1の内側から見た場合の側面図である。
【0023】
本実施形態の点眼補助具1は、上述のとおり、保持部10、第1操作部20および第2操作部30を備える。本実施形態の点眼補助具1は、例えばポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を用いることができる。また、本実施形態の点眼補助具1は、点眼補助具1を構成する各種の構造部が一体に形成されている。本実施形態では、保持部10、後述する第1構造部21、第2構造部31、第1突出部29、第2突出部39、第1接触部27および第2接触部37は、一体形成されている。
【0024】
(保持部10)
図3(A)に示すように、保持部10は、点眼補助具1における端部に設けられている。そして、本実施形態の保持部10は、薄い板状であって、矩形状に形成されている。また、保持部10は、開口部11(
図1参照)を有している。
開口部11は、保持部10の厚さ方向である一方向に貫通する開口であって、略円形状に形成される。開口部11の内径は、吐出部94の外形よりも一回り大きく、貯留部93の外形よりは小さく形成されている。これによって、保持部10では、開口部11に吐出部94が貫通することが可能になっている。一方で、保持部10では、開口部11に貯留部93が引っ掛かるようになっている。このように、保持部10は、点眼ボトル90の吐出部94を開口部11に貫通させた状態で、貯留部93を含む本体部91を保持する。
【0025】
(第1操作部20)
図1に示すように、第1操作部20は、全体として、長く延びた板状に形成されている。第1操作部20は、一方側の端部が保持部10に接続し、他方側の端部が自由に移動可能な自由端になっている。また、
図3(A)に示すように、本実施形態の第1操作部20は、保持部10との接続箇所に、保持部10および第1操作部20の厚みよりも薄く形成される溝部20Tを備えている。本実施形態の溝部20Tは、U字状の外側に形成される。溝部20Tは、第1操作部20の幅方向に沿って全幅に渡って形成される。そして、第1操作部20は、保持部10側である一方側の端部を支点として、他方側の端部が移動可能になっている。
【0026】
図3(A)に示すように、第1操作部20は、一方向に沿って延伸する第1構造部21と、ユーザが摘まむ部分となる第1摘部23と、第2操作部30側に向けて突出する第1突出部29とを有している。さらに、第1摘部23は、外側に設けられる第1窪部25と、内側に設けられる第1接触部27とを有している。
【0027】
第1構造部21は、保持部10における開口部11が貫通する方向である一方向に沿って延伸する。本実施形態では、第1構造部21は、一端側にて保持部10に接続し、他端側に第1摘部23が設けられる。
【0028】
第1摘部23は、第1構造部21の他方側に設けられる。そして、第1摘部23は、ユーザの指で操作される部位を形成する。本実施形態の第1摘部23は、第1構造部21に対して傾斜している。本実施形態では、第1摘部23は、一方側から他方側に向けて、外側に広がるように形成さている。また、
図3(B)に示すように、本実施形態の第1摘部23の幅W1は、点眼ボトル90の幅W2(
図2(B)参照)よりも大きく形成されている(W1>W2)。なお、本実施形態における幅は、点眼補助具1または点眼ボトル90の長手方向と交差する方向の長さである。
【0029】
図3(B)に示すように、第1窪部25は、内側に向けて窪んでいる。第1窪部25は、ユーザの例えば指により操作されることを想定している。第1窪部25は、ユーザの指の腹に対応した形状に形成されている。第1窪部25は、ユーザの指が触れた際に指が引っ掛かり易くなっている。
【0030】
なお、本実施形態の点眼補助具1は、他のタイプの点眼補助具と組み合わせることが可能である。他のタイプの点眼補助具は、例えば円筒形状の点眼ボトルを押す突起が設けられたレバーを有するものを例示できる。この場合に、本実施形態の点眼補助具1の第1窪部25は、他のタイプの点眼補助具のレバーの突起が引っ掛かる箇所として機能する。
【0031】
図3(C)に示すように、第1接触部27は、矩形状に形成されている。そして、第1接触部27は、点眼ボトル90が点眼補助具1に取り付けられた状態で、板状部95に対向する位置に設けられる(後述の
図4参照)。また、第1接触部27は、後述する第2操作部30の第2接触部37とともに、板状部95を挟み込むことが可能になっている。そして、本実施形態の第1接触部27は、板状部95に接触することで、第1操作部20の移動を制限する。さらに、第1接触部27は、第1操作部20に設けられる第1突出部29の移動範囲を制限する。
【0032】
図3(A)に示すように、第1突出部29は、保持部10の他方側であって、第1接触部27の一方側に設けられる。第1突出部29は、湾曲形状に形成されている。本実施形態の第1突出部29は、中央部が最も高く両端部に向けて徐々に低くなる略円弧状に形成される。また、本実施形態の第1突出部29の幅W3(
図3(C)参照)は、貯留部93の幅W2(
図2(B)参照)よりも小さく形成されている(W3<W2)。
【0033】
第1突出部29は、点眼ボトル90が点眼補助具1に取り付けられた状態で、貯留部93に対向する位置に設けられる(後述の
図4参照)。第1突出部29の突出高さは、点眼ボトル90が点眼補助具1に点眼ボトル90が取り付けられた状態で、第1接触部27が板状部95に接触した際に、貯留部93を押して貯留部93から予め定められた量の点眼液が押し出されるように設定されている。
第1突出部29は、上述のとおり湾曲形状に形成されている。これによって、ユーザの指を模している。後述するように、第1突出部29は、ユーザの指で押したかのように、貯留部93を押し込むことを可能にする。
【0034】
(第2操作部30)
第2操作部30の基本構成は、第1操作部20と同様である。第2操作部30は、第1操作部20と線対称の関係になっている。
【0035】
図1に示すように、第2操作部30は、全体として、長く延びた板状に形成されている。第2操作部30は、一方側の端部が保持部10に接続し、他方側の端部が自由に移動可能な自由端になっている。また、本実施形態の第2操作部30は、保持部10との接続箇所に、保持部10および第2操作部30の厚みよりも薄く形成される溝部30Tを備えている。本実施形態の溝部30Tは、U字状の外側に形成される。そして、第2操作部30は、保持部10側である一方側の端部を支点として、他方側の端部が移動可能になっている。
【0036】
また、
図3(A)に示すように、第2操作部30は、一方向に沿って延伸する第2構造部31と、ユーザが摘まむ部分となる第2摘部33と、第1操作部20側に向けて突出する第2突出部39とを有している。さらに、第2摘部33は、外側に設けられる第2窪部35と、内側に設けられる第2接触部37とを有している。
本実施形態の第2操作部30の第2構造部31、第2摘部33、第2窪部35、第2接触部37および第2突出部39の基本構成は、第1操作部20の第1構造部21、第1摘部23、第1窪部25、第1接触部27および第1突出部29と同様である。
【0037】
そして、
図3(A)に示すように、第1操作部20および第2操作部30は、それぞれ対向して設けられる。特に、第1突出部29および第2突出部39は、互いに対向する。また、第1接触部27および第2接触部37は、互いに対向する。そして、第1操作部20および第2操作部30は、保持部10側を支点として、他端側が互いに進退移動可能になっている。この移動に伴って、第1突出部29および第2突出部39の距離や、第1接触部27および第2接触部37の距離が変化可能になっている。
【0038】
次に、本実施形態の点眼補助具1の製造方法について説明する。
本実施形態の点眼補助具1は、点眼補助具1の外形に対応する型に合成樹脂を流し込むことで形成する。型は、保持部10、第1操作部20および第2操作部30をそれぞれ対応する形状部が直線状に並べられている。型から取りだされた状態の点眼補助具1は、保持部10、第1操作部20および第2操作部30が直線状に並んでいる。この点眼補助具1を溝部20Tおよび溝部30Tにて屈曲させることで、U字状の点眼補助具1が得られる。
【0039】
続いて、第1実施形態の動作について詳細に説明する。
図4は、第1実施形態の点眼補助具1の動作の説明図である。
【0040】
図4(A)に示すように、点眼補助具1において、第1操作部20と第2操作部30との間に点眼ボトル90を位置させる。このとき、点眼ボトル90は、キャップ部92が取り外されて本体部91のみになっている。さらに、点眼ボトル90の吐出部94を開口部11に貫通させる。このときに、ユーザは板状部95を掴んで点眼ボトル90を操作することができるため、例えば貯留部93が押されて点眼薬が吐出されにくくなっている。
【0041】
次に、
図4(B)に示すように、ユーザが第1操作部20および第2操作部30を相互に近づく方向に操作する。具体的には、第1摘部23および第2摘部33を摘まむことで、板状部95に対してそれぞれ近づく方向に変位させる。本実施形態の第1操作部20および第2操作部30は、溝部20Tおよび溝部30Tをそれぞれ備えている。そのため、第1操作部20および第2操作部30は、内側に向けて曲げやすくなっている。
そして、第1操作部20および第2操作部30の変位に伴って、第1突出部29および第2突出部39がそれぞれ貯留部93に近づく方向に移動する。そして、貯留部93は、第1突出部29および第2突出部39に挟まれた状態で、第1突出部29および第2突出部39により押される。
【0042】
さらに、第1摘部23および第2摘部33を操作することで、第1接触部27および第2接触部37は、それぞれ板状部95に突き当たる。このとき、第1操作部20および第2操作部30の移動は制限される。さらに、第1操作部20および第2操作部30に設けられる第1突出部29および第2突出部39の移動も制限される。すなわち、第1接触部27および第2接触部37は、第1突出部29および第2突出部39との間隔を予め定めた距離にする。したがって、本実施形態の点眼補助具1では、ユーザが第1操作部20および第2操作部30を操作し、第1接触部27および第2接触部37がそれぞれ板状部95に接触するまで縮めることで、第1突出部29および第2突出部39が貯留部93を押す量が予め定めた量になる。そして、点眼補助具1を用いて点眼ボトル90から吐出される点眼液は、一定量になる。
【0043】
<第2実施形態>
第2実施形態の点眼補助具2について詳細に説明する。
図5は、第2実施形態の点眼補助具2の全体斜視図である。
【0044】
図5に示すように、本実施形態の点眼補助具2は、点眼ボトル90を保持する保持部50と、ユーザが点眼補助具2を用いる際に操作する第1操作部60と、第1操作部60とともにユーザが点眼補助具2を用いる際に操作する第2操作部70とを備える。
【0045】
点眼補助具1は、概形がY字状に形成されている。以下の説明において、Y字状における内側に相当する点眼補助具2の領域を内側と呼び、Y字状における外側に相当する点眼補助具2の領域を外側と呼ぶ。また、
図5に示す点眼補助具2の紙面下側を一方側と呼び、
図5に示す点眼補助具2の紙面上側を他方側と呼ぶ。
【0046】
そして、点眼補助具2には、内側に点眼ボトル90が取り付けられる(後述する
図8参照)。そして、本実施形態の点眼補助具2は、ユーザが点眼ボトル90を用いて点眼をする際に、ユーザによる点眼の操作を補助する。
【0047】
図6は、第2実施形態の保持部50の説明図である。なお、
図6は、保持部50を上側から見た図である。
図7は、第2実施形態の点眼補助具2の分解斜視図である。
【0048】
(保持部50)
保持部50は、全体として略円筒状に形成される(
図7参照)。そして、
図6に示すように、保持部50は、所定の形状に開口する開口部51と、点眼ボトル90の向きを案内するボトル案内部53と、第1操作部60が取り付けられる第1取付部55と、第2操作部70が取り付けられる第2取付部57と、を有する。
【0049】
開口部51は、保持部50の円筒軸方向である一方向に貫通している。開口部51は、点眼ボトル90のキャップ部92および吐出部94に対応した形状に形成されている。そして、開口部51は、点眼ボトル90のキャップ部92および吐出部94の外形よりも一回り大きく、貯留部93の外形より小さく形成されている。これによって、保持部50では、開口部51にキャップ部92および吐出部94が貫通することが可能になっている。一方で、保持部50では、開口部51に貯留部93が引っ掛かるようになっている。このように、保持部50は、点眼ボトル90の吐出部94を開口部51に貫通させた状態で、貯留部93を含む本体部91を保持することが可能になっている。
【0050】
ボトル案内部53は、点眼ボトル90の貯留部93の外形に対応した形状に形成されている。本実施形態のボトル案内部53は、貯留部93の外形よりも一回り大きく形成されている。そして、ボトル案内部53は、軸方向において点眼ボトル90を移動可能にするとともに、軸を中心とした点眼ボトル90の回転を制限する。この構造によって、ボトル案内部53は、保持部50に点眼ボトル90を取り付ける際に、点眼ボトル90の回転方向の角度が予め定めた向きになるように案内する。
【0051】
第1取付部55は、所定の形状に開口している。そして、第1取付部55は、第1操作部60の後述する第1構造部61が挿入される箇所を形成する。そして、第1取付部55は、第1操作部60を支持する。
【0052】
第2取付部57は、所定の形状に開口している。そして、第2取付部57は、第2操作部70の後述する第2構造部71が挿入される箇所を形成する。そして、第2取付部57は、第2操作部70を支持する。
【0053】
(第1操作部60)
図7に示すように、第1操作部60は、全体として、長く延びた板状に形成されている。第1操作部60は、一方側の端部が保持部50に接続し、他方側の端部が自由に移動可能な自由端になっている。
【0054】
第1操作部60は、一方向に沿って延伸する第1構造部61と、点眼補助具2を操作する際にユーザが摘まむ第1摘部63と、板状部95に接触可能な第1接触部65と、貯留部93に向けて突出する第1突出部67とを有している。
【0055】
第1構造部61は、第1操作部60における一方側の端部に設けられている。第1構造部61は、保持部50における開口部51が貫通する方向である一方向に沿って延伸する。そして、第1構造部61は、保持部50に接続される部位を形成する。これによって、第1操作部60は、保持部50と接続する。
【0056】
第1摘部63は、第1接触部65の他方側に設けられる。そして、第1摘部63は、ユーザの指で操作される部位を形成する。本実施形態の第1摘部63は、第1構造部61に対して傾斜している。本実施形態では、第1摘部63は、一方側から他方側に向けて、外側に広がるように形成さている。そして、第1摘部63の幅W5は、点眼ボトル90の幅W2(
図2(B)参照)よりも大きく形成されている(W5>W2)。
【0057】
本実施形態の第1摘部63は、外側に第1窪部64を有している。第1窪部64は、ハート形の外形に沿って切立つ縁の内側にて窪む構造になっている。そして、第1窪部64は、ユーザの指が触れた際に指が引っ掛かり易くなっている。
【0058】
また、第1摘部63は、第1接触部65に対して着脱可能に構成されている。第1摘部63は、挿入溝63Hを有している。そして、第1摘部63は、挿入溝63Hに第1接触部65が挿入されることで、第1接触部65と接続した状態になる。一方で、第1摘部63は、第1接触部65から引き抜かれることで、第1接触部65から分離した状態になる。
【0059】
第1接触部65は、矩形の板状に形成された部分である。第1接触部65は、第1構造部61における他方側であって第1摘部63の一方側に設けられる。そして、第1接触部65は、点眼ボトル90が点眼補助具2に取り付けられた状態で、板状部95に対向する位置に設けられる。
第1接触部65は、後述する第2操作部70の第2接触部75とともに、点眼ボトル90の板状部95を挟み込むことが可能になっている。そして、本実施形態の第1接触部65は、板状部95に接触することで、第1操作部60のそれ以上の移動を制限する。このように、第1接触部65は、第1操作部60に設けられる第1突出部67の移動範囲を制限する。
【0060】
第1突出部67は、第1構造部61の内側に設けられる。本実施形態の第1突出部67は、保持部50の他方側であって第1接触部65の一方側に設けられる。第1突出部67は、中央部が最も高く両端部に向けて徐々に低くなる略台形状に形成される。本実施形態の第1突出部67は、2列の突条部によって構成されている。また、本実施形態の第1突出部67の幅W6は、貯留部93の幅W2(
図2(B)参照)よりも小さく形成されている(W6<W2)。
そして、第1突出部67は、点眼ボトル90が点眼補助具2に取り付けられた状態で、貯留部93に対向する位置に設けられる。第1突出部67の突出高さは、点眼ボトル90が点眼補助具2に取り付けられた状態で、第1接触部65が板状部95に接触した際に、貯留部93を押して貯留部93から予め定められた量の点眼液が押し出されるように設定されている。
【0061】
(第2操作部70)
第2操作部70の基本構成は、第1操作部60と同様である。第2操作部70は、第1操作部60と線対称の関係になっている。
図7に示すように、第2操作部70は、全体として、長く延びた板状に形成されている。第2操作部70は、一方側の端部が保持部50に接続し、他方側の端部が自由に移動可能な自由端になっている。そして、第2操作部70は、保持部50側である一方側の端部を支点として、他方側の端部が移動可能になっている。
【0062】
また、第2操作部70は、一方向に沿って延伸する第2構造部71と、点眼補助具2を操作する際にユーザが摘まむ第2摘部73と、板状部95に接触可能な第2接触部75と、貯留部93に向けて突出する第2突出部77とを有している。また、第2摘部73は、外側に設けられる第2窪部74を有している。
本実施形態の第2操作部70の第2構造部71、第2摘部73、第2窪部74、第2接触部75および第2突出部77の基本構成は、第1操作部60の第1構造部61、第1摘部63、第1窪部64、第1接触部65および第1突出部67と同様である。
【0063】
そして、
図7に示すように、第1操作部60および第2操作部70は、それぞれ対向して設けられる。特に、第1突出部67および第2突出部77は、互いに対向する。また、第1接触部65および第2接触部75は、互いに対向する。そして、第1操作部60および第2操作部70の他端側は、保持部50側を支点として、互いに進退移動可能になっている。この移動に伴って、第1突出部67および第2突出部77の距離や、第1接触部65および第2接触部75の距離が変化可能になっている。
【0064】
続いて、第2実施形態の動作について詳細に説明する。
図8は、第2実施形態の点眼補助具2の動作の説明図である。なお、
図8では、第1摘部63および第2摘部73の図示を省略している。
【0065】
図8(A)に示すように、点眼補助具2において、第1操作部60と第2操作部70との間に点眼ボトル90を位置させる。このとき、点眼ボトル90は、キャップ部92が取り付けられた状態になっている。このように、本実施形態の点眼補助具2は、キャップ部92が取り付けられた状態の点眼ボトル90を、点眼補助具2にセットすることができる。そのため、万が一貯留部93が押されても点眼薬が吐出されることがない。また、吐出部94が露出していないため、実際に点眼を行うまでの間に貯留部93に外部から異物などが侵入することも抑制される。
【0066】
次に、
図8(B)に示すように、ユーザが第1操作部60および第2操作部70を相互に近づく方向に操作する。具体的には、第1摘部63および第2摘部73(
図5参照)を摘まむことで、板状部95に対してそれぞれ変位させる。そして、第1操作部60および第2操作部70の変位に伴って、第1突出部67および第2突出部77がそれぞれ貯留部93に近づく方向に移動する。そして、貯留部93は、第1突出部67および第2突出部77に挟まれた状態で、第1突出部67および第2突出部77に押される。
【0067】
さらに、第1摘部63および第2摘部73(
図5参照)を操作することで、第1接触部65および第2接触部75は、それぞれ板状部95に突き当たる。このとき、第1操作部60および第2操作部70の移動が制限される。さらに、第1操作部60および第2操作部70にそれぞれ設けられる第1突出部67および第2突出部77は、その移動が制限される。すなわち、第1接触部65および第2接触部75は、第1突出部67および第2突出部77との間隔を予め定めた距離にする。したがって、本実施形態の点眼補助具2では、ユーザが第1操作部60および第2操作部70を操作し、第1接触部65および第2接触部75がそれぞれ板状部95に接触するまで縮めることで、第1突出部67および第2突出部77が貯留部93を押す量が一定量になる。そして、点眼補助具2を用いて点眼ボトル90から吐出される点眼液は、一定量になる。
【0068】
図9は、第2実施形態の点眼補助具2におけるキャップ部92の取り外し機能の説明図である。
図9(A)に示すように、点眼補助具2に点眼ボトル90をセットする。このとき、点眼ボトル90の本体部91には、キャップ部92が取り付けられた状態である。また、点眼補助具2は、他方側の端部に第1摘部63が設けられている。
そして、
図9(B)に示すように、第1摘部63を第1接触部65から引き抜く。そして、第1摘部63の挿入溝63Hをキャップ部92に対峙させる。さらに、第1摘部63の挿入溝63Hをキャップ部92に嵌め込む。そして、第1摘部63を回転させることで、キャップ部92を本体部91に対してねじ切る。そして、本体部91に対して、キャップ部92を分離させる。本実施形態の第1摘部63のサイズは、ユーザの操作が容易になるように、キャップ部92よりも十分に大きくなっている。また、本体部91は、点眼補助具2により保持されている。つまり、ユーザが操作しようとする本体部91は、実質的に点眼補助具2のサイズになっている。これによって、ユーザは、例えば点眼補助具2を用いずに本体部91とキャップ部92とを分離させるときよりも、指でつかむ対象のサイズが大きい状態でキャップ部92を分離する操作を行うことができる。
【0069】
なお、例えば第1実施形態の点眼補助具1では、第1操作部20および第2操作部30の両方が移動可能に構成されているが、この態様に限定されない。第1操作部20および第2操作部30のうち一方が例えば保持部10に固定され、他方が移動可能に構成されていてもよい。これは、第2実施形態の点眼補助具2においても同様である。
【0070】
また、例えば第1実施形態の点眼補助具1では、第1操作部20および第2操作部30に第1突出部29および第2突出部39がそれぞれ設けられているが、この態様に限定されない。例えば点眼補助具1において、第1突出部29および第2突出部39のうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0071】
なお、例えば第1実施形態の点眼補助具1では、点眼ボトル90の板状部95に第1接触部27および第2接触部37を接触させることで、第1突出部29および第2突出部39の押し込み量を設定しているが、この態様に限定されない。点眼補助具1は、板状部95に限らず、点眼ボトル90における貯留部93とは異なる箇所に第1接触部27等を接触させることで、第1突出部29および第2突出部39の移動範囲を制限してもよい。
【0072】
また、例えば点眼補助具1は、点眼ボトル90に第1接触部27等を接触させることに限定されない。点眼補助具1では、第1接触部27および第2接触部37を点眼ボトル90に接触させずに、例えば第1接触部27および第2接触部37同士を直接接触させることで、第1突出部29および第2突出部39の移動範囲を制限してもよい。
【0073】
なお、本実施形態の点眼補助具1および点眼補助具2の補助対象は、本実施形態の点眼ボトル90に限定されず、他の形状の点眼器に用いることができる。この場合に、例えば第1構造部21の移動に伴って点眼器において点眼薬が貯留される貯留部とは異なる場所に接触部が接触するように構成する。そして、貯留部を押す突出部の間隔が予め定められた距離になるようにすればよい。
【0074】
(変形例)
図10は、変形例の点眼補助具1の説明図である。
【0075】
図10に示すように、変形例の点眼補助具1は、第1摘部230および第2摘部330の構成が第1実施形態とは異なる。
第1摘部230は、内側に設けられる第1接触部27と、第1接触部27に対して着脱可能に構成された第1カバー部270を備える。同様に、第2摘部330は、内側に設けられる第1接触部27と、第2接触部37に対して着脱可能に構成された第2カバー部370を備える。
そして、変形例の点眼補助具1は、第1カバー部270および第2カバー部370の着脱状態に応じて、第1突出部29および第2突出部39が互いに近づく方向における移動範囲を調整可能になっている。
【0076】
例えば第1カバー部270および第2カバー部370の両方を取り付けた状態では、板状部95に接触した状態での第1突出部29および第2突出部39の間隔が最も大きくなる。次に、例えば第1カバー部270および第2カバー部370の両方を外した状態では、板状部95に接触した状態での第1突出部29および第2突出部39の間隔が最も小さくなる。そして、例えば第1カバー部270および第2カバー部370いずれか一方を取り付けた状態では、板状部95に接触した状態での第1突出部29および第2突出部39の間隔が中間の距離になる。このように、第1カバー部270および第2カバー部370の着脱態様によって第1突出部29および第2突出部39の距離を変更し、貯留部93からの点眼薬の吐出量を変えることができる。
【0077】
ここで、保持部10および保持部50は、開口形成部、保持部、取付部の一例である。第1突出部29、第1突出部67、第2突出部39および第2突出部77は、突出部および押部の一例である。第1接触部27、第2接触部37、第1接触部65および第2接触部75は、接触部、制限部および挟部の一例である。第1窪部25、第2窪部35、第1窪部64および第2窪部74は、凹部の一例である。第1構造部21、第2構造部31、第1構造部61および第2構造部71は、移動部の一例である。第1摘部63および第2摘部73は、取外部の一例である。ボトル案内部53は、案内部の一例である。点眼ボトル90は、点眼器の一例である。
また、点眼ボトル90が取付けられた点眼補助具1または点眼補助具2を点眼装置と捉えることができる。
【0078】
なお、上記では種々の変形例を説明したが、これらの変形例同士や変形例と本実施形態とを組み合わせて構成してもよい。例えば、第1実施形態においても、開口部11の形状を、キャップ部92に対応させてもよい。これによって、第2実施形態と同様に、キャップ部92が取り付けられた状態の点眼ボトル90を点眼補助具1にセットできる。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
1…点眼補助具、2…点眼補助具、10…保持部、11…開口部、20…第1操作部、21…第1構造部、23…第1摘部、25…第1窪部、27…第1接触部、29…第1突出部、30…第2操作部、31…第2構造部、33…第2摘部、35…第2窪部、37…第2接触部、39…第2突出部、53…ボトル案内部、55…第1取付部、57…第2取付部、60…第1操作部、61…第1構造部、63…第1摘部、63H…挿入溝、64…第1窪部、65…第1接触部、67…第1突出部、70…第2操作部、71…第2構造部、73…第2摘部、74…第2窪部、75…第2接触部、77…第2突出部、90…点眼ボトル、91…本体部、92…キャップ部、93…貯留部、94…吐出部、95…板状部