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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024018009
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】地上設置機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20240201BHJP
   H02G 15/013 20060101ALI20240201BHJP
   H02G 3/22 20060101ALI20240201BHJP
   H02B 1/20 20060101ALI20240201BHJP
   H02G 3/08 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H05K7/00 F
H02G15/013
H02G3/22
H02B1/20 G
H02G3/08 030
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121038
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平野 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】阿部 将
(72)【発明者】
【氏名】日比野 貴郁
【テーマコード(参考)】
4E352
5G016
5G361
5G363
5G375
【Fターム(参考)】
4E352AA02
4E352BB06
4E352CC19
4E352DD05
4E352DR02
4E352GG10
5G016DA12
5G361AA06
5G361AB09
5G361AC09
5G363AA01
5G363AA03
5G363AA16
5G363BA01
5G363CA06
5G363CB01
5G363CB08
5G375AA02
5G375BA02
5G375BB03
5G375CB06
5G375DB04
5G375DB05
5G375EA06
(57)【要約】
【課題】地上設置機器において、ケーブルとの密着性を高めることにより地下からの湿気流入を抑制すると共にケーブルの固定作業を容易にする。
【解決手段】ケーブルサポートゴムは、本体部とケーブル近接部とを有する。本体部は第1の圧縮率を有しケーブル近接部は第2の圧縮率を有し、第2の圧縮率は第1の圧縮率より高い。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下から引込まれたケーブルを介して接続された機器を収納する地上設置機器であって、
前記ケーブルを保持するケーブルサポートゴムを有し、
前記ケーブルサポートゴムは、
本体部と、ケーブル近接部とを有し、
前記本体部は第1の圧縮率を有し、
前記ケーブル近接部は第2の圧縮率を有し、
前記第2の圧縮率は前記第1の圧縮率より高いことを特徴とする地上設置機器。
【請求項2】
前記本体部は、
第1の硬度を有する第1のゴムで構成され、
前記ケーブル近接部は、
第2の硬度を有する第2のゴムで構成され、
前記第2の硬度は前記第1の硬度より小さいことを特徴とする請求項1に記載の地上設置機器。
【請求項3】
前記第2のゴムは、
前記第1のゴムの全周部分に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の地上設置機器。
【請求項4】
前記第2のゴムは、
前記第1のゴムの一部分に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の地上設置機器。
【請求項5】
前記ケーブルサポートゴムは、
前記ケーブル近接部のケーブル挿入口に対して、前記ケーブル挿入口の径が広がるような傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載の地上設置機器。
【請求項6】
前記傾斜部は、
前記ケーブルサポートゴムの断面形状を一部減らして前記ケーブルサポートゴムの体積を変えるように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の地上設置機器。
【請求項7】
前記ケーブルサポートゴムは、
前記ケーブル近接部のケーブル挿入口に対して、前記ケーブル挿入口の径が広がるような傾斜部を有することを特徴とする請求項3に記載の地上設置機器。
【請求項8】
前記ケーブルサポートゴムは、
前記ケーブル近接部のケーブル挿入口に対して、前記ケーブル挿入口の径が広がるような傾斜部を有することを特徴とする請求項4に記載の地上設置機器。
【請求項9】
前記本体部と前記ケーブル近接部は、
位置ずれを防止するための勘合部を介して接合されていることを特徴とする請求項1に記載の地上設置機器。
【請求項10】
前記ケーブルを前記地下から引込むための開口部を有し、
前記開口部から引き込まれた前記ケーブルを前記ケーブルサポートゴムにより保持することを特徴とする請求項1に記載の地上設置機器。
【請求項11】
前記ケーブルサポートゴムは、
前記地下から前記開口部を介して湿気が流入するのを防止するように設けられていることを特徴とする請求項10に記載の地上設置機器。
【請求項12】
前記ケーブルサポートゴムの周囲に設けられ、前記ケーブルサポートゴムをボルトにより保持するケーブル保持部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の地上設置機器。
【請求項13】
前記機器として、変圧器、開閉器又は断路器を収納することを特徴とする請求項1に記載の地上設置機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上設置機器に関する。
【背景技術】
【0002】
地上設置機器は、外箱に変圧器と開閉器や断路器を収納した機器で道路脇などに設置される地中配電用の機器であるため、接続に使用する電力ケーブルは地下から引込む必要がある。そのため、機器の下部に設けている外箱及び変圧器部を支持するベースにはケーブルを引込むための開口部を有している。
【0003】
また、ベースに設けているケーブル引込用の開口部については、小動物の侵入や湿気の流入を防ぐよう開口範囲を少なくするための底板を固定している。底板には機器との接続に使用するケーブルを保持するためのケーブル保持部がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-266065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ケーブル保持部のケーブルに接触する部分には、ケーブルを保持するケーブルサポートゴムがある。保持方法はケーブルサポートゴムを底板の一部を介すか直接ボルト等で締め付けてケーブルを保持している。
【0006】
このような構造では、ケーブルを保持する際、ケーブルサポートゴムが圧縮不十分で、ケーブルとゴムとの間に隙間が生じることにより地下部から湿気が流入し得る。
【0007】
但し、ゴムの圧縮率を高めようとケーブルサポートゴム全体の硬度を軟らかくすると変形が大きくなり、さらなる隙間拡大やケーブル保持力低下の懸念がある。
【0008】
また、地上設置機器の再設置や結線のやり直しの際には、ケーブルの保管状態や使いまわしによる癖が残っており、ケーブルサポートゴムに固定する際の反発が大きく、作業工数を要している。
【0009】
本発明の目的は、地上設置機器において、ケーブルとの密着性を高めることにより地下からの湿気流入を抑制すると共にケーブルの固定作業を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の地上設置機器は、地下から引込まれたケーブルを介して接続された機器を収納する地上設置機器であって、前記ケーブルを保持するケーブルサポートゴムを有し、前記ケーブルサポートゴムは、本体部と、ケーブル近接部とを有し、前記本体部は第1の圧縮率を有し、前記ケーブル近接部は第2の圧縮率を有し、前記第2の圧縮率は前記第1の圧縮率より高いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、地上設置機器において、ケーブルとの密着性を高めることにより地下からの湿気流入を抑制すると共にケーブルの固定作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】地上設置機器の外観例を示す図である。
図2】地上設置機器のベース断面図(AA断面)である。
図3】ケーブル保持部兼底板を示す斜視図である。
図4】ケーブル保持部兼底板を示す断面図(BB切断面)である。
図5】ケーブルサポートゴムの形状(タイプ1)を示す図である。
図6】ケーブルサポートゴムの形状(タイプ2)を示す図である。
図7】実施例1のケーブルサポートゴム(タイプ1)を示す斜視図である。
図8】実施例1のケーブルサポートゴム(タイプ2)を示す斜視図である。
図9】実施例2のケーブルサポートゴム(タイプ2)を示す斜視図である。
図10】実施例3のケーブルサポートゴム(タイプ1)を示す斜視図である。
図11】実施例3のケーブルサポートゴム(タイプ2)を示す斜視図である。
図12】実施例4のケーブルサポートゴム(タイプ1)を示す斜視図である。
図13】実施例4のケーブルサポートゴム(タイプ2)を示す斜視図である。
図14】実施例5のケーブルサポートゴム(タイプ2)を示す斜視図である。
図15】ケーブルサポートゴムの勘合構造例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて実施例について説明する。
【0014】
最初に、図1及び図2を参照して地上設置機器の構成について説明する。
図1に示すように、地上設置機器は、外箱101に変圧器102と開閉器又は断路器103を収納して道路脇などに設置される地中配電用の機器である。接続に使用するケーブル104は地下から引込む。そのため、地上設置機器の下部に設けている外箱101及び変圧器102を支持するベース105には、ケーブル104を引込むための開口部106を有している。
【0015】
また、ベース105に設けているケーブル引込用の開口部106については、小動物の侵入や湿気の流入を防ぐよう開口範囲を少なくするための底板107を固定している。底板107には機器との接続に使用するケーブル104を保持するためのケーブル保持機構がある。
【0016】
次に、図3及び図4を参照してケーブル保持機構の構成について説明する。
【0017】
ケーブル保持機構は、ケーブル104を保持するケーブルサポートゴム202とケーブル保持部201により構成される。ケーブル104に接触する部分にケーブルサポートゴム202がある。ケーブルサポートゴム202は、ケーブル保持部201を介してボルト203で締め付けることによりケーブル104を保持している。
【0018】
ケーブル保持部201は、ケーブルサポートゴム202の周囲に設けられ、ケーブルサポートゴム202をボルト203により保持する。ケーブル保持部201は、例えば、金属により形成されている。
【0019】
次に、図5及び図6を参照してケーブルサポートゴム202のタイプについて説明する。
図5は、タイプ1のケーブルサポートゴム202の形状を示している。タイプ1は、複数のケーブル104をまとめて保持するタイプである。
図6は、タイプ2のケーブルサポートゴム202の形状を示している。タイプ2は、ケーブル104を一本ごとに保持するタイプである。
【実施例0020】
図7、8は、実施例1の地上設置機器のケーブルサポートゴムを示す。図7は、複数のケーブル104をまとめて保持するタイプ1に実施例1を適用したものである。図8は、ケーブル104を一本ごとに保持するタイプ1に実施例1を適用したものである。
【0021】
ケーブルサポートゴム202は、本体部とケーブル近接部とを有する。本体部は第1の圧縮率を有し、ケーブル近接部は第2の圧縮率を有する。この場合、第2の圧縮率は第1の圧縮率より高い。
【0022】
具体的には、ケーブルサポートゴム202の本体部に硬いゴム301を使用し、ケーブル近接部の全周に軟らかいゴム302を使用する。
【0023】
このような構成により、ケーブル近接部のゴム302の圧縮率を高め、ケーブル104との密着性を高める。これにより、地下からの湿気流入を抑制する。さらに、癖のあるケーブル104に対するケーブルサポートゴム202の成形性を容易にし、ケーブル104の固定作業を容易にする。
【実施例0024】
図9は地上設置機器のケーブルサポートゴムの実施例2を示す。
図9は、ケーブル104を一本ごとに保持するタイプ1に実施例2を適用したものである。
【0025】
ケーブルサポートゴム202は、本体部とケーブル近接部とを有する。本体部は第1の圧縮率を有し、ケーブル近接部は第2の圧縮率を有する。この場合、第2の圧縮率は第1の圧縮率より高い。
【0026】
具体的には、ケーブルサポートゴム202の本体部に硬いゴム301を使用し、ケーブル近接部の一部分に軟らかいゴム302を使用する。
【0027】
このような構成により、ケーブル近接部のゴム302の圧縮率を高め、ケーブル104との密着性を高める。これにより、地下からの湿気流入を抑制する。さらに、癖のあるケーブル104に対するケーブルサポートゴム202の成形性を容易にし、ケーブル104の固定作業を容易にする。
【実施例0028】
図10図11は地上設置機器のケーブルサポートゴムの実施例3を示す。図10は、複数のケーブル104をまとめて保持するタイプ1に実施例3を適用したものである。図11は、ケーブル104を一本ごとに保持するタイプ1に実施例3を適用したものである。
【0029】
図10図11において、304は傾斜部を示す。ケーブルサポートゴム202は、ケーブルサポートゴム202の本体部に硬いゴム301を使用する。そして、ケーブル近接部のケーブル104の挿入口に対して、ケーブル104の挿入口の径が広がるような傾斜部304を設ける。傾斜部304は、ケーブルサポートゴム202の断面形状を一部減らしてケーブルサポートゴム202の体積を変えるように設けられている。
【0030】
このように、ケーブル保持部の断面形状を一部減らし、体積を変えることにより、ケーブル近接部のゴムの圧縮率を高め、ケーブルとの密着性を高める。これにより、地下からの湿気流入を抑制する。さらに、癖のあるケーブル104に対するケーブルサポートゴム202の成形性を容易にし、ケーブル104の固定作業を容易にする。
【0031】
また、図10図11に示すように、ケーブル104の出入り口に傾斜部304を設けることで、ケーブル104の装着時に、ケーブル104がケーブルサポートゴム202と真っすぐに並んでいなくとも入りやすくなるという効果を有する。
【実施例0032】
図12図13は、実施例4の地上設置機器のケーブルサポートゴムを示す。実施例4は、実施例1の構成と実施例3の構成を組み合わせたものである。
【0033】
図12は、複数のケーブル104をまとめて保持するタイプ1に実施例4を適用したものである。図12は、ケーブル104を一本ごとに保持するタイプ1に実施例4を適用したものである。
【0034】
図12図13において、304は傾斜部を示す。ケーブルサポートゴム202は、本体部とケーブル近接部とを有する。本体部は第1の圧縮率を有し、ケーブル近接部は第2の圧縮率を有する。この場合、第2の圧縮率は第1の圧縮率より高い。
【0035】
具体的には、ケーブルサポートゴム202の本体部に硬いゴム301を使用し、ケーブル近接部の全周に軟らかいゴム302を使用する。
【0036】
そして、ケーブル近接部のケーブル104の挿入口に対して、ケーブル104の挿入口の径が広がるような傾斜部304を設ける。傾斜部304は、ケーブルサポートゴム202の断面形状を一部減らしてケーブルサポートゴム202の体積を変えるように設けられている。
【0037】
このように、ケーブルサポートゴム202のケーブル近接部の全周に軟らかいゴム302を使用すると共に、ケーブル近接部の断面形状を一部減らして体積を変える。
【0038】
この2つの特徴により、ケーブル近接部のゴム302の圧縮率を高め、ケーブル104との密着性を高める。これにより、地下からの湿気流入を抑制する。さらに、癖のあるケーブル104に対するケーブルサポートゴム202の成形性を容易にし、ケーブル104の固定作業を容易にする。
【実施例0039】
図14は、実施例5の地上設置機器のケーブルサポートゴムを示す。実施例5は、実施例2の構成と実施例3の構成を組み合わせたものである。図15は、ケーブル104を一本ごとに保持するタイプ1に実施例5を適用したものである。
【0040】
図14において、304は傾斜部を示す。ケーブルサポートゴム202は、本体部とケーブル近接部とを有する。本体部は第1の圧縮率を有し、ケーブル近接部は第2の圧縮率を有する。この場合、第2の圧縮率は第1の圧縮率より高い。
【0041】
具体的には、ケーブルサポートゴム202の本体部に硬いゴム301を使用し、ケーブル近接部の一部分に軟らかいゴム302を使用する。
【0042】
そして、ケーブル近接部のケーブル104の挿入口に対して、ケーブル104の挿入口の径が広がるような傾斜部304を設ける。傾斜部304は、ケーブルサポートゴム202の断面形状を一部減らしてケーブルサポートゴム202の体積を変えるように設けられている。
【0043】
このように、ケーブルサポートゴム202のケーブル近接部の一部分に軟らかいゴム302を使用すると共に、ケーブル近接部の断面形状を一部減らして体積を変える。
【0044】
この2つの特徴により、ケーブル近接部のゴム302の圧縮率を高め、ケーブル104との密着性を高める。これにより、地下からの湿気流入を抑制する。さらに、癖のあるケーブル104に対するケーブルサポートゴム202の成形性を容易にし、ケーブル104の固定作業を容易にする。
【0045】
図15は、ケーブルサポートゴム202の勘合構造例を示す斜視図である。
図15に示すように、本体部の硬いゴム301とケーブル近接部の軟らかいゴム302は、位置ずれを防止するための勘合部303を介して接合されている。
【符号の説明】
【0046】
101 外箱
102 変圧器
103 開閉器又は断路器
104 ケーブル
105 ベース
106 ケーブル引き込み用開口部
107 ケーブル保持部兼底板
108 変圧器取付部
201 ケーブル保持部兼底板金属部
202 ケーブルサポートゴム
203 ボルト
301 硬いゴム
302 軟らかいゴム
303 ケーブルサポートゴム勘合部
304 傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15