(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180061
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】操作用把手、引き戸用把手装置及び表示用把手
(51)【国際特許分類】
E05B 1/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
E05B1/00 311D
E05B1/00 311N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099488
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】592062725
【氏名又は名称】株式会社システックキョーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】末 和也
(57)【要約】
【課題】 施錠機構を有する引き戸を誰でも簡単に使用可能な操作用把手、引き戸用把手装置及び表示用把手を提供する。
【解決手段】 本発明は、引き戸2の施錠機構3を操作するための操作用把手1Aである。操作用把手1Aは、引き戸2に設けられた貫通長孔2bに取り付けられる第1プレート4Aと、引き戸2から離隔した位置で上下方向に延びる第1ハンドル5Aと、第1プレート4Aに取り付けられ、かつ第1ハンドル5Aの上端5aを支持する第1ベース6Aと、第1ハンドル5Aの上端5a及び第1ベース6Aを覆う第1カバー7Aとを含んでいる。第1カバー7Aは、上下移動することで施錠機構3の操作が可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き戸の施錠機構を操作するための操作用把手であって、
前記引き戸に設けられた貫通長孔に取り付けられる第1プレートと、
前記引き戸から離隔した位置で上下方向に延びる第1ハンドルと、
前記第1プレートに取り付けられ、かつ前記第1ハンドルの上端を支持する第1ベースと、
前記第1ハンドルの前記上端及び前記第1ベースを覆う第1カバーとを含み、
前記第1カバーは、上下移動することで前記施錠機構の操作が可能である、
操作用把手。
【請求項2】
前記第1カバーに連動して移動可能な第1コネクトバーを含む、請求項1に記載の操作用把手。
【請求項3】
前記第1プレート及び前記第1ハンドルの少なくとも一方は、前記第1カバーの移動により表出する第1表示部を有する、請求項1に記載の操作用把手。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の操作用把手と、前記施錠機構の状態を表示するための表示用把手とを含む、引き戸用把手装置。
【請求項5】
前記操作用把手と前記表示用把手とは、前記引き戸に対し、対向する位置に取り付けられる、請求項4に記載の引き戸用把手装置。
【請求項6】
前記操作用把手は、前記表示用把手と結合するための第1ジョイントを含み、
前記表示用把手は、前記操作用把手と結合するための第2ジョイントを含む、請求項4に記載の引き戸用把手装置。
【請求項7】
前記表示用把手は、
前記引き戸に設けられた前記貫通長孔に取り付けられる第2プレートと、
前記引き戸から離隔した位置で上下方向に延びる第2ハンドルと、
前記第2プレートに取り付けられ、かつ前記第2ハンドルの上端を支持する第2ベースと、
前記第2ハンドルの前記上端及び前記第2ベースを覆う第2カバーと、
前記施錠機構に連動して上下移動する第2コネクトバーとを含み、
前記第2カバーは、前記施錠機構の状態によらず前記第2ベースに移動不能に固定されており、
前記第2コネクトバーは、前記施錠機構の施錠時に前記第2カバーから突出する第2表示部を有する、請求項4に記載の引き戸用把手装置。
【請求項8】
前記操作用把手は、前記第1カバーに連動して移動可能な第1コネクトバーを含み、
前記第2コネクトバーは、前記第1コネクトバーと同一構造である、請求項7に記載の引き戸用把手装置。
【請求項9】
引き戸の施錠機構の状態を表示するための表示用把手であって、
前記引き戸に設けられた貫通長孔に取り付けられる第2プレートと、
前記引き戸から離隔した位置で上下方向に延びる第2ハンドルと、
前記第2プレートに取り付けられ、かつ前記第2ハンドルの上端を支持する第2ベースと、
前記第2ハンドルの前記上端及び前記第2ベースを覆う第2カバーと、
前記施錠機構に連動して上下移動する第2コネクトバーとを含み、
前記第2カバーは、前記施錠機構の状態によらず前記第2ベースに移動不能に固定されており、
前記第2コネクトバーは、前記施錠機構の施錠時に前記第2カバーから突出する第2表示部を有する、
表示用把手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施錠機構を有する引き戸に用いられる操作用把手、引き戸用把手装置及び表示用把手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施錠機構を有する引き戸に用いられる把手装置が知られている。例えば、下記特許文献1の取手装置は、指掛け凹部に設けられた操作ボタンを有する内側フレームと、指掛け凹部に設けられた小孔を介して作動体の位置を視認可能な外側フレームとを有する取手装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、指掛け凹部は、力の弱い者や手を自由に動かすことが困難な者にとっては、引き戸の開け閉めが容易であるとはいえず、操作ボタンによる細かい操作にも時間を要することがあり、誰もが簡単に使用することができる把手装置が望まれていた。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、施錠機構を有する引き戸を誰でも簡単に使用可能な操作用把手、引き戸用把手装置及び表示用把手を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、引き戸の施錠機構を操作するための操作用把手であって、前記引き戸に設けられた貫通長孔に取り付けられる第1プレートと、前記引き戸から離隔した位置で上下方向に延びる第1ハンドルと、前記第1プレートに取り付けられ、かつ前記第1ハンドルの上端を支持する第1ベースと、前記第1ハンドルの前記上端及び前記第1ベースを覆う第1カバーとを含み、前記第1カバーは、上下移動することで前記施錠機構の操作が可能である、操作用把手である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の操作用把手は、上述の構成を備えることにより、施錠機構を有する引き戸を誰でも簡単に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の引き戸用把手装置が取り付けられた引き戸の一実施形態を概念的に示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態の引き戸用把手装置の斜視図である。
【
図10】第3実施形態の引き戸用把手装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の引き戸用把手装置1が取り付けられた引き戸2を概念的に示す斜視図である。
図1に示されるように、本実施形態の引き戸用把手装置1は、引き戸2の戸先2a側に取り付けられている。本実施形態の引き戸2は、施錠機構3を含んでいる。施錠機構3としては、例えば、周知の鎌錠が挙げられるが、鎌錠に限定されるものではなく、その他の周知の施錠機構3を適宜用いてもよい。
【0010】
図2は、本実施形態の引き戸用把手装置1の斜視図である。
図2に示されるように、引き戸用把手装置1は、引き戸2の施錠機構3を操作するための操作用把手1Aと、施錠機構3の状態を表示するための表示用把手1Bとを含むのが望ましい。
【0011】
操作用把手1Aと表示用把手1Bとは、例えば、引き戸2に対し、対向する位置に取り付けられている。このような引き戸用把手装置1は、操作用把手1A側から開け閉めするときと表示用把手1B側から開け閉めするときとで、同様の動作で開け閉めすることができる。
【0012】
図3は、操作用把手1Aの分解斜視図である。
図2及び
図3に示されるように、操作用把手1Aは、引き戸2に設けられた貫通長孔2bに取り付けられる第1プレート4Aを含むのが望ましい。このような第1プレート4Aは、従来の指掛け凹部式の把手が取り付けられていた貫通長孔2bに取り付けることができ、従来の把手と交換して取り付けることができる。
【0013】
本実施形態の操作用把手1Aは、引き戸2から離隔した位置で上下方向に延びる第1ハンドル5Aを含んでいる。このような第1ハンドル5Aは、力を伝達させ易く、小さな力で引き戸2の開け閉めが可能である。
【0014】
操作用把手1Aは、第1プレート4Aに取り付けられ、かつ第1ハンドル5Aの上端5aを支持する第1ベース6Aを含むのが望ましい。第1ベース6Aは、例えば、取付ねじB1を用いて引き戸2にねじ止めされる。第1ハンドル5Aは、例えば、固定ねじB2を用いて第1ベース6Aにねじ止めされる。このような第1ベース6Aは、第1ハンドル5Aを引き戸2から離隔した位置で強固に支持することができる。
【0015】
本実施形態の操作用把手1Aは、第1ハンドル5Aの上端5a及び第1ベース6Aを覆う第1カバー7Aを含んでいる。本実施形態の第1カバー7Aは、上下移動することで施錠機構3の操作が可能である。このような第1カバー7Aは、細かい操作をすることなく、施錠機構3の開け閉めが可能である。このため、本実施形態の操作用把手1Aは、施錠機構3を有する引き戸2を誰でも簡単に使用することができる。
【0016】
より好ましい態様として、操作用把手1Aは、第1カバー7Aに連動して移動可能な第1コネクトバー8Aを含んでいる。このような第1コネクトバー8Aは、第1カバー7Aの動きを施錠機構3に伝達するのに役立つ。
【0017】
操作用把手1Aは、例えば、第1コネクトバー8Aと鎌錠等の施錠機構3と結合するための第1ジョイントプレート9Aを含んでいる。第1ジョイントプレート9Aは、例えば、従来のジョイントプレートと同一構造であってもよく、少なくとも互換性を有するものであるのが望ましい。このような第1ジョイントプレート9Aは、操作用把手1Aを従来の把手と交換する場合に、スムーズに施錠機構3と連動させることができる。
【0018】
操作用把手1Aは、表示用把手1Bと結合するための第1ジョイント10Aを含むのが望ましい。本実施形態の第1ジョイント10Aは、第1プレート4Aの上方と下方との2か所に設けられている。第1ジョイント10Aは、例えば、係合凹部と係合凸部とを有する従来のジョイントと同一構造であってもよく、少なくとも互換性を有するものであるのが望ましい。このような第1ジョイント10Aは、操作用把手1Aを従来の把手と交換する場合に、操作用把手1Aのみを交換することができる。
【0019】
操作用把手1Aは、例えば、第1プレート4Aの下方に取り付けられる第1プレートカバー11Aを含んでいる。このような第1プレートカバー11Aは、第1プレート4Aの内部にゴミやほこりが侵入するのを防止しつつ、意匠性を向上させることができる。
【0020】
図示は省略されるが、操作用把手1Aは、例えば、第1プレートカバー11Aの代わりに第1ベース6Aを取り付けて、第1ハンドル5Aの上下2か所で第1ハンドル5Aを支持してもよい。この場合の操作用把手1Aは、第1ハンドル5Aの下端及び下側の第1ベース6Aを覆うカバーとして第1ベース6Aに対して上下移動しないカバー、例えば、後述する第2カバー7Bが取り付けられる。このような操作用把手1Aは、第1ハンドル5Aを、その上下2か所で強固に支持することができる。
【0021】
操作用把手1Aは、例えば、第1カバー7Aの下方に取り付けられる第1インナーカバー12Aを含んでいる。第1インナーカバー12Aは、例えば、第1ベース6Aに上下移動自在に取り付けられる。第1インナーカバー12Aと第1カバー7Aとは、プレートねじB3を用いてねじ止めされるのが望ましい。このような第1インナーカバー12Aは、第1カバー7Aの内部にゴミやほこりが侵入するのを防止しつつ、第1カバー7Aと共に上下移動することができる。
【0022】
図4は、施錠時の操作用把手1Aを示す正面図である。
図4に示されるように、第1プレート4A及び第1ハンドル5Aの少なくとも一方は、第1カバー7Aの移動により表出する第1表示部13Aを有するのが望ましい。第1表示部13Aは、例えば、シール材の貼り付けや塗装等により赤色等に着色されている。このような第1表示部13Aは、第1カバー7Aの位置、ひいては、施錠機構3の状態を容易に把握することができる。
【0023】
図2に示されるように、表示用把手1Bは、引き戸2に設けられた貫通長孔2bに取り付けられる第2プレート4Bを含むのが望ましい。第2プレート4Bは、例えば、第1プレート4Aと同一構造である。このような第2プレート4Bは、第1プレート4Aと同様、従来の指掛け凹部式の把手が取り付けられていた貫通長孔2bに取り付けることができ、従来の把手と交換して取り付けることができる。
【0024】
本実施形態の表示用把手1Bは、引き戸2から離隔した位置で上下方向に延びる第2ハンドル5Bを含んでいる。第2ハンドル5Bは、例えば、第1ハンドル5Aと同一構造である。このような第2ハンドル5Bは、第1ハンドル5Aと同様、力を伝達させ易く、小さな力で引き戸2の開け閉めが可能である。
【0025】
表示用把手1Bは、第2プレート4Bに取り付けられ、かつ第2ハンドル5Bの上端5bを支持する第2ベース6Bを含むのが望ましい。第2ベース6Bは、例えば、第1ベース6Aと同一構造である。第2ベース6Bは、例えば、取付ねじB1を用いて引き戸2にねじ止めされる。第2ハンドル5Bは、例えば、固定ねじB2を用いて第2ベース6Bにねじ止めされる。このような第2ベース6Bは、第1ベース6Aと同様、第2ハンドル5Bを引き戸2から離隔した位置で強固に支持することができる。
【0026】
本実施形態の表示用把手1Bは、第2ハンドル5Bの上端5b及び第2ベース6Bを覆う第2カバー7Bを含んでいる。本実施形態の第2カバー7Bは、施錠機構3の状態によらず第2ベース6Bに移動不能に固定されている。第2カバー7Bの外形形状は、第1カバー7Aの外形形状と略同一であるのが望ましい。このような第2カバー7Bは、意匠性に優れており、外観性能を向上させることができる。
【0027】
本実施形態の表示用把手1Bは、施錠機構3に連動して上下移動する第2コネクトバー8Bを含んでいる。第2コネクトバー8Bは、例えば、第1コネクトバー8Aと同一構造である。このような第2コネクトバー8Bは、施錠機構3の動きを視覚的に把握することができる。
【0028】
表示用把手1Bは、例えば、鎌錠等の施錠機構3と結合するための第2ジョイントプレート9Bを含んでいる。第2ジョイントプレート9Bは、例えば、第1ジョイントプレート9Aと同一構造である。第2ジョイントプレート9Bは、例えば、第1ジョイントプレート9Aと同様、従来のジョイントプレートと同一構造であってもよく、少なくとも互換性を有するものであるのが望ましい。このような第2ジョイントプレート9Bは、表示用把手1Bを従来の把手と交換する場合に、スムーズに施錠機構3と連動させることができる。
【0029】
表示用把手1Bは、操作用把手1Aと結合するための第2ジョイント10Bを含むのが望ましい。第2ジョイント10Bは、例えば、第1ジョイント10Aと同一構造である。本実施形態の第2ジョイント10Bは、第1ジョイント10Aと同様、第2プレート4Bの上方と下方との2か所に設けられている。第2ジョイント10Bは、例えば、第1ジョイント10Aと同様、係合凹部と係合凸部とを有する従来のジョイントと同一構造であってもよく、少なくとも互換性を有するものであるのが望ましい。このような第2ジョイント10Bは、表示用把手1Bを従来の把手と交換する場合に、表示用把手1Bのみを交換することができる。
【0030】
表示用把手1Bは、例えば、第2プレート4Bの下方に取り付けられる第2プレートカバー11Bを含んでいる。第2プレートカバー11Bは、例えば、第1プレートカバー11Aと同一構造である。このような第2プレートカバー11Bは、第2プレート4Bの内部にゴミやほこりが侵入するのを防止しつつ、意匠性を向上させることができる。
【0031】
図示は省略されるが、表示用把手1Bは、操作用把手1Aと同様、例えば、第2プレートカバー11Bの代わりに第2ベース6Bを取り付けて、第2ハンドル5Bの上下2か所で第2ハンドル5Bを支持してもよい。この場合の表示用把手1Bは、第2ハンドル5Bの下端及び下側の第2ベース6Bを覆うカバーとして第2ベース6Bに対して上下移動しないカバー、例えば、第2カバー7Bが取り付けられる。このような表示用把手1Bは、操作用把手1Aと同様、第2ハンドル5Bを、その上下2か所で強固に支持することができる。
【0032】
表示用把手1Bは、例えば、第2カバー7Bの下方に取り付けられる第2インナーカバー12Bを含んでいる。第2インナーカバー12Bは、例えば、第1インナーカバー12Aと同一構造である。第2インナーカバー12Bと第2カバー7Bとは、プレートねじB3を用いてねじ止めされるのが望ましい。これにより、第2インナーカバー12Bは、第2ベース6Bに対して移動不能に取り付けられる。このような第2インナーカバー12Bは、第2カバー7Bの内部にゴミやほこりが侵入するのを防止することができる。
【0033】
本実施形態の操作用把手1Aと表示用把手1Bとは、第1カバー7A及び第2カバー7Bを除き、同一構造の部品で構成されている。このような引き戸用把手装置1は、多くの部品を共用化することができ、製造コストを低減させることに役立つ。
【0034】
ここで、第1カバー7Aと第2カバー7Bとの違いが説明される。
図5は、第1カバー7Aの斜視図である。
図5に示されるように、本実施形態の第1カバー7Aは、第1コネクトバー8Aと結合する第1結合部7aと、第1ベース6Aに摺動自在に取り付けられる第2結合部7bとを有している。このような第1カバー7Aは、工具を使うことなく、第1コネクトバー8Aと共に、第1ベース6Aに上下移動自在に取り付けることができる。
【0035】
図6は、第2カバー7Bの斜視図である。
図6に示されるように、本実施形態の第2カバー7Bは、第2結合部7bと第3結合部7cとにより、第2ベース6Bに移動不能に取り付けられている。第2カバー7Bは、第2コネクトバー8Bが突出可能な切欠部7dを有するのが望ましい。このような第2カバー7Bは、第2コネクトバー8Bが切欠部7dから突出した場合にも、第2ベース6Bに対して同じ位置を維持することができる。
【0036】
図7は、施錠時の表示用把手1Bを示す正面図である。
図7に示されるように、第2コネクトバー8Bは、施錠機構3の施錠時に第2カバー7Bから突出する第2表示部13Bを有するのが望ましい。第2表示部13Bは、赤色等に着色されるのが望ましい。本実施形態では、第2コネクトバー8Bが赤色の材料から形成されている。第2表示部13Bは、例えば、シール材の貼り付けや塗装等により着色されていてもよい。このような第2表示部13Bは、表示用把手1Bの上方に突出するので、視認し易く、施錠機構3の状態を容易に把握することができる。
【0037】
図8は、他の実施形態の第1カバー17Aの斜視図である。
図8に示されるように、この実施形態の第1カバー17Aは、段部17aを有している。このような第1カバー17Aは、段部17aを用いて上方へ移動させることもでき、施錠操作がより容易になり得る。なお、第1カバー17Aは、このような態様に限定されるものではなく、例えば、第1カバー17Aの上部に鍔部を形成することで段部17aを構成してもよい。
【0038】
図9は、第2実施形態の引き戸用把手装置21の斜視図である。上述の実施形態と同一の要素には同一の符号が付され、その説明が省略される。また、
図9では、引き戸2の記載が省略されている。
図9に示されるように、第2実施形態の引き戸用把手装置21は、引き戸2の施錠機構3を操作するための上述の操作用把手1Aと、施錠機構3の状態を表示するための従来周知の表示用把手21Bとを含んでいる。
【0039】
表示用把手21Bは、例えば、指掛け凹部を有する表示用プレート22Bと、施錠機構3と結合するための表示用ジョイントプレート23Bとを含んでいる。表示用プレート22Bは、例えば、表示用ジョイントプレート23Bが視認可能な小窓を設けることで、施錠機構3の状態を把握してもよい。
【0040】
表示用把手21Bは、操作用把手1Aと結合するための表示用ジョイント24Bを含むのが望ましい。このような表示用ジョイント24Bは、操作用把手1Aの第1ジョイント10Aと係合することで、表示用把手21Bを引き戸2に固定することができる。
【0041】
図10は、第3実施形態の引き戸用把手装置31の斜視図である。上述の実施形態と同一の要素には同一の符号が付され、その説明が省略される。また、
図10では、
図9と同様、引き戸2の記載が省略されている。
図10に示されるように、第3実施形態の引き戸用把手装置31は、引き戸2の施錠機構3を操作するための従来周知の操作用把手31Aと、施錠機構3の状態を表示するための上述の表示用把手1Bとを含んでいる。
【0042】
操作用把手31Aは、例えば、指掛け凹部を有する操作用プレート32Aと、施錠機構3を操作するための操作部33Aとを含んでいる。操作用プレート32Aは、例えば、操作部33Aと施錠機構3と結合するための操作用ジョイントプレート34Aを含んでいてもよい。
【0043】
操作用把手31Aは、表示用把手1Bと結合するための操作用ジョイント35Aを含むのが望ましい。このような操作用ジョイント35Aは、表示用把手1Bの第2ジョイント10Bと係合することで、操作用把手31Aを引き戸2に固定することができる。
【0044】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【0045】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0046】
[本発明1]
引き戸の施錠機構を操作するための操作用把手であって、
前記引き戸に設けられた貫通長孔に取り付けられる第1プレートと、
前記引き戸から離隔した位置で上下方向に延びる第1ハンドルと、
前記第1プレートに取り付けられ、かつ前記第1ハンドルの上端を支持する第1ベースと、
前記第1ハンドルの前記上端及び前記第1ベースを覆う第1カバーとを含み、
前記第1カバーは、上下移動することで前記施錠機構の操作が可能である、
操作用把手。
【0047】
[本発明2]
前記第1カバーに連動して移動可能な第1コネクトバーを含む、本発明1に記載の操作用把手。
【0048】
[本発明3]
前記第1プレート及び前記第1ハンドルの少なくとも一方は、前記第1カバーの移動により表出する第1表示部を有する、本発明1又は2に記載の操作用把手。
【0049】
[本発明4]
本発明1ないし3のいずれかに記載の操作用把手と、前記施錠機構の状態を表示するための表示用把手とを含む、引き戸用把手装置。
【0050】
[本発明5]
前記操作用把手と前記表示用把手とは、前記引き戸に対し、対向する位置に取り付けられる、本発明4に記載の引き戸用把手装置。
【0051】
[本発明6]
前記操作用把手は、前記表示用把手と結合するための第1ジョイントを含み、
前記表示用把手は、前記操作用把手と結合するための第2ジョイントを含む、本発明4又は5に記載の引き戸用把手装置。
【0052】
[本発明7]
前記表示用把手は、
前記引き戸に設けられた前記貫通長孔に取り付けられる第2プレートと、
前記引き戸から離隔した位置で上下方向に延びる第2ハンドルと、
前記第2プレートに取り付けられ、かつ前記第2ハンドルの上端を支持する第2ベースと、
前記第2ハンドルの前記上端及び前記第2ベースを覆う第2カバーと、
前記施錠機構に連動して上下移動する第2コネクトバーとを含み、
前記第2カバーは、前記施錠機構の状態によらず前記第2ベースに移動不能に固定されており、
前記第2コネクトバーは、前記施錠機構の施錠時に前記第2カバーから突出する第2表示部を有する、本発明4ないし6のいずれかに記載の引き戸用把手装置。
【0053】
[本発明8]
前記操作用把手は、前記第1カバーに連動して移動可能な第1コネクトバーを含み、
前記第2コネクトバーは、前記第1コネクトバーと同一構造である、本発明7に記載の引き戸用把手装置。
【0054】
[本発明9]
引き戸の施錠機構の状態を表示するための表示用把手であって、
前記引き戸に設けられた貫通長孔に取り付けられる第2プレートと、
前記引き戸から離隔した位置で上下方向に延びる第2ハンドルと、
前記第2プレートに取り付けられ、かつ前記第2ハンドルの上端を支持する第2ベースと、
前記第2ハンドルの前記上端及び前記第2ベースを覆う第2カバーと、
前記施錠機構に連動して上下移動する第2コネクトバーとを含み、
前記第2カバーは、前記施錠機構の状態によらず前記第2ベースに移動不能に固定されており、
前記第2コネクトバーは、前記施錠機構の施錠時に前記第2カバーから突出する第2表示部を有する、
表示用把手。
【符号の説明】
【0055】
1A 操作用把手
2 引き戸
2b 貫通長孔
3 施錠機構
4A 第1プレート
5A 第1ハンドル
5a 上端
6A 第1ベース
7A 第1カバー