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特開2024-180006電子カルテシステム、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180006
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電子カルテシステム、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20241219BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099405
(22)【出願日】2023-06-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】309026624
【氏名又は名称】株式会社ユカリア
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】新村 和久
(72)【発明者】
【氏名】藤倉 将平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】医療従事者による客観的な患者のQOLを評価し、医療の質の向上に繋げること。
【解決手段】医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを入力する入力部と、入力部で入力された患者の評価またはコミュニケーションを言語処理する言語処理部と、言語処理部の処理結果を用いて、患者のQOL(Quality of Life)を数値化する数値化部と、を備えた電子カルテシステムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを入力する入力部と、
前記入力部で入力された前記患者の評価または前記コミュニケーションを言語処理する言語処理部と、
前記言語処理部の処理結果を用いて、患者のQOL(Quality of Life)を数値化する数値化部と、
を備えた電子カルテシステム。
【請求項2】
さらに、数値化された前記QOLの変化に応じて、医療従事者に対して報知を行う報知部を備えた請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項3】
前記報知部は、前記QOLの変化と診療関連情報とに基づいた報知を、医療従事者に対して行う請求項2に記載の電子カルテシステム。
【請求項4】
前記診療関連情報は、投薬内容、患者のバイタル、食事内容、治療内容、手術内容、認知症スコア、通院内容、入院内容、入院日数および病室情報の少なくとも1つを含む請求項3に記載の電子カルテシステム。
【請求項5】
前記数値化部は、前記言語処理部の処理結果および患者のバイタルを用いて患者のQOLを数値化する請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項6】
前記入力部から入力されるデータは、文書データ、音声データおよび映像データの少なくとも1つを含む請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項7】
前記入力部から入力されるデータは、医療機関内で発生したデータおよび前記医療機関外で発生したデータの少なくともいずれかを含む請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項8】
前記入力部および前記報知部の少なくともいずれかは、前記医療従事者が使用する端末またはベッドサイド端末が備える請求項2に記載の電子カルテシステム。
【請求項9】
医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを言語処理する言語処理部と、
前記言語処理部の処理結果を用いて、患者のQOLを数値化する数値化部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項10】
言語処理部が、医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを言語処理する言語処理ステップと、
数値化部が、前記言語処理ステップの処理結果を用いて、患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを言語処理する言語処理ステップと、
前記言語処理ステップの処理結果を用いて、患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテシステム、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、非特許文献1には、EQ-5D-5L(EuroQol-5 dimensions-5 level、非特許文献2参照)に基づいて闘病記ブログのテキストデータを言語処理して、患者のQOL(Quality of Life)を評価する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Shinichi, Matsuda. et al. (2021), "Incorporating Unstructured Patient Narratives and Health Insurance Claims Data in Pharmacovigilance: Natural Language Processing Analysis of Patient-Generated Texts About Systemic Lupus Erythematosus", Journal of Medical Interest Resarch, 7(6). doi: 10.2196/29238
【非特許文献2】池田等、「日本語版EQ-5D-5Lにおけるスコアリング法の開発」、保健医療科学 2015 Vol.64 No.1 p.47-55
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術は、患者の主観的な報告である闘病記ブログに基づく評価であり、客観的な患者QOL評価ではなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、
医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを入力する入力部と、
前記入力部で入力された前記患者の評価または前記コミュニケーションを言語処理する言語処理部と、
前記言語処理部の処理結果を用いて、患者のQOL(Quality of Life)を数値化する数値化部と、
を備えた電子カルテシステム。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを言語処理する言語処理部と、
前記言語処理部の処理結果を用いて、患者のQOLを数値化する数値化部と、
を備えた情報処理装置である。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
言語処理部が、医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを言語処理する言語処理ステップと、
数値化部が、前記言語処理ステップの処理結果を用いて、患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
を含む情報処理方法である。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを言語処理する言語処理ステップと、
前記言語処理ステップの処理結果を用いて、患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、医療従事者による客観的な患者QOL評価を用いて、医療の質の向上に繋げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る電子カルテシステムの構成を示すブロック図である。
図2】第2実施形態に係る電子カルテシステムの動作概要を説明する図である。
図3】第2実施形態に係る電子カルテシステムの構成を示すブロック図である。
図4】第2実施形態に係る電子カルテシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
図5】第2実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図6A】第2実施形態に係る言語処理部の構成を示すブロック図である。
図6B】第2実施形態に係る言語処理の学習モデルの生成手順を示す図である。
図6C】第2実施形態に係る言語処理部の処理概要を示す図である。
図6D】第2実施形態に係る言語処理部の処理結果を示す図である。
図6E】第2実施形態に係る言語処理部の処理精度の評価を示す図である。
図7A】第2実施形態に係る数値化部の構成を示すブロック図である。
図7B】第2実施形態に係るスコア換算表の一例を示すブロック図である。
図8A】第2実施形態に係る報知部の構成を示すブロック図である。
図8B】第2実施形態に係る報知部における表示例を示す図である。
図8C】第2実施形態に係る報知部における他の表示例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図10】第3実施形態に係る電子カルテシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
図11】第4実施形態に係る電子カルテシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
図12】第5実施形態に係る電子カルテシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
図13】第6実施形態に係る電子カルテシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
図14】他の実施形態に係る報知部における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての電子カルテシステム100について、図1を用いて説明する。電子カルテシステム100は、医療従事者による患者のQOLを評価するシステムである。
【0014】
図1に示すように、電子カルテシステム100は、入力部101と、言語処理部102と、数値化部103と、を含む。入力部101は、医療従事者による患者の評価111または医療従事者と患者との間のコミュニケーション112を入力する。言語処理部102は、入力部101で入力された患者の評価111またはコミュニケーション112を言語処理する。数値化部103は、言語処理部102の処理結果121を用いて、患者131のQOL132を数値化する。
【0015】
本実施形態によれば、医療従事者による客観的な患者QOL評価を用いて、医療の質の向上に繋げることことができる。
【0016】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電子カルテシステム200について説明する。本実施形態に係る電子カルテシステム200は、入力された医療従事者による患者の評価または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを記載した、医療機関内で発生した文書データを言語処理し、言語処理結果を用いて、患者のQOLを数値化する。そして、数値化されたQOLの変化に応じて、医療従事者に対して報知を行う。また、QOLの変化と診療関連情報である、投薬内容、患者のバイタル、食事内容、治療内容、手術内容、認知症スコア、通院内容、入院内容、入院日数および病室情報の少なくとも1つを含む情報とに応じて、医療従事者に対して報知を行う。または、言語処理結果および患者のバイタルを用いて患者のQOLを数値化する。なお、医療情報の入力およびQOLスコアの報知の少なくともいずれかは、医療従事者が使用する端末またはベッドサイド端末から行われる。
【0017】
<電子カルテシステム>
以下図2から図4を参照して、本実施形態の電子カルテシステム200について説明する。
【0018】
(動作概要)
図2は、本実施形態に係る電子カルテシステム200の動作概要を説明する図である。
【0019】
電子カルテシステム200において、医師端末230から表示画面231において、QOLスコアを算出したい患者IDおよび診療科などを入力する。さらに、オプションとして、QOLスコアの表示モードとして、算出した患者のQOL値を出力するか/患者のQOL履歴からQOL変化を例えばグラフなどで出力するかを選択する。
【0020】
情報処理装置210は、医師端末230からの対象患者のQOL算出要求を受けて、対象患者に対応する電子カルテなどの診療情報を診療情報データベース220から読み出し、診療情報の言語処理を行ってEQ-5D-5Lに当てはめてQOLスコアを生成する。そして、対象患者に対応して算出したQOLスコアを医師端末230に提示する。
【0021】
医師端末230の表示画面232は、表示モードとして患者のQOL値が選択された場合の表示例であり、また、表示画面233は、表示モードとして患者のQOL変化が選択された場合の表示例である。
【0022】
(構成)
図3は、本実施形態に係る電子カルテシステム200の構成を示すブロック図である。なお、
【0023】
電子カルテシステム200は、ネットワーク350を介して互いに通信する、情報処理装置210と、診療情報データベース220と、医師端末230と、患者管理システム340と、を備える。
【0024】
情報処理装置210は、本実施形態において診療情報データベース220に蓄積された診療情報に基づいて、各患者のQOLスコアを算出する装置である。診療情報データベース220は、医師端末230から入力された電子カルテの情報や他の診療関連情報を蓄積する。医師端末230は、医師が電子カルテを入力したり、各患者のQOLスコアを観察(監視)したりする端末である。なお、診療情報は、看護し看護師が携帯する看護師端末や他の医療従事者から入力されてもよい。また、各患者のベッドに配置されたベッドサイド端末から入力されてもよい。患者管理システム340は、患者ごとに診療情報および診療関連情報を管理するためのシステムであり、既存のシステムが使用される。なお、投薬内容、患者のバイタル、食事内容、治療内容、手術内容、認知症スコア、通院内容、入院内容、入院日数および病室情報などを含む。
【0025】
(動作シーケンス)
図4は、本実施形態に係る電子カルテシステム200の動作手順を示すシーケンス図である。本実施形態の電子カルテシステム200においては、電子カルテ生成機能410とQOLスコア算出機能430とを備える。
【0026】
電子カルテ生成機能410においては、ステップS411において、医師端末230から患者管理システム340に患者情報の閲覧を要求する。患者管理システム340は、ステップS413において、診療情報データベース220に蓄積された診療情報の取得を要求し、ステップS415において、対象患者の患者情報を取得する。そして、患者管理システム340は、ステップS417において、取得した患者情報を医師端末230に表示させる。
【0027】
また、ステップS421において、医師端末230から患者管理システム340に患者情報に対応する診療情報の入力を要求する。患者管理システム340は、ステップS423において、診療情報データベース220に対象患者の診療情報の更新を要求し、ステップS425において、対象患者の患者情報の更新結果を取得する。そして、患者管理システム340は、ステップS427において、更新結果の確認を医師端末230に報知させる。
【0028】
QOLスコア算出機能430においては、ステップS431において、医師端末230から情報処理装置210に対象患者の患者情報に基づくQOLスコアの算出を指示する。QOLスコア算出機能を有する情報処理装置210は、ステップS433において、診療情報データベース220に蓄積された対象患者の診療情報の取得を要求し、ステップS435において、対象患者の診療情報を取得する。そして、情報処理装置210は、ステップS436において、対象患者の診療情報に対して言語処理を行い、言語処理結果をEQ-5D-5Lに対応させることによってQOLスコアを生成し、ステップS437において、患者管理システム340に算出したQOLスコアを通知する。患者管理システム340は、ステップS439において、対象患者のQOLスコアを医師端末230に報知させる。
【0029】
<情報処理装置の構成>
図5は、本実施形態に係る情報処理装置210の構成を示すブロック図である。
【0030】
情報処理装置210は、通信制御部501と、診療情報取得部502と、言語処理部503と、データベース504と、数値化部505と、QOL出力部506と、を備える。
【0031】
通信制御部501は、情報処理装置210と、診療情報データベース220と、患者管理システム340および医師端末230との通信を制御する。診療情報取得部502は、診療情報テーブル521を有し、診療情報データベース220から対象患者の診療情報を読み出す。言語処理部503は、言語処理テーブル531を有し、診療情報取得部502が取得した対象患者の診療情報に基づいて、例えば、診療情報を教師データとしてBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)事前学習モデルをファインチューニングした文章抽出器を活用して診療情報に含まれる文章の言語処理をしてQOLスコア算出に用いられる言葉を抽出する。
【0032】
データベース504は、言語処理部503が使用する言語処理用データ541と、数値化部505が使用する数値化用データ542と、生成されたQOLスコアデータ543と、を格納する。なお、数値化用データ542には、スコア換算表が含まれる。
【0033】
数値化部505は、数値化テーブル551を有し、スコア換算表を含む数値化用データ542を用いて対象患者の各項目のQOLスコアを算出して、患者のQOLスコアに換算する。患者のQOLスコアは、データベース504のQOLスコアデータ543に患者IDに対応付けて蓄積される。QOL出力部506は、出力生成テーブル561を有し、患者のQOLスコアにより表示モードの指定に従って画面を生成して、医師端末230に出力する。
【0034】
(言語処理部)
図6Aは、本実施形態に係る言語処理部503の構成を示すブロック図である。
【0035】
言語処理部503は、学習モデルファインチューニング部601と、BERT事前学習モデル611をファインチューニングした文章抽出器602と、設問項目スコア化部603と、を有する。学習モデルファインチューニング部601は、診療情報から選択された教師データ610に基づいてBERT事前学習モデル611をファインチューニングする。なお、本実施形態においては、教師データ610としてアノテーションされた診療情報と、データ拡張により生成された診療情報とを含むが、それらに限定されるものではない。文章抽出器602には、診療情報取得部502が取得した診療情報が入力され、BERT事前学習モデル611をファインチューニングした文章抽出器602を用いて、EQ-5D-5Lの各設問項目に関連する文章を抽出する。設問項目スコア化部603は、EQ-5D-5Lの各設問項目に関連する文章に基づいて、各設問項目の設問項目スコア630を判定して、数値化部505に出力する。なお、本実施形態においては、言語処理部503が設問項目スコア化部603を有して診療情報から設問項目スコア630を出力する構成として説明したが、言語処理部503はEQ-5D-5Lの各設問項目に関連する文章を数値化部505に出力し、数値化部505が設問項目スコア化部603を有する構成であってもよい。
【0036】
図6Bは、本実施形態に係る言語処理の学習モデルのチューニング手順を示す図である。
【0037】
事前検討ステップ:電子カルテデータベースより、医師所見や看護記録について文章の内容分析およびテキストマイニング用の解析ソフト(例えば、KHCoder)を用いて文章を抽出後にリストを作成し、EQ-5D-5L(日本語版)質問紙621を踏まえて66個のキーワードを設定し、患者ごとに1月平均のキーワード出現頻度を算出した。そして、出現頻度により29個のキーワードを学習モデルの教師データを選定するために設定した。
【0038】
ファインチューニングステップ:
(S601):設定した29個のキーワードに基づき、診療情報622から学習モデルをファインチューニングするための教師データとなるテキストを抽出する。
(S602):抽出されたテキストに対してアノテーション(タグやメタデータの付与)を施し、学習用データと検証用データとを含む教師データ623を生成する。
(S603):抽出されたテキストに対して大規模言語モデル(例えば、GPT-3.5)を活用してデータ拡張した学習用データ624を生成する。なお、データ拡張した学習用データ624には、否定語対応を含めた学習データが含まれる。
(S604):教師データ623の学習用データおよびデータ拡張した学習用データ624を教師データとしてBERT事前学習モデル611のファインチューニングを実行する。
(S605):教師データ623の検証用データを用いながら、BERT事前学習モデル611をファインチューニングした文章抽出器602の処理を検証する。
【0039】
図6Cは、本実施形態に係る言語処理部503の処理概要を示す図である。
【0040】
BERT事前学習モデルを活用した文章抽出器602においては、対象患者の診療情報620が入力されてEQ-5D-5L質問紙621の各設問項目のスコア化に必要な文章が抽出される。なお、EQ-5D-5L質問紙621の各設問項目は、5つの次元(Dimension):移動の程度、身の周りの管理、ふだんの活動、痛み/不快感、不安/ふさぎ込、と5つの段階(Level):各次元にスコア1~5(1が問題ない/5が大きな問題あり)があり、抽出されたキーワードに関連深い次元と段階とが選定される。そして、各次元の設問項目スコア630が出力される。
【0041】
図6Dは、本実施形態に係る言語処理部503の処理結果を示す図である。
【0042】
入力された診療情報620の文章が言語処理部503に入力されると、抽出された文章および設問項目スコア630として、「移動の速度」は“スコア3”←抽出文‘歩行器で歩行できていたが’+‘困難で’、「ふだんの活動」は“スコア4”←抽出文‘ゆっくり良く噛んで’、が出力される。
【0043】
図6Eは、本実施形態に係る言語処理部503の処理精度の評価を示す図である。
【0044】
図6Eでは、言語処理部503の処理精度について、EQ-5Dの項目ごとに正解率(accuracy)、適合率(precision)、再現率(recall)、f1-scoreなどの評価指標で評価している。評価640は、各設問項目を1つの基準で評価した結果であり、評価650は、問題ない(QOLスコアが低い)場合の精度(“A”で示す。例えば、スコア“1”)と、問題あり(QOLスコアが高い。例えば、スコア“2~5”)の場合の精度(“B”で示す)と、を分けた場合であり、問題ない(QOLスコアが低い)場合の精度は資料が少ないため精度が低くなっているが、問題あり(QOLスコアが高い)の場合の精度は十分な値である。
【0045】
言語処理部503の処理精度としては、スコアに関わらず判定ができるか、特に、スコアが“1”とそれ以外“2~5”を区別できるかが1つの指標となる。図6Eの評価640および評価650によれば、5との設定項目に含まれるか否かは高精度に判定できており、例えば、「移動の程度」や「痛み/不快感」の設問項目においてはf1-scoreが0.6以上になっており、十分な精度である。
【0046】
(数値化部)
図7Aは、本実施形態に係る数値化部505の構成を示すブロック図である。
【0047】
数値化部505は、EQ-5D-5L設問スコア取得部701と、スコア換算部702とを有する。EQ-5D-5L設問スコア取得部701は、言語処理部503から出力された設問項目のスコアを取得する。スコア換算部702は、スコア換算表721を有し、5つの設問項目のスコアの組を1つのスコアに換算する。なお、前述したように、数値化部505が設問項目スコア化部603を有する構成であってもよい。また、スコア換算部702は、スコア換算表721を用いた各設問項目のスコアを設問項目全体のスコアに換算すると共に、言語処理部の処理結果および患者のバイタルなどを用いて患者のQOLを数値化する処理を行ってもよい。
【0048】
図7Bは、本実施形態に係るスコア換算表721の一例を示すブロック図である。
【0049】
図7Bにおいて、「状態」が5つの設問項目(5D)のスコアを並べた値であり、「スコア」が換算後のスコアである。スコア換算表を用いることでEQ-5D-5Lの5項目の総合評価の変遷も可視化することができる。
【0050】
(報知部)
図8Aは、本実施形態に係る報知部800の構成を示すブロック図である。
【0051】
報知部800は、情報処理装置210のQOL出力部506と、医師端末230と、の組により実現する。なお、QOL出力部506には、数値化部505からのQOLスコアと共に診療関連情報も入力されて、出力画面が生成される。診療関連情報としては、薬内容、患者のバイタル、食事内容、治療内容、手術内容、認知症スコア、通院内容、入院内容、入院日数および病室情報の少なくとも1つが含まれる。
【0052】
図8Bは、本実施形態に係る報知部800における表示例833を示す図である。図8Bは、数値化部505で数値化されたQOLスコアをそのまま提示した例である。
【0053】
図8Cは、本実施形態に係る報知部800における他の表示例を示す図である。図8Cは、患者の履歴を診療情報データベース220から読み出して、算出されたQOLスコアを特定の項目(図8Cでは「不安/ふさぎこみ」の項目)についてのQOL変化を、診療関連情報(図8Cでは「手術」、「投薬」)と重ねて提示したものであり、医師がQOL変化の原因や診療の効果などを分析することを支援できる。すなわち、EQ-5D-5Lの項目ごとに、例えば薬剤介入などの前後比較が可能となる。
【0054】
<情報処理装置の処理手順>
図9は、本実施形態に係る情報処理装置210の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、情報処理装置210が有するCPU(Central Processing Unit)がRAM(Random Access Memory)を使用して実行し、図5の構成要素を実現する。
【0055】
情報処理装置210は、ステップS901において、言語処理部503のBERT事前学習モデル611のファインチューニング処理を実行する。BERT事前学習モデル611のファインチューニング処理については、図6Bで詳説した。情報処理装置210は、ステップS903において、BERT事前学習モデル611のファインチューニングが完了したか否かを判定し、完了してなければステップS901に戻ってファインチューニングを継続する。なお、ファインチューニングの完了は、BERT事前学習モデル611をファインチューニングした文章抽出器602に検証用データ(図6B参照)を入力し、その出力結果の精度を検証することで行われる。
【0056】
BERT事前学習モデル611のファインチューニングが完了すると、情報処理装置210は、ステップS905において、診療情報データベース220から対象患者の電子カルテを含む診療情報を取得する。情報処理装置210は、ステップS907において、言語処理部503のBERT事前学習モデル611を活用して、取得した診療情報に基づき、EQ-5D-5Lにおける各設問項目に関連する文章を抽出する。そして、情報処理装置210は、ステップS908において、各設問項目に関連する文章に基づき、EQ-5D-5L質問紙621に対応した設問項目スコアを判定する。情報処理装置210は、ステップS909において、数値化部505により設問項目スコアを、スコア換算表721を用いて各患者のQOLスコアに換算する。そして、情報処理装置210は、ステップS911において、診療情報データベース220に対して各患者に対応付けてQOLスコアを蓄積する。
【0057】
情報処理装置210は、ステップS913において、QOLの閲覧要求における提示形式の選択を判定する。QOLの閲覧要求における提示形式がQOL数値の出力であれば、情報処理装置210は、ステップS915において、QOL出力部506からQOL数値および/または統計値を出力する。一方、QOLの閲覧要求における提示形式がQOL変化の出力であれば、情報処理装置210は、ステップS917において、QOL出力部506でQOL履歴からQOL変化のグラフを生成して出力する。
【0058】
本実施形態によれば、医療従事者による客観的な患者のQOLを評価し、医療の質の向上に繋げることができる。すなわち、医師は各患者の客観的な各患者のQOLスコアあるいはQOLスコアの変化を監視することができるため、QOLの向上に務めることができる。さらに、QOLスコアの変化を、診療関連情報として、投薬内容、患者のバイタル、食事内容、治療内容、手術内容、認知症スコア、通院内容、入院内容、入院日数および病室情報などのタイミングと重ねて監視できるので、QOLの低下の原因分析や診療行為のQOLへの影響分析をすることができる。
【0059】
すなわち、本実施形態においては、文脈を考慮した分散表現が得られるBERTの日本語事前学習モデルに診療記録の活用によるファインチューニングを行うことで、価値付け型尺度の一種であるEQ-5D-5Lの判定を自動で行うアルゴリズムを作成し、医療技術の経済評価に資する回顧的なQOL値の算出を試行する。そのため、本実施形態によれば、診療記録から自然言語処理により精度よくQOL測定が可能となり、治療の効果検証に役立つことが期待される。そして、精度のよいQOLは、費用対効果分析に用いる効果指標である質調整生存年(QALY:Quality-Adjusted Life Year)の精度もよくする。
【0060】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る電子カルテシステムについて説明する。本実施形態に係る電子カルテシステムは、上記第2実施形態と比べると、ベッドサイド端末から診療情報を取得あるいはQOLスコアを報知する点で異なる。すなわち、医療情報を入力する入力部およびQOLスコアを報知する報知部の少なくともいずれかは、医療従事者が使用する端末の他にベッドサイド端末が備えている。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0061】
<電子カルテシステムの動作シーケンス>
図10は、本実施形態に係る電子カルテシステム1000の動作手順を示すシーケンス図である。電子カルテシステム1000は、ベッドサイド端末1030と、ベッドサイド端末1030からの患者の測定情報(バイタル)も蓄積する診療情報データベース1020と、診療情報データベース1020のベッドサイド端末からの患者の測定情報(バイタル)も用いてQOLスコアを算出する情報処理装置1010と、を備える。
【0062】
ベッドサイド端末機能1031として、次の処理を行う。ステップS1031において、ベッドサイド端末1030を用いた測定値登録の要求があると、患者管理システム340は、ステップS1033において、診療情報データベース1020に測定値の更新を要求する。患者管理システム340は、ステップS1035において、診療情報データベース1020から更新結果を取得し、ステップS1037において、更新結果の確認をベッドサイド端末1030に通知する。
【0063】
また、ステップS1041において、ベッドサイド端末1030を用いた検査結果閲覧の要求があると、患者管理システム340は、ステップS1043において、診療情報データベース1020に検査結果の取得を要求する。患者管理システム340は、ステップS1045において、診療情報データベース1020から検査結果を取得し、ステップS1047において、検査結果の確認をベッドサイド端末1030に通知する。
【0064】
なお、QOLスコア算出機能430では、ベッドサイド端末1030からのQOL算出指示およびベッドサイド端末1030への患者のQOLスコア報知が行われる。
【0065】
本実施形態によれば、ベッドサイド端末からの診療情報の収集、および、ベッドサイド端末へのQOLスコアの報知が可能となる。
【0066】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る電子カルテシステムについて説明する。本実施形態に係る電子カルテシステムは、上記第2実施形態および第3実施形態と比べると、在宅診療情報をQOLスコアに反映させる点で異なる。すなわち、医療機関外で発生したデータについても、診療情報としてQOLスコアの算出をすることができる。その他の構成および動作は、第2実施形態、第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0067】
<電子カルテシステムの動作シーケンス>
図11は、本実施形態に係る電子カルテシステム1100の動作手順を示すシーケンス図である。電子カルテシステム1100は、在宅診療の診療情報も蓄積する診療情報データベース1120と、診療情報データベース1120の在宅診療の診療情報も用いてQOLスコアを算出する情報処理装置1110と、を備える。
【0068】
在宅診療機能1150として、次の処理を行う。ステップS1151において、在宅診療情報の入力要求があると、患者管理システム340は、ステップS1153において、診療情報データベース1120に在宅診療情報の更新を要求する。患者管理システム340は、ステップS1155において、診療情報データベース1120から在宅診療情報を取得し、ステップS1157において、在宅診療情報を医師端末230に通知する。
【0069】
なお、QOLスコア算出機能430では、診療情報データベース1120に蓄積された在宅診療情報も用いて患者のQOLスコア算出が行われる。
【0070】
本実施形態によれば、在宅診療の医療情報からも患者の客観的なQOLスコアの算出ができるので、在宅医療の質の向上に繋げることができる。
【0071】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る電子カルテシステムについて説明する。本実施形態に係る電子カルテシステムは、上記第2実施形態から第4実施形態と比べると、診療中の音声データをQOLスコアに反映させる点で異なる。その他の構成および動作は、第2~第4実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0072】
<電子カルテシステムの動作シーケンス>
図12は、本実施形態に係る電子カルテシステム1200の動作手順を示すシーケンス図である。電子カルテシステム1200は、診療情報を音声情報としても蓄積する診療情報データベース1220と、診療情報データベース1220の音声の診療情報に対し音声処理を行って、音声処理結果を用いてQOLスコアを算出する情報処理装置1210と、を備える。
【0073】
ステップS1236において、情報処理装置1210が、診療情報に含まれる音声情報に対して音声処理を行って、その音声処理結果を用いてQOLスコアを算出する。
【0074】
本実施形態によれば、音声の診療情報を用いるので、より患者の感情を含む状態に沿ったQOLスコアを算出することができ、さらに医療の質の向上に繋げることができる。
【0075】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る電子カルテシステムについて説明する。本実施形態に係る電子カルテシステムは、上記第2~第5実施形態と比べると、診療中の映像データ(または画像データ)をQOLスコアに反映させる点で異なる。その他の構成および動作は、第2~第5実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0076】
<電子カルテシステムの動作シーケンス>
図13は、本実施形態に係る電子カルテシステム1300の動作手順を示すシーケンス図である。電子カルテシステム1300は、診療情報を映像情報(画像情報)としても蓄積する診療情報データベース1320と、診療情報データベース1320の映像の診療情報に対し映像処理を行って、映像処理結果を用いてQOLスコアを算出する情報処理装置1310と、を備える。
【0077】
図13においては、情報処理装置1310が、ステップS1336において、診療情報に含まれる映像情報に対して映像処理を行って、その映像処理結果を用いてQOLスコアを算出する。
【0078】
本実施形態によれば、映像の診療情報を用いるので、患者の直接の動きを含む情報に沿ったQOLスコアを算出することができ、さらに医療の質の向上に繋げることができる。
【0079】
[他の実施形態]
なお、診療情報から算出されたQOLスコアの表示は、上記実施形態に限定されない。例えば、図14に図示されたように、EQ-5Dのプレ検討単語の出現頻度の履歴をグラフで表現したものであってもよい。
【0080】
また、言語処理を行う学習モデルとしてBERTを使用する例を説明したが、GPTシリーズ、Transformer、PaLM(Scaling Language Modeling with Pathways)、LLaMA(Language Large Models Meta AI)などの他の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)を使用することもできる。さらに、RoBERTa,XLM,TS,XLNet,BART,ALBERT,ELECTRA,なども使用できる。
【0081】
また、上記実施形態においては、EQ-5D-5LによるQOLスコア算出を説明したが、QALY算出に用いるものとしては、EQ-5D-3LやHUI(Health Utilities Index)、SF-6D(Short Form 6 Dimension)などでもよく、QALY算出に用いないものとしては、SF-36(Short Form 36)やWHOQOLなどでもよい。さらに、癌において使用されるEORTC(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)やFACTORY-Tax(Functional Assessment of Cancer Therapy-taxane)など、呼吸器疾患において使用されるSGRO(St. George‘s Respiratory Questionnaire)などであってもよい。
【0082】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0083】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に供給され、内蔵されたプロセッサによって実行される場合にも適用可能である。本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるサーバも、プログラムを実行するプロセッサも本発明の技術的範囲に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の技術的範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の診療情報を入力する入力部と、
前記入力部で入力された前記患者の診療情報を言語処理する言語処理部と、
前記患者の診療情報に対して言語処理を行った言語処理結果をEQ-5D-5Lに対応させることによって患者のQOL(Quality of Life)を数値化する数値化部と、
を備えた電子カルテシステム。
【請求項2】
さらに、数値化された前記QOLの変化に応じて、医療従事者に対して報知を行う報知部を備えた請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項3】
前記報知部は、前記QOLの変化と診療関連情報とに基づいた報知を、医療従事者に対して行う請求項2に記載の電子カルテシステム。
【請求項4】
前記診療関連情報は、投薬内容、患者のバイタル、食事内容、治療内容、手術内容、認知症スコア、通院内容、入院内容、入院日数および病室情報の少なくとも1つを含む請求項3に記載の電子カルテシステム。
【請求項5】
前記数値化部は、さらに患者のバイタルを用いて患者のQOLを数値化する請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項6】
前記入力部が入力する診療情報は、文書データ、音声データおよび映像データの少なくとも1つを含む請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項7】
前記入力部が入力する診療情報は、医療機関内で発生したデータおよび前記医療機関外で発生したデータの少なくともいずれかを含む請求項1に記載の電子カルテシステム。
【請求項8】
前記入力部および前記報知部の少なくともいずれかを備えた前記医療従事者が使用する端末またはベッドサイド端末を含む請求項2に記載の電子カルテシステム。
【請求項9】
入力部が患者の診療情報を入力する入力ステップと、
言語処理部が、前記入力ステップで入力された前記患者の診療情報を言語処理する言語処理部と、
数値化部が、前記患者の診療情報に対して言語処理を行った言語処理結果をEQ-5D-5Lに対応させることによって患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
患者の診療情報を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された前記患者の診療情報を言語処理する言語処理部と、
前記患者の診療情報に対して言語処理を行った言語処理結果をEQ-5D-5Lに対応させることによって患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
患者の診療情報または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを入力する入力部と、
前記入力部で入力された前記患者の診療情報または前記コミュニケーションを言語処理する言語処理部と、
前記患者の診療情報または前記コミュニケーションに対して言語処理を行い、言語処理結果をEQ-5D-5Lに対応させることによって患者のQOL(Quality of Life)を数値化する数値化部と、
を備えた電子カルテシステムである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
入力部が患者の診療情報または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを入力する入力ステップと、
言語処理部が、前記入力ステップで入力された前記患者の診療情報または前記コミュニケーションを言語処理する言語処理部と、
数値化部が、前記患者の診療情報または前記コミュニケーションに対して言語処理を行い、言語処理結果をEQ-5D-5Lに対応させることによって患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
を含む情報処理方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
患者の診療情報または医療従事者と患者との間のコミュニケーションを入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された前記患者の診療情報または前記コミュニケーションを言語処理する言語処理部と、
前記患者の診療情報または前記コミュニケーションに対して言語処理を行い、言語処理結果をEQ-5D-5Lに対応させることによって患者のQOLを数値化する数値化ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】