(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180032
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099449
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 真
(72)【発明者】
【氏名】長田 祐
(72)【発明者】
【氏名】眞屋 朋和
(72)【発明者】
【氏名】冨谷 正明
(72)【発明者】
【氏名】峰田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】津本 佳世
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 新一
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善する。
【解決手段】方法は、ユーザの関心対象を示す関心情報を取得すること、前記関心情報に基づいて広告情報を選択すること、及び前記ユーザのイベント会場への往路又はイベント会場からの復路において、前記広告情報を前記ユーザに対し通知することを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置が実行する方法であって、
ユーザの関心対象を示す関心情報を取得すること、
前記関心情報に基づいて広告情報を選択すること、及び
前記ユーザのイベント会場への往路又はイベント会場からの復路において、前記広告情報を前記ユーザに対し通知することを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記イベント会場におけるイベントに関連付けられた複数の広告情報の中から、前記ユーザの関心対象に関連する広告情報を選択することをさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記イベント会場における前記ユーザが訪れたブースを特定し、前記ブースに基づいて前記関心情報を取得することをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記ユーザの荷物が撮影された画像を取得すること、及び
前記画像から特定した前記荷物に基づいて前記ブースを特定することをさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記荷物は買い物袋を含み、前記買い物袋の色に基づいて前記ブースを特定することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体に広告データを送信する技術が知られている。例えば特許文献1には、移動体としてのバスに広告データを提供することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イベント会場を訪れるユーザに対し効果的に広告を提示する技術には、改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、制御装置が実行する方法であって、ユーザの関心対象を示す関心情報を取得すること、前記関心情報に基づいて広告情報を選択すること、及び前記ユーザのイベント会場への往路又はイベント会場からの復路において、前記広告情報を前記ユーザに対し通知することを含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、図を参照して説明する。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0010】
まず
図1を参照して本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、制御装置10と、端末装置20と、車両30とを備える。各装置は例えばインターネットを含むネットワーク40を介して互いに通信可能に接続される。
【0011】
制御装置10は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置10は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0012】
端末装置20は、ユーザによって保持される。端末装置20は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。
【0013】
車両30は、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等の、少なくとも駆動の一部に電力を用いる任意の種類の自動車である。車両30は、ユーザのイベント会場への往路又はイベント会場からの復路においてユーザを乗せて移動する。車両30は複数のユーザを乗せることが可能であってもよい。車両30は複数のイベント会場を周回するバスであってもよい。
【0014】
車両30は、自動運転によって移動可能であってもよい。自動運転は、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5を含むが、これらに限定されず、任意に定義されてもよい。
【0015】
ネットワーク40は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク40は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0016】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。制御装置10は、ユーザの関心対象を示す関心情報を取得し、関心情報に基づいて広告情報を選択する。制御装置10は、ユーザのイベント会場への往路又はイベント会場からの復路において、広告情報をユーザに対し通知する。
【0017】
関心情報は、ユーザの識別子と、ユーザの関心対象とを関連付けて示す情報である。ユーザの関心対象は、観光地、飲食物、スポーツ、メーカー又はブランド、映画、本、音楽、工芸、乗り物、ゲーム等を含む。イベント会場は、展示会、見本市、物産展等の任意のイベントの会場である。イベント会場内では、イベント主催者、個人又は事業者による複数のブースがイベントの一部として出展される。イベント会場では講演、コンサート等の催しがイベントとして開催されてもよい。広告情報は、ブースで展示されている商品又はサービス、イベント会場における各ブースへの案内図、ブースを出展する個人又は事業者、又はイベント主催者の販売する商品又はサービス等、イベント会場で開催されるイベントに関連付けられた広告を示す。本実施形態によれば、制御装置10が、イベント会場への往路又は復路において、ユーザの関心に合った、イベントに関連する広告をユーザに提示することができる。これにより、ユーザのイベント会場での行動と広告を見る行動とが関連付けられ、ユーザが、イベント会場に到着後に広告が示すブースに行く、または、イベント会場からの帰りに広告が示す商品等を購入する可能性が向上する。よって、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することが可能となる。
【0018】
次に、
図2を参照してシステム1の各構成について詳細に説明する。
【0019】
<制御装置10>
制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
【0020】
制御部11には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサはCPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」はcentral processing unitの略語である。「GPU」はgraphics processing unitの略語である。専用回路は例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」はfield-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」はapplication specific integrated circuitの略語である。制御部11は制御装置10の各部を制御しながら、制御装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0021】
記憶部12には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは例えばRAM又はROMである。「RAM」はrandom access memoryの略語である。「ROM」はread only memoryの略語である。RAMは例えばSRAM又はDRAMである。「SRAM」はstatic random access memoryの略語である。「DRAM」はdynamic random access memoryの略語である。ROMは例えばEEPROMである。「EEPROM」はelectrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部12は例えば主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12には制御装置10の動作に用いられる情報と、制御装置10の動作によって得られた情報とが記憶される。例えば記憶部12はシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は通信部13を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0022】
通信部13は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェース、LANインタフェース、又はLTE、4G、若しくは5Gなどの移動通信規格に対応したインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部13は、制御装置10の動作に用いられるデータを受信し、また制御装置10の動作によって得られるデータを送信する。
【0023】
制御装置10の機能は、本実施形態に係るプログラムを制御部11に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち制御装置10の機能は、ソフトウェアにより実現される。プログラムは制御装置10の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置10として機能させる。すなわちコンピュータは制御プログラムに従って制御装置10の動作を実行することにより制御装置10として機能する。
【0024】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。本実施形態における非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体はROMである。これに限られず、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体を含む。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したDVD又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0025】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0026】
制御装置10の一部又は全ての機能が、制御部11としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0027】
<端末装置20>
【0028】
端末装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、入出力部24、及び測位部25を備える。
【0029】
端末装置20の制御部21、記憶部22、及び通信部23のハードウェア構成は、制御装置10の制御部11、記憶部12、及び通信部13のハードウェア構成とそれぞれ同様であってよい。ここでの説明は省略される。
【0030】
入出力部24には、少なくとも1つの入出力用インタフェースが含まれる。入出力用インタフェースは、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーンを含む。入出力部24は、端末装置20の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、端末装置20の動作によって得られる情報を出力する。入出力部24は、端末装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。入出力部24は、一体化されずに、別個の入力部と出力部とにより構成されてもよい。この場合、入力部には、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、又はマイク等の少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。出力部には、ディスプレイ又はスピーカ等の少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。
【0031】
測位部25は、少なくとも1つのGNSS受信機を含む。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSは、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、又はGalileoである。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部25は、端末装置20の位置を測定する。
【0032】
<車両30>
車両30は、制御部31、記憶部32、通信部33、入出力部34、測位部35、及び撮像部36を備える。車両30の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0033】
車両30の制御部31、記憶部32、及び通信部33のハードウェア構成は、制御装置10の制御部11、記憶部12、及び通信部13のハードウェア構成とそれぞれ同様であってよい。車両30の入出力部34及び測位部35のハードウェア構成は、端末装置20の入出力部24及び測位部25のハードウェア構成と同様であってよい。
【0034】
撮像部36は、車外カメラまたは車内カメラ等のカメラを含む。撮像部36は車両30に乗っているユーザを撮像することができる。撮像部36は撮像した画像を記憶部32に記録し、又は制御部31に出力する。画像は静止画又は動画を含む。
【0035】
図2を参照して、本実施形態に係る制御装置10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る方法に相当する。以下において、制御装置10は、各装置との情報の送受信を、通信部13及びネットワーク40を介して行う。
図2のS1からS5までは、ユーザのイベント会場への往路における制御装置10の制御部11の動作を示す。S6からS11は、ユーザのイベント会場からの復路における制御部11の動作を示す。
【0036】
図2のS1において、制御装置10の制御部11は、ユーザがイベント会場へ向かう往路にいることを検出する。ユーザが往路にいることの検出には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部11は端末装置20と通信し、端末装置20から、ユーザが任意の経路探索アプリケーションの目的地をイベント会場に設定したことを示す情報と、ユーザの位置を示す位置情報とを受信する。制御部11は、該情報と位置情報とに基づきユーザが移動を開始したことを判断した場合に、ユーザが往路にいることを検出してもよい。制御部11は、車両30から、測位部35が測定した車両30の位置を示す位置情報を取得し、該位置情報に基づいてユーザが往路にいることを検出してもよい。本例では制御部11は、ユーザが北海道展のイベント会場へ向かう車両30に乗ったことを検出することで、ユーザがイベント会場へ向かう往路にいることを検出する。車両30にユーザが乗ったことの検出には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部11は、端末装置20から、測位部25が測定したユーザの位置を示す位置情報を取得し、該位置情報に基づいてユーザが車両30に乗ったことを検出する。制御部11は、車両30から車内を撮影した画像を取得し、該画像を任意の画像処理技術により解析してユーザを特定し、ユーザが車両30に乗ったことを検出してもよい。
【0037】
S2において、制御部11は、ユーザの関心対象を示す関心情報を取得する。関心情報の取得には任意の手法が採用されてよい。制御部11は、関心情報を記憶部12から読み出すことで取得してよい。これに限られず、制御部11は、端末装置20に関心対象の問い合わせを示す情報を送信し、端末装置20に対しユーザが入力した回答を受信し、受信した回答をユーザの識別子に関連付けて関心情報として取得してもよい。この場合ユーザの識別子は端末装置20の識別子であってもよい。本例では制御部11は、ユーザの関心対象として観光地「札幌」を示す関心情報を取得する。
【0038】
これに限られず、制御部11は、ユーザの商品又はサービスの購買履歴に基づいて関心情報を生成することで、関心情報を取得してもよい。この場合制御部11は、購買履歴を示す情報をユーザの使用するクレジットカード事業者等のサーバから取得する。制御部11は、購買履歴が示す商品又はサービスに応じて関心情報を生成してよい。関心対象の判別には任意の言語解析技術が採用されてよい。例えば制御部11は、購買履歴を示す情報が、札幌の旅行ガイドブックを示す場合に、ユーザの関心対象を「札幌」とする関心情報を生成することで取得してもよい。
【0039】
S3において、制御部11は、イベント会場におけるイベントに関連付けられた広告情報を取得する。該情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば広告情報はイベント会場に出展する事業者又はイベントの主催者等により予め設定され、記憶部12に格納されている。制御部11は記憶部12を参照して広告情報を読み出すことで取得する。これに限られず、制御部11は、広告情報をブース又は催しを出店又は企画する事業者、又はイベントの主催者等の広告配信用サーバから取得してもよい。制御部11は複数の広告情報を取得してもよい。本例では制御部11は、北海道展のイベント会場におけるイベントとして出店されている「札幌」に関するブースについて、当該ブースで案内している札幌観光ツアーと、当該ブースまでの会場マップとを示す広告情報を取得する。制御部11はまた、「函館」に関するブースについて、当該ブースで案内している函館観光ツアーと、当該ブースまでの会場マップとを示す広告情報を取得する。
【0040】
S4において、制御部11は関心情報に基づいて広告情報を選択する。制御部11は、S3で取得した複数の広告情報の中から、ユーザの関心対象に関連する広告情報を選択してもよい。選択には任意の手法が採用されてよい。制御部11は、任意の自然言語処理技術を用いてユーザの関心対象に関連する広告情報を選択してもよい。例えば関心情報が示すユーザの関心対象がスイーツであるとき、制御部11は、和菓子店のブース、洋菓子店のブース、または製菓用品会社のブース等についての広告情報を、ユーザの関心対象に関連する広告情報として選択する。本例では制御部11は、S3で取得した広告情報のうち、ユーザの関心対象である「札幌」に関連する、「札幌」に関するブースで案内している札幌観光ツアーと該ブースまでの会場マップとを示す広告情報を選択する。
【0041】
S5において、制御部11は、広告情報をユーザに対し通知する。通知には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部11はユーザの端末装置20へ広告情報を送信し、端末装置20の制御部21が入出力部24を介してユーザに対し広告情報を表示する。本例では制御部11が札幌の観光ツアーと「札幌」に関するブースまでの会場マップとを示す広告情報を端末装置20に送信し、端末装置20の入出力部24に該広告情報が表示される。
【0042】
S6において、制御部11は、ユーザがイベント会場からの復路にいることを検出する。ユーザが復路にいることの検出には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部11は端末装置20と通信し、端末装置20から、ユーザが任意の経路探索アプリケーションの目的地を自宅に設定して移動を開始したことを示す情報と、ユーザの位置を示す位置情報とを受信する。制御部11は、該情報と位置情報とに基づきユーザが移動を開始したことを判断した場合に、ユーザが復路にいることを検出してもよい。本例では制御部11は、ユーザがイベント会場から出る車両30に乗ったことを検出することで、ユーザがイベント会場からの復路にいることを検出する。車両30にユーザが乗ったことの検出には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部11は、S1と同様に、端末装置20からユーザの位置を示す位置情報を取得し、該位置情報に基づいてユーザが車両30に乗ったことを検出する。制御部11は、車両30から車内を撮影した画像を取得し、該画像を任意の画像処理技術により解析してユーザを特定し、ユーザが車両30に乗ったことを検出してもよい。
【0043】
S7において、制御部11は、ユーザがイベント会場で訪れたブースを特定する。特定には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部11は、ユーザの荷物が撮影された画像を取得し、該画像から特定した荷物に基づいてユーザが訪れたブースを特定する。本例では制御部11は、車両30から、撮像部36がユーザを撮影した画像を取得し、該画像から、任意の画像解析技術を用いてユーザが所持している荷物を特定する。制御部11は、特定した結果に基づきユーザがイベント会場で訪れたブースを特定する。例えば制御部11は、ユーザが持っている荷物があるブースで配布されているグッズ又はチラシ等であることを特定した場合、該ブースを、ユーザが訪れたブースとして特定する。
【0044】
本実施形態では、制御部11によって特定される荷物は、各ブースで商品を販売した際、又はノベルティグッズを渡す際にユーザに渡される買い物袋であり、ブース毎に色が異なる。制御部11は該買い物袋の色を判別し、ユーザにより所持されている数が最も多い買い物袋の色を特定する。制御部11は、買い物袋の色とブースとを対応付けて示す情報を参照することでユーザが訪れたブースを特定する。該情報は予めイベントの主催者等により設定されて記憶部12に格納されている。制御部11は、該情報をイベント会場の主催者のサーバから取得してもよい。本例ではユーザが赤色の袋を3つ、青色の袋を1つ、黄色の袋を1つ保持している。本例の北海道展において、赤色は函館に関するブース、青色は釧路に関するブース、黄色は札幌に関するブースで用いられる袋の色であるとする。この場合制御部11は、ユーザが持っている数が最も多い赤色の袋が用いられている「函館」に関するブースを、ユーザがイベント会場で訪れたブースとして特定する。
【0045】
これに限られず、制御部11は、ユーザの端末装置20からユーザの位置情報を取得することでユーザが訪れたブースを特定してもよい。制御部11は、イベント会場内に設けられたカメラが撮影した映像を取得し、該映像を任意の画像解析技術を用いて解析してユーザが訪れたブースを特定してもよい。この場合制御部11は、ユーザの滞在時間が最も長いブースをユーザが訪れたブースとして特定してよい。
【0046】
S8において、制御部11は、特定したブースに基づきユーザの関心情報を取得する。具体的には制御部11は、記憶部12に格納された、ブースと関心情報とが予め対応付けられた情報を読み出すことで関心情報を取得する。該情報は予め設定されて記憶部12に格納されている。本例では、ユーザが訪れたブースには「函館」を示す関心情報が予め対応付けられている。かかる場合、制御部11は、ユーザの関心対象として「函館」を示す関心情報を取得する。
【0047】
これに限られず、ユーザが訪れたブースに基づいた関心情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部11は、記憶部12に格納された、ブースとブースが属するカテゴリとが予め対応付けられた情報、及び、カテゴリと関心情報とが予め対応付けられた情報を読み出すことで取得する。例えば該情報において、ユーザが訪れたブースと、「キッチン用品」を示すカテゴリとが予め対応つけられており、さらに「キッチン用品」のカテゴリと「料理」の関心情報とが予め対応づけられているとする。この場合制御部11は、ユーザの関心対象として「料理」を示す関心情報を取得する。
【0048】
S9において、制御部11は、イベント会場におけるイベントに関連付けられた広告情報を取得する。該情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば広告情報はイベント会場に出展する事業者又はイベントの主催者等により予め設定され、記憶部12に格納されている。制御部11は記憶部12を参照して広告情報を読み出すことで取得する。これに限られず、制御部11は、広告情報をブース又は催しを出店又は企画する事業者、又はイベントの主催者等の広告配信用サーバから取得してもよい。制御部11は複数の広告情報を取得してもよい。
【0049】
S10において、制御部11は関心情報に基づいて広告情報を選択する。具体的には制御部11は、S8で取得した関心情報が示す関心対象に関連する広告を示す広告情報を選択する。広告情報の選択には任意の手法が採用されてよい。本例では制御部11は、関心情報が示す関心対象「函館」に関連する広告情報として、函館の観光ツアーを示す広告情報を選択する。
【0050】
制御部11は、S8で取得した関心情報に加えてS2で取得していた関心情報に基づいて、広告情報を選択してもよい。例えば制御部11は、S2で取得した関心対象が「スイーツ」であり、S8で取得した関心対象が「函館」である場合、函館のスイーツ店の商品に関連する広告情報を選択してよい。同様に例えば制御部11は、S2で取得した関心対象が「海鮮料理」であり、S8で取得した関心対象が「函館」である場合、函館の海鮮料理屋に関連する広告情報、又は函館の市場への観光ツアーに関連する広告情報を選択してもよい。
【0051】
S11において、制御部11は、広告情報をユーザに対し通知する。例えば制御部11がユーザの端末装置20へ広告情報を送信し、端末装置20の制御部21が入出力部24を介してユーザに対し広告情報を表示する。本例では制御部11が、ユーザの端末装置20に函館の観光ツアーを示す広告情報を送信し、端末装置20の入出力部24に該広告情報が表示される。その後、制御部11の処理は終了する。
【0052】
上述のように、本実施形態に係る制御装置10の制御部11は、ユーザの関心対象を示す関心情報を取得し、関心情報に基づいて広告情報を選択し、ユーザのイベント会場への往路又はイベント会場からの復路において、広告情報をユーザに対し通知する。本実施形態によれば、ユーザの関心に適合した広告がユーザに提示される。よって、イベント会場への往路又は復路で広告を見たユーザが、イベント会場に到着後に広告が示すブースに行く、又はイベント会場から帰宅後に広告が示す商品等を購入する等の行動をとる可能性が向上する。よって、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することが可能となる。
【0053】
上述のように、本実施形態に係る制御装置10において、制御部11は、イベント会場におけるイベントに関連付けられた複数の広告情報の中から、ユーザの関心対象に関連する広告情報を選択する。本実施形態によれば、イベント会場に関連し、かつユーザの関心対象に合った広告情報が選択されるため、イベント会場を訪れるユーザに対する広告の効果を増大させることが可能となる。よって、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することが可能となる。
【0054】
上述のように、本実施形態に係る制御装置10において、制御部11は、イベント会場におけるユーザが訪れたブースを特定し、ブースに基づいて関心情報を取得する。本実施形態によれば、ユーザがイベント会場を訪れて間もないうちに、イベント会場での体験が反映された広告情報をユーザに提供することができるため、ユーザに対する広告の効果を増大させることが可能となる。よって、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することが可能となる。
【0055】
上述のように、本実施形態に係る制御装置10において、制御部11は、ユーザの荷物が撮影された画像を取得し、画像から特定したユーザが保持する荷物に基づいてブースを特定する。本実施形態によれば、制御部11は、ユーザの持っている荷物からイベント会場でユーザが関心を持って訪れたブースを精度よく特定することができ、該ブースに基づいて関心情報を取得し、広告情報を出力できる。よって、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することが可能となる。
【0056】
上述のように、本実施形態において荷物は買い物袋を含む。制御部11は、買い物袋の色に基づいてブースを特定する。本実施形態によれば、ユーザが持っている袋が複数あるときでも、色により判別することでユーザが最も関心を持って訪れたブースを特定することが可能となる。よって、イベント会場を訪れるユーザに対して広告を提示する技術を改善することが可能となる。
【0057】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の2つ以上のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の2つ以上のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0058】
例えばS5及びS11において、制御部11は、広告情報をユーザが乗っている車両30に対し送信してもよい。この場合、車両30の制御部31が広告情報を受信し、入出力部34に広告情報を表示させる。これにより、車両30に乗っているユーザに対し広告情報が通知される。
【0059】
例えばS7において、制御部11は、ユーザが端末装置20を用いて撮影した画像に基づいてユーザが訪れたブースを特定してもよい。具体的には制御部11は、ユーザが端末装置20で撮影した画像を、端末装置20から受信することで取得し、該画像を任意の画像の画像解析技術を用いてユーザが所持している荷物を特定する。制御部11は、特定した結果に基づきユーザがイベント会場で訪れたブースを特定する。例えば制御部11は、端末装置20から受信した画像から、あるブースで配布されているグッズ又はチラシ等を荷物として特定した場合、該ブースを、ユーザが訪れたブースとして特定する。
【0060】
例えばS7において、制御部11は、車両30に乗っている複数のユーザがイベント会場で訪れたブースを特定してもよい。具体的には、制御部11は、車両30の撮像部36が撮影した画像を取得し、該画像から、任意の画像解析技術を用いて、該複数のユーザによって最も所持されている買い物袋の色を特定し、該色の買い物袋を使用しているブースを特定する。S8において、制御部11は、特定したブースに基づき複数のユーザのそれぞれの関心情報を取得し、S9及びS10において、該関心情報が示す関心対象に関連する広告情報を取得し、選択する。このとき制御部11は、複数の広告情報を選択してよい。制御部11は、S11において当該複数の広告情報を車両30に送信する。車両30の制御部31が当該複数の広告情報を受信し、車内ディスプレイ等の入出力部34を介して当該複数の広告情報を表示する。これにより、イベント会場からの復路において、車両30に乗っている複数のユーザのそれぞれが関心のある可能性の高い広告を、効果的に提示することが可能となる。
【符号の説明】
【0061】
1 システム
10 制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入出力部
25 測位部
30 車両
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入出力部
35 測位部
36 撮像部
40 ネットワーク