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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179934
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】静電モータ駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241219BHJP
   H02N 1/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H02M7/48 A
H02N1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099276
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】倉田 和慶
(72)【発明者】
【氏名】仁野 新一
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA01
5H770DA01
5H770DA17
5H770DA41
(57)【要約】
【課題】回路構成の大型化を招くことなく高出力化を実現する。
【解決手段】電圧印加回路3は、スイッチング素子Q1、Q2を含むハーフブリッジ回路12と、一方の端子がハーフブリッジ回路12に接続されるとともに他方の端子がステータ電極5に接続されるインダクタL1と、スイッチング素子Q3、Q4を含むハーフブリッジ回路13と、一方の端子がハーフブリッジ回路13に接続されるとともに他方の端子がステータ電極5に接続されるインダクタL2と、を備える。電圧印加回路3は、スイッチング素子Q1、Q2およびQ3、Q4を相補的にオンオフすることで生じるインダクタL1、L2のそれぞれとステータ電極5を一方の電極として形成された電極容量6との共振を利用して電源電圧VDDよりも高い振幅を有する電圧である出力電圧をインダクタL1、L2の各他方の端子から出力し、その出力電圧を用いて正の固定電圧、負の固定電圧、A相電圧およびB相電圧を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子に設けられた電極(4)と固定子に設けられた電極(5)との間に生じる静電気力により回転力を得るように構成された静電モータ(2)を駆動する静電モータ駆動回路であって、
前記回転子に設けられた電極および前記固定子に設けられた電極のうち一方を第1電極とするとともに他方を第2電極とし、回路の基準電位となるグランド(10)を境に高電位側の電圧を正の電圧とするとともに低電位側の電圧を負の電圧とすると、
前記第1電極に対して正の固定電圧および負の固定電圧を印加するとともに、前記第2電極に対して前記静電モータの回転位置に応じて正負が切り替えられる第1相電圧および前記第1相電圧とは逆相の第2相電圧を印加する電圧印加回路(3、41)を備え、
前記電圧印加回路は、
電源電圧が与えられる電源線(9)と前記グランドとの間に直列接続された2つのスイッチング素子(Q1、Q2、Q21、Q22、Q31、Q32)を含む第1ハーフブリッジ回路(12、21、31)と、
一方の端子が前記第1ハーフブリッジ回路に接続されるとともに他方の端子が前記第2電極に接続される第1インダクタ(L1)と、
前記電源線と前記グランドとの間に直列接続された2つのスイッチング素子(Q3、Q4)を含む第2ハーフブリッジ回路(13)と、
一方の端子が前記第2ハーフブリッジ回路に接続されるとともに他方の端子が前記第2電極に接続される第2インダクタ(L2)と、
を備え、
前記2つのスイッチング素子を相補的にオンオフすることで生じる前記第1インダクタおよび前記第2インダクタのそれぞれと前記第2電極を一方の電極として形成された電極容量(6)との共振を利用して前記電源電圧よりも高い振幅を有する電圧である出力電圧を前記第1インダクタおよび前記第2インダクタの各他方の端子から出力し、
前記出力電圧を用いて前記正の固定電圧、前記負の固定電圧、前記第1相電圧および前記第2相電圧を生成する静電モータ駆動回路。
【請求項2】
前記第1ハーフブリッジ回路および前記第2ハーフブリッジ回路は、前記2つのスイッチング素子に流れる電流の逆流を防止する逆流防止部(D5、D6、D7、D8、Q21、Q22、Q31、Q32)を備えている請求項1に記載の静電モータ駆動回路。
【請求項3】
前記2つのスイッチング素子をオンする時間であるオン時間は、前記共振の半周期以上の時間に設定されている請求項1または2に記載の静電モータ駆動回路。
【請求項4】
前記電圧印加回路は、
前記第1インダクタおよび前記第2インダクタのうち一方または双方の他方の端子にアノードが接続される第1ダイオード(D1、D3)と、
前記第1インダクタおよび前記第2インダクタのうち一方または双方の他方の端子にカソードが接続される第2ダイオード(D2、D4)と、
を備え、
前記第1ダイオードのカソードの電圧を前記正の固定電圧として出力し、
前記第2ダイオードのアノードの電圧を前記負の固定電圧として出力し、
前記第1インダクタの他方の端子から出力される前記出力電圧を前記第1相電圧として出力し、
前記第2インダクタの他方の端子から出力される前記出力電圧を前記第2相電圧として出力する請求項1または2に記載の静電モータ駆動回路。
【請求項5】
前記電圧印加回路(41)は、
一方の端子が前記第1ハーフブリッジ回路に接続されるとともに他方の端子が前記第2電極に接続される第3インダクタ(L3)と、
一方の端子が前記第2ハーフブリッジ回路に接続されるとともに他方の端子が前記第2電極に接続される第4インダクタ(L4)と、
を備え、
前記第1インダクタの一方の端子は、前記第1ハーフブリッジ回路に含まれる前記2つのスイッチング素子のうち上流側のスイッチング素子に接続され、
前記第3インダクタの一方の端子は、前記第1ハーフブリッジ回路に含まれる前記2つのスイッチング素子のうち下流側のスイッチング素子に接続され、
前記第2インダクタの一方の端子は、前記第2ハーフブリッジ回路に含まれる前記2つのスイッチング素子のうち上流側のスイッチング素子に接続され、
前記第4インダクタの一方の端子は、前記第2ハーフブリッジ回路に含まれる前記2つのスイッチング素子のうち下流側のスイッチング素子に接続される請求項1または2に記載の静電モータ駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電モータを駆動する静電モータ駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
静電モータは、回転子に設けられた電極であるロータ電極と固定子に設けられた電極であるステータ電極との間に生じる静電気力により回転力を得るように構成されたものである。このような静電モータを駆動する静電モータ駆動回路は、各電極のうち一方に固定電圧を印加するとともに、各電極のうち他方に回転位置に応じてレベルの高低が切り替えられるA相の電圧およびA相の電圧とは逆相のB相の電圧を印加するようになっている。特許文献1には、絶縁フライバックコンバータの回路構成が採用された静電モータ駆動回路が開示されている。なお、以下の説明では、特許文献1に開示された構成のことを従来技術と称することとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-48557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、駆動回路の出力電圧、つまり静電モータに印加される電圧であるモータ印加電圧が正極だけであるため、高出力化を実現するためにはそれに応じた高い電圧が必要となる。また、従来技術では、このような高い電圧を印加するときに対地間電圧が高くなることから、絶縁設計が難しくなり、回路構成の大型化を招くおそれがある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路構成の大型化を招くことなく高出力化を実現することができる静電モータ駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の静電モータ駆動回路は、回転子に設けられた電極(4)と固定子に設けられた電極(5)との間に生じる静電気力により回転力を得るように構成された静電モータ(2)を駆動するものであり、電圧印加回路(3、41)を備える。この場合、前記回転子に設けられた電極および前記固定子に設けられた電極のうち一方を第1電極とするとともに他方を第2電極とし、回路の基準電位となるグランド(10)を境に高電位側の電圧を正の電圧とするとともに低電位側の電圧を負の電圧とする。前記電圧印加回路は、前記第1電極に対して正の固定電圧および負の固定電圧を印加するとともに、前記第2電極に対して前記静電モータの回転位置に応じて正負が切り替えられる第1相電圧および前記第1相電圧とは逆相の第2相電圧を印加する。
【0007】
前記電圧印加回路は、電源電圧が与えられる電源線(9)と前記グランドとの間に直列接続された2つのスイッチング素子(Q1、Q2、Q21、Q22、Q31、Q32)を含む第1ハーフブリッジ回路(12、21、31)と、一方の端子が前記第1ハーフブリッジ回路に接続されるとともに他方の端子が前記第2電極に接続される第1インダクタ(L1)と、前記電源線と前記グランドとの間に直列接続された2つのスイッチング素子(Q3、Q4)を含む第2ハーフブリッジ回路(13)と、一方の端子が前記第2ハーフブリッジ回路に接続されるとともに他方の端子が前記第2電極に接続される第2インダクタ(L2)と、を備える。
【0008】
前記電圧印加回路は、前記2つのスイッチング素子を相補的にオンオフすることで生じる前記第1インダクタおよび前記第2インダクタのそれぞれと前記第2電極を一方の電極として形成された電極容量(6)との共振を利用して前記電源電圧よりも高い振幅を有する電圧である出力電圧を前記第1インダクタおよび前記第2インダクタの各他方の端子から出力する。前記電圧印加回路は、前記出力電圧を用いて前記正の固定電圧、前記負の固定電圧、前記第1相電圧および前記第2相電圧を生成する。
【0009】
上記構成によれば、静電モータに特有の電極容量を利用し、その電極容量と第1インダクタおよび第2インダクタとのLC共振により電源電圧よりも高い振幅を有する出力電圧を生成し、その出力電圧を用いて正の固定電圧、負の固定電圧、第1相電圧および第2相電圧を生成するようになっている。このようにすれば、静電モータの各電極に対して、正負の電圧を印加することができるようになるため、モータ印加電圧を増加させることが可能となり、その結果、電圧の2乗に比例して増加するトルクを向上させること、言い換えると高出力化を図ることができる。また、このようにすれば、対地間耐電圧を確保し易くなることから、回路構成の小型化を図ることができる。したがって、上記構成によれば、回路構成の大型化を招くことなく高出力化を実現することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る静電モータ駆動回路の構成を模式的に示す図
図2】第1実施形態に係る静電モータの各電極の構成を模式的に示す図
図3】第1実施形態に係る静電モータの具体的な電極構成の一例を示す図その1
図4】第1実施形態に係る静電モータの具体的な電極構成の一例を示す図その2
図5】第1実施形態に係る電圧印加回路が静電モータの各電極に印加する各電圧の波形を模式的に示す図
図6】第1実施形態に係る電圧印加回路について1相分の構成だけを示す図
図7】第1実施形態に係る電圧印加回路の1相分の構成による動作を説明するための図
図8】第1実施形態に係る起動昇圧時における電圧印加回路の1相分の各部の波形を模式的に示す図
図9】第1実施形態に係る実際の動作時における電圧印加回路の1相分の各部の波形を模式的に示す図
図10】第1実施形態に係る実際の動作時における電圧印加回路の全体の各部の波形を模式的に示す図
図11】第2実施形態に係る電圧印加回路について1相分の構成だけを示す図
図12】第3実施形態に係る電圧印加回路について1相分の構成だけを示す図
図13】第4実施形態に係る電圧印加回路について1相分の構成だけを示す図その1
図14】第4実施形態に係る電圧印加回路について1相分の構成だけを示す図その2
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1図10を参照して説明する。
【0012】
<全体構成>
図1に示すように、本実施形態の静電モータ駆動回路1は、静電モータ2を駆動するものであり、電圧印加回路3を備えている。なお、以下の説明では、静電モータ駆動回路1のことを駆動回路1と省略することがある。図2に示すように、静電モータ2は、回転子に設けられた電極であるロータ電極4と固定子に設けられた電極であるステータ電極5との間に生じる静電気力により回転力を得るように構成されたものである。このような構成においては、ステータ電極5を一方の電極とするとともにロータ電極4を他方の電極として電極容量6が形成される。なお、以下の説明では、ロータ電極4およびステータ電極5のことを、それぞれ電極4および電極5と省略することがある。
【0013】
静電モータ2の具体的な電極構成としては、例えば図3および図4に示すような構成を採用することができる。図3は、円周状に、つまり軸7に平行な向きに、多数の電極4、5が配置された構成となっている。図4は、放射状に、つまり軸7に垂直な向きに、多数の電極4、5が配置された構成となっている。この場合、ロータ電極4およびステータ電極5のうち一方であるロータ電極4が第1電極に相当するとともに、他方であるステータ電極5が第2電極に相当する。また、この場合、回路の基準電位となるグランドを境に高電位側の電圧を正の電圧とするとともに低電位側の電圧を負の電圧とする。
【0014】
電圧印加回路3は、ロータ電極4に対して正の固定電圧および負の固定電圧を印加するとともに、ステータ電極5に対して静電モータ2の回転位置に応じて正負が切り替えられるA相電圧およびB相電圧を印加する。この場合、A相電圧が第1相電圧に相当するとともに、B相電圧が第2相電圧に相当する。正の固定電圧、負の固定電圧、A相電圧およびB相電圧は、図5に示すような波形の電圧となっている。なお、図1および図5などでは、正の固定電圧のことを「正」、負の固定電圧のことを「負」、A相電圧のことを「A」、B相電圧のことを「B」と省略している。
【0015】
正の固定電圧は、グランド10の電位である0Vよりも高い電圧値で一定となる電圧である。負の固定電圧は、0Vよりも低い電圧値で一定となる電圧である。A相電圧およびB相電圧は、0Vよりも高い電圧値と、0Vよりも低い電圧値と、が交互に切り替えられる電圧である。ただし、B相電圧は、A相電圧とは逆相の電圧である。つまり、A相電圧およびB相電圧は、互いに位相が半周期ずれたものとなっている。
【0016】
電圧印加回路3は、直流電源8から供給される電源電圧VDDの供給を受けて動作する。直流電源8の高電位側端子は、抵抗R1を介して電源線9に接続されており、その低電位側端子は、グランド10に接続されている。電源線9とグランド10との間には、抵抗R1とともに電源電圧VDDを平滑するためのフィルタ回路11を構成するコンデンサC1が接続されている。
【0017】
電圧印加回路3は、ハーフブリッジ回路12、13、インダクタL1、L2、ダイオードD1~D4などを備えている。ハーフブリッジ回路12は、第1ハーフブリッジ回路に相当するものであり、電源電圧VDDが与えられる電源線9とグランド10との間に直列接続された2つのスイッチング素子Q1、Q2を含む。ハーフブリッジ回路12は、2つのスイッチング素子Q1、Q2に流れる電流の逆流を防止する逆流防止部として機能するダイオードD5、D6を備えている。
【0018】
スイッチング素子Q1、Q2は、MOSFETまたはIGBTなどのトランジスタにより構成することができる。この場合、スイッチング素子Q1、Q2は、いずれもNチャネル型のMOSFETである。スイッチング素子Q1のドレインは電源線9に接続されており、そのソースはダイオードD5を順方向に介してノードN1に接続されている。スイッチング素子Q2のドレインはダイオードD6を逆方向に介してノードN1に接続されており、そのソースはグランド10に接続されている。
【0019】
スイッチング素子Q1のゲートには、制御回路14から出力される2値の駆動信号Saがバッファ15を介して与えられている。スイッチング素子Q2のゲートには、制御回路14から出力される2値の駆動信号Sbがバッファ16を介して与えられている。このような構成により、スイッチング素子Q1、Q2のオンオフが制御回路14により制御される。制御回路14には、静電モータ2の回転位置を表す回転信号Scが与えられている。制御回路14は、回転信号Scに基づいて静電モータ2の回転位置が所望する位置となるように、駆動回路1の動作を制御する。
【0020】
インダクタL1は、第1インダクタに相当するものであり、その一方の端子がハーフブリッジ回路12のノードN1に接続されるとともに、その他方の端子がステータ電極5に接続される。ダイオードD1は、インダクタL1の他方の端子にアノードが接続されるものであり、第1ダイオードに相当する。ダイオードD1のカソードは、ロータ電極4に接続される。ダイオードD2は、インダクタL1の他方の端子にカソードが接続されるものであり、第2ダイオードに相当する。ダイオードD2のアノードは、ロータ電極4に接続される。
【0021】
ハーフブリッジ回路13は、第2ハーフブリッジ回路に相当するものであり、電源電圧VDDが与えられる電源線9とグランド10との間に直列接続された2つのスイッチング素子Q3、Q4を含む。ハーフブリッジ回路13は、2つのスイッチング素子Q3、Q4に流れる電流の逆流を防止する逆流防止部として機能するダイオードD7、D8を備えている。スイッチング素子Q3、Q4は、MOSFETまたはIGBTなどのトランジスタにより構成することができる。この場合、スイッチング素子Q3、Q4は、いずれもNチャネル型のMOSFETである。スイッチング素子Q3のドレインは電源線9に接続されており、そのソースはダイオードD7を順方向に介してノードN2に接続されている。
【0022】
スイッチング素子Q4のドレインはダイオードD8を逆方向に介してノードN2に接続されており、そのソースはグランド10に接続されている。スイッチング素子Q3のゲートには、制御回路14から出力される2値の駆動信号Sdがバッファ17を介して与えられている。スイッチング素子Q4のゲートには、制御回路14から出力される2値の駆動信号Seがバッファ18を介して与えられている。このような構成により、スイッチング素子Q3、Q4のオンオフが制御回路14により制御される。
【0023】
インダクタL2は、第2インダクタに相当するものであり、その一方の端子がハーフブリッジ回路13のノードN2に接続されるとともに、その他方の端子がステータ電極5に接続される。ダイオードD3は、インダクタL2の他方の端子にアノードが接続されるものであり、第1ダイオードに相当する。ダイオードD3のカソードは、ロータ電極4に接続される。ダイオードD4は、インダクタL2の他方の端子にカソードが接続されるものであり、第2ダイオードに相当する。ダイオードD4のアノードは、ロータ電極4に接続される。
【0024】
電圧印加回路3は、ハーフブリッジ回路12の2つのスイッチング素子Q1、Q2を相補的にオンオフすることで生じるインダクタL1と電極容量6とのLC共振を利用して電源電圧VDDよりも高い振幅を有する電圧である出力電圧をインダクタL1の他方の端子から出力する。そして、電圧印加回路3は、その出力電圧を用いて正の固定電圧、負の固定電圧およびA相電圧を生成する。具体的には、電圧印加回路3は、ダイオードD1のカソードの電圧を正の固定電圧として出力し、ダイオードD2のアノードの電圧を負の固定電圧として出力する。また、電圧印加回路3は、インダクタL1の他方の端子から出力される出力電圧をA相電圧として出力する。
【0025】
電圧印加回路3は、ハーフブリッジ回路13の2つのスイッチング素子Q3、Q4を相補的にオンオフすることで生じるインダクタL2と電極容量6とのLC共振を利用して電源電圧VDDよりも高い振幅を有する電圧である出力電圧をインダクタL2の他方の端子から出力する。そして、電圧印加回路3は、その出力電圧を用いて正の固定電圧、負の固定電圧およびB相電圧を生成する。具体的には、電圧印加回路3は、ダイオードD3のカソードの電圧を正の固定電圧として出力し、ダイオードD4のアノードの電圧を負の固定電圧として出力する。また、電圧印加回路3は、インダクタL2の他方の端子から出力される出力電圧をB相電圧として出力する。
【0026】
次に、上記構成の電圧印加回路3による動作について、図6図10を参照して説明する。なお、下記の[1]~[3]においては、ハーフブリッジ回路12およびハーフブリッジ回路12に対応する構成、つまり1相分の構成による動作を例にして説明を行うが、ハーフブリッジ回路13およびハーフブリッジ回路13に対応する構成による動作についても同様である。また、図6では、動作説明に関係のない構成についての図示を省略している。
【0027】
[1]動作の概要
前述したように、電圧印加回路3では、インダクタL1と電極容量6との共振を利用するようになっている。スイッチング素子Q1がオンされる期間Taには、図6に点線の矢印で示す経路A1でインダクタL1および電極容量6に電流が流れることから、昇圧動作が行われる。昇圧動作の半周期後においてスイッチング素子Q2がオンされる期間Tbには、図6に点線の矢印で示す経路A2でインダクタL1および電極容量6に電流が流れることから、回生動作、つまり電圧反転動作が行われる。
【0028】
このような各動作の結果、インダクタL1の他方の端子から出力される出力電圧は、図7に示すようになる。なお、図7などでは、出力電圧をVoとし、インダクタ電流をILとしている。また、図7などにおいて、駆動信号Sa、Sbを含む各駆動信号は、ハイレベルがスイッチング素子をオンするレベルであり、ロウレベルがスイッチング素子をオフするレベルである。図7に示すように、出力電圧Voは、電源電圧VDDよりも高い振幅を有する電圧となる。具体的には、図7中の初期動作において、駆動信号Saがハイレベルになることにより共振による昇圧動作が行われ、出力電圧Voは電源電圧VDDの約2倍の電圧に昇圧される。そして、半周期後に駆動信号Sbがハイレベルになることにより反転動作が行われ、出力電圧Voが負電圧となる、つまり負電圧が生成される。
【0029】
上記構成では、共振を利用することから、スイッチング素子Q1、Q2をオンする時間であるオン時間Tonは、共振の半周期以上の時間に設定することが望ましい。そこで、本実施形態では、制御回路14は、オン時間Tonが下記(1)式を満たすような時間となるように、駆動回路1の動作を制御するようになっている。ただし、インダクタL1のインダクタンス値をLとし、電極容量6の静電容量値をCとする。
【0030】
【数1】
【0031】
本実施形態では、例えば電極容量6の静電容量値Cが100pFであるとともにインダクタL1のインダクタンス値Lが1Hである場合、オン時間Tonは31.4μsに設定されることになる。
【0032】
[2]起動昇圧時の各部の波形(1相分)
起動昇圧時、つまり駆動回路1が起動した直後であって負荷が無いときにおける1相分の各部の波形は、図8に示すようなものとなる。この場合、「共振による昇圧」→「反転による負電圧の生成」→「共振による昇圧」…といった具合で各動作が半周期毎に繰り返されるため、電源電圧VDDに対する共振振幅の増大により出力電圧Voが次第に上昇してゆく。その結果、出力電圧として電源電圧VDDよりも十分に大きな電圧が得られる。上記構成によれば、出力電圧の振幅が所望する値に達した後は、駆動信号Sa、Sbのパルス幅、つまりスイッチング素子Q1、Q2のオン時間を制御することにより、出力電圧を任意の電圧にすることができる。
【0033】
[3]実際の動作時の各部の波形(1相分)
実際の動作時、つまり駆動回路1が静電モータ2を駆動しているときにおける1相分の各部の波形は、図9に示すようなものとなる。この場合、各動作の繰り返しにより出力電圧が増加する一方で、静電モータ2による電力消費や電極の移動に伴う静電容量の変化などが原因で出力電圧が低下することから、出力電圧は結果的に電源電圧VDDよりも高い所定のレベルで平衡することになる。
【0034】
図9に示すように、昇圧動作から反転動作までの間、出力電圧は所定の傾きで低下しているが、これは、前述した静電モータ2による電力消費や電極の移動に伴う静電容量の変化などに起因するものである。反転動作では、このように低下した残電圧を反転することになるため、出力電圧においては、正電圧に比べて負電圧のほうが絶対値が小さいものとなっている。
【0035】
[4]実際の動作時の各部の波形(全体)
実際の動作時、つまり出力電圧が平衡状態となるときにおける全体の各部の波形は、図10に示すようなものとなる。ステータ電極5に印加されるA相電圧は、インダクタL1の他方の端子から出力される出力電圧であることから、図9に示した出力電圧と同様の波形となっている。ステータ電極5に印加されるB相電圧は、インダクタL2の他方の端子から出力される出力電圧であることから、図9に示した出力電圧と同様の波形となっている。ただし、A相電圧とB相電圧とは互いに逆相の波形となっている。なお、図10では、インダクタL1に流れるインダクタ電流をILAとし、インダクタL2に流れるインダクタ電流をILBとしている。
【0036】
ロータ電極4に印加される正の固定電圧は、ダイオードD1、D3のカソードの電圧、つまりA相電圧およびB相電圧をダイオードD1、D3により整流するとともにロータ正負間の電極容量により平滑した電圧であることから、A相電圧およびB相電圧の正側のピーク値に概ね等しい電圧値を有する直流電圧となっている。ロータ電極4に印加される負の固定電圧は、ダイオードD2、D4のアノードの電圧、つまりA相電圧およびB相電圧をダイオードD2、D4により整流するとともにロータ正負間の電極容量により平滑した電圧であることから、A相電圧およびB相電圧の負側のピーク値に概ね等しい電圧値を有する直流電圧となっている。
【0037】
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態の駆動回路1は、静電モータ2に特有の電極容量6を利用し、その電極容量6とインダクタL1、L2とのLC共振により電源電圧VDDよりも高い振幅を有する出力電圧を生成し、その出力電圧を用いて正の固定電圧、負の固定電圧、A相電圧およびB電圧を生成するようになっている。
【0038】
このようにすれば、静電モータ2の各電極4、5に対して、正負の電圧を印加することができるようになるため、モータ印加電圧を増加させることが可能となり、その結果、電圧の2乗に比例して増加するトルクを向上させること、言い換えると高出力化を図ることができる。また、このようにすれば、対地間耐電圧を確保し易くなることから、回路構成の小型化を図ることができる。したがって、本実施形態によれば、回路構成の大型化を招くことなく高出力化を実現することができるという優れた効果が得られる。
【0039】
本実施形態の駆動回路1では、上述した通り、共振のための構成として、元々静電モータ2において存在する電極容量6を用いるようにしていることから、共振のための構成として別途キャパシタを設ける場合に比べ、回路構成の小型化を図ることができる。また、本実施形態では、電圧印加回路3は、インダクタL1、L2を備えた構成であり、出力電圧を生成するためのスイッチング動作がソフトスイッチングとなるため、スイッチング損失および電磁干渉ノイズが低減されるとともに、スイッチング素子Q1~Q4を含む各素子への負担が小さくなり、サージ、発熱などを小さく抑えることができるといった効果が得られる。
【0040】
従来技術では、単純にトランスで昇圧しており、負荷特性を考慮した動作ではないため、損失が大きくなって効率が低下するおそれがあった。これに対し、本実施形態の駆動回路1では、共振により昇圧動作させることで高出力化を可能にしたうえで、さらに回生動作させることで低損失化、つまり高効率化を実現することが可能となっている。本実施形態では、スイッチング素子Q1~Q4として、MOSFET、IGBTなどのトランジスタを採用することができる。このようにすれば、汎用的な素子を用いて共振のための構成を形成することができるため、製造コストの低減、部品調達が容易になる、などのメリットが得られる。
【0041】
ハーフブリッジ回路12は、ダイオードD5、D6を備えており、それらダイオードD5、D6がスイッチング素子Q1、Q2に流れる電流の逆流を防止する逆流防止部として機能する。また、ハーフブリッジ回路13は、ダイオードD7、D8を備えており、それらダイオードD7、D8がスイッチング素子Q3、Q4に流れる電流の逆流を防止する逆流防止部として機能する。このようにすれば、共振作用を昇圧動作として機能させることが出来る。
【0042】
電圧印加回路3において、スイッチング素子Q1~Q4のそれぞれをオンする時間であるオン時間Tonは、共振の半周期以上の時間に設定することができる。このようにすれば、共振による昇圧の作用を確実に得ることが可能となり、高出力化をより確実に実現することが可能となる。
【0043】
(第2実施形態)
以下、第1実施形態に対してハーフブリッジ回路の構成が変更された第2実施形態について図11を参照して説明する。
なお、図11では、第1ハーフブリッジ回路に相当する構成を例にして説明を行うが、第2ハーフブリッジ回路に相当する構成も同様にすることができる。
【0044】
図11に示すように、本実施形態のハーフブリッジ回路21は、第1ハーフブリッジ回路に相当するものであり、電源線9とグランド10との間に直列接続された2つのスイッチング素子Q21、Q22を含む。スイッチング素子Q21、Q22は、逆阻止IGBT、つまりRB-IGBTである。スイッチング素子Q21のコレクタは電源線9に接続されており、そのエミッタはノードN1に接続されている。スイッチング素子Q22のコレクタはノードN1に接続されており、そのエミッタはグランド10に接続されている。
【0045】
スイッチング素子Q21のゲートには、駆動信号Saが図示しないバッファ15を介して与えられている。スイッチング素子Q22のゲートには、駆動信号Sbが図示しないバッファ16を介して与えられている。この場合、逆阻止IGBTにより構成されたスイッチング素子Q21、Q22自体が、2つのスイッチング素子Q21、Q22に流れる電流の逆流を防止する逆流防止部として機能する。
【0046】
このような本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態によれば、第1実施形態に比べ、4つのダイオードD5~D7を省くことが可能となるため、その分だけ素子数を少なく抑え、その結果、回路構成を一層小型化することができる。
【0047】
(第3実施形態)
以下、第1実施形態に対してハーフブリッジ回路の構成が変更された第3実施形態について図12を参照して説明する。
なお、図12では、第1ハーフブリッジ回路に相当する構成を例にして説明を行うが、第2ハーフブリッジ回路に相当する構成も同様にすることができる。
【0048】
図12に示すように、本実施形態のハーフブリッジ回路31は、第1ハーフブリッジ回路に相当するものであり、電源線9とグランド10との間に直列接続された2つのスイッチング素子Q31、Q32を含む。スイッチング素子Q31、Q32は、サイリスタである。スイッチング素子Q31のアノードは電源線9に接続されており、そのカソードはノードN1に接続されている。スイッチング素子Q22のアノードはノードN1に接続されており、そのカソードはグランド10に接続されている。
【0049】
スイッチング素子Q31のゲートには、駆動信号Saが図示しないバッファ15を介して与えられている。スイッチング素子Q32のゲートには、駆動信号Sbが図示しないバッファ16を介して与えられている。一般に、サイリスタはオフできない欠点があるが、本回路では、サイリスタであるスイッチング素子Q31、Q32は、電流が止まりオフにできる。この場合、サイリスタにより構成されたスイッチング素子Q31、Q32自体が、2つのスイッチング素子Q31、Q32に流れる電流の逆流を防止する逆流防止部として機能する。
【0050】
このような本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態によれば、第1実施形態に比べ、4つのダイオードD5~D7を省くことが可能となるため、その分だけ素子数を少なく抑え、その結果、回路構成を一層小型化することができる。また、本実施形態によれば、スイッチング素子Q31、Q32としてサイリスタを用いていることから、スイッチング素子Q1、Q2としてMOSFETなどのトランジスタを用いる第1実施形態に比べ、制御が簡単になるというメリットがある。
【0051】
(第4実施形態)
以下、第1実施形態に対してインダクタの構成および配置が変更された第4実施形態について図13および図14を参照して説明する。
【0052】
なお、図13は、本実施形態の電圧印加回路41のうち第1ハーフブリッジ回路に相当するハーフブリッジ回路12に対応する構成だけを抜き出して記載しており、図14は、本実施形態の電圧印加回路41のうち第2ハーフブリッジ回路に相当するハーフブリッジ回路13に対応する構成だけを抜き出して記載している。
【0053】
図13に示すように、本実施形態の電圧印加回路41は、インダクタL3を備えている。この場合、インダクタL1は、その一方の端子がハーフブリッジ回路12に接続されるとともに、その他方の端子がノードN41に接続される。インダクタL3は、第3インダクタに相当するものであり、その一方の端子がハーフブリッジ回路12に接続されるとともに、その他方の端子がノードN41に接続される。ノードN41は、電極容量6を形成するステータ電極5に接続される。
【0054】
具体的には、インダクタL1の一方の端子は、ダイオードD5を逆方向に介して、ハーフブリッジ回路12に含まれる2つのスイッチング素子Q1、Q2のうち上流側のスイッチング素子Q1に接続される。また、インダクタL3の一方の端子は、ダイオードD6を順方向に介して、ハーフブリッジ回路12に含まれる2つのスイッチング素子Q1、Q2のうち下流側のスイッチング素子Q2に接続される。
【0055】
図14に示すように、本実施形態の電圧印加回路41は、インダクタL4を備えている。この場合、インダクタL2は、その一方の端子がハーフブリッジ回路13に接続されるとともに、その他方の端子がノードN42に接続される。インダクタL4は、第4インダクタに相当するものであり、その一方の端子がハーフブリッジ回路13に接続されるとともに、その他方の端子がノードN42に接続される。ノードN42は、電極容量6を形成するステータ電極5に接続される。
【0056】
具体的には、インダクタL2の一方の端子は、ダイオードD7を逆方向に介して、ハーフブリッジ回路13に含まれる2つのスイッチング素子Q3、Q4のうち上流側のスイッチング素子Q3に接続される。また、インダクタL4の一方の端子は、ダイオードD8を順方向に介して、ハーフブリッジ回路13に含まれる2つのスイッチング素子Q3、Q4のうち下流側のスイッチング素子Q4に接続される。
【0057】
このような本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態および第1実施形態のそれぞれには、次のような利点がある。第1実施形態では、ハーフブリッジ回路12、13のそれぞれに対応して1つのインダクタを設ければよいため、本実施形態に比べて回路構成を簡素化できるという利点がある。これに対し、本実施形態では、ハーフブリッジ回路12、13のそれぞれに対応して2つのインダクタを設ける必要があるが、2つのインダクタのうち上流側に設けられたインダクタL1、L2によりリカバリに伴う急峻な電流が流れ難くなることから、第1実施形態に比べてリカバリ損失を低減することができるという利点がある。
【0058】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
【0059】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0060】
1…静電モータ駆動回路、2…静電モータ、3…電圧印加回路、4…ロータ電極、5…ステータ電極、6…電極容量、9…電源線、10…グランド、12…ハーフブリッジ回路、13…ハーフブリッジ回路、21…ハーフブリッジ回路、31…ハーフブリッジ回路、41…電圧印加回路、D1、D3…ダイオード、D2、D4…ダイオード、D5、D6、D7、D8…ダイオード、L1…インダクタ、L2…インダクタ、L3…インダクタ、L4…インダクタ、Q1、Q2…スイッチング素子、Q3、Q4…スイッチング素子、Q21、Q22…スイッチング素子、Q31、Q32…スイッチング素子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14