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特開2024-180030情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180030
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099447
(22)【出願日】2023-06-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年1月6日に(1)https://biz.moneyforward.com/support/fixed-assets/guide/management_ledger/assettable02.html、(2)https://biz.moneyforward.com/support/fixed-assets/news/new-feature/20230106.html、(3)https://biz.moneyforward.com/support/fixed-assets/guide/report/uodreport.html、(4)https://biz.moneyforward.com/support/fixed-assets/guide/monthly/monthly_closing.html、(5)https://biz.moneyforward.com/support/fixed-assets/guide/monthly/acplus_journal.html、(6)https://fixed-assets.moneyforward.com/loginのMoney Forwardクラウド固定資産のウェブサイトにて発表
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】小島 寧
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】固定資産の償却に関する価額の将来の見通しを容易に把握することができる情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、プロセッサを備え、プロセッサが、取得ステップでは、固定資産の償却額を示す償却額情報を取得し、償却額情報には、会計上の償却額を示す第1情報と、税務上の償却額を示す第2情報とが含まれる。算出ステップでは、取得された償却額情報に基づいて、今期以降の2以上の事業年度の固定資産に関する金額を算出し、当該金額には、償却超過額、償却不足額及び翌期繰越超過額が少なくとも含まれる。表示処理ステップでは、算出された金額を2以上の事業年度について示す画像を表示させるための処理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
取得ステップでは、固定資産の償却額を示す償却額情報を取得し、前記償却額情報には、会計上の前記償却額を示す第1情報と、税務上の前記償却額を示す第2情報とが含まれ、
算出ステップでは、取得された前記償却額情報に基づいて、今期以降の2以上の事業年度の固定資産に関する金額を算出し、当該金額には、償却超過額、償却不足額及び翌期繰越超過額が少なくとも含まれ、
表示処理ステップでは、算出された前記金額を前記2以上の事業年度について示す画像を表示させるための処理を行う、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記固定資産に関する金額には、当該固定資産の税務簿価が含まれ、
前記プロセッサが、
前記算出ステップでは、前記税務簿価が備忘価額に到達するまでに要する年数を、前記2以上の事業年度の年数として、前記金額を算出する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記償却額情報は、前記2以上の事業年度の各年度における償却率を示し、
前記プロセッサは、
前記算出ステップでは、前記2以上の事業年度の何れかの年度で償却方法に変更がある場合に、当該年度以降の年度については、変更後の償却方法により求められる償却率に基づいて前記金額を算出する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
前記算出ステップでは、複数の固定資産について前記金額を算出し、前記複数の固定資産は、複数の種類に分類され、
前記表示処理ステップでは、同じ種類の固定資産について算出された前記金額の合計を示す前記画像を表示させるための処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
確定ステップでは、所定の操作が行われた場合に、算出された前記金額のうち、過去の期間における前記金額を確定する確定処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
前記表示処理ステップでは、前記確定処理により確定した前記金額と、確定していない前記金額とを異なる態様で表示させるための処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
前記表示処理ステップでは、第1操作が行われると、取得された前記第1情報が示す会計上の前記償却額を前記2以上の事業年度について表示させ、第2操作が行われると、取得された前記第2情報が示す税務上の前記償却額を前記2以上の事業年度について表示させるための処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
前記表示処理ステップでは、前記2以上の事業年度における時期を指定するための指定用画像を表示させ、前記指定用画像への操作により指定された前記時期について算出された前記金額を表示させるための処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項9】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、
情報処理方法。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、調査が実施された固定資産に関する調査結果を固定資産情報と関連付けて固定資産DBに登録し、登録した調査結果に基づき調査が実施された固定資産の状態を分類し、分類した状態の固定資産毎にカウントした固定資産数を表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-071091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
固定資産の償却超過及び償却不足の将来の見通しを把握するためには、従来の技術では、年次の締めの処理を複数回実行する必要があり、手間がかかっていた。そのため、そのような見通しを把握することが容易ではなかった。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、固定資産の償却に関する価額の将来の見通しを容易に把握することができる情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、プロセッサを備え、プロセッサが、取得ステップでは、固定資産の償却額を示す償却額情報を取得し、償却額情報には、会計上の償却額を示す第1情報と、税務上の償却額を示す第2情報とが含まれる。算出ステップでは、取得された償却額情報に基づいて、今期以降の2以上の事業年度の固定資産に関する金額を算出し、当該金額には、償却超過額、償却不足額及び翌期繰越超過額が少なくとも含まれる。表示処理ステップでは、算出された金額を2以上の事業年度について示す画像を表示させるための処理を行う。
【0007】
このような態様によれば、固定資産の償却に関する価額の将来の見通しを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】固定資産管理システム1の全体構成を示す図である。
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。
図3】ユーザ端末20のハードウェア構成を示す図である。
図4】各装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図5】業務支援処理の一例を示すアクティビティ図である。
図6】会計データベースの一例を示す図である。
図7】税務データベースの一例を示す図である。
図8】固定資産データベースの一例を示す図である。
図9】金額算出処理の一例を示すフロー図である。
図10】既償却額算出処理の一例を示すフロー図である。
図11】表示されたメニュー画面の一例を示す図である。
図12】表示された台帳画面の一例を示す図である。
図13】台帳画面をキャプチャした画像の一例を示す図である。
図14】固定資産関連金額の一覧の特徴部分を示す図である。
図15】表示された台帳画面の別の一例を示す図である。
図16】表示されたレポート画面の一例を示す図である。
図17】表示された締めの処理画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集団体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る採用業務支援システムのハードウェア構成について説明する。
【0014】
図1は、固定資産管理システム1の全体構成を示す図である。図1においては、固定資産管理システム1が備える各装置と、それらの装置を使用するユーザの概要が示されている。各概要については、他の図も参照しながら随時説明する。固定資産管理システム1は、企業等の組織が有する固定資産、(不動産、設備、機械装置及び車両等)を管理する管理業務を支援するための情報処理(以下「業務支援処理」と言う)を実行する情報処理システムである。固定資産の管理業務とは、固定資産を効果的かつ効率的に管理するための業務であり、例えば、資産台帳の作成と更新、資産評価と減価償却、保険管理、メンテナンスと修理、資産の利用計画、資産の移動と廃棄、及び、監査対応等の業務が含まれる。
【0015】
固定資産管理システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、ユーザ端末20とを備える。通信回線2は、特に限定されるものではないが、例えば、インターネット網によって構成されている。また、通信回線2は、ローカルエリアネットワーク、移動体通信網及びVPN(Virtual Private Network)等を含んでいてもよい。通信回線2は、自回線に接続する装置同士のデータのやり取りを仲介する。通信回線2には、図1の例では、サーバ装置10が有線で接続され、ユーザ端末20が無線で接続されている。なお、各装置の通信回線2との接続は有線でも無線でもよい。
【0016】
サーバ装置10は、通信回線2を介してユーザ端末20とデータをやり取りしながら、業務支援処理を実行する情報処理装置である。ユーザ端末20は、ユーザによって使用される端末であり、サーバ装置10が生成する情報等の表示及びユーザによる操作の受け付け等を実行する。ユーザ端末20は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末20のユーザは、例えば、固定資産管理業務を行う従業員である。
【0017】
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14とを備える。バス14は、サーバ装置10が備える各部を電気的に接続する。
【0018】
(制御部11)
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含んでいる。少なくとも1つのプロセッサは、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、1以上のIntegrated Circuit、1以上のDiscrete Circuit、及び、これらの組合せによって構成されてもよい。
【0019】
制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、固定資産管理システム1に係る種々の機能を実現するコンピュータである。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0020】
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行される固定資産管理システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)やHDD(Hard Disk Drive)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行される固定資産管理システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0021】
(通信部13)
通信部13は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、LTE、5G、6G等の規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3等の規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。通信部13は、サーバ装置10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素からサーバ装置10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これにより通信回線2を介して、サーバ装置10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0022】
図3は、ユーザ端末20のハードウェア構成を示す図である。ユーザ端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、バス26とを備える。バス26は、ユーザ端末20が備える各部を電気的に接続する。制御部21、記憶部22及び通信部23は、図2に示す制御部11、記憶部12及び通信部13と、スペック、モデル等は異なっていてもよいが、同様のハードウェアである。
【0023】
(入力部24)
入力部24は、キー、ボタン、タッチスクリーン及びマウス等を有し、ユーザによる入力を受け付ける。また、入力部24は、マイクロフォンを有し、ユーザによる音声の入力を受け付けてもよい。
【0024】
(出力部25)
出力部25は、ディスプレイ及びスピーカ等を有し、ディスプレイの表示面に画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報を表示し、音声を含む音を出力する。
【0025】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
【0026】
図4は、各装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置10の制御部11は、サーバ表示部111と、記憶制御部112と、情報取得部113と、金額算出部114と、確定処理部115とを備える。ユーザ端末20の制御部21は、ユーザ表示部211と、操作受付部212とを備える。
【0027】
サーバ表示部111は、固定資産管理システム1に関するシステム画面を各端末に表示させるための処理を実行する。サーバ表示部111は、本実施形態では、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルの生成及び送信等の処理を行い、システム画面を示すウェブページをユーザ端末20に表示させる。なお、サーバ表示部111は、固定資産管理システム1を利用するためのアプリケーションの表示用データの生成及び送信等の処理を行ってもよい。
【0028】
記憶制御部112は、自装置の記憶部12を制御し、記憶部12へのデータの書き込み及び読み出しを行う。情報取得部113は、業務支援処理において用いられる情報を取得する。情報取得部113は、例えば、固定資産の償却額を示す償却額情報を取得する。金額算出部114は、固定資産に関する金額(以下「固定資産関連金額」と言う)を算出する。確定処理部115は、算出された固定資産関連金額を、帳簿に登録する正式な金額として確定させる処理を実行する。
【0029】
ユーザ端末20のユーザ表示部211は、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す固定資産管理システム1に関するシステム画面を表示する。操作受付部212は、ユーザ端末20を利用するユーザによる操作を受け付ける。
【0030】
ユーザがユーザ端末20を操作して固定資産管理システム1を利用する際は、例えば、ユーザID(Identification)及びパスワード等を含む認証情報を入力してログインが行われる。これにより、ユーザ端末20において生成される情報に認証情報が対応付けられ、どのユーザに関連付けられた情報であるかが分かるようになっている。また、各ユーザの認証情報は、そのユーザが所属する企業等の組織を示す識別情報に対応付けられており、ログインしてきたユーザが所属する組織が分かるようになっている。
【0031】
3.情報処理
本節では、本実施形態において、固定資産管理システム1を制御するコンピュータにプログラムを実行させる情報処理(業務支援処理)について説明する。固定資産管理システム1は、次の図5等で示す各ステップがなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備える。
【0032】
図5は、業務支援処理の一例を示すアクティビティ図である。図5に示す業務支援処理は、ユーザ端末20のユーザが、固定資産に関する業務を行うため、固定資産の管理画面を表示させる操作を行うことを契機に開始される。まず、ユーザ端末20は、操作受付部212により、固定資産の管理画面の表示操作を受け付ける(A11)。操作受付部212は、受け付けた操作及びその操作を行ったユーザを示す操作データをサーバ装置10に送信する。
【0033】
サーバ装置10は、送信されてきた操作データを受信すると、情報取得部113により、受信した操作データが示すユーザが閲覧権限を有する固定資産関連情報を取得する(A12)。固定資産関連情報とは、固定資産に関する情報であり、具体的には、会計データベースに格納されている情報、税務データベースに格納されている情報及び固定資産データベースに格納されている情報である。サーバ装置10の記憶部12は、これらのデータベースを記憶している。
【0034】
図6は、会計データベースの一例を示す図である。図6に示す会計データベースDB1は、資産ID、資産名、取得日、事業共用開始日、取得価額及び各事業年度の償却額等の固定資産関連情報をそれぞれ対応付けて格納している。資産IDは、各固定資産に割り当てられた識別情報である。取得日は、企業等の固定資産の所有者がその固定資産を取得した日付である。事業共用開始日は、各固定資産のもつ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日のことである。取得価額は、各固定資産の購入代価に付随費用(送料等)を加算した金額のことである。
【0035】
償却額は、固定資産を耐用年数に応じて費用計上していく会計処理(減価償却)を行う場合に、各事業年度に減価償却する額のことである。会計データベースDB1には、既に確定している償却額として、例えば、前年度までの償却額が格納されている。また、会計データベースDB1には、償却額を算出するために必要な固定資産関連情報として、例えば、耐用年数、償却率及び備忘価額(後ほど説明する)等も格納されているものとする。
【0036】
図7は、税務データベースの一例を示す図である。図7に示す税務データベースDB2は、会計データベースDB1と同様に、資産ID、資産名、取得日、事業共用開始日、取得価額及び各事業年度の償却額等の固定資産関連情報をそれぞれ対応付けて格納している。また、税務データベースDB2にも、会計データベースDB1と同様に、耐用年数、償却率及び備忘価額等が格納されているものとする。資産ID及び資産名等の情報は会計データベースDB1と共通している。一方、各事業年度の償却額については、必ずしも会計データベースDB1と共通しているとは限らない。
【0037】
図8は、固定資産データベースの一例を示す図である。図8に示す固定資産データベースDB3は、資産ID、資産名、当期償却額、当期償却限度額、当期償却超過額、当期償却不足額、前期繰越超過額、当期損金認容額及び翌期繰越超過額等の固定資産関連情報をそれぞれ対応付けて格納している。当期償却額は、或る事業年度(=当期)における償却額である。当期償却限度額は、当期に計上可能な償却額の上限である。
【0038】
当期償却超過額は、当期償却額のうち当期償却限度額を超過した金額である。当期償却不足額は、当期償却額が当期償却限度額に対して不足している場合にその不足している金額である。前期繰越超過額は、前の事業年度(=前期)に処理されなかった償却超過額又は償却不足額であり、事業年度を跨いで繰り越された金額である。当期損金認容額は、当期に計上可能な最大の損失額である。翌期繰越超過額は、当期の終了時点で処理されていない償却超過額又は償却不足額であり、事業年度を跨いで繰り越される金額である。
【0039】
上記のとおり、会計データベースDB1、税務データベースDB2及び固定資産データベースDB3には、いずれも、固定資産の償却額を示す償却額情報が含まれている。情報取得部113は、それらの償却額情報を含む固定資産関連情報を取得する。次に、サーバ装置10は、金額算出部114により、取得された固定資産関連情報を用いて、金額算出処理を実行する(A100)。金額算出処理とは、償却額、簿価、超過額、不足額、限度額及び認容額等の固定資産に関する金額を算出する処理である。以下、図9及び図10を参照して、金額算出処理について説明する。
【0040】
図9は、金額算出処理の一例を示すフロー図である。金額算出部114は、まず、会計データベースDB1から取得された固定資産関連情報に基づいて、財務台帳の年償却額を算出する(A101)。年償却額とは、或る事業年度の償却額のことである。金額算出部114は、まず、既に償却額が確定している最後の事業年度の次の事業年度(通常は現時点を含む事業年度)について、償却額を算出する。
【0041】
次に、金額算出部114は、算出した年償却額に基づいて、その事業年度における償却限度額の算出を開始する(A102)。償却限度額の算出方法には、新定率法、旧定率法、新定額法及び旧定額法がある。サーバ装置10には、企業等の組織に対応付けて、その組織が用いる償却限度額の算出方法を示す算出方法情報が記憶されている。金額算出部114は、ログインしたユーザが所属する組織に対応付けられている算出方法情報に基づいて、償却限度額の算出方法を判断する。
【0042】
金額算出部114は、まず、算出方法が新定率法又は旧定率法であるか否かを判断し(A103)、いずれでもない(False)と判断した場合、算出方法が旧定額法であるか否かを判断する(A104)。そして、金額算出部114は、旧定額法でない(False)と判断した場合、算出方法が新定額法であるか否かを判断する(A105)。
【0043】
金額算出部114は、このように償却限度額の算出方法を判断し、A105で新定額法である(True)と判断した場合は、新定額法で償却限度額を算出する(A106)。金額算出部114は、具体的には、固定資産の取得価額に新定額法の償却率を乗じた値を償却限度額として算出する。新定額法の償却率は、固定資産の耐用年数に応じて定められている。
【0044】
また、金額算出部114は、A104で旧定額法である(True)と判断した場合は、旧定額法で償却限度額を算出する(A107)。金額算出部114は、具体的には、固定資産の取得価額から残存価額を減算した金額に旧定額法の償却率を乗じた値を償却限度額として算出する。旧定額法の償却率は、新定額法と同様に、固定資産の耐用年数に応じて定められている。また、残存価額は、取得価額に耐用年数に応じた残存割合を乗じた金額である。
【0045】
また、金額算出部114は、A103で新定率法又は旧定率法である(True)と判断した場合は、まず、固定資産の取得日から、償却限度額を算出する事業年度が初年度であるか否かを判断する(A108)。金額算出部114は、事業年度が初年度である(True)と判断した場合、定率法の初年度の算出方法で償却限度額を算出する(A109)。金額算出部114は、具体的には、取得価額に定率法の償却率を乗じた金額を償却限度額として算出する。定率法の償却率は、定額法と同様に、固定資産の耐用年数に応じて定められている。
【0046】
金額算出部114は、A108で事業年度が初年度ではない(False)と判断した場合、既償却額等を用いて償却限度額を算出する。既償却額とは、前事業年度までに損金の額に参入された償却費の累計額である。金額算出部114は、償却限度額を算出すると、次に、既償却額を算出する既償却額算出処理を実行する(A110)。既償却額算出処理の詳細は後ほど説明する。金額算出部114は、既償却額算出処理により算出された既償却額を取得する(A111)。
【0047】
次に、金額算出部114は、調整前償却額を算出する(A112)。調整前償却額とは、事業年度の終了時点で、企業等の組織が会計上で計上する予定の償却費用の金額である。金額算出部114は、具体的には、固定資産の取得価額から既償却額を減算した金額を調整前償却額として算出する。次に、金額算出部114は、調整前償却額よりも償却保証額の方が大きいか否かを判断する(A113)。償却保証額とは、企業等の組織が固定資産を取得する際に、資産の供給業者や販売業者が提供する償却負担の保証のことである。
【0048】
金額算出部114は、調整前償却額よりも償却保証額の方が大きい(True)と判断した場合、既償却額を用いずに償却限度額を算出する。金額算出部114は、具体的には、改定取得価額に改定償却率を乗じた金額を定率法の償却限度額として算出する(A114)。改定取得価額とは、調整前償却額が初めて償却保証額に満たないこととなる年度の期首未償却残高である。改定償却率とは、改定取得価額に対しその償却費の額がその後同一となるように固定資産の耐用年数に応じて定められた償却率である。
【0049】
また、金額算出部114は、調整前償却額よりも償却保証額の方が大きくない(False)と判断した場合、既償却額を用いて償却限度額を算出する。金額算出部114は、具体的には、取得価額から既償却額を減算した金額に定率法の償却率を乗じた金額を定率法の償却限度額として算出する(A115)。ここで、図10を参照して既償却額算出処理について説明する。
【0050】
図10は、既償却額算出処理の一例を示すフロー図である。金額算出部114は、まず、財務償却額と、上記のとおり算出した償却限度額との差額を算出する(A121)。次に、金額算出部114は、財務償却額が償却限度額に比べて大きいか否かを判断する(A122)。金額算出部114は、財務償却額が償却限度額に比べて大きい(True)と判断した場合、償却超過であると判断する(A123)。
【0051】
次に、金額算出部114は、繰越超過額(初年度は0円)に償却超過額を加算した金額を新たな繰越超過額として算出する(A124)。続いて、金額算出部114は、税務の償却額を当期認容額と判断する(A125)。そして、金額算出部114は、これまでの既償却額(初年度は0円)に当期認容額を加算した金額を新たな既償却額として算出する(A126)。
【0052】
金額算出部114は、A122で財務償却額が償却限度額に比べて大きくない(False)と判断した場合、償却不足であると判断する(A127)。次に、金額算出部114は、繰越超過額が0円より大きいか否かを判断する(A128)。金額算出部114は、繰越超過額が0円より大きくない(False)、つまり、繰越超過額が0円である場合、償却限度額を当期認容額として算出する(A129)。そして、金額算出部114は、A126に進み、算出した当期認容額を新たな既償却額として算出する。
【0053】
金額算出部114は、A128で繰越超過額が0円より大きい(True)と判断した場合、次に、当期償却不足額が繰越超過額以上であるか否かを判断する(A130)。金額算出部114は、当期償却不足額が繰越超過額以上である(True)と判断した場合、財務の償却額に繰越超過額を加算した金額を当期認容額として算出する(A131)。この場合、金額算出部114は、繰越超過額を0円に戻してから(A132)、A126に進み、これまでの既償却額に、算出した当期認容額を加算した金額を新たな既償却額として算出する。
【0054】
金額算出部114は、A130で当期償却不足額が繰越超過額以上ではない(False)と判断した場合、財務の償却額に繰越不足額を加算した金額を当期認容額として算出する(A133)。この場合、金額算出部114は、これまでの繰越超過額から償却不足額を減算した金額を新たな繰越超過額としてから(A134)、A126に進み、これまでの既償却額に、算出した当期認容額を加算した金額を新たな既償却額として算出する。
【0055】
金額算出部114は、以上のとおり既償却額算出処理を実行し、既償却額を算出する。算出した既償却額は、図9に示すA111以降の処理で用いられ、償却限度額の算出が行われる。
【0056】
図9に戻る。次に、金額算出部114は、期末簿価を算出する(A116)。簿価とは、資産又は負債についての帳簿上の価額のことであり、会計上の簿価と税務上の簿価とがある。金額算出部114は、会計簿価及び税務簿価の両方を算出する。金額算出部114は、具体的には、期首簿価から既償却額を減算した金額を期末簿価として算出する。続いて、金額算出部114は、算出した税務簿価が備忘価額よりも大きいか否かを判断する(A117)。備忘価額とは、会計上の金額的価値がなくなったが事業の用に供している固定資産を帳簿に記載する際に用いられる1円又は10円等のきりのよい数字の金額のことである。
【0057】
金額算出部114は、税務簿価が備忘価額よりも大きい(True)と判断した場合、次年度の償却額の算出を開始する(A118)。金額算出部114は、A101に戻り、次年度の財務台帳の年償却額を算出する。続いて、金額算出部114は、A101以降の処理を実行し、次年度の償却限度額、既償却額及び期末簿価等の固定資産関連金額を算出する。金額算出部114は、A117において、税務簿価が備忘価額よりも大きくない(False)と判断した場合、金額算出処理を終了する。
【0058】
金額算出部114は、算出した固定資産関連金額を、例えば、記憶部12の一時記憶領域に記憶させる。なお、この一時記憶領域は、固定資産データベースDB3において、書き換え可能な領域として設けられていてもよい。
【0059】
図5に戻る。サーバ装置10は、サーバ表示部111により、金額算出処理により算出した固定資産関連金額を参照するためのメニュー画面を示す画面データを生成する(A13)。サーバ表示部111は、生成した画面データをユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は、ユーザ表示部211により、送信されてきた画面データが示すメニュー画面を表示する(A14)。
【0060】
図11は、表示されたメニュー画面の一例を示す図である。図11の例では、ユーザ表示部211が、固定資産管理システム1のメニュー画面G1を表示している。メニュー画面G1には、固定資産台帳の表示ボタンB11と、レポートの表示ボタンB12と、締めの処理画面の表示ボタンB13とが含まれている。図11の例では、メニュー画面G1の初期画面として、固定資産台帳C11が表示されているものとする。固定資産台帳C11には、ユーザが所属する組織が所有する固定資産が全て登録されている。
【0061】
固定資産台帳C11には、検索の入力欄D11と、絞り込み条件の選択欄D12と、固定資産台帳に含まれている固定資産関連情報C12とが含まれている。絞り込み条件には、資産科目、設置場所、部門、償却方法、耐用年数、取得日、事業共用開始日、資産状態及び取得種類が含まれている。これらの情報は、固定資産関連情報に含まれているものとする。固定資産台帳C11には、膨大な件数の固定資産関連情報が含まれているので、検索の入力欄D11に入力したキーワードを含む固定資産関連情報を検索したり、選択欄D12から絞り込み条件を選択して表示される固定資産関連情報を絞り込んだりすることで、確認したい固定資産関連情報に絞り込んで表示させることができるようになっている。
【0062】
固定資産関連情報C12には、情報の最終更新日と、表示中の固定資産の頁数と、固定資産関連情報の項目とが含まれている。固定資産関連情報の項目には、固定資産の写真、資産ID、資産名、取得日、事業共用開始日、取得価額、償却方法、耐用年数及び当月償却額等が含まれている。ユーザ端末20は、操作受付部212により、固定資産管理システム1の画面への操作を受け付ける(A21)。操作受付部212は、受け付けた操作の内容を示す操作データをサーバ装置10に送信する。
【0063】
サーバ装置10は、サーバ表示部111により、送信されてきた操作データが示す操作の内容に応じた画面を示す画面データを生成し(A22)、ユーザ端末20に送信する。例えば、固定資産台帳C11からユーザによっていずれかの固定資産が選択された場合、ユーザ端末20は、ユーザ表示部211により、選択された固定資産の台帳画面を表示する(A23)。
【0064】
図12は、表示された台帳画面の一例を示す図である。図12の例では、ユーザ表示部211が、固定資産の台帳画面G2を表示している。台帳画面G2には、固定資産の詳細情報C21と、固定資産情報タブTB21と、償却情報タブTB22と、移動履歴タブTB23とが含まれている。詳細情報C21には、固定資産の写真、資産名、取得日、事業共用開始日、取得価額が表示されている。
【0065】
固定資産情報タブTB21は、ユーザが選択した固定資産について取得された固定資産関連情報をさらに表示させるためのタブである。償却情報タブTB22は、ユーザが選択した固定資産について金額算出処理により算出された固定資産関連金額を表示させるためのタブである。移動履歴タブTB23は、ユーザが選択した固定資産の異動履歴を表示させるためのタブである。固定資産の異動とは、固定資産の所有権、場所又は利用目的等が変更されることである。
【0066】
本実施形態では、固定資産の異動は、会計データベースDB1及び税務データベースDB2に含まれており、情報取得部113により固定資産関連情報として取得される。サーバ表示部111は、固定資産関連情報及び固定資産の異動履歴を表示させる場合、情報取得部113が取得した固定資産関連情報を用いて画面データを生成する。また、サーバ表示部111は、固定資産関連金額を表示させる場合、上述した一時記憶領域に記憶されている固定資産関連金額を用いて画面データを生成する。
【0067】
図12の例では、償却情報タブTB22が選択されている。償却情報タブTB22には、財務表示ボタンB21と、税務表示ボタンB22と、償却比較表示ボタンB23と、詳細表示ボタンB24と、固定資産関連金額の一覧C22とが含まれている。財務表示ボタンB21は、会計データベースDB1から取得された固定資産関連情報を表示させるためのボタンである。税務表示ボタンB22は、税務データベースDB2から取得された固定資産関連情報を表示させるためのボタンである。
【0068】
償却比較表示ボタンB23は、財務及び税務の固定資産関連情報を比較して算出される固定資産関連金額を表示させるためのボタンである。詳細表示ボタンB24は、固定資産の償却に関する詳細な情報を表示させるためのボタンである。図12の例では、償却比較表示ボタンB23が操作され、固定資産関連金額の一覧C22が表示されている。
【0069】
固定資産関連金額の一覧C22には、事業年度C221と、会計台帳の当期償却額C222と、税務台帳の当期償却限度額C223と、それらを差し引きした当期償却超過額C224及び当期償却不足額C225と、償却超過額に関する前期繰越超過額C226、当期損金認容額C227及び翌期繰越超過額C228とが各事業年度について含まれている。
【0070】
図12の例では、1期から6期までの固定資産関連金額が表示されているが、7期以降も存在する場合は、スクロール等の操作を行うことで、固定資産の償却が終了する年度までの固定資産関連金額が表示される。固定資産関連金額の一覧を含む実際の台帳画面の例について、図13を参照して説明する。
【0071】
図13は、台帳画面をキャプチャした画像の一例を示す図である。図13では、図12の例と同様に、固定資産(図13の例ではノートパソコン)の詳細情報と、固定資産情報タブと、償却情報タブと、移動履歴タブとを含む台帳画面G2-1が示されている。詳細情報には、固定資産の写真、資産名、資産名(カナ)、取得コード、取得日、事業共用開始日、取得価額(税抜)、消費税額が表示されている。
【0072】
図13の例では、償却情報タブが選択されており、財務表示ボタンと、税務表示ボタンと、償却比較表示ボタンと、固定資産関連金額の一覧C22-1とが含まれている。固定資産関連金額の一覧C22-1は、事業年度と、各固定資産関連金額とを対応付けた表である。各固定資産関連金額は、会計台帳、税務台帳、差引及び償却超過額という中項目に分けて示されている。
【0073】
「会計台帳」には、当期償却額が示されている。「税務台帳」には、当期償却限度額が示されている。「差引」には、当期償却額及び当期償却限度額を差し引きした当期償却超過額及び当期償却不足額が示されている。「償却超過額」には、前期繰越超過額、当期損金認容額及び翌期繰越超過額が示されている。このように、一覧C22-1においては、4つの中項目と、7つの小項目の固定資産関連金額が示されている。なお、各固定資産関連金額は、年度によっては0円となる場合がある。
【0074】
固定資産関連金額の一覧C22-1は、これらの各固定資産関連金額が少なくとも2以上の事業年度について示されていることが特徴的である。各事業年度には、その事業年度が何期目に該当するかを示す文字列(例えば「1期」及び「2期」等)が含まれている。図13の例では、1期から6期まで示されているが、これは一例であり、7期以降が示されていてもよいし、スクロール等の操作で7期以降が表示されてもよい。固定資産関連金額の一覧C22-1の特徴部分について、図14を参照して説明する。
【0075】
図14は、固定資産関連金額の一覧の特徴部分を示す図である。図14では、固定資産関連金額の一覧C22の特徴をより明確に示した一覧C22-0を含む台帳画面G2-0が示されている。一覧C22-0においては、少なくとも2つの事業年度の固定資産関連金額が示される。また、一覧C22-0においては、3以上の事業年度についても、任意の年度数だけ固定資産関連金額を示すことができる。また、一覧C22-0の事業年度の欄には、事業年度を示す文字列に、その事業年度が該当する「期」を示す文字列が併記される。また、一覧C22-0においては、上述した4つの中項目と7つの小項目の固定資産関連金額が示されている。
【0076】
次に、詳細表示ボタンB24が操作された場合、ユーザ端末20は、ユーザ表示部211により、ユーザが選択した固定資産の償却に関する詳細な情報を含む台帳画面を表示する(A23)。
【0077】
図15は、表示された台帳画面の別の一例を示す図である。図15の例では、ユーザ表示部211が、固定資産の台帳画面G3を表示している。台帳画面G3には、固定資産の償却に関する詳細情報C31と、事業年度C32と、償却状況C33と、期首帳簿価額C34と、減価償却費C35と、期末帳簿価額C36と、減価償却累計額C37とが含まれている。詳細情報C31には、償却方法と、耐用年数と、償却率と、残存価額と、償却可能限度額及び備忘価額が含まれている。
【0078】
償却状況C33には、対応する事業年度の各月(図15の例では4月から3月まで)を示す期間画像C331が含まれている。詳細情報C31においては、各事業年度の固定資産関連金額の合計金額が示されているが、期間画像C331のうち指定された期間については、指定された各月の合計金額が示される。図15の例では、2期の5月から11月までの固定資産関連金額が月毎に示されている。なお、期間の指定は、連続的に行う必要はなく、離散的に(例えば5、9、12月など)行われてもよい。また、期間画像C331を再度操作すると、指定が解除されてもよい。
【0079】
償却状況C33には、該当する年度のうち締めの処理が完了している月と、未処理の月とが異なる態様で示されている。締めの処理とは、固定資産関連金額を確定させ、編集ができなくなるようにする処理である。締めの処理には、年度毎に締める年次締めと、毎月締めを行う月次締めとがある。図15及び以降の例では、月次締めが行われる場合を説明する。2期の4月は締めの処理が完了しているので黒く塗りつぶされた態様で表示され、2期の5月以降は締めの処理が完了していないので塗りつぶしなしの態様で表示されている。
【0080】
また、償却状況C33においては、締めの処理の対象となる月(図15の例では2期の5月)に、締めの処理の対象月であることを示す文字列(「現在この月の処理を行っています」)が表示されている。期首帳簿価額C34から減価償却累計額C37には、金額算出処理により算出された各年度の固定資産関連金額が表示されている。
【0081】
次に、ユーザが、図11に示すレポートの表示ボタンB12を操作すると、ユーザ端末20は、ユーザ表示部211により、固定資産に関するレポート画面を表示する(A24)。
図16は、表示されたレポート画面の一例を示す図である。図16の例では、ユーザ表示部211が、固定資産のレポート画面G4を表示している。レポート画面G4には、ユーザが所属する組織が所有する固定資産の償却超過額・償却不足額に関する固定資産関連情報C41が含まれている。
【0082】
固定資産関連情報C41には、会計台帳の当期償却額C422と、税務台帳の当期償却限度額C423と、それらを差し引きした当期償却超過額C424及び当期償却不足額C425と、償却超過額に関する前期繰越超過額C426、当期損金認容額C427及び翌期繰越超過額C428との各カテゴリの合計金額が含まれている。カテゴリには、例えば、ユーザが所属する組織が所有する固定資産の全体、固定資産の種類及びそれらの種類をさらに細分化した種類が含まれる。
【0083】
図16の例では、ユーザ表示部211は、建物、付属設備、工具器具備品、自社開発SW(ソフトウェア)及び長期前払費用という固定資産の種類毎に合計金額を表示している。また、図16の例では、ユーザ表示部211は、長期前払費用をさらに細分化した種類毎の合計金額を表示している。ユーザ表示部211は、例えば、上位のカテゴリが選択されることで、下位のカテゴリの合計金額の表示と非表示とを切り替える。サーバ表示部111は、レポート画面を示す画面データを生成する際に、全てのカテゴリの合計金額の情報を含めておき、各合計額の表示と非表示とをユーザ表示部211が切り替えられるようにしておく。
【0084】
次に、ユーザが、図11に示す締めの処理画面の表示ボタンB13を操作すると、ユーザ端末20は、ユーザ表示部211により、締めの処理画面を表示する(A25)。
図17は、表示された締めの処理画面の一例を示す図である。図17の例では、ユーザ表示部211が、締めの処理画面G5を表示している。本実施形態では、上記のとおり、月次の締めの処理が行われるものとする。
【0085】
締めの処理画面G5には、締めの処理の状態C51と、固定資産関連情報C52と、締め処理の実行ボタンB51とが含まれている。締めの処理の状態C51には、今から月次の処理を行おうとしている対象の月(図17の例では20xx年xx月度)が示されている。固定資産関連情報C52には、処理中の月に行われた固定資産の取得及び異動についての情報(取得、除却、売却、異動及び減損した固定資産の件数)と、減価償却費の集計表と、増減集計表と、仕分ステータスと、償却超過・不足とが含まれている。これらの情報には、それぞれ確認ボタンが対応付けられており、各情報の詳細を表示することができるようになっている。
【0086】
ユーザが実行ボタンB51を操作すると、ユーザ端末20は、操作受付部212により、その操作を固定資産の締めの操作として受け付ける(A31)。操作受付部212は、締めの操作が行われたことを示す操作データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、この操作データが送信されてきた場合、確定処理部115により、固定資産の締めの処理を実行する(A32)。
【0087】
確定処理部115は、具体的には、情報取得部113により取得された固定資産関連情報及び一時記憶領域に記憶されている固定資産関連金額から、締めの対象となっている期間における固定資産関連情報及び固定資産関連金額を抽出する。そして、確定処理部115は、抽出した固定資産関連情報及び固定資産関連金額を固定資産データベースDB3に格納し、格納した情報が変更不能な状態になるように設定する処理を、締めの処理として実行する。
【0088】
以上のとおり、固定資産管理システム1においては、情報取得部113が、固定資産の償却額を示す償却額情報を取得する取得部の一例として機能する。償却額情報には、会計上の償却額を示す第1情報と、税務上の償却額を示す第2情報とが含まれる。情報取得部113は、例えば、図6に示す会計データベースDB1に含まれる償却額を第1情報として取得し、図7に示す税務データベースDB2に含まれる償却額を第2情報として取得する。
【0089】
また、金額算出部114は、取得された償却額情報に基づいて、今期以降の2以上の事業年度の固定資産関連金額を算出する算出部の一例として機能する。固定資産関連金額には、償却超過額、償却不足額及び翌期繰越超過額が少なくとも含まれる。また、金額算出部114は、他にも、図12に示す会計台帳の当期償却額と、税務台帳の当期償却限度額と、償却超過額に関する前期繰越超過額及び当期損金認容額とを各事業年度について算出する。また、金額算出部114は、図15に示す期首帳簿価額、減価償却費、期末帳簿価額及び減価償却累計額を各事業年度について算出する。
【0090】
そして、サーバ表示部111は、算出された金額を2以上の事業年度について示す画像を表示させるための処理を行う表示処理部の一例として機能する。サーバ表示部111は、例えば、図5に示すA13において、固定資産関連金額を含む画面を示す画面データを生成する処理と、生成した画面データをユーザ端末20に送信する処理とを画像を表示させるための処理として実行する。そして、サーバ表示部111は、例えば、図12に示す台帳画面G2及び図15に示す台帳画面G3を、算出された金額を2以上の事業年度について示す画像として表示させる。このような態様によれば、固定資産関連金額を2以上の事業年度について算出しない場合に比べて、固定資産の償却に関する価額の将来の見通しを容易に把握することができる。
【0091】
また、2以上の事業年度についての固定資産関連金額を算出させるための方法としては、例えば、固定資産関連金額の本番データをテスト環境等にコピーして、コピーしたデータに対して確定処理を繰り返し実行する方法もある。しかし、その場合、大量のデータをコピーする手間と、確定処理を実行させる操作を事業年度の数だけ行う手間とが発生する。これに対し、固定資産管理システム1においては、2以上の事業年度についての固定資産関連金額を算出させるために、固定資産の管理画面を表示させる操作を行うだけでよいので、前述の方法に比べて、より少ない手間でそのような金額を算出させることができる。
【0092】
また、固定資産に関する金額には、その固定資産の税務簿価が含まれる。そして、金額算出部114は、税務簿価が備忘価額に到達するまで(図9のA117において税務簿価が備忘価額以下になったと判断されるまで)に要する年数を、2以上の事業年度の年数として、固定資産関連金額を算出する。このような態様によれば、各年度の算出処理を行う回数を必要かつ最小限にすることができる。
【0093】
また、固定資産の償却方法は、途中で変更される場合がある。例えば、最初は定額法で償却額を算出していたが、所定の年度以降は定率法で償却額を算出するというような場合がある。そこで、会計データベースDB1及び税務データベースDB2には2以上の事業年度の各年度における償却率を示す償却額情報が格納されているものとする。そして、金額算出部114は、2以上の事業年度の何れかの年度で償却方法に変更がある場合に、その年度以降の年度については、変更後の償却方法により求められる償却率に基づいて金額を算出する。このような態様によれば、償却方法が変更されても正確な金額を算出することができる。
【0094】
また、金額算出部114は、図11に示すように、複数の固定資産について金額を算出している。それら複数の固定資産は、複数の種類に分類される。複数の種類とは、例えば、図16に示す建物、付属設備、工具器具備品、自社開発SW及び長期前払費用等の種類である。なお、固定資産の種類は、これに限らず、例えば、資産科目の種類、設置場所の種類、所有部門の種類、償却方法の種類、耐用年数の種類、取得日の種類、事業共用開始日の種類、資産状態の種類及び取得方法の種類等であってもよい。
【0095】
そして、サーバ表示部111は、同じ種類の固定資産について算出された金額の合計を示す画像を表示させるための処理を実行する。この場合のサーバ表示部111は、表示処理部の一例として機能する。サーバ表示部111は、例えば、図16に示す固定資産のレポート画面G4を、そのような画像の一例として表示させる。このような態様によれば、固定資産の種類毎に固定資産関連金額を把握することができる。
【0096】
また、確定処理部115は、所定の操作が行われた場合に、金額算出部114により算出された金額のうち、過去の期間における金額を確定する確定処理を実行する。この場合の確定処理部115は、確定部の一例として機能する。所定の操作とは、例えば、図16に示す締め処理の実行ボタンB51に対する操作である。また、確定処理とは、例えば、図16の例で述べた、締めの対象期間における固定資産関連情報及び固定資産関連金額を固定資産データベースDB3に格納して変更不能な状態になるように設定する処理である。このような態様によれば、固定資産に関する金額を確定することができる。
【0097】
また、サーバ表示部111は、確定処理により確定した金額と、確定していない金額とを異なる態様で表示させるための処理を実行する。サーバ表示部111は、例えば、図15の例において、確定処理(締めの処理)が完了している月である2期の4月と、確定処理が完了していない月である2期の5月以降とを異なる態様(黒く塗りつぶした態様と塗りつぶしのない態様)で表示させている。なお、異なる態様とは、これに限らず、例えば、期間を示す文字の太さ、色、大きさ又はフォント等を異ならせる態様であってもよいし、背景の色、形状又は大きさ等を異ならせる態様であってもよい。このような態様によれば、ユーザは、確定金額と未確定金額を容易に見分けることができる。
【0098】
また、金額算出部114は、算出した固定資産関連金額を、上述したように一時記憶領域に記憶させる。そして、確定処理部115は、一時記憶領域に記憶されている固定資産関連金額を用いて確定処理を実行する。このように、固定資産管理システム1においては、金額算出部114が算出した2以上の事業年度の固定資産関連金額を、固定資産の償却に関する価額の将来の見通しを容易に把握することに利用しつつ、固定資産の確定処理にも利用することができる。その結果、例えば、確定処理を実行しなければ繰越超過額及び繰越不足額等の翌期に繰り越される金額が算出されない場合に比べて、確定処理を短時間で完了させることができる。
【0099】
また、サーバ表示部111は、例えば、図12に示す固定資産の台帳画面G2において、財務表示ボタンB21に対する操作(第1操作の一例)が行われると、情報取得部113により取得された第1情報が示す会計上の償却額を2以上の事業年度について表示させる。また、サーバ表示部111は、税務表示ボタンB22に対する操作(第2操作の一例)が行われると、取得された第2情報が示す税務上の償却額を2以上の事業年度について表示させるための処理を実行する。
【0100】
このような態様によれば、ユーザは、会計上及び税務上の2以上の年度の償却額をそれぞれ把握することができる。なお、サーバ表示部111は、第1操作及び第2操作が行われた場合に、会計上又は税務上の償却額以外の固定資産関連金額(例えば、期首帳簿価額及び期末帳簿価額等)を表示させてもよい。その場合も、ユーザは、会計上及び税務上の2以上の年度の固定資産関連金額をそれぞれ把握することができる。
【0101】
また、サーバ表示部111は、2以上の事業年度における時期を指定するための指定用画像を表示させ、指定用画像への操作により指定された時期について算出された金額を表示させるための処理を実行する。サーバ表示部111は、例えば、図15の償却状況C33に示す期間画像C331を指定用画像として表示させる。サーバ表示部111は、図15に示すように、期間画像C331のうち指定された月について、金額算出部114により算出された固定資産関連金額を表示させる。このような態様によれば、指定用画像が用いられない場合に比べて、ユーザは、各時期における固定資産に関する金額を容易に把握することができる。
【0102】
<構成のバリエーション>
図1等に示す構成は一例であり、実施に不都合が無い限り、他の態様を取り得る。例えば、1台の情報処理装置は、2台以上の装置に分散されてもよく、また、SaaS(Software as a Service)又はクラウドコンピューティングシステム等の形態で提供されてもよい。
【0103】
また、1台の装置の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよいし、2台以上の装置の機能が1台の装置により集中して実現されてもよい。また、1つの機能が行う動作を2以上の機能が分散して行ってもよいし、2以上の機能が1つの機能に統合されてもよい。要するに、固定資産管理システム1の全体で必要な各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0104】
図5等に示す情報処理の手順は一例であり、目的とする結果を得るのに不都合が無い限り、他の態様を取り得る。例えば、データ又は情報の生成、記憶及び送信等を1つの情報処理として表してもよいし、それぞれ別々の情報処理として表してもよい。また、2以上の情報処理の順番を反対にし、又は、それらの情報処理を並行して実行してもよい。また、繰り返し行われる処理について、上記以外の条件で繰り返しが終了してもよい。例えば図9に示す金額算出処理は、税務簿価が備忘価額よりも大きくない場合に終了するが、税務簿価が0円になった場合に終了させてもよいし、所定の回数繰り返した場合に終了させてもよい。
【0105】
上述した実施形態の態様は、サーバ装置10のような情報処理装置や、サーバ装置10を備える固定資産管理システム1のような情報処理システムであったが、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、情報処理システムの各ステップを備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、情報処理システムの各ステップを実行させる。
【0106】
<その他のバリエーション>
情報又はデータ(以下「情報等」と言う)の出力先は、他の装置、ディスプレイ、記憶部(内蔵の記憶部及び外部の記憶部を含む)等であってもよい。情報等の取得には、他の装置から送信されてきた情報等を取得する態様に加え、自装置で生成された情報等を取得する態様を含む。パラメータを対応付けたテーブルは、図示したテーブルに限らず、パラメータの数を少なくしたり多くしたりしてもよい。また、テーブルを用いずに、数式、条件式又はマクロ等によりパラメータに応じた情報等を求めてもよい。
【0107】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0108】
(1)情報処理システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサが、取得ステップでは、固定資産の償却額を示す償却額情報を取得し、前記償却額情報には、会計上の前記償却額を示す第1情報と、税務上の前記償却額を示す第2情報とが含まれ、算出ステップでは、取得された前記償却額情報に基づいて、今期以降の2以上の事業年度の固定資産に関する金額を算出し、当該金額には、償却超過額、償却不足額及び翌期繰越超過額が少なくとも含まれ、表示処理ステップでは、算出された前記金額を前記2以上の事業年度について示す画像を表示させるための処理を行う、情報処理システム。
【0109】
このような態様によれば、固定資産の償却に関する価額の将来の見通しを容易に把握することができる。
【0110】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記固定資産に関する金額には、当該固定資産の税務簿価が含まれ、前記プロセッサが、前記算出ステップでは、前記税務簿価が備忘価額に到達するまでに要する年数を、前記2以上の事業年度の年数として、前記金額を算出する、情報処理システム。
【0111】
このような態様によれば、各年度の算出処理を行う回数を必要かつ最小限にすることができる。
【0112】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記償却額情報は、前記2以上の事業年度の各年度における償却率を示し、前記プロセッサは、前記算出ステップでは、前記2以上の事業年度の何れかの年度で償却方法に変更がある場合に、当該年度以降の年度については、変更後の償却方法により求められる償却率に基づいて前記金額を算出する、情報処理システム。
【0113】
このような態様によれば、償却方法が変更されても正確な金額を算出することができる。
【0114】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記算出ステップでは、複数の固定資産について前記金額を算出し、前記複数の固定資産は、複数の種類に分類され、前記表示処理ステップでは、同じ種類の固定資産について算出された前記金額の合計を示す前記画像を表示させるための処理を実行する、情報処理システム。
【0115】
このような態様によれば、固定資産の種類毎に金額を把握することができる。
【0116】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、確定ステップでは、所定の操作が行われた場合に、算出された前記金額のうち、過去の期間における前記金額を確定する確定処理を実行する、情報処理システム。
【0117】
このような態様によれば、固定資産に関する金額を確定することができる。
【0118】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記表示処理ステップでは、前記確定処理により確定した前記金額と、確定していない前記金額とを異なる態様で表示させるための処理を実行する、情報処理システム。
【0119】
このような態様によれば、確定金額と未確定金額を容易に見分けることができる。
【0120】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記表示処理ステップでは、第1操作が行われると、取得された前記第1情報が示す会計上の前記償却額を前記2以上の事業年度について表示させ、第2操作が行われると、取得された前記第2情報が示す税務上の前記償却額を前記2以上の事業年度について表示させるための処理を実行する、情報処理システム。
【0121】
このような態様によれば、会計上及び税務上の2以上の年度の償却額をそれぞれ把握することができる。
【0122】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記表示処理ステップでは、前記2以上の事業年度における時期を指定するための指定用画像を表示させ、前記指定用画像への操作により指定された前記時期について算出された前記金額を表示させるための処理を実行する、情報処理システム。
【0123】
このような態様によれば、各時期における固定資産に関する金額を容易に把握することができる。
【0124】
(9)情報処理方法であって、上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、情報処理方法。
【0125】
このような態様によれば、固定資産の償却超過及び償却不足の将来の見通しを容易に把握することができる。
【0126】
(10)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させるプログラム。
【0127】
このような態様によれば、固定資産の償却超過及び償却不足の将来の見通しを容易に把握することができる。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0128】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0129】
1 :固定資産管理システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
20 :ユーザ端末
21 :制御部
111 :サーバ表示部
112 :記憶制御部
113 :情報取得部
114 :金額算出部
115 :確定処理部
211 :ユーザ表示部
212 :操作受付部
図1
図2
図3
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図5
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