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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179979
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】遠心分離システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20241219BHJP
   B04B 5/02 20060101ALI20241219BHJP
   B04B 11/04 20060101ALI20241219BHJP
   B04B 13/00 20060101ALI20241219BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
A61M1/02 121
B04B5/02 Z
B04B11/04
B04B13/00
C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099362
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】片岡 亮二
【テーマコード(参考)】
4B029
4C077
4D057
【Fターム(参考)】
4B029AA11
4B029AA27
4B029BB11
4B029CC01
4B029DG08
4B029GB01
4B029GB02
4B029GB03
4B029HA05
4C077AA11
4C077BB04
4C077DD13
4C077HH10
4C077HH21
4C077KK25
4C077NN02
4C077NN03
4D057AA03
4D057AB01
4D057AB03
4D057AC01
4D057AC05
4D057AD01
4D057AE11
4D057BA00
4D057BA01
4D057BA16
4D057BA24
4D057BC05
4D057BC11
4D057CB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なる種類の遠心バッグセットの処理を自動的に行える遠心分離システムを提供する。
【解決手段】遠心分離システム10は、遠心バッグセット16を収容し、遠心バッグセットのバッグ間で液体を移送させる送液機構を有する回転体14と、回転体を着脱可能に収容する遠心分離器12と、回転体及び遠心分離器の動作を制御する制御部と、遠心バッグセットの種類に対応する回転体及び遠心分離器の制御プログラムを格納した記憶部と、を備え、制御部は、回転体が遠心分離器に収容されると、遠心バッグセットの種類に対応する制御プログラムを取得し、制御プログラムに基づいて回転体及び遠心分離器を駆動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の分離を行う遠心分離システムであって、
少なくとも1つの遠心バッグセットを収容するとともに、前記遠心バッグセットに属する複数のバッグの間で液体を移送させる送液機構を有する回転体と、
前記回転体を着脱可能に収容し、収容した前記回転体を回転させる遠心分離器と、
前記回転体及び前記遠心分離器の動作を制御する制御部と、
前記遠心バッグセットの種類に対応する前記回転体及び前記遠心分離器の制御プログラムを格納した記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記回転体が前記遠心分離器に収容されると、前記遠心バッグセットの種類に対応する前記制御プログラムを取得し、前記制御プログラムに基づいて前記回転体及び前記遠心分離器を駆動する、遠心分離システム。
【請求項2】
請求項1記載の遠心分離システムであって、
前記回転体に収容された前記遠心バッグセットに付された識別情報を読み取る読取装置を備え、
前記制御部は前記読取装置を通じて取得した前記識別情報から前記遠心バッグセットの種類を判定する、遠心分離システム。
【請求項3】
請求項2記載の遠心分離システムであって、前記回転体は、
前記読取装置と、
前記送液機構を駆動する第1制御部と、
前記遠心分離器と通信を行う第1通信部と、
前記送液機構、前記読取装置、前記第1制御部及び前記第1通信部に電力を供給する電源装置と、を備えた、遠心分離システム。
【請求項4】
請求項1記載の遠心分離システムであって、前記記憶部は前記回転体に設けられ、前記制御部は、前記回転体の前記記憶部から前記制御プログラムを取得する、遠心分離システム。
【請求項5】
請求項1記載の遠心分離システムであって、前記回転体は、1つの前記遠心バッグセットを収容する、遠心分離システム。
【請求項6】
請求項1記載の遠心分離システムであって、前記回転体に、前記遠心バッグセットを装着するバッグ装着装置を備える、遠心分離システム。
【請求項7】
請求項6記載の遠心分離システムであって、前記遠心分離器に、前記回転体の取り付け及び取り外しの少なくとも1つを行う回転体着脱装置を備える、遠心分離システム。
【請求項8】
請求項7記載の遠心分離システムであって、前記遠心バッグセットを収容した前記回転体を前記回転体着脱装置に搬送する搬送装置を備える、遠心分離システム。
【請求項9】
請求項8記載の遠心分離システムであって、前記回転体から前記遠心バッグセットを取り出す、バッグ取出装置を備え、前記搬送装置は、前記回転体を前記遠心分離器から前記バッグ取出装置に搬送する、遠心分離システム。
【請求項10】
請求項1記載の遠心分離システムであって、
複数の前記遠心分離器を有する遠心ユニットを備え、前記遠心ユニットは、
前記回転体を前記遠心分離器に搬入する搬入部と、
前記遠心分離器から前記回転体を搬出する搬出部と、を有し、
前記遠心分離器と前記搬入部及び前記搬出部とを相対移動させる移動機構と、を備え、
前記遠心分離器は、前記搬出部に到達する間に前記遠心バッグセットの遠心分離処理を行う、遠心分離システム。
【請求項11】
請求項10記載の遠心分離システムであって、前記移動機構は、前記遠心分離器を支持して回転させる回転式ターンテーブルである、遠心分離システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を複数の成分に分離する遠心分離システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、血液バッグセットを用いて血液の分離を行う遠心分離システムを開示する。この遠心分離システムは、血液バッグセットの親バッグの遠心分離と、分離された血液成分の子バッグへの移送(分離)とを自動で行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5272144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遠心分離システムによる自動化は、血液バッグセットの種類に応じた専用の装置構成で実現される。そのため、従来の遠心分離システムは、異なる種類の血液バッグセットの処理には、異なる遠心分離器が必要とされる。
【0005】
本発明は、上記した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)以下の開示の態様は、液体の分離を行う遠心分離システムであって、少なくとも1つの遠心バッグセットを収容するとともに、前記遠心バッグセットに属する複数のバッグの間で液体を移送させる送液機構を有する回転体と、前記回転体を着脱可能に収容し、収容した前記回転体を回転させる遠心分離器と、前記回転体及び前記遠心分離器の動作を制御する制御部と、前記遠心バッグセットの種類に対応する前記回転体及び前記遠心分離器の制御プログラムを格納した記憶部と、を備え、前記制御部は、前記回転体が前記遠心分離器に収容されると、前記遠心バッグセットの種類に対応する前記制御プログラムを取得し、前記制御プログラムに基づいて前記回転体及び前記遠心分離器を駆動する、遠心分離システムである。
【0007】
上記項目(1)の遠心分離システムは、回転体を交換するだけで異なる種類の遠心バッグセットの処理を自動的に行える。このため、上記の遠心分離システムは、多種類の遠心バッグセットの処理に共通の遠心分離器を使用でき、遠心分離器の稼働率を高められる。
【0008】
(2)上記項目(1)記載の遠心分離システムであって、前記回転体に収容された前記遠心バッグセットに付された識別情報を読み取る読取装置を備え、前記制御部は前記読取装置を通じて取得した前記識別情報から前記遠心バッグセットの種類を判定してもよい。この遠心分離システムは、識別情報の読み取りを自動化することで、回転体に遠心バッグセットを取り付ける際に手作業によるバーコード読取作業を省くことができる。
【0009】
(3)上記項目(1)又は(2)記載の遠心分離システムであって、前記回転体は、前記読取装置と、前記送液機構を駆動する第1制御部と、前記遠心分離器と通信を行う第1通信部と、前記送液機構、前記読取装置、前記第1制御部及び前記第1通信部に電力を供給する電源装置を備えてもよい。この遠心分離システムは、回転体が遠心分離器から取り外された状態での駆動を可能とする。回転体は、遠心バッグセットの取り付けと、識別情報の読取りと、を遠心分離器と離れた位置で行うことを可能とし、遠心分離器の稼働率を高められる。
【0010】
(4)上記項目(1)~(3)のいずれか1項に記載の遠心分離システムであって、前記記憶部は前記回転体に設けられ、前記制御部は、前記回転体の前記記憶部から前記制御プログラムを取得してもよい。この遠心分離システムは、回転体による識別情報の読取りと、遠心分離器の制御部による識別情報とを異なるタイミングで行うことを可能とする。このため、遠心分離システムは、回転体への遠心バッグセットの取り付け及び識別情報の読取りを、遠心分離器と離れた位置で行うことを可能とする。
【0011】
(5)上記項目(1)~(4)のいずれか1項に記載の遠心分離システムであって、前記回転体は、1つの前記遠心バッグセットを収容してもよい。この遠心分離システムは、回転体及び遠心分離器を小型化できる。また、複数の遠心バッグセットが集まるまで遠心分離器を停止させる必要がないため、遠心分離システムは、遠心分離器の稼働率を高められる。
【0012】
(6)上記項目(1)~(5)のいずれか1項に記載の遠心分離システムであって、前記回転体に、前記遠心バッグセットを装着するバッグ装着装置を備えてもよい。この遠心分離システムは、遠心バッグセットの装着作業を省力化できる。
【0013】
(7)上記項目(6)記載の遠心分離システムであって、前記遠心分離器に、前記回転体の取り付け及び取り外しの少なくとも1つを行う回転体着脱装置を備えてもよい。この遠心分離システムは、回転体の装着作業を省力化できる。
【0014】
(8)上記項目(7)記載の遠心分離システムであって、前記遠心バッグセットを収容した前記回転体を前記回転体着脱装置に搬送する搬送装置を備えてもよい。この遠心分離システムは、搬送工程を省力化できる。
【0015】
(9)上記項目(8)記載の遠心分離システムであって、前記回転体から前記遠心バッグセットを取り外す、バッグ取出装置を備え、前記搬送装置は、前記回転体を前記遠心分離器から前記バッグ取出装置に搬送してもよい。この遠心分離システムは、搬送工程を省力化できる。
【0016】
(10)上記項目(1)~(9)のいずれか1項に記載の遠心分離システムであって、複数の前記遠心分離器を有する遠心ユニットを備え、前記遠心ユニットは、前記回転体を前記遠心分離器に搬入する搬入部と、前記遠心分離器から前記回転体を搬出する搬出部と、を有し、前記遠心分離器と前記搬入部及び前記搬出部とを相対移動させる移動機構と、を備え、前記遠心分離器は、前記搬出部に到達する間に前記遠心バッグセットの遠心分離処理を行ってもよい。この遠心分離システムは、複数の遠心分離器を、小さなスペースに配置できる。
【0017】
(11)上記項目(10)記載の遠心分離システムであって、前記移動機構は、前記遠心分離器を支持して回転させる回転式ターンテーブルであってもよい。この遠心分離システムは、複数の遠心分離器を、小さなスペースに配置できる。
【発明の効果】
【0018】
上記の遠心分離システムは高価な遠心分離器の稼働率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態に係る遠心分離システムの概要説明図である。
図2図2は、図1の遠心分離器の構成図である。
図3図3Aは、図1の遠心分離システムに用いられる回転体の斜視図であり、図3B図3Aの回転体の平面図である。
図4図4は、遠心バッグセットを取り付けた状態の図3Aの回転体の構成図である。
図5図5は、図1の遠心分離システムを用いた遠心分離処理のフローチャートである。
図6図6は、第2制御部の動作を示すフローチャートである。
図7図7Aは、図1の回転体による血液成分の移送動作の説明図であり、図7B図1の回転体による保存液の移送動作の説明図である。
図8図8は、図1の回転体によるチューブの封止及び切断動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態に係る遠心分離システム10は、図1に示されるように、複数の遠心分離器12と、複数の回転体14と、を有する。回転体14は、遠心バッグセット16(図4A)を収容する。回転体14は、遠心分離器12によって回転する。この回転体14の回転によって遠心バッグセット16に貯留された液体(例えば、血液)は複数成分に遠心分離される。遠心分離システム10は、遠心バッグセット16の回転体14への着脱と遠心バッグセット16を用いた遠心分離動作とを、作業者の手作業を要さずに実施できる。
【0021】
このような遠心分離システム10は、例えば、血液センターに好適に用いられる。血液センターにおいて、遠心分離システム10は、全血63(図4)を遠心分離して、赤血球64、血漿66(図7A)及び血小板等に製剤化する。なお、遠心分離システム10の用途は、血液の分離に限定されず、細胞医薬の生成、細胞生産物の製剤化等の生物学的製剤の製造にも利用できる。
【0022】
以下、遠心分離システム10の各部について説明が行われる。
【0023】
遠心分離システム10は、遠心ユニット11と、複数の遠心分離器12と、バッグ装着装置13と、複数の回転体14と、搬送装置15A、15Bと、回転体着脱装置19と、バッグ取出装置21と、を主な構成として備える。
【0024】
遠心ユニット11は、複数の遠心分離器12を保持する回転式ターンテーブル110を有する。回転式ターンテーブル110は円形の移送経路の上に、遠心分離器12を支持する配置部を複数有する。回転式ターンテーブル110は、複数の配置部で複数の遠心分離器12を支持する。回転式ターンテーブル110は、回転することにより、複数の遠心分離器12を移動させる移動機構として機能する。複数の遠心分離器12は、回転式ターンテーブル110の周方向に間隔を開けて配置される。回転式ターンテーブル110は、図示しない電源ケーブルを介して各々の遠心分離器12に駆動用の電力を供給する。遠心ユニット11は、図示しないCPUを備え、このCPUの制御下に回転式ターンテーブル110を動作させる。
【0025】
回転式ターンテーブル110は、周方向の所定位置に、遠心分離器12に回転体14を搬入する搬入部111と、遠心分離器12から回転体14を搬出する搬出部112とを有する。搬入部111と搬出部112とは、周方向に隣り合って位置する。回転式ターンテーブル110は、一定方向、例えば図示のように反時計回りの方向、に回転する。搬入部111に位置する各遠心分離器12は、回転式ターンテーブル110を略1周回転することで、搬出部112に移送される。遠心分離器12は、搬入部111から搬出部112に移動する間に、回転体14を回転させて遠心分離処理を行う。
【0026】
バッグ装着装置13は、例えばロボットアームであり、遠心バッグセット16を回転体14に取り付ける。バッグ装着装置13は、アーム機構13aと、撮像装置13bと、CPU13cと、を有する。バッグ装着装置13は、撮像装置13bで遠心バッグセット16と、取り付け対象の回転体14とを識別する。バッグ装着装置13は、CPU13cの制御下にアーム機構13aを駆動して、遠心バッグセット16を把持し、これを回転体14に装着する。バッグ装着装置13は、遠心ユニット11から離れた位置に配置されるため、遠心分離器12の処理の進行に影響されることなく、回転体14に遠心バッグセット16を取り付ける作業を進めることができる。
【0027】
搬送装置15A、15Bは、自走式の搬送車であり、回転体14を保持して移動することで、回転体14を搬送する。搬送装置15A、15Bは、位置センサ15aとCPU15bとを備える。搬送装置15A、15Bは、CPU15bの制御下に、位置センサ15aで自己位置を検出しながら、予め定められた経路に沿って移動する。搬送装置15Aは、バッグ装着装置13と回転体着脱装置19との間で回転体14を搬送する。また、搬送装置15Bは、回転体着脱装置19とバッグ取出装置21との間で回転体14を搬送する。本実施形態では、搬送装置15A、15Bの2台とする例を示すが、これに限られず、より多くの搬送装置15A、15Bを備えてもよい。
【0028】
回転体着脱装置19は、遠心ユニット11の搬入部111及び搬出部112の近くに位置する。回転体着脱装置19は、例えばロボットアームである。回転体着脱装置19は、アーム機構19aと、撮像装置19bと、CPU19cと、を有する。回転体着脱装置19は、CPU19cの制御下に搬送装置15Aの上の回転体14を把持し、搬入部111の遠心分離器12に回転体14を取り付ける。また、回転体着脱装置19は、搬出部112の遠心分離器12の回転体14を把持し、搬送装置15Bの上に回転体14を配置する。回転体着脱装置19による回転体14の着脱は、撮像装置19bが取得した画像に基づいて行われる。
【0029】
バッグ取出装置21は、例えばロボットアームである。バッグ取出装置21は、アーム機構21aと、撮像装置21bと、CPU21cと、を有する。バッグ取出装置21は、撮像装置21bの画像に基づいて、CPU21cが遠心バッグセット16と回転体14とを識別する。バッグ取出装置21は、CPU21cの制御下にアーム機構21aを駆動して、遠心バッグセット16を把持し、これを回転体14から取り外す。バッグ取出装置21には、遠心ユニット11の搬出部112で取り外された回転体14が搬送装置15Bによって搬送される。バッグ取出装置21は、回転体14から、遠心バッグセット16を取り外す。
【0030】
遠心分離器12は、回転体14を着脱可能に収容する。遠心分離器12は、回転体14を回転させることで、遠心分離処理を行う。
【0031】
管理装置70は、バッグ装着装置13、搬送装置15A、15B、回転体着脱装置19、遠心ユニット11及び遠心分離器12の動作タイミングを合わせるように制御する。
【0032】
図2に示されるように、遠心分離器12は、本体44と、回転体収容室46と、蓋部48と、を有する。回転体収容室46は、本体44の内部に形成された円柱状の凹部であり、回転体14を収容する。蓋部48は、本体44にヒンジ50を介して取り付けられている。蓋部48は、回転体収容室46に収容された回転体14を覆うことで、回転中の回転体14から周囲を保護する。また、蓋部48は、回転体収容室46を覆うことで、回転体収容室46の内部の温度を安定化させる。
【0033】
遠心分離器12は、本体44の内部にモータ52(回転駆動部)と、温度調整器54と、監視部56と、第2通信部58と、第2制御部60(制御部)と、を備える。モータ52は、回転体収容室46の下方に位置する。モータ52は、回転軸Cに沿って延びる回転シャフト62を有する。回転シャフト62の上端は、回転体収容室46に突出する。回転シャフト62は、回転体14の着脱部26(図3A)を着脱可能に支持する。モータ52は、第2制御部60の制御下に、回転体14を所定の回転数で回転させる。回転シャフト62は、回転体14の電源装置28(図3A)に電力を供給する電極端子を含んでもよい。
【0034】
温度調整器54は、例えばヒータを含み、回転体収容室46の内部を所定の温度に維持する。温度調整器54は、第2制御部60によって駆動される。
【0035】
監視部56は、遠心バッグセット16の内部の状態を監視する画像センサを含む。監視部56は、第1バッグ161の内部を監視し、液体成分の分離状体を検出する。
【0036】
第2通信部58は、回転体14の第1通信部42と無線通信を行う。
【0037】
第2制御部60は、記憶部61と図示しない処理回路とを備える。記憶部61は、遠心分離器12と回転体14とを制御するための制御プログラムを含む。処理回路が制御プログラムを実行することにより、第2制御部60が遠心分離器12の制御部として機能する。
【0038】
第2制御部60は、第2通信部58を通じて、回転体14に収容された遠心バッグセット16の識別情報を取得する。第2制御部60は、遠心バッグセット16の識別情報から遠心バッグセット16の種類を判定し、記憶部61から遠心バッグセット16の種類に応じた制御プログラムを取得する。第2制御部60は、制御プログラムに基づいて、回転体14に制御信号を出力する。
【0039】
図3Aに示されるように、回転体14は、回転軸Cを中心とした円柱状の形状を有する。回転体14は、上端部に平坦な上端面14aを有し、下端部に平坦な下端面14bを有する。回転体14は、複数のスロット18(第1スロット181、第2スロット182及び第3スロット183)と、バランサ20と、送液機構22と、読取装置24と、着脱部26と、電源装置28と、第1制御部30と、を備える。
【0040】
回転体14は、第1スロット181、第2スロット182及び第3スロット183を有する。第1スロット181、第2スロット182及び第3スロット183はスロット18と総称される。スロット18は、上端面14aに対して回転軸C方向に凹んだ凹部として形成され、上端面14aに開口する。第1スロット181は、第1態様の遠心バッグセット16(図4A参照)の第1バッグ161を収容する。第2スロット182は、遠心バッグセット16の第2バッグ162を収容する。第3スロット183は、遠心バッグセット16の第3バッグ163を収容する。第1スロット181、第2スロット182及び第3スロット183は、回転軸Cの周りに、周方向に等間隔を置いて、互いに離間して配置される。
【0041】
回転体14は、遠心バッグセット16のバッグ(第1バッグ161~第3バッグ163)と等しい数のスロット18(第1スロット181~第3スロット183)を有する。回転体14のスロット数は、遠心バッグセット16のバッグ数に応じて増減させ得る。例えば、遠心バッグセット16が4つのバッグを有する場合には、スロット18は4つ設けられる。
【0042】
バランサ20は、回転体14の外周面の近くに配置された円環状の部材である。バランサ20は、バランスリングとも呼ばれ、内部の周方向に延びる内部空間と、内部空間を流動するバランサ液と、を有する。バランサ20は、遠心バッグセット16のスロット18への配置位置のずれによる重心位置の変位を相殺することで、回転体14の回転運動を安定化させる。また、バランサ20は、第1バッグ161と、第2バッグ162又は第3バッグ163との間の液体の授受に伴う重心位置の変位を相殺できる量のバランサ液を収容する。
【0043】
送液機構22は、遠心バッグセット16の複数のバッグ間で液体を移動させる。図3A及び図3Bに示されるように、送液機構22は、チューブ収容部32と、閉塞切断部34と、液体センサ36と、押出部38とを主に有する。チューブ収容部32は、複数のスロット18の内周側に位置する複数の溝部を有する。本実施形態のチューブ収容部32は、第1流路溝321と、第2流路溝322と、第3流路溝323とを有する。第1流路溝321は、第1バッグ161から延びる第1チューブ171(図4参照)を収容する。
【0044】
第2流路溝322は、第2バッグ162から延びる第2チューブ172を収容する溝である。第3流路溝323は、第3バッグ163から延びる第3チューブ173を収容する溝である。第1流路溝321と、第2流路溝322と、第3流路溝323とは、合流部326において連結されている。
【0045】
なお、送液機構22のチューブ収容部32のレイアウトは、図示の例に限定されず、遠心バッグセット16の種類に応じて種々の変更が行われてもよい。例えば、4つのバッグを有する遠心バッグセット16を収容可能な回転体14は、4つの流路溝を有してもよい。
【0046】
送液機構22は、閉塞切断部34として、第1流路溝321に設けられた第1閉塞切断部341と、第2流路溝322に設けられた第2閉塞切断部342と、第3流路溝323に設けられた第3閉塞切断部343とを有する。各々の閉塞切断部34は、チューブ17を圧迫して閉塞させる閉塞動作と、チューブ17を封止しつつ切断するシール切断動作とを行う。
【0047】
閉塞動作では、閉塞切断部34がチューブ17を切断しない程度に圧迫することで、チューブ17の内部の流路を閉塞させる。閉塞動作において、チューブ17は、一時的に閉塞される。したがって、閉塞切断部34の閉塞動作が解除されると、チューブ17は流体を流動させることができる。シール切断動作は、閉塞切断部34が、チューブ17を加熱して融着により不可逆的に封止しつつ、チューブ17の切断を行う。シール切断動作により、チューブ17は外気と接することなく封止される。
【0048】
液体センサ36は、例えば光学式のセンサであり、第1流路溝321に位置する。液体センサ36は、第1チューブ171を透過する光量又は色の変化から第1チューブ171の内部の液体成分の変化を検出する。液体センサ36の検出結果は、第1制御部30に送出され、閉塞切断部34及び押出部38の動作制御に用いられる。
【0049】
押出部38は、遠心バッグセット16のバッグを押圧することで、バッグ間で液体を移動させる。本実施形態の送液機構22は、第1スロット181に設けられた第1押出部381と、第3スロット183に設けられた第2押出部382とを有する。第1押出部381及び第2押出部382の各々は、押し子38aとアクチュエータ38bとを備える。
【0050】
押し子38aは、スロット18の内周側に配置された板状の部材である。押し子38aは、スロット18の内周側から外周側に突出可能である。押し子38aは、スロット18の内部に収容されたバッグに対して厚さ方向に向かい合う。押し子38aは、外周側に突出すると、スロット18に収容されたバッグを押圧し、バッグの内部の液体を排出させる。
【0051】
アクチュエータ38bは、第1制御部30の制御下で、押し子38aを駆動する。アクチュエータ38bは、押し子38aを外周側に押し出す。第1押出部381は、第1スロット181に収容された第1バッグ161の液体を他のバッグに移送させ、第2押出部382は、第3スロット183に収容された第3バッグ163の液体を他のバッグに移送させる。
【0052】
なお、押出部38は、蠕動ポンプに置き換えることができる。蠕動ポンプは、柔軟性のあるチューブ17を押し付けて閉塞させた部分を回転するローラが液体を移動させることで、チューブ17の内部の液体を搬送するポンプである。蠕動ポンプを採用する場合には、蠕動ポンプはチューブ収容部32に追加される。
【0053】
着脱部26は、回転体14の下端面14bに位置する。着脱部26は、回転軸Cに沿って配置される。着脱部26は、遠心分離器12の回転シャフト62に着脱可能に連結される。遠心分離器12のモータ52の回転駆動力は、着脱部26を通じて回転体14に伝えられる。
【0054】
読取装置24は、例えば、第1スロット181の内部に配置される。読取装置24は、第1バッグ161に付されたバーコード40を読み取る光学式の読取装置とすることができる。読取装置24は、遠心バッグセット16の種類と、血液採取日時及び場所等のトレーサビリティ情報、処理方法を含んだ識別情報を読み取る。識別情報は、遠心分離工程での送液機構22の動作制御に利用される。なお、識別情報は、遠心バッグセット16に付された非接触式ICチップに格納されてもよく、この場合には、読取装置24は無線式の読取装置として回転体14の所定箇所に配置され得る。
【0055】
図4に示されるように、電源装置28は、送液機構22と、着脱部26と、読取装置24と、第1制御部30とに、駆動電力を供給する。電源装置28は、例えば回転体14の内部に収容されたリチウムイオン電池等の交換が容易な着脱式の蓄電池を含む。なお、電源装置28は、着脱部26に設けられた接続端子で、遠心分離器12から電力を取り込む電源回路を含んでもよい。この場合、接続端子は、回転シャフト62を介して電力の供給を受ける。接続端子を設ける場合には、回転体14の第1制御部30と遠心分離器12の第2制御部60とが、接続端子を介した有線通信を行うように構成されてもよい。
【0056】
第1制御部30は、図4に示されるように、遠心分離器12と通信を行う第1通信部42を有する。第1制御部30は、読取装置24が読み取った遠心バッグセット16の識別情報と、液体センサ36の検出結果とを、第1通信部42を介して遠心分離器12の第2制御部60に送信する。また、第1制御部30は、第1通信部42を介して第2制御部60の制御信号を受信する。第2制御部60の制御信号は、所定の制御プログラムに基づいて生成され、押出部38と閉塞切断部34の動作タイミングと、を指示する命令の組み合わせが含まれる。第1制御部30は、第2制御部60の制御信号に基づいて、第1押出部381と、第2押出部382と、第1閉塞切断部341と、第2閉塞切断部342と、第3閉塞切断部343とを駆動する。
【0057】
回転体14には、図4に示される遠心バッグセット16が取り付らけれる。遠心バッグセット16は、例えば、献血に用いられる血液バッグセットである。遠心バッグセット16は、第1バッグ161(親バッグ)と、第2バッグ162(子バッグ)と、第3バッグ163(子バッグ)と、これらを接続するチューブ17とを有する。製品提供される初期状態において、遠心バッグセット16は、さらに、図示しない採血針と、採血バッグと、フィルタと、を備える。採血の終了後に、採血バッグ、フィルタ及び採血針が、導入チューブ176で第1バッグ161から切り離される。第1バッグ161は、白血球及び血小板が除去された全血63を収容する。
【0058】
第1バッグ161は、さらに導入チューブ176とは別に、第1チューブ171を有する。第1チューブ171は、第2バッグ162又は第3バッグ163との液体の授受に使用される。第2バッグ162は、初期状態において空の状態である。第2バッグ162は、第1バッグ161で遠心分離された血液成分63a(例えば、血漿66(図7A))を収容する。第2バッグ162は、第2チューブ172を有する。第2チューブ172は、第1チューブ171に接続されている。
【0059】
第3バッグ163は、例えば、保存液68を収容した子バッグである。保存液68は、例えば、血液保存液(ACD液)又は赤血球保存液(MAP液)である。第3バッグ163は、第3チューブ173を有する。第3チューブ173は、第1チューブ171及び第2チューブ172に接続されている。
【0060】
次に、本実施形態の遠心分離システム10の遠心分離処理について説明が行われる。
【0061】
図1の遠心分離システム10は、管理装置70がバッグ装着装置13、搬送装置15A、15B、回転体着脱装置19、遠心ユニット11、遠心分離器12、バッグ取出装置21の動作タイミングの制御を行う。管理装置70の制御動作に基づいて、遠心分離システム10は、以下のように動作する。
【0062】
まず、バッグ装着装置13は、遠心バッグセット16を回転体14に取り付ける(ステップS10)。バッグ装着装置13は、図1に示されるように、遠心バッグセット16を把持し、回転体14の第1スロット181に第1バッグ161を挿入し、第2スロット182に第2バッグ162を挿入し、第3スロット183に第3バッグ163を挿入する。また、バッグ装着装置13は、遠心バッグセット16のチューブ17をチューブ収容部32に装着する。遠心バッグセット16の回転体14への取り付けは、回転体14が搬送装置15Aに支持された状態で行われる。
【0063】
回転体14の第1制御部30は、遠心バッグセット16がセットされると、読取装置24を動作させて遠心バッグセット16の識別情報を取得する。
【0064】
次に、搬送装置15Aは、回転体14を搬入部111に搬送する(ステップS20)。搬送装置15Aは、バッグ装着装置13から搬入部111まで、所定の経路を自走して回転体14を搬入部111に搬送する。
【0065】
次に、搬入部111において回転体着脱装置19は、回転体14を遠心分離器12に取り付ける操作を行う(ステップS30)。回転体着脱装置19は、撮像装置19bで搬送装置15Aに支持された回転体14を検出する。回転体着脱装置19は、CPU19cの制御下にアーム機構19aで搬送装置15Aから回転体14を取り外す。回転体着脱装置19は、把持した回転体14を遠心分離器12の回転体収容室46に取り付ける。回転体14は、遠心分離器12の回転シャフト62に連結される。
【0066】
次に、遠心分離器12は、回転体14が取り付けられると、所定の遠心分離動作を開始する(ステップS40)。遠心分離動作において、まず、図6に示されるように、遠心分離器12の第2制御部60が第2通信部58を介して装着された回転体14の第1制御部30と通信を行ない、回転体14に装着された遠心バッグセット16の識別情報を取得する(ステップS42)。
【0067】
次に、第2制御部60は、識別情報から遠心バッグセット16の種類を判定する(ステップS44)。
【0068】
次に、第2制御部60は、記憶部61から、遠心バッグセット16の遠心分離動作のための制御情報を取得する(ステップS46)。制御プログラムは、回転体14の回転速度、送液機構22の各部を駆動させるタイミングに関する情報を含む。
【0069】
次に、第2制御部60は、制御プログラムに基づいて、回転体14及び遠心分離器12を駆動させ、遠心分離を行う(ステップS48)。遠心分離における遠心分離器12及び回転体14の具体的な動作については、後述される。以上の遠心分離処理を行う間、遠心ユニット11は回転式ターンテーブル110を回転させる。遠心分離が終了したタイミングで、遠心分離器12は、回転式ターンテーブル110の搬出部112に搬送されている。
【0070】
次に、処理は図5のステップS50に進む。ステップS50において、回転体着脱装置19が遠心分離器12から回転体14を取り出す。回転体着脱装置19は、回転体14を把持し、遠心分離器12の回転体収容室46から回転体14を取り出す。回転体着脱装置19は、取り出した回転体14を搬送装置15B(図1参照)に載置する。
【0071】
次に、処理はステップS60に進む。遠心分離システム10は、搬送装置15Bで遠心分離器12から取り出された回転体14をバッグ取出装置21に搬送する(図5のステップS60)。
【0072】
次に、処理はステップS70に進む。ステップS70において、遠心分離システム10は、バッグ取出装置21で遠心バッグセット16を回転体14から取り出す(図5のステップS70)。バッグ取出装置21は、分離された第1バッグ161と、第2バッグ162と、第3バッグ163と、を順次、回転体14から取り出す。取り出された第1バッグ161は、保存液68が添加された赤血球64を含み、赤血球製剤として利用に供される。第2バッグ162は、血漿製剤として利用に供される。第3バッグ163は廃棄される。遠心バッグセット16が取り出された回転体14は、その後、搬送装置15によってバッグ装着装置13に搬送される。
【0073】
以上の工程により、遠心分離システム10による1つの遠心バッグセット16の処理が完了する。
【0074】
次に、ステップS48の遠心分離の動作の一例について説明する。なお、遠心分離の動作は、遠心バッグセット16の種類及び処理方法が異なる場合には、下記の動作と異なる動作で遠心分離処理が行われる。
【0075】
ステップS48において、第2制御部60はモータ52を制御して、回転体14を制御プログラムで指定された所定の回転速度で回転させる。これにより、図7Aに示されるように、第1バッグ161に収容された全血63は、赤血球64と血漿66とに分離する。比重が大きな赤血球64は、第1バッグ161の底の近くに集められ、比重の小さな血漿66は第1バッグ161の第1チューブ171の近くに集められる。
【0076】
次に、図7Aに示されるように、第2制御部60は、第1制御部30に送液機構22を駆動させるための制御信号を送出する。第1制御部30は、制御信号に基づいて、第1閉塞切断部341を通じて第1チューブ171を開放し、第2閉塞切断部342を通じて第2チューブ172を開放し、第3閉塞切断部343を通じて第3チューブ173を閉塞させる。
【0077】
その後、第2制御部60は、第1制御部30に対して第1押出部381を駆動させる制御信号を出力する。第1制御部30は、第1押出部381を駆動させることで、第1バッグ161を押圧する。第1バッグ161の血漿66は、第1バッグ161から押し出される。第1バッグ161から押し出された血漿66は、第1チューブ171及び第2チューブ172を流れて第2バッグ162に移送される。
【0078】
液体センサ36は、第1チューブ171の液体成分を監視する。液体センサ36が、赤血球64への変化を検出すると、第1制御部30は第2制御部60に液体センサ36の検出結果を送信する。第2制御部60は、第1制御部30に第1押出部381を停止させる制御信号と、第2閉塞切断部342を閉じる制御信号とを出力する。これにより、第1制御部30は、第2閉塞切断部342を通じて第2チューブ172を閉塞させる。以上の動作により、第1バッグ161から第2バッグ162への血漿66の移送が完了する。
【0079】
次に、図7Bに示されるように、第2制御部60は、第1制御部30に対して、第1閉塞切断部341及び第3閉塞切断部343を開き、第2閉塞切断部342を閉じる制御信号と、第2押出部382を駆動させる制御信号を出力する。これにより、第1チューブ171と第3チューブ173とが連通し、第2チューブ172が閉塞する。そして、第2押出部382によって第3バッグ163から押し出された保存液68が第1バッグ161に移送される。第3バッグ163が完全に押圧されると、保存液68の移送が完了する。
【0080】
次に、図8に示されるように、第2制御部60は、第1制御部30に対して、第1閉塞切断部341、第2閉塞切断部342及び第3閉塞切断部343でチューブ17を封止及び切断させる制御信号を出力する。これにより、第1バッグ161と、第2バッグ162と、第3バッグ163とが封止されつつ分離される。
【0081】
以上の処理により1つの遠心バッグセット16の遠心分離が完了する。
【0082】
図1の遠心分離システム10は、上記の処理を繰り返すことにより遠心バッグセット16の処理を効率よく進めることができる。遠心分離システム10は、回転体14が遠心分離器12と着脱可能であるため、回転体14に遠心バッグセット16の着脱を、遠心分離器12と別の場所で行うことで、遠心分離器12の待ち時間を減らすことができる。そのため、遠心分離器12の稼働率を高めることができる。
【0083】
また、従来の遠心分離システムは、処理工程の改善等への拡張性に乏しく、さらに需要の変化に対応するための柔軟性及び融通性にも欠けるという問題があった。これに対し、本実施形態の遠心分離システム10は、回転体14及び遠心バッグセット16の種類を切り換えることで、刻々と変化する需要に柔軟に対応することができる。
【0084】
また、遠心分離システム10は、回転体14への遠心バッグセット16の装着から、遠心分離処理及び遠心バッグセット16の取り出しまでの工程(図5のステップS10~S70)を自動化でき、大幅な省力化を可能とする。
【0085】
なお、本発明は、上記した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0086】
10…遠心分離システム 11…遠心ユニット
12…遠心分離器 13…バッグ装着装置
14…回転体 15A、15B…搬送装置
16…遠心バッグセット 19…回転体着脱装置
21…バッグ取出装置 22…送液機構
24…読取装置 30…第1制御部
42…第1通信部 61…記憶部
70…管理装置 110…回転式ターンテーブル
111…搬入部 112…搬出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8