(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179963
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】液体タンク装置及び液体タンクの脱着方法、並びに液体タンク装置を備える衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 58/10 20060101AFI20241219BHJP
D06F 58/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
D06F58/10 Z
D06F58/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099315
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 賢
(72)【発明者】
【氏名】甲元 伸央
(72)【発明者】
【氏名】林 守
【テーマコード(参考)】
3B166
3B168
【Fターム(参考)】
3B166AB23
3B166AB29
3B166AB30
3B166AB32
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE04
3B166AE07
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3B166BA64
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3B166EC44
3B166HA11
3B166HA31
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3B168AB32
3B168AC14
3B168AE01
3B168AE02
3B168AE03
3B168AE04
3B168AE07
3B168BA34
3B168BA64
3B168BA82
3B168JM02
3B168JM03
3B168WA08
(57)【要約】
【課題】本開示は、液体タンクの脱着において、満水の液体タンクから液体がこぼれることを抑制したり、接続部において余計な負荷がかかることを抑制したりする、液体タンク装置及びその装置を備える衣類処理装置を提供する。
【解決手段】本開示における液体タンク装置80は、脱着可能な給水タンク15と、給水タンク15を収容するタンク収容部81と、給水タンク15を外部に連通させる接続部14aと、タンク収容部81に設けられ給水タンク15の脱着方向を規制するガイド部83と、を備え、ガイド部83は、給水タンク15の装着において、給水タンク15がタンク収容部81内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するように規制し、かつ、給水タンク15の脱離において、給水タンク15が鉛直上方向に移動してからタンク収容部81内で横方向に移動するように規制する、ように構成される。
【選択図】
図12A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱着可能な液体タンクと、
前記液体タンクを収容するタンク収容部と、
前記液体タンクを外部に連通させる接続部と、
前記タンク収容部に設けられ前記液体タンクの脱着方向を規制するガイド部と、を備え、前記ガイド部は、
前記液体タンクの装着において、前記液体タンクが前記タンク収容部内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するように規制し、かつ、前記液体タンクの脱離において、前記液体タンクが鉛直上方向に移動してから前記タンク収容部内で横方向に移動するように規制する、
ように構成される、
液体タンク装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記液体タンクの装着において、前記液体タンクが前記タンク収容部の奥行方向に対して下り傾斜で横方向に移動するように構成される、
請求項1に記載の液体タンク装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載される液体タンク装置と、
被処理物に水分を供給する水分供給装置と、
前記液体タンクであって前記水分供給装置に供給される水を貯留する給水タンクと、
を備える、
衣類処理装置。
【請求項4】
被処理物を収容する収容部と、
前記収容部内に蒸気を供給する蒸気供給装置と、
前記蒸気供給装置に供給される水を貯留する給水タンク、及び、運転中に発生する凝縮水を貯留する排水タンク、を収容する液体タンク装置と、を備え、
前記液体タンク装置は、前記給水タンク及び前記排水タンクを脱着可能に収容するタンク収容部と、前記給水タンクを前記蒸気供給装置に連通させる接続部と、前記タンク収容部に設けられ前記給水タンクの脱着方向を規制するガイド部と、を有し、
前記ガイド部は、
前記給水タンクの装着において、前記給水タンクが前記タンク収容部内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するように規制し、かつ、前記給水タンクの脱離において、前記給水タンクが鉛直上方向に移動してから前記タンク収容部内で横方向に移動するように規制する、
ように構成される、
衣類処理装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記給水タンクの装着において、前記給水タンクが前記タンク収容部の奥行方向に対して下り傾斜で横方向に移動するように構成される、
請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
脱着可能な液体タンクと、
前記液体タンクを収容するタンク収容部と、
前記液体タンクを外部に連通させる接続部と、
前記給水タンクの脱着方向を規制するガイド部と、
を備える液体タンク装置において、
前記液体タンクの装着方法として、前記液体タンクが前記タンク収容部内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するようにして装着する、及び、
前記液体タンクの脱離方法として、前記液体タンクが鉛直上方向に移動してから前記タンク収容部内で横方向に移動するようにして脱離する、
液体タンクの脱着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体を供給したり貯留したりするための液体タンクを有する液体タンク装置、及び、被処理物に蒸気を付与する衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載される洗濯物処理装置は、洗濯物を収容する収容空間を備えるキャビネットと、収容空間に温風を供給する温風供給装置と、収容空間に蒸気を供給する蒸気発生装置と、キャビネットの所定の部分に回転可能に設けられた水供給部と、蒸気発生装置に供給される水を受ける水供給ユニットと、を備える。水供給ユニットは、水供給部が回転することにより、水供給部から蒸気発生装置に水を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許第102099523号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、特に、液体を貯留する液体タンクの脱着において、液体タンクをなるべく傾けずに操作し、満水の液体タンクから液体がこぼれることを抑制したり、上下方向に脱着される液体タンクの接続部において余計な負荷がかかることを抑制したりする、液体タンク装置及びその装置を備える衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における液体タンク装置は、脱着可能な液体タンクと、前記液体タンクを収容するタンク収容部と、前記液体タンクを外部に連通させる接続部と、前記タンク収容部に設けられ前記液体タンクの脱着方向を規制するガイド部と、を備える。前記ガイド部は、前記液体タンクの装着において、前記液体タンクが前記タンク収容部内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するように規制し、かつ、前記液体タンクの脱離において、前記液体タンクが鉛直上方向に移動してから前記タンク収容部内で横方向に移動するように規制する、ように構成される。
【0006】
本開示における衣類処理装置は、被処理物を収容する収容部と、前記収容部内に蒸気を供給する蒸気供給装置と、前記蒸気供給装置に供給される水を貯留する給水タンク、及び、運転中に発生する凝縮水を貯留する排水タンク、を収容する液体タンク装置と、を備える。前記液体タンク装置は、前記給水タンク及び前記排水タンクを脱着可能に収容するタンク収容部と、前記給水タンクを前記蒸気供給装置に連通させる接続部と、前記タンク収容部に設けられ前記給水タンクの脱着方向を規制するガイド部と、を有する。前記ガイド部は、前記給水タンクの装着において、前記給水タンクが前記タンク収容部内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するように規制し、かつ、前記給水タンクの脱離において、前記給水タンクが鉛直上方向に移動してから前記タンク収容部内で横方向に移動するように規制する、ように構成される。
【0007】
本開示における液体タンクの脱着方法は、脱着可能な液体タンクと、前記液体タンクを収容するタンク収容部と、前記液体タンクを外部に連通させる接続部と、前記給水タンクの脱着方向を規制するガイド部と、を備える液体タンク装置における前記液体タンクの脱着方法である。この液体タンクの脱着方法は、前記液体タンクの装着方法として、前記液
体タンクが前記タンク収容部内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するようにして装着する、及び、前記液体タンクの脱離方法として、前記液体タンクが鉛直上方向に移動してから前記タンク収容部内で横方向に移動するようにして脱離する。
【発明の効果】
【0008】
本開示における液体タンク装置及び液体タンクの脱着方法は、液体タンク下部の接続部に斜め方向の力が加わることを防ぎ、水漏れなどの不具合の発生を抑制できる。また、給水タンク15の前方への動きを防止し、給水タンク15が意図せずに外れることを抑制できる。また、液体タンクが設置される上部空間を広く確保する必要がないため、この液体タンク装置を備える衣類処理装置は本体の高さを低く構成できるとともに、使用者は液体タンクを容易に脱着できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施の形態1における衣類処理装置の機械室を見えるようにした斜視図
【
図3】実施の形態1における衣類処理装置の側面断面図
【
図4】実施の形態1における衣類処理装置の空気処理装置及び蒸気供給装置の構成模式図
【
図5】実施の形態1における衣類処理装置の操作部の模式図
【
図6】実施の形態1における衣類処理装置のシワ伸ばし運転のフローチャート
【
図7】実施の形態1における衣類処理装置のタンク収容部近傍の斜視図
【
図8】実施の形態1における衣類処理装置のタンク収容部の要部平面断面図
【
図9】実施の形態1における衣類処理装置のタンク収容部の側面断面図
【
図10】実施の形態1における衣類処理装置の給水タンクの側面図
【
図11】実施の形態1における衣類処理装置の液体タンク装置の側面断面図
【
図12A】実施の形態1における衣類処理装置の給水タンク脱着の過程を示す側面断面図
【
図12B】実施の形態1における衣類処理装置の給水タンク脱着の過程を示す側面断面図
【
図12C】実施の形態1における衣類処理装置の給水タンク脱着の過程を示す側面断面図
【
図12D】実施の形態1における衣類処理装置の給水タンク脱着の過程を示す側面断面図
【
図12E】実施の形態1における衣類処理装置の給水タンク脱着の過程を示す側面断面図
【
図13】他の実施例1の衣類処理装置の液体タンク装置の側面断面図
【
図14】他の実施例2の衣類処理装置の液体タンク装置の側面断面図
【
図15A】他の実施例2の衣類処理装置の給水タンク脱着の過程を示す側面断面図
【
図15B】他の実施例2の衣類処理装置の給水タンク脱着の過程を示す側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見等)
衣類等の被処理物の生地についたシワを伸ばすためには、スチームアイロンのように高温の蒸気をシワ部分に噴霧することが有効な手段である。従来技術による衣類処理装置では、被処理物は吊り下げられて蒸気に晒される。衣類処理装置において、蒸気を発生させるスチームユニット及び送風を行う空気処理装置は、被処理物が収容される収容部の下方に設けられ、加湿された空気が収容部内を対流したり循環したりする。このとき、スチームユニットに供給される水を貯留する給水タンクは、脱着可能に設けられる。そして、この液体タンクは衣類処理装置の下部に設けられる機械室の前面に配設され、液体タンクの取り外し時、液体タンクの下部を支点にして上部を手前に引き出すように回転させてから
斜めに引き上げたり、液体タンクの取付け時、液体タンクを傾斜させて下部を先に載置してから上部を奥に押し込むように回転させたりして、脱着されるのが一般的である。これは、液体タンクを持ち上げられるだけの空間が上方に存在しないことに起因するが、このように脱着時に液体タンクを傾けることは、貯留された水がこぼれたり、給水タンクの下部に設けられる接続部に斜め方向の無理な力が加わったりする可能性がある。
【0011】
そこで、発明者らは、液体タンクの脱着に伴う不具合の発生を抑制することに着目し、本開示の主題を提供するに至った。
【0012】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0013】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0014】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図5を用いて実施の形態1を説明する。
【0015】
[1-1.衣類処理装置の基本構成]
図1は、本実施の形態における衣類処理装置100の概略斜視図である。
図2は、
図1において前面下部に設けられる液体タンク装置80を取り外して機械室7を見えるようにした概略斜視図である。
【0016】
図1に示すように、衣類処理装置100の筐体1は、前面に開口を有する外殻2と、この開口を開閉する扉3とを含む。衣類等の被処理物4が収容される収容部5が、筐体1内の上部空間に内包するように設けられる。つまり、扉3の内面は、収容部5を形成する。収容部5の開口に合わせて扉3の内面外周にシール部材3aが取り付けられる。シール部材3aは、ゴム等の柔軟材で形成される。これにより、収容部5は、扉3が閉じられることにより閉空間となり、気密性が保たれる。
【0017】
液体タンク装置80は、給水タンク15、排水タンク18及びタンク収容部81(
図3)を含み、筐体1内の下部空間の前部に設けられる。そして、
図2に示すように、空気処理装置6などが収容される機械室7が、筐体1内の下部空間の後部に設けられる。なお、被処理物4は、人が身に着ける衣類及び小物類全般を含むほか、ハンカチ、タオル、布袋などの小物類など、繊維製品全般を含む。
【0018】
被処理物4が掛けられたハンガ4aを吊り下げる懸架部8が、収容部5内の上部に設けられる。懸架部8は、吊り下げられた被処理物4を揺動させる揺動機構が設けられてもよい。また、小物類を保持する棚8a又はフックなどが設けられてもよく、懸架部8を含めてこれらを保持部と称する。収容部5内の空気を加熱したり除湿したりして循環させる空気処理装置6、及び、収容部5内に蒸気を供給する蒸気供給装置13が、機械室7に設けられる。
【0019】
図3は、本実施の形態における衣類処理装置100の側面断面図である。
図3に示すように、収容部5は、外殻2とは別のケース5aで形成され、外殻2との間に空間を有するように構成される。ケース5aの天面には、換気口30及び換気口30を開閉する開閉装置31が設けられる。換気口30は、衣類処理装置100の停止時に開成され、収容部5内の空気が外殻2との間の空間を介して自然に換気されるための出入口になる。
【0020】
図3に示すように、機械室7には、空気処理装置6及び蒸気供給装置13が設けられる。
図4は、
図3に示す空気処理装置6及び蒸気供給装置13の構成模式図である。
【0021】
空気処理装置6は、除湿部10、空気加熱部9、送風部11、及び、これらを連接する送風路12を含む。送風路12は、収容部5の下面前部に開口して設けられる吸込口12a、及び、収容部5の下面後部に開口して設けられる吹出口12bを有する。送風部11は、ファン11a及びモータ11bを有し、吸込口12aから収容部5内の空気を吸い込み、吹出口12bから吹き出して循環させるとともに、収容部5内の空気を撹拌する。除湿部10は、処理運転の乾燥工程において、循環する空気を除湿して被処理物4の乾燥を促進する。同様に、空気加熱部9は、収容部5内の空気の温度を上昇させて被処理物4に含まれる水分の蒸発を促進する。
【0022】
除湿部10で除湿して回収された凝縮水を収容するための排水タンク18が、除湿部10から集水部19及び排水ポンプ20を介して設けられる。また、収容部5の下面は、収容部5の内壁で結露して垂れてきた凝縮水が集まるように傾斜して形成され、凝縮水を集水部19に導く回収管(図示せず)が設けられる。これにより、収容部5内が高湿になり内壁で凝縮水が発生しても本体外に漏れることなく回収される。貯水部として機能する排水タンク18は、使用者が溜まった水を廃棄できるように脱着可能に配設される。
【0023】
なお、空気処理装置6は、例えば、公知のヒートポンプユニットで構成されてもよい。ヒートポンプユニットは、圧縮機、凝縮器、膨張器及び蒸発器を冷媒配管で連接して構成され、冷媒配管内に冷媒を循環させて熱交換を行う。ヒートポンプユニットは、凝縮器が空気加熱部9に該当し、蒸発器が除湿部10に該当する。空気加熱部9及び除湿部10がヒートポンプユニットで構成されれば、単なる換気として筐体1の外部へ湿気を強制的に排出したり、水冷装置のように多量の除湿用冷却水を使用したりせずに、省電力で効率的に乾燥運転を実施できる。
【0024】
蒸気供給装置13は、供給される水を貯留するための給水部14、蒸気発生部16及び蒸気吐出部17を含む。給水部14は、脱着可能な給水タンク15、給水タンク15が本体側に接続される接続部14a、給水タンク15の水位を検知する水位検知部50、給水ポンプ14b、及びこれらを連通接続する給水管14c、を含む。水位検知部50は、接続部14aと給水ポンプ14bとの間に設けられる。つまり、水位検知部50は、脱着可能な給水タンク15には配設されず、本体側に固定される。
【0025】
蒸気発生部16は、水と蒸気を溜める容器16a及び水を加熱し蒸発させる水加熱部16bを含み、容器16aに給水ポンプ14bからの給水管14cが接続される。蒸気吐出部17は、蒸気発生部16から連接される蒸気配管17a及び吐出口17bを含む。吐出口17bは、蒸気配管17aの先端で収容部5に開口する。なお、吐出口17bは、高温の蒸気が被処理物4に直接当たらないように形成されてもよい。これにより、より高温の蒸気の熱による素材の劣化を抑制できる。また、吐出口17bを含む近傍で結露して発生した凝縮水を集水部19に導く排水経路が設けられてもよい。さらに、容器16a内の蒸気の圧力を検知して吐出を制御する制御弁等が設けられてもよい。
【0026】
衣類処理装置100の運転制御を行う制御部40が、収容部5の上方後部の空間など任意の場所に設けられる。そして、衣類処理装置100の運転を設定するための操作部41が、扉3の前面に配設される。また、
図1に示すように、扉3の開閉状態を検知する開閉検知部42が機械室7の前面などの所定位置に設けられてもよい。さらに、収容部5内の温度を検知する温度検知部が収容部5の内壁などの所定位置に設けられてもよい。
【0027】
図5は、衣類処理装置100の操作部41の模式図である。制御部40は、例えば、乾燥運転、シワ伸ばし運転、除菌消臭運転などの運転コースの制御を含み、かつ、それぞれの運転コースに応じて、「標準」「お急ぎ」「しっかり」などの処理条件を含む。そして、使用者によるこれらの設定に応じて運転制御を行うように構成される。操作部41は、運転コース設定ボタン、及びスタート/一時停止ボタンなどのほか、これらの設定表示、時間表示及び警告表示等が設けられる。なお、処理条件として、被処理物4の素材設定などが設けられてもよい。また、電源スイッチは、操作部41に独立したボタンが設けられてもよい。さらに、電源スイッチは、使用者が操作部41のどこかに触ることにより静電検知して電源がONになる構成、又は、扉3の開閉検知部42の検知により電源がONになる構成、等でもよい。さらに操作部を含めて、使用者の操作が所定時間Tなければ自動的にOFFになる構成、等でもよい。
【0028】
制御部40は、例えば、シワ伸ばし運転において、蒸気供給装置13を制御して蒸気発生部16で蒸気を発生させる蒸気供給工程を含む。このとき、制御部40は、給水ポンプ14bを動作させて蒸気発生部16の容器16aに給水し、かつ水加熱部16bに通電し、給水された水を加熱して蒸気を発生させ、収容部5内へ放出する。
【0029】
制御部40は、このようにして、収容部5内の温度が所定温度になるように制御する。これにより、収容部5内は、温度が高くなるとともに蒸気が充満し、被処理物4は湿気を多く含んでシワが伸び易くなる。
【0030】
また、制御部40は、シワ伸ばし運転において、蒸気供給工程後に、空気処理装置6を動作させて、収容部5内の空気を除湿するとともに加熱して循環させる乾燥工程を行ってもよい。これにより、被処理物4の乾燥が促進される。
【0031】
[1-2.衣類処理装置の基本動作]
以上のように構成された衣類処理装置について、一例として、シワ伸ばし運転の動作を説明する。
図6は、本実施の形態における衣類処理装置のシワ伸ばし運転のフローチャートであり、Stepに沿って順番に説明する。
【0032】
Step1: 使用者は、衣類処理装置100の扉3を開き、シワ伸ばしを行う衣類などの被処理物4を収容部5上部の懸架部8にセットする。使用者は、セットした後、扉3を閉める。
【0033】
Step2: 使用者は、扉3の前面にある操作部41を操作する。まず、運転コース設定ボタンで処理したい運転コース(本実施の形態では、「シワ伸ばし」)を設定する。次に、運転コースに応じた条件設定を選択する。そして、スタート/一時停止ボタンを押してシワ伸ばし運転をスタートさせる。
【0034】
Step3: 使用者の設定に応じて、収容部5の温度及び処理時間などが制御部40により設定され、処理運転が開始される。このほか、懸架部8の揺動動作が設定されてもよい。シワ伸ばし運転において、被処理物4の揺動はシワ伸ばしを促進させることができる。
【0035】
Step4: シワ伸ばし運転が、設定に応じた所定の処理時間だけ実行される。
【0036】
Step5: 処理時間が経過すれば、適宜乾燥工程が実行される。制御部は、乾燥工程が終了すれば所定の報知を実行してシワ伸ばし運転を終了する。
【0037】
以上の通り、被処理物4のシワ伸ばし運転は、被処理物4を収容部5内で蒸気に晒す蒸
気供給工程と、その後に送風乾燥させる乾燥工程と、を含む。これにより、衣類処理装置100でシワ伸ばし処理される被処理物4は、生地についたシワが伸ばされて緩和される。また、蒸気による脱臭効果も発揮される。そして、乾燥されることにより、使用者がアイロンがけをする手間が削減される。さらに、素材設定がされれば、蒸気供給工程で生地の素材に応じて運転条件が異なる設定とされることにより、シワが取れ難い素材の被処理物4についても、より効率的にシワ伸ばし処理を行える。
【0038】
[1-3.液体タンク装置の構成、液体タンクの脱着方法及び作用]
液体タンク装置80の構成、液体タンク装置80における給水タンク15の脱着方法及び作用について、詳細に説明する。
図1に示すように、液体タンク装置80は、筐体1内の下部空間の前部に設けられる。
【0039】
[1-3-1.液体タンク装置の構成]
図7は、本実施の形態における衣類処理装置100のタンク収容部81近傍の斜視図であり、液体タンク装置80から給水タンク15及び排水タンク18が脱離された状態を示す。
図8は、タンク収容部81の要部平面断面図であり、
図7の斜視図に2次元的に示すB-B断面を示す。
図9は、タンク収容部81の側面断面図であり、
図7の斜視図に2次元的に示すC-C断面を示す。
図10は、給水タンク15の側面図であり、給水接続部84及び給水開閉弁84aの部分のみ側面断面で示す。
図11は、液体タンク装置80の側面断面図であり、給水タンク15がタンク収容部81に装着された状態を模式図で示す。
図12A~
図12Eは、給水タンク脱着の過程を示す側面断面図であり、給水タンク15とタンク収容部81との位置関係を模式図で示す。
【0040】
上述したように、液体タンク装置80は、給水タンク15及び排水タンク18に加えて、タンク収容部81を含む。
図1に示すように、タンク収容部81の左側エリアに給水タンク15が装着され、右側エリアに排水タンク18が装着される。給水タンク15及び排水タンク18が脱離されると、
図7に示すように、タンク収容部81が見えるようになる。なお、本実施の形態では、給水タンク15側を主体に説明するが、排水タンク18においても脱離時には凝縮水が溜まっている状態であり、給水タンク15側の構成を適用できる。
【0041】
図7において、タンク収容部81には、給水部14の接続部14aを構成するタンク接続部82が下面に設けられ、複数のガイド部83が下面及び側壁内側などに設けられる。複数のガイド部83は、給水タンク15及び排水タンク18の脱着における動きを規制する。
【0042】
本実施の形態において、ガイド部83は、タンク収容部81の左側の給水タンク15が装着されるエリアにおいて、左右側壁の上部に第1上部ガイド83aが設けられる。また、下面のタンク接続部82の左右に第1下部ガイド83bが設けられる。さらに、
図8に示すように、左右に設けられる第1下部ガイド83bの内側において、タンク接続部82を取り囲むように、第2下部ガイド83cが設けられる。また、タンク収容部81の右側の排水タンク18が装着されるエリアにおいて、
図7に示すように、左右側壁の後上部に第2上部ガイド83dが設けられ、下面のタンク接続部82の左右に第3下部ガイド83eが設けられる。
【0043】
タンク収容部81は、
図9に示すように、収容部上面81aが後方へ下り傾斜に形成される。下面に設けられるタンク接続部82は、水路開閉弁82aを含む。水路開閉弁82aは、給水管14c内の水が逆流して漏れないように、上方向に付勢されている。また、第1下部ガイド83bは、前部(図面上左側)が急な上り傾斜に形成され、タンク接続部82より高く形成される頂点Tより後部は比較的緩やかな下り傾斜に形成される。第2下
部ガイド83cは、タンク接続部82と同等の高さに形成される。
【0044】
給水タンク15は、
図10に示すように、前面に化粧板15aが設けられる。タンク天面15bは後方へ下り傾斜に形成され、タンク収容部81に装着されたとき収容部上面81aとほぼ平行になるように形成される。タンク天面15bには、水道などからの給水用の蓋つきの給水口(図示せず)が設けられる。タンク底面15cは、給水タンク15の最下端より少し上方に形成される。
【0045】
給水タンク15が装着されているとき、タンク接続部82に嵌合して接続される給水接続部84が、タンク底面15cに設けられる。給水接続部84の先端は、給水タンク15の最下端より少し上方となる位置に形成される。これにより、給水タンク15が水道からの給水時にシンク又は床面などに置かれても、給水接続部84の先端がシンクなどに触れることはなく、タンク接続部82との接続不良を引き起こすことが抑制される。給水接続部84は給水開閉弁84aを含む。給水開閉弁84aは、給水タンク15内の水が漏れないように、下方向に付勢されている。
【0046】
図4で説明した蒸気供給装置13における給水部14の接続部14aは、タンク収容部81のタンク接続部82及び給水タンク15の給水接続部84を含み、これらがOリングなどのシール部材82bを介して水密に接続されるように構成される。そして、それぞれの内部に設けられる水路開閉弁82a及び給水開閉弁84aは、給水接続部84がタンク接続部82に接続されたとき、互いに上下に押圧することによりそれぞれが閉止していた開口を開成する。これによって、給水タンク15が給水管14cに連通する。
【0047】
さらに、給水タンク15には、脱着時の移動を規制するガイド部83に対応して接触する突起部85が設けられる。本実施の形態では、両側側面外側の後上部に、短い直線状の第1突起85aが縦方向に設けられる。給水タンク15は、タンク収容部81の側壁に対して少しの隙間を有する大きさに形成される。そして、タンク収容部81の第1上部ガイド83a及び第1突起85aは、その隙間において、互いに接触する位置関係に形成される。
【0048】
以上のように構成された液体タンク装置80において、
図11に示すように、給水タンク15は、タンク収容部81で本体側の給水管14cと連通するように装着される。
【0049】
[1-3-2.液体タンクの脱着方法及び作用]
図11に示すように装着される給水タンク15のタンク収容部81への脱着方法及び作用について、
図12A~
図12Eを用いてその過程を詳細に説明する。
【0050】
まず、給水タンク15が装着される過程について説明する。使用者は、
図12Aのように、所定量の水道水などを給水した給水タンク15を傾けることなく、タンク収容部81に前方から挿入する。このときの高さ位置は不確定であり、上方ではタンク天面15bが収容部上面81aに接触したり、下方では給水タンク15の後部下端15dが第1下部ガイド83bの前部の上り傾斜に接触したりする可能性がある。しかしながら、給水タンク15は、上方であれば収容部上面81a、又は、下方であれば第1下部ガイド83b、それぞれの傾斜により誘導され、概ね
図12Aの破線円Aのように、給水タンク15の後部下端15dが第1下部ガイド83bの下り傾斜に載ることとなる。使用者がこの状態のまま給水タンク15を挿入すると、給水タンク15は矢印Bの方向に斜め横移動する。本実施の形態では、第1下部ガイド83bが下り傾斜で形成されるため斜め横移動となるが、必ずしも傾斜は必要なものではなく、基本的には横方向への移動となる。つまり、ここで示す横移動とは、鉛直方向だけではない水平方向成分を含む移動方向として定義される。
【0051】
第1下部ガイド83bが下り傾斜に形成されることで、給水タンク15は水を含む相応の重量で矢印Bの方向に移動しやすい。このため、使用者は、適度にバランスを取る程度で容易に給水タンク15を横移動させることができる。さらに、本実施の形態では、横移動の途中から、給水接続部84が第2下部ガイド83cに近接するため、使用者は、給水タンク15をわずかに前倒しして給水接続部84を第2下部ガイド83cに載せることができる。これにより、給水タンク15の重量は第1下部ガイド83b及び第2下部ガイド83cで支えるようにできる。これにより、使用者は、給水タンク15の重量を支えずに挿入可能になる。
【0052】
なお、ガイド部83に設定される傾斜は、特に限定されるものではないが、家庭用の衣類処理装置のように片手で持ち運べる程度のタンク容量であれば、給水タンク15のように脱離時より装着時の重量が大きい場合、装着方向で上り10度から下り45度以内の傾斜が好ましい。また、排水タンク18のように、装着時より脱離時の重量が大きい場合、脱離方向で上り45度から下り30度以内の傾斜が好ましい。
【0053】
次に、
図12Bに示すように、給水タンク15は、タンク収容部81にほとんど収容される位置まで横方向に移動すると、第1突起85aが第1上部ガイド83aに接触する。そして、ほぼこのタイミングで給水タンク15の後部下端15dが載っている第1下部ガイド83bが終端となり、第1下部ガイド83bによる給水タンク15の支持が第1上部ガイド83aに移行する。この後、給水タンク15は、第1突起85aを第1上部ガイド83aに支持されて挿入される。
【0054】
給水タンク15は、さらに挿入されて第1上部ガイド83aの下り傾斜に沿って横方向に移動すると、
図12Cに示すように、給水タンク15が一番奥まで挿入された状態となる。この段階で、タンク底面15cに設けられる給水接続部84は、タンク接続部82の真上の位置になる。同時に、第1上部ガイド83aは鉛直方向に変化して、第1突起85aは下方からの支持がない状態となる。これにより、給水タンク15は、落下するように鉛直下方向に移動する。この下方向移動距離はわずかであり、タンク接続部82に設けられるシール部材82bにより抵抗を受けて減速し、スムーズに落下してタンク接続部82に水密に接続される。内部では、給水接続部84の給水開閉弁84aとタンク接続部82の水路開閉弁82aとが互いに押し合い、両方の開口が開成される。
【0055】
以上の過程を経て、
図11に示すように、給水部14が接続部14aにおいて連通し、給水タンク15の装着が完了する。
【0056】
本実施の形態のように、給水タンク15が装着された状態において、第1突起85aが第1上部ガイド83aに接触する構成であれば、給水タンク15の前方への動きを防止するため、脱離時には使用者が意識して給水タンク15を上方に持ち上げる必要があり、給水タンク15が意図せずに外れることを抑制できる。つまり、給水タンク15が不意に前方に引っ張られたり、衣類処理装置100の運搬等で前方に傾斜したりしたとしても、容易に外れることがなく安全で使い勝手がよい。また、給水タンク15が前方に傾斜して前重心となるような形状であっても、ガイド部83が給水タンク15を前方に倒れないように係止することが可能であり、液体タンク装置80及び衣類処理装置100のデザインの自由度が向上する。
【0057】
なお、ここで記載する鉛直下方向とは、基本的には水平方向への移動を含まないが、衣類処理装置100自体が傾いていたり、衣類処理装置100の組み立てにおける裕度及びバラツキ、さらに、部品成型等における勾配に起因する僅かな傾斜等により傾いていたりすることは許容される。
【0058】
次に、給水タンク15が脱離される過程について説明する。
【0059】
給水タンク15の脱離は、装着の逆方向になる。しかしながら、第1上部ガイド83aは、上方への移動を規制するようには形成されていない。また、タンク接続部82に設けられるシール部材82bによる抵抗もあって、使用者が給水タンクを持ち上げると少々の勢いが付くこともある。これらにより、給水タンク15は、使用者により持ち上げられると、
図12Dに示すように、タンク天面15bが収容部上面81aに当接するまで鉛直上方向に移動する。
【0060】
このとき、接続部14aは分離されるが、給水タンク15の給水接続部84において、給水開閉弁84aが開口を直ちに閉止する。同時に、給水管14cのタンク接続部82において、水路開閉弁82aが開口を直ちに閉止する。したがって、給水タンク15及び給水管14cに残っている水が溢れることは抑制される。
【0061】
その後、収容部上面81aがガイド部83となり、
図12Eに示すように、タンク天面15bが収容部上面81aに当接したまま、給水タンク15は斜め上方に引き出されて、斜め横移動する。本実施の形態では、収容部上面81aが傾斜して形成されるため斜め横移動となるが、必ずしも傾斜は必要なものではなく、基本的には横移動となる。つまり、装着時と同様に、ここで示す横移動とは、鉛直方向だけではない水平方向成分を含む移動方向として定義される。
【0062】
付け加えると、挿入においても、収容部上面81aがガイド部83とされてもよい。具体的には、使用者が給水タンク15の重さに関わらず、タンク天面15bを収容部上面81aに沿わせて給水タンク15を横方向に移動させて最も奥まで挿入し、あとは鉛直下方向に移動させることにより、給水タンク15を装着してもよい。
【0063】
つまり、給水タンク15の脱着において、複数のガイド部83は、給水タンク15の移動範囲を規制して、給水接続部84がタンク接続部82に接続されるように誘導するものであればよい。移動ルートは厳格に規制される必要はなく、給水タンク15が大きく傾かない範囲である程度の裕度は許容される。このように、給水タンク15の移動ルートにある程度の自由度があれば、使用者は給水タンク15の脱着がより容易になる。
【0064】
以上説明した衣類処理装置100に設けられる液体タンク装置80の構成、及び脱着方法によれば、給水タンク15が脱着されるとき、給水部14の接続部14aにおいて、給水接続部84及びタンク接続部82が接続されたり、分離されたりする。そして、この脱着では、鉛直方向の移動により行われるため、給水接続部84に含まれる給水開閉弁84a及びタンク接続部82に含まれる水路開閉弁82aなどに斜め方向や回転方向の無理な力が加わることが抑制される。これにより、接続部14aの耐久性が向上するとともに、接続不良が抑制され、水漏れ等の不具合の発生を抑制できる。
【0065】
また、給水タンク15が装着されるとき、大きく傾くことがないとともに内部での水面の揺れも抑制されるので、上部に設けられる水の供給又は水の排出のための開口から水がこぼれることを抑制できるとともに、給水タンク15の貯水量をより多く設定できる。そして、使用者は、給水タンク15を安心して容易に脱着できる。
【0066】
なお、排水タンク18は、給水部14の接続部14aのように水密性を要求される接続部は備えないが、給水タンク15と同様に脱着方法を規制されることにより、排水タンク18が脱離されるとき、大きく傾くことがないとともに内部での水面の揺れも抑制される。このため、使用者は、給水タンク15と同様に、貯留された水がこぼれることなく、安心して容易に脱着できる。
【0067】
さらに、この液体タンク装置80を備える衣類処理装置100は、給水タンク15及び排水タンク18が脱着されるときの上部空間を広く確保する必要がないため、本体の高さを低く構成できるとともに、使用者は給水タンク15及び排水タンク18を容易に脱着できる。
【0068】
[1-3-3.他の実施例1]
ちなみに、他の実施例1として、
図13に示すように、タンク収容部81に設けられる第3上部ガイド83f及び第4上部ガイド83gのように、第1突起85aを上下に規制するガイド部83が設けられてもよい。これにより、給水タンク15は、第1突起85aが第3上部ガイド83f及び第4上部ガイド83gにより上下方向の自由な移動を規制されて、矢印Bの方向に斜め横移動する。この構成により、
図12Aから
図12Eで説明した動きの中で、給水タンク15の移動範囲をある程度厳格に規制できる。給水タンク15の移動ルートを厳格に規制することで、給水タンク15の傾きをより抑制し、安定させることができる。
【0069】
[1-3-4.他の実施例2]
さらに、他の実施例2として、
図14に示すように、給水タンク15の側面外側に第2突起85b及び第3突起85cが設けられ、タンク収容部81の側壁内側に第5上部ガイド83h及び第6上部ガイド83jが設けられてもよい。なお、突起と上部ガイドを吹き出しにより拡大して示す。本実施例においては、給水タンク15の下部に対するガイド部は設けられない。
【0070】
給水タンク15の第2突起85b及び第3突起85cは、それぞれ水平面が形成されて前後に配置される。後部に形成される第2突起85bの長さL1は、前部に形成される第3突起85cの長さL2より長く形成される(L1>L2)。タンク収容部81の第5上部ガイド83h及び第6上部ガイド83jは、それぞれ水平面とその後ろ側に垂直面とを組み合わせて形成されて前後に配置される。前部に形成される第5上部ガイド83hの長さL3は、後部に形成される第6上部ガイド83jの長さL4より短く形成される(L3<L4)。
【0071】
そして、これらの長さと、第2突起85b及び第3突起85cとの間隙D1、第5上部ガイド83hと第6上部ガイド83jとの間隙D2、及び、第6上部ガイド83jとタンク収容部81の後面との間隙D3の関係は、L1>D2、L1<D3、L2<D2、L4<D1であり、さらに、D2<D3である。あとは、これらの突起及び上部ガイドの前後位置で調整される。
【0072】
また、突起及び上部ガイドの上下位置関係について、第2突起85b及び第3突起85cは、給水タンク15がタンク収容部81に装着された状態において、第5上部ガイド83h及び第6上部ガイド83jの垂直面の範囲に位置し、給水タンク15が脱着されるときの前後方向移動状態において、第5上部ガイド83h及び第6上部ガイド83jの水平面より上方に位置するように形成される。
【0073】
以上のように構成された液体タンク装置80において、
図14に示すように、給水タンク15は、タンク収容部81で本体側の給水管14cと連通するように装着される。この給水タンク15のタンク収容部81への脱着の方法及び作用について、
図15A~
図15Bを用いてその過程を説明する。
【0074】
まず、給水タンク15が装着される過程について説明する。使用者は、
図15Aのように、所定量の水道水などを給水した給水タンク15を傾けることなく、タンク収容部81
に前方から挿入する。このときの給水タンク15の高さ位置は不確定であり、上方ではタンク天面15bが収容部上面81aに接触したり、接触しなかったりするが、少なくとも、給水タンク15の第2突起85bがタンク収容部81の第5上部ガイド83hより上方に位置するように挿入される。
【0075】
そして、第2突起85bが第5上部ガイド83hに載置されて、給水タンク15は、第2突起85bが第5上部ガイド83hにより下から支持される吊り下げ状態となり、後方へスライドして押し込まれる。つまり、給水タンク15が横方向へ移動する。このとき、第2突起85bの長さL1は、第5上部ガイド83hと第6上部ガイド83jとの間隙D2より大きい(L1>D2)ため、間隙D2で落下することなく通過する。なお、これらの突起及び上部ガイドにおいて、角部が面取りされていると、よりスムーズにスライドして通過できる。
【0076】
このようにして給水タンク15が挿入されると、第3突起85cが第5上部ガイド83hに乗り上げる。これにより、給水タンク15はより安定してスライドして押し込まれる。
【0077】
給水タンク15がタンク収容部81の一番奥まで挿入されると、
図15Bに示す状態となる。このとき、タンク底面15cに設けられる給水接続部84は、タンク接続部82と嵌合できる状態となる。そして、給水タンク15の第2突起85b及び第3突起85cが、タンク収容部81の第5上部ガイド83h及び第6上部ガイド83jから外れ、下方からの支持がない状態となる。この状態はほんの一瞬であり、この瞬間に、給水タンク15は、落下するように鉛直下方向に移動する。この下方向移動距離はわずかであり、タンク接続部82に設けられるシール部材82bにより抵抗を受けてスムーズに落下し、タンク接続部82に接続される。以上の過程を経て、
図14に示すように、給水部14が接続部14aにおいて連通し、給水タンク15の装着が完了する。
【0078】
次に、給水タンク15が脱離される過程について説明する。基本的には、装着の逆方向になるが、第5上部ガイド83h及び第6上部ガイド83jは、上方への移動を規制するようには形成されていない。給水タンク15は、使用者により持ち上げられると、
図15Bに示すように、タンク天面15bが収容部上面81aに当接するまで鉛直上方向に移動する。このとき、接続部14aは分離されるが、給水タンク15の給水接続部84において、給水開閉弁84aが開口を直ちに閉止するとともに、給水管14cのタンク接続部82において、水路開閉弁82aが開口を直ちに閉止するので、それぞれに残っている水が溢れることは抑制される。
【0079】
その後、収容部上面81aがガイド部83となり、タンク天面15bが収容部上面81aに当接したまま、給水タンク15は斜め上方に引き出されて、斜め横移動してもよい。また、
図15Aに示すように、挿入とは逆方向にスライドして引き出されてもよい。
【0080】
付け加えると、挿入においても、使用者が給水タンク15の重さに関わらず、タンク天面15bを収容部上面81aに沿わせて給水タンク15を横方向に移動させて最も奥まで挿入し、あとは鉛直下方向に移動させることにより、給水タンク15を装着してもよい。
【0081】
つまり、給水タンク15の脱着において、複数のガイド部83は、給水タンク15の移動範囲を規制して、給水接続部84がタンク接続部82にスムーズに接続されるように誘導し、使用者による取り扱いを容易にするものであればよい。移動ルートは厳格に規制される必要はなく、給水タンク15が大きくは傾かない範囲である程度の裕度は許容される。このように、給水タンク15の移動ルートにある程度の裕度があれば、使用者は給水タンク15の脱着がより容易になる。
【0082】
[1-3-5.まとめ]
以上、衣類処理装置100に設けられる液体タンク装置80の構成、及び脱着方法について、複数の実施例を用いて説明した。これらにおいて、タンク収容部81に設けられ給水タンク15の脱着方向を規制するガイド部83は、給水タンク15の装着において、給水タンク15がタンク収容部81内で横方向に接続可能位置まで移動してから鉛直下方向に移動するように規制する。加えて、タンク収容部81に設けられ給水タンク15の脱着方向を規制するガイド部83は、給水タンク15の脱離において、給水タンク15が鉛直上方向に移動してからタンク収容部81内で横方向に移動するように規制する。
【0083】
この構成により、給水タンク15の装着時の動作を、鉛直下方向に移動させて完結するように規制できる。また、給水タンク15の脱離時の動作を、鉛直上方向に移動させて始まるように規制できる。さらに、給水タンク15の前方への動きを防止し、給水タンク15が意図せずに外れることを抑制できる。
【0084】
[1-4.効果等]
以上のように、本実施の形態において、液体タンク装置80は、脱着可能な給水タンク15と、給水タンク15を収容するタンク収容部81と、給水タンク15を外部に連通させる接続部14aと、タンク収容部81に設けられ給水タンク15の脱着方向を規制するガイド部83と、を備える。ガイド部83は、給水タンク15の装着において、給水タンク15がタンク収容部81内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するように規制し、かつ、給水タンク15の脱離において、給水タンク15が鉛直上方向に移動してからタンク収容部81内で横方向に移動するように規制する、ように構成される。
【0085】
この構成により、給水タンク15の装着時の動作を、鉛直下方向に移動させて完結するように規制できる。また、給水タンク15の脱離時の動作を、鉛直上方向に移動させて始まるように規制できる。これにより、給水タンク15の給水接続部84とタンク収容部81のタンク接続部82との脱着方向が鉛直方向に規制されるため、接続部14aに斜め方向及び回転方向の無理な力が加わることを防ぎ、水漏れなどの不具合の発生を抑制できる。また、給水タンク15の前方への動きを防止し、給水タンク15が意図せずに外れることを抑制できる。また、給水タンク15が設置される上部空間を広く確保する必要がないため、この液体タンク装置80を備える衣類処理装置100は本体の高さを低く構成できるとともに、使用者は給水タンク15を容易に脱着できる。さらに、液体タンク装置80及び衣類処理装置100のデザインの自由度が向上する。
【0086】
本実施の形態において、液体タンク装置80は、ガイド部83が、給水タンク15の装着において、給水タンク15がタンク収容部81の奥行方向に対して下り傾斜で横方向に移動するように構成されてもよい。
【0087】
この構成により、給水タンク15は水を含む相応の重量で奥行方向に移動しやすい。このため、使用者は、容易に給水タンク15を横移動させることができる。
【0088】
本実施の形態において、衣類処理装置100は、本実施の形態に記載される液体タンク装置80と、被処理物4に水分を供給する水分供給装置と、液体タンクであって水分供給装置に供給される水を貯留する給水タンク15と、を備える。
【0089】
この構成により、衣類処理装置100は、液体タンク装置80と水分供給装置だけの簡易な構成で被処理物4に水を噴霧して加湿できるとともに、水加熱のための電力を消費することなく被処理物4を加湿してシワ伸ばしできる。
【0090】
本実施の形態において、衣類処理装置100は、被処理物4を収容する収容部5と、収容部5内に蒸気を供給する蒸気供給装置13と、蒸気供給装置13に供給される水を貯留する給水タンク15、及び、運転中に発生する凝縮水を貯留する排水タンク18、を収容する液体タンク装置80と、を備える。液体タンク装置80は、給水タンク15及び排水タンク18を脱着可能に収容するタンク収容部81と、給水タンク15を蒸気供給装置13に連通させる接続部14aと、タンク収容部81に設けられ給水タンク15の脱着方向を規制するガイド部83と、を有する。ガイド部83は、給水タンク15の装着において、給水タンク15がタンク収容部81内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するように規制し、かつ、給水タンク15の脱離において、給水タンク15が鉛直上方向に移動してからタンク収容部81内で横方向に移動するように規制する、ように構成される。
【0091】
この構成により、衣類処理装置100は、給水タンク15の装着時の動作を、鉛直下方向に移動させて完結するように規制できる。また、給水タンク15の脱離時の動作を、鉛直上方向に移動させて始まるように規制できる。これにより、給水タンク15の給水接続部84とタンク収容部81のタンク接続部82との脱着方向が鉛直方向に規制されるため、接続部14aに斜め方向及び回転方向の無理な力が加わることを防ぎ、水漏れなどの不具合の発生を抑制できる。また、給水タンク15が設置される上部空間を広く確保する必要がないため、本体の高さを低く構成できるとともに、使用者は給水タンク15を容易に脱着できる。
【0092】
本実施の形態において、衣類処理装置100は、ガイド部83が、給水タンク15の装着において、給水タンク15がタンク収容部81の奥行方向に対して下り傾斜で横方向に移動するように構成されてもよい。
【0093】
この構成により、給水タンク15は水を含む相応の重量で奥行方向に移動しやすい。このため、使用者は、容易に給水タンク15を横移動させることができる。
【0094】
本実施の形態において、液体タンクの脱着方法は、脱着可能な給水タンク15と、給水タンク15を収容するタンク収容部81と、給水タンク15を外部に連通させる接続部14aと、給水タンク15の脱着方向を規制するガイド部83と、を備える液体タンク装置80において、給水タンク15の装着方法として、給水タンク15がタンク収容部81内で横方向に移動してから鉛直下方向に移動するようにして装着する、及び、給水タンク15の脱離方法として、給水タンク15が鉛直上方向に移動してからタンク収容部81内で横方向に移動するようにして脱離する、ものである。
【0095】
この構成により、給水タンク15の装着時の動作を、鉛直下方向に移動させて完結するように規制できる。また、給水タンク15の脱離時の動作を、鉛直上方向に移動させて始まるように規制できる。これにより、給水タンク15の給水接続部84とタンク収容部81のタンク接続部82との脱着方向が鉛直方向に規制されるため、接続部14aに斜め方向及び回転方向の無理な力が加わることを防ぎ、水漏れなどの不具合の発生を抑制できる。また、給水タンク15が設置される上部空間を広く確保する必要がないため、この液体タンク装置80を備える衣類処理装置100は本体の高さを低く構成できるとともに、使用者は給水タンク15を容易に脱着できる。
【0096】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0097】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0098】
実施の形態1では、液体タンク装置80の一例として、給水タンク15を支えるガイド部83が、タンク収容部81の側壁及び下面に形成されたり、側壁だけに形成されたりする構成を説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、下面だけに形成される構成でもよい。この構成により、使用者は、液体タンクを大きく傾けることなく重量をガイド部に預けて、貯留された水をこぼすことなく安心して容易に脱着できる。
【0099】
実施の形態1では、液体タンク装置80の一例として、給水タンク15の脱着時の移動を規制するガイド部83が設けられるとともに、ガイド部83に対応して接触する突起部85として、給水タンク15の両側側面外側の後上部に、短い直線状の第1突起85aが縦方向に設けられる構成を説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ガイド部83及び突起部85は、満水状態の給水タンク15の重量を支えて、突起部85がガイド部83を摺動するものであればよい。例えば、これらが、摩擦係数が小さいエンジニアリングプラスチックなどで形成されてもよいし、フッ素樹脂などがコーティングされてもよい。また、突起部85が、ガイド部83に載る小さなローラーで構成されてもよい。これらにより、突起部85はガイド部83上をよりスムーズに摺動して給水タンク15の挿入が容易になり、使用者の使い勝手が向上する。
【0100】
実施の形態1では、液体タンク装置80が設けられる衣類処理装置100として、給水タンク15に貯留される水を加熱して蒸気として被処理物4に供給する蒸気供給装置13の構成を説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、水を加熱せずに霧状にして噴霧したり加湿したりする水分供給装置でもよい。この構成により、衣類処理装置100は、液体タンク装置80と水分供給装置だけの簡易な構成で被処理物4に水を噴霧して加湿できるとともに、水加熱のための電力を消費することなく被処理物4を加湿してシワ伸ばしできる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示は、水に限らず液体を貯留する液体タンクが脱着される液体タンク装置に適用可能であり、さらに、液体タンク装置を備える装置、例えば、衣類等の被処理物を吊り下げて収容し、着用後や折畳み収納後、洗濯後、及び洗濯乾燥後に被処理物の生地についたシワを伸ばす衣類処理装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 筐体
2 外殻
3 扉
3a シール部材
4 被処理物
5 収容部
5a ケース
6 空気処理装置
7 機械室
8 懸架部(保持部)
8a 棚
9 空気加熱部
10 除湿部
11 送風部
11a ファン
11b モータ
12 送風路
12a 吸込口
12b 吹出口
13 蒸気供給装置
14 給水部
14a 接続部
14b 給水ポンプ
14c 給水管
15 給水タンク
16 蒸気発生部
16a 容器
16b 水加熱部
17 蒸気吐出部
17a 蒸気配管
17b 吐出口
18 排水タンク
19 集水部
20 排水ポンプ
30 換気口
31 開閉装置
40 制御部
41 操作部
42 開閉検知部
50 水位検知部
80 液体タンク装置
81 タンク収容部
81a 収容部上面
82 タンク接続部
82a 水路開閉弁
82b シール部材
83 ガイド部
83a 第1上部ガイド
83b 第1下部ガイド
83c 第2下部ガイド
83d 第2上部ガイド
83e 第3下部ガイド
83f 第3上部ガイド
83g 第4上部ガイド
83h 第5上部ガイド
83j 第6上部ガイド
84 給水接続部
84a 給水開閉弁
85 突起部
85a 第1突起
85b 第2突起
85c 第3突起
100 衣類処理装置