(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180131
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】多剤式毛髪化粧料及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20241219BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/02
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099602
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】杉山 比奈子
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 祐希
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC072
4C083AC182
4C083AC352
4C083AC692
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD352
4C083BB06
4C083CC33
4C083DD06
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】毛髪のまとまりを得ながらも、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好にすることができる多剤式毛髪化粧料及びその使用方法を提供する。
【解決手段】本多剤式毛髪化粧料は、複数の異なる毛髪化粧料から構成された多剤式毛髪化粧料であって、毛髪化粧料として、式(1)で表される繰返単位を有する重合体(但し、前記式(1)中のnは、2又は3である)を含んだPAG含有化粧料を少なくとも1種備えることを特徴とする。本多剤式毛髪化粧料の使用方法は、前述の多剤式毛髪化粧料の使用方法であって、毛髪に対してPAG含有化粧料を適用する第1工程と、第1工程後に、毛髪に対してカチオン性成分含有化粧料を適用する第2工程と、を備えることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる毛髪化粧料から構成された多剤式毛髪化粧料であって、
前記毛髪化粧料として、下記式(1)で表される繰返単位を有する重合体を含んだPAG含有化粧料を少なくとも1種備えることを特徴とする多剤式毛髪化粧料。
【化1】
但し、前記式(1)中のnは、2又は3である。
【請求項2】
前記重合体が、ポリエチレングリコールである請求項1に記載の多剤式毛髪化粧料。
【請求項3】
前記PAG含有化粧料以外の毛髪化粧料として、カチオン性成分を含んだカチオン性成分含有化粧料を備える請求項1に記載の多剤式毛髪化粧料。
【請求項4】
前記カチオン性成分が、アミノ変性シリコーン、カチオン性界面活性剤からなる群から選択される請求項3に記載の多剤式毛髪化粧料。
【請求項5】
前記カチオン性成分含有化粧料は、前記PAG含有化粧料を適用した毛髪に対して適用するための毛髪化粧料である請求項3に記載の多剤式毛髪化粧料。
【請求項6】
前記重合体における前記繰返単位の重合度が、5000以上である請求項1に記載の多剤式毛髪化粧料。
【請求項7】
前記PAG含有化粧料は、重合度の異なる2種以上の前記重合体を含む請求項1に記載の多剤式毛髪化粧料。
【請求項8】
請求項1に記載の多剤式毛髪化粧料の使用方法であって、
毛髪に対して前記PAG含有化粧料を適用する第1工程と、
前記第1工程後に、前記毛髪に対して前記カチオン性成分含有化粧料を適用する第2工程と、を備えることを特徴とする多剤式毛髪化粧料の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多剤式毛髪化粧料及びその使用方法に関する。更に詳しくは、ポリアルキレングリコール構造を有する重合体を含んだ毛髪化粧料を備える多剤式毛髪化粧料及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、毛髪に対するより高度なダメージケアへの要求が増している。毛髪ダメージは、例えば、洗髪によるダメージ、整髪によるダメージ、ヘアドライヤーによるダメージ、紫外線に曝されることによるダメージ、毛髪に対する脱色、染毛、脱染等の処理による化学処理によるダメージなど多岐にわたる。このようなダメージを受ける頻度は、昨今、増加傾向にあり、この傾向に伴いダメージケアに対する要求も高まっている。このように高度なトリートメント作用の発揮を目的として利用される多剤式毛髪化粧料に関する技術は、下記特許文献1に開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、毛先の纏まりと毛髪の保湿感を良好にできる多剤式毛髪処理剤の提供(特許文献1[0006])を目的として、高級アルコール(I)、カチオン界面活性剤(I)及びアミノ変性シリコーンが配合されたpH4.0以上6.5以下のクリーム状第1剤と、高級アルコール(II)、カチオン界面活性剤(II)及び高重合メチルポリシロキサンが配合されたpH4.0以上6.5以下のクリーム状第2剤とを備え、前記第1剤の塗布後に前記第2剤を塗布して使用されることを特徴とする多剤式毛髪処理剤(特許文献1[請求項1])を開示している。
【0005】
上記特許文献1に記載される通り、カチオン性成分を含んだ剤を用いることによって、毛髪のまとまりを向上させることができることが知られている。その一方で、カチオン性成分の配合は、毛髪に対して意図しないハリ感を生じてしまうことが分かってきた。また、カチオン性成分の配合は、洗い流し時の感触として吸着感が強く生じてしまうという問題があることも分かってきた。即ち、毛髪のまとまりを得ながらも、やわらかな仕上がりが求められる場合、意図しないハリ感は、要求と異なる結果となってしまう。また、洗い流し時の感触は、施術を行う者が利用する感覚を阻害する可能性があるという問題がある。即ち、施術者は洗い流し時の手の感触を頼りに多剤式毛髪化粧料による最終結果を予測しながら施術を進めるが、その際の感触が狂うと、仕上がり結果も意図した結果と異なってしまうという問題がある。このような観点から、洗い流し時の感触として、べたつき感や、吸着感を過度に強く生じない感触が求められるという実情がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、毛髪のまとまりを得ながらも、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好にすることができる多剤式毛髪化粧料及びその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明には、以下が含まれる。
[1]複数の異なる毛髪化粧料から構成された多剤式毛髪化粧料であって、
前記毛髪化粧料として、下記式(1)で表される繰返単位を有する重合体を含んだPAG含有化粧料を少なくとも1種備えることを特徴とする多剤式毛髪化粧料。
【化1】
但し、前記式(1)中のnは、2又は3である。
[2]前記重合体が、ポリエチレングリコールである上記[1]に記載の多剤式毛髪化粧料。
[3]前記PAG含有化粧料以外の毛髪化粧料として、カチオン性成分を含んだカチオン性成分含有化粧料を備える上記[1]又は上記[2]に記載の多剤式毛髪化粧料。
[4]前記カチオン性成分が、アミノ変性シリコーン、カチオン性界面活性剤からなる群から選択される上記[3]に記載の多剤式毛髪化粧料。
[5]前記カチオン性成分含有化粧料は、前記PAG含有化粧料を適用した毛髪に対して適用するための毛髪化粧料である上記[3]又は上記[4]に記載の多剤式毛髪化粧料。
[6]前記重合体における前記繰返単位の重合度が、5000以上である上記[1]乃至上記[5]のうちのいずれかに記載の多剤式毛髪化粧料。
[7]前記PAG含有化粧料は、重合度の異なる2種以上の前記重合体を含む上記[1]乃至上記[6]のうちのいずれかに記載の多剤式毛髪化粧料。
[8]上記[1]乃至上記[7]のうちのいずれかに記載の多剤式毛髪化粧料の使用方法であって、
毛髪に対して前記PAG含有化粧料を適用する第1工程と、
前記第1工程後に、前記毛髪に対して前記カチオン性成分含有化粧料を適用する第2工程と、を備えることを特徴とする多剤式毛髪化粧料の使用方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の多剤式毛髪化粧料によれば、毛髪のまとまりを得ながらも、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好にすることができる。
本発明の多剤式毛髪化粧料の使用方法によれば、毛髪のまとまりを得ながらも、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について具体的な実施形態に基づき説明する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態はあくまでも説明のために便宜的に示す例示に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらに限定されるものではなく、目的、用途に応じて本発明を種々変更することができる。また、本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
【0010】
また、本明細書では、別途に明記しない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。「~」で結ばれた数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。数値範囲について複数の上限値及び/又は複数の下限値を示す場合、明示しない場合であっても少なくとも上限規定の最大値と下限規定の最小値とを組み合わせた数値範囲の規定が直接的に記載されているものとし、更に当該上限値のうち任意の上限値と当該下限値のうち任意の下限値とを組み合わせて得られる全ての数値範囲が本発明の実施形態に含まれるものとする。
更に、一部の化合物の名称に関して、日本化粧品工業連合会成分表示名称リストに準じた名称、又は、INCI(INCI:International Nomenclature of Cosmetic Ingredient:化粧品原料国際命名法)に準じた名称を用いる。
また、一部の化合物の名称に関して、ポリオキシアルキレン鎖について、ポリオキシエチレン鎖を「POE」、ポリオキシプロピレン鎖を「POP」と略記する場合がある。また、これらの略記に続くカッコ内の数字は、各々付加モル数を表す。更に、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を表す。
【0011】
[1]多剤式毛髪化粧料
本発明の多剤式毛髪化粧料は、複数の異なる毛髪化粧料から構成された多剤式毛髪化粧料であって、毛髪化粧料として、式(1)で表される繰返単位を有する重合体を含んだPAG含有化粧料を少なくとも1種備えることを特徴とする。
【0012】
多剤式毛髪化粧料は、2剤以上から構成されればよく、何剤から構成されてもよい。例えば、3剤以上とすることができる。一方、構成剤数の上限は限定されず、例えば、10剤以下とすることができ、9剤以下とすることができ、8剤以下とすることができ、7剤以下とすることができ、6剤以下とすることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、2~10剤とすることができ、2~9剤とすることができ、2~8剤とすることができる。また、このうち、PAG含有化粧料は、1剤を備えればよいが、例えば、2剤以上を備えることができる。
【0013】
(1)PAG含有化粧料
PAG含有化粧料は、式(1)で表される繰返単位を有する重合体を含む。
【化2】
但し、前記式(1)中のnは、2又は3である。
【0014】
式(1)で表される繰返単位を有する重合体(以下、「PAG構造含有重合体」ともいう)は、繰返単位として「-C2H4-O-」及び/又は「-C3H6-O-」を含んだ重合体である。具体的には、〈1〉ポリエチレングリコール(実質的に「-C2H4-O-」のみを繰返単位として含んだ重合体)、〈2〉ポリプロピレングリコール(実質的に「-C3H6-O-」のみを繰返単位として含んだ重合体)、〈3〉ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体(「-C2H4-O-」と「-C3H6-O-」との両方のユニットを繰返単位として含んだ重合体、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい)、〈4〉ポリエチレングリコール構造とポリプロピレングリコール構造とを含んだエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明の多剤式毛髪化粧料が、PAG構造含有重合体を含んだ毛髪化粧料(PAG含有化粧料)を備えることにより、毛髪のまとまりを得ながらも、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好にすることができる。
【0015】
上記〈1〉ポリエチレングリコール(以下、単に「PEG」ともいう)は、下記式(2)で表すことができる。式(2)中の「m1」は重合度(平均重合度)を表す。
HO(CH2CH2O)m1H ・・・(2)
上記〈2〉ポリプロピレングリコール(以下、単に「PPG」ともいう)は、下記式(3)で表すことができる。式(3)中の「m2」は重合度(平均重合度)を表す。
HO(CH2CH2CH2O)m2H ・・・(3)
上記〈3〉ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体(以下、単に「PEG-PPG共重合体」ともいう)は、下記式(4)で表すことができる。式(4)中の「m3」及び「m4」は各繰返単位の重合度(平均重合度)を表し、「m3+m4」はPEG-PPG共重合体全体の重合度(平均重合度)を表す。
HO(CH2CH2O)m3(CH2CH2CH2O)m4H ・・・(4)
【0016】
上記〈4〉ポリエチレングリコール構造とポリプロピレングリコール構造とを含んだエーテル(以下、単に「PEG-PPGエーテル」ともいう)は、例えば、下記式(5)で表すことができる。式(5)中の「m6」及び「m7」は各繰返単位の重合度(平均重合度)を表し、「m6+m7」はPEG-PPGエーテル全体の重合度(平均重合度)を表し、「X」はメチレン基の数を表し、Xは1、2又は3である。
HO(C2H4O)m6[CH2CH(CH3)O]m7(CH2)XCH3 ・・・(5)
このようなPEG-PPGエーテルとしては、PPG-3グリセリル、PPG-6グリセリル、PPG-9グリセリル、PPG-16グリセリルエーテル、PPG-67グリセリル、PPG-2ブテス-2、PPG-5ブテス-5、PPG-7ブテス-10、PPG-12ブテス-12、PPG-12ブテス-16、PPG-15ブテス-20、PPG-20ブテス-30、PPG-26ブテス-26、PPG-28ブテス-35、PPG-30ブテス-30、PPG-33ブテス-45等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0017】
上記各種のPAG構造含有重合体(〈1〉PEG、〈2〉PPG、〈3〉PEG-PPG共重合体、〈4〉PEG-PPGエーテル)のなかでも、本発明では、毛髪のまとまりを得ながらも、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好にするという各効果の並立の観点からは、PEG、PPGが好ましく、とりわけ、PEGが好ましい。
【0018】
上記PAG構造含有重合体の重合度(〈1〉PEGの重合度(m1)、〈2〉PPGの重合度(m2)、〈3〉PEG-PPG共重合体の重合度(m3+m4)、〈4〉PEG-PPGエーテルの重合度(m6+m7))は各々限定されないが、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、4以上とすることが好ましい。更にこの下限は、例えば、50以上とすることができ、500以上とすることができ、5,000以上とすることができる。一方、その上限は、例えば、200,000以下とすることができ、170,000以下とすることができ、140,000以下とすることができ、120,000以下とすることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、4~200,000とすることができ、4~170,000とすることができ、4~140,000とすることができ、4~120,000とすることができ、50~200,000とすることができ、50~170,000とすることができ、50~140,000とすることができ、50~120,000とすることができ、500~200,000とすることができ、500~170,000とすることができ、500~140,000とすることができ、500~120,000とすることができ、5,000~200,000とすることができ、5,000~170,000とすることができ、5,000~140,000とすることができ、5,000~120,000とすることができる。
【0019】
また、PAG構造含有重合体は、重合度が異なる2種以上の重合体を含むことができる。例えば、重合度が異なる2種以上のPEGを含む場合、重合度が最も小さいPEGの重合度を「m11」とし、重合度が最も大きいPEGの重合度を「m12」とした場合に、その比(m12/m11)は限定されないが、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、1<m12/m11≦20,000とすることが好ましい。更にその下限は、2以上とすることができ、3以上とすることができ、4以上とすることができ、5以上とすることができ、6以上とすることができる。一方、その上限は、10,000以下とすることができ、5,000以下とすることができ、500以下とすることができ、100以下とすることができ、50以下とすることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、2~10,000とすることができ、3~5,000とすることができ、4~500とすることができ、5~100とすることができ、6~50とすることができる。
【0020】
これらの範囲は、重合度が異なる2種以上のPPGや、重合度が異なる2種以上のPEG-PPG共重合体や、重合度が異なる2種以上のPEG-PPGエーテルにおいても同様である。即ち、重合度が異なる2種以上のPPGを含む場合、重合度が最も小さいPPGの重合度を「m21」とし、重合度が最も大きいPPGの重合度を「m22」とした場合に、その比(m22/m21)は限定されないが、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、1<m22/m21≦20,000とすることが好ましい。同様に、重合度が異なる2種以上のPEG-PPG共重合体を含む場合、重合度が最も小さいPEG-PPG共重合体の重合度を「m51」とし、重合度が最も大きいPEG-PPG共重合体の重合度を「m52」とした場合に、その比(m52/m51)は限定されないが、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、1<m52/m51≦20,000とすることが好ましい。同様に、重合度が異なる2種以上のPEG-PPGエーテルを含む場合、重合度が最も小さいPEG-PPGエーテルの重合度を「m81」とし、重合度が最も大きいPEG-PPGエーテルの重合度を「m82」とした場合に、その比(m82/m81)は限定されないが、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、1<m82/m81≦20,000とすることが好ましい。
【0021】
また、重合度が異なる2種以上のPEGを含む場合、上述のm11は限定されず、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、前述の通り4以上とすることが好ましいが、その下限は、更に500以上が好ましく、2,500以上がより好ましく、5,000以上が更に好ましく、7,500以上が特に好ましい。一方、その上限は、50,000以下が好ましく、40,000以下がより好ましく、20,000以下が更に好ましく、15,000以下が特に好ましい。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、500~50,000が好ましく、1,000~40,000がより好ましく、3,000~20,000が更に好ましく、5,000~15,000が特に好ましい。
これらの範囲は、重合度が異なる2種以上のPPGを含む場合におけるm21、重合度が異なる2種以上のPEG-PPG共重合体を含む場合におけるm51、重合度が異なる2種以上のPEG-PPGエーテルを含む場合におけるm81においても同様である。
【0022】
また、重合度が異なる2種以上のPEGを含む場合、上述のm12は限定されず、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、前述の通り4以上とすることが好ましいが、その下限は、更に15,000以上が好ましく、40,000以上がより好ましく、60,000以上が更に好ましく、80,000以上が特に好ましい。一方、その上限は、250,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましく、170,000以下が更に好ましく、130,000以下が特に好ましい。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、15,000~250,000が好ましく、40,000~200,000がより好ましく、60,000~170,000が更に好ましく、80,000~130,000が特に好ましい。
これらの範囲は、重合度が異なる2種以上のPPGを含む場合におけるm22、重合度が異なる2種以上のPEG-PPG共重合体を含む場合におけるm52、重合度が異なる2種以上のPEG-PPGエーテルを含む場合におけるm82においても同様である。
【0023】
PAG含有化粧料に含まれるPAG構造含有重合体の量は限定されないが、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つ観点から、PAG含有化粧料全体を100質量%とした場合に、PAG構造含有重合体は0.01~20質量%とすることができる。その下限は、更に0.05質量%以上とすることができ、0.25質量%以上とすることができ、0.45質量%以上とすることができ、0.65質量%以上とすることができ、0.85質量%以上とすることができる。一方、その上限は、10質量%以下とすることができ、7質量%以下とすることができ、6質量%以下とすることができ、4質量%以下とすることができ、3質量%以下とすることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、0.05~10質量%とすることができ、0.25~7質量%とすることができ、0.45~6質量%とすることができ、0.65~4質量%とすることができ、0.85~3質量%とすることができる。
【0024】
また、前述のように、PAG含有化粧料が、重合度が異なる2種以上のPAG構造含有重合体を含む場合、重合度が最も小さいPAG構造含有重合体の含有量(PAG含有化粧料全体を100質量%とした場合の含有量)を「D1(質量%)」とし、それ以外のPAG構造含有重合体の含有量(PAG含有化粧料全体を100質量%とした場合の含有量)を「D2(質量%)」とすると、D1≧D2とすることができ、D1>D2とすることが好ましい。D1>D2である場合、その比(D1/D2)は限定されないが、下限は、5以上とすることができ、10以上とすることができ、20以上とすることができ、25以上とすることができる。一方、その上限は、100以下とすることができ、90以下とすることができ、80以下とすることができ、70以下とすることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、5~100とすることができ、10~90とすることができ、20~80とすることができ、25~70とすることができる。
【0025】
更に、上記D1の範囲は限定されないが、その下限は、0.01質量%以上とすることができ、0.05質量%以上とすることができ、0.1質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることができる。一方、その上限は、10質量%以下とすることができ、7.5質量%以下とすることができ、5質量%以下とすることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、0.01~10質量%とすることができ、0.05~7.5とすることができ、0.1~7.5とすることができ、0.5~5とすることができる。
また、上記D2の範囲は限定されないが、その下限は、0.001質量%以上とすることができ、0.005質量%以上とすることができ、0.01質量%以上とすることができる。一方、その上限は、0.2質量%以下とすることができ、0.1質量%以下とすることができ、0.05質量%以下とすることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、0.001~0.2質量%とすることができ、0.005~0.1とすることができ、0.01~0.05とすることができる。
【0026】
(2)カチオン性成分含有化粧料
本多剤式毛髪化粧料は、これを構成する毛髪化粧料として、前述したPAG含有化粧料以外に他の毛髪化粧料を含む。他の毛髪化粧料は、どのような毛髪化粧料であってもよいが、特にカチオン性成分を含んだカチオン性成分含有化粧料を挙げることができる。即ち、カチオン性成分含有化粧料は、PAG含有化粧料を適用した毛髪に対して適用するための毛髪化粧料ということができる。
【0027】
他の毛髪化粧料として、カチオン性成分含有化粧料を備える場合には、前述の通り、毛髪のまとまりを向上させることができる。とりわけ、毛先のまとまりを向上させることができる。このようにカチオン性成分含有化粧料の存在により毛髪に対して好適な作用を及ぼすことができるが、その一方で、カチオン性成分含有化粧料の存在により、意図しないハリ感を生じることや、洗い流し時の感触が低下する場合がある。これに対して、PAG含有化粧料と、カチオン性成分含有化粧料と、を併用した場合には、カチオン性成分含有化粧料の使用によるデメリットを抑制し、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つことができる。
【0028】
カチオン性成分としては、天然由来のカチオン性成分、合成由来(化学合成物に由来する)のカチオン性成分等が挙げられる。
上記のうち、天然由来のカチオン性成分は、天然由来の高分子、即ち、セルロース、デンプン、グアガム等をカチオン化した成分である。天然由来のカチオン性成分としては、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化グアガム、カチオン化キトサン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、上述のうち、カチオン化セルロース又はこれをベースとするカチオン性成分としては、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-67等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0029】
上記のうち、合成由来のカチオン性成分は、化学合成された高分子をカチオン化した成分、カチオン化された単量体を用いた重合体(単独重合体、共重合体を含む)等が含まれる(即ち、カチオン化ポリマー、カチオン化重合体)。尚、カチオン化とは、例えば、4級アンモニウム基等のカチオン性基を導入することにより行うことができる。
【0030】
合成由来のカチオン性成分としては、各種重合体(単独重合体、共重合体を含む)の4級アンモニウム塩や、重合性4級アンモニウム塩を単量体として含んだ重合体(単独重合体、共重合体を含む)等が挙げられる。即ち、合成由来のカチオン性成分として、アミノ変性シリコーン、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0031】
上記のうち、アミノ変性シリコーンは、ジメチルポリシロキサン(直鎖状、環状を含む)が備えるメチル基が、アミノ基又はアミノ基を有する1価の基に置換された形態を有する化合物である。即ち、ジメチルポリシロキサン(直鎖状、環状を含む)が、アミノ基又はアミノ基を有する1価の基によって変性された形態を有する化合物である。尚、上述のアミノ変性の説明は、上記の化学形態を説明するものであり、製法を特定するものではない。即ち、実際にジメチルポリシロキサンのメチル基にアミノ基等を置換して製造されているか否かを問わない。
また、アミノ変性シリコーンは、アミノ基を導入するための変性以外に、他の変性が併用されてもよい。他の変性としては、ヒドロキシ基末端変性、アルキル基変性、フェニル基変性、ポリエーテル鎖変性、アルコキシ基変性、メルカプト基変性、カルボキシ基変性、フッ素変性、ベタイン変性等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0032】
アミノ変性シリコーンとしては、アモジメチコン(アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)、アミノプロピルジメチコン(アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)、アミノエチルアミノプロピルジメチコン(アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)、ビス(アミノプロピル)ジメチコン(ジメチコンの両末端にアミノプロピル基が導入された重合体)、ビス(セテアリル)アモジメチコン(アモジメチコンの両末端にセテアリル基が導入された重合体)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0033】
上記のうちカチオン性界面活性剤としては、ポリクオタニウム類(天然由来のポリクオタニウムを除く)、シリコーンクオタニウム類、その他のモノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩等のアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩等の環式4級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。尚、ポリクオタニウム類は、INCI名に「ポリクオタニウム」が含まれる成分を意味し、シリコーンクオタニウム類は、INCI名に「シリコーンクオタニウム」が含まれる成分を意味する。
【0034】
ポリクオタニウム類としては、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-33、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-43、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-49、ポリクオタニウム-50、ポリクオタニウム-51、ポリクオタニウム-52、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-54、ポリクオタニウム-55、ポリクオタニウム-57、ポリクオタニウム-61、ポリクオタニウム-64、ポリクオタニウム-65、ポリクオタニウム-68、ポリクオタニウム-92等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも特にポリクオタニウム-10が好ましい。
【0035】
シリコーンクオタニウム類としては、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15、シリコーンクオタニウム-17、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-20、シリコーンクオタニウム-22、シリコーンクオタニウム-26等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0036】
上記のうち、モノアルキル型4級アンモニウム塩としては、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(ベヘントリモニウムクロリド)、硫酸ドコシルトリメチルアンモニウムメチル(ベヘントリモニウムメトサルフェート)、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(セトリモニウムクロリド)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアリルトリモニウムクロリド)、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(ジステアリルジモニウムクロリド)、塩化アルキル(28)トリメチルアンモニウム、塩化ジPOE(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化ジPOEステアリルメチルアンモニウム、塩化POE(1)POP(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化POPメチルジエチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0037】
カチオン性成分としては、上述のなかでも、アミノ変性シリコーン、カチオン化セルロースが好ましく、これらのなかでも、アミノ変性シリコーンがより好ましい。
カチオン性成分として、アミノ変性シリコーンを用いた場合、毛髪に対してまとまり感を付与できる点で好ましい。加えて、洗い流し時の感触を良好にすることができる。具体的には、洗い流し時の感触として、吸着感を与えることができるという点で好ましい。その一方で、アミノ変性シリコーンを利用した場合、毛髪に対して意図しないハリを与えたり、前述の吸着感が過度に強く生じることによって、べたつきと感じられる感触に至ったりする場合がある。この点、PAG含有化粧料と併用することで、上述のデメリットを効果的に抑制又は解消することができる。即ち、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好にすることができる。
【0038】
カチオン性成分含有化粧料に含まれるカチオン性成分の量は限定されないが、カチオン性成分含有化粧料全体を100質量%とした場合に、その下限は、0.01質量%以上とすることができる。この範囲では、カチオン性成分による効果を得ることができる。この量は、更に0.05質量%以上とすることができ、更に0.1質量%以上とすることができ、更に0.2質量%以上とすることができ、更に0.3質量%以上とすることができ、更に0.35質量%以上とすることができる。一方、その上限は、10質量%以下とすることができ、5質量%以下とすることができ、3質量%以下とすることができ、2質量%以下とすることができ、1質量%以下とすることができ、0.85質量%以下とすることができる。これらの範囲では、毛髪のまとまりを得ること、及び、洗い流し時の良好な感触を得ることができる。毛髪への適用時に優れたトリートメント作用を得ることができる。これらの上下限は、適宜各々の組合せとすることができる。従って、例えば、0.01~10質量%とすることができ、0.05~5質量%とすることができ、0.1~3質量%とすることができ、0.2~2質量%とすることができ、0.3~1質量%とすることができ、0.35~0.85質量%とすることができる。
【0039】
尚、カチオン性成分含有化粧料に含まれるカチオン性成分の量をS1(g)とし、PAG含有化粧料に含まれるPAG構造含有重合体の量S2(g)とした場合に、S2/S1の範囲は限定されないが、0.62~2.06とすることが好ましい。
また、カチオン性成分は、適用時にカチオンとして機能する成分であり、毛髪化粧料内でのイオン性は問わない。即ち、イオン性を有さなくてもよく、イオン性を有してもよい。また、毛髪化粧料内ではアニオンとして存在し、適用時にカチオンとして機能する成分であってもよい。
【0040】
(3)その他の成分
本多剤式毛髪化粧料、及び、これを構成する各毛髪化粧料は、上述したPAG構造含有重合体、カチオン性成分以外に、本発明の効果が得られる範囲において、他の成分を含有できる。他の成分としては、可溶化剤、油性成分、界面活性剤、高分子化合物、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、安定剤、ペプチド類、アミノ酸類、植物エキス等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0041】
(3-1)可溶化剤
可溶化剤としては、水、アルコール、エーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
可溶化剤として水を配合する場合、その量は限定されず、毛髪化粧料全体を100質量%とした場合に、15質量%以上とすることができ、30質量%以上とすることができ、45質量%以上とすることができ、60質量%以上とすることができる。また、99質量%以下とすることができ、90質量%以下とすることができ、85質量%以下とすることができ80質量%以上とすることができる。これらの上下限値は任意に組み合わせることができ、例えば、15~99質量%とすることができ、30~90質量%とすることができ、45~85質量%とすることができ、60~80質量%とすることができる。
【0042】
アルコールとしては、1価アルコール、多価アルコール(但し、PAG構造含有重合体を除く)、エーテルアルコール等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
1価アルコールとしては、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等の炭素数5以下の脂肪族アルコール;ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、フェニルプロパノール、フェニルグリコール等の芳香族アルコール;などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0043】
多価アルコールとしては、2~6価の多価アルコールが好ましく、炭素数2~6の多価アルコールが好ましい。具体的には、アルカンジオール、アルカントリオール、オキシジアルカノールが挙げられる。このうち、アルカンジオールとしては、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール等が挙げられる。更に、エタンジオールとしてはエチレングリコール等が挙げられる。プロパンジオールとしては、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール)、トリメチレングリコール等が挙げられる。ペンタンジオールとしてはイソペンチルジオール等が挙げられる。更に、アルカントリオールとしては、グリセリン、ブタントリオール、ペンタントリオール、1,3-ブチレングリコール(BG)等が挙げられる。更に、オキシジアルカノールとしては、オキシジエタノール、オキシジプロパノール等が挙げられる。その他、ジプロピレングリコール(DPG)、等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
エーテルアルコールとしては、エトキシジグリコール、メトキシジグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。その他、ソルビトールが挙げられる。
【0044】
可溶化剤としてアルコールを配合する場合、その量は限定されず、毛髪化粧料全体を100質量%とした場合に、25質量%以下とすることができ、20質量%以下とすることができ、15質量%以下とすることができる。一方、0.1質量%以上とすることができ、1質量%以上とすることができ、2質量%以上とすることができる。これらの上下限値は任意に組み合わせることができ、例えば、0.1~25質量%とすることができ、1~20質量%とすることができ、2~15質量%とすることができる。
【0045】
エーテルとしては、後述する油性成分のうちの油脂に対してエチレンオキシドを付加重合した成分、油脂とアルキレングリコールとのエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0046】
(3-2)油性成分
油性成分としては、高級アルコール、炭化水素、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン、フッ素油、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0047】
高級アルコールは、炭素数が6以上の炭素鎖を持つアルコールを利用できる。例えば、炭素数8以上40以下の高級アルコールが含まれる。また、その骨格は、飽和でもよく不飽和でもよく、直鎖でもよく分岐鎖でもよい。具体的には、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール、フィトステロール、コレステロールなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0048】
炭化水素としては、流動パラフィン(ミネラルオイル)、流動イソパラフィン、パラフィン(パラフィンワックス)、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、合成スクワラン、スクアレン、スクアラン(水添スクアレン)、ポリブテン、ポリエチレン(ポリエチレンワックス)、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、オゾケライト、セレシン、リモネン、テレビン油などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0049】
油脂としては、植物性油(植物性油脂)、動物性油(動物性油脂)等が挙げられる。
植物性油としては、マカデミア種子油、メドウフォーム油、ホホバ種子油、コメ胚芽油、ヒマワリ種子油、オリーブ油、ブドウ種子油、アーモンド油、杏仁油、桃仁油、パーシック油、シア脂、ローズヒップ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、アルガニアスピノサ核油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、月見草油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、アボカド油、カロット油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、パーム油等が挙げられる。
動物性油としては、牛脂、ラード、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0050】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0051】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0052】
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル、パルミチン酸2-エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10-30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、カプリン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0053】
シリコーン(アミノ変性シリコーンを除く)としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650~10000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0054】
油性成分を配合する場合、その量は限定されず、毛髪化粧料全体を100質量%とした場合に、1質量%以上とすることができ、3質量%以上とすることができ、7質量%以上とすることができ、10質量%以上とすることができる。一方、50質量%以下とすることができ、40質量%以下とすることができ、30質量%以下とすることができ、20質量%以上とすることができる。これらの上下限値は任意に組み合わせることができ、例えば、1~50質量%とすることができ、3~40質量%とすることができ、7~30質量%とすることができ、10~20質量%とすることができる。
【0055】
(3-3)界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0056】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0057】
ノニオン性界面活性剤としては、エーテル型ノニオン性界面活性剤、エステル型ノニオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0058】
エーテル型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POE(5.5)セチルエーテル、POE(6)セチルエーテル、POE(6)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(4)セチルエーテル、POE(5)セチルエーテル等のPOEセチルエーテル(セテス);POE(20)ステアリルエーテル、POE(150)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル等のPOEステアリルエーテル(ステアレス);POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル、POE(150)ベヘニルエーテル、POE(2)ベヘニルエーテル、POE(3)ベヘニルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(6)ベヘニルエーテル等のPOEベヘニルエーテル(ベヘネス);POE(7)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(3)オレイルエーテル等のPOEオレイルエーテル(オレス);POE(4.2)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(10)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(2)ラウリルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル等のPOEラウリルエーテル(ラウレス);POE(2)ミリスチルエーテル、POE(3)ミリスチルエーテル等のPOEミリスチルエーテル;POE(2)オクチルドデシルエーテル、POE(5)オクチルドデシルエーテル等のPOEオクチルドデシルエーテル;POE(2)ヘキシルデシルエーテル、POE(4)ヘキシルデシルエーテル等のPOEヘキシルデシルエーテル;POE(5)イソステアリルエーテル等のPOEイソステアリルエーテル;POEノニルフェニルエーテル;POEオクチルフェニルエーテル;POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル等のPOEリオキシプロピレンセチルエーテル:POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル等のPOEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0059】
エステル型非イオン性界面活性剤としては、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン等のグリセリルモノ脂肪酸エステル;テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット等のPOEソルビトール脂肪酸エステルが挙げられる。POEソルビタン脂肪酸エステル及びモノグリセリルモノ脂肪酸エステルのPOEの付加モル数は、例えば5以上である。POEソルビトール脂肪酸エステルのPOEの付加モル数は、例えば6以上である。また、これら以外のエステル型非イオン性界面活性剤としては、POE(6)POEソルビットミツロウ等のソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、POE還元ラノリン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0060】
界面活性剤を配合する場合、その量は限定されず、毛髪化粧料全体を100質量%とした場合に、0.1質量%以上とすることができ、1質量%以上とすることができ、2質量%以上とすることができる。一方、20質量%以下とすることができ、15質量%以下とすることができ、10質量%以下とすることができる。これらの上下限値は任意に組み合わせることができ、例えば、0.1~20質量%とすることができ、1~15質量%とすることができ、2~10質量%とすることができる。
【0061】
(3-4)高分子化合物
高分子化合物(但し、カチオン性成分を除く)としては、水溶性ポリマー(但し、PAG構造含有重合体を除く)、ノニオン性高分子等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。尚、高分子化合物の重量平均分子量は限定されないが、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析による標準ポリスチレン換算で50,000以上とすることができる。
【0062】
水溶性ポリマーとしては、植物由来高分子、動物由来高分子、微生物由来高分子、デンプン由来高分子、セルロース由来高分子、ビニル系高分子、各種ポリアルキレングリコール(但し、PAG構造含有重合体を除く)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。このうち、植物由来高分子としては、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、アルゲコロイド(褐藻エキス)、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。動物由来高分子としては、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等が挙げられる。微生物由来高分子としては、デキストラン、プルラン、カードラン、サクシノグルカン等が挙げられる。デンプン由来高分子としては、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等が挙げられる。セルロース由来高分子としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。ビニル系高分子としては、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0063】
高分子化合物を配合する場合、その量は限定されず、毛髪化粧料全体を100質量%とした場合に、0.01質量%以上とすることができ、0.1質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることができる。一方、20質量%以下とすることができ、10質量%以下とすることができ、4質量%以下とすることができる。これらの上下限値は任意に組み合わせることができ、例えば、0.01~20質量%とすることができ、0.1~10質量%とすることができ、0.5~4質量%とすることができる。
【0064】
(3-5)pH調整剤
pH調整剤としては、酸及び/又は塩基を利用できる。
酸としては、無機酸及びその塩、有機酸及びその塩が挙げられる。
無機酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、ホウ酸等が挙げられる。更に、無機酸の塩としては、上記無機酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。このうち、アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属種としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機酸としては、酒石酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、レブリン酸、グリコール酸、グルクロン酸、安息香酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)等が挙げられる。更に、有機酸の塩としては、上記有機酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。このうち、アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属種としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0065】
塩基としては、有機塩基、無機塩基及びこれらの塩が挙げられる。
有機塩基としては、有機アミン、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン及びそれらの塩等)、グアニジン及びその塩(炭酸グアニジン等)等が挙げられる。具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール(2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等)、アミノメチルプロパンジオール(2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール等)などのアルカノールアミン、イソプロピルアミン等のアルキルアミン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
無機塩基としては、水酸化物、塩化物、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、アンモニア等が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0066】
pH調整剤を配合する場合、目的のpHに調整することや、目的のpH範囲となるように緩衝作用を付与できればよく、その配合量等は限定されない。毛髪化粧料のpHも限定されないが、例えば、3以上とすることができ、4以上とすることができ、5以上とすることができる。一方、10以下とすることができ、9以下とすることができ、8以下とすることができる。これらの上下限値は任意に組み合わせることができ、例えば、3~10とすることができ、4~9とすることができ、5~8とすることができる。
【0067】
尚、毛髪化粧料のpHは、25℃におけるpHである。また、このpHは、通常、原液を10質量%に希釈した希釈液にて測定されるものであるが、別途、特定の使用状況が存在する場合、当該使用状況におけるpHとする。例えば、所定量の水で希釈して使用するものである場合には、当該所定量の水で希釈した希釈状態におけるpHを意味する
【0068】
(3-6)防腐剤
防腐剤としては、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
防腐剤を配合する場合、その量は限定されず、毛髪化粧料全体を100質量%とした場合に、0.01質量%以上とすることができ、0.1質量%以上とすることができる。また、通常、3質量%以下である。
【0069】
(3-7)酸化防止剤
酸化防止剤としては、アスコルビン酸(L-アスコルビン酸)、無水亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0070】
(3-8)安定剤
安定剤としては、フェナセチン、8-ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0071】
(3-9)ペプチド類
ペプチド類としては、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質(動物性蛋白質、植物性蛋白質を含む)、蛋白質加水分解物(加水分解蛋白)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち、動物性蛋白質としては、ケラチン、コラーゲン、シルク、コンキオリン、エラスチン、フィブロイン、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、植物性蛋白質としては、大豆、コムギ、オオムギ、カラスムギ、アーモンド等の植物から得られる植物性蛋白質(大豆蛋白、コムギ蛋白、オオムギ蛋白、カラスムギ蛋白、アーモンド蛋白)が挙げられる。
また、加水分解蛋白には、上述の各種蛋白質を、酸、アルカリ、酵素等により加水分解した成分が含まれる。更に、加水分解蛋白としては、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解シルク、加水分解コンキオリン、加水分解大豆蛋白等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0072】
(3-10)アミノ酸類
アミノ酸類としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、テアニン、アルギニン、ヒスチジン、トレオニン等のアミノ酸及びこれらの塩;タウリン等のアミノ酸類似化合物:などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0073】
(3-11)植物エキス
植物エキスとしては、アボカドエキス、アマチャエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オレンジエキス、カイソウエキス、カミツレエキス、カモミールエキス、カンゾウエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、グレープフルーツエキス、クワエキス、コケモモエキス、ゴボウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、ゼニアオイエキス、ジオウエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、ショウキョウエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セージエキス、セイヨウサンザシエキス、タイムエキス、チャエキス、チョウジエキス、ドクダミエキス、ハイビスカスエキス、ハマメリスエキス、パセリエキス、ビワエキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ライチエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0074】
(3-12)更に他の成分
上記以外にも、糖類(グリコシルトレハロース、N-アセチルグルコサミンなど、但し、カチオン性成分を除く)、緩衝剤(リン酸ナトリウム等)、キレート化剤(エデト酸及びその塩類、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩など)、ビタミン類、香料、着色剤及び紫外線吸収剤、並びに「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種等の成分を含有できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0075】
(4)剤型
多剤式毛髪化粧料を構成する各毛髪化粧料の剤型は限定されず、用途や目的に応じて適宜選択でき、例えば、固体状、液体状、水溶液状、分散液状、乳化物状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、泡状(フォーム状)等とすることができる。更に、泡状に用いる場合、エアゾール式で用いてもよいし、ノンエアゾール式で用いてもよい。また、ノンエアゾール式で用いる場合には、ポンプフォーマー式としてもよく、スクイズフォーマー式としてもよい。尚、多剤式毛髪化粧料を構成する各毛髪化粧料は、同じ剤型であってもよく異なる剤型であってもよい。
【0076】
(5)用途
本多剤式毛髪化粧料の用途は限定されず、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアリンス、シャンプー、各種前処理剤(熱ダメージ処理、酸化染毛処理、毛髪脱色処理、毛髪脱染処理、パーマネントウエーブ処理等の各種処理を行う前に利用する前処理剤)、各種後処理剤(熱ダメージ処理、酸化染毛処理、毛髪脱色処理、毛髪脱染処理、パーマネントウエーブ処理等の各種処理を行った後に利用する後処理剤)等とすることができる。
【0077】
(6)適用方法
本多剤式毛髪化粧料の適用方法は限定されず、例えば、櫛、ブラシ、ヘラ等の道具を用いて毛髪に各毛髪化粧料を塗布することができる。更に、使用者の手を用いて毛髪に塗布することができる。更には、ミスト、エアゾール、フォーム等として毛髪に噴霧して塗布することができる。その他、含浸(ディップ)、コーティング、浸透等の操作により適用することができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、本多剤式毛髪化粧料は、水や温湯で濡れた状態の毛髪に適用されてもよいし、乾いた毛髪に適用されてもよい。また、毛髪に対して適用した毛髪化粧料を洗い流したうえで次の毛髪化粧料を適用してもよいし、毛髪に対して適用した毛髪化粧料を洗い流さずに、次の毛髪化粧料を重ねて適用してもよい。更に、毛髪化粧料を適用後は、洗い流してもよいし、洗い流さなくてもよい。これらのうちでは、洗い流した後に、次の毛髪化粧料を適用した方が、感触の軽やかさの観点からより好ましい。
【0078】
[2]多剤式毛髪化粧料の使用方法
本発明の多剤式毛髪化粧料の使用方法は、毛髪に対してPAG含有化粧料を適用する第1工程と、第1工程後に、カチオン性成分含有化粧料を適用する第2工程と、を備えることを特徴とする。
【0079】
前述の通り、多剤式毛髪化粧料は、毛髪化粧料として、PAG含有化粧料と、その他の毛髪化粧料とを必須とする。PAG含有化粧料と、その他の毛髪化粧料との適用順序は限定されず、PAG含有化粧料を適用した後、その他の毛髪化粧料を適用してもよいし、また、その他の毛髪化粧料を適用した後、PAG含有化粧料を適用してもよい。これらのうちでは、上述の通り、PAG含有化粧料の適用後に、カチオン性成分含有化粧料を適用することが好ましい。即ち、カチオン性成分含有化粧料の適用後に、PAG含有化粧料を適用するよりも、PAG含有化粧料の適用後に、カチオン性成分含有化粧料を適用する方が、毛髪のまとまりを得ながら、意図しないハリ感の発生を抑え、洗い流し時の感触を良好に保つという効果をより顕著に得ることができる。
【0080】
更に、A剤としてPAG含有化粧料を備え、B剤としてカチオン性成分含有化粧料を備え、その他の1種又は2種以上の毛髪化粧料としてC剤類を備える場合は、B剤→A剤→C剤類、B剤→C剤類→A剤、C剤類→B剤→A剤などの順序で適用するよりも、A剤→B剤→C剤類、A剤→C剤類→B剤、C剤類→A剤→B剤、C剤類→A剤→B剤→C剤のいずれかの順序により適用することが好ましい。更に、これらのうちでも、C剤類の適用を介在しないことが好ましい。従って、A剤→B剤→C剤類、又は、C剤類→A剤→B剤、C剤類→A剤→B剤→C剤のいずれかの順序により適用することがより好ましい。
【0081】
本多剤式毛髪化粧料の適用方法は限定されず、PAG含有化粧料及びカチオン性成分含有化粧料を各々、例えば、櫛、ブラシ、ヘラ等の道具を用いて毛髪に塗布することができる。更に、使用者の手を用いて毛髪に塗布することができる。更には、ミスト、エアゾール、フォーム等として毛髪に噴霧して塗布することができる。その他、含浸(ディップ)、コーティング、浸透等の操作により適用することができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、本多剤式毛髪化粧料は、水や温湯で濡れた状態の毛髪に適用されてもよいし、乾いた毛髪に適用されてもよい。
【0082】
また、毛髪に対して毛髪化粧料を適用した後に、当該毛髪化粧料を洗い流したうえで次の毛髪化粧料を適用してもよいし、毛髪に対して毛髪化粧料を適用した後に、当該毛髪化粧料を洗い流さずに次の毛髪化粧料を重ねて適用してもよい。これらのうちでは、洗い流さないまま次の毛髪化粧料を適用した方が、感触の軽やかさの観点からより好ましい。更に、多剤式毛髪化粧料を構成する全ての毛髪化粧料を適用後は、洗い流してもよいし、洗い流さなくてもよい。
【実施例0083】
以下、本発明を実施例に則して更に詳細に説明するが、これらの実施例はあくまでも説明のために便宜的に示す例に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらの実施例に限定されるものではない。
【0084】
[1]多剤式毛髪化粧料の調製
(1)PAG含有化粧料の調製
下記表1~4に示す質量割合で各成分を混合することにより、PAG含有化粧料を得た。具体的には、防腐剤以外の各成分を容器に入れ、80℃で溶解し、40℃に冷却して混合物(一部は非PAG含有化粧料である)を得た。その後、得られた混合物に防腐剤を添加し、合計100%となるように精製水を加えてPAG含有化粧料を得た。混合機には「乳化試験器ET-SA型」(日光ケミカルズ社製)を用いた。尚、表1~3における「非PEG」は、PEGに該当しない比較成分を表す。
【0085】
(2)カチオン性成分含有化粧料の調製
下記表1~4に示す質量割合で各成分を混合することにより、カチオン性成分含有化粧料(一部は非カチオン性成分含有化粧料である)を得た。具体的には、防腐剤以外の各成分を容器に入れ、80℃で溶解し、40℃に冷却して混合物を得た。その後、得られた混合物に防腐剤を添加し、合計100%となるように精製水を加えてカチオン性成分含有化粧料を得た。混合機には「乳化試験器ET-SA型」(日光ケミカルズ社製)を用いた。尚、表1~3における「非カチオン性成分」は、カチオン性成分に該当しない比較成分を表す。
【0086】
(3)成分について
上記表1-3に示す各成分は、日本化粧品工業連合会成分表示名称リストに準じた名称、又は、INCI(INCI:International Nomenclature of Cosmetic Ingredient:化粧品原料国際命名法)に準じた名称により示した。また、PEG・非PEG、カチオン性成分・非カチオン性成分は、以下の通りである。
【0087】
(3-1)PEG・非PEG
・PEG-8:ポリエチレングリコール(PEG)、平均重合度8
・PEG-9M:ポリエチレングリコール(PEG)、平均重合度9,000
・PEG-115M:ポリエチレングリコール(PEG)、平均重合度115,000
・PEG-160M:ポリエチレングリコール(PEG)、平均重合度160,000
・HEC:非PEG
・キサンタンガム:非PEG
・ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:非PEG
【0088】
(3-2)カチオン性成分・非カチオン性成分
・アモジメチコン:カチオン性成分
・カチオン化ポリマー:ポリクオタニウム-10(カチオン性成分)
・アニオン化ポリマー:キサンタンガム(非カチオン性成分)
・ノニオン化ポリマー:ヒドロキシエチルセルロース(非カチオン性成分)
【0089】
[2]多剤式毛髪化粧料の使用
(1)ダメージ毛束の調製
長さ30cmの未処理の黒髪の毛束(ビューラックス社製)を用意し、この毛束に対してブリーチ剤及びカラー剤を各1回処理してダメージ毛束を得た。
(2)適用
前述したPAG含有化粧料及びカチオン性成分含有化粧料の各毛髪化粧料を、表1~3に示す組合せで、PAG含有化粧料→カチオン性成分含有化粧料の適用順序により適用した。具体的には、PAG含有化粧料の塗布量が0.4gとなるように、ダメージ毛束10g対してPAG含有化粧料を塗布した。その後、精製水100gを用いて10回洗い流し、次いで、カチオン性成分含有化粧料を塗布した。その後、ダメージ毛束を、精製水各100gを用いて10回洗浄した後、ヘアドライヤーを用いて毛束を乾燥させて、実施例1~19及び比較例1~3の評価用毛束を得た。
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
(3)評価
(3-1)毛髪のやわらかさの評価
上記[2](2)により得られた実施例1~19及び比較例1~3の評価用毛束に関して、以下の評価を行った。即ち、毛髪の中間部から毛先へ手ぐしを通し、その際のやわからかさを確認し、また、その際に毛髪を曲げることによって毛髪のはりを確認することを5名の専門パネリストによって評価した。評価は、下記5段階の基準を用いた。具体的には、各パネリストが自身の感触に最も近い評価に対応する評点を選択し、5名のパネリストの選択した各評点の算術平均を算出し、当該算術平均値を小数点以下1桁で四捨五入した値を表1~3の「やわらかさ」の欄に示した。
「5」:かなりはりがなくやわらかい
「4」:ややはりがなくやわらかい
「3」:ある程度やわらかい
「2」:ややはりがありかたい
「1」:かなりはりがありかたい
【0095】
(3-2)流し時の指通りのなめらかさの評価
上記[2](2)により得られた実施例1~19及び比較例1~3の評価用毛束に関して、以下の評価を行った。即ち、流し時毛髪の中間部から毛先までの指通りのなめらかさを5名の専門パネリストによって評価した。評価は、下記5段階の基準を用た。具体的には、各パネリストが自身の感触に最も近い評価に対応する評点を選択し、5名のパネリストの選択した各評点の算術平均を算出し、当該算術平均値を小数点以下1桁で四捨五入した値を表1~3の「洗い流し時の感触」の欄に示した。
「5」:かなりなめらかで指通りがよい
「4」:ややなめらかで指通りがよい
「3」:ある程度なめらかで指通りがよい
「2」:ややなめらかさがなく指通りが悪い
「1」:かなりなめらかさがなく指通りが悪い
【0096】
(3-3)毛先のまとまりの評価
上記[2](2)により得られた実施例1~19及び比較例1~3の評価用毛束に関して、以下の評価を行った。即ち、毛先のまとまりを毛髪の中間部から毛先までの指通りと目視により確認することを5名の専門パネリストによって評価した。評価は、下記5段階の基準を用いた。具体的には、各パネリストが自身の感触に最も近い評価に対応する評点を選択し、5名のパネリストの選択した各評点の算術平均を算出し、当該算術平均値を小数点以下1桁で四捨五入した値を表1~3の「毛先の効き、まとまり」の欄に示した。
「5」:かなりまとまっておさまる
「4」:ややまとまっておさまる
「3」:ある程度まとまっておさまる
「2」:ややまとまらずおさまりにくい
「1」:かなりまとまらずおさまりにくい
【0097】
[3]実施例の効果
比較例1~3に示す通り、アモジメチコンの配合量が0.5質量%と少量であると、HEC、キサンタンガム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン等を配合しても、毛先のまとまりを得ることが難しいことが分かる。これに対して、実施例1~11からは、アモジメチコンの配合量が0.5質量%と少量であってもPEGの併用より、毛先のまとまりを得ながら、毛髪のやわらかさ、流し時の指通りのなめらかさが得られることが分かる。とりわけ、実施例14から、アモジメチコンの配合量が0.25質量%と更に少量であっても、PEGの併用より、毛先のまとまり性に優れながら、毛髪のやわらかさ、流し時の指通りのなめらかさにおいても優れた結果が得られることが分かる。
即ち、この技術により、従来の(アモジメチコンを含む)シリコーンに頼ったトリートメントとは異なる方法で毛先のおさまりを向上させ、まとまりのあるデザインを作ることができることが分かる。また、アモジメチコンの量を少なくすることができ、その際には流し時の吸着感を抑えた、なめらかな感触を作ることができることが分かる。更に、その時の感触が仕上がり時との差異を感じ難くすることができるという利点がある。
【0098】
尚、上記表1~3に示す以外に、カチオン性成分含有化粧料→PAG含有化粧料の適用順序に変更した以外、実施例1と同様に適用した例(実施例20)の評価は、「毛髪のやわらかさ」が「5」、「流し時の指通りのなめらかさ」が「3」、「毛先のまとまり」が「5」であった。更に、カチオン性成分含有化粧料→PAG含有化粧料の適用順序に変更すると共に、カチオン性成分含有化粧料の適用後に、洗い流しをせず、PAG含有化粧料を適用した。その他の事項については、実施例1と同様に適用した例(実施例21)の評価は、「毛髪のやわらかさ」が「5」、「流し時の指通りのなめらかさ」が「3」、「毛先のまとまり」が「5」であった。更に、カチオン性成分含有化粧料とPAG含有化粧料とを混合して1剤としたうえで適用した以外は、実施例1と同様に適用した例(比較例4)の評価は、「毛髪のやわらかさ」が「5」、「流し時の指通りのなめらかさ」が「2」、「毛先のまとまり」が「5」であった。