(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180097
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】更新情報表示装置、更新情報表示方法、および更新情報表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20241219BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20241219BHJP
【FI】
G06F8/65
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099549
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100141232
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 達
(72)【発明者】
【氏名】飯島 淳一
【テーマコード(参考)】
5B376
5E555
【Fターム(参考)】
5B376CA29
5B376CA39
5B376CA57
5E555AA25
5E555AA28
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC14
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5E555DB53
5E555DB56
5E555DC13
5E555DC14
5E555DC35
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA02
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】対象機器の一部で既に実行されたソフトウェア更新の処理の結果を、対象機器の全てで更新の処理が完了する前に提供する。
【解決手段】作成部21は、複数の対象デバイス2のそれぞれで実行されるソフトウェア更新の処理についての複数の対象デバイス2の全体での進捗状況を視覚的に表す進捗状況表示を作成する。この進捗状況表示は、ソフトウェア更新の処理が実行された対象デバイス2にそれぞれ対応している部分領域をソフトウェア更新の処理の実行順に並べて配置することによって作成される。作成部21は、ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアの更新がされなかった対象デバイス2に対応している部分領域を、ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアが更新された対象デバイス2に対応している部分領域とは異なる色彩にして進捗状況表示を作成する。表示部22は、この進捗状況表示を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象機器のそれぞれで実行されるソフトウェア更新の処理についての複数の前記対象機器の全体での進捗状況を、前記ソフトウェア更新の処理が実行された前記対象機器にそれぞれ対応している部分領域を前記ソフトウェア更新の処理の実行順に並べて配置することによって視覚的に表す進捗状況表示であって、前記ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアの更新がされなかった前記対象機器に対応している前記部分領域を、前記ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアが更新された前記対象機器に対応している前記部分領域とは異なる色彩にした前記進捗状況表示を作成する作成部と、
前記進捗状況表示を表示する表示部と
を備えることを特徴とする更新情報表示装置。
【請求項2】
前記作成部は、更に、前記ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアが更新されなかった前記対象機器に対応している前記部分領域の色彩を、ソフトウェアの更新が禁止されていた前記対象機器に対応している前記部分領域と残余の前記部分領域との間で異なる色彩にして前記進捗状況表示を作成することを特徴とする請求項1に記載の更新情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記ソフトウェア更新の処理が実行された前記対象機器の台数、及び、前記更新の処理によってソフトウェアが更新された前記対象機器の台数、並びに、前記更新の処理が実行されてもソフトウェアが更新されなかった前記対象機器のうちの、ソフトウェアの更新が禁止されていた前記対象機器の台数と残余の前記対象機器の台数とを示す情報を、前記進捗状況表示と共に表示することを特徴とする請求項2に記載の更新情報表示装置。
【請求項4】
前記進捗状況表示はプログレスバーであることを特徴する請求項1に記載の更新情報表示装置。
【請求項5】
前記進捗状況表示として並べて配置されている前記部分領域のうちの1つを選択する指示を取得する取得部を更に備え、
前記表示部は、前記指示を前記取得部が取得したときに、前記指示により選択された前記部分領域のうちの前記1つに対応している前記対象機器で実行された前記ソフトウェア更新の処理に関する情報を、前記進捗状況表示と共に表示する
ことを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の更新情報表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記指示により選択された前記部分領域のうちの前記1つに対応している前記対象機器で実行された前記ソフトウェア更新の処理に関する情報を、ポップアップ表示により表示することを特徴とする請求項5に記載の更新情報表示装置。
【請求項7】
前記表示部は、
前記進捗状況表示の表示と共に、前記ソフトウェア更新の処理が実行された前記対象機器のそれぞれについての前記ソフトウェア更新の処理に関する情報を、所定の表示欄でスクロール表示し、
前記指示を前記取得部が取得したときには、前記スクロール表示による前記所定の表示欄での前記ソフトウェア更新の処理に関する情報の表示位置を移動することによって、前記指示により選択された前記部分領域のうちの前記1つに対応している前記対象機器で実行された前記ソフトウェア更新の処理に関する情報を、前記所定の表示欄で表示する
ことを特徴とする請求項5に記載の更新情報表示装置。
【請求項8】
複数の対象機器のそれぞれで実行されるソフトウェア更新の処理についての複数の前記対象機器の全体での進捗状況を、前記ソフトウェア更新の処理が実行された前記対象機器にそれぞれ対応している部分領域を前記ソフトウェア更新の処理の実行順に並べて配置することによって視覚的に表す進捗状況表示であって、前記ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアの更新がされなかった前記対象機器に対応している前記部分領域を、前記ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアが更新された前記対象機器に対応している前記部分領域とは異なる色彩にした前記進捗状況表示を作成し、
前記進捗状況表示を表示する
ことを更新情報表示装置が行うことを特徴とする更新情報表示方法。
【請求項9】
複数の対象機器のそれぞれで実行されるソフトウェア更新の処理についての複数の前記対象機器の全体での進捗状況を、前記ソフトウェア更新の処理が実行された前記対象機器にそれぞれ対応している部分領域を前記ソフトウェア更新の処理の実行順に並べて配置することによって視覚的に表す進捗状況表示であって、前記ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアの更新がされなかった前記対象機器に対応している前記部分領域を、前記ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアが更新された前記対象機器に対応している前記部分領域とは異なる色彩にした前記進捗状況表示を作成し、
前記進捗状況表示を表示する
処理を情報処理装置に行わせる更新情報表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
機器で使用されるソフトウェアのインストールや更新に関する技術が幾つか知られている。例えば、複数台の機器のソフトウェアをアップデートする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。また、複数のソフトウェアを連続的にインストールする場合のインストール処理全体の進捗状況を表示する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-53730号公報
【特許文献2】特開2007-213344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソフトウェアの更新処理の進捗状況を、いわゆるプログレスバーを用いて表示する技術が知られているが、このようなプログレスバーによる表示は、更新処理の全体に対する処理進捗の程度の情報の提供に留まるものであった。このため、例えば、対象機器毎の更新の成否や更新失敗の原因などといった更新処理に関する詳細な情報の提供は、更新処理の完了後に表示される処理状況や処理結果の通知用の画面に委ねられていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のひとつでは、更新情報表示装置が作成部と表示部とを備える。作成部は、複数の対象機器のそれぞれで実行されるソフトウェア更新の処理についての複数の対象機器の全体での進捗状況を視覚的に表す進捗状況表示を作成する。この進捗状況表示は、ソフトウェア更新の処理が実行された対象機器にそれぞれ対応している部分領域をソフトウェア更新の処理の実行順に並べて配置することによって作成される。作成部は、ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアの更新がされなかった対象機器に対応している部分領域を、ソフトウェア更新の処理によってソフトウェアが更新された対象機器に対応している部分領域とは異なる色彩にして当該進捗状況表示を作成する。表示部は、進捗状況表示を表示する。
【発明の効果】
【0006】
上記の態様によれば、対象機器の一部で既に実行されたソフトウェア更新の処理の結果を、対象機器の全てで更新の処理が完了する前に提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態の一例としての更新管理システムの構成を示す図である。
【
図4】選択された対象デバイスでのファームウェア更新の処理に関する情報の第1の表示例を示す図である。
【
図5】選択された対象デバイスでのファームウェア更新の処理に関する情報の第2の表示例を示す図である。
【
図6】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図7】更新情報表示処理の処理内容の一例を示したフローチャートである。
【
図8】ファームウェア更新制御処理の処理内容の一例を示したフローチャートである。
【
図9】ファームウェア更新制御処理の第1の例の処理内容を示したフローチャートである。
【
図10】ファームウェア更新制御処理の第2の例の処理内容の一部を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
【0009】
初めに
図1について説明する。
図1は、実施形態の一例としての更新管理システム1の構成を示している。
【0010】
更新管理システム1は、例えば、工場等の施設の構内に設置される。
【0011】
更新管理システム1は、複数台の対象デバイス2と、例えばLANである通信ネットワーク3を介して接続されており、更新管理システム1と対象デバイス2との間で各種のデータが授受可能に構成されている。なお、「LAN」とはLocal Area Networkの略語である。
【0012】
対象デバイス2は、例えば、PLCやデータ収集機器などといったIoT機器であって、対象機器の一例である。なお、「PLC」とはProgrammable Logic Controllerの略語であり、「IoT」とはInternet of Thingsの略語である。
【0013】
対象デバイス2には、プロセッサとメモリとを含むハードウェアが備えられているが、簡単のため
図1では図示していない。また、対象デバイス2には、当該ハードウェアの動作制御を当該プロセッサに行わせるソフトウェアであるファームウェアが当該メモリに格納されている。更新管理システム1は、対象デバイス2において行われる、ソフトウェア更新(当該ファームウェアの更新)の処理の管理を行う。
【0014】
更新管理システム1は、更新制御装置10と更新情報表示装置20とを備えている。
【0015】
更新制御装置10は、対象デバイス2を制御して、対象デバイス2で格納されているファームウェアの更新の処理を対象デバイス2に行わせる。
【0016】
更新情報表示装置20は、対象デバイス2によるファームウェア更新の処理の実行に関する各種の情報の表示を行う。この更新情報表示装置20は、作成部21と表示部22と取得部23とを備えている。
【0017】
作成部21は、複数の対象デバイス2のそれぞれで実行されるファームウェア更新の処理についての複数の対象デバイス2の全体での進捗状況を視覚的に表す進捗状況表示30を作成する。
【0018】
【0019】
作成部21によって作成される進捗状況表示30は、ファームウェア更新の処理が実行された対象デバイス2にそれぞれ対応している部分領域31を当該ファームウェア更新の処理の実行順に並べて配置したものであり、いわゆるプログレスバーの表示である。この進捗状況表示30を構成している各部分領域31は、
図2の例ではいずれも同一の矩形形状であって同一の大きさである。但し、作成部21によって作成される進捗状況表示30では、部分領域31に対応している対象デバイス2で実行されたファームウェア更新の処理の結果に応じた色彩によって、当該部分領域31に対して彩色が施される。
【0020】
図2に例示した進捗状況表示30では、ファームウェア更新の処理によってファームウェアが更新された対象デバイス2に対応している部分領域31は、緑色に彩色されて成功表示32として表される。また、ファームウェア更新の処理によってファームウェアが更新されなかった対象デバイス2に対応している部分領域31は、赤色に彩色されて失敗表示33として表される。但し、ファームウェアが更新されなかった対象デバイス2のうち、ファームウェアの更新の禁止の設定がされていた対象デバイス2に対応している部分領域31については、赤色の彩色とはせずに、黄色に彩色されて警告表示34として表される。
【0021】
このように、作成部21は、ファームウェア更新の処理が実行された対象デバイス2に対応している部分領域31を、その更新の処理の結果に応じた異なる色彩で彩色して進捗状況表示30を作成する。従って、この進捗状況表示30を更新情報表示装置20が提示することで、対象デバイス2の一部で既に実行されたファームウェア更新の処理の結果を、対象デバイス2の全てで更新の処理が完了する前に提供することが可能になる。
【0022】
なお、
図2では、部分領域31のそれぞれに対し、緑色の彩色を施す代わりに網掛けを施して成功表示32を表現し、赤色の彩色を施す代わりに黒塗りを施して失敗表示33を表現し、また、黄色の彩色を施す代わりに斜線を施して警告表示34を表現している。この他の各図においても、進捗状況表示30を表した場合には、成功表示32、失敗表示33、及び警告表示34を同様の手法により表現するようにしている。
【0023】
更新情報表示装置20の説明を続ける。
【0024】
表示部22は更新情報表示画面40を表示する。更新情報表示画面40には、作成部21によって作成される進捗状況表示30が含まれているので、表示部22は進捗状況表示30を表示するものともいえる。
【0025】
【0026】
更新情報表示画面40には、作成部21によって作成される進捗状況表示30と共に、全体状況メッセージ表示領域41、進捗率表示42、詳細ログ表示領域43、スクロールバー44、キャンセルボタン45、及びOKボタン46が含まれている。
【0027】
全体状況メッセージ表示領域41は、対象デバイス2のそれぞれで実行されるファームウェア更新の処理についての対象デバイス2全体での進捗状況を表すメッセージを表示する領域である。
図3の例では、「ファームウェア更新中です。」というメッセージが表示されており、対象デバイス2でのファームウェア更新の処理の実行が開始したことが表されている。また、この例では、ファームウェア更新の処理が実行された対象デバイス2の台数を表すメッセージが表示されている。更に、この例では、この内訳として、更新に成功した対象デバイス2と、更新の禁止の設定がされていたことで更新がされなかった対象デバイス2と、当該設定はされていないが更新に失敗した対象デバイス2とのそれぞれの台数を表すメッセージが表示されている。
【0028】
進捗率表示42は、対象デバイス2のそれぞれで実行されるファームウェア更新の処理についての対象デバイス2全体での進捗率を表す数値の表示である。この進捗率は、ファームウェア更新の処理が実行された対象デバイス2の台数についての対象デバイス2の総数に対する割合であり、進捗率表示42は、この割合の値をしている。
【0029】
詳細ログ表示領域43は、対象デバイス2のそれぞれでのファームウェア更新の処理の実行の進捗状況を表すメッセージである詳細ログが、当該処理の実行順に順次表示される表示欄である。
【0030】
スクロールバー44は、詳細ログ表示領域43に表示される詳細ログの表示位置を移動させる指示を受け付ける要素である。
【0031】
キャンセルボタン45は、対象デバイス2におけるファームウェア更新の処理を中止させる指示を受け付ける要素である。
【0032】
OKボタン46は、全ての対象デバイス2でのファームウェア更新の処理の完了後に、表示部22による更新情報表示画面40の表示を終了させる指示を受け付ける要素である。
【0033】
更新情報表示装置20の説明を続ける。
【0034】
取得部23は、進捗状況表示30として並べて配置されている部分領域31のうちの1つを選択する指示を取得する。この指示を取得部23が取得すると、表示部22は、この指示により選択された部分領域31のうちの当該1つに対応している対象デバイス2で実行されたファームウェア更新の処理に関する情報を、更新情報表示画面40で進捗状況表示30と共に表示する。
【0035】
図4は、選択された対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報の第1の表示例を示している。また、
図5は、選択された対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報の第2の表示例を示している。
【0036】
これらの表示例は、どちらも、進捗状況表示30として並べられている部分領域31のうちの、マウスポインタ47により示されている1つが、更新情報表示装置20に接続されている不図示のマウス装置に対するクリック操作によって選択された状態を表している。このとき、取得部23は、当該クリック操作による部分領域31の選択の指示を取得する。
【0037】
取得部23が部分領域31の選択の指示を取得すると、表示部22は、更新情報表示画面40を、
図4に示す第1の表示例若しくは
図5に示す第2の表示例のように変更する。
【0038】
図4に示す第1の表示例は、選択された部分領域31に対応している対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報として、当該対象デバイス2についての詳細ログが、ポップアップ表示により更新情報表示画面40上に表示された様子を表している。このとき、表示部22は、更新情報表示画面40上にポップアップ表示領域48を形成し、このポップアップ表示領域48に当該詳細ログを表示させている。
【0039】
一方、
図5に示す第2の表示例は、選択された部分領域31に対応している対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報として、当該対象デバイス2についての詳細ログが、詳細ログ表示領域43に表示された様子を表している。表示部22は、スクロール表示により詳細ログ表示領域43に表示されている詳細ログの表示位置を移動することによって、当該対象デバイス2についての詳細ログが詳細ログ表示領域43で表示されるようにする。
【0040】
このように、更新情報表示装置20は、進捗状況表示30からの部分領域31の選択指示に応じて、選択された部分領域31に対応している対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報を表示する。従って、一部の対象デバイス2で既に実行されたファームウェア更新の処理の結果を、対象デバイス2の全てで更新の処理が完了する前に提供することが可能になる。
【0041】
なお、更新制御装置10と更新情報表示装置20とを備えて更新管理システム1を構成する代わりに、更新制御装置10と更新情報表示装置20とを一体化した更新管理装置で更新制御装置10と更新情報表示装置20とのそれぞれの機能を提供してもよい。
【0042】
次に、更新制御装置10及び更新情報表示装置20のハードウェア構成例について説明する。
【0043】
図6は情報処理装置50のハードウェア構成例を示している。この情報処理装置50を用いて更新制御装置10を構成することが可能であり、また、この情報処理装置50を用いて更新情報表示装置20を構成することも可能である。更には、1台の情報処理装置50で更新制御装置10と更新情報表示装置20との両者の機能を提供するように構成することも可能である。
【0044】
情報処理装置50は、CPU51、メモリ52、入力装置53、表示装置54、補助記憶装置55、及び通信I/F56の各構成要素を備えている。これらの構成要素はいずれも内部バス57に接続されており、各構成要素間でデータの授受が可能であるように構成されている。なお、「CPU」とはCentral Processing Unitの略語である。また、「I/F」とはInterfaceの略称である。
【0045】
CPU51は、例えば、メモリ52を利用して所定のプログラムを実行することによって情報処理装置50の各構成要素を制御して、更新制御装置10及び更新情報表示装置20の各構成要素の機能の提供を可能にする。
【0046】
入力装置53は、例えば、指示の入力用のキーボードやマウス装置などである。
【0047】
表示装置54は、各種の情報の表示出力に用いられ、例えば、更新情報表示画面40の表示を行う。
【0048】
補助記憶装置55は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブである。情報処理装置50は、補助記憶装置55にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ52にロードして使用することができる。
【0049】
通信I/F56は通信ネットワーク3に接続され、通信ネットワーク3を介して行われる各種のデータの授受を管理する。
【0050】
情報処理装置50を用いて更新情報表示装置20を構成する場合には、CPU51が作成部21の機能を提供し、CPU51と表示装置54との組み合わせが表示部22の機能を提供し、CPU51と入力装置53との組み合わせが取得部23の機能を提供する。
【0051】
なお、情報処理装置50を用いて更新制御装置10や更新情報表示装置20を構成する場合、情報処理装置50が
図5に示されている全ての構成要素を含む必要はなく、用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略してもよい。例えば、情報処理装置50を用いて更新制御装置10を構成する場合に表示装置54を省略するようにしてもよい。
【0052】
次に、更新情報表示装置20により行われる更新情報表示処理について説明する。
図7は、更新情報表示処理の処理内容の一例を示したフローチャートである。この処理は、更新情報表示画面40の表示を行うための処理であるが、更新制御装置10に対象デバイス2を制御させて、対象デバイス2で格納されているファームウェアの更新の処理を対象デバイス2に行わせるための処理も含まれている。
【0053】
なお、
図7に示されている処理を、
図6に例示したハードウェア構成を有する情報処理装置50を用いて構成した更新情報表示装置20に行わせる場合には、例えば、当該処理を記した更新情報表示プログラムをCPU51に実行させるようにすればよい。
【0054】
図7の処理は、更新管理システム1に対して指示される、対象デバイス2によるファームウェア更新の処理の実行開始の指示が取得されると開始される。
【0055】
図7において、まず、S101では、更新情報表示画面40の初期画面を表示する処理が行われる。
【0056】
更新情報表示画面40の初期画面では、まず、全体状況メッセージ表示領域41において、「ファームウェア更新中です。」のメッセージ、及び、「(0台中、成功0台、警告0台、失敗0台)」のメッセージが表示される。また、この初期画面では、部分領域31がひとつも並べられていない状態の進捗状況表示30が表示され、進捗率表示42は「0%」と表示される。更に、この初期画面では、スクロールバー44が添えられている詳細ログ表示領域43が空欄の状態で表示される。また、この初期画面では、キャンセルボタン45とOKボタン46も表示されるが、OKボタン46は非アクティブの態様で表示される。非アクティブの態様で表示されているOKボタン46に対するクリック操作は無視される。
【0057】
上述したS101の処理に続いて実行されるS102からS108までの処理は、後述するS109の判定処理の結果がYESとなるまで、繰り返し実行される。
【0058】
まず、S102では、通信ネットワーク3に接続されている、ファームウェアの更新の処理の実行対象である対象デバイス2を1つ選択する処理が行われる。なお、本実施形態では、ファームウェアの更新の処理の実行対象である対象デバイス2の情報は、予め更新情報表示装置20に与えられているものとする。
【0059】
次に、S103では、表示中の更新情報表示画面40における詳細ログ表示領域43において、S102の処理により選択された対象デバイス2についての詳細ログをスクロール表示する処理が行われる。この処理により表示される詳細ログは、例えば、「デバイスxxのファームウェア更新中です。・・・実行中」といったメッセージであり、このメッセージにおける「デバイスxx」は、S102の処理により選択された対象デバイス2に与えられている名称である。
【0060】
次に、S104では、S102の処理により選択された対象デバイス2を特定する情報を伝えてファームウェア更新制御処理の実行を更新制御装置10に指示する処理が行われる。
【0061】
ここで、更新制御装置10によって行われるファームウェア更新制御処理の詳細を先に説明する。ファームウェア更新制御処理は、上述したS102の処理により選択された対象デバイス2にファームウェア更新の処理を実行させる処理である。
【0062】
図8は、ファームウェア更新制御処理の処理内容の一例を示したフローチャートである。なお、
図8に示されている処理を、
図6に例示したハードウェア構成を有する情報処理装置50を用いて構成した更新制御装置10に行わせる場合には、例えば、当該処理を記したファームウェア更新制御プログラムをCPU51に実行させるようにすればよい。
【0063】
図8において、まず、S111では、
図7のS104の処理によって更新情報表示装置20から伝えられた情報により特定される対象デバイス2に宛てて、ファームウェア更新の実行可否の確認の要求を送信する処理が行われる。この要求の送信先の対象デバイス2は、
図7のS102の処理により選択された対象デバイス2である。
【0064】
対象デバイス2は、この要求を受信すると、ファームウェアの更新の禁止が自身に対して設定されているかどうかの確認を行い、当該確認の結果を当該要求に対する回答として更新制御装置10に返信するように構成されているものとする。また、この確認の結果は、ファームウェアの更新の禁止が設定されていることを示す「更新禁止」と、当該更新の禁止が設定されていない「更新許可」とのうちのどちらか一方であるものとする。
【0065】
S111の処理に続くS112では、
図8の処理の進行を所定時間待機する処理が行われる。この所定時間には、S111の処理による確認の要求の送信から、当該要求を受信した対象デバイス2より返信される当該要求に対する回答の更新制御装置10での受信までに要する時間として十分な時間が予め設定される。
【0066】
S112の処理に続くS113では、S112による処理の待機の期間内に、S111の処理により送信した確認の要求に対する確認の結果を受信したか否かを判定する処理が行われる。この判定処理において、当該確認の結果を受信したと判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS114に処理を進める。一方、この判定処理において、当該確認の結果を受信しなかったと判定したとき(判定結果がNOのとき)にはS120に処理を進める。
【0067】
S114では、S113の判定処理によって受信したと判定された確認の結果が「更新許可」であるかどうかを判定する処理が行われる。この判定処理において、確認の結果が「更新許可」であると判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS115に処理を進める。一方、この判定処理において、確認の結果が「更新禁止」であって「更新許可」ではないと判定されたとき(判定結果がNOのとき)にはS121に処理を進める。
【0068】
S115では、
図7のS104の処理によって更新情報表示装置20から伝えられた情報により特定される対象デバイス2に宛てて、更新ファームウェアを送信する処理が行われる。
【0069】
対象デバイス2は、この更新ファームウェアを受信すると、当該更新ファームウェアを用いて、既存のファームウェアを更新する処理を行うように構成されているものとする。また、対象デバイス2は、更新の処理が終了すると、ファームウェアの更新の成否の確認を行い、当該確認の結果を更新制御装置10に送信するように構成されているものとする。なお、この確認の結果は、ファームウェアの更新が成功したことを示す「成功」と、ファームウェアの更新に失敗したことを示す「失敗」とのうちのどちらか一方であるものとする。
【0070】
S115の処理に続くS116では、
図8の処理の進行を所定時間待機する処理が行われる。この所定時間には、S115の処理による更新ファームウェアの送信から、当該更新ファームウェアを受信した対象デバイス2より送信されるファームウェアの更新の成否の確認結果の更新制御装置10での受信までに要する時間として十分な時間が予め設定される。
【0071】
S116の処理に続くS117では、S116による処理の待機の期間内に、S115の処理による更新ファームウェアの送信先の対象デバイス2から、ファームウェアの更新の成否の確認の結果を受信したか否かを判定する処理が行われる。この判定処理において、当該確認の結果を受信したと判定したとき(判定結果がYESのとき)にはS118に処理を進める。一方、この判定処理において、当該確認の結果を受信しなかったと判定したとき(判定結果がNOのとき)にはS120に処理を進める。
【0072】
S118では、S117の判定処理によって受信したと判定された確認の結果が「成功」であるかどうかを判定する処理が行われる。この判定処理において、確認の結果が「成功」であると判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS119に処理を進める。一方、この判定処理において、確認の結果が「失敗」であって「成功」ではないと判定されたとき(判定結果がNOのとき)にはS120に処理を進める。
【0073】
S119では、
図8に示した処理の処理結果として「更新成功」を示す情報を出力して更新情報表示装置20に通知する処理が行われる。この処理の後は
図8の処理を終了する。
【0074】
一方、前述したS113、S117、及びS118の判定処理のいずれかにおいて判定結果がNOであった場合には、S120において、
図8に示した処理の処理結果として「更新失敗」を示す情報を出力して更新情報表示装置20に通知する処理が行われる。この処理の後は
図8の処理を終了する。
【0075】
また、前述したS114の判定処理において判定結果がNOであった場合には、S121において、
図8に示した処理の処理結果として「更新禁止設定有」を示す情報を出力して更新情報表示装置20に通知する処理が行われる。この処理の後は
図8の処理を終了する。
【0076】
以上までの処理がファームウェア更新制御処理である。
【0077】
【0078】
前述したS104の処理に続くS105では、S104の処理によって実行されたファームウェア更新制御処理の処理結果を、更新制御装置10から取得する処理が行われる。この処理により取得される処理結果は、
図7のS119、S120、若しくはS120の処理の実行によって更新制御装置10から通知される情報である。
【0079】
S105の処理に続くS106、S107、及びS108各処理では、表示中の更新情報表示画面40での表示を、S105の処理によって取得した処理結果の情報に従って更新する処理が行われる。
【0080】
まず、S106では、表示中の更新情報表示画面40における全体状況メッセージ表示領域41での表示と進捗率表示42とを更新する処理が行われる。
【0081】
このうち、全体状況メッセージ表示領域41での表示の更新では、まず、ファームウェア更新の処理が実行された対象デバイス2の台数を表すメッセージにおける台数表示の数値が更新される。
図3の画面例では、この台数表示の数値は、「n台中」の表示のうちの「n」の数値である。この更新では、当該台数表示が、
図7の処理において繰り返し実行されるS105の処理によって取得された処理結果の数、すなわち、ファームウェアを更新する処理が行われた対象デバイス2の台数に置き換えられる。
【0082】
一方、進捗率表示42の更新では、更新前の数値が、ファームウェアを更新する処理が実行された対象デバイス2の台数についての、ファームウェアの更新の処理の実行対象である対象デバイス2の台数に対する割合をパーセント単位で表した値に書き換えられる。
【0083】
なお、全体状況メッセージ表示領域41での表示の更新では、更新に成功した対象デバイス2と、更新禁止の設定により更新がされなかった対象デバイス2と、禁止設定はされていないが更新に失敗した対象デバイス2とのそれぞれの台数のメッセージも更新される。
図3の画面例では、これらの台数表示の数値は、それぞれ、「成功a台」の表示のうちの「a」の数値、「警告b台」の表示のうちの「b」の数値、及び、「失敗c台」の表示のうちの「c」の数値である。この更新では、これらの数値が、
図7の処理において繰り返し実行されるS105の処理によって取得された処理結果の情報における、「更新成功」を示す情報の数、「更新禁止設定有」を示す情報の数、及び「更新失敗」を示す情報の数にそれぞれ置き換えられる。
【0084】
次に、S107では、表示中の更新情報表示画面40における進捗状況表示30を更新する処理が行われる。
【0085】
この処理では、表示中の進捗状況表示30の端(
図3の画面例では右端)に、直近に実行されたS105の処理によって取得された処理結果の情報に対応する色彩により彩色された部分領域31が追加されて配置される。この追加される部分領域31に彩色される色彩は、処理結果の情報が「更新成功」を示している場合には緑色であり、処理結果の情報が「更新禁止設定有」を示している場合には黄色であり、処理結果の情報が「更新失敗」を示している場合には赤色である。この処理によって進捗状況表示30に追加される部分領域31は、直近に実行された前述のS102の処理によって選択された対象デバイス2と対応付けられる。
【0086】
次に、S108では、表示中の更新情報表示画面40における詳細ログ表示領域43での表示を更新する処理が行われる。
【0087】
直近に実行された前述のS103の処理によって、詳細ログ表示領域43には「デバイスxxのファームウェア更新中です。・・・実行中」といったメッセージが詳細ログとして表示されている。S108の処理には、この表示中のメッセージにおける「実行中」の文字列が、直近に実行されたS105の処理によって取得された処理結果の情報に対応する文字列に置き換えられる。この置き換え後の文字列は、処理結果の情報が「更新成功」を示すものである場合には「正常」であり、処理結果の情報が「更新禁止設定有」を示すものである場合には「警告」であり、処理結果の情報が「更新失敗」を示すものである場合には「失敗」である。
【0088】
なお、処理結果の情報が「更新禁止設定有」を示すものである場合には、上述した文字列の置き換え後のメッセージの表示に続けて、処理結果の情報が「更新禁止設定有」を示すものであることが警告の理由であることを示すメッセージを表示してもよい。このメッセージは、例えば、「警告:ファームウェア更新が禁止に設定されているためスキップします。」である。
【0089】
次に、S109では、繰り返し実行されるS102の処理によって、ファームウェアの更新の処理の実行対象である対象デバイス2が全て選択されたか否かを判定する処理が行われる。この判定処理において、ファームウェアの更新の処理の実行対象である対象デバイス2が全て選択されたと判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS110に処理を進める。一方、この判定処理において、ファームウェアの更新の処理の実行対象である対象デバイス2に未選択のものが残っていると判定されたとき(判定結果がNOのとき)にはS102へと処理を戻し、未選択の対象デバイス2のうちの1つを選択する処理が行われる。
【0090】
S110では、ファームウェアの更新の処理の実行対象である対象デバイス2の全てでファームウェアの更新の処理が行われたので、表示中の更新情報表示画面40におけるOKボタン46をアクティブ化する処理が行われる。この処理により、非アクティブの態様で表示されているOKボタン46が、アクティブの態様での表示に変更される。この処理の後は
図7の処理を終了する。
【0091】
以上までの処理が更新情報表示処理である。この処理が更新情報表示装置20により行われることによって、ファームウェア更新の処理が実行された対象デバイス2に対応している部分領域31が、その更新の処理の結果に応じた異なる色彩で彩色された進捗状況表示30の表示が行われる。
【0092】
次に、更新情報表示装置20に接続されているマウス装置に対するクリック操作に応じて行われるマウスクリック処理について説明する。
【0093】
マウスクリック処理は、マウス装置に対するクリック操作が行われたときにマウスポインタ47が指し示していた更新情報表示画面40上の要素に対応付けられている機能を提供する処理である。なお、更新情報表示画面40上のマウスポインタ47は、マウス装置に対する移動操作に応じて自在に移動するように構成されているものとする。
【0094】
なお、このマウスクリック処理を、
図6に例示したハードウェア構成を有する情報処理装置50を用いて構成した更新情報表示装置20に行わせる場合には、例えば、当該処理を記したマウスクリック処理プログラムをCPU51に実行させるようにすればよい。
【0095】
これより説明するマウスクリック処理は、マウス装置に対するクリック操作が検出されると、前述した更新情報表示処理の実行を中断し、割込み処理として、更新情報表示装置20において実行が開始される。従って、
図9の処理が終了すると、中断した更新情報表示処理の実行が再開される。
【0096】
まず
図9について説明する。
図9は、マウスクリック処理の第1の例の処理内容を示したフローチャートである。この第1の例によって、
図4に示した第1の表示例のように、進捗状況表示30から選択された部分領域31に対応している対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報を表示する機能が更新情報表示装置20より提供される。
【0097】
図9の処理が開始されると、まず、S201において、クリック操作が検出されたときにマウスポインタ47が指し示していたものが、更新情報表示画面40上の進捗状況表示30であるか否かを判定する処理が行われる。この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものは進捗状況表示30であると判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS202に処理を進める。一方、この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものは進捗状況表示30ではないと判定されたとき(判定結果がNOのとき)にはS203に処理を進める。
【0098】
S202では、進捗状況表示30においてマウスポインタ47が指し示していた部分領域31に対応している対象デバイス2についての、前述したファームウェア更新制御処理の処理結果の情報を、更新情報表示画面40上でポップアップ表示する処理が行われる。
【0099】
この処理結果の情報は、前述した
図7の更新情報表示処理におけるS105の処理により取得された情報であるが、この情報を、前述したS108の処理により詳細ログ表示領域43に表示させたものと同様のメッセージに加工してポップアップ表示してもよい。
【0100】
【0101】
一方、S203では、クリック操作が検出されたときにマウスポインタ47が指し示していたものが、更新情報表示画面40上のスクロールバー44であるか否かを判定する処理が行われる。この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものはスクロールバー44であると判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS204に処理を進める。一方、この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものはスクロールバー44ではないと判定されたとき(判定結果がNOのとき)にはS205に処理を進める。
【0102】
なお、S203の判定処理は、例えば、マウス装置に対する操作がスクロールバー44に対するドラッグスクロール操作である場合にも、判定結果をYESとする。
【0103】
S204では、更新情報表示画面40上の詳細ログ表示領域43での詳細ログの表示を、マウス装置に対する操作に応じてスクロールさせる処理が行われる。この処理の後は
図9の処理を終了する。
【0104】
一方、S205では、クリック操作が検出されたときにマウスポインタ47が指し示していたものが、更新情報表示画面40上のキャンセルボタン45であるか否かを判定する処理が行われる。この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものはキャンセルボタン45であると判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS206に処理を進める。一方、この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものはキャンセルボタン45ではないと判定されたとき(判定結果がNOのとき)にはS207に処理を進める。
【0105】
S206では、この処理の実行の時点において実行中である
図7の更新情報表示処理を中断してこのまま終了させる処理が行われる。この処理の後は
図9の処理を終了する。
【0106】
一方、S207では、クリック操作が検出されたときにマウスポインタ47が指し示していたものが、更新情報表示画面40上のOKボタン46であるか否かを判定する処理が行われる。この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものはOKボタン46であると判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS208に処理を進める。一方、この判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものはOKボタン46ではないと判定されたとき(判定結果がNOのとき)には、このまま
図9の処理を終了する。
【0107】
なお、S207の判定処理によって判定結果がYESとなり得るのは、OKボタン46がアクティブ化されている場合にのみとし、OKボタン46が非アクティブの場合には、S207の判定処理の結果は常にNOとするようにする。
【0108】
S208では、この処理の実行時点において表示中の更新情報表示画面40の表示を終了して消去する処理が行われる。この処理の後は
図9の処理を終了する。
【0109】
以上までの処理がマウスクリック処理の第1の例である。この処理が更新情報表示装置20により行われることによって、進捗状況表示30から選択された部分領域31に対応している対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報の表示が行われる。
【0110】
次に
図10について説明する。
図10は、マウスクリック処理の第2の例の処理内容の一部を示したフローチャートである。この第2の例によっても、進捗状況表示30から選択された部分領域31に対応している対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報を表示する機能が提供される。但し、この第2の例では、
図5に示した第2の表示例のように、スクロール表示により詳細ログ表示領域43に表示されている詳細ログの表示位置を移動することによって、当該情報が表示される。
【0111】
図10の処理が開始されると、まず、S211において、クリック操作が検出されたときにマウスポインタ47が指し示していたものが、更新情報表示画面40上の進捗状況表示30であるか否かを判定する処理が行われる。
【0112】
このS211の判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものは進捗状況表示30であると判定されたとき(判定結果がYESのとき)にはS212に処理を進める。
【0113】
一方、このS211の判定処理において、マウスポインタ47が指し示していたものは進捗状況表示30ではないと判定されたとき(判定結果がNOのとき)には、
図9に示した第1の例におけるS203に処理を進める。そして、
図9のS203からS208までの各処理が、第1の例と同様に行われ、その後はこの
図10の処理を終了する
【0114】
S212では、進捗状況表示30においてマウスポインタ47が指し示していた部分領域31に対応している対象デバイス2についての、前述したファームウェア更新制御処理の処理結果の情報を表示させる処理が行われる。この処理では、更新情報表示画面40上の詳細ログ表示領域43での詳細ログの表示をスクロールさせて、当該対象デバイス2についての当該処理結果の情報を表している詳細ログが詳細ログ表示領域43で表示されるようにする処理が行われる。
【0115】
【0116】
以上までの処理がマウスクリック処理の第2の例である。この処理が更新情報表示装置20により行われることによって、詳細ログ表示領域43での表示のスクロールにより、進捗状況表示30から選択された部分領域31に対応している対象デバイス2でのファームウェア更新の処理に関する情報が表示される。
【0117】
以上、開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
【0118】
例えば、進捗状況表示30の形状を、
図2に例示したような棒状とする代わりに、他の形状、例えば円状や円環状の表示としてもよい。例えば、進捗状況表示30を円状のプログレスサークルとして表示する場合には、扇形の形状である部分領域31を並べて配置することによって進捗状況表示30が作成されるようにすればよい。
【0119】
また、例えば、進捗状況表示30において、ファームウェア更新の処理が実行された対象デバイス2に対応している部分領域31の彩色に用いる互いに異なる色彩の組み合わせとして、緑色と赤色と黄色との代わりに、別の色彩の組み合わせを用いてもよい。
【0120】
また、例えば、更新情報表示画面40における全体状況メッセージ表示領域41に、
図3に例示した情報以外の情報を表示するようにしてもよい。すなわち、例えば、全ての対象デバイス2でのファームウェア更新の処理の実行に要すると推定される時間や、更新情報表示処理の実行開始からの経過時間などを全体状況メッセージ表示領域41で表示するようにしてもよい。
【0121】
また、例えば、更新情報表示画面40に、例えば、一時停止ボタンやロールバックボタンなどといった、
図3に例示したキャンセルボタン45やOKボタン46以外のボタンを備えるようにしてもよい。なお、一時停止ボタンとは、対象デバイス2におけるファームウェア更新の処理を一時的に停止させる指示の受け付けに用いる要素である。また、ロールバックボタンは、ファームウェア更新の処理を終えた対象デバイス2で格納されている更新後のファームウェアを全て更新前のものに戻す指示の受け付けに用いる要素である。
【0122】
また、例えば、
図5の更新情報表示画面40の例では、マウスポインタ47により進捗状況表示30から選択された部分領域31に対応している対象デバイス2についての詳細ログが、詳細ログ表示領域43の最上部に表示されている。この代わりに、当該対象デバイス2についての詳細ログが、詳細ログ表示領域43の上下端の中間部付近に表示されるように、詳細ログ表示領域43での詳細ログの表示のスクロールを行うようにしてもよい。このようにすると、進捗状況表示30においてマウスポインタ47が指し示した部分領域31の近傍に配置されている他の部分領域31に対応している対象デバイス2についての詳細ログについても、詳細ログ表示領域43で表示される。従って、マウスポインタ47が指し示していた部分領域31が、適切な部分領域31ではなく、その近傍に配置されている別の部分領域31であった場合でも、所望の詳細ログが詳細ログ表示領域43の領域内に表示されるようになる。
【0123】
また、例えば、
図4の例のような、対象デバイス2についての詳細ログのポップアップ表示と、
図5の例のような、詳細ログ表示領域43での表示のスクロール移動による当該詳細ログの表示とを、更新情報表示画面40上で同時に行うようにしてもよい。なお、このようにする場合には、例えば更新情報表示画面40が備える各表示要素の大きさや要素間の配置関係を変更する等して、詳細ログ表示領域43とポップアップ表示領域48との更新情報表示画面40上での重なりを解消するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 更新管理システム
2 対象デバイス
3 通信ネットワーク
10 更新制御装置
20 更新情報表示装置
21 作成部
22 表示部
23 取得部
30 進捗状況表示
31 部分領域
32 成功表示
33 失敗表示
34 警告表示
40 更新情報表示画面
41 全体状況メッセージ表示領域
42 進捗率表示
43 詳細ログ表示領域
44 スクロールバー
45 キャンセルボタン
46 OKボタン
47 マウスポインタ
48 ポップアップ表示領域
50 情報処理装置
51 CPU
52 メモリ
53 入力装置
54 表示装置
55 補助記憶装置
56 通信I/F
57 内部バス