(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179980
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20241219BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
F24F13/08 B
F24F7/06 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099363
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000108661
【氏名又は名称】タカラスタンダード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀田 雄史
【テーマコード(参考)】
3L058
3L081
【Fターム(参考)】
3L058BK01
3L058BK04
3L081AA01
3L081AB01
3L081BB01
3L081BB06
(57)【要約】
【課題】フード及び整流板を着脱可能に係止する着脱機構を備えるレンジフードにおいて、フードに対する整流板の着脱の操作性の向上、及びフードへの整流板の取付ミスの抑制を図る。
【解決手段】レンジフードは、ファンを備えた送風ボックスと、上記送風ボックスの下方に取り付けられ、上記送風ボックスに空気を取り込む開口部を有するフードと、上記フードから離間した状態で上記開口部を覆う整流板と、上記フードに対し上記整流板を、着脱可能に係止する着脱機構と、を備え、上記着脱機構は、上記フードの上記開口部より後側に設けられる1つのヒンジユニットと、上記整流板の後縁中央に設けられる1つの固定ハンガーと、を有し、上記ヒンジユニットは、上記固定ハンガーと嵌合するジョイント部と、上記フードに固定され、上記ジョイント部を回動可能に支持する第一回動軸を有するヒンジ部と、を含み、上記固定ハンガーは、上記ジョイント部が挿入される挿入孔を有する挿入部と、上記整流板に固定される固定部と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンを備えた送風ボックスと、
前記送風ボックスの下方に取り付けられ、前記送風ボックスに空気を取り込む開口部を有するフードと、
前記フードから離間した状態で前記開口部を覆う整流板と、
前記フードに対し前記整流板を、着脱可能に係止する着脱機構と、
を備え、
前記着脱機構は、
前記フードの前記開口部より後側に設けられる1つのヒンジユニットと、
前記整流板の後縁中央に設けられる1つの固定ハンガーと、を有し、
前記ヒンジユニットは、
前記固定ハンガーと嵌合するジョイント部と、
前記フードに固定され、前記ジョイント部を回動可能に支持する第一回動軸を有するヒンジ部と、を含み、
前記固定ハンガーは、
前記ジョイント部が挿入される挿入孔を有する挿入部と、
前記整流板に固定される固定部と、を含む、レンジフード。
【請求項2】
前記ジョイント部は、前記挿入孔に挿入された挿入状態において、前記固定ハンガーを着脱可能に係止する係止部を含む、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記ヒンジ部は、前記ジョイント部の長手方向の両端に配置され、
前記固定部は、前記挿入部の長手方向の両端に配置され、
前記ジョイント部は、前記係止部を含み、
前記係止部は、それぞれ前記ジョイント部の長手方向の両端側に設けられ、前記挿入部の長手方向の両端側を係止可能に構成されている、請求項2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記ジョイント部は、前記係止部の間に配置される位置決め凸部を含み、
前記挿入部は、
前記位置決め凸部が挿入される凸部挿入孔を有する凸部挿入部と、
前記係止部が挿入される係止部挿入孔を有する係止部挿入部と、
を含む、請求項3に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記凸部挿入部は、前記挿入状態において、前記位置決め凸部の少なくとも両端部近傍の側面全体を覆う、囲い部を有する、請求項4に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記固定ハンガーは、前記凸部挿入部への前記位置決め凸部の挿入を補助するための挿入補助部を含み、
前記ジョイント部は、前記凸部挿入部への前記位置決め凸部の挿入の際、前記挿入補助部の前記ジョイント部における挿入位置をガイドする第一ガイド部を含む、請求項4に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記係止部は、前記ジョイント部の長手方向の端部近傍に配置される第二回動軸を回動するアームであり、
前記位置決め凸部は、2つの前記第二回動軸の回転中心を結ぶ基準線上に配置され、
前記着脱機構は、前記アームの長手方向における第二回動軸側の反対側に位置するアーム端部が、前記位置決め凸部の長手方向の両端側に位置する際に、アンロック状態となる、請求項4に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記着脱機構は、前記挿入状態において、前記アーム端部が、前記位置決め凸部の長手方向の両端側と反対側に位置する際に、ロック状態となる、請求項7に記載のレンジフード。
【請求項9】
前記ジョイント部は、前記第二回動軸の下部が固定される基部を有し、
前記基部は、
前記第二回動軸の径より大きい第一径を有する第一基部と、
前記第二回動軸の径より大きく、第一径より小さい第二径を有する第二基部と、
を含み、
前記アームは、第一径の内側、且つ第二径の外側を、前記アームの回動により移動する回動規制凸部を有し、
第一基部は、前記回動規制凸部が接触することで前記アームの回動を規制する、規制面を有し、
前記規制面は、前記アームが、前記基準線を基準として、前記フード側と反対側に、180°回動可能となるように、前記回動規制凸部の回動を規制する位置に配置される、
請求項8に記載のレンジフード。
【請求項10】
前記係止部挿入部は、前記アームにより係止される嵌合凸部を含み、
前記アーム部は、前記ロック状態において、前記嵌合凸部と嵌合する嵌合凹部を含む、請求項9に記載のレンジフード。
【請求項11】
前記嵌合凸部は、前記挿入状態及び前記アンロック状態の前記アームが、前記フード側に回動することを規制する、請求項10に記載のレンジフード。
【請求項12】
前記アームは、背面に規制凸部を含み、
前記規制凸部は、前記ヒンジ部と接触することで、前記ロック状態の前記アームが、前記フード側に回動することを規制する、請求項11に記載のレンジフード。
【請求項13】
前記固定部は、前記ロック状態において、前記規制凸部が嵌め込まれる第二ガイド部を含み、
前記規制凸部は、前記アーム端部側に付勢される付勢凸部を含み、
前記第二ガイド部は、前記付勢凸部が接触する面に、テーパー面を備え、
前記テーパー面は、
前記規制凸部の第二ガイド部への嵌め込み方向手前側に、前記付勢凸部を、前記アーム端部と反対側の方向に押し付けるように構成されている第一テーパー面と、
前記規制凸部の第二ガイド部への嵌め込み方向奥側に、前記付勢凸部の前記押し付けが解除されるように構成されている第二テーパー面と、を有する、
請求項12に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
レンジフードはシロッコファンやターボファンなどの気流発生器を内蔵し、室内の空気をフードに設けられた開口部より取り込んで排気する。吸い込み口にはフィルタが取り付けられ、吸い込んだ空気から調理に伴って発生する油煙等を捕集する。
【0003】
上記開口部に吸い込まれる空気の上流側に、吸い込み口の面積を狭くするように整流板が配されるレンジフードがある。整流板は、吸い込み口の面積を狭くすることで吸い込み力を大きくし、吸い込む効率を向上させるために設けられる。
【0004】
レンジフードの清掃や整流板自体の清掃のために、フードと整流板を着脱可能に係止する着脱機構を有するレンジフードが知られている。従来の着脱機構では、整流板の後縁部の両端側に設けられる2つの部材が、フード側に脱着可能に取付けられる構成となっている。例えば、特許文献1には、フードの後内壁部に設けられる2つのヒンジ部と、ヒンジ構を有するレンジフードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の着脱機構は、2つのハンガー部をヒンジ部に取付ける際の、ハンガー部とヒンジ部の取付位置の調整が難しく、フードへの整流板の取付が煩雑であった。特に、整流板が反っている場合、上記のヒンジ部の取付位置の調整がより困難となり、フードへの整流板の取付がさらに煩雑であった。また、2つのハンガー部の内、一方しかヒンジ部に取付けられていない片掛け状態が発生する等、使用者の誤使用を招く恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るレンジフードは、ファンを備えた送風ボックスと、上記送風ボックスの下方に取り付けられ、上記送風ボックスに空気を取り込む開口部を有するフードと、上記フードから離間した状態で上記開口部を覆う整流板と、上記フードに対し上記整流板を、着脱可能に係止する着脱機構と、を備え、上記着脱機構は、上記フードの上記開口部より後側に設けられる1つのヒンジユニットと、上記整流板の後縁中央に設けられる1つの固定ハンガーと、を有し、上記ヒンジユニットは、上記固定ハンガーと嵌合するジョイント部と、上記フードに固定され、上記ジョイント部を回動可能に支持する第一回動軸を有するヒンジ部と、を含み、上記固定ハンガーは、上記ジョイント部が挿入される挿入孔を有する挿入部と、上記整流板に固定される固定部と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フード及び整流板を着脱可能に係止する着脱機構を備えるレンジフードにおいて、フードに対する整流板の着脱の操作性(以下、単に「操作性」と称する場合がある)の向上、及びフードへの整流板の取付ミス(以下、単に「取付ミス」と称する場合がある)の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】閉状態におけるレンジフードの下方向からの斜視図である。
【
図3】開状態における、レンジフードの下方向からの斜視図である。
【
図5】整流板の着脱における、ヒンジユニットと固定ハンガーの状態を示す説明図である。
【
図6】挿入状態、且つアンロック状態における、着脱機構の平面図である。
【
図7】挿入状態、且つロック状態における、着脱機構7の正面図である。
【
図10】未挿入状態、及び未挿入状態における、第一ガイド部と挿入補助部の状態を示す説明図である。
【
図11】アンロック状態における、ヒンジユニットの側面図である。
【
図12】第二回動軸の基部近傍の拡大背面図である。
【
図13】ロック状態、及びアンロック状態の変化における、回動規制凸部と規制面の状態を示す説明図である。
【
図15】ロック状態における、ヒンジ部とアームの状態を示す説明図である。
【
図16】ロック状態における、規制凸部及び第二ガイド部の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
【0011】
(1)本実施形態に係るレンジフードは、
ファンを備えた送風ボックスと、
上記送風ボックスの下方に取り付けられ、上記送風ボックスに空気を取り込む開口部を有するフードと、
上記フードから離間した状態で上記開口部を覆う整流板と、
上記フードに対し上記整流板を、着脱可能に係止する着脱機構と、
を備え、
上記着脱機構は、
上記フードの上記開口部より後側に設けられる1つのヒンジユニットと、
上記整流板の後縁中央に設けられる1つの固定ハンガーと、を有し、
上記ヒンジユニットは、
上記固定ハンガーと嵌合するジョイント部と、
上記フードに固定され、上記ジョイント部を回動可能に支持する第一回動軸を有するヒンジ部と、を含み、
上記固定ハンガーは、
上記ジョイント部が挿入される挿入孔を有する挿入部と、
上記整流板に固定される固定部と、を含む。
【0012】
上記の構成により、操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図ることができる。
【0013】
(2)本実施形態に係るレンジフードは、上記ジョイント部が、上記挿入孔に挿入された挿入状態において、上記固定ハンガーを着脱可能に係止する係止部を含むように構成されても良い。
【0014】
上記の構成により、取付ミスがより抑制される。
【0015】
(3)本実施形態に係るレンジフードは、上記ヒンジ部が、上記ジョイント部の長手方向の両端に配置され、上記固定部が、上記挿入部の長手方向の両端に配置され、前記ジョイント部が、前記係止部を含み、前記係止部は、それぞれ前記ジョイント部の長手方向の両端側に設けられ、前記挿入部の長手方向の両端側を係止可能に構成されてもよい。
【0016】
上記の構成により、フードと整流板とが、より確実に係止される。
【0017】
(4)本実施形態に係るレンジフードは、
上記ジョイント部が、上記係止部の間に配置される位置決め凸部を含み、
上記挿入部が、
上記位置決め凸部が挿入される凸部挿入孔を有する凸部挿入部と、
上記係止部が挿入される係止部挿入孔を有する係止部挿入部と、
を含むように構成されても良い。
【0018】
上記の構成により、挿入部へのジョイント部の挿入による位置決めが容易となり、操作性がより向上する。
【0019】
(5)本実施形態に係るレンジフードは、上記凸部挿入部が、上記挿入状態において、上記位置決め凸部の少なくとも両端部近傍の側面全体を覆う、囲い部を有するように構成されてもよい。
【0020】
上記の構成により、挿入部へのジョイント部の挿入による位置決め精度が向上し、操作性がより向上する。
【0021】
(6)本実施形態に係るレンジフードは、
上記固定ハンガーが、上記凸部挿入部への上記位置決め凸部の挿入を補助するための挿入補助部を含み、
上記ジョイント部が、上記凸部挿入部への上記位置決め凸部の挿入の際、上記挿入補助部の上記ジョイント部における挿入位置をガイドする第一ガイド部を含むように構成されてもよい。
【0022】
上記の構成により、固定ハンガーへのジョイント部の挿入時の位置決めがより容易となり、操作性がさらに向上する。
【0023】
(7)本実施形態に係るレンジフードは、
上記係止部が、上記ジョイント部の長手方向の端部近傍に配置される第二回動軸を回動するアームであり、
上記位置決め凸部は、2つの上記第二回動軸の回転中心を結ぶ線上に配置され、
上記着脱機構は、上記アームの長手方向における第二回動軸側の反対側に位置するアーム端部が、上記位置決め凸部の長手方向の両端側に位置する際に、アンロック状態となるように構成されてもよい。
【0024】
上記の構成により、更なる操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図ることができる。
【0025】
(8)本実施形態に係るレンジフードは、上記着脱機構が、上記挿入状態において、上記アーム端部が、上記位置決め凸部の長手方向の両端側と反対側に位置する際に、ロック状態となるように構成されてもよい。
【0026】
上記の構成により、更なる操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図ることができる。
【0027】
(9)本実施形態に係るレンジフードは、
上記ジョイント部が、上記第二回動軸の下部が固定される基部を有し、
上記基部が、
上記第二回動軸の径より大きい第一径を有する第一基部と、
上記第二回動軸の径より大きく、第一径より小さい第二径を有する第二基部と、
を含み、
上記アームが、第一径の内側、且つ第二径の外側を、上記アームの回動により移動する回動規制凸部を有し、
第一基部が、上記回動規制凸部が接触することで上記アームの回動を規制する、規制面を有し、
上記規制面は、上記アームが、上記基準線を基準として、上記フード側と反対側に、180°回動可能となるように、上記回動規制凸部の回動を規制する位置に配置されるように構成されてもよい。
【0028】
上記の構成により、更なる操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図ることができる。
【0029】
(10)本実施形態に係るレンジフードは、
上記係止部挿入部が、上記アームにより係止される嵌合凸部を含み、
上記アーム部が、上記ロック状態において、上記嵌合凸部と嵌合する嵌合凹部を含むように構成されてもよい。
【0030】
上記の構成により、ロック状態において、フードと整流板とがより確実に係止される。
【0031】
(11)本実施形態に係るレンジフードは、前記嵌合凸部が、前記挿入状態及び前記アンロック状態の前記アームを、前記フード側に回動することを規制するように構成されてもよい。
【0032】
上記の構成により、更なる操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図ることができる。
【0033】
(12)本実施形態に係るレンジフードは、
上記アームが、背面に規制凸部を含み、
上記規制凸部が、上記ヒンジ部と接触することで、上記ロック状態の上記アームが、上記フード側に回動することを規制するように構成されてもよい。
【0034】
上記の構成により、更なる操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図ることができる。
【0035】
(13)本実施形態に係るレンジフードは、
上記固定部が、上記ロック状態において、上記規制凸部が嵌め込まれる第二ガイド部を含み、
上記規制凸部が、上記アーム端部側に付勢される付勢凸部を含み、
上記第二ガイド部が、上記付勢凸部が接触する面に、テーパー面を備え、
上記テーパー面が、
上記規制凸部の第二ガイド部への嵌め込み方向手前側に、上記付勢凸部を、上記アーム端部と反対側の方向に押し付けるように構成されている第一テーパー面と、
上記規制凸部の第二ガイド部への嵌め込み方向奥側に、上記付勢凸部の上記押し付けが解除されるように構成されている第二テーパー面と、を有するように構成されてもよい。
【0036】
上記の構成により、更なる操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図ることができる。
【0037】
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0038】
[レンジフード]
図1はレンジフード1の一部切欠側面図である。
図1における2つの両矢印は、それぞれレンジフード1の高さ方向、及び奥行方向を示す。
図2は、後述の閉状態における、レンジフード1の下方向からの斜視図である。
図3は、後述の開状態における、レンジフード1の下方向からの斜視図である。
図2及び
図3における3つの両矢印は、それぞれレンジフード1の高さ方向、幅方向及び奥行方向を示す。
【0039】
レンジフード1は、気流発生器であるファン4を内蔵した送風ボックス3と、その下部に取り付けられた、下面が開放された扁平箱型のフード2と、を有する。フード2は、内面を形成するパネルである内面パネル5を有する。内面パネル5は、当該開口位置に対応した位置に、送風ボックス3に空気を取り込むための開口部5Aを有する。開口部5Aには、フィルタ6が備えられる。
【0040】
内面パネル5の下方であって開口部5Aの空気の流れの上流側には、内面パネル5から離間した状態で開口部5Aを覆うように整流板10が支持される。整流板10は、開口部5Aから吸い込まれる空気の流れを整流する。整流板10は、たとえば、後縁部10a、前縁部10b、右縁部10c、及び左縁部10dである四辺を有する四角板状である。
【0041】
レンジフード1では、ファン4によって発生した気流によって当該レンジフード1の設置された室内の空気が上昇して内面パネル5及び整流板10に当たり、内面パネル5と整流板10との隙間から開口部5Aに吸い込まれる。その際に、空気はフィルタ6を通過することで、空気に含まれる油分や埃などがフィルタ6によって回収される。開口部5Aから吸い込まれた室内の空気は、フード2の図示しない開口を通過して送風ボックス3に取り込まれ、ファン4を通過して機外へ排気される。
【0042】
フード2は、レンジフード1の設置時に水平または略水平となる扁平箱型である。フード2の背面と送風ボックス3の背面とは同一面または概ね同一面であり、レンジフード1は、背面を室内の壁面に接して設置可能である(壁付け型)。以降の説明では、レンジフード1が背面によって壁付け施工されているものとするが、側面によって壁付け施工されていてもよい。また、レンジフード1は壁面に接することなく、天井に接して設置されてもよい(天井付け型)。
【0043】
内面パネル5の開口部5A周囲は、レンジフード1の設置時に水平または略水平となる面形状である。内面パネル5は磁性体素材を含み、たとえば、鉄、コバルト、及びニッケルなどを含む。内面パネル5は、たとえばホーロー製である。
【0044】
整流板10を、フード2の内面パネル5に対し、着脱可能に係止するための着脱機構7は、整流板10の後縁部10aを基端として、整流板10を上下方向に回動可能に支持する。整流板10は、後縁部10aよりも前縁部10b側の、右縁部10c及び左縁部10dの近傍に2つの磁着部20を有している。磁着部20は、内面パネル5の対応する位置である被磁着部5Bに磁着する。
【0045】
磁着部20が被磁着部5Bに磁着している状態(以下、「閉状態」と称する場合がある)のとき、整流板10は、
図1において実線で表された位置P1にある。閉状態において、整流板10は、磁着部20及び着脱機構7により、内面パネル5の開口部5A周囲の面と概ね平行に内面パネル5に支持される。
【0046】
磁着部20の被磁着部5Bに対する磁着が解消されると、整流板10は、着脱機構7により、自重で下向きに回動する。そして、整流板10は、着脱機構7によって内面パネル5に対して釣支される。整流板10が内面パネル5に対して釣支された状態(以下、「開状態」と称する場合がある)のとき、整流板10は、
図1において点線で表された位置P3にある。整流板10は、内面パネル5に対する磁着が解消されると、自重によって位置P1から位置P2を経て位置P3に下向きに回動する。
【0047】
[着脱機構]
図4は、着脱機構7の構成を示す斜視図である。着脱機構7は、1つのヒンジユニット100、及び1つの固定ハンガー200を有する。ヒンジユニット100は、開口部5Aより後側にある内面パネル5の後内壁部に設けられる。固定ハンガー200は、整流板10の後縁部10aの略中央に設けられる。すなわち、着脱機構7では、一つのヒンジユニット100と、1つの固定ハンガー200で、フード2に対する整流板10の着脱が行われる。そのため、レンジフード1では、煩雑な取付位置の調整が不要となり、操作性が向上する。また、片掛け状態等による取付ミスが抑制される。
【0048】
ヒンジユニット100は、ジョイント部110、及びヒンジ部120を有する。ヒンジ部120は、ジョイント部110の長手方向の両端に配置されている。ヒンジ部が、内面パネル5の後内壁部に固定されることで、ヒンジユニット100が、内面パネル5の後内壁部に固定される。ヒンジ部120は、ジョイント部110の両端を回動可能に支持する。これにより、整流板10が、着脱機構7により、上下方向に回動可能に支持される。
【0049】
固定ハンガー200は、挿入部210、及び固定部220を有する。固定部220は、挿入部210の長手方向の両端に配置されている。固定部は、挿入部210が、整流板10の後縁部10aの略中央に位置するように、整流板10に固定される。挿入部210は、ジョイント部110が挿入される挿入孔IHを有する。
【0050】
ジョイント部110が挿入孔IHに挿入された挿入状態(以下、「挿入状態」と称する場合がある)において、ジョイント部110は、挿入部210を着脱可能に係止するための、係止部である2つのアーム111を備える。すなわち、着脱機構7では、係止部であるアーム111が、ジョイント部110と一体化している。そのため、レンジフード1の使用者は、整流板10のフード2への取付時に、ネジ等の係止具を別途準備する必要がなくなる。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0051】
アーム111は、ジョイント部110の長手方向の両端側に設けられている。2つのアーム111は、いずれも回動可能に構成されている。着脱機構7では、挿入部210の長手方向の両端側が、2つのアーム111で係止されるように構成されている。これにより、フード2と整流板10とが、より確実に係止される。
【0052】
ジョイント部110は、2つのアーム111の間に、位置決め凸部112を有する。挿入孔IHは、位置決め凸部112が挿入される凸部挿入孔CIH、及びアーム111が挿入される2つの係止部挿入孔LIHを含む。挿入部210は、凸部挿入孔CIHを有する凸部挿入部211と、係止部挿入孔LIHを有する2つの係止部挿入部212を備える。これにより、固定ハンガー200へのジョイント部110の挿入時の位置決めが容易となる。そのため、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0053】
図5は、フード2に対する整流板10の着脱における、ヒンジユニット100と固定ハンガー200の状態を示す説明図である。
図5(a)は、ジョイント部110が、挿入部210の挿入孔IHに挿入されておらず(以下、「未挿入状態」と称する場合がある)、且つアーム111が、ヒンジユニット100、及び固定ハンガー200が着脱可能となる位置に、配置されている状態(以下、「アンロック状態」と称する場合がある)を示す。
図5(b)は、挿入状態、且つアンロック状態を示す。
図5(c)は、挿入状態、且つアーム111が、ヒンジユニット100、及び固定ハンガー200を係止している状態(以下、「ロック状態」と称する場合がある)を示す。
【0054】
図5において、
図5(a)、
図5(b)、及び
図5(c)の順は、フード2から取り外されている整流板10が、フード2へ装着される際の、ヒンジユニット100と固定ハンガー200の状態の変化を示している。逆に、
図5において、
図5(c)、
図5(b)、及び
図5(a)の順は、フード2に装着されている整流板10が、フード2から取り外される際の、ヒンジユニット100と固定ハンガー200の状態の変化を示している。
【0055】
図5(a)、及び
図5(b)には、アンロック状態における、アーム111の位置が示されている。
図5(a)は、固定ハンガー200の平面図、及びアンロック状態のヒンジユニット100の平面図を示している。
図5(b)は、アンロック状態の着脱機構7の平面図を示している。
図5(c)には、ロック状態における、アーム111の位置が示されている。
図5(c)は、ロック状態の着脱機構7の平面図を示している。
図5に示されるように、アーム111の回動により、アンロック状態及びロック状態が変化する。
【0056】
図5(a)に示されるヒンジユニット100では、アーム111が、アンロック状態の位置となっている。すなわち、ジョイント部110が、挿入部210の挿入孔IHに挿入可能な状態となっている。ここで、アーム111が、アンロック状態の位置以外の位置となっている場合、ジョイント部110は、挿入部210の挿入孔IHに挿入できない状態となる。これにより、取付ミスが抑制される。
【0057】
図5(b)、及び
図5(c)に示される矢印は、アーム111の回動方向を示している。
図5(b)において、アーム111を矢印の方向に回動することで、アーム111の位置が、アンロック状態からロック状態の位置に変化する。
図5(c)において、アーム111を矢印の方向に回動することで、アーム111の位置が、ロック状態からアンロック状態の位置に変化する。これにより、簡単な操作で、フード2に対する整流板10の着脱を行うことができる。そのため、操作性がより向上する。
【0058】
図6は、挿入状態、且つアンロック状態における、着脱機構7の平面図である。
図6は、
図5から、
図5(b)を抜粋した図面となる。
図7は、挿入状態、且つロック状態における、着脱機構7の正面図である。
図7は、
図5(b)の着脱機構7の正面図となる。
図6及び
図7における両矢印は、着脱機構7の長手方向を示している。
【0059】
アーム111は、ジョイント部110の長手方向の端部近傍に配置される第二回動軸113を回動する。ジョイント部110は、位置決め凸部112が、2つの第二回動軸113の回転中心CRを結ぶ基準線RL上に配置されるように構成されている。本実施形態では、基準線RLが、位置決め凸部112の幅PCWの略中央を通るように、位置決め凸部112が配置されている。
【0060】
図6に示されるように、アンロック状態では、2つのアーム端部111aは、いずれも、位置決め凸部112の両端側に位置している。
図7に示されるように、ロック状態では、2つのアーム端部111aは、いずれも、位置決め凸部112の両端側と反対側に位置している。
【0061】
凸部挿入部211は、第二回動軸113の中心線CLの方向に肉厚の、囲い部211aを有している。囲い部211aは、挿入状態において、位置決め凸部112の両端部近傍の側面全体を覆うように構成されている。本実施形態では、囲い部211aにより、位置決め凸部112の両端部近傍、及び背面側の側面全体が覆われている。囲い部211aは、位置決め凸部112が、挿入部210に挿入される際のガイドとして機能する。また、囲い部211aは、挿入状態における、位置決め凸部112の、凸部挿入孔CIH内での移動を抑制する。そのため、挿入部210へのジョイント部110の挿入による位置決め精度が向上する。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0062】
係止部挿入部212は、第二回動軸113の中心線CLの方向に肉厚の、嵌合凸部212aを有している。アーム111は、ロック状態において、嵌合凸部212aと嵌合する嵌合凹部111bを有している。また、アーム111は、その背面に規制凸部111cを有している。固定部220は、ロック状態において、規制凸部111cが嵌め込まれる、第二ガイド部221を備えている。これにより、固定ハンガー200が、ヒンジユニット100に強固に装着される。その結果、フード2と整流板10とが、より確実に係止される。
【0063】
規制凸部111cは、アンロック状態のアーム111を、フード2側にさらに回動した際、嵌合凸部212aと接触するように構成されている。これにより、アンロック状態における、アーム111の位置の精度が向上する。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0064】
[第一ガイド部及び挿入補助部]
図8は、アンロック状態における、ヒンジユニット100の背面図である。
図8における2つの両矢印は、それぞれ、ヒンジユニット100の長手方向及び高さ方向を示している。
図9は、固定ハンガー200の背面図である。
図9における2つの両矢印は、それぞれ、固定ハンガー200の長手方向及び高さ方向を示している。
図10は、未挿入状態、及び未挿入状態における、第一ガイド部130と挿入補助部230の状態を示す説明図である。
【0065】
図8に示されるように、ヒンジユニット100は、位置決め凸部112の背面下側に、第一ガイド部130を備えている。第一ガイド部130は、後述の固定ハンガー200の挿入補助部230が嵌め込まれる、ガイド溝GGを形成する。第一ガイド部130は、テーパー面130aを有している。テーパー面130aは、ガイド溝GGの溝幅が、上側から下側に向かって、徐々に小さくなるように構成されている。
【0066】
図9に示されるように、固定ハンガー200は、凸部挿入部211の背面下側に、挿入補助部230を備えている。挿入補助部230は、位置決め凸部112が凸部挿入部211に挿入される際に、ガイド溝GGに嵌め込まれる。挿入補助部230の先端部230aの幅は、ガイド溝GGの上側の幅UGWより小さく形成されている。挿入補助部230の先端部230aの幅は、ガイド溝GGの下側の幅LGWと同じ又は若干小さく構成されている。挿入補助部230の側端部230bは、それぞれ、挿入状態において、テーパー面130aに沿うように構成されている。
【0067】
図10(a)は、未挿入状態における、ヒンジユニット100と固定ハンガー200の状態を示している。
図10(a)は、固定ハンガー200の背面図、及びアンロック状態のヒンジユニット100の背面図を示している。
図10(b)は、挿入状態における、ヒンジユニット100と固定ハンガー200の状態を示している。
図10(b)は、挿入状態、且つアンロック状態における、着脱機構7の背面図である。すなわち、
図10(a)及び
図10(b)には、それぞれ、
図5(a)及び
図5(b)に示される正面図に対応する背面図が示されている。
【0068】
未挿入状態から挿入状態に移行する際、挿入補助部230の先端部230aは、ガイド溝GGの上側から嵌め込まれる。ガイド溝GGの上側の幅は、先端部230aの幅より広く構成されている。すなわち、先端部230aが、ガイド溝GGの上側に案内されやすい構成となっている。ガイド溝GGの上側を通過した先端部230aは、テーパー面130aにより、ガイド溝GGの下側に案内される。先端部230aの幅は、ガイド溝GGの下側の幅と同じ又は若干小さく構成されている。そのため、位置決め凸部112の凸部挿入部211への挿入における位置決め精度が向上する。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0069】
[回動規制凸部]
図11は、アンロック状態における、ヒンジユニット100の側面図である。
図12は、第二回動軸113の基部114近傍の拡大背面図である。
図12には、拡大背面図に対応する、アーム111の位置を示すヒンジユニット100の平面図が示されている。
図12の拡大背面図は、ヒンジユニット100の平面図の点線で示される領域における、基部114近傍の拡大背面図である。
図12に示されるアーム111は、基準線RLに対し、ほぼ垂直に位置している。
【0070】
ヒンジ部120は、ジョイント部110を回動可能に支持する第一回動軸121を有している。ジョイント部110は、第二回動軸113の下部が固定される基部114を有している。
図12に示されるように、アーム111の第二回動軸113近傍の下側の摺動面111eは、アーム111が回動する際、基部114の上側の面を摺動するように構成されている。
【0071】
基部114は、第二回動軸113の径より大きい第一径D1を有する第一基部114aと、第二回動軸113の径より大きく、第一径D1より小さい第二径D2を有する第二基部114bを有している。アーム111の摺動面111eは、回動規制凸部111dを有している。回動規制凸部111dは、アーム111の回動により、第二基部114bの側面近傍を移動する。回動規制凸部111dは、第一径D1の内側、且つ第二径D2の外側を、少なくとのその一部が移動するように構成されている。
【0072】
第一基部114aは、アーム111の回動による回動規制凸部111dの移動を規制する、規制面114cを有している。
図13は、ロック状態、及びアンロック状態の変化における、回動規制凸部111dと規制面114cの状態を示す説明図である。
図13(a)は、ロック状態における、回動規制凸部111dと規制面114cの状態を示す。
図13(b)は、
図12に示される、アーム111が、基準線RLに対し、ほぼ垂直に位置している際の、回動規制凸部111dと規制面114cの状態を示す。
図13(c)は、アンロック状態における、回動規制凸部111dと規制面114cの状態を示す。
【0073】
図13において、
図13(a)、
図13(b)、及び
図13(c)の順は、ヒンジユニット100がロック状態からアンロック状態に移行する際の、回動規制凸部111dと規制面114cの状態の変化を示している。逆に、
図13において、
図13(c)、
図13(b)、及び
図13(a)の順は、ヒンジユニット100がアンロック状態からロック状態に移行する際の、回動規制凸部111dと規制面114cの状態の変化を示している。
【0074】
図13(a)に示されるように、ロック状態において、回動規制凸部111dは、規制面114cと接触している。これにより、ロック状態における、アーム111の、フード2側へのさらなる回動が規制される。そのため、ロック状態でのアーム111の位置の精度が向上する。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0075】
図13(b)に示されるように、ロック状態又はアンロック状態への移行途中において、回動規制凸部111dは、規制面114cに接触していない。そのため、アーム111は、第二回動軸113を、右回り及び左回りのいずれにも回動することが可能である。
【0076】
図13(c)に示されるように、アンロック状態において、回動規制凸部111dは、規制面114cと接触している。これにより、アンロック状態における、アーム111の、フード2側へのさらなる回動が規制される。そのため、アンロック状態でのアーム111の位置の精度が向上する。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0077】
[規制凸部]
図14は、アーム111の背面図である。
図14に示されるように、アーム111は、第二回動軸113を挿入するための軸挿入孔SIH、及び軸挿入孔SIHに挿入された第二回動軸113を把持するための把持部111iを有する。把持部111iは、アーム111が、第二回動軸113から外れることを防止する。規制凸部111cは、付勢部111f、付勢凸部111g、及びヒンジ接触面111hを有する。付勢部111fは、付勢凸部111gが、アーム端部111a側と反対側に押し付けられた際、付勢凸部111gを、アーム端部111a側に付勢するように構成されている。
【0078】
図15は、ロック状態における、ヒンジ部120とアーム111の状態を示す説明図である。ヒンジ部120は、第一回動軸121の径方向外側を覆う、半円柱状の軸カバー部122を有している。ロック状態において、アーム111のヒンジ接触面111hは、軸カバー部122の規制表面122aと接触、又は近接する位置に配置されるよう構成されている。これにより、ロック状態における、アーム111の、フード2側へのさらなる回動が規制される。そのため、ロック状態でのアーム111の位置の精度が向上する。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0079】
図16は、ロック状態における、規制凸部111c及び第二ガイド部221の状態を示す模式図である。
図16における矢印は、規制凸部111cの第二ガイド部221への嵌め込み方向を示す。
【0080】
第二ガイド部221は、規制凸部111cが第二ガイド部221へ嵌め込まれる際、付勢凸部111gが接触する面に、第一テーパー面221a、及び第二テーパー面221bを備えている。第一テーパー面221aは、嵌め込み方向手前側に設けられている。第二テーパー面221bは、嵌め込み方向奥側に設けられている。本実施形態の第二ガイド部221では、第一テーパー面221a、及び第二テーパー面221bが、連続するように構成されている。
【0081】
第一テーパー面221a、及び第二テーパー面221bで構成されるテーパー面は、嵌め込み方向奥側に頂点Tが形成される、山なりの形状となるように構成されている。そのため、付勢凸部111gは、嵌め込み開始から頂点Tまで、第一テーパー面221aにより、徐々にアーム端部111aと反対側の方向に押し付けられる。第一テーパー面221aによる、付勢凸部111gの押し付けは、頂点Tで最大となる。付勢凸部111gが、頂点Tを越えると、第二テーパー面221bにより、第一テーパー面221aにより生じたアーム端部111aと反対側の方向への押し付けが解除される。
【0082】
第二テーパー面221bの傾斜角度は、第一テーパー面221aの傾斜角度より大きく構成されている。そのため、付勢凸部111gが頂点Tを越え、ロック状態に移行する際、付勢凸部111gに対する押し付けが、素早く解消される。これにより、使用者は、アーム111が、ロック状態の位置に達したことを、感触や音で認識することができる。その結果、操作性がより向上し、取付ミスがより抑制される。
【0083】
[変形例]
本実施形態に係るレンジフード1では、磁着部20により、整流板10を内面パネル5に支持する構成を示したが、本発明はこれに限定されない。磁着部20に代え、開状態の整流板を閉状態に支持する公知の機構を適用することができる。上記の公知の機構としては、例えば、ラッチ機構やネジ留機構等が挙げられる。
【0084】
本実施形態に係るヒンジユニット100では、2つのヒンジ部120が、ジョイント部110の長手方向の両端に配置される構成を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ジョイント部110の長手方向の中央近傍に、1つのヒンジ部を配置する構成とすることもできる。また、ジョイント部110の長手方向の両端、及び中央近傍に、3つのヒンジ部を配置する構成とすることもできる。なお、ヒンジ部120の規制表面122aによる、ロック状態における、アーム111の回動規制の観点から、ヒンジ部120は、少なくともジョイント部110の長手方向の両端に配置されることが好ましい。
【0085】
本実施形態に係る固定ハンガー200では、2つの固定部220が、挿入部210の長手方向の両端に配置される構成を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、挿入部210の長手方向の中央近傍に、1つの固定部220を配置する構成とすることもできる。また、挿入部210の長手方向の両端、及び中央近傍に、3つの固定部220を配置する構成とすることもできる。なお、固定部220の第二ガイド部221による、アーム111の規制凸部111cの嵌め込みの観点から、固定部220は、少なくとも挿入部210の長手方向の両端に配置されることが好ましい。
【0086】
[補記]
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的ではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及びその範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上説明された、操作性の向上、及び取付ミスの抑制を図る技術は、着脱機構を備える種々のレンジフードに適用されうる。
【符号の説明】
【0088】
1 レンジフード
2 フード
3 送風ボックス
4 ファン
5 内面パネル
6 フィルタ
7 着脱機構
10 整流板
20 磁着部
100 ヒンジユニット
110 ジョイント部
111 アーム
112 位置決め凸部
113 第二回動軸
114 基部
120 ヒンジ部
121 第一回動軸
122 軸カバー部
130 第一ガイド部
200 固定ハンガー
210 挿入部
211 凸部挿入部
212 係止部挿入部
220 固定部
221 第二ガイド部
230 挿入補助部