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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179952
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】配送管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20241219BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20241219BHJP
【FI】
B65G61/00 540
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099302
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】福村 俊治
(72)【発明者】
【氏名】ニコル エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊範
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佳明
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】住人が不在となる配送先に配送人が荷物を配送することを抑制することによって、当該配送人の負担を低減できるようにすること。
【解決手段】配送管理システム50の処理回路53は、配送車10の現在位置を基に配送領域を設定する。処理回路53は、当該配送領域内に位置する配送先DDに対して、荷物を配送する旨を通知する。処理回路53は、荷物を配送する旨の通知に対する回答があった配送先DDへの荷物の配送を配送車10に許可する一方、当該通知に対する回答がなかった配送先DDへの荷物の配送を配送車10に許可しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を配送する配送車を管理する配送管理システムであって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
配送車の現在位置を基に、前記配送車が荷物を配送するエリアである配送領域を設定することと、
前記配送領域内に位置する荷物の配送先に対して、荷物を配送する旨を通知することと、
荷物を配送する旨の通知に対する回答があった前記配送先への荷物の配送を前記配送車に許可することと、
前記通知に対する回答がなかった前記配送先への荷物の配送を前記配送車に許可しないことと、を実行する
配送管理システム。
【請求項2】
荷物の置き配を許可しているか否かに関する情報が前記配送先毎に登録されている記憶装置を備え、
前記処理回路は、
前記配送先が置き配を許可している配送先であるか否かを、前記記憶装置に登録されている情報に基づいて判定することと、
置き配を許可していると判定した前記配送先については、前記通知に対する回答がなかったとしても荷物の配送を前記配送車に許可することと、を実行する
請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項3】
荷物を収容できる宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報が前記配送先毎に登録されている記憶装置を備え、
前記処理回路は、
前記配送先に前記宅配ボックスが設置されているか否かを、前記記憶装置に登録されている情報に基づいて判定することと、
前記宅配ボックスが設置されていると判定した前記配送先については、前記通知に対する回答がなかったとしても荷物の配送を前記配送車に許可することと、を実行する
請求項1に記載の配送管理システム。
【請求項4】
前記処理回路は、
前記通知に対する回答があった確率である回答率を前記配送先毎に集計することと、
前記回答率の高い配送先には、前記回答率の低い配送先よりも高いインセンティブを付与することと、を実行する
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の配送管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を配送する配送車を管理する配送管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、データベースに登録されている荷物の引き取り希望時間及び配送車の巡回時間などを基に配達時刻を算出した上で、当該配達時刻を荷物の配送先に通知するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-56257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、配送車は、複数の配送先に荷物を順番に配送する。例えば、複数の配送先のうちの第1配送先から第2配送先に向かう道路が混んでいると、第2配送先に到達する時間が遅れてしまう。その結果、上記システムが配送先に通知した配達時刻と実際の配達時刻との間に乖離が生じてしまう。この場合、配送車が配送先に到着した時点では、配送先の住人が既に外出してしまっている可能性がある。このように配送先の住人が不在の場合、当該配送先への再配達が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための配送管理システムは、荷物を配送する配送車を管理するシステムである。当該配送管理システムは、処理回路を備えている。前記処理回路は、配送車の現在位置を基に、前記配送車が荷物を配送するエリアである配送領域を設定することと、前記配送領域内に位置する荷物の配送先に対して、荷物を配送する旨を通知することと、荷物を配送する旨の通知に対する回答があった前記配送先への荷物の配送を前記配送車に許可することと、前記通知に対する回答がなかった前記配送先への荷物の配送を前記配送車に許可しないことと、を実行する。
【発明の効果】
【0006】
上記配送管理システムは、住人が不在となる配送先に配送人が荷物を配送することを抑制することによって、当該配送人の負担を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態の配送管理システムと、配送車と、配送先とを示す模式図である。
図2図2は、図1に示した配送管理システムが備えるデータベースの内容を示す図である。
図3図3は、図1に示した配送管理システムで設定された配送領域を示す模式図である。
図4図4は、配送先への配送を許可するか否かを決定する際の処理の流れを示すシーケンス図である。
図5図5は、図1に示した配送管理システムで実行される集計処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、配送管理システムの一実施形態を図1図5に従って説明する。
図1には、配送管理システム50と、複数の配送車10と、複数の配送先DDとが図示されている。ここでいう「配送車10」は、配送管理システム50によって管理されている車両である。「配送先」とは、配送車10によって荷物が送り届けられる場所である。
【0009】
<配送先>
配送先の住人が所有する端末装置30は、通信ネットワーク100を介して配送管理システム50と通信可能に構成されている。端末装置30としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末及びパーソナルコンピュータを挙げることができる。
【0010】
<配送車>
複数の配送車10は、事前に設定された配送スケジュールに従って、複数の配送先DDに対して荷物をそれぞれ配送する。複数の配送車10は、自身の位置情報を受信する位置情報受信機11をそれぞれ有している。位置情報受信機11が受信した位置情報は、通信ネットワーク100を介して配送管理システム50に送信される。これにより、配送管理システム50は、複数の配送車10の現在位置を把握できる。
【0011】
配送車10には、荷物を配送先DDに送り届ける配送人が乗車する。配送人は携帯端末20を所有している。携帯端末20としては、例えば、スマートフォンやタブレット端末を挙げることができる。携帯端末20は、通信ネットワーク100を介して配送管理システム50と通信可能に構成されている。
【0012】
携帯端末20は、ユーザインターフェース21と、通信機22と、処理回路23とを備えている。ユーザインターフェース21は、表示部と操作部とを有している。表示部には、配送人に伝えるメッセージやサムネイルが表示される。操作部は、配送人の操作を受け付ける。
【0013】
通信機22は、通信ネットワーク100を介して外部の通信機器と情報の送受信を行うための携帯端末20のインターフェースである。例えば、通信機22は、配送管理システム50が送信した情報を受信した場合、当該情報を処理回路23に出力する。また例えば、通信機22は、処理回路23が出力した情報を配送管理システム50に向けて送信する。
【0014】
処理回路23の一例は電子制御装置である。この場合、処理回路23はCPU及びメモリを有している。メモリは、CPUによって実行される制御プログラムを記憶している。CPUがメモリの制御プログラムを実行することにより、処理回路23は、ユーザインターフェース21の表示部の表示を制御したり、配送人による操作部の操作結果に関する情報を通信機22に出力したりする。
【0015】
<配送管理システム>
配送管理システム50は、複数の配送車10を管理する。配送管理システム50は、通信機51と、データベース52と、処理回路53とを備えている。
【0016】
通信機51は、通信ネットワーク100を介して外部の通信機器と情報の送受信を行うための配送管理システム50のインターフェースである。例えば、通信機51は、通信ネットワーク100を介して受信した情報を処理回路53に出力する。また例えば、通信機51は、処理回路53が出力した情報を、配送先DDの住人の端末装置30又は配送人の携帯端末20に対して通信ネットワーク100を介して送信する。
【0017】
処理回路53の一例は電子制御装置である。この場合、処理回路53は、CPU54とメモリ55とを備えている。メモリ55は、CPU54によって実行される制御プログラムを記憶している。CPU54がメモリ55の制御プログラムを実行することにより、処理回路53は、複数の配送車10による荷物の配送を管理するための一連の処理を実行する。この一連の処理の具体的な内容については後述する。
【0018】
データベース52には、複数の配送先DDに関する各種の情報が登録されている。本実施形態では、データベース52が「記憶装置」に対応している。配送管理システム50が複数の配送車10による荷物の配送を管理する際に、処理回路53がデータベース52を活用する。
【0019】
図2を参照し、データベース52の一例について説明する。
データベース52には、配送先DDとして、複数の配送先DD1、DD2、DD3、DD4、DD5、…が登録されている。データベース52には、配送先の住所、置き配が許可されているか否かに関する情報、及び、宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報が、配送先DD1~DD5毎に登録されている。宅配ボックスとは、荷物を収容できるボックスである。宅配ボックスは、例えば、玄関先に設置されている。
【0020】
図2に示すデータベース52によれば、配送先DD1は、置き配を許可しているとともに、宅配ボックスが設置されている配送先である。また、配送先DD2は、置き配を許可していないとともに、宅配ボックスが設置されている配送先である。ここでいう「置き配を許可していない」とは、置き配を禁止するのではなく、置き配してよいのかどうかが不明であることを示している。
【0021】
<配送車を管理する際の処理の流れ>
図3及び図4を参照し、配送車10による配送を管理するための処理の流れを説明する。図4は、当該処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。このシーケンス図において、配送管理システム50が実行する複数の処理が、複数の配送車10による荷物の配送を管理するための一連の処理に対応する。
【0022】
図4に示すように、ステップS101において、配送車10が、自身の位置情報を配送管理システム50に送信する。これにより、配送車10の現在位置が、配送管理システム50で把握される。
【0023】
すると、配送管理システム50の処理回路53は、ステップS201において、配送車10の現在位置を基に配送領域ADを設定する。例えば、処理回路53は、配送車10が現時点から所定時間以内に荷物を配送できるエリアを配送領域ADとして設定する。
【0024】
図3には、配送領域ADの一例が図示されている。例えば、処理回路53は、配送車10の現在位置を含むように配送領域ADを設定する。なお、図3に示す地図上のサムネイルSM1は、配送車10を示すものである。また、サムネイルSM2は、配送先DDを示すものである。
【0025】
図4に戻り、処理回路53は、配送領域ADを設定すると、処理をステップS203に移行する。ステップS203において、処理回路53は、データベース52に登録されている情報を基に、配送領域ADに含まれる配送先DDを取得する。図3及び図4に示す例では、処理回路53は、4つの配送先DD1、DD2、DD3、DD4を取得する。
【0026】
続くステップS205において、処理回路53は、複数の配送先DD1~DD4に対して、荷物を配送する旨を通知する。この通知を「配送通知」という。すなわち、処理回路53は、配送領域AD内に位置する配送先DDに対して配送通知を通信機51から送信させる。そして、処理回路53は配送通知に対する回答を待つ。
【0027】
図4に示す例では、4つの配送先DD1~DD4のうち、配送先DD1から配送通知に対する回答が配送管理システム50に送信される(ステップS301)。配送先DD1の住人は、自身の端末装置30を用いて、在宅している旨を配送通知に対する回答として配送管理システム50に送信する。その一方で、残りの3つの配送先DD2~DD4からは、配送通知に対する回答が配送管理システム50に届かない。
【0028】
すると、ステップS207において、処理回路53は、配送先DD1への荷物の配送を許可する旨の情報を配送車10に送信する。具体的には、処理回路53は、上記情報を通信機51から配送人の携帯端末20に送信させる。つまり、ステップS207の処理が、配送通知に対する回答があった配送先DDへの荷物の配送を配送車10に許可する処理に対応する。
【0029】
続いてステップS209において、処理回路53は、配送先DDが置き配を許可している配送先であるか否かを、データベース52に登録されている情報に基づいて判定する。本実施形態では、処理回路53は、配送通知に対する回答がなかった複数の配送先DD2~DD4が置き配を許可している配送先であるか否かを判定する。データベース52によれば、図2に示したように、複数の配送先DD2~DD4の中では配送先DD4のみが置き配を許可している。つまり、処理回路53は、配送先DD4が置き配を許可している配送先であると判定する。一方、処理回路53は、複数の配送先DD2、DD3が置き配を許可していない配送先であると判定する。
【0030】
次のステップS211において、処理回路53は、配送先DD4への荷物の配送を許可する旨の情報を配送車10に送信する。具体的には、処理回路53は、上記情報を通信機51から配送人の携帯端末20に送信させる。つまり、ステップS211の処理が、置き配を許可していると判定した配送先DD4については、配送通知に対する回答がなかったとしても荷物の配送を配送車10に許可する処理に対応する。
【0031】
続いてステップS213において、処理回路53は、配送先DDに宅配ボックスが設置されているか否かを、データベース52に登録されている情報に基づいて判定する。本実施形態では、処理回路53は、配送通知に対する回答がなかった複数の配送先DD2、DD3に宅配ボックスが設置されているか否かを判定する。データベース52によれば、図2に示したように、複数の配送先DD2、DD3の中では配送先DD3のみに宅配ボックスが設置されている。つまり、処理回路53は、配送先DD3が、宅配ボックスが設置されている配送先であると判定する。一方、処理回路53は、配送先DD2が、宅配ボックスが設置されていない配送先であると判定する。
【0032】
次のステップS215において、処理回路53は、配送先DD3への荷物の配送を許可する旨の情報を配送車10に送信する。具体的には、処理回路53は、上記情報を通信機51から配送人の携帯端末20に送信させる。つまり、ステップS213の処理が、宅配ボックスが設置されていると判定した配送先DD3については、配送通知に対する回答がなかったとしても荷物の配送を配送車10に許可する処理に対応する。
【0033】
ここで、図4に示す例では、配送先DD2からは配送通知に対する回答が配送管理システム50に届いていない。また、配送先DD2は、置き配を許可していない配送先である。さらに、配送先DD2には宅配ボックスが設置されていない。
【0034】
そのため、ステップS217において、処理回路53は、配送先DD2への荷物の配送を許可しない旨の情報を配送車10に送信する。具体的には、処理回路53は、上記情報を通信機51から配送人の携帯端末20に送信させる。つまり、ステップS217の処理が、配送通知に対する回答がなかった配送先DD2への荷物の配送を配送車10に許可しない処理に対応する。
【0035】
<集計処理>
図5を参照し、配送管理システム50の処理回路53が実行する集計処理について説明する。例えば、処理回路53は、所定期間の配送業務の終了後に当該集計処理を実行する。所定期間の一例は1ヶ月である。
【0036】
ステップS11において、処理回路53は、上記ステップS205で配送先DDに送信した配送通知に対する回答があった確率である回答率RESを、配送先DD毎に算出する。次のステップS13において、処理回路53は、複数の配送先DDの中に、回答率RESが回答率判定値RESth以上となる配送先DDがあるか否かを判定する。処理回路53は、回答率RESが回答率判定値RESth以上となる配送先DDがあると判定した場合(S13:YES)、処理をステップS15に移行する。一方、処理回路53は、回答率RESが回答率判定値RESth以上となる配送先DDがないと判定した場合(S13:NO)、集計処理を終了する。
【0037】
ステップS15において、処理回路53は、回答率RESが回答率判定値RESth以上となる配送先DDに対して、インセンティブを付与する。この際、処理回路53は、回答率RESが高い配送先DDほど、高いインセンティブを付与する。インセンティブは、配送通知に対して回答するための住人の意識を高めるためのものである。例えば、インセンティブとしては、配送料金の値引き額、配送料金の値引率、及び、買い物などで利用できるポイントを挙げることができる。その後、処理回路53は集計処理を終了する。
【0038】
<本実施形態の作用及び効果>
(1)配送管理システム50の処理回路53が配送車10の位置情報を取得すると、処理回路53は、配送車10の現在位置を基に配送車10の配送領域ADを設定する。また、処理回路53は、配送領域ADに位置する配送先DDを取得する。例えば、処理回路53は、配送領域ADに位置する配送先DDとして、複数の配送先DD1~DD4を取得するものとする。すると、処理回路53は、複数の配送先DD1~DD4に対して配送通知を送信する。
【0039】
例えば、複数の配送先DD1~DD4の中で、配送先DD1の住人が、自身の端末装置30を用いて、在宅している旨を配送通知に対する回答として配送管理システム50に送信する。この場合、配送管理システム50の処理回路53は、配送通知に対する回答があった配送先DD1への荷物の配送を配送車10に許可する。すると、配送車10の配送人が所有する携帯端末20には、配送先DD1への配送を許可する旨の情報が配送管理システム50から送信される。この場合、配送車10は、住人が在宅している配送先DD1に対して荷物を配送する。その結果、配送車10が配送先に到着した際には、不在になっている可能性が低い。したがって、配送管理システム50は、配送先DDへの再配達が発生する可能性を低くできるため、配送人の負担を低減できる。
【0040】
(2)配送管理システム50の処理回路53は、配送先DDが置き配を許可している配送先であるか否かを、データベース52に登録されている情報に基づいて判定する。配送先DD4が、置き配を許可している配送先であるとする。この場合、配送管理システム50の処理回路53は、置き配を許可していると判定した配送先DD4については、配送通知に対する回答がなかったとしても荷物の配送を配送車10に許可する。すると、配送車10の配送人が所有する携帯端末20には、配送先DD4への配送を許可する旨の情報が配送管理システム50から送信される。そのため、配送車10は、置き配を許可している配送先DD4に対して荷物を配送する。この場合、配送先DD4が不在であったとしても、配送人は配送先DD4への配達を完了させることができる。したがって、配送管理システム50は、配送先への再配達が発生する可能性を低くできる。
【0041】
(3)配送管理システム50の処理回路53は、配送先DDに宅配ボックスが設置されているか否かを、データベース52に登録されている情報に基づいて判定する。配送先DD3が、宅配ボックスが設置されている配送先であるとする。この場合、配送管理システム50の処理回路53は、宅配ボックスが設置されていると判定した配送先DD3については、配送通知に対する回答がなかったとしても荷物の配送を配送車10に許可する。すると、配送車10の配送人が所有する携帯端末20には、配送先DD3への配送を許可する旨の情報が配送管理システム50から送信される。そのため、配送車10は配送先DD3に対して荷物を配送する。この場合、配送先DD3が不在であったとしても、配送人は、配送先DD3の宅配ボックス内に荷物を収容することによって、配送先DD3への配送を完了させることができる。したがって、配送管理システム50は、配送先への再配達が発生する可能性を低くできる。
【0042】
(4)配送先DD2については、配送通知に対する回答がなく、且つ置き配が許可されておらず、さらに宅配ボックスが設置されていない。この場合、配送管理システム50の処理回路53は、配送通知に対する回答がなかった配送先DD2への荷物の配送を配送車10に許可しない。すると、配送車10の配送人が所有する携帯端末20には、配送先DD2への配送を許可しない旨の情報が配送管理システム50から送信される。そのため、配送車10は配送先DD2に向かわなくてもよい。すなわち、配送車10が配送先DD2に向かっても荷物の配送が完了できない可能性がある場合に、配送車10が配送先DD2に向かう手間を省くことができる。これにより、配送管理システム50は、配送人の負担が増大することを抑制できる。
【0043】
(5)配送管理システム50では、配送先DD毎に回答率RESが算出される。そして、回答率RESに応じたインセンティブが配送先DDの住人に付与される。これにより、配送管理システム50は、配送通知に対して回答するという住人の意識を向上させることができる。
【0044】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0045】
・配送管理システム50は、配送通知に対して回答を返信した配送先DDの住人に対してインセンティブを付与する一方で、配送通知に対して回答を返信していない配送先DDの住人に対してインセンティブを付与しないようにしてもよい。
【0046】
・配送先DDの住人に対してインセンティブを付与することは必須ではない。
・データベース52には、配送先DDに宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報を登録しなくてもよい。この場合、配送管理システム50は、配送通知に対して回答がなかった配送先DDについて、宅配ボックスの有無によって、荷物の配送を配送車10に許可するか否かを判断しなくてもよい。
【0047】
・データベース52には、置き配が許可されているか否かに関する情報を登録しなくてもよい。この場合、配送管理システム50は、配送通知に対して回答がなかった配送先DDについて、置き配が許可されているか否かによって、荷物の配送を配送車10に許可するか否かを判断しなくてもよい。
【0048】
・配送管理システム50の処理回路53は、上記実施形態で説明した手法とは異なる手法で、配送領域ADを設定するようにしてもよい。例えば、処理回路53は、配送車10の現在位置が「○○町」である場合、「○○町」を配送領域ADとして設定してもよい。また、処理回路53は、「○○町」と、「○○町」に隣接する町との何れをも含むエリアを配送領域ADとして設定してもよい。
【0049】
また、処理回路53は、配送車10の現在位置に基づいて配送領域ADを設定するのであれば、配送車10の現在位置を含まないように配送領域ADを設定してもよい。例えば、配送車10の現在位置が「○○町」である場合、処理回路53は、「○○町」に隣接する他のエリアを含む一方で「○○町」を含まないエリアを配送領域ADとして設定してもよい。
【0050】
・配送車10に搭載されている制御装置が、配送管理システム50として機能するようにしてもよい。この場合、処理回路は、処理回路とデータベースとを備える。データベースには、配送車10が配送する複数の配送先に関する情報が登録されている。そして、処理回路は、配送車10の現在位置に基づいて配送領域ADを設定すると、配送領域ADに含まれる配送先DDに対して配送通知を送信する。例えば、処理回路は、配送車10に乗車する配送人が所有する携帯端末20から配送通知を配送先DDに送信させるとよい。
【0051】
・配送管理システムの処理回路は、CPUとROMとを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。すなわち、処理回路は、以下の(a)、(b)及び(c)の何れかの構成であればよい。
【0052】
(a)処理回路は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
【0053】
(b)処理回路は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記であり、FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
【0054】
(c)処理回路は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
【符号の説明】
【0055】
10…配送車、20…携帯端末、50…配送管理システム、52…データベース、53…処理回路、DD、DD1~DD5…配送先。
図1
図2
図3
図4
図5