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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180103
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】物品移載装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/44 20060101AFI20241219BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65B35/44
B65G47/91 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099556
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】佐田 皓平
(72)【発明者】
【氏名】北條 正晃
(72)【発明者】
【氏名】竹岡 将史
(72)【発明者】
【氏名】有松 辰也
(72)【発明者】
【氏名】岡野 弘志
(72)【発明者】
【氏名】横田 祐嗣
【テーマコード(参考)】
3E054
3F072
【Fターム(参考)】
3E054AA13
3E054CA08
3E054DA02
3E054DC03
3E054DD01
3E054DE03
3E054EA01
3E054FA07
3E054FC03
3E054FC09
3E054FC13
3E054FC15
3E054GA01
3E054GB01
3E054GC05
3E054HA04
3E054HA07
3E054JA02
3F072AA30
3F072GD01
3F072GG03
3F072JA09
3F072KA01
3F072KD03
3F072KD23
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、上流からの物品供給能力に関係なく移送機構の処理能力を一定の能力に維持することできる物品移載装置を提供することにある。
【解決手段】物品移載装置1は、搬入コンベア12と、整列コンベア21と、物品移送部30とを備えている。搬入コンベア12は、袋Gを第1方向X1へ搬送する。整列コンベア21は、搬入コンベア12から送られてくる複数の袋Gを、所定状態に並べて物品群を形成しながら第2方向Yへ搬送する。物品移送部30は、物品群をコンテナ51に移送する。整列コンベア21には複数の物品群が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を第1方向に搬送する第1コンベアと、
前記第1コンベアから送られてくる複数の前記物品を、所定状態に並べて物品群を形成しながら第2方向に搬送する第2コンベアと、
前記物品群を所定位置に移送する移送機構と、
を備え、
前記第2コンベアには複数の前記物品群が形成される、
物品移載装置。
【請求項2】
前記移送機構は、前記物品群を構成する複数の前記物品をまとめて把持し、前記所定位置に移送する、
請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項3】
前記第2コンベア上には、前記物品群として、
前記移送機構によって先に移送される第1物品群と、
前記第1物品群が移送された後に前記移送機構によって移送される第2物品群と、
が形成される、
請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項4】
前記第1物品群と前記第2物品群との間には、前記第2方向に沿った隙間が形成される、
請求項3に記載の物品移載装置。
【請求項5】
前記第2コンベアは、前記第1コンベアから送られてくる前記物品を1つ受けとめる毎に前記第2方向に所定距離だけ当該物品を搬送することによって、複数の前記物品を前記所定状態に並べる、
請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項6】
前記第1コンベアおよび前記第2コンベアの動作を制御する制御部をさらに備え、
前記第1コンベアの前記第1方向の先端部は前記第1方向と平行に伸縮し、
前記制御部は、前記物品が前記第1コンベアの第1位置から前記第2コンベアへ載り移るときに、前記第1コンベアの前記先端部を前記第1位置よりも前記第1方向の上流側に縮まった状態へと変化させる、
請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項7】
前記第1コンベアと前記第2コンベアとは、前記第1方向と前記第2方向とが互いに交差するように配置されている、
請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項8】
前記第1コンベアと前記第2コンベアとは、前記第1方向と前記第2方向とが互いに直交するように配置されており、
前記物品が前記第1コンベアから前記第2コンベアへ載り移るときに、前記物品の縦横方向を含む平面が前記第2コンベアの搬送面に対して前記第1方向を回転軸として傾いた傾斜状態となり、前記第1コンベアから前記第2コンベアへ載り移るときの前記物品の姿勢が、前記第2コンベアに既に載置されている前記物品に着地する部分が上方、前記第2コンベアに直に着地する部分が下方となるように、前記第1コンベアの搬送面が水平面に対して傾斜している、
請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項9】
前記物品に接触することによって前記第1コンベアにおける前記物品の搬送時の姿勢を所定姿勢へ変更する姿勢変更部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項10】
第3コンベアをさらに備え、
前記第3コンベアは、前記第2コンベアの側面のうち、前記第1コンベアの搬送方向のより下流側に位置する前記第2コンベアの側面に沿って、前記第1コンベアの終端と対向するように略鉛直姿勢で配置されており、
前記第3コンベアの搬送面は、前記第2コンベアに同期して前記第2方向と同方向に進行する、
請求項7に記載の物品移載装置。
【請求項11】
前記移送機構は、前記第2コンベアによって形成された前記物品群を吸着保持するロボットを含む、
請求項1または請求項2記載の物品移載装置。
【請求項12】
複数の、請求項1または請求項2に記載の物品移載装置と、
前記所定位置を移動させる移動装置と、
を備え、
移動する前記所定位置に対して複数の前記物品移載装置それぞれが前記物品群を移送する、
物品移載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の物品を集合させて所定位置に移送する物品移載装置が広く普及している。例えば、特許文献1(特開2017-154781号公報)に記載の装置では、搬送コンベアによって一方向に搬送されてくる物品が、第1の移送機構に把持されて集積コンベア上に移送され物品群となって同方向に搬送される。その後、当該物品群は第2の移送機構によって箱の中へ詰め込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような装置では、第1の移送機構が物品を把持して集積コンベア上に並べる動作が必要であり、上流から物品が連続して搬送されると、第1の移送機構の処理能力を上げても上流からの物品供給能力に追従することができない場合がある。
【0004】
それゆえ、上流からの物品供給能力に関係なく移送機構の処理能力を一定の能力に維持することできる物品移載装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の物品移載装置は、第1コンベアと、第2コンベアと、移送機構とを備えている。第1コンベアは、物品を第1方向に搬送する。第2コンベアは、第1コンベアから送られてくる複数の物品を、所定状態に並べて物品群を形成しながら第2方向に搬送する。移送機構は、物品群を所定位置に移送する。第2コンベアには複数の物品群が形成される。
【0006】
この物品移載装置では、第1コンベアから連続的に物品が供給された場合でも、第2コンベアが物品を整列させる時間が移送機構側に時間的余裕を与えるので、移送機構が物品の移送に追われるという事態は回避される。また、整列した複数の物品から成る物品群が第2コンベア上に一時的に貯められるので、移送機構側への物品の供給が間に合わないという事態も回避される。
【0007】
また、従来装置との比較において、第2コンベアが第1コンベアから送られてくる複数の物品を所定状態に並べて物品群を形成するので、従来のような「物品を一つずつ把持してコンベアに並べる動作」を省くことができ、処理能力が高まる。
【0008】
第2観点の物品移載装置は、第1観点の物品移載装置であって、移送機構が、物品群を構成する複数の物品をまとめて把持し、所定位置に移送する。
【0009】
この物品移載装置では、従来のような「物品を一つずつ把持してコンベアに並べる動作」が無く、第2コンベアによって形成された物品群の複数の物品を移送機構がまとめて移送するので、移送機構の移送回数が少なく、処理能力が高い。
【0010】
第3観点の物品移載装置は、第1観点または第2観点の物品移載装置であって、第2コンベア上には、物品群として、第1物品群と第2物品群とが形成される。第1物品群は、移送機構によって先に移送される。第2物品群は、第1物品群が移送された後に移送機構によって移送される。
【0011】
この物品移載装置では、次に移送される物品群が、第2コンベア上に一時的に貯められるので、物品群を安定した間隔で移送機構側へ供給することができる。
【0012】
第4観点の物品移載装置は、第3観点の物品移載装置であって、第1物品群と第2物品群との間には、第2方向に沿った隙間が形成される。
【0013】
この物品移載装置では、移送機構が第1物品群を移送する際に、第2物品群の物品が移送機構に巻き込まれることが回避される。
【0014】
第5観点の物品移載装置は、第1観点から第4観点のいずれか1つの物品移載装置であって、第2コンベアが、第1コンベアから送られてくる物品を1つ受けとめる毎に第2方向に所定距離だけ当該物品を搬送することによって、複数の物品を所定状態に並べる。
【0015】

この物品移載装置では、複数の物品それぞれは、「後続の物品の一部分が第2コンベア上面に接触し残り部分が先行の物品に寄り掛って傾斜する」状態で並んで物品群を形成する。それゆえ、移送の際、移送機構が物品群を構成する複数の物品をまとめて把持して所定位置に移送することができる。
【0016】
第6観点の物品移載装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つの物品移載装置であって、第1コンベアおよび第2コンベアの動作を制御する制御部をさらに備えている。第1コンベアの第1方向の先端部は第1方向と平行に伸縮する。制御部は、物品が第1コンベアの第1位置から第2コンベアへ載り移るときに、第1コンベアの先端部を第1位置よりも第1方向の上流側に縮まった状態へと変化させる。
【0017】
この物品移載装置では、第1コンベアから第2コンベアへ載り移るとき、物品の下面を支持していた第1コンベアが縮まって除かれるので、物品は傾く間もなく、載り移り時の姿勢を維持したまま第2コンベアに着地する。その結果、姿勢の乱れが抑制される。
【0018】
第7観点の物品移載装置は、第1観点から第6観点のいずれか1つの物品移載装置であって、第1コンベアと第2コンベアとは、第1方向と第2方向とが互いに交差するように配置されている。
【0019】
この物品移載装置では、第1コンベアと第2コンベアとがそれぞれの搬送方向が互いに交差するように配置されているので、搬送方向が同一方向に長くなることを抑制することができる。
(特に、第1コンベアと第2コンベアとがそれぞれの搬送方向が互いに直交するように配置され、且つ物品が袋商品の場合には、袋の長辺方向を第1コンベアの搬送方向に沿わせて搬送することによって、第2コンベアに乗り移るときに袋の短辺方向が第2コンベアの搬送方向に沿うので、複数の袋を密集させて集積することができ、移送効率が向上する。)
【0020】
第8観点の物品移載装置は、第1観点から第7観点のいずれか1つの物品移載装置であって、第1コンベアと第2コンベアとが、第1方向と第2方向とが互いに直交するように配置されている。物品が第1コンベアから第2コンベアへ載り移るときに、物品の縦横方向を含む平面が第2コンベアの搬送面に対して第1方向を回転軸として傾いた傾斜状態となり、第1コンベアから第2コンベアへ載り移るときの物品の姿勢が、第2コンベアに既に載置されている物品に着地する部分が上方、第2コンベアに直に着地する部分が下方となるように、第1コンベアの搬送面が水平面に対して傾斜している。
【0021】
この物品移載装置では、第1コンベアから第2コンベアへ載り移るときの物品の姿勢は、第2コンベアに既に載置されている物品に着地する部分が上方、第2コンベアに直に着地する部分が下方となるように傾斜しているので、物品は先に載置されている物品と接触する前に、または同時に第2コンベアに着地する。そして、第2コンベアと物品との摩擦力が物品同士の摩擦力を上回るので、物品相互間の滑りが防止され姿勢の乱れが抑制される。
【0022】
第9観点の物品移載装置は、第1観点から第8観点のいずれか1つの物品移載装置であって、物品に接触することによって第1コンベアにおける物品の搬送時の姿勢を所定姿勢へ変更する姿勢変更部をさらに備えている。
【0023】
この物品移載装置では、第1コンベアには、物品が、搬送方向に対して長辺方向が平行な姿勢、交差している姿勢、および短辺方向が平行な姿勢のいずれかの姿勢で搬入される。物品移載装置が姿勢変更部を備えることによって、物品の姿勢を第1コンベアへの搬入時の姿勢に関係なく所定姿勢に変更することができる。その結果、第2コンベアで複数の物品を所定状態に並べて物品群を形成する動作が容易になる。
【0024】
第10観点の物品移載装置は、第7観点の物品移載装置であって、第3コンベアをさらに備えている。第3コンベアは、第2コンベアの側面のうち、第1コンベアの搬送方向のより下流側に位置する第2コンベアの側面に沿って、第1コンベアの終端と対向するように略鉛直姿勢で配置されている。第3コンベアの搬送面は、第2コンベアに同期して第2方向と同方向に進行する。
【0025】
この物品移載装置において、第2コンベアの右側面に壁があれば、第1コンベアから送出された物品が第2コンベアの右側面を越えて飛び出すこと阻止することができる。しかし、第2コンベアの搬送面が第2方向に進行しているので、物品が壁に触れた部分を中心に回転する虞がある。それゆえ、壁に替えて第3コンベアの搬送面で阻止することによって、第3コンベアの搬送面も第2コンベアに同期して第2方向と同方向に進行しているので、物品が第3コンベアの搬送面に触れた部分を中心に回転することが回避される。
【0026】
第11観点の物品移載装置は、第1観点から第10観点のいずれか1つの物品移載装置であって、移送機構が、第2コンベアによって形成された物品群を吸着保持するロボットを含む。
【0027】
第12観点の物品移載システムは、複数の、第1観点から第11観点のいずれか1つの物品移載装置と、所定位置を移動させる移動装置とを備えている。移動する所定位置に対して複数の物品移載装置それぞれが物品群を移送する。
物品移載システム。
【発明の効果】
【0028】
本開示の物品移載装置では、第1コンベアから連続的に物品が供給された場合でも、整列コンベアが物品を整列させる時間が移送機構側に時間的余裕を与えるので、移送機構が物品の移送に追われるという事態は回避される。また、整列した複数の物品から成る物品群が第2コンベア上に蓄積されるので、移送機構側への物品の供給が間に合わないという事態も回避される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】物品移載装置の構成を示す概略斜視図。
図2】物品移載装置の制御ブロック図。
図3】搬入コンベアの袋との接触面を瞬時に除いた状態における搬入コンベアを整列コンベア側から視た物品移載装置の斜視図。
図4】搬入コンベアと袋との接触面を瞬時に除いた場合の、袋Gが搬入コンベアから落下するときの姿勢の正面図。
図5】物品移送部の正面図。
図6A】複数の袋を纏めて保持する物品移送部の概略側面図。
図6B】複数の袋をコンテナへ移送する物品移送部の概略側面図。
図7】変形例に係る物品移載装置の斜視図。
図8A】袋の短辺が第1方向と平行な姿勢で搬入コンベアに進入した場合の、袋の姿勢変化を示す平面図。
図8B】袋の長辺が第1方向と平行な姿勢で搬入コンベアに進入した場合の、袋Gの姿勢変化を示す平面図。
図9A】整列コンベアに着地後の袋の姿勢を示す平面図。
図9B図9Aの回転防止コンベアに替えて壁123だけを配置した場合の、整列コンベアに着地後の袋の姿勢を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(1)物品移載装置1の構成
図1は、物品移載装置1の構成を示す概略斜視図である。図1において、物品移載装置1の袋Gの流れにおける上流側工程には、図示しない計量装置、および製袋包装機等が配置されている。そして、物品移載装置1には、上流側工程で重量、シール性、異物混入検査等に合格した袋Gだけが供給される。
【0031】
物品移載装置1は、物品搬送部10と、物品整列部20と、物品移送部30とで構成されている。物品搬送部10は、袋Gを受け取り物品整列部20まで搬送する。物品整列部20は、物品搬送部10から供給される袋Gを整列させる。物品移送部30は、物品整列部20で整列した複数の物品を纏めてコンテナ51へ移送する。
【0032】
(1-1)物品搬送部10
物品搬送部10は、物品導入コンベア11と、搬入コンベア12とを有している。物品導入コンベア11は、重量、シール性、異物混入検査等に合格した袋Gの供給を受けて、それを搬入コンベア12へ導く。
【0033】
搬入コンベア12は、物品導入コンベア11から搬送されてくる袋Gを物品整列部20へ搬送する。
【0034】
(1-2)物品整列部20
物品整列部20は、整列コンベア21と、搬出コンベア22とを有している。整列コンベア21は、一つの袋Gを受けとめる毎に一定距離だけ当該袋Gを搬出コンベア22側に向けて搬送する。
【0035】
それゆえ、袋Gは落下した位置から一定距離だけ搬出コンベア22に近づく。一方、後に落下してくる袋Gの一部分は整列コンベア21に着地し、残り部分は先の袋Gに寄り掛って傾斜する。それゆえ、整列コンベア21上の袋Gは、互いに隣接するもの同士が部分的に重なり合うように列を成す。
【0036】
列の最後尾の袋Gが整列コンベア21に着地した後、整列コンベア21および搬出コンベア22が同時に動作を開始し、整列コンベア21および搬出コンベア22が同一方向に搬送動作を行う。整列コンベア21上で一列に整列したN個の袋Gは一物品群として搬出コンベア22へ移り、既に搬出コンベア22上にあった物品群は搬出コンベア22上をさらに進行する。
【0037】
(1-3)物品移送部30
物品移送部30は、3組のリンクを持つパラレルリンクロボットである。物品移送部30は、搬出コンベア22上に載って搬送されてきた袋Gの物品群を持ち上げ、水平方向に移動し、コンテナ51の上方に向かう。物品移送部30は、コンテナの上方に到達すると、物品群をコンテナ51内へ移載する。
【0038】
(1-4)制御部40
図2は、物品移載装置1の制御ブロック図である。図2において、制御部40は、物品移載装置1の物品搬送部10、物品整列部20および物品移送部30の各駆動部分の動作を制御する。制御部40は、CPU41と、CPU41に接続されるROM42、およびRAM43を含んでいる。
【0039】
(2)搬入コンベア12と整列コンベア21との連携
搬入コンベア12と整列コンベア21とはそれぞれの搬送方向が互いに直交するように配置されている。整列コンベア21は、一つの袋Gを受けとめる毎に一定距離だけ当該袋Gを搬出コンベア22側に向けて搬送するので、袋Gの一部分は整列コンベア21に着地し、残り部分は先の袋Gに寄り掛って傾斜し、互いに隣接するもの同士が部分的に重なり合うように列を成すようになる。
【0040】
また、袋Gが水平姿勢で落下すると、待機している袋Gの上面に後続の袋Gが直に落下するため、狙った位置とは異なる方向に弾むことがある。それを抑制するために、本実施形態では、整列コンベア21への着地に適した姿勢となるように、対策が採られている。
【0041】
(2-1)搬入コンベア12の傾斜
搬入コンベア12の搬送面が水平面に対して傾斜している。具体的には、搬入コンベア12から整列コンベア21へ載り移るときの袋Gの姿勢は、整列コンベア21に既に載置されている袋Gに着地する部分が上方、整列コンベア21に直に着地する部分が下方となるように傾斜している。
【0042】
それゆえ、袋Gは先に載置されている袋Gと接触する前に、または同時に整列コンベア21に着地する。そして、整列コンベア21と袋Gとの摩擦力が袋G同士の摩擦力を上回るので、袋G相互間の滑りが防止され姿勢の乱れが抑制される。
【0043】
搬入コンベア12の傾斜方向の下側端には、袋Gを支えて脱落を防止し、且つ、袋Gを搬送方向に案内する支持コンベア13が設けられている。支持コンベア13の搬送面と搬入コンベア12の搬送面とは直交している。
【0044】
搬入コンベア12の搬送面の傾斜方向の上側を移動する袋Gは、傾斜方向に沿った重力の分力を受けるので、移動しながら支持コンベア13側へ滑り降下し、その後は支持コンベア13に沿って移動する。支持コンベア13の搬送面は、袋Gの搬送を妨げないように、搬入コンベア12の搬送面の進行方向に沿って移動している。
【0045】
(2-2)搬入コンベア12の先端部の伸縮
本実施形態では、袋Gが搬入コンベア12の先端部に到達したとき、搬入コンベア12と袋Gとの接触面を瞬時に除くことによって、袋Gの落下姿勢が搬送時の姿勢に維持される。
【0046】
図3は、搬入コンベア12の袋Gとの接触面を瞬時に除いた状態において搬入コンベア12を整列コンベア21側から視た物品移載装置1の斜視図である。
【0047】
図4は、搬入コンベア12と袋Gとの接触面を瞬時に除いた場合の、袋Gが搬入コンベア12から落下するときの姿勢の正面図である。
【0048】
図3および図4において、搬入コンベア12の下流側へ袋Gが搬送され、袋Gの先端部が搬入コンベア12の先端部に到達したことを検知する位置センサ15が検知したとき、搬入コンベア12の先端部ローラR1が、搬送方向(第1方向X1)とは逆の方向X2へ距離D1移動する。このとき、搬入コンベア12の中間ローラR2も連動して方向X2へ距離D1移動することにより、先端部ローラR1が方向X2へ移動した際のコンベア・ベルトの弛みを吸収する。
【0049】
搬入コンベア12の先端部が瞬間的に袋Gよりも上流側に移動するので、袋Gは搬入コンベア12の搬送面からの抗力を突然失うことになるが、慣性によって搬送時の姿勢を維持する。
【0050】
それゆえ、整列コンベア21への着地姿勢は搬入コンベア12から離れるときの姿勢が維持されやすく、着地したときの姿勢乱れが抑制される。
【0051】
(3)物品移送部30の詳細
図5は、物品移送部30の正面図である。図5において、物品移送部30は、ベース32と、3個のサーボモータ33a、33b、33cと、パラレルリンクアーム34a、34b、34cと、吸着ホルダ38とを備えている。物品移送部30は、それらで構成されたロボットである。
【0052】
(3-1)ベース32
ベース32は、図5に示すように、搬出コンベア22またはコンテナ51(図3参照)の上方に位置している。ベース32は、その下方に3個のサーボモータ33a、33b、33cを均等な間隔で保持している。
【0053】
(3-2)パラレルリンクアーム34a、34b、34c
パラレルリンクアーム34a,34b,34cの各上端は、サーボモータ33a、33b、33cの各出力軸に連結されており、各下端は、吸着ホルダ38に連結されている。各パラレルリンクアーム34a、34b、34cは、それぞれ、サーボモータ33a、33b、33cの各出力軸から吸着ホルダ38へと延びている。
【0054】
物品移送部30の動作時には、各サーボモータ33a、33b、33cの各出力軸の回転量および回転の向きが適宜制御され、各パラレルリンクアーム34a、34b、34cの下端が水平方向および鉛直方向に移動して、吸着ホルダ38が一定の三次元空間内の任意の位置に移動する。
【0055】
(3-3)吸着ホルダ38
吸着ホルダ38は、その下部に複数の吸着パッド38aを有している。各吸着パッド38aは、真空ポンプや真空ブロア(図示せず)から延びている吸引チューブ36に接続されており、袋Gの吸着保持状態および吸着解除状態が切り替わる。吸着パッド38aによる物品群の吸着および吸着の解除によって、吸着ホルダ38は物品群を掴むことも離すこともできる。
【0056】
具体的には、図5に示すように、吸着ホルダ38が搬出コンベア22上の袋G1、袋G2および袋G3をまとめて掴み、パラレルリンクアーム34a、34b、34cが吸着ホルダ38を持ち上げて平面移動させ、コンテナ51の上で吸着ホルダ38による吸着を解除する。これにより、袋G1、袋G2および袋G3が吸着ホルダ38から離れ、コンテナ内に移載される。
【0057】
第1物品群である袋G1、袋G2および袋G3が移送されている間に、次の第2物品群である袋G4、袋G5および袋G6が既に整列コンベア21上で待機している。第1物品群と第2物品群との間には、搬送方向に沿った隙間が確保されているので、物品移送部30が第1物品群を移送する際に、第2物品群の袋G4、袋G5および袋G6が吸着ホルダ38によって吸着されることは回避される。
【0058】
(4)物品移載装置1の動作
ここでは、物品導入コンベア11に、上流側から検査に合格した袋G1、袋G2および袋G3が導入され、それらが順に搬入コンベア12に供給されている状態を想定して動作を説明する。
【0059】
搬入コンベア12は、物品導入コンベア11から供給された袋G1を整列コンベア21に向けて搬送する。袋G1の先端部が搬入コンベア12の先端部に到達したとき、図4に示すように搬入コンベア12の先端部が第1方向X1と逆の方向X2に距離D1だけ瞬時に移動する。
【0060】
袋G1は、搬入コンベア12との接触面が除かれる直前の姿勢を維持したまま、整列コンベア21上に着地する。整列コンベア21上に先行する袋がないときは、袋G1が整列コンベア21上で列の先頭となる。説明の便宜上、袋G1を列の先頭として説明する。
【0061】
整列コンベア21は、袋G1を受けとめると一定距離だけ袋G1を搬出コンベア22側に向けて搬送し、後続の袋G2を受け入れるために待機する。
【0062】
次に、袋G2も、先端部が搬入コンベア12の先端部に到達したときに、搬入コンベア12との接触面が瞬時に除かれ、そのときの姿勢を維持したまま、整列コンベア21上に着地する。
【0063】
搬入コンベア12は、整列コンベア21に既に載置されている袋G1に着地する部分が上方、整列コンベア21に直に着地する部分が下方となるように傾斜しているので、袋G2は、その傾斜姿勢を維持したまま落下し、一部が袋G1の上に着地し、残り部分が整列コンベア21上に着地する。
【0064】
整列コンベア21は、袋G2を受けとめると一定距離だけ袋G1および袋G2を搬出コンベア22側に向けて搬送し、後続の袋G3を受け入れるために待機する。
【0065】
そして、袋G3も、先端部が搬入コンベア12の先端部に到達したときに、搬入コンベア12との接触面が瞬時に除かれ、そのときの姿勢を維持したまま、整列コンベア21上に着地する。袋G3は、一部が袋G2の上に着地し、残り部分が整列コンベア21上に着地する。図3は、搬入コンベア12との接触面が瞬時に除かれた直後のG3を表示している。
【0066】
整列コンベア21上の袋G1、袋G2および袋G3は、互いに隣接するもの同士が部分的に重なり合う列を成す。袋G1、袋G2および袋G3の列が完成すると、整列コンベア21は当該列を一物品群として搬出コンベア22側へ搬送する。このとき、搬出コンベア22も同方向に動作するので、整列コンベア21上の物品群は搬出コンベア22上に移る。搬出コンベア22上に先行の物品群がある場合、当該物品群はさらに下流側へ移動する。
【0067】
図6Aは、複数の袋Gを纏めて保持する物品移送部30の概略側面図である。また、図6Bは、複数の袋Gをコンテナ51へ移送する物品移送部30の概略側面図である。
【0068】
図6Aおよぶ図6Bにおいて、物品移送部30の吸着ホルダ38は、搬出コンベア22上を移動してくる物品群の複数の袋Gをまとめて吸着し、コンテナ51まで移送し、コンテナ51内に移載する。コンテナ51は、物品群が投下される毎にコンテナコンベア52によって次の位置へ移動する。
【0069】
物品移載装置1は、上記のような動作を繰り返して、コンテナ51に必要な袋Gを詰めていく。物品移載装置1では、物品整列部20の整列コンベア21が、複数の袋Gを整列させた物品群を搬出コンベア22に供給していくので、物品移送部30の吸着ホルダ38は物品群の複数の袋Gをまとめてコンテナ51へ移載できる。
【0070】
それゆえ、物品搬送部10から連続的に袋Gが供給された場合でも、物品整列部20が袋Gを整列させる時間が物品移送部30に時間的余裕を与えるので、物品移送部30が袋Gの移送に追われるという事態は回避される。また、整列した袋Gの物品群が整列コンベア21および搬出コンベア22に一時的に貯められるので、物品移送部30への物品群の供給が間に合わないという事態も回避される。
【0071】
(5)変形例
図7は、変形例に係る物品移載装置1の斜視図である。図7において、物品移載装置1は、図1に記載の物品移載装置1に、異なる機能を有する2つのコンベア14、23を追加した構成である。
【0072】
これら2つのコンベア14、23以外の構成は、図1の物品移載装置1と同様の構成であるので、同一の名称および符号を付与し、それらの説明を省略する。
【0073】
コンベア14は、物品搬送部10において袋Gの姿勢を変更する。以下、コンベア14を姿勢変更コンベア14という。コンベア23は、物品整列部20において袋Gが回転することを防止する。以下、コンベア23を回転防止コンベア23という。
【0074】
(5-1)姿勢変更コンベア14
姿勢変更コンベア14は、搬入コンベア12上に配置されている。姿勢変更コンベア14の搬送面と搬入コンベア12の搬送面とは直交している。姿勢変更コンベア14は、搬入コンベア12の搬送面上に配置されている支持コンベア13と対向している。
【0075】
但し、搬入コンベア12の搬送面を正面として視たとき、搬送方向における姿勢変更コンベア14の下流端は、上流端よりも支持コンベア13に近い位置にある。
【0076】
図8Aは、袋Gの短辺が第1方向X1と平行な姿勢で搬入コンベア12に進入した場合の、袋Gの姿勢変化を示す平面図である。図8Aにおいて、袋Gが姿勢変更コンベア14に接触すると、袋Gはその接触点を中心に反時計方向に回転し、袋Gはその長辺が姿勢変更コンベア14に沿った斜め下方となるように姿勢を変える。その後、袋Gは、支持コンベア13に当たり、その長辺を支持コンベア13に沿うように姿勢を変えて、整列コンベア21に向かう。
【0077】
図8Bは、袋Gの長辺が第1方向X1と平行な姿勢で搬入コンベア12に進入した場合の、袋Gの姿勢変化を示す平面図である。図8Bにおいて、袋Gが姿勢変更コンベア14に接触すると、袋Gはその接触点を中心に反時計方向に回転し、袋Gはその短辺が姿勢変更コンベア14に沿った斜め下方となるように姿勢を変える。
【0078】
袋Gの長辺に作用するモーメントは、袋Gの短辺に作用するモーメントよりも大きいので、袋Gは、その短辺を姿勢変更コンベア14に沿わせたまま進行することができない。それゆえ、袋Gはさらに回転し、その長辺が姿勢変更コンベア14に沿った斜め下方となるように姿勢を変える。そして、袋Gは、支持コンベア13に当たり、その長辺を支持コンベア13に沿うように姿勢を変えて、整列コンベア21に向かう。
【0079】
(5-2)回転防止コンベア23
図7図8Aおよび図8Bに示すように、回転防止コンベア23は、整列コンベア21の2つの側面のうち、搬入コンベア12の搬送方向(第1方向X1)のさらに下流側(搬入コンベア12の終端から遠い側)に位置する整列コンベア21の側面に沿って、搬入コンベア12の終端と対向するように略鉛直姿勢で配置されている。
【0080】
また、図4に示すように、搬入コンベア12からの抗力を失った袋Gは、第1方向X1の速度成分が付与されているので、整列コンベア21の2つの側面のうち搬入コンベア12の終端から遠い側の側面に近づきながら落下する。
【0081】
図9Aは、袋Gの整列コンベア21に着地後の姿勢を示す平面図である。図9Aにおいて、袋Gは整列コンベア21上に着地する際に、短辺が回転防止コンベア23に当たって、当該短辺が回転防止コンベア23の搬送面にほぼ沿うように着地する。
【0082】
回転防止コンベア23の搬送面は、整列コンベア21に同期して整列コンベア21の搬送方である第2方向Yに、整列コンベア21の搬送面と同速度で進行している。それゆえ、回転防止コンベア23の搬送面に接触している短辺および接触していない短辺が同じ速度で進行するので、袋Gが回転することが回避される。
【0083】
例えば、図9Bのように、回転防止コンベア23に替えて単に壁123だけを配置した場合を想定する。この場合、壁123に接触した短辺と壁123との間の摩擦抵抗が、当該短辺の進行を妨げるので、壁123に接触していない短辺側が早く進行する。その結果、壁123に接触した短辺と壁123との接触点を中心に袋Gが回転し、袋Gの整列を乱す。
【0084】
したがって、回転防止コンベア23は、単に袋Gの短辺を第2方向Yに沿うように案内するだけでなく、袋Gの回転を防止している。
【0085】
(6)特徴
(6-1)
物品移載装置1は、搬入コンベア12と、整列コンベア21と、物品移送部30とを備えている。搬入コンベア12は、袋Gを第1方向X1へ搬送する。整列コンベア21は、搬入コンベア12から送られてくる複数の袋Gを、所定状態に並べて物品群を形成しながら第2方向Yへ搬送する。物品移送部30は、物品群をコンテナ51に移送する。整列コンベア21には複数の物品群が形成される。
【0086】
物品移載装置1では、搬入コンベア12から連続的に袋Gが供給された場合でも、整列コンベア21が袋Gを整列させる時間が物品移送部30側に時間的余裕を与えるので、物品移送部30が袋Gの移送に追われるという事態は回避される。また、整列した複数の袋Gから成る物品群が整列コンベア21上に一時的に貯められるので、物品移送部30側への袋Gの供給が間に合わないという事態も回避される。
【0087】
(6-2)
物品移送部30は、物品群を構成する複数の袋Gをまとめて吸着し、コンテナ51に移送する。それゆえ、従来のような「物品を一つずつ把持してコンベアに並べる動作」が無く、整列コンベア21によって形成された物品群の複数の袋Gを物品移送部30がまとめて移送するので、物品移送部30の移送回数が少なく、処理能力が高い。
【0088】
(6-3)
整列コンベア21上では、物品群として、袋G1、袋G2および袋G3から成る第1物品群と、袋G4、袋G5および袋G6から成る第2物品群とが形成される。第1物品群は、物品移送部30によって先に移送される。第2物品群は、第1物品群が移送された後に物品移送部30によって移送される。
【0089】
物品移載装置1では、次に移送される物品群が、整列コンベア21上に一時的に貯められるので、物品群を安定した間隔で物品移送部30側へ供給することができる。
【0090】
(6-4)
第1物品群と第2物品群との間には、第2方向Yに沿った隙間が形成されるので、物品移送部30が第1物品群を移送する際に、第2物品群の袋G4、袋5および袋G6が吸着ホルダ38に吸着されることが回避される。
【0091】
(6-5)
整列コンベア21は、搬入コンベア12から送られてくる袋Gを1つ受けとめる毎に第2方向Yへ所定距離だけ当該袋Gを搬送する。複数の袋Gそれぞれは、「後続の袋Gの一部分が整列コンベア21の搬送面に接触し残り部分が先行の袋Gに寄り掛って傾斜する」状態で並んで物品群を形成する。それゆえ、移送の際、物品移送部30が物品群を構成する複数の袋Gをまとめて吸着してコンテナ51へ移送することができる。
【0092】
(6-6)
制御部40は、袋Gが搬入コンベア12の先端部から整列コンベア21へ載り移るときに、搬入コンベア12の先端部を第1方向X1と逆の方向X2へ縮まった状態へと変化させるので、袋Gの下面を支持していた搬入コンベア12が縮まって除かれ、袋Gは傾く間もなく、載り移り時の姿勢を維持したまま整列コンベア21に着地する。その結果、姿勢の乱れが抑制される。
【0093】
(6-7)
搬入コンベア12と整列コンベア21とがそれぞれの搬送方向が互いに交差するように配置されているので、搬送方向が同一方向に長くなることを抑制することができる。
【0094】
(6-8)
搬入コンベア12と整列コンベア21とがそれぞれの搬送方向が互いに直交するように配置されている。搬入コンベア12の搬送面は水平面に対して傾斜しており、搬入コンベア12から整列コンベア21へ載り移るときの袋Gの姿勢は、整列コンベア21に既に載置されている袋Gに着地する部分が上方、整列コンベア21に直に着地する部分が下方となるように傾斜している。袋Gは、先に載置されている袋Gと接触する前に、または同時に整列コンベア21に着地する。整列コンベア21と袋Gとの摩擦力が袋G同士の摩擦力を上回るので、袋G相互間の滑りが防止され姿勢の乱れが抑制される。
【0095】
(6-9)
姿勢変更コンベア14は、袋Gの姿勢を搬入コンベア12への進入時の姿勢に関係なく所定姿勢に変更することができる。その結果、整列コンベア21で複数の袋Gを「互いに隣接するもの同士が部分的に重なり合うように列を成す」状態に並べて物品群を形成するという動作が容易になる。
【0096】
(6-10)
回転防止コンベア23が、整列コンベア21の側面のうち、搬入コンベア12の第1方向X1の下流側で搬入コンベア12の終端から遠い方の側面に沿って、搬入コンベア12の終端と対向するように略鉛直姿勢で配置されている。回転防止コンベア23の搬送面は、整列コンベア21に同期して第2方向Yと同方向に進行する。それゆえ、袋Gが回転防止コンベア23の搬送面に触れた部分を中心に回転することが回避される。
【0097】
(6-11)
物品移送部30は、整列コンベア21によって形成された物品群を吸着保持するロボットである。
【0098】
(7)その他の実施形態
上記実施形態および変形例では、1つの物品移載装置1が移動可能なコンテナ51に袋Gの物品群を移載する形態を説明した。
【0099】
しかし、この形態に限定されるものではなく、複数の物品移載装置1を並列に配置し、コンテナコンベア52によってコンテナ51を各物品移載装置1に配送し、1つのコンテナ51内に各物品移載装置1から異なる物品群を移載させる、物品移載システムを構築することも可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 物品移載装置
12 搬入コンベア(第1コンベア)
14 姿勢変更コンベア(姿勢変更部)
21 整列コンベア(第2コンベア)
23 回転防止コンベア(第3コンベア)
30 物品移送部(移送機構)
40 制御部
51 コンテナ(所定位置)
52 コンテナコンベア(移動装置)
X1 第1方向
Y 第2方向
G 袋
G1、G2、G3 第1物品群
G4、G5、G6 第2物品群
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特開2017-154781号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B