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特開2024-179918バリカンおよびバリカンで用いられるモータブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179918
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】バリカンおよびバリカンで用いられるモータブロック
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/28 20060101AFI20241219BHJP
   H02K 7/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B26B19/28 F
H02K7/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099254
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】高野 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小川 仁志
【テーマコード(参考)】
3C056
5H607
【Fターム(参考)】
3C056HA02
3C056HA08
3C056HA19
3C056HA21
5H607AA04
5H607BB01
5H607DD09
5H607EE55
(57)【要約】
【課題】使用時の静音化を図ることが可能なバリカンおよびバリカンで用いられるモータブロックを得る。
【解決手段】バリカン1は、モータ駆動部61と第1方向に延在する回転軸62とを有する回転モータ6を備えており、モータ駆動部61は、回転軸62の周面621との間にクリアランス63を設けた状態で回転軸62を支持する軸受け部612を備えている。また、バリカン1は、第1方向と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧し、回転軸62の回転を許容しつつクリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレを規制する軸当て部72と、軸当て部72を支持する支持部71と、を備えている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する回転軸と、前記回転軸を回転駆動させることが可能なモータ駆動部と、を有する回転モータと、
前記回転軸に連結されて、前記回転軸の回転運動を往復直線運動に変換することが可能な変換機構と、
前記変換機構に連結されて往復直線運動することが可能な可動刃と、
前記可動刃が摺接することが可能な固定刃と、
前記モータ駆動部に設けられ、前記回転軸の周面との間にクリアランスを設けた状態で前記回転軸を支持する軸受け部と、
前記第1方向と交差する方向における少なくとも1つの方向に前記回転軸を押圧し、前記回転軸の回転を許容しつつ前記クリアランスに起因する前記回転軸の回転時の軸ブレを規制する軸当て部と、
前記軸当て部を支持する支持部と、
を備える、
バリカン。
【請求項2】
前記支持部が前記モータ駆動部と一体化されており、
前記モータ駆動部と前記支持部と前記軸当て部とが、モータブロックの少なくとも一部を構成している、
請求項1に記載のバリカン。
【請求項3】
前記支持部と前記モータ駆動部とを一体化した状態で前記周面が前記軸受け部に接触している、
請求項2に記載のバリカン。
【請求項4】
前記軸当て部を一対備え、
前記支持部と前記モータ駆動部とを一体化した状態で、前記一対の軸当て部によって前記回転軸が挟持されている、
請求項2に記載のバリカン。
【請求項5】
前記軸当て部は、前記第1方向と交差する方向に延在する梁部である、
請求項1~4のうちいずれか1項に記載のバリカン。
【請求項6】
前記梁部が両持ち梁構造をしている、
請求項5に記載のバリカン。
【請求項7】
前記梁部が片持ち梁構造をしている、
請求項5に記載のバリカン。
【請求項8】
前記梁部が延在する方向と前記可動刃が往復直線運動する方向とが直交している、
請求項5に記載のバリカン。
【請求項9】
前記軸当て部における前記周面が摺接する面に凹部が形成されている、
請求項1~4のうちいずれか1項に記載のバリカン。
【請求項10】
前記支持部は、前記モータ駆動部に取り付けられる取付部を有している、
請求項1~4のうちいずれか1項に記載のバリカン。
【請求項11】
前記モータ駆動部は、モータ本体をさらに備えており、
前記モータ本体から前記第1方向に突出するように前記軸受け部が形成されており、
前記取付部は、前記軸受け部が挿入される挿入孔が形成された環状部を有している、
請求項10に記載のバリカン。
【請求項12】
前記モータ駆動部は、モータ本体をさらに備えており、
前記モータ本体から前記第1方向に突出するように前記軸受け部が形成されており、
前記取付部は、一対の先端を周方向に離間させた状態で前記軸受け部に装着されるC字状部を有している、
請求項10に記載のバリカン。
【請求項13】
前記支持部は、前記モータ駆動部に形成された被固定部に固定される固定部を有している、
請求項1~4のうちいずれか1項に記載のバリカン。
【請求項14】
前記回転モータを保持するモータ保持部を有するハウジングをさらに備え、
前記ハウジングに前記支持部が形成されている、
請求項1に記載のバリカン。
【請求項15】
請求項2~4のうちいずれか1項に記載のバリカンで用いられるモータブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バリカンおよびバリカンで用いられるモータブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バリカンとして、下記の特許文献1に開示されているように、往復直線運動することが可能な可動刃と、可動刃が摺接することが可能な固定刃とを備えるものが知られている。
【0003】
この特許文献1では、可動刃を往復直線運動させる駆動源として回転モータが用いられており、この回転モータの出力軸が変換機構を介して可動刃に連結されている。こうすることで、出力軸の回転に伴って可動刃が往復直線運動するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05-317537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、回転モータを用いて可動刃を往復直線運動させるタイプのバリカンにおいては、使用時の静音化を図れるようにするのが好ましい。
【0006】
そこで、本開示は、使用時の静音化を図ることが可能なバリカンおよびバリカンで用いられるモータブロックを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかるバリカンは、第1方向に延在する回転軸と、前記回転軸を回転駆動させることが可能なモータ駆動部と、を有する回転モータと、前記回転軸に連結されて、前記回転軸の回転運動を往復直線運動に変換することが可能な変換機構と、前記変換機構に連結されて往復直線運動することが可能な可動刃と、前記可動刃が摺接することが可能な固定刃と、前記モータ駆動部に設けられ、前記回転軸の周面との間にクリアランスを設けた状態で前記回転軸を支持する軸受け部と、前記第1方向と交差する方向における少なくとも1つの方向に前記回転軸を押圧し、前記回転軸の回転を許容しつつ前記クリアランスに起因する前記回転軸の回転時の軸ブレを規制する軸当て部と、前記軸当て部を支持する支持部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様にかかるモータブロックは、上記バリカンで用いられるものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、使用時の静音化を図ることが可能なバリカンおよびバリカンで用いられるモータブロックを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかるバリカンの一例を示す正面図である。
図2】実施の形態にかかるバリカンの一例を示す断面図である。
図3】実施の形態にかかるバリカンの一例を示す分解斜視図である。
図4】実施の形態にかかるモータブロックの一例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させる前の状態を拡大して示す斜視図である。
図5】実施の形態にかかるモータブロックの一例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させた状態を拡大して示す斜視図である。
図6】実施の形態にかかるモータブロックの一例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させた状態を拡大して示す正面図である。
図7】実施の形態にかかるモータブロックの一例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させた状態を示す平面図である。
図8】実施の形態にかかるモータブロックの一例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させる前の状態を拡大して示す断面図である。
図9】実施の形態にかかるモータブロックの一例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させた状態を拡大して示す断面図である。
図10】実施の形態にかかるモータブロック用部材の一例を示す斜視図である。
図11】実施の形態にかかるモータブロックの第1変形例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させた状態を拡大して示す斜視図である。
図12】実施の形態にかかるモータブロックの第2変形例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させた状態を拡大して示す斜視図である。
図13】実施の形態にかかるモータブロックの第3変形例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させる前の状態を拡大して示す斜視図である。
図14】実施の形態にかかるモータブロックの第3変形例を示す図であって、モータブロック用部材と回転モータとを一体化させた状態を拡大して示す斜視図である。
図15】実施の形態にかかるバリカンの変形例を示す図であって、回転モータを第2分割ハウジングに組み付けた状態を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0012】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
また、以下の実施の形態およびその変形例では、回転モータの回転軸が延在する方向(回転軸の軸方向)をZ方向(第1方向:上下方向)、可動刃が往復直線運動する方向をY方向(幅方向:第2方向)、Y方向およびZ方向と交差(直交)する方向をX方向(前後方向:第3方向)として説明する。
【0014】
そして、回転軸の先端が上方を向くようにした状態でバリカンの上下方向を規定して説明する。
【0015】
また、以下の実施の形態およびその変形例では、スイッチボタンが設けられている側を、バリカンの前側(X方向の前方)と定義して説明する。
【0016】
(実施の形態)
本実施の形態にかかるバリカン1は、図1図3に示すように、本体部2と、本体部2に着脱可能に取り付けられる刃ブロック3と、を備えている。本実施の形態では、本体部2は細長形状をしており、この本体部2には、手で把持することが可能なグリップ部(把持部)2aが形成されている。
【0017】
このバリカン1は、例えば、使用者等の毛髪等を所望の長さにカットすることで、使用者等の毛髪を処理したり整えたりするための装置であり、刃ブロック3は、金属製の固定刃3122と、固定刃3122に対してY方向(幅方向:第2方向)に往復摺動(摺接)する金属製の可動刃3222と、を備えている。
【0018】
そして、刃ブロック3を本体部2に装着し、本体部2内に収容されている回転モータ6を駆動源として可動刃3222を固定刃3122に対してY方向(幅方向:第2方向)に往復摺動させることで、固定刃3122と可動刃3222とで毛髪を挟み込んで切断するようにしている。
【0019】
また、本実施の形態では、本体部2は、バリカン1の外殻をなすハウジング4を備えている。このハウジング4は、例えば、合成樹脂等の材料を用いて形成することができ、ハウジング4にはスイッチボタン43が外部に露出するようにした状態で内側に押し込み可能に取り付けられている。
【0020】
また、本実施の形態では、ハウジング4は、複数の分割体を継ぎ合わせることで形成されており、スイッチボタン43および表示部44が形成された第1分割ハウジング41と、この第1分割ハウジング41に継ぎ合わされる第2分割ハウジング42と、を備えている。そして、第1分割ハウジング41および第2分割ハウジング42を含む複数の分割体を継ぎ合わせて形成したハウジング4の内部に空洞が形成されるようにし、この空洞内に、回転モータ6などの各種電気部品が収容されるようにしている。これら複数の分割体は、例えば、ねじを用いたり、分割体同士を嵌合させたりすることで継ぎ合わせることができる。
【0021】
本実施の形態では、図3に示すように、第1分割ハウジング41と第2分割ハウジング42とを継ぎ合わせる際に、第1分割ハウジング41に形成されたフック部411を第2分割ハウジング42に形成された係止部421に係止させるようにしたものを例示している。また、第1分割ハウジング41に形成された環状リブ412と第2分割ハウジング42に形成された環状リブ422とを対向させた状態で、環状リブ412と環状リブ422とをネジ971で固定することで、第1分割ハウジング41と第2分割ハウジング42とを継ぎ合わせるようにしたものを例示している。
【0022】
さらに、本実施の形態では、図2に示すように、第2分割ハウジング42に前側(第1分割ハウジング41側)に凹む凹部423が形成されており、この凹部423の前端に環状リブ422が形成されるようにしている。この凹部423には、環状リブ412と環状リブ422とをネジ971で固定した際に、ネジ971の頭部が収容されるようになっており、ネジ971の頭部を凹部423に収容した状態で、ネジ隠しカバー45で凹部423を塞ぐようにしている。こうすることで、環状リブ412と環状リブ422とを固定するネジ971が外部に露出しないようにしている。
【0023】
そして、このようにして形成したハウジング4の内部の空洞に、電池91と、電池91により駆動される回転モータ6と、が収容されるようにしている。本実施の形態では、回転モータ6は、第2分割ハウジング42に形成されたモータ保持部424に保持された状態で、ハウジング4の内部の空洞に収容されている。
【0024】
一方、電池91は、電池保持台92に形成された電池保持部921に保持された状態で、ハウジング4の内部の空洞に収容されている。本実施の形態では、電池保持部921は、X方向(前後方向:第3方向)の後方に開口するように形成されており、この電池保持部921に電池91を収容することで、電池91が電池保持部921に保持されるようにしている。そして、電池保持部921に電池91を収容した状態で、電池保持台92をハウジング4の内部の空洞に収容することで、電池91がハウジング4の内部の空洞に収容されるようにしている。
【0025】
なお、電池保持部921に収容する電池91としては、例えば、乾電池や、乾電池と同一の形状をしており、乾電池との互換が可能な充電池(乾電池形状の充電池)等がある。本実施の形態では、乾電池と同一の形状をしており、乾電池との互換が可能な充電池(乾電池形状の充電池)を1個だけ用いたものを例示している。そして、図3に示すように、ハウジング4の幅(Y方向の長さ)は、2個の充電池(乾電池形状の充電池)をY方向に並設させることができない程度の幅となっている。このように、本実施の形態では、より小型化が図られたバリカン1を例示している。このような小型のバリカン1は、例えば、揉み上げや襟足のカット等、仕上げ用のバリカンとして用いることができる。
【0026】
さらに、ハウジング4の内部に形成される空洞内には、回転モータ6が備える回転軸62の回転運動を往復直線運動に変換する変換機構としての偏心カム8が収容されている。
【0027】
偏心カム8は、回転軸62の先端部(上端部)に連結されてカム本体81と、カム本体81の上部における回転軸62と偏心する位置に連結される偏心軸82と、を備えている。そして、回転軸62を回転させた際に、回転軸62の回転に連動してカム本体81が回転し、カム本体81の回転に連動して偏心軸82が回転軸62を中心として回転するようにしている。
【0028】
本実施の形態では、偏心軸82は、図2に示すように、先端が刃ブロック3側(図2の上側)に突出するようにした状態でハウジング4の内部の空洞に収容されており、この偏心軸82の先端部が刃ブロック3の後述する案内板321に連結されるようになっている。
【0029】
また、ハウジング4の内部に形成される空洞内には、外部に露出させたスイッチボタン43の押込み操作に応じて回転モータ6への電力供給を制御する回路基板93等が収容されている。この回路基板93は、電池保持台92のX方向(前後方向:第3方向)の前側に形成された基板保持部922に保持された状態で、ハウジング4の内部の空洞に収容されている。
【0030】
また、電池保持部921には、一対の電極端子923が取り付けられており、電池保持台92に形成された電池保持部921に電池91を配置した際には、電池91の一方の電極が、一方の電極端子923を介して回路基板93に電気的に接続され、電池91の他方の電極が、他方の電極端子923を介して回路基板93に電気的に接続されるようになっている。
【0031】
また、回転モータ6には、一対の端子6112が設けられており、各端子6112は、図示省略したリード線を介して回路基板93に電気的に接続されている。こうすることで、電池91から供給される電力を用いて、回転モータ6の駆動が制御されるようにしている。
【0032】
ここで、本実施の形態では、第1分割ハウジング41のX方向(前後方向:第3方向)の中央部におけるY方向(幅方向:第2方向)の中央部に貫通孔413が形成されており、この貫通孔413がスイッチボタン(操作子)43で塞がれるようにしている。このスイッチボタン43は、貫通孔413の貫通方向(第1分割ハウジング41の板厚方向)に移動できるようにした状態で、第1分割ハウジング41に取り付けられている。そして、スイッチボタン43を押圧することで、バリカン1の電源のオン・オフが切り替えられるようにしている。
【0033】
具体的には、回路基板93には、スイッチ素子931が実装されており、このスイッチ素子931がスイッチボタン43によって操作されることで電源のオン・オフが切り替えられるようにしている。
【0034】
なお、本実施の形態では、電源のオン・オフを切り替える操作子として、押圧式のスイッチボタン43を例示しているが、その他の操作子とすることも可能である。例えば、スライド式の操作子等の機械式スイッチ、静電センサや感圧式センサ等、機械式スイッチ以外のスイッチ等の操作子とすることも可能である。
【0035】
また、回路基板93には複数個のLED932も実装されており、第1分割ハウジング41の貫通孔413よりも下方におけるY方向(幅方向:第2方向)の中央部には、4つの貫通孔414が、Z方向(上下方向:第1方向)に略沿って並ぶように形成されている。そして、LED932から出射された光が、貫通孔414から外部に照射されるようにしている。
【0036】
本実施の形態では、回路基板93に実装された複数個のLED932が、光透過性を有するLEDカバー94で覆われるようにしている。そして、複数個のLED932がLEDカバー94で覆った状態で、LEDカバー94に形成された4つの導光部941が対応する貫通孔414にそれぞれ挿入されるようにしている。こうすることで、LED932から出射された光が、導光部941を透過して外部に照射されるようにし、例えば、照射する光の色、光の照射方法(例えば、常時点灯、点滅等)により、バリカン1が通電状態であること、電池91の充電中であること等を目視で知らせることができるようにしている。このように、本実施の形態では、導光部941によって塞がれた貫通孔414に、電源のオン・オフ状態や電池91の充電状況等を確認する表示部44としての機能を持たせるようにしている。
【0037】
また、本実施の形態では、図2に示すように、プラグユニット95が電池保持台92に保持されている。このプラグユニット95は、プラグ端子952をプラグ基台951に保持させることで形成されており、プラグ端子952を保持したプラグ基台951を電池保持台92に保持させた状態で、プラグ端子952が回路基板93に電気的に接続されるようにしている。
【0038】
このプラグユニット95は、電池保持台92におけるZ方向(上下方向:第1方向)の下端に、プラグ端子952の先端部9521が下方を向くようにした状態で保持されており、プラグ端子952の先端部9521がハウジング4の外部に露出するようにしている。具体的には、プラグカバー46に形成された挿通孔(図示せず)にプラグ端子952を挿通させ、プラグ端子952の先端部9521をプラグカバー46から露出させた状態で、プラグカバー46をネジ972により第2分割ハウジング42に固定することで、プラグ端子952の先端部9521がハウジング4の外部に露出するようにしている。
【0039】
そして、ハウジング4の外部に露出するプラグ端子952の先端部9521に図示省略した充電ケーブル(充電コード)を差し込むことで、電池91が充電されるようにしている。
【0040】
なお、電源コード等を用いて外部から電源が供給されるようにすることも可能である。
【0041】
刃ブロック3は、毛髪を切断する機能を有しており、可動刃3222と固定刃3122とを互いに対向するように配置することで形成された刃部(バリカンの刃)を備えている。
【0042】
本実施の形態では、この刃ブロック3が、図2および図3に示すように、固定刃3122を有する固定刃ブロック31と、可動刃3222を有し、固定刃ブロック31に対して相対的にY方向(幅方向:第2方向)に往復直線運動することが可能な可動刃ブロック32と、を備えるようにしている。そして、可動刃ブロック32を固定刃ブロック31に対して相対的にY方向(幅方向:第2方向)に往復直線運動させることで、可動刃3222を固定刃3122に対してY方向(幅方向:第2方向)に往復摺動させるようにしている。
【0043】
固定刃ブロック31は、図2および図3に示すように、樹脂製の固定板311と、固定板311に固定される金属製の固定プレート312と、を備えており、この固定プレート312は、固定板311に固定される本体部3121と、本体部3121の先端に形成された固定刃3122と、を備えている。そして、固定プレート312の本体部3121が固定された状態の固定板311を本体部2に固定することで、固定刃ブロック31が本体部2に装着されるようにしている。このとき、固定刃ブロック31は、固定刃3122の少なくとも先端側が本体部2の先端から突出するようにした状態で、本体部2に固定されている。
【0044】
一方、図2および図3に示すように、可動刃ブロック32は、樹脂製の案内板321と、案内板321に固定される金属製の可動プレート322と、を備えており、この可動プレート322は、案内板321に固定される本体部3221と、本体部3221の先端に形成された可動刃3222と、を備えている。
【0045】
そして、刃ブロック3を本体部2に装着した状態で、案内板321が偏心カム(変換機構)8を介して回転モータ6の回転軸62に連結されるようにしている。本実施の形態では、案内板321に形成された係合凹部3211に、偏心軸82の先端部を係合させることで、案内板321が偏心軸82に連結されるようにしている。
【0046】
さらに、本実施の形態では、刃ブロック3を本体部2に装着した状態で、可動刃3222が固定刃3122に接触するようにしている。
【0047】
こうすることで、回転モータ6を駆動させて回転軸62を回動させた際に、案内板321および案内板321に固定された可動プレート322、すなわち、可動刃ブロック32が、偏心軸82の動きに連動してY方向(幅方向:第2方向)に往復直線運動するようにしている。そして、可動刃ブロック32をY方向(幅方向:第2方向)に往復直線運動させることで、可動刃3222を固定刃3122に対してY方向(幅方向:第2方向)に往復摺動させ、可動刃3222と固定刃3122とで毛髪を切断できるようにしている。なお、刃ブロック3の駆動方法については、上述した方法に限られるものではなく、様々な方法とすることが可能である。
【0048】
また、本実施の形態では、刃ブロック3は、可動プレート322を固定プレート312側に押圧する金属製の押上ばね33を備えている。
【0049】
この押上ばね33は、可動プレート322を固定プレート312側に押圧することで、可動刃3222と固定刃3122とをより確実に摺接させるための部材であり、例えば、トーションバネにより形成することができる。本実施の形態では、押上ばね33が、コイル部331と、コイル部331の端部に連結されるとともに可動プレート322に固定されて、可動プレート322を固定プレート312側に押圧するアーム部332と、を備えるようにしている。
【0050】
さらに、本実施の形態では、刃止めバネ96がネジ973によってハウジング4に固定されており、この刃止めバネ96が刃ブロック3を保持することで、刃ブロック3のハウジング4からの抜け止めがなされるようにしている。
【0051】
ここで、本実施の形態では、バリカン1の使用時の静音化を図れるようにしている。具体的には、図4図9に示すように、バリカン1が、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧する軸当て部72と、軸当て部72を支持する支持部(後述する本体部71)と、を備えるようにしている。そして、回転軸62の回転を許容しつつ、クリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが軸当て部72によって規制されるようにしている。
【0052】
本実施の形態では、バリカン1が、回転モータ6と、回転モータ6とは別部材で形成され、回転モータ6とでモータブロック5の少なくとも一部を構成するモータブロック用部材7と、を備えるようにしている。
【0053】
このように、本実施の形態では、回転モータ6とモータブロック用部材7とでモータブロック5を構成したものを例示している。なお、モータブロック5は、回転モータ6およびモータブロック用部材7のみで構成する必要はなく、回転モータ6およびモータブロック用部材7とは別の部材を備えるモータブロックとすることも可能である。
【0054】
回転モータ6は、Z方向(第1方向:上下方向)に延在する回転軸62と、回転軸62を回転駆動させることが可能なモータ駆動部61と、を備えており、回転軸62が、モータ駆動部61に対して相対的に回転することができるように構成されている。
【0055】
本実施の形態では、モータ駆動部61は、モータ本体611と、モータ本体611の上端に連設されて、モータ本体611からZ方向(第1方向:上下方向)に突出するように形成された軸受け部612と、を備えている。そして、図8に示すように、この軸受け部612の内側面6121と回転軸62の周面621との間にクリアランス63を設けた状態で、回転軸62が軸受け部612によって支持されるようにしている。こうすることで、回転軸62を、モータ駆動部61に対して相対的に回転させることができるようにしている。
【0056】
また、本実施の形態では、モータ本体611は、モータハウジング6111を備えており、このモータハウジング6111は、天壁61111と周壁61112と底壁61113とを備えている。また、モータハウジング6111の内部には空洞が形成されており、ステータやロータなどの部材がこの空洞内に収容されている。なお、ロータは、ステータに対して相対的に回転する部材であり、このロータには回転軸62が一体的に設けられている。そして、ロータの回転に連動して回転軸62が回転するようになっている。
【0057】
一方、モータブロック用部材7は、モータ駆動部61と一体化される本体部71と、本体部71に設けられた軸当て部72と、を備えている。このように、本実施の形態では、支持部としての本体部71がモータ駆動部61と一体化されており、モータ駆動部61と支持部(本体部71)と軸当て部72とが、モータブロック5の少なくとも一部を構成している。
【0058】
ここで、本実施の形態では、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態でZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧するように軸当て部72を構成している。なお、本実施の形態では、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向とは、XY平面に沿った任意の方向のことを意味している。
【0059】
そして、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で、軸当て部72が回転軸62をZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に押圧することで、周面621の摺接を許容しつつクリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが規制されるようにしている。
【0060】
こうすることで、軸ブレを抑制した状態で回転軸62を回転させることができるようにし、軸ブレによる回転軸62の軸受け部612との干渉をより確実に抑制できるようにしている。このように、軸ブレによる回転軸62の軸受け部612との干渉をより確実に抑制できるようにすれば、軸ブレ時の回転軸62と軸受け部612との干渉による異音の発生が抑制されるため、バリカン1の使用時の静音化を図ることができるようになる。
【0061】
なお、本実施の形態では、回転軸62の先端部(上端部)には、偏心カム(変換機構)8が取り付けられている。そのため、本体部71とモータ駆動部61とを一体化させた際に、回転軸62における偏心カム(変換機構)8のカム本体81が連結される部位よりも下側、かつ、軸受け部612よりも上方に突出する部位に、軸当て部72を当てるようにしている。
【0062】
さらに、本実施の形態では、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で回転軸62の周面621が軸受け部612に接触するようにし、軸当て部72と軸受け部612とで挟持された状態で回転軸62を回転させることができるようにしている。
【0063】
具体的には、軸当て部72を、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向に延在する1本の梁部721で構成している。そして、本体部71とモータ駆動部61とを一体化させた際に、梁部721の摺接面7211で回転軸62を梁部721の延在方向と直交する方向に押圧して、周面621が軸受け部612の内側面6121に押圧状態で接触するようにしている。
【0064】
こうすることで、バリカン1の使用時等、回転軸62を回転させた際に、回転軸62が軸ブレしてしまうことをより確実に抑制することができるようにし、バリカン1の使用時におけるより一層の静音化を図ることができるようにしている。
【0065】
このように、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向に延在する1本の梁部721で回転軸62を一方向に押圧する構成とすれば、軸当て部72と回転軸62との接触面積を極力小さくすることが可能になるため、回転軸62を回転させる際に回転モータ6にかかる負荷が大きくなってしまうことを抑制することが可能になる。その結果、所定の電気容量(フル充電させた充電池91の電気容量等)での回転モータ6の連続稼働時間を比較的長くすることが可能になる。
【0066】
また、本実施の形態では、梁部721は、両端が本体部71に連設された両持ち梁構造をしており、回転軸62を一方向に押圧した際に、回転軸62からの反力によって一方向とは反対の方向に梁部721が撓んでしまうことをより確実に抑制できるようになっている。こうすることで、回転軸62を回転させた際に、回転軸62が軸ブレしてしまうことをより確実に抑制できるようにして、バリカン1の使用時におけるより一層の静音化を図ることができるようにしている。
【0067】
さらに、本実施の形態では、梁部721が延在する方向(X方向:第3方向:前後方向)と可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)とが直交するようにし、梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されるようにしている。こうすることで、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより確実に抑制できるようにしている。
【0068】
具体的には、可動刃3222をY方向(第2方向:幅方向)に往復直線運動させた際に回転軸62に加えられる力(回転軸62をY方向に移動させようとする力)を、より効率的に梁部721で受けることができるようにしている。なお、可動刃3222をY方向(第2方向:幅方向)に往復直線運動させた際に回転軸62に加えられる力の大半は、回転軸62をY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)させようとする力となっている。
【0069】
したがって、可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)に直交する方向に梁部721を延在させるようにすれば、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより一層確実に抑制することが可能になる。
【0070】
また、可動刃3222を往復直線運動させた際における回転軸62のY方向(第2方向:幅方向)への移動(軸ブレ)が抑制されるようにすれば、可動刃3222の振幅が減少してしまうことが抑制されることになる。そして、可動刃3222の振幅の減少が抑制されるようにすると、可動刃3222と固定刃3122とでの毛髪の切断能力をより向上させることができるようになる。
【0071】
また、本実施の形態では、回転軸62や軸当て部72にグリス等の潤滑油を塗布し、回転軸62と軸当て部72との間に生じる摩擦が低減されるようにしている。そして、回転軸62と軸当て部72との間に生じる摩擦の低減効果をより長期に亘って維持することができるようにしている。具体的には、図10に示すように、軸当て部72における周面621が摺接する面(摺接面7211)に凹部72111が形成されるようにしている。本実施の形態では、摺接面7211のZ方向(上下方向:第1方向)の中央部に、X方向(前後方向:第3方向)に延在するスリット状の凹部72111を設けている。
【0072】
こうすることで、グリス等の潤滑油を凹部72111に保持させるようにし、凹部72111に保持した潤滑油を少しずつ回転軸62に供給させることができるようにしている。こうすれば、回転軸62と軸当て部72との間に生じる摩擦をより長期に亘って低減させること、すなわち、回転軸62と軸当て部72との間の摩擦低減構造をより長期に亘って維持することができるようになる。
【0073】
また、本実施の形態では、本体部71が、モータ駆動部61に取り付けられる取付部711を備えるようにしている。さらに、本実施の形態では、取付部711が、軸受け部612が挿入される挿入孔71111が形成された環状部7111を有するようにしている。そして、挿入孔71111に軸受け部612を挿入させることで、本体部71をモータ駆動部61に取り付ける(本体部71とモータ駆動部61とを一体化させる)ことができるようにしている。
【0074】
このように、本実施の形態では、回転モータ6と、回転モータ6に装着されるモータブロック用部材7とで、モータブロック5が形成されるようにしている。すなわち、モータブロック用部材7を回転モータ6に装着することで、モータブロック5が形成されるようにしている。そして、ハウジング4から独立した単体のモータブロック5を形成することが可能なモータブロック用部材7を用いて、バリカン1の使用時の静音化を図るようにしている。
【0075】
このように、単独のモータブロック5を構成すること(バリカン1のハウジング4内に組み込まれていない状態で、軸当て部72が回転軸62を押圧している状態とすること)ができるようにすれば、より容易にモータブロック5を形成することが可能になって、モータブロック5の品質や効果の安定化を図ることができるようになる。
【0076】
また、取付部711が、軸受け部612が挿入される挿入孔71111が形成された環状部7111を有するようにすれば、挿入孔71111に軸受け部612を挿入させるようにするだけで、本体部71をモータ駆動部61に取り付けることができるようになるため、より容易に軸当て部72を正規の位置に配置させることが可能になる。
【0077】
さらに、本実施の形態では、本体部71が、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに固定される固定用突起(固定部)712を有するようにしている。
【0078】
したがって、本実施の形態では、本体部71をモータ駆動部61に装着させる際には、環状部7111に形成された挿入孔71111に軸受け部612を挿入させつつ、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに、本体部71に形成された固定用突起(固定部)712を挿入することになる。
【0079】
こうすれば、モータブロック用部材7(本体部71および軸当て部72)がモータ駆動部61に対して位置ずれしてしまうことを抑制することができるようになるため、クリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレを、軸当て部72によってより確実に規制することができるようになる。その結果、より確実にバリカン1の使用時の静音化を図ることが可能になる。
【0080】
また、モータブロック用部材7(本体部71および軸当て部72)を、モータ駆動部61に対して位置決めさせることが可能になるため、本体部71とモータ駆動部61とを一体化させた際に、より容易かつ確実に軸当て部72を正規の位置に配置させることが可能になる。その結果、モータブロック5の品質や効果の安定化を図ることができるようになる。
【0081】
なお、モータブロック5は、上記実施の形態で示した構成に限られるものではなく、様々な構成とすることが可能である。例えば、図11に示すモータブロック5とすることが可能である。
【0082】
図11に示すモータブロック5も、回転モータ6と、回転モータ6とは別部材で形成され、回転モータ6とでモータブロック5の少なくとも一部を構成するモータブロック用部材7と、を備えている。
【0083】
また、回転モータ6は、Z方向(第1方向:上下方向)に延在する回転軸62と、回転軸62を回転駆動させることが可能なモータ駆動部61と、を備えており、モータ駆動部61は、モータ本体611と、モータ本体611の上端に連設されて、モータ本体611からZ方向(第1方向:上下方向)に突出するように形成された軸受け部612と、を備えている。そして、この軸受け部612の内側面6121と回転軸62の周面621との間にクリアランス63を設けた状態で、回転軸62が軸受け部612によって支持されるようにしている。
【0084】
また、モータブロック用部材7は、モータ駆動部61と一体化される本体部71と、本体部71に設けられた軸当て部72と、を備えている。この軸当て部72も、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態でZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧するように構成されている。
【0085】
そして、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で、軸当て部72が回転軸62をZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に押圧することで、周面621の摺接を許容しつつクリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが規制されるようにしている。
【0086】
また、軸当て部72を、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向に延在する1本の梁部721で構成し、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で回転軸62の周面621が軸受け部612に接触するようにしている。
【0087】
さらに、梁部721が延在する方向(X方向:第3方向:前後方向)と可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)とが直交するようにし、梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されるようにしている。こうすることで、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより確実に抑制できるようにしている。
【0088】
また、本体部71が、モータ駆動部61に取り付けられる取付部711を備えており、取付部711が、軸受け部612が挿入される挿入孔71111が形成された環状部7111を有するようにしている。
【0089】
このように、図11に示すモータブロック5においても、単独のモータブロック5を構成すること(バリカン1のハウジング4内に組み込まれていない状態で、軸当て部72が回転軸62を押圧している状態とすること)ができるようにしている。
【0090】
なお、図11に示すモータブロック5をハウジング4内に組み込むようにすれば、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧する軸当て部72と、軸当て部72を支持する支持部(本体部71)と、を備えるバリカン1が形成されることになる。
【0091】
ここで、図11に示すモータブロック5においては、梁部721は、一端のみが本体部71に連設された片持ち梁構造をしている。
【0092】
こうすることで、両持ち梁構造よりも梁部721を弾性変形させやすい構成となるようにし、モータブロック用部材7等の寸法誤差を梁部721の弾性変形によって吸収することができるようにしている。このように、モータブロック用部材7等の寸法誤差を梁部721の弾性変形によって吸収することができるようにすれば、より容易にモータブロック5を形成することが可能になる。
【0093】
なお、図11に示すモータブロック5においても、軸当て部72における周面621が摺接する面(摺接面7211)に凹部72111が形成されるようにするのが好ましい。
【0094】
また、本体部71が、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに固定される固定用突起(固定部)712を有するようにするのが好ましい。
【0095】
また、図12に示すモータブロック5とすることも可能である。
【0096】
図12に示すモータブロック5も、回転モータ6と、回転モータ6とは別部材で形成され、回転モータ6とでモータブロック5の少なくとも一部を構成するモータブロック用部材7と、を備えている。
【0097】
また、回転モータ6は、Z方向(第1方向:上下方向)に延在する回転軸62と、回転軸62を回転駆動させることが可能なモータ駆動部61と、を備えており、モータ駆動部61は、モータ本体611と、モータ本体611の上端に連設されて、モータ本体611からZ方向(第1方向:上下方向)に突出するように形成された軸受け部612と、を備えている。そして、この軸受け部612の内側面6121と回転軸62の周面621との間にクリアランス63を設けた状態で、回転軸62が軸受け部612によって支持されるようにしている。
【0098】
また、モータブロック用部材7は、モータ駆動部61と一体化される本体部71と、本体部71に設けられた軸当て部72と、を備えている。この軸当て部72も、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態でZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧するように構成されている。
【0099】
そして、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で、軸当て部72が回転軸62をZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に押圧することで、周面621の摺接を許容しつつクリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが規制されるようにしている。
【0100】
また、本体部71が、モータ駆動部61に取り付けられる取付部711を備えており、取付部711が、軸受け部612が挿入される挿入孔71111が形成された環状部7111を有するようにしている。
【0101】
このように、図12に示すモータブロック5においても、単独のモータブロック5を構成すること(バリカン1のハウジング4内に組み込まれていない状態で、軸当て部72が回転軸62を押圧している状態とすること)ができるようにしている。
【0102】
なお、図12に示すモータブロック5をハウジング4内に組み込むようにすれば、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧する軸当て部72と、軸当て部72を支持する支持部(本体部71)と、を備えるバリカン1が形成されることになる。
【0103】
ここで、図12に示すモータブロック5においては、回転軸62が、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で一対の軸当て部72によって挟持されるようにしている。具体的には、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向に延在する2本の梁部721で一対の軸当て部72を構成している。
【0104】
こうすることで、一対の軸当て部72によって挟持された状態で回転軸62を回転させることができるようにし、バリカン1の使用時等、回転軸62を回転させた際に、回転軸62が軸ブレしてしまうことをより確実に抑制することができるようにしている。こうすれば、バリカン1の使用時におけるより一層の静音化を図ることができるようになる。
【0105】
さらに、梁部721が延在する方向(X方向:第3方向:前後方向)と可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)とが直交するようにし、梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されるようにしている。こうすることで、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより確実に抑制できるようにしている。
【0106】
また、2本の梁部721は、いずれも両持ち梁構造をしている。なお、2本の梁部721のうちの一方の梁部721が、一端のみが本体部71に連設された片持ち梁構造をしていてもよい。
【0107】
また、2本の梁部721の両方が、一端のみが本体部71に連設された片持ち梁構造をしていてもよい。このとき、2本の梁部721は、本体部71に連設される端部が同じ側に位置していてもよいし、反対側に位置していてもよい。
【0108】
また、図12に示すモータブロック5においても、軸当て部72における周面621が摺接する面(摺接面7211)に凹部72111が形成されるようにするのが好ましい。
【0109】
また、本体部71が、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに固定される固定用突起(固定部)712を有するようにするのが好ましい。
【0110】
また、図13および図14に示すモータブロック5とすることも可能である。
【0111】
図13および図14に示すモータブロック5も、回転モータ6と、回転モータ6とは別部材で形成され、回転モータ6とでモータブロック5の少なくとも一部を構成するモータブロック用部材7と、を備えている。
【0112】
また、回転モータ6は、Z方向(第1方向:上下方向)に延在する回転軸62と、回転軸62を回転駆動させることが可能なモータ駆動部61と、を備えており、モータ駆動部61は、モータ本体611と、モータ本体611の上端に連設されて、モータ本体611からZ方向(第1方向:上下方向)に突出するように形成された軸受け部612と、を備えている。そして、この軸受け部612の内側面6121と回転軸62の周面621との間にクリアランス63を設けた状態で、回転軸62が軸受け部612によって支持されるようにしている。
【0113】
また、モータブロック用部材7は、モータ駆動部61と一体化される本体部71と、本体部71に設けられた軸当て部72と、を備えている。この軸当て部72も、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態でZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧するように構成されている。
【0114】
そして、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で、軸当て部72が回転軸62をZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に押圧することで、周面621の摺接を許容しつつクリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが規制されるようにしている。
【0115】
また、本体部71が、モータ駆動部61に取り付けられる取付部711を備えており、取付部711が、軸受け部612が挿入される挿入孔71111が形成された環状部7111を有するようにしている。
【0116】
このように、図13および図14に示すモータブロック5においても、単独のモータブロック5を構成すること(バリカン1のハウジング4内に組み込まれていない状態で、軸当て部72が回転軸62を押圧している状態とすること)ができるようにしている。
【0117】
なお、図13および図14に示すモータブロック5をハウジング4内に組み込むようにすれば、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧する軸当て部72と、軸当て部72を支持する支持部(本体部71)と、を備えるバリカン1が形成されることになる。
【0118】
また、軸当て部72を、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向に延在する1本の梁部721で構成し、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で回転軸62の周面621が軸受け部612に接触するようにしている。
【0119】
この1本の梁部721は両持ち梁構造をしている。なお、1本の梁部721が、一端のみが本体部71に連設された片持ち梁構造をしていてもよい。また、回転軸62が、本体部71とモータ駆動部61とを一体化した状態で一対の軸当て部72によって挟持されるようにしてもよい。
【0120】
さらに、梁部721が延在する方向(X方向:第3方向:前後方向)と可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)とが直交するようにし、梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されるようにしている。こうすることで、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより確実に抑制できるようにしている。
【0121】
また、本体部71は、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに固定される固定用突起(固定部)712を有している。
【0122】
ここで、図13および図14に示すモータブロック5においては、取付部711が、一対の先端7321を周方向に離間させた状態で軸受け部612に装着されるC字状部73を有している。図13および図14に示すモータブロック5では、C字状部73が、基部731と、基部731の両端に連設された一対のアーム部732と、を備えており、基部731とアーム部732との連結部分に切り欠き733が形成されている。こうすることで、C字状部73が、一対のアーム部732を、先端7321が離間する方向に弾性変形させることができるようにしている。すなわち、C字状部73は、内面73aを拡縮するように弾性変形させることができるようになっている。
【0123】
そして、このようなC字状部73を有するようにすることで、回転軸62に偏心カム(変換機構)8を連結させた状態で、本体部71のモータ駆動部61への着脱作業を行うことができるようにしている。このように、本体部71をモータ駆動部61に装着する前に、偏心カム(変換機構)8を回転軸62に連結させるようにすれば、偏心カム(変換機構)8の回転軸62への連結作業時に、モータブロック用部材7が回転モータ6に対して位置ずれしてしまったり、モータブロック用部材7が破損してしまったりすることがなくなるため、バリカン1の品質や効果の安定化を図ることができるようになる。
【0124】
なお、本体部71が、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに固定される固定用突起(固定部)712を有している場合、モータブロック用部材7を、XY平面に沿った方向に移動させて、回転軸62の周面621をC字状部73の内面73aに対向させた後に、モータブロック用部材7を下方に移動させて固定用突起(固定部)712を固定孔(被固定部)6111aに挿入することで、モータブロック用部材7が回転モータ6に装着されることになる。
【0125】
そのため、本体部71が、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに固定される固定用突起(固定部)712を有している場合には、一対のアーム部732の先端7321の離間距離が回転軸62の径よりも大きくなっていれば、C字状部73を一対の先端7321が離間する方向に弾性変形させる構成とする必要はない。
【0126】
また、図13および図14に示すモータブロック5においても、軸当て部72における周面621が摺接する面(摺接面7211)に凹部72111が形成されるようにするのが好ましい。
【0127】
また、図15に示す構成を有するバリカン1とすることも可能である。
【0128】
図15に示す構成においても、バリカン1が、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧する軸当て部72と、軸当て部72を支持する支持部と、を備えるようにしている。そして、回転軸62の回転を許容しつつ、クリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが軸当て部72によって規制されるようにしている。
【0129】
また、図15に示す構成においても、回転モータ6は、Z方向(第1方向:上下方向)に延在する回転軸62と、回転軸62を回転駆動させることが可能なモータ駆動部61と、を備えており、モータ駆動部61は、モータ本体611と、モータ本体611の上端に連設されて、モータ本体611からZ方向(第1方向:上下方向)に突出するように形成された軸受け部612と、を備えている。そして、この軸受け部612の内側面6121と回転軸62の周面621との間にクリアランス63を設けた状態で、回転軸62が軸受け部612によって支持されるようにしている。
【0130】
ここで、図15においては、ハウジング4に支持部が形成されている。具体的には、第2分割ハウジング42に形成されたモータ保持部424に回転モータ6が保持された状態で、第2分割ハウジング42に支持された軸当て部72の梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されるようにしている。
【0131】
このように、図15に示す構成では、回転モータ6をハウジング4に組み込むことで、初めて軸当て部72の梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されるようになっている。
【0132】
なお、軸当て部72は、ハウジング4としての第2分割ハウジング42に一体に形成されるようにしてもよい。この場合、第2分割ハウジング42が支持部として機能することになる。また、第2分割ハウジング42に形成された嵌合部に第2分割ハウジング42とは別部材で形成された軸当て部72の端部を嵌合させるようにしてもよい。この場合、第2分割ハウジング42に形成された嵌合部が支持部として機能することになる。
【0133】
また、図15に示す構成では、軸当て部72は、回転モータ6をハウジング4に組み込んだ状態で、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧するように構成されている。
【0134】
そして、回転モータ6をハウジング4に組み込んだ状態で、軸当て部72が回転軸62をZ方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に押圧することで、周面621の摺接を許容しつつクリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが規制されるようにしている。
【0135】
また、軸当て部72を、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向に延在する1本の梁部721で構成し、回転モータ6をハウジング4に組み込んだ状態で、回転軸62の周面621が軸受け部612に接触するようにしている。
【0136】
さらに、梁部721が延在する方向(X方向:第3方向:前後方向)と可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)とが直交するようにし、梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されるようにしている。こうすることで、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより確実に抑制できるようにしている。
【0137】
こうすることで、ハウジング4とは別にモータブロック用部材7を用意する必要がなくなるようにし、構成の簡素化およびコストの低減を図りつつ、バリカン1の使用時の静音化を図ることができるようにしている。
【0138】
なお、梁部721は、一端のみが本体部71に連設された片持ち梁構造をしていてもよいし、ハウジング4を形成した際に、軸当て部72の先端が第1分割ハウジング41に固定されて両持ち梁構造となるようにしてもよい。
【0139】
また、図15に示す構成においても、軸当て部72における周面621が摺接する面(摺接面7211)に凹部72111が形成されるようにするのが好ましい。
【0140】
[作用・効果]
以下では、上記実施の形態およびその変形例で示した、バリカンおよびバリカンで用いられるモータブロックの特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0141】
(技術1)上記実施の形態およびその変形例で示したバリカン1は、Z方向(第1方向:上下方向)に延在する回転軸62と、回転軸62を回転駆動させることが可能なモータ駆動部61と、を有する回転モータ6を備えている。また、バリカン1は、回転軸62に連結されて、回転軸62の回転運動を往復直線運動に変換することが可能な偏心カム(変換機構)8と、偏心カム(変換機構)8に連結されて往復直線運動することが可能な可動刃3222と、可動刃3222が摺接することが可能な固定刃3122と、を備えている。
【0142】
さらに、バリカン1は、モータ駆動部61に設けられ、回転軸62の周面621との間にクリアランス63を設けた状態で回転軸62を支持する軸受け部612を備えている。
【0143】
そして、バリカン1は、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向における少なくとも1つの方向に回転軸62を押圧し、回転軸62の回転を許容しつつクリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレを規制する軸当て部72と、軸当て部72を支持する支持部(本体部71,第2分割ハウジング42)と、を備えている。
【0144】
このように、上記実施の形態およびその変形例では、クリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレが軸当て部72によって規制されるようにしている。
【0145】
こうすれば、軸ブレを抑制した状態で回転軸62を回転させることができるようになるため、軸ブレによる回転軸62の軸受け部612との干渉をより確実に抑制することが可能になる。その結果、軸ブレ時の回転軸62と軸受け部612との干渉による異音の発生が抑制されて、バリカン1の使用時の静音化を図ることができるようになる。
【0146】
このように、上記実施の形態およびその変形例で示したバリカン1とすれば、バリカン1の使用時に異音が発生してしまうことをより確実に抑制することが可能になって、バリカン1の使用時の静音化を図ることが可能になる。
【0147】
(技術2)また、上記(技術1)において、支持部(本体部71)がモータ駆動部61と一体化されており、モータ駆動部61と支持部(本体部71)と軸当て部72とが、モータブロック5の少なくとも一部を構成していてもよい。
【0148】
このように、モータ駆動部61と支持部(本体部71)と軸当て部72とが、モータブロック5の少なくとも一部を構成するようにすれば、単独のモータブロック5を構成すること(バリカン1のハウジング4内に組み込まれていない状態で、軸当て部72が回転軸62を押圧している状態とすること)ができるようになる。こうすれば、軸当て部72による回転軸62の押圧力の調整等をより容易に行うことができるようになって、モータブロック5の品質や効果の安定化を図ることができるようになる。
【0149】
そして、このようなモータブロック5をハウジング4内に組み込むことでバリカン1を製造するようにすれば、回転モータ6をハウジング4に組み付けたときに軸当て部72が回転軸62を押圧する構成とした場合のように、回転モータ6のハウジング4への組付け誤差によって軸当て部72による回転軸62の押圧力が変化してしまうことがなくなる。そのため、使用時の静音化を図ることが可能なバリカン1を、より容易かつ確実に得ることができるようになる。
【0150】
(技術3)また、上記(技術2)において、支持部(本体部71)とモータ駆動部61とを一体化した状態で回転軸62の周面621が軸受け部612に接触するようにしてもよい。
【0151】
こうすれば、軸当て部72と軸受け部612とで挟持された状態で回転軸62を回転させることが可能になるため、バリカン1の使用時等、回転軸62を回転させた際に、回転軸62が軸ブレしてしまうことをより確実に抑制することが可能になる。その結果、バリカン1の使用時におけるより一層の静音化を図ることができるようになる。
【0152】
(技術4)また、上記(技術2)において、バリカン1が軸当て部72を一対備え、回転軸62が、支持部(本体部71)とモータ駆動部61とを一体化した状態で一対の軸当て部72によって挟持されるようにしてもよい。
【0153】
こうすれば、一対の軸当て部72によって挟持された状態で回転軸62を回転させることが可能になるため、バリカン1の使用時等、回転軸62を回転させた際に、回転軸62が軸ブレしてしまうことをより確実に抑制することが可能になる。その結果、バリカン1の使用時におけるより一層の静音化を図ることができるようになる。
【0154】
(技術5)また、上記(技術1)から(技術4)のうちのいずれかの技術において、軸当て部72が、Z方向(第1方向:上下方向)と交差する方向に延在する梁部721であってもよい。
【0155】
こうすれば、軸当て部72と回転軸62との接触面積を極力小さくすることが可能になるため、回転軸62を回転させる際に回転モータ6にかかる負荷が大きくなってしまうことを抑制することが可能になる。その結果、所定の電気容量(フル充電させた充電池91の電気容量等)での回転モータ6の連続稼働時間を比較的長くすることが可能になる。
【0156】
(技術6)また、上記(技術5)において、梁部721が両持ち梁構造をしていてもよい。
【0157】
こうすれば、回転軸62からの反力によって梁部721が撓んでしまうことをより確実に抑制することが可能になるため、回転軸62を回転させた際に、回転軸62が軸ブレしてしまうことをより確実に抑制することが可能になる。その結果、バリカン1の使用時におけるより一層の静音化を図ることができるようになる。
【0158】
(技術7)また、上記(技術5)において、梁部721が片持ち梁構造をしていてもよい。
【0159】
こうすれば、梁部721をより弾性変形させやすい構成とすることが可能になるため、モータブロック用部材7等の寸法誤差を梁部721の弾性変形によって吸収することが可能になる。その結果、より容易にモータブロック5を形成することが可能になる。
【0160】
(技術8)また、上記(技術5)から(技術7)のうちのいずれかの技術において、梁部721が延在する方向(X方向:第3方向:前後方向)と可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)とが直交していてもよい。
【0161】
こうすれば、梁部721によって回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に押圧されることになるため、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより確実に抑制することが可能になる。
【0162】
なお、可動刃3222をY方向(第2方向:幅方向)に往復直線運動させた際に回転軸62に加えられる力の大半は、回転軸62をY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)させようとする力となっている。そのため、可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)に直交する方向に梁部721を延在させるようにすれば、可動刃3222を往復直線運動させた際に回転軸62に加えられる力を、より効率的に梁部721で受けることができるようになる。
【0163】
したがって、可動刃3222が往復直線運動する方向(Y方向:第2方向:幅方向)に直交する方向に梁部721を延在させるようにすれば、回転軸62がY方向(第2方向:幅方向)に移動(軸ブレ)してしまうことをより一層確実に抑制することが可能になる。
【0164】
また、可動刃3222を往復直線運動させた際における回転軸62のY方向(第2方向:幅方向)への移動(軸ブレ)が抑制されるようにすれば、可動刃3222の振幅が減少してしまうことが抑制されることになる。そして、可動刃3222の振幅の減少が抑制されるようにすると、可動刃3222と固定刃3122とでの毛髪の切断能力をより向上させることができるようになるという利点がある。
【0165】
(技術9)また、上記(技術1)から(技術8)のうちのいずれかの技術において、軸当て部72における周面621が摺接する面(摺接面7211)に凹部72111が形成されていてもよい。
【0166】
こうすれば、グリス等の潤滑油を凹部72111に保持することができるようになって、凹部72111に保持した潤滑油を少しずつ回転軸62に供給させることができるようになる。その結果、回転軸62と軸当て部72との間に生じる摩擦をより長期に亘って低減させることができるようになる。すなわち、回転軸62と軸当て部72との間の摩擦低減構造をより長期に亘って維持することができるようになる。
【0167】
(技術10)また、上記(技術1)から(技術9)のうちのいずれかの技術において、支持部(本体部71,第2分割ハウジング42)が、モータ駆動部61に取り付けられる取付部711を有していてもよい。
【0168】
こうすれば、単独のモータブロック5を構成すること(バリカン1のハウジング4内に組み込まれていない状態で、軸当て部72が回転軸62を押圧している状態とすること)が可能になるため、より容易にモータブロック5を形成することが可能になる。また、モータブロック5の品質や効果の安定化を図ることができるようになる。
【0169】
(技術11)また、上記(技術10)において、モータ駆動部61がモータ本体611をさらに備えおり、モータ本体611からZ方向(第1方向:上下方向)に突出するように軸受け部612が形成されていてもよい。そして、取付部711が、軸受け部612が挿入される挿入孔71111が形成された環状部7111を有していてもよい。
【0170】
こうすれば、挿入孔71111に軸受け部612を挿入させるようにするだけで、本体部71をモータ駆動部61に取り付けることができるようになるため、より容易に軸当て部72を正規の位置に配置させることが可能になる。
【0171】
(技術12)また、上記(技術10)において、モータ駆動部61がモータ本体611をさらに備えおり、モータ本体611からZ方向(第1方向:上下方向)に突出するように軸受け部612が形成されていてもよい。また、取付部711が、一対の先端7321を周方向に離間させた状態で軸受け部612に装着されるC字状部73を有していてもよい。
【0172】
こうすれば、回転軸62に偏心カム(変換機構)8を連結させた状態で、本体部71のモータ駆動部61への着脱作業を行うことができるようになる。このように、本体部71をモータ駆動部61に装着する前に、偏心カム(変換機構)8を回転軸62に連結させるようにすれば、偏心カム(変換機構)8の回転軸62への連結作業時に、モータブロック用部材7が回転モータ6に対して位置ずれしてしまったり、モータブロック用部材7が破損してしまったりすることがなくなるため、バリカン1の品質や効果の安定化を図ることができるようになる。
【0173】
(技術13)また、上記(技術1)から(技術12)のうちのいずれかの技術において、支持部(本体部71,第2分割ハウジング42)が、モータ駆動部61に形成された固定孔(被固定部)6111aに固定される固定用突起(固定部)712を有していてもよい。
【0174】
こうすれば、モータブロック用部材7(本体部71および軸当て部72)がモータ駆動部61に対して位置ずれしてしまうことを抑制することができるようになるため、クリアランス63に起因する回転軸62の回転時の軸ブレを、軸当て部72によってより確実に規制することができるようになる。その結果、より確実にバリカン1の使用時の静音化を図ることが可能になる。
【0175】
また、モータブロック用部材7(本体部71および軸当て部72)を、モータ駆動部61に対して位置決めさせることが可能になるため、本体部71とモータ駆動部61とを一体化させた際に、より容易かつ確実に軸当て部72を正規の位置に配置させることが可能になる。その結果、モータブロック5の品質や効果の安定化を図ることができるようになる。
【0176】
(技術14)また、上記(技術1),(技術3)から(技術12)のうちのいずれかの技術において、回転モータ6を保持するモータ保持部424を有するハウジング4をさらに備えていてもよい。そして、ハウジング4に支持部(第2分割ハウジング42)が形成されていてもよい。
【0177】
こうすれば、ハウジング4とは別にモータブロック用部材7を用意する必要がなくなるため、構成の簡素化およびコストの低減を図りつつ、バリカン1の使用時の静音化を図ることが可能になる。
【0178】
(技術15)また、上記実施の形態およびその変形例で示したモータブロック5は、上記(技術2)から(技術13)のうちのいずれかの技術に示したバリカン1で用いられるものである。
【0179】
このようなモータブロック5を用いることで、バリカン1の使用時の静音化を図ることが可能になる。
【0180】
[その他]
以上、本開示にかかるバリカンおよびバリカンで用いられるモータブロックの内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形および改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0181】
例えば、上記実施の形態およびその変形例で示した構成の変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態に本開示を適用することができる。また、上記実施の形態およびその変形例で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0182】
また、上記実施の形態およびその変形例では、一方向に延在する軸当て部72を例示したが、屈曲させた形状の軸当て部としたり湾曲させた形状の軸当て部としたりすることも可能である。また、軸当て部72の形状を様々な形状とすることも可能である。
【0183】
また、固定部や被固定部の形状も様々な形状とすることが可能である。
【0184】
また、回転モータや変換機構、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0185】
以上のように、本開示にかかるバリカンおよびバリカンで用いられるモータブロックは、使用時の静音化を図ることが可能であるため、毛髪に限らず、人や動物などの様々な体毛の処理にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0186】
1 バリカン
3122 固定刃
3222 可動刃
4 ハウジング
42 第2分割ハウジング(支持部)
5 モータブロック
6 回転モータ
61 モータ駆動部
611 モータ本体
6111a 固定孔(被固定部)
612 軸受け部
62 回転軸
621 周面
63 クリアランス
7 モータブロック用部材
71 本体部(支持部)
711 取付部
7111 環状部
71111 挿入孔
712 固定用突起(固定部)
72 軸当て部
721 梁部
7211 摺接面
72111 凹部
73 C字状部
7321 先端
8 偏心カム(変換機構)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15