(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180121
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】契約書修正システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20241219BHJP
G06F 40/253 20200101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/18
G06F40/253
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099585
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 政人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】 契約書をチェックすると共にユーザの契約書に即した修正文章を提案し、契約書の修正を容易に行うことができる契約書修正システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 契約書サーバ1が、ユーザ端末2から入力された契約書データについて契約書チェックサーバ4に契約内容のチェックを行わせ、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末2に表示出力し、その問題箇所の文章について修正の要求がユーザ端末2から入力されると、その問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式にアレンジするよう文章生成用AIサーバ5に文章生成させてAI修正文を取得し、当該AI修正文について契約内容のチェックを契約書チェックサーバ4に行わせて修正契約書データを取得する契約書修正システム及びプログラムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
契約書データをチェックして修正を行う契約書サーバを備える契約書修正システムであって、
前記契約書サーバは、ユーザ端末から入力された契約書データについて契約内容のチェックを行い、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由を前記ユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対する修正案の要求が前記ユーザ端末から入力されると、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、前記抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行って得られた修正契約書データを前記ユーザ端末に表示出力することを特徴とする契約書修正システム。
【請求項2】
前記契約書サーバは、生成した契約書データについて契約内容のチェックを行った結果、契約内容で問題箇所があれば、当該問題箇所の文章を抽出して問題の理由を前記ユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、前記抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行うことを繰り返して得られた修正契約書データを生成して前記ユーザ端末に表示出力することを特徴とする請求項1記載の契約書修正システム。
【請求項3】
前記契約書サーバは、契約内容のチェックをルールベースAIの契約書チェックサーバに行わせることを特徴とする請求項1又は2記載の契約書修正システム。
【請求項4】
前記契約書サーバは、問題個所の文書の生成を、文章生成用AIサーバに行わせることを特徴とする請求項1又は2記載の契約書修正システム。
【請求項5】
契約書データをチェックして修正を行う契約書サーバで動作する処理プログラムであって、
前記契約書サーバを、ユーザ端末から入力された契約書データについて契約内容のチェックを行い、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由を前記ユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対する修正案の要求が前記ユーザ端末から入力されると、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、前記抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行って得られた修正契約書データを前記ユーザ端末に表示出力するよう機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
前記契約書サーバを、生成した契約書データについて契約内容のチェックを行った結果、契約内容で問題箇所があれば、当該問題箇所の文章を抽出して問題の理由を前記ユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、前記抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行うことを繰り返して得られた修正契約書データを生成して前記ユーザ端末に表示出力するよう機能させることを特徴とする請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
前記契約書サーバを、契約内容のチェックをルールベースAIの契約書チェックサーバに行わせるよう機能させることを特徴とする請求項5又は6記載のプログラム。
【請求項8】
前記契約書サーバを、問題個所の文書の生成を、文章生成用AIサーバに行わせるよう機能させることを特徴とする請求項5又は6記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約書を修正する契約書修正システムに係り、特に、契約書における問題箇所を指摘して適正な契約書に修正する契約書修正システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、契約書について、問題箇所を指摘する契約書チェックのプログラムがある。
従来の契約書チェックのプログラムは、ルールベースにより契約書における問題の箇所を指摘するもので、問題箇所に対する修正の文章は、一般的なサンプル文章である。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2000-172682号公報「ルールベースのドキュメントを作成する方法およびシステム」(特許文献1)、特開2022-169992号公報「情報処理装置、情報処理方法、端末プログラム、サーバプログラム及び契約書修正支援システム」(特許文献2)、特許第6290459号公報「契約書管理システム、契約書管理方法、および契約書管理プログラム」(特許文献3)、特許第7164888号公報「契約書チェック装置及びプログラム」(特許文献4)、特許第7169421号公報「電子契約書作成支援システム、方法、およびプログラム」(特許文献5)がある。
【0004】
特許文献1には、ルールベースの文書を解析することによってルール要素の集合を選択し、更に非法令ベースのテキストが付加される文書作成が示されている。
特許文献2には、契約書を修正した場合に、その修正データを正解データとして学習モデルに学習させ、修正精度を向上させることが示されている。
【0005】
特許文献3には、契約相手に応じて契約書の重要箇所を認識し、認識した重要箇所の注目度を変更することが示されている。
特許文献4には、契約書データに不足文言を抽出し、契約書データの紙面レイアウトとは別の領域に不足文言を表示することが示されている。
【0006】
特許文献3には、契約の当事者が接続するシステムで、契約内容の問題がなくなるまで当事者間の修正依頼を繰り返し、問題がなくなると契約書の承認を電子署名で行うことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-172682号公報
【特許文献2】特開2022-169992号公報
【特許文献3】特許第6290459号公報
【特許文献4】特許第7164888号公報
【特許文献5】特許第7169421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の契約書チェックのプログラムでは、問題の箇所を指摘はするものの、提示される契約書の修正文章は一般的なサンプル文章であるため、ユーザの実際の契約書に即した修正を容易に行うことができないという問題点があった。
【0009】
尚、特許文献1~5には、契約書をチェックすると共にユーザの契約書に即した修正文章を提案し、契約書の修正を容易に行う構成についての記載がない。
【0010】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、契約書をチェックすると共にユーザの契約書に即した修正文章を提案し、契約書の修正を容易に行うことができる契約書修正システム及びプログラムを提出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、契約書データをチェックして修正を行う契約書サーバを備える契約書修正システムであって、契約書サーバが、ユーザ端末から入力された契約書データについて契約内容のチェックを行い、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対する修正案の要求がユーザ端末から入力されると、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行って得られた修正契約書データをユーザ端末に表示出力することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記契約書修正システムにおいて、契約書サーバが、生成した契約書データについて契約内容のチェックを行った結果、契約内容で問題箇所があれば、当該問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行うことを繰り返して得られた修正契約書データを生成してユーザ端末に表示出力することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記契約書修正システムにおいて、契約書サーバが、契約内容のチェックをルールベースAIの契約書チェックサーバに行わせることを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記契約書修正システムにおいて、契約書サーバが、問題個所の文書の生成を、文章生成用AIサーバに行わせることを特徴とする。
【0015】
本発明は、契約書データをチェックして修正を行う契約書サーバで動作する処理プログラムであって、契約書サーバを、ユーザ端末から入力された契約書データについて契約内容のチェックを行い、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対する修正案の要求がユーザ端末から入力されると、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行って得られた修正契約書データをユーザ端末に表示出力するよう機能させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記プログラムにおいて、契約書サーバを、生成した契約書データについて契約内容のチェックを行った結果、契約内容で問題箇所があれば、当該問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行うことを繰り返して得られた修正契約書データを生成してユーザ端末に表示出力するよう機能させることを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記プログラムにおいて、契約書サーバを、契約内容のチェックをルールベースAIの契約書チェックサーバに行わせるよう機能させることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記プログラムにおいて、契約書サーバを、問題個所の文書の生成を、文章生成用AIサーバに行わせるよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、契約書サーバが、ユーザ端末から入力された契約書データについて契約内容のチェックを行い、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末に表示出力し、当該問題箇所の文章に対する修正案の要求がユーザ端末から入力されると、当該問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式に適合するよう修正した文章を生成し、当該生成した契約書データについて契約内容のチェックを行って得られた修正契約書データをユーザ端末に表示出力する契約書修正システム及びプログラムとしているので、契約書をチェックすると共にユーザの契約書に即した修正文章を提案し、契約書の修正を容易に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】本システムにおける前半の処理を示すフロー図である。
【
図3】本システムにおける後半の処理を示すフロー図である。
【
図6】修正後契約書の全体表示画面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る契約書修正システム(本システム)は、契約書サーバが、ユーザ端末から入力された契約書データについて契約内容のチェックを行わせ、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末に表示出力し、その問題箇所の文章に対する修正の要求がユーザ端末から入力されると、その問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、当該定型の修正例を参考に抽出した問題箇所の文章を書き直すよう文章生成を行い、当該生成した文章を組み込んで修正された契約書データについて契約内容のチェックを再度行って得られた修正契約書データをユーザ端末に表示出力するものであり、契約書をチェックすると共にユーザの契約書に即した修正文章を提案し、契約書の修正を容易に行うことができるものである。
【0022】
[本システム:
図1]
本システムについて
図1を参照しながら説明する。
図1は、本システムの構成概略図である。
本システムは、
図1に示すように、契約書修正サーバ1と、ユーザ端末2とがネットワーク3で接続され、更に、契約書チェックサーバ4と、文章生成用AI(Artificial Intelligence:人工知能)サーバ5とがネットワーク3に接続されている。
【0023】
[契約書修正サーバ1]
契約書修正サーバ1は、ユーザ端末2から入力(アップロード)された契約書データの修正を行うもので、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを備えている。
契約書修正サーバ1は、記憶部12に記憶された処理プログラムを制御部11で実行することで、契約書データの修正処理を実現している。
【0024】
記憶部12には、処理プログラムの他にユーザ端末2から入力された契約書データ、その他の処理を実行するのに必要なデータ、パラメータ等を記憶している。
インタフェース部13は、契約書修正サーバ1をネットワーク3に接続するためのインタフェースである。
【0025】
契約書修正サーバ1は、ユーザ端末2からアップロード(入力)された契約書データについて、契約書チェックサーバ4に契約書のチェックを行わせ、条文に問題があれば、そのチェック結果を利用して文章生成用AIサーバ5に契約書データの修正を行わせ、更に修正された契約書データを契約書チェックサーバ4でチェックして、問題があれば、再度、文章生成用AIサーバ5に契約書データの修正を行わせて、問題がなくなるまで契約書のチェックの処理と契約書の修正の処理を繰り返し、契約書データの修正を完了するものである。
契約書修正サーバ1における具体的な処理は後述する。
【0026】
[ユーザ端末2]
ユーザ端末2は、契約書の修正を希望するユーザが使用する情報処理装置であり、ネットワーク3に接続可能なパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等が想定される。
【0027】
ユーザ端末2は、ネットワーク3を介して契約書修正サーバ1にアクセスし、修正を希望する契約書データを契約書修正サーバ1にアップロードし、契約書データのチェックと修正を受けて、その結果が表示部の表示画面に表示される。
【0028】
[ネットワーク3]
ネットワーク3は、インターネットを想定しており、接続する装置間のデータの送受信は暗号化されている。
【0029】
[契約書チェックサーバ4]
契約書チェックサーバ4は、契約書データのチェック処理を行うもので、例えば、ルールベース型のAIを用いたシステムであり、そのAIによって契約書データの条文の構文及び内容をチェックし、問題箇所の条文(文章)を抽出して指摘し、問題の理由をコメントするチェック結果のデータを提供する。チェック結果のデータとは、問題個所の抽出条文と問題理由のコメントのデータとなる。
【0030】
また、契約書チェックサーバ4は、契約書の問題個所の文章について修正例のデータも定型文で記憶しており、要求に応じて定型文の修正例データを提供する。
この定型文の修正例は、弁護士によって作成されたもので、法的な信頼性が確保されている。
【0031】
契約書修正サーバ1は、ユーザ端末2からの契約書データを契約書チェックサーバ4に送信して契約書の内容チェックを行わせ、契約書チェックサーバ4からチェック結果の問題個所の条文(文章)、問題理由のコメントと、ユーザ端末2からの指示により定型文の修正例データを取得する。
【0032】
また、契約書チェックサーバ4は、契約書修正サーバ1から、文章生成用AIサーバ5によって修正された契約書データが入力されると、当該修正された契約書データの修正内容について更にチェックし、問題個所を指摘する。
契約書チェックサーバ4での契約書チェック処理(第1の処理)を行い、次に、文章生成用AIサーバ5による契約書の修正処理(第2の処理)を行い、この第1の処理と第2の処理は、チェック処理において問題個所がなくなるまで、契約書修正サーバ1を介して繰り返される。
尚、契約書修正サーバ1が、契約書チェックサーバ4の機能を備えるようにしてもよい。
【0033】
[文章生成用AIサーバ5]
文章生成用AIサーバ5は、契約書修正サーバ1から入力された契約書の文章データを参考とする文章に従って生成指示に基づいて文章(AI修正文)を生成し、生成した文章データを契約書修正サーバ1に出力する。
【0034】
具体的には、契約書チェックサーバ4のチェックにより契約書データについて指摘された問題箇所の文章を定型の修正例を参考(見本)にして修正例の形式にアレンジ(調整/適合)する指示を契約書修正サーバ1から文章生成用AIサーバ5に出力すると、問題箇所の文章を修正例の文章構造に従って、チェック対象の契約書データの用語を使用した内容に修正して契約書修正サーバ1に返信する。チェック結果によって契約書データの用語が適正ではない場合は、当該用語は変更される。
尚、契約書修正サーバ1が、文章生成用AIサーバ5の機能を備えるようにしてもよい。
【0035】
[本システムの処理:
図2,3]
次に、本システムにおける処理について
図2,3を参照しながら説明する。
図2は、本システムにおける前半の処理を示すフロー図であり、
図3は、本システムにおける後半の処理を示すフロー図である。尚、
図2の(A)と
図3(A)は処理が連続している。
本システムは、
図2に示すように、ユーザ端末2から契約書データが契約書修正サーバ1にアップロードされる(S1)と、契約書修正サーバ1が、契約書チェックサーバ4に契約書内容のチェックを行わせ(S2)、契約書チェックサーバ4からチェック結果を取得する(S3)。
【0036】
次に、契約書修正サーバ1は、契約書のチェック結果に問題があるか否か判定し(S4)、問題がなければ(Noの場合)、処理を終了する。
チェック結果に問題があれば(Yesの場合)、契約書修正サーバ1は、抽出された問題個所の文章と問題の理由をユーザ端末2に表示出力する(S5)。
【0037】
次に、ユーザ端末2から「修正例表示」が選択される(S6)と、契約書修正サーバ1は、契約書チェックサーバ4から定型文の修正例を取得する(S7)。
そして、契約書修正サーバ1が文章生成用AIサーバ5に契約書データの修正を依頼する(S8)。
【0038】
修正の依頼内容は、問題個所の契約書の文章(修正対象文章)について、取得した定型文の修正例を参考にして、修正対象文章を修正例の内容に適合させるようアレンジ(調整)する指示となる。この指示により、文章生成用AIサーバ5が問題個所の契約書の文章を修正し、修正された契約書データ(AI修正文)を契約書修正サーバ1が取得する(S9)。
【0039】
上記指示は、具体的には、例えば、取得した定型文の修正例の文章の構造に従って、修正対象文章の用語を使用して修正対象文章を書き直す文章生成をAIで行わせるものである。その指示によって、当該AIによる文章生成が、修正対象文章の用語を用いて修正対象文章を修正例の内容に従うようアレンジ(調整)される。つまり、ユーザの契約書データに即した修正が為されるものである。
【0040】
次に、契約書修正サーバ1は、
図3に示すように、この修正された契約書データ(AI修正文)を再度、契約書チェックサーバ4にチェックを行わせ(S11)、チェック結果を得る(S12)。チェック結果で問題があるか否かを判定し(S13)、問題がなければ(Noの場合)、最後に修正された契約書データを最終修正契約書データとし(S14)、問題があれば(Yesの場合)、契約書チェックサーバ4から定型文の修正例を取得し(S15)、再度、文章生成用AIサーバ5に修正の指示を行う(S16)。
【0041】
ここで、取得した定型文の修正例が処理S7で取得した修正文と同じであっても構わない。再度取得した定型文の修正例を参考にAI修正文の書き直し(文章生成)を文章生成用AIサーバ5に行わせる。
そして、契約書修正サーバ1は、文章生成用AIサーバ5から修正された契約書データを取得し(S17)、更に処理S11に戻り処理を繰り返す。これにより、最終的には、問題のない修正契約書データが得られる。
【0042】
[画面例:
図4~6]
[契約書チェック画面:
図4]
次に、ユーザ端末2における契約書チェックの表示画面について
図4を参照しながら説明する。
図4は、契約書チェック画面の概略図である。
ユーザ端末2から契約書修正サーバ1に修正を希望する契約書データがアップロードされると、契約書修正サーバ1は、契約書チェックサーバ4に契約書データのチェックを依頼し、契約書チェックサーバ4からのチェック結果を取得してユーザ端末2に表示させる。
【0043】
図4に示すように、契約書データについて条文毎にチェックが行われ、問題箇所の条文を左側に表示し、問題の判定理由を右側に表示する。
判定理由の下側に、「修正例をAIで表示する」のボタンが設けられており、その修正例表示のボタンをユーザがクリック(選択)すると、契約書修正サーバ1は、契約書チェックサーバ4から定型の修正例の条文を取得し、その修正例の条文を参考に問題個所の条文について文章生成用AIサーバ5に文章生成(文章修正)を依頼する。
【0044】
[AI修正文表示画面:
図5]
次に、AI修正された契約書の条文の例(AI修正文)について
図5を参照しながら説明する。
図5は、AI修正文の表示画面の概略図である。
図4で、修正例表示のボタンがクリックされると、文章生成用AIサーバ5によってAI修正された修正文(AI修正文)が、条文の右側に表示される。
【0045】
このAI修正文は、左側の条文を定型の修正例を参考に文章を生成したものである。具体的には、定型の修正例を基に左側の条文の用語を適用しつつ問題箇所が適正となるよう条文を生成したのがAI修正文となる。
図5の右上に「修正文をコピー」のボタンがあり、これをクリックすると、修正文をコピーして利用可能となる。
【0046】
生成されたAI修正文は、契約書修正サーバ1によって契約書チェックサーバ4に出力され、更にAI修正文について契約内容のチェックが為される。そのチェック結果は、契約書修正サーバ1に入力され、問題箇所がなくなれば、当該AI修正文が最終の修正文となる。
問題箇所が残っていれば、契約書修正サーバ1は、自動で定型の修正例を取得して、文章生成用AIサーバ5に上記と同様に再度AI修正文を生成する。
【0047】
[修正後契約書の全体表示画面:
図6]
次に、AI修正後の修正契約書の表示について
図6を参照しながら説明する。
図6は、修正後契約書の全体表示画面の概略図である。
契約書修正サーバ1で問題個所がなくなったと判定すると、修正後の契約書の表示を行う。
図6は、ユーザ端末2に表示される画面で、修正後の契約書の全体がスクロール又はページめくりの方式で表示される。
【0048】
図6の表示画面では、修正箇所について色を変えて表示し、修正箇所が容易に認識できるようになっている。
また、右上に「修正版をダウンロード」のボタンを設け、そのボタンをクリック(選択)すると、修正契約書を特定の文書形式でユーザ端末2にダウンロードできる。
【0049】
本システムでは、契約書の修正度合(修正の温度感)を設定できるようになっている。
具体的は、契約書の修正について、「自社に有利に修正」、「必要最低限のみ修正」、「リスク検知のみ」を選択して、修正レベルを設定できる。
また、修正度合を設定するには、契約書における甲又は乙のいずれかを選択する。
【0050】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、契約書サーバ1が、ユーザ端末2から入力された契約書データについて契約書チェックサーバ4に契約内容のチェックを行わせ、当該契約内容で問題箇所の文章を抽出して問題の理由をユーザ端末2に表示出力し、その問題箇所の文章について修正の要求がユーザ端末2から入力されると、その問題箇所の文章に対応する定型の修正例を取得し、抽出した問題箇所の文章を当該修正例の形式にアレンジするよう文章生成用AIサーバ5に文章生成させてAI修正文を取得し、当該AI修正文について契約内容のチェックを契約書チェックサーバ4に行わせて修正契約書データを取得するものであり、契約書をチェックすると共にユーザの契約書に即した修正文章を提案し、契約書の修正を容易に行うことができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、契約書をチェックすると共にユーザの契約書に即した修正文章を提案し、契約書の修正を容易に行うことができる契約書修正システム及びプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0052】
1…契約書修正サーバ、 2…ユーザ端末、 3…ネットワーク、 4…契約書チェックサーバ、 5…文章生成用AIサーバ、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部