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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179957
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F02B 23/10 20060101AFI20241219BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20241219BHJP
   F02M 61/14 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F02B23/10 S
F02B23/10 M
F02M21/02 S
F02M61/14 320A
F02M61/14 310A
F02M61/14 310E
F02M61/14 310S
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099307
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】立花 三奈
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】土屋 富久
【テーマコード(参考)】
3G023
3G066
【Fターム(参考)】
3G023AA06
3G023AB03
3G023AC05
3G023AC07
3G023AD03
3G023AD14
3G066AB05
3G066BA01
3G066CC34
3G066CD04
(57)【要約】
【課題】気体燃料が点火プラグの周囲に集中することを防ぐ。
【解決手段】内燃機関は、吸気及び気体燃料の混合気が燃焼する燃焼室Rを有している機関本体10と、燃焼室Rに気体燃料を噴射する燃料噴射弁20と、混合気に点火する点火プラグと、を備えている。機関本体10は、燃料噴射弁20を収容する収容孔30と、収容孔30及び燃焼室Rを繋ぐ連通路35と、を有している。点火プラグは、燃料噴射弁20の第1中心軸線C1に対して上死点方向UP側に位置している。連通路35は、第1中心軸線C1に対して下死点方向DW側に位置している。連通路35の第2中心軸線C2は、第1中心軸線C1に対して、燃料噴射弁20の噴射方向IDに向かうほど下死点方向DW側に位置するように傾斜している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気及び気体燃料の混合気が燃焼する燃焼室を有している機関本体と、
前記燃焼室に前記気体燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記混合気に点火する点火プラグと、
を備えており、
前記機関本体は、前記燃料噴射弁を収容する収容孔と、前記収容孔及び前記燃焼室を繋ぐ連通路と、を有しており、
前記点火プラグは、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して上死点方向側に位置しており、
前記連通路は、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して下死点方向側に位置しており、
前記連通路の中心軸線は、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して、前記燃料噴射弁の噴射方向に向かうほど下死点方向側に位置するように傾斜している
内燃機関。
【請求項2】
前記燃料噴射弁は、前記気体燃料の噴射口を有しており、
前記連通路における前記収容孔側の開口を、当該開口が向く方向に前記燃料噴射弁に投影したとき、前記噴射口は、前記開口の投影範囲外に位置している
請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記燃料噴射弁は、前記噴射口を開閉するニードル弁を備えており、
前記ニードル弁は、前記噴射口に臨む部分に、ダイヤモンドライクカーボン膜を有する
請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記連通路の中心軸線と前記燃料噴射弁の中心軸線とが成す角度のうち、前記気体燃料の噴射方向側且つ下死点方向側の角度は、45度以下である
請求項1に記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の内燃機関は、燃焼室と、吸気ポートと、排気ポートと、を備えている。燃焼室は、燃料及び吸気の混合気が燃焼する空間である。吸気ポートは、吸気を燃料室に導くための通路である。排気ポートは、燃焼室からの排気を外部へと導くための通路である。また、特許文献1に記載の内燃機関は、燃料噴射弁と、点火プラグと、を備えている。燃料噴射弁は、吸気ポートを介さずに、燃焼室に対して直接に燃料を噴射する。点火プラグは、燃料と吸気との混合気に点火する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-108851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような内燃機関では、点火プラグの周囲の温度は比較的に高くなる。また、特許文献1に記載のような内燃機関において、燃料噴射弁から噴射する燃料として気体燃料を採用したとする。そして、一般的に、気体燃料の発火点は、液体燃料の発火点よりも低い。そのため、仮に、燃料噴射弁から噴射された気体燃料が点火プラグの周囲に集中すると、点火プラグによる点火タイミングの前に、気体燃料の燃焼が始まってしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための一態様は、吸気及び気体燃料の混合気が燃焼する燃焼室を有している機関本体と、前記燃焼室に前記気体燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記混合気に点火する点火プラグと、を備えており、前記機関本体は、前記燃料噴射弁を収容する収容孔と、前記収容孔及び前記燃焼室を繋ぐ連通路と、を有しており、前記点火プラグは、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して上死点方向側に位置しており、前記連通路は、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して下死点方向側に位置しており、前記連通路の中心軸線は、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して、前記燃料噴射弁の噴射方向に向かうほど下死点方向側に位置するように傾斜している内燃機関である。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成によれば、燃料噴射弁から噴射された気体燃料が点火プラグの周囲に集中しにくいので、点火プラグによる点火タイミングの前に気体燃料の燃焼が開始してしまうおそれを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、内燃機関の概略図である。
図2図2は、燃料噴射弁の端面図である。
図3図3は、連通路近傍のシリンダヘッドの拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、インダクタ部品の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図面中のものと異なる場合がある。
【0009】
<内燃機関の概略構成>
図1に示すように、内燃機関Eは、機関本体10を備えている。機関本体10は、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12で構成されている。シリンダブロック11は、気筒11Aを有している。気筒11Aは、円柱状の空間である。気筒11Aは、シリンダブロック11の端面において開口している。図1では、気筒11A及びその関連構成を1組のみ図示しているが、内燃機関Eは、複数の気筒11A及びその関連構成を有している。
【0010】
シリンダヘッド12は、シリンダブロック11の端面に接続している。シリンダヘッド12は、凹部12A、吸気ポート12B、及び排気ポート12Cを有している。凹部12Aは、シリンダヘッド12側の端面において窪んでいる。凹部12Aは、概ね半球状の空間である。凹部12Aの開口径は、気筒11Aの内径と同一である。凹部12Aは、気筒11Aと向かい合っている。これら凹部12A及び気筒11Aは、ひとつながりの燃焼室Rを構成している。燃焼室Rは、吸気及び気体燃料の混合気が燃焼する空間である。
【0011】
吸気ポート12Bは、燃焼室Rに供給する吸気の通路である。吸気ポート12Bの第1端は、凹部12Aに接続している。吸気ポート12Bの第2端は、図示しない吸気管に接続している。排気ポート12Cは、燃焼室Rから排出される排気の通路である。排気ポート12Cの第1端は、凹部12Aに接続している。排気ポート12Cの第2端は、図示しない排気管に接続している。
【0012】
内燃機関Eは、ピストン13、吸気バルブ14、排気バルブ15、及び点火プラグ16を備えている。ピストン13は、気筒11A内に位置している。ピストン13は、燃焼室R内での混合気の燃焼に伴い気筒11A内を往復動する。図示は省略するが、ピストン13は、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに連結している。コネクティングロッド及びクランクシャフトは、ピストン13の往復動作を回転動作に変換する。なお、以下の説明では、燃焼室R内の混合気が圧縮されるときのピストン13の動作方向を上死点方向UPとし、その反対方向を下死点方向DWとする。
【0013】
吸気バルブ14は、シリンダヘッド12に取り付けられている。吸気バルブ14は、吸気ポート12Bの第1端を開閉する。吸気バルブ14は、ピストン13の往復動作に同期して動作する。排気バルブ15は、シリンダヘッド12に取り付けられている。排気バルブ15は、排気ポート12Cの第1端を開閉する。排気バルブ15は、ピストン13の往復動作に同期して動作する。
【0014】
点火プラグ16は、シリンダヘッド12に取り付けられている。点火プラグ16は、吸気ポート12B及び排気ポート12Cの間に位置している。点火プラグ16の先端は、凹部12A内に位置している。点火プラグ16は、火花放電により、燃焼室R内の混合気に点火する。点火プラグ16は、ピストン13の往復動作に同期して混合気に点火する。
【0015】
内燃機関Eは、燃料噴射弁20を備えている。燃料噴射弁20は、シリンダヘッド12に取り付けられている。燃料噴射弁20は、吸気ポート12Bを介さずに、燃焼室Rに直接に気体燃料を噴射する。気体燃料の一例は、水素である。
【0016】
図2に示すように、燃料噴射弁20は、筒体21、及びニードル弁22を有している。筒体21は、概ね円筒状である。筒体21の中心軸線である第1中心軸線C1は、燃料噴射弁20の中心軸線である。筒体21は、第1中心軸線C1に沿う方向の端部に、噴射口21Aを有している。噴射口21Aは、筒体21内の気体燃料を燃料噴射弁20の外へと噴射するための開口である。噴射口21Aは、円形状である。噴射口21Aの中心は、第1中心軸線C1上に位置している。
【0017】
ニードル弁22は、弁体22A、及びダイヤモンドライクカーボン膜22Bを有している。弁体22Aは、略棒状である。弁体22Aは、筒体21内に位置している。弁体22Aは、図示しない電磁ソレノイドにより、第1中心軸線C1上を往復動作可能である。また、弁体22Aは、往復動作することにより、筒体21の噴射口21Aを、筒体21の内部側において開閉する。ダイヤモンドライクカーボン膜22Bは、弁体22Aの表面のうち、弁体22Aの先端面を覆っている。つまり、ダイヤモンドライクカーボン膜22Bは、弁体22Aの表面のうち、噴射口21Aを臨む部分に位置している。ダイヤモンドライクカーボン膜22Bは、炭化水素及び炭素から選ばれる1以上を主成分とする非晶質の膜である。ダイヤモンドライクカーボン膜22Bは、硬質炭素膜と呼称されることもある。なお、図2では、ダイヤモンドライクカーボン膜22Bを、太線で図示している。
【0018】
<燃料噴射弁周囲の構造>
図3に示すように、シリンダヘッド12は、燃料噴射弁20を収容する収容孔30を有している。収容孔30は、吸気ポート12Bに対して、下死点方向DW側に位置している。収容孔30は、略円柱状の空間である。また、収容孔30は、底面30Aを有する。底面30Aは、収容孔30における燃焼室R側の内面である。収容孔30の中心軸は、燃焼室Rに近づくほど下死点方向DW側に位置するように傾斜している。
【0019】
燃料噴射弁20は、収容孔30内に位置している。筒体21の噴射口21Aは、収容孔30の底面30A側を向いている。筒体21の第1中心軸線C1は、収容孔30の中心軸と一致している。つまり、第1中心軸線C1は、燃料噴射弁20の気体燃料の噴射方向IDに向かうほど下死点方向DW側に位置するように傾斜している。その結果として、上述した点火プラグ16は、第1中心軸線C1に対して上死点方向UP側に位置している。筒体21における噴射口21A側の先端は、収容孔30の底面30Aに対して離れている。つまり、燃料噴射弁20と収容孔30の底面30Aとの間には、隙間Sが生じている。
【0020】
シリンダヘッド12は、収容孔30と燃焼室Rとを繋ぐ連通路35を有している。連通路35は、円柱状の空間である。連通路35における収容孔30側の開口35Aは、収容孔30の底面30Aに位置している。また、連通路35は、第1中心軸線C1に対して下死点方向DW側に位置している。また、連通路35の中心軸線である第2中心軸線C2は、第1中心軸線C1に対して、燃料噴射弁20の噴射方向IDに向かうほど下死点方向DW側に位置するように傾斜している。また、連通路35の第2中心軸線C2と燃料噴射弁20の第1中心軸線C1とが成す角度のうち、噴射方向ID側、且つ下死点方向DW側の角度を特定角度θとする。このとき、特定角度θは、45度以下である。
【0021】
また、連通路35における収容孔30側の開口35Aを、当該開口35Aが向く方向に燃料噴射弁20に投影した範囲を投影範囲PRとする。このとき、燃料噴射弁20の噴射口21Aは、投影範囲PR外に位置している。つまり、噴射口21Aの縁によって囲まれる領域は、投影範囲PRと重複していない。なお、「連通路35の収容孔30側の開口35Aが向く方向」とは、連通路35の内部から視たときに、連通路35の当該開口35Aの見かけの面積が最も大きくなるときの視線の方向である。この実施形態では、「連通路35の開口35Aが向く方向」は、第2中心軸線C2に沿う方向であって連通路35の内部から燃料噴射弁20側に向かう方向である。
【0022】
<実施形態の作用>
燃料噴射弁20のニードル弁22が開状態になると、筒体21内の気体燃料が隙間S内に噴射される。このとき噴射された気体燃料の一部は、収容孔30の底面30Aに衝突する。ただし、気体燃料は、気化した状態にあるので、底面30Aに衝突しても、当該気体燃料が底面30Aの表面上で凝縮する可能性は低い。隙間S内に噴射された気体燃料は、ピストン13が下死点方向DW側に移動する際に発生する気筒11A内の負圧に従って、連通路35を介して燃焼室Rへと至る。
【0023】
<実施形態の効果>
(1)上記実施形態では、連通路35は、第1中心軸線C1に対して下死点方向DW側に位置している。つまり、第1中心軸線C1を基準としたときに、気体燃料は、燃焼室Rにおける比較的に下死点方向DW側で流入する。したがって、燃焼室R内において上死点方向UP側、すなわち点火プラグ16の周囲において、気体燃料が集中してしまうことを防げる。
【0024】
(2)上記実施形態では、連通路35の中心軸線である第2中心軸線C2は、第1中心軸線C1に対して、燃料噴射弁20の噴射方向IDに向かうほど下死点方向DW側に位置するように傾斜している。したがって、燃焼室Rに流入する気体燃料に対して、全体として下死点方向DWに向かう流れを付与できる。これにより、燃焼室R内において上死点方向UP側、すなわち点火プラグ16の周囲において、気体燃料が集中してしまうことを防げる。
【0025】
(3)上記実施形態では、ダイヤモンドライクカーボン膜22Bは、弁体22Aの表面のうち、噴射口21Aを臨む部分に位置している。したがって、仮に、隙間S内に、燃焼室R内から高温の燃焼ガスが流入しても、ダイヤモンドライクカーボン膜22Bで、弁体22Aを保護できる。
【0026】
(4)上記実施形態では、燃料噴射弁20の噴射口21Aは、投影範囲PR外に位置している。そのため、燃焼室R側から連通路35を通って隙間S内に燃焼ガスが流入したときに、先ず、筒体21の外面に燃焼ガスが衝突する。つまり、噴射口21Aから露出するダイヤモンドライクカーボン膜22Bは、燃焼ガスの直撃を免れる可能性が高い。そのため、ダイヤモンドライクカーボン膜22Bが燃焼ガスに触れて劣化することを防げる。
【0027】
(5)上記実施形態では、連通路35の第2中心軸線C2と燃料噴射弁20の第1中心軸線C1とが成す特定角度θが45度以下である。この角度設定であれば、燃料噴射弁20から噴射される噴射方向ID側への流れを過度に妨げることなく、気体燃料を連通路35及び燃焼室Rに導くことができる。
【0028】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施できる。また、本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0029】
・内燃機関Eの構成は、適宜に変更できる。例えば、内燃機関Eは、燃料噴射弁20に加えて、吸気ポート12B内に燃料を噴射するポート噴射弁を備えていてもよい。また、内燃機関Eは、吸気ポート12B内に冷却用の水を噴射する水噴射弁を備えていてもよい。
【0030】
・気筒11A内に気体燃料を噴射できるのであれば、燃料噴射弁20の位置は、適宜調整できる。例えば、燃料噴射弁20を収容する収容孔30は、排気ポート12Cに対して、下死点方向DW側に位置していてもよい。
【0031】
・燃料噴射弁20が複数の噴射口21Aを有していてもよい。この場合、複数の噴射口21Aから選ばれる1以上が、投影範囲PR外に位置していることが好ましい。
・燃料噴射弁20の噴射口21Aの一部又は全部が、投影範囲PR内に位置していてもよい。この場合でも、上述した(1)及び(2)の効果は得られる。
【0032】
・連通路35の形状は、円柱状に限らない。例えば、連通路35の形状は、途中で折れ曲がった形状であったり湾曲した形状であったりしてもよい。
・シリンダヘッド12が上記実施形態の連通路35に加えて、他の連通路を有していてもよい。この場合、他の連通路は、第1中心軸線C1に対して上死点方向UP側に位置していてもよいし、第1中心軸線C1に対して傾斜していなくてもよい。
【0033】
・ニードル弁22においてダイヤモンドライクカーボン膜22Bを省略してもよい。また、ニードル弁22において、ダイヤモンドライクカーボン膜22Bに代えて他の保護膜を採用してもよい。
【0034】
・特定角度θは、45度以下に限らない。つまり、特定角度θは、45度を超えていてもよい。
<付記>
上記実施形態及び変更例から導き出せる技術思想を以下に記載する。
【0035】
[付記1]
吸気及び気体燃料の混合気が燃焼する燃焼室を有している機関本体と、
前記燃焼室に前記気体燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記混合気に点火する点火プラグと、
を備えており、
前記機関本体は、前記燃料噴射弁を収容する収容孔と、前記収容孔及び前記燃焼室を繋ぐ連通路と、を有しており、
前記点火プラグは、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して上死点方向側に位置しており、
前記連通路は、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して下死点方向側に位置しており、
前記連通路の中心軸線は、前記燃料噴射弁の中心軸線に対して、前記燃料噴射弁の噴射方向に向かうほど下死点方向側に位置するように傾斜している
内燃機関。
【0036】
[付記2]
前記燃料噴射弁は、前記気体燃料の噴射口を有しており、
前記連通路における前記収容孔側の開口を、当該開口が向く方向に前記燃料噴射弁に投影したとき、前記噴射口は、前記開口の投影範囲外に位置している
付記1に記載の内燃機関。
【0037】
[付記3]
前記燃料噴射弁は、前記噴射口を開閉するニードル弁を備えており、
前記ニードル弁は、前記噴射口に臨む部分に、ダイヤモンドライクカーボン膜を有する
付記1又は2に記載の内燃機関。
【0038】
[付記4]
前記連通路の中心軸線と前記燃料噴射弁の中心軸線とが成す角度のうち、前記気体燃料の噴射方向側且つ下死点方向側の角度は、45度以下である
付記1~3のいずれかに記載の内燃機関。
【符号の説明】
【0039】
E…内燃機関
10…機関本体
12…シリンダヘッド
16…点火プラグ
20…燃料噴射弁
30…収容孔
35…連通路
C1…第1中心軸線
C2…第2中心軸線
図1
図2
図3