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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179953
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】配送支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099303
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】福村 俊治
(72)【発明者】
【氏名】ニコル エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊範
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佳明
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配送車に複数の荷物が積み込まれている場合における荷下ろしを効率よく配送人に行わせることができるようにすること。
【解決手段】配送支援システムは、配送完了可否情報が荷物毎に登録されているデータベース66と、表示画面31を有する表示装置30と、制御装置62とを備える。制御装置62は、配送車10に積み込まれている複数の荷物を、配送完了可否情報を基に、搬出許可条件が成立していると判定した荷物と、搬出許可条件が成立していないと判定した荷物とに分類する。表示装置30は、配送車10の複数の荷物の中で、搬出許可条件が成立していると判定された荷物と、搬出許可条件が成立していないと判定された荷物とを、配送人20が視覚的に識別できるように表示画面31の表示を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の荷物が積み込まれた配送車が所定の駐車地点に駐車した場合に配送人による当該配送車からの荷下ろしを支援する配送支援システムであって、
前記配送人が荷物を配送先まで運んだ際に当該荷物の配送を完了させることができるか否かに関する情報である配送完了可否情報が、荷物毎に登録されているデータベースと、
表示画面を有する表示装置と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記配送車が前記駐車地点に駐車された場合に、
前記配送車に積み込まれている前記複数の荷物の中で、
前記配送完了可否情報に基づいて、荷物の配送を完了させることができると判定した配送先宛の荷物であること、及び、前記駐車地点から前記配送人が荷物を送り届けることのできる範囲内の配送先宛の荷物であることの何れをも満たす荷物を、搬出許可条件が成立している荷物であると判定する一方、
荷物の配送を完了させることができると判定した配送先宛の荷物であること、及び、前記駐車地点から前記配送人が荷物を送り届けることのできる範囲内の配送先宛の荷物であることの少なくとも1つを満たさない荷物を、前記搬出許可条件が成立していない荷物であると判定し、
前記表示装置は、前記駐車地点で前記配送車から前記配送人が荷下ろしを行う際に、前記配送車に積み込まれている前記複数の荷物の中で、前記搬出許可条件が成立していると判定された荷物と、前記搬出許可条件が成立していないと判定された荷物とを、前記配送人が視覚的に識別できるように前記表示画面の表示を制御する
配送支援システム。
【請求項2】
前記配送完了可否情報は、配送先の住人が不在であるか否かに関する情報、置き配が許可されているか否かに関する情報、及び、宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報のうち、少なくとも1つを含む
請求項1に記載の配送支援システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記搬出許可条件が成立していると判定した荷物が複数存在する場合に、前記搬出許可条件が成立していると判定した複数の荷物に対して、前記配送人が配送しやすい順で優先順位を設定し、
前記表示装置は、
前記搬出許可条件が成立していると判定された前記複数の荷物の中で、優先順位が最も高い荷物を、他の荷物よりも視覚的に強調できるように前記表示画面の表示を制御し、
前記優先順位が最も高い荷物が前記配送車から運び出されると、当該配送車から運び出された荷物の次に優先順位が高い荷物を、他の荷物よりも視覚的に強調できるように前記表示画面の表示を制御する
請求項1又は請求項2に記載の配送支援システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記配送人が装着した際に当該配送人が前記表示画面を視認できるように構成されたウェアラブル端末である
請求項1に記載の配送支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送車を用いて荷物を配送先に届ける配送人の作業を支援する配送支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配送車への作業者による荷物の積み込み、及び、作業者による配送車からの荷下ろしを支援する支援システムが開示されている。当該支援システムでは、荷下ろしを支援する場合には、配送車に積み込まれている複数の荷物の中から、配送車の現在位置を含む所定範囲内に位置する配送先宛の荷物が対象荷物として選択される。そして、配送車への荷物の積み込み時の作業履歴に基づいて、配送車内における対象荷物の収納位置が特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-142891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送人は、所定の駐車地点で配送車を駐車させると、当該駐車地点の近くに位置する配送先宛の荷物を配送車から運び出す。そして、配送人は、配送車から運び出した荷物を配送先に送り届ける。本願発明の課題は、所定の駐車地点で配送車が駐車した場合における配送人による配送車からの荷下ろしを効率よく行わせるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための配送支援システムは、複数の荷物が積み込まれた配送車が所定の駐車地点に駐車した場合に配送人による当該配送車からの荷下ろしを支援するシステムである。当該配送支援システムは、前記配送人が荷物を配送先まで運んだ際に当該荷物の配送を完了させることができるか否かに関する情報である配送完了可否情報が、荷物毎に登録されているデータベースと、表示画面を有する表示装置と、制御装置と、を備えている。前記制御装置は、前記配送車が前記駐車地点に駐車された場合に、前記配送車に積み込まれている前記複数の荷物の中で、前記配送完了可否情報に基づいて、荷物の配送を完了させることができると判定した配送先宛の荷物であること、及び、前記駐車地点から前記配送人が荷物を送り届けることのできる範囲内の配送先宛の荷物であることの何れをも満たす荷物を、搬出許可条件が成立している荷物であると判定する一方、荷物の配送を完了させることができると判定した配送先宛の荷物であること、及び、前記駐車地点から前記配送人が荷物を送り届けることのできる範囲内の配送先宛の荷物であることの少なくとも1つを満たさない荷物を、前記搬出許可条件が成立していない荷物であると判定する。前記表示装置は、前記駐車地点で前記配送車から前記配送人が荷下ろしを行う際に、前記配送車に積み込まれている前記複数の荷物の中で、前記搬出許可条件が成立していると判定された荷物と、前記搬出許可条件が成立していないと判定された荷物とを、前記配送人が視覚的に識別できるように前記表示画面の表示を制御する。
【発明の効果】
【0006】
上記配送支援システムは、配送車に複数の荷物が積み込まれている場合における荷下ろしを効率よく配送人に行わせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態の配送支援システムの概略を示す構成図である。
図2図2は、荷台に複数の荷物が積み込まれている状態の配送車を示す模式図である。
図3図3は、図1の配送支援システムを構成する表示装置の表示画面の表示の一例を示す模式図である。
図4図4は、図1の配送支援システムを構成するデータベースを示す図である。
図5図5は、図1の配送支援システムにおいて、配送人による配送車からの荷下ろしを支援する際の処理の流れを示すシーケンス図である。
図6図6は、図3に示した表示画面の表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、配送支援システムの一実施形態を図1図6に従って説明する。
図1を参照し、配送支援システムの概略構成について説明する。
配送支援システムは、配送車10を用いて配送先に荷物を届ける配送人20の作業を支援するシステムである。配送支援システムは、センタ装置60と表示装置30とを備えている。表示装置30は、配送人20が所有する携帯端末40と通信可能に構成されている。携帯端末40は、通信ネットワーク100を介してセンタ装置60と通信可能に構成されている。すなわち、センタ装置60と表示装置30とは、携帯端末40及び通信ネットワーク100を介して通信できるようになっている。なお、携帯端末40としては、スマートフォン及びタブレット端末などを挙げることができる。
【0009】
<配送車>
配送車10は、事前に設定された配送スケジュールに従って、複数の配送先DDに対して荷物DLを配送する。配送車10は、自身の位置情報を受信する位置情報受信機15を有している。位置情報受信機15が受信した位置情報は、通信ネットワーク100を介してセンタ装置60に送信される。これにより、センタ装置60は、配送車10の現在位置を把握できる。
【0010】
図2には、配送車10の荷台11に複数の荷物DLが積み込まれた状態が図示されている。詳しくは、図2は、車両後方から配送車10を見た場合の配送車10の模式図である。配送人20は、配送車10を所定の駐車地点PSに駐車させると、荷台11から荷物DLを運び出す。そして、配送車10を駐車地点PSで駐車させた状態のまま、配送人20は、荷台11から運び出した荷物DLを当該荷物DLの配送先DDまで運ぶ。
【0011】
この際、配送先DDの住人が在宅している場合、配送人20は、荷物DLを住人に渡すことにより、荷物DLの配送を完了させる。また配送先DDの住人が不在であっても、置き配が許可されている場合、配送人20は、例えば配送先DDの玄関に荷物DLを置いたり、宅配ボックス内に荷物DLを収容したりすることにより、荷物DLの配送を完了させる。しかし、住人が不在であり、且つ置き配が許可されていない場合では、配送人20は、配送先DDに荷物DLを置いてくることができない。この場合、配送人20は、荷物DLの配送を完了させることができない。
【0012】
なお、図2に示すように、複数の荷物DLには、荷物DLを識別するための識別情報が登録されているタグTGがそれぞれ付されている。タグTGの一例はRFIDである。「RFID」は、「Radio Frequency Identification」の略記である。
【0013】
<表示装置>
図1に示すように、表示装置30は表示画面31を有している。表示装置30の一例は、配送人20が装着した際に配送人20が表示画面31を視認できるように構成されたウェアラブル端末である。図1に示す例では、表示装置30はスマートグラスである。この場合、スマートグラスのレンズが表示画面31として機能する。
【0014】
表示装置30は、表示装置30の装着者の前方を撮像するカメラ32と、荷物DLのタグTGに登録されている識別情報を読み取る読取装置33とを有している。カメラ32が撮像した画像が表示画面31に表示される。読取装置33は、カメラ32の撮像範囲に荷物DLが存在する場合に当該荷物DLのタグTGに登録されている識別情報を読み取ることができる。表示装置30は、読取装置33が読み取った識別情報を、携帯端末40及び通信ネットワーク100を介してセンタ装置60に送信する。
【0015】
表示装置30は、複数の荷物DLのタグTGに登録されている識別情報を読取装置33が読み取ると、所定の荷下ろし支援表示処理を実行する。荷下ろし支援表示処理において、表示装置30は、配送車10に積み込まれている複数の荷物DLの中で、所定の搬出許可条件が成立していると判定された荷物DLと、搬出許可条件が成立していないと判定された荷物DLとを、配送人20が視覚的に識別できるように表示画面31の表示を制御する。搬出許可条件が成立しているか否かの判定処理については後述する。
【0016】
図3には、荷下ろし支援表示処理の実行時における表示画面31の表示の一例が図示されている。すなわち、表示画面31では、搬出許可条件が成立していると判定された荷物DLAが表示される一方で、搬出許可条件が成立していないと判定された荷物DLBが表示されない。このような表示制御が行われることにより、搬出許可条件が成立していると判定された荷物DLと、搬出許可条件が成立していないと判定された荷物DLとを配送人20が視覚的に識別できる。
【0017】
<センタ装置>
センタ装置60は、複数の配送車10による荷物DLの配送を管理する。
図1に示すように、センタ装置60は、通信機61と、制御装置62と、データベース66とを備えている。通信機61は、センタ装置60外の通信機器と通信を行うためのセンタ装置60のインタフェースである。通信機61は、通信ネットワーク100を介して情報を受信した場合、当該情報を制御装置62に出力する。通信機61は、制御装置62が出力した情報をセンタ装置60外の通信機器に通信ネットワーク100を介して送信する。
【0018】
制御装置62の一例は電子制御装置である。この場合、制御装置62はCPU63及びメモリ64を有している。メモリ64は、CPU63によって実行される制御プログラムを記憶している。CPU63が制御プログラムを実行することにより、制御装置62は、配送人20の作業を支援するための一連の処理を実行する。当該一連の処理については後述する。
【0019】
図4を参照し、データベース66について説明する。
データベース66は、配送車10が配送先DDに配送する荷物DLに関する各種の情報が登録された記憶装置である。例えば、データベース66には、駐車地点情報、配送先情報及び配送完了可否情報などが荷物DL1、DL2、DL3、DL4、DL5、DL6、DL7、…毎に登録されている。
【0020】
駐車地点情報は、荷物DLを配送先DDに配送人20が届ける際に配送車10を駐車させる駐車地点PSに関する情報である。図4に示す例では、複数の荷物DL1~DL5における駐車地点情報は、駐車地点PSが第1駐車地点PS1であることを示している。また、複数の荷物DL6、DL7における駐車地点情報は、駐車地点PSが第2駐車地点PS2であることを示している。
【0021】
配送先情報は、荷物DLの配送先に関する情報である。配送先情報は、荷物DLの配送先DDと、駐車地点PSから配送先DDまでの距離Lとを含んでいる。例えば、荷物DL1の配送先情報は、荷物DL1の配送先DDが配送先DD1であり、第1駐車地点PS1から配送先DD1までの距離Lが第1距離L1であることを示している。また例えば、荷物DL2の配送先情報は、荷物DL2の配送先DDが配送先DD2であり、第1駐車地点PS1から配送先DD2までの距離Lが第2距離L2であることを示している。また例えば、荷物DL6の配送先情報は、荷物DL6の配送先DDが配送先DD6であり、第2駐車地点PS2から配送先DD6までの距離Lが第6距離L6であることを示している。
【0022】
配送完了可否情報は、配送人が荷物DLを配送先DDまで運んだ際に荷物DLの配送を完了させるか否かに関する情報である。図4に示す例では、配送完了可否情報は、配送先DDの住人が不在であるか否かに関する情報、置き配が許可されているか否かに関する情報、及び、宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報を含んでいる。例えば、荷物DL1の配送完了可否情報は、配送先DD1の住人が在宅であること、置き配が許可されていること、及び、宅配ボックスが設置されていることを示している。また例えば、荷物DL2の配送完了可否情報は、配送先DD2の住人が在宅であること、置き配が許可されていないこと、及び、宅配ボックスが設置されていないことを示している。また例えば、荷物DL3の配送完了可否情報は、配送先DD3の住人が不在であること、置き配が許可されていること、及び、宅配ボックスが設置されていることを示している。
【0023】
<荷下ろし支援>
図5を参照し、配送人20による配送車10からの荷下ろしを支援するための処理の流れを説明する。図5は、当該処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
【0024】
ステップS101において、配送車10が駐車地点PSに駐車すると、配送車10が駐車した駐車地点PSの位置情報が、センタ装置60に送信される。
配送人20が表示装置30を装着すると、表示装置30がステップS201の処理を実行する。ステップS201において、表示装置30は、配送車10の荷台11に積み込まれている複数の荷物DLのタグTGの識別情報を読取装置33が読み取ることにより、荷台11での複数の荷物DLの位置である積載位置を取得する。
【0025】
センタ装置60の通信機61が配送車10から位置情報を受信すると、センタ装置60の制御装置62はステップS301の処理を実行する。ステップS301において、制御装置62は、受信した位置情報を基に、配送車10の駐車地点PSを取得する。続くステップS303において、制御装置62は、データベース66に登録されている複数の荷物DLの中から、第1対象荷物を選別する。第1対象荷物とは、駐車地点PSから配送人20が荷物DLを送り届けることのできる範囲内の配送先宛の荷物である。例えば駐車地点PSが第1駐車地点PS1である場合、複数の荷物DL1~DL5が第1対象荷物に相当する。
【0026】
次のステップS305において、制御装置62は、第1対象荷物の配送完了可否情報をデータベース66から取得する。
そしてステップS307において、制御装置62は、第1対象荷物の中から第2対象荷物を選別する。第2対象荷物とは、配送人20が配送先DDまで行った際に荷物の配達を完了させることのできる荷物である。すなわち、荷物を受け取ることができると判定した配送先DD宛の荷物が、第2対象荷物に相当する。ステップS307において、制御装置62は、配送完了可否情報を基に、第2対象荷物であるか否かを第1対象荷物毎に判定する。図4に示した配送先DD1のように配送先DDに住人が在宅である場合、制御装置62は、当該配送先DD宛の荷物を第2対象荷物であると判定する。また、配送先DD3のように配送先DDの住人が不在であっても、置き配が許可されている場合、制御装置62は、当該配送先DD宛の荷物を第2対象荷物であると判定する。その一方で、配送先DD5のように配送先DDの住人が不在であり、且つ置き配が許可されていない場合、制御装置62は、当該配送先DD宛の荷物を第2対象荷物ではないと判定する。
【0027】
ここで、第2対象荷物は、荷物DLを受け取ることができると判定した配送先DD宛の荷物であること、及び、駐車地点PSから配送人20が荷物DLを送り届けることのできる範囲内の配送先DD宛の荷物であることの何れをも満たす荷物である。つまり、本実施形態では、第2対象荷物が、「上記搬出許可条件が成立している荷物DLA」に対応する。一方、配送車10に積み込まれている複数の荷物DLの中で、第2対象荷物以外の荷物が、「搬出許可条件が成立していない荷物DLB」に対応する。
【0028】
制御装置62が第2対象荷物DLAの選別を完了すると、ステップS309において、センタ装置60の通信機61が、第2対象荷物DLAを特定する情報を表示装置30に送信する。
【0029】
表示装置30は、第2対象荷物DLAを特定する情報を受信すると、ステップS203の処理を実行する。ステップS203において、表示装置30は、上記ステップS201で取得した複数の荷物DLの積載位置を基に、荷台11での第2対象荷物DLAの積載位置を取得する。
【0030】
センタ装置60では、第2対象荷物DLAを特定する情報を通信機61が送信すると、制御装置62がステップS311の処理を実行する。ステップS311において、制御装置62は、第2対象荷物DLAの優先順位を設定する。本実施形態では、制御装置62は、第2対象荷物に対して、配送人20が配送しやすい順で優先順位を設定する。例えば、制御装置62は、駐車地点PSからの距離Lが近いほど優先順位が高くなるように、複数の第2対象荷物DLAに対して優先順位を設定する。続くステップS313において、通信機61が、第2対象荷物DLAの優先順位に関する情報を表示装置30に送信する。
【0031】
表示装置30は、第2対象荷物DLAの優先順位に関する情報をセンタ装置60から受信すると、ステップS205の処理を実行する。ステップS205において、表示装置30は、センタ装置60から受信した情報に基づいて荷下ろし支援表示処理を実行する。荷下ろし支援表示処理において、表示装置30は、荷台11に積み込まれている複数の荷物DLの中で、第2対象荷物DLAと、第2対象荷物DLA以外の荷物DLBとを、配送人20が視覚的に識別できるように表示画面31の表示を制御する。
【0032】
図6には、荷下ろし支援表示処理の実行による表示画面31の表示態様の一例が図示されている。表示装置30は、第2対象荷物DLAの優先順位を考慮して、表示画面31の表示を制御する。具体的には、図6に示すように、表示装置30は、複数の第2対象荷物DLAの中で最も優先順位の高い第2対象荷物DLA1を、それ以外の第2対象荷物DLAよりも視覚的に強調できるように表示画面31の表示を制御する。
【0033】
そして、配送人20が、複数の第2対象荷物DLAの中で最も優先順位の高い第2対象荷物DLA1を荷台11から運び出すと、表示装置30は、荷台11から運び出された第2対象荷物DLA1の次に優先順位が高い第2対象荷物DLAを、他の第2対象荷物DLAよりも視覚的に強調できるように表示画面31の表示を制御する。全ての第2対象荷物DLAが荷台11から運び出されるまで、表示装置30は荷下ろし支援表示処理を実行する。すなわち、全ての第2対象荷物DLAが荷台11から運び出されると、表示装置30は荷下ろし支援表示処理を終了する。
【0034】
<本実施形態の作用及び効果>
配送支援システムの作用を説明する。
例えば配送車10が第1駐車地点PS1に駐車されると、制御装置62は、配送車10に積み込まれている複数の荷物DLの中から第1対象荷物を選別する。第1対象荷物は、配送車10の駐車地点PSから配送人20が荷物を送り届けることのできる範囲内の配送先DD宛の荷物である。図4に示したデータベース66によれば、駐車地点PSが第1駐車地点PS1である場合、制御装置62は、複数の荷物DL1~DL5を第1対象荷物として選ぶ。
【0035】
また、制御装置62は、第1対象荷物に相当する複数の荷物DL1~DL5の中で、第2対象荷物DLAを選別する。具体的には、制御装置62は、複数の荷物DL1~DL5の配送完了可否情報を基に、荷物DLを受け取ることができると判定した配送先宛の荷物を第2対象荷物DLAとして選別する。図4に示したデータベース66によれば、駐車地点PSが第1駐車地点PS1である場合、制御装置62は、4つの荷物DL1~DL4を第2対象荷物DLAとして選ぶ。つまり、制御装置62は、4つの荷物DL1~DL4を、搬出許可条件が成立している荷物DLAであると判定する。一方、制御装置62は、4つの荷物DL1~DL4以外の荷物を、搬出許可条件が成立していない荷物DLBであると判定する。
【0036】
表示装置30は、配送車10に積み込まれている複数の荷物DL1~DL7、…の中で、搬出許可条件が成立している荷物DLA(すなわち、第2対象荷物)と、搬出許可条件が成立していない荷物DLB(すなわち、第2対象荷物以外の荷物)とを、配送人20が視覚的に識別できるように表示画面31の表示を制御する。
【0037】
このため、配送人20は、表示画面31の表示を見ることにより、配送車10から運び出すべき荷物DLを判別できる。したがって、配送支援システムは、配送車10に複数の荷物DLが積み込まれている場合における荷下ろしを効率よく配送人20に行わせることができる。
【0038】
本実施形態では、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(1)制御装置62は、第2対象荷物DLAが複数存在する場合に、第2対象荷物DLA毎に優先順位を設定する。具体的には、制御装置62は、複数の第2対象荷物DLAに対して、配送人20が配送しやすい順で優先順位を設定する。
【0039】
すると、表示装置30は、複数の第2対象荷物DLAの中で、優先順位が最も高い第2対象荷物DLA1を、それ以外の第2対象荷物DLAよりも視覚的に強調できるように表示画面31の表示を制御する。そして、優先順位が最も高い第2対象荷物DLA1が配送車10から運び出されると、表示装置30は、配送車10から運び出された第2対象荷物DLA1の次に優先順位が高い第2対象荷物DLAを、他の第2対象荷物DLAよりも視覚的に強調できるように表示画面31の表示を制御する。すなわち、配送支援システムは、荷下ろしする荷物の順番を配送人20に伝えることができる。したがって、配送人20は、配送車10からの荷下ろしを効率よく行うことができる。
【0040】
(2)表示装置30はウェアラブル端末である。そのため、配送人20は、表示装置30を装着した状態のまま、荷下ろしなどの作業を行うことができる。そのため、配送支援システムは、配送人20による荷下ろしの効率化に貢献できる。
【0041】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0042】
・表示装置30は、配送人20が荷下ろしを行っている最中に表示画面31を見ることができるのであれば、ウェアラブル端末でなくてもよい。
・制御装置62は、複数の第2対象荷物DLAに対して優先順位を設定しなくてもよい。
【0043】
・配送完了可否情報は、配送先DDの住人が不在であるか否かに関する情報を含んでいるのであれば、置き配が許可されているか否かに関する情報、及び、宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報の少なくとも一方を含まなくてもよい。
【0044】
配送完了可否情報は、置き配が許可されているか否かに関する情報を含んでいるのであれば、配送先DDの住人が不在であるか否かに関する情報、及び、宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報の少なくとも一方を含まなくてもよい。
【0045】
配送完了可否情報は、宅配ボックスが設置されているか否かに関する情報を含んでいるのであれば、置き配が許可されているか否かに関する情報、及び、配送先DDの住人が不在であるか否かに関する情報の少なくとも一方を含まなくてもよい。
【0046】
・表示装置30は、搬出許可条件が成立していると判定された荷物DLAと、搬出許可条件が成立していないと判定された荷物DLBとを色彩で区別するように、表示画面31の表示を制御してもよい。
【0047】
・制御装置62は、CPUとROMとを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。すなわち、制御装置62は、以下の(a)、(b)及び(c)の何れかの構成であればよい。
【0048】
(a)制御装置62は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
【0049】
(b)制御装置62は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記であり、FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
【0050】
(c)制御装置62は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
【0051】
なお、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」又は「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」又は「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0052】
10…配送車、11…荷台、20…配送人、30…表示装置、31…表示画面、62…制御装置、66…データベース、DL、DL1~DL7…荷物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6