(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180117
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報配信システム及び配信提供サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/0273
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099579
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301079198
【氏名又は名称】ブラザー販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】服部 佑香
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕詞
(72)【発明者】
【氏名】瀧尻 豊
(72)【発明者】
【氏名】墨 啓希
(72)【発明者】
【氏名】山本 宗平
(72)【発明者】
【氏名】工藤 理恵
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 亮
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】入札に基づき印刷又は表示等にて表記する情報のレイアウトの自由度を拡張する。
【解決手段】広告提供サーバ100の記憶部115には広告配置枠Aのレイアウト仕様が複数記憶されており、広告配置枠Aには所定の枠条件が関連付けられており、制御部110は、記憶された複数のレイアウト仕様のうち第1レイアウト仕様を選択し、第1レイアウト仕様の配置枠Aを落札するための第1枠条件を満たす広告画像を取得し、第1レイアウト仕様に含まれる第1広告配置枠A全てに対し落札条件を満たす広告画像が配置可能か否かを判断し、配置可能の場合は広告画像を第1レイアウト仕様に沿って全ての第1広告配置枠Aに配置した第1配信情報を作成し、配置できない場合、第2レイアウト仕様の配置枠Aを落札するための第2枠条件を満たす広告画像を取得する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を取得して配信先機器に提供する配信提供サーバと、
前記配信先機器と、
を有する情報配信システムであって、
前記配信提供サーバは、
メモリと、
通信インタフェースと、
コントローラと、
を備え、
前記メモリには、
前記情報を配置する配信枠のレイアウト情報が複数記憶されており、
前記レイアウト情報は、1つ以上の前記配信枠を含み、
前記配信枠には、所定の枠条件が関連付けられており、
前記コントローラは、
前記メモリに記憶された複数の前記レイアウト情報のうち、第1レイアウト情報を選択するレイアウト選択処理と、
前記第1レイアウト情報に含まれる第1配信枠に関連付けられた第1枠条件であって当該第1配信枠を落札するための前記第1枠条件を満たす第1情報を取得する第1情報取得処理と、
前記第1情報取得処理において取得された前記第1情報に基づき、前記第1レイアウト情報に含まれる前記第1配信枠全てに対し、前記第1情報が配置可能か否かを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理において前記第1情報を全ての前記第1配信枠に配置可能と判断した場合、当該第1情報を前記第1レイアウト情報に沿って前記全ての第1配信枠に配置した第1配信情報を作成する第1作成処理と、
前記第1判断処理において前記第1情報を全ての前記第1配信枠には配置できないと判断した場合、前記第1レイアウト情報とは異なる第2レイアウト情報に含まれる第2配信枠に関連付けられた第2枠条件であって当該第2配信枠を落札するための前記第2枠条件を満たす第2情報を取得する第2情報取得処理と、
を実行する、情報配信システム。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記第1情報を、前記通信インタフェースを介して配信管理サーバに要求する第1要求処理をさらに実行し、
前記第1情報取得処理において、前記第1要求処理の前記要求に応答する前記第1情報を前記通信インタフェースを介して前記配信管理サーバから取得し、
前記第2情報を、前記通信インタフェースを介して前記配信管理サーバに要求する第2要求処理をさらに実行し、
前記第2情報取得処理において、前記第2要求処理の前記要求に応答する前記第2情報を前記通信インタフェースを介して前記配信管理サーバから取得する、
請求項1記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記コントローラは、
取得された前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記第2レイアウト情報に含まれる前記第2配信枠全てに対し、前記第1情報及び前記第2情報のうち少なくとも一方を配置可能か否かを判断する第2判断処理と、
前記第2判断処理において、前記少なくとも第2情報を全ての前記第2配信枠に配置可能と判断した場合、当該少なくとも第2情報を前記第2レイアウト情報に沿って前記全ての第2配信枠に配置した第2配信情報を作成する第2作成処理と、
を実行する、請求項2記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記第1配信情報及び前記第2配信情報は、それぞれ、
(i)同一の前記第1情報、又は、同一の前記第2情報、が複数含まれていない;
(ii)全ての前記第1情報、又は、全ての前記第2情報、の向きが揃えられている;
(iii)同一宣伝対象品に係わる前記第1情報、又は、同一宣伝対象品に係わる前記第2情報が、複数含まれていない;
(iv)全ての前記第1情報、又は、全ての前記第2情報、が共通のユーザ向けの情報である;
の少なくとも1つの条件を満足する、請求項3記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記第1情報を少なくとも1つの第1配信枠に配置できる場合は、配置できると判断された前記第1情報を前記メモリに保存する情報保存処理を実行する、請求項3記載の情報配信システム。
【請求項6】
前記第1配信枠及び前記第2配信枠それぞれに枠サイズが定義されており、
前記第2レイアウト情報に含まれる複数の前記第2配信枠のうち少なくとも1つは、前記第1レイアウト情報に含まれる前記第1配信枠と同一の枠サイズである、請求項5記載の情報配信システム。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記情報保存処理で保存された前記第1情報を少なくとも1つの前記第2配信枠に配置可能か否かを判断する第3判断処理を実行する、請求項6記載の情報配信システム。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記第3判断処理において、前記保存された前記第1情報を前記第2配信枠に配置可能と判断した場合、当該第1情報を当該第2配信枠に配置することを決定する決定処理を実行する、請求項7記載の情報配信システム。
【請求項9】
前記第2レイアウト情報における前記第2配信枠の数は、
前記第1レイアウト情報における前記第1配信枠の数よりも多い、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の情報配信システム。
【請求項10】
前記第1配信枠及び前記第2配信枠それぞれに枠サイズが定義されており、
前記第1配信枠の枠サイズは、前記第2配信枠の枠サイズのn倍(nは2以上の整数)の大きさである、請求項9記載の情報配信システム。
【請求項11】
前記配信先機器は、プリンタであり、
前記プリンタは、前記第1作成処理において作成された前記第1配信情報又は前記第2作成処理において作成された前記第2配信情報を受信し、シート上に第1配信情報又は第2配信情報に基づく画像を印刷する、請求項3乃至請求項8のいずれか1項記載の情報配信システム。
【請求項12】
メモリと、通信インタフェースと、コントローラと、を備え、情報を取得して配信先機器に提供する配信提供サーバであって、
前記メモリには、
前記情報を配置する配信枠のレイアウト情報が複数記憶されており、
前記レイアウト情報は、1つ以上の前記配信枠を含み、
前記配信枠には、所定の枠条件が関連付けられており、
前記コントローラは、
前記メモリに記憶された複数の前記レイアウト情報のうち、第1レイアウト情報を選択するレイアウト選択処理と、
前記第1レイアウト情報に含まれる第1配信枠に関連付けられた第1枠条件であって当該第1配信枠を落札するための前記第1枠条件を満たす第1情報を取得する第1情報取得処理と、
前記第1情報取得処理において取得された前記第1情報に基づき、前記第1レイアウト情報に含まれる前記第1配信枠全てに対し、前記第1情報が配置可能か否かを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理において前記第1情報を全ての前記第1配信枠に配置可能と判断した場合、当該第1情報を前記第1レイアウト情報に沿って前記全ての第1配信枠に配置した第1配信情報を作成する第1作成処理と、
前記第1判断処理において前記第1情報を全ての前記第1配信枠には配置できないと判断した場合、前記第1レイアウト情報とは異なる第2レイアウト情報に含まれる第2配信枠に関連付けられた第2枠条件であって当該第2配信枠を落札するための前記第2枠条件を満たす第2情報を取得する第2情報取得処理と、
を実行する、配信提供サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を配信先に適用する情報配信システム及び配信提供サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、印刷物などのハードコピー・メディアを作成するための個人化メディア・サービス装置が知られている。この従来技術では、ユーザからメディアの選択を受け付けると、そのメディアとともに印刷する広告を広告提供業者に照会し、当該広告を入札した広告提供業者から取得した広告の電子コビーをメディアと共に印刷することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-58632号公報(
図5等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、予め固定的に決められたレイアウトに基づき、情報としての広告の入札を受け付けて配置するため、印刷する広告のレイアウトに制約があった。
【0005】
本発明の目的は、入札に基づき印刷又は表示等にて表記する情報のレイアウトの自由度を拡張できる情報配信システム及び配信提供サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、情報を取得して配信先機器に提供する配信提供サーバと、前記配信先機器と、を有する情報配信システムであって、前記配信提供サーバは、メモリと、通信インタフェースと、コントローラと、を備え、前記メモリには、前記情報を配置する配信枠のレイアウト情報が複数記憶されており、前記レイアウト情報は、1つ以上の前記配信枠を含み、前記配信枠には、所定の枠条件が関連付けられており、前記コントローラは、前記メモリに記憶された複数の前記レイアウト情報のうち、第1レイアウト情報を選択するレイアウト選択処理と、前記第1レイアウト情報に含まれる第1配信枠に関連付けられた第1枠条件であって当該第1配信枠を落札するための前記第1枠条件を満たす第1情報を取得する第1情報取得処理と、前記第1情報取得処理において取得された前記第1情報に基づき、前記第1レイアウト情報に含まれる前記第1配信枠全てに対し、前記第1情報が配置可能か否かを判断する第1判断処理と、前記第1判断処理において前記第1情報を全ての前記第1配信枠に配置可能と判断した場合、当該第1情報を前記第1レイアウト情報に沿って前記全ての第1配信枠に配置した第1配信情報を作成する第1作成処理と、前記第1判断処理において前記第1情報を全ての前記第1配信枠には配置できないと判断した場合、前記第1レイアウト情報とは異なる第2レイアウト情報に含まれる第2配信枠に関連付けられた第2枠条件であって当該第2配信枠を落札するための前記第2枠条件を満たす第2情報を取得する第2情報取得処理と、を実行する。
【0007】
本願発明においては、配信提供サーバのコントローラが、第1要求処理において第1枠条件を満たす第1情報を第1情報取得処理において取得する。コントローラは、取得した第1情報に基づき、第1判断処理において、第1レイアウト情報中の全ての第1配信枠に第1情報を配置可能であるか否かを判断する。全ての第1配信枠に第1情報を配置可能と判断された場合には、コントローラは、第1情報を第1レイアウト情報に沿って配置して第1作成処理で第1配信情報を作成する。全ての第1配信枠には第1情報を配置できないと判断された場合には、コントローラは、新たに、第2レイアウト情報に含まれる第2配信枠に対応した第2枠条件を満たす第2情報を、第2情報取得処理で取得する。
本願発明によれば、コントローラは、第1レイアウト情報に沿って第1情報を配置できない場合には、第1レイアウト情報とは別の第2レイアウト情報に沿って配置するための第2情報を取得する。本願発明によれば、予め固定的に決められたレイアウトに基づき情報を配置する場合に比べて情報のレイアウトの自由度を拡張でき、多様なレイアウトで情報を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入札に基づき印刷又は表示等にて表記する情報のレイアウトの自由度を拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る情報配信システムの全体構成の一例を表すブロック図である。
【
図2】広告提供サーバ、広告管理サーバ、ユーザ管理サーバ、プリンタの協働により実行される処理の流れの一例を表すシーケンスフローである。
【
図3】配信画像作成処理において実行される、入札を再募集する処理の流れの一例を概念的に表す説明図である。
【
図4】配信画像作成処理において実行される、入札を再募集する処理の流れの別の例を概念的に表す説明図である。
【
図5】配信画像作成処理において実行される、入札を再募集する処理の流れのさらに別の例を概念的に表す説明図である。
【
図6】配信画像作成処理において広告提供サーバの制御部により実行される制御内容を表すフローチャートである。
【
図7】広告配置枠の最低入札価格を動的に変更する変形例において配信画像作成処理にて実行される、入札を再募集する処理の流れの例を概念的に表す説明図である。
【
図8】配信枠を時間枠として設定する変形例において配信画像作成処理にて実行される、入札を再募集する処理の流れの例を概念的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、サーバからプリンタに広告情報を配信して印刷を行う情報配信システムに本発明を適用した場合の実施形態である。
【0011】
<情報配信システムの全体構成>
図1に、実施形態に係る情報配信システム1の全体構成の一例を示す。
図1に示すように、情報配信システム1は、広告提供サーバ(SSP:Supply Side Platform)100と、プリンタ200と、端末装置300と、ユーザ管理サーバ(DMP:Data Management Platform)400と、広告管理サーバ(DSP:Demanded Side Plartform)500と、を有する。サーバ100,400,500、プリンタ200、及び端末装置300は、それぞれ、通信部を備えており、ネットワークNTを介して互いに通信可能である。ネットワークNTは、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)のうち少なくとも1つを含むものである。通信部はネットワークNTに接続するための複数種類の通信回路を含む構成であってよい。この場合、ネットワークNTに接続される装置は、それぞれ異なる通信回路を用いて他の複数の装置と通信してよい。本実施形態では、複数種類の通信回路の総称を通信部と記載する。
【0012】
<端末装置>
端末装置300は、例えばユーザの所有するスマートフォン等の携帯端末であり、この例では無線通信を介してユーザ管理サーバ400に接続される。端末装置300は、スマートフォン以外にも、例えばタブレットPC、ノート型PC、デスクトップ型PC等でもよい。端末装置300はネットワークNTに接続されていてもよい。端末装置300は、表示部301と、制御部310と、図示しない操作部、記憶部、通信部等を有する。記憶部には各種プログラムが記憶されている。制御部310は、記憶部に記憶された各種のプログラムを実行する。各種プログラムには、後述の
図2のフローに示す処理を実行するプログラムが含まれる。
【0013】
表示部301は、例えば、液晶ディスプレイとタッチパッドを一体的に組み合わせ操作部を兼ねたタッチパネルにより構成され、各種の情報の表示と、ユーザによる各種の入力操作を受け付ける。
【0014】
ユーザは、タッチパネルを操作することによって、種々の指示を端末装置300に入力可能である。ユーザは、タッチパネルの操作により、インターネット(登録商標)を介したシステム外からの外部サービスを受けることができる。ユーザには、種々の外部サービスの提供を受ける際に当該ユーザに固有の識別情報、すなわち外部ユーザIDが付与されている。外部ユーザIDは、当該ユーザにより指定されたプリンタ200、例えば当該ユーザが使用するプリンタ200のプリンタIDに紐づけられて記憶部に保存されている。
【0015】
<ユーザ管理サーバ>
ユーザ管理サーバ400は、端末装置300を介したユーザの行動情報を管理する。ユーザ管理サーバ400はまた、ネットワークNTに接続されている。ユーザ管理サーバ400は、図示しない制御部と、記憶部と、通信部等を有する。行動情報とは、例えば、端末装置300を用いたユーザのウェブサイトの閲覧履歴、ウェブサイトの検索履歴、ウェブ広告の表示履歴、ウェブサイトに対するクリック履歴、ウェブサイトにおける購買履歴等である。ユーザの行動情報は、当該ユーザの外部ユーザIDに対応付けられており、当該外部ユーザIDによって特定される。外部サービスを利用する全ユーザの行動情報は、各ユーザの外部ユーザIDに対応付けられて、記憶部の行動情報データベース401内に記憶されている。
【0016】
また本実施形態では、外部ユーザIDに対応付け済のユーザの行動情報は、さらに対応するユーザ関心情報の形に変換されてまとめられる。ユーザ関心情報とは、例えば、「車」「健康」「旅行」「グルメ」「節約」のように、予め上記行動情報の内容に対して関連付けられて設定されている、ユーザの関心事の項目である。また、ユーザ関心情報は、行動情報の内容に基づいて推定されるユーザの位置を示す情報であってもよい。例えば中年男性のユーザの場合は、当該ユーザの閲覧履歴等の行動情報に基づき外部ユーザIDが「車」「健康」等に紐づけられる。例えば20代女性のユーザの場合は、当該ユーザの閲覧履歴等の行動情報に基づき外部ユーザIDが「旅行」「グルメ」等に紐づけられる。例えば男子高校生のユーザの場合は、当該ユーザの閲覧履歴等の行動情報に基づき外部ユーザIDが「車」「節約」等に紐づけられる。このようにして外部ユーザIDにそれぞれ紐づけられたユーザ関心情報が、通信部を介し広告提供サーバ100へと送信される。
【0017】
<広告提供サーバ>
広告提供サーバ100は、例えばプリンタ200のメーカーが設置及び管理するサーバであり、ネットワークNTに接続されている。広告提供サーバ100は、所定のタイミングで、配信先のプリンタ200のプリンタIDに対応する外部ユーザIDに紐づけられている上記ユーザ関心情報を取得して、当該ユーザ関心情報に好適な広告画像を広告管理サーバ500から取得する。広告提供サーバ100は、取得した広告画像をプリンタ200へと送信し、印刷を行わせる。広告提供サーバ100が配信提供サーバの一例であり、広告画像が配信管理サーバが管理する情報の一例である。
【0018】
詳細には、広告提供サーバ100は、制御部110と、記憶部115と、通信部140等を有する。制御部110がコントローラの一例であり、通信部140が通信インタフェースの一例であり、記憶部115がメモリの一例である。制御部110、記憶部115、及び通信部140等は、バス105を介して情報送受信可能に接続されている。記憶部115は、例えばRAM、ROM、EEPROM、HDD等によって構成されている。記憶部115には、各種のプログラム120と、各種のデータ130とが記憶されている。各種のプログラム120には、後述の
図2のフローにより示された広告提供サーバ100の制御内容を実行する情報配信プログラムが含まれ、各種のデータ130には、上記ユーザ関心情報、プリンタ200のプリンタID、外部ユーザID、広告画像等が含まれる。このプリンタIDは、当該プリンタ200を使用する少なくとも一人のユーザ全員の外部ユーザIDそれぞれに紐づけられている。
【0019】
制御部110は、データ処理を行う装置であり、例えばCPU等のプロセッサである。制御部110は、記憶部115に記憶された各種プログラムを実行する。制御部110は、ネットワークNTに接続されたプリンタ200、端末装置300、ユーザ管理サーバ400、及び、広告管理サーバ500に対するデータ通信を含む各種の処理を行う。通信部140は、ネットワークNTに接続されており、プリンタ200、ユーザ管理サーバ400、及び、広告管理サーバ500との間で通信を行う。
【0020】
<広告管理サーバ>
広告管理サーバ500は、ネットワークNTに接続されており、プリンタ200で印刷するための広告画像を広告提供サーバ100へ送信する。広告管理サーバ500は、図示しない制御部と、記憶部と、通信部等を有し、この例では、広告提供サーバ100からの入札要求を通信部により受信する。ネットワークNTには、図示しない複数の広告主の端末装置又はサーバが接続されており、広告管理サーバ500の制御部は、それら広告主の端末装置等に対し、上記入札要求に対応したオークションを実行し、上記ユーザ関心情報に好適な広告画像を当該オークションに対する入札により取得する。なお、ユーザ関心情報に代えて上記行動情報を広告管理サーバ500から取得してその行動情報に好適な広告画像を当該オークションに対する入札により取得してもよい。広告管理サーバ500の制御部は、オークションの所定条件に合致した落札があった場合に、落札者である広告主の端末装置等から対応する広告画像を取得する。取得された広告画像は、広告管理サーバ500から通信部を介し広告提供サーバ100へと送信され、受信した広告提供サーバ100からさらにプリンタ200へと送信されて印刷が行われる。広告管理サーバ500が配信管理サーバの一例である。
【0021】
なお、上記サーバ100,400,500は、それぞれ1つの単体の「サーバ」で構成されてもよいし、それぞれが複数のサーバによって「サーバ体」として構成されてもよい。あるいはそれらサーバ100,400,500のうちの少なくとも2つの機能を1つの単体の「サーバ」が備えていてもよい。
【0022】
<プリンタ>
プリンタ200は、前述のプリンタIDが付されている。このプリンタIDは、例えばプリンタのシリアル番号である。プリンタ200が配信先機器の一例である。プリンタ200は、制御部210と、記憶部215と、表示部240と、操作部250と、通信部260と、印刷部270等を有する。制御部210、記憶部215、表示部240、操作部250、通信部260、及び印刷部270は、バス205を介して情報送受信可能に接続されている。
【0023】
記憶部215は、例えばRAM、ROM、EEPROM、HDD等によって構成されている。記憶部215には、各種のプログラム220と、各種のデータ230とが記憶されている。各種のプログラム220には、例えば後述の
図2に示すフローによるプリンタ200の制御内容を実行するプログラム等が含まれる。各種のデータ230には、プリンタ200の識別情報である前述のプリンタID、広告提供サーバ100から受信された、広告主のうち落札者の端末装置等から取得されて広告提供サーバ100から送信された広告画像が含まれる。あるいは、上記のほかに、例えば、モノクロ印刷/カラー印刷のプリンタ200の性能情報、仕様情報、家庭用/オフィス用等の用途情報、仕向地情報、等が記憶部215に記憶されていてもよい。さらに、印刷部270による印刷実行による印刷枚数、等が記憶部215に記憶されていてもよい。
【0024】
制御部210は、データ処理を行う装置であり、例えばCPU等のプロセッサである。制御部210は、記憶部215に記憶された各種プログラムを実行する。表示部240は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示可能である。操作部250は、例えばキーボードやボタン等であり、ユーザによる入力操作を受け付ける。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示をプリンタ200に入力可能である。通信部260は、ネットワークNTに接続されており、広告提供サーバ100、広告管理サーバ500、ユーザ管理サーバ400、及び端末装置300との間で通信可能である。印刷部270は、印刷エンジンを含み、図示しない搬送機構により用紙トレイから印刷用紙を取り出して搬送しつつ、印刷用紙に対して例えばインクジェット方式で画像を印刷する。印刷用紙がシートの一例である。
【0025】
カートリッジホルダ280は、カートリッジ285が収容可能に構成されている。カートリッジ285は、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等、複数のインク色のカートリッジで構成されている。カートリッジホルダ280には、複数のインク色のカートリッジそれぞれの残量又は消費量を公知の手法で検出可能なインク量センサ(図示せず)が設けられている。
【0026】
印刷部270は、カートリッジ285のインクを消費しながら印刷処理を行う。カートリッジセンサ290は、カートリッジホルダ280に設けられている。カートリッジセンサ290は、カートリッジホルダ280に収容されたカートリッジ285に設けられたICチップに対し、カートリッジ情報の読み取り及び書き込みを行う。例えばカートリッジセンサ290は、ICチップのカートリッジ情報を読み取ることにより、カートリッジホルダ280に収容されたカートリッジ285の種別等を検出する。なお、カートリッジセンサ290による上記読み取りにより、カートリッジ285内のインクの使用量又は残量を検出してもよい。
【0027】
<処理の流れ>
情報配信システム1では、まず、広告提供サーバ100が外部ユーザIDとプリンタIDとを関連付けて記憶部115に記憶する。
具体的には、広告提供サーバ100は、端末装置300で動作するウェブブラウザから広告配信サービスのウェブページの要求を受けて、当該ウェブページの表示情報を端末装置300に送信することにより、端末装置300の表示部301にウェブページ画面を表示させる。端末装置300は、ウェブページ画面に対するユーザからの操作に基づいて、広告配信先となるプリンタ200のプリンタIDと外部ユーザIDとの入力を受け付け、受け付けた情報を広告提供サーバ100に送信する。広告提供サーバ100は、端末装置300から受信した外部ユーザIDとプリンタIDとを関連付けて記憶部115に記憶する。
このとき広告提供サーバ100は、ウェブページ画面に対するユーザからの操作に基づいて、端末装置300からユーザの希望する広告配信時間を受け付けて、当該広告配信時間を外部ユーザIDに関連付けて記憶部115に記憶してもよい。
【0028】
上記のように外部ユーザIDとプリンタIDとを関連付けられた情報配信システム1では、外部ユーザIDに紐づけられたユーザ関心情報が広告提供サーバ100で取得され、配信先のプリンタ200のプリンタIDに対応するユーザ関心情報に好適な広告画像が、広告管理サーバ500からプリンタ200へと送信されて印刷が行われる。そのような処理の流れを行うために、広告提供サーバ100、広告管理サーバ500、ユーザ管理サーバ400、プリンタ200の協働により実行される制御を、
図2のシーケンスフローにより説明する。
【0029】
図2のS5において、広告提供サーバ100がユーザ管理サーバ400に外部ユーザIDに関連するユーザ関心情報を要求したことに応じて、ユーザ管理サーバ400が前述のようにして行動情報を基に生成した全ユーザのユーザ関心情報が、対応する各外部ユーザIDとともに広告提供サーバ100へと送信される。なお、このS5は、例えば一定周期で定期的に実行されるようにしてもよいし、それ以外の適宜のタイミングで実行されてもよい。送信された全ユーザのユーザ関心情報は、S10において広告提供サーバ100により受信される。
【0030】
S15では、広告提供サーバ100において、上記のようにユーザ関心情報が受信された全ユーザのうち、いずれかのユーザに対する広告配信時間になったか否かが判定される。すなわち、本実施形態では、予め全ユーザそれぞれに対し、広告を印刷して提供する時間が定められている。すなわち例えば、全ユーザの外部ユーザIDと、対応するプリンタ200のプリンタIDと、対応する広告配信時間とが互いに関連付けられ、相関として記憶部115に記憶されている。S15ではこの相関に基づき、現在時刻がいずれかのユーザの広告配信時間に該当するか否かが判定される。
【0031】
いずれのユーザの広告配信時間にもなっていなければS15がNo判定されてS10に戻り、上記S5で送信された全ユーザのユーザ関心情報の受信から、同様の手順が繰り返される。いずれかのユーザの広告配信時間になっていればS15がYes判定され、処理がS20へ移行する。
【0032】
S20では、広告提供サーバ100において、上記S15での判定結果に対応した、外部ユーザIDと対応するプリンタIDとが特定されて取得される。S25では、S10にて受信された全ユーザのユーザ関心情報の中から、S20で取得された外部ユーザIDに対応するユーザのユーザ関心情報が特定されて取得される。
【0033】
S100では、広告提供サーバ100において、広告管理サーバ500との協働により、広告主からの入札に基づき、プリンタ200により印刷する広告画像とするための配信画像作成処理が行われる。
【0034】
<画像作成処理における入札の再募集>
本実施形態の特徴は、広告主からの入札を募集した際に所定の落札条件に合致する入札がなかった場合には、1回に印刷して提供する広告の提供単位、すなわち所定サイズの印刷用紙のうちの広告印刷領域を、適宜に分割して入札を再募集する点である。本実施形態の要部である上記S100の配信画像作成処理において実行される、上記入札を再募集する処理の流れの一例を、
図3(a)~(d)により説明する。
【0035】
<レイアウト仕様1>
図3(a)に示す例は、A4サイズ用紙のほぼ全域に相当する1つの広告印刷領域に対し1つの広告配置枠A11を設定したレイアウトにて入札を募集した場合の、レイアウト仕様1を表している。この例では、広告配置枠A11に対する最低入札価格が100円と設定して入札募集が行われる。このレイアウト仕様1での入札募集に対し、広告配置枠A11が100円以上の入札価格で落札された場合には、広告配置枠A11に対して、落札した広告主の広告画像を配置した配信画像が、プリンタ200へと送信される。プリンタ200は、当該配信画像に基づき、1つの広告画像をレイアウト仕様1に沿ってA4サイズ用紙に印刷した1つの印刷物を出力する。
【0036】
<レイアウト仕様2>
上記
図3(a)に示した入札が成立しなかった場合、すなわち、入札が1件もなかった場合、若しくは、入札はあったがいずれの入札価格も100円未満であった場合、には、続いて、
図3(b)に示すレイアウト仕様2での入札再募集が行われる。すなわち、レイアウト仕様2では、上記広告印刷領域に対し、互いに等サイズである2つの広告配置枠A21,A22が設定される。広告配置枠A21,A22は、
図3(a)の広告配置枠A11を図示の左右2つに2等分して配置されており、それぞれが広告配置枠A11の1/2のサイズである。この例では、広告配置枠A21,A22に対する最低入札価格は50円と設定して入札募集が行われる。
【0037】
レイアウト仕様2の入札募集に対し、広告配置枠A21,A22のすべてが50円以上で落札された場合(以下適宜、「全枠落札状態」という)には、広告配置枠A21,A22に対し、落札した広告主の広告画像をそれぞれ配置した配信画像がプリンタ200へ送信される。プリンタ200は、当該配信画像に基づき、2つの広告画像それぞれをレイアウト仕様2に沿ってA4サイズ用紙に印刷した、1つの印刷物を出力する。
【0038】
<レイアウト仕様3>
一方、レイアウト仕様2の入札募集に対する上記全枠落札状態以外の場合には、続いて、
図3(c)に示すレイアウト仕様3での入札再募集が行われる。全枠落札状態以外の場合とは、広告配置枠A21,A22のいずれにも入札がなかった場合、広告配置枠A21,A22の一方には入札はあったが他方には入札がなかった場合、広告配置枠A21,A22の両方に入札はあったが、いずれか一方の入札価格が50円未満であった場合、である。
【0039】
レイアウト仕様3では、上記広告印刷領域に対し、前述の広告配置枠A21,A22と等サイズである1つの広告配置枠A31と、4つの広告配置枠A32,A33,A34,A35とが設定される。広告配置枠A32,A33,A34,A35は、それぞれ、
図3(a)の広告配置枠A11を8等分したサイズ、言い換えれば、
図3(b)の広告配置枠A21,A22を4等分したサイズである。この例では、広告配置枠A31に対する最低入札価格は広告配置枠A21,A22と同じ50円と設定され、広告配置枠A32,A33,A34,A35に対する最低入札価格は12.5円と設定されて入札募集が行われる。
【0040】
レイアウト仕様3の入札募集に対し、広告配置枠A31~A35のすべてが最低入札価格を満たす入札価格で落札された上記全枠落札状態であれば、広告配置枠A31~A35それぞれに対し落札した広告主の広告画像を配置した配信画像がプリンタ200へ送信される。プリンタ200は、当該配信画像に基づき、5つの広告画像それぞれをレイアウト仕様3に沿ってA4サイズ用紙に印刷した、1つの印刷物を出力する。
【0041】
なお、レイアウト仕様3での広告配置枠A31は、前述のように、レイアウト仕様2での広告配置枠A21,A22と等サイズである。したがって、例えばレイアウト仕様2での入札募集時に広告配置枠A21,A22の一方では最低入札価格以上の入札がなされた、すなわち複数の広告配置枠のうち一部の枠は落札のための条件(以下適宜、単に「落札条件」という)に合致していた、場合には、上記配信画像において当該枠へ入札された広告主の広告画像を流用してもよい。後述の
図6に示すフローチャートでは、当該流用の手法により画像を生成する場合を例にとって説明している。
【0042】
<レイアウト仕様4>
一方、レイアウト仕様3の入札募集に対する上記全枠落札状態以外の場合には、続いて、
図3(d)に示すレイアウト仕様4での入札再募集が行われる。全枠落札状態以外の場合とは、広告配置枠A31~A35のいずれにも入札がなかった場合、広告配置枠A31~A35の一部には入札はあったが残りには入札がなかった場合、広告配置枠A31~A35のすべてに入札はあったが、少なくとも1つの入札価格が最低入札価格未満であった場合、である。
【0043】
レイアウト仕様4では、上記広告印刷領域に対し、8つの広告配置枠A41,A42,A43,A44,A45,A46,A47,A48が設定される。これら広告配置枠A41~A48は、それぞれ、
図3(a)の広告配置枠A11を8等分したサイズ、言い換えれば、
図3(b)の広告配置枠A21又は
図3(c)の広告配置枠A31を4等分したサイズである。この例では、広告配置枠A41~A48それぞれに対する最低入札価格は12.5円と設定されて入札募集が行われる。
【0044】
レイアウト仕様4の入札募集に対し、広告配置枠A41~A48のすべてが最低入札価格を満たす入札価格で落札された上記全枠落札状態であれば、広告配置枠A41~A48それぞれに対し落札した広告主の広告画像を配置した配信画像がプリンタ200へ送信される。プリンタ200は、当該配信画像に基づき、8つの広告画像それぞれをレイアウト仕様4に沿ってA4サイズ用紙に印刷した、1つの印刷物を出力する。
【0045】
なお、レイアウト仕様4での広告配置枠A41~A48は、前述のように、レイアウト仕様3での広告配置枠A32~A35と等サイズである。したがって、上記同様、例えばレイアウト仕様3での入札募集時に広告配置枠A32~A35のうち少なくとも一部の枠が落札条件に合致していた場合には、レイアウト仕様4に基づく上記配信画像において、当該枠へ入札された広告主の広告画像を流用してもよい。
【0046】
図3(a)~(d)において、広告配置枠A11,A21,A22,A31~A35,A41~A48がそれぞれ配信枠の一例であり、広告配置枠A11,A21,A22,A31~A35,A41~A48それぞれの大きさが枠サイズの一例である。また、レイアウト仕様1,2,3,4がそれぞれレイアウト情報の一例であり、各広告配置枠の最低入札価格が、当該広告配置枠に対する枠条件の一例である。
【0047】
なお、各広告配置枠A11,A21,A22,A31~A35,A41~A48をそれぞれ備えた上記レイアウト仕様1,2,3,4は、例えば広告提供サーバ100の記憶部115に記憶されている。また、上述の再募集を順次実行するときの各レイアウト情報の順番の流れ、すなわち、レイアウト仕様1→2→3→4の順番で各レイアウト仕様の広告配置枠の入札募集を行うこと、は予め設定されおり、その設定内容も記憶部115に記憶されている。なおその際、例えばプリンタ200の仕様情報、又は、プリンタ200の上記用紙トレイに収納されている用紙サイズ情報、等が広告提供サーバ100において取得され、それらの情報に適したレイアウト仕様が選択されるようにしてもよい。
【0048】
<入札の再募集の別例>
上記入札を再募集する処理の、
図3(a)~(d)とは別の例を
図4(a)~(d)により説明する。
【0049】
図4(a)に示すレイアウト仕様11は、前述の
図3(a)のレイアウト仕様1と同一のレイアウトである。A4サイズ用紙の1つの広告印刷領域に対し、広告配置枠A11と同様の1つの広告配置枠A51が最低入札価格100円にて設定されている。
【0050】
レイアウト仕様11で上記全件落札状態とならなかった場合、続いて、前述の
図3(b)のレイアウト仕様2と同一のレイアウトである、
図4(b)に示すレイアウト仕様12での入札再募集が行われる。レイアウト仕様12では、広告印刷領域に対し、上記広告配置枠A21,A22と同様の2つの広告配置枠A61,A62が最低入札価格50円にてそれぞれ設定されている。
【0051】
レイアウト仕様12で上記全件落札状態とならなかった場合、続いて、
図4(c)に示すレイアウト仕様13での入札再募集が行われる。レイアウト仕様13では、上記広告印刷領域に対し2つの広告配置枠A71,A72が設定される。広告配置枠A71,A72は、
図4(a)の広告配置枠A51を図示の上下2段に2等分して配置されており、それぞれが広告配置枠A51の1/2のサイズである。この例では、広告配置枠A71,A72に対する最低入札価格は広告配置枠A61,A62と同じ50円と設定されて入札募集が行われる。
【0052】
レイアウト仕様13で上記全件落札状態とならなかった場合、続いて、
図4(d)に示すレイアウト仕様14での入札再募集が行われる。レイアウト仕様14では、上記広告印刷領域に対し、前述の広告配置枠A61と等サイズである1つの広告配置枠A81と、2つの広告配置枠A82,A83とが設定される。広告配置枠A81は、
図4(a)の広告配置枠A51を2等分したサイズである。広告配置枠A82,A83は、
図4(b)の広告配置枠A62を上・下に2等分したサイズ、言い換えれば、それぞれ、
図4(a)の広告配置枠A51を4等分したサイズである。したがって、例えばレイアウト仕様12での入札募集時に広告配置枠A61,A62のいずれかが落札条件に合致していた場合には、レイアウト仕様14に基づきプリンタ200への配信画像を生成する際、前述同様、当該枠へ入札された広告主の広告画像を流用してもよい。
【0053】
図4(a)~(d)において、広告配置枠A51,A61,A62,A71,A72,A81~A83がそれぞれ配信枠の一例であり、広告配置枠A51,A61,A62,A71,A72,A81~A83それぞれの大きさが枠サイズの一例である。また、レイアウト仕様11,12,13,14がそれぞれレイアウト情報の一例であり、各広告配置枠の最低入札価格が、当該広告配置枠に対する枠条件の一例である。
【0054】
なお、各広告配置枠A51,A61,A62,A71,A72,A81~A83をそれぞれ備えた上記レイアウト仕様11,12,13,14は、例えば広告提供サーバ100の記憶部115に記憶されている。また、上述の再募集を順次実行するときの各レイアウト情報の順番の流れ、すなわち、レイアウト仕様11→12→13→14の順番で各レイアウト仕様の広告配置枠の入札募集を行うこと、は予め設定されおり、その設定内容も記憶部115に記憶されている。
【0055】
<入札の再募集のさらに別例>
上記入札を再募集する処理のさらに別の例を
図5(a)~(d)により説明する。
【0056】
図5(a)に示すレイアウト仕様21は、前述の
図3(a)のレイアウト仕様1、
図4(a)のレイアウト仕様11と同一のレイアウトである。A4サイズ用紙の1つの広告印刷領域に対し、広告配置枠A11,A51と同様の1つの広告配置枠A91が最低入札価格100円にて設定されている。
【0057】
レイアウト仕様21で上記全件落札状態とならなかった場合、続いて、
図5(b)に示すレイアウト仕様22での入札再募集が行われる。レイアウト仕様22では、上記広告印刷領域に対し3つの広告配置枠A101,A102,A103が設定される。広告配置枠A101,A102,A103は、
図5(a)の広告配置枠A91を図示の左・右方向3つに3等分して配置されており、それぞれが広告配置枠A91の1/3のサイズである。この例では、広告配置枠A101,A102,A103に対する最低入札価格は33円と設定されて入札募集が行われる。
【0058】
レイアウト仕様22で上記全件落札状態とならなかった場合、続いて、
図5(c)に示すレイアウト仕様23での入札再募集が行われる。レイアウト仕様23では、上記広告印刷領域に対し2つの広告配置枠A111,A112が設定される。広告配置枠A111,A112は、
図5(a)の広告配置枠A91を図示の左・右方向2つに2等分して配置されており、それぞれが広告配置枠A91の1/2のサイズである。この例では、広告配置枠A111,A112に対する最低入札価格は50円と設定されて入札募集が行われる。
【0059】
レイアウト仕様23で上記全件落札状態とならなかった場合、続いて、
図5(d)に示すレイアウト仕様24での入札再募集が行われる。レイアウト仕様24では、上記広告印刷領域に対し5つの広告配置枠A121,A122,A123,A124,A125が設定される。広告配置枠A121~A125は、
図5(a)の広告配置枠A91を図示の左・右方向5つに5等分して配置されており、それぞれが広告配置枠A91の1/5のサイズである。この例では、広告配置枠A121,A122,A123,A124,A125に対する最低入札価格は20円と設定されて入札募集が行われる。
【0060】
図5(a)~(d)において、広告配置枠A91,A101~A103,A111,A112,A121~A125がそれぞれ配信枠の一例であり、広告配置枠A91,A101~A103,A111,A112,A121~A125それぞれの大きさが枠サイズの一例である。また、レイアウト仕様21,22,23,24がそれぞれレイアウト情報の一例であり、各広告配置枠の最低入札価格が、当該広告配置枠に対する枠条件の一例である。
【0061】
なお、各広告配置枠A91,A101~A103,A111,A112,A121~A125をそれぞれ備えた上記レイアウト仕様21,22,23,24は、例えば広告提供サーバ100の記憶部115に記憶されている。また、上述の再募集を順次実行するときの各レイアウト情報の順番の流れ、すなわち、レイアウト仕様21→22→23→24の順番で各レイアウト仕様の広告配置枠の入札募集を行うこと、は予め設定されおり、その設定内容も記憶部115に記憶されている。また、以上説明した各広告配置枠を区別しない場合、以下適宜、単に「広告配置枠A」と称する。
【0062】
<広告提供サーバによる画像作成処理の詳細>
以上の
図3(a)~(d)、
図4(a)~(d)、
図5(a)~(d)を例示して説明した上記手法を実現するために、上記S100において広告提供サーバ100の制御部110が実行する制御内容を、
図6に示すフローにより説明する。
【0063】
図6において、まずS105で、前述のように予め設定されて記憶部115に記憶されている順番に沿い、1つのレイアウト仕様が選択されて取得される。S105で実行される処理がレイアウト選択処理の一例である。
【0064】
S110では、予め記憶部115に記憶されている内容に基づき、S105で取得されたレイアウト仕様に備えられる1つ以上の広告配置枠Aのうち、予め定められた順番に沿って1つの広告配置枠Aが取得される。
【0065】
S115では、S110で取得された1つの広告配置枠Aに対し、新たな入札が必要か否かが判定される。既に述べたように、前回のS105で取得された1つのレイアウト仕様での入札募集時に全枠落札状態とならず次のレイアウト仕様で入札募集するとき、前回のレイアウト仕様の複数の広告配置枠のうち一部が落札条件に合致していた場合は、上記次のレイアウト仕様で流用可能となる。S115では、そのような流用可能である場合は新たな入札は不要であるとみなしてNo判定され、後述のS165に処理が移される。そのような流用が不可能である場合は新たな入札が必要であるとみなしてYes判定され、S120へ処理が移される。なお、上記流用を一切行わず、1つのレイアウト仕様での入札募集時に全枠落札状態とならず次のレイアウト仕様で入札募集するときに、常時新たな入札を行うようにしてもよい。この場合はS115は省略され、S110の実行後は後述のS120へ処理が移される。S115で実行される処理が第3判断処理の一例である。
【0066】
S120では、S110で取得された1つの広告配置枠Aに対し、対応する最低入札価格が決定される。後述の
図7に示す変形例と異なり、本実施形態では、前述したように各広告配置枠Aに対する最低入札価格は予め一意的に定められ、記憶部115に記憶されている。S120ではこの記憶部115の記憶内容に基づき、対応する最低入札価格が決定される。
【0067】
S125では、S110で取得された1つの広告配置枠Aに対する入札要求が広告管理サーバ500へと送信される。その際、入札要求で要求される所定の条件として、当該広告配置枠Aのサイズ情報及びS120で決定した最低入札価格と、
図2のS25で取得されたユーザ関心情報とが、併せて広告管理サーバ500へと送信される。S125で送信される送信内容が、配信管理サーバへ要求する情報の一例であり、S125で実行される処理が要求処理の一例である。送信された入札要求に応じ、広告管理サーバ500では、受信されたユーザ関心情報に好適な広告のオークションが実行され、入札募集が行われる。
【0068】
なお、上記S125において、広告管理サーバ500へ送信する入札要求は、サイズ情報やユーザ情報等は含みつつ、最低入札価格を指定しないようにしてもよい。あるいは、固定値を使用して入札要求をするようにしてもよい。
【0069】
S130では、S125で送信した入札要求に対して実行した上記オークションにおける入札結果が、広告管理サーバ500から受信される。受信される内容には、入札要求で要求した所定の条件を満たす入札があった場合には、その旨と、当該入札者の上記広告画像が含まれる。入札要求で要求した所定の条件を満たす入札がなかった場合には、その旨が上記受信内容に含まれる。S130で受信される受信内容が、応答情報の一例であり、S130で実行される処理が情報受信処理の一例である。
【0070】
S135では、S130での受信内容に基づき、落札条件を満たす入札があったか否かが判定される。落札条件とは、例えば、入札価格が最も高いことである。その他、入札要求で要求した所定の条件を満たすことを落札条件としてもよい。落札条件を満たす入札がなかった場合はNo判定され、後述のS155に処理が移される。落札条件を満たす入札があった場合はYes判定され、S140に処理が移される。
【0071】
S140では、落札条件を満たす入札を行った広告主すなわち落札者に対し、入札内容を採用し削除せずに保管する旨を通知するための「保留通知」が、広告管理サーバ500へと送信される。この保留通知は、受信した広告管理サーバ500によって当該落札者の端末装置等へ送信される。
【0072】
S145では、S130で広告管理サーバ500から受信した入札結果に含まれる、上記落札者の広告画像が特定されて取得される。S150では、当該落札者による入札結果、すなわちS145で取得された広告画像等が例えば記憶部115へと保存される。
【0073】
S155では、落札条件を満たさない入札を行った広告主すなわち非落札者に対し、他に落札者が存在するため入札内容を採用しない旨を通知するための「敗北通知」が、広告管理サーバ500へと送信される。この敗北通知は、受信した広告管理サーバ500によって当該非落札者の端末装置等へ送信される。その後、S160へと処理が移される。
【0074】
S160では、S105で取得された1つのレイアウト仕様に含まれるすべての広告配置枠Aについて処理が終了したか否かが判定される。上記レイアウト仕様に含まれるすべての広告配置枠Aの処理がなされていればS160がYes判定され、後述のS170へと処理が移される。
【0075】
上記レイアウト仕様において未処理の広告配置枠Aが残っていればS160はNo判定され、処理がS110へ戻され、上記同様の処理が繰り返される。すなわち、それまでの直近のS110~S155で処理を行った広告配置枠Aの次の順番となる新たな広告配置枠AがS110で取得された後、S115でそれに対する新たな入札が必要か否かが判定される。この際、上記直近の処理の際にS150にて落札者の広告画像を含む入札結果が保存されている場合には、S115において前述したようにその保存された広告画像を流用可能な場合がある。流用が不能な場合はS115がYes判定となり、広告提供サーバ100はS150にて保存した広告画像を削除し、当該広告画像の落札者に対する敗北通知を広告管理サーバ500に送信する。一方、流用可能であればS115がNo判定となり、処理がS165へと移される。S165では当該保存されていた落札者の広告画像を含む入札結果が採用される。すなわち、当該保存されていた落札者の広告画像を新たな広告配置枠Aに配置することを決定する。S165で実行される処理は決定処理の一例である。その後、処理がS160へと移され、前述の判定が行われる。
【0076】
以上のようにして、S105で取得された1つのレイアウト仕様に含まれるすべての広告配置枠Aについて処理が終了しない間は、S110~S160の処理が繰り返される。当該1つのレイアウト仕様に含まれるすべての広告配置枠Aについて処理が終了したらS160がYes判定され、処理がS170へと移される。
【0077】
S170では、S105で取得されたレイアウト仕様中の全広告配置枠Aに対し落札条件を満たす入札がなされて当該レイアウト仕様が成立したか否か、言い換えれば当該レイアウト仕様に基づく配信画像のプリンタ200への送信が可能となったか否か、が判定される。当該レイアウト仕様が成立していればS170がYes判定されてS175へ処理が移される。
【0078】
S175では、成立したレイアウト仕様の内容、すなわち当該レイアウト仕様に含まれる全ての広告配置枠Aに対し対応する落札者の広告画像を配置した内容の、上記配信画像が作成される。その後、このフローの処理が終了する。なお、S175では、配信画像を作成する代わりに、配信画像を印刷するためのページ記述言語を作成してもよい。
【0079】
一方、S170において、S105で取得されたレイアウト仕様が成立していなければNo判定され、S180へ処理が移される。S180では、前述のように事前に予め設定されている順番に沿い、まだ処理していないレイアウト仕様が残っているか否かが判定される。予め設定されている順番に沿ってすべてのレイアウト仕様について処理が完了していればS180がNo判定され、このフローの処理が終了する。この場合、落札条件を満たすレイアウト仕様が全く見つからない状態でこのフローが終了することとなるため、
図2のS30、S35、S40、S45の処理は実行されない。また、S50で広告提供サーバ100において、配信画像がプリンタ200へ送信されなかった旨を示す情報と、対応するプリンタ200のプリンタID、対応するユーザの外部ユーザID、及び、現在の時刻情報とが紐づけられて記憶部115に記憶され、
図2のシーケンスフローによる処理が終了する。
【0080】
S180において、まだ処理していないレイアウト仕様が残っていればYes判定されて処理がS105へ戻され、上記同様の処理が繰り返される。すなわち、上記順番に沿って次の順番となる新たなレイアウト仕様がS105で取得された後、S110~S160が繰り返されてS170で当該レイアウト仕様が成立したか否かが判定される。成立していればS175で配信画像が作成される。成立していなければ未処理のレイアウト仕様がなくなってS180がNo判定されるまでS110~S180が繰り返される。この結果、前述の
図3(a)~(d)に示した例では、レイアウト仕様1→2→3→4の順でレイアウト仕様の成立試行が順次行われる。
【0081】
<レイアウト仕様1→レイアウト仕様2>
すなわち、まず、レイアウト仕様1に関しS105~S180の処理が行われた後、レイアウト仕様2に関しS105~S180の処理が行われる。この場合には、レイアウト仕様1が第1レイアウト情報の一例であり、レイアウト仕様1に含まれる広告配置枠A11が第1配信枠の一例である。また広告配置枠A11の枠サイズ及び最低入札価格等が第1枠条件の一例であり、これを含みS125で送信される送信内容が第1情報の一例であり、S125で実行される処理が第1要求処理の一例である。さらに当該S125に応じてS130で受信される受信内容が要求に応答する第1情報の一例であり、S130で実行される処理が第1情報取得処理の一例である。また上記のレイアウト仕様1に関する各処理に応じてS170で実行される処理が第1判断処理の一例であり、レイアウト仕様1についてS170がYes判定されて実行されるS175の処理が第1作成処理の一例であり、S175で作成される配信画像が第1配信情報の一例である。またS135の判定が満たされてS150でレイアウト仕様1におけるいずれかの広告配置枠Aに対する入札結果が保存される場合には、S150で実行される処理が情報保存処理の一例である。
また、レイアウト仕様2が第2レイアウト情報の一例であり、レイアウト仕様2に含まれる広告配置枠A21,A22が第2配信枠の一例である。この結果、レイアウト仕様2における第2配信枠としての広告配置枠Aの数は、レイアウト仕様1における第1配信枠としての広告配置枠Aの数よりも多い。またレイアウト仕様1の広告配置枠A1の枠サイズは、レイアウト仕様2の広告配置枠A21,A22のn倍(n:2以上の整数)であり、この例ではn=2である。
また広告配置枠A21,A22の枠サイズ及び最低入札価格等が第2枠条件の一例であり、これを含みS125で送信される送信内容が第2情報の一例であり、S125で実行される処理が第2要求処理の一例である。さらに当該S125に応じてS130で受信される受信内容が要求に応答する第2情報の一例であり、S130で実行される処理が第2情報取得処理の一例である。また上記のレイアウト仕様2に関する各処理に応じてS170で実行される処理では、上記レイアウト仕様1に係わる第1情報及びレイアウト仕様2に係わる第2情報のうち少なくとも一方が広告配置枠A21,A22すべてに配置されるか判定する。このときのS170は、第2判断処理の一例となる。またレイアウト仕様2についてS170がYes判定されて実行されるS175の処理は第2作成処理の一例となる。
【0082】
<レイアウト仕様2→レイアウト仕様3>
上記の処理においてレイアウト仕様2も成立しない場合は、レイアウト仕様2に関しS105~S180の処理が行われた後、レイアウト仕様3に関しS105~S180の処理が行われることとなる。この場合には、レイアウト仕様2が第1レイアウト情報の一例であり、レイアウト仕様2に含まれる広告配置枠A21,A22が第1配信枠の一例である。また広告配置枠A21,A22の枠サイズ及び最低入札価格等が第1枠条件の一例であり、これを含みS125で送信される送信内容が第1情報の一例であり、S125で実行される処理が第1要求処理の一例である。さらに当該S125に応じてS130で受信される受信内容が要求に応答する第1情報の一例であり、S130で実行される処理が第1情報取得処理の一例である。また上記のレイアウト仕様2に関する各処理に応じてS170で実行される処理が第1判断処理の一例であり、レイアウト仕様2についてS170がYes判定されて実行されるS175の処理が第1作成処理の一例であり、S175で作成される配信画像が第1配信情報の一例である。またS135の判定が満たされてS150でレイアウト仕様2におけるいずれかの広告配置枠Aに対する入札結果が保存される場合には、S150で実行される処理が情報保存処理の一例である。
また、レイアウト仕様3が第2レイアウト情報の一例であり、レイアウト仕様3に含まれる広告配置枠A31~A35が第2配信枠の一例である。この結果、レイアウト仕様3における第2配信枠としての広告配置枠Aの数は、レイアウト仕様2における第1配信枠としての広告配置枠Aの数よりも多い。またレイアウト仕様2の広告配置枠A21,A22の枠サイズは、レイアウト仕様3の広告配置枠A31~A35のn倍(n:2以上の整数)であり、この例ではn=4である。また、第2レイアウト情報としてのレイアウト仕様3に含まれる第2配信枠としての少なくとも1つの広告配置枠A、この例では広告配置枠A31が、第1レイアウト情報としてのレイアウト仕様2に含まれる第1配信枠としての広告配置枠A21,A22と同一の枠サイズとなっている。広告配置枠A31~A35の枠サイズ及び最低入札価格等が第2枠条件の一例であり、これを含みS125で送信される送信内容が第2情報の一例であり、S125で実行される処理が第2要求処理の一例である。さらに当該S125に応じてS130で受信される受信内容が要求に応答する第2情報の一例であり、S130で実行される処理が第2情報取得処理の一例である。また上記のレイアウト仕様3に関する各処理に応じてS170で実行される処理では、上記レイアウト仕様2に係わる第1情報及びレイアウト仕様3に係わる第2情報のうち少なくとも一方が広告配置枠A31~A35すべてに配置されるか判定する。この時のS170は、第2判断処理の一例となる。その際、レイアウト仕様2に係わる処理においてS150にて広告配置枠A21又は広告配置枠A22に対しての上記第1情報が保存されていた場合には、S170において当該第1情報が、第2配信枠である広告配置枠A31~A35の少なくとも1つに配置されるか判定されることになる。そしてレイアウト仕様3についてS170がYes判定されて実行されるS175の処理は第2作成処理の一例となる。その際、S170にて上記第1情報が広告配置枠A31~A35の少なくとも1つに配置されると判定された場合、S175ではレイアウト仕様2,3に係わる第1及び第2情報の両方が当該レイアウト仕様3に沿って配置された配信画像が作成され、当該画像が第2配信情報の一例である。
【0083】
<レイアウト仕様3→レイアウト仕様4>
上記の処理においてレイアウト仕様3も成立しない場合は、レイアウト仕様3に関しS105~S180の処理が行われた後、レイアウト仕様4に関しS105~S180の処理が行われることとなる。この場合には、レイアウト仕様3が第1レイアウト情報の一例であり、レイアウト仕様3に含まれる広告配置枠A31~A35が第1配信枠の一例である。また広告配置枠A31~A35の枠サイズ及び最低入札価格等が第1枠条件の一例であり、これを含みS125で送信される送信内容が第1情報の一例であり、S125で実行される処理が第1要求処理の一例である。さらに当該S125に応じてS130で受信される受信内容が要求に応答する第1情報の一例であり、S130で実行される処理が第1情報取得処理の一例である。また上記のレイアウト仕様3に関する各処理に応じてS170で実行される処理が第1判断処理の一例であり、レイアウト仕様3についてS170がYes判定されて実行されるS175の処理が第1作成処理の一例であり、S175で作成される配信画像が第1配信情報の一例である。またS135の判定が満たされてS150でレイアウト仕様3におけるいずれかの広告配置枠Aに対する入札結果が保存される場合には、S150で実行される処理が情報保存処理の一例である。
また、レイアウト仕様4が第2レイアウト情報の一例であり、レイアウト仕様4に含まれる広告配置枠A41~A48が第2配信枠の一例である。この結果、レイアウト仕様4における第2配信枠としての広告配置枠Aの数は、レイアウト仕様3における第1配信枠としての広告配置枠Aの数よりも多い。またレイアウト仕様3のうち広告配置枠A31の枠サイズは、レイアウト仕様4の広告配置枠A41~A48のn倍(n:2以上の整数)であり、この例ではn=4である。また、第2レイアウト情報としてのレイアウト仕様4に含まれる第2配信枠としての少なくとも1つの広告配置枠A、この例では広告配置枠A41~A48が、第1レイアウト情報としてのレイアウト仕様3に含まれる第1配信枠としての広告配置枠A32~A35と同一の枠サイズとなっている。広告配置枠A41~A48の枠サイズ及び最低入札価格等が第2枠条件の一例であり、これを含みS125で送信される送信内容が第2情報の一例であり、S125で実行される処理が第2要求処理の一例である。さらに当該S125に応じてS130で受信される受信内容が要求に応答する第2情報の一例であり、S130で実行される処理が第2情報取得処理の一例である。また上記のレイアウト仕様4に関する各処理に応じてS170で実行される処理では、上記レイアウト仕様3に係わる第1情報及びレイアウト仕様4に係わる第2情報のうち少なくとも一方が広告配置枠A41~A48すべてに配置されるか判定する。この時のS170は、第2判断処理の一例となる。その際、レイアウト仕様3に係わる処理においてS150にて広告配置枠A32~A35の少なくとも1つに対しての上記第1情報が保存されていた場合には、S170において当該第1情報が、第2配信枠である広告配置枠A41~A48の少なくとも1つに配置されるか判定されることになる。そしてレイアウト仕様4についてS170がYes判定されて実行されるS175の処理は第2作成処理の一例となる。その際、S170にて上記第1情報が広告配置枠A41~A48の少なくとも1つに配置されると判定された場合、S175ではレイアウト仕様3,4に係わる第1及び第2情報の両方が当該レイアウト仕様4に沿って配置された配信画像が作成され、当該画像が第2配信情報の一例である。
【0084】
なお、上記では、
図3(a)~(d)に示すレイアウト仕様1→2→3→4の順で処理が順次行われる場合を例にとり、第1及び第2情報、第1及び第2要求処理、要求に応答する第1及び第2情報、第1及び第2情報取得処理、第1及び第2判断処理、第1及び第2配信情報、第1及び第2作成処理等を説明した。
図4(a)~(d)に示すレイアウト仕様11→12→13→14の順で成立試行の処理が順次行われる場合、及び、
図5(a)~(d)に示すレイアウト仕様21→22→23→24の順で成立試行の処理が順次行われる場合、等についても、上記説明した内容とほぼ同様の関係が成立する。
【0085】
<画像作成処理以後の処理>
図2に戻り、広告提供サーバ100において、上述のようにしてS100が完了すると、S30へ処理が移される。S30では、広告提供サーバ100において、S100の配信画像作成処理のS175で作成された配信画像の印刷指示がプリンタ200へと配信される。送信された印刷指示はS35においてプリンタ200により受信され、印刷指示に含まれる配信画像に対応する印刷が行われて印刷物が生成される。なお、S30では、広告提供サーバ100が他の中継装置を介してプリンタ200に配信画像を配信してもよい。また、配信画像をプリンタ200に配信する代わりに、配信画像を印刷するためのページ技術言語や、配信画像のリンク先をプリンタ200に送信してもよい。配信画像のリンク先を送信した場合は、プリンタ200はそのリンク先にアクセスして配信画像を取得し、印刷を実行する。
【0086】
S40では、広告提供サーバ100において、S30で送信された配信画像に含まれる各広告画像を提供した落札者である広告主に対し、広告印刷に対応する報酬を請求するための請求通知が、広告管理サーバ500へと送信される。S45において、送信された請求通知を受信した広告管理サーバ500により、当該落札者の端末装置等へ請求通知が送信されて請求処理が行われる。なお、S40,S45における請求通知の送付及び請求処理は、S30における印刷物の生成が正常に完了したことが確認されてから行うようにしてもよい。その場合、プリンタ200において印刷物の生成が正常に完了しなかった場合には、報酬の請求が一切行われないか、若しくは、報酬の請求後に決済が生じていた場合にはその全額が返金されるようにしてもよい。
【0087】
S50では、広告提供サーバ100は、S30で送信した配信画像を、対応するプリンタ200のプリンタID、対応するユーザの外部ユーザID、現在の時刻情報、及び、当該配信画像に含まれる広告画像を落札した際の落札条件と紐づけて、記憶部115に記憶し、
図2のシーケンスフローによる処理が終了する。
【0088】
<実施形態の効果>
本実施形態においては、広告提供サーバ100の制御部110において、S125で入札要求が広告管理サーバ500へ送信され、その要求に対応する入札結果がS130において受信される。入札結果の内容に基づき、S170において、レイアウト仕様中の全ての広告配置枠Aに落札条件を満たす広告画像を配置可能であるか否かが判断される。全ての広告配置枠Aに落札条件を満たす広告画像を配置可能と判断された場合には、S175において当該広告画像がレイアウト仕様に沿って配置されて配信画像が作成される。S170において全ての広告配置枠Aには落札条件を満たす広告画像を配置できないと判断された場合には、S110において、新たに別のレイアウト仕様に含まれる広告配置枠Aに対応した入札要求が広告管理サーバ500へと送信される。
本実施形態によれば、1つのレイアウト仕様に沿って落札条件を満たす広告画像を配置できない場合には、別のレイアウト仕様に沿って配置するための入札要求への入札結果を広告管理サーバ500から取得する。本実施形態によれば、全ての広告配置枠Aが落札されたレイアウト仕様が成立するまで、レイアウト仕様を動的に変更しながら成立が試行される。したがって、予め固定的に決められたレイアウトに基づき広告情報を配置する場合に比べて広告情報のレイアウトの自由度を拡張でき、多様なレイアウトで広告情報を提供することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態においては特に、広告提供サーバ100において、1つのレイアウト仕様に沿って落札条件を満たす広告画像を配置できない場合には、別のレイアウト仕様に沿って配置するための入札要求に対応する入札結果がS130で受信される。受信された入札結果に基づき、S170において、当該別のレイアウト仕様中の全ての広告配置枠Aに対し、落札条件を満たす広告画像を配置可能であるか否かが判断される。全ての広告配置枠Aに配置可能と判断された場合には、S175において落札条件を満たす広告画像が当該別のレイアウト仕様に沿って配置された配信画像が作成される。
本実施形態によれば、予め固定的に決められたレイアウトに基づき広告情報を配置する場合と異なり、確実に多様なレイアウトで広告情報を提供することができる。
【0090】
1つのレイアウト仕様に沿って複数の広告配置枠Aのすべてには落札条件を満たす広告画像を配置できなかった場合であっても、それら広告配置枠Aのうち少なくとも1つには落札条件を満たす広告画像を配置できる場合があり得る。本実施形態においては特に、S110~S170が繰り返される中でS135において少なくとも1つの広告配置枠Aに落札条件を満たす広告画像を配置できると判定された場合には、S150において、当該落札条件を満たす広告画像が記憶部115に保存される。
本実施形態によれば、上記1つのレイアウト仕様の次の順番で試行される別のレイアウト仕様に沿って広告画像が配置されるときに、上記の記憶部115に保存した広告画像を併せて活用可能となる。
【0091】
また、本実施形態においては特に、例えばレイアウト仕様2,3、レイアウト仕様3,4のように、1つのレイアウト仕様とその次の順番で成立試行される別のレイアウト仕様との間に、部分的な共通性が存在する場合がある。本実施形態によれば、上記別のレイアウト仕様に沿って広告画像を配置するときに、記憶部115に保存した上記1つのレイアウト仕様における落札条件を満たす広告画像を併せて確実に活用することができる。
【0092】
また、本実施形態においては特に、1つのレイアウト仕様が成立せずにその次の順番の別のレイアウト仕様の成立が試行される際、S115において、S150で保存しておいた広告画像を上記別のレイアウト仕様に沿って活用可能かどうかが判断される。活用可能と判断された場合には、S115で保存された広告画像と上記別のレイアウト仕様に基づく落札条件を満たす広告画像との両方を当該別のレイアウト仕様に沿って広告配置枠Aに確実に配置することができる。
【0093】
また、本実施形態においては特に、上記別のレイアウト仕様の成立試行時のS115にて保存された広告画像を活用可能と判断された場合には、当該広告画像と上記別のレイアウト仕様に基づく落札条件を満たす広告画像との両方が当該別のレイアウト仕様に沿って広告配置枠Aに配置され、配信画像を生成することができる。
【0094】
また、本実施形態においては特に、1つのレイアウト仕様が成立せずにその次の順番の別のレイアウト仕様の成立が試行される際、当該別のレイアウト仕様における広告配置枠Aの数は、上記1つのレイアウト仕様における広告配置枠Aの数よりも多い場合がある(
図3(a)~(d)、
図4(a)~(b)、
図4(c)~(d)、
図5(a)~(b)、
図5(c)~(d)等参照)。この場合、対応する広告配置枠Aの数が順次増える複数のレイアウト仕様それぞれに対し、落札条件を満たす広告画像が配置可能か否かを順番に検討することができる。
本実施形態によれば、広告提供サーバ100において、なるべく広告配置枠Aの数が少ないレイアウト仕様に基づいて配信画像が作成されるように、処理することができる。
【0095】
また、本実施形態においては特に、1つのレイアウト仕様が成立せずにその次の順番の別のレイアウト仕様の成立が試行される際、上記1つのレイアウト仕様における広告配置枠Aの枠サイズの少なくとも一部が、上記別のレイアウト仕様における広告配置枠Aの枠サイズのn倍(nは2以上の整数)の大きさである場合がある(
図3(a)~(d)、
図4(a)~(b)、
図4(c)~(d)、
図5(a)~(b)等参照)。この場合、対応する広告配置枠Aの枠サイズが1/n刻みで分割されていく複数のレイアウト仕様それぞれに対し、落札条件を満たす広告画像が配置可能か否かを順番に検討することができる。
本実施形態によれば、広告提供サーバ100において、なるべく広告配置枠Aの数が少ないレイアウト仕様に基づいて配信画像が作成されるように、処理することができる。また本実施形態によれば、上記別のレイアウト仕様における広告配置枠Aの枠サイズが上記1つのレイアウト仕様における広告配置枠Aの枠サイズの1/nである。その結果、上記別のレイアウト仕様に沿って広告画像を配置するときに、上記1つのレイアウト仕様における広告配置枠Aに相当する大きさの領域を、上記別のレイアウト仕様に対応したn個の広告配置枠Aで埋め合わせることが可能となる。
【0096】
また、本実施形態では特に、プリンタ200が印刷用紙上に配信画像を印刷するシステム構成において、予め固定的に決められた印刷レイアウトで広告情報を印刷する場合に比べて広告情報の印刷レイアウトの自由度を拡張でき、多様なレイアウトで広告情報を印刷することが可能となる。
【0097】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0098】
(1)広告配置枠の最低入札価格を動的に変更する場合
例えば、一部の広告配置枠Aの落札結果に応じて、残りの広告配置枠Aの最低入札価格を動的に変更するようにしてもよい。そのような変形例を
図7により説明する。
【0099】
図7(a)~(c)は、本変形例において入札を再募集する処理の流れを表す、上記
図3(b)~(c)に相当する図である。すなわち、本変形例においても、最初は、前述の
図3(a)と同様、A4サイズ用紙のほぼ全域に相当する1つの広告印刷領域に対し1つの広告配置枠A11を設定したレイアウト仕様1にて入札募集が開始される(図示省略)。レイアウト仕様1が成立しなかった場合、
図3(b)同様の
図7(a)に示すレイアウト仕様2での入札再募集が行われる。
【0100】
レイアウト仕様2では、
図3(b)と同様、広告配置枠A11の1/2のサイズである2つの広告配置枠A21,A22が設定される。広告配置枠A21,A22に対する最低入札価格は50円と設定して入札募集が行われる。
【0101】
ここで、例えば、A4サイズ用紙の広告印刷領域を印刷するためのインク費用等、1つの印刷物を作成するための費用、言い換えれば損益分岐点が60円だったとする。この場合に、上記レイアウト仕様2に沿って入札を募集したところ、
図7(b)に示すように、一部の広告配置枠A21が上記損益分岐点以上となる80円にて落札されることがあり得る。本変形例ではこのような場合には、
図7(b)にレイアウト仕様2′として示すように、まだ落札されていない残りの広告配置枠A22の最低入札価格を動的に変更し、
図7(a)に示した50円から15円へ引き下げて値下げする。
【0102】
上記レイアウト仕様2′に沿った入札再募集において広告配置枠A22に入札がなかった場合又は入札はあったがその入札価格が15円未満であった場合、前述の
図3(c)のレイアウト仕様3に相当するレイアウト仕様3′での入札再募集が行われる。
【0103】
レイアウト仕様3′では、
図3(c)のレイアウト仕様3と同様、広告配置枠A21,A22と等サイズである1つの広告配置枠A31と、4つの広告配置枠A32,A33,A34,A35とが設定される。このとき、この例では、前述の広告配置枠A31の80円での落札に対応し、広告配置枠A32,A33,A34,A35に対する最低入札価格は3円と安く設定されて入札募集が行われる。
【0104】
本変形例においては、落札済の広告配置枠Aにおいてサービス提供者側の利益は確保されていることから、それ以外の広告配置枠Aの最低入札価格を引き下げることで、それ以降に見込まれる利益の一部をサービス利用者であるユーザ側に還元することができる。
【0105】
なお、上記の例では、もともと広告配置枠A22の最低入札価格が50円だったところ、印刷物作成の損益分岐点を上回る広告配置枠A21の80円での落札により、残りの広告配置枠A22への固定的に15円へと引き下げたが、この手法には限られない。例えば、落札した広告配置枠A以外の広告配置枠Aの最低入札価格の合計を、落札価格と損益分岐点との差額相当の額だけ割引してもよい。この場合、未落札の残りの広告配置枠Aが複数ある場合には、上記差額相当の割引額を均等割りしてもよい。上述の例では、広告配置枠A21の落札価格が80円、上記損益分岐点が60円であり、その差額は20円となる。したがって、レイアウト仕様2′での広告配置枠A22での最低入札価格はもとの50円から20円引きの30円とされる。レイアウト仕様3′では、広告配置枠A32~A35の最低入札価格の割引額の合計が20円、すなわち各広告配置枠A32,A33,A34,A35それぞれの最低入札価格は、もとの12.5円からそれぞれ5円を割り引いた7.5円とされる。
【0106】
また、上記のように広告印刷領域に配置される一部の広告配置枠Aが損益分岐点を上回る価格で落札された場合に、広告印刷領域の残りの部分について最低入札価格を引き下げた広告配置枠Aとする手法に限られない。すなわち、有料にて入札を募集する広告配置枠Aとするのではなく、例えばサービス提供者側の自社広告領域として活用したり、広告領域にせずに単なる模様等、適宜のデザインスペース部分としてもよい。このような非営利部分とすることで、落札済の広告配置枠A以外の広告配置枠Aへの入札を待たず直ちにレイアウト仕様を成立させ、落札者を必要以上に待たせないようにすることができ、またレイアウト仕様の未成立による利益逸失が生じるのを確実に回避できる。
【0107】
また、上記は、一部の広告配置枠Aの落札価格の合計が、例えば印刷のためのインク費用等の1つの印刷物の作成費用、すなわち損益分岐点以上となった時に残りの広告配置枠Aの最低入札価格を動的に引き下げたが、これに限られない。逆に、レイアウト仕様における広告配置枠Aが現行設定の最低入札価格でなかなか落札されない場合等において、損益分岐点との大小に関係なく、例えば採算を度外視して、適宜に動的に最低入札価格をダンピングするようにしてもよい。
【0108】
(2)配信枠を時間枠として設定する場合
上記実施形態では、前述のように1つの印刷物が印刷されるときの印刷用紙の広告印刷領域において所定大きさを備えた広告配置枠Aが設定され、その面積の大小に応じて最低入札価格が設定されて入札募集が行われた。これに対して、本変形例では、プリンタ200に変わる適宜の報知機器において表示又は音声等により視覚的報知又は聴覚的報知が行われるときの時間区分枠が設定され、その時間的長短に応じて最低入札価格が設定されて入札募集が行われる。本変形例において、前述のS100の配信画像作成処理に相当する配信物作成処理において実行される、入札を再募集する処理の流れの一例を、上記実施形態の
図3(a)~(d)にそれぞれ対応する、
図8(a)~(d)により説明する。
【0109】
<レイアウト仕様T1>
図8(a)に示す例は、予め定められた所定時間長さの1つの広告用時間帯に対し1つの広告時間枠T11を設定したレイアウトにて入札を募集した場合の、レイアウト仕様T1を表している。この例では、広告時間枠T11に対する最低入札価格が100円と設定して入札募集が行われる。このレイアウト仕様T1での入札募集に対し、広告時間枠T11が100円以上の入札価格で落札された場合には、広告時間枠T11において、落札した広告主による上記配信物としての広告画像又は音声等が上記報知機器に対し送信され、当該報知機器において視覚的又は聴覚的報知が行われる。
【0110】
<レイアウト仕様T2>
上記
図8(a)に示した入札が成立しなかった場合、すなわち、入札が1件もなかった場合、若しくは、入札はあったがいずれの入札価格も100円未満であった場合、には、続いて、
図8(b)に示すレイアウト仕様T2での入札再募集が行われる。すなわち、レイアウト仕様T2では、上記広告用時間帯に対し、互いに同一時間長さである2つの広告時間枠T21,T22が設定される。広告時間枠T21,T22は、
図8(a)の広告時間枠T11を2等分した時間長さでこの順序で設定されており、それぞれが広告時間枠T11の1/2の時間長さである。この例では、広告時間枠T21,T22に対する最低入札価格は50円と設定して入札募集が行われる。
【0111】
レイアウト仕様T2の入札募集に対し、広告時間枠T21,T22のすべてが50円以上で落札された全枠落札状態になれば、広告時間枠T21,T22それぞれにおいて、落札した広告主による上記配信物としての広告画像又は音声等が上記報知機器に対し送信され、当該報知機器において視覚的又は聴覚的報知が行われる。
【0112】
<レイアウト仕様T3>
一方、レイアウト仕様T2の入札募集に対する上記全枠落札状態以外の場合には、続いて、
図8(c)に示すレイアウト仕様T3での入札再募集が行われる。全枠落札状態以外の場合とは、前述と同様、広告時間枠T21,T22のいずれにも入札がなかった場合、広告時間枠T21,T22の一方には入札はあったが他方には入札がなかった場合、広告時間枠T21,T22の両方に入札はあったが、いずれか一方の入札価格が50円未満であった場合、である。
【0113】
レイアウト仕様T3では、上記広告用時間帯に対し、前述の広告時間枠T21,T22と同一時間長さである1つの広告時間枠T31と、4つの広告時間枠T32,T33,T34,T35とが、この順序で設定される。広告時間枠T32,T33,T34,T35は、それぞれ、
図8(a)の広告時間枠T11を8等分した時間長さ、言い換えれば、
図8(b)の広告時間枠T21,T22を4等分した時間長さである。この例では、広告時間枠T31に対する最低入札価格は広告時間枠T21,T22と同じ50円と設定され、広告時間枠T32,T33,T34,T35に対する最低入札価格は12.5円と設定されて入札募集が行われる。
【0114】
レイアウト仕様T3の入札募集に対し、広告時間枠T31~T35のすべてが最低入札価格を満たす入札価格で落札された上記全枠落札状態であれば、広告時間枠T31~T35それぞれにおいて、落札した広告主による上記配信物としての広告画像又は音声等が上記報知機器に対し送信され、当該報知機器において視覚的又は聴覚的報知が行われる。
【0115】
なお、レイアウト仕様T3での広告時間枠T31は、前述のように、レイアウト仕様T2での広告時間枠T21,T22と同じ時間長さである。したがって、例えばレイアウト仕様T2での入札募集時に広告時間枠T21,T22の一方では最低入札価格以上の入札がなされた、すなわち複数の広告配置枠のうち一部の枠は落札条件を満たしていた場合には、上記視覚的又は聴覚的報知時において当該枠へ入札された広告主の広告画像又は音声等が流用されてもよい。
【0116】
<レイアウト仕様T4>
一方、レイアウト仕様T3の入札募集に対する上記全枠落札状態以外の場合には、続いて、
図8(d)に示すレイアウト仕様T4での入札再募集が行われる。全枠落札状態以外の場合とは、前述同様、広告時間枠T31~T35のいずれにも入札がなかった場合、広告時間枠T31~T35の一部には入札はあったが残りには入札がなかった場合、広告時間枠T31~T35のすべてに入札はあったが、少なくとも1つの入札価格が最低入札価格未満であった場合、である。
【0117】
レイアウト仕様T4では、上記広告用時間帯に対し、8つの広告時間枠T41,T42,T43,T44,T45,T46,T47,T48がこの順序で設定される。これら広告時間枠T41~T48は、それぞれ、
図8(a)の広告時間枠T11を8等分したサイズ、言い換えれば、
図8(b)の広告時間枠T21又は
図8(c)の広告時間枠T31を4等分したサイズである。この例では、広告時間枠T41~T48それぞれに対する最低入札価格は12.5円と設定されて入札募集が行われる。
【0118】
レイアウト仕様T4の入札募集に対し、広告時間枠T41~T48のすべてが最低入札価格を満たす入札価格で落札された上記全枠落札状態であれば、広告時間枠T41~T48それぞれにおいて、落札した広告主による上記配信物としての広告画像又は音声等が上記報知機器に対し送信され、当該報知機器において視覚的又は聴覚的報知が行われる。
【0119】
なお、レイアウト仕様T4での広告時間枠T41~T48は、前述のように、レイアウト仕様T3での広告時間枠T32~T35と同じ時間サイズすなわち同一時間長さである。したがって、上記同様、例えばレイアウト仕様T3での入札募集時に広告時間枠T32~T35のうち少なくとも一部の枠が落札条件を満たしている場合には、上記視覚的又は聴覚的報知時において当該枠へ入札された広告主の広告画像又は音声等が流用されてもよい。
【0120】
図8(a)~(d)に示す本変形例において、広告時間枠T11,T21,T22,T31~T35,T41~T48がそれぞれ配信枠の一例であり、広告時間枠T11,T21,T22,T31~T35,T41~T48それぞれの時間長さが枠サイズの一例である。また、レイアウト仕様T1,T2,T3,T4がそれぞれレイアウト情報の一例であり、各広告配置枠の最低入札価格が、当該広告配置枠に対する枠条件の一例である。また、上記報知機器が配信先機器の一例である。
【0121】
なお、上記実施形態と同様、各広告時間枠T11,T21,T22,T31~T35,T41~T48をそれぞれ備えた上記レイアウト仕様T1,T2,T3,T4は、例えば広告提供サーバ100の記憶部115に記憶されている。また、上述の再募集を順次実行するときの各レイアウト情報の順番の流れ、すなわち、レイアウト仕様T1→T2→T3→T4の順番で各レイアウト仕様Tの広告配置枠の入札募集を行うこと、は予め設定されおり、その設定内容も記憶部115に記憶されている。なおその際、例えば上記報知機器の仕様情報又は性能情報等が広告提供サーバ100において取得され、それらの情報に適したレイアウト仕様が選択されるようにしてもよい。
【0122】
(3)その他
例えば、以上において、前述の落札条件として、さらに、以下のうち少なくとも1つの条件を加えるようにしてもよい。
(i)各レイアウト仕様において、同一デザインの広告画像が複数含まれていないこと;
(ii)各レイアウト仕様ごとに、全ての広告画像の向きが揃えられていること;
この場合、広告提供サーバ100が、予め所定の向きとなっている広告のみを広告管理サーバ500から入手するようにしたり、あるいは、広告管理サーバから各広告の「向き」の情報を受信し広告提供サーバ100側で回転させて向きを揃えてもよい。
(iii)各レイアウト仕様において、同一宣伝対象品に係わる広告画像が複数含まれていないこと;
すなわち、同じ商品の広告を違う表現で宣言する場合があるが、表現が違っても同じ内容を指す広告であれば同じレイアウト仕様の中に含めないようにする。
(iv)各レイアウト仕様において、全ての広告画像が共通のユーザ向けの情報であること;
すなわち、異なるユーザ向けの広告画像を同じレイアウトの中に含めないようにする。
【0123】
また、以上においては、広告管理サーバ500によって管理され広告提供サーバ100へと配信される情報として、広告情報を例にとって説明したが、これに限られず、その他のサービスコンテンツであてもよい。サービスコンテンツの例としては、例えば漫画、小説の一部の画像でもよいし、動画、動画の一部のサムネイル画像等であってもよい。
【0124】
また、以上においては、広告提供サーバ100は単一の装置として説明がなされたが、複数の装置が連携して動作することにより、広告提供サーバ100としての機能を果たしてもよい。
また、以上においては、広告提供サーバ100においてレイアウト仕様の作成を行った例を示したが、これに限られず、広告管理サーバ500側でレイアウト仕様の作成を行ってもよい。この場合、例えば広告管理サーバ500で内部的に入札とその後の落札処理と落札結果に基づくレイアウト仕様の作成まで行い、その作成物を広告提供サーバ100に渡す構成となる。すなわち、入札を行う主体とレイアウト仕様を作成する主体とが同一であってもよい。
【0125】
また、以上において、
図2、
図6等に示すフローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0126】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0127】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0128】
1 情報配信システム
100 広告提供サーバ(配信提供サーバの一例)
110 制御部(コントローラの一例)
115 記憶部(メモリの一例)
140 通信部(通信インタフェースの一例)
200 プリンタ(配信先機器の一例)
300 端末装置
400 ユーザ管理サーバ
401 行動情報データベース
500 広告管理サーバ(配信管理サーバの一例)
A 広告配置枠(配信枠の一例)
A1 広告配置枠(配信枠の一例)
A11 広告配置枠(配信枠の一例)
A21 広告配置枠(配信枠の一例)
A22 広告配置枠(配信枠の一例)
A31~A35 広告配置枠(配信枠の一例)
A41~A48 広告配置枠(配信枠の一例)
A51 広告配置枠(配信枠の一例)
A61,A62 広告配置枠(配信枠の一例)
A71,A72 広告配置枠(配信枠の一例)
A81 広告配置枠(配信枠の一例)
A82,A83 広告配置枠(配信枠の一例)
A91 広告配置枠(配信枠の一例)
A101~A103 広告配置枠(配信枠の一例)
A111,A112 広告配置枠(配信枠の一例)
A121~A125 広告配置枠(配信枠の一例)
T11 広告時間枠(配信枠の一例)
T21,T22 広告時間枠(配信枠の一例)
T31~T35 広告時間枠(配信枠の一例)
T41~T48 広告時間枠(配信枠の一例)