(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180086
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20241219BHJP
G06F 16/36 20190101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06F16/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099527
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中薗 淳
【テーマコード(参考)】
5B175
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5B175GB04
5L010AA00
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】製造設備に関する複数種類のガイダンスから、ユーザが必要とする製造設備情報に対応した1以上のガイダンスを出力することができる管理システムなどを提供する。
【解決手段】管理システム1は、製造設備20に関する複数種類の製造設備情報を取得する取得部と、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジーを含む知識ベースから、1以上のガイダンスを検索する検索部130と、1以上のガイダンスを示す検索結果を出力する出力部140と、を備え、複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含み、検索部131は、製造設備情報を、知識ベースで定義される用語に変換する第1変換部131と、前記用語を前記用語が対応するオントロジーコードに変換する第2変換部132と、を有し、複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造設備に関する複数種類の製造設備情報を取得する取得部と、
前記製造設備に関する複数のオントロジーであって、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジーを含む知識ベースから、前記取得部において取得された前記製造設備情報に対応する1以上のガイダンスを検索する検索部と、
前記1以上のガイダンスを示す検索結果を出力する出力部と、を備え、
前記複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含み、
前記検索部は、
前記製造設備情報を、前記知識ベースで定義される用語に変換する第1変換部と、
前記第1変換部により得られた前記用語を、前記用語が対応するオントロジーコードに変換する第2変換部と、を有し、
前記複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含み、
前記1以上のガイダンスのうちの一のガイダンスは、前記第2変換部における変換により得られた前記オントロジーコードに対応する
管理システム。
【請求項2】
前記製造設備情報は、前記製造設備から送信されるエラーイベントデータ、または、製造実行システムから送信される作業指示データであり、
前記第1変換部は、前記エラーイベントデータに含まれる自然言語の文字列、または、前記作業指示データに含まれる自然言語の文字列を前記用語に変換する
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記複数のオントロジーのうちの第1オントロジーは、前記製造設備のエラー対策に関する1以上のエラーガイダンスに対応付けられており、
前記取得部が取得した前記製造設備情報が前記エラーイベントデータである場合、前記1以上のガイダンスは、前記エラーイベントデータにより示されるエラーイベントに関するエラーガイダンスを含む
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記複数のオントロジーのうちの第2オントロジーは、前記製造設備の標準作業手順を示す1以上の作業ガイダンスに対応付けられており、
前記取得部が取得した前記製造設備情報が前記作業指示データである場合、前記1以上のガイダンスは、前記作業指示データにより示される作業指示に関する作業ガイダンスを含む
請求項2に記載の管理システム。
【請求項5】
前記製造設備情報は、さらに、ユーザにより入力された自然言語による検索キーワードであり、
前記第1変換部は、前記検索キーワードを前記用語に変換する
請求項2から4のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記複数のオントロジーは、前記製造設備のエラー対策に関する1以上のエラーガイダンスに対応付けられている第1オントロジーと、前記製造設備の標準作業手順を示す1以上の作業ガイダンスに対応付けられている第2オントロジーと、前記製造設備の構造の説明を示す1以上の構造ガイダンスに対応付けられている第3オントロジーと、前記製造設備の機能の説明を示す1以上の機能ガイダンスに対応付けられている第4オントロジーとを含み、
前記取得部が取得した前記製造設備情報が前記検索キーワードを含む場合、前記1以上のガイダンスは、前記検索キーワードに関する、エラーガイダンス、作業ガイダンス、構造ガイダンス、及び、機能ガイダンスの少なくとも1つを含む
請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記1以上のエラーガイダンス、前記1以上の作業ガイダンス、前記1以上の構造ガイダンス、及び、前記1以上の機能ガイダンスのうち、互いに異なる種類の少なくとも2つのガイダンスが対応付けられており、
前記第2変換部により得られた前記オントロジーコードが前記2つのガイダンスのうちの1つのガイダンスに対応している場合、前記1以上のガイダンスは、前記2つのガイダンスを含む
請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
さらに、
ユーザから前記1以上のガイダンスのうちの1つを選択する入力を受け付ける入力受付部と、
前記複数のオントロジーで対応付けられている複数のガイダンスのそれぞれについて、ユーザから選択された回数をカウントするカウンタと、
前記複数のガイダンスのそれぞれに対してカウントされた前記回数を記憶する記憶部と、を備え、
前記検索部は、前記記憶部において前記回数が多いほど検索する優先順位が高くなるように、ガイダンスに関する用語を用いた検索を実行する
請求項1から4のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
製造設備に関する複数種類の製造設備情報を取得し、
前記製造設備に関する複数のオントロジーであって、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジーを含む知識ベースから、取得された前記製造設備情報に対応する1以上のガイダンスを検索し、
前記1以上のガイダンスを示す検索結果を出力し、
前記複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含み、
前記検索では、
前記製造設備情報を、前記知識ベースで定義される用語に変換し、
前記変換によって得られた前記用語を、前記用語が対応するオントロジーコードに変換し、
前記複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含み、
前記1以上のガイダンスのうちの一のガイダンスは、変換により得られた前記オントロジーコードに対応する
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入力された自然言語の文字列から管理システムに対する質問を示す質問情報を抽出し、抽出された質問情報に示される質問に関連付けられる回答を示す回答情報を表示する管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、製造設備に関する複数種類のガイダンスから、ユーザが必要とするガイダンスを必要なタイミングで抽出し、候補となる1以上のガイダンスを出力することができる管理システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る管理システムは、製造設備に関する複数種類の製造設備情報を取得する取得部と、前記製造設備に関する複数のオントロジーであって、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジーを含む知識ベースから、前記取得部において取得された前記製造設備情報に対応する1以上のガイダンスを検索する検索部と、前記1以上のガイダンスを示す検索結果を出力する出力部と、を備え、前記複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含み、前記検索部は、前記製造設備情報を、前記知識ベースで定義される用語に変換する第1変換部と、前記第1変換部により得られた前記用語を、前記用語が対応するオントロジーコードに変換する第2変換部と、を有し、前記複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含み、前記1以上のガイダンスのうちの一のガイダンスは、前記第2変換部における変換により得られた前記オントロジーコードに対応する。
【0006】
本開示の一態様に係る管理方法は、製造設備に関する複数種類の製造設備情報を取得し、前記製造設備に関する複数のオントロジーであって、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジーを含む知識ベースから、取得された前記製造設備情報に対応する1以上のガイダンスを検索し、前記1以上のガイダンスを示す検索結果を出力し、前記複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含み、前記検索では、前記製造設備情報を、前記知識ベースで定義される用語に変換し、前記変換によって得られた前記用語を、前記用語が対応するオントロジーコードに変換し、前記複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含み、前記1以上のガイダンスのうちの一のガイダンスは、変換により得られた前記オントロジーコードに対応する。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の管理システムなどは、製造設備に関する複数種類のガイダンスから、ユーザが必要とするガイダンスを必要なタイミングで抽出し、候補となる1以上のガイダンスを出力することができる。
【0009】
なお、本開示の一態様における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/または効果は、いくつかの実施の形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、1つの製造設備に対応する複数のオントロジーの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1変換部による変換例を示す図である。
【
図4】
図4は、第2変換部による変換例を示す図である。
【
図5】
図5は、検索装置及び管理装置における知識ベースを管理する処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、ガイダンスの検索処理の第1の例を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、第1の例における検索装置における検索処理の具体例を示す。
【
図8】
図8は、検索キーワードの入力を受け付ける入力受付部のUIの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、ガイダンス候補リストを示すUIの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、ガイダンスを示すUIの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、ガイダンスの検索処理の第2の例を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、第2の例における検索装置における検索処理の具体例を示す。
【
図13】
図13は、ガイダンスの検索処理の第3の例を示すシーケンス図である。
【
図14】
図14は、第3の例における検索装置における検索処理の具体例を示す。
【
図16】
図16は、検索装置とオペレータ端末とを通話のために通信接続する処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図17】
図17は、サポートデスクへの問合せフォームの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、情報端末、検索装置及び管理装置においてパーツを発注する処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の態様に係る管理システムは、製造設備に関する複数種類の製造設備情報を取得する取得部と、前記製造設備に関する複数のオントロジーであって、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジーを含む知識ベースから、前記取得部において取得された前記製造設備情報に対応する1以上のガイダンスを検索する検索部と、前記1以上のガイダンスを示す検索結果を出力する出力部と、を備え、前記複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含み、前記検索部は、前記製造設備情報を、前記知識ベースで定義される用語に変換する第1変換部と、前記第1変換部により得られた前記用語を、前記用語が対応するオントロジーコードに変換する第2変換部と、を有し、前記複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含み、前記1以上のガイダンスのうちの一のガイダンスは、前記第2変換部における変換により得られた前記オントロジーコードに対応する。
【0012】
これによれば、製造設備情報を用語に変換し、用語をオントロジーコードに変換し、変換により得られたオントロジーコードを用いて、複数のオントロジーを含む知識ベースから1以上のガイダンスを検索する。このため、複数種類のガイダンスから製造設備情報に関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0013】
第2の態様に係る管理システムは、第1の態様に係る管理システムであって、前記製造設備情報は、前記製造設備から送信されるエラーイベントデータ、または、製造実行システムから送信される作業指示データであり、前記第1変換部は、前記エラーイベントデータに含まれる自然言語の文字列、または、前記作業指示データに含まれる自然言語の文字列を前記用語に変換する。
【0014】
このため、複数種類のガイダンスからエラーイベントデータまたは作業指示データに関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0015】
第3の態様に係る管理システムは、第2の態様に係る管理システムであって、前記複数のオントロジーのうちの第1オントロジーは、前記製造設備のエラー対策に関する1以上のエラーガイダンスに対応付けられており、前記取得部が取得した前記製造設備情報が前記エラーイベントデータである場合、前記1以上のガイダンスは、前記エラーイベントデータにより示されるエラーイベントに関するエラーガイダンスを含む。
【0016】
このため、複数種類のガイダンスからエラーイベントデータが示すエラーに関するエラーガイダンスを少なくとも含む1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0017】
第4の態様に係る管理システムは、第2の態様または第3の態様に係る管理システムであって、前記複数のオントロジーのうちの第2オントロジーは、前記製造設備の標準作業手順を示す1以上の作業ガイダンスに対応付けられており、前記取得部が取得した前記製造設備情報が前記作業指示データである場合、前記1以上のガイダンスは、前記作業指示データにより示される作業指示に関する作業ガイダンスを含む。
【0018】
このため、複数種類のガイダンスから作業指示データが示す作業指示に関する作業ガイダンスを少なくとも含む1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0019】
第5の態様に係る管理システムは、第2の態様から第4の態様のいずれか1つの態様に係る管理システムであって、前記製造設備情報は、さらに、ユーザにより入力された自然言語による検索キーワードであり、前記第1変換部は、前記検索キーワードを前記用語に変換する。
【0020】
このため、複数種類のガイダンスから検索キーワードに関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。また、エラーイベントデータ、作業指示データ及び検索キーワードにおいて共通する知識ベースから1以上のガイダンスを検索することができる。
【0021】
第6の態様に係る管理システムは、第5の態様に係る管理システムであって、前記複数のオントロジーは、前記製造設備のエラー対策に関する1以上のエラーガイダンスに対応付けられている第1オントロジーと、前記製造設備の標準作業手順を示す1以上の作業ガイダンスに対応付けられている第2オントロジーと、前記製造設備の構造の説明を示す1以上の構造ガイダンスに対応付けられている第3オントロジーと、前記製造設備の機能の説明を示す1以上の機能ガイダンスに対応付けられている第4オントロジーとを含み、前記取得部が取得した前記製造設備情報が前記検索キーワードを含む場合、前記1以上のガイダンスは、前記検索キーワードに関する、エラーガイダンス、作業ガイダンス、構造ガイダンス、及び、機能ガイダンスの少なくとも1つを含む。
【0022】
このため、少なくとも4種類のガイダンスから検索キーワードに関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0023】
第7の態様に係る管理システムは、第6の態様に係る管理システムであって、前記1以上のエラーガイダンス、前記1以上の作業ガイダンス、前記1以上の構造ガイダンス、及び、前記1以上の機能ガイダンスのうち、互いに異なる種類の少なくとも2つのガイダンスが対応付けられており、前記第2変換部により得られた前記オントロジーコードが前記2つのガイダンスのうちの1つのガイダンスに対応している場合、前記1以上のガイダンスは、前記2つのガイダンスを含む。
【0024】
このため、製造設備情報に基づいて1つのガイダンスを特定すると、特定した1つのガイダンスに対応付けられている他の1つのガイダンスも1以上のガイダンスとして特定するため、互いに関連する2つのガイダンスを出力することができる。
【0025】
第8の態様に係る管理システムは、第1の態様から第7の態様のいずれか1つの態様に係る管理システムであって、さらに、ユーザから前記1以上のガイダンスのうちの1つを選択する入力を受け付ける入力受付部と、前記複数のオントロジーで対応付けられている複数のガイダンスのそれぞれについて、ユーザから選択された回数をカウントするカウンタと、前記複数のガイダンスのそれぞれに対してカウントされた前記回数を記憶する記憶部と、を備え、前記検索部は、前記記憶部において前記回数が多いほど検索する優先順位が高くなるように、ガイダンスに関する用語を用いた検索を実行する。
【0026】
これによれば、ユーザに選択された回数に応じた優先順位で用語を用いた検索を行うため、ユーザに閲覧される可能性が高いガイダンスを優先してユーザに提示することができる。
【0027】
第9の態様に係る管理方法は、製造設備に関する複数種類の製造設備情報を取得し、前記製造設備に関する複数のオントロジーであって、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジーを含む知識ベースから、取得された前記製造設備情報に対応する1以上のガイダンスを検索し、前記1以上のガイダンスを示す検索結果を出力し、前記複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含み、前記検索では、前記製造設備情報を、前記知識ベースで定義される用語に変換し、前記変換によって得られた前記用語を、前記用語が対応するオントロジーコードに変換し、前記複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含み、前記1以上のガイダンスのうちの一のガイダンスは、変換により得られた前記オントロジーコードに対応する。
【0028】
これによれば、製造設備情報を用語に変換し、用語をオントロジーコードに変換し、変換により得られたオントロジーコードを用いて、複数のオントロジーを含む知識ベースから1以上のガイダンスを検索する。このため、複数種類のガイダンスから製造設備情報に関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0029】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0031】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0032】
(実施の形態)
[管理システムの構成]
図1は、管理システムの構成の一例を示す図である。
【0033】
管理システム1は、製造設備20に関する製造設備情報に関する1以上のガイダンスを管理するシステムである。管理システム1は、製造設備情報に関する1以上のガイダンスを、エッジデータベースから検索して検索結果をユーザへ提示する。エッジデータベースにおける知識ベース151は、管理装置200によって製造設備20の機種毎に管理されており、製造設備20のパーツの品番が改訂されたり、製造設備20のソフトウェアのバージョンアップがされたりした場合に、改訂またはバージョンアップに応じた新たな情報に更新される。
【0034】
管理システム1は、情報端末10と、製造設備20と、製造実行システム30と、検索装置100と、管理装置200と、在庫管理システム300と、オペレータ端末400とを備える。管理システム1は、検索装置100を備えていればよく、他の装置を備えていなくてもよい。
【0035】
情報端末10、製造設備20、製造実行システム30、及び、検索装置100は、例えば、工場に設けられており、互いに通信可能に接続されている。ここで、工場は、製造設備20が設けられている施設である。情報端末10、製造設備20、製造実行システム30、及び、検索装置100は、工場内におけるネットワークで通信可能に接続されていてもよいし、インターネットなどのネットワークで通信可能に接続されていてもよいし、それ以外の通信方法で通信可能に接続されていてもよい。
【0036】
なお、管理システム1は、複数の工場のそれぞれに設けられた情報端末10、製造設備20、製造実行システム30、及び、検索装置100を含んでいてもよい。複数の工場は、例えば、所有者が異なる工場である。
【0037】
管理装置200、在庫管理システム300、及び、オペレータ端末400は、例えば、製造設備20のベンダに所有されている。管理装置200及び在庫管理システム300は、互いに通信可能に接続されている。管理装置200及び在庫管理システム300は、ベンダ内におけるネットワークで通信可能に接続されていてもよいし、インターネットなどのネットワークで通信可能に接続されていてもよいし、それ以外の通信方法で通信可能に接続されていてもよい。オペレータ端末400は、管理装置200及び在庫管理システム300と通信可能に接続されていなくてもよいし、少なくとも一方と通信可能に接続されていてもよい。
【0038】
また、管理装置200は、検索装置100とインターネットなどのネットワークで接続されている。オペレータ端末400は、検索装置100とインターネットなどのネットワークで接続されている。管理システム1が複数の工場を含む場合、管理装置200は、複数の工場にそれぞれ対応する複数の検索装置100とインターネットなどのネットワークで接続されている。この場合、オペレータ端末400は、複数の工場にそれぞれ対応する複数の検索装置100とインターネットなどのネットワークで接続されている。
【0039】
情報端末10は、ユーザからの入力を受け付けて、受け付けた入力を示す入力情報を検索装置100へ送信する装置である。情報端末10は、具体的には、ユーザからの検索キーワードを受け付けて、検索キーワードを示す入力を検索装置100へ送信する。入力情報は、製造設備20に関する製造設備情報の一例である。また、情報端末10は、検索装置100から検索結果を受信して、受信した検索結果を情報端末10が備えるディスプレイに表示する。情報端末10は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末などのコンピュータである。
【0040】
製造設備20は、製品を製造するために用いられる装置である。製造設備20は、例えば、部品実装ラインに用いられる装置である。製造設備20は、例えば、はんだ印刷装置、印刷検査装置、部品実装装置、実装検査装置、リフロー装置などである。製造設備20は、ユーザからの入力を受け付ける入力インタフェースを有し、入力インタフェースにより受け付けられた入力を示す入力情報を検索装置100へ送信する。製造設備20は、検索装置100から検索結果を受信して、受信した検索結果を製造設備20が備えるディスプレイに表示する。製造設備20は、エラーイベントが発生した場合に、当該エラーイベントを示すエラーイベントデータを検索装置100へ送信する。エラーイベントデータは、製造設備20に関する製造設備情報の他の一例である。
【0041】
製造実行システム30は、製造工程の可視化、管理、作業者への指示または支援を実施する。製造実行システム30は、例えば、作業者への指示を示す作業指示データを検索装置100へ送信する。作業指示データは、製造設備20に関する製造設備情報の他の一例である。製造実行システム30は、例えば、サーバなどのコンピュータである。
【0042】
検索装置100は、入力受付部110と、受信部120と、検索部130と、出力部140と、記憶部150と、カウンタ160とを備える。
【0043】
入力受付部110は、情報端末10または製造設備20により受け付けられた入力を示す入力情報を受け付ける。つまり、入力受付部110は、情報端末10または製造設備20を介してユーザからの入力を受け付ける。
【0044】
受信部120は、製造設備20により送信されたエラーイベントデータ、または、製造実行システム30により送信された作業指示データを受信する。
【0045】
なお、入力受付部110及び受信部120は、製造設備情報を取得する取得部の一例である。
【0046】
検索部130は、製造設備20に関する複数のオントロジーを含む知識ベース151から、取得された製造設備情報(入力情報、エラーイベントデータ、及び、作業指示データのうちの1つ)に関する1以上のガイダンスを検索する。複数のオントロジーは、互いに異なる種類の知識が体系化された情報である。複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含む。なお、複数のオントロジーについては、
図2を用いて説明する。
【0047】
図2は、1つの製造設備に対応する複数のオントロジーの構成の一例を示す図である。
【0048】
図1及び
図2に示すように、製造設備20の機種を示す機種コードは、4種類のオントロジーと、管理テーブル152とに対応付けられている。4種類のオントロジーは、エラー対策オントロジー153と、SOP(Standard Operating Procedure:標準作業手順)オントロジー154と、デバイスオントロジー155と、機能オントロジー156とを含む。
【0049】
4種類のオントロジーのそれぞれは、対応する種類の知識において体系化された用語と、当該用語に対応するオントロジーコードとを含む。オントロジーコードは、対応する用語に関するガイダンスと対応付けられている。つまり、複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含む。
【0050】
エラー対策オントロジー153は、製造設備20で発生しうる1以上のエラーイベントのそれぞれを示すエラーコードを含む。エラーコードは、オントロジーコードの一例である。エラーコードは、当該エラーコードで示されるエラーイベントの名称(エラー名称)、及び、当該エラーイベントの要因コード(エラー要因コード)と対応付けられている。エラー要因コードは、オントロジーコードの一例である。エラー要因コードは、当該エラー要因コードに対応するエラーイベントが発生するロケーション、及び、当該エラー要因コードに対応するエラーイベントに対する対策手順と対応付けられている。対策手順とは、エラーイベントを解消するための手順である。対策手順は、製造設備20のエラー対策に関する1以上のエラーガイダンスの一例である。エラーガイダンスは、さらに、ロケーションを含んでいてもよい。このように、エラー対策オントロジー153では、製造設備20のエラーイベントに関するオントロジーコード(1つのエラーコードまたは1つのエラー要因コード)が当該エラーイベントのエラー対策に関する1以上のエラーガイダンス(対策手順)と対応付けられている。エラーオントロジーは、第1オントロジーの一例である。
【0051】
SOPオントロジー154は、製造設備20に対する1以上のSOPのそれぞれを示すSOPコードを含む。SOPコードは、オントロジーコードの一例である。SOPコードは、当該SOPコードで示されるSOPのタイトル(SOPタイトル)、当該SOPに必要なスキル(必要スキル)、及び、当該SOPを示す作業手順書を含む。作業手順書は、製造設備の標準作業手順を示す1以上の作業ガイダンスの一例である。作業ガイダンスは、さらに、SOPタイトル及び必要スキルを含んでいてもよい。このように、SOPオントロジー154では、製造設備20のSOPに関するオントロジーコード(1つのSOPコード)が当該SOPを示す1以上の作業ガイダンス(作業手順書)と対応付けられている。SOPオントロジー154は、第2オントロジーの一例である。
【0052】
デバイスオントロジー155は、デバイスを構成する1以上のユニットのそれぞれを示すユニットコードを含む。ユニットコードは、オントロジーコードの一例である。ユニットコードは、当該ユニットコードで示されるユニットの名称(ユニット名称)、当該ユニットの説明(ユニット説明)、及び、当該ユニットを構成する1以上の構成パーツの品番(構成パーツ品番)と対応付けられている。構成パーツ品番は、構成パーツ品番が対応する構成パーツの名称(構成パーツ名)、ユニットに含まれる当該構成パーツの数量、及び、品番改定履歴と対応付けられている。ユニット説明は、製造設備20の構造の説明を示す1以上の構造ガイダンスの一例である。ユニット説明は、さらに、ユニット名称及び構成パーツ品番を含んでいてもよい。このように、デバイスオントロジー155では、製造設備20の構造に関するオントロジーコード(1つのユニットコード)が当該構造の説明に関する1以上の構造ガイダンス(ユニット説明)と対応付けられている。デバイスオントロジー155は、第3オントロジーの一例である。
【0053】
機能オントロジー156は、製造設備20が有する1以上の機能のそれぞれを示す機能コードを含む。機能コードは、オントロジーコードの一例である。機能コードは、当該機能コードで示される機能の名称(機能名称)、当該機能の説明(機能説明)、及び、当該機能を実現するソフトウェアに対応するソフトウェアバージョン(対応ソフトウェアバージョン)と対応付けられている。機能説明は、製造設備20の機能の説明を示す1以上の機能ガイダンスの一例である。機能ガイダンスは、さらに、機能名称及び対応ソフトウェアバージョンを含んでいてもよい。このように、機能オントロジー156では、製造設備20の機能に関するオントロジーコード(1つの機能コード)が当該機能の説明に関する1以上の機能ガイダンス(機能説明)と対応付けられている。機能オントロジー156は、第4オントロジーの一例である。
【0054】
管理テーブル152は、リンク管理テーブル152aと、参照回数管理テーブル152bとを含む。
【0055】
リンク管理テーブル152aは、複数のオントロジーコードのうち互いに対応する2以上のオントロジーコードをグループとして対応付ける情報を管理するテーブルである。リンク管理テーブル152aでは、例えば、グループを示すリンクコードと、当該グループに該当する2以上のオントロジーコードとが対応付けられている。リンクコードは、タグとして表されてもよい。同一のグループに該当する2以上のオントロジーコードは、異なる種類の2以上のオントロジーに含まれるコードを含んでもよいし、同じ種類のオントロジーに含まれるコードを含んでもよい。
【0056】
参照回数管理テーブル152bは、オントロジーコードに対応付けられているガイダンスがユーザにより参照された(つまりユーザに提示された)回数を管理するテーブルである。ガイダンスのユーザへの提示については後述する。
【0057】
リンク管理テーブル152a及び参照回数管理テーブル152bにおいて、「管理する」とは、新たな情報がテーブルに登録あるいは入力されたときにテーブルに格納することと、格納している情報を削除指示に基づいてテーブルから削除することと、格納している情報を更新するための更新情報に更新することとを含む。
【0058】
検索部130は、第1変換部131と、第2変換部132とを有する。
【0059】
第1変換部131は、入力受付部110または受信部120において取得された製造設備情報を、知識ベース151で定義される用語に変換する。具体的には、第1変換部131は、製造設備情報に含まれる自然言語の文字列を、当該文字列を含み、かつ、知識ベース151で定義される用語に変換する。知識ベース151で定義される用語とは、知識ベース151に含まれる複数のオントロジーにおいて対応付けられている用語である。
【0060】
【0061】
図3では、入力キーワード例と、入力キーワード例の入力キーワードを含む用語(対応用語)とが示されている。入力キーワードは、製造設備情報に含まれる自然言語の文字列である。対応用語には、複数の候補が含まれうる。
【0062】
第1変換部131は、知識ベース151で定義される用語の中から入力キーワードを含む用語を検索する。知識ベース151で定義される用語に、入力キーワードを含む用語が複数ある場合、対応用語として複数の候補が特定される。第1変換部131は、例えば、入力キーワードが「フィーダ」である場合、知識ベース151で定義される用語の中から「フィーダ」を含む用語を検索し、「8mmダブルテープフィーダ」、「8mmシングルテープフィーダ」、及び、「4mmシングルテープフィーダ」を複数の候補として特定する。
図3の場合、「8mmダブルテープフィーダ」、「8mmシングルテープフィーダ」、及び、「4mmシングルテープフィーダ」には、優先順位があり、「8mmダブルテープフィーダ」の優先順位が最も高く、次に「8mmシングルテープフィーダ」の優先順位が高く、その次に「4mmシングルテープフィーダ」と続く。この場合、第1変換部131は、最も優先順位が高い「8mmダブルテープフィーダ」を用語として特定する。
【0063】
このように、第1変換部131は、優先順位に基づいて、複数の候補のうちの1つを特定する。第1変換部131は、例えば、入力キーワードを、入力キーワードを含み、かつ、知識ベース151で定義される用語の複数の候補のうち、優先順位が最も高い候補の用語に変換する。優先順位は、当該用語を用いて検索されたガイダンスの参照回数が多いほど高く設定される。ガイダンスの参照回数は、参照回数管理テーブル152bで管理されている。参照回数のカウントについては後述する。
【0064】
また、入力キーワードには、追加キーワードが含まれてもよい。入力キーワードに追加キーワードが含まれる場合、第1変換部131は、知識ベース151で定義される用語の中から入力キーワード及び追加キーワードを含む用語を検索する。第1変換部131は、例えば、入力キーワードが「フィーダ」であり追加キーワードが「ダブル」である場合、知識ベース151で定義される用語の中から「フィーダ」及び「ダブル」を含む用語を検索し、「8mmダブルテープフィーダ」を用語として特定する。
【0065】
第1変換部131は、製造設備情報がエラーイベントデータである場合、エラーイベントデータに含まれる自然言語の文字列を用語に変換する。エラーイベントデータに含まれる自然言語の文字列は、例えば、エラーイベントデータで示されるエラーイベントの名称であってもよいし、エラーイベントに関する他の情報を示す文字列であってもよい。第1変換部131は、製造設備情報が作業指示データである場合、作業指示データに含まれる自然言語の文字列を用語に変換する。作業指示データに含まれる自然言語の文字列は、例えば、作業指示データで示される作業者への指示の名称(タイトル)であってもよいし、作業者への指示に関する他の情報を示す文字列であってもよい。第1変換部131は、製造設備情報が検索キーワードである場合、検索キーワードを用語に変換する。
【0066】
第2変換部132は、第1変換部131により得られた用語を、当該用語が対応するオントロジーコードに変換する。
【0067】
【0068】
第2変換部132は、例えば、第1変換部131において「8mmダブルテープフィーダ」が用語として特定されると、知識ベース151を参照して、知識ベース151において「8mmダブルテープフィーダ」に対応付けられているオントロジーコードである「UC-S-00211」を特定する。つまり、第2変換部132は、用語「8mmダブルテープフィーダ」をオントロジーコード「UC-S-00211」に変換する。また、第2変換部132は、リンク管理テーブル152aを参照することで、特定したオントロジーコードに対応する他のオントロジーコードを特定してもよい。例えば、第2変換部132は、リンク管理テーブル152aを参照することで、特定した「UC-S-00211」にリンク管理テーブル152aで対応付けられているオントロジーコード「FC-A-00301」及び「SC-S-00101」を特定する。各オントロジーコードは、上述したように、ガイダンスに対応付けられている。このため、第2変換部132によって1以上のオントロジーコードが特定されることで、特定された1以上のオントロジーコードにそれぞれ対応する1以上のガイダンスが特定される。
【0069】
図4では、リンク管理テーブル152aのリンクコード「LNK0001」によって、オントロジーコード「UC-S-00211」、「FC-A-00301」及び「SC-S-00101」が1つのグループとして互いに対応付けられていることが示されている。つまり、
図4では、リンクコード内の黒丸が付けられた複数のオントロジーコードが当該リンクコードで示されるグループとして互いに対応付けられていることが示されている。
【0070】
なお、入力キーワードがエラーイベントデータに基づいて得られた文字列(例えば、エラーイベントの名称)である場合、用語は、エラーイベントに関するため、エラー対策オントロジー153で対応付けられているオントロジーコードに変換される。つまり、製造設備情報がエラーイベントデータである場合、検索部130によって特定される1以上のガイダンスは、エラーイベントデータが示すエラーガイダンスを含む。
【0071】
同様に、入力キーワードが作業指示データに基づいて得られた文字列(例えば、作業者への指示の名称)である場合、用語は、作業指示に関するため、SOPオントロジー154で対応付けられているオントロジーコードに変換される。つまり、製造設備情報が作業指示データである場合、検索部130によって特定される1以上のガイダンスは、作業指示データが示作業ガイダンスを含む。
【0072】
出力部140は、検索部130の第2変換部132により特定された1以上のガイダンスを示す検索結果を出力する。具体的には、出力部140は、検索結果を検索装置100が有するディスプレイに表示してもよいし、検索結果を情報端末10または製造設備20に送信して、情報端末10または製造設備20に表示させてもよい。なお、検索結果は、ディスプレイに表示されなくてもよく、音声で提示されてもよい。
【0073】
記憶部150は、知識ベース151を記憶している。知識ベース151は、管理テーブル152、エラー対策オントロジー153、SOPオントロジー154、デバイスオントロジー155、及び、機能オントロジー156を含む。
【0074】
カウンタ160は、複数のオントロジーで対応付けられている複数のガイダンスのそれぞれについて、ユーザから選択された回数をカウントする。カウンタ160によりカウントされた回数は、参照回数管理テーブル152bにより管理される。
【0075】
管理装置200は、入力受付部210と、表示部220と、記憶部230とを含む。
【0076】
入力受付部210は、管理装置200のユーザである管理者による入力を受け付ける。
【0077】
表示部220は、入力受付部210の入力を受け付けるためのUI(User Interface)を表示する。表示部220は、管理装置200による処理結果を表示してもよい。
【0078】
記憶部230は、製造設備の知識ベース151を機種毎に格納している。記憶部230は、例えば、機種Aの製造設備に対応する機種A知識ベース231、機種Bの製造設備に対応する機種B知識ベース232、機種Cの製造設備に対応する機種C知識ベース233などを記憶している。記憶部230に格納されている機種毎の知識ベースは、定期的に更新される。記憶部230の機種毎の知識ベースが更新されると、更新された機種の製造設備を有している工場における検索装置100の記憶部150に格納されている知識ベース151は、記憶部230において更新された知識ベースにオンラインで更新される。これにより、検索装置100の記憶部150に格納されている知識ベース151は、最新の状態が保たれる。
【0079】
在庫管理システム300は、製造設備に用いられるパーツ(部品)の在庫情報を管理する。在庫情報は、例えば、ベンダが保持しているパーツの品番及び数量(在庫数)を含む情報である。例えば、管理装置200は、工場の製造設備20に用いられるパーツの発注を検索装置100から受け付けると、在庫管理システム300へ発注されたパーツの品番を含む品番クエリを在庫管理システム300へ送信する。在庫管理システム300は、在庫情報を参照することで、ベンダが保持しているパーツの在庫数を管理装置200へ送信する。管理装置200は、在庫管理システム300から在庫数を取得すると、当該在庫数を検索装置100へ送信する。なお、在庫数が発注に含まれるパーツの数よりも多い場合には、在庫管理システム300は、当該発注を受け付けて、発注に基づくパーツを工場へ出荷する処理を実行してもよい。
【0080】
[管理システムの動作]
次に、管理システム1による動作について説明する。
【0081】
図5は、検索装置及び管理装置における知識ベースを管理する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0082】
管理装置200は、例えば、新たな機種の製造設備が開発及び製造された場合、当該製造設備の知識ベースを新規登録する(S11)。
【0083】
検索装置100は、新たな機種の製造設備を工場に導入した場合、当該製造設備の知識ベースを管理装置200からダウンロードする(S12)。例えば、ダウンロードにおいて、検索装置100は、導入した製造設備の機種を示す機種コードを含むダウンロード要求を管理装置200へ送信し、管理装置200がダウンロード要求に含まれる機種コードに対応する知識ベースを検索装置100に送信する。
【0084】
検索装置100は、ダウンロードした知識ベース151を記憶部150に記憶する(S13)。
【0085】
次に、知識ベースが更新された場合の処理について説明する。
【0086】
管理装置200は、知識ベースを編集することで更新する(S14)。
【0087】
検索装置100は、管理装置200において知識ベースが更新されると、更新後の知識ベースの更新前の知識ベースとの差分を管理装置200からダウンロードする(S15)。例えば、ダウンロードにおいて、管理装置200は、知識ベースの更新を行うと更新したことを示す情報を検索装置100へ送信する。検索装置100は、知識ベースの更新を許可する入力をユーザから受け付けると、更新後の知識ベースの更新前の知識ベースとの差分をダウンロードするためのダウンロード要求を管理装置200へ送信し、管理装置200がダウンロード要求に応じた差分を検索装置100に送信する。
【0088】
検索装置100は、ダウンロードした差分に基づいて知識ベース151を更新する(S16)。
【0089】
図6は、ガイダンスの検索処理の第1の例を示すシーケンス図である。第1の例は、ユーザから検索キーワードを受け付けて、検索キーワードに基づいてガイダンスを検索する例である。
【0090】
情報端末10は、ユーザから検索キーワードを受け付ける(S21)。
【0091】
次に、情報端末10は、検索キーワードを検索装置100へ送信する(S22)。
【0092】
検索装置100は、検索キーワードを情報端末10から受信する(S23)。
【0093】
次に、検索装置100は、受信した検索キーワードを知識ベース151で定義された用語に変換する(S24)。
【0094】
次に、検索装置100は、ステップS24で得られた用語を、当該用語が対応するオントロジーコードに変換する(S25)。
【0095】
次に、検索装置100は、ステップS25で得られたオントロジーコードに対応する1以上のガイダンスを検索する(S26)。
【0096】
次に、検索装置100は、1以上のガイダンスを示す検索結果を情報端末10へ出力する(S27)。
【0097】
情報端末10は、検索結果を受信すると、検索結果を表示する(S28)。
【0098】
次に、情報端末10は、検索結果で示される1以上のガイダンスのうちの1つのガイダンスを選択する入力をユーザから受け付ける(S29)。
【0099】
次に、情報端末10は、ステップS29で選択された1つのガイダンスを示す選択結果を検索装置100へ送信する(S30)。
【0100】
検索装置100は、選択結果を受信すると、当該選択結果で指定されたガイダンスを情報端末10へ出力する(S31)。
【0101】
そして、検索装置100は、選択されたガイダンスの参照回数をインクリメントする(S32)。
【0102】
情報端末10は、受信したガイダンスを表示する(S33)。
【0103】
図7は、第1の例における検索装置における検索処理の具体例を示す。
【0104】
検索装置100は、ステップS23において「フィーダ」を検索キーワードとして受信する。つまり、検索装置100には、「フィーダ」が検索キーワードとして入力される。
【0105】
次に、検索装置100は、ステップS24において「フィーダ」を知識ベース151で定義された用語「8mmダブルテープフィーダ」に変換する。
【0106】
次に、検索装置100は、ステップS25において、用語「8mmダブルテープフィーダ」をユニットコード「UC-S-00211」に変換する。ユニットコードは、オントロジーコードの一例である。
【0107】
次に、検索装置100は、ステップS26において、リンク管理テーブル152aにおいてユニットコード「UC-S-00211」に対応付けられているリンクコード「LNK0001」を特定し、リンクコード「LNK0001」に対応付けられているオントロジーコード「UC-S-00211」、「FC-A-00301」及び「SC-S-00101」を特定する。そして、検索装置100は、オントロジーコード「UC-S-00211」、「FC-A-00301」及び「SC-S-00101」にそれぞれ対応付けられているガイダンス「供給部構造説明」、「供給部機能説明」及び「テープリール取付手順」を示す検索結果を出力する。
【0108】
図8~
図10は、第1の例における検索処理において情報端末に表示されるUIの一例を示す図である。
【0109】
図8は、検索キーワードの入力を受け付ける入力受付部のUIの一例を示す図である。
【0110】
UI500は、ステップS21のために情報端末10に表示される。UI500は、検索キーワードが入力される検索ボックス501と、検索ボックス501に入力された検索キーワードによる入力を確定させる検索ボタン502とを含む。検索ボタン502への入力を受け付けると、検索ボックス501に入力された検索キーワードが情報端末10から検索装置100へ送信される。
図8は、検索キーワードとして「定期点検」が入力された例である。
【0111】
図9は、ガイダンス候補リストを示すUIの一例を示す図である。
【0112】
UI510は、ステップS28において情報端末10に表示される検索結果を含むUIである。UI510は、1以上のガイダンスを示す検索結果511と、検索結果で示される1以上のガイダンスのうちの1つのガイダンスを選択する入力を確定させる選択ボタン512とを含む。
図9は、No.3の「定期点検(560時間)」のガイダンスが選択された例である。
【0113】
図10は、ガイダンスを示すUIの一例を示す図である。
【0114】
UI520は、ステップS33において情報端末10に表示されるガイダンスを含むUIである。UI520は、ガイダンスのタイトル、区分、コード、及び、内容を示すガイダンス情報521と、サポートデスクボタン522と、閉じるボタン523とを含む。ガイダンス情報521の「内容」欄において、各リンクへの入力が為されると関連する詳細な情報が表示される。例えば、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」の「詳細」リンクへの入力が為されると、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」をユーザが実行するための具体的な情報が表示される。例えば、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」の「治具リスト」リンクへの入力が為されると、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」をユーザが実行するために必要な治具リストが表示される。例えば、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」の「パーツリスト」リンクへの入力が為されると、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」をユーザが実行するために必要なパーツリストが表示される。パーツリストは、例えば、製造設備20の交換部品である。
【0115】
サポートデスクボタン522への入力を受け付けると、検索装置100は、オペレータ端末400を操作するオペレータと通話ができるようにオペレータ端末400と通信接続される。この処理は、
図16を用いて後述する。
【0116】
閉じるボタン523への入力を受け付けると、UI520が閉じられて別のUIへ遷移する。
【0117】
図11は、ガイダンスの検索処理の第2の例を示すシーケンス図である。第2の例は、製造設備20からエラーイベントデータを受信して、エラーイベントデータに基づいてガイダンスを検索する例である。
【0118】
製造設備20は、エラーイベントが発生した場合、発生したエラーイベントを示すエラーイベントデータを管理装置200へ送信する(S41)。
【0119】
検索装置100は、エラーイベントデータのリストを情報端末10へ送信する(S42)。エラーイベントデータのリストは、エラーイベントデータの受信履歴である。検索装置100は、例えば、情報端末10からエラーイベントデータのリストの要求を受け付けたタイミングで、当該タイミングから所定時間前までの間に受信したエラーイベントデータのリストを情報端末10へ送信する。
【0120】
情報端末10は、エラーイベントデータのリストを表示して、エラーイベントデータのリストのうちの1つのエラーイベントデータを選択する入力をユーザから受け付ける(S43)。
【0121】
情報端末10は、ステップS43で選択された1つのエラーイベントデータを示す指定情報を検索装置100へ送信する(S44)。
【0122】
検索装置100は、指定情報を受信する(S45)。
【0123】
次に、検索装置100は、受信した指定情報で指定されるエラーイベントデータに含まれる自然言語の文字列(例えば、エラーイベントの名称)を知識ベース151で定義された用語に変換する(S46)。
【0124】
次に、検索装置100は、ステップS46で得られた用語を、当該用語が対応するオントロジーコードに変換する(S47)。
【0125】
次に、検索装置100は、ステップS47で得られたオントロジーコードに対応する1以上のガイダンスを検索する(S48)。
【0126】
次に、検索装置100は、1以上のガイダンスを示す検索結果を情報端末10へ出力する(S49)。
【0127】
情報端末10は、検索結果を受信すると、検索結果を表示する(S50)。
【0128】
次に、情報端末10は、検索結果で示される1以上のガイダンスのうちの1つのガイダンスを選択する入力をユーザから受け付ける(S51)。
【0129】
次に、情報端末10は、ステップS51で選択された1つのガイダンスを示す選択結果を検索装置100へ送信する(S52)。
【0130】
検索装置100は、選択結果を受信すると、当該選択結果で指定されたガイダンスを情報端末10へ出力する(S53)。
【0131】
そして、検索装置100は、選択されたガイダンスの参照回数をインクリメントする(S54)。
【0132】
情報端末10は、受信したガイダンスを表示する(S55)。
【0133】
図12は、第2の例における検索装置における検索処理の具体例を示す。
【0134】
検索装置100は、ステップS45において指定されたエラーイベントデータに含まれるエラーイベントの名称「部品吸着エラー」を入力として受け付ける。
【0135】
次に、検索装置100は、ステップS46において「部品吸着エラー」を知識ベース151で定義された用語「部品吸着エラー」に変換する。
【0136】
次に、検索装置100は、ステップS47において、用語「部品吸着エラー」をエラーコード「EC-S-00100」に変換する。エラーコードは、オントロジーコードの一例である。
【0137】
次に、検索装置100は、ステップS48において、リンク管理テーブル152aにおいてエラーコード「EC-S-00100」に対応付けられているリンクコード「LNK0003」を特定し、リンクコード「LNK0003」に対応付けられているオントロジーコード「FC-A-00301」、「EC-S-00100」、「SC-S-00102」及び「SC-T-00101」を特定する。そして、検索装置100は、オントロジーコード「FC-A-00301」、「EC-S-00100」、「SC-S-00102」及び「SC-T-00101」にそれぞれ対応付けられているガイダンス「部品吸着機能説明」、「部品吸着エラー要因リスト」、「吸着位置ティーチ手順」及び「部品データ修正手順」を示す検索結果を出力する。
【0138】
図13は、ガイダンスの検索処理の第3の例を示すシーケンス図である。第3の例は、製造実行システム30から作業指示データを受信して、作業指示データに基づいてガイダンスを検索する例である。
【0139】
製造実行システム30は、作業者への指示が発生した場合、発生した作業者への指示を示す作業指示データを管理装置200へ送信する(S61)。
【0140】
検索装置100は、作業指示データのリストを情報端末10へ送信する(S62)。作業指示データのリストは、エラーイベントデータの受信履歴である。検索装置100は、例えば、情報端末10から作業指示データのリストの要求を受け付けたタイミングで、当該タイミングから所定時間前までの間に受信した作業指示データのリストを情報端末10へ送信する。
【0141】
情報端末10は、作業指示データのリストを表示して、作業指示データのリストのうちの1つの作業指示データを選択する入力をユーザから受け付ける(S63)。
【0142】
情報端末10は、ステップS63で選択された1つの作業指示データを示す指定情報を検索装置100へ送信する(S64)。
【0143】
検索装置100は、指定情報を受信する(S65)。
【0144】
次に、検索装置100は、受信した指定情報で指定される作業指示トデータに含まれる自然言語の文字列(例えば、エラーイベントの名称)を知識ベース151で定義された用語に変換する(S66)。
【0145】
次に、検索装置100は、ステップS66で得られた用語を、当該用語が対応するオントロジーコードに変換する(S67)。
【0146】
次に、検索装置100は、ステップS67で得られたオントロジーコードに対応する1以上のガイダンスを検索する(S68)。
【0147】
次に、検索装置100は、1以上のガイダンスを示す検索結果を情報端末10へ出力する(S69)。
【0148】
情報端末10は、検索結果を受信すると、検索結果を表示する(S70)。
【0149】
次に、情報端末10は、検索結果で示される1以上のガイダンスのうちの1つのガイダンスを選択する入力をユーザから受け付ける(S71)。
【0150】
次に、情報端末10は、ステップS71で選択された1つのガイダンスを示す選択結果を検索装置100へ送信する(S72)。
【0151】
検索装置100は、選択結果を受信すると、当該選択結果で指定されたガイダンスを情報端末10へ出力する(S73)。
【0152】
そして、検索装置100は、選択されたガイダンスの参照回数をインクリメントする(S74)。
【0153】
情報端末10は、受信したガイダンスを表示する(S75)。
【0154】
図14は、第3の例における検索装置における検索処理の具体例を示す。
【0155】
検索装置100は、ステップS65において指定された作業指示データに含まれる作業者への指示の名称「定期点検(560時間)指示」を入力として受け付ける。
【0156】
次に、検索装置100は、ステップS66において「定期点検(560時間)指示」を知識ベース151で定義された用語「定期点検(560時間)指示」に変換する。
【0157】
次に、検索装置100は、ステップS67において、用語「定期点検(560時間)指示」をSOPコード「SC-M-00103」に変換する。SOPコードは、オントロジーコードの一例である。
【0158】
次に、検索装置100は、ステップS68において、リンク管理テーブル152aにおいてSOPコード「SC-M-00103」に対応付けられているリンクコード「LNK0002」を特定し、リンクコード「LNK0002」に対応付けられているオントロジーコード「UC-S-00101」、「UC-S-00211」及び「SC-M-00103」を特定する。そして、検索装置100は、オントロジーコード「UC-S-00101」、「UC-S-00211」及び「SC-M-00103」にそれぞれ対応付けられているガイダンス「2Dラインカメラ構造説明」、「8mmダブルテープフィーダ構造説明」及び「定期点検(560時間)手順」を示す検索結果を出力する。
【0159】
なお、ガイダンスの検索処理の第2の例及び第3の例で、エラーイベントデータのリストと作業指示データのリストとが別々に情報端末10に送信される例で説明したが、これに限らずに、エラーイベントデータ及び作業指示データが統合されたリストが情報端末10に送信されてもよい(
図15参照)。
【0160】
【0161】
UI530は、エラーイベントデータ及び作業指示データの少なくとも一方を含む受信履歴531と、受信履歴531に含まれるエラーイベントデータ及び作業指示データの少なくとも一方を含む受信データのうちの1つの受信データを選択する入力を確定させる選択ボタン532とを含む。ここで、例えば、タイトルが「定期点検(560時間)」の作業指示データが選択されると、当該作業データが選択されたことを示す指定情報が検索装置100へ送信され、検索装置100は、当該作業データに基づく検索処理を行い、「定期点検(560時間)」のガイダンスを情報端末10へ送信してもよい。これにより、情報端末10は、例えば、
図10で説明したUI520を表示する。
【0162】
図16は、検索装置とオペレータ端末とを通話のために通信接続する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0163】
検索装置100は、コールを受け付ける(S81)。具体的には、情報端末10がUI520のサポートデスクボタン522への入力を受け付けると、検索装置100は、当該入力が為されたことを示す情報を受信する。これにより、検索装置100は、コールを受け付ける。
【0164】
検索装置100は、オペレータ端末400へコールを送信する(S82)。
【0165】
ステップS82を契機に、検索装置100及びオペレータ端末400との間で通話のための通信接続が確立され、検索装置100及びオペレータ端末400との間で通話が可能な状態となる(S83)。
【0166】
図10及び
図16では、UI520のサポートデスクボタン522への入力を受け付けるとコールが為されると説明したがこれに限らない。サポートデスクボタン522への入力を受け付けると
図17のUIに遷移してもよい。
【0167】
図17は、サポートデスクへの問合せフォームの一例を示す図である。
【0168】
UI540は、サポートデスクへの問合せフォーム541と、送信ボタン544と、キャンセルボタン545とを含む。問合せフォーム541は、問い合わせの対象となるガイダンスを特定するための情報と、問い合わせ内容を入力するための入力欄とを含む。また、問合せフォーム541は、オペレータと通話するための通話ボタン542と、オペレータとの通話を切断するための切断ボタン543とを含んでもよい。通話ボタン542への入力が為されると、問い合わせの対象となるガイダンスを特定するための情報と、問い合わせ内容を入力するための入力欄に入力された情報とが、オペレータ端末400へ送信されると共に、オペレータ端末400にコールが送信される。送信ボタン544への入力が為されると、問い合わせの対象となるガイダンスを特定するための情報と、問い合わせ内容を入力するための入力欄に入力された情報とがオペレータ端末400へ送信される。この場合、通話なしで、問い合わせを送信することができる。キャンセルボタン545への入力が為されると、UI540が閉じられて他のUIへ遷移する。
【0169】
図18は、情報端末、検索装置及び管理装置においてパーツを発注する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0170】
情報端末10は、パーツの発注に係るパーツ品番を受け付ける(S91)。
【0171】
次に、情報端末10は、パーツ品番を検索装置100へ送信する(S92)。
【0172】
検索装置100は、パーツ品番を情報端末10から受信すると、受信したパーツ品番を管理装置200へ送信する(S93)。
【0173】
管理装置200は、検索装置100からパーツ品番を受信すると、在庫管理システム300と通信することで受信したパーツ品番の在庫数を検索する(S94)。
【0174】
管理装置200は、ステップS94による検索で特定した在庫数を検索装置100へ送信する(S95)。
【0175】
検索装置100は、在庫数を検索装置100から受信すると、受信した在庫数を情報端末10へ送信する(S96)。
【0176】
情報端末10は、受信した在庫数を表示する(S97)。例えば、情報端末10は、ステップS91で受け付けたパーツ品番が示すパーツの在庫数を当該パーツ品番と共に表示する。
【0177】
次に、情報端末10は、当該パーツ品番のパーツの注文を受け付ける(S98)。例えば、情報端末10は、当該パーツ品番が示すパーツの発注数量を受け付け、パーツ品番及び発注数量を含む注文情報を検索装置100へ送信する(S99)。
【0178】
検索装置100は、注文情報を情報端末10から受信すると、受信した注文情報を管理装置200へ送信する(S100)。管理装置200は、注文情報を受信すると、受信した注文情報に含まれるパーツ品番及び発注数量に基づいて、パーツの発注処理を行う。
【0179】
【0180】
図10において、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」の「パーツリスト」リンクへの入力が為されると、
図19に示すように、「1.基板コンベヤーへの給脂・点検」をユーザが実行するために必要なパーツリスト551を含むUI550が表示される。UI550は、パーツリスト551及び閉じるボタン552を含む。閉じるボタン552への入力が為されると、UI550が閉じられて他のUIへ遷移する。
【0181】
UI550は、パーツリスト551の特定の番号のパーツを発注するボタンを含んでいてもよい。このボタンへの入力が為されることで、パーツの注文が為されてもよい。
【0182】
[効果など]
本実施の形態に係る管理システム1は、入力受付部110または受信部120(取得部)と、検索部130と、出力部140とを備える。入力受付部110または受信部120(取得部)は、製造設備20に関する製造設備情報を取得する。検索部130は、製造設備20に関する複数のオントロジーであって、互いに異なる種類の知識が体系化された複数のオントロジー(エラー対策オントロジー153、SOPオントロジー154、デバイスオントロジー155、及び、機能オントロジー156)を含む知識ベース151から、取得された製造設備情報に関する1以上のガイダンスを検索する。出力部140は、1以上のガイダンスを示す検索結果を出力する。複数のオントロジーのそれぞれは、対応する種類のガイダンスに対応付けられているオントロジーコードを含む。検索部130は、第1変換部131と、第2変換部132とを有する。第1変換部131は、製造設備情報を、知識ベース151で定義される用語に変換する。第2変換部132は、第1変換部131により得られた用語を、当該用語が対応するオントロジーコードに変換する。複数のオントロジーは、複数のガイダンスにそれぞれ対応する複数のオントロジーコードを含む。1以上のガイダンスのうちの一のガイダンスは、第2変換部132における変換により得られたオントロジーコードに対応する。
【0183】
これによれば、製造設備情報を用語に変換し、用語をオントロジーコードに変換し、変換により得られたオントロジーコードを用いて、複数のオントロジーを含む知識ベース151から1以上のガイダンスを検索する。このため、複数種類のガイダンスから製造設備情報に関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0184】
また、本実施の形態に係る管理システム1において、製造設備情報は、製造設備20から送信されるエラーイベントデータ、または、製造実行システム30から送信される作業指示データである。第1変換部131は、エラーイベントデータに含まれる自然言語の文字列、または、作業指示データに含まれる自然言語の文字列を、知識ベース151で定義される用語に変換する。
【0185】
このため、複数種類のガイダンスからエラーイベントデータまたは作業指示データに関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0186】
また、本実施の形態に係る管理システム1において、複数のオントロジーのうちの第1オントロジー(エラー対策オントロジー153)は、製造設備20のエラー対策に関する1以上のエラーガイダンスに対応付けられている。取得部が取得した製造設備情報がエラーイベントデータである場合、1以上のガイダンスは、エラーイベントデータにより示されるエラーイベントに関するエラーガイダンスを含む。
【0187】
このため、複数種類のガイダンスからエラーイベントデータが示すエラーに関するエラーガイダンスを少なくとも含む1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0188】
また、本実施の形態に係る管理システム1において、複数のオントロジーのうちの第2オントロジー(SOPオントロジー154)は、製造設備の標準作業手順を示す1以上の作業ガイダンスに対応付けられている。取得部が取得した製造設備情報が作業指示データである場合、1以上のガイダンスは、作業指示データにより示される作業指示に関する作業ガイダンスを含む。
【0189】
このため、複数種類のガイダンスから作業指示データが示す作業指示に関する作業ガイダンスを少なくとも含む1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0190】
また、本実施の形態に係る管理システム1において、製造設備情報は、さらに、ユーザにより入力された自然言語による検索キーワードである。第1変換部131は、検索キーワードを用語に変換する。
【0191】
このため、複数種類のガイダンスから検索キーワードに関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。また、エラーイベントデータ、作業指示データ及び検索キーワードにおいて共通する知識ベースから1以上のガイダンスを検索することができる。
【0192】
また、本実施の形態に係る管理システム1において、複数のオントロジーは、製造設備20のエラー対策に関する1以上のエラーガイダンスに対応付けられている第1オントロジー(エラー対策オントロジー153)と、製造設備の標準作業手順を示す1以上の作業ガイダンスに対応付けられている第2オントロジー(SOPオントロジー154)と、製造設備20の構造の説明を示す1以上の構造ガイダンスに対応付けられている第3オントロジー(デバイスオントロジー155)と、製造設備20の機能の説明を示す1以上の機能ガイダンスに対応付けられている第4オントロジー(機能オントロジー156)とを含む。取得部が取得した製造設備情報が検索キーワードを含む場合、1以上のガイダンスは、検索キーワードに関する、エラーガイダンス、作業ガイダンス、構造ガイダンス、及び、機能ガイダンスの少なくとも1つを含む。
【0193】
このため、少なくとも4種類のガイダンスから検索キーワードに関する1以上のガイダンスを特定して出力することが容易にできる。
【0194】
また、本実施の形態に係る管理システム1において、1以上のエラーガイダンス、1以上の作業ガイダンス、1以上の構造ガイダンス、及び、1以上の機能ガイダンスのうち、互いに異なる種類の少なくとも2つのガイダンスが対応付けられている。第2変換部132により得られたオントロジーコードが2つのガイダンスのうちの1つのガイダンスに対応している場合、1以上のガイダンスは、2つのガイダンスを含む。
【0195】
このため、製造設備情報に基づいて1つのガイダンスを特定すると、特定した1つのガイダンスに対応付けられている他の1つのガイダンスも1以上のガイダンスとして特定するため、互いに関連する2つのガイダンスを出力することができる。
【0196】
また、本実施の形態に係る管理システム1は、さらに、入力受付部110と、カウンタ160と、記憶部150とを備える。入力受付部110は、ユーザから1以上のガイダンスのうちの1つを選択する入力を受け付ける。カウンタ160は、複数のオントロジーで対応付けられている複数のガイダンスのそれぞれについて、ユーザから選択された回数をカウントする。記憶部150は、複数のガイダンスのそれぞれに対してカウントされた回数を記憶する。検索部130は、記憶部150においてカウントされた回数が多いほど検索する優先順位が高くなるように、ガイダンスに関する用語を用いた検索を実行する。
【0197】
これによれば、ユーザに選択された回数に応じた優先順位で用語を用いた検索を行うため、ユーザに閲覧される可能性が高いガイダンスを優先してユーザに提示することができる。
【0198】
[その他]
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の部品実装装置M3などを実現するソフトウェアは、図に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【0199】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0200】
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0201】
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0202】
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0203】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0204】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0205】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0206】
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0207】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0208】
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本開示は、複数種類のガイダンスから製造設備情報に関する1以上のガイダンスを出力することができる管理システムなどとして有用である。
【符号の説明】
【0210】
10 情報端末
20 製造設備
30 製造実行システム
100 検索装置
110 入力受付部
120 受信部
130 検索部
131 第1変換部
132 第2変換部
140 出力部
150 記憶部
151 知識ベース
152 管理テーブル
152a リンク管理テーブル
152b 参照回数管理テーブル
153 エラー対策オントロジー
154 SOPオントロジー
155 デバイスオントロジー
156 機能オントロジー
160 カウンタ
200 管理装置
210 入力受付部
220 表示部
230 記憶部
231 機種A知識ベース
232 機種B知識ベース
233 機種C知識ベース
300 在庫管理システム
400 オペレータ端末