(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180110
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 37/28 20060101AFI20241219BHJP
D06F 37/10 20060101ALI20241219BHJP
D06F 39/14 20060101ALI20241219BHJP
D06F 37/18 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
D06F37/28
D06F37/10
D06F39/14
D06F37/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099564
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂元 仁
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 大輔
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA01
3B165AE02
3B165BA02
3B165BA48
3B165BA50
3B165BA82
3B165CA01
3B165CA11
3B165CB31
3B165GH02
(57)【要約】
【課題】ドアにおける取っ手の操作性や安全性を向上させたドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】ドラム式洗濯機1は、洗濯機本体10と、洗濯機本体10の前面に設けられた洗濯物投入口を開閉するドア20とを有する。ドア20は、洗濯物投入口よりも前方側に配置されるドア本体部21を有しており、ドア本体部21は、その前面における下部が鉛直面20a、上部が後方側に傾斜した傾斜面20bとなっているとともに、ドア本体部21に対して前後方向に移動可能な取っ手23を有している。取っ手23は、鉛直面20aと傾斜面20bとの境界付近のドア本体部21における厚みが大きい箇所に設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機本体と、洗濯機本体の前面に設けられた洗濯物投入口を開閉するドアとを有するドラム式洗濯機であって、
前記ドアは、前記洗濯物投入口よりも前方側に配置されるドア本体部を有しており、
前記ドア本体部は、その前面における下部が鉛直面、上部が後方側に傾斜した傾斜面となっているとともに、当該ドア本体部に対して前後方向に移動可能な取っ手を有しており、
前記取っ手は、前記鉛直面と前記傾斜面との境界付近の、前記ドア本体部における厚みが大きい箇所に設けられていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載のドラム式洗濯機であって、
前記取っ手は、前記ドア本体部の背面側に設けられており、
前記洗濯機本体の筐体前面には、使用者が前記取っ手を操作するときに手を差し入れるための隙間となる凹部が設けられていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載のドラム式洗濯機であって、
前記取っ手は、前記ドアの中心から斜め上45°の位置に配置されていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項4】
請求項1に記載のドラム式洗濯機であって、
前記ドア本体部の側縁部は、側方視において、前記鉛直面と前記傾斜面との境界付近が曲率を有しており、
前記取っ手は、側方視において視認される外縁部が前記ドア本体部の側縁部に沿った形状となっていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項5】
請求項1に記載のドラム式洗濯機であって、
前記取っ手の背面の外縁において、前記取っ手の背面より後方に突出する凸部が設けられていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項6】
請求項1に記載のドラム式洗濯機であって、
前記ドア本体部の背面に、使用者が前記取っ手を操作するときに手を差し入れるための窪み部が形成されており、
前記窪み部における前記取っ手よりも内周側の壁面は、前記ドア本体部の背面視において直線状に視認されるようなほぼ平面の壁面とされていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯物投入口を前面側に有するドラム式洗濯機においては、前開きのドアが設けられる。このようなドラム式洗濯機のドアは、水平方向の一端側に回転ヒンジを有することで、ほぼ水平方向に回動する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗濯機のドアは、通常、ドアを閉鎖状態で保持するためのラッチ機構を有しており、閉じているドアを開ける際にはラッチ機構によるラッチを解除する必要がある。使用者がドアを引き開ける力によってラッチが解除されるタイプのドアでは、ドアを開けるための比較的大きな力が必要となる。
【0005】
これに対し、ドアに可動性の取っ手を設け、使用者が取っ手に手をかけて引くことでラッチが解除されるタイプのドアでは、ドアを開ける力を小さくすることができる。但し、このタイプでは、取っ手に対しての操作性や安全性を向上させる余地がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ドアにおける取っ手の操作性や安全性を向上させたドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、洗濯機本体と、洗濯機本体の前面に設けられた洗濯物投入口を開閉するドアとを有するドラム式洗濯機であって、前記ドアは、前記洗濯物投入口よりも前方側に配置されるドア本体部を有しており、前記ドア本体部は、その前面における下部が鉛直面、上部が後方側に傾斜した傾斜面となっているとともに、当該ドア本体部に対して前後方向に移動可能な取っ手を有しており、前記取っ手は、前記鉛直面と前記傾斜面との境界付近の、前記ドア本体部における厚みが大きい箇所に設けられていることを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、取っ手をドア本体部における厚みが大きい箇所に設けることで、ドアにおいて取っ手が形成しやすくなり、ドアにおける取っ手の操作性や安全性をも向上させることができる。
【0009】
また、上記ドラム式洗濯機では、前記取っ手は、前記ドア本体部の背面側に設けられており、前記洗濯機本体の筐体前面には、使用者が前記取っ手を操作するときに手を差し入れるための隙間となる凹部が設けられている構成とすることができる。
【0010】
上記の構成によれば、洗濯機本体の筐体前面に凹部を設けることにより、使用者は、ドアの背面に設けられた取っ手を操作できるようになる。ドアの背面に取っ手を設けることで、ドラム式洗濯機の前方視において取っ手が視認されなくなり、デザイン性も向上する。
【0011】
また、上記ドラム式洗濯機では、前記取っ手は、前記ドアの中心から斜め上45°の位置に配置されている構成とすることができる。
【0012】
上記の構成によれば、取っ手をこの位置に配置することで、取っ手は使用者が手を掛けやすい位置となり、ドアの操作性が向上する。
【0013】
また、上記ドラム式洗濯機では、前記ドア本体部の側縁部は、側方視において、前記鉛直面と前記傾斜面との境界付近が曲率を有しており、前記取っ手は、側方視において視認される外縁部が前記ドア本体部の側縁部に沿った形状となっている構成とすることができる。
【0014】
上記の構成によれば、ドアを側方から見た場合に、取っ手の外縁部がドア本体部の外縁部に沿った形状となり、ドアのデザイン性が向上する。
【0015】
また、上記ドラム式洗濯機では、前記取っ手の背面の外縁において、前記取っ手の背面より後方に突出する凸部が設けられている構成とすることができる。
【0016】
上記の構成によれば、使用者が取っ手を操作する場合に、凸部に指が掛かることで取っ手をホールドしやすくなり、取っ手の操作性が向上する。また、凸部は、取っ手に掛けた指が外れてドア本体部の他の箇所に力が加えられてしまうことも防止でき、ドアの安全性も向上する。
【0017】
また、上記ドラム式洗濯機では、前記ドア本体部の背面に、使用者が前記取っ手を操作するときに手を差し入れるための窪み部が形成されており、前記窪み部における前記取っ手よりも内周側の壁面は、前記ドア本体部の背面視において直線状に視認されるようなほぼ平面の壁面とされている構成とすることができる。
【0018】
上記の構成によれば、窪み部の奥行きを最小限としても、使用者の指が壁面に当たりにくくなり、取っ手の操作性が向上する。
【発明の効果】
【0019】
本発明のドラム式洗濯機は、取っ手をドア本体部における厚みが大きい箇所に設けることで、ドアにおいて取っ手が形成しやすくなり、ドアにおける取っ手の操作性や安全性をも向上させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態を示すものであり、ドラム式洗濯機の外観を示す斜視図である。
【
図5】ドア本体部の内部における取っ手の回動軸の取り付け構造を模式的に示す図である。
【
図6】ドアを背面側から見た場合の取っ手付近の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るドラム式洗濯機1の外観を示す斜視図である。
図2は、ドラム式洗濯機1の正面図である。尚、本願では、洗濯と乾燥とを行うことができるドラム式洗濯乾燥機と、乾燥を行わず洗濯のみを行うドラム式洗濯機とを総称して、ドラム式洗濯機と呼んでいる。
【0022】
ドラム式洗濯機1は、大略的には、洗濯機本体10およびドア20により構成されており、洗濯機本体10は内部に回転槽(図示せず)を有しており、回転槽の前方に洗濯物投入口が設けられている。ドア20は、洗濯機本体10に対してヒンジ(図示せず)を介してほぼ水平方向に回動自在に軸支されており、洗濯機本体10の前面において洗濯物投入口を開閉するように設けられている。ドラム式洗濯機1において、ドア20は、洗濯物投入口の形状に合わせて前方視で丸型のドアとされている。また、ドア20の前面は、洗濯機本体10の前面と略同一面を構成するように配置されている。
【0023】
洗濯機本体10の前面は、下部が鉛直面10a、上部が後方側に傾斜した傾斜面10bとなっており、ドア20は鉛直面10aおよび傾斜面10bの両方に掛かるように配置されている。これにより、ドア20の前面も鉛直面20aおよび傾斜面20bの両方を含む形状となっている。尚、洗濯機本体10の前面上部、すなわち傾斜面10bにおいてドア20の上方には、操作パネル30が設けられている。この位置における操作パネル30は、ユーザが上方から見下ろしたときに見やすくなり、視認性および操作性が高いものとなっている。
【0024】
図3は、ドア20のみを背面側から見た斜視図である。但し、
図3においてドア20と洗濯機本体10とを繋ぐヒンジは、図示を省略している。ドア20は、
図3に示すように、洗濯物投入口よりも前方側に配置され、内部に空間を有するドア本体部21と、ドア本体部21の背面側から後方に突出して設けられる後方突出部22とを有している。これにより、ドア20が閉じられた状態において、後方突出部22が洗濯物投入口の内側に挿入されるようになっている。ドア20では、主に後方突出部22が回転槽内の液体が外部に漏れることを防止する機能を有している。
【0025】
また、ドア20の背面には、使用者がドア20を開くときに手を掛けるための取っ手23と、閉じられた状態のドア20を保持するためのラッチ爪24とが設けられている。詳細な説明は省略するが、ラッチ爪24は、ドア20が閉じられたときに洗濯機本体10の前面に設けられたラッチ穴に挿入され、ラッチ穴内での係止を受けてドア20を閉鎖状態で保持できるようになっている。
【0026】
ドア20において、取っ手23とラッチ爪24とは互いに連結され、使用者がドア20を開ける際に取っ手23に手を掛けてこれを操作すると、取っ手23の操作に連動してラッチ爪24の姿勢が変化してラッチが解除されるようになっている。具体的には、取っ手23は、ドア本体部21に対して前後方向に移動可能となっており、使用者がドア20を開けるときに取っ手23を引くと、取っ手23は前方側に移動する。この取っ手23の移動に伴ってラッチ爪24はラッチ解除姿勢となる。尚、使用者が取っ手23の操作を行っていない場合は、図示しない付勢部材(バネ等)の作用により、取っ手23は後方側に移動しており、ラッチ爪24はラッチ姿勢となっている。また、取っ手23の前後方向の移動は、平行移動であっても回動移動であってもよい。
【0027】
これにより、使用者は、ラッチが解除されてからドア20の開放を行うことができ、比較的小さな力で操作性よくドア20を開くことができる。尚、取っ手23とラッチ爪24とを連結する機構自体は公知であり、その機構自体は特に限定されるものではないため、ここでは詳細な説明は省略する。また、取っ手23とラッチ爪24とを連結する機構は、ドア本体部21の内部空間に配置される。
【0028】
ドラム式洗濯機1において、洗濯機本体10の筐体前面には、使用者が取っ手23を操作するときに手を差し入れるための隙間となる凹部11が設けられている。洗濯機本体10の筐体前面に凹部11を設けることにより、使用者は、ドア20の背面に設けられた取っ手23を操作できるようになる。また、ドア20の背面に取っ手23を設けることで、ドラム式洗濯機1の前方視において取っ手23が視認されなくなり、ドラム式洗濯機1のデザイン性も向上する。ドア20の背面に開口が形成されて、取っ手23の外周が開口に覆われるように配置されていてもよい(後述の
図6を参照)。これにより、取っ手23の側面が露出しなくなり、デザイン性が向上するとともに、ドア20の外周面に取っ手23とドア本体部21との隙間が形成されなくなり、この隙間に指や物が挟まれたり、隙間に力が掛かって取っ手23が破損したりすることを防止できる。
【0029】
また、ドラム式洗濯機1において、取っ手23および凹部11は、ドア20の中心から斜め上45°の位置に配置されている。
図3に示すように、洗濯機本体10の前方視において、丸型(円形)のドア20の中心をCとする場合、中心Cを通り、かつ、水平線から上方に45°の角度をなす直線をLとする。ここでは、前方視において直線Lが取っ手23および凹部11の配置領域と重なる場合に、取っ手23および凹部11がドア20の中心から斜め上45°の位置に配置されていると定義する。取っ手23をこの位置に配置することで、取っ手23は使用者が手を掛けやすい位置となり、また、取っ手23とヒンジとの距離も確保できることでドア20を開ける力を低減できるため、ドア20の操作性が向上する。また、凹部11が、中心Cから見て取っ手23と同じ方向に配置されているため、ドラム式洗濯機1の前方視において取っ手23が視認されなくても、使用者が取っ手23の位置を認識することができる。
【0030】
図4は、ドア20の側面図である。上述したように、ドア20の前面、すなわちドア本体部21の前面は、鉛直面20aおよび傾斜面20bの両方を含むようになっている。一方、ドア本体部21の背面は、洗濯物投入口の内周面に合わせて、ほぼ平面となっている。その結果、ドア本体部21は、
図4に示すように、その厚みが一定ではなく、鉛直面20aと傾斜面20bとの境界付近で最も厚みDが大きくなる。
【0031】
取っ手23は、ドア本体部21における厚みが大きい箇所に設けられる。すなわち、取っ手23は、鉛直面20aと傾斜面20bとの境界付近に設けられ、好ましくは、前方視において鉛直面20aと傾斜面20bとの両方に掛かるように設けられる。
【0032】
このように、取っ手23をドア本体部21における厚みが大きい箇所に設けることで、ドア20において取っ手23が形成しやすくなるとともに、安全性も向上する。すなわち、取っ手23は、ドア本体部21に対して前後方向に移動可能とされるが、取っ手23の移動スペースを確保しやすくなる。また、ドア本体部21の内部においては、取っ手23とラッチ爪24とを連結する機構を配置するスペースも確保しやすくなる。これによって、取っ手23が形成しやすくなる。さらに、取っ手23付近は、使用者がドア20を開けるときに最も大きな力が掛かる箇所であるが、取っ手23が設けられる箇所では、鉛直面20aと傾斜面20bとの境界においてドア本体部21の前面に屈曲が形成されることで、この屈曲部分で力を吸収することができ、ドア20の変形等も防止できる。
【0033】
また、ドア本体部21の厚みが大きい箇所に取っ手23が設けられることで、凹部11の深さも確保しやすくなる。この場合、前方視における凹部11のサイズ(面積)を小さくしても凹部11に対して使用者が手を差し入れやすくなり、取っ手23の操作性が向上する。さらに、凹部11のサイズを小さくすることで、ドラム式洗濯機1のデザイン性も向上する。
【0034】
また、取っ手23の前後方向の移動が回動移動である場合、取っ手23は回動軸を有し、この回動軸がドア本体部21のフレーム部材において軸支される必要がある。上述したように、ドア本体部21は内部に空間を有するものであり、この空間を形成するためにドア本体部21は2枚のフレーム部材を合わせることで構成される。具体的には、ドア本体部21は、
図5に示すように、ドア20の前面側に配置される前面ドアフレーム211と背面側に配置される背面ドアフレーム212とを互いに対向させて組み合わせることで構成される。この場合、取っ手23の回動軸231は前面ドアフレーム211において軸支され、かつ、回動軸231の一端は鉛直面20aの裏側で軸支され、回動軸231の他端は傾斜面20bの裏側で軸支されることが好ましい。これにより、回動軸231の軸支位置における回動軸231と鉛直面20aおよび傾斜面20bとの距離を短くしながら、取っ手23の移動距離を確保することができ、取っ手23の強度と操作性を両立させることができる。
【0035】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2では、ドア20のさらに良好な形態について説明する。上述したように、ドア本体部21の前面は、鉛直面20aおよび傾斜面20bの両方を含むようになっている。そして、鉛直面20aと傾斜面20bとの境界付近は、緩やかな曲面となっていることが好ましい。すなわち、ドア本体部21の側縁部は、側方視において、鉛直面20aと傾斜面20bとの境界付近が曲率を有している。この場合の取っ手23は、
図4に示すように、側方視において視認される外縁部(ドア20の半径方向における外周側縁部)がドア本体部21の側縁部に沿った形状となっていることが好ましい。これにより、(開放状態の)ドア20を側方から見た場合に、取っ手23の外縁部がドア本体部21の外縁部に沿った形状となり、ドア20のデザイン性が向上する。
【0036】
図6は、ドア20を背面側から見た場合の取っ手23付近の拡大斜視図である。
図6に示すように、取っ手23の背面(使用者が取っ手23を操作する場合に手を掛ける操作面)の外縁において、取っ手23の背面より後方に突出する凸部232が設けられていることが好ましい。このように取っ手23に凸部232を設けることにより、使用者が取っ手23を操作する場合に、凸部232に指が掛かることで取っ手23をホールドしやすくなり、取っ手23の操作性が向上する。また、凸部232は、取っ手23に掛けた指が外れてドア本体部21の他の箇所(例えば、凸部232の外周側に存在するドア本体部21のフレーム)に力が加えられてしまうことも防止できる。これにより、ドア20の安全性も向上する。
【0037】
また、ドア本体部21の背面では、使用者が取っ手23を操作するときに手を差し入れるための窪み部213が形成される。この窪み部213において、取っ手23よりも内周側の壁面213aは、ドア本体部21の背面視において直線状に視認されるようなほぼ平面の壁面とされることが好ましい。
【0038】
窪み部213は、ドア20の半径方向の奥行きが小さいと、使用者が取っ手23を操作するときに曲げた指が壁面213aに当たり、操作性が低下する。一方、窪み部213において奥行きを大きく取ろうとする場合、窪み部213は後方突出部22よりも外側に設ける必要があることから、ドア20が大型化する。
【0039】
ここで、壁面213aが、ドア本体部21の背面視において円弧状に視認されるような曲面である場合、窪み部213の奥行きが小さいと、取っ手23に対して親指以外の4本の指を掛けた場合に、特に人差し指や小指が壁面213aに当たりやすくなる。これに対して、壁面213aが、ドア本体部21の背面視において直線状に視認されるようなほぼ平面である場合、窪み部213の奥行きを最小限としても、全ての指が壁面213aに当たりにくくなり、取っ手23の操作性が向上する。
【0040】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 ドラム式洗濯機
10 洗濯機本体
10a 鉛直面
10b 傾斜面
11 凹部
20 ドア
20a 鉛直面
20b 傾斜面
21 ドア本体部
211 前面ドアフレーム
212 背面ドアフレーム
213 窪み部
213a 壁面
22 後方突出部
23 取っ手
231 回動軸
232 凸部
24 ラッチ爪
30 操作パネル