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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179923
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】車両用給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241219BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20241219BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20241219BHJP
   B60L 53/34 20190101ALI20241219BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20241219BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H01F38/14
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60L53/34
B60M7/00 X
B60L5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099260
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】芝野 大軌
【テーマコード(参考)】
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB02
5G503FA01
5G503FA06
5G503GB08
5H105AA17
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC07
5H105CC19
5H105DD10
5H105EE14
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC25
5H125CD07
5H125FF15
5H125FF21
(57)【要約】
【課題】第1コイルユニット及び第2コイルユニットの冷却性能を確保しつつ、車両側に設けられたコネクタの小型化及び軽量化を図り易い車両用給電システムを提供する。
【解決手段】第1支持体4は、基部41と、当該基部41から対向方向第2側F2に突出した凸部42とを備え、第1コイルユニット3は、基部41から対向方向第2側F2に突出するように配置された第1突出部30を備え、第2支持体6は、対向方向第2側F2に窪んだ凹部61を備え、第2コイルユニット5は、凹部61の内壁面である凹部内壁面61aに囲まれた第2突出部50を備え、凸部42は、第1突出部30の外周面である第1突出部外周面30aに対向する凸部内壁面42aと、コネクタ結合状態で凹部内壁面61aに嵌合する凸部外壁面42bとを備え、コネクタ1,2のうちの地上側に設けられた方に、凸部内壁面42aに囲まれた空間Sを流れる冷却風が通る通風口7が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに結合及び分離可能に構成された第1コネクタ及び第2コネクタを備えた車両用給電システムであって、
前記第1コネクタは、地上側に設置された電源及び車両に搭載された蓄電装置のいずれか一方に電気的に接続された第1コイルを備えた第1コイルユニットと、前記第1コイルユニットを支持する第1支持体と、を備え、
前記第2コネクタは、前記電源及び前記蓄電装置のいずれか他方に電気的に接続された第2コイルを備えた第2コイルユニットと、前記第2コイルユニットを支持する第2支持体と、を備え、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合したコネクタ結合状態で、前記第1コイルユニットと前記第2コイルユニットとが磁気的に結合してトランスを構成し、
前記コネクタ結合状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタとが対向する方向を対向方向とし、前記対向方向における前記第2コネクタに対して前記第1コネクタが配置される側を対向方向第1側とし、その反対側を対向方向第2側として、
前記第1支持体は、基部と、前記基部から前記対向方向第2側に突出した凸部と、を備え、
前記第1コイルユニットは、前記基部から前記対向方向第2側に突出するように配置された第1突出部を備え、
前記第2支持体は、前記対向方向第2側に窪んだ凹部を備え、
前記第2コイルユニットは、前記凹部の内壁面である凹部内壁面に囲まれた第2突出部を備え、
前記凸部は、前記第1突出部の外周面である突出部外周面に対向する凸部内壁面と、前記コネクタ結合状態で前記凹部内壁面に嵌合する凸部外壁面と、を備え、
前記第1コイル及び前記第2コイルのうちの前記電源に電気的に接続された方を対象コイルとし、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタのうちの前記対象コイルを備える方を対象コネクタとして、
前記対象コネクタに、前記凸部内壁面に囲まれた空間を流れる冷却風が通る通風口が設けられている、車両用給電システム。
【請求項2】
前記対象コネクタは、前記第1コネクタであり、
前記通風口は、前記基部における、前記突出部外周面と前記凸部内壁面との間の領域に配置されている、請求項1に記載の車両用給電システム。
【請求項3】
前記凸部における前記凸部外壁面を構成する部分が、弾性部材を用いて構成されている、請求項1又は2に記載の車両用給電システム。
【請求項4】
前記凹部内壁面は、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記第2突出部に近づくように傾斜しており、
前記凸部外壁面は、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記第1突出部に近づくように傾斜しており、
前記凹部内壁面の傾斜角度と前記凸部外壁面の傾斜角度とが同等である、請求項1又は2に記載の車両用給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された蓄電装置に電力を供給する車両用給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両用給電システムの一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
【0003】
特許文献1には、互いに結合及び分離可能に構成された第1コネクタ(30)及び第2コネクタ(10)を備えた車両用給電システムが開示されている。第1コネクタ(30)は、地上側に設置された電源(45)に電気的に接続された第1コイル(31)を有する第1コイルユニットを備えている。第2コネクタ(10)は、車両に搭載された蓄電装置(19)に電気的に接続された第2コイル(14)を有する第2コイルユニットを備えている。つまり、第2コネクタ(10)は、車両側に設けられている。
【0004】
上記の車両用給電システムでは、第1コネクタ(30)と第2コネクタ(10)とが結合した状態で、電源(45)からの電力が第1コイル(31)に供給されることにより、第1コイル(31)から第2コイル(14)に非接触で電力が伝送される。こうして、車両に搭載された蓄電装置(19)が充電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-102329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の車両用給電システムでは、第1コイル(31)から第2コイル(14)への電力の伝送中、第1コイルユニット及び第2コイルユニットが発熱する。そのため、第1コネクタ(30)及び第2コネクタ(10)のそれぞれに、第1コイルユニット及び第2コイルユニットを冷却するための冷却機器を設置することが考えらえる。
【0007】
一般に、車両用給電システムにおける車両側に設けられたコネクタは、小型化及び軽量化が強く求められる。この点に関して、上記のように、第1コネクタ(30)及び第2コネクタ(10)のそれぞれに冷却機器を設置した場合、当該冷却機器の設置に起因してコネクタの小型化及び軽量化が妨げられる可能性がある。この点で、特許文献1の車両用給電システムには改善の余地があった。
【0008】
そこで、第1コイルユニット及び第2コイルユニットの冷却性能を確保しつつ、車両側に設けられたコネクタの小型化及び軽量化を図り易い車両用給電システムの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑みた、車両用給電システムの特徴構成は、
互いに結合及び分離可能に構成された第1コネクタ及び第2コネクタを備えた車両用給電システムであって、
前記第1コネクタは、地上側に設置された電源及び車両に搭載された蓄電装置のいずれか一方に電気的に接続された第1コイルを備えた第1コイルユニットと、前記第1コイルユニットを支持する第1支持体と、を備え、
前記第2コネクタは、前記電源及び前記蓄電装置のいずれか他方に電気的に接続された第2コイルを備えた第2コイルユニットと、前記第2コイルユニットを支持する第2支持体と、を備え、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが結合したコネクタ結合状態で、前記第1コイルユニットと前記第2コイルユニットとが磁気的に結合してトランスを構成し、
前記コネクタ結合状態で前記第1コネクタと前記第2コネクタとが対向する方向を対向方向とし、前記対向方向における前記第2コネクタに対して前記第1コネクタが配置される側を対向方向第1側とし、その反対側を対向方向第2側として、
前記第1支持体は、基部と、前記基部から前記対向方向第2側に突出した凸部と、を備え、
前記第1コイルユニットは、前記基部から前記対向方向第2側に突出するように配置された第1突出部を備え、
前記第2支持体は、前記対向方向第2側に窪んだ凹部を備え、
前記第2コイルユニットは、前記凹部の内壁面である凹部内壁面に囲まれた第2突出部を備え、
前記凸部は、前記第1突出部の外周面である突出部外周面に対向する凸部内壁面と、前記コネクタ結合状態で前記凹部内壁面に嵌合する凸部外壁面と、を備え、
前記第1コイル及び前記第2コイルのうちの前記電源に電気的に接続された方を対象コイルとし、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタのうちの前記対象コイルを備える方を対象コネクタとして、
前記対象コネクタに、前記凸部内壁面に囲まれた空間を流れる冷却風が通る通風口が設けられている点にある。
【0010】
この特徴構成によれば、対象コネクタ、つまり、地上側に設けられたコネクタに、凸部内壁面に囲まれた空間を流れる冷却風が通る通風口が設けられている。これにより、第1コネクタ及び第2コネクタのうちの対象コネクタではない方、つまり、車両側に設けられたコネクタの小型化及び軽量化を図り易い。
また、本特徴構成によれば、コネクタ結合状態で、凸部外壁面が凹部内壁面に嵌合するように構成されている。これにより、その状態で通風口から冷却風を供給することで、凸部内壁面に囲まれた空間に冷却風を適切に流すことができる。したがって、凸部内壁面に囲まれた空間に配置された、第1コイルユニットの第1突出部及び第2コイルユニットの第2突出部の双方を、適切に冷却することができる。
また、本特徴構成によれば、第1コイルと第2コイルとの間での電力の伝送中に、第1コイルユニット及び第2コイルユニットの周辺に水や異物が侵入して、電力の伝送効率が低下することを回避できる。また、第1コイルと第2コイルとの間での電力の伝送中に、第1コイルユニット及び第2コイルユニットの周辺に人体やその他の生物が侵入して、それらが電磁気的な影響を受ける可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る車両用給電システムの一例を示す図
図2】互いに分離した状態の第1コネクタ及び第2コネクタの構成を示す断面図
図3】互いに結合した状態の第1コネクタ及び第2コネクタの構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、実施形態に係る車両用給電システム100について、図面を参照して説明する。図1に示すように、車両用給電システム100は、車両Vに搭載された蓄電装置Bに電力を供給するシステムである。車両Vは、電気自動車等の電動車両とされ、蓄電装置Bの電力を用いて走行する。詳細は省略するが、車両Vには、蓄電装置Bから電力の供給を受けて動作する回転電機(電動モータ)が、車輪の駆動力源として搭載されている。蓄電装置Bは、外部から再充電可能な電源(具体的には、直流電源)であり、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等のバッテリや、キャパシタ等を、蓄電装置Bとして用いることができる。
【0013】
車両用給電システム100は、互いに結合及び分離可能に構成された第1コネクタ1及び第2コネクタ2を備えている。図1に示す例では、蓄電装置Bを充電するための充電ステーションに、車両Vが停車している。本例では、車両Vの側面に、第2コネクタ2が設けられている。そして、充電ステーションに、第1コネクタ1を移動させるアームAが設けられており、アームAの駆動によって第1コネクタ1が第2コネクタ2に対して結合又は分離する。なお、第2コネクタ2は、車両Vの側面以外の場所に設けられてもよい。例えば、第2コネクタ2が車両Vの底面に設けられ、第1コネクタ1が地表に設けられる構成とすることができる。
【0014】
図2に示すように、第1コネクタ1は、第1コイル31を備えた第1コイルユニット3と、当該第1コイルユニット3を支持する第1支持体4と、を備えている。
【0015】
第1コイル31は、地上側に設置された電源P及び車両Vに搭載された蓄電装置Bのいずれか一方に電気的に接続されている。本実施形態では、第1コイル31は、電源Pに電気的に接続されている。なお、図1に示す例では、電源Pは、上記の充電ステーションに設けられている。電源Pの電力は、電力会社の電力系統(商用電力系統)から供給される電力であっても良いし、車両Vの外部に設けられた蓄電装置や発電機(例えば、太陽光発電機)から供給される電力であっても良い。
【0016】
本実施形態では、第1コイルユニット3は、第1コア32と、第1保持部材33と、を更に備えている。
【0017】
第1コア32は、第1コイル31が巻回される磁性部材である。第1保持部材33は、第1コイル31及び第1コア32を保持する部材である。第1保持部材33として、例えば、第1コイル31及び第1コア32を覆うモールド樹脂等の封止材や、第1コイル31及び第1コア32を収容するケース等を用いることが可能である。
【0018】
第2コネクタ2は、第2コイル51を備えた第2コイルユニット5と、当該第2コイルユニット5を支持する第2支持体6と、を備えている。
【0019】
第2コイル51は、電源P及び蓄電装置Bのいずれか他方に電気的に接続されている。本実施形態では、第2コイル51は、蓄電装置Bに電気的に接続されている。
【0020】
本実施形態では、第2コイルユニット5は、第2コア52と、第2保持部材53と、を更に備えている。
【0021】
第2コア52は、第2コイル51が巻回される磁性部材である。第2保持部材53は、第2コイル51及び第2コア52を保持する部材である。第2保持部材53として、例えば、第2コイル51及び第2コア52を覆うモールド樹脂等の封止材や、第2コイル51及び第2コア52を収容するケース等を用いることが可能である。
【0022】
車両用給電システム100では、第1コネクタ1と第2コネクタ2とが結合したコネクタ結合状態(図3参照)で、第1コイルユニット3と第2コイルユニット5とが磁気的に結合して、トランスを構成する。そのため、コネクタ結合状態で電源Pからの電力が第1コイル31に供給されることにより、第1コイル31から第2コイル51に非接触で電力が伝送され、蓄電装置Bが充電される。なお、非接触による電力の伝送方式として、例えば、電磁誘導方式、磁界共鳴方式等を採用可能である。ここで、第1コネクタ1と第2コネクタ2との「結合」は、第1コイル31と第2コイル51とが磁気的或いは電磁的に結合することを意味し、機械的には連結されていても連結されていなくても良い。また、第1コネクタ1と第2コネクタ2とは、コネクタ結合状態で、互いに接触していても離間していてもよい。なお、図3における白塗り矢印は、第1コイル31から第2コイル51への電力の伝送を表している。
【0023】
以下の説明では、コネクタ結合状態で第1コネクタ1と第2コネクタ2とが対向する方向を「対向方向F」とする。そして、対向方向Fにおける第2コネクタ2に対して第1コネクタ1が配置される側を「対向方向第1側F1」とし、その反対側を「対向方向第2側F2」とする。
【0024】
図2に示すように、第1支持体4は、基部41と、凸部42と、を備えている。基部41は、第1コイルユニット3及び凸部42を支持するように構成されている。基部41は、対向方向第2側F2を向く第1対向面41aを備えている。凸部42は、基部41から対向方向第2側F2に突出するように形成されている。本実施形態では、基部41の第1対向面41aが、対向方向Fに対して直交する平面状に形成されている。そして、凸部42が、第1対向面41aから対向方向第2側F2に突出するように配置されている。
【0025】
第1コイルユニット3は、第1突出部30を備えている。第1突出部30は、基部41から対向方向第2側F2に突出するように配置されている。本実施形態では、第1コイルユニット3を構成する、第1コイル31、第1コア32、及び第1保持部材33における、基部41の第1対向面41aから対向方向第2側F2に突出する部分が、第1突出部30に相当する。本実施形態では、第1突出部30は、対向方向Fに沿う軸心を有する円筒状の外周面としての第1突出部外周面30aを備える円柱状に形成されている。
【0026】
第2支持体6は、対向方向第2側F2に窪んだ凹部61を備えている。凹部61は、凹部内壁面61aを備えている。凹部内壁面61aは、凹部61の内壁面である。凹部内壁面61aは、対向方向Fに沿う軸心を有する筒状に形成されている。本実施形態では、凹部内壁面61aは、対向方向第2側F2へ向かうに従って第2突出部50に近づくように傾斜している。本例では、凹部内壁面61aは、円錐台状に形成されている。
【0027】
本実施形態では、凹部61は、対向方向第1側F1を向く第2対向面61b及び第3対向面61cを更に備えている。本実施形態では、第2対向面61b及び第3対向面61cのそれぞれが、対向方向Fに対して直交する平面状に形成されている。そして、第2対向面61bが第3対向面61cよりも対向方向第2側F2に配置されている。また、凹部内壁面61aが、第2対向面61bと第3対向面61cとを接続するように形成されている。
【0028】
第2コイルユニット5は、第2突出部50を備えている。第2突出部50は、凹部内壁面61aに囲まれるように配置されている。本実施形態では、第2コイルユニット5を構成する、第2コイル51、第2コア52、及び第2保持部材53における、凹部61の第2対向面61bから対向方向第1側F1に突出する部分が、第2突出部50に相当する。本実施形態では、第2突出部50は、対向方向Fに沿う軸心を有する円筒状の外周面としての第2突出部外周面50aを備える円柱状に形成されている。
【0029】
第1支持体4の凸部42は、対向方向Fに沿う軸心を有する筒状に形成されている。なお、凸部42の対向方向第2側F2の端部は、対向方向Fに沿う対向方向視で連続的に形成されていても良いし、断続的に形成されていても良い。凸部42は、凸部内壁面42aと、凸部外壁面42bと、を備えている。
【0030】
凸部内壁面42aは、第1突出部外周面30aに対向するように形成されている。凸部内壁面42aは、対向方向Fに対して直交する方向に、第1突出部外周面30aと間隔を空けて配置されている。本実施形態では、凸部内壁面42aは、基部41の第1対向面41aに対して垂直に配置されている。本例では、凸部内壁面42aは、対向方向Fに沿う軸心を有する円筒状に形成されている。
【0031】
凸部外壁面42bは、第1コネクタ1と第2コネクタ2とが結合したコネクタ結合状態(図3参照)で、凹部内壁面61aに嵌合するように形成されている。なお、凸部外壁面42bと凹部内壁面61aとは、コネクタ結合状態で、互いに隙間を空けて配置されていても良いし、隙間なく配置されていても良い。本実施形態では、凸部外壁面42bは、対向方向第2側F2へ向かうに従って第1突出部30に近づくように傾斜している。本例では、凸部外壁面42bは、円錐台状に形成されている。
【0032】
上述したように、本実施形態では、凹部内壁面61aは、対向方向第2側F2へ向かうに従って第2突出部50に近づくように傾斜している。そして、凸部外壁面42bは、対向方向第2側F2へ向かうに従って第1突出部30に近づくように傾斜している。本実施形態では、凹部内壁面61aの傾斜角度と凸部外壁面42bの傾斜角度とが同等である。ここで、本願において「同等」とは、2つの値が互いに一致することに加えて、2つの値に誤差程度の差が存在することも含む概念である。
【0033】
この構成によれば、第1コネクタ1と第2コネクタ2との結合のための位置合わせの容易性を高めることができる。
【0034】
以下の説明では、第1コイル31及び第2コイル51のうちの電源Pに電気的に接続された方を「対象コイルT1」とする。そして、第1コネクタ1及び第2コネクタ2のうちの対象コイルT1を備える方を「対象コネクタT2」とする。本実施形態では、対象コイルT1は、第1コイル31である。そして、対象コネクタT2は、第1コネクタ1である。
【0035】
図3に示すように、対象コネクタT2に、凸部内壁面42aに囲まれた空間Sを流れる冷却風が通る通風口7が設けられている。本実施形態では、空間Sは、第1コネクタ1と第2コネクタ2とが結合したコネクタ結合状態で、凸部内壁面42aと、第1突出部外周面30aと、第2突出部外周面50aと、第1対向面41aと、第2対向面61bとによって囲まれた環状の空間である。
【0036】
本実施形態では、通風口7は、吐出口71と、吸入口72と、を含む。吐出口71及び吸入口72のそれぞれは、基部41の第1対向面41aにおける、第1突出部外周面30aと凸部内壁面42aとの間の部分に開口している。このように、本実施形態では、通風口7は、第1支持体4の基部41における、第1突出部外周面30aと凸部内壁面42aとの間の領域に配置されている。なお、吐出口71及び吸入口72のそれぞれは、1個設けられていても良いし、凸部内壁面42aに沿って複数個設けられていても良い。
【0037】
本実施形態では、車両用給電システム100は、冷却風を発生させる冷却風発生装置8を更に備えている。本実施形態では、冷却風発生装置8は、吐出口71から空間Sに冷却風を吐出する第1ファン81と、空間Sから吸入口72に冷却風を吸引する第2ファン82と、を備えている。なお、図3における黒塗り矢印は、冷却風の流れを表している。
【0038】
以上のように、車両用給電システム100は、
互いに結合及び分離可能に構成された第1コネクタ1及び第2コネクタ2を備えた車両用給電システム100であって、
第1コネクタ1は、地上側に設置された電源P及び車両Vに搭載された蓄電装置Bのいずれか一方に電気的に接続された第1コイル31を備えた第1コイルユニット3と、当該第1コイルユニット3を支持する第1支持体4と、を備え、
第2コネクタ2は、電源P及び蓄電装置Bのいずれか他方に電気的に接続された第2コイル51を備えた第2コイルユニット5と、当該第2コイルユニット5を支持する第2支持体6と、を備え、
第1コネクタ1と第2コネクタ2とが結合したコネクタ結合状態で、第1コイルユニット3と第2コイルユニット5とが磁気的に結合してトランスを構成し、
コネクタ結合状態で第1コネクタ1と第2コネクタ2とが対向する方向を対向方向Fとし、対向方向Fにおける第2コネクタ2に対して第1コネクタ1が配置される側を対向方向第1側F1とし、その反対側を対向方向第2側F2として、
第1支持体4は、基部41と、当該基部41から対向方向第2側F2に突出した凸部42と、を備え、
第1コイルユニット3は、基部41から対向方向第2側F2に突出するように配置された第1突出部30を備え、
第2支持体6は、対向方向第2側F2に窪んだ凹部61を備え、
第2コイルユニット5は、凹部61の内壁面である凹部内壁面61aに囲まれた第2突出部50を備え、
凸部42は、第1突出部30の外周面である第1突出部外周面30aに対向する凸部内壁面42aと、コネクタ結合状態で凹部内壁面61aに嵌合する凸部外壁面42bと、を備え、
第1コイル31及び第2コイル51のうちの電源Pに電気的に接続された方を対象コイルT1とし、第1コネクタ1及び第2コネクタ2のうちの対象コイルT1を備える方を対象コネクタT2として、
対象コネクタT2に、凸部内壁面42aに囲まれた空間Sを流れる冷却風が通る通風口7が設けられている。
【0039】
この構成によれば、対象コネクタT2、つまり、地上側に設けられたコネクタに、凸部内壁面42aに囲まれた空間Sを流れる冷却風が通る通風口7が設けられている。これにより、第1コネクタ1及び第2コネクタ2のうちの対象コネクタT2ではない方、つまり、車両V側に設けられたコネクタの小型化及び軽量化を図り易い。
また、本構成によれば、コネクタ結合状態で、凸部外壁面42bが凹部内壁面61aに嵌合するように構成されている。これにより、その状態で通風口7から冷却風を供給することで、凸部内壁面42aに囲まれた空間Sに冷却風を適切に流すことができる。したがって、凸部内壁面42aに囲まれた空間Sに配置された、第1コイルユニット3の第1突出部30及び第2コイルユニット5の第2突出部50の双方を、適切に冷却することができる。
また、本構成によれば、第1コイル31と第2コイル51との間での電力の伝送中に、第1コイルユニット3及び第2コイルユニット5の周辺に水や異物が侵入して、電力の伝送効率が低下することを回避できる。また、第1コイル31と第2コイル51との間での電力の伝送中に、第1コイルユニット3及び第2コイルユニット5の周辺に人体やその他の生物が侵入して、それらが電磁気的な影響を受ける可能性を低減することができる。
【0040】
また、上述したように、実施形態では、対象コネクタT2は、第1コネクタ1であり、
通風口7は、基部41における、第1突出部外周面30aと凸部内壁面42aとの間の領域に配置されている。
【0041】
この構成によれば、第1コイルユニット3の第1突出部30及び第2コイルユニット5の第2突出部50の周囲に効率的に冷却風を流し、それらを効率的に冷却することができる。
【0042】
上述したように、本実施形態では、吸入口72と、当該吸入口72に冷却風を空間Sから吸引する第2ファン82とが設けられている。これにより、空間Sに水や異物が侵入した場合であっても、吸入口72を通してそれらを空間Sの外部に排出させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、吐出口71は、対向方向Fに沿う対向方向視で、環状の空間Sに沿って冷却風を吐出するように、対向方向Fに対して傾斜した方向に開口している。これにより、第1コイルユニット3の第1突出部30及び第2コイルユニット5の第2突出部50の周囲に、渦状の冷却風の流れを形成することができる。したがって、第1突出部30及び第2突出部50を効率的に冷却することができる。
【0044】
本実施形態では、凸部42における凸部外壁面42bを構成する部分が、ゴム、エラストマー等の弾性部材を用いて構成されている。本例では、凸部42の全体が、弾性部材を用いて構成されている。
【0045】
この構成によれば、第1コネクタ1と第2コネクタ2との結合のための位置合わせに際して、弾性部材により車両V側に傷が付き難くすることができる。
【0046】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1コイル31が電源Pに電気的に接続され、第2コイル51が蓄電装置Bに電気的に接続された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1コイル31が蓄電装置Bに電気的に接続され、第2コイル51が電源Pに電気的に接続された構成としても良い。
【0047】
(2)上記の実施形態では、凸部外壁面42b及び凹部内壁面61aのそれぞれが、円錐台状に形成された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、凸部外壁面42b及び凹部内壁面61aのそれぞれが、例えば、円筒状、角筒状、角錐台状等であっても良い。
【0048】
(3)上記の実施形態では、吐出口71が対向方向Fに対して傾斜した方向に開口している構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、吐出口71が対向方向Fに沿って開口していても良い。
【0049】
(4)上記の実施形態では、通風口7が吐出口71及び吸入口72を含む構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、通風口7が吐出口71及び吸入口72のいずれか一方のみを含む構成としても良い。
【0050】
(5)上記の実施形態では、凸部42の全体が弾性部材である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、凸部42のうち、凸部外壁面42bを構成する部分のみが弾性部材であり、それ以外の部分が剛体であっても良い。
【0051】
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本開示に係る技術は、車両に搭載された蓄電装置に電力を供給する車両用給電システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
100:車両用給電システム、1:第1コネクタ、2:第2コネクタ、3:第1コイルユニット、30:第1突出部、30a:第1突出部外周面(突出部外周面)、31:第1コイル、4:第1支持体、41:基部、42:凸部、42a:凸部内壁面、42b:凸部外壁面、5:第2コイルユニット、50:第2突出部、51:第2コイル、6:第2支持体、61:凹部、61a:凹部内壁面、7:通風口、B:蓄電装置、P:電源、V:車両、T1:対象コイル、T2:対象コネクタ、F:対向方向、F1:対向方向第1側、F2:対向方向第2側
図1
図2
図3