(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179993
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】平坦化装置、平坦化方法、および物品の製造方法。
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20241219BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20241219BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
H01L21/30 502Z
H01L21/30 578
B29C59/02 Z
H01L21/68 F
H01L21/68 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099383
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】堤 怜介
【テーマコード(参考)】
4F209
5F131
5F146
【Fターム(参考)】
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG05
4F209AH33
4F209PA02
4F209PB01
4F209PH02
4F209PN09
5F131AA02
5F131AA21
5F131BA11
5F131BA13
5F131BA15
5F131BA17
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5F131FA33
5F131FA37
5F131FA39
5F146AA31
5F146DB05
(57)【要約】
【課題】型板と基板上の硬化性組成物を接触させる際の重ね合わせの精度を向上させ、基板の外周部にわたって平坦化を可能とする。
【解決手段】硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に硬化性組成物を硬化することで基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化装置である。平坦化装置は、基板または型板を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された基板または型板を保持する第1保持部と、第1保持部に保持された基板または型板を第1保持部から受け取る第2保持部と、第2保持部によって保持された基板または型板の面方向の位置を計測する計測器と、計測器によって計測された位置の基準位置から位置ずれの量を求める制御部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで前記基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化装置であって、
前記基板または前記型板を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記基板または前記型板を保持する第1保持部と、
前記第1保持部に保持された前記基板または前記型板を前記第1保持部から受け取る第2保持部と、
前記第2保持部によって保持された前記基板または前記型板の面方向の位置を計測する計測器と、
前記計測器によって計測された前記位置の基準位置から位置ずれの量を求める制御部と、を有することを特徴とする平坦化装置。
【請求項2】
前記第1保持部は、前記平坦化処理において前記型板を保持する型板保持部であって、
前記第2保持部は、前記平坦化処理において前記基板を保持する基板保持部であることを特徴とする請求項1に記載の平坦化装置。
【請求項3】
前記第1保持部は、前記平坦化処理において前記基板を保持する基板保持部であって、
前記第2保持部は、前記平坦化処理において前記型板を保持する型板保持部であることを特徴とする請求項1に記載の平坦化装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記位置ずれの量に基づいて、前記平坦化処理における前記型板保持部、前記基板保持部、前記型板保持部に保持される前記型板、および前記基板保持部に保持される前記基板、の少なくとも一つの前記面方向の位置の調整を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の平坦化装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記硬化性組成物を塗布した前記基板表面に前記型板の前記平坦面を接触させる前に、前記型板と前記基板の前記面方向の位置が合うように、前記調整を行うことを特徴とする請求項4に記載の平坦化装置。
【請求項6】
前記平坦化処理において前記型板を搬送する型板搬送部を有し、
前記制御部は、前記平坦化処理における前記型板保持部に保持される前記型板の前記面方向の位置の調整を、前記型板搬送部から前記型板保持部に前記型板を保持させる際の前記型板搬送部の前記面方向の位置を調整することにより行うことを特徴とする請求項4に記載の平坦化装置。
【請求項7】
前記制御部は、複数枚の前記基板に対して同一条件のもとに前記平坦化処理を実施する場合に、前記複数枚のうち1枚目として前記平坦化処理が行われる第1基板への前記平坦化処理を実施する前に、前記位置ずれの量を求めることを特徴とする請求項4に記載の平坦化装置。
【請求項8】
前記基準位置は、前記平坦化処理において、前記基板保持部に前記基板を搬送した後に、前記計測器を用いて計測された前記基板保持部に保持された前記基板の前記面方向の位置であることを特徴とする請求項2に記載の平坦化装置。
【請求項9】
前記基準位置は、前記平坦化処理において、前記型板保持部に前記型板を搬送した後に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置であることを特徴とする請求項3に記載の平坦化装置。
【請求項10】
前記計測器は、前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置を計測し、
前記制御部は、前記平坦化処理において、前記型板を保持した前記型板保持部と前記基板保持部とが所定の距離よりも離れた遠距離位置にある際の前記型板の前記面方向の位置と、前記型板を保持した前記型板保持部と前記基板保持部とが前記所定の距離よりも近づいた近距離位置にある際の前記型板の前記面方向の位置とを前記計測器に計測させ、前記計測器の計測結果に基づいて、前記型板と前記基板上の前記硬化性組成物を接触させる際の前記型板保持部の前記面方向の位置ずれの量をさらに求めることを特徴とする請求項2または3に記載の平坦化装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記型板保持部から前記基板保持部に受け渡した前記基板または前記型板の前記位置ずれの量と、前記型板保持部を前記基板保持部に近づかせた際の前記型板保持部の前記位置ずれの量の差分を求め、前記差分を用いて前記型板保持部に前記型板を取り付ける際の面方向の位置を調整し、前記型板保持部の前記位置ずれの量を用いて前記型板と前記基板を接触させる際の前記基板保持部の前記面方向の位置を調整し、
前記基準位置は、前記平坦化処理において、前記型板保持部に前記型板を搬送した後に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置であることを特徴とする請求項2に記載の平坦化装置。
【請求項12】
硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化装置であって、
前記型板を保持する型板保持部と、
前記基板を保持する基板保持部と、
前記型板の面方向の位置を計測する計測器と、
前記計測器によって計測された前記型板の前記位置の基準位置から位置ずれの量を求め、前記位置ずれの量に基づいて、前記型板保持部および前記基板保持部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記型板保持部から前記型板を受けとるための第1位置に前記基板保持部を移動させ、前記型板を前記型板保持部から前記基板保持部に受け渡させ、前記型板を前記型板保持部に受け渡すための第2位置に前記基板保持部を移動させ、前記基板保持部に保持された前記型板を前記型板保持部に受け渡させることで、前記位置ずれの補正を行うことを特徴とする平坦化装置。
【請求項13】
前記計測器は、前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置を計測し、
前記第1位置は、前記型板保持部に保持された前記型板の面方向の位置が前記基板保持部と合う位置であり、
前記第2位置は、前記基板保持部に保持された前記型板の面方向の位置が前記型板の基準位置と合う位置であることを特徴とする請求項12に記載の平坦化装置。
【請求項14】
前記基準位置は、前記型板保持部に前記型板を保持させた後であって、前記型板を前記平坦化処理に使用する前に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部に保持された前記型板の面方向の位置、または前記型板保持部に前記型板が保持されていない状態で、前記基板保持部上の前記基板を前記型板保持部に受け渡した後に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部上の前記基板の面方向の位置であることを特徴とする請求項13に記載の平坦化装置。
【請求項15】
前記計測器は、前記基板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置を計測し、
前記第1位置は、前記型板保持部と前記基板保持部とが位置合う位置であり、
前記第2位置は、前記基板保持部に保持された前記型板の面方向の位置が基準位置に合う位置であることを特徴とする請求項12に記載の平坦化装置。
【請求項16】
前記基準位置は、前記基板保持部に基板を保持させた後に、前記基板への前記平坦化処理が実施される前に、前記計測器を用いて計測された前記基板保持部上の前記基板の面方向の位置、または、基板保持部に基板が保持されていない状態で、前記型板保持部に前記型板を保持させ、前記型板を基板保持部に受け渡させた後に、前記計測器を用いて計測された前記基板保持部上の前記型板の面方向の位置であることを特徴とする請求項15に記載の平坦化装置。
【請求項17】
硬化性組成物を塗布した基板の表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで前記基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化方法であって、
前記基板または前記型板を搬送し、
搬送された前記基板または前記型板を第1保持部によって保持し、
前記第1保持部に保持された前記基板または前記型板を前記第1保持部から第2保持部へ受け渡し、
前記第2保持部によって保持された前記基板または前記型板の面方向の位置を計測し、
計測された前記位置の基準位置から位置ずれの量を求めることを特徴とする平坦化方法。
【請求項18】
硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化方法であって、
前記型板を型板保持部によって保持し、
前記基板を基板保持部によって保持し、
前記型板の面方向の位置を計測し、
計測された前記型板の前記位置の基準位置から位置ずれの量を求め、前記位置ずれの量に基づいて、前記型板保持部および前記基板保持部を制御し、
前記制御は、前記型板保持部から前記型板を受けとるための第1位置に前記基板保持部を移動し、前記型板を前記型板保持部から前記基板保持部に受け渡し、前記型板を前記型板保持部に受け渡すための第2位置に前記基板保持部を移動し、前記基板保持部に保持された前記型板を前記型板保持部に受け渡すことで、前記位置ずれの補正を行うこと特徴とする平坦化方法。
【請求項19】
請求項1または12に記載の平坦化装置を用いて基板の上に平坦化膜を形成する工程と、
前記平坦化膜が形成された前記基板を加工する工程と、を有し、前記加工された基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦化装置、平坦化方法、および物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィ技術に加えて、基板上の未硬化の硬化性組成物を型で成形して硬化させ、基板上に硬化性組成物のパターンを形成する微細加工技術が注目されている。かかる技術は、インプリント技術と呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細なパターンを形成することができる。
【0003】
インプリント技術の1つとして、例えば、光硬化法がある。光硬化法を採用したインプリント装置は、基板上のショット領域に供給した光硬化性の硬化性組成物を型で成形し、光を照射して硬化性組成物を硬化させ、硬化した硬化性組成物から型を引き離すことで、基板上にパターンを形成する。
【0004】
一方、基板上の硬化性組成物を平坦化する技術も提案されている。このような技術は、基板の段差に基づいて硬化性組成物を滴下し、滴下した硬化性組成物に平面を備える型板を接触させた状態で硬化性組成物を硬化することで基板に平坦面を形成するものである。このような平坦化技術では、硬化処理の際に基板の全面が型板と接触している必要があるが、仮に基板よりも大きな型板を使用する場合には基板を搬送する搬送部と型板を搬送する搬送部を別々に備えなければならない。そのため、基板と同じ形状および同じ大きさの型板を用いる方法が一般的である。
【0005】
基板と型板が同じ大きさの場合、基板の全面に型板を接触させるためには基板と型板の位置合わせが重要となる。そこで、型板保持部に保持された型板の面方向の位置を検出する技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術は、型板の表面が自重や気圧制御によって凸形状に変形する事から、その凸部の位置をセンサーで計測して、型板の凸部が基板上の所定領域に接触するように制御する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された平坦化技術では、型板の凸部は湾曲形状となっているため凸部の先端の位置を特定することが難しく、また凸部の先端が型板の中心である事を保証できない。そのため、型板と基板を接触させた際に型板の中心と基板の中心の位置が合うことも保証できない。型板と基板は同じ大きさのため、型板の中心と基板の中心がずれていると基板の外周部において型板と接触していない場所が生じ、条件によっては基板上で平坦化がされない領域が発生する可能性がある。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、型板と基板上の硬化性組成物を接触させる際の重ね合わせの精度を向上させ、基板の外周部にわたって平坦化を可能とする平坦化装置および平坦化方法を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで前記基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化装置であって、前記基板または前記型板を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された前記基板または前記型板を保持する第1保持部と、前記第1保持部に保持された前記基板または前記型板を前記第1保持部から受け取る第2保持部と、前記第2保持部によって保持された前記基板または前記型板の面方向の位置を計測する計測器と、前記計測器によって計測された前記位置の基準位置から位置ずれの量を求める制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、型板と基板上の硬化性組成物を接触させる際の重ね合わせの精度を向上させ、基板の外周部にわたって平坦化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る平坦化装置の構成を示す図である。
【
図3】基板と型板の位置合わせ方法の一例を説明する模式図である。
【
図4】基板と型板の位置合わせ方法の一例を説明する模式図である。
【
図5】型板保持部上の型板のXY方向の位置を計測する方法の一例を説明する模式図である。
【
図6】横ずれを補正する方法を説明する模式図である。
【
図7】型板の位置ずれを補正する方法の一例を説明する模式図である。
【
図8】型板の位置ずれを補正する方法の一例を説明する模式図である。
【
図9】第2実施形態に係る平坦化装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
【0013】
<平坦化装置および平坦化方法>
図1は、第1実施形態に係る平坦化装置100の構成を示す図である。
図1は平坦化装置をY方向から見た図である。平坦化装置100は、基板1の上に平坦な硬化性組成物を成形する平坦化処理を行うように構成される。具体的には、平坦化装置100は、基板保持部2と、型板保持部5と、基板搬送部3と、型板搬送部6と、制御部13と、を備える。平坦化装置100は、基板1の上の硬化性組成物と型板4を接触させる接触工程と、型板4を接触させた状態で硬化組成物を硬化させる露光工程と、硬化後の硬化性組成物と型板4を離型する離型工程とを行い基板1上の硬化性組成物の平坦化を実施する。
【0014】
本明細書および添付図面では、基板1の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。位置合わせはXY方向の位置を制御することを意味する。位置合わせは、基板1および型板4の少なくとも一方のZ方向の位置の制御を含みうる。ここで、基板1の表面に平行なXY方向を面方向とも呼ぶ。
【0015】
硬化性組成物には、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱などが用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。硬化性組成物は、スピンコーターやスリットコーターにより基板上に膜状に付与される。あるいは、硬化性組成物は、液体噴射ヘッドにより、液滴状、あるいは複数の液滴が繋がってできた島状または膜状となって基板上に付与されてもよい。硬化性組成物の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。硬化性組成物として、硬化用のエネルギーとしてUV光が使用される場合、UV硬化性液体でありうる。硬化性組成物は、例えば、アクリレートまたはメタクリレートのようなモノマーでありうる。
【0016】
基板1は、例えば、シリコンウエハが代表的な基材であるが、これに限定されるものではない。基板1は、アルミニウム、チタン―タングステン合金、アルミニウム―ケイ素合金、アルミニウム―銅―ケイ素合金、酸化ケイ素、窒化ケイ素などの半導体デバイス用基板として知られているものの中からも任意に選択することができる。なお、基板1は、典型的には、直径300mmの円形であるが、これに限定されるものではない。
【0017】
型板4は、基板1の上の硬化性組成物を硬化させるためのエネルギーとして光が使用される場合、その光を透過する材料で構成される。型板4は、例えば、ガラス、石英、ポリカーボネート樹脂などの光透過性樹脂、などの少なくとも1つで構成される。型板4は、一例では、直径300mmの円形、あるいは300mmよりも大きく500mmよりも小さい直径の円形でありうるが、これに限られない。型板4は、基板1上の硬化性組成物に接触して基板1の表面形状に倣う平坦面を含む。この時、平坦面は、基板1と同サイズまたは、基板1よりも大きいサイズを有する。
【0018】
基板保持部2は、真空チャックまたは静電チャックなどのチャックを含み、チャックによって基板1を保持する。基板保持部2は、基板保持部2に保持された基板1を所定の位置に位置決めするために、X方向およびY方向に駆動される。また、基板保持部2は、2軸以上の方向(例えば、XYZθxθyθzの6軸方向)に駆動する機能を有していてもよい。基板保持部2がZ方向に駆動される場合、型板保持部5に近づく方向に駆動することで基板1上の硬化性組成物を型板4に接触させ、さらに、型板4から離型させることができる。また、基板保持部2のチャックには例えば3箇所以上の貫通穴が設けられ、この貫通穴から出し入れされる突き上げピンを有する。突き上げピンは、先端で基板を吸着可能に構成されており、チャックから突き上げピンを出した状態で基板を保持することができる。
【0019】
型板保持部5は、真空チャックまたは静電チャックなどのチャックを含み、チャックによって型板4を保持する。型板保持部5は、型板保持部5に保持された型板4を所定の位置に位置決めするために、Z方向に駆動される。また、型板保持部5は、1軸以上の方向(例えば、XYZθxθyθzの6軸方向)に駆動する機能を有していてもよい。型板保持部5がZ方向に駆動される場合、基板保持部2に近づく方向に駆動することで型板4を基板1上の硬化性組成物に接触させ、基板1から離型させることができる。
【0020】
基板搬送部3は、基板1を吸着し搬送可能な搬送ハンドなどを含む搬送部であり、基板格納部(不図示)に格納された基板1は、基板搬送部3によって平坦化装置100内に搬入される。基板搬送部3が基板保持部2の手前に駆動された後、基板1は基板保持部2に搬送および位置決めされ、基板保持部2のチャックによって保持されうる。また、基板搬送部3は基板1と同形状の型板4をも搬送可能である。
【0021】
型板搬送部6は、型板4を吸着し搬送可能な搬送ハンドなどを含む搬送部であり、型板格納部(不図示)に格納された型板4は、型板搬送部6によって平坦化装置100内に搬入される。型板搬送部6が型板保持部5の手前に駆動された後、型板4は型板保持部5に搬送および位置決めされ、型板保持部5のチャックによって保持されうる。また、型板搬送部6は型板4と同形状の基板1をも搬送可能である。さらに、型板搬送部6は型板4を型板保持部5に取り付ける際のXY方向の位置の調整が可能な構成である。
【0022】
平坦化装置100では、基板搬送部3と型板搬送部6を別の搬送部として構成しているが、装置コスト削減のためなどの理由により、基板1と型板4をどちらも搬送する1つの共通搬送部として構成してもよい。この場合は、これ以降の説明に使用する「基板搬送部3」と「型板搬送部6」の記載は「基板型板搬送部」として読み替える。
【0023】
光源射出部7は、例えば、UV光などの光をZ方向に射出するよう構成されている。光源射出部7によって射出された光は、型板保持部5および型板4を通過して、基板1上の未硬化の硬化性組成物に照射される。
図1では、光源射出部7は、光源射出部7から射出される光が型板保持部5の中を通過する構成として配置されているが、組成物塗布部8のように別体として構成してもよい。この場合、例えば、基板1上の未硬化の硬化性組成物に型板4を接触させた後、型板保持部5から型板4を離し、基板1の上に型板4が載った状態で基板保持部2を光源射出部7の下に移動させ、光源射出部7から光を射出して硬化性組成物を硬化させる。
【0024】
組成物塗布部8は、基板1上に未硬化(液状)の硬化性組成物を配置あるいは供給する。組成物塗布部8は、例えば、硬化性組成物を吐出する吐出口(ノズル)を含みうる。組成物塗布部8は、例えば、ピエゾジェット方式またはマイクロソレロイド方式などの方式によって基板1の上に微小体積(例えば、1ピコリットル)の硬化性組成物を供給する。組成物塗布部8に設けられる吐出口の数は、特定数に限定されるものではなく、1つであってもよいし、複数あってもよい。一例において、組成物塗布部8は、100以上の吐出口を有する。そのような複数の吐出口の配置は、例えば、1又は複数のライン状に配置される。
【0025】
計測器11は、本発明の実施形態に必要な構成要素である。計測器11は、例えば、基板1上のアライメントマークを計測できるカメラである。基板保持部2のXY方向の移動とカメラによる撮像を順次行うことで、基板1上の複数のアライメントマークのXY方向の位置が計測され、基板1のXYθ方向の位置が特定される。または、計測器11は、例えば、基板1までの距離を検出できる変位センサーである。基板保持部2のXY方向の移動とセンサーによる距離検出を順次行うことで、基板1の複数の外周端部の位置が検出され、基板1のXY方向の位置が特定される。
図1では、計測器11は、型板保持部5と別体として示しているが、計測器11は型板保持部5の構成要素として内包されていてもよい。
【0026】
計測部12は、本発明の一実施形態に必要な構成要素である。計測部12は、例えば、型板4までの距離を検出できる変位センサーである。計測部12は、平坦化処理において、型板4に保持された型板4の位置を計測する。基板保持部2のXY方向の移動とセンサーによる距離検出を順次行うことで、型板4の複数の外周端部の位置が検出され、型板4のXY方向の位置が特定される。または、計測部12は、型板保持部5に保持された基板1上のアライメントマークを計測できるカメラであってもよい。
図1では、計測部12は基板保持部2と同体として示しているが、計測部12は基板保持部2とは別体の構成要素であってもよい。
【0027】
制御部13は、平坦化装置100の各構成ユニットの動作の制御およびセンサー値または画像などの取得を行う制御部である。また、制御部13は、基板1または型板4の面方向の位置の基準位置から位置ずれの量の算出を行う。さらに、制御部13は、基板1または型板4の面方向の位置の基準位置から位置ずれの量に基づいて、平坦化処理における型板保持部5、基板保持部2、および型板保持部5に保持される型板4の少なくとも一つの位置の調整を行う。制御部13は、平坦化装置100の各ユニットに回線により接続された、不図示のコンピュータ、またはシーケンサなどで構成され、CPU(Central Processing Unit)やメモリ(記憶部)などを含む。また、制御部13は、メモリに格納されたプログラムに従って、平坦化装置100全体の各構成要素の動作調整などを統括的に制御する。また、制御部13は、平坦化装置100の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよい。さらに、平坦化装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよいし、平坦化装置100とは別の場所に設置し遠隔で制御してもよい。
【0028】
平坦化装置100により実行される平坦化処理は、基板1の上の硬化性組成物を成形するものであり、硬化性組成物の硬化物によって、平坦化された表面を有する膜を形成する処理である。つまり、平坦化装置100は、硬化性組成物を塗布した基板1の表面に型板4の平坦面を接触させた後に硬化性組成物を硬化することで基板1の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う装置である。より具体的には、平坦化処理では、基板1の上の硬化性組成物に型板4の平坦面を接触させて基板1の表面形状に倣わせることで硬化性組成物を平坦化処理する処理である。平坦化処理は、一般的には、ロット単位で、即ち、同一のロットに含まれる複数の基板のそれぞれに対して行われる。
【0029】
図2は、平坦化処理を説明する模式図である。ここでは、基板1上の全面に硬化性組成物を滴下して、その硬化性組成物と型板4を接触させて、硬化性組成物を平坦化させる平坦化処理について説明する。平坦化処理はこれに限るものでは無く、基板1の一部の領域上の硬化性組成物と型板4を接触させて、硬化性組成物を平坦化させてもよい。
【0030】
まず、
図2(A)に示すように、基板保持部2上に基板1が保持され、型板保持部5上に型板4が保持される。次に、
図2(B)に示すように、下地パターンが形成されている基板1に対して、未硬化の硬化性組成物30を配置する(塗布工程)。具体的には基板1上に組成物塗布部8によって平坦化材料として用いられる硬化性組成物が滴下される。ここで、基板1の表面に形成された下地パターンの形状(段差)に応じて、組成物塗布部8によって配置される硬化性組成物の分布を調整してもよい。
【0031】
次に、
図2(C)に示すように、基板1上に基板1と同一寸法を有する平面部を備えた型板4(スーパーストレートとも称される)を、基板1上の硬化性組成物30と接触させる(接触工程)。これにより、硬化性組成物30が広がって膜状になる。更に、型板4を基板1の上の硬化性組成物30と接触させた状態で、硬化性組成物30を硬化させるためのエネルギーを光源射出部7から硬化性組成物に与え、硬化性組成物30を硬化させる(硬化工程)。なお、硬化工程の際には、型板4の平面部が基板1上の硬化性組成物30にすべて接触し、型板4の平面部が基板1の表面形状に倣った状態であることが必要である。硬化工程で用いられる硬化用のエネルギーとしては、紫外線等の光を用いることができる。
【0032】
最後に、
図2(D)で示すように、基板1上の硬化した硬化性組成物30から型板4を分離させる(離型工程)。これにより、基板1上には、硬化した硬化性組成物30からなる平坦化層(平坦化膜)31が残る。
図2(E)は、平坦化層が形成された基板1の一部領域の断面を拡大したものである。このように型板4を用いることで、局所的に平坦化された表面を有する平坦化層(平坦化膜)31を硬化性組成物の硬化物によって形成することができる。基板1上の下地パターン32は、前の工程で形成されたパターン起因の凹凸プロファイルを有しており、特に近年のメモリ素子の多層構造化に伴いプロセス基板は100nm前後の段差を持つものも出てきている。以上のような平坦化方法では、基板1の複数のショット領域の全域をカバーする面積を有する型板4を用いることで、基板1の全域に平坦化層を一括で形成することができる。
【0033】
<基板と型板の位置合わせ方法1>
次に、平坦化装置100において、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際のXY方向の位置合わせ方法の一つについて説明する。本方法では、搬送部によって搬送された基板1を、第1保持部に保持させ、第1保持部に保持された基板1を第1保持部から第2保持部へ受け渡させ、第2保持部によって保持された基板の面方向の位置を計測器によって計測する。そして、制御部13は、計測器によって計測された基板1の基準位置から位置ずれの量を算出する。具体的には、
図3を用いて説明する。なお、本方法で示す各動作(ステップ)は、制御部13のCPUの制御によって実行されうる。
【0034】
まず、基板格納部(不図示)に格納された基板1は型板搬送部6によって取り出されたのち、型板4を搬送する際のルートと同じルートを経由して型板保持部5の手前まで搬送され、搬送された基板1は型板保持部5のチャックに保持される。即ち、本方法において、搬送部は型板搬送部6であり、第1保持部は型板保持部5である。
【0035】
図3は、基板と型板の位置合わせ方法の一例を説明する模式図である。
図3(A)は、基板1が型板保持部5に保持されている状態を示している。ここで、基板保持部2は基板1を保持していないし、型板4も保持していない。次に、
図3(B)で示すように、型板保持部5が基板保持部2に近づくようにZ方向に駆動されたのち、型板保持部5から基板1を離して基板保持部2に基板1を保持させる。即ち、本方法において、第2保持部は基板保持部2である。次に、
図3(C)で示すように、型板保持部5が基板保持部2から離れるようにZ方向に駆動される。次に、
図3(D)で示すように、基板保持部2を計測器11の下に移動させ、基板保持部2のXY方向の移動と計測器11による計測を複数回実施することで、基板保持部2上の基板1のXY方向の位置を特定する。即ち、本方法において計測器は計測器11である。
【0036】
位置合わせ方法1において、型板保持部5から基板保持部2に受け渡された基板1の位置のずれを求めるためには、上記計測および特定された基板1の位置とともに、基準となる位置が必要である。基準となる位置(基準位置)は、上記とは別の工程を経て決定される。即ち、まず、基板格納部に格納された基板1を基板搬送部3によって取り出し、基板1を搬送するルートを経由して基板保持部2の手前に搬送させ、基板1を基板保持部2に保持させる。そののち、
図3(D)で示すように、基板保持部2を計測器11の下に移動させ、基板保持部2のXY方向の移動と計測器11による計測を複数回実施することで、基板保持部2上の基板1のXY方向の位置を特定する。ここで特定された基板1の位置が基準位置となる。
【0037】
ここで、上記基準位置は基板1上の硬化性組成物と型板4を接触させる接触工程における基板1のXY方向の位置である。即ち、基準位置は、平坦化処理において、基板保持部2に基板1を搬送した後に、計測器11を用いて計測された基板保持部2に保持された基板1の面方向の位置である。制御部13は、型板保持部5から基板保持部2に受け渡された基板1の位置と上記基準位置との差分から位置ずれの量を求める。ここで求められる位置ずれの量は、型板保持部5が平坦化処理の際のZ位置に駆動した際の型板保持部5に保持されている型板4のXY方向の位置ずれ量である。すなわち、型板4が基板1と接触する際の基板1に対する型板4のXY位置のずれである。
【0038】
上記位置のずれは、型板保持部5に型板4を保持させる際の型板搬送部6のXY方向の位置のずれによって生じうる。あるいは、型板保持部5で保持された型板4を基板保持部2上の基板1に接触させるための型板保持部5のZ方向の駆動によって生じる型板保持部5のXY方向の位置のずれ(横ずれ)である。もしくは、その両方の位置のずれが合算された位置のずれである。
【0039】
平坦化処理の際に基板1と型板4のXY方向の位置を正確に重ね合わせるためには、上記型板4の位置のずれを補正する必要がある。よって、制御部13は、硬化性組成物を塗布した基板1表面に型板4の平坦面を接触させる前に、型板4と基板1の面方向の位置が合うように、位置の調整を行う。例えば、基板保持部2に保持された硬化性組成物が塗布された基板1の位置を、上記位置ずれが相殺される位置になるように基板保持部2のXY方向の位置を調整することでこの位置ずれを補正する。即ち、制御部13は、平坦化処理において基板保持部2の位置を、求められた位置ずれの量に基づいて、調整する。あるいは、補正方法の一つとして、型板保持部5に型板4を保持させる際の型板4の位置を、上記位置ずれが相殺される位置になるように型板4を型板保持部5に受け渡す際の型板搬送部6のXY方向の位置を調整する方法である。即ち、制御部13は、型板保持部5に型板4を保持させる際の面方向の位置ずれの量を補正するための調整を、型板搬送部6から型板保持部5に型板4を保持させる際の型板搬送部6の面方向の位置を調整することにより行う。硬化性組成物を塗布した基板1表面に型板4の平坦面を接触させる前に、このような調整を行うことにより、接触工程における、型板4と基板1との重ね合わせ精度を向上することが可能となり、基板の外周部にわたって平坦化することができる。
【0040】
また、上記位置のずれが許容されるずれ量を超えていた場合、制御部13はアラートを発報して、平坦化装置100を停止させ、調整用の別の工程を実施し、位置ずれが無くなったことを確認してから平坦化装置を再稼働させてもよい。
【0041】
本方法によれば、型板保持部5が平坦化処理の際のZ位置に駆動した際の型板保持部5に保持されている型板4のXY方向の位置ずれを低減することが可能となる。
【0042】
<基板と型板の位置合わせ方法2>
次に、平坦化装置100において、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際のXY方向の位置合わせ方法の一つについて、さらに説明する。本方法では、搬送部によって搬送された型板4を、第1保持部に保持させ、第1保持部に保持された型板4を第1保持部から第2保持部へ受け渡させ、第2保持部によって保持された型板4の面方向の位置を計測器によって計測する。そして、制御部13は、計測器によって計測された型板4の基準位置から位置ずれの量を算出する。具体的には、
図3を用いて説明する。なお、本方法で示す各動作(ステップ)は、制御部13のCPUの制御によって実行されうる。
【0043】
まず、型板格納部(不図示)に格納された型板4は型板搬送部6によって取り出されたのち、型板4を搬送する際のルートを経由して型板保持部5の手前まで搬送され、搬送された型板4は型板保持部5のチャックに保持される。即ち、本方法において、搬送部は型板搬送部6であり、第1保持部は型板保持部5である。
【0044】
図3(A)は、型板4が型板保持部5に保持されている状態を示している。ここで、基板保持部2では基板1を保持していないし型板4も保持していない。次に、
図3(B)で示すように、型板保持部5が基板保持部2に近づくようにZ方向に駆動されたのち、型板保持部5から型板4を離して基板保持部2に型板4を保持させる。即ち、本方法において、第2保持部は基板保持部2である。次に、
図3(C)で示すように、型板保持部5が基板保持部2から離れるようにZ方向に駆動される。次に、
図3(D)で示すように、基板保持部2を計測器11の下に移動させ、基板保持部2のXY方向の移動と計測器11による計測を複数回実施することで、基板保持部2上の型板4のXY方向の位置を特定する。即ち、本方法において計測器は計測器11である。
【0045】
ここで、型板4の上面は型板保持部5のチャックに保持される面である。一方、型板4の下面は基板1上の硬化性組成物に接触して基板1の表面形状に倣う平坦面であり、平坦面の平坦精度は維持される必要があるため、型板4の下面を基板保持部2のチャックに保持させないことが望ましい。そこで、型板保持部5から基板保持部2に型板4を受け渡す際は、基板保持部2の貫通穴から突き上げピンを出し、突き上げピンの上に型板4を受け渡したのち突き上げピンで型板4を保持する。突き上げピンによって型板4が保持された状態で基板保持部2を計測器11の下に移動させ型板4の位置を計測する。
【0046】
型板4の位置を計測し、位置ずれを特定する上記工程は、型板保持部5に保持される型板4が新しい型板に交換される度に実施してもよい。この場合、基板保持部2上に基板1が保持されていないことが必要なため、ロットとロットの切れ目、すなわちロットの先頭で型板4を交換する際に、位置ずれを特定する上記工程を実施するのが望ましい。言い換えると、制御部13は、複数枚の基板1に対して同一条件のもとに平坦化処理を実施する場合に、複数枚のうち1枚目として平坦化処理が行われる第1基板への平坦化処理を実施する前、好ましくは直前に、位置ずれを求めることが望ましい。
【0047】
ここで、型板保持部5から基板保持部2に受け渡された型板4の位置のずれを求めるための基準位置は、上記位置合わせ方法1と同様の方法によって求められる。また、平坦化処理の際に基板1と型板4のXY方向の位置を合わせるための方法は、上記位置合わせ方法1と同様の方法である。
【0048】
本方法によれば、型板保持部5が平坦化処理の際のZ位置に駆動した際の型板保持部5に保持されている型板4のXY方向の位置ずれを低減することが可能となる。
【0049】
<基板と型板の位置合わせ方法3>
次に、平坦化装置100において、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際のXY方向の位置合わせ方法の一つについて説明する。本方法では、搬送部によって搬送された基板1を、第1保持部に保持させ、第1保持部に保持された基板1を第1保持部から第2保持部へ受け渡させ、第2保持部によって保持された基板1の面方向の位置を計測器によって計測する。そして、制御部13は、計測器によって計測された基板1の基準位置から位置ずれの量を算出する。具体的には、
図4を用いて説明する。なお、本方法で示す各動作(ステップ)は、制御部13のCPUの制御によって実行されうる。
【0050】
まず、基板格納部に格納された基板1は基板搬送部3によって取り出されたのち、基板1を搬送する際のルートを経由して基板保持部2の手前まで搬送され、搬送された基板1は基板保持部2のチャックに保持される。即ち、本方法において、搬送部は基板搬送部3であり、第1保持部は基板保持部2である。
【0051】
図4は、基板と型板の位置合わせ方法の一例を説明する模式図である。
図4(A)は、基板1が基板保持部2に保持されている状態を示している。ここで、型板保持部5では基板1を保持していないし型板4も保持していない。また、基板保持部2に保持されている基板1の上に硬化性組成物は塗布されていない。次に、
図4(B)で示すように、型板保持部5が基板保持部2に近づくようにZ方向に駆動されたのち、基板保持部2から基板1の保持が解放され、型板保持部5のチャックの吸着制御を行い、型板保持部5に基板1を保持させる。即ち、本方法において、第2保持部は型板保持部5である。次に、
図4(C)で示すように、型板保持部5が基板保持部2から離れるようにZ方向に駆動される。次に、
図4(D)で示すように、計測部12で基板1を計測できる位置に基板保持部2を移動させ、基板保持部2のXY方向の移動と計測部12による計測を複数回実施することで、型板保持部5上の基板1のXY方向の位置を特定する。即ち、本方法において計測器は計測部12である。
【0052】
位置合わせ方法3において、基板保持部2から型板保持部5に受け渡された基板1の位置のずれを求めるためには、上記計測および特定された基板1の位置とともに、基準となる位置が必要である。基準となる位置(基準位置)は、上記とは別の工程を経て決定される。すなわち、まず、型板格納部に格納された型板4を型板搬送部6によって取り出し、型板4を搬送するルートを経由して型板保持部5の手前に搬送させ、型板4を型板保持部5に保持させる。そして、基板1の位置ずれを計測する
図4(C)と同じZ位置に、型板保持部5のZ方向の位置を移動させる。そののち、
図4(D)で示すように、基板保持部2のXY方向の移動と計測部12による計測を複数回実施することで、型板保持部5上の型板4のXY方向の位置を特定する。ここで特定された型板4の位置が基準位置となる。言い換えると、基準位置は、平坦化処理において、型板保持部5に型板4を搬送した後に、計測部12を用いて計測された型板保持部5に保持された型板4の面方向の位置である。
【0053】
制御部13は、基板保持部2から型板保持部5に受け渡された基板1の位置と上記基準位置との差分から位置ずれの量を求める。ここで、求められる位置のずれは、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際における型板4に対する基板1のXY方向の位置のずれと等価である。
【0054】
上記位置のずれは、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際の基板保持部2のXY方向の位置のずれによって生じうる。あるいは、型板保持部5で保持された型板4を基板保持部2上の基板1に接触させるための型板保持部5のZ方向の駆動によって生じる型板保持部5のXY方向の位置のずれ(横ずれ)である。もしくは、その両方の位置のずれが合算された位置のずれである。
【0055】
平坦化処理の際に基板1と型板4のXY方向の位置を正確に重ね合わせるためには、上記基板1の位置のずれを補正する必要がある。例えば、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際において、基板保持部2上に保持された硬化性組成物が塗布された基板1の位置を、上記位置ずれが相殺される位置になるように基板保持部2のXY方向の位置を調整することでこの位置ずれを補正する。即ち、制御部13は、平坦化処理において基板保持部2の位置を、求められた位置ずれの量に基づいて、調整する。
【0056】
また、上記位置のずれが許容されるずれ量を超えていた場合、制御部13はアラートを発報して、平坦化装置を停止させ、調整用の別の工程を実施し、位置ずれが無くなったことを確認してから平坦化装置100を再稼働させてもよい。
【0057】
基板1の位置を計測し位置のずれを特定する上記工程は、基板1の上に硬化性組成物が塗布されていないことが必要なため、平坦化処理を施すロットの基板ではなく、計測用のパイロット基板であることが望ましい。そして、ロットとロットの切れ目、すなわちロットの先頭でロット内の基板を搬入する前にパイロット基板を搬入して、位置ずれを特定する上記工程を実施するのが望ましい。ここで、パイロット基板は基板1と同じ形状かつ同じ大きさの基板である。
【0058】
本方法によれば、基板1上の硬化性組成物と型板4を接触させる平坦化処理の際における型板4に対する基板1のXY方向の位置のずれを低減することが可能となる。
【0059】
<基板と型板の位置合わせ方法4>
次に、平坦化装置100において、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際のXY方向の位置合わせ方法の一つについて、さらに説明する。本方法では、搬送部によって搬送された型板4を、第1保持部に保持させ、第1保持部に保持された型板4を第1保持部から第2保持部へ受け渡させ、第2保持部によって保持された型板4の面方向の位置を計測器によって計測する。そして、制御部13は、計測器によって計測された型板4の基準位置から位置ずれの量を算出する。具体的には、
図4を用いて説明する。なお、本方法で示す各動作(ステップ)は、制御部13のCPUの制御によって実行されうる。
【0060】
まず、型板格納部に格納された型板4は基板搬送部3によって取り出されたのち、基板1を搬送する際と同じルートを経由して基板保持部2の手前まで搬送され、搬送された型板4は基板保持部2に保持される。即ち、本方法において、搬送部は基板搬送部3であり、第1保持部は基板保持部2である。
【0061】
ここで、基板保持部2に対向する型板4の下面は基板1に平坦化層を作成するための平坦面であるため、基板保持部2のチャックで保持するのではなく、チャックの貫通穴から出された突き上げピンを用いて型板4を保持するのが望ましい。あるいは、基板1に平坦化層を作成するのには用いないパイロット型板であれば、基板保持部2のチャックで保持してもよい。ここで、パイロット型板は型板4と同じ形状かつ同じ大きさの型板である。
【0062】
図4(A)は、型板4が基板保持部2に保持されている状態を示している。ここで、型板保持部5では基板1を保持していないし型板4も保持していない。次に、
図4(B)で示すように、型板保持部5が基板保持部2に近づくようにZ方向に駆動されたのち、基板保持部2から型板4の保持が解放され、型板保持部5のチャックの吸着制御を行い、型板保持部5に型板4を保持させる。即ち、本方法において、第2保持部は型板保持部5である。次に、
図4(C)で示すように、型板保持部5が基板保持部2から離れるようにZ方向に駆動される。次に、
図4(D)で示すように、計測部12で型板4を計測できる位置に基板保持部2を移動させ、基板保持部2のXY方向の移動と計測部12による計測を複数回実施することで、型板保持部5上の型板4のXY方向の位置を特定する。即ち、本方法において計測器は計測部12である。
【0063】
ここで、基板保持部2から型板保持部5に受け渡された型板4の位置のずれを求めるための基準位置は、上記位置合わせ方法3と同様の方法によって求められる。また、平坦化処理の際に基板1と型板4のXY方向の位置を合わせるための方法は、上記位置合わせ方法3と同様の方法である。
【0064】
本方法によれば、基板1上の硬化性組成物と型板4を接触させる平坦化処理の際における型板4に対する基板1のXY方向の位置のずれを低減することが可能となる。
【0065】
<基板と型板の位置合わせ方法5>
次に、平坦化装置100において、基板1と型板4を接触させる平坦化処理の際のXY方向の位置合わせ方法の一つについて説明する。本方法では、搬送部によって搬送された型板4を、第1保持部に保持させ、第1保持部に保持された型板4を第1保持部から第2保持部へ受け渡させ、第2保持部によって保持された型板4の面方向の位置を計測器によって計測する。そして、制御部13は、計測器によって計測された型板4の基準位置から位置ずれの量を算出する。具体的には、
図5および6を用いて説明する。なお、本方法で示す各動作(ステップ)は、制御部13のCPUの制御によって実行されうる。
【0066】
位置合わせ方法5における平坦化装置100は、平坦化処理において、型板保持部5に保持された型板4の面方向の位置を計測可能な計測部12を有している。
【0067】
まず、型板格納部に格納された型板4は型板搬送部6によって取り出されたのち、型板4を搬送するルートを経由して型板保持部5の手前まで搬送され、搬送された型板4は型板保持部5に保持される。
【0068】
図5は、型板保持部5上の型板4のXY方向の位置を計測する方法の一例を説明する模式図である。
図5(A)は型板4が型板保持部5に保持されている状態を示している。ここで、基板保持部2では基板1を保持していないことが望ましいが、基板保持部2で基板1を保持していてもよい。さらに、
図5(A)で示されているように、型板保持部5のZ位置は基板保持部2から所定の距離よりも離れた遠距離位置に配置され、基板保持部2のXY方向の移動と計測部12による計測を複数回実施する。この計測により、型板保持部5上の型板4のXY方向の位置が特定される。ここで、型板保持部5のZ位置をZ駆動前Z位置と呼び、特定されたXY位置をZ駆動前XY位置と呼ぶ。
【0069】
次に、
図5(B)に示すように、型板保持部5のZ位置を基板保持部2に所定の距離よりも近づかせた近距離位置に配置する。そして、上記と同様に基板保持部2のXY方向の移動と計測部12による計測を複数回実施することで、型板保持部5上の型板4のXY方向の位置を特定する。ここでの各位置は、型板保持部5のZ位置をZ駆動後Z位置と呼び、特定されたXY位置をZ駆動後XY位置と呼ぶ。
【0070】
そして、制御部13は、計測部12の計測結果に基づいて、接触工程における型板保持部5の面方向の位置ずれの量を求める。具体的には、ここで、上記したZ駆動前Z位置をZ1とし、Z駆動前XY位置をXY1とし、Z駆動後Z位置をZ2とし、Z駆動後XY位置をXY2とし、型板4を基板1上の硬化性組成物に接触させる平坦化処理の際の型板保持部5のZ位置をZ3とする。即ち、Z3は、型板4を基板1上の硬化性組成物と接触させた状態における型板保持部5のZ位置である。この場合、型板保持部5がZ3のZ位置にある際の型板保持部5のXY方向の位置ずれ(横ずれ)XYは例えば以下の式を用いて算出される。
【数1】
図3を用いて説明した上記の位置合わせ方法1に記載の通り、型板保持部5から基板保持部2に受け渡した基板1のXY方向の位置のずれは、幾つかの位置ずれが組み合ったずれと考えうる。もしくは、同じく
図3を用いて説明した上記の位置合わせ方法2に記載の通り、型板保持部5から基板保持部2に受け渡した型板4のXY方向の位置のずれは、幾つかの位置ずれが組み合ったずれと考えうる。例えば、型板保持部5上で保持された型板4のXY位置ずれ(保持ずれ)と型板保持部5をZ駆動した際の型板保持部5のXY位置ずれ(横ずれ)の合算であると考えうる。
【0071】
そこで、まず、制御部13は、位置合わせ方法1または位置合わせ方法2によって基板保持部2上の基板1または型板4のXY位置ずれの量を求める。そして、その位置ずれの量と、型板保持部5のZ位置が型板4を基板1に接触させるZ3の位置にある際の型板保持部5の位置ずれXYの量との差分を求める。この差分は、型板保持部5に搬送され保持される型板4のXY位置ずれと等価である。従って、制御部13は、この差分を用いて型板保持部5に型板4を取り付ける際の型板4の位置が上記差分を相殺する位置となるように、型板保持部5に型板4を取り付ける際の型板搬送部6のXY方向の位置を調整する。
【0072】
図6は、横ずれを補正する方法を説明する模式図である。
図6(A)は、型板保持部5に型板4を取り付ける際の型板搬送部6のXY位置が調整され、型板保持部5上の型板4のXY方向の位置にずれが無い状態を示している。さらに、基板保持部2のXY位置は、型板保持部5上の型板4と基板保持部2上の基板1が離れた状態において型板4と基板1のXY方向の位置が合っている位置である。この状態で型板保持部5を型板4が基板1に接触するようZ駆動すると、型板保持部5のZ駆動に伴うXY方向の位置ずれの分だけ型板4と基板1のXY位置がずれることとなる。
【0073】
そこで、
図6(B)に示すように、型板4と基板1上の硬化性組成物を接触させるZ3の位置にある際の型板保持部5のXY位置に、基板保持部2をあらかじめ移動させておく。そののち、
図6(C)に示すように、型板保持部5を型板4と基板1を接触させるZ3のZ位置に駆動し、基板1上の硬化性組成物に対する平坦化処理を実施する。
【0074】
なお、位置合わせ方法3または位置合わせ方法4によって基板保持部2上の基板1または型板4のXY位置ずれの量を求め、その位置ずれの量との差分を用いても良い。
【0075】
本方法によれば、平坦化処理における型板保持部5のZ駆動に伴う型板4と基板1のXY方向の位置ずれを補正することが可能となる。
【0076】
<型板の位置ずれを補正する方法1>
平坦化処理において、型板4は同一の型板4を複数の基板1に対して使用することが一般的であり、例えばロットとロットの切れ目、すなわちロットの先頭で新しい型板4に交換される。そのため、型板保持部5に対する型板4の位置はロット内において変化しないことが考えられる。しかし、型板4を基板1に接触させ基板1上の硬化性組成物を平坦化および硬化させた後は、型板4と基板1は大きな力で貼り付いた状態となる。この状態で型板保持部5のZ駆動によって型板4と基板1を引き離すと、型板4に大きな力を及ぼすため、型板保持部5上で型板4の位置がずれる可能性がある。
【0077】
図7は、型板の位置ずれを補正する方法の一例を説明する模式図である。
図7(A)は、例えば、複数の基板1に対して平坦化処理を施したのちに、型板保持部5上の型板4のXY方向の位置がずれた状態を示している。この型板4の位置ずれを検出するため、1つの基板1に対する平坦化処理の実施後(離型後)、または複数枚の基板1に対する平坦化処理の実施後に、型板4の現在の位置を確認する工程が実施される。
【0078】
型板4の位置を確認する工程は、同じく
図7(A)で示すように、基板保持部2のXY方向の移動と計測部12による計測を複数回実施することで、型板保持部5に保持された型板4の現在のXY方向の位置を特定する。そして、制御部13は、計測部12によって計測された型板保持部5上の型板4の位置の基準位置から位置ずれの量を求める。ここで、型板4の位置が基準位置に対してずれていた場合、型板4の位置ずれを補正する工程をさらに実施し、型板4の位置を基準位置と同じ位置に戻す。この位置ずれを補正する工程では、型板4を基板保持部2に受け渡す工程を含むため、基板保持部2上に基板1が無い状態にしておくことが望ましいが、基板保持部2の上に基板1が有る状態であってもよい。
【0079】
型板4の位置ずれを補正する工程では、まず、型板保持部5から型板4を受けとるための第1位置に基板保持部2を移動させる。具体的には、本方法では、
図7(B)に示すように、計測部12によって特定された型板4の現在の位置と同じXY位置に基板保持部2を移動させる。即ち、基準位置からずれた型板4の位置に合うように基板保持部2がXY方向に移動される。本方法において、第1位置は、型板保持部5に保持された型板4の面方向の位置が基板保持部2と合う位置である。次に、
図7(C)に示すように、Z駆動によって型板保持部5と基板保持部2を接近させ、基板保持部2に型板4を受け渡し可能なZ位置となったら型板保持部5から型板4を離し、基板保持部2で型板4を保持させる。ここで、基板保持部2と対向する型板4の下面は平坦面であるため、基板保持部2のチャックではなく突き上げピンによって型板4を保持するのが望ましい。もしくは、基板保持部2の上に基板1が載っている場合は、基板1の上に型板4を受け渡す。
【0080】
次に、
図7(D)に示すように、型板保持部5と基板保持部2が離れる方向にZ駆動を行う。この際の離隔動作では型板保持部5と基板保持部2の間を大きく離す必要は無く、処理時間の短縮の観点からも、型板保持部5と基板保持部2上の型板4が接触しない程度だけZ駆動を行う事が望ましい。
【0081】
次に、型板4を型板保持部5に受け渡すための第2位置に基板保持部2を移動させる。具体的には、本方法では、
図7(E)で示すように、型板保持部5と基板保持部2上の型板4のXY位置が合うXY位置に基板保持部2を移動させる。すなわち、型板4が基準位置のXYと合うように基板保持部2はXY方向に移動される。もし、型板4が基板保持部2上の基板1の上に載っている場合は、基板保持部2のXY移動による慣性力が働き、基板1上の型板4のXY位置がずれうる。この場合は、基板保持部2のXY移動時の加速と減速の速度を落とすことで、基板1上の型板4のずれを抑止する。本方法において、第2位置は、基板保持部2に保持された型板4の面方向の位置が型板の基準位置と合う位置である。次に、
図7(F)で示すように、Z駆動によって型板保持部5と基板保持部2を接近させ、型板保持部5に型板4を受け渡し可能なZ位置となったら基板保持部2から型板4を離し、型板保持部5で型板4を保持させる。最後に、
図7(G)で示すように、型板保持部5と基板保持部2が離れる方向にZ駆動が行われる。
【0082】
このように
図7を用いて説明した一連の処理を実施することで、型板保持部5上の型板4のXY位置がずれた状態となっても、型板4の位置を型板保持部5の正しい位置(基準位置)に保持し直すことができる。
【0083】
なお、ここで、型板保持部5上の型板4の基準位置は、基板1に平坦化処理を施す際の型板4のXY位置であり、次に記述するいずれかの方法を用いて基準位置が決定される。
【0084】
基準位置を決定する方法の一つでは、型板保持部5上に新しい型板4を保持させる(型板交換)の際に実施される工程であり、基板保持部2のXY移動と計測部12による計測によって、型板保持部5に保持させた新しい型板4のXY位置を特定する。即ち、この方法によって決定される基準位置は、型板保持部5に型板を保持させた後であって、型板4を平坦化処理に使用する前に、計測部12を用いて計測された型板保持部5に保持された型板4の面方向の位置である。ここで特定された型板4のXY位置が基準位置となる。なお、型板保持部5に型板4を取り付ける際の型板搬送部6のXY位置は予め補正されており、型板4は型板保持部5の正しい位置(平坦化処理の位置)に取り付けられる。
【0085】
基準位置を決定する方法の一つでは、型板保持部5上に新しい型板4を保持させる(型板交換)の際に実施される工程であり、さらに、古い型板4を型板保持部5から取り外した後であり、新しい型板4を型板保持部5に取り付ける前に実施される工程である。この工程では、例えば、ロットの基板1とは異なる調整用のパイロット基板を用いる。基板保持部2に基板1を搬送したのちに型板保持部5に基板1を受け渡し、基板保持部2のXY移動と計測部12による計測によって、型板保持部5に保持させた基板1のXY位置を特定する。即ち、この方法によって決定される基準位置は、型板保持部5に型板4が保持されていない状態で、基板保持部2上の基板1を型板保持部5に受け渡した後に、計測部12を用いて計測された型板保持部5上の基板1の面方向の位置である。ここで特定された基板1のXY位置が基準位置となる。
【0086】
このような型板の位置ずれを補正する方法は、平坦化処理における離型工程によって型板保持部5上で型板4の位置がずれた後など、何等かの理由によって、型板4の位置ずれが発生し、それが検知された後に行われる。
【0087】
以上によれば、平坦化処理において、型板4の位置ずれが発生した場合においても、型板と基板の重ね合わせ精度を向上することができる。
【0088】
<型板の位置ずれを補正する方法2>
図8は、型板の位置ずれを補正する方法の一例を説明する模式図である。
図8(A)は、上記
図7(A)を用いて説明した型板4と同様の状態であり、すなわち型板4が型板保持部5の基準位置からずれた位置に保持されている。このように型板4の位置がずれている際に型板4の位置を基準位置に戻すための、型板の位置ずれを補正する方法1とは別の型板の位置ずれを補正する方法2を説明する。
【0089】
基板保持部2上に基板1が無い状態にしておくことが望ましいが、基板保持部2の上に基板1が有る状態であってもよい。次に、
図8(B)で示すように、Z駆動によって型板保持部5と基板保持部2を接近させ、基板保持部2に型板4を受け渡し可能なZ位置となったら型板保持部5から型板4を手放し、基板保持部2で型板4を保持させる。本方法において、第1位置は、型板保持部5と基板保持部2とが位置合う位置である。ここで、基板保持部2と対向する型板4の下面は平坦面であるため、基板保持部2のチャックではなく突き上げピンによって型板4を保持するのが望ましい。もしくは、基板保持部2の上に基板1が載っている場合は、基板1の上に型板4を受け渡す。
【0090】
次に、
図8(C)で示すように、型板保持部5と基板保持部2が離れる方向にZ駆動を行う。そののち、
図8(D)で示すように、基板保持部2を計測器11と対向する位置まで移動させ、基板保持部2のXY方向の移動と計測器11による計測を複数回実施することで、基板保持部2上の型板4のXY方向の位置を特定する。ここで型板4の位置が基準位置に対してずれていた場合、型板4の位置ずれを補正する工程を経てから型板4が型板保持部5に戻される。
【0091】
型板4の位置ずれを補正する工程では、まず、
図8(E)に示すように、計測器11によって特定された型板4の位置が、型板保持部5の基準位置と同じXY位置になるように基板保持部2のXY方向の位置が移動される。つまり、本方法において、第2位置は、基板保持部2に保持された型板4の面方向の位置が基準位置に合う位置である。次に
図8(F)に示すように、Z駆動によって型板保持部5と基板保持部2を接近させ、型板保持部5に型板4を受け渡し可能なZ位置となったら基板保持部2から型板4を離し、型板保持部5で型板4を保持させる。最後に、
図8(G)で示すように、型板保持部5と基板保持部2が離れる方向にZ駆動が行われる。
【0092】
このように
図8を用いて説明した一連の処理を実施することで、型板保持部5上の型板4のXY位置がずれた状態となっても、型板4の位置を型板保持部5の正しい位置(基準位置)に保持し直すことができる。
【0093】
ここで、型板保持部5上の型板4の基準位置は、基板1に平坦化処理を施す際の型板4のXY位置であり、次に記述するいずれかの方法を用いて基準位置が決定される。
【0094】
基準位置を決定する方法の一つでは、基板保持部2上に例えばロット内の基板1とは別の調整用のパイロット基板を搬送し保持させたのち、基板保持部2のXY移動と計測器11による計測によって、基板保持部2に保持させた基板1のXY位置を特定する。ここで特定された基板1のXY位置が基準位置となる。即ち、基板保持部2が平坦化処理の際のXY位置にいる際の基板保持部2上の基板1のXY位置が基準位置となる。言い換えると、この方法によって決定される基準位置は、基板保持部2に基板1を保持させた後に、基板への平坦化処理が実施される前に、計測器11を用いて計測された基板保持部2上の基板1の面方向の位置である。
【0095】
基準位置を決定する方法の一つでは、型板保持部5に型板4を搬送したのちに基板保持部2に型板4を受け渡し、基板保持部2のXY移動と計測器11による計測によって、基板保持部2に保持させた型板4のXY位置を特定する。言い換えると、まず、基板保持部2に基板1が保持されていない状態で、型板保持部5に型板4を保持させ、型板4を基板保持部2に受け渡させる。その後、計測器11を用いて計測された基板保持部2上の型板4の面方向の位置である。ここで特定された型板4のXY位置が基準位置となる。
【0096】
<別の構成を持つ平坦化装置と位置合わせ方法>
図9は、第2実施形態に係る平坦化装置200の構成を示す図である。
図9に示す平坦化装置200は、
図1で説明した平坦化装置100とは一部異なる構成の平坦化装置である。平坦化装置200では、型板4と基板1を接触させ平坦化処理を実施するための第1ステーション201と、基板1の上に硬化性組成物を塗布するための第2ステーション202に分かれた構成となっていることが特徴である。
【0097】
基板1上の硬化性組成物を平坦化層として作成する平坦化工程は、型板4を基板1に接触させた際に硬化性組成物が基板全面に行き渡るのを待ってから硬化を開始させるため、平坦化工程は時間を要する。一方で、基板1の上に硬化性組成物を塗布する工程は平坦化工程ほどの時間は要さない。従って、
図9では平坦化処理のためのステーションは第1ステーション201のみを図示しているが、第1ステーション201と同様のステーションを複数個構成することで、基板への処理能力すなわち生産性が向上する。
【0098】
このような構成では、平坦化処理のための第1ステーション201で基板1を保持するための基板保持部はXY方向の移動を必須としないため、
図9に示すように、例えば基板1を保持可能な台、即ち基板保持台10で構成してもよい。一方、硬化性組成物を塗布するための第2ステーション202では、基板1上の全域に硬化性組成物を塗布するために基板保持部2はXY方向に移動できるよう構成される。
【0099】
さらに、第1ステーション201と第2ステーション202の間で基板1を受け渡し搬送できるように基板搬送部3が配置される。また、基板格納部から基板1を取り出し、第2ステーション202の基板保持部2に基板1を搬送する搬送部は、基板搬送部3とは別の基板搬送部9として構成してもよい。また、第1ステーション201の基板保持台10の上から平坦化済みの基板1を回収して基板格納部に戻す搬送部は、基板搬送部3と基板搬送部9とは別の基板搬送部(不図示)として構成してもよい。
【0100】
また、
図9で示した平坦化装置200では、基板1もしくは型板4のXY方向の位置(面方向の位置)を計測するための計測器11は、第2ステーション202に配置される。
【0101】
この平坦化装置200を用いた平坦化処理の流れとしては、基板搬送部9によって第2ステーション202に搬送された基板1を基板保持部2に保持させ、計測器11を用いて基板1の位置を計測し、組成物塗布部8を用いて基板1上に硬化性組成物を塗布する。そののち、基板搬送部3によって基板1を第1ステーション201に搬送し、基板保持台10で基板1を保持させる。その後は、
図1を用いて上記説明したように平坦化処理を行う。
【0102】
次に、
図9で示した平坦化装置200において、型板4と基板1のXY方向の位置を合わせる方法について説明する。まず、基板保持台10および基板保持部2の上に基板1も型板4も載っていない状態にする。次に、基板格納部から基板1を取り出し、型板搬送部6を経由して型板保持部5に基板1が保持される。そののち、型板保持部5を基板保持台10に接近させ、基板保持台10に基板1を受け渡す。基板搬送部3によって基板保持台10上の基板1が取得されたら、基板搬送部3を第2ステーション202に移動し、基板保持部2の上に基板1を搬入および保持させる。そして、基板保持部2のXY方向の移動と計測器11による計測を複数回行うことで、基板保持部2上の基板1の位置を特定する。
【0103】
なお上記では、位置ずれを特定するための板として基板1を用いて説明したが、これに限らず、型板4を用いて上記一連の工程を実施してもよい。すなわち、型板搬送部6で型板4を型板保持部5に搬入して、この型板4を基板保持台10に受け渡したのちに型板4の位置を計測してもよい。
【0104】
上記で特定された第2ステーション202の基板保持部2上の基板1の位置と基準位置との差分は、第1ステーション201において型板4と基板1を接触させて平坦化処理を行う際の基板1に対する型板4のXY方向の位置のずれと等価である。
【0105】
従って、型板4を型板保持部5に取り付ける際の型板搬送部6のXY位置を上記位置ずれが無くなる位置に調整することで、型板保持部5上の型板4を正しい位置(平坦化時の基板1のXY位置と合う位置)に保持させることができる。あるいは、基板保持台10に基板1を保持させる際の基板搬送部3のXY位置を調整し、基板保持台10上の基板1のXY位置を補正する事で平坦化処理時の型板4と基板1のXY位置を合わせても良い。
【0106】
上記の基準位置、すなわち、第1ステーション201の型板保持部5から第2ステーション202の基板保持部2に搬送および受け渡された上記基板1もしくは型板4の位置のずれを求めるための基準位置は、第2ステーション202を用いて決定される。
【0107】
基準位置を決定する方法は、基板搬送部9から第2ステーション202の基板保持部2に基板1を搬入および保持させ、基板保持部2のXY移動と計測器11による計測によって、基板保持部2に保持させた基板1のXY位置を特定する。ここで特定された基板1のXY位置が基準位置となる。
【0108】
以上によれば平坦化処理を実施するための第1ステーション201と、基板1の上に硬化性組成物を塗布するための第2ステーション202に分かれた構成であっても、型板と基板上の硬化性組成物を接触させる際の重ね合わせの精度を向上させることができる。
【0109】
<物品製造方法の実施形態>
次に、前述の平坦化装置を利用した物品(半導体IC素子、液晶表示素子、カラーフィルタ、MEMS等)の製造方法を説明する。当該製造方法は、前述の平坦化装置を使用して、基板(ウエハ、ガラス基板等)に配置された組成物と型を接触させて組成物を平坦化する工程と、組成物を硬化させる工程と、組成物と型とを離す工程とを含む。これにより基板の上に平坦化膜が形成される。そして、平坦化膜が形成された基板に対して、リソグラフィ装置を用いてパターンを形成するなどの処理を行い、処理された基板を他の周知の加工工程で処理することにより、物品が製造される。他の周知の工程には、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等が含まれる。本製造方法によれば、従来よりも高品位の物品を製造することができる。
【0110】
<その他の実施形態>
以上、本発明を適用した平坦化装置および平坦化方法について述べた。本発明によれば、基板と型板を接触させ基板上の硬化性組成物を平坦化する際の基板と型板のXY方向の位置(面方向の位置)を合わせることができ、外周部にわたって基板の全面を平坦化可能な平坦化装置を提供することができる。
【0111】
また、平坦化処理時の基板と型板のXY方向の位置(面方向の位置)を合わせる方法として、複数の方法および複数の平坦化装置を用いて個々に説明を記載したが、いずれか1つに限定するものではなく、必要に応じてそれらを組み合わせて使用しても良い。本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【0112】
本発明は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1つ以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0113】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで前記基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化装置であって、
前記基板または前記型板を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記基板または前記型板を保持する第1保持部と、
前記第1保持部に保持された前記基板または前記型板を前記第1保持部から受け取る第2保持部と、
前記第2保持部によって保持された前記基板または前記型板の面方向の位置を計測する計測器と、
前記計測器によって計測された前記位置の基準位置から位置ずれの量を求める制御部と、を有することを特徴とする平坦化装置。
【0114】
(構成2)
前記第1保持部は、前記平坦化処理において前記型板を保持する型板保持部であって、
前記第2保持部は、前記平坦化処理において前記基板を保持する基板保持部であることを特徴とする構成1に記載の平坦化装置。
【0115】
(構成3)
前記第1保持部は、前記平坦化処理において前記基板を保持する基板保持部であって、
前記第2保持部は、前記平坦化処理において前記型板を保持する型板保持部であることを特徴とする構成1に記載の平坦化装置。
【0116】
(構成4)
前記制御部は、前記位置ずれの量に基づいて、前記平坦化処理における前記型板保持部、前記基板保持部、前記型板保持部に保持される前記型板、および前記基板保持部に保持される前記基板の少なくとも一つの前記面方向の位置の調整を行うことを特徴とする構成2または3に記載の平坦化装置。
【0117】
(構成5)
前記制御部は、前記硬化性組成物を塗布した前記基板表面に前記型板の前記平坦面を接触させる前に、前記型板と前記基板の前記面方向の位置が合うように、前記調整を行うことを特徴とする構成4に記載の平坦化装置。
【0118】
(構成6)
前記平坦化処理において前記型板を搬送する型板搬送部を有し、
前記制御部は、前記平坦化処理における前記型板保持部に保持される前記型板の前記面方向の位置の調整を、前記型板搬送部から前記型板保持部に前記型板を保持させる際の前記型板搬送部の前記面方向の位置を調整することにより行うことを特徴とする構成4または5に記載の平坦化装置。
【0119】
(構成7)
前記制御部は、複数枚の前記基板に対して同一条件のもとに前記平坦化処理を実施する場合に、前記複数枚のうち1枚目として前記平坦化処理が行われる第1基板への前記平坦化処理を実施する前に、前記位置ずれの量を求めることを特徴とする構成4乃至6の一つに記載の平坦化装置。
【0120】
(構成8)
前記基準位置は、前記平坦化処理において、前記基板保持部に前記基板を搬送した後に、前記計測器を用いて計測された前記基板保持部に保持された前記基板の前記面方向の位置であることを特徴とする構成2に記載の平坦化装置。
【0121】
(構成9)
前記基準位置は、前記平坦化処理において、前記型板保持部に前記型板を搬送した後に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置であることを特徴とする構成3に記載の平坦化装置。
【0122】
(構成10)
前記計測器は、前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置を計測し、
前記制御部は、前記平坦化処理において、前記型板を保持した前記型板保持部と前記基板保持部とが所定の距離よりも離れた遠距離位置にある際の前記型板の前記面方向の位置と、前記型板を保持した前記型板保持部と前記基板保持部とが前記所定の距離よりも近づいた近距離位置にある際の前記型板の前記面方向の位置とを前記計測器に計測させ、前記計測器の計測結果に基づいて、前記型板と前記基板上の前記硬化性組成物を接触させる際の前記型板保持部の前記面方向の位置ずれの量をさらに求めることを特徴とする構成2に記載の平坦化装置。
【0123】
(構成11)
前記制御部は、前記型板保持部から前記基板保持部に受け渡した前記基板または前記型板の前記位置ずれの量と、前記型板保持部を前記基板保持部に近づかせた際の前記型板保持部の前記位置ずれの量の差分を求め、前記差分を用いて前記型板保持部に前記型板を取り付ける際の面方向の位置を調整し、前記型板保持部の前記位置ずれの量を用いて前記型板と前記基板を接触させる際の前記基板保持部の前記面方向の位置を調整し、
前記基準位置は、前記平坦化処理において、前記型板保持部に前記型板を搬送した後に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置であることを特徴とする構成2に記載の平坦化装置。
【0124】
(構成12)
硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化装置であって、
前記型板を保持する型板保持部と、
前記基板を保持する基板保持部と、
前記型板の面方向の位置を計測する計測器と、
前記計測器によって計測された前記型板の前記位置の基準位置から位置ずれの量を求め、前記位置ずれの量に基づいて、前記型板保持部および前記基板保持部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記型板保持部から前記型板を受けとるための第1位置に前記基板保持部を移動させ、前記型板を前記型板保持部から前記基板保持部に受け渡させ、前記型板を前記型板保持部に受け渡すための第2位置に前記基板保持部を移動させ、前記基板保持部に保持された前記型板を前記型板保持部に受け渡させることで、前記位置ずれの補正を行うこと特徴とする平坦化装置。
【0125】
(構成13)
前記計測器は、前記型板保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置を計測し、
前記第1位置は、前記型板保持部に保持された前記型板の面方向の位置が前記基板保持部と合う位置であり、
前記第2位置は、前記基板保持部に保持された前記型板の面方向の位置が前記型板の基準位置と合う位置であることを特徴とする構成12に記載の平坦化装置。
【0126】
(構成14)
前記基準位置は、前記型板保持部に前記型板を保持させた後であって、前記型板を前記平坦化処理に使用する前に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部に保持された前記型板の面方向の位置、または前記型板保持部に前記型板が保持されていない状態で、前記基板保持部上の前記基板を前記型板保持部に受け渡した後に、前記計測器を用いて計測された前記型板保持部上の前記基板の面方向の位置であることを特徴とする構成13に記載の平坦化装置。
【0127】
(構成15)
前記計測器は、前記基板保持部に保持部に保持された前記型板の前記面方向の位置を計測し、
前記第1位置は、前記型板保持部と前記基板保持部とが位置合う位置であり、
前記第2位置は、前記基板保持部に保持された前記型板の面方向の位置が基準位置に合う位置であることを特徴とする構成12に記載の平坦化装置。
【0128】
(構成16)
前記基準位置は、前記基板保持部に基板を保持させた後に、前記基板への前記平坦化処理が実施される前に、前記計測器を用いて計測された前記基板保持部上の前記基板の面方向の位置、または、基板保持部に基板が保持されていない状態で、前記型板保持部に前記型板を保持させ、前記型板を基板保持部に受け渡させた後に、前記計測器を用いて計測された前記基板保持部上の前記型板の面方向の位置であることを特徴とする構成15に記載の平坦化装置。
【0129】
(方法1)
硬化性組成物を塗布した基板の表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで前記基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化方法であって、
前記基板または前記型板を搬送し、
搬送された前記基板または前記型板を第1保持部によって保持し、
前記第1保持部に保持された前記基板または前記型板を前記第1保持部から第2保持部へ受け渡し、
前記第2保持部によって保持された前記基板または前記型板の面方向の位置を計測し、
計測された前記位置の基準位置から位置ずれの量を求めることを特徴とする平坦化方法。
【0130】
(方法2)
硬化性組成物を塗布した基板表面に型板の平坦面を接触させた後に前記硬化性組成物を硬化することで基板の表面に平坦面を形成する平坦化処理を行う平坦化方法であって、
前記型板を型板保持部によって保持し、
前記基板を基板保持部によって保持し、
前記型板の面方向の位置を計測し、
計測された前記型板の前記位置の基準位置から位置ずれの量を求め、前記位置ずれの量に基づいて、前記型板保持部および前記基板保持部を制御し、
前記制御は、前記型板保持部から前記型板を受けとるための第1位置に前記基板保持部を移動し、前記型板を前記型板保持部から前記基板保持部に受け渡し、前記型板を前記型板保持部に受け渡すための第2位置に前記基板保持部を移動し、前記基板保持部に保持された前記型板を前記型板保持部に受け渡すことで、前記位置ずれの補正を行うこと特徴とする平坦化方法。
【0131】
(方法3)
構成1乃至16のいずれか一つに記載の平坦化装置を用いて基板の上に平坦化膜を形成する工程と、
前記平坦化膜が形成された前記基板を加工する工程と、を有し、前記加工された基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
【符号の説明】
【0132】
1 基板
2 基板保持部
4 型板
5 型板保持部
11 計測器
12 計測部
13 制御部
100,200 平坦化装置