(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180132
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099603
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 信介
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA31
2C333CA51
2C333CA52
2C333CA58
2C333CA77
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遊技者の興趣を高め得る新たな演出を実行可能な遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機1は、所定の変動中文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色を複数種類有し、所定の変動中文字演出にて複数種類の文字演出対応色のうちの何れの色で文字を表示するかによって特別遊技移行期待度を示唆可能である。そして、所定の大当り中文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色は、所定の変動中文字演出における文字演出対応色において所定の期待度を示唆する第1の色、第1の色よりも高い期待度を示唆する第2の色の何れとも異なる色とされ、演出画像を特殊態様に変形可能な特殊演出を実行可能である。
【選択図】
図76
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の始動条件の成立によって得られる情報に基づいて当否を判定し、該判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を行い、該変動表示を行った結果として特定表示結果が表示されたときに遊技者にとって有利な特別遊技が行われる遊技機であって、
遊技の進行を制御する主制御手段と、
主制御手段による遊技の進行に応じた演出の実行を制御する演出制御手段と、
演出を表示可能な表示装置と、
を備え、
特別図柄の変動中に文字を表示装置に表示する変動中文字演出を実行可能であり、
特別遊技の実行中に文字を表示装置に表示する大当り中文字演出を実行可能であり、
所定の変動中文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色を複数種類有し、所定の変動中文字演出にて複数種類の文字演出対応色のうちの何れの色で文字を表示するかによって特別遊技移行期待度を示唆可能であり、
所定の大当り中文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色は、所定の変動中文字演出における文字演出対応色において所定の期待度を示唆する第1の色、第1の色よりも高い期待度を示唆する第2の色の何れとも異なる色とされ、
演出画像を特殊態様に変形可能な特殊演出を実行可能であり、
所定の変動中文字演出は特殊態様に変形可能であるが、所定の大当り中文字演出は特殊態様に変形されない
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球式遊技機(「パチンコ遊技機」、「パチンコ機」とも称される)等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ機では、遊技領域に発射された遊技球の始動口への入球を契機として、抽選用の乱数値を取得し、取得した乱数値を作動保留球として所定の上限数まで一時記憶する。作動保留球は、予め定められた始動条件が成立するごとに順次消化され、当りに該当するか否かの当否判定が行われる。そして当否判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示が行われるとともに、演出表示装置においては装飾図柄を用いた変動表示が行われ、遊技者からより認識し易い態様で当否判定の結果が示される。
【0003】
また、演出表示装置では、当否判定の結果が示されるまでの間、装飾図柄を用いた変動表示が行われるだけでなく、遊技者の期待感を高めるために様々な表示演出が実行される。例えば特許文献1には、演出表示装置に表示される台詞の内容に応じて大当りの期待度が異なる演出(セリフ予告)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、演出表示装置に画像や文字等を表示する演出は、遊技者の興趣に大きな影響を与えることから、特許文献1に開示されたセリフ予告に限らず、遊技者の興趣を高め得る、より多様な演出に対する需要が存在する。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、遊技者の興趣を高め得る新たな演出を実行可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定の始動条件の成立によって得られる情報に基づいて当否を判定し、該判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を行い、該変動表示を行った結果として特定表示結果が表示されたときに遊技者にとって有利な特別遊技が行われる遊技機であって、遊技の進行を制御する主制御手段と、主制御手段による遊技の進行に応じた演出の実行を制御する演出制御手段と、演出を表示可能な表示装置と、を備え、特別図柄の変動中に文字を表示装置に表示する変動中文字演出を実行可能であり、特別遊技の実行中に文字を表示装置に表示する大当り中文字演出を実行可能であり、所定の変動中文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色を複数種類有し、所定の変動中文字演出にて複数種類の文字演出対応色のうちの何れの色で文字を表示するかによって特別遊技移行期待度を示唆可能であり、所定の大当り中文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色は、所定の変動中文字演出における文字演出対応色において所定の期待度を示唆する第1の色、第1の色よりも高い期待度を示唆する第2の色の何れとも異なる色とされ、演出画像を特殊態様に変形可能な特殊演出を実行可能であり、所定の変動中文字演出は特殊態様に変形可能であるが、所定の大当り中文字演出は特殊態様に変形されないことを特徴とする遊技機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技者の興趣を高め得る新たな演出を実行可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
【
図5】前枠からガラス枠を開放させるとともに、外枠から前枠を開放させた状態のパチンコ機を前方から見た斜視図である。
【
図6】ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を前方から見た分解斜視図である。
【
図7】ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を後方から見た分解斜視図である。
【
図11】遊技盤の背面を左後ろから見た斜視図である。
【
図12】遊技盤の背面を右後ろから見た斜視図である。
【
図13】遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。
【
図14】遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
【
図19】遊技機の電気的な構成例を示す制御ブロック図である。
【
図20】
図19に示す主制御基板の機能の一例を示すブロック図である。
【
図21】
図19に示す演出制御基板の機能の一例を示すブロック図である。
【
図22】特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図23】特別図柄当り図柄テーブルの一例を示す図である。
【
図24】当り用の特別図柄変動パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図25】はずれ用の特別図柄変動パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図26】変動パターン先読み判定テーブルの一例を示す図である。
【
図27】主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図28】
図27に続く主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図29】
図28に続く主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図30】設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
【
図31】設定確認処理の一例を示すフローチャートである。
【
図32】主制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【
図33】
図32に連続する主制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【
図34】始動口監視制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図35】
図34に続く始動口監視制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図36】特別図柄変動開始監視制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図37】
図36に示す特別図柄変動開始監視処理の一例を示すフローチャートである。
【
図38】
図37に続く特別図柄変動開始監視処理の一例を示すフローチャートである。
【
図39】特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図40】
図39に示す特別図柄制御汎用処理の一例を示すフローチャートである。
【
図41】
図40に示す特別図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
【
図42】
図40に示す特別図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。
【
図43】
図40に示す特別図柄停止図柄表示中処理の一例を示すフローチャートである。
【
図44】
図43に続く特別図柄停止図柄表示中処理の一例を示すフローチャートである。
【
図45】
図44に続く特別図柄停止図柄表示中処理の一例を示すフローチャートである。
【
図46】特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図47】
図46に続く特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図48】
図47に続く特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図49】リセット開始処理の一例を示すフローチャートである。
【
図50】演出制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図51】
図50に示すコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。
【
図52】
図51に示す演出状態移行処理の一例を示すフローチャートである。
【
図53】
図51に示す変動演出内容決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図54】
図51に示す大当り演出内容決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図55】
図54に続く大当り演出内容決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図56】演出制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【
図57】画像制御コマンド送信割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【
図58】演出表示装置における装飾図柄等の表示を説明するための図である。
【
図59】演出に現出され得るキャラクタと示唆期待度との関係例を示す図である。
【
図60】デモ演出開始前の画面遷移例を示す図である。
【
図61】デモ演出の第1の演出例における画面遷移を示す図である。
【
図62】デモ演出の第2の演出例における画面遷移を示す図である。
【
図63】台詞演出の第1の演出例における画面遷移を示す図である。
【
図64】台詞演出の第2の演出例における画面遷移を示す図である。
【
図65】台詞演出の第3の演出例における画面遷移を示す図である。
【
図67】台詞発展の第1パターン~第3パターンを説明する図である。
【
図68】台詞発展の第4パターン及び第5パターンを説明する図である。
【
図69】テロップ演出の画面遷移例を示す図である。
【
図70】台詞演出とテロップ演出とが現出される演出の画面遷移例を示す図である。
【
図71】テロップ演出とSPリーチ演出とが複合された演出の画面遷移例を示す図である。
【
図72】台詞演出と図柄擬似停止演出とが複合された演出の画面遷移例を示す図である。
【
図73】エラーの種類に応じたエラー出力の設定例を示す図である。
【
図74】先読み演出と文字演出とが複合された演出の画面遷移例を示す図である。
【
図75】MYカウンタの計数方法を説明するための図である。
【
図76】事前報知演出の表示例(その1)を示す図である。
【
図77】事前報知演出の表示例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態に係るパチンコ機1について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<パチンコ機の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。また、
図2以降には、
図1に示したパチンコ機1について、他方向から見た様子や分解した様子等が示されている。
図2は、パチンコ機の右側面図であり、
図3は、パチンコ機を前方から見た斜視図であり、
図4は、パチンコ機を後方から見た斜視図である。また、
図5は、前枠からガラス枠を開放させるとともに、外枠から前枠を開放させた状態のパチンコ機を前方から見た斜視図であり、
図6は、ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を前方から見た分解斜視図であり、
図7は、ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を後方から見た分解斜視図である。
【0012】
パチンコ機1は、遊技ホールの島設備に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖するガラス枠(扉枠)3と、ガラス枠3を開閉可能に支持し、外枠2に開閉可能に取付けられている前枠4と、前枠4に前から着脱可能に取付けられ、ガラス枠3を通して視認され、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する遊技盤5と、を備えている。
【0013】
外枠2は、上下で左右に延びるフレーム2a,2bと、左右で上下に延びるフレーム2c,2dとを組み合わせた方形状からなり、そして、正面から左側縁上下のヒンジ部材2e,2fを備え、ヒンジ部材によって、前枠4及びガラス枠3とを、横開き開閉及び着脱自在に支持している。
【0014】
前枠4の前面側には、ガラス枠3が正面向かって左側縁部のヒンジ機構3a,3bによって横開き開閉及び着脱可能に取り付けられている。ガラス枠3は、施錠装置3cを用いて、その前面を覆っているガラス板によって閉鎖状態に保持されている。ガラス枠3の背後に位置する前枠4の上半分には、遊技盤5が前枠4の正面側から着脱可能に装着されており、上述のように閉鎖保持されているガラス枠3の複層ガラスを通して遊技盤5の正面の遊技領域5aが視認可能になっている。
【0015】
ガラス枠3は、四角形で前後に貫通している貫通口3dを有するベースユニット3eと、その前面下方において遊技球を貯留する皿ユニット3fと、皿ユニット3fに貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドル4aを収容する領域3gとを備えている。そして、ガラス枠3の前面側には、遊技の進行状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)3h、及び、遊技の進行状況に応じて音を出力するスピーカ3iが設けられている。皿ユニット3fの正面中央には、遊技者によって押圧操作される演出ボタン3jが設けられている。また、演出ボタン3jの基部は、手前側(遊技者側)に所定角まで傾けることが可能なレバー構造となっており、遊技者によって引寄操作される第2演出ボタン3kとして機能する。なお、第2演出ボタン3kは、常に引寄操作が可能な構造としてもよいが、演出ボタン3jの操作性等を考慮すると、通常はロック機構等によってOFF側に固定され、特定の演出実行時にロックが解除されて引寄操作(ON操作)を可能にするほうが好ましい。
【0016】
前枠4は、外枠2の枠内に挿入可能とされ、遊技盤5の外周を支持する枠体4bと、枠体4bの正面視左側の上下に外枠2のヒンジと、扉枠3のヒンジとが回転可能に取付けられるヒンジ4c,4dと、枠体4bの前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置4eと、枠体4bの正面視右側面に取付けられており、外枠2と前枠4、及び、ガラス枠3との間を施錠する施錠ユニット4fと、枠体4bの後面下部に取付けられている基板ユニット4gと、枠体4bの後側で、枠体4bに取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー4hと、を備えている。基板ユニット4gは、スピーカユニットと、電源基板と、インターフェイス制御基板と、遊技球の払出しを制御する払出制御基板とを収容する。
【0017】
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が遊技球の発射装置4aを回転操作すると、その角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口(入球口)に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができる。
【0018】
<遊技盤>
次に、遊技盤5を
図8~
図14を参照して説明する。
図8は遊技盤の正面図、
図9は遊技盤を右前から見た斜視図、
図10は遊技盤の背面図、
図11は遊技盤の背面を左後ろから見た斜視図、
図12は遊技盤の背面を右後ろから見た斜視図、
図13は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図、
図14は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
【0019】
遊技盤5は、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する。遊技盤5は、表ユニット100m、裏ユニット200m、液晶ベース300m、液晶表示装置(演出表示装置)70を組み合わせて構成される。表ユニット100mは、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前部材100aと、前部材100aの後側に取付けられ、遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル100bと、を備え、遊技パネル100bの前面において遊技領域5a内となるところに、複数の障害釘が所定の配列で植設されている。
【0020】
前部材100aは、右下隅に主制御ユニット5b(遊技全般の制御を行う主制御基板100)からの制御信号に基づいて遊技状況を遊技者に視認可能にする機能表示ユニット100cを備える。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に配置され所定の演出画像を表示する。液晶表示装置70の背面に、周辺制御ユニット5c(演出全般の制御を行う演出制御基板200)が取り付けられている。液晶ベース300mは、裏ユニット200m側が開放され、裏ユニット200mを収容するとともに、液晶ベース300mの背面に液晶表示装置70が取付けられる。
【0021】
遊技パネル100bは外周の形態が前部材100aとほぼ同じで、透明な平板状のパネル板からなり、前部材100aの後側に取付けられ、さらに後面に裏ユニット200mが取付けられるホルダとを備える。前部材100aは、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口する複数の一般入賞口66と、一般入賞口とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第1始動口61と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート63(後述のアタッカユニット500に一体形成)と、遊技球がゲートを通過することにより抽選される普通図柄抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第2始動口62(後述のアタッカユニット500に一体形成)と、第1始動口61への遊技球の受入れにより抽選される第1特別抽選結果又は第2始動口への遊技球の受入れにより抽選される第2特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口64(後述のアタッカユニット500に一体形成)を備える。なお、ゲート63、第2始動口62と大入賞口64とはアタッカユニット500内にあるため、ここでは図示されていない。
【0022】
第2始動口には、可動片で構成される普通電動役物と、この普通電動役物を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイドとが設けられている。普通電動役物は、この普通電動役物ソレノイドの通電状態に応じて、第2始動口へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と、当該閉鎖状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とが交互に可変可能である。第2始動口は、普通電動役物が開放状態とされなければ遊技球が入球し難い一方、普通電動役物が開放状態とされると遊技球が入球し易い構成となる。前部材100aは、左右方向中央の第1始動口61の直下に第1のアウト口29を備える。アタッカユニット500は、表部材100aの右下にある。アタッカユニット500は、大入賞口64を開閉する、特別電動役物642としての可動片を主として備え、合わせて複数のパーツが一体化されたユニットである。
【0023】
裏ユニット200mは、後方の液晶表示画面を視認するための開口200aを有する。裏ユニット200mは、一般入賞口66、第1始動口61等に受入れられた遊技球を検知するセンサと、液晶ベース300mを着脱可能に取付けるためのロック機構、遊技球を排出するための通路を備える。
【0024】
前部材100aは、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前部材100aは、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール100f、外レール100fに略沿って前部材100aの内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール100dと、内レール100dの下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成され後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導路100eと、を備えている。
【0025】
遊技パネル100bは、前部材100aの開口と同一形状の開口の周りに、前部材100a側に突出するセンター飾り22を備える。遊技パネル100bを前部材100aに固定すると、センター飾り22が前部材100aの開口の形状に合致するように開口に嵌入して、表ユニット100mの開口100hの回りを飾る。遊技者は、開口100hを介して、演出画面や、演出装置の挙動を認識することができる。センター飾り22は装飾体の一種であり、遊技盤5の中心で演出表示装置70の画面等を補助する装飾機能を発揮する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じた演出動作を実行する可動役物(可動演出装置)が設けられてよい。可動役物は、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動源によって作動する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じて発光するランプが設けられてもよい。
【0026】
主制御ユニット5b(
図7参照)は、液晶表示装置70の背面で、周辺制御ユニット5cの下方に取付けられる。主制御ユニット5bは、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板100と、主制御基板100を収容する主制御基板ケース100nを備える(
図16参照)。主制御ユニット5bは、遊技内容及び遊技球の賞球等を制御する。
【0027】
機能表示ユニット100cは、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過により抽選される普通図柄抽選結果に基づいて二つのLEDを点滅制御することにより普通図柄を変動表示した後にこれら二つのLEDを普通図柄抽選結果に応じた点灯態様で表示させる普通図柄表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過に係る普通図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第1特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第1特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第1特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第1特別図柄表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れに係る第1特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第1特別保留数表示器と、第2始動口への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第2特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第2特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第2特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第2特別図柄表示器と、第2始動口への遊技球の受入れに係る第2特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第2特別保留数表示器と、第1特別抽選結果又は第2特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する四つのLEDからなるラウンド表示器とを備える。機能表示ユニット100cはLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
【0028】
周辺制御ユニット5cは、液晶表示装置70の後面に取付けられ、主制御基板100からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出(発光演出、サウンド演出、及び可動演出等)を制御する演出制御基板200、並びに、遊技展開に応じた画像表示及び音出力の制御を行う画像制御基板300を備える(
図19参照)。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に位置し、裏ユニット200mを収容する液晶ベース300mの略中央の後面に着脱可能に取付けられている。液晶表示装置70は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター飾り22の枠内を通して、前面から視認できる。液晶表示装置70は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示する。なお、本実施形態では、演出制御基板200と画像制御基板300を2枚の基板に分けて構成したものを記載しているが、それぞれの基板のCPUの機能構成について上記したものに限らず、適宜変更可能(例えば演出制御基板のCPUで音制御を行うなど)としたり、1枚の基板上のCPUで演出全てを制御したりするものであってもよい。
【0029】
液晶表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部と、第1特図保留ランプと同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部と、第2特図保留ランプと同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部と、が設けられている。
【0030】
液晶表示画面の装飾図柄表示部には、所定の有効ライン上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域、中表示領域、右表示領域)が設けられており、左表示領域に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示される。特図保留表示部には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の種類や発生順(入球順)など、あらかじめ定められた順番に表示されており、各特図保留表示部に最大で4個ずつ表示が可能である。
【0031】
<設定変更>
本実施形態に係るパチンコ機1は、複数段階の設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを変更する設定変更機能を備えることができるとする。ここで、設定値とは、遊技の遊技者に対する有利度合いを指定するための値であって、主制御基板100(
図19参照)によって管理される。本例では、有利度合いが低い方から順に、「設定1」、「設定2」、・・・、「設定5」、「設定6」の6段階の設定値が用意されているとする。各設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを異ならせるためには、例えば、設定値ごとに特別図柄抽選の大当り確率に差異を設ける等が考えられる。主制御基板100は、設定値に基づいて遊技の進行を制御し、後述する設定変更操作によって設定値が変更された場合には、変更後の設定値に基づいて遊技の進行を制御する。
【0032】
そこで以下では、設定変更機能を備える際の本実施形態に係るパチンコ機1の特徴について詳しく説明する。なお、以降の説明では、設定値を変更/設定することを「設定変更」と称し、設定変更に関する一連の操作を「設定変更操作」と称する。
【0033】
パチンコ機1における設定変更操作では、まず、主制御基板100(主制御CPU101)によって制御される内部状態を、設定値を変更可能な「設定変更状態」に移行させるための操作が行われ、その後、設定変更状態に制御されているときに、所望の設定値を選択・設定する操作(従来の遊技機における既知の操作方法を利用可能であり、詳細な説明は省略する)が行われることにより、設定値を変更することができる。
【0034】
そして、上記の設定変更状態に移行させるための操作は、前枠4を開放する第1の手順(枠開放)と、設定キースイッチをオン状態にする第2の手順(設定キースイッチオン)と、初期化スイッチに対して初期化操作を行う第3の手順(RAMクリアスイッチオン)と、電源スイッチに対して電源ON操作を行う第4の手順(電源スイッチオン)と、から構成される。但し、第3の手順と第4の手順は並行して操作されなければならない。
【0035】
本実施形態に係るパチンコ機1の特徴的な構造を参照しながら、これら第1~第4の手順について詳しく説明する。
【0036】
第1の手順(枠開放)では、ドアキーを使って前枠4を外枠2から開放する操作が行われる。ドアキーは共通キーとも呼ばれ、一般に、遊技機のメーカーや機種ごとに固有のものではなく、遊技店舗での運用がなされやすいよう、他の機種の遊技機と共用可能な鍵が用いられる。
【0037】
枠開放の手順をより詳しく説明すると、例えば、外枠2に対する前枠4の閉鎖状態を保持する施錠装置の鍵穴(不図示)にドアキーを挿し込んで所定方向に回しながら前枠4を手前に引くことによって、前枠4を外枠2から開放することができる。なお、前枠4を外枠2から開放するためにドアキーを挿し込む鍵穴は、前枠4に対するガラス枠3の閉鎖状態を保持する施錠装置3cの鍵穴を共用する構造としてもよい。
【0038】
パチンコ機1では、外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するために、外枠2の幕板部分にドア開センサ2pが設けられ、さらに、前枠4のドア開センサ2pと対応する位置にドア開検知用部材4pが設けられている。例えば、外枠2に対して前枠4が閉鎖しているときは、ドア開検知用部材4pがドア開センサ2pに嵌合することによって、ドア開センサ2pは前枠4の閉鎖状態(ドア閉)を検知する。一方、外枠2に対して前枠4が開放しているときは、ドア開検知用部材4pがドア開センサ2pから離れることにより、ドア開センサ2pは前枠4の開放状態(ドア開)を検知する。ドア開センサ2pによる検知情報は、所定の基板等に出力され、必要に応じてエラーとして処理される。なお、上記の構造は外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するための機構の一例であって、その他の既知の機構で実現されてもよい。
【0039】
図15は、パチンコ機の背面図(その1)である。
図15は、枠開放される前のパチンコ機1の背面図であるが、
図15から外枠2を除去すると、前枠4が外枠2に対して開放された(枠開放された)ときの前枠4の背面図に相当する。
図15によれば、前枠4の背面側において、遊技盤5の後側を被覆する裏カバー4hが閉鎖状態となっている。裏カバー4hは、通常時は主制御ユニット5b(主制御基板100)や周辺制御ユニット5c(演出制御基板200)を被覆する被覆部材である。したがって、前枠4を開放する第1の手順が行われた場合であっても、裏カバー4hが閉鎖状態にある限り、これらの被覆されたユニットに触れることはできない。
【0040】
なお、
図15には、払出制御基板400(払出制御ユニット)に設けられてRAMクリアスイッチ400qを被覆するRAMクリアスイッチカバー400pや電源基板600(電源ユニット)に設けられて電源スイッチ600qを被覆する電源スイッチカバー600pが示されているが、これらの詳細は後述する。
【0041】
次に、第2の手順(設定キースイッチオン)では、設定キーを使って設定キースイッチ100qをオン状態にする操作が行われる。設定キーは、前述したドアキーとは異なり、遊技機性能に大きな影響を与える「設定」に関する不正を防止するため、セキュリティ性の観点から遊技機のメーカー(あるいは機種)ごとに固有の鍵である。ここで、本実施形態のパチンコ機1では、設定キースイッチ100qは主制御ユニット5b(例えば、主制御基板100)に設けられている。なお、
図15を参照しながら前述したように、第1の手順で前枠4を外枠2から開放しただけでは、主制御ユニット5bは裏カバー4hによって被覆されているため、設定キースイッチ100qに設定キーを挿すことができない。そこで、第2の手順を実行する際は、裏カバー4hを開放する必要がある。
【0042】
図16は、パチンコ機の背面図(その2)である。
図16は、
図15から裏カバー4hを取り除いたパチンコ機1の背面図であり、
図16から外枠2を除去すると、第2の手順が実行される際(すなわち、前枠4が枠開放され、かつ裏カバー4hが開放された状態)の前枠4の背面図に相当する。
図16によれば、裏カバー4hによって被覆されていた主制御ユニット5b(主制御基板100)や周辺制御ユニット5c(演出制御基板200)が露出している。しかし、設定キースイッチ100qはまだ視認可能な位置に現れていない。
【0043】
本実施形態では、主制御ユニット5bの背面は主制御基板ケース100nによって被覆され、かつ、設定キースイッチ100qが設けられた部分は開閉可能なハーネスカバー100pによって通常時は被覆されている。すなわち、設定キースイッチ100qは通常、裏カバー4h及びハーネスカバー100pによって二重に被覆されており、第2の手順を実行する際は、裏カバー4hを開放した後さらにハーネスカバー100pを開放する必要がある。なお、本実施形態では、
図18に示したように、裏カバー4hが左右方向に開閉する構造であるのに対し、ハーネスカバー100pは上下方向に開閉する構造とされている。このように両カバーの開閉方向を異ならせることによって、前枠4を小さく開放した状態で隙間から設定キースイッチ100qに対して操作を行うことを困難にし、防犯性を高めることができる。
【0044】
図17は、パチンコ機の背面図(その3)である。
図17は、
図16に示した状態からハーネスカバー100pを開放した状態のパチンコ機1の背面図である。また、
図18は、
図17の状態におけるパチンコ機の斜視図である。
図17や
図18に示したように、ハーネスカバー100pが前枠4の背面側に開放されることにより、その奥に設けられた設定キースイッチ100qが操作可能に露出する。
【0045】
したがって、このとき、設定変更操作の作業者(例えば、ホール管理者)は、ハーネスカバー100pを開放したまま、前枠4の背面側から、対応する設定キーを設定キースイッチ100qに挿し込んで所定方向に回す等の操作を行うことによって、設定キースイッチ100qをオン状態にする第2の手順を実行することができる。
【0046】
また、
図17,
図18では、払出制御ユニットに設けられたRAMクリアスイッチカバー400pや電源ユニットに設けられた電源スイッチカバー600pを開放した様子も示されている。
【0047】
RAMクリアスイッチカバー400pは上下方向に揺動開閉するカバーである。例えば、RAMクリアスイッチカバー400pは閉鎖状態におけるロック機構を有し、RAMクリアスイッチカバー400pを一旦下側に動かすことによってロックを解除した後に、手前側に開放可能となる。そして、RAMクリアスイッチカバー400pが開放されることによってRAMクリアスイッチ400qが操作可能に露出する。
【0048】
RAMクリアスイッチ400qは、第3の手順で操作される初期化スイッチに相当し、所定の初期化操作(例えば、電源立上げ後の所定期間内におけるRAMクリアスイッチ400qの押下によるON操作)が行われた場合に、主制御RAM103に記憶されている制御情報を初期化(RAMクリア)させるための信号を出力する。なお、RAMクリアのための初期化操作は、RAMクリアスイッチ400qの単独操作に限定されるものではなく、RAMクリアスイッチ400qを押下しながら電源スイッチ600qをオン状態にすること等をRAMクリアのための初期化操作としてもよい。また、RAMクリアの実行時に初期化される情報の範囲は、主制御RAM103に記憶されている制御情報のみに限定されるものではない。
【0049】
したがって、設定変更操作の作業者は、第2の手順を行った後に、RAMクリアスイッチカバー400pを開放した状態で、前枠4の背面側から、RAMクリアスイッチ400qに対して初期化操作(例えばON操作)を行うことにより、第3の手順(RAMクリアスイッチオン)を実行することができる。
【0050】
また、電源スイッチカバー600pは、上述したRAMクリアスイッチカバー400pと同様、上下方向に揺動開閉するカバーである。電源スイッチカバー600pもロック機構を有してもよい。そして、電源スイッチカバー600pが開放されることによって電源スイッチ600qが操作可能に露出する。
【0051】
電源スイッチ600qは、遊技機1(少なくとも主制御基板100)における電源の供給状態を変化させる電源スイッチであって、電源操作が行われた場合に、電源のオン/オフ状態を切り替える信号を出力する。
【0052】
したがって、設定変更操作の作業者は、第2の手順を行った後に、電源スイッチカバー600pを開放した状態で、前枠4の背面側から、電源スイッチ600qに対して所定の電源操作(電源オン操作)を行うことにより、第4の手順(電源スイッチオン)を実行することができる。なお、前述した通り、第3の手順及び第4の手順は同時に(並行して)並行操作されなければならない。そして第1~第4の手順が行われることにより、パチンコ機1の内部状態が設定変更状態に移行し、設定値の選択・設定が可能となる。
【0053】
なお、本実施の形態に係るパチンコ機1では、上記した設定変更状態に移行させるための第1~第4の手順のうち、第1の手順(枠開放)及び第2の手順(設定キースイッチオン)が省略されて実行された場合には初期化操作となり、第3の手順(RAMクリアスイッチオン)が省略されて実行された場合には、現在の遊技設定(設定値)を確認する設定確認状態に移行する。
【0054】
以上のように、パチンコ機1における設定変更操作では、第1の手順によって外枠2から前枠4を開放した状態で、前枠4の背面側から第2~第4の手順を実行しないといけないため、遊技機の前面扉(前枠4)を閉鎖したまま設定変更を行おうとする不正行為を防止することができる。
【0055】
<遊技機の制御構成>
図19は、本実施形態に係る遊技機の制御構成の一例を示す制御ブロック図である。
【0056】
<主制御基板>
図19に示すように主制御基板100は、主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103及びI/Oポート回路104等を備える。主制御CPU101は、主制御プログラムの動作を制御して遊技に関する各種の演算処理を実行する。主制御ROM102は、この主制御プログラム及び各種データなどが不揮発的に記憶されている。主制御RAM103は、一時的な記憶領域(テンポラリ領域)として利用されるワークエリア及びバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路104は、主制御CPU101の制御によって演出制御基板200や払出制御基板400などの周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
【0057】
主制御CPU101は、主制御ROM102から主制御プログラムを読み出して主制御RAM103上で各命令を実行することにより、主制御プログラムの各命令に従った遊技動作を制御する。
【0058】
その他にも、主制御基板100には、図示省略するが、クロック回路、WDT回路、CTC回路及び乱数生成回路等を備える。
【0059】
クロック回路は、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成する。WDT回路は、主制御CPU101が誤動作または暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させる。CTC回路は、リアルタイム割込みを発生したり時間を計測する。乱数生成回路は、主制御CPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する。これらは、内部バス(図示せず)を介して互いに電気的に接続されている。
【0060】
主制御CPU101は、各スイッチ161などからの検出情報などに基づき、主制御ROM102に格納された主制御プログラムを読み出して演算処理を実行することで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
【0061】
さらに主制御CPU101は、遊技の主制御に伴う演出動作を実行させるための演出制御コマンドを演出制御基板200に出力するための演出コマンド出力ポートの他にも、遊技球の払出動作を実行させるための払出コマンドを出力するための払出コマンド出力ポートを備え、さらには、それら送信コマンドを各々対象基板に受け取らせるタイミングを図るためのストローブ信号を出力する際に用いられるストローブ信号出力ポートを備えている。なお、主制御CPU101は、その他にも様々な出力ポートを備えており、ストローブ信号出力ポート101Bも実際には、他の出力データと合わせた複数のデータを出力するポートとして存在している。
【0062】
主制御RAM103は、電源基板600において生成されるバックアップ電源によって少なくとも一部の領域がバックアップされる揮発性記憶手段である。主制御RAM103のバックアップ領域は、電源の遮断(以下「電源断」と称する)が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタ及び各レジスタなどのデータの記憶を保持しておくべきエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰される。
【0063】
主制御基板100は、設定値を変更するための設定キースイッチ100q、第1始動口61に設けられた第1始動口スイッチ161、第2始動口62に設けられた第2始動口スイッチ162、ゲート63に設けられた作動ゲートスイッチ163、大入賞口64に設けられた大入賞口スイッチ164、及び、一般入賞口66に設けられた一般入賞口スイッチ166などの各種スイッチと電気的に接続されている。主制御基板100では、これら各種スイッチからの検出信号がI/Oポート回路104を介して主制御CPU101に入力される。
【0064】
さらに主制御基板100は、第1特別図柄表示装置171、第2特別図柄表示装置172、第1特図保留ランプ173、第2特図保留ランプ174、普通図柄表示装置175、及び普図保留ランプ176などの各種表示手段に電気的に接続されている。この主制御基板100は、普通電動役物622を作動させる普通電動役物ソレノイド123、及び、特別電動役物642を作動させる特別電動役物ソレノイド124などの各種ソレノイドに電気的に接続されており、主制御CPU101からの制御信号をI/Oポート回路104を介してこれら各種表示手段及び各種ソレノイドに送信する。
【0065】
主制御基板100と演出制御基板200との間は、例えば、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ信号線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能とされている。すなわち、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドを送信することが許容されている一方、演出制御基板200から主制御基板100へコマンドやデータを送信することは許容されていない。
【0066】
I/Oポート回路104は、主制御基板100において主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間に設けられている。主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間は、8本のデータ線で構成されるデータバス111の他にも、ストローブ信号線で構成されるストローブ信号バス112によって接続されている。I/Oポート回路104より送信されるコマンドデータは、後述するように主制御CPU101の制御によって、演出制御基板接続コネクタ109を介して演出制御基板200によって受け取られる。
【0067】
<演出制御基板>
一方、
図19に示すように演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を実行する演出制御CPU201と、演出制御プログラムや各種データなどを記憶した演出制御ROM202と、一時的な作業領域(テンポラリ領域)としてのワークエリア及びバッファメモリとして機能する演出制御RAM203と、主制御基板100や画像制御基板300などの周辺の基板及び各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備える。
【0068】
演出制御CPU201は、演出制御ROM202に記憶された演出制御プログラムを読み出して演出制御RAM203上で実行することにより、この演出制御プログラムに従って遊技の進行に伴う演出動作を制御する。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、演出制御CPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、レジスタ設定及びCTC回路からの信号などに基づきタイマ割込みなどの各種割込みを発生させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路、及び、計時機能を備えるリアルタイムクロック回路(以下「RTC回路」と称する)などが搭載されており、これらが内部バスを介して互いに接続されている。
【0069】
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに応じた演出制御処理において、画像制御基板300へ画像及び音の出力を指示する画像制御コマンドを生成したり、その他にも、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、及び、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成したりする。演出制御基板200は、画像制御基板300との間で双方向通信が可能に接続されている。画像及び音に関する画像制御コマンドは、演出制御基板200から画像制御基板300に対して送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(いわゆるACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200に対して送信される。
【0070】
演出制御基板200は、音声を出力するスピーカ11に接続されており、演出制御CPU201が画像制御基板300で生成された音データをスピーカ11に出力する制御を行う。
【0071】
演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気的に接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本実施形態では、演出制御基板200及びランプ接続基板91では、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。
【0072】
ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵している。ランプ接続基板91は、ランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプ10,25に対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプ10,25を点灯させたり消灯させたりする制御を行う。
【0073】
さらに演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気的に接続されており、I/Oポート回路204を介して、役物駆動用の駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に対して出力する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づいて回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物のステッピングモータに対して駆動電流を供給したり遮断したりし、各可動役物を動作させる。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。なお、本実施形態に限らず、役物の駆動源として、ステッピングモータ以外の駆動源を有するものであれば、モータドライバ92の代わりに、駆動源に対応したドライバICに対して、制御信号や制御データが送信される。
【0074】
画像制御基板300は、画像制御CPU301、ROM304、RAM305及びI/Oポート回路306を備える。画像制御CPU301は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づいて画像演出に関する各種の演算処理を実行する。ROM304は、画像制御プログラムや各種データなどが記憶されている。RAM305は、一時的に記憶領域(テンポラリ領域)としてのワークエリアやバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路306は、周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
【0075】
画像制御CPU301は、ROM304から画像制御プログラムを読み出してRAM305にロードして実行することにより、この画像制御プログラムに従って演出に係る画像表示動作を制御する。なお、このROM304は、演出制御ROM基板上のROMに相当する。
【0076】
さらに、画像制御基板300には、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDP302と、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音データを生成する音源IC303とを搭載している。VDP302は、いわゆるグラフィックプロセッサであり、画像制御CPU301からの指示に応じて画像ROM(図示せず)に記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号を演出表示装置70に対して出力する。このVDP302には、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAM(図示せず)が接続されている。音源IC303は、画像制御CPU301からの指示に応じて音声ROM(図示せず)に記憶された音データを読み込み、これを合成処理して音データを生成する。生成された音データは、演出制御基板200を経由して、増幅器を介してスピーカ11に出力される。
【0077】
<払出制御基板>
払出制御基板400は、払出制御CPU401、払出制御ROM402及び払出制御RAM403を備える。払出制御基板400は、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて遊技球の払出動作(賞球動作)を制御する一方、発射ハンドル12の操作量に応じて球送り機構13と発射機構14とを同期して駆動させて遊技球の発射動作を制御する。
【0078】
<電源基板>
電源基板600は、通常電源回路、バックアップ電源回路及び電源断監視回路を備える。通常電源回路は、遊技機島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成する。バックアップ電源回路はバックアップ電源を生成する。電源断監視回路は、電圧低下による電源断を監視する機能を有する。
【0079】
電源基板600は、各制御基板や遊技用機器などの電子・電気部品に必要な電源電圧を生成して供給する。電源基板600には、電源回路を起動させるための電源スイッチ600qが接続されており、遊技機島の電源装置から一次電源が供給されている状態で電源スイッチ600qがオンになると、電源基板600の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。
【0080】
電源基板600は、遊技機島の電源装置からの電源供給が遮断されたこと(以下「電源断」とも称する)を検出する機能を有し、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を、主制御基板100、演出制御基板200及び払出制御基板400に対して送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技機島の電源装置から遊技機に電源が供給されている間に充電される構成となっている。電源基板600には、RAMクリアスイッチ400q及びドア開センサ2qが接続されている。RAMクリアスイッチ400qは、遊技機の電源投入時に主制御基板100の主制御RAM103の一時的に記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのスイッチである。ドア開センサ2qは、外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するセンサである。なお、RAMクリアスイッチ400q及びドア開センサ2qは、電源基板600の代わりに、例えば、主制御基板100などその他の基板に接続されていてもよい。
【0081】
<遊技機の基本的な動作例>
以上のように構成された遊技機は、上球皿8に遊技球が貯留されている状態で遊技が開始される。まず、発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠3の背面側に設けられている球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、発射ハンドル12の操作量に応じた発射強度にて発射機構14により遊技領域20Aに発射される。
【0082】
遊技領域20Aを転動流下する遊技球が一般入賞口66、第1始動口61、第2始動口62及び大入賞口64のいずれかに入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101がその入賞口の種別に応じた賞球動作を指示する払出制御コマンドを払出制御基板400に送信することにより、これを受けた払出制御基板400の制御によって貯留タンク31の遊技球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9に払い出される。
【0083】
一方、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101が、第1始動口61又は第2始動口62に対する入球を検出した際に特別図柄の抽選乱数値を取得し、当該乱数値を、所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時的に記憶する。主制御CPU101は、所定の変動開始条件が成立すると、その後、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定及び図柄判定を実行するとともに、変動パターンを選択する変動パターン判定を実行し、この判定結果に応じた態様で第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172を用いて特別図柄を変動表示させる。これに併せて、主制御CPU101は、演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信することにより画像制御基板300に演出表示装置70に装飾図柄の変動表示及び変動演出の表示を実行させる。特別図柄及び装飾図柄の変動表示は、選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。ここで、第1始動口61や第2始動口62に対して入球があり各種の抽選乱数値を取得することや、さらには、取得された乱数値が保留され、変動開始条件を満たした際に、特別図柄表示装置により特別図柄遊技を行うことについて、結果的に特別図柄遊技の実行がなされることになる処理のことを「始動条件(が成立する)」と称する。
【0084】
第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172において第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、特別電動役物642の作動に応じて大入賞口64の開閉動作が開始される。一方、演出表示装置70における大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が10回(10ラウンド)に設定された10R特別遊技と、ラウンド遊技が5回(5ラウンド)に設定された5R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが用意されている。
【0085】
本実施形態では、10R特別遊技、5R特別遊技及び2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に亘って、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が作動する。すなわち、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が、次の大当りの発生まで継続するのではなく、上記ST回数に達するまでに限定されている。このように特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が低確率状態から高確率状態へ移行するため、比較的早期に新たな大当りに至る確率が高くなる。
【0086】
一方、特別遊技が終了した後、主制御CPU101は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は別途、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)を作動させる場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄(及び装飾図柄)の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間あたりの特別図柄抽選回数が向上し、前回の大当り終了より短期間で次の大当りを獲得し易くなる。
【0087】
さらに主制御CPU101は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、併せて、いわゆる電チューサポート機能(普通電動役物サポート機能)を作動させる。電チューサポート機能では、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物622の開放延長機能のいずれかの機能または組み合わせの機能が作動する。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となり、普通電動役物622の開放態様が通常遊技状態時(電チューサポート機能の非作動時)のものと変更される(例えば普通電動役物622の開放時間が通常よりも延長される)ことによって第2始動口62へ遊技球が入球し易くなる状態(「入球容易状態」とも称する)となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、普通図柄の変動時間短縮機能の作動により一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、普通電動役物622の開放時間の開放時間延長機能の作動により第2始動口62への入球容易性も向上するため、第2始動口62への入球数が増加する可能性が高くなる。従って、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加し、その結果、遊技者は、持ち球を通常遊技状態時に比して減らし難い状態で遊技を継続することが可能となる。
【0088】
<遊技機の主要な機能構成例>
本実施形態に係る遊技機の遊技動作の概要は以上のようであり、次に、本実施形態に係る遊技機の主要な機能について詳細に説明する。
図20は、本実施形態に係る遊技機に搭載された主制御基板100の機能の一例を示すブロック図である。
【0089】
主制御基板100は、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段169、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられた主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103、電子回路などのハードウェア及び主制御ROM102などに格納された主制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるが、ここでは機能的なブロックとして表現している。
【0090】
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167などからの各検出信号に基づき、各入賞口等への遊技球の入球を判定する。
【0091】
遊技抽選乱数発生手段120は、前述した乱数生成回路において生成された内蔵乱数を取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。遊技抽選乱数発生手段120は、主制御CPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として機能する。
【0092】
このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数を構成する特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ、はずれ図柄の組み合わせなど)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値及び終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。なお、上述した当り図柄とは、当選した図柄を意味する。
【0093】
これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
【0094】
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131及び普通図柄保留制御手段132を含む。特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時的に記憶する。
【0095】
第1特別図柄保留格納領域及び第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順にいわゆる先入れ先出しの原則に従って消化される。保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
【0096】
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
【0097】
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時的に記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
【0098】
普通図柄保留制御手段132は、遊技領域20Aを転動流下する遊技球がゲート63を通過したことを契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時的に記憶する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
【0099】
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、主制御基板100では、どのタイミングで作動保留球を取得した場合であっても事前判定を実行して情報を演出制御基板200へ送信し、先読み予告の実行可否に関してすべて演出制御基板200で決定することも可能である。
【0100】
具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)、図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、後述の抽選テーブル(特別図柄当否抽選テーブル、特別図柄当り図柄テーブル、変動パターンテーブル)と同様の区切り方で、乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画されており、この領域(判定値数)ごとに、抽選IDが割り当てられている。なお、事前判定手段135による事前判定は、実際に変動が開始される際に抽選に使用される乱数値に対応するものであれば、第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に記憶されたデータではなく、RAMやCPUのレジスタに一時的に保持しているデータを事前判定するものであってもよい。
【0101】
この抽選IDとしては、事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する)が設定されている。事前判定手段135は、事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、本実施形態のように、事前判定結果をどの乱数値範囲に属するかの情報(抽選ID)として送信する場合に限らず、実際に変動を開始する際に使用する当否抽選テーブル等を使って事前に抽選した結果を送信するものであってもよい。
【0102】
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段142及び特別図柄変動パターン判定手段143を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立すると、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出し、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域及び特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、例えば本実施形態のように第2特別図柄の優先制御を採用する場合には、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄及び第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足することをいう。それら全ての条件を満足すると、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
【0103】
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が大当り、小当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時的に記憶され(例えば、大当りデータ(例えば「55H」)、小当りデータ(例えば「33H」)、及びはずれデータ(例えば「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に、特別図柄当否抽選テーブルを参照する。なお、上記各データの後に示す「H」は、「Hexadecimal(16進数)」の頭文字であり、データが16進数であらわされていることを意味している。例えば、「55H」であれば、1バイトデータとして「01010101B(「B」は2進数)」であることを示している。特に10進数表記する場合は、記号を付加しないか、あるいは「D」を付して説明するものとする。
【0104】
図22(A)は、いわゆる低確率状態としての通常状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図であり、
図22(B)は、いわゆる高確率状態としての確変状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図である。
【0105】
この特別図柄当否抽選テーブルでは、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り及びはずれの判定結果とが対応付けられている。このように対応付けられた乱数範囲に応じて大当り及び小当りの当選確率が定まる。これら
図22(A)及び
図22(B)からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0~219」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大されており、乱数値が「0~219」の範囲に該当する場合だけでなく、「220~2184」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。
【0106】
このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本実施形態では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを用意して、第2特別図柄の当否抽選の方が第1特別図柄の当否抽選よりも高い確率で小当りとなるように構成したり、第2特別図柄の当否抽選のみに小当りを用意したりするものであってもよい。
【0107】
なお、前述したように、本実施形態に係るパチンコ機1は、複数段階の設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを変更する設定変更機能を備えることができる。このようなパチンコ機1において設定変更を行うと、設定(設定値)に応じて大当りとなる乱数値範囲が変更される。したがって、設定値に応じて大当り範囲が異なる特別図柄当否抽選テーブルが用意される。但し、パチンコ機1では、低確率状態における大当り抽選確率と高確率状態における大当り抽選確率との比率は、設定値によらず一定とされる。具体的には例えば、設定値が「1」であるときの大当り抽選確率について、低確率状態が1/300かつ高確率状態が1/30(低確率状態の10倍)であるとすれば、設定値が「6」であるときの大当り抽選確率は、低確率状態が1/250であるとき、高確率状態が1/25(低確率状態の10倍)となる。
【0108】
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、及び当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りである場合に、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止図柄及び図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブル及び第2特別図柄当り図柄テーブルを有する。
【0109】
第1特別図柄当り図柄テーブルには、
図23(A)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」~「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。なお、本実施形態においては、当否抽選がはずれ、小当りである場合の当り図柄テーブルを示していないが、はずれや小当りが全て単一動作である場合には、当り図柄テーブルを使用することなく、一義的にはずれ図柄、小当り図柄を決定するものとし、はずれや小当りに種類を持たせて、変動パターンを変更させたり、特別電動役物の制御態様を変更させたりしたい場合には、はずれ、小当りの場合にも当り図柄テーブルを使用して図柄を決定するものであってもよい。
【0110】
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(10R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(5R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄である一方、「通常図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
【0111】
図柄群A,Bは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間において限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能並びに電チューサポート機能が付与される。図柄群Aについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。一方、図柄群Bについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
【0112】
図柄群Cは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口64の開放回数及び開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約1.8秒である。
【0113】
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「9」が一義的に割り当てられる。この図柄「9」には、図柄群F(特電作動図柄1)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
【0114】
一方、前述した第2特別図柄当り図柄テーブルには、
図23(B)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、特別電動役物642の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。この第2特別図柄当り図柄テーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」~「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(10R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群E(5R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。
【0115】
図柄群D,Eは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能、変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が付与されうる。図柄群Dについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群Eについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約30秒である。
【0116】
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「19」が一義的に割り当てられる。この図柄「19」には、図柄群G(特電作動図柄2)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当選結果がはずれである場合と同様に確率変動機能等の遊技状態の終了条件を満たしていないかを判定し、終了条件を満たしていない場合において、小当りと判定された際の遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
【0117】
上述したように本実施形態では、大当り種別として、10R大当り(10R特定時短有図柄)、5R大当り(5R特定時短有図柄)及び2R大当り(2R特定時短有図柄)の3種類が用意されている。特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、10R大当り>5R大当り>2R大当りの順となっている。そこで、以下では、10R大当りを、賞球獲得期待値の最も高い「高利益大当り」とも称し、2R大当りを、賞球獲得期待値の最も低い「低利益大当り」とも称する。なお、同一の実行ラウンド数でも、長開放ラウンド遊技(30秒)と短開放ラウンド遊技(1.8秒)とが混在するような場合には、長開放ラウンド遊技が多く存在する大当りが「高利益大当り」となる。
【0118】
具体的には、特別遊技に実行ラウンド数を10ラウンドに統一するなど、共通の実行ラウンド数を有するものの、所定ラウンドにてラウンド遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含めてもよく、その場合には、大入賞口64の開放時間が相対的に短い短開放ラウンド遊技のみからなる種類の特別遊技と、所定回数の実行ラウンド以降において大入賞口64の開放時間が相対的に長い長開放ラウンド遊技に切り替わる種類の特別遊技とを含めてもよく、後者が「高利益大当り」を構成する。同一の実行ラウンド数の大当りでも、大入賞口開放パターンの差異によって実質的な利益、すなわち、賞球獲得期待値が異なるように構成してもよい。
【0119】
ここで、前述した説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、50%の確率で10R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、75%の確率で10R大当りが選択される。これにより、遊技球を第1始動口61に入球するよりも第2始動口62に入球した方が、より多くの出玉を獲得できる可能性が高い点で遊技者にとって有利である。なお、カウント数(規定カウント数)とは、ラウンド遊技における大入賞口64への遊技球の最大入球可能数である。
【0120】
図20に示す特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、後述する
図24及び
図25に例示するような、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを有する。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、これら複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。なお、各図中では、説明を分かり易くするため、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定される。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本実施形態では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際にはさらに多数の変動パターンが存在する。
【0121】
図24は、大当り・小当り用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブルであり、中段の(A2)は確変変動パターンテーブルであり、下段の(A3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施形態では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
【0122】
通常変動パターンテーブル(A1)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPX3(スーパーリーチA)が選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPY3(スーパーリーチA)が選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)若しくは変動パターンPZ4(スーパーリーチD)が選択される。この大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、通常状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
【0123】
確変変動パターンテーブル(A2)では、大当り種別が10R大当り又は5R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ6(ノーマルリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、特別図柄の確変状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
【0124】
特殊変動パターンテーブル(A3)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX9(非リーチC)のみが選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY10(スーパーリーチC)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ10(スーパーリーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPX9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される一方、スーパーリーチC態様の変動パターンPY10,PZ10は相対的に長い変動時間(120秒)として構成される。
【0125】
図25は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、中段の(B2)は確変変動パターンテーブル、下段の(B3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施形態では、変動パターン選択状態、及び特別図柄の作動保留球数に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
【0126】
通常変動パターンテーブル(B1)は、第1特別図柄の変動パターンを選択することを想定している(通常遊技状態においては、第1特別図柄の変動が主体となるため)。通常変動パターンテーブル(B1)では、非リーチAに対応する変動パターンPH1-1,PH1-2,PH1-3、非リーチBに対応する変動パターンPH1-4,PH1-5、ノーマルリーチA(NリーチA)に対応するPH2、スーパーリーチA(SPリーチA)に対応するPH3、またはスーパーリーチD(SPリーチD)に対応するPH4のいずれかが選択される。通常変動パターンテーブル(B1)において、非リーチAの変動は先読みの対象外とし、非リーチA以外の変動は先読み対象とする。
【0127】
なお、通常変動パターンテーブル(B1)において、非リーチBに対応する変動パターンPH1-4,PH1-5は、保留数によって選択率を変えてもよい。また、リーチ領域(NリーチA,SPリーチA,SPリーチD)に対応する変動パターンは、基本的に保留数に応じて選択率を変えないようにしている。但し、NリーチAのように、低期待度のリーチ種別の場合は、保留数に応じて選択率を変更してもよい。例えば、保留数が少ない場合に、非リーチAや非リーチBの選択率を下げてNリーチAの選択率を高めることにより、変動時間が長くなるため、変動表示が行われない状況を回避する効果が得られ、興趣低下を抑制することができる。
【0128】
確変変動パターンテーブル(B2)は、第2特別図柄の変動パターンを選択することを想定している(確率変動状態においては、第2特別図柄の変動が主体となるため)。確変変動パターンテーブル(B2)では、非リーチBに対応する変動パターンPH5-1,PH5-2、ノーマルリーチB(NリーチB)に対応するPH6、スーパーリーチB(SPリーチB)に対応するPH7、またはスーパーリーチD(SPリーチD)に対応するPH8のいずれかが選択される。確変変動パターンテーブル(B2)において、非リーチBの変動は先読みの対象外とし、非リーチB以外の変動は先読み対象とする。
【0129】
特殊変動パターンテーブル(B3)では、非リーチCに対応する変動パターンPH9のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPH9は、超短縮の変動時間(2秒)として構成される。特殊変動パターンテーブル(B3)では全てを先読みの対象外としている。
【0130】
なお、
図25に例示したように、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0~4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択されるように設定することができる。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、変動パターンテーブルとして、特別図柄の種類別に分けることも可能である。例えば、確率変動状態などの電チューサポート機能が作動している状態においては、第2特別図柄の変動表示が容易な状態であり、
図23にも示したように第2特別図柄の大当りの方が有利となる場合には、第1特別図柄の変動時間を長時間とすることで、優先して変動制御されることになる第2特別図柄の保留を溜めさせるための時間を創出させることができる。
【0131】
例えば、
図25の場合、第2特別図柄の変動パターンを選択することを想定している確変変動パターンテーブル(B2)において、非リーチB全体(変動パターンPH5-1,PH5-2)の選択率は、保留数に拘わらず一定の750/1000である。しかし、保留数による変動パターンPH5-1,PH5-2の振分をみると、保留が溜まっている状況(「保留数2→1」、「保留数3→2」、「保留数4→3」)では、変動時間が短い変動パターンPH5-1(5秒)が選ばれやすいのに対し、保留が溜まっていない状況(「保留数1→0」)では、変動時間が長い変動パターンPH5-2(10秒)が選ばれやすい。このように振分によれば、第2特別図柄が優先消化される確変状態において第2特別図柄の保留が少なくなった場合に、長めの変動時間が選ばれやすくなるため、第2特別図柄の保留追加に期待し易くなり、第2特別図柄の全保留が消化されて第1特別図柄の保留消化が開始されるといった不利な状況を抑制することができる。
【0132】
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、特別図柄(図柄群)及び遊技状態の情報を含む演出制御コマンド(「図柄指定コマンド」と称する)、変動開始後の保留数の情報を含む演出コマンド(「図柄記憶数コマンド」)などを生成して(以降、これらの演出制御コマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
【0133】
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
【0134】
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグとして一時的に記憶されており、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持している。この普通図柄当否判定手段146は、通常状態(低確率状態)においては、例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照する一方、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照することにより、普通図柄の当否抽選を実行する。
【0135】
本実施形態では、普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を選択する一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を選択する。なお、普通電動役物の制御パターンを複数有したい場合においては、普通図柄の図柄抽選テーブルの抽選結果を複数有するように設計すればよい。また、当選した普通図柄が同一であっても、遊技状態が普通電動役物の開放延長機能の作動中であるか否かで、普通電動役物の制御パターンを異ならせることもできる。
【0136】
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
【0137】
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当りの種別に応じて、特別遊技中に演出表示装置70などに表示される開始デモ演出及び終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。なお、本実施形態に限らず、特別遊技制御手段150において決定されるデモ演出時間は、大当り種別以外にも大当りとなった際の遊技状態を基準として決定することも可能である。
【0138】
特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成すると、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、ラウンドの開始時に送信される現在のラウンド数の情報を含んだラウンド開始コマンド、及びラウンド遊技中に大入賞口スイッチ164の検出に基づく入賞演出を実行させるための大入賞口有効入賞コマンドが含まれている。
【0139】
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70などに表示される小当り開始デモ演出及び小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
【0140】
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156及び普通図柄表示制御手段157を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置171に変動表示させるとともに、この変動表示が終了した後に第1特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置172に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有する。第1特別図柄表示装置171及び第2特別図柄表示装置172の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステータスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマが変動時間を管理しているときであって、その値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。
【0141】
一方、普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置175に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置175の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステータスに基づき監視される。
【0142】
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本実施形態では、10R,5R,2R)だけ連続して実行する。電動役物制御手段160は、特別電動役物642の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる10R大当り(図柄群A,D)又は5R大当り(図柄群B,E)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約30秒間開放させる。一方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄群C)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約1.8秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64の閉鎖条件(ラウンド遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
【0143】
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される特別遊技であり、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技の大当り遊技とは区別される。特に、小当り遊技、大当り遊技はともに特別電動役物642の作動に基づいて出玉の獲得が容易な遊技である特別遊技であるが、特別電動役物642の連続作動を可能とするための役物連続作動装置が動作しているか否かで切り分けられるものである。
【0144】
電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド123に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
【0145】
遊技状態制御手段169は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄及び普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
【0146】
以下では、各遊技状態を、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(電チューサポート機能作動あり/電チューサポート機能作動なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/高ベース」、(2)時短状態を「低確率/高ベース」、(3)潜伏確変状態を「高確率/低ベース」、(4)通常状態を「低確率/低ベース」、と呼称することもある(「ベース」は発射球数あたりの賞球数を指すものであり、電チューサポート機能作動中は、普通電動役物の作動により賞球獲得可能性が高い「高ベース」と称する)。本実施形態では、一例として、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数(すなわち前述のST回数)に到達するまでの間に亘って確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り遊技の終了時に再度大当り種別、大当り図柄に基づいて対応する遊技状態へ移行する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセットされることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は一例として100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよい。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が同時に作動し、確変状態が継続する限り各機能も継続することになる。
【0147】
特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態及び確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態でありかつ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りである場合には、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
【0148】
遊技状態制御手段169は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの種別(図柄群A~Eの種類)に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率特殊変動状態γ」などの3種類が存在する。ここで、低確率通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態(低確率状態)のときに選択される通常変動パターンテーブル(
図24のA1及び
図25のB1)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率短縮変動状態βとは、遊技状態が特別図柄の確変状態(後述の限定期間を除く)のときに選択される確変変動パターンテーブル(
図24のA2及び
図25のB2)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率特殊変動状態γとは、遊技状態が特別図柄の確変状態であって特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回)の変動表示に亘る期間:「限定期間」と称する)のみ選択が許容される特殊変動パターンテーブル(
図24のA3及び
図25のB3)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。本実施形態では、図柄群A~Dのいずれが選択された場合でも、変動パターン選択状態は、(1)特別遊技の終了直後、図柄変動回数4回の限定期間のみ高確率特殊変動状態γに滞在し、(2)限定期間の終了後、かつ、その実行回数がST回数(100回)内にあるときは高確率短縮変動状態βに滞在し、(3)ST回数の終了後、すなわち、実行回数として101回目以降は低確率通常変動状態αに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、低確率通常変動状態αに滞在することになる。なお、遊技状態制御手段169は、現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。また、本実施形態に限らず、特殊変動状態γを複数有して、1回の変動時間短縮遊技状態の期間の異なるタイミングで、異なる特殊変動状態を参照可能とするものであってもよい(例えば、大当り終了後の4回に特殊変動状態γ1に滞在し、さらに短縮変動状態βに95回滞在したのち1回の特別図柄遊技で滞在する特殊変動状態γ2を設けるなど)。
【0149】
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、
図19において全ては図示しないが、扉開放スイッチはガラス枠3が開放されているか否かを検出する検出手段であり、枠開放スイッチ(ドア開センサ2p)は前枠4が開放されているか否かを検出する検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤が開放されているか否かを検出する検出手段である。磁気センサ及び電波センサは不正行為(いわゆるゴト行為)を発見するための検出手段である。
【0150】
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技及び普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄及び普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技及び普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄及び変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置171,172の動作状態を示すステータス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステータス情報、演出制御コマンドデータの情報など遊技の進行の制御に必要な情報を一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
【0151】
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEデータとEVENTデータを区別するために、MODEデータの第7ビットは「1」、EVENTデータの第7ビットは「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEデータ及びEVENTデータの各々に対してストローブ信号が出力される。
【0152】
演出制御基板200は、このように出力されたストローブ信号を受け取ったことを契機として、MODEデータ及びEVENTデータをそれぞれ受け取ることができる。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って、割込み周期毎に1コマンドずつMODEデータ及びEVENTデータそれぞれ送信される。
【0153】
設定変更手段195は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段195は、前枠4が開放状態(ドア開センサ2pがドア開を検知)で、設定キースイッチ100qがオン状態のときに、RAMクリアスイッチ400qを押しながら電源スイッチ600qがオンにされた場合に、上述した設定変更状態に移行させる。
【0154】
設定変更手段195は、設定変更状態に移行された場合、設定メモリ(例えば、主制御RAM103が提供するRAM記憶領域の一部)に記憶される設定値を設定表示部197に表示させる。設定表示部197は、例えば主制御基板100上に設けられた7セグメント表示器によって設定値を表示する。このとき、設定変更手段195は、所定の設定変更ボタンの押下に応じて、設定表示部197に表示される設定値を「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部197における表示と同じ値に更新する。本例では、設定変更ボタンとしてRAMクリアスイッチ400qを用いるとするが、他のボタンを利用してもよいし、専用のボタンを設けてもよい。そして、設定変更手段195は、設定キースイッチ100qがオフ状態にされた場合に、設定変更状態を終了させ、設定表示部197を消灯させる。
【0155】
設定確認手段196は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段196は、前枠4が開放状態(ドア開センサ2pがドア開を検知)で、設定キースイッチ100qがオン状態のときに、RAMクリアスイッチ400qが押されずに電源スイッチ600qがオンにされた場合に、上述した設定確認状態に移行させる。
【0156】
設定確認手段196は、設定確認状態に移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部197に表示させる。但し、上述した設定変更手段195とは異なり、設定確認手段196は、設定変更ボタン(例えばRAMクリアスイッチ400q)が押下されたとしても、設定表示部197に表示される設置値を変更せず、また、設定メモリに記憶される設定値も変更しない。そして、設定確認手段196は、設定キースイッチ100qがオフ状態にされた場合に、設定確認状態を終了させ、設定表示部197を消灯させる。
【0157】
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」~「6」の数値ではなく、代わりに「0」~「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを-1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定値データとして「0」~「5」の数値を用いる場合、設定変更手段195及び設定確認手段196は、設定値データの数値をそのまま設定表示部197に表示させてもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部197に表示させてもよい。後者の場合、「0」~「5」の数値データが遊技設定における設定1~設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
【0158】
図21は、本実施形態に係る遊技機における演出制御基板200の機能の一例を示す機能ブロック図である。演出制御基板200は、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、演出制御情報記憶手段260及びコマンド送受信手段270を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配された演出制御CPU201、演出制御ROM202、演出制御RAM203、電子回路などのハードウェア及び演出制御ROM202に格納された制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
【0159】
演出抽選乱数発生手段210は、演出制御CPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の実行可否の抽選に使用する先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、大当り演出パターンの選択に使用する大当り演出パターン乱数、保留内連荘演出の実行可否の抽選に使用する連荘演出抽選乱数、保留内連荘演出の連荘演出パターンの選択に使用する連荘演出パターン乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。なお、便宜的に各抽選に使用する乱数に名称を付けてはいるが、共通に使用される乱数を有するものであってもよい。
【0160】
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226及び大当り演出決定手段227を含む。
【0161】
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値を更新する。そして、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(表示色)の「白色」から特殊な表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」及び「虹色」のうちのいずれかを取り得る。上記4種類の特殊な表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。本実施形態では、保留画像が「虹色」に変化した場合には、当該先読み対象の作動保留球において大当りが確定的となる。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様などで表現してもよい。
【0162】
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合するように演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時的に記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
【0163】
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。本実施形態では、先読み予告には、前述した保留変化先読み予告の他に、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出を有する。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)及び図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、先読み予告には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出など各種のバリエーションが存在する。また別の種類の先読みとして、大当り遊技中や大当り当選となる変動が実行されている時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出を有する。
【0164】
図26は、変動パターン先読み判定テーブルの一例を示す図である。
図26に例示した変動パターン先読み判定テーブルは、先読み予告制御手段223による先読み判定で用いられる判定テーブルであって、
図25等に示した特別図柄変動パターンテーブルを用いて決定された各変動の変動パターンに基づいて、先読みの種別(A~D)が選択される。
【0165】
図26によれば、先読み種別A(非先読み)は、先読みの対象外の変動パターン(
図25によれば変動パターンPH1-1,PH1-2,PH1-3,PH5-1,PH5-2)から選択される。先読み種別Aが選択された場合、当該変動を対象とする先読み演出は実行されない。
【0166】
ここで、
図25の通常変動パターンテーブル(B1)において先読み対象外とされる非リーチAの選択率は、変動パターンPH1-1,PH1-2,PH1-3を合計すると、保留数に拘わらず750/1000であり、
図26の先読み種別Aの選択率と一致する。すなわち、本例では、通常時(第1特別図柄)に非リーチAの変動パターンが決定された場合、当該変動に対する先読み演出は常に実行されず、先読み判定結果は全てID=0となる。また、
図25の通常変動パターンテーブル(B1)では、非リーチAだけが保留数によって変動パターンの選択率が変動するように設定されている。このことから、本例では、保留数に選択率が依存する変動パターンが選ばれる乱数値の範囲においては、先読み判定結果は全てID=0となる、とも言える。
【0167】
先読み種別B(弱先読み)は、通常時の先読み対象の非リーチ(変動パターンPH1-4,PH1-5)、あるいは、確変時のNリーチ(変動パターンPH6)に決定された変動パターンから選択される。先読み種別Bが選択された場合、当該変動を対象として、低い期待度を有する所定の(あるいは任意の)先読み演出が実行される。
【0168】
先読み種別C(中先読み)は、通常時のNリーチ(変動パターンPH2)、あるいは、確変時のNリーチBまたはSPリーチB(変動パターンPH6,PH7)に決定された変動パターンから選択される。先読み種別Cが選択された場合、当該変動を対象として、中程度の期待度を有する所定の(あるいは任意の)先読み演出が実行される。
【0169】
先読み種別D(強先読み)は、通常時のSPリーチ以上(変動パターンPH3,PH4)、あるいは、確変時のSPリーチD(変動パターンPH8)に決定された変動パターンから選択される。先読み種別Dが選択された場合、当該変動を対象として、高い期待度を有する所定の(あるいは任意の)先読み演出が実行される。なお、先読み種別B,C,Dによって期待度の異なる先読み演出が実行されるように構成することは、主制御基板100における先読み判定結果のIDに応じて、先読み演出の抽選テーブルを異ならせることや、同一のテーブルを使用した結果に対して当選した先読み演出よりも上位の先読み演出に変更することによって実行し得る。
【0170】
なお、上記例では通常時用と確変時用の共通テーブルとして
図26の変動パターン先読み判定テーブルを示したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、通常時用と確変時用とで異なるテーブルを用意してもよく、また、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで異なるテーブルを用意してもよい。さらに、後述する変動付加パターンに関しての先読みを行うためのテーブルを用意してもよい。
【0171】
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態及び変動パターン選択状態との整合性をとるように演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モードα、確変演出モードβ、特殊演出モードγが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本実施形態では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示されており、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得る。
【0172】
各演出モードについて概説する。まず、通常演出モードαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、低確率通常変動状態αが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率短縮変動状態βが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「確変背景」が表示される。特殊演出モードγは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率特殊変動状態γが選択されている場合に設定される。この特殊演出モードは、特別遊技の終了直後の4回に亘る期間(限定期間)を限度として滞在し、この限定期間を超えると、確変演出モードβに遷移する。特別遊技中に保留内連荘演出が発生した場合、背景画像として「特殊背景」を表示する。一方、特別遊技中に保留内連荘演出が発生しなかった場合、すなわち、連続変動演出が実行されていない場合には、背景画像として確変演出モードと共通の「確変背景」を表示する。
【0173】
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、キャラクタ演出番号情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本実施形態では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本実施形態では、識別要素として、「1」~「9」の数字、「S」の文字などの全10種類が設定されている。各装飾図柄は、図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「8」→「9」→「S」の順序で、左表示領域、中表示領域及び右表示領域においてそれぞれ巡回表示される。
【0174】
装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成されており、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。なお、本実施形態では、保留内連荘を確定的に報知するための特殊の大当り図柄として「S・S・S」が設けられている。装飾図柄決定手段224は、保留内連荘演出を実行することが決定された場合に、連荘演出パターンPA2が選択されているときは、通常の大当り図柄(「3・3・3」など)を、特殊の大当り図柄(「S・S・S」)に差し替える。
【0175】
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチ表示後に行われる図柄変動演出(リーチ演出)として、演出内容が単純なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、演出内容が途中で発展するリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが含まれる。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択する。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では変動パターンとして図柄変動の基本パターン(例えば、「ノーマルリーチA」、「スーパーリーチA」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では変動演出パターンとして当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「ノーマルリーチA1,A2,A3…」、「スーパーリーチA1,A2,A3…」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、変動演出パターン毎にあらかじめ定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特定の変動演出パターンである場合には、左図柄→中図柄→右図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
【0176】
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターンなどが含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行されており、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択する。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、カットイン予告演出パターン、役物可動予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に合わせて、1又は複数の予告演出を実行することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
【0177】
大当り演出決定手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、演出制御情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。
【0178】
ここで、通常の大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」という文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。通常のラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。通常の大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」という文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
【0179】
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、連荘演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像及び音に関する画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
【0180】
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色などを制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91に送信する。
【0181】
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、可動役物を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に送信する。
【0182】
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
【0183】
演出制御情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報などを一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド及びACKコマンドをそれぞれ格納することができる。
【0184】
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを、併せて出力されるストローブ信号の受け取りを契機として受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。具体的には、コマンド送受信手段270は、主制御基板100からのストローブ信号が入力されたことを契機として発生した割込みに応じて演出制御コマンドの受信割込み処理を実行し、この受信割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得する。この演出制御コマンドの受信割込み処理の詳細については後述する。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理よりも優先的に実行する。
【0185】
コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示するため、演出制御情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドを、一例としてシリアル通信方式を用いて画像制御基板300に対して送信する。画像制御コマンドは、原則として、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本実施形態では500μs)毎に送信される。
【0186】
これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させて予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納する。
【0187】
<主制御基板側の処理>
図27~
図48は、主制御基板100における動作処理の手順の一例を示すフローチャートである。主制御基板100側の動作処理は、主として主制御側メイン処理及び主制御側タイマ割込み処理を含む。
【0188】
<主制御側メイン処理>
図27、
図28及び
図29は、それぞれ、主制御基板100において実行される主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットにより主制御CPU101のセキュリティチェックが行われた後に主制御プログラムが起動され、この主制御プログラムによって処理が実行される。なお、以下の説明では、適宜、各処理の主体を省略する場合がある。
【0189】
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(ステップS1)、主制御RAM103のアクセス許可を行う(ステップS2)。次に、タイマ割込みが発生した場合に処理する主制御プログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(ステップS3)、主制御CPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(ステップS4)。
【0190】
次に、主制御CPU101は、設定キースイッチ100qの操作状態を確認し(ステップS5)、設定キースイッチ100qがオン状態であれば(ステップS5のYES)、RAMクリアスイッチ400qの操作状態を確認する(ステップS6)。ステップS6においてRAMクリアスイッチ400qがオン状態であれば(ステップS6のYES)、設定変更処理を実行する(ステップS7)。設定変更処理の詳細は
図30を参照しながら後述するが、設定変更処理の終了後はステップS13に進む。一方、ステップS6においてRAMクリアスイッチ400qがオフ状態であれば(ステップS6のNO)、設定確認処理を実行する(ステップS8)。設定確認処理の詳細は
図31を参照しながら後述するが、設定確認処理の終了後はステップS10に進む。
【0191】
なお、ステップS5において設定キースイッチ100qがオフ状態であった場合は(ステップS5のNO)、主制御CPU101はRAMクリアスイッチ400qの操作状態を確認する(ステップS9)。ステップS9においてRAMクリアスイッチ400qがオン状態であれば(ステップS9のYES)、設定変更を伴わない通常のRAMクリア処理を行うため、ステップS13に進む。一方、ステップS9においてRAMクリアスイッチ400qがオフ状態であれば(ステップS6のNO)、特段の処理を行わずにステップS10に進む。
【0192】
ステップS10では、主制御CPU101は、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(ステップS10)。
【0193】
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合、主制御RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(ステップS11)。このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(ステップS12)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前に主制御RAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。
【0194】
ステップS12においてチェックサムが正常である場合には(ステップS12のYES)、電源断前の状態に復帰すべく、後述するステップS16に移行する。他方、ステップS12においてチェックサムが異常である場合(ステップS12のNO)、または、ステップS7における設定変更処理の終了後は、初期化処理の対象とされる主制御RAM103の全領域をゼロクリアする(ステップS13)。なお、ステップS13の初期化処理では、特定のRAM記憶領域はゼロクリアしない。例えば、設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、ステップS7の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
【0195】
次に、主制御RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(ステップS14)。次に、演出表示装置70の初期化、演出ランプ10,25の初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(ステップS15)。
【0196】
次に、電源断復帰設定処理において、主制御RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に実行する(ステップS16)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス及び転送バイト数をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(ステップS17)。電源断時における特別図柄遊技ステータスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を実行する(ステップS18)。
【0197】
次に、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(ステップS19)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(ステップS20)。
【0198】
次に、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS21)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS22)。次に、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(ステップS23)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次に、タイマ割込みを起動させるため、上記CTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(ステップS24)。次に、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(ステップS25)。ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(ステップS26)。
【0199】
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(ステップS27)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS28)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎に定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
【0200】
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(ステップS29)、上述の割込みを禁止する処理(ステップS25)に戻り、ステップS25~S29に亘るループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、ステップS25~S29までの処理を繰り返す。割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、ステップS29において割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。一方、ステップS27において電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、ステップS30に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
【0201】
次に、電源断時処理(ステップS30~S36)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS30)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(ステップS31)。電源投入正常情報である場合、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(ステップS32)。他方、電源投入正常情報でない場合、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(ステップS33)、ステップS36に移行する。
【0202】
次に、主制御RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(ステップS34)。チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値を主制御RAM103のチェックサム領域に設定する(ステップS35)。次に、主制御RAM103のアクセス禁止設定を実施し(ステップS36)、電源が遮断されるまで処理を繰り返し実行する。
【0203】
<設定変更処理>
図30は、設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
図30に例示した一連の処理は、
図27におけるステップS107の設定変更処理を詳細に示したものであり、主制御CPU101(主制御プログラム)によって実行される。
【0204】
図30によればまず、主制御CPU101は、遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値が正常であるか否かを確認する(ステップS101)。ステップS101において設定メモリ値が正常でなければ(S101のNO)、設定値を初期化して初期値にする(S102)。具体的には例えば、設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。ステップS102の処理後はステップS103に進む。一方、ステップS101において設定メモリ値が正常であれば(S101のYES)、ステップS102の処理をスキップしてステップS103に進む。
【0205】
ステップS103では、設定変更状態に移行する。そして、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部197に表示させる(ステップS104)。
【0206】
次に、設定変更ボタン(例えばRAMクリアスイッチ400q)による変更操作の有無を確認する(ステップS105)。設定変更ボタンによる変更操作がある場合は(ステップS105のYES)、設定表示部197に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(ステップS106)。設定変更ボタンによる変更操作がない場合は(ステップS105のNO)、ステップS106の処理をスキップする。
【0207】
次に、設定キースイッチ100qの操作状態がオフ状態であるか否か確認する(ステップS107)。
図27のステップS5でNOと判定してから設定キースイッチ100qがオン状態のままであれば(ステップS107のNO)、ステップS104に戻って処理を繰り返す。一方、設定キーが元に戻されて設定キースイッチ100qがオフ状態になった場合は(ステップS107のYES)、設定表示部197を消灯させて設定値が視認できない状態(非表示)にし(ステップS108)、リターンする。前述したように、リターン後は、
図27のステップS13の処理を行う。
【0208】
<設定確認処理>
図31は、設定確認処理の一例を示すフローチャートである。
図31に例示した一連の処理は、
図27におけるステップS108の設定確認処理を詳細に示したものであり、主制御CPU101(主制御プログラム)によって実行される。
【0209】
図31によればまず、主制御CPU101は、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部197に表示させる(ステップS111)。
【0210】
その後、主制御CPU101は、設定キースイッチ100qの操作状態がオフ状態であるか否か確認する(ステップS112)。
図27のステップS5でNOと判定してから設定キースイッチ100qがオン状態のままであれば(ステップS112のNO)、ステップS111に戻って処理を繰り返し、設定値の表示を継続する。一方、設定キーが元に戻されて設定キースイッチ100qがオフ状態になった場合は(ステップS112のYES)、設定表示部197を消灯させて設定値が視認できない状態(非表示)にし(ステップS113)、リターンする。前述したように、リターン後は、
図27のステップS10の処理を行う。
【0211】
なお、本実施形態の遊技機においては、前述の設定変更処理及び設定確認処理への移行条件として、セキュリティ性を高めるために第1の手順である枠開放を有している。そのため、
図27には不図示であるが、ステップS5の設定キースイッチ100qの操作状態の判定においてオン状態(ステップ5のYES)と判定する際は、枠開放スイッチ(ドア開センサ2p)の状態も合わせて確認し、枠が開放状態(ドア開)である場合のみステップS6に移行する。ステップS5の判定時に設定キースイッチ100qがオン状態であっても、枠が開放状態ではない(ドア閉)である場合には、不正や異常が疑われる状態であることから、設定変更処理(ステップS7)または設定確認処理(ステップS8)に進むステップS6には移行せず、設定キースイッチ100qがオフ状態になるまで待機し、オフ状態に切り替わった場合にはステップS9に移行する。
【0212】
<主制御側タイマ割込み処理>
次に、主制御タイマ割込み処理を説明するための各図の関係について説明する。まず、
図32及び
図33は、それぞれ、主制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
図34及び
図35は、それぞれ、
図32に示す始動口監視制御処理の詳細を示すフローチャートである。
図36は、
図33に示す特別図柄変動開始監視制御処理の詳細を示すフローチャートであり、
図37及び
図38は、それぞれ、
図36に示す特別図柄変動開始監視処理の詳細を示すフローチャートである。
図39は、
図33に示す特別図柄制御処理の詳細を示すフローチャートである。
図40は、
図39に示す特別図柄制御汎用処理の詳細を示すフローチャートである。
図41~
図45は、それぞれ、
図40に示す特別図柄変動開始処理、特別図柄変動中処理、及び特別図柄停止図柄表示中処理の詳細を示すフローチャートである。
図46~
図48は、それぞれ、
図33に示す特別電動役物制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【0213】
まず、
図32に示すタイマ割込み処理は、前述したCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスに応じてタイマ割込みが発生したことを契機として、主制御側メイン処理に割り込んで実行される。なお、以下使用する「条件装置」及び「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味している。「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動し、「役物連続作動装置」とは、「特別電動役物」を連続して複数回作動させることができる。
【0214】
まず、このタイマ割込みが発生すると、主制御CPU101内のレジスタの内容(主制御側メイン処理の処理中に使用していたデータ)を主制御RAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(ステップS51)。次に、割込み動作条件設定値が割込み制御レジスタにセットされる(ステップS52)。次に、クリアワード2がセットされる(ステップS53)。
【0215】
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS54)。このとき、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、主制御CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、主制御CPU101が主制御プログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリア及びリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
【0216】
次に、入力処理を実行する(ステップS55)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、及びアウト球検出スイッチ167、並びに、図示しない扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ及び電波センサなどの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
【0217】
次に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS56)。この各種乱数更新処理では、初期値乱数を使用しない普通図柄変動パターン乱数及び特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
【0218】
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(ステップS57)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数及び特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。カウンタの数値が1周した場合(初期値として設定した値となった場合)には、当該タイミングにおいてカウンタの数値が1周した乱数値と対応する初期値乱数の値を新たな初期値として設定する。
【0219】
次に、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS58)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎にあらかじめ定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
【0220】
次に、タイマ減算処理を実行する(ステップS59)。このタイマ減算処理では、遊技機の遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置171,172に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、特別電動役物642の動作パターンを制御するためのタイマや、普通図柄、普通電動役物など各種制御に使用するタイマなどが含まれる。
【0221】
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(ステップS60)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
【0222】
次に、入賞監視処理を実行する(ステップS61)。この入賞監視処理では、前述した入力処理(ステップS55)での第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求などを行う。
【0223】
次に、賞球制御処理を実行する(ステップS62)。この賞球制御処理では、入賞が有効であるか無効であるかを判定し、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400に送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
【0224】
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(ステップS63)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球のゲート63への通過を監視し、ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
【0225】
次に、普通図柄制御処理を実行する(ステップS64)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置175又は普通電動役物622に係る一連の処理を実行するため、普通図柄遊技ステータスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
【0226】
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(ステップS65)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
【0227】
次に、始動口監視制御処理を実行する(ステップS66)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61及び第2始動口62への入球を監視して、遊技球が入球したことが検出された場合、例えば、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告のための事前判定及び図柄記憶数等のような演出制御基板200に必要な情報を含むコマンドのコマンド要求を順に行う。
【0228】
次に、特別図柄制御処理を実行する(ステップS67)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置171,172に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステータスの値に応じて、例えば、後述する特別図柄変動開始処理(後述する
図40のステップS420参照)、特別図柄変動中処理(後述する
図40のステップS430参照)及び特別図柄停止図柄表示中処理(後述する
図40のステップS440参照)を実行する。
【0229】
次に、特別電動役物制御処理を実行する(ステップS68)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始及び作動終了の設定、大入賞口64の開放時間及び開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
【0230】
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(ステップS69)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
【0231】
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(ステップS70)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
【0232】
次に、異常検知処理を実行する(ステップS71)。この異常検知処理では、前述した入力処理(ステップS55)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
【0233】
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(ステップS72)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
【0234】
次に、遊技状態表示処理を実行する(ステップS73)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄及び特別図柄の作動保留球数などの表示データを作成する。前述した異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
【0235】
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(ステップS74)。このハンドル状態信号検査処理では、ハンドル状態信号を検査する。
【0236】
次に、LED出力処理を実行する(ステップS75)。このLED出力処理では、特別図柄及び普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前述した特別図柄制御処理(ステップS85)、異常検知処理(ステップS89)、遊技状態表示処理(ステップS73)などで作成された表示データを、各特別図柄表示装置171,172、普通図柄表示装置175、各特図保留ランプ173,174、普図保留ランプ176、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
【0237】
次に、発射制御信号出力処理を実行する(ステップS76)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合には、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力して遊技球の発射を許可する一方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力して遊技球の発射を禁止する。
【0238】
次に、試験信号出力処理を実行する(ステップS77)。この試験信号出力処理では、各種の試験データを作成した後にエラー検査処理を実施し、この結果、エラーが検出された場合、各種の試験データを各試験信号出力ポートへ出力する。
【0239】
次に、ソレノイド出力処理を実行する(ステップS78)。このソレノイド出力処理では、普通電動役物622,特別電動役物642を作動させるべく、普通図柄制御処理(ステップS82)及び特別電動役物制御処理(ステップS86)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド123,124に対して励磁信号を出力する。
【0240】
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(ステップS79)。この演出制御コマンド送信処理では、前述したようにメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された演出制御コマンドのうちからポインタで指定されたリングバッファに格納されている演出制御コマンドをMODEデータ及びEVENTデータごとにそれぞれ読み出し、後述するように演出制御基板200に対してそれぞれ送信する。
【0241】
次に、外部情報出力処理を実行する(ステップS80)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータやデータカウンタなどの外部装置に出力する。
【0242】
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、主制御CPU101について割込み許可状態に設定する(ステップS81)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
【0243】
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(ステップS27~S33)を実行することとなる。
【0244】
<特別図柄遊技処理>
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述した始動口監視制御処理(ステップS84)、特別図柄制御処理(ステップS85)、特別電動役物制御処理(ステップS86)及び特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)が該当する。
【0245】
<始動口監視制御処理>
まず、
図34に示すように第1始動口61への遊技球の入球を検出したか否かを判定する(ステップS201)。第1始動口61への遊技球の入球を検出した場合には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0246】
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS203)。第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
【0247】
次に、第2始動口62への遊技球の入球が検出されたか否かを判定する(ステップS205)。第2始動口62への遊技球の入球が検出された場合、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値及び特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS207)。第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
【0248】
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、ステップS204又はステップS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(ステップS209)。作動保留球数の更新があった場合(ステップS209)には、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS210)。
【0249】
次に、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(ステップS211)。事前判定タイミングである場合(ステップS211)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(ステップS212)。この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS213)。
【0250】
保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(ステップS214)。この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(ステップS216)。この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS217)。
【0251】
<特別図柄変動開始監視制御処理>
図36に示す特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)では、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)を実行する。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、一例として第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
【0252】
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(ステップS301)。次に、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステータス及び第2特別図柄遊技ステータスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0253】
次に、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(ステップS303)、当該保留球数が「0」でない場合、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化される。この特別図柄変動開始監視処理の詳細については、後述する
図37及び
図38を用いて説明する。
【0254】
一方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。
【0255】
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(ステップS301,S302,S305)には、特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)の実行を省略する。
【0256】
<特別図柄変動開始監視処理>
特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)では、上述したステップS304又はステップS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理を実行する。なお、第1特別図柄側と第2特別図柄側とでは、処理内容がほぼ同様であるので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
【0257】
まず、
図37に示すように、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(ステップS311)。減算後の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS312)。次に、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)、図柄判定処理(ステップS330)、変動パターン選択処理(後述する
図41のステップS423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(ステップS313)。保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域~保留4記憶領域に格納された保留球情報を順次保留1記憶領域~保留3記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS314)。
【0258】
次に、特別図柄当否判定処理を実行する(ステップS320)。特別図柄当否判定処理では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグとして格納する。
【0259】
次に、図柄判定処理を実行する(ステップS330)。図柄判定処理では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A~Gの7パターン)と、特別図柄及び普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計28パターン中のいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
【0260】
次に、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(ステップS341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(ステップS342)。当否判定の結果が小当りである場合は、ステップS346に移行する一方、当否判定の結果がはずれである場合は、ステップS349に移行する。
【0261】
一方、当否判定の結果が大当りである場合には、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(ステップS343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与することを決定し、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに確率変動作動データ(ST回数)「64H」を格納する一方、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与しないことを決定し、確率変動回数カウンタに確率変動未作動データ「00H」を格納する(ステップS344)。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
【0262】
ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(ステップS345)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(ステップS346)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報(以下「変動時間短縮回数情報」と称する)、電チューサポート機能の作動回数情報(以下「入球容易状態回数情報」と称する))は、それぞれ対応するメイン情報記憶手段180の時短回数格納領域及び入球容易状態回数格納領域に記憶される。
【0263】
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別、小当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(ステップS347)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本実施形態では、10ラウンド、5ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本実施形態では、30秒、1.8秒)などを設定する。
【0264】
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後の変動パターン選択状態を設定する(ステップS348)。なお、前述の説明では、特殊変動状態に関して、大当り図柄に応じて決定するものを例示したが、小当りの場合であっても、ステップS348において、変動パターン選択状態を特殊なものに変更可能としてもよい。次に、フローに戻り、ステップS330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間及び当り終了デモ時間)を設定する(ステップS349)。次に、前述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)及び図柄判定処理(ステップS330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域及び特別図柄判定領域をクリアする(ステップS351)。今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(ステップS351)。
【0265】
<特別図柄制御処理>
次に、
図39に示す特別図柄制御処理(ステップS85)について説明する。まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステータスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(ステップS401)。次に、特別電動役物642が未作動中である場合(ステップS401)には、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(ステップS402)。
【0266】
第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でない場合、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS403)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。一方、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」である場合、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS404)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。
【0267】
なお、以下に説明する特別図柄制御汎用処理では、上述のステップS403又はステップS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理の詳細については後述する。
【0268】
<特別図柄制御汎用処理>
図40に示す特別図柄制御汎用処理(ステップS410)では、特別図柄遊技ステータスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(ステップS411~ステップS414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスが0でないか否かを判定する(ステップS411)。特別図柄遊技ステータスが「00H」でない場合(ステップS411)には、特別図柄遊技ステータスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(ステップS412)。特別図柄遊技ステータスが「01H」である場合、特別図柄変動開始処理(ステップS420)に移行する。この特別図柄変動開始処理の詳細については後述する
図41を用いて説明する。一方、ステップS412において特別図柄遊技ステータスが「01H」でない場合、特別図柄遊技ステータスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(ステップS413)。特別図柄遊技ステータスが「02H」である場合、特別図柄変動中処理(ステップS430)に移行する。この特別図柄変動中処理の詳細については、後述する
図42を用いて説明する。ステップS413において特別図柄遊技ステータスが「02H」でない場合には、特別図柄遊技ステータスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(ステップS414)。特別図柄遊技ステータスが「03H」である場合、特別図柄停止図柄表示中処理(ステップS440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理の詳細については後述する
図43を用いて説明する。
【0269】
<特別図柄変動開始処理>
まず、
図41に示すように、当否抽選の結果や当選図柄、保留数、特別図柄の種別、及び変動パターン選択状態などに基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(ステップS421)。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(ステップS422)。特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(ステップS423)。
【0270】
次に、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(ステップS424)。特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段155の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(ステップS425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(ステップS426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
【0271】
次に、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(ステップS427)。特別図柄遊技ステータスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(ステップS428)。
【0272】
<特別図柄変動中処理>
まず、
図42に示すように、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(ステップS431)。この表示パターン番号切替処理では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを更新する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(ステップS76)において、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に対して出力され、所定の切替時間ごとに変動表示中の特別図柄表示装置において特定の表示部が点滅したり、表示部の個別のLEDが順次点灯することによって変動中であることを示す表示を実行する。
【0273】
次に、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS432)。特別図柄の変動時間が終了した場合、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(ステップS433)。次に、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS434)。
【0274】
次に、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として500msに対応したデータである「125」を格納する(ステップS435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。特別図柄遊技ステータスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(ステップS436)。
【0275】
<特別図柄停止図柄表示中処理>
まず、
図43に示すように、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(ステップS441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合、特別図柄遊技ステータスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(ステップS442)。
【0276】
次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(ステップS443)。当否判定データが大当りデータである場合、特別図柄の確率変動機能の作動停止(ステップS444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(ステップS445)、電チューサポート機能の作動停止(ステップS446)、を順に行う。
【0277】
次に、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS447)。次に、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(ステップS448)。特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(ステップS449)。当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(ステップS450)。
【0278】
一方、当否判定データが大当りデータでない場合(ステップS443)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS451)。
図44に示すように、特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(ステップS451)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。次に、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(ステップS454)。一方、減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合、ステップS454をスキップして、ステップS455に移行する。
【0279】
次に、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。次に、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(ステップS458)。一方、減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合、ステップS458をスキップして、ステップS459に移行する。
【0280】
次に、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS459)。電チューサポート機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。次に、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(ステップS462)。一方、減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合、ステップS462をスキップして、ステップS463に移行する。
【0281】
次に、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(ステップS463)。変動パターン選択状態を更新する(ステップS464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数があらかじめ設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
【0282】
次に、前述したステップS451~S464にて更新された現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定及び更新を実行する。
【0283】
次に、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(ステップS466)。小当りデータが格納されている場合、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS467)。次に、特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(ステップS468)。当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(ステップS469)。
【0284】
一方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合、ステップS467~S469の実行を省略する。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
【0285】
<特別電動役物制御処理>
まず、
図46に示すように、特別電動役物遊技ステータスが「01H(特別遊技:大当り)」であるか否かを判定する(ステップS501)。特別電動役物遊技ステータスが「01H」である場合、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS502)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動開始時間であるか否かを判定する(ステップS503)。特別電動役物642の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642の作動を開始するタイミングである。
【0286】
特別電動役物642の作動開始時間である場合、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。特別電動役物642の作動を開始して(ステップS505)、特別電動役物642の作動中の処理として、ステップS506~ステップS510の処理を実行する。
【0287】
特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS506)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS507)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止させる(ステップS508)。特別電動役物642の連続作動回数があらかじめ定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合、特別電動役物642の連続作動回数を1加算する(ステップS510)。
【0288】
一方、特別電動役物642の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合、
図47に示すステップS511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS511)。
【0289】
次に、確率変動回数カウンタに上記ステップS344で設定した確率変動回数情報を格納する(ステップS512)。時短回数カウンタに、上記ステップS345で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(ステップS513)。入球容易状態回数カウンタに、上記ステップS346で設定した入球容易状態回数情報を格納する(ステップS514)。
【0290】
次に、上記ステップS343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、確率変動回数カウンタに記憶された確率変動回数情報が確率変動機能データ(「64H」)であるか否かを判定する(ステップS515)。確率変動回数情報が確率変動機能データである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(ステップS516)。他方、確率変動回数情報が確率変動機能データでない場合(ステップS515がNOの場合)には、ステップS516の実行を省略する。
【0291】
次に、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS517)。変動時間短縮機能作動データである場合、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(ステップS518)。一方、変動時間短縮機能作動データでない場合には、ステップS518の実行を省略する。
【0292】
次に、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS519)。電チューサポート機能作動データである場合、電チューサポート機能の作動を開始させる(ステップS520~S522)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(ステップS520)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(ステップS521)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(ステップS522)、を順に実行する。一方、電チューサポート機能作動データでない場合には、ステップS520~S522の実行を省略する。
【0293】
次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS523)。次に、前述のステップS512~S523にて設定された特別遊技後の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS524)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(ステップS525)。
【0294】
他方、特別電動役物遊技ステータスが「01H」でない場合(ステップS501)には、ステップS530に移行して、特別電動役物遊技ステータスが「02H(特別遊技:小当り遊技)」であるか否かを判定する(ステップS530)。特別電動役物遊技ステータスが「02H」である場合、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
【0295】
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS531)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動を開始する(ステップS532)。一方、特別電動役物642が作動中である場合、ステップS532の実行を省略する。
【0296】
次に、特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS533)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS534)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止する(ステップS535)。
【0297】
次に、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS536)。次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS537)。次に、このステップS537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、例えば、演出モードの移行契機の判定、及び、移行先の演出モードの特定に用いられる。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移させる(ステップS539)。
【0298】
<演出制御基板側の処理>
次に、
図49~
図57を参照しながら、演出制御基板200側の処理の手順について説明する。なお、以下では、主として演出制御プログラムが主体であるが、適宜主体を省略して記載する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後など演出制御CPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号を受け取ったことを契機として実行される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んでいる。
【0299】
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が同時に発生した際における優先度を示す優先レベルが設定されている。本実施形態では、「電源リセットによるリセット開始処理(
図49):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(
図49):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(
図57):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(
図49):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理(
図50):レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(
図56):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、演出制御CPU201が不正な命令を実行したとき、演出制御CPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
【0300】
演出制御側メイン処理では、基本的に、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させて各割込み処理が実行される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的に、当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、前述した割込みコントローラのレジスタ設定によって規定される。
【0301】
<リセット開始処理>
図49は、演出制御基板200のリセット開始処理の一例を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、演出制御CPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、ステップS801以降の処理が開始される。
【0302】
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(ステップS801)。各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(ステップS802)。
【0303】
次に、ハードウェアに関する基本的な設定として、演出制御CPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(ステップS803)。さらに、演出制御RAM203内のメモリ領域を初期化する(ステップS804)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。演出制御CPU201が演出制御ROM202に記憶された制御プログラムを演出制御RAM203に適宜展開する。
【0304】
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(ステップS805)。次に、あらかじめ各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を実行する(ステップS806)。さらに、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(ステップS807)。演出制御CPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(ステップS808)。
【0305】
次に、演出制御側メイン処理を実行する(ステップS809)。この演出制御側メイン処理の詳細について
図50を用いて説明する。なお、前述のステップS809において演出制御側メイン処理へ移行すると、当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグなどの発生によって、万が一、このリセット開始処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
【0306】
<演出制御側メイン処理>
図50は、
図49に示す演出制御側メイン処理(ステップS809)の詳細を示すフローチャートである。
【0307】
まず、演出制御側メイン処理内で演出制御プログラムが演出制御RAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(演出制御プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(ステップS811)。次に、全ての割込みを許可、すなわち、各種の割込み処理の起動を許可する(ステップS812)。
【0308】
次に、デバイスの初期化動作を実行する(ステップS813)。この初期化動作は、遊技機の電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイドなどのデバイスによって可動役物の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物はあらかじめ設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
【0309】
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS814)。このとき、演出制御CPU201が演出プログラムを正常に実行しているときは、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、演出制御CPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
【0310】
次に、入力ポートチェック処理を実行する(ステップS815)。この入力ポートチェック処理では、後述する演出制御側タイマ割込み処理(
図56参照)におけるポート入出力処理(ステップS1112)で、割込みが発生する度にI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを監視し、複数回(例えば4回)監視した結果、入力ポートの状態が全て「1」の場合には信号レベルを「1(Hレベル)」に変化させ、入力ポートの状態が全て「0」の場合には信号レベルを「0(Lレベル)」に変化させ、入力ポートの状態がそれ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
【0311】
次に、エラー演出管理処理を実行する(ステップS816)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(ステップS1120)にて16ms周期で減算更新される。エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
【0312】
次に、演出ボタン監視制御処理を実行する(ステップS817)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、当該ボタン予告演出に応じてあらかじめ設定された複数種の演出内容の中から、演出ボタン15の入力状態に応じた演出の内容を決定する。なお、遊技者によるボタンの入力操作自体は、後述する演出制御側タイマ割込み処理におけるポート入力処理(ステップS1112)において監視し、当該演出ボタン監視制御処理では、ボタン有効操作とみなすフラグや、演出切替のためのフラグが成立しているかどうかを判定してボタン押下に基づく演出の実行制御を行う。
【0313】
次に、予告抽選管理処理を実行する(ステップS818)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、演出制御情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時的に記憶される。この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(ステップS819)にて、可動役物の駆動パターンが特定される。なお、本実施形態では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階、演出ボタン15の有効操作時)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、前述したメインループ処理内において抽選を実行する。
【0314】
次に、デバイス管理処理を実行する(ステップS819)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(ステップS820)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、演出制御ROM202に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプ10,25のランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本実施形態において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画などする場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データなど)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力されており、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプ10,25を消灯させ、又は、可動役物の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
【0315】
次に、コマンド解析処理(ステップS820)を実行する。このコマンド解析処理では、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されている場合にはこの演出制御コマンドを読み出してこの演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理の詳細については、後述する
図51を用いて説明する。
【0316】
今回の周期の演出メイン処理のループ処理中において、演出制御コマンドに関して解析(以下「コマンド解析」と称する)を実行したか否かを判定する(ステップS821)。コマンド解析を実行している場合、ステップS814に戻り、ステップS814~ステップS821を繰り返し実行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合、演出抽選乱数更新処理を実行する(ステップS822)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
【0317】
<コマンド解析処理>
図51は、
図50に示すコマンド解析処理(ステップS820)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100において出力ポートに保持された演出制御コマンドが以下に示すように演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に取り込まれているか否かを監視し、演出制御コマンドが取り込まれて格納されている場合、この演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
【0318】
まず、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS831)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合、演出状態移行処理(ステップS832)へ移行する。この演出状態移行処理では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。この演出状態移行処理の詳細については後述する
図52を用いて説明する。
【0319】
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS833)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合、保留情報管理処理(ステップS834)へ移行する。この保留情報管理処理では、演出制御情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部(図示せず)に表示される保留画像の表示個数及び表示態様(表示色など)を更新するための処理を実行する。
【0320】
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS835)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合、変動演出内容決定処理(ステップS836)へ移行する。この変動演出内容決定処理では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理の詳細については後述する
図53を用いて説明する。
【0321】
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS837)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合、大当り演出内容決定処理(ステップS838)へ移行する。この大当り演出内容決定処理では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を実行する。この大当り演出内容決定処理の詳細については後述する
図54及び
図55を用いて説明する。
【0322】
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS839)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合、小当り演出内容決定処理(ステップS840)へ移行する。この小当り演出内容決定処理では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を実行する。
【0323】
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS841)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合、エラー演出内容決定処理(ステップS842)へ移行する。このエラー演出内容決定処理では、演出制御情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプ10,25の発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
【0324】
なお、ステップS831,S833,S835,S837,S839,S841において演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合は、コマンド解析処理を終了する。なお、演出制御側メイン処理のループ処理(ステップS814~ステップS822)は、画像制御CPU301の画像表示周期(1フレーム=16ms)と同期するため、ステップS821のコマンド解析処理や、ステップS822の演出抽選乱数更新処理を繰り返し実行し、16msを超える場合には、処理をステップS814へ復帰させる。
【0325】
<演出状態移行処理>
図52は、
図51に示す演出状態移行処理(ステップS832)の詳細を示すフローチャートである。
【0326】
まず、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン選択状態に関する情報を取得する(ステップS901)。次に、上記ステップS901で取得した変動パターン選択状態に関する情報に基づき、演出モードの移行契機が到来したか否かを判定する(ステップS902)。演出モードの移行契機が到来している場合、ステップS903以降で、所定の演出モードへの移行設定を行う。なお、演出モードの移行契機としては、原則的には特別遊技の終了後における確率変動機能や、変動時間短縮機能、電チューサポート機能の作動、及び変動パターン選択状態の移行契機と連動しており、例えば、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときなどである。なお、変動パターン選択状態の終期回数は、特別図柄の変動回数に係る回数である。
【0327】
始めに、主制御基板100側で管理された変動パターン選択状態の移行先が、低確率通常変動状態αであるか否かを判定する(ステップS903)。移行先が低確率通常変動状態αである場合、演出モードの移行先として通常演出モードMαを設定する(ステップS904)。この通常演出モードMαに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に通常背景データ番号が設定される(ステップS905)。通常演出モードMαにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「荒野」を表す通常背景画像が表示される。一方、移行先が低確率通常変動状態αではない場合(ステップS903)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βであるか否かを判定する(ステップS906)。移行先が高確率時短変動状態βである場合、演出モードの移行先として確変演出モードMβを設定する(ステップS907)。この確変演出モードAに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS908)。確変演出モードMβにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70には、例えば「城塞」を表す確変背景画像が表示される。
【0328】
変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βでない場合(ステップS906)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率特殊変動状態γであるか否かを判定する(ステップS909)。移行先が高確率特殊変動状態γである場合、演出モードの移行先として特殊演出モードMγを設定する(ステップS910)。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS911)。特殊連続演出フラグとは、特殊連続演出が実行される場合にオンとなるフラグである。特殊連続演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に特殊背景データ番号が設定される(ステップS912)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「星空」を表す特殊背景画像が表示される。一方、特殊連続演出フラグがオフである場合には、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS913)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」を表す確変背景画像(確変演出モードMβのときと実質的に同一の背景画像)が表示される。次に、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(ステップS921)。また、演出モードの変更としては、主制御基板100の遊技状態によるものではない、演出制御基板200側で決定する変更も存在する。例えば、主制御基板100側で通常遊技状態(低確率/低ベース)が、所定回数継続して行われた場合や、特殊な演出態様を実行するための先読み抽選に当選した場合、電源投入からの経過時間を計測するタイマ値やRTC回路が所定時刻になったことと判断して特殊演出を実行する場合などがあげられる。
【0329】
<変動演出内容決定処理>
図53は、
図51に示す変動演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
【0330】
まず、演出制御情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS931)。変動開始コマンドが格納されている場合、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、図柄群、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(ステップS932)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
【0331】
次に、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS933)。この変動演出パターン選択処理では、上記ステップS932で取得した変動パターン情報と上記ステップS832の演出状態移行処理で設定された演出モードとに基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時的に記憶される。選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号を演出制御情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
【0332】
次に、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(ステップS934)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記ステップS932で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、演出制御情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時的に記憶される。
【0333】
次に、演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域の更新として、保留2記憶領域~保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS935)。
【0334】
上記ステップS933~ステップS935で取得した演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS939)。
【0335】
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(ステップS931)には、演出制御情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS940)。変動停止コマンドが格納されている場合(ステップS940)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(ステップS941)。装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS942)。
【0336】
<大当り演出内容決定処理>
図54及び
図55は、
図51に示す大当り演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
【0337】
まず、演出制御情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1001)。開始デモコマンドが格納されている場合には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(ステップS1002)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(ステップS1003)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタに「1」をセットし、連荘である場合は連荘回数カウンタを「1」加算する。
【0338】
次に、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(ステップS1004)。この大当り演出パターン選択処理では、図示しない大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。ここで決定された大当り演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶される。この大当り演出パターン番号は、例えば、開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号及び終了デモパターン番号を含んでいる。
【0339】
次に、保留内連荘演出判定処理を実行する(ステップS1005)。この保留内連荘演出判定処理では、大当り遊技が実行される際に存在する保留内に、大当り終了後の遊技状態(特に確変遊技状態)で大当りとなる保留が存在する場合に、保留内連荘演出の実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出を実行することを決定した場合には特殊連続演出フラグをオンとし、連荘演出パターンを選択する。
【0340】
次に、大当り演出差し替え処理を実行する(ステップS1006)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターン及び通常の終了デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターン及び特殊終了デモ演出パターンに差し替える。なお、本実施形態では、保留内連荘演出における先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が大当りとなった場合にその特別遊技の開始時点(当該変動終了時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、特別遊技中に生じた作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘演出判定処理(ステップS1005)と差し替え処理(ステップS1006)は実行されることはないが、当該特別遊技中に特定保留が生じた場合に、当該特別遊技中においても保留内連荘演出判定処理と差し替え処理とを実行し、特別遊技の開始時に設定した大当り演出データを差し替えるように構成してもよい。
【0341】
上記ステップS1004,S1006で演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した開始デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、開始デモ演出の開始を設定する(ステップS1007)。
【0342】
次に、演出制御情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1011)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(ステップS1007)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数や、大入賞口64への入賞数を示す情報を取得する(ステップS1012)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、上記ステップS1012で取得した情報に基づき、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタを更新する(ステップS1013)とともに、演出制御情報記憶手段260の大入賞数カウンタを更新する(ステップS1014)。なお、本実施形態では、大入賞口64に遊技球が入球する毎に「14」個の賞球が払い出されるため、大入賞口64への入賞数に「14」を乗算することで、獲得賞球数が算出される。
【0343】
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1015)。擬似カウントフラグとは、先の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数を、後の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数に上乗せして報知する擬似カウント演出を実行する場合にオンとなるフラグである。擬似カウントフラグがオンである場合、すなわち、後の大当りにおけるラウンド演出(擬似カウント演出)を実行予定である場合には、ラウンド数擬似加算処理を実行する(ステップS1016)。このラウンド数擬似加算処理では、ラウンド数カウンタに記憶されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:1R~10R)に、先の特別遊技で実行されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:10R)を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技における1ラウンド目のラウンド遊技が第11ラウンド目のラウンド遊技として報知される。
【0344】
次に、獲得賞球数擬似加算処理を実行する(ステップS1017)。この獲得賞球数擬似加算処理では、大入賞数カウンタに格納された入賞数に、先の特別遊技での大入賞口への入賞数を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技において獲得した賞球数を、先の特別遊技と後の特別遊技で獲得した合計の賞球数として報知される。
【0345】
上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタの数値とともに、演出制御情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、ラウンド演出の開始を設定する(ステップS1018)。
【0346】
次に、演出制御情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1021)。終了デモコマンドが格納されている場合、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(ステップS1022)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS1023)、保留内連荘演出を実行するか否かを判断する。特殊連続演出フラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタの値(ラウンド数)及び大入賞数カウンタの値(大入賞数)を演出制御情報記憶手段260の先の大当り記憶領域に一時的に記憶する(ステップS1024)。これは、今回の大当りが特殊連続演出における先の大当りに該当する場合には、先の大当りでの最終的なラウンド数及び大入賞数は、後の大当り演出における擬似加算処理(ステップS1016,S1017)にて使用される予定であるため、先の特別遊技の記録情報として記憶するためである。そのため、上記ステップS1016,S1017での擬似加算処理では、この先の大当り記憶領域に保存された数値(ラウンド数及び大入賞数)が上乗せされることになる。次に、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタをクリアする(ステップS1025,S1026)。
【0347】
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1027)。擬似カウントフラグがオンである場合、擬似カウントフラグをオフにする(ステップS1028)。次に、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1035)。保留内連荘演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオフにする(ステップS1036)。
【0348】
次に、上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した終了デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(ステップS1037)。上記ステップS1005,S1007,S1018,S1037において取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS1038)。
【0349】
<演出制御側タイマ割込み処理>
図56は、演出制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動されており、上述した演出制御側メイン処理に割り込むように実行される。
【0350】
タイマ割込みが発生すると、演出制御CPU201内のレジスタの内容を演出制御RAM203のスタック領域に退避させた後、ステップS1111以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込みなど、優先レベル2以上の割込みを許可する(ステップS1111)。
【0351】
次に、ポート入出力処理を実行する(ステップS1112)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204を用いて入力データの入力処理及び出力データの出力処理を実行する。入力処理では、I/Oポート回路204に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。一方、出力処理では、演出制御情報記憶手段260に一時的に記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204から出力する。
【0352】
次に、デバイス制御データ出力処理を実行する(ステップS1113)。このデバイス制御データ出力処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出して演出制御情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
【0353】
次に、演出用タイマ更新処理を実行する(ステップS1114)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(例えば1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、及び、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理されており、その時間軸上で可動役物の駆動タイミングや演出ランプ10,25の点灯タイミングなどの時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(ステップS1113)やランプデータ更新処理(ステップS1118)などにおいても利用される。
【0354】
次に、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(ステップS1115)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
【0355】
次に、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(ステップS1117)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」~「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」~「14」であれば1加算し、タスクカウンタの値が「15」である場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(ステップS1118のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(ステップS1119の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(ステップS1120のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本実施形態では、タスクカウンタの値(「0」~「15」)のうち、ある1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位16msと一致させるためである。この演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
【0356】
次に、ランプデータ更新処理を実行する(ステップS1118)。このランプデータ更新処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)などで特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期した態様で、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返されており、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力される。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。なお、このランプデータ更新処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(ランプ制御タスクを示す値)となった場合に実行される処理(つまり16ms周期で実行される処理)となっている。
【0357】
次に、画像CPU暴走監視処理を実行する(ステップS1119)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が800~1600ms(50~100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300の画像制御CPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側は画像制御CPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。なお、この画像CPU暴走監視処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(画像監視タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。
【0358】
次に、エラー管理タイマ処理を実行する(ステップS1120)。このエラー管理タイマ処理では、前述したエラー演出管理処理(ステップS817)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。なお、このエラー管理タイマ処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(エラー管理タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
【0359】
<画像制御コマンドの送信割込み処理>
図57は、画像制御コマンドの送信割込み処理の一例を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、あらかじめ設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
【0360】
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(ステップS1131)。次に、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得し(ステップS1132)、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1133)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタ及びライトポインタによって確認することができる。リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(ステップS1133)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(ステップS1134)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路(図示せず)の出力バッファにセットする(ステップS1135)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次に、コマンドデータ(前述したステップS1135で格納したコマンドデータ)をクリアする(ステップS1136)。次に、リードポインタを1加算して更新する(ステップS1137)。当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
【0361】
なお、前述した<遊技機の制御構成>からここまで、演出面は主流な液晶機の場合で説明してきたが、本実施形態の上記説明は液晶機に限定されるものではなく、他の演出表示手段(例えばドラム式の演出表示装置等)を備える遊技機にも適用可能である。
【0362】
<1.演出の説明に関する事前説明>
以降では、本実施形態に係るパチンコ機1の演出制御基板200(特に演出制御CPU201)によって実行される演出について、演出表示装置70への画像表示を伴う演出を中心に説明する。前述したように、本実施形態に係るパチンコ機1において、演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示される装飾図柄や、予告演出を含む各種演出の画像を表示する他、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留表示を行う。
【0363】
まず、演出を説明するために必要となるいくつかの事項について事前説明を行う。
【0364】
<1-1.装飾図柄>
パチンコ機1では、特別図柄が示す遊技結果を遊技者に分かり易く表示する図柄として、装飾図柄が用意されている。装飾図柄は、主制御基板100の特別図柄制御による特別図柄の変動表示中に、演出制御基板200の装飾図柄制御によって、演出表示装置70(画像表示領域700)に変動表示される。装飾図柄には、少なくとも特別図柄の停止時に演出表示装置70に主要な図柄として表示される通常装飾図柄(メイン装飾図柄)の他に、少なくとも通常装飾図柄が遊技者から視認困難なときに通常装飾図柄よりも簡略化された表示形態によって表示される簡易装飾図柄(サブ装飾図柄)が含まれる。本説明では一例として、メイン装飾図柄は、左図柄、中図柄、右図柄の3つの図柄から構成されるとし、変動表示後に原則として1個ずつ順に停止され、3つの図柄の変動停止時の表示態様によって遊技結果を示す。例えば、3つの図柄が同一図柄で変動停止した場合に、遊技結果が大当りであることを示す。一方、サブ装飾図柄もまた、3つの図柄で構成され、3つの図柄の変動停止時の表示態様によって遊技結果を示すが、変動表示後に3つの図柄が同時に停止される点でメイン装飾図柄とは異なる。サブ装飾図柄の停止図柄の組合せとしては、メイン装飾図柄の停止図柄の組合せと同じ組合せが表示される。
【0365】
なお、SPリーチ演出やテロップ演出(ともに詳細は後述する)等の所定の演出の実行中には、少なくとも一部の機関においてメイン装飾図柄を小さく表示する(または代替図柄を表示する)よう構成してもよいし、メイン装飾図柄を非表示としてもよい(代替図柄も表示しないとしてもよい)が、そのような状況において、サブ装飾図柄は常に変動表示される。
【0366】
図58は、演出表示装置における装飾図柄等の表示を説明するための図である。
図58には、演出表示装置70の画像表示領域700における装飾図柄や変動保留アイコンの具体的な表示領域が示されている。
【0367】
図58の場合、演出表示装置70の画像表示領域700の中央付近に、メイン装飾図柄710の変動表示領域となる3列の表示領域が設けられており、左から順に、左図柄711、中図柄712、及び右図柄713が表示される。なお、以後の説明では、メイン装飾図柄710を装飾図柄710と略称することがある。
図58の中図柄712のように、図柄が矢印で表記されている場合は、対象図柄が変動中であることを意味する。
【0368】
また、
図58によれば、画像表示領域700の右上隅には、メイン装飾図柄710の表示領域よりも小さく、サブ装飾図柄720の表示領域が設けられている。サブ装飾図柄は、特別図柄が変動している最中は変動表示を行い、特別図柄が停止している最中は停止表示を行うものであり、メイン装飾図柄710と同じく、3つの図柄が変動表示及び停止表示するものである。このサブ装飾図柄720を設けることにより、メイン装飾図柄710を小さくしたい、または非表示にしたいような状況であっても、変動中であること(換言すれば、当否結果が確定していないこと)を報知することができる。例えば、SPリーチ演出(詳細は後述する)等において、メイン装飾図柄710の前面に演出画像が表示される場合、演出制御基板200は、メイン装飾図柄710の表示をOFFにすることができる一方、サブ装飾図柄720の表示は維持される。つまり、サブ装飾図柄720は、表示担保用の(メイン装飾図柄710の表示状態を補償するための)図柄であると言える。
【0369】
なお、サブ装飾図柄720の変動表示は、特別図柄の変動開始から停止表示を行うまで、常に変動表示を継続することが好適である。すなわち、メイン装飾図柄710が途中で仮停止を行うような場合(例えば、後述する図柄擬似停止演出において「NEXT」等の文字を表示する特殊なメイン装飾図柄710を暫定停止する場合)であっても、サブ装飾図柄720は、途中で仮停止を行うことがないように構成することが好適であり、そのため、本実施形態においてサブ装飾図柄720には、「NEXT」図柄のような特殊な図柄を設けておらず、サブ装飾図柄720は確定停止しか行わない。さらに、サブ装飾図柄720は、はずれ変動である場合は大当りであるとの誤認を防止し、大当り変動である場合は事前に大当りであることを遊技者に察知されないようにするために、はずれ変動であっても大当り変動であっても、遊技者に対してはずれを示す図柄組合せを維持した状態で変動表示することが好適である。具体的には例えば、サブ装飾図柄720の図柄の種類が「1~7」である場合、サブ装飾図柄720の図柄組合せは、「123」→「234」→・・・→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示する。なお、「確定停止」とは、1回の特別図柄の変動が終了して特別図柄が停止する際に装飾図柄が確定的に停止する(換言すれば、それ以上変動することがなく、それ以上装飾図柄の図柄組合せが変化することがない停止態様である)ことを指し、「仮停止」及び「暫定停止」とは、1回の特別図柄の変動中において、「確定停止」よりも前のタイミングにて、1以上の装飾図柄が微細な揺れ変動を伴って暫定的に停止することを指す。
【0370】
さらに、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が確定停止している状況から変動を開始する場合、メイン装飾図柄710においては、その起点となる図柄組合せ(変動開始直後の最初の図柄組合せ)は確定停止時の図柄組合せから「1」図柄だけ進行した図柄組合せとなるが、サブ装飾図柄720においては、その起点となる図柄組合せは、確定停止時の図柄組合せに依らず、予め決められた図柄組合せとなる。具体的には例えば、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が何れも「243」の図柄組合せで確定停止している状況から、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が変動を開始する場合、メイン装飾図柄710の起点となる図柄組合せは「354」となるが、サブ装飾図柄720の起点となる図柄組合せは「123」(既定値の一例)に固定される。また例えば、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が何れも「333」の図柄組合せで確定停止している状況から、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が変動を開始する場合、メイン装飾図柄710の起点となる図柄組合せは「444」となるが、サブ装飾図柄720の起点となる図柄組合せは、前述した例と同じく「123」(既定値の一例)に固定される。
【0371】
以上、装飾図柄(メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720)について詳述したが、本実施形態における装飾図柄は、上述した以外にも以下の(1)~(9)のような特徴を有するように構成してもよく、このように構成することにより、メイン装飾図柄710とサブ装飾図柄の役割を明確に差別化することができる。
【0372】
(1)遊技者が認識しやすいメイン装飾図柄710の表示領域のほうが、表示担保用のサブ装飾図柄720の表示領域よりも大きい。これは、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が確定停止している状況や、メイン装飾図柄710がリーチ状態を形成した直後(SPリーチ演出に発展していない状態でのリーチ状態であり、例えばノーマルリーチ中)で、サブ装飾図柄720が変動表示中である状況だけに限定されず、SPリーチ演出中などでメイン装飾図柄710が小図柄で表示され、サブ装飾図柄720が変動表示中である状況であっても同様に構成されることが好ましい。
【0373】
(2)メイン装飾図柄710の表示位置は、第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モード(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)であるかに応じて、異なる表示位置とすることで、演出モードに応じてメイン装飾図柄710による演出の多様性を実現することができる。一方で、サブ装飾図柄720は、メイン装飾図柄710の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいため、第1演出モードであるか第2演出モードであるかに依らず、同一の表示位置とすることで、余計な開発設計の負担を掛けないことが好ましい。なお、演出モードの詳細については後述する。
【0374】
(3)メイン装飾図柄710の表示態様は、第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モード(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)であるかに応じて、異なる表示態様とすることで、演出モードに応じてメイン装飾図柄710による演出の耐用性を実現することができる。例えば、第1演出モードでは数字の図柄のみでメイン装飾図柄710が構成され(「1」、「2」、・・・「7」といったメイン装飾図柄710)、第2演出モードでは数字の図柄と味方キャラクタの図柄とを組合せてメイン装飾図柄710が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といったメイン装飾図柄710)。一方で、サブ装飾図柄720は、メイン装飾図柄710の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいため、第1演出モードであるか第2演出モードであるかに依らず、同一の表示態様のみ(例えば、数字の図柄のみ)で構成されるようにすることで、余計な開発設計の負担を掛けないことが好ましい。
【0375】
(4)メイン装飾図柄710の表示領域は、変動状況(例えば、ノーマルリーチ中であるか否か、SPリーチ演出中であるか否か、など)に応じて可変する(移動する、小図柄になる)ことで、メイン装飾図柄710の演出に多様性を持たせることができる。一方で、サブ装飾図柄720は、メイン装飾図柄710の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいため、変動状況に応じて表示領域は可変しない(移動しない、小図柄にならない)ようにすることで、余計な開発設計の負担を掛けないことが好ましい。
【0376】
(5)メイン装飾図柄710は、変動状況(例えば、変動開始時点か、変動途中か、変動終了間際か、など)に応じて、変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変とすることで、メイン装飾図柄710の演出に多様性を持たせることができる。一方で、サブ装飾図柄720は、メイン装飾図柄710の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいため、変動状況に応じて変動速度が可変しない、もしくは可変とする段階を少なくする(例えば、低速と高速のみにする)ことで、余計な開発設計の負担を掛けないことが好ましい。
【0377】
(6)メイン装飾図柄710は、確定停止(特別図柄が停止するタイミングでの停止)するよりも前に仮停止(特別図柄の変動途中における仮停止(暫定停止)であり、微小な揺れ変動を伴いながらの暫定的な停止)を行い、その際には、数字以外のメイン装飾図柄710の特定図柄(例えば、SPリーチ演出への発展を予告する「スーパー」という文字が描かれたメイン装飾図柄710)を仮停止させることで、メイン装飾図柄710の演出とその他の演出との間に関連性を持たせることができる。一方で、サブ装飾図柄720は、メイン装飾図柄710の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいため、特定図柄を仮停止しないだけでなく、仮停止自体を行わないようにすることで、余計な開発設計の負担を掛けないことが好ましい。
【0378】
(7)メイン装飾図柄710は、その他の予告演出(例えば、ステップアップ演出や、先読み演出によるアイコン変化演出(各演出の詳細は後述する)など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされてもよい。パチンコ機1では、演出表示装置70の画像表示領域700をできるだけ用いて迫力ある演出を行うため、上記のような重畳表示を許容するが、サブ装飾図柄720については、メイン装飾図柄710の表示状態を補償する役割を果たすために、サブ装飾図柄720の表示領域は上記その他の予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、重複が避け難い特殊な予告演出(例えば、画像表示領域700全体に表示される群予告演出、背景予告演出であり演出ステージの変化を示唆又は報知するステージ変化演出など)との関係性については、サブ装飾図柄720の表示優先度を、上記特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(すなわち、サブ装飾図柄720が上記特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。また、右打ち報知画像(高ベース状態中に表示される画像であり、遊技者に対して第2始動口62(本実施形態においては、第2始動口62が右側の遊技領域に配置されている)が配置されている右側の遊技領域を狙って遊技球を発射するように促す演出画像)についても、遊技者から必ず視認できるようにすることが望ましいため、サブ装飾図柄720の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)ように設計することが望ましい。但し、メイン装飾図柄710の表示領域が移動したり拡大されたりした場合など、サブ装飾図柄720の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とが重複する(重畳表示する)ようにしてもよく、その場合は、メイン装飾図柄710の表示優先度を、右打ち報知画像の表示優先度よりも低く設定する(すなわち、メイン装飾図柄710が右打ち報知画像よりも後面に表示されるよう設定する)ことが好適である。
【0379】
(8)特別遊技中においては、メイン装飾図柄710は3つの図柄による組合せ表示ではなく、1つの図柄のみの表示としてもよい。例えば、メイン装飾図柄710が「777」の図柄組合せで確定停止した上で特別遊技が実行された場合には、特別遊技中に「7」が表示され、メイン装飾図柄710が「222」の図柄組合せで確定停止した上で特別遊技が実行された場合には、特別遊技中に「2」が表示される。これにより、どのメイン装飾図柄710で大当りしたかを特別遊技中に認識することができる。また、変形例として、有利度が高い大当りに対応したメイン装飾図柄710の図柄組合せ(例えば、5R以上の大当りまたは10Rの大当りであることを示す「333」、「555」、「777」など)が確定停止した場合にのみ、特別遊技中に1つの図柄による表示を行ってもよい。このように特別遊技中に1つの図柄によるメイン装飾図柄710を表示する表示領域は、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域(現在実行中の特別遊技がいずれのラウンドまで進行したかを示すラウンド表示を表示する領域)、右打ち表示領域(特別遊技中に表示される画像であり、遊技者に対して大入賞口64(本実施形態においては、大入賞口64が右側の遊技領域に配置されている)が配置されている右側の遊技領域を狙って遊技球を発射するように促す演出画像を表示する領域)、賞球獲得表示領域(現在実行中の特別遊技(1回の特別遊技)にて獲得した賞球数を表示する領域)、累積賞球数表示領域(現在実行中の特別遊技を少なくとも含む1以上の特別遊技にて獲得した(連荘にて獲得した)賞球数を表示する領域)とは重複しない(重畳表示しない)よう構成することが望ましい。但し、強調表示とは重畳表示してもよく、その場合には強調表示の方がメイン装飾図柄710よりも表示優先度は高いことが好ましい。また、サブ装飾図柄720については、特別遊技中は変動表示が行われないことから、特別遊技中には非表示とすることが好適であるが、特別遊技中に表示するよう構成してもよい。特別遊技中にサブ装飾図柄720を表示する場合、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう構成することが望ましく、強調表示とも重畳表示しないことが望ましい。
【0380】
(9)メイン装飾図柄710は、変動(例えば、画像表示領域700における上から下への移動)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ成立後、または仮停止中などの所定の状況においては、所定の動作を伴った表示を行うようにしてもよい。上記の各状況における所定の動作を、変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作、と称する。具体的には例えば、非リーチとなる場合(例えば、確定停止時において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が「624」と表示される場合)、メイン装飾図柄710は、変動開始時に左図柄711、中図柄712、右図柄713の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄711が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「6」図柄が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄713が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「4」図柄が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、中図柄712が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」図柄が仮停止して揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにおいて、全図柄の全ての動作を終了させる。この場合においては、サブ装飾図柄720は、上記の各動作を一切行わない。また、ノーマルリーチとなる場合(例えば、確定停止時において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が「212」と表示される場合)、メイン装飾図柄710は、変動開始時に左図柄711、中図柄712、右図柄713の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄711が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」図柄が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄713が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」図柄が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄711と右図柄713が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、中図柄712が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「1」図柄が仮停止して揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにおいて、全図柄の全ての動作を終了させる(中図柄712は回転動作を行わない)。この場合においては、サブ装飾図柄720は、上記の各動作を一切行わない。また、SPリーチ演出に発展する場合(例えば、確定停止時において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が「232」と表示される場合)、メイン装飾図柄710は、変動開始時に左図柄711、中図柄712、右図柄713の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄711が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」図柄が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄713が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」図柄が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄711と右図柄713が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、左図柄711と右図柄713が揺れ動作を行っている最中に中図柄712が変動し(このとき、中図柄712は拡大した状態で上から下へと変動しており、それまでは重複していなかった(または重複割合が少なかった)左右の図柄に対して、重複している(または重複割合が高くなっている)、その後、SPリーチ演出を実行するために通常背景からリーチ背景へと移行し、移行後に、全図柄が所定時間揺れ動作を継続し、その後、確定停止タイミングにおいて、全図柄の全ての動作を終了させる(中図柄712は跳ねる動作も回転動作も行わない)。この場合においては、サブ装飾図柄720は、上記の各動作を一切行わない。このように構成することで、メイン装飾図柄710の演出に多様性を持たせることができる。一方で、サブ装飾図柄720は、メイン装飾図柄710の表示状態を補償する役割さえ果たせばよいので、特に動作を行わないよう構成することで、余計な開発設計の負担を掛けないことが好ましい。また、変動停止してからデモ演出(詳細は後述する)が表示されるまでの間であっても、変動停止してから所定時間(例えば10秒)が経過した後は、メイン装飾図柄710が揺れ動作を行うように構成してもよいが、この状況であっても、サブ装飾図柄720は一切動作を行わないことが好ましい。このように構成することで、遊技待機中(図柄停止中)であっても遊技意欲を掻き立てることができるとともに、サブ装飾図柄720は揺れ動作を行わないことで、遊技待機中であることの報知を担保することができる。その他、デモ演出が表示された場合、メイン装飾図柄710は非表示となるが、サブ装飾図柄720は表示が継続されるよう構成されてもよい。このように構成することで、デモ演出による画面表示を強調しつつも、どのような図柄が停止しているかの表示を担保することができる。但し、デモ演出中であれば遊技が行われていないため、サブ装飾図柄720も非表示としてもよい。また、メイン装飾図柄710のなかでも特定の図柄(例えば、中図柄712の「7」図柄)については、その他の図柄と比べて、所定の動作を行わない(または行う確率が低くなる)よう構成してもよい。上記所定の動作は、例えば、前述した仮停止動作(跳ねるような動作)であってもよい(特にリーチ成立後の中図柄712の「7」図柄について好適である)。このように構成することで、特定の図柄における動作の希少性を高めることができる。なお、数字の図柄と味方キャラクタの図柄とを組合せてメイン装飾図柄710が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といったメイン装飾図柄710)場合、メイン装飾図柄710の揺れ動作については、数字の図柄も味方キャラクタの図柄も揺れ動作を行うが、その揺れ幅(揺動距離であって、例えば、上下に揺れるのであれば、揺れ動作中にメイン装飾図柄710が最も上側に表示されている状態と最も下側に表示されている状態との距離幅)を異ならせることで、躍動感のある揺れ動作を実現してもよい。このように構成した場合、数字の図柄の揺れ幅を味方キャラクタの図柄の揺れ幅よりも小さくする、もしくは、数字の図柄は揺れ動作を行わずに味方キャラクタの図柄のみ揺れ動作を行うように構成してもよい。
【0381】
また、
図58によれば、画像表示領域700の下辺部には、特別図柄の現変動(当該変動とも称する)及び変動保留(単に保留とも称する)をアイコンで表示する表示領域が設けられている。より具体的には、今現在において特別図柄の変動中であることを示すアイコンである当該変動アイコン及び今現在において変動表示の開始条件が成立していない変動表示である保留が存在することを示すアイコンである保留アイコンを表示する表示領域が設けられている。簡便のため、以降では第2特別図柄を省略して第1特別図柄についてのみ説明するが、実際には、第2特別図柄についても第1特別図柄と同様の構成が設けられると考えてよい。
図58によれば、当該変動に対応するアイコンとして当該変動アイコン750が用意され、第1特別図柄の最大4つの変動保留に対応するアイコンとして、保留アイコン760(個別には、保留消化の近い順から、第1保留アイコン761、第2保留アイコン762、第3保留アイコン763、第4保留アイコン764)が用意されている。保留アイコン760では、第1特図保留ランプと同期して第1特別図柄の保留表示が実行される。なお、低ベースにおいては、第1特別図柄が変動中であり且つ第1特別図柄の保留が存在すると、第1特別図柄の当該変動アイコンおよび保留アイコンが表示可能であるが、第2特別図柄が変動中であり且つ第2特別図柄の保留が存在しても、第2特別図柄の当該変動アイコンおよび保留アイコンのいずれも表示されないよう構成される。また、高ベースにおいては、第2特別図柄が変動中であり且つ第2特別図柄の保留が存在すると、第2特別図柄の当該変動アイコンおよび保留アイコンが表示可能であるが、第1特別図柄が変動中であり且つ第1特別図柄の保留が存在しても、第1特別図柄の当該変動アイコンおよび保留アイコンのいずれも表示されないよう構成される。変形例として、当該変動アイコンについては、第1特別図柄の当該変動アイコン及び第2特別図柄の当該変動アイコンについては、第1特別図柄の保留アイコン及び第2特別図柄の保留アイコンとは異なり、低ベース及び高ベースのいずれにおいても表示されるように構成してもよい。なお、SPリーチ演出中においては、当該変動アイコン及び保留アイコンを非表示としてもよい、もしくは、当該変動アイコンは表示し保留アイコンは非表示としてもよい。
【0382】
さらに、
図58によれば、画像表示領域700の右上隅のサブ装飾図柄720の下側に、保留数表示770の表示領域が設けられている。保留数表示770は、第1特別図柄の変動保留数を、数字等を用いて小さく表示するものであり、少なくとも、変動保留が存在しながらも保留アイコン760の表示が行われない期間に表示される、とする。例えば、
図58の場合、保留数表示770は「2」と表示されているが、これは、第1特別図柄の変動保留数が「2」であることを意味するものであり、保留アイコン760において、第1保留アイコン761及び第2保留アイコン762が点灯(図中では黒塗り)していることと対応している。また、前述したように、実際のパチンコ機1では、第2特別図柄についても、その変動保留数を表示する表示領域が設けられる。ここで、第1特別図柄の変動保留数を表示する保留数表示と、第1特別図柄の変動保留数を表示する保留数表示の両方を同時に表示(例えば、第1特別図柄の変動保留数を表示する保留数表示を赤色の数字で表示し、第2特別図柄の変動保留数を表示する保留数表示を青色の数字で表示)してもよい。なお、保留数表示(第1特別図柄の保留数表示、第2特別図柄の保留数表示)については、保留が0である場合であっても非表示とはせず、「0」と表示される。例えば、第1特別図柄の変動保留数が「0」であり、第2特別図柄の変動保留数が「3」である場合、第1特別図柄の保留数表示は「0」と表示され、第2特別図柄の保留数表示は「3」と表示される。また、保留数表示については、特別図柄の変動中だけでなく特別図柄の停止中にも常時表示される(例えば、SPリーチ演出中であるかどうかに限らず常に表示される、装飾役物781,782が作動中であるかどうかに限らず常に表示される)が、特別遊技の実行中やデモ演出の実行中には非表示とされることが望ましい(装飾役物781,782は、
図71(E)等に図示される可動役物であり、作動の詳細は
図71(E)の説明で後述される。)。但し、保留数表示については、特別遊技の実行中やデモ演出の実行中であっても表示してもよいが、その場合、デモ演出の実行中においては、第1特別図柄の変動保留数及び第2特別図柄の変動保留数のいずれもが「0」であるため、必ず第1特別図柄の保留数表示及び第2特別図柄の保留数表示が「0」と表示されることになる(特別遊技の実行中においては、特別遊技が開始される直前に変動保留数が存在する可能性があるため、「0」以外を表示し得る)。また、第1特別図柄の保留数表示及び第2特別図柄の保留数表示のいずれにおいても、後述する台詞演出と重畳表示する場合があるが、表示優先度は第1特別図柄の保留数表示及び第2特別図柄の保留数表示のほうが高い。また、第1特別図柄の保留数表示及び第2特別図柄の保留数表示のいずれにおいても、後述するテロップ演出と重畳表示することはない。
【0383】
<1-2.演出に出現するキャラクタ>
本実施形態に係る演出の説明では、以降に説明する様々な具体例において、複数種類のキャラクタの出現が示されることがある。そして、詳細は後述するが、所定の演出では、演出内で何れのキャラクタ(またはキャラクタの組合せ)が現出(単に表示とも称する)されるかによって、遊技結果や遊技展開に対して異なる期待度を示唆するように構成することができる。なお、同じキャラクタであっても、いずれの演出において現出するかによって、遊技結果や遊技展開に対する期待度が異なるよう構成されている。具体例としては、リーチ成立前に発生する台詞演出にて或るキャラクタが表示されるよりも、リーチ発生後に発生する台詞演出にて当該或るキャラクタが表示されるほうが、遊技結果や遊技展開に対する期待度が高くなる(または低くなる)よう構成してもよいし、或るテロップ演出に対応して或るキャラクタが表示されるよりも、当該或るテロップ演出よりも後に発生するテロップ演出に対応して当該或るキャラクタが表示されるほうが、遊技結果や遊技展開に対する期待度が高くなる(または低くなる)よう構成してもよい。そのため、キャラクタが異なる場合、例えば、リーチ成立前に発生する台詞演出にてキャラクタC(
図59参照)が表示される場合の大当り期待度は20%であり、リーチ成立後に発生する台詞演出にてキャラクタCが表示される場合の大当り期待度は50%であり、リーチ成立前に発生する台詞演出にてキャラクタH(
図59参照)が表示される場合の大当り期待度は5%であり、リーチ成立後に発生する台詞演出にてキャラクタHが表示される場合の大当り期待度は25%であるよう構成した場合、大当り期待度が相対的に低いキャラクタHであっても、リーチ成立前に発生する台詞演出にてキャラクタCが表示される場合の大当り期待度と、リーチ成立後に発生する台詞演出にてキャラクタHが表示される場合の大当り期待度とを比較した場合、後者(キャラクタH)の方が、大当り期待度が高くなる。
【0384】
図59は、演出に現出され得るキャラクタと示唆期待度との関係例を示す図である。
図59の場合、各キャラクタ(キャラA~キャラQ(付番の抜け有り))は、演出の展開上、基本的には遊技者の利益に貢献する存在としての「自キャラ(味方キャラ)」と、遊技者の利益に反する存在としての「敵キャラ」と、何れとも区別し難い「その他キャラ」とに区分されている。また、所定の演出(さらには所定のタイミング)で出現した場合に各キャラクタが示唆する、遊技結果や遊技展開に対する期待度(示唆期待度)としては、「なし」、「低」、「中」、「高」、「超高」が設定されている。ここで「超高」とは、遊技者に有利な所定の遊技結果(例えば大当りや確変大当り等)や遊技展開(特別なSPリーチ演出への発展や、大当り遊技後の確変状態突入等)に対して、ほぼ確定的に有利結果に期待できる、極めて高い期待度(最も高い期待度であり、所定の遊技結果や遊技展開の確約でもよい)を意味する。なお、「低」、「中」、「高」は、「超高」よりも期待度が低く、期待度の順番としては、「高」、「中」、「低」である。また、「なし」とは、特段の期待度を示唆しない、つまり、遊技者に有利な所定の遊技結果(例えば大当りや確変大当り等)や遊技展開(特別なSPリーチ演出への発展や、大当り遊技後の確変状態突入等)を示唆する役割ではなく、演出を盛り上げるための賑やかしの役割を意味するが、「低」よりも更に低い期待度であることを意味してもよい。
【0385】
なお、
図59に示した「キャラM」は、特定のキャラクタ名を持たない、あるいはキャラクタ名を持っていたとしても演出上で重要な意味合いを持たない、所謂モブキャラクタである。このキャラMは、他のキャラクタが出現した場合には遊技結果や遊技展開に対して期待度を示唆するような演出であっても、前述したとおり、出現しても特段の期待度を示唆しないとされる。または、別例として、キャラMが表示された場合には、比較的低い期待度(キャラクタが表示されない場合よりも低い期待度を含めてもよい)を示唆すると設定してもよい。
【0386】
また、
図59に示した「キャラP」及び「キャラQ」は、他のキャラクタに比べて出現率が極めて低い(例えば、当否判定の結果が大当りである場合の0.1%で出現したり、当否判定の結果が大当りであり且つ確変状態の突入が確約される場合の0.5%で出現したりする)プレミアキャラであり、対応する示唆期待度が「超高」とされることにより、どのような演出であっても、出現しただけで、遊技者に極めて高い興趣を与えることができる。
【0387】
なお、当然ながら、
図59に示した各キャラクタは、本説明のための一例に過ぎず、実際には、
図59に示した種類以上または以下のキャラクタが演出のために用意されてよい。また、各キャラクタの区分(自キャラ、敵キャラ、その他キャラ)や示唆期待度との対応関係も、様々に設定してよい。
【0388】
<1-3.文字色による期待度>
本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技中に実行される様々な演出(遊技演出)において、演出表示装置70(画像表示領域700)に表示される文字列の色(文字色)によって、遊技結果または遊技展開に対して異なる期待度を示唆することができる。具体的には例えば、以降の説明では、示唆する期待度が相対的に低い方から並べると、白、青、黄、緑、赤、紫、金、虹の文字色が用いられる。このうち、白色は、通常使用される文字色であって、特段の期待度を示唆しないと考えてもよい。また、虹色は、極めて高い確定的な期待度(大当り確定)を示唆する特別な文字色とする。また、後述するメーカー柄を文字色として用いてもよく、その場合は、示唆する期待度が相対的に低い方から並べると、白、青、黄、緑、赤、紫、金、メーカー柄、虹の文字色の順となる。
【0389】
<2.デモ演出>
演出制御基板200は、演出表示装置70(画像表示領域700)への画像表示を伴う種々の演出の実行を制御可能であり、これらの演出は、遊技の待機中(変動保留が存在しない状態であり且つ特別図柄変動や特別遊技等に関する制御処理が実行されていない状態であれば、遊技球が遊技領域に発射されている状態を含めてもよい)に実行される待機中演出と、遊技中(例えば、特別図柄の変動中や特別遊技中など)に実行される遊技演出と、に大別できる。待機中演出の一例としては、デモ演出が挙げられる。また、遊技演出としては、後述するように、文字演出(台詞演出、テロップ演出)の他、リーチ演出、図柄擬似停止演出(擬似連演出)、先読み演出、ステップアップ演出等、様々な演出が用意されている。
【0390】
デモ演出は、変動保留が存在しない状態における特別図柄の非変動時(変動保留が存在しない状態において特別図柄が停止を維持している状況)に、演出ボタン3j等が一定時間(例えば、120秒など)操作されない、発射ハンドル12が一定時間(例えば、120秒など)回動操作されていない等の所定条件を満たした場合に実行される演出であって、演出表示装置70に所定のデモ画像を表示する。デモ画像は、遊技機の機種に応じて用意され、そのテーマ及び内容は製造メーカーが任意に決定すればよい。また、デモ演出で演出表示装置70への表示用に用いられる画像データは、動画像を主とするが、必ずしも、静止画像のみの構成や、動画像と静止画像とを組合せた構成を除外するものではない。
【0391】
<2-1.デモ演出の演出例>
図60は、デモ演出開始前の画面遷移例を示す図である。
図60において、特別図柄は変動中ではなく、変動保留も存在していない。
【0392】
図60(A)は、変動保留が存在しない状況にて特別図柄が停止した直後の状態であり、
図60(A)に示された画像表示領域700において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720は、変動することなく停止表示されている。
図60(A)の状態が所定時間(例えば、20秒)継続した後、もしくは、演出ボタン3jが操作された後は、
図60(B)のように、画像表示領域700には、演出設定の調整画面が表示される。演出設定の調整画面は、遊技者の操作によって所定機能の設定を調整するための画面である。演出設定の調整画面の具体例として
図60には、演出中に遊技者に要求される演出入力装置(例えば、演出ボタン3jや第2演出ボタン3k)への操作を自動処理するか否かを設定する自動操作設定(B1)、演出に伴って出力される音量を設定する音量設定(B2)、及び、演出表示装置70等の光量を設定する光量設定(B3)が図示されている。音量の設定および音量設定の調整画面の表示、光量の設定および光量設定の調整画面の表示は、特別図柄の変動中や、特別遊技の実行中も可能である。なお、演出設定についてはこれ以外にも、特定の演出の発生頻度を設定する設定機能及び設定画面を有してもよく、例えば、プレミアキャラクタに係る演出の発生頻度を設定可能に構成してもよい。具体的には、プレミアキャラクタに係る演出の発生頻度を「大当り時の0.1%」、「大当り時の10%」、「大当り時の100%」、「確変大当り時の100%(通常大当りでは発生しない)」のいずれかに設定可能に構成してもよい。なお、演出設定の調整画面は所定時間(例えば、20秒)継続した後に自動的に表示されるものでなく、演出ボタン3jが操作された後に表示されるよう構成してもよい。また、装飾図柄710は、数字だけでなくキャラクタも含めて構成されてもよく(例えば、キャラクタBに「7」が付帯したり、キャラクタHに「2」が付帯したりする態様でもよく)、そのように構成した場合、変動停止直後は、数字とキャラクタが合わさった表示態様にて停止しており、数字もキャラクタも微動だにしないが、所定時間(例えば、30秒)が経過した後は、数字が消去されキャラクタのみの表示態様に変化したうえで停止状態を維持したり、数字もキャラクタも微細に揺れる態様にて停止状態を維持したりしてもよいし、数字とキャラクタに更にキャラクタ名まで合わさった表示態様に変化したうえで停止状態を維持したりしてもよい。
【0393】
そして、
図60(B)の状態から、遊技球の始動口への入球等が発生しないままさらに所定時間(例えば、120秒)が経過すると、
図60(C)に遷移する。
図60(C)の状態に遷移すると、演出制御基板200は、画像表示領域700において、予め用意されたデモ画像(デモムービー)の表示を開始する(デモ演出の開始)。なお、デモ演出の実行は特別図柄が変動しない期間に限定されることから、
図60の場合は、
図60(C)からデモ演出が終了するまで、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720は何れも非表示にされるとしている。但し、前述したように、本実施形態に係るパチンコ機1は、デモ演出の実行中も、サブ装飾図柄720の表示が継続されるように構成されてもよい。そして、デモ演出の実行後、遊技球の始動口への入球等が発生した場合には、演出制御基板200は、当該時点で即座にデモ演出を中断し、画像表示領域700においてメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720の変動表示等が開始される。
【0394】
図61は、デモ演出の第1の演出例における画面遷移を示す図である。
図61に例示するデモ演出は、世界観や登場人物といったパチンコ機1のテーマを紹介するものである。
【0395】
デモ演出の第1の演出例では、画像表示領域700において、まずキャラB(
図59参照)が登場する映像が表示され(
図61(A))、次に、「雌雄を決する!」という文字列が表示される(
図61(B))。この文字列は、パチンコ機1の世界観の時代背景を表すものである。その後、キャラBとキャラIとが対面する映像が表示され(
図61(C))、キャラBがパンチする映像が表示された後(
図61(D))、パチンコ機1の遊技機名称のロゴ(タイトルロゴ)及び版権元(版元)が表示される(
図61(E))。本説明では、パチンコ機1の遊技機名称を「無双伝説」、パチンコ機1で使用されるキャラクタ等の版権元を「MUSOUプロ」と仮称する。そして、最後に、パチンコ機1の製造メーカーのロゴ(メーカーロゴ)が表示されて(
図61(F))、デモ演出は終了する。なお、
図61(F)の最終表示の後、遊技球の始動口への入球等が発生せず特別図柄の非変動状態が継続する場合には、演出制御基板200は、最終表示をそのまま表示し続けるようにしてもよいし、
図60(A)で説明した装飾図柄710の停止画面を表示するようにしてもよい(その場合は前述したとおり、数字が消去されキャラクタのみの表示態様に変化したうえで停止状態を維持した画面だったり、数字もキャラクタも微細に揺れる態様にて停止状態を維持した画面だったり、数字とキャラクタに更にキャラクタ名まで合わさった表示態様に変化したうえで停止状態を維持した画面だったりしてよい)し、
図60(B)で説明した演出設定の調整画面を表示するようにしてもよいし、デモ演出を最初から繰り返す等してもよい。
【0396】
図62は、デモ演出の第2の演出例における画面遷移を示す図である。
図62に例示するデモ演出は、パチンコ機1の遊技中に現出され得る遊技演出の一部を紹介するものである。
【0397】
デモ演出の第2の演出例では、画像表示領域700において、まずパチンコ機1のタイトルロゴが表示される(
図62(A))。次に、「大当りのポイントとなる二大演出がコレだ!」という文字列が表示され(
図62(B))、パチンコ機1において大当りへの期待度が高い演出(大当り期待度が40%~60%ほどの演出)であり、更に、大当り時の占有率が相対的に高い(大当り時には当該演出が60%の割合で発生する)演出の紹介が開始される(補足すると、プレミアキャラクタに係る演出など、大当り時でもなかなか出現しない演出、例えば大当り時の発生割合が10%以下の演出などは、遊技者がその演出を見ることが困難であるため、大当りのポイントなる演出として紹介されない)。具体的には、
図62(C)で、「第1ポイント演出」のデモ映像が画像表示領域700内の所定領域に表示され、
図62(D)で、「第2ポイント演出」のデモ映像が画像表示領域700内の所定領域に表示される。その後、パチンコ機1の遊技機名称のロゴ(タイトルロゴ)及び版権元(版元)が表示され(
図62(E))、パチンコ機1の製造メーカーのロゴ(メーカーロゴ)が表示されて(
図62(F))、デモ演出は終了する。なお、
図62(E)~(F)の表示内容は、
図61(E)~(F)と同様であるため、説明を省略する。そして、
図62(F)の最終表示の後、遊技球の始動口への入球等が発生せず特別図柄の非変動状態が継続する場合には、演出制御基板200は、最終表示をそのまま表示し続けるようにしてもよいし、
図60(A)で説明した装飾図柄710の停止画面を表示するようにしてもよい(その場合は前述したとおり、数字が消去されキャラクタのみの表示態様に変化したうえで停止状態を維持した画面だったり、数字もキャラクタも微細に揺れる態様にて停止状態を維持した画面だったり、数字とキャラクタに更にキャラクタ名まで合わさった表示態様に変化したうえで停止状態を維持した画面だったりしてよい)し、
図60(B)で説明した演出設定の調整画面を表示するようにしてもよいし、デモ演出を最初から繰り返す等してもよい。なお、この紹介される演出(二大演出)の少なくともいずれかについては、通常状態において発生すると大当り確定とまではいかないが大当り期待度が高い一方で、確変状態や時短状態にて発生すると大当り確定であることが好適である。
【0398】
なお、本実施形態に係るパチンコ機1で実行されるデモ演出は、上記の第1及び第2の演出例に限定されるものではなく、その他の情報を紹介するものであってもよい。具体的には例えば、高期待度を示す特定の模様(例えば、遊技機メーカーが自社製造の遊技機に共通して使用する固有の柄模様、所謂『メーカー柄』)を紹介する等してもよい。パチンコ機1において、メーカー柄は、遊技演出中の任意のタイミングで表示される可能性があり、メーカー柄が表示された場合には、遊技者に有利な遊技結果(大当り、確変大当り)や遊技展開(SPリーチ発展等)への期待度が高いことを示唆するものとする。このメーカー柄についても、通常状態において発生すると大当り確定とまではいかないが大当り期待度が高い一方で、確変状態や時短状態にて発生すると大当り確定であることが好適である。
【0399】
<2-2.デモ演出の特徴>
上記の具体例を踏まえ、本実施形態に係るパチンコ機1では、以下に示す1以上の特徴を有して構成されるデモ演出を実行可能とする。
【0400】
まず、本実施形態に係るパチンコ機1では、デモ演出に無音の動画像を使用するとしてもよく、この場合、一般に効果音等が出力される遊技演出との違いが明確になることで、デモ演出を遊技演出と誤認させない効果に期待できる。但し、上述した具体例のように、デモ演出では装飾図柄の変動開始から変動停止までの全過程を連続して表示することはない等の理由から、デモ演出と遊技演出との識別性はある程度担保されているため、本実施形態に係るパチンコ機1では、デモ演出に音声付きの動画像を使用するとしてもよい。
【0401】
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、デモ演出で表示されるキャラクタは、基本的には、遊技演出で表示され得るキャラクタと重複してよく、これらデモ演出で表示されるキャラクタには、遊技演出で表示された場合に、遊技結果や遊技展開に対して異なる期待度を示唆する複数種類のキャラクタ(具体的には例えば、
図59に例示したキャラB,キャラC,キャラI等)を含むことができる。但し、当然であるが、デモ演出は非遊技中に実行される演出であるから、デモ演出に所定のキャラクタが出現することによって何らかの期待度を示唆することはない。このように、遊技演出で出現した場合に期待度を示唆可能なキャラクタをデモ演出に出現させることにより、遊技中に当該キャラクタが出現した場合の興趣を高める効果に期待できる。
【0402】
また、本実施形態に係るデモ演出では、表示されるキャラクタについて、遊技演出では出現することがなく、デモ演出でのみ表示されるキャラクタが用意されてもよい。また、デモ演出では表示されない、遊技演出固有のキャラクタが用意されてもよい。そして、何れの場合であっても、デモ演出で表示されるキャラクタの種類が、遊技演出(または遊技演出のうちの特定の演出(例えば、後述する「台詞演出」や「テロップ演出」))で表示され得るキャラクタの種類よりも少なくなるように構成されてもよい。このように、デモ演出で表示されるキャラクタの種類を制限することにより、デモ演出では表示されないキャラクタが遊技中に出現したときに、遊技者の興趣を高める効果に期待できる。
【0403】
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、デモ演出において、遊技演出で表示され得る全てのキャラクタが表示されるわけではない。
【0404】
例えば、後述する文字演出(台詞演出、テロップ演出)で表示され得る特定のキャラクタを、デモ演出で表示されないキャラクタとすることができる。詳細は後述するが、文字演出(台詞演出、テロップ演出)においては、表示されるキャラクタによって遊技結果や遊技展開に対する期待度を示唆するよう構成することができる。示唆する期待度については、
図59に示した通りである。そして本実施形態では、このような文字演出で表示され得るキャラクタのうちの特定のキャラクタを、デモ演出では表示されないように構成することができる。具体的には例えば、文字演出で表示されても特段の期待度を示唆しない(または低期待度を示唆する)モブキャラクタ(キャラM)を、デモ演出では表示されないキャラクタとしてよい。モブキャラクタは、遊技中に出現しても特段の意味を持たない低価値のキャラクタであるため、デモ演出に表示させないことで、無駄に遊技者に意識させない効果に期待できる。また例えば、文字演出で表示された場合に極めて高い期待度を示唆する特別なプレミアキャラクタ(キャラP)を、デモ演出では表示されないキャラクタとしてもよい。プレミアキャラクタは、遊技中の出現頻度が極めて低いため、デモ演出に表示させずに秘匿することで、その存在に対する遊技者の関心を高める効果等に期待できる。
【0405】
また、
図59に例示したキャラクタ一覧によれば、キャラPと同様に、キャラQもプレミアキャラクタであるが、このキャラQについても、デモ演出において表示されないキャラクタとしてもよい。なお、キャラQは、文字演出(台詞演出、テロップ演出)で出現するキャラクタとしてもよいが、それ以外にも、文字演出(台詞演出、テロップ演出)でも出現しないキャラクタとし、文字演出以外の所定の遊技演出(リーチ中の演出に限らず、リーチ成立前に実行される図柄擬似停止演出や、当該変動より前に実行される先読み演出等を含んでよい)において出現する可能性があるキャラクタとして設定してもよい。また、別の構成例として、キャラQを台詞演出では出現する可能性があるキャラクタとして設定する一方で、テロップ演出には出現しないように制限されてもよい。
【0406】
また、本実施形態に係るデモ演出では、デモ演出内で遊技演出を紹介する際に、文字列の表示が行われないよう構成されてよく、あるいは、文字列が表示されるとしても、「キャラクタに付帯する文字列」が表示されないよう構成されてよい。「キャラクタに付帯する文字列」とは、キャラクタの発話に対応する文字列を意味する。つまり、遊技演出などでは登場したキャラクタの発話に対応する音声は一切出力されず、文字列のみを表示するよう構成されてよい。このような構成とすることで、デモ演出で遊技演出の全体を見せずに遊技時の楽しみを残す効果に期待できる。一方、後述する文字演出(台詞演出、テロップ演出)では、基本的にはキャラクタが登場した際、当該キャラクタの発話を文字化した文字列(台詞、テロップ)が表示される。但し、台詞演出においては、全ての台詞演出ではなく一部の台詞演出(例えば、台詞演出100種類中30種類の台詞演出)にのみキャラクタの発話と文字列が表示され、残りの台詞演出(例えば、台詞演出100種類中70種類の台詞演出)においてはキャラクタの発話はなく文字列のみが表示されてもよい。また、テロップ演出においては、全てのテロップ演出ではなく一部のテロップ演出(例えば、テロップ演出10種類中9種類の台詞演出)にのみキャラクタの発話と文字列が表示され、残りのテロップ演出(例えば、テロップ演出10種類中1種類のテロップ演出)においてはキャラクタの発話はなく文字列のみが表示されてもよい(テロップ演出の種類について、例えばストーリー性を有するテロップが分割して表示される場合、つまりテロップが複数回表示される場合においては、そのストーリー性を有するテロップ全てを含めて1つの種類としてよく、換言すれば、複数回表示するテロップであっても1つの種類としてよい)。
【0407】
また、本実施形態に係るデモ演出では、デモ演出中の文字列は、遊技結果や遊技展開に対する期待度を示唆しない標準的な文字色(例えば白色)で表示される、としてよい。言い換えると、高期待度を示す赤色やメーカー柄や虹色等の文字色は使用されない、としてよい。このような構成とすることで、デモ演出を遊技演出と誤認されることを防止する効果や、実際の遊技において文字色による期待度示唆を楽しませる効果に期待できる。但し、上記の文字色の制限は、タイトルロゴやメーカーロゴ等といった、遊技中の演出との関係性が薄い事項を表示する文字列に対しては除外してよい。
【0408】
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、
図61(E)や
図62(E)に示したように、デモ演出において、パチンコ機1で使用されるキャラクタ等の版権元(版元)を表示するようにしてよく、より詳しくは、パチンコ機1のタイトルロゴの表示に付随して版元の表示を行うようにしてよい。一方、パチンコ機1では、装飾図柄の変動中や大当り遊技中などに実行される遊技演出では、タイトルロゴの表示は行われる可能性はあるものの、版元の表示が行われることはない。
【0409】
<3.台詞演出>
本実施形態に係るパチンコ機1で実行可能な遊技演出の1つである台詞演出について説明する。本実施形態では、所定の遊技期間(具体的には例えば、特別図柄の1変動中や、大当り遊技中など)のなかで演出表示装置70に文字列を表示し、遊技結果または遊技展開に対する期待度を文字列の内容や文字色によって示唆し得る、という特徴を有する演出を「文字演出」と称する。文字演出には、本章で説明する台詞演出、及び次章で説明するテロップ演出が含まれる。
【0410】
台詞演出は、所定の遊技期間における所定タイミングで演出表示装置70に文字列を表示し、遊技結果または遊技展開に対する期待度を文字列の内容や文字色によって示唆し得る演出である。以降の説明では、台詞演出が実行される「所定タイミング」を、演出表示装置70(画像表示領域700)において装飾図柄710の変動表示が開始されてからSPリーチ演出に発展するまでの間の任意のタイミング、とするが、実際には、後述するテロップ演出が実行され得る特定タイミングよりも前のタイミングであれば、遊技中の他の遊技期間(例えば、特別図柄または装飾図柄の変動中や大当り遊技中など)における任意のタイミングであってよい。
【0411】
<3-1.台詞演出の演出例>
図63は、台詞演出の第1の演出例における画面遷移を示す図である。まず、
図63(A)では、画像表示領域700において変動中のメイン装飾図柄710が表示されており、画像表示領域700の右上に変動中のサブ装飾図柄720が表示されている。その後、
図63(B)では、画像表示領域700に操作要求演出が現出される。ここで、操作要求演出は、演出制御基板200によって実行が制御される遊技演出の1つであって、所定の演出入力装置の入力操作を遊技者に要求する演出である。所定の演出入力装置とは、遊技者による入力操作に基づいて、演出制御基板200に対して入力情報を入力する装置であって、具体的には例えば、パチンコ機1における演出ボタン3jや第2演出ボタン3kに相当する。具体的には
図63(B)の場合は、演出ボタン3jの画像(以後、PUSHボタン画像と称する)が、メイン装飾図柄710の前面に重複表示されることにより、演出ボタン3jの押下が遊技者に促される。なお、PUSHボタン画像の下部には、棒状の画像が表示されているが、これは、演出制御基板200が演出ボタン3jの押下操作を受け付ける操作有効期間の残時間を表すものである。そして、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)するか、あるいは操作有効期間が経過すると、
図63(C)に移行する。なお、変形例として、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)せず、操作有効期間が経過すると、
図63(C)に移行しない、つまり、台詞演出が表示されないよう構成してもよい。
【0412】
図63(C)は、メイン装飾図柄710の左図柄711が停止しようとするタイミングの画像表示領域700を示しており、このタイミングで台詞演出が現出される。具体的には、画像表示領域700の下部にキャラMが登場するとともに、キャラMに付帯する文字列として、キャラMの吹出枠のなかに「何だ?」という文字列(台詞)が表示される。
図63(C)におけるキャラMの台詞の文字色は、通常は白色とするが、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆する他の文字色(例えば、高期待度を示唆する赤色等)であってもよい。また、
図63(C)で表示されるキャラMは、
図59によれば示唆期待度を持たないキャラクタであるが、何らかの示唆期待度を有するキャラクタ(例えばキャラAやキャラH等)が表示される演出パターンが用意されてもよい。
【0413】
そして、
図63(C)の後は、遊技展開によって異なる遷移先が示される。具体的には例えば、
図63(D)のように、メイン装飾図柄710によるリーチ状態が成立してSPリーチ演出に発展する場合もあれば、
図63(E)のように、メイン装飾図柄710によるリーチ状態が成立せずに、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720がハズレ態様(例えば「436」)で停止表示される場合もある。
【0414】
図64は、台詞演出の第2の演出例における画面遷移を示す図である。
図64(A)~
図64(B)は
図63(A)~
図63(B)と同様であり、画像表示領域700において変動中のメイン装飾図柄710が表示された後、画像表示領域700に操作要求演出が現出される。そして、
図64(B)において、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)するか、あるいは操作有効期間が経過すると、
図64(C)に移行する。なお、変形例として、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)せず、操作有効期間が経過すると、
図64(C)に移行しない、つまり、台詞演出が表示されないよう構成してもよい。そのように構成した場合、
図64(B)において、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)せず、操作有効期間が経過すると、後述する
図64(D)及び(E)にも移行しない、つまり、以降のタイミングにおける操作要求演出や台詞演出も表示されないよう構成してもよい。
【0415】
図64(C)では、メイン装飾図柄710の左図柄711が停止しようとするタイミングで、台詞演出が開始される。具体的には、画像表示領域700の下部にキャラAが登場するとともに、キャラAに付帯する文字列として、キャラAの吹出枠のなかに「行くか?」という文字列(台詞)が表示される。
図64(C)におけるキャラAの台詞の文字色は、通常は白色とするが、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆する他の文字色(例えば、高期待度を示唆する赤色や、極めて高い期待度を示唆する虹色等)であってもよい。
【0416】
次いで、
図64(D)では、メイン装飾図柄710の左図柄711だけが停止したタイミングで、操作要求演出が挿入されてPUSHボタン画像が表示される。そして
図64(D)における演出ボタン3jの押下操作(あるいは操作有効期間の経過)を契機として、遊技展開に応じた分岐が発生する。具体的には、
図64(D)における操作要求演出が成功した場合は
図64(E)に遷移し、失敗した場合は
図64(G)に遷移する。なお、ここでの成功とは、演出ボタン3jの押下操作によってキャラクタが表示される演出結果を指し、失敗とは、演出ボタン3jの押下操作をしてもキャラクタが表示されない演出結果を指す。また、変形例として、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)せず、操作有効期間が経過すると、
図64(E)に移行せず、必ず
図64(G)に移行する、つまり、成功せずに必ず失敗するよう構成してもよい。
【0417】
図64(E)では、画像表示領域700の下部にキャラBが登場するとともに、キャラBの吹出枠のなかに「行こう!」という文字列(台詞)が表示される。このキャラBの台詞は、
図64(C)のキャラAの台詞に応えるものであり、発話が繋がっていることから遊技展開(本例ではSPリーチ発展)や大当り期待度が高い(発話が繋がらないよりも相対的に高い)ことを示唆する。
図64(E)におけるキャラBの台詞の文字色は、通常は白色とするが、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆する他の文字色(例えば、高期待度を示唆する赤色や、極めて高い期待度を示唆する虹色等)であってもよい。そして、
図64(F)では、メイン装飾図柄710によるリーチ状態が成立してSPリーチ演出に発展する。一方、
図64(G)では、画像表示領域700にキャラクタは表示されず、台詞演出が終了してハズレ態様(例えば「718」)でメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が停止表示される。
【0418】
なお、
図64に例示した第2の演出例では、台詞演出において複数段階のタイミングで異なるキャラクタ(キャラA,キャラB)が現出されたが、台詞演出で出現するキャラクタによって遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆する場合には、より示唆期待度が高いキャラクタ(この場合はキャラB)に依るとしてもよいし、現出されるキャラクタの組合せに依るとしてもよい。
【0419】
<3-2.台詞演出の特徴>
上記の具体例を踏まえ、本実施形態に係るパチンコ機1において演出制御基板200が実行可能な台詞演出の特徴を説明する。なお、本実施形態に係る台詞演出は、以下に示す複数の特徴のすべてを有して構成される必要はなく、少なくとも、何れか1つの特徴、または複数を組合せた特徴を有して構成されればよい。また、必要に応じて、台詞演出の演出例をさらに示す。
【0420】
本実施形態に係るパチンコ機1では、台詞演出において、代表的には、静止画のキャラクタの表示が行われ、さらに当該キャラクタによる発話(言葉に出さない思考の内容を含む)に対応する台詞が文字列で表示される。但し、キャラクタの表示直後においては、キャラクタが出現したことを示す動画像のアニメーション(例えば、下方向から徐々にフェードインして出現するアニメーション)を表示し、その後一定時間静止画での表示が維持され、更にその後、キャラクタが非表示となる(消える)ときにおいては、キャラクタが消えることを示す動画像のアニメーション(例えば、上方向から徐々にフェードアウトして消えるアニメーション)を表示するよう構成してもよい。また、文字列や吹出枠については、キャラクタと同様に静止画であるが、出現したことを示す動画像のアニメーション(例えば、下方向から徐々にフェードインして出現するアニメーション)を表示し、その後一定時間静止画での表示が維持され、更にその後、消えることを示す動画像のアニメーション(例えば、上方向から徐々にフェードアウトして消えるアニメーション)を表示してもよいし、吹出枠については継続的にアニメーションを伴っていてもよい(例えば、キャラクタや文字列が静止画にて表示されている状況であっても、吹出枠は常に点滅しているようなアニメーションにて表示される)。このとき、キャラクタによる発話に対応する音声が併せて出力されてもよく、そのように構成する場合、台詞演出における文字列は全ての文字を一斉に表示する、もしくは、台詞演出における文字列が1文字ずつ表示するよう構成することが好適であり、いずれのように構成したとしても、キャラクタによる発話に対応する音声の出力が完了する(台詞演出における文字列に対応した音声を全て出力し切る)よりも早く、台詞演出における文字列の表示を完了する(文字列の最初の文字から最後の文字までの全ての文字の表示を完了する)ことが好適である。なお、台詞演出におけるキャラクタの表示は、キャラクタを表す静止画を所定時間表示するだけに限定されず、例えば、キャラクタの静止画を前述したように徐々にフェード、拡大または縮小する画像表示や、画像表示領域700内でキャラクタの静止画を移動させるような画像表示等を含めることができる。また、キャラクタによる発話に対応する文字列(台詞)は、吹出枠等に付随して表示されてもよいし、吹出枠等を用いずにキャラクタの静止画の近傍に表示されるとしてもよい。そして、前述したように、台詞演出で表示される文字列の文字色によって、遊技結果または遊技展開に対して異なる期待度を示唆することができる。また、台詞の表示内容は、キャラクタの発話の全てに対応する必要はなく、その一部や要旨を表すものであってもよい。以上のように台詞演出が構成されることにより、当該演出に関する内容(例えばキャラクタの発話内容)を文字列で視覚的に表示するとともに、遊技結果または遊技展開に対する期待度を文字色という高い識別性を有する手段で示唆することができるため、遊技興趣を高める演出を提供することができる。
【0421】
また、上述した演出例では、台詞演出が現出される所定タイミングを、リーチ成立前やSPリーチ演出への発展前を一例として説明したが、本実施形態において台詞演出を現出可能なタイミングはこれらに限定されるものではなく、遊技中の所定期間(所定の遊技期間)としてもよい。
【0422】
また、本実施形態に係る台詞演出は、
図63や
図64に例示した操作要求演出だけでなく、他の様々な種類の遊技演出と組合せることができる。具体的には例えば、演出制御基板200は、台詞演出の前にステップアップ演出が発生するような演出パターンを選択できてもよいし、図柄擬似停止演出(擬似連演出)の実行中に台詞演出が発生するような演出パターンを選択できてもよいし、台詞演出の後にテロップ演出が発生するような演出パターンを選択できてもよい。なお、ステップアップ演出は、所定画像の挿入表示を多段階で実行可能な演出であって、所定画像が表示される段階が進むほど高い期待度を示唆する演出である。具体的には、ステップアップ演出として、ステップアップ画像1であるキャラクタMを四角の枠内に表示する画像、ステップアップ画像2であるキャラクタAを四角の枠内に表示する画像、ステップアップ画像3であるキャラクタBを四角の枠内に表示する画像、ステップアップ画像4であるキャラクタCを四角の枠内に表示する画像、ステップアップ画像5であるキャラクタPを四角の枠内に表示する画像を有し、最初にステップアップ画像1を表示したうえで、ステップアップ画像2まで、又は、ステップアップ画像2~3まで、又は、ステップアップ画像2~4まで、又は、ステップアップ画像2~5までを順に1つずつ表示していき、ステップアップ画像が進行するほど(ステップアップ画像が多く表示されるほど)、大当り期待度が高い(ステップアップ画像5が表示されると大当り確定である)ことを示唆する演出である。また、図柄擬似停止演出やテロップ演出の詳細は後述する。なお、操作要求演出は、台詞演出と組合せやすい演出であり、その現出タイミング(演出ボタン3j等の演出入力装置の入力操作を遊技者に要求するタイミング)は、台詞演出に係る操作要求演出の発生タイミングだけでなく、その前後であってもよく、前述したリーチ成立前のステップアップ演出や、後述するリーチ成立前の「NEXT」図柄、SPリーチ演出中の当落表示や、SPリーチ演出中のテロップ演出中のカットイン演出などを表示する目的で操作要求演出を実行する場合は、それら演出に係る操作要求演出の発生タイミングとしてよい。
【0423】
また、本実施形態に係る台詞演出では、表示される文字列の文字色だけでなく、表示されるキャラクタ(またはその組合せ)や文字列の内容(台詞の内容)によっても、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆するようにしてもよい。このように構成されることにより、台詞演出では、表示される台詞の文字色だけでなく、出現するキャラクタに対しても、遊技者に関心を抱かせる効果が得られる。
【0424】
また、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技中の所定期間(例えば、同一変動内)において、複数回の台詞演出が発生する演出パターンを有してもよい。例えば、
図64に示した台詞演出の第2の演出例の場合、
図64(C)におけるキャラAの台詞表示と
図64(E)におけるキャラBの台詞表示との間に、
図64(D)の操作要求演出が実行されていることから、操作要求演出を挟んで2回の台詞演出が発生していることになる。
【0425】
そして、遊技中の所定期間において複数回の台詞演出が発生する場合、各台詞演出が発生するタイミング(例えば、リーチ成立の前後)によって、期待度を示唆する文字色が変化するようにしてもよい。このとき、文字色の変化パターンは、示唆期待度が低い「白」や「青」から示唆期待度が高い「赤」に変化するような、所謂「格上げ」であってもよいし、「赤」から「青」や「白」に変化するような、所謂「格下げ」であってもよい。さらに、複数回の台詞演出の発生のなかで、期待度を示唆する文字色が、相対的に高期待度の色から低期待度の色に変化する「格下げ」の変化パターンとなるときには、格下げの前後の台詞演出で、表示される文字列(あるいは、表示される文字列の一部)の文字サイズが異なる(文字サイズが大きくなる、又は、文字サイズが小さくなる)ように表示させるようにしてもよい。このように構成することで、格下げという期待度示唆の変化が発生したことを遊技者に気付かせやすくなるため、演出への関心を高める効果に期待できる(文字サイズが大きくなるよう構成した場合は、文字列に気付きやすくなり、格下げを把握する可能性を高めることになり、サイズが小さくなるよう構成した場合には、期待度が低下したことを文字のサイズで認識できるため、格下げを認識しやすくなる)。なお、「文字サイズ」については、次段落で詳述する。また、上記の構成は、「格上げ」の変化パターンとなるときにも適用可能としてもよく、その場合、格上げという期待度示唆の変化が発生したことを遊技者に気付かせやすくなるため、演出への関心を高める効果に期待できる(文字サイズが大きくなるよう構成した場合は、期待度が上昇したことを文字のサイズで認識できるため、格上げを認識しやすくなり、サイズが小さくなるよう構成した場合には、文字列が小さくなる意外性により遊技者が注目するため、格上げを把握する可能性を高めることになる)。また、各回の台詞演出で表示される台詞(文字列)の内容は、同種のものとしてもよいし、異種のものとしてもよい。具体的には、台詞演出として、キャラクタ・吹出枠・文字列が表示される演出パターンA(例えば、
図64(E)のような演出パターン)と、キャラクタ・文字列のみ(吹出枠なし)が表示される演出パターンB(例えば、後述する
図67(F)のような演出パターン)とを有する場合、同種のものとは、演出パターンA同士又は演出パターンB同士の組合せであり、異種とは演出パターンAと演出パターンBの組合せとなる。また、各回の台詞演出で表示されるキャラクタ(台詞に対応するキャラクタ)は、同種のものである場合でも、異種のものである場合でも、同一キャラクタであるとしてもよいし、異なるキャラクタであるとしてもよい。本実施形態に係るパチンコ機1は、上記のように台詞演出が複数回に亘って現出される演出パターンを持つことにより、台詞演出の演出性を高めることができる。なお、演出パターンAは後述する第1種別の台詞演出であり、演出パターンBは後述する第2種別の台詞演出であってよい。
【0426】
また、本実施形態に係る台詞演出は、複数種別の演出パターンを有するように構成されてもよい。複数種別の演出パターンとして、例えば、台詞演出で表示される文字列について、少なくとも文字列ごとに、文字色及び文字サイズ(ここでの文字サイズとは、余白を含む1つの文字が表示される領域の大きさであり、例えば、「麒」と「!」のように異なる文字であって文字自体が占有する領域の大きさが異なっていても、いずれも2センチメートル四方の領域に描かれた画像データである場合は大きさが同じであり、「麒」と「!」のように異なる文字であって文字自体が占有する領域の大きさが異なっていても、「麒」は1センチメートル四方の領域に描かれた画像データであり且つ「!」が5センチメートル四方の領域に描かれた画像データである場合は大きさが異なることになる)が統一されている第1種別の台詞演出(例えば、「行くぞ!」という文字列における各文字のサイズが同じ台詞演出)と、少なくとも文字列ごとに、台詞演出で表示される文字列の文字色は統一されるが、文字サイズが一部で異なる第2種別の台詞演出(例えば、「行こう!」という文字列において「行」のみが他の文字よりもサイズが大きい台詞演出)と、を挙げることができる。この場合、
図63及び
図64に示した台詞演出が第1種別の台詞演出に相当し、後述する
図65に示す台詞演出が第2種別の台詞演出に相当する。このように台詞演出のバリエーションを豊富にすることで、台詞演出の演出性を高めることができる。
【0427】
図65は、台詞演出の第3の演出例における画面遷移を示す図である。
図65によれば、画像表示領域700において変動中のメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が表示され(
図65(A))、その後、操作要求演出(PUSHボタン画像)が現出される(
図65(B))。そして、
図65(C)では、画像表示領域700の下部にキャラAによる「行くか?」という文字列(台詞)が表示され、次の
図65(D)では、キャラAの台詞に応える形で、画像表示領域700の下部に、キャラBによる「行こう!」という文字列(台詞)が表示される。そして、次の
図65(E)では、
図65(D)のキャラBによる台詞の表示が維持された上で、画像表示領域700の上部に、新たにキャラCによる「最後まで一緒だ!」という文字列(台詞)の表示が追加され、
図65(F)でSPリーチ演出に発展する。
【0428】
このような
図65の演出遷移では、
図65(C),(D),(E)において、キャラクタに付帯する文字列(台詞)が表示される。そのうち、
図65(E)におけるキャラCの台詞では、「最後」という2文字だけが、他の文字よりも大きい文字サイズであり、また、フォントも異なるものが使用されている。ここでの「フォント」とは、コンピュータによる出力用に収められた書体データに含まれる文字の形であり、「フォントが同じ文字」とは、同一書体の文字であることを意味し、「フォントが異なる文字」とは、異なる書体の文字であることを意味する(本説明では、フォントと文字サイズを別に扱っており、文字サイズの相違はフォントの相違と関連しない)。具体的には例えば、
図65(E)のキャラCの台詞「最後まで一緒だ!」のうち、「最後」の2文字は明朝体のフォントが使われており、「まで一緒だ!」の各文字はゴシック体のフォントが使われていることから、両者のフォントは異なるものである。また、
図65(C),(D),(E)におけるキャラクタの台詞の文字色は、通常色である白色の他、示唆期待度を有する赤色や虹色などの色を使用してもよいが、台詞(文字列)ごとの文字色は統一されるとする。したがって、
図65に示された一連の台詞演出、あるいは
図65(E)の台詞演出は、上述した第2種別の台詞演出に相当する。
【0429】
また、本実施形態では、台詞演出における第1種別と第2種別との区分をさらに明確にするために、例えば、第1種別では、文字列が吹出枠のなかに表示され、第2種別では、文字列が吹出枠なしで表示され、強調される一部の文字が他の文字よりも大きいサイズで表示される、等の制約を加えてもよい。さらに、第2種別の台詞演出では、他の文字とは異なる文字色または文字サイズで表示される文字について、フォントも異ならせるように構成してもよい。
【0430】
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、台詞演出による表示画像の特定箇所に通常時とは異なる特定の模様を表示し得る演出パターンを有してもよい。さらに、パチンコ機1では、他の遊技演出(例えば、ステップアップ演出や演出ステージの変化を示唆又は報知するステージ変化演出等)でも上記特定の模様を表示し得る演出パターンが用意されてもよく、その場合、上記特定の模様は、相対的に、台詞演出で細かく(小さく)表示され、他の遊技演出で粗く(大きく)表示されるように構成される(演出ステージやステージ変化演出については、後述する)。なお、「特定の模様」の代表例としては、前述した「メーカー柄」が挙げられる。また、台詞演出において特定の模様が表示され得る「台詞演出による表示画像の特定箇所」とは、例えば、文字列表示の背景画像、吹出枠の内部や外周、または文字列表示に対応するキャラクタ画像等が挙げられる。このような特定の模様の表示について、
図66に具体例を示す。また、上記特定の模様は、後述するテロップ演出においても表示するよう構成してもよく、そのように構成した場合は、台詞演出よりも更に細かく(小さく)表示するよう構成することが好適である(例えば、テロップ演出における文字列の文字が特定の模様となる場合は、非常に細かく表示することが好適である)。
【0431】
図66は、メーカー柄の表示例を示す図である。
図66(A)は、台詞演出におけるメーカー柄の表示例を示す図であり、
図66(B)は、ステージ変化演出におけるメーカー柄の表示例を示す図である。
図66(A),
図66(B)では、メーカー柄の一例として、キリンの表皮の柄模様を模した「キリン柄」を用いている。
【0432】
図66(A)には、台詞演出による表示画像の一例として、キャラB及びキャラCの台詞がそれぞれの吹出枠のなかに文字列で表示されている様子が示されている。このうち、キャラクタCによる「最後まで一緒だ!」という文字列の背景画像(吹出枠の内側画像)に、メーカー柄(キリン柄)が表示されている。一方、
図66(B)には、背景ステージが変化するステージ変化演出による表示画像の一例として、街中を示す背景ステージと歩行するキャラBとが示されている。このうち、背景ステージの「道路」に相当する部分に、メーカー柄(キリン柄)が表示されている。
図66(A)と
図66(B)とを比較すると、
図66(A)の方が、メーカー柄の模様が細かい(小さい)ことが分かる。なお、前述したステップアップ演出においてもメーカー柄(キリン柄)を表示する場合を有していてもよく、例えば四角の枠の内側画像にメーカー柄(キリン柄)が表示される場合、メーカー柄の模様が粗く(大きく)表示されるよう構成することが好適である。更に、後述するテロップ演出が表示され、その文字列がキリン柄である場合、その他演出におけるどのキリン柄よりも模様が細かい(小さい)ことが好適である。
【0433】
なお、本実施形態に係るパチンコ機1では、上述した複数種別の台詞演出の演出パターンに関する特徴、並びに、台詞演出における特定の模様(メーカー柄)の表示に関する特徴を、文字演出全般に適用してもよい。すなわち、台詞演出をテロップ演出に読み替えてもよい。
【0434】
<3-3.台詞演出における文字列表示の発展パターン>
前述した第1~第3の演出例に限らず、台詞演出では、一連の文字列(台詞)を様々な遷移パターンで表示することができる。そこで、以下では、台詞演出における一連の文字列表示の遷移パターンとして、台詞発展の第1パターン~第5パターンを例示し、その特徴を説明する。
【0435】
図67は、台詞発展の第1パターン~第3パターンを説明する図である。
図67には、画像表示領域700における表示画像の遷移が示されている。
【0436】
図67によれば、まず、変動中のメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が表示されている(
図67(A))。その後、台詞演出が開始されて画像表示領域700の下部にキャラAによる「行くか?」という文字列(台詞)が表示される(
図67(B))。
図67(B)の文字列表示から演出が継続しない場合は、例えば、所定の変動時間を経て、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720がハズレ態様(例えば「518」)で停止表示され(
図67(C))、当該変動における演出が終了する。このように1回目の文字列表示(第1台詞)で台詞演出の発展が終了するパターンが、台詞発展の第1パターンである。なお、台詞発展の第1パターンでは、リーチ状態が成立したり、さらにその後SPリーチ演出に発展したりする演出パターンが存在してもよい。
【0437】
一方、
図67(B)の文字列表示から演出が継続する場合は、
図67(D)に遷移する。
図67(D)では、画像表示領域700の中央付近にキャラBが出現し「行こう!」という文字列(台詞)が表示される。
図67(D)の文字列表示から演出が継続しない場合は、例えば、メイン装飾図柄710がリーチ状態となり(本例では「5」図柄によるリーチ成立)、SPリーチ演出に発展する(
図67(E))。このように2回目の文字列表示(第2台詞)で台詞演出の発展が終了するパターンが、台詞発展の第2パターンである。
【0438】
一方、
図67(D)の文字列表示から演出が継続する場合は、
図67(F)に遷移する。
図67(F)では、画像表示領域700の中央付近に、
図67(B)や
図67(D)よりも強調された態様でキャラBが現出され、キャラBの台詞を表す「行くぞ!」という文字列が表示される。強調された態様をより具体的に説明すると、
図67(D)では、文字列がキャラBの吹出枠のなかに表示されるのに対して、
図67(F)では、キャラBの吹出枠はなく、文字列はキャラBの横に、より大きな文字サイズで表示される。さらに、
図67(F)の場合は、キャラBの背景に、
図67(D)等では表示されなかった強調線が追加され、キャラB自体も大きめに表示されている。そして、
図67(F)の文字列表示が行われた後は、メイン装飾図柄710がリーチ状態となり(本例では「7」図柄によるリーチ成立)、SPリーチ演出に発展する(
図67(G))。このように3回目の文字列表示(第3台詞)で台詞演出の発展が終了するパターンが、台詞発展の第3パターンである。
【0439】
なお、本実施形態に係るパチンコ機1では、特定の図柄、本例では「7」図柄によるリーチ状態は、他の図柄によりリーチ状態よりも大当りへの期待度が高い、という演出上の仕様を持たせてもよい。この場合、台詞発展の第3パターンでSPリーチ演出に発展した場合に、
図67(G)に示したように「7」図柄によるリーチ状態を導出することで、台詞発展の第1パターンや第2パターンでリーチ状態となった場合よりも、大当りへの期待度を高めるよう、演出を構成することができる。すなわち、文字列表示の回数が増えるほど、大当りへの期待度が高まるという遊技性を付加することができる。このように構成した場合、「7」図柄によるリーチ状態は、第1パターンよりも第2パターンの方が発生しやすく、第2パターンよりも第3パターンの方が発生しやすいことになる。
【0440】
また、上述した台詞発展の第2パターンや第3パターンのように複数回の文字列表示が発生し得る場合、基本的には、文字列の文字色は格下げされず、途中で文字色の格上げが発生した場合は、以降は、それ以上の文字色が担保されるよう構成される。但し、
図65(E)に例示した第2種別の台詞演出のような特定種別の台詞演出(例えば、大サイズの文字を含む文字列表示)が複合される場合には、文字色の格下げが発生するように構成されてもよい。より具体的には例えば、大サイズの文字を含む文字列表示で使用される文字色が特定色(例えば、通常色である白色)に限定されるとしてもよい。
【0441】
図68は、台詞発展の第4パターン及び第5パターンを説明する図である。
図68には、画像表示領域700における表示画像の遷移が示されている。
【0442】
図68によれば、まず、変動中のメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が表示されている(
図68(A))。その後、台詞演出が開始され、第1台詞として、画像表示領域700の下部にキャラAによる「行くか?」という文字列(台詞)が表示される(
図68(B))。さらにその後、操作要求演出が現出され、画像表示領域700の中央付近にPUSHボタン画像が表示される(
図68(C))。なお、
図68(C)では、
図68(B)におけるキャラAによる文字列表示も残っているため、台詞演出に操作要求演出が複合している状態となる。
図68(C)では、PUSHボタン画像によってメイン装飾図柄710が非表示にされているが、サブ装飾図柄720が変動表示を行うことによって、メイン装飾図柄710の表示状態が補償される。
【0443】
そして、
図68(C)において、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)するか、あるいは操作有効期間が経過すると、台詞演出が次の段階に遷移する。この遷移先が
図68(D)である場合が台詞発展の第4パターンに相当し、遷移先が
図68(F)である場合が台詞発展の第5パターンに相当する。なお、変形例として、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)せず、操作有効期間が経過すると、
図68(D)に移行しない(
図68(C)の表示状態を維持する)よう構成してもよい。
【0444】
台詞発展の第4パターンの場合、
図68(C)から遷移した
図68(D)において、
図68(B)のキャラAによる文字列表示(第1台詞)が維持された上で、画像表示領域700の上部に、新たにキャラBによる「行こう!」という文字列表示(第2台詞)が追加される。そして台詞演出の終了後は、例えば
図68(E)に示すようにSPリーチ演出に発展する。
【0445】
以上の遷移例から示されるように、台詞発展の第4パターンは、操作要求演出と複合して実行され、複数回の文字列表示が行われる台詞演出において、第1台詞とは別の態様で第2台詞が表示される(言い換えれば、直前の文字列表示とは異なる態様で次の文字列表示が行われる)という特徴を有する。第1台詞と第2台詞とが別の態様である、とは具体的には、付帯するキャラクタ(発話するキャラクタ)が異なり、または/及び、文字列(台詞)の表示領域が異なり、または/及び、文字列(台詞)の内容が異なることを意味する。
【0446】
一方、台詞発展の第5パターンの場合、
図68(C)から遷移した
図68(F)において、
図68(B)におけるキャラAによる文字列表示(第1台詞)のキャラクタ及び吹出枠の画像が維持された上で、同じ吹出枠に「行くぞ!」という新たな文字列表示(第2台詞)が行われる。そして、台詞演出の終了後は、例えば
図68(G)に示すようにSPリーチ演出に発展する。なお、変形例として、操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)せず、操作有効期間が経過すると、
図68(F)に移行しない(
図68(C)の表示状態を維持する)よう構成してもよい。
【0447】
以上の遷移例から示されるように、台詞発展の第5パターンは、操作要求演出と複合して実行され、複数回の文字列表示が行われる台詞演出において、第1台詞の内容が変化する態様で第2台詞が表示される(言い換えれば、直前の文字列表示が変化する態様で次の文字列表示が行われる)という特徴を有する。第1台詞の内容が変化して第2台詞になる態様とは、具体的には、第1台詞と第2台詞との間で、付帯するキャラクタ(発話するキャラクタ)が同じで、かつ、文字列(台詞)の表示領域が共通し、文字列(台詞)の内容が異なることを意味する。
【0448】
なお、上述した台詞発展の第4パターン及び第5パターンにおいて、PUSHボタン画像の表示(
図68(C))は、第1台詞の文字列表示に対応する音声出力が完了した後に実施されることを原則とするが、第1台詞が比較的長い場合(例えば、20文字以上の台詞である「お前と戦うこの日を10年以上も前から俺は待っていたぞ!」)等には、音声出力が完了しないうちに演出ボタン画像を表示するようにしてもよい。但し、第1台詞の文字列表示に対応する音声出力が完了する前にPUSHボタン画像が表示された場合には、上記音声出力は演出ボタンの操作を契機として終了される。変形例としては、第1台詞の文字列表示に対応する音声出力が完了する前にPUSHボタン画像が表示された場合にも、上記音声出力は演出ボタンの操作を契機として終了されず、第2台詞の文字列表示に対応する音声出力と同時並行的に重複して実行されてもよい。また、演出ボタン3jの押下操作後の第2台詞の文字列表示については、第4パターンの場合は第1台詞の表示が残されたまま第2台詞が追加で表示され、第5パターンの場合は第1台詞の表示から第2台詞の表示に切り替えられる。
【0449】
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、変動保留数が所定数(例えば保留数3)を超えた場合且つ当該変動の遊技結果がハズレである場合に特別図柄(装飾図柄と読み替えてもよい)の変動時間が短縮される短変動の状況でも、台詞演出を実行可能に構成してもよい。しかし、短変動中に台詞演出が実行される場合、演出制御基板200は、文字列表示の発展を制限するよう制御することが好ましい。具体的には、台詞発展の第2~第5パターンの何れかが短変動中に実行される場合、台詞演出は、第2台詞の文字列表示まで発展せずに、第1台詞の文字列表示までで終了される。このような制御が行われることにより、短変動であっても台詞演出を盛り込めるため、遊技性を高める効果に期待できる。ここで、短変動である場合には、第1台詞の文字列表示の途中、または/及び、第1台詞の文字列表示に対応した音声出力の途中で第1台詞演出を終了してもよい。
【0450】
なお、短変動中に文字列表示の発展を制御しながら台詞演出が実行されるとき、第1台詞に対応する音声出力は、「短変動の変動時間で現出された場合に収まるように予め設定される。」、「短変動で収まらない第1台詞の音声出力は、次変動で続けて出力される。」、または「短変動で収まらない第1台詞の音声出力は、短変動終了とともに終了される(次変動に続かない)。」の何れかの方針に沿って制御されればよい。但し、いずれの方針においても、文字列表示については、表示を完了する(途中の文字で表示が終了して全ての文字が表示されないことがない)よう構成することが非常に好適である。
【0451】
<4.テロップ演出>
本実施形態に係るパチンコ機1で実行可能な遊技演出の1つであるテロップ演出について説明する。台詞演出の説明で前述したように、テロップ演出は、台詞演出とともに文字演出に属する遊技演出である。
【0452】
テロップ演出は、所定の遊技期間における特定タイミングで演出表示装置70に文字列を表示し、遊技結果または遊技展開に対する期待度を文字列の内容や文字色によって示唆し得る演出である。但し、上記「特定タイミング」は、前述した台詞演出が実行される「所定タイミング」よりも後のタイミングとされる。以降の説明では、テロップ演出が実行される「特定タイミング」を、演出表示装置70(画像表示領域700)において装飾図柄710によるリーチ状態が成立してSPリーチ演出に発展してから装飾図柄710が変動停止するまでの間の任意のタイミング、とするが、実際には、台詞演出が実行される所定タイミングよりも後のタイミングであれば、遊技中の他の遊技期間(例えば、特別図柄または装飾図柄の変動中や大当り遊技中など)における任意のタイミングであってよい。
【0453】
<4-1.テロップ演出の演出例>
図69は、テロップ演出の画面遷移例を示す図である。まず、
図69(A)では、画像表示領域700において変動中のメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が表示されている。その後、メイン装飾図柄710の変動表示が進み、
図69(B)では、「7」図柄によるリーチ状態が成立してSPリーチ演出に発展している。このSPリーチ演出の間に、
図69(C)~(E)においてテロップ演出が現出される。
【0454】
テロップ演出では、動画像の表示中に文字列が表示され、上記動画像でキャラクタが表示される場合には、キャラクタに付帯した文字列として、キャラクタの発話内容を表すテロップ(字幕)が表示される。
図69(C)では、画像表示領域700において、動画像に味方キャラクタのキャラAが表示されるとともに、キャラAに付帯する文字列として、画像表示領域700の下辺に「待たせたな」という文字列(テロップ)が表示される。また、
図69(C)からは、テロップ演出による表示によってメイン装飾図柄710が表示されなくなるが、画像表示領域700の右上においてサブ装飾図柄720による変動表示が継続されることにより、メイン装飾図柄710の表示状態が補償される。
【0455】
次に、
図69(D)では、敵キャラクタの1人であるキャラIが大きく表示されるとともに、キャラIに付帯する文字列として、画像表示領域700の下辺に「来い!」という文字列(テロップ)が表示される。そして、次の
図69(E)では、動画像にキャラAとキャラIとが対決する様子が表示されるとともに、キャラA(キャラIとしてもよい)に付帯する文字列として、画像表示領域700の下辺に「決着をつけよう」という文字列(テロップ)が表示される。この
図69(E)までがテロップ演出である(前述したとおり、
図69のようにストーリー性を有するテロップがシーン毎に分割して表示される場合、つまりテロップが複数回表示される場合においては、そのストーリー性を有するテロップ全てを含めて1の種類のテロップ演出とし、各シーンにおけるテロップ演出については、1の種類のテロップ演出における一部のテロップとする)。なお、SPリーチの種類を複数種類有するよう構成した場合(例えば、当り期待度順にSPリーチA、SPリーチB、SPリーチCの3種類を有するよう構成した場合)、それぞれのSPリーチによってテロップ演出の内容(表示される文字列の内容や出現するキャラクタ、文字列の表示回数など)が異なるよう構成される。
【0456】
次いで、
図69(F)では、画像表示領域700に操作要求演出が現出され、大サイズのPUSHボタン画像の表示が行われる。なお、
図69(F)では、PUSHボタン画像が画像表示領域700のほぼ全面に表示されるが、前述した通り、メイン装飾図柄710の表示状態はサブ装飾図柄720によって補償される。そして、
図69(F)において操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)するか、あるいは操作有効期間が経過すると、当該変動の遊技結果(大当り/ハズレ)に基づいて、表示画像が
図69(G)または
図69(I)に分岐する。
【0457】
図69(G)は、当該変動の遊技結果が大当りである場合の表示画像例である。
図69(G)では、味方キャラクタであるキャラAの勝利を想起させる画像が表示され、その後は、
図69(H)において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が大当り態様(本例では「777」)で停止表示される。なお、
図69(G)では、キャラAが「おりゃー!」と叫んでいるが、その発話に対する文字列は表示されない。また、その際に、キャラAが必殺技の名称を叫ぶようにしてもよく、その場合、必殺技の名称に対応した(その発話に対する)テロップ演出としての文字列は表示されないが、画面全体に大きく必殺技の名称が表示される(例えば、「秘技○○!」の文字が画面全体を覆うように表示される)よう構成してもよい。
【0458】
一方、
図69(I)は、当該変動の遊技結果がハズレである場合の表示画像例である。
図69(I)では、味方キャラクタであるキャラAの敗北(言い換えれば、敵キャラクタであるキャラIの勝利)を想起させる画像が表示され、その後の
図69(J)において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720がハズレ態様(本例では「767」)で停止表示される。なお、
図69では図示を省略したが、当該変動の遊技結果が大当りである場合に、
図69(I)のようにキャラAの敗北を示唆する画像が表示された後に、逆転してキャラAが勝利する画像が表示されるような展開も可能であり、キャラAが逆転勝利した場合は、
図69(H)の大当り結果の表示に遷移する。なお、
図69(I)では、キャラIが「ふははは!」と叫んでいるが、その発話に対する文字列は表示されない。また、その際に、キャラIが必殺技の名称を叫ぶようにしてもよく、その場合、必殺技の名称に対応した(その発話に対する)テロップ演出としての文字列は表示されないが、画面全体に大きく必殺技の名称が表示される(例えば、「必殺○○!」の文字が画面全体を覆うように表示される)よう構成してもよいが、敗北の状況であるため、遊技者の落胆に拍車をかけないよう、必殺技の名称を表示しないよう構成してもよい。
【0459】
以上、
図69に示したテロップ演出の演出例について説明したが、
図69(C),(D),(E)において、テロップ演出によって表示される文字列(テロップ)の文字色は、通常は白色とするが、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆する他の文字色(例えば、高期待度を示唆する赤色や虹色等)であってもよい。また、テロップ演出で登場するキャラクタは、キャラA及びキャラIに限定されるものではなく、例えば
図59に示した他のキャラクタであってもよい。そして、テロップ演出で現出されるキャラクタ(またはその組合せ)によって、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆するようにしてもよい。
【0460】
<4-2.テロップ演出の特徴>
上記の具体例を踏まえ、本実施形態に係るパチンコ機1において演出制御基板200が実行可能なテロップ演出の特徴を説明する。なお、本実施形態に係るテロップ演出は、以下に示す複数の特徴のすべてを有して構成される必要はなく、少なくとも、何れか1つの特徴、または複数を組合せた特徴を有して構成されればよい。
【0461】
まず、本実施形態に係るパチンコ機1では、テロップ演出において、代表的には、キャラクタを含む動画像の表示が行われ、この動画像の進行に応じた内容の文字列(具体的には、動画像におけるキャラクタの発話(言葉に出さない思考の内容を含む)を示すテロップ)の表示が行われる。このテロップ演出で表示される動画像は、例えば画像表示領域700の全画面(または略全体)に表示されるムービーであってよい。そして、前述したように、テロップ演出で表示される文字列の文字色によって、遊技結果または遊技展開に対して異なる期待度を示唆することができる。以上のようにテロップ演出が構成されることにより、当該演出に関する内容(例えばキャラクタの発話内容)を字幕形式で視覚的に表示するとともに、遊技結果または遊技展開に対する期待度を文字色という高い識別性を有する手段で示唆することができるため、遊技興趣を高める演出を提供することができる。ここで、テロップ演出で表示される文字列の文字色については、例えば、
図69(C)以降のテロップの文字列の全てを同一色としても良く、そのように構成した場合は、文字列の文字色が白よりも赤、赤よりもメーカー柄、メーカー柄よりも虹のほうが、大当り期待度が高くなるよう構成することが好適である。それ以外にも、テロップ演出の途中でテロップの文字列の文字色を変化させてもよく、例えば、
図69(C)のテロップの文字列の文字色が白である一方、
図69(D)以降のテロップの文字列の全て文字色を赤とするよう構成してもよいし、
図69(C)のテロップの文字列の文字色が白、
図69(D)のテロップの文字列の文字色が赤、
図69(E)のテロップの文字列の文字色がメーカー柄や虹となるよう構成してもよい。
【0462】
また、本実施形態に係るテロップ演出において、表示される動画像は、基本的にはキャラクタの発話に対応する音声を出力しないとしてよいが、これを出力するものであってもよい。また、表示されるテロップは、専用の表示領域(
図69の場合は画像表示領域700の下辺)に表示されるとしてもよい。
【0463】
また、本実施形態に係るテロップ演出は、基本的には、台詞演出が現出されるタイミング(所定タイミング)よりも後のタイミング(特定タイミング)で現出される。具体的には、リーチ成立後やSPリーチ演出の発展後が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、テロップ演出の別例として、所定タイミングより前に特定タイミングが設けられるように構成されてもよい。
【0464】
また、本実施形態に係るテロップ演出は、他の様々な種類の遊技演出と組合せることができる。例えば、
図69では、SPリーチ演出中にテロップ演出が現出される例を示したが、これ以外にも例えば、演出制御基板200は、テロップ演出の前に台詞演出や擬似連演出等が現出されるような演出パターンを選択できるよう構成されてもよい。なお、テロップ演出では基本的には表示時間が固定の動画像(
図69(C)以降のような、SPリーチに関する動画像であり、例えば、60秒の動画像)が表示されることから、表示画面の遷移タイミングに影響を与え得る操作要求演出は、原則としてテロップ演出中に組合せることはできない。但し、
図69(F)にも示したように、操作要求演出をテロップ演出(動画像やテロップの表示)の後に現出させることは可能である。また、操作要求演出の表示後においては、新たにテロップ演出を表示させてもよく、例えば、大当り時(勝利時)には「俺の勝ちだ!」というテロップの表示(及びそのテロップに対応した発話の音声出力)、ハズレ時(敗北時)には「俺の負けだ・・・」というテロップの表示(及びそのテロップに対応した発話の音声出力)をしてもよく、そのように構成した場合、操作要求演出の表示前のテロップ演出と操作要求演出の表示後のテロップ演出との組合せを、1つのストーリー性のあるテロップ演出(つまり、この組合せを1の種類のテロップ演出)と捉えることが好適である。
【0465】
また、本実施形態に係るテロップ演出では、台詞演出と同様、表示される文字列の文字色だけでなく、表示されるキャラクタ(またはその組合せ)によっても、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆するようにしてもよい。このように構成されることにより、テロップ演出では、表示されるテロップの文字色だけでなく、出現するキャラクタに対しても、遊技者に関心を抱かせる効果が得られる。また、テロップ演出で表示され得るキャラクタの種類は、台詞演出で表示され得るキャラクタの種類と同数であることに限定されず、例えばテロップ演出の方がキャラクタの種類が少ない(台詞演出の方がキャラクタの種類が多い)としてもよい。
【0466】
また、本実施形態に係るテロップ演出において表示する文字列(テロップ)は、テロップ演出における音声出力を全てテロップ化(字幕化)したものでなくてもよく、音声出力の一部がテロップ化されたものでもよい。具体的には例えば、SPリーチ演出中に現出されるテロップ演出において、主要なキャラクタの発話以外の音声(所謂、雑魚キャラクタの発話に対応する音声や、効果音、SPリーチ演出中の歌詞付きの専用BGM等)は、文字列表示しないようにしてよい。
【0467】
また、本実施形態に係るテロップ演出では、動画像のなかで二人以上の(主要)キャラクタが同時に発話する場合は、キャラクタごとに段を分けて(言い換えれば、複数段に分けて)、文字列(テロップ)が表示されるとしてもよい。例えば、キャラAとキャラIとが同時に喋っている状況を示す動画像である場合、キャラAの発話に対応する「うおおお!」といったテロップを表示し、その下段にキャラIの発話に対応する「はあああ!」といったテロップを表示するよう構成してもよい。このように構成することで、テロップの表示領域が専用領域に固定される場合であっても、遊技者は、話者が異なることをから識別できるため、動画像の内容をより深く理解することができる。
【0468】
また、本実施形態に係るテロップ演出は、特定の遊技状態で現出される場合には、表示される文字列に対して、期待度を示唆する文字色(例えば赤色)や模様(例えばメーカー柄)は用いられず、所定の色(例えば、通常色である白色)が使用されるよう構成されてもよい。なお、上記の「特定の遊技状態」とは、例えば大当り遊技中や時短遊技期間であり、これらの特定の遊技状態で現出されるテロップ演出とは、例えば、楽曲を音声出力する動画像(例えば、演出ボタン3jや不図示である十字キーを操作することで複数種類の歌詞付きの楽曲を選択して再生可能に構成し、選択された楽曲に対応して動画像も異なるよう構成した場合の、各楽曲に対応した動画像)のなかで表示される歌詞表示や、ストーリー性を有する動画像(例えば、キャラクタAの紹介やキャラクタBに関するストーリーの紹介などを行う動画像)のなかで表示されるキャラクタによる会話の字幕表示等である。但し、上記特徴の変形例として、テロップの文字色に対して、半端な期待度を示唆する文字色(例えば赤色)は使用不可とするものの、極めて高い期待度を示唆する特定色(例えば金色や虹色)は使用可能である、としてもよい。例えば、特定のストーリーを紹介する動画像(例えば、連荘回数が所定回数に到達した場合に表示される動画像や、連荘中に獲得した遊技球数の総数が特定値に達した場合などの、連荘に関する所定条件を充足した場合に表示される特別な動画像)を大当り遊技中に表示する場合、そのストーリーに現出される複数のキャラクタの発話の内容においては、例えば、虹色のテロップ演出として表示してもよい。
【0469】
<5.台詞演出とテロップ演出>
本章では、文字演出に属する台詞演出及びテロップ演出について、台詞演出とテロップ演出とを複合した演出の説明や、台詞演出とテロップ演出の特徴の比較等を行う。
【0470】
<5-1.台詞演出とテロップ演出の複合>
本実施形態に係るパチンコ機1において、演出制御基板200は、特別図柄の同一変動中に台詞演出及びテロップ演出を現出させる演出パターンを実行可能とする。ここで、台詞演出及びテロップ演出は、各演出で表示する文字列の文字色によって遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆し得るものであり、文字色の種類として、第1の文字色と、第1の文字色よりも相対的に高期待度である第2の文字色を少なくとも有する。そして、上記の演出パターンには、相対的に高期待度である第2の文字色で文字列表示(台詞表示)を行う台詞演出を現出させた後に、第2の文字色よりも期待度が劣る第1の文字色で文字列表示(テロップ表示)を行うテロップ演出を現出させる演出構成が含まれる。
【0471】
図70は、台詞演出とテロップ演出とが現出される演出の画面遷移例を示す図である。まず、
図70(A)では、画像表示領域700において変動中のメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が表示されている。その後、メイン装飾図柄710の変動表示が進み、
図70(B)では、「5」図柄によるリーチ状態が成立し、ノーマルリーチが開始される。このノーマルリーチの途中で、
図70(C)において台詞演出が現出される。
【0472】
図70(C)の台詞演出では、例えば、画像表示領域700の中央付近にキャラBが強調された態様で現出され、キャラBの台詞を表す「行くぞ!」という文字列が吹出枠のなかに大きな文字サイズで表示される。詳細は後述するが、
図70(C)において、「行くぞ!」の文字列は、サブ装飾図柄720の表示領域に重複して表示されている(重畳表示されている)。
図70(C)の台詞演出が現出された後は、例えばSPリーチ演出に発展し、
図70(D)~
図70(H)または
図70(I)にかけてSPリーチ演出が実行される。
【0473】
SPリーチ演出において、
図70(D)では、開始されるSPリーチ演出の演出名(本例では「最後の闘い」)が画像表示領域700全体に表示される。そしてSPリーチ演出のなかで、
図70(E)においてテロップ演出が現出される。ここで、「最後の闘い」の文字列においても、その文字色が、大当り期待度順に白、赤、メーカー柄、虹など複数種類有していてもよい。ここで、白は通常の色(通常色、デフォルト色)であり、赤、メーカー柄、虹については、白よりも高期待度であることを示唆する色であるが、赤、メーカー柄、虹のいずれかの文字色とする場合、「最後の闘い」との文字列の表示開始時から赤、メーカー柄、虹のいずれかであってよいが、変形例として、「最後の闘い」との文字列の表示開始時は白で、その後、急に赤、メーカー柄、虹のいずれかに変化するよう構成してもよい。また、黒塗りの星の数で、SPリーチの期待度を示唆しているが、これはSPリーチの種類によって、その数を異ならせてもよい。また、SPリーチ演出の演出名の文字列の文字色が白である場合よりも、赤、メーカー柄、虹である場合の方が、同じSPリーチ(同じSPリーチ演出の演出名)であっても、黒塗りの星の数が多くなるよう構成してもよい。
【0474】
図70(E)のテロップ演出では、例えば、キャラBとキャラIとが対決する動画像が表示されるとともに、キャラB(キャラIでもよい)に付帯する文字列として、画像表示領域700の下辺に「決着をつけよう」という文字列(テロップ)が表示される。
【0475】
次いで、
図70(F)では、キャラBとキャラIとの決着が付く寸前の画像(動画像でもよい)が表示される。但し、
図70(F)はテロップ演出ではないため、キャラB(またはキャラI)のテロップは表示されていない。
【0476】
次の
図70(G)では、画像表示領域700に操作要求演出が現出され、大サイズのPUSHボタン画像の表示が行われる。そして、
図70(G)において操作有効期間内に遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)するか、あるいは操作有効期間が経過すると、当該変動の遊技結果(大当り/ハズレ)に基づいて、表示画像が
図70(H)または
図70(J)に分岐する。
図70(G)においては、遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)してもしなくても、必ず
図70(H)または
図70(J)に分岐するよう構成され、
図70(H)に移行する際には、装飾役物781,782が7色のグラデーション発光を伴って作動する。但し、遊技者が演出ボタン3jを押下(PUSH)した場合、つまり、操作有効期間到達前(例えば、操作有効期間開始直後)に演出ボタン3jを押下(PUSH)した場合は、演出ボタン3jを押下(PUSH)しなかった場合よりも、装飾役物781,782の7色のグラデーション発光を伴う作動の時間、または/及び、後述する「WIN」と表示される時間が長くなるよう構成される。また、操作要求演出の表示後においては、新たにテロップ演出を表示させてもよく、例えば、大当り時(勝利時)には「俺の勝ちだ!」というテロップの表示(及びそのテロップに対応した発話の出力)、ハズレ時(敗北時)には「俺の負けだ・・・」というテロップの表示(及びそのテロップに対応した発話の出力)をしてもよく、そのように構成した場合、操作要求演出の表示前のテロップ演出と操作要求演出の表示後のテロップ演出との組合せを、1つのストーリー性のあるテロップ演出(つまり、この組合せを1の種類のテロップ演出)と捉えることが好適である。
【0477】
図70(H)は、当該変動の遊技結果が大当りである場合の表示画像例である。
図70(H)では、味方キャラクタであるキャラBの勝利を表す「WIN」の文字列画像が表示され、その後の
図70(I)において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が大当り態様(本例では「555」)で停止表示される。
【0478】
一方、
図70(J)は、当該変動の遊技結果がハズレである場合の表示画像例である。
図70(J)では、味方キャラクタであるキャラBの敗北を表す「LOSE」の文字列画像が表示され、その後の
図70(K)において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720がハズレ態様(本例では「545」)で停止表示される。
【0479】
以上、
図70に示したように、本実施形態に係るパチンコ機1では、特別図柄の同一変動中に台詞演出及びテロップ演出を現出させることができる。なお、台詞演出及びテロップ演出に関する個別の説明で述べたように、各演出で表示される文字列は、通常は、所定の通常色(例えば白)で表示されるが、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆する文字色(例えば赤や虹など)を用いて表示されてもよい。したがって、特別図柄の同一変動中に台詞演出及びテロップ演出を現出させる場合も、台詞演出とテロップ演出とで、それぞれ異なる文字色を用いて文字列表示を行うようにしてもよい。
【0480】
ここで、特別図柄の同一変動中に台詞演出とテロップ演出とで表示する文字列の文字色を変更する場合について詳しく説明する。同一変動中における期待度の示唆表示は、一度格上げが発生した場合は、以降はそれ以上の期待度示唆しかしないことが一般的であるが、本実施形態では特に、台詞演出が高期待度を示唆する文字色(例えば赤)で現出され、テロップ演出が低期待度を示唆する文字色(例えば白や青)という格下げの演出パターンも実行可能とする。このように構成することにより、文字色による期待度示唆のバリエーション(文字色の組合せパターン)が増加し、多様な遊技性を提供することができる。また、テロップ演出が特定の演出(例えばSPリーチ演出の1種であり、大当りが確定する全回転演出)の実行中に現出される場合には、必ず、高期待度を示す文字色とは異なる特定色(白)で文字列が表示される(文字色のバリエーションが1つしかない)、という演出パターンを用意してもよい。変形例としては、テロップ演出が特定の演出(例えばSPリーチ演出の1種であり、大当りが確定する全回転演出)の実行中に現出される場合には、必ず、高期待度を示す文字色(虹)で文字列が表示される(文字色のバリエーションが1つしかない)、という演出パターンを用意してもよい。
【0481】
また、本実施形態では、特別図柄の同一変動中に台詞演出及びテロップ演出を現出させ得るとするとき、台詞演出及びテロップ演出は、それぞれの成功パターンと失敗パターンによって演出展開を分岐させるよう構成されてもよい。例えば、リーチ成立後の台詞演出における成功パターンとは、SPリーチ演出に発展するパターンであり、リーチ成立後の台詞演出における失敗パターンとは、(SPリーチ演出には発展せずに)ノーマルリーチとなるパターンである、といった演出パターンを用意することができる。台詞演出から失敗パターンとなった場合は、SPリーチ演出に発展しないため、特別図柄の同一変動中において、それ以降にテロップ演出は発生しない。上記のような構成を有することにより、台詞演出による成否の重要性が高まるため、テロップ演出より早期に現出される台詞演出に対しても遊技者に関心を抱かせる効果が得られる。
【0482】
また、本実施形態では、特別図柄の同一変動中に台詞演出及びテロップ演出を現出させ得るとするとき、リーチ成立前に台詞演出が発生するとしてもよい。例えば、台詞演出の成功パターンだとリーチ成立となり、失敗パターンだとリーチ不成立となる、といった演出パターンを用意することができる。台詞演出から失敗パターンとなった場合は、リーチ状態が成立しないため、特別図柄の同一変動中において、それ以降にテロップ演出は発生しない。上記のような構成を有することにより、台詞演出による成否の重要性が高まるため、台詞演出に対する遊技者の興趣を高める効果に期待できる。
【0483】
<5-2.台詞演出とテロップ演出の特徴比較>
以下では、文字演出である台詞演出とテロップ演出の特徴を比較する。
【0484】
本実施形態に係るパチンコ機1では、台詞演出が現出された場合より、テロップ演出が現出された場合の方が、同一変動中のその後に、操作要求演出が発生しやすく構成されてもよい。具体的には、台詞演出が現出した後に同一変動内で操作要求演出が発生する割合は40%とし、テロップ演出が現出した後に同一変動内で操作要求演出が発生する割合は90%とすることが好適である。一般に、操作要求演出は、遊技結果または遊技展開に対する期待度を高める演出であるため、上記のように構成される場合、台詞演出よりもテロップ演出の方に重要性を持たせることができる。
【0485】
さらに、上記状況で発生される操作要求演出は、当該演出の結果について異なる期待度を示唆する複数種類の演出パターンを有するとしてもよく、同一変動中にテロップ演出の後に現出される操作要求演出は、同一変動中に台詞演出の後に現出される操作要求演出よりも、期待度の高い特定の演出パターン(例えば、赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像、集合エフェクト付きのPUSHボタン画像等)が選択されやすく構成されてもよい。ここで、操作要求演出として、通常のPUSHボタン画像が最も期待度が低く、赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像、集合エフェクト付きの通常のPUSHボタン画像、集合エフェクト付きの赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像の順に期待度が高くなる。なお、集合エフェクトとは、PUSHボタン画像が表示されるまでに、特定のエフェクトが上下左右から集まることで恰もPUSHボタン画像を形成するかのような演出である(集合エフェクトなしでPUSHボタン画像が表示される場合、PUSHボタン画像なしの状態からいきなりPUSHボタン画像が現れることになる、つまり、集合エフェクトとは、期待度が高いことを示すのみならず、もうすぐPUSHボタン画像が表示されることを事前に示唆する役割も兼ねている)。そのうえで、例えば、台詞演出が現出した後に同一変動内で操作要求演出が発生する場合、大当りの場合だと、操作要求演出は通常のPUSHボタン画像が60%で、赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像が40%、ハズレの場合だと、操作要求演出は通常のPUSHボタン画像が90%で、赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像が10%で表示され、テロップ演出が現出した後に同一変動内で操作要求演出が発生する場合、大当りの場合だと、操作要求演出は通常のPUSHボタン画像が10%で、赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像が20%で、集合エフェクト付きの通常のPUSHボタン画像が30%で、集合エフェクト付きの赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像が40%、ハズレの場合だと、操作要求演出は通常のPUSHボタン画像が40%で、赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像が30%で、集合エフェクト付きの通常のPUSHボタン画像が20%で、集合エフェクト付きの赤色のエフェクト付きのPUSHボタン画像が10%で表示されることが好適である。このように構成される場合、台詞演出と比べてテロップ演出の重要性をさらに高めることができる。
【0486】
また、本実施形態では、所定の台詞演出(例えば、リーチ成立前に現出される台詞演出)で表示される文字列は、サブ装飾図柄の表示領域に重複した表示を許容してよい。例えば
図70(C)の台詞演出では、「行くぞ!」という文字列を表示する吹出枠が、サブ装飾図柄720の表示領域に重複していることが分かる。但し、
図70(C)の場合は、台詞演出の文字列表示領域がサブ装飾図柄720の表示領域に重複しているが、サブ装飾図柄720の表示優先度が台詞演出の文字列表示領域よりも高いため、装飾図柄の視認性は確保されている。また、別例として、所定の台詞演出で表示される文字列はサブ装飾図柄の表示領域に重複した表示を許可されない(サブ装飾図柄の表示領域と重畳しない表示領域が設定される)、としてもよい。この別例を採用する場合は、台詞演出による影響を全く与えることなく、サブ装飾図柄(広くは装飾図柄全体)の視認性を確保する効果が得られる。
【0487】
また、本実施形態では、所定のテロップ演出(例えばSPリーチ演出中に現出されるテロップ演出)で表示される文字列は、サブ装飾図柄の表示領域に重複した表示が絶対に許容されないことが好ましい。このような制限を設けることにより、主に特別図柄の変動表示の後半期において、テロップ演出の現出によって装飾図柄の視認性が損なわれる(例えばメイン装飾図柄の代替としてサブ装飾図柄を表示しようとしても隠されてしまう)ことを防止できる。
【0488】
また、本実施形態では、台詞演出と操作要求演出とが複合する場合、操作要求演出によって、台詞演出が開始するタイミングを異ならせることができるように構成されてもよい。言い換えれば、操作要求演出における所定条件(演出入力装置の入力操作の実行、または操作有効期間の経過)を充足するまで、台詞演出による表示が制限(遅延)されるよう構成されてもよい。一方、テロップ演出が開始されるタイミング(特にテロップが表示されるタイミング)は、操作要求演出に伴う演出入力装置の入力操作に依存しない。すなわち、テロップ演出は、演出入力装置の入力操作(例えば演出ボタン3jの押下操作等)によって制限されることなく、予め設定されたタイミングで開始される。
【0489】
また、本実施形態の台詞演出では、台詞演出による文字列(台詞)の表示中に、操作要求演出による演出入力装置の画像表示が行われることがある。具体的には例えば、
図68(C)では、
図68(B)で表示された台詞演出によるキャラAの台詞表示が残った状態でPUSHボタン画像の表示が行われている。そして、演出ボタン3jの押下操作が行われるか、操作有効期間が経過すると、
図68(D)のように、台詞演出による次の文字列表示としてキャラBの台詞表示が行われる。一方、本実施形態のテロップ演出では、テロップ演出による文字列(テロップ)の表示中に操作要求演出による演出入力装置の画像表示が行われない。これは、操作要求演出による演出ボタン3jの押下操作等によってテロップ演出中の変化が行われない仕様のためであり、テロップ演出による文字列表示の後であれば、操作要求演出による演出入力装置の画像表示を行ってもよい。変形例として、テロップ演出による文字列(テロップ)の表示中に操作要求演出による演出入力装置の画像表示が行われるよう構成してもよいが、そのように構成する場合、テロップ演出による文字列(テロップ)の表示中の操作要求演出は、演出ボタン3jの連打操作(複数回の操作)を要求するものであることが望ましい(例えば、操作要求演出として、「連打しろ!」の文字列表示とともにPUSHボタン画像が表示され、連打操作中にも「連打しろ!」の文字列表示とともにPUSHボタン画像が継続表示され、連打するごとに、キャラクタが「もっとだ!」、「まだまだ!」、「最後まで諦めるな!」のように発話する内容が変化し、それに対応したテロップが変化を伴い表示され得る)。
【0490】
<6.文字演出(台詞演出、テロップ演出)と他の遊技演出との関係>
本実施形態において、演出制御基板200は、文字演出(台詞演出、テロップ演出)とその他の遊技演出とを組合せて、様々な演出パターンを実行することができる。本章では、文字演出と他の遊技演出等との関係について、必要に応じて演出パターンの代表例を挙げながら、それぞれの特徴を説明する。
【0491】
<6-1.SPリーチ演出との複合>
前述した
図69や
図70において、テロップ演出が現出する特定タイミングをSPリーチ演出の発展後としたときの演出例を示したように、本実施形態に係るパチンコ機1では、文字演出(特にテロップ演出)は、SPリーチ演出と組合せて実行することが可能である。以下では、文字演出とSPリーチ演出との組合せについて、テロップ演出を例にとって別の演出例(
図71参照)も提示しながら、詳しく説明する。
【0492】
まず、SPリーチ演出について説明する。SPリーチ演出は、装飾図柄の変動表示においてリーチ状態(例えば、メイン装飾図柄の3図柄のうちの2図柄が同じ図柄で停止した状態)が示されたときに現出されるリーチ演出の一態様であって、通常態様のリーチ演出(ノーマルリーチ演出)よりも遊技結果(当り)への期待度が高いリーチ演出である。一般的なパチンコ機と同様に、本実施形態に係るパチンコ機1は、複数種類のSPリーチ演出を有する。SPリーチ演出は、様々な開始タイミングを設けられてよい。具体的には例えば、リーチ状態の成立(リーチ成立)後に、ノーマルリーチ演出を経てその途中からSPリーチ演出に発展してもよく、また例えば、リーチ成立と同時にSPリーチ演出に発展してもよい。ノーマルリーチ演出は、期待度が高いことを示唆する動画像であり且つストーリー性を有する動画像の再生表示を伴わないリーチ演出であり、SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出から発展する演出(そのため、発展演出と称してもよい)であり、期待度が高いことを示唆する動画像であり且つストーリー性を有する動画像の再生表示を伴わないリーチ演出である。
【0493】
本実施形態で実行可能なSPリーチ演出の代表例としては、
図69や
図70にも示したように、味方キャラクタが敵キャラクタとの対決(バトル)を行い、バトルに勝利すれば大当りの当落結果が示され、バトルに敗北すればハズレの当落結果が示される、というものが挙げられる。また、バトルの敗北が示唆された後、復活演出を経て勝利(大当り)が示される復活パターンが用意されてもよい。また、SPリーチ演出の途中に、操作要求演出やテロップ演出等を現出させる演出パターンも用意されてよい。
【0494】
図71は、テロップ演出とSPリーチ演出とが複合された演出の画面遷移例を示す図である。
図71(A)では、画像表示領域700においてメイン装飾図柄710によって「7」図柄によるリーチ状態が成立したところが表示されている。このリーチ状態の後、ノーマルリーチ演出を途中まで経由して、あるいはリーチ状態の成立と同時に、SPリーチ演出に発展する。なお、このノーマルリーチ演出中、もしくは、ノーマルリーチ演出の実行前(リーチ成立前)において、キャラP,Qが表示されるステップアップ演出や台詞演出などが実行されてもよく、実行された場合は大当り(もしくは確変大当り)が確定するよう構成してもよい。
【0495】
SPリーチ演出において、
図71(B)では、開始されるSPリーチ演出の演出名(本例では「決着の刻」)が画像表示領域700全体に表示される。そしてSPリーチ演出のなかで、
図71(C)からテロップ演出が現出される。また、
図71(B)から
図71(G),(I)までの間、メイン装飾図柄710は非表示とされるが、サブ装飾図柄720は常時表示される。
【0496】
テロップ演出による動画像の表示が開始された
図71(C)では、味方キャラクタのキャラAが表示されるとともに、キャラAに付帯する文字列として、画像表示領域700の下辺に「敵は近いぞ」という文字列(テロップ)が表示される。次の
図71(D)では、敵キャラクタの1人であるキャラHの表示が追加され、キャラHに付帯する文字列として、画像表示領域の下辺に「待っていたぞ」という文字列(テロップ)が表示される。
【0497】
次いで
図71(E)では、テロップ演出による動画像の表示が進行するなかで、可動役物演出が発生する。
図71(E)の場合、装飾役物781,782が作動位置に移動して画像表示領域700の前側に出現することにより、装飾役物781に設けられた文字装飾「激」と装飾役物782に設けられた文字装飾「闘」とが並んで、「激闘」の文字が遊技者に表示される。ここで、装飾役物781,782は、遊技者から視認困難な初期位置と遊技者から視認可能な作動位置との間を移動可能な可動役物であって、演出制御基板200(役物演出制御手段240)によってその動作が制御される。装飾役物781,782の初期位置は、演出表示装置70の側方かつ遊技パネル100bの裏側とする。装飾役物781,782の作動位置は、
図71(E)に示したように、画像表示領域700の中央付近に露出した位置とする。なお、装飾役物781,782が作動位置に移動した場合には、画像表示領域700の大部分が覆われてしまうが、
図71(E)に示すように、サブ装飾図柄720の表示によって装飾図柄の視認性が確保される。なお、本例では、装飾役物781,782が待機位置から作動位置に移動する途中に、瞬間的にサブ装飾図柄720の表示が隠されることを許容するが、別例として、装飾役物781,782(図示しないすべての装飾役物を含むと考えてよい)がいかなる動作を行った場合にも重ならない表示領域にサブ装飾図柄720の表示領域を確保するように構成してもよい。また、装飾役物781,782を用いた可動役物演出では、予め設定された時間が経過すると装飾役物781,782が作動位置から初期位置に戻るため、テロップ演出による動画像の表示進行のタイムスケジュールに影響を与えない。但し、装飾役物781,782に動作異常(例えば、モータの故障や断線検知による動作指示に係るコマンドを受けることができない事象)が発生した場合、可動役物が初期位置に戻らないことになり、その状態が継続するとテロップ演出の視認性を阻害することになるが、そのような場合でもテロップ演出における文字列がどのようなものかを把握するため、このような状況下でも音量の設定が可能であり且つ装飾役物781,782に動作異常が発生しても当該動作異常に係るエラー報知音が発生しないよう構成することが好適である(出力される音声によって把握可能となる)。
【0498】
そして可動役物演出が終了した後の
図71(F)では、テロップ演出によって動画像にキャラAとキャラHとが対決する様子が表示されるとともに、キャラA(キャラHとしてもよい)に付帯する文字列として、画像表示領域700の下辺に「決着をつけよう」という文字列(テロップ)が表示される。その後、当該変動の遊技結果(大当り/ハズレ)に基づいて、表示画像は
図71(G)または
図71(I)に分岐する。
【0499】
図71(G)は、当該変動の遊技結果が大当りである場合の表示画像例である。
図71(G)では、味方キャラクタであるキャラAの勝利を想起させる画像が表示され、その後は、
図71(H)において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が大当り態様(本例では「777」)で停止表示される。
【0500】
一方、
図71(I)は、当該変動の遊技結果がハズレである場合の表示画像例である。
図69(I)では、味方キャラクタであるキャラAの敗北(言い換えれば、敵キャラクタであるキャラIの勝利)を想起させる画像が表示され、その後の
図71(J)において、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720がハズレ態様(本例では「767」)で停止表示される。なお、
図71では図示を省略したが、当該変動の遊技結果が大当りである場合に、
図71(I)のようにキャラAの敗北を示唆する画像が表示された後に、逆転してキャラAが勝利する画像が表示されるような展開も可能であり、キャラAが逆転勝利した場合は、
図71(H)の大当り結果の表示に遷移する。
【0501】
以上に説明したように、
図71の演出例では、
図71(B)から開始されるSPリーチ演出の実行中に、テロップ演出が現出される。テロップ演出の現出期間は、
図71(C)から
図71(F)までとすることができる。但し、本演出例では、分岐後の
図70(G),(I)においても文字列(テロップ)が表示されている。そのため、当落結果に応じた分岐後の画像を含めて2種類の動画像が用意される場合には、
図71(C)~
図70(G)と、
図71(C)~
図71(I)とを、別種類のテロップ演出として構成してもよい。また、前述したように、
図71の演出例では、テロップ演出中に、テロップ演出による動画像の表示進行に影響を与えない可動役物演出を実行させることができる。
【0502】
上記の具体例を踏まえると、本実施形態において文字演出(テロップ演出、台詞演出)とSPリーチ演出とを組合せて実行可能な演出パターンは、以下のような特徴を有することができる。なお、当該演出パターンは、以下に示す複数の特徴のすべてを有して構成される必要はなく、少なくとも、何れか1つの特徴、または複数を組合せた特徴を有して構成されればよい。
【0503】
本実施形態においてSPリーチ演出と組合せて実行される場合、テロップ演出による文字列表示において、期待度を示唆する文字色は様々な変化パターンを採用可能であり、これによってテロップ演出の遊技性を高めることができる。
【0504】
例えば、テロップ演出内での文字色の格上げまたは格下げが可能である。具体的には、
図71(C),(D),(F)の3つのテロップ表示の文字色について、格上げの場合は、「白」→「白/赤」→「赤/虹」といった変化が可能であり、格下げの場合は、「白」→「赤」→「白」といった変化が可能である。なお、文字色が変化する契機を特定のタイミング(例えば、SPリーチ演出における所定の区切り、当落表示、カットイン演出や役物演出の発生など)に設定してもよい。
【0505】
また例えば、SPリーチ演出中のテロップ演出において示唆期待度のチャンスアップが発生し、その後に当り(大当り)の遊技結果を表す特定表示が行われたときには、特定表示後の文字列表示において文字色の格上げ/格下げを行うように構成されてもよい。具体例を用いて詳しく説明すると、SPリーチ演出中のテロップ演出において、比較的高い期待度を示唆する所定の文字色(例えば、赤色や金色)でテロップ表示が行われ、その後の当落分岐で当り(大当り)ルートの特定表示(例えば
図71(G)参照)が行われたときには、同一変動内のその後のテロップ表示の文字色を、格上げする(例えば虹色にする)ように構成したり、格下げする(例えば通常色の白色にする)ように構成したりすることができる。すなわち、SPリーチ演出中のテロップ演出において、高期待度の文字色による文字列表示(チャンスアップ)を経由して、当り(大当り)の遊技結果を表す特定表示が行われたときには、特定表示後の当該SPリーチ演出において、特定表示前の文字色とは異なる文字色でテロップ表示を行うように構成することができる。
【0506】
また例えば、SPリーチ演出中のテロップ演出において示唆期待度のチャンスアップが発生し、その後にハズレの遊技結果を表す特定表示が行われたときには、特定表示後の文字列表示において文字色は必ず格下げされるように構成されてもよい。具体例を用いて詳しく説明すると、SPリーチ演出中のテロップ演出において、比較的高い期待度を示唆する所定の文字色(例えば、赤色や金色)でテロップ表示が行われ、その後の当落分岐ハズレルートの特定表示(例えば
図71(I)参照)が行われたときには、同一変動内のその後のテロップ表示の文字色は必ず格下げする(例えば通常色の白色にする)ように構成することができる。
【0507】
また例えば、SPリーチ演出中にキャラクタが登場するテロップ演出が複合されて、当落分岐の前後でキャラクタに付帯するテロップ(当りの分岐後は味方キャラクタのテロップ、ハズレの分岐後は敵キャラクタのテロップとすることが一般的)が表示される演出パターンにおいて、当落分岐後のテロップが必ず通常色(白色)で表示される一方、当落分岐前のテロップ(当落分岐直前に限定されてもよい)には、必ず通常色以外の文字色(例えば、赤色や金色)で表示されるように構成されてもよい。このように構成される場合、当落結果が当り/ハズレのどちらであっても、当落分岐前には示唆期待度を有する文字色でテロップ表示が行われることで、遊技興趣を高めることができる。
【0508】
以上、文字演出とSPリーチ演出との組合せについて、テロップ演出を例にとって説明したが、本実施形態に係るパチンコ機1では、テロップ演出を文字演出全般に置き換えて、上述した様々な特徴を有するように構成されてもよい。すなわち、台詞演出とSPリーチ演出とを組合せた演出パターンが用意されてもよく、台詞演出、テロップ演出、及びSPリーチ演出を組合せた演出パターンが用意されてもよい。さらに言えば、上記組合せにおいてSPリーチ演出をノーマルリーチ演出に置き換えてもよい。
【0509】
<6-2.図柄擬似停止演出との複合>
本実施形態に係るパチンコ機1では、文字演出(台詞演出、テロップ演出)は、図柄擬似停止演出と組合せて実行することが可能である。以下、
図72に演出例を提示しながら詳しく説明する。
【0510】
まず、図柄擬似停止演出(擬似連演出とも称する)について説明する。図柄擬似停止演出は、1回の特別図柄の変動中に、メイン装飾図柄710が変動から仮停止(暫定停止)する「擬似変動」を複数回行い得る演出である。そのため、「擬似連N回目(擬似Nとも称する)」は、1回の特別図柄の変動中におけるN回目の擬似変動を意味する。図柄擬似停止演出では、所定の暫定表示態様(例えば、中図柄712に「継続図柄」が仮停止)の表示を行う図柄擬似停止が行われた場合に、メイン装飾図柄710は、仮停止を経て再変動することにより、次回の擬似変動を開始する。なお、メイン装飾図柄710は確定停止する直前に暫定停止する(例えば、「456」で確定停止する場合、その直前の1秒間は「456」にて揺れ変動を伴う暫定停止となる)ため、1回の特別図柄の変動中における最終の擬似変動では、変動から仮停止(暫定停止)したうえで確定停止することになる。
【0511】
図柄擬似停止演出は、一般的に、図柄擬似停止の回数が増えるほど、演出発展への期待度が高くなるように構成される。また、図柄擬似停止演出によって成否が示される演出発展は、例えば、SPリーチ演出への発展、特定のSPリーチ演出への発展、あるいは、SPリーチ演出の後半部への発展等が挙げられる。また、演出制御基板200は、図柄擬似停止演出の実行に伴って、当該演出に対応する専用の背景画像(特定背景画像)やBGM(特定音声)を出力させることができる。また、図柄擬似停止演出では、メイン装飾図柄710が変動時間が終了する前にハズレ態様で暫定停止した場合、特定の画像処理(フェードアウト、暗転等)の実施を経て、変動時間の終了時にメイン装飾図柄710を確定停止させるように構成してもよい。あるいは、ハズレ態様の暫定停止の後、上記特定の画像処理の実施を経て、メイン装飾図柄710の再変動を開始して、その後、変動時間の終了時にハズレ態様で確定停止させるように構成してもよい。
【0512】
図72は、台詞演出と図柄擬似停止演出とが複合された演出の画面遷移例を示す図である。
図72(A)では、画像表示領域700に変動中のメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が表示されている。そして次の
図72(B)において図柄擬似停止演出が開始される。前述したように、図柄擬似停止演出の開始に伴って、専用の背景画像(特定背景画像)やBGM(特定音声)の出力が開始されてもよい。なお、
図72の演出例では、画像表示領域700の右上にサブ装飾図柄720が常時表示されるとしている。
【0513】
図72に示す図柄擬似停止演出では、擬似変動によってメイン装飾図柄710が仮停止する図柄擬似停止の上限回数を3回とする(すなわち、擬似連は最大で4回目までとする)。
図72に示す図柄擬似停止演出において図柄擬似停止が成功する場合には、メイン装飾図柄710の左図柄711及び右図柄713の仮停止によってリーチ状態が成立したところに、中図柄712に擬似連演出の発生を報知又は示唆するための継続図柄(本例では「NEXT」図柄)が仮停止し、所定時間の経過後、メイン装飾図柄710が再変動を開始して、次の擬似連演出(擬似変動)が発生する。一方、
図72に示す図柄擬似停止演出において図柄擬似停止が失敗する場合は、例えば2通りの遷移パターンが用意される。第1の遷移パターンは、メイン装飾図柄710の左図柄711及び右図柄713の仮停止によってリーチ状態が成立しないまま中図柄712も仮停止してハズレ態様の図柄組合せが暫定表示されるパターンであり、この場合、特定の画像処理(フェードアウト、暗転等)の実施を経て図柄擬似停止演出は終了し、その後、変動時間の終了時に、暫定表示されたハズレ態様の図柄組合せでメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が停止表示される。なお、前述したように、図柄擬似停止演出が終了してから装飾図柄の変動時間が終了するまでの間、メイン装飾図柄710は再変動するようにしてもよいし、再変動せずに暫定表示されたハズレ態様が維持されるとしてもよい。但し、上記の第1の遷移パターンは、擬似連1回目の図柄擬似停止における失敗時にのみ適用され、擬似連2回目以降の図柄擬似停止における失敗時には第2の遷移パターンが適用される。第2の遷移パターンは、メイン装飾図柄710の左図柄711及び右図柄713の仮停止によってリーチ状態が成立したところに、中図柄712に継続図柄が仮停止しないパターンであり、この場合、図柄擬似停止演出が終了して、リーチ演出に移行する。なお、第2の遷移パターンにおいて中図柄712に継続図柄が仮停止しないとは、中図柄712自体が仮停止しないことであってもよいし、中図柄712に継続図柄以外の図柄(但し、大当りを示す図柄組合せを形成する図柄は選択されない)が仮停止すること(つまり、メイン装飾図柄710がリーチハズレ態様で暫定停止すること)であってもよい。
【0514】
また、
図72に示す図柄擬似停止演出は、図柄擬似停止の回数(擬似変動の回数)によって、その後の演出の発展期待度(SPリーチ演出への発展期待度)、または/及び、その後の演出の発展先の傾向(どの種類のSPリーチ演出へ発展しやすいかといった傾向)が変化するように構成されているとする。具体的には、擬似連1回目で図柄擬似停止演出が終了した場合は(擬似1)、リーチが成立する場合とリーチが成立しない場合とがあり、リーチが成立してもノーマルリーチ演出止まりであることが多く、SPリーチ演出に発展する可能性は低い。一方、擬似連2回目で図柄擬似停止演出が終了した場合は(擬似2)、リーチ成立が確定し、ノーマルリーチ演出以上の発展が確定するとともに、擬似1の場合よりも、SPリーチ演出に発展する可能性が高く、擬似1の場合よりも、相対的に期待度が高いSPリーチ演出に発展する可能性が高い。擬似連3回目で図柄擬似停止演出が終了した場合は(擬似3)、リーチ成立が確定し、SPリーチ演出への発展が確定するとともに、擬似2の場合よりも、相対的に期待度が高いSPリーチ演出に発展する可能性が高い。上限の擬似連4回目まで図柄擬似停止演出が発展した場合は(擬似4)、特別なSPリーチ演出である全回転リーチ演出への発展が確定し、全回転リーチ演出を経て必ず大当りの結果が示される。なお、上記の構成仕様の表現は、演出の遷移を中心に見たときのものであり、実際には、演出制御基板200が、当該変動における当落結果及び変動時間に基づいて、上記構成仕様に適合する演出パターンを選択し得るものである。
【0515】
図72(C)では、1回目の台詞演出として、画像表示領域700の中央付近に、キャラAが強調された態様で現出され、キャラAに付帯する文字列として「継続?」という台詞が表示される。この1回目の台詞演出における台詞表示の文字色は、例えば通常色の白色とする。なお、台詞演出で表示される「継続?」や後述する「継続!?」及び「NEXT!」の文字列は、図柄擬似停止が成功するか否かの遊技展開に対する期待度を示唆するものであり、例えば「?」が付く文字列よりも「!?」が付く文字列の方が示唆期待度が高く、さらに「!?」が付く文字列よりも「!」が付く文字列の方が示唆期待度が高い(もしくは、図柄擬似停止の成功が確定)とすることができる。なお、
図72(C)では、台詞演出の表示画像によって、メイン装飾図柄710の表示が隠されてしまうが、サブ装飾図柄720の表示によってメイン装飾図柄710の表示状態が補償される。これは、
図72(J),(P)でも同様である。
【0516】
図72(C)の台詞演出の後は、遊技展開の分岐となる。擬似連1回目の図柄擬似停止に失敗(擬似連2回目への移行に失敗)する場合は
図72(D)に遷移し、擬似連1回目の図柄擬似停止に成功(擬似連2回目への移行に成功)する場合は
図72(H)に遷移する。
【0517】
図72(D)では、メイン装飾図柄710の左図柄711及び右図柄713の仮停止によってリーチ状態が成立しないまま中図柄712も仮停止してハズレ態様の図柄組合せ「334」が暫定表示されることで、擬似連1回目の図柄擬似停止の失敗(擬似連2回目への移行に失敗)が示される。前述したように、ハズレ態様の図柄組合せの暫定表示によって擬似連1回目の図柄擬似停止に失敗(擬似連2回目への移行に失敗)した後は、リーチ演出に発展することはなく、特定の画像処理(本例では暗転処理)が実施される。具体的には、
図72(E)に示すように、画像表示領域700の表示画像が徐々に暗転され、最終的には
図72(F)に示すように、ほぼ全画面が暗転表示される。但し、
図72(E),(F)にも示すように、サブ装飾図柄720は、特定の画像処理による影響を受けず、表示が維持される。そして、特定の画像処理が完了した後は、暗転表示が解除され、変動時間の終了時に、メイン装飾図柄710が、
図72(D)の暫定表示であるハズレ態様「334」のまま停止表示される。この結果、当該変動の遊技結果がハズレであることが確定する(
図72(G))。また、
図72(G)では、サブ装飾図柄720も、メイン装飾図柄710と同じ図柄組合せ「334」で停止表示する。
【0518】
なお、前述したように、
図72に示す図柄擬似停止演出では、擬似連1回目の図柄擬似停止で失敗する場合に第1の遷移パターンと第2の遷移パターンとが用意されており、
図72(D)は第1の遷移パターンに準拠したものである。したがって、
図72では図示を省略したが、擬似連1回目の図柄擬似停止で失敗する場合には、第2の遷移パターンに準拠して、メイン装飾図柄710の左図柄711及び右図柄713の仮停止によってリーチ状態が成立したところに、中図柄712に継続図柄が仮停止しないという展開も考えられる。この場合、例えば、「3」図柄によるリーチ状態のまま、図柄擬似停止演出が終了して、リーチ演出(例えば、後述する
図72(K))に移行する。
【0519】
一方、
図72(H)では、擬似連1回目の図柄擬似停止の成功(擬似2以上確定)として、メイン装飾図柄710の中図柄712が継続図柄である「NEXT」図柄で仮停止する。その後、メイン装飾図柄710の再変動が行われ、擬似連2回目が開始される(
図72(I))。そして擬似連2回目では、2回目の台詞演出が現出され、キャラBの台詞「継続!?」が表示される(
図72(J))。この2回目の台詞演出における台詞表示の文字色は、例えば高い期待度を示唆する赤色とする。なお、「継続!」が表示されると、図柄擬似停止の成功が確定してもよく、「継続?」や「継続!?」は図柄擬似停止の成功が確定しないよう構成してもよい。また、「継続!」は白や赤の文字色を採り得るが、「継続?」や「継続!?」は白の文字色のみ採り得るよう構成してもよい。
【0520】
図72(J)の台詞演出の後は、遊技展開の分岐となる。擬似連2回目の図柄擬似停止に失敗(擬似連3回目への移行に失敗)する場合は
図72(K)に遷移し、擬似連2回目の図柄擬似停止に成功(擬似連3回目への移行に成功)する場合は
図72(N)に遷移する。
【0521】
図72(K)では、図柄擬似停止演出が終了し、メイン装飾図柄710の「3」図柄によるリーチ状態が成立して、ノーマルリーチ演出が開始される。図柄擬似停止演出が終了した時点で、図柄擬似停止演出専用の背景画像(特定背景画像)やBGM(特定音声)の出力も終了し、通常の背景画像やBGMの出力に切り替えられる。その後、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720の変動停止により、遊技結果のハズレ(
図72(L))、または大当り(
図72(M))が示される。なお、
図72(J)から
図72(K)のように図柄擬似停止演出からリーチ演出に移行する場合には、図柄擬似停止演出の終了時に、
図72(E),(F)で説明したような特定の画像処理(本例では暗転処理)の実施を経由するように構成されてもよい。
【0522】
一方、
図72(N)では、擬似連2回目の図柄擬似停止の成功(擬似3以上確定)として、メイン装飾図柄710の中図柄712が継続図柄である「NEXT」図柄で仮停止する。その後、メイン装飾図柄710の再変動が行われ、擬似連3回目が開始される(
図72(O))。そして擬似連3回目では、3回目の台詞演出が現出され、キャラCの台詞「NEXT!」が表示される(
図72(P))。この3回目の台詞演出における台詞表示の文字色は、例えば2回目の台詞演出の赤色よりも高い期待度を示唆する金色とする。なお、「NEXT!」が表示されると、図柄擬似停止の成功が確定してもよく、「NEXT?」や「NEXT!?」は図柄擬似停止の成功が確定しないよう構成してもよい。また、「NEXT!」は白や赤の文字色を採り得るが、「NEXT?」や「NEXT!?」は白の文字色のみ採り得るよう構成してもよい。
【0523】
図72(P)の台詞演出の後は、遊技展開の分岐となる。擬似連3回目の図柄擬似停止に失敗(擬似連4回目への移行に失敗)する場合は
図72(Q)に遷移し、擬似連3回目の図柄擬似停止に成功(擬似連4回目への移行に成功)する場合は
図72(R)に遷移する。
【0524】
図72(Q)では、図柄擬似停止演出が終了し、メイン装飾図柄710の「3」図柄によるリーチ状態が成立して、SPリーチ演出が開始される。図柄擬似停止演出が終了した時点で、図柄擬似停止演出専用の背景画像(特定背景画像)やBGM(特定音声)の出力も終了し、通常の背景画像やBGMの出力に切り替えられる。その後、メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720の変動停止により、遊技結果のハズレ(
図72(L))、または大当り(
図72(M))が示される。
【0525】
一方、
図72(R)では、擬似連3回目の図柄擬似停止の成功(擬似4確定)として、メイン装飾図柄710の中図柄712が継続図柄である「NEXT」図柄で仮停止する。その後、メイン装飾図柄710の再変動が行われるが(
図72(S))、擬似連が上限の4回目になったことから、この時点で図柄擬似停止演出が終了し、擬似4到達の特典として、特別なSPリーチ演出である全回転リーチが現出される(
図72(T))。図柄擬似停止演出が終了した時点で、図柄擬似停止演出専用の背景画像(特定背景画像)やBGM(特定音声)の出力も終了するが、全回転リーチの場合は、プレミア扱いの特別なSPリーチ演出として、専用の背景画像やBGMの出力が行われるようにしてもよい。本例では、全回転リーチの場合は、必ず大当りの遊技結果が示されるとしている(
図72(M))。
【0526】
以上に説明したように、
図72の演出例では、図柄擬似停止演出の実行中に、3回の台詞演出が現出される。なお、各回の台詞演出で表示される文字列の文字色は、上記説明した例に限定されず、遊技結果または遊技展開に対する期待度を示唆する様々な文字色に変更されてもよい。
【0527】
上記の具体例を踏まえると、本実施形態において文字演出(テロップ演出、台詞演出)と図柄擬似停止演出とを組合せて実行可能な演出パターンは、次のような特徴を有することができる。
【0528】
まず、図柄擬似停止演出の終了後にメイン装飾図柄710の変動表示が再開されるとき(再変動時)、図柄擬似停止演出に対応する背景画像(特定背景画像)の表示は終了して通常の背景画像に戻るとしてもよい。また、図柄擬似停止演出に対応するBGM(特定音声)の出力も終了し、通常のBGMの出力に切り替えられるとしてもよい。
【0529】
また、図柄擬似停止演出において、演出発展(擬似連の継続、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出への発展)の失敗時に特定の画像処理(フェードアウト、暗転等)が実施される場合、演出表示装置70(画像表示領域700)では、当該画像処理に伴う特別態様の画面が表示される。具体的には、フェードアウト処理が実施される場合は、靄の掛かった画面が表示され、暗転処理が実施される場合は、
図72(E),(F)に示したような暗転画面が表示される。
【0530】
そして、上記の特定の画像処理(フェードアウト、暗転)の実施の際、文字演出(台詞演出やテロップ演出)が現出されていた場合には、文字演出による文字列表示は、即座に表示が終了するか、特定の画像処理の対象となって徐々に表示が終了する。一方、サブ装飾図柄720は、特定の画像処理の対象とならず、表示が維持される。サブ装飾図柄720の表示が維持されることにより、装飾図柄の遊技者に対する視認性を確実に確保することができる。また、上記の特定の画像処理については、SPリーチ演出にてハズレを示す演出が表示される際に実行されてもよく、そのように構成した場合、当該ハズレを示す演出(例えば、対決後に敗北する画面が表示される演出)ことで、SPリーチ演出が実行されると、上記特定の画像処理によってフェードアウトや暗転が行われ、そのうえで、同じ変動表示内で各ステージの背景画像(SPリーチ演出発展前に表示していたステージの背景画像)へと切り替わる。但し、この場合においても、上記特定の画像処理は、サブ装飾図柄720や保留数表示770を対象には行われず、その視認性が損なわれることはない。
【0531】
また、上記の特定の画像処理(フェードアウト、暗転)の実施の際、原則として音声出力が停止または制限される、つまり無音状態となったり、出力が低減(音量が低下)されるが、例外的に、エラーが発生した場合にはエラー表示やエラー音声出力(音量の設定にかかわらず、常に一定の音量にて出力される報知用のエラー音声の出力)が行われるよう構成してよい。但し、必ずしもすべてのエラーの発生に対して上記の例外的な構成をとらないとしてもよく、具体的には、不正遊技に関する重要度が比較的低い所定種別のエラーが発生した場合は、特定の画像処理中にエラー表示やエラー音声出力を行わないように制限してもよい。具体的なエラー種別は、次節で詳しく説明する。
【0532】
<6-3.エラー表示との関係>
本節では、文字演出とエラー表示との関係について説明する。パチンコ機1では、所定のエラーが検知された場合に、エラー処理が行われ、検知されたエラーに応じたエラー出力が行われる(
図33,
図50,
図51等を参照)。
【0533】
図73は、エラーの種類に応じたエラー出力の設定例を示す図である。
図73には、本実施形態に係るパチンコ機1において検知可能なエラーの一例について、各エラーが検知されたときに実施されるエラー出力の設定例が示されている。
【0534】
パチンコ機1において発生し得るエラーは、外部情報出力端子を通じて外部(遊技店側)に通知するエラーと、特に通知しないエラーとに分けられる。また、パチンコ機1において発生し得るエラーは、遊技者等の不正に起因して発生し得るエラーと、不正以外に起因して発生し得るエラーと、不正に起因する場合と不正以外に起因する場合の両方が考えられるエラー(警告)と、に分類することもできる。
【0535】
図73では、「エラー信号」の欄に、各エラーの発生時に外部への通知のために出力されるエラー信号の有無及び種別が示されている。「エラー報知音」の欄には、エラーの発生に基づくエラー報知音の出力設定が示されている。「音声制限」の欄には、エラー報知音が出力される場合に他の音声出力を制限するか否かの設定が示されている。「表示制限」の欄には、エラーの発生に基づくエラー表示の際に、他の画像表示を制限するか否かの設定が示されている。「正面エラー表示」及び「背面エラー表示」の欄には、エラー発生に基づくエラー表示の表示先の設定が示されている。
【0536】
【0537】
まず、磁気センサエラー(No.1)は、磁気センサが異常な磁気を検知したときに発生するエラーである。電波センサエラー(No.2)は、電波センサが不正な電波を検知したときに発生するエラーである。振動センサエラー(No.3)は、振動センサがパチンコ機1に対する過剰な振動を検知したときに発生するエラーである。異常動作エラー(No.4)は、賞球数に影響がある各種動作に関連して異常を検知したときに発生するエラーである。
【0538】
以上のNo.1~No.4のエラーは、遊技者等の不正に起因して発生し得るエラーのうち、不正遊技に関する重要度が相対的に高いエラーである。
【0539】
次に、異常入賞エラー(No.5)は、始動口(第1始動口61,第2始動口62)や大入賞口64において、未開放時や有効期間外の入賞や過剰な入賞等を検知したときに発生するエラーである。異常通過エラー(No.6)は、大入賞口64において、未開放時や有効期間外における特定領域通過や、過剰な通過等を検知したときに発生するエラーである。排出エラー(No.7)は、遊技球の排出に関する異常を検知したときに発生するエラーである。接続異常エラー(No.8)は、主制御基板100と接続されているべき各種入賞口や各種図柄表示装置や外部情報出力端子等が、主制御基板100と接続されていないことを検知したときに発生するエラーである。
【0540】
以上のNo.5~No.8のエラーは、遊技者等の不正に起因して発生し得るエラーのうち、不正遊技に関する重要度が相対的に低いエラーである。
【0541】
次に、電源投入警告(No.9)は、RAMクリアを伴う電源投入があったことを示す通知である。設定変更・設定確認(No.10)は、設定変更・設定確認の実行を示す通知である(パチンコ機1に設定機能が搭載されない場合は不要である)。扉・枠開放エラー(No.11)は、ドア開センサ2pが扉・枠(前枠4)の開放を検知した場合に発生するエラーである。
【0542】
以上のNo.9~No.11のエラー(警告)は、不正に起因する場合と不正以外に起因する場合の両方が考えられるエラー(警告)である。
【0543】
次に、通信エラー(No.12)は、メイン基板100、演出制御基板200、画像制御基板300、演出表示装置70、払出制御基板400などの装置間で通信不能状態であることを示すエラーである。皿満タンエラー(No.13)は、上球皿8または下球皿9で遊技球が満杯になったことを示すエラーである。遊技球払出エラー(No.14)は、遊技球の払出数に関する異常を示すエラーである。遊技球等貸出装置未接続エラー(No.15)は、遊技球貸出装置が接続されていないことを示すエラーである。
【0544】
以上のNo.12~No.15のエラーは、遊技者等の不正以外に起因して発生し得るエラーである。
【0545】
そして、このように複数種類のエラーに対してエラー出力が可能な本実施形態に係るパチンコ機1では、エラー表示が行われるよう設定されたエラーの発生時に、当該エラーの種別によっては、テロップ演出における文字列表示よりも優先してエラー表示を行うよう構成されてもよい。言い換えると、エラー表示がテロップ演出における文字列表示の視認性を阻害するものであってもよい。なお、上記の「エラーの種別」は、例えば、不正遊技に関する「重要度」によって区分することができる。具体的には例えば、遊技店員の保守作業に起因する可能性が高い扉開放エラー(
図73のNo.11)は重要度が低いエラー種別に区分できるが、不正遊技に起因する可能性が高い磁石センサエラー(
図73のNo.1)は重要度が高いエラー種別に区分される。このとき、台詞演出の文字列表示が表示されている最中に扉開放エラー(低重要度エラー種別)が発生した場合、扉開放エラー(低重要度エラー種別)によるエラー表示は、台詞演出の文字列表示に対しては重複して表示される(エラー表示と台詞演出の文字列表示とを同時に表示可能であり、且つ、エラー表示の表示領域と台詞演出の文字列表示の表示領域の少なくとも一部が重なり、且つ、エラー表示の後面側に台詞演出の文字列表示が表示される)一方、テロップ演出の文字列表示が表示されている最中に扉開放エラー(低重要度エラー種別)が発生した場合、テロップ演出の文字列表示に対しては重複して表示されない(エラー表示とテロップ演出の文字列表示とを同時に表示可能であり、且つ、エラー表示の表示領域とテロップ演出の文字列表示の表示領域が一切重ならない)。一方、台詞演出又はテロップ演出の文字列表示が表示されている最中に磁石センサエラー(高重要度エラー種別)が発生した場合、磁石センサエラー(高重要度エラー種別)によるエラー表示は、台詞演出及びテロップ演出の何れの文字列表示に対しても重複して表示される(エラー表示と台詞演出又はテロップ演出の文字列表示とを同時に表示可能であり、且つ、エラー表示の表示領域と台詞演出又はテロップ演出の文字列表示の表示領域の少なくとも一部が重なり、且つ、エラー表示の後面側に台詞演出又はテロップ演出の文字列表示が表示される)なお、磁石センサエラー(高重要度エラー種別)によるエラー表示は、その重要度から画面全体を覆うように表示してもよく、そのように構成した場合、台詞演出又はテロップ演出の文字列表示が表示されている最中に磁石センサエラー(高重要度エラー種別)が発生した場合においては、磁石センサエラー(高重要度エラー種別)によるエラー表示のみが表示され、台詞演出又はテロップ演出の文字列表示は表示されないことが好適である。このように制御することによって、高重要度種別のエラーの発生時には、文字演出の実行中であっても即座に、当該エラーの発生を画像表示領域700の前面に表示出力できるため、例えばホール店員等が当該エラーに気付きやすくなる。その結果、不正遊技を速やかに発見して防犯性を高める効果に期待できる。
【0546】
また、本実施形態に係るパチンコ機1は、前述したとおり、所定のエラー(例えば、扉開放エラーや皿満タンエラー等の、重要度が比較的低いエラー種別が好ましい)の発生を報知するエラー表示を、文字演出(台詞演出、プロット演出)と同時に表示可能とするが、台詞演出とは重複表示可能とするものの、テロップ演出とは重複表示しない(すなわち、重ならない位置に同時表示する)ように構成されてもよい。但し、上記のように構成する場合、上記所定のエラーに対応するエラー音は、文字演出による音声出力が制限される。具体的には、文字演出による音声の出力中に上記所定のエラーが発生した場合、上記エラー音が出力されるのであるが、上記エラー音の出力時には、文字演出による音声(台詞やテロップに対応する音声)の出力が停止(消音)されたり、エラー音(音量の設定にかかわらず、常に一定の音量にて出力される報知用のエラー音声)よりも小さな音量に抑制されたりする。この結果、文字演出の実行中に目立たない態様でエラー表示が行われるとしても、エラー音の出力によって所定のエラーの発生を報知することができる。なお、このような状況(文字演出による音声の出力中に上記所定のエラーが発生した場合)において、文字演出による音声(台詞やテロップに対応する音声)が小さな音量に抑制される場合、音量の設定は可能であるが、エラー音についての音量は変更されず、文字演出による音声の音量のみが抑制されたうえで変更され、上記所定のエラーが解除されてエラー音が終了した後は、文字演出による音声の音量の抑制が解除されたうえで設定された音量にて文字演出による音声が出力再開されるよう構成してもよい。この変形例としては、音量の設定は可能であるが、エラー音についての音量は変更されず、文字演出による音声の音量も変更されないが、上記所定のエラーが解除されてエラー音が終了した後は、文字演出による音声の抑制が解除されたうえで設定された音量にて文字演出による音声が出力再開されるよう構成してもよい。また、このような状況(文字演出による音声の出力中に上記所定のエラーが発生した場合)において、文字演出による音声(台詞やテロップに対応する音声)が消音される場合、音量の設定は可能であるが、エラー音についての音量は変更されず、文字演出による音声の音量は消音されたままであり、上記所定のエラーが解除されてエラー音が終了した後は、文字演出による音声の消音が解除されたうえで設定された音量にて文字演出による音声が出力再開されるよう構成してもよい。このように構成した場合、音量の設定に係る操作を行うことで、音量設定の調整画面が表示され、現在の音量を確認することができ且つ当該操作に基づき音量の変更状況を確認することができるが、音量設定の調整画面は、台詞演出の文字列とは重畳表示するが(表示優先度は音量設定の調整画面のほうが高い)、テロップ演出の文字列とは重畳しないよう構成することが好適である。
【0547】
<6-4.先読み演出、保留アイコン表示、保留数表示との関係>
上述した
図63から
図72に示した画面遷移例では図示を省略していたが、遊技中のパチンコ機1では、演出制御基板200の制御により、画像表示領域700の所定領域において、特別図柄の変動保留の状況を示す保留アイコンの表示が行われる。また、画像表示領域700では、当該変動に対応するアイコン(当該変動アイコン)の表示も行われてよい。これらの変動アイコン(当該変動アイコン及び保留アイコン)は、通常は所定の表示態様で表示されるが、表示態様(色や模様)を変更するアイコン変化が行われることによって、対象変動の遊技結果(大当り)への期待度を示唆することができる。アイコン変化を行う遊技演出の代表例としては、変動保留(保留)の先読み演出が挙げられる。
【0548】
先読み演出は、ターゲットとする対象保留(ターゲット保留)の消化により実行される対象変動(ターゲット変動)に先行する先行変動の変動時から開始される演出であって、ターゲット保留消化時の当落結果(ターゲット変動の当落結果)を事前に先読みした結果(事前判定の結果)に基づいて、ターゲット変動到達前にターゲット変動の遊技結果を示唆する演出(煽る演出)である。一般に、先読み演出は、ターゲット保留消化まで(ターゲット変動に到達するまで)の保留に消化時に当り結果となる保留が含まれない場合に、実行可能とされる。このような先読み演出では、例えば、ターゲット保留のアイコンに対してアイコン変化を行うことにより、ターゲット保留の遊技結果を煽ることができる。
【0549】
そして、本実施形態に係るパチンコ機1では、上記の先読み演出を文字演出と組合せて実行することができる。そこで以下では、先読み演出と文字演出とを組合せた演出について、
図74に画面遷移例を示し、その後に特徴を説明する。なお、簡便のため、
図74では、保留アイコン表示は、第1特別図柄の保留に対応する保留アイコンのみを示すが、実際は、第2特別図柄の保留に対応する保留アイコンも表示されてもよい。これは後述する保留数表示でも同様である。また、第1特別図柄の保留の最大記憶数は4個とする。
【0550】
図74は、先読み演出と文字演出とが複合された演出の画面遷移例を示す図である。例えば
図74(A)に示すように、画像表示領域700の下辺には、左側から順に、当該変動に対応する当該変動アイコン750、第1保留(次変動に係る保留)に対応する第1保留アイコン761、第2保留に対応する第2保留アイコン762、第3保留に対応する第3保留アイコン763、及び、第4保留に対応する第4保留アイコン764が表示される。第1保留アイコン761~第4保留アイコン764は、保留アイコン760とも総称する。
図74の各図において、これらのアイコン(当該変動アイコン750、保留アイコン760)は、対応する変動もしくは保留が存在しない場合は、白抜きの円形で表され、対応する変動もしくは保留が存在する場合は、白抜き以外の表示態様で表される。
図74では、対応する変動もしくは保留が存在する場合の変動アイコンの通常の表示態様は、ベタの塗りつぶしで表され、このときの変動アイコンの表示色は「黒色」とする。以上のことを踏まえると、
図74(A)の場合は、当該変動アイコン750に加えて、保留アイコン760が第3保留アイコン763まで塗りつぶしで表されていることから、第3保留まで保留記憶が溜まっている状況が示されている。なお、以後の説明では、簡便のために、「第[N]保留」のことを「保留[N]」と表記することがある。
【0551】
図74(A)には、メイン装飾図柄710の変動表示が実行されているときに、遊技球の始動口への入球によって第3保留変動(保留3)が追加される直前の状況の画像表示領域700が示されている。そして、
図74(B)以降では、
図74(A)で追加された保留3の当落結果が大当りである場合に、演出制御基板200が先読み演出を実行したときの画面遷移の一例が示される。すなわち、
図74(A)における保留3がターゲット保留となる。
【0552】
図74(B)では、先読み演出による事前判定の結果に基づいて、ターゲット保留のアイコン変化が行われる。具体的には、第3保留アイコン763の表示態様が、通常態様の「黒色」から「赤色(図面上では斜線模様)」に変更される。本例では、変動アイコンの「赤色」の表示態様は、遊技結果(大当り)への期待度が非常に高い(例えば、期待度が55%である)ことを示唆する表示態様とする。また、後述するように、遊技結果への期待度を示唆するアイコンの表示態様は、上記の「赤色」以外にも用意されており、その示唆期待度は、「赤色(斜線模様)」、「星マーク」、「熱文字」の順に高いとする。
【0553】
次の
図74(C)は、
図74(B)までの当該変動が停止したときを表しており、メイン装飾図柄710がハズレ態様「235」で停止表示されている。その後、保留アイコン760が1つ左側に詰められて、次変動が開始する(
図74(D))。したがって、
図74(D)では、先読み演出のターゲット保留の保留アイコンは、第3保留アイコン763から第2保留アイコン762に移動している。
【0554】
そして
図74(D)で開始された変動において、1回目の台詞演出が現出される(
図74(E))。
図74(E)では、1回目の台詞演出として、キャラAが表示されるとともに、キャラAによる「何かが・・・」という文字列(台詞)が表示される。この台詞演出は、現変動または将来の変動において、おそらくは遊技者に有利な「何か」が発生する可能性を示唆している(この時点では期待度は低く、およそ5%である)。
【0555】
次いで、1回目の台詞演出の終了後、
図74(F)に示すように、当該変動のメイン装飾図柄710がハズレ態様「186」で停止表示される。なお、
図74(F)では、遊技球の始動口への入球によって保留変動が1つ追加されたことにより、第3保留アイコン763が通常態様(黒色)で追加されている。その後、保留アイコン760が1つ左側に詰められて、次変動が開始する(
図74(G))。したがって、
図74(G)では、先読み演出のターゲット保留の保留アイコンは、第2保留アイコン762から第1保留アイコン761に移動し、
図74(F)で追加された保留変動が第2保留アイコン762に表示される。
【0556】
そして
図74(G)で開始された変動において、2回目の台詞演出が現出される(
図74(H))。
図74(H)では、2回目の台詞演出として、再びキャラAが表示されるとともに、キャラAによる「近い!」という文字列(台詞)が表示される。この台詞演出は、現変動または将来の変動において、おそらくは遊技者に有利な事象の発生が「近い」ことを示唆している(この時点では期待度が比較的高く、期待度は20%である)。
【0557】
2回目の台詞演出の終了後には、
図74(I)に示すように、操作要求演出が現出されて、PUSHボタン画像の表示が行われる。このとき、演出ボタン3jの押下操作が行われるか、操作有効期間が経過すると、
図74(J)に遷移する。本例では、この操作要求演出が成功結果で終わるものとし、この成功結果によって、具体的には、先読み演出のターゲット保留である第1保留アイコン761の表示態様が、「赤色」から「星マーク」に格上げされる(
図74(J)参照)。
【0558】
図74(J)では、当該変動のメイン装飾図柄710がハズレ態様「462」で停止表示される。その後、保留アイコン760が1つ左側に詰められて、次変動が開始する(
図74(K))。このとき、先読み演出のターゲット保留の保留アイコンは、第1保留アイコン761から当該変動アイコン760に移動する。
【0559】
図74(K)は、先読み演出の実行契機となったターゲット変動の変動が開始されたときの画像表示領域700を表している。
図74(K)では、当該変動アイコン750の表示態様が「星マーク」から「熱文字」に格上げされている。これは、ターゲット変動の変動開始時に、更なるアイコン変化が行われたためである。ターゲット変動はその後、メイン装飾図柄710によってリーチ状態が成立し(
図74(L))、SPリーチ演出「決着の刻」に発展する(
図74(M))。なお、
図74(L)では、遊技球の始動口への入球によって保留2が追加されている。
【0560】
図74(M)から開始されたSPリーチ演出においては、可動役物演出(
図74(O))が複合されたテロップ演出が現出される(
図74(N)~
図74(P))。
図74(M)~
図74(P)の画面遷移については、
図71(B)~
図71(G)の画面遷移と共通する点が多いため、詳細な説明を省略する。
【0561】
但し、
図71(B)~
図71(G)には図示されなかった点として、
図74(M)以降では、画像表示領域700において、サブ装飾図柄720の表示の下に、保留数表示770の表示が開始される。保留数表示770は、演出表示装置70(画像表示領域700)の画面端に、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留数を、数字等を用いて小さく表示するものである(本例では第2特別図柄は省略している)。この保留数表示770は、少なくとも、保留変動が存在しながらも保留アイコン表示760が行われない期間に表示される。また、保留数表示770の表示優先度は高く、エラー表示(扉開放エラー(低重要度エラー種別)や磁石センサエラー(高重要度エラー種別)が発生した場合のエラー表示)とは重複表示されず、また、図柄擬似停止演出における特定の画像処理(フェードアウト、暗転等)の実施によっても表示上の影響を受けないとする(つまり、保留数表示770については、特定の画像処理の対象とならない)。
図74の場合は、SPリーチ演出の開始後は、画像表示領域700の略全体に演出の動画像が表示されることによって、保留アイコン760の表示領域が隠されてしまう、又は、非表示(消去)とされてしまう。このため、保留アイコン760の表示に代えて、保留数表示770が表示される。但し、前述したとおり、保留数表示770は、SPリーチ演出中であるかどうかに限らず常に表示されたり、装飾役物781,782が作動中であるかどうかに限らず常に表示されたりしてよいし、特別図柄の変動中だけでなく特別図柄の停止中にも常時表示されてもよい。
【0562】
そして
図74(P)では、味方キャラクタであるキャラAの勝利を想起させる画像が表示され、その後、
図74(Q)において、メイン装飾図柄710が大当り態様(本例では「777」)で停止表示されることで、ターゲット変動の大当りが示される。
【0563】
以上、
図74に示したように、パチンコ機1では、先読み演出と文字演出とが複合された演出パターンを実行することができる。なお、
図74では、ターゲット保留が大当りに係る保留となる場合のみを示したが、ターゲット保留に対する先読み演出による事前判定の結果がハズレであった場合にも、同様に、先読み演出と文字演出とを複合した演出を実行可能である。
【0564】
図74の演出例では、台詞演出は先読み演出の実行期間(
図74(B)~
図74(K))に現出されるが、テロップ演出は先読み演出の終了後(つまりは当該変動)にしか現出されない。なお、台詞演出については、先読み演出の終了後(つまりは当該変動)でも実行可能とする。これは、先読み演出の開始からターゲット変動に到達するまでの間の変動では、SPリーチ演出が実行されない制御仕様(もしくは、ターゲット変動に到達するまでの間の変動全てがSPリーチ演出に発展しない変動である場合に限り、先読み演出を実行可能する制御仕様)とし、台詞演出またはテロップ演出を現出可能なタイミングをSPリーチ演出に発展するタイミングの前後と設定したためである(SPリーチ演出をリーチ成立に置き換えてもよい)。この場合、SPリーチ演出の発展前に現出可能な台詞演出は、ハズレ変動であっても現出可能な仕様とすれば、先読み演出中でも現出できる一方、SPリーチ演出中に現出可能なテロップ演出は、先読み演出中には現出されないこととなる。すなわち、本実施形態において文字演出(テロップ演出、台詞演出)と先読み演出とを組合せて実行する場合には、先読み演出(出現した時点で極めて高い期待度を示唆する、一部の先読み演出に限定してもよい)の実行中は、台詞演出の現出は許容されるが、テロップ演出の現出は許容されないように構成することができる。
【0565】
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、文字演出(テロップ演出、台詞演出)と先読み演出とを組合せて実行する場合に、以下のような特徴を有するよう構成されてもよい。
【0566】
まず、台詞演出による表示(特に台詞表示)は、保留アイコン表示と重複して実行可能であるが、テロップ演出による表示(特にテロップ表示)は、保留アイコン表示と重複して実行できないよう構成してもよい。このような構成とするため、例えば、SPリーチ演出発展前(高速変動中、リーチ成立直後など)のように台詞演出が現出され得る期間では、保留アイコンを表示する(
図74(E)参照)一方で、SPリーチ演出発展後のようにテロップ演出が現出され得る期間では、保留アイコンを非表示とするようにすればよい(
図74(N)参照)。もしくは、保留アイコンの表示領域と、テロップ演出の表示領域とを、異なる領域に設定するよう構成してもよい。
【0567】
また、テロップ演出を実行する際は、保留アイコン表示を表示できない代わりに、保留数表示770の表示を行うようにして、保留数に対する視認性を担保するようにしてもよい(
図74(N)参照)。
【0568】
なお、本実施形態に係るパチンコ機1では、文字演出(台詞演出、テロップ演出)における文字色の変化だけでなく、上述した先読み演出によるアイコン変化のように、遊技結果または遊技展開に対する期待度を表示態様によって示唆する様々な「予告表示演出」を実行可能である。このような予告表示演出において期待度示唆を行う要素(色、文字、模様など)を属性と呼ぶとき、本実施形態に係るパチンコ機1は、文字演出(例えば、台詞演出)以外の予告表示演出(例えば、先読み演出によるアイコン変化)における属性種類が、文字演出(例えば台詞演出)の属性種類よりも多くなるように構成してもよい。具体的には例えば、台詞演出における属性種類(文字列の文字色)を、白、青、赤、金、虹の5種類に限定するのに対し、上記のアイコン変化演出における属性種類(アイコンの表示色)を、白、青、黄、緑、赤、紫、金、虹の8種類とする、といった構成が考えられる。なお、上記説明では、台詞演出について述べたが、文字演出であるテロップ演出にも置き換え可能である。
【0569】
<6-5.演出モードとの関係>
本実施形態に係るパチンコ機1では、実行され得る演出の組合せが異なる複数種類の演出モードが用意されてもよい。また、その複数種類の演出モードは、所定の操作によって遊技者が選択可能としてもよいし、それ以外にも、所定条件で自動的に切り替わる(遷移する)ように構成されてもよい。
【0570】
ここで、演出モードについて説明する。本実施形態においては、複数種類の演出モードがあり、演出モードごとにいずれの種類の演出が実行され得るかが定められている。演出モードおよび演出モードにて実行される演出内容について具体的に説明すると、例えば、複数種類の演出モードとして、「通常モード」、「ラッシュモード」が設定されており、遊技状態や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種類の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。基本的には、遊技状態が通常状態(低ベース)であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が確変状態又は時短状態(高ベース)であるときは「ラッシュモード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(メイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。具体的には、「通常モード」については「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」の4つのステージを備え、20変動以上の経過又はSPリーチ演出がハズレとなることを契機に、「ステージA」から「ステージB」へ移行、「ステージB」から「ステージC」へ移行、「ステージC」から「ステージA」へ移行し、先読み予告演出判定にて「先読みステージ」の実行(移行)に当選した場合は、現在滞在しているステージから「先読みステージ」へ移行する(「先読みステージ」に移行した時点でSPリーチ演出の実行が確定し、大当りする場合は「先読みステージ」にてメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720が大当り態様にて表示され、ハズレとなる場合は「先読みステージ」にてメイン装飾図柄710及びサブ装飾図柄720がハズレ態様にて表示され、次の変動で「先読みステージ」移行前のステージに復帰する)。「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のそれぞれについてBGM(ステージBGM)が異なる(「ラッシュモード」のステージBGMとも異なる)が、「ステージA」においては、非リーチハズレ(リーチ状態を形成せずのハズレであり、例えば「351」などのバラケ目)の変動停止(確定停止)を契機にステージBGMが途切れ(終了し)、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始され、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においては、非リーチハズレの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される(「ラッシュモード」についても、同様に継続出力する構成である)。
【0571】
そしてパチンコ機1に複数の演出モードが用意されている場合、台詞演出は、演出モードに応じて異なる演出内容で現出される一方、テロップ演出は、演出モードに拘わらず同じ演出内容で現出されるよう構成されてもよい。具体的には例えば、台詞演出では、演出モードに応じたキャラクタ(例えば、演出モードAの場合はキャラA、演出モードBの場合はキャラB)の台詞(文字列)を表示する一方で、テロップ演出では、演出モードによってキャラクタを変えることなく、当該演出に対応するキャラクタの字幕(文字列)を表示する(演出モードAでもキャラBの字幕を表示したり、演出モードA,Bに依存しないキャラCを用いるようにしたりする)としてよい。
【0572】
また、パチンコ機1に複数の演出モードが用意されている場合、以下の(1)~(4)の特徴を備えて構成されてもよい。
(1)演出モードに応じてBGM(モードBGM)が異なる。
(2)所定の演出モード時は、変動停止/開始を跨いでも、モードBGMが出力される(継続する)。但し、所定の演出モード時であっても、図柄擬似停止演出において装飾図柄が再変動されるときには、モードBGMは出力されない(途切れる)。
(3)SPリーチ演出中はモードBGMが出力されず、SPリーチ演出に対応する専用のBGM(SPリーチBGM)が出力される。
(4)SPリーチ演出においてハズレ態様が示された後、装飾図柄の最終的な停止図柄の図柄組合せが表示される時には、モードBGMもSPリーチBGMも出力されない一方で、次回の変動開始を契機にモードBGMが最初から出力される。
【0573】
また、本実施形態に係るパチンコ機1は、演出モードと図柄擬似停止演出との関係について、以下に詳述するような特徴を有して構成されてもよい。
【0574】
以下では、パチンコ機1が備え得る演出モードの具体例として「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」を例に挙げて説明する。このとき、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても、後述する図柄擬似停止演出を実行可能であるが、いずれのステージにおいても、図柄擬似停止演出における仮停止時(「NEXT」図柄が仮停止表示される際)には、ステージBGMが出力されず(途切れ)、再変動(仮停止後の再度の変動)を契機にステージBGMが最初から開始される、もしくは、再変動前とは異なる特定のBGM(再変動中であることを示唆又は報知する特定のBGM)へと切り替わる。その後、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においてSPリーチ演出へ発展する場合、各ステージ(滞在していたステージ)の背景画像からSPリーチ演出の背景画像へと切り替わり(それとともにSPリーチ演出専用のBGMへと切り替わり)、SPリーチ演出実行中はステージBGMが出力されず、SPリーチ演出にてハズレを示す演出が表示されることで、SPリーチ演出が実行された変動表示内で再度各ステージの背景画像(SPリーチ演出発展前に表示していたステージの背景画像)へと切り替わるが、その状況においては、次の変動表示が開始するまで、ステージの背景画像が表示されていても、ステージBGMは出力されず、SPリーチ演出専用のBGMも出力されない(無音である、もしくは、ステージBGMともSPリーチ演出専用BGMとも異なる特定のBGMが出力される)。よって、非リーチハズレの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」であっても(そうではない「ステージA」であっても)、SPリーチ演出を経由してハズレとなった場合は、変動停止(確定停止)よりも前にステージBGMが途切れることなり、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始される。
【0575】
なお、「ラッシュモード」においては図柄擬似停止演出が実行されない。ここで、図柄擬似停止演出が実行されることを示唆する所定の示唆演出(例えば、台詞演出であり、以降の図柄擬似停止演出の実行が確定する又は実行期待度が高い「継続!」、以降の図柄擬似停止演出の実行が確定しない「継続?」などの演出)が実行されることで、以降に図柄擬似停止演出(再変動)が行われることが示唆されるが、この所定の示唆演出は、「ステージA」および「ステージC」でのみ表示され、「ステージB」および「先読みステージ」では表示されない。つまり、事前に図柄擬似停止演出が実行される可能性を察知できるステージと察知できないステージの両方を用意し、そのステージ間でステージ遷移を繰り返すことで、遊技者に対して飽きさせないような演出を実現している。なお、「ステージA」では、キャラクタAをモチーフとした所定の示唆演出を実行するが、「ステージC」では、キャラクタBをモチーフとした所定の示唆演出を実行する。また、所定の示唆演出とは異なる演出であり、発生するだけで以降に図柄擬似停止演出が実行されることが確定する擬似連確定演出(例えば、キャラクタCが出現すると必ず「継続確定!」とのカットインが表示される演出)も設けられ、更に、所定の示唆演出とも擬似連確定演出とも異なる演出であり、発生するだけで以降に図柄擬似停止演出が実行されずSPリーチ演出に発展することが確定する発展確定演出(例えば、キャラクタDが出現すると必ず「発展確定!」とのカットインが表示される演出)も設けられる。この擬似連確定演出および発展確定演出は、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても実行可能である。このように、図柄擬似停止演出が行われる場合および図柄擬似停止演出が行われない場合、所定の示唆演出、擬似連確定演出、発展確定演出を1以上組み合わせて表示させることで、図柄擬似停止演出の実行期待度、SPリーチ演出への発展期待度を多様化させることができる。なお、1回の変動表示中において、所定の示唆演出、擬似連確定演出、発展確定演出の全てが実行されてもよく、その場合、ある再変動中(例えば、再変動の1回目や2回目)においては、所定の示唆演出が実行されるパターン、擬似連確定演出が実行されるパターン、発展確定演出が実行されるパターンを備えてもよく、ここで、ある再変動中(例えば、再変動の1回目や2回目)において所定の示唆演出が実行されるパターンでは、当該ある再変動中において所定の示唆演出が実行された後に当該ある再変動中に擬似連確定演出が更に実行されてもよい。
【0576】
<7.図柄擬似停止演出の派生例>
前述した<6-2>では、
図72を参照しながら、本実施形態に係るパチンコ機1において文字演出と組合せて実行可能な図柄擬似停止演出の一例を詳述したが、以下では、本実施形態に係るパチンコ機1において実行可能なその他の図柄擬似停止演出について、第1~第4の派生パターンを説明する。
【0577】
<7-1.第1の派生パターン>
図柄擬似停止演出の第1の派生パターンは、以下の(1)~(6)の特徴を備えて構成される。
【0578】
(1)発展演出(例えばSPリーチ演出)が表示される変動において、図柄擬似停止演出による図柄擬似停止後の装飾図柄の再変動中(以後、単に再変動中と称する)に第1予告演出が実行された場合には、発展演出表示前に更なる再変動が実行されないことが確定的となる。第1予告演出は、例えば、SPリーチ発展の直前に発生する予告演出であって、具体的には、何れも高い期待度を示唆する、「次回予告」の文字列を表示する予告演出や、「激熱」の文字列を含む背景画像を表示する予告演出等に相当する。また、テロップ演出も第3予告演出に含まれる。
【0579】
(2)発展演出が表示される変動において、再変動中に第2予告演出が実行された場合には、発展演出表示前に更なる再変動が実行される場合がある。第2予告演出は、例えば、ステップアップ予告、演出ボタンの連打操作に応じて敵を撃破するといった操作要求演出、または当該変動のアイコン変化演出等に相当する。また、台詞演出も第2予告演出に含まれる。
【0580】
(3)発展演出が表示される変動において、再変動中に第3予告演出が実行された場合には、発展演出表示前に更なる再変動が実行されることが確定的となる。第3予告演出は、例えば、擬似連変動の継続や発展演出への高い期待度を示唆する所定の予告演出に相当し、具体的には、「継続!」等の文字列を表示する台詞演出や、画面隅に「NEXT」と記載されたアイコンが出現するといったアイコン表示予告等に相当する。
【0581】
(4)同一変動内の再変動中には、第1予告演出が実行される場合もあれば、第2予告演出が実行される場合もある。具体的には例えば、2回目の図柄擬似停止後の擬似連変動中(擬似連3回目)に、「次回予告」(第1予告演出)が発生することもあれば、ステップアップ予告(第2予告演出)が発生することもある。
【0582】
(5)同一変動内の再変動中に第2予告演出が実行され、その後、第3予告演出が実行される演出パターンを有する。具体的には例えば、擬似連2回目にステップアップ予告(第2予告演出)が発生し、その後の何れかのタイミング(擬似連3回目以降)に「NEXT」アイコンの表示予告(第3予告演出)が発生することがある。
【0583】
(6)所定回の図柄擬似停止の後に、図柄擬似停止演出による更なる再変動(擬似連)が実行されない場合の方が、上記更なる再変動(擬似連)が実行される場合よりも、以降のリーチ成立状態において実行可能な演出の候補数が多い。具体的には例えば、図柄擬似停止演出が擬似連2回目で終了した場合は、擬似連3回目まで続いた場合には選択されない弱リーチ演出(ノーマルリーチ演出)が選択され得る、とすることができる。また例えば、擬似連3回目で終了した場合は、様々なSPリーチ演出が選択可能であるが、上限の擬似連4回目まで到達した場合は、全回転リーチしか選択されない、等とすることができる。
【0584】
<7-2.第2の派生パターン>
図柄擬似停止演出の第2の派生パターンは、上記の第1の派生パターンで示した(1)~(4)の特徴に加え、以下の(7)の特徴を備えて構成される。
【0585】
(7)同一変動において、第4予告演出が実行された後に再変動が実行される場合、当該再変動の実行中には、再度同じ第4予告演出は実行されない。第4予告演出は、例えば、発生頻度が極めて低く設定され、遊技結果に対する極めて高い期待度を示唆する、所謂プレミア予告演出に相当し、具体的には例えば、変動開始時のプレミア音声の出力や、プレミアステージへのステージ変化演出、1変動中に複数回出現しないプレミア演出等に相当する。
【0586】
<7-3.第3の派生パターン>
図柄擬似停止演出の第3の派生パターンは、以下の(8)~(10)の特徴を備えて構成される。
【0587】
(8)ターゲット変動内において再変動が行われるか否かの期待度は、ターゲット変動よりも先に実行される先行変動内で実行される特殊演出(例えば先読み演出による予告演出)の演出内容に応じて異なる。具体的には例えば、先行変動において、先読み演出による保留アイコン変化でターゲット保留の保留アイコンが通常態様(例えば白色点灯表示)とは異なる「赤色点灯表示」に変更された場合の方が、同保留アイコン変化でターゲット保留の保留アイコンが通常態様とは異なる「白色点滅表示」に変更された場合よりも、ターゲット変動における図柄擬似停止演出による図柄擬似停止の継続期待度(擬似連回数が多くなる期待度)が高い、とすることができる。なお、保留アイコンの期待度順は、白色点灯表示、白色点滅表示、赤色点灯表示の順である。また例えば、先行変動において、先読み演出によるアイコン表示予告で「NEXT」アイコンが表示された方が、同アイコン表示予告で「リーチ?」アイコンが表示された場合よりも、ターゲット変動における図柄擬似停止演出による図柄擬似停止の継続期待度が高い、とすることができる。
【0588】
(9)ターゲット変動において実行され、再変動が行われるか否かを示唆する所定の示唆演出は、所定条件を充足するまではその実行が規制される。上記所定の示唆演出は、例えば、ある演出モードに限定された予告演出で、具体的には例えば、演出モードに対応するキャラクタ(その演出モードでしか出現しないキャラクタ)が「継続?」や「継続!」の看板を見せることによって擬似連変動の継続に対する期待度を示唆する予告演出や、ステージに対応した専用図柄を用いた図柄擬似停止演出等に相当する。そして、所定条件を充足するとは、演出ボタンを押下する、演出ボタンの操作有効期間が終了する、または規定された演出表示時間に到達する、等に相当する。
【0589】
(10)複数種類の演出モードを有し、特定の演出モードにおいては、再変動は実行可能とするが、上記所定の示唆演出は実行されない。例えば、図柄擬似停止演出を実行可能な演出モードBでは実行可能な上記所定の示唆演出を、図柄擬似停止演出を実行可能な演出モードAにおいては実行されないことを意味する。
【0590】
<7-4.第4の派生パターン>
図柄擬似停止演出の第4の派生パターンは、以下の(11)~(14)の特徴を備えて構成される。
【0591】
(11)先読み演出が実行された場合のターゲット変動における特定演出(例えば台詞演出)の内容に応じて、ターゲット変動における図柄擬似停止演出の再変動(擬似連回数の多さ)への期待度が異なる。例えば、上記台詞演出において、高期待度の文字色で文字列表示が行われる等した場合に、ターゲット変動における多数回の図柄擬似停止(擬似連)への期待度が高くなるよう構成することができる。
【0592】
(12)先読み演出が実行された場合に、ターゲット変動の先行変動において特殊演出(例えば、装飾図柄が特定の図柄揃いの「チャンス目」で停止し得る演出であり、例えば、「123」や「456」などの順目や、「321」や「654」などの逆順目の図柄揃い)の内容に応じて、ターゲット変動における再変動(擬似連回数の多さ)への期待度が異なる。すなわち、先行変動において上記チャンス目が停止した場合には、上記チャンス目が停止しなかった場合よりも、ターゲット変動における多数回の図柄擬似停止(擬似連)への期待度が高くなるよう構成することができる。また、先行変動において上記チャンス目のうち逆順目のチャンス目が停止した場合には、先行変動において上記チャンス目のうち順目のチャンス目が停止した場合よりも、ターゲット変動における多数回の図柄擬似停止(擬似連)への期待度が高くなるよう構成することができる。
【0593】
(13)ターゲット変動において、再変動を示唆する所定の示唆演出は、所定条件を充足するまではその実行が規制される。上記所定の示唆演出は、例えば、図柄擬似停止演出中に演出ボタンの押下を要求し、その押下を契機として、再変動の期待度を示唆する「NEXT?」や「NEXT!」の表示が行われる操作要求演出に相当する。そして、所定条件を充足するとは、演出ボタンを押下する、演出ボタンの操作有効期間が終了する、または規定された演出表示時間に到達する、等に相当する。
【0594】
(14)複数種類の演出モードを有し、特定の演出モードにおいては、再変動を示唆する所定の示唆演出が実行されない。
【0595】
<8.抑制機能>
本実施形態に係る遊技機(パチンコ機1)に搭載可能な抑制機能について説明する。詳細は後述するが、「抑制機能」は、遊技機において所定の計数値「MY」が予め定められた規定値に達した場合に、遊技を停止且つ報知する機能をいう。MYカウンタは、MYを計数するためのカウンタである。「MY」は、「MY=セーフ数(賞球予定数)-アウト数(遊技済み球数)」の関係式で表される計数値であり、セーフ数とアウト数との差球数に基づく計数値であり、遊技者に付与される遊技価値数(遊技者の持ち球または遊技機の出玉)を示す指標である。抑制機能は主制御基板100によって管理され、抑制機能に関するデータ(例えばMYカウンタ)も主制御基板100内の記憶領域に格納される。そして抑制機能に関連して実行される抑制機能関連演出は、主制御基板100から通知される情報に基づいて、演出制御基板200が実行する。
【0596】
MYカウンタのカウント値が所定の閾値(後述の規定値=「95000」)に達したこと、すなわち、後述の抑制機能作動条件を充足したこと示すフラグとして、抑制機能作動フラグを備えている。抑制機能作動フラグは、抑制機能作動条件を充足したときにONとなる。また、抑制機能作動フラグは、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源投入が行われたときにOFFとなる。なお、遊技球が各入賞口又はアウト口に入球した場合にMYカウンタの更新(加減算)が行われる。具体的には、MYカウンタのカウント値にセーフ数を加算する。「セーフ数」とは、各入賞口への遊技球の入球に基づき、賞球として払い出されることが予定される遊技球(セーフ球)の個数、つまり賞球予定数を意味する。つまり、セーフ数は、賞球払出ユニット34から実際に払い出された実賞球数ではなく、払い出しを行わせることを決定した賞球予定数である。MYカウンタは、第1始動口に遊技球が1個入球した場合、第1始動口に遊技球が1個入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「3」を加算する。また、MYカウンタは、第2始動口に遊技球が1個入球した場合、第2始動口に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「1」を加算する。また、MYカウンタは、一般入賞口に遊技球が1個入球した場合、一般入賞口に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「3」を加算する。また、MYカウンタは、大入賞口に遊技球が1個入球した場合、大入賞口に遊技球が入球したときに払い出される予定のセーフ数(賞球予定数)として「15」を加算する。また、MYカウンタのカウント値からアウト数を減算する。「アウト数」とは、遊技領域に打ち出されて遊技に使用された遊技球(アウト球)の個数、つまり、遊技領域の各入賞口(第1始動口、第2始動口、一般入賞口、大入賞口など)またはアウト口に入球して遊技盤の裏面側に排出された遊技球(アウト球)の個数である。MYカウンタは、アウト口に遊技球が1球入球(アウト球、遊技済み球と称する)する毎に、アウト数として「1」を減算する。但し、MYカウンタが「0」である場合には、アウト球(遊技済み球)が検出されたとしても、MYカウンタは減算されない。つまり、MYカウンタのカウント値は「0」未満の数値(マイナスの数値)にはならず、MYカウンタのカウント値が「0」である状況においてアウト球(遊技済み球)が発生したとしても、そのアウト数に応じた数値は減算されず、MYカウンタのカウント値は「0」を維持する。なお、MYカウンタを更新する毎に、MYカウンタのカウント値を特定するための演出コマンド(「差球数信号」と称する)を生成・出力する。この差球数信号に基づき、後述の抑制機能関連演出(事前報知演出、抑制報知演出)を実行する。
【0597】
図75は、MYカウンタの計数方法を説明するための図である。
図75(A)は、MYカウンタのカウント値を概念的に示す図であり、横軸は時間軸を示し、縦軸はMYカウンタのカウント値を示している。
図75(B)は、
図75(A)の時系列に対応する形で差球数の実累積値を概念的に示す図であり、横軸は時間軸を示し、縦軸は差球数の実累積値を示している。
図75(A)には、上述した制御に基づいてMYカウンタのカウント値が所定の閾値(規定値=「95000」)に到達するまでの時系列変化の一例が示されている。そして、
図75(A)と
図75(B)との関係によれば、遊技の途中で差球数の実累積値がマイナス値を更新するような場合でも、差球数の実累積値が所定の閾値(規定値=「95000」)に到達した際にはMYカウンタのカウント値が正確に当該規定値を計数できることが表される。
【0598】
MYカウンタのカウント値が予め定められた所定の閾値(「規定値」と称する)に到達することを契機に抑制機能が作動する。すなわち、抑制機能の作動条件(「抑制機能作動条件」と称する)は、MYカウンタのカウント値が規定値に到達することである。規定値として「95000」が設定されており、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することを契機に抑制機能作動条件が成立する。なお、前述したように、抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能作動フラグがONとなる。また、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能が解除されるまでの間に(抑制機能作動フラグがOFFとなるまでの間に)、セーフ球およびアウト球が発生したとしても、MYカウンタのカウント値は更新(加減算)されず、MYカウンタのカウント値は規定値「95000」を維持する。つまり、MYカウンタとしての上限値は「95000」であり、MYが「95000」を超過したとしてもMYカウンタの値は「95000」から更新されることはない。補足するならば、MYが「95000」に到達または超過した後にMYが「95000」を下回ったとしても、MYカウンタの値は「95000」から更新されることはない。換言すれば、MYが「95000」に到達する前であれば、MYの更新に連動してMYカウンタが更新することになる。なお、変形例としては、MYが「95000」を超過した場合でも、MYカウンタの値も連動して更新される、つまり「95000」を超過して更新されても良く、MYが「95000」に到達または超過した後にMYが「95000」を下回った場合でも、MYカウンタの値も連動して更新される、つまり「95000」を下回って更新されても良い。そのように構成した場合でも、MYカウンタが「95000」に到達することを契機に抑制機能作動フラグがONとなるため、抑制機能は確実に作動可能となる。別の変形例としては、MYが「95000」を超過した場合、MYカウンタの値を「95000」とした後で「0」へと切り替える(初期化(クリア)する)、且つ、MYカウンタを更新しない(「0」で固定する)よう構成しても良い。そのように構成した場合でも、MYカウンタが「95000」に到達することを契機に抑制機能作動フラグがONとなるため、抑制機能は確実に作動可能となる。
【0599】
抑制機能が作動した場合、遊技停止状態に移行して、遊技の進行が停止される。一例として、抑制機能が作動した場合、特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定などが実行されず、入球容易状態(高ベース状態とも称する)や特別遊技なども実行されなくなる。また、抑制機能が作動した場合には、発射装置の作動が規制され、発射装置の操作の如何を問わず、遊技球の発射が停止される。但し、抑制機能が作動した場合であっても、払い出すべき遊技球(抑制機能が作動する前の入賞に基づく賞球)がある場合には、払出動作は許容され、当該遊技球の払い出しは遅滞なく実行される。すなわち、MYカウンタの加算は、実際に払い出された実賞球数ではなく、これから払い出されることが予定される賞球予定数に基づき行われるため、当該賞球予定数に対応する賞球が全て払い出されていない状況下でも、当該賞球予定数の加算によりMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達している場合には、(当然に抑制機能作動条件を充足しているので)抑制機能が作動するのであるが、その場合でも当該賞球予定数のうちの残りの部分(抑制機能の作動開始時に払い出されていない残りの賞球数)の払い出しは最後までしっかり行われるようになっている。そのため、詳細は後述するが、抑制機能の作動中であっても、当該抑制機能の作動中の遊技球の払い出しを起因として、遊技機に賞球エラー(前述した遊技球払出エラー)が発生する場合があり、そのときには賞球エラーに対応するエラー報知が実行されることになる。なお、特別遊技の実行中でなくても、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となった賞球(例えば、MYカウンタのカウント値が「94998」である場合に一般入賞口への遊技球の入球により「3個」の賞球数が払いされるとき)については、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」を超える分の賞球(上記の例では残りの1個の賞球)の払い出しについても最後までしっかり行われるようになっている(但し、当然ながらそれ以降の入賞に基づいて賞球は払い出されない)。抑制機能が作動した場合に、遊技停止状態および発射停止状態に移行するが、この構成に限定されるものではなく、抑制機能が作動した場合に、遊技停止状態には移行するが、発射停止状態には移行しないように構成してもよい。
【0600】
また、特別遊技の非実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)と、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)とで、抑制機能の作動タイミングが相違する。特別遊技の非実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、この抑制機能作動条件の充足と同時又は略同時に、抑制機能が作動する。つまり、特別遊技の非実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、この抑制機能作動条件の充足時と抑制機能の作動時とが実質的に同一のタイミングとなる。特別遊技の非実行中の状況として、図柄の変動表示中に抑制機能作動条件を充足した場合には、当該変動表示がはずれの変動表示であるか大当りの変動表示であるかに関らず、抑制機能作動条件を充足した時点(MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した時点)で抑制機能が作動する。そのため、図柄の変動表示中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該変動表示が停止表示されることを待たずに(当該変動表示が停止表示される前であっても)、当該抑制機能作動条件を充足した時点で抑制機能が作動して、当該変動表示が中途段階で強制的に終了する。そのため、大当りの変動表示の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、本来であれば当該変動表示の終了後に行われる予定の特別遊技を享受できず、特別遊技において得られる利益(賞球)を獲得することはできない。その理由としては、大当りの変動表示の途中で遊技を強制停止させたとしても、この時点で遊技者は遊技の結果(大当りに当選していること)を知り得ないため、当該変動表示の途中でいきなり遊技が停止したとしても、遊技者が不満感や不信感を抱くおそれが低いからである。なお、入球容易状態において第2始動口が4秒×1回の開放している最中に、該開放状態の第2始動口への遊技球の入球に基づく賞球によりMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合でも、他の一般入賞口などへの遊技球の入球に基づく賞球によりMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合でも、当該規定値到達時に第2始動口を強制的に閉鎖させる(開放時間が残っていても閉鎖させる)ことが好適である。一方、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、特別遊技(大当り終了デモ演出が実行される大当り終了デモ期間)が終了するまでの間は抑制機能が作動せず、特別遊技(大当り終了デモ期間)の終了後に抑制機能が作動することになる。つまり、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、抑制機能作動条件の充足時から特別遊技の終了時までの間、遊技を継続することが可能となり、抑制機能作動条件の充足時と抑制機能の作動時とは実質的に異なるタイミングとなる。その理由としては、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合には、当該特別遊技を即停止させず遊技を継続させたとしても、遊技者は残りのラウンド遊技(単位遊技)において限られた個数の賞球を獲得するだけであり、遊技者が過剰な利益を獲得することにはならず(他の遊技者との不公平感が生じることはなく)、また、特別遊技の実行中にいきなり抑制機能が作動して遊技停止となると、遊技者に対して不信感や不満感を与えるおそれがあるからである。なお、変形例として、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該特別遊技の最終ラウンドの終了時までは抑制機能が作動せず、その最終ラウンドの終了後に抑制機能が作動するように構成してもよい。また、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合は、当該特別遊技の大当り終了デモ期間の開始時までは抑制機能が作動せず、その大当り終了デモ期間の開始後に抑制機能が作動するように構成してもよい。また、更なる変形例として、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したとしても(抑制機能作動条件を充足したとしても)、特別遊技が終了するまでの間(抑制機能が作動するまでの間)に、セーフ球およびアウト球が発生した場合には、MYカウンタのカウント値を更新可能に構成してもよい。その場合には、抑制機能作動条件を充足した後に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」を下回ることになったとしても(抑制機能作動条件を充足する前の状態に戻ったとしても)、当該特別遊技の終了後に抑制機能が作動する構成を適用することができる。つまり、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を一旦充足すれば、当該特別遊技が終了するまでの間にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」から増加または減少したとしても、当該特別遊技が終了したときに抑制機能の作動が確約される構成としてもよい。なお、本変形例においても、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した後、当該特別遊技が終了するまでは、大入賞口への遊技球の入球等に基づく賞球払出は可能である。
【0601】
続いて、抑制機能の解除方法について説明する。抑制機能が作動した場合は、電源投入時のRAMクリア処理により、当該抑制機能の作動を解除可能である。すなわち、抑制機能が作動した場合には、遊技機を電源断した後、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰を行うことで、抑制機能作動フラグをONからOFFに切り換えて、抑制機能の作動を解除することができる。ここで、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰とは、遊技機の電源投入時(電源復帰時)の移行モードとして、「RAMクリアモード」(RAMクリア処理が実行されるモードであり、RAMクリア処理が終了することで自動的に後述する「遊技モード」に移行する)に移行する場合の電源復帰である。また、RAMクリアを伴わない電源復帰とは、遊技機の電源投入時(電源復帰時)の移行モードとして、「遊技モード」(特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定などの遊技が可能なモード)に移行する場合の電源復帰である。なお、抑制機能が作動した場合に、遊技機を電源断した後、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、抑制機能作動フラグがONからOFFに切り換らず、抑制機能は解除されない。その場合には、電源復帰後においても抑制機能が作動して、遊技停止状態および発射停止状態が継続することになる。また、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONとなった場合)に、この特別遊技が終了する前に電源断して、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰を行った場合には、当該電源復帰時に抑制機能作動フラグがONからOFFに切り換ることで、当該電源復帰後に再開された特別遊技が終了したとしても抑制機能は作動しない。一方、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONとなった場合)に、この特別遊技が終了する前に電源断して、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰時に抑制機能作動フラグがONからOFFに切り換らないため、当該電源復帰後に再開された特別遊技が終了したときに抑制機能が作動する。
【0602】
次に、MYカウンタの初期化の方法について説明する。抑制機能作動条件を充足する前(抑制機能作動フラグがOFFのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合は、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰であっても、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であっても、当該電源復帰時にMYカウンタがクリアされる(MYカウンタが「0」になる)。つまり、抑制機能作動条件の充足前であれば、電源投入時のRAMクリアスイッチの操作の如何を問わず、遊技機の電源投入を契機に、MYカウンタはクリアされる(電断前のカウント値が消去される)。そのため、抑制機能作動条件の充足前であれば、遊技機の電源復帰時(電源投入時)の移行モードが、前述のRAMクリアモード、遊技モードのいずれであっても、当該電源復帰時にMYカウンタはクリアされることになる。一方、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグがONのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合は、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であれば、当該電源復帰時にMYカウンタはクリアされず、電断前のカウント値(95000)を引き継ぐ。また、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグがONのとき)に、遊技機を電源断および電源復帰した場合に、当該電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰であれば、当該電源復帰時にMYカウンタがクリアされる(電断前のカウント値は消去される)。変形例として、MYカウンタは、当該MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達したとき、すなわち、抑制機能作動条件を充足したときに、初期化(クリア)されるように構成してもよい。また、更なる変形例として、MYカウンタの初期化を禁止するための操作手段(「カウント継続スイッチ」と称する)を搭載してもよい。例えば、後述する事前報知演出の実行中において抑制機能作動条件を充足する前に電源断し且つRAMクリアを伴わずに電源復帰した場合であっても、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されず、電源断前のカウント値を継続するものとなる。
【0603】
次に、抑制機能に関連する外部情報信号について説明する。外部情報信号のうち、抑制機能に関連する外部情報信号(外部信号、外部情報とも称する)として、抑制機能作動前信号と、抑制機能作動信号とがある。抑制機能作動前信号は、間もなく抑制機能が作動する予定であることを示す外部情報信号である。抑制機能作動前信号は、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する前の所定の契機において、一定時間(例えば3秒間)だけ継続して出力される。所定の契機とは、MYカウンタのカウント値が特定の値(例えば90000以上且つ95000未満の任意の数値を適用可能である)に達したときである。特定の値として、例えば規定値「95000」の500個手前の値である「94500」を採用する。そのため、抑制機能作動前信号の出力開始タイミングは、後述の事前報知演出の実行開始タイミングと同一又は略同一のタイミングとはならない(実質的に同一のタイミングではない)。変形例として、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達したときに、抑制機能作動前信号を出力して、抑制機能作動前信号の出力タイミングと、後述の事前報知演出の実行タイミングとが同一又は略同一のタイミングとなるように構成してもよい(実質的に同一のタイミングとしてもよい)。抑制機能作動信号は、抑制機能が作動していることを示す外部情報信号である。抑制機能作動信号は、抑制機能が作動してから当該抑制機能の作動が解除されるまでの間、継続して出力される。つまり、この抑制機能作動信号は、抑制機能が作動したときに出力を開始し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰が行われたときに出力を停止する。そのため、抑制機能作動信号の出力開始タイミングは、抑制機能の作動開始タイミングと同一又は略同一のタイミングである(実質的に同一のタイミングである)。
【0604】
次に、抑制機能関連演出の内容について説明する。抑制機能関連演出は、事前報知演出(抑制機能作動前報知演出)と、抑制報知演出(抑制機能作動時報知演出)とを含む。事前報知演出は、抑制機能が作動する前に実行されて、間もなく抑制機能が作動する予定であることを示唆又は報知する演出である。事前報知演出は、MYカウンタのカウント値が所定値に到達することを契機に実行される。すなわち、事前報知演出の実行条件(「事前報知条件」と称する)は、MYカウンタのカウント値が所定値に到達したときに成立する。所定値として「90000」が設定されている。抑制報知の実行条件となるMYカウンタのカウント値(「95000」)である規定値は、第1規定値と称し、事前報知条件となるMYカウンタのカウント値(ここでは「90000」)である所定値は、第2規定値と称しても良い。なお、所定値は「90000」に限定されるものではなく、管理者が任意に設定可能である(但し、所定値は「90000」以下であることが好ましい)。すなわち、事前報知演出の実行条件(事前報知条件)は、管理者が任意に設定することのできる変動的な条件(流動的な条件)として設定されている。一方、規定値は「95000」に限定されており、管理者が任意に設定することはできない。すなわち、抑制機能の作動条件(抑制機能作動条件)は、遊技者が任意に設定することのできない固定的な条件として設定されている。なお、「管理者」とは、遊技機を管理する者であり、典型的には、遊技店の店員や、遊技機製造メーカーの社員などが該当する。事前報知演出は、事前報知表示演出と、事前報知音出力演出とを含む。なお、以降は特に断りがない限り、「事前報知演出」との記載は「事前報知表示演出のみ」又は「事前報知演出及び事前報知音出力演出」を指すことを補足しておく。
【0605】
事前報知表示演出は、画像表示として、「本日の出玉が95000発に到達すると抑制機能が作動します、作動後は遊技が終了となり、発射が停止します」という第1文言表示と、「作動まで残り約****発」という第2文言表示とを含む。なお、「****」は、抑制機能が作動するまでの残りのMYの数値を示している。この「****」の数値は、差球数信号に基づき更新される。第1文言表示および第2文言表示は、事前報知条件を充足してから抑制機能が作動するまでの間、継続して表示される(但し、MYカウンタのカウント値が後述の所定の下限値「89000」まで低下した場合を除く)。第1文言表示は、MYカウンタの増減等に依存することなく、この事前報知演出(事前報知表示演出)の実行中は常に固定的な文言表示となる(第1文言表示は変化しない)。一方、第2文言表示は、事前報知条件を充足したとき(MYカウンタのカウント値が規定値「90000」に達したとき)から起算して、MYカウンタのカウント値が「500」増加するごとに更新表示される。すなわち、第2文言表示は、MYカウンタのカウント値に依存する文言表示であり、所定値「90000」から「500」加算されるごとに「****」の部分が更新表示される。具体的には、まず、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達したとき、第2文言表示として「作動まで残り約5000発」という文言が表示され、MYカウンタのカウント値が「90500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約4500発」に切り替わり、MYカウンタのカウント値が「91000」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約4000発」に切り替わり、MYカウンタのカウント値が「91500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約3500発」に切り替わり、以下同様にMYカウンタのカウント値が「500」加算される毎に第2文言表示が切り替わり、最終的に、MYカウンタのカウント値が「94500」に達すると、第2文言表示が「作動まで残り約500発」に切り替わる。なお、第2文言表示を500個単位で更新表示しているが、この構成に限定されるものではなく、これとは異なる個数単位(例えば、1個単位、10個単位、100個単位、1000個単位など)で更新表示してもよい。また、事前報知表示演出は、専用の背景画像を備えておらず、第1文言表示および第2文言表示の背景には、現在の遊技状況に応じた背景画像(現在滞在しているステージに対応した背景画像であるステージ背景画像、現在実行中のリーチ演出に対応した背景画像であるリーチ背景画像、現在実行中の大当り演出に対応した背景画像である大当り中背景画像)が表示される。なお、この事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤーの優先度であり、その他画像と比して前面後面のいずれに表示するかの優先度)は、前述した現在の遊技状況に応じた背景画像およびメイン装飾図柄710の表示の優先度よりも高く、右打ち報知画像(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する文字演出)、サブ装飾図柄720、変動権利表示(保留を示すアイコン表示であり最大4個の保留に対応して最大4個まで表示可能な保留アイコンや、保留が消化されて1個目の保留アイコンが移動することで表示されるアイコン表示であり変動中であることを示す1個のみ表示可能なアイコン表示である変動アイコン)の優先度(レイヤーの優先度)よりも低く設定されている。また、遊技者により音量調整操作又は光量調整操作が行われるとき、事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)は、音量設定の調整画面(現在の音量レベルを示す画面であり音量調整操作により音量レベルを示す画像の表示態様が変化する画面、例えば音符マーク画像に現在の音量レベルを示す1~5の数字画像のいずれかを付帯させた画面であり音量調整操作により数字画像における数字が変化)および光量設定の調整画面(現在の光量レベルを示す画面であり光量調整操作により光量レベルを示す画像の表示態様が変化する画面、例えば電球マーク画像に現在の光量レベルを示す1~5の数字画像のいずれかを付帯させた画面であり光量調整操作により数字画像における数字が変化)の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも低く設定されている。また、遊技機に所定のエラーが発生したとき、事前報知表示演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)は、エラー報知画像(エラーが発生していることを報知する画像であり且つ現在発生しているエラーの種別を判別可能な表示態様にて表示される画像、例えば磁気を検知した場合は「磁気センサエラー」の文字画像を表示し、扉開放を検知した場合は「扉開放エラー」の文字画像を表示し、賞球払出が停止した場合は「遊技球払出エラー」の文字画像を表示する)の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも低く設定されている。なお、メイン装飾図柄710は事前報知表示演出と重畳表示可能であるが、表示の優先度(レイヤーの優先度)は事前報知表示演出のほうが高く設定されることが好適である。そのため、メイン装飾図柄710の変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作が実行されている最中に事前報知表示演出が実行される場合、各動作の表示と事前報知表示演出の表示とが重畳表示する一方で、事前報知表示演出のほうが表示の優先度(レイヤーの優先度)が高いため、事前報知表示演出が前面に表示されることになる。但し、サブ装飾図柄720は事前報知表示演出と重畳表示しないことが好適である。また、前述した待機中演出であるデモ演出(変動が停止しており且つ保留が存在しない状況が255秒などの所定時間継続した場合に表示される画面であり遊技待機中であることを示す待機デモ画面、待機デモ演出とも称する)は事前報知表示演出と重畳表示可能であるが、表示の優先度(レイヤーの優先度)は事前報知表示演出のほうが高く設定されることが好適である。なお、音量設定の調整画面および光量設定の調整画面、右打ち報知画像については、事前報知表示演出と重畳表示しないことが好適である。なお、音量調整操作は、十字キーの左右操作であり、右キーの操作で音量レベルを上昇させ且つ音量設定の調整画面における数字画像の数字を3から4などへと増加表示させ、左キーの操作で音量レベルを低減させ且つ音量設定の調整画面における数字画像の数字を3から2などへと減少表示させる。また、光量調整操作は、十字キーの上下操作であり、上キーの操作で光量レベルを上昇させ且つ光量設定の調整画面における数字画像の数字を3から4などへと増加表示させ、下キーの操作で光量レベルを低減させ且つ光量設定の調整画面における数字画像の数字を3から2などへと減少表示させる。
【0606】
図76,
図77は、事前報知演出の表示例(その1,その2)を示す図である。具体的には、
図76は、大当り遊技の開始直後(1ラウンド目)にMYカウンタのカウント値が「90000」に達したときの事前報知演出の表示例を示す。
図77は、大当り遊技終了後の入球容易状態においてMYカウンタのカウント値が「91000」に達したときの事前報知演出の表示例を示す。なお、
図76,
図77では、上述した説明の通り、抑制機能作動条件となるMYカウンタのカウント値である第1規定値が「95000」に設定され、事前報知条件となるMYカウンタのカウント値である第2規定値が「90000」に設定され、500個単位で第2文言表示が更新表示されるとする。
図76によれば、MYカウンタのカウント値が第2規定値に到達したことによって、事前報知演出の画像表示として第1文言表示および第2文言表示が表示されることが分かる。
図76の右下部に示された「94500pt」は、賞球カウントアップ演出が実行される累積賞球数表示に相当する。賞球カウントアップ演出は、所定の有利遊技区間における累積賞球数の表示をカウントアップして表示する演出である。賞球カウントアップ演出及び累積賞球数表示は、個々の特別遊技(例えば大当り遊技)における賞球をカウントアップ対象及び累積表示対象としてもよいし(個々の特別遊技を有利遊技区間としてもよいし)、1以上の特別遊技と特別遊技後の有利状態(具体的には例えば、確率変動状態、変動時間短縮状態、電チューサポート状態、小当りラッシュなど)における賞球をカウントアップ対象及び累積表示対象としてもよい(1以上の特別遊技と特別遊技後の有利状態とから構成される一連の遊技区間を有利遊技区間としてもよい)。
図76の場合、「94500pt」は、上記の一連の遊技区間における累積賞球数が「約94500個」であることを意味している。また、
図77によれば、
図76の状態よりもMYカウンタのカウント値が増加したことによって、事前報知演出の画像表示のうち第2文言表示が更新表示されることが分かる。
【0607】
事前報知音出力演出は、所定の事前報知音をスピーカから出力する演出である。事前報知音は、例えば、「残り****発で抑制機能が作動します」などの音声が該当する。なお、「****」は、抑制機能が作動するまでの残りのMY(差球数)の値であり、第2文言表示の「****」と一致する値である。この事前報知音は、MYカウンタのカウント値が「90000」、「90500」、「91000」、「91500」、「92000」、「92500」、「93000」、「93500」、「94000」、「94500」に達したとき、すなわち、第2文言表示が更新表示されるときに、スピーカから1回又は複数回出力される。この事前報知音の出力中、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)が無音となる。そして、事前報知音の出力後、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の非出力中は、元の演出音声(BGMや効果音など)に復帰する。変形例として、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)も同時に実行可能に構成されても良く、そのように構成した場合、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の出力中は、その他の演出音声(BGMや効果音など)の音量を低減させて出力することで事前報知音を聞きとりやすくしても良い(事前報知音の出力後、すなわち、第1文言表示および第2文言表示の表示中且つ事前報知音の非出力中は、元の音量に戻る)。
【0608】
この事前報知演出は、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したとき(抑制機能作動条件を充足したとき)に終了する。つまり、抑制機能作動条件を充足したときに、事前報知演出から抑制報知演出に切り替わる。但し、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)には、特別遊技の終了時まで事前報知演出が継続実行され、特別遊技の終了時に事前報知演出が終了して、抑制報知演出が開始される。なお、変形例として、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合(抑制機能作動条件を充足した場合)には、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したことを契機に、事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が特別遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。この特殊な文言も事前報知演出の一種であり、特殊事前報知演出(特殊事前報知表示演出)と称しても良い。また、更なる変形例としては、特別遊技の実行中は、事前報知演出が実行されないように構成してもよい。つまり、事前報知演出の実行中に特別遊技が開始された場合には、当該特別遊技が開始されたときに実行中の事前報知演出を中断し、当該特別遊技が終了したときに中断中の事前報知演出を再開するようにしてもよい。そのように構成した場合、特別遊技の終了後のMYカウンタのカウンタ値に基づく表示態様にて事前報知演出を再開することが好適である。また、特別遊技の実行中に事前報知条件を充足した場合には、当該特別遊技の実行中には事前報知演出を開始せず(当該特別遊技の終了時まで事前演出の実行を待機して)、当該特別遊技の終了後に事前報知演出を開始するように構成してもよい。そのように構成した場合、特別遊技の終了後のMYカウンタのカウンタ値に基づく表示態様にて事前報知演出を開始することが好適である。また、事前報知演出は、MYカウンタのカウント値が所定の下限値(例えば「89000」)まで低下した場合でも終了する。つまり、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知演出が開始された場合でも、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することなく、所定の下限値「89000」以下となった場合には、事前報知演出は抑制報知演出へと進展することなく終了する。ここで、事前報知演出が開始された場合に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することなく所定値「90000」未満まで低下した場合であっても、所定の下限値「89000」以下となるまでは、事前報知演出が継続実行される。なお、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達したとしても、再度の事前報知演出を実行しないようになっている。但し、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した後、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達するまでの間に、特殊条件を充足した場合には、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達することを契機に、再度の事前報知演出を実行するように構成してもよい。例えば、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、その後にMYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」よりも更に小さい数値の「80000」まで低下したことを契機に特殊条件を充足して、そこからMYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達したときに、再度の事前報知演出を実行するようにしてもよい。また別の変形例として、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合には、その後にMYカウンタのカウント値が初期値「0」まで低下したこと(アウト球があってもMYを減算しない底値になったこと、もしくはクリアされた場合)を契機に特殊条件を充足して、そこからMYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達したときに、再度の事前報知演出を実行するようにしてもよい。また、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」を下回ってから、所定の下限値「89000」まで低下する前に、いわゆる連荘抜けをした場合(連荘状態が終了した場合)には、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下していなくても、事前報知演出の実行を解除するように構成してもよい。ここで、連荘(連荘状態)とは、通常遊技状態(低ベース状態)から入球容易状態(高ベース状態)への移行契機となる初当りの発生後、通常遊技状態に戻ることなく、入球容易状態が継続している状態(初当り時を起点とし、その後、入球容易状態での大当りが連続して発生している状態)のこと、もしくは、通常状態(低確率状態)から確変状態(高確率状態)への移行契機となる初当りの発生後、通常状態に戻ることなく、確変状態が継続している状態(初当り時を起点とし、その後、確変状態での大当りが連続して発生している状態)のことである。なお、更なる変形例としては、特殊条件を必要とせず、MYカウンタのカウント値が所定の下限値「89000」まで低下した場合に、MYカウンタのカウント値が再び所定値「90000」に到達すると、再度の事前報知演出を実行するよう構成しても良い。また、第2文言表示に関しては、前述したように、MYカウンタのカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)に到達する毎に更新表示(当該閾値の差分の「500」だけ加算表示)されるが、その逆の事象として、MYカウンタのカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)を下回ったときでも更新表示(当該閾値の差分の「500」だけ減算表示)される。例えば、MYカウンタが「91000」から「90999」に減算された場合には、第2文言表示が「作動まで残り約3500発」から「作動まで残り約4000発」に更新表示(減算表示)される。但し、MYカウンタのカウント値が規定値「90000」を下回ったときでも、所定の下限値「89000」に低下するまでは、第2文言表示は更新表示されず、「作動まで残り約5000発」の表示を継続する。つまり、MYカウンタのカウント値が「90000」から「89999」に減算されたとしても、第2文言表示は「作動まで残り約5000発」の表示を継続する(所定の下限値「89000」以下となるまで継続する)。なお、変形例として、MYカウンタのカウント値が事前報知演出の更新の契機となる各閾値(90000、90500、91000、91500、92000、92500、93000、93500、94000、94500)を下回ったときには、敢えて第2文言表示を更新表示せず、現在の表示(元の表示)を継続させてもよい。なお、以下の説明においては、便宜上、第2文言表示の更新周期となるMY500個を一単位として、一連の事前報知演出のうち、MYカウンタのカウント値が「90000」~「90499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約5000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第1単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「90500」~「90999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約4500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第2単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「91000」~「91499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約4000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第3単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「91500」~「91999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約3500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第4単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「92000」~「92499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約3000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第5単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「92500」~「92999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約2500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第6単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「93000」~「93499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約2000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第7単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「93500」~「93999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約1500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第8単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「94000」~「94499」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約1000発」が表示されるときの事前報知演出)を「第9単位報知演出」と称する場合がある。また、MYカウンタのカウント値が「94500」~「94999」であるときに行われる事前報知演出(「作動まで残り約500発」が表示されるときの事前報知演出)を「第10単位報知演出」と称する場合がある。
【0609】
抑制報知演出は、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したこと、すなわち、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行したことを示唆又は報知する演出である。この抑制報知演出は、抑制機能が作動することを契機に実行される。具体的には、特別遊技の非実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合には、当該MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達したときに抑制報知演出が実行され、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した場合には、当該特別遊技の終了後に抑制報知演出が実行される。抑制報知演出は、抑制報知画像表示演出と、抑制報知音出力演出とを含む。なお、抑制報知演出の実行中は、図示省略するが、枠ランプ(枠に配置されたランプ)が赤色で全点灯表示(又は全点滅表示)されるとともに、盤ランプ(遊技盤に配置されたランプ)が消灯される。なお、変形例として、抑制報知演出の実行中は、枠ランプも盤ランプも消灯されてもよい。抑制報知表示演出は、抑制機能が作動したことを報知する専用画面(抑制画面)を表示する演出である。この抑制画面には、特殊文言表示と、特殊背景画像とが含まれる。特殊文言表示には、「本日の出玉95000発到達、抑制機能が作動しました、本日の遊技は終了となります、カードの取り忘れにご注意ください」という文言表示が含まれる。特殊背景画像は、特殊文言表示の背面に表示される特殊の背景画像であり、例えば暗転画像(ブラックアウト画像)により構成されている。この抑制画面の表示の優先度は、他のいかなる演出画像の表示の優先度よりも高く設定されており(すなわち、最優先のレイヤーとして設定されており)、この抑制画面が表示されると、他のいかなる演出画像(通常の遊技画面)も視認不能又は視認困難となる。なお、所定のエラー(例えば優先度または重要度の高いエラー)が発生した場合には、この所定のエラーに対応するエラー報知画像を抑制画面の前面に表示してもよい。抑制報知音出力演出は、抑制報知音をスピーカから出力する演出である。抑制報知音は、例えば「抑制機能が作動しました」という音声である。この抑制報知音出力演出は、抑制機能の作動中において、抑制報知音を繰り返し出力する。なお、抑制報知音出力演出は、特定のエラー音を短時間だけ出力した後に、抑制報知音を繰り返し出力する構成としてもよい。抑制報知演出は、抑制機能が解除されたときに終了する。すなわち、電源投入時にRAMクリア操作が行われることで、抑制機能が解除されるとともに、抑制報知演出が終了する。なお、抑制報知表示演出は、抑制機能が解除されるまで継続する一方で、抑制報知音出力演出は、抑制機能が作動してから所定時間(例えば10秒間)を限度として継続するものであってもよい。なお、その場合に、抑制報知演出が実行されてから所定時間(例えば10秒間)を経過する前に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源復帰後においては、抑制報知表示演出は継続して実行される一方で、抑制報知音出力演出は実行されない(上記所定時間の残りの時間があっても実行されない)ことが好適である。
【0610】
図78は、抑制報知演出の表示例を示す図である。具体的には、
図78は、MYカウンタのカウント値が、抑制機能作動条件となる第1規定値の「95000」に達したときの抑制報知演出の表示例を示す。
図78によれば、抑制機能作動条件を充足したことにより、
図76や
図77で例示された事前報知演出から抑制報知演出の表示画面(抑制画面)に表示が切り替わること、及び抑制画面の表示の優先度が最優先に設定されていることが分かる。
【0611】
なお、特別遊技の非実行中(図柄の変動表示中)において、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する(例えば、一般入賞口への入賞を契機に規定値「95000」に到達する)ことで、抑制報知演出が実行され、抑制機能が作動したことが遊技者に対して示唆又は報知される。なお、この抑制機能が作動する直前の遊技状態は入球容易状態であり、当該抑制機能が作動することを契機に当該入球容易状態が終了する。そのため、当該抑制機能の作動時に、入球容易状態を示すフラグがOFFとなり、第2始動口が開放中であればその途中で強制的に閉鎖し、当該入球容易状態での変動表示(現在実行中の変動表示)を強制的に終了する。また、特別遊技中のラウンド遊技中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達しても、当該特別遊技(大当り終了デモ期間)が終了するまでは抑制機能は作動せず、当該特別遊技(大当り終了デモ期間)の終了時まで事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行される。なお、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合には、当該特別遊技が終了するまでの間にセーフ球(賞球予定数)およびアウト球(遊技済み球)が発生したとしても、MYカウンタのカウント値は更新されない(MYカウンタのカウント値は規定値「95000」を保持する)。また、特別遊技の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合)は、当該特別遊技の終了時まで、直近の事前報知演出(第10単位報知演出:作動まで残り約500発)を継続表示するが、この構成に限定されるものではなく、例えば「大当り終了後に抑制機能が作動します」という文言表示を行ってもよいし、前述したように事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が特別遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。このように構成した場合、10ラウンド目(最終ラウンド)においても、事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行されるが、事前報知演出(第10単位報知演出)が継続実行される構成に限定されず、例えば「大当り終了後に抑制機能が作動します」という文言表示を行ってもよいし、前述したように事前報知表示演出から「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言へと切り替わり、この特殊な文言が特別遊技の終了まで継続して表示されるよう構成しても良い。その後、特別遊技が終了することを契機に、抑制報知演出が実行され、抑制機能が作動したことが遊技者に対して示唆又は報知される。
【0612】
ここで、累積賞球数表示領域には、連荘中の特別遊技において遊技球が大入賞口に入球したことに基づき現時点までに獲得した賞球数の累積値(累積賞球数)の表示が行われるのだが、この累積賞球数の値(累積賞球数表示)は、賞球カウントアップ演出(単にカウントアップ演出とも称する)の実行により更新表示される。ここで、賞球カウントアップ演出は、連荘中の特別遊技の実行中において遊技球が大入賞口に入球した場合に、累積賞球数表示領域に表示された累積賞球数の値に、大入賞口への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数の値を加算表示する演出である。遊技球が大入賞口に1個入球することで「15個」の賞球が払い出される仕様(大入賞口の単位賞球数が15個)であるため、遊技球が大入賞口に入球した場合には、累積賞球数表示領域に表示された累積賞球数の値は「15個」単位でカウントアップ表示される(累積賞球数の値に「15」が加算表示される賞球カウントアップ演出が行われる)。ここで、累積賞球数表示領域は、5桁の数値を表示可能であり、より詳細には、累積賞球数表示として「0」~「99999」までの10万通りの数値を表示可能である。そのため、累積賞球数表示の上限値は、「99999」となる。このとき、累積賞球数表示が上限値の「99999」に達している場合には、遊技球が大入賞口に入球したとしても、累積賞球数表示は変化せず、上限値の「99999」を維持する。このように、累積賞球数表示の上限値「99999」は、MYの上限値となる規定値「95000」よりも大きな数値として設定されている。つまり、事前報知演出にて事前報知されるMYの規定値「95000」よりも、上限値「99999」に達したときの累積賞球数表示の方が大きな値を取り得ることで、遊技者の獲得賞球数がMYの規定値「95000」を超えたことを的確に報知することができ、遊技者に満足感や達成感を与えることが可能となる。また、累積賞球数表示はアウト球を考慮しない数値であり、MYの規定値「95000」を超過する数値を取り得るため、上限値「99999」まで表示可能に構成することが好適である。変形例として、累積賞球数表示が上限値の「99999」に達した場合でも、遊技球が大入賞口に入球した場合には、擬似的な賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示の可変表示)を実行してもよい。擬似的な賞球数カウントアップ演出としては、例えば、99999→91111→92222→93333→・・・→98888→99999、といったように、最初の値(99999)と最後の値(99999)とを同一としながらも、その間の数値をランダムに可変表示することで、あたかも累積賞球数がカウントアップ表示されているように見せてもよい。更なる変形例として、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した場合に、新たな賞球払出が発生したときは(遊技球が大入賞に入球したときは)、累積賞球数表示として「FFFFF」を表示して、当該累積賞球数表示が表示の限界を超えていること(オーバフローした状態であること)を示唆又は報知してもよい。更なる変形例としては、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した場合、又は、累積賞球数表示が上限値「99999」に達した以降に新たな賞球払出が発生したときは、「FFFFF」の表示へと切り替え(以降は「99999」の表示を行わず)、その後に新たな賞球払出があっても無くても「FFFFF」の表示を常に維持するよう構成しても良い。更なる変形例として、累積賞球数表示の上限値をMYの規定値「95000」の1個手前の数値である「94999」に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよい。変形例としては、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。また、同様に、累積賞球数表示の上限値をMYの規定値「95000」と同数の数値である「95000」に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよく、そのように構成した場合も、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。更なる変形例として、遊技者に過度の射幸心を煽るのを防止すべく、累積賞球数表示の上限値を規定値「95000」よりも十分に小さい数値(例えば「50000」)に設定し、その数値を超えた場合には「限界達成」の文字画像を表示して、それ以降は累積賞球数表示を更新表示せず、「限界突破」の文字画像を継続して表示するように構成してもよい。そのように構成した場合も、その数値を超えた場合には、累積賞球数表示を非表示として、その代わりに累積賞球数表示が表示されていた表示領域に「限界突破」の文字画像を表示するように構成してもよい。このように「限界突破」の表示条件については適宜設定可能であるが、「限界突破」が表示されている最中は、累積賞球数の値が特定値であったとしても強調演出(特別遊技の実行中に大入賞口へ遊技球が入球することを契機に、累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達したことを報知する演出であり、前述した強調表示を表示する演出)を実行しないことが好適である。また、累積賞球数表示が上限値に到達して、その後に更なる大入賞口への入球があった場合、当該累積賞球表示は上限値を超えた数値を表示しない一方で、MYカウンタのカウント値は加算されるよう構成されている。
【0613】
強調演出は、特別遊技の実行中に大入賞口へ遊技球が入球することを契機に、累積賞球数の値が予め定められた特定値に到達したことを報知する演出であり、累積賞球数表示とは別に、特定値に対応する賞球数表示(例えば、累積賞球数表示よりも大きなサイズで表示する「2500」や「35000」といった賞球数表示であり、累積賞球数表示とは異なりカウントアップ演出が実行されずに「2500」や「35000」といった2500の倍数である固定値を一定時間表示してその後消去する演出)を、累積賞球数表示と同時に実行可能とする演出である。ここで、強調演出においては、「2500GET」や「35000GET」のように、数値以外に特定の文字を付記するよう構成してもよい。特定値とは、所定賞球数(2500個)の倍数値に対応する数値であり、「2500」、「5000」、「7500」、「10000」、「12500」・・・といった具合に、2500個単位で設定されている。所定賞球数の値「2500」は、MYの規定値「95000」から所定値「90000」を減算した差分値「5000」よりも小さい数値に設定されている。それにより、連荘中における特別遊技の実行中の大入賞口への入球を契機として更新されるMYカウンタのカウント値が予定値「90000」に到達してから規定値「95000」に到達するまでの間、すなわち、事前報知演出が開始されてから抑制機能が作動するまでの間に、累積賞球数の値が少なくとも1回は特定値(所定賞球数の倍数値)に到達して、強調演出が必ず1回は実行されることになる。それにより、抑制機能が作動する直前の状況であっても、少なくとも1回の強調演出の実行を確実に担保することができるとともに、遊技者に満足感や達成感を与えることができる。
【0614】
特別遊技の実行中における賞球カウントアップ演出の実行中に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続する。すなわち、賞球カウントアップ演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONになった場合)でも、特別遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の賞球カウントアップ演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の賞球カウンタアップ演出を完結させる(最後まで実行する)。なお、詳細は後述するが、1個目の大入賞口への遊技球の入球に基づく先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の大入賞口への遊技球の入球(MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞)に基づく後の賞球カウントアップ演出が実行される場合には、先の賞球カウントアップ演出と後の賞球カウントアップ演出とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ演出として構成されているため、賞球カウントアップ演出の実行中に抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続可能となる。それにより、賞球カウントアップ演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合は、遊技を即停止させるわけではなく(抑制機能を即作動させるわけではなく)、そのまま特別遊技を継続させることになるため、賞球カウントアップ演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って賞球カウントアップ演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞が「大入賞口への遊技球の入球」となっているが、この構成に限定されるものではなく、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達する契機となる入賞が「一般入賞口への遊技球の入球」であってもよい。
【0615】
特別遊技の実行中において、賞球カウントアップ演出の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続するように構成されている。すなわち、賞球カウントアップ演出の実行中に事前報知条件を充足した場合(事前報知演出の実行が開始された場合)でも、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の賞球カウントアップ演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の賞球カウンタアップ演出を完結させる(最後まで実行する)。この場合、特別遊技の実行中において事前報知条件を充足し且つ抑制機能作動条件を充足しなかった場合は、特別遊技の実行中だけでなく特別遊技が終了しても抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、特別遊技の実行中及び終了後に亘って事前報知演出が実行されることになる。なお、詳細は後述するが、1個目の大入賞口への遊技球の入球に基づく先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の大入賞口への遊技球の入球(MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞)に基づく後の賞球カウントアップ演出が実行される場合には、先の賞球カウントアップ演出と後の賞球カウントアップ演出とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ演出として構成されているため、賞球カウントアップ演出の実行中に事前報知条件を充足したとしても、実行中の賞球カウントアップ演出を中断することなく、当該実行中の賞球カウントアップ演出を継続可能となる。それにより、賞球カウントアップ演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達した場合でも、抑制機能が作動するまでの間は、そのまま特別遊技を継続させることになるため、賞球カウントアップ演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って賞球カウントアップ演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、賞球カウントアップ演出と事前報知演出とが重畳表示される場合には、賞球カウントアップ演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも事前報知演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)の方が高く、賞球カウントアップ演出よりも事前報知演出の方が前面側に表示される。なお、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞が「大入賞口への遊技球の入球」となっているが、この構成に限定されるものではなく、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達する契機となる入賞が「一般入賞口への遊技球の入球」であってもよい。
【0616】
特別遊技の実行中における強調演出の実行中に、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して抑制機能作動条件を充足したとしても、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続する。すなわち、強調演出の実行中に抑制機能作動条件を充足した場合(抑制機能作動フラグがONになった場合)でも、特別遊技の終了時までは抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の強調演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の強調演出を完結させる(最後まで実行する)。それにより、強調演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達した場合は、遊技を即停止させるわけではなく(抑制機能を即作動させるわけではなく)、そのまま特別遊技を継続させることになるため、強調演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って強調演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。
【0617】
特別遊技の実行中において、強調演出の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達して事前報知条件を充足したとしても、実行中の強調演出を中断することなく、当該実行中の強調演出を継続するように構成されている。すなわち、強調演出の実行中に事前報知条件を充足した場合(事前報知演出の実行が開始された場合)でも、そのまま特別遊技を継続させるため、実行中の強調演出を途中で打ち切ることはせず、実行中の強調演出を完結させる(最後まで実行する)。この場合、特別遊技の実行中において事前報知条件を充足し且つ抑制機能作動条件を充足しなかった場合は、特別遊技の実行中だけでなく特別遊技が終了しても抑制機能を作動させず(抑制画面を表示させず)、特別遊技の実行中及び終了後に亘って事前報知演出が実行されることになる。それにより、強調演出を中断させることなく最後まで遊技者に見せることができるため、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達した後においても、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。つまり、特別遊技の実行中にMYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達した場合でも、抑制機能が作動するまでの間は、そのまま特別遊技を継続させることになるため、強調演出の実行を許容したとしても特に実害が生じることはなく、却って強調演出の実行が阻害されると、遊技者の遊技意欲が減殺されるおそれがあるからである。なお、強調演出と事前報知演出とが重畳表示される場合には、強調演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも事前報知演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)の方が高く、強調演出よりも事前報知演出の方が前面側に表示される。
【0618】
賞球1個分のカウントアップ表示の時間(「N」から「N+1」へのカウントアップ表示に要する時間)は、「0.03秒」に設定されている。つまり、累積賞球数表示領域に表示された累計賞球数の値は、「0.03秒」刻みでカウントアップ表示される。そのため、大入賞口へ遊技球が1個入球することで行われる賞球カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口へ遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出される。つまり、この賞球カウントアップ演出の実行時間(1回の賞球カウントアップ演出を開始してから終了するまでの時間値)は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。強調演出の実行時間(表示開始してから表示終了するまでの期間)は、累積賞球数の強調表示(拡大表示画像)の表示が開始されてから終了するまでの時間値であり、累積賞球数の値がいずれの特定値(2500、5000、7500、10000…)に到達した場合でも、強調演出の実行時間は「3秒」に設定されている。この強調演出の実行時間(3秒)は、大入賞口への遊技球1個の入球に対応する賞球カウントアップ演出の実行時間(0.45秒)よりも長時間に設定されている。そのため、大入賞口へ遊技球が1個入球することを契機に累積賞球数の値が特定値に到達する場合、賞球カウントアップ演出と強調演出とが同時又は略同時に実行されることになるが、強調演出の実行時間を大入賞口への遊技球1個の入球に対応して行われる賞球カウントアップ演出の実行時間よりも長時間に設定することで、強調演出と賞球カウントアップ演出とが同時又は略同時に実行された場合でも、希少性の高い強調演出を目立たせることができ、強調演出が発生したときの遊技者の満足感や達成感を一層向上させることができる。なお、強調演出と賞球カウントアップ演出とが重畳表示される場合には、賞球カウントアップ演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)よりも強調演出の表示の優先度(レイヤーの優先度)の方が高く、賞球カウントアップ演出よりも強調演出の方が前面側に表示される。また、ラウンド間時間(N回目のラウンド遊技が終了することで大入賞口が閉鎖し、その閉鎖状態をN+1回目のラウンド遊技が開始するまでに維持する時間)は、大入賞口への遊技球1個の入球に対応する賞球カウントアップ演出の実行時間(0.45秒)よりも長く、強調演出の実行時間(3秒)よりも短い時間(例えば、1.5秒)に設定してもよい。
【0619】
事前報知演出の実行時間は、1回の事前報知演出が開始されてから終了するまでの時間値であり、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達したときから規定値「95000」に達するまでの時間値となる。但し、この事前報知演出の実行時間には、MYカウンタが所定値「90000」に達した後に、規定値「95000」に到達することなく、所定の下限値「89000」以下となった場合の事前報知演出の実行時間は含めない。つまり、ここでの事前報知演出の実行時間とは、事前報知演出が規定値到達により完結する場合の実行時間である。この事前報知演出の実行時間は、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」から「5000(95000-90000=5000)」個増加するまでの時間値であり、この5000個分の増加には、複数回分の特別遊技にて得られる賞球数(例えば10R大当りの場合には約1500個×3回以上)を必要とするため、基本的には、1回の事前報知演出が開始されてから終了するまでには複数回分の特別遊技の実行時間を要することになる。そのため、事前報知演出の実行時間は、強調演出の実行時間(3秒間)よりも著しく長時間となる。従って、事前報知演出と強調演出とが重複実行されたとしても、一時的な表示である強調演出よりも継続的な表示である事前報知演出を優先的に目立たせて、事前演出への遊技者の注目度を向上させることができるため、現在の遊技状況(抑制機能が間もなく作動する予定であること)を確実に遊技者に把握させることが可能となる。ここで説明した事前報知演出は事前報知表示演出であるが、事前報知音出力演出の実行時間(例えば、5秒間の音声出力)と比較しても同様の関係となる。また、事前報知演出は、前述したように、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」から「500」加算される毎に更新表示され、第1単位報知演出→第2単位報知演出→第3単位報知演出→・・・→第10単位報知演出という順に進展するが、この事前報知演出を構成する第1単位報知演出から第10単位報知演出のうちのいずれの単位報知演出の実行時間についても、強調演出の実行時間(3秒)よりも長時間となる。つまり、各単位報知演出の実行時間は、MYカウンタのカウント値が「500」個増加するまでの時間値であり、この500個分の増加には、複数回分のラウンド遊技にて得られる賞球数(例えば約150個×3ラウンド以上)を必要とするため、基本的には、1回の単位報知演出が開始されてから終了するまでには複数回分のラウンド遊技の実行時間を要することになる。そのため、単位報知演出の実行時間は、強調演出の実行時間(3秒間)よりも長時間となる。従って、単位報知演出と強調演出とが重複実行されたとしても、一時的な表示である強調演出よりも継続的な表示である単位報知演出を優先的に目立たせて、単位報知演出への遊技者の注目度を向上させることができるため、単位報知演出(第2文言表示)が切り替わるごとにあと何発で抑制機能が作動するのかを確実に遊技者に把握させることが可能となる。なお、強調演出は獲得賞球数「2500個」単位で実行されるため、1回の特別遊技の実行中(例えば10R特別遊技:獲得可能賞球数=約1500個)において強調演出は多くても1回しか行われないが(1回の特別遊技で多くても1種類の強調演出しか表示されないが)、単位報知演出はMY「500個」単位で実行されるため、1回の特別遊技の実行中(例えば10R特別遊技:獲得可能賞球数=約1500個)において単位報知演出は複数回行われ得る(1回の特別遊技で複数種類の単位報知演出が表示され得る)。それにより、1回の特別遊技の実行中に遊技者は複数種類の単位報知演出を見ることができ、事前報知演出に対する遊技者の注目度を一層向上させることが可能となる。
【0620】
1個目の遊技球が大入賞口へ入球して、大入賞口スイッチ(大入賞検出装置とも称する)が1個目の遊技球の入球を検出すると、この1個目の入球に基づく賞球カウントアップ演出(「先の賞球カウントアップ演出」と称する)が開始される。先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の遊技球(新たな遊技球)が大入賞口に入球して、大入賞口スイッチが2個目の遊技球の入球を検出すると、先の賞球カウントアップ演出が中断されて、2個目の入球に基づく賞球カウントアップ演出(「後の賞球カウントアップ演出」と称する)が開始される。具体的には、先の賞球カウントアップ演出において、本来であれば「1000」~「1015」までのカウントアップ表示が予定されている場合に、先の賞球カウントアップ演出の実行中に大入賞口への新たな遊技球の入球が発生して大入賞口スイッチにて検出された場合には、実行中の先の賞球カウントアップ演出が途中で打ち切られて(例えばカウントアップ表示が「1010」で中断されて)、後の賞球カウントアップ演出が開始されることになる。そして、後の賞球カウントアップ演出では、先の賞球カウントアップ演出の残りの部分(「1011」~「1015」までのカウントアップ表示)が省略されたかたちで、その最終値「1015」の続きとなる「1016」~「1030」までのカウントアップ表示が行われることになる。なお、先の賞球カウントアップ演出の一部のカウントアップ表示(「1011」~「1015」までのカウントアップ表示)は省略されるが、先の賞球カウントアップ演出の終了時(中断時)と後の賞球カウントアップ演出の開始時とはシームレスに繋がり、これら先後の賞球カウントアップ演出は連続的且つ一体的なカウントアップ表示として構成される。このように、先後2回の賞球カウントアップ演出のうち、先の賞球カウントアップ演出の優先度よりも、後の賞球カウントアップ演出の優先度の方が高く設定されており、先の賞球カウントアップ演出の終了時と後の賞球カウントアップ演出の開始時とが時間的にオーバーラップする場合には、先の賞球カウントアップ演出の実行を中断させて、後の賞球カウントアップ演出を優先的に実行開始させるように構成されている。従って、大入賞口に遊技球が連続的に入球して先後二回の賞球カウントアップ演出が連続的に実行される場合であっても、先後の賞球カウントアップ演出を滞りなく円滑に進めることができるため、大入賞口への遊技球の入球時と賞球カウントアップ演出の実行時との間でタイミングのずれが生じること(それにより遊技者に違和感を与えること)を防止することができるとともに、特別遊技(ラウンド遊技)の実行中に賞球カウントアップ演出を適切に完結させることが可能となる。なお、変形例として、先の賞球カウントアップ演出の実行が中断した時点で、そのカウントアップ表示を強制的に最終値「1015」に切り替えて(つまり、「1010」で中断した場合には、「1010」から最終値の「1015」に一気に切り替えて)、この最終値から、後の賞球カウントアップ演出のカウントアップ表示(「1016」~「1030」までのカウントアップ表示)を開始させるように構成してもよい。また、更なる変形例として、先の賞球カウントアップ演出の実行中に、2個目の遊技球(新たな遊技球)が大入賞口に入球して、大入賞口スイッチが2個目の遊技球の入球を検出しても、先の賞球カウントアップ演出が中断されず、先の賞球カウントアップ演出を全て実行したうえで、後の賞球カウントアップ演出が開始されるよう構成してもよい(例えばカウントアップ表示が「1010」の時点で2個目の遊技球が入球しても、先の賞球カウントアップ演出の残りの部分である「1011」~「1015」を実行し、その後に続けて後の賞球カウントアップ演出である「1016」~「1030」を実行してもよい)。
【0621】
特別遊技の実行中において、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合には、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合には、当該累積賞球数の値が特定値に到達せずに、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達することとなる状況(「特定の状況」と称する)がある。具体的には、特定の状況として、特別遊技の実行中に累積賞球数の値が「97485」であり、且つ、MYカウンタのカウント値が「94998」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合(15個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合(3個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達せず、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」に到達して(セーフ数=3、アウト数=1、差球数=3-1=2、MY=94998+2=95000)、抑制機能作動条件を充足することになる(抑制機能作動フラグがONとなる)。この特定の状況において、遊技機に電源断が発生して電源復帰した場合に、この電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であれば、この電源復帰後において、当該電源断時に実行されていた特別遊技が再開されることになる。特別遊技が再開された場合には、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタが初期化されるため、この電源復帰後は、MYカウンタが初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、電源断時のMYカウンタのカウント値があと1個の大入賞口への遊技球の入球で規定値「95000」に到達する状況であっても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、MYカウンタが初期値「0」から再スタートすることになるため、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、MYカウンタのカウント値は規定値「95000」に到達せず、抑制機能作動条件を充足しない(抑制機能作動フラグはONしない)。よって、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言である特殊事前報知演出(特殊事前報知表示演出)を実行しない。但し、MYカウンタが初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタのカウント値が規定値「95000」まで達した場合には、抑制機能作動条件を充足することになる(抑制機能作動フラグがONとなる)。
【0622】
特別遊技の実行中において、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合には、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合には、当該累積賞球数の値が特定値に到達せずに、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に到達することとなる状況(「所定の状況」と称する)がある。具体的には、所定の状況として、特別遊技の実行中に累積賞球数の値が「97485」であり、且つ、MYカウンタのカウント値が「89998」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球した場合(15個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる一方で、大入賞口へ遊技球があと1個入球する前に一般入賞口へ遊技球が1個入球した場合(3個の賞球払出が行われる場合)には、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達せず、MYカウンタのカウント値が規定値「90000」に到達して(セーフ数=3、アウト数=1、差球数=3-1=2、MY=89998+2=90000)、事前報知条件を充足することになる。この所定の状況において、遊技機に電源断が発生して電源復帰した場合に、この電源復帰がRAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わない電源復帰であれば、この電源復帰後において、当該電源断時に実行されていた特別遊技が再開されることになる。特別遊技が再開された場合には、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタが初期化されるため、この電源復帰後は、MYカウンタが初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、電源断時のMYカウンタのカウント値があと1個の大入賞口への遊技球の入球で所定値「90000」に到達する状況であっても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、MYカウンタが初期値「0」から再スタートすることになるため、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、MYカウンタのカウント値は所定値「90000」に到達せず、事前報知条件を充足しない。よって、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、事前報知表示演出(第1文言表示及び第2文言表示)を実行しない。但し、MYカウンタが初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」まで達した場合には、事前報知条件を充足することになる。なお、変形例として、前述の「カウント継続スイッチ」を搭載した場合において、抑制機能作動条件を充足する前に電源断し、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に事前報知演出を再開しないように構成してもよい。例えば、第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)の実行中に電源断し(MYカウンタのカウント値が「90500」~「90999」であるときに電断し)、カウント継続スイッチを操作して電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合に、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)は再開させず、その後、MYカウンタのカウント値が「91000」に達したときに事前報知演出を第3単位報知演出(作動まで残り約4000発)から再開させてもよい。更なる変形例としては、前述の「カウント継続スイッチ」を搭載した場合において、抑制機能作動条件を充足する前に電源断し、カウント継続スイッチを操作しながら電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されないが、当該電源復帰の直後に事前報知演出を再開しないように構成し、例えば、第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)の実行中に電源断し(MYカウンタのカウント値が「90500」~「90999」であるときに電断し)、カウント継続スイッチを操作して電源復帰(RAMクリアを伴わずに電源復帰)をした場合に、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化(クリア)されず、当該電源復帰の直後に第2単位報知演出(作動まで残り約4500発)を再開させても良い。
【0623】
特別遊技の実行中において、抑制機能作動条件を充足した後(抑制機能作動フラグがONになった後)に、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる状況(「状況A」と称する)がある。具体的には、状況Aとして、特別遊技の実行中において、MYカウンタのカウント値が既に規定値「95000」に到達しており、且つ、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」よりも15個少ない「97485」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで(15個の賞球払出が行われることで)、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる。この状況Aにおいて、遊技機に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源断前に実行されていた特別遊技が再開されることになるが、この特別遊技が再開された後においては、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」に到達せず、電源断前に予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、この状況Aにおいて、RAMクリアを伴わずに電源復帰した場合(抑制機能作動条件を充足した後にRAMクリアを伴わずに電源復帰した場合)には、当該電源復帰時にMYカウンタは初期化されず(MYカウンタのカウント値「95000」はクリアされず)、抑制機能作動フラグがONを維持することになる。よって、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」との特殊な文言である特殊事前報知演出(特殊事前報知表示演出)を実行する。また、当該電源復帰後に再開された特別遊技(大当り終了デモ期間)が終了したときに抑制機能が作動し、それと同時または略同時に抑制報知演出が実行される。変形例として、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、特殊事前報知演出(特殊事前報知表示演出)を実行せずに、特別遊技(大当り終了デモ期間)が終了したときに抑制機能が作動し、それと同時または略同時に抑制報知演出が実行されるよう構成してもよい。
【0624】
特別遊技の実行中において、事前報知条件を充足した後、すなわち、事前報知演出が開始された後に、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで、累積賞球数の値が特定値(2500の倍数値)に到達することとなる状況(「状況B」と称する)がある。具体的には、状況Bとして、特別遊技の実行中において、MYカウンタのカウント値が既に所定値「90000」に到達しており(但し、MYカウンタのカウント値が「90000」や「90500」など、規定値「95000」到達まで余裕があることが好適である)、且つ、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」よりも15個少ない「97485」である状況においては、大入賞口へ遊技球があと1個入球することで(15個の賞球払出が行われることで)、累積賞球数の値が特定値「97500」に到達して強調演出が実行されることとなる。この状況Bにおいて、遊技機に電源断が発生し、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴わずに電源復帰した場合には、当該電源断前に実行されていた特別遊技が再開されることになるが、この特別遊技が再開された後においては、大入賞口へあと1個の遊技球の入球があったとしても、累積賞球数の値が所定の特定値「97500」に到達せず、電源断前に予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されない。すなわち、この電源復帰時においては、直近の電源断の発生時に保持していた累積賞球値に関する演出情報が消去された状態(例えば、累積賞球数カウンタがゼロクリアされた状態)となるため、当該電源復帰後に特別遊技(大当り中演出)が再開された場合でも、累積賞球数表示が再び初期値「0」から表示されるとともに、強調演出の実行条件(特定値に到達するまでの条件)についてもはじめから再設定されることになる。そのため、電源断時の累積賞球数の値が大入賞口へのあと1個の遊技球の入球で特定値に到達する状況であったとしても、この電源復帰後に再開された特別遊技においては、累積賞球数表示が初期値「0」から再スタートされることになるため、大入賞口へのあと1個の遊技球の入球があったとしても、電源断前に実行が予定されていた強調演出(累積賞球数が「97500」に達することで行われる予定であった強調演出)は実行されないことになる。但し、累積賞球数の値が初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達した場合には、累積賞球数の値が特定値(「2500」の倍数値)に達する毎に、強調演出が実行されることになる。また、事前報知条件を充足した後であっても抑制機能作動条件を充足する前に電源断および電源復帰(RAMクリアせずに電源復帰)した場合には、当該電源復帰時(電源投入時)にMYカウンタが初期化されるため、この電源復帰後に特別遊技が再開されたときは、MYカウンタは初期値「0」から再び計数を開始することになる。従って、この電源復帰後においては事前報知条件を充足していない状態に戻り、当該電源復帰後(当該電源復帰後に再開された特別遊技)においては直近の電源断時に実行されていた事前報知演出は再開されないことになる(事前報知演出は実行されない、より具体的には第1文言表示及び第2文言表示が実行されない)。但し、MYカウンタが初期値「0」に戻ったとしても、この電源復帰後において遊技を継続することで、MYカウンタのカウント値が所定値「90000」に達した場合(事前報知条件を充足した場合)には、事前報知演出が実行されることになる。
【0625】
抑制機能の作動中(抑制報知演出の実行中)は、音量設定および光量設定が不能となるように構成されている。すなわち、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行した場合には、音量調整操作がされたとしても、音量レベルが変化しない(音量操作が無効となる)ようになっている。そのため、抑制報知演出の実行中に、音量調整操作がされたとしても、抑制報知音(「抑制機能が作動しました」という音声)の音量レベルは変化せず、当該抑制報知音は常に一定の音量(予め定められた一定の音量)で出力される。また、音量調整操作がされたとしても、音量設定の調整画面が表示されないよう構成されている。変形例としては、設定された音量レベルに応じた出力態様で抑制報知音を出力するよう構成しても良い。また、同様に、抑制機能が作動して遊技停止状態に移行した場合には、光量調整操作がされたとしても、光量レベルが変化しない(光量操作が無効となる)ようになっている。そのため、抑制報知演出の実行中に、光量調整操作がされたとしても、抑制報知に係る枠ランプの全点灯時の光量は変化しない。また、光量調整操作がされたとしても、光量設定の調整画面が表示されないよう構成されている。但し、抑制機能作動条件を充足していたとしても特別遊技の実行中であれば、抑制機能は作動していないため(抑制報知演出は実行されていないため)、当該特別遊技の実行中において音量設定および光量設定は可能であり、音量調整操作に基づく音量設定の調整画面や光量調整操作に基づく光量設定の調整画面が表示される。なお、事前報知演出の実行中であれば、変動中であっても特別遊技中であっても、音量調整操作がされることで音量レベルが変化し(音量操作が有効となり)、光量調整操作がされることで光量レベルが変化し(光量操作が有効となり)、音量調整操作に基づく音量設定の調整画面や光量調整操作に基づく光量設定の調整画面が表示される。ここで、事前報知音出力演出については、設定された音量レベルに応じた出力態様ではなく、常に一定の音量(予め定められた一定の音量)で出力されるよう構成されても良いし、設定された音量レベルに応じた出力態様となるよう構成しても良い。
【0626】
各種の演出(待機デモ演出、演出ボタン動作、メイン装飾図柄710の所定の動作)と抑制機能との関係性は以下のとおりである。なお、演出ボタン動作の詳細については後述する。事前報知演出の実行中であっても待機デモ演出は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では待機デモ演出が実行(開始)されない。なお、待機デモ演出の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、待機デモ演出の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で待機デモ演出は強制的に終了する。また、事前報知演出の実行中であっても演出ボタン動作は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中では演出ボタン動作が実行(開始)されない。なお、演出ボタン動作の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、演出ボタン動作の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方で演出ボタン動作は強制的に終了する(但し、変形例として、演出ボタン動作の実行中に抑制報知演出を実行開始した場合でも演出ボタン動作は継続して本来の終了タイミングにて終了してもよい)。また、事前報知演出の実行中であってもメイン装飾図柄710の所定の動作(変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作)は実行可能(開始可能)であるが、抑制報知演出の実行中ではメイン装飾図柄710の所定の動作が実行(開始)されない。なお、メイン装飾図柄710の所定の動作の実行中であっても事前報知演出が実行可能(開始可能)であり且つ並行して実行可能であるが、メイン装飾図柄710の所定の動作の実行中であっても抑制報知演出を実行可能(開始可能)である一方でメイン装飾図柄710の所定の動作は強制的に終了する。
【0627】
前述した演出ボタン動作について詳述する。本実施形態における演出ボタンには、演出ボタンの内部機構によって、演出ボタン自体が振動したり、演出ボタン内部の可動物が回転したりすることが可能に構成されている。このように、演出ボタンは、遊技者操作によって演出表示装置70に表示される演出内容に変化を与えるだけでなく、演出ボタン自体の動作によって、遊技者に対して大当り期待度を示唆または報知可能に構成されている。このような演出ボタンの動作を、演出ボタン動作と称する。この演出ボタン動作は、変動表示中や大当り遊技中に実行可能であり、変動表示中であれば、大当り期待度が非常に高いことを示唆または報知する場合に実行され(例えば、演出表示装置70にて実行される特定の予告演出の実行に対応付けられて実行されたり、そのような特定の予告演出の実行に関係なく突如実行され)、大当り遊技中であれば、前述した保留内連荘演出や昇格演出(例えば、特別遊技中の序盤は5R大当りと見せかけて中盤に10R大当りであることを報知する演出)の実行に対応付けられて実行されたりする。より具体的には、変動表示中であれば、演出ボタン動作は、変動表示の途中(中盤であるリーチ成立前)で実行され、「次回予告」の文字列を表示する特定の予告演出である次回予告演出(今後の演出展開を示唆または報知する大当り期待度が高い予告演出)の実行時、変動表示の途中(終盤であるリーチ成立後)で実行される前述した当落分岐の場面(SPリーチの最終結果が大当りを示す内容となるかはずれを示す内容となるかの分岐の場面)で大当り当選を報知する当落分岐役物演出(前述した可動役物演出よりも後のタイミングで実行可能な)の実行時に同時に実行されるものである(予告演出に対応付けられる演出ボタン動作)。なお、1回の変動(大当り変動)において、この次回予告演出と大当り当選を報知する当落分岐役物演出との両方が実行され得るよう構成されているが、大当り当選を報知する当落分岐役物演出の実行時のほうが、演出ボタン動作の実行時間が長くなる(例えば、前者は8秒、後者は15秒など)よう構成されている。ここで、演出ボタン動作が間欠的な演出ボタン動作(一旦演出ボタン動作が停止しその後演出ボタン動作を再開する間欠パターンが1以上繰り返される動作)であれば、当該間欠的な演出ボタン動作の実行時間の合計が、演出ボタン動作の実行時間となる。なお、特定の予告演出以外の所定の予告演出(例えば、台詞演出など)は、演出ボタン動作が対応付けられて実行されないよう構成されているが、後述する先読みとしての変動開始時演出ボタン動作と実行タイミングが重複し、たまたま同時に実行されることがある。また、先読み予告演出として、先読み予告演出の対象となる作動保留球(例えば、前述した次回予告演出やで大当り当選を報知する当落分岐役物演出が実行され得るような高期待度変動に係る作動保留球)より先に消化される作動保留球に係る変動表示の開始直後に、突如演出ボタン動作を実行する。この先読み予告としての演出ボタン動作(先読みとしての変動開始時演出ボタン動作)が実行された場合、先読み予告演出を経由して到達した先読み予告演出の対象となる作動保留球に係る変動表示の開始時にも、演出ボタン動作が先読み予告ではなく、当該変動の大当り期待度を示唆または報知する予告演出として実行される(先読み経由の変動開始時演出ボタン動作)。なお、先読みとしての変動開始時演出ボタン動作や先読み経由の変動開始時演出ボタン動作は、前述した予告演出に対応付けられる演出ボタン動作よりも実行時間が短くなる(例えば、1秒など)よう構成されている。なお、演出ボタン動作は、1回の変動表示中に完結するものであり、2回以上の変動表示を跨いで実行が継続されるものではない(例えば、或る変動表示の終盤から当該或る変動表示の次の変動表示の序盤まで演出ボタンの振動が継続するようには構成されていない)。また、大当り遊技中であれば、昇格演出の実行中や保留内連荘演出の実行中に対応付けられて実行され、前述した大当り中役物演出の実行中に対応付けられて実行される(大当り中の演出ボタン動作)。なお、大当り中の演出ボタン動作は、複数のラウンド遊技に跨って実行可能に構成されている(例えば、或る回数目のラウンド遊技の終盤から当該或る回数目のラウンド遊技の次の回数目のラウンド遊技の序盤まで演出ボタンの振動が継続可能に構成されている)。
【0628】
ここで、演出ボタン動作については、遊技者による演出ボタンの操作に基づいて実行されるものと、遊技者による演出ボタンの操作に基づいて実行されないものとに大別される。つまり、遊技者による演出ボタンの操作が行われることで即座に実行されるものと、遊技者による演出ボタンの操作がそもそも必要ないものとに大別される。前述した大当り中の演出ボタン動作や大当り当選を報知する当落分岐役物演出に対応付けられた演出ボタン動作は、遊技者による演出ボタンの操作が行われることで即座に実行され(換言すれば、遊技者による演出ボタンの操作が行われることで、昇格演出や保留内連荘演出や大当り当選を報知する当落分岐役物演出が実行され)、前述した先読みとしての変動開始時演出ボタン動作と先読み経由の変動開始時演出ボタン動作、そして次回予告演出に対応付けられた演出ボタン動作については、遊技者による演出ボタンの操作がそもそも必要なく実行される(換言すれば、遊技者による演出ボタンの操作を必要とせず、変動開始時演出ボタン動作と先読み経由の変動開始時演出ボタン動作、そして次回予告演出が実行される)。ここで、変形例として、大当り変動表示であるにもかかわらず、遊技者による演出ボタンの操作が行われても、大当り当選を報知する当落分岐役物演出が実行されず且つそれに対応付けられた演出ボタン動作に実行されない場合(当落分岐の場面ではずれであることを示唆する場合)を有していてもよく、そのような場合は、同じ変動表示内において、当落分岐の場面ではずれであることを示唆したタイミングより後のタイミングにて、「復活!」との文字が表示されて大当りであることを示唆または報知するよう構成してもよい。そのように構成した場合、この「復活!」との文字が表示される演出(復活演出や逆転演出とも称する)の実行中も、演出ボタン動作が実行され、この演出ボタン動作は、遊技者による演出ボタンの操作がそもそも必要なく実行されるよう構成される。
【0629】
また、演出ボタン動作が実行される場合、枠ランプ10や前述の盤ランプ25が特定態様にて発光するよう構成されている。なお、演出ボタン動作が実行される場合の演出状況によって、発光態様(発光色)が異なるよう構成されている。具体的には、昇格演出や保留内連荘演出、大当り当選を報知する当落分岐役物演出や復活演出が実行される場合は虹色に発光し、変動開始時演出ボタン動作や先読み経由の変動開始時演出ボタン動作、次回予告演出が実行される場合は青色に発光するよう構成されている。但し、いずれの場合についても、演出ボタン動作による虹色または青色の発光中にエラー状態となった場合は、必ず赤色の発光(抑制報知演出実行中の赤色の発光とは異なる発光態様であり、例えば抑制報知演出実行中の赤色の発光と比較して点滅周期が異なっていたり輝度が高かったりすることが望ましい)へと切り替えるよう構成されている。
【0630】
また、遊技機の電源投入時にRAMクリアモードまたは遊技モードに移行する選択操作が行われた場合、電源投入後に、演出としてではなく、動作確認としての電源投入後に演出ボタン動作が実行される。この場合の演出ボタン動作は相対的に短時間(例えば、5秒)にて実行され(当り当選を報知する当落分岐役物演出に対応付けられた演出ボタン動作よりも短時間にて実行され)、枠ランプ10や前述の盤ランプ25も赤色にて発光される。なお、その演出ボタン動作の最中に変動表示が開始した場合に、遊技者にボタン操作を促すボタン画像が表示されることがあるが、この演出ボタン動作の最中であっても、ボタン操作を行うことで、演出表示装置70における演出表示に変化を与える(例えば、ボタン操作がされることで、ボタン画像が消去され、台詞演出が表示されるなど)ことが可能となっている。なお、遊技機の電源投入時に設定変更状態(設定変更モードとも称する)または設定確認状態(設定確認モードとも称する)に移行する選択操作が行われた場合、電源投入後に、動作確認としての演出ボタン動作は行われない。これにより、動作確認としての演出ボタン動作を省略することが可能となる。なお、変形例として、設定変更状態または設定確認状態を終了することで、動作確認としての演出ボタン動作を実行可能としてもよい。
【0631】
<9.文字演出(タイトル演出)>
本実施形態に係る遊技機(パチンコ機1)において、演出制御基板200は、前述した台詞演出やテロップ演出とは別種類の文字演出として、所定の表示装置(例えば演出表示装置70)にタイトルを表示するタイトル演出を実行することができる。タイトル演出は、その実行タイミングや種別によって様々なタイトルを文字(文字列を含む)で表示することができる。「タイトル」は、具体的には例えば、リーチ演出や予告演出の演出名、大当りの名称、大当り中のラウンド名、各種の有利遊技(時短状態、入球容易状態、小当りラッシュ等)の名称、大当り中などに流れる楽曲の楽曲名などである。具体的には、リーチ演出や予告演出の演出名であれば、「決着の刻」や「最後の闘い」との文字、「キャラクタI登場」や「キャラクタH降臨」との文字、「次回予告!」や「擬似連2回目!」との文字であり、大当りの名称であれば、「BONUS」や「SUPERBONUS」との文字、大当り中のラウンド名であれば「Round1」や「1ラウンド」との文字、各種の有利遊技(時短状態、入球容易状態、小当りラッシュ等)の名称であれば「チャンスタイム」や「ラッシュモード」との文字、大当り中などに流れる楽曲の楽曲名であればその楽曲名の文字などである。
【0632】
タイトル演出を含む文字演出は、自演出が表示する文字自体の色または文字周辺の色である「文字演出対応色」によって、遊技に係る所定種別の期待度を示唆可能に構成されてよい。すなわち、期待度を示唆可能な「文字演出対応色」は、表示する文字自体の色に限定されるものではなく、文字の背景や近傍の色(タイトル演出であればタイトルの背景色、テロップ演出であればテロップの背景色、台詞演出であれば吹き出し自体の色や吹き出しの枠線色など)であってもよい。文字演出対応色は複数種類が用意されてよく、色によって示唆する期待度に差異が設けられてよい。また、文字演出は、複数種類のうちの何れの文字種別で文字列が表示されるかによっても期待度を示唆可能としてもよい。
【0633】
文字演出が文字演出対応色によって示唆可能な期待度の代表例としては、特別遊技に移行する期待度(特別遊技移行期待度)が挙げられるが、これ以外にも例えば、特別遊技中(大当り中)にラウンド数が増加したり、確変当りに昇格したり、大当り終了後の入球容易状態に突入したりといった、有利な遊技状況の展開に対する期待度を示唆してもよい。また例えば、特別図柄の変動中における演出の発展期待度(予告演出からリーチ演出に発展する期待度や、リーチ状態の成立後にSPリーチ演出に発展する期待度など)を示唆してもよい。
【0634】
<9-1.変動中文字演出と大当り中文字演出>
タイトル演出を含む文字演出を特別図柄の変動を基準とした遊技期間によって分類した場合、文字演出は、特別図柄の変動中に表示装置に文字(例えばタイトル)を表示する変動中文字演出と、大当りなどの特別遊技中に表示装置に文字(例えばタイトル)を表示する大当り中文字演出と、を有する。なお、特別図柄の変動中は、装飾図柄(メイン装飾図柄710、サブ装飾図柄720)の変動中と読み替えてもよい。
【0635】
変動中文字演出は、特別図柄の変動中の所定のタイミングで、演出表示装置70の画像表示領域700に文字を表示する。変動中文字演出が実行されるタイミングは、特別図柄の変動に伴って実行される装飾図柄の変動表示中であれば、装飾図柄によるリーチ状態の成立前であってもよいし、装飾図柄によるリーチ状態の成立後であってもよい。具体的には例えば、装飾図柄によるリーチ状態が成立する前の変動中文字演出としては、予告演出の実行時にその演出名を表示する演出(例えば、次回予告演出であれば「次回予告!」との文字)、擬似連演出における段階的な発展時に特定の段階名を表示する演出(例えば、擬似連2回目であれば「2回目!」との文字)などが該当する。また、装飾図柄によるリーチ状態の成立後の変動中文字演出としては、リーチ状態が成立した後に発展する発展演出の演出名や発展演出における登場人物名を表示する演出(例えば、「決着の刻」や「最後の闘い」との文字、「キャラクタI登場」や「キャラクタH降臨」との文字)などが含まれる。なお、リーチ状態の成立後の変動中文字演出は、複数種類の発展演出のうち、相対的に期待度が高い所定の発展演出(以後SPリーチ演出とも称する)に限定して実行されてもよいし、SPリーチ演出の中でも特定のSPリーチ演出に限定して実行されてもよい(例えば、複数種類のSPリーチ演出のうち相対的に低期待度のSPリーチ演出では実行されないよう構成してもよい)。
【0636】
所定の変動中文字演出は、自演出において表示する文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色を複数種類有し、所定の変動中文字演出にて複数種類の文字演出対応色のうちの何れの色で文字を表示するかによって、所定種別の期待度(例えば特別遊技移行期待度)を示唆することができる。期待度を示唆する複数種類の文字演出対応色は、例えば期待度が低い順から、白<緑<赤<金<キリン柄(メーカー柄)<虹などが挙げられる。以降の説明において期待度を示唆する文字演出対応色として具体的な色の例を挙げた場合、各色が示唆する期待度の関係性は基本的には上記例に従うものとする。すなわち、「白」は極めて期待度が低い色であり、「緑」は最低期待度の「白」よりは期待度が高いものの、全体的には低期待度の色である。一方、「虹」は極めて期待度が高い色であり(通常遊技状態及び入球容易状態にて表示されると大当り確定であることが望ましい)、「キリン柄」は最高信頼度の「虹」よりは期待度が低いものの、全体的には高期待度の色である(通常遊技状態にて表示されると大当り確定ではないが入球容易状態にて表示されると大当り確定であること望ましい)。なお、「虹」や「キリン柄」は、厳密には複数の色を組合せて形成される色彩模様ではあるが、遊技機における演出では一般的に「色」の一種別として認識されることが多いことから、本説明でも色の一例として扱っている。また、「金」は、「キリン柄」と同程度の高期待度色であってもよく、「キリン柄」による表示が難しいような場合に代替で用いられてもよい。また、「赤」は、低期待度の「緑」よりは期待度が高いことから高期待度の色の一例としてもよいが、高期待度の「キリン柄」よりは期待度が低いことから、中期待度の色の一例として扱ってもよい。また、さらに複数種類の文字色として例えば、期待度の順番でいうと「白」と「緑」との間に「青」の文字色が用意されてもよく、「緑」と「赤」との間に「紫」が用意されてもよい。
【0637】
変動中文字演出において表示される文字の色(文字演出対応色)には、複数の色彩で構成された特定色を用いることができる。上記したメーカー柄の「キリン柄」は、キリンの表皮の柄模様を模した色彩模様であり、少なくとも黒、白、黄といった複数の色彩で構成されることから、この特定色に該当する。また、「虹」も複数の色彩で構成された特定色に該当する。なお、変動中文字演出で使用可能な特定色は、その他の予告演出(例えば、タイトルを予告するタイトル予告演出や、演出ステージの変更を予告するステージチェンジ予告など)においても使用可能としてよい。但し、変動中文字演出で特定色が使用される場合と、上記のその他の予告演出で特定色が使用される場合とでは、特定色を構成する色彩の細かさが異なり、例えば、変動中文字演出で使用される場合の方が、細かい色彩で特定色が表示される。
【0638】
文字演出は、演出表示装置70(画像表示領域700)に表示される他の所定の演出と同時に、あるいは組合せて実行可能である。変動中文字演出と組合せて実行可能な演出として、例えば、演出表示装置70に表示する演出画像を特殊態様に変形可能な特殊演出がある。この特殊演出における「特殊態様」は、例えば、演出画像の拡大、縮小、傾き、揺動、上下逆転、左右反転、回転、色調変換、色彩反転、または、部分的な割れ等であって、多種類の特殊態様が組合されてもよい。より具体的には、「特殊演出」とは、変動表示中において、変動表示中もしくは仮停止表示中のメイン装飾図柄710、現在滞在しているステージに対応した背景画像、特定の予告演出(例えば、台詞演出)などを1以上表示している状況において、その表示態様を通常態様(拡大していない態様、縮小していない態様、傾いていない態様、揺動していない態様、上下逆転していない態様、左右反転していない態様、回転していない態様、色調変換していない態様、色彩反転していない態様、または、部分的な割れが発生していない態様)から特殊態様(拡大している態様、縮小している態様、傾いている態様、揺動している態様、上下逆転している態様、左右反転している態様、回転している態様、色調変換している態様、色彩反転している態様、または、部分的な割れが発生している態様)に変化させるものである。すなわち、本実施形態では、変動中文字演出を特殊演出の実行対象とすることができ(前述した台詞演出に限らず、テロップ演出やタイトル演出を対象としてもよい)、この場合、演出制御基板200は、変動中文字演出が表示する文字(を含む演出画像)を、特殊態様に変形して演出表示装置70に表示することができる。なお、サブ装飾図柄720については、特殊演出の実行対象とはせず、特殊態様に変化しない。一方、大当り中文字演出は、特殊演出の実行対象にはならない。すなわち、特別遊技中に特殊演出が実行されない。変形例としては、特別遊技中に特殊演出が実行されたとしても、大当り中文字演出が表示する文字は特殊態様に画像変形されないよう構成してもよい。
【0639】
変動中文字演出が特殊演出の実行対象とされることにより、特別図柄の変動中においては、表示される文字の文字種別や色について遊技者に関心を抱かせることができるだけでなく、文字が特殊態様に画像変形されるか否かにも注目させることにより、遊技者の期待感をさらに煽ることができる。また一方で、大当り中文字演出が特殊演出の実行対象とされないことにより、特別遊技中において大当り中文字演出が表示する文字は特殊態様に画像変形されないため、大当りによって祝福されている遊技者の気分を邪魔しないようにでき、さらに言えば、画像変形によって無意味に遊技者の期待感を煽ったりしないようにすることができる。
【0640】
大当り中文字演出は、特別遊技(例えば大当り遊技とするが小当り遊技であってもよい)の実行中の所定のタイミングで、演出制御基板200が演出表示装置70の画像表示領域700に文字列を表示する演出である。大当り中文字演出には、大当り遊技の開始直後に大当り名称(大当りタイトル)を表示したり、大当り遊技の終了前にその後に移行する有利状態(時短遊技などの入球容易状態)の名称を表示したりするタイトル演出が含まれる。大当りタイトルの具体的な例としては、「大当り」、「BONUS」、「SUPERBONUS」「チャレンジボーナス」、「1500発大当り」等が挙げられる。これらの例における数字(1500)は、当該大当りの開始時点で獲得が予定されている遊技価値数を示唆するものである。また、大当り遊技中に展開されるストーリーに対応した台詞を表示する台詞演出や、大当り遊技中に再生される楽曲の歌詞やストーリーをテロップ表示するテロップ演出なども、大当り中文字演出に含めてもよい。
【0641】
大当り中文字演出において表示される文字の文字演出対応色は、単色であってもよいし、複数種類のうちの所定の色であってもよい。但し、大当り中文字演出で使用可能な文字演出対応色は、例えば、所定の変動中文字演出において所定の期待度を示唆する第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び所定の変動中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」、中期待度又は高期待度を示唆する「赤」、最高期待度を示唆する「虹」のいずれか)とされることが好ましい。特に、大当り中などに流れる楽曲の楽曲名であるタイトル演出や、大当り遊技中に再生される楽曲の歌詞やストーリーをテロップ表示するテロップ演出については、そのような文字演出対応色とすることが好適である。
【0642】
上記したように大当り中文字演出においては、「緑」や「キリン柄」といった中途半端な期待度を示唆する色で文字を表示しないようにすることで、無意味に遊技者の期待感を煽ることを防止することができる。例えば、最低期待度を示唆する「白」で大当り中文字演出が実行される場合は、遊技者に無意味に期待感を抱かせることはなく、最高期待度を示唆する「虹」で大当り中文字演出が実行される場合には、大当りの祝福感を高める効果に期待できる。また、大当り中文字演出におけるこのような色の制限は、後述する「賞球カウントアップ演出」や「強調演出」に対しても同様に適用されてよい。
【0643】
文字演出は、演出表示装置70(画像表示領域700)に表示される他の所定の演出と同時に、あるいは組合せて実行可能である。大当り中文字演出が同時に実行可能な演出として、例えば、前述した「賞球カウントアップ演出」及び「強調演出」がある。賞球カウントアップ演出は、所定の有利遊技区間における累積賞球数の表示をカウントアップして表示する(カウントアップ表示する)演出である(例えば、
図74に示した「94500pt」を参照)。カウントアップ表示は、前述したとおり、個々の特別遊技(大当り遊技)をカウントアップ対象の有利遊技区間としてもよいし、1以上の特別遊技と特別遊技後の有利状態(確率変動状態、変動時間短縮状態、電チューサポート状態、小当りラッシュなど)とから構成される一連の遊技区間をカウントアップ対象の有利遊技区間としてもよい。カウントアップ表示の具体的な方法は「00000」→「00001」→・・・→「00015」や「00000」→「00015」→「00030」のようにカウントアップした累積賞球数を1以上の所定個数を単位として表示する方法でもよいし、「00000」→「000#$」→「000”&」→「00015」のように、カウントアップした累積賞球数を1以上の所定個数(この場合15)を単位として明示し、明示する累積賞球数の間は、曖昧な表示(上記例の#、$、”、&が相当)を行う方法でもよい。強調演出は、前述したとおり、特別遊技中(あるいは入球容易状態を挟んで連続する特別遊技中、つまりは連荘状態)の累積賞球数が特定値(例えば2500の倍数)に到達した際に、その特定値を強調して表示する演出である。強調演出は、カウントアップ表示によって累積賞球数が表示されていくなかで、特定値(例えば2500の倍数)に相当する累積賞球数を追加的に表示するものであることが好適である。大当り中文字演出は、このような賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)や強調演出と同時に実行可能とされる。但し、大当り中文字演出が表示する文字は、少なくとも賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)とは重畳して表示されないように構成される。例えば、大当り中などに流れる楽曲の楽曲名であるタイトル演出や、大当り遊技中に再生される楽曲の歌詞やストーリーをテロップ表示するテロップ演出については、賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)と重畳して表示されない。また、大当り中文字演出が表示する文字は、強調演出とは重畳して表示されるように構成されることが好適である(例えば、大当り中などに流れる楽曲の楽曲名であるタイトル演出や、大当り遊技中に再生される楽曲の歌詞やストーリーをテロップ表示するテロップ演出については、強調演出と重畳して表示されるよう構成してもよい)が、重畳して表示されないように構成されてもよい(例えば、大当り中などに流れる楽曲の楽曲名であるタイトル演出や、大当り遊技中に再生される楽曲の歌詞やストーリーをテロップ表示するテロップ演出については、強調演出と重畳して表示されないよう構成してもよい)。一方、変動中文字演出は、賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)とも強調演出とも同時に実行されない。
【0644】
本実施形態に係るパチンコ機1は、変動中文字演出及び大当り中文字演出とは別の文字演出として、エラー中文字演出を実行可能とする。エラー中文字演出は、エラー発生時に当該エラーに係る文字を演出表示装置70に表示する。具体的には、一例として、No.11の扉・枠開放エラーが発生した際は「扉・枠が開いています」との文字を表示し、No.1の磁石センサエラー(磁気検知エラー)が発生した際は「磁気を検出しました」との文字を表示し、No.10の設定変更・設定確認の状態である場合は「設定変更中です」や「設定確認中です」との文字を表示し、No.2の電波センサエラー(電波検知エラー)が発生した際は「不正な電波を検知しました」との文字を表示する。エラー中文字演出は、自演出において表示する文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色を複数種類有してもよい。但し、エラー中文字演出で使用可能な文字演出対応色は、変動中文字演出において所定の期待度を示唆する第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び変動中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」や最高期待度を示唆する「虹」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」や中期待度又は高期待度を示唆する「赤」のいずれか、もしくはそれ以外の「黒」や「黄」など)とされることが好ましい。
【0645】
また、エラー中文字演出は前述した特殊演出の実行対象とされないことにより、エラー中文字演出が表示する文字が画像変形されてエラー報知の邪魔をすることがないようにすることができ、さらに言えば、文字の画像変形によって無意味に遊技者の期待感を煽ったりしないようにすることができる。
【0646】
図73でエラー出力の設定例を示したように、パチンコ機1には複数種類のエラーが存在する。
図73に示したNo.1~No.4のエラー(磁石センサエラー、電波センサエラー、振動センサエラー、異常動作エラー)は、遊技者等の不正に起因して発生し得るエラーのうち、不正遊技に関する重要度が相対的に高いエラーである。No.5~No.8のエラー(異常入賞エラー、異常通過エラー、排出エラー、接続異常エラー)は、遊技者等の不正に起因して発生し得るエラーのうち、不正遊技に関する重要度が相対的に低いエラーである。No.9~No.11のエラー(電源投入警告、設定変更・設定確認、扉・枠開放エラー)は、不正に起因する場合と不正以外に起因する場合の両方が考えられるエラー(警告)である。No.12~No.15のエラー(通信エラー、皿満タンエラー、遊技球払出エラー、遊技球等貸出装置未接続エラー)は、遊技者等の不正以外に起因して発生し得るエラーである。
【0647】
上記の各種エラーは、不正に関する重要度やエラー報知に関する重要度等に基づいて、複数の種別に区分することができる(以下、例えば第1エラー、第2エラーとする)。これらの区分は、遊技機の製造時に設定されてもよいし、遊技機の運用時に適宜設定可能としてもよい。例えば、No.11の扉・枠開放エラー及びNo.1の磁石センサエラー(磁気検知エラー)などを第1エラーとし、No.10の設定変更・設定確認などを第2エラーとすることができる。なお、変形例としては、No.11の扉・枠開放エラーやNo.13の皿満タンエラーなどを第1エラーとし、No.1の磁石センサエラー(磁気検知エラー)やNo.2の電波センサエラー(電波検知エラー)などを第2エラーとしてもよい。また例えば、
図73の説明で述べた低重要度エラー種別を第1エラーとし、高重要度エラー種別を第2エラーとする(あるいはその逆)等であってもよい。
【0648】
そしてエラー中文字演出は、第1エラーの発生時に当該エラーに係る文字を演出表示装置70に表示する第1エラー中文字演出と、第2エラーの発生時に当該エラーに係る文字を演出表示装置70に表示する第2エラー中文字演出と、を有する。第1エラー中文字演出は、第1エラー発生時に実行されていた他の演出を抑制して、文字を表示可能である。具体的には、例えば、変動中文字演出や大当り中文字演出の実行中に第1エラー中文字演出を実行開始する場合、変動中文字演出や大当り中文字演出は非表示となることはないが、第1エラー中文字演出のほうが前面に表示される(表示優先度が高い)ため、変動中文字演出や大当り中文字演出の表示の少なくとも一部が非表示となる(もしくは視認しづらくなる)ため、変動中文字演出や大当り中文字演出と第1エラー中文字演出とは同時に実行される一方で、変動中文字演出や大当り中文字演出は抑制表示であると言えることになる。一方、第2エラー中文字演出は、第2エラー発生時に実行されていた他の演出と競合しないように、文字を表示する。具体的には、例えば、変動中文字演出や大当り中文字演出の実行中に第2エラー中文字演出を実行開始する場合、変動中文字演出や大当り中文字演出は非表示となり、そのうえで第2エラー中文字演出が表示されるため、変動中文字演出や大当り中文字演出の表示の全部が非表示となるため、変動中文字演出や大当り中文字演出と第2エラー中文字演出とは同時に実行されず、変動中文字演出や大当り中文字演出は競合しない表示であると言えることになる。
【0649】
第1エラー中文字演出による文字は、変動中文字演出による文字とは異なり、賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)及び強調演出と同時に表示可能である。また、第1エラー中文字演出による文字は、賞球カウントアップ演出または強調演出の少なくとも何れかと重畳して表示されるように構成されてもよい。但し、重畳表示する際の表示優先度は、第1エラー中文字演出の方が高く設定される(前面に表示される)。具体的には、例えば、賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)や強調演出の実行中に第1エラー中文字演出を実行開始する場合、賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)や強調演出は非表示となることはないが、第1エラー中文字演出のほうが前面に表示される(表示優先度が高い)。一方、第2エラー中文字演出は、賞球カウントアップ演出及び強調演出と同時には実行されず、第2エラー中文字演出による文字の表示中には、賞球カウントアップ演出及び強調演出が行われない。具体的には、例えば、賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)や強調演出の実行中に第2エラー中文字演出を実行開始する場合、賞球カウントアップ演出(累積賞球数表示)や強調演出は非表示となり、その状況で第2エラー中文字演出が表示される。
【0650】
また、前述したとおり、第1エラー中文字演出は、変動中文字演出とも大当り中文字演出とも同時に実行可能とされるが、第2エラー中文字演出は、変動中文字演出及び大当り中文字演出の何れとも同時には実行されず、第2エラーの発生中は、第2エラー中文字演出のみが実行される。
【0651】
上述したように第1エラー中文字演出と第2エラー中文字演出とで他の表示演出との表示形態(同時表示や重畳表示の設定)を異ならせることにより、発生したエラーの重要度に応じたエラー報知を実現することができる。
【0652】
パチンコ機1は、遊技者による操作を受付可能な操作手段(演出ボタンや十字キーなど)を備え、これらの操作手段への遊技者操作を所定の演出の実行契機とすることができる。
【0653】
文字演出に関して言うと、例えば、演出ボタン(第1操作手段)の操作は、変動中文字演出の実行契機となり得るが、それ以外の文字演出(大当り中文字演出、エラー中文字演出、後述する抑制関連文字演出及び事前文字演出など)の実行契機とはならないように構成されてよい。言い換えると、変動中文字演出が開始される際は、演出ボタンの操作を要求する演出が実行され得るが、変動中文字演出以外の文字演出が開始される際は、演出ボタンの操作を要求する演出は実行されない。例えば、PUSHボタン画像が表示されている状況且つ演出ボタンの操作有効期間内である状況にて演出ボタンが操作されると該操作を契機として台詞演出が実行される場合を有する(
図63参照)が、PUSHボタン画像が表示されている状況且つ演出ボタンの操作有効期間内である状況にて演出ボタンが操作されても該操作を契機としては大当り中などに流れる楽曲の楽曲名の表示や大当り遊技中に再生される楽曲の歌詞やストーリーをテロップ表示するテロップ演出は実行されないし、PUSHボタン画像が表示されている状況且つ演出ボタンの操作有効期間内である状況にて演出ボタンが操作されても該操作を契機としては第1エラー中文字演出や第2エラー中文字演出は実行されない(抑制関連文字演出及び事前文字演出も同様である)。なお、変動中文字演出の実行契機として演出ボタンの操作を要求する演出が実行された場合に、その操作有効期間内に演出ボタンの操作が行われなかったとしても、変動中文字演出は実行されてよい。
【0654】
また例えば、十字キー(第2操作手段)の操作は、大当り中文字演出の実行契機となり得るが、それ以外の文字演出(変動中文字演出、エラー中文字演出、抑制関連文字演出及び事前文字演出など)の実行契機とはならないように構成されてよい。言い換えると、大当り中文字演出が開始される際は、十字キーの操作を要求する演出が実行され得るが、大当り中文字演出以外の文字演出が開始される際は、十字キーの操作を要求する演出は実行されない。例えば、十字キーの操作有効期間内である状況にて十字キーが操作されると該操作を契機として大当り中などに流れる楽曲の楽曲名の表示や大当り遊技中に再生される楽曲の歌詞やストーリーをテロップ表示するテロップ演出が実行される場合を有する(具体的には、特別遊技の実行中に十字キーを操作することで特定の楽曲名が表示されたり、該特定の楽曲名に対応する楽曲の歌詞が表示されたりする)が、十字キーの操作有効期間内である状況にて十字キーが操作されても該操作を契機としては台詞演出や変動中文字演出(後述するリーチ中文字演出)としてのタイトル演出は実行されないし、十字キーの操作有効期間内である状況にて十字キーが操作されても該操作を契機としては第1エラー中文字演出や第2エラー中文字演出は実行されない(抑制関連文字演出及び事前文字演出も同様である)。なお、大当り中文字演出の実行契機として十字キーの操作を要求する演出が実行された場合に、その操作有効期間内に十字キーの操作が行われなかったとしても、大当り中文字演出は実行されてよい。
【0655】
<9-2.リーチ中文字演出とリーチ後文字演出>
タイトル演出を含む文字演出を装飾図柄によるリーチ状態の成立時を基準とした遊技期間によって分類した場合、文字演出は、装飾図柄によるリーチ状態が成立した後に発展する発展演出において実行可能なリーチ中文字演出と、発展演出において所定の条件を満たした場合に実行可能であり且つリーチ中文字演出が終了した以降に実行可能なリーチ後文字演出と、を有する。より具体的には、リーチ中文字演出は、装飾図柄(メイン装飾図柄710)によるリーチ状態が成立した後に発展する発展演出(例えばSPリーチ演出)において、演出表示装置70に文字(例えばSPリーチ演出の名称であるSPタイトルなど)を表示する文字演出である。例えば、
図70(D)に例示した表示画面に示された「最後の闘い」という文字は、SPリーチ演出のSPタイトルに相当する。リーチ後文字演出は、所定の発展演出において所定の条件を満たした場合(例えば大当り結果が報知された場合)、かつ、リーチ中文字演出が終了した以降に、演出表示装置70に文字(例えば、大当りタイトルや大当りのラウンド名など)を表示する文字演出である。例えば
図76に例示した表示画面に示された「Round1」という文字は、大当りのラウンド名に相当する。また、前述した「BONUS」や「SUPERBONUS」という文字は大当りタイトルに相当し、「BONUS」は5R大当りに対応した文字であり、「SUPERBONUS」は10R大当りに対応した文字であり、いずれも大当り開始デモ演出として実行される(大当り開始デモ演出が実行される大当り開始デモ期間にて実行される)。なお、大当りタイトルは、大当り変動中且つSPリーチ終了後の特定期間にて実行されてもよい。実行可能な遊技期間で比較すると、リーチ中文字演出は変動中文字演出に該当し、リーチ後文字演出は、変動中文字演出または大当り中文字演出に該当する。
【0656】
所定のリーチ中文字演出は、自演出において表示する文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色を複数種類有し、所定のリーチ中演出にて複数種類の文字演出対応色のうちの何れの色で文字(例えばSPタイトル)を表示するかによって、所定種別の期待度(特別遊技移行期待度でもよいし、より高期待度な演出段階への発展期待度などでもよい)を示唆することができる。リーチ中文字演出において期待度を示唆するために使用可能な文字演出対応色は、変動中文字演出における文字演出対応色と同様に、期待度が低い順から白<緑<赤<金<キリン柄(メーカー柄)<虹などであってよいが、これらの複数種類の色のうちの一部(例えば、白、赤、金、虹)に限定されてもよい。例えば、前述したSPタイトル「最後の闘い」の文字は、キャラクタ同士のバトルが展開するSPリーチ演出Bのタイトルであり、当該SPリーチの大当り期待度を示唆する星の数(4つ)が付帯しているが、それ以外にも、例えば、仲間の捜索が展開するSPリーチ演出AのSPタイトルである「仲間の行方」の文字には、当該SPリーチの大当り期待度を示唆する星の数(3つ)が付帯している。ここで、SPリーチ演出BはSPリーチ演出Aよりも特別遊技移行期待度が相対的に高くなるように構成されており、SPリーチ演出AのSPタイトルの文字演出対応色が白、赤、金、虹である場合の特別遊技移行期待度は、それぞれ5%、20%、70%、100%となる。また、SPリーチ演出BのSPタイトルの文字演出対応色が白、赤、金、虹である場合の特別遊技移行期待度は、それぞれ50%、60%、90%、100%となる。なお、特別遊技移行期待度とは、その演出が実行された変動が大当り変動である期待度(期待値)であり、例えば、特別遊技移行期待度が5%というのは、その演出が出現した場合に平均して20回に1回大当りするという意味であり、大当りが確定するその他予告演出が出現した場合は100%大当りするし、大当りが確定するその他演出も高期待度のその他演出も出現しない場合の特別遊技移行期待度は1%となったりもする。なお、大当り期待度と特別遊技移行期待度は同義であり、いずれも大当りとなる(特別遊技が実行される)期待度を意味している。
【0657】
リーチ中文字演出は、表示される文字列の内容、表示態様、または表示タイミング等について、複数種類のリーチ中文字演出が用意されていてよい。そして、装飾図柄のリーチ状態の成立後に発展する発展演出(SPリーチ演出)が複数種類用意されている場合(例えば、SPリーチ演出Aである第1の発展演出、SPリーチ演出Bである第2の発展演出)、実行される発展演出の種類に応じて、当該発展演出において実行可能なリーチ中文字演出が異なるように構成されてよい。なお、発展演出とリーチ中文字演出との対応は、1対1に限定されなくてもよく、1の発展演出が実行される場合に、当該発展演出に対応する2以上のリーチ中文字演出のうちから、何れかのリーチ中文字演出が選択されて実行されるように構成されてもよい。このように、発展演出に応じて実行可能なリーチ中文字演出の種類が異なることにより、発展演出の内容や期待度等に適したリーチ中文字演出の実行が可能となり、発展演出とリーチ中文字演出とを連携させて一体感のある演出を実現することができる。
【0658】
以下に、発展演出とリーチ中文字演出との組合せについて詳述する。以下の説明において、「第1の発展演出」及び「第2の発展演出」は、異なる種類の発展演出であり、例えば、それぞれが前述した「SPリーチ演出A」及び「SPリーチ演出B」に相当する。また、「第1の色」は、リーチ中文字演出において所定の低期待度を示唆する文字演出対応色であり、「第2の色」は、リーチ中文字演出において第1の色よりも高い所定の高期待度を示唆する文字演出対応色であり、例えば、それぞれが前述した「白」と「金」に相当する。
【0659】
(1)第1の発展演出において第1の色の文字演出対応色による所定のリーチ中文字演出が実行される場合よりも、第2の発展演出において第1の色の文字演出対応色によるリーチ中文字演出が実行される場合のほうが、特別遊技移行期待度が相対的に高い。具体的には例えば、「SPリーチ演出A」を第1の発展演出とし、SPリーチ演出Aとは異なる「SPリーチ演出B」を第2の発展演出とし、「白」を第1の色とすると、SPリーチ演出Aの実行中にリーチ中文字演出が実行されてSPリーチ演出Aのタイトル(SPタイトルAである「仲間の行方」)が白色で表示される場合よりも、SPリーチ演出Bの実行中にリーチ中文字演出が実行されてSPリーチ演出Bのタイトル(SPタイトルBである「最後の闘い」)が白色で表示される場合のほうが、大当り期待度が高い(前述したとおり、前者は大当り期待度5%であり、後者は大当り期待度50%である)。
【0660】
(2)第1の発展演出において第2の色の文字演出対応色による所定のリーチ中文字演出が実行される場合よりも、第2の発展演出において第2の色の文字演出対応色による所定のリーチ中文字演出が実行される場合のほうが、特別遊技移行期待度が相対的に高い。具体的には例えば、第1の色「白」よりも特別遊技移行期待度が高い「金」を第2の色とすると、SPリーチ演出Aの実行中にリーチ中文字演出が実行されてSPタイトルAが金色で表示される場合よりも、SPリーチ演出Bの実行中にリーチ中文字演出が実行されてSPタイトルBが金色で表示される場合のほうが、大当り期待度が高い(前述したとおり、前者は大当り期待度70%であり、後者は大当り期待度90%である)。
【0661】
(3)第1の発展演出において第2の色の文字演出対応色による所定のリーチ中文字演出が示唆する特別遊技移行期待度と第1の発展演出において第1の色の文字演出対応色による所定のリーチ中文字演出が示唆する特別遊技移行期待度との差分は、第2の発展演出において第2の色の文字演出対応色による所定のリーチ中文字演出が示唆する特別遊技移行期待度と第2の発展演出において第1の色の文字演出対応色による所定のリーチ中文字演出が示唆する特別遊技移行期待度との差分よりも大きい。具体的には例えば、SPリーチ演出Aの実行中にリーチ中文字演出が実行されるときにSPタイトルAが金色で表示されるか白色で表示されるかによる大当り期待度の差分(前述したとおり、金色で表示される場合は大当り期待度70%であり、白色で表示される場合は大当り期待度5%であり、その差分は65%)は、SPリーチ演出Bの実行中にリーチ中文字演出が実行されるときにSPタイトルBが金色で表示されるか白色で表示されるかによる大当り期待度の差分(前述したとおり、金色で表示される場合は大当り期待度90%であり、白色で表示される場合は大当り期待度50%であり、その差分は40%)よりも大きい。
【0662】
上記した(1)~(3)の条件は組合せて実施されてもよい。例えば、(1)~(3)を組合せると、(1)及び(2)により文字演出対応色によって期待度の差が大きい第1の発展演出であっても、リーチ中文字演出における文字演出対応色が一定程度(第2の色)にまで到達した場合は、(3)により期待度差が大きく縮められるため、第2の発展演出において第2の色の文字演出対応色によるリーチ中文字演出が実行された場合に近い大当り期待度が示唆される。この場合、第2の発展演出よりも相対的に大当り期待度が低い第1の発展演出が実行された場合であっても、リーチ中文字演出次第では第2の発展演出と遜色ない程度に大当り期待度が高まることから、第1の発展演出の開始直後に遊技者の興趣が低下することを防止し、その後にリーチ中文字連出が実行されている期間(後述する発展演出の第2パート)に至るまで、遊技者の興趣を維持することができる。
【0663】
発展演出は、所定のリーチ中文字演出を実行可能な演出パートとして、所定のリーチ中文字演出が実行される前の第1パートと、所定のリーチ中文字演出が実行されている第2パートと、所定のリーチ中文字演出が実行された後の第3パートと、を有する。ここで、第1パート、第2パート、及び第3パートの実行期間は相違し、第3パートの実行期間は第1パートの実行期間よりも長く設定される。具体的には、SPリーチ演出Aであれば、第1パートはSPタイトルが表示開始されるまでの導入パートであり、味方がどこにいるかを思案している演出が実行される10秒の演出パートであり、第2パートはSPタイトルが表示される演出が実行される3秒の演出パートであり、第3パートはSPタイトルが表示終了した後のメインパートであり、仲間を探し回って最終的に見つかる演出が実行される50秒の演出パート(大当り変動の場合)又は仲間を探し回って最終的に見つからない演出が実行される30秒の演出パート(はずれ変動の場合、大当り変動の場合は仲間と出会った後のエピローグ演出があるため20秒長い)で構成されている。同様に、SPリーチ演出Bであれば、第1パートはSPタイトルが表示開始されるまでの導入パートであり、キャラクタ同士が向かい合って今にもバトルが始まりそうな演出が実行される20秒の演出パートであり、第2パートはSPタイトルが表示される演出が実行される4秒の演出パートであり、第3パートはSPタイトルが表示終了した後のメインパートであり、キャラクタ同士が技をぶつけ合って最終的にキャラBが勝利する演出が実行される60秒の演出パート(大当り変動の場合)又はキャラクタ同士が技をぶつけ合って最終的にキャラBが敗北する演出が実行される35秒の演出パート(はずれ変動の場合、大当り変動の場合は勝利後のエピローグ演出があるため25秒長い)で構成されている。さらに、第3パートにおいては所定のリーチ中文字演出とは別の変動中文字演出である特定の文字演出を実行可能とする一方、第2パートにおいては当該特定の文字演出は実行されないように構成されてもよい。上記の特定の文字演出とは、例えば、演出表示装置70に文字列を表示し、特別遊技移行期待度や演出の展開に関する期待度を文字列の内容や文字色によって示唆し得る「テロップ演出」等である。より具体的には、
図70(E)のようなテロップ演出が実行されるが、これはSPリーチ演出Bに限らずSPリーチ演出Aでも同様であるが、SPリーチ演出AとSPリーチ演出Bとで演出内容(ストーリー)が相違するため、そのテロップの内容(発話に対応した文字列)は相違し、更にはテロップ数(発話に対応した文字列の数)も相違する。但し、テロップにおいて採り得る文字演出対応色の種類は、SPリーチ演出AとSPリーチ演出Bとで同じである。このように構成されることにより、発展演出(SPリーチ演出)において、第1パートから第2パートまでは所定のリーチ中文字演出が実行可能とされ、この間リーチ中文字演出と重複してテロップ演出が実行されないことで、遊技者をリーチ中文字演出の内容(例えばSPタイトルを表示する文字演出対応色)に注目させることができる。そして、リーチ中文字演出の実行が終了した後の第3パートにおいてはテロップ演出等の「特定の文字演出」が実行可能とされることで、リーチ中文字演出によって興趣が高まった遊技者に対して、後続の「特定の文字演出」にも関心を抱かせることができ、発展演出の全体を通して遊技者の興趣を維持させる効果に期待できる。
【0664】
リーチ後文字演出は、前述した通り、発展演出において所定の条件を満たした場合に実行可能であり且つリーチ中文字演出が終了した以降に実行可能な文字演出である。
【0665】
所定のリーチ後文字演出は、その実行期間を、所定のリーチ中文字演出の実行期間よりも長くしてもよい。また、所定のリーチ後文字演出の表示領域を、所定のリーチ中文字演出の表示領域よりも大きくしてもよい。なお、各文字演出による表示領域は、表示する文字または文字列の表示領域と捉えてもよいし、表示する文字に付随する背景等(例えば、パネルに文字を表示する場合のパネルに相当)までを含めた表示領域と捉えてもよい。
【0666】
上記構成の具体例として、所定のSPリーチ演出(発展演出)の実行中にSPタイトルを表示するリーチ中文字演出が実行され、そのSPリーチ演出で大当り結果が報知され(所定の条件を満たし)、その後、大当りタイトルを表示するリーチ後文字演出が実行される場合を想定する。この場合、リーチ中文字演出(SPタイトル表示)を経てリーチ後文字演出(大当りタイトル表示)に至る一連の遊技展開において、前半に表示されるSPタイトルに比べて、後半に表示される大当りタイトルが、長時間かつ大きく表示されることにより、大当りを得ることになる遊技者の高揚感を段階的に高めることが可能となる。例えば、SPリーチ演出BのSPタイトルについては、
図70(D)で示すように、演出表示装置70の表示領域の上側の一部領域にて表示されるが(なお、SPリーチ演出Aも同様の領域に表示されるが)、大当りタイトルである「BONUS」は演出表示装置70の表示領域の中央を大きく占める(例えば、
図70(J)で示す「LOSE」の文字と同程度を占める)状態で表示され、その他大当りタイトルである「SUPERBONUS」はそれよりも更に大きな領域にて表示されるよう構成される。なお、「BONUS」の文字演出対応色は「金」であり8秒間表示され(表示開始から表示終了まで8秒であり)、「SUPERBONUS」の文字演出対応色は「虹」であり8秒間表示される(表示開始から表示終了まで8秒である)。
【0667】
また、所定のリーチ後文字演出は、その実行前に実行された所定リーチ中文字演出の表示態様に応じて、当該リーチ後文字演出が実行される確率が相違するように構成されてもよい。言い換えると、所定のリーチ中文字演出は複数種類の表示態様を有し、実行された所定のリーチ中文字演出の表示態様に応じて、その後に所定のリーチ後文字演出が実行される確率が相違するように構成されてもよい。ここで、リーチ中文字演出の複数種類の表示態様とは、表示するタイトル等の文字について、文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色が異なる表示態様であってもよい(例えば、「SPタイトルA」における文字演出対応色が異なる態様、「SPタイトルB」における文字演出対応色が異なる態様であってもよい)し、文字の大きさまたはフォントが異なる表示態様であってもよいし、「SPタイトルA」と「SPタイトルB」のように表示する文字自体が異なる表示態様(より具体的には、「仲間の行方」との文字であるか、「最後の闘い」との文字であるか)であってもよい。このように構成される場合、例えばSPリーチ演出Aに係るリーチ中文字演出において白の文字演出対応色でSPタイトルAが表示された場合と、赤の文字演出対応色でSPタイトルAが表示された場合とで、その後に10R大当りに対応した「SUPERBONUS」といった文字を表示するリーチ後文字演出が実行される確率が相違する。基本的には、リーチ中文字演出の表示態様について文字演出対応色が異なる場合には、示唆期待度が相対的に高い文字演出対応色(例えば白よりも赤)である方が所定のリーチ後文字演出が実行される確率が高くされ、リーチ中文字演出の表示態様について文字の大きさまたはフォントが異なる場合には、強調された表示態様(大きい文字、目立つフォント)である方が所定のリーチ後文字演出が実行される確率が高くされるが、これに限定されるものではない。すなわち、特定のリーチ後文字演出(例えば、「BONUS」)については、示唆期待度が相対的に高い文字演出対応色によるリーチ中文字演出が実行された場合よりも、示唆期待度が相対的に低い文字演出対応色等によるリーチ中文字演出が実行された場合の方が、その後に当該特定のリーチ後文字演出が実行されやすいように構成することもできる。これらの構成を採用することにより、所定のリーチ中文字演出がどの表示態様で実行されるかによってその後に所定のリーチ後文字演出が実行されるか否かの期待度が変わることから、リーチ中文字演出以降の演出展開を遊技者に注目させることができる。
【0668】
またさらに、所定のリーチ中文字演出(例えば、「SPタイトルA」や「SPタイトルB」)の表示態様に、その後に所定のリーチ後文字演出(例えば、「BONUS」や「SUPERBONUS」)が実行される確率が相対的に低い第1表示態様(例えば文字演出対応色が白)と、その後に所定のリーチ後文字演出が実行される確率が相対的に高い第2表示態様(例えば文字演出対応色が赤)とが含まれるとするとき、所定のリーチ中文字演出が第1表示態様で実行され且つ当該所定のリーチ中文字演出が実行された発展演出において特定演出が実行された場合には、所定のリーチ中文字演出が第2表示態様で実行され且つ当該所定のリーチ中文字演出が実行された発展演出において特定演出が実行されない場合に比べて、その後に所定のリーチ後文字演出が実行される確率が高い、ように構成してもよい。上記の特定演出とは、例えば当落を報知するボタン演出(遊技者に操作ボタンの押下を促す演出)であってもよいし、上記ボタン演出において操作ボタンの押下を促す演出画像が虹色発光のような特定パターンで表示されるといったような、特定の演出における特定態様であってもよい。またそれ以外にも、上記の特定演出とは、発展演出中に実行される場合があるチャンスアップ演出であってもよく、例えば、SPリーチ演出Aであれば、捜索時に望遠鏡を用いる演出であったり、当落分岐直前に「あそこにいそうだ!」との文字演出(赤色にて表示)とともにキャラクタのカットイン画像が表示される演出であったりしてもよく、SPリーチ演出Bであれば、バトル時の技がパンチではなくキックとなる演出であったり、当落分岐直前に「必ず勝利する!」との文字演出(金色にて表示)とともにキャラクタのカットイン画像が表示される演出であったりしてもよい。このように構成された場合、タイトルを文字で表示するリーチ中文字演出及びリーチ後文字演出にそれら以外の演出(特定演出)を関連させて連続的に表示させることができるため、遊技者にとって予想外の演出展開を実現する効果に期待できる。
【0669】
また、所定のリーチ後文字演出(例えば、「SPタイトルA」や「SPタイトルB」)は、リーチ状態が成立してその後に所定のリーチ中文字演出(例えば、「BONUS」や「SUPERBONUS」)が実行される場合、リーチ状態が成立した装飾図柄の種類に応じて、所定のリーチ中文字演出が終了した以降に当該所定のリーチ後文字演出が実行される確率が相違するように構成されてもよい。上記の装飾図柄は、主にメイン装飾図柄710であり(サブ装飾図柄720であってもよい)、遊技者から視認し易いメイン装飾図柄710がどの種類の図柄でリーチ状態が成立したかによって(種類とは、図柄ごとでもよいし、奇数図柄、偶数図柄、キャラクタ図柄のように1以上の図柄によるグループごとでもよい)、所定のリーチ中文字演出の終了以降に所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示)が現出される確率が変わることで、リーチ状態成立後の遊技者の興趣を高めることができる。より詳細には、例えば、リーチ状態が成立した装飾図柄が「7図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示された場合は、リーチ状態が成立した装飾図柄が「3図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示された場合よりも、「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が終了した以降に「BONUS」又は「SUPERBONUS」が実行される確率が高くなるよう構成してもよく、更に、リーチ状態が成立した装飾図柄が「3図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示された場合は、リーチ状態が成立した装飾図柄が「1図柄」又は「5図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示された場合よりも、「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が終了した以降に「BONUS」又は「SUPERBONUS」が実行される確率が高くなるよう構成してもよく、更に、リーチ状態が成立した装飾図柄が「1図柄」又は「5図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示された場合は、リーチ状態が成立した装飾図柄が「2図柄」又は「4図柄」又は「6図柄」又は「8図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示された場合よりも、「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が終了した以降に「BONUS」又は「SUPERBONUS」が実行される確率が高くなるよう構成してもよい。
【0670】
また、所定のリーチ後文字演出が複数種類の表示態様(例えば、「BONUS」と「SUPERBONUS」)を有するとき、所定のリーチ後文字演出の実行が予定された所定状況における特別図柄の変動中において、特定の装飾図柄によるリーチ状態が成立した場合には、特定の装飾図柄とは異なる種類の装飾図柄である所定の装飾図柄によるリーチ状態が成立した場合よりも、当該所定のリーチ後文字演出が特定の表示態様(例えば、「SUPERBONUS」)で実行される確率が高い、ように構成してもよい。具体的には例えば、所定のリーチ後文字演出が大当りタイトルを表示する演出であり、特性の装飾図柄を「7図柄」とすると、大当りタイトルを表示するリーチ後文字演出が実行されている予定の特別図柄の変動中に、7図柄の装飾図柄によるリーチ状態が成立した場合は、他の種類の装飾図柄によるリーチ状態が成立した場合よりも、大当りタイトルを表示するリーチ後文字演出において特定態様(例えば、文字演出対応色が金である「SUPERBONUS」になる等)で実行される確率が高い、とするものであり、このような構成によれば、リーチ後文字演出以外の演出(本例では7図柄によるリーチ状態の成立を表示する装飾図柄の表示演出)を、特定態様による所定のリーチ後文字演出(本例では金の文字演出対応色による大当りタイトル「SUPERBONUS」の表示)の実行に関連付けることにより、遊技者にとって予想外の演出展開を実現する効果に期待できる。より詳細には、例えば、リーチ状態が成立した装飾図柄が「7図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示されたうえでその後に大当りタイトルを表示する場合は、リーチ状態が成立した装飾図柄が「3図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示されたうえでその後に大当りタイトルを表示する場合よりも、「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が終了した以降に「BONUS」ではなく「SUPERBONUS」が実行される確率が高くなるよう構成してもよく、更に、リーチ状態が成立した装飾図柄が「3図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示されたうえでその後に大当りタイトルを表示する場合は、リーチ状態が成立した装飾図柄が「1図柄」又は「5図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示されたうえでその後に大当りタイトルを表示する場合よりも、「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が終了した以降に「BONUS」ではなく「SUPERBONUS」が実行される確率が高くなるよう構成してもよく、更に、リーチ状態が成立した装飾図柄が「1図柄」又は「5図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示されたうえでその後に大当りタイトルを表示する場合は、リーチ状態が成立した装飾図柄が「2図柄」又は「4図柄」又は「6図柄」又は「8図柄」であり且つ「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が表示されたうえでその後に大当りタイトルを表示する場合よりも、「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」が終了した以降に「BONUS」ではなく「SUPERBONUS」が実行される確率が高くなるよう構成してもよい。
【0671】
<9-3.リーチ中文字演出及びリーチ後文字演出と抑制機能との関係>
前述したように、本実施形態に係る遊技機(パチンコ機1)は、付与される遊技価値数と使用される遊技価値数との差数が所定数に到達する所定条件を充足した場合(具体的には所定の計数値「MY」(MYカウンタのカウント値)が予め定められた規定値に達した場合)に、遊技の進行が抑制される抑制状態に制御する抑制機能を搭載することができる。抑制機能の制御は主制御基板100が行い、抑制機能に関連して実行される演出(抑制機能関連演出)は、主制御基板100から通知される情報に基づいて演出制御基板200が実行する。以下の説明では、抑制状態に制御される所定条件(以後、「抑制機能の所定条件」と称する)における計数値「MY」の規定値を、一例として「95000」とする。
【0672】
抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機(パチンコ機1)においては、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合、当該所定のリーチ中文字演出は強制的に終了される。一方で、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示である「BONUS」又は「SUPERBONUS」)の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合、当該所定のリーチ後文字演出は強制的に終了されない。このように構成されることにより、大当りが確定していない状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、特別図柄の変動中に実行されるSPタイトルの表示)については、抑制機能の実施(抑制状態の制御及びその報知)を優先することで、リーチ中文字演出の実行による過度な射幸性を防止することができる。一方、大当りが確定している状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、大当りタイトルの表示)については、当該表示を行ったうえで抑制機能が実施されて特別遊技が実行されないという不利益が生じないように、本来の演出期間が経過するまでリーチ後文字演出(大当りタイトル表示)を実行して且つその後ラウンド遊技も実行して、遊技者に対して演出(大当りタイトル)に対応した適切な利益を与えようとするものである。より具体的には、大当りが確定していない状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、特別図柄の変動中に実行されるSPタイトルの表示)の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合、当該タイトル表示を強制的に終了し、抑制報知演出を実行し、大当りが確定している状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、大当りタイトルの表示)の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合、当該タイトル表示を強制的に終了させずに継続表示し、そのうえで特殊事前報知演出(特殊事前報知表示演出)を実行するものである。
【0673】
なお、「演出が強制的に終了される」とは、実行途中であっても当該演出が即座に終了される(終了処理のために必要な短時間の経過は許容される)ことであり、当該演出に係る画像(文字を含む)の表示だけでなく音声の出力も終了される。また、当該演出において所定の部材(操作ボタンや可動装飾役物)が動作している場合、強制的な終了に伴って当該所定の部材は、通常状態に戻る(例えば初期位置(待機位置)への復帰)か、作動中の位置で動作を停止するか、強制的な終了に応じた特定状態に移動する(例えば特定位置への移動)。これらは部材によって個別に設定されてもよい。
【0674】
また、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、付与される遊技価値数と使用される遊技価値数との差数が所定数とは異なる特定数に到達する特定条件を充足した場合に、抑制状態に関する事前報知(前述した事前報知演出)を実行可能に構成される。事前報知は、主制御基板100から通知される情報(例えばMYカウンタのカウント値)に基づいて、演出制御基板200が実行することができる。以下の説明では、抑制状態に関する事前報知が実行される特定条件を「事前報知の特定条件」とも称する。事前報知の特定条件における計数値「MY」の特定数は複数設定されていてもよく、例えば「MY」の特定数を「90000」、「90200」、「90400」、・・・、「94800」としてもよい。
【0675】
このような本実施形態に係る遊技機においては、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の実行中に事前報知の特定条件(MYが特定数に到達)を充足した場合でも、当該所定のリーチ中文字演出は強制的に終了されないように構成されてよい。また、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示である「BONUS」又は「SUPERBONUS」)の実行中に事前報知の特定条件を充足した場合でも、当該所定のリーチ後文字演出は強制的に終了されないように構成されてよい。このように構成されることにより、大当りが確定していない状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、特別図柄の変動中に実行されるSPタイトルの表示)であるか、大当りが確定している状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、大当りタイトルの表示)であるかにかかわらず、当該タイトル表示の最中に事前報知の特定条件を充足した場合、当該タイトル表示の実行を強制的に終了させずに継続表示し、そのうえで事前報知演出を実行することで、遊技進行に応じた適切な演出(タイトル表示)を実行しつつも、抑制機能に近づいている現在の状況を確実に遊技者に伝達することが可能となる。
【0676】
なお、前段のように構成される場合、事前報知の特定条件を充足した場合に、演出表示装置70では、実行中のリーチ中文字演出またはリーチ後文字演出と、抑制状態の事前報知のための表示演出(例えば、後述する事前文字演出)とが同時に実行される可能性があるが、このとき、リーチ中文字演出及びリーチ後文字演出よりも、抑制状態の事前報知のための表示演出の方が、表示優先度が高く設定される(表示レイヤーの優先度が高い)ことが好ましく、表示領域が重畳する場合には、抑制状態の事前報知のための表示演出が前面に表示される。
【0677】
抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示である「BONUS」又は「SUPERBONUS」)の実行が予定された所定状況における特別図柄の変動中において、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の実行後かつ当該所定のリーチ後文字演出の実行前である特定タイミングにて抑制機能の所定条件を充足した場合、当該所定のリーチ後文字演出は実行されないように構成されてもよい。上記の「特定タイミング」とは、例えば、前述した発展演出における第1パート~第3パートのうちの、所定のリーチ中文字演出が実行された後の第3パートである。すなわち、大当りタイトルの表示の実行が予定された変動中において、SPタイトルの表示が実行された後かつ大当りタイトルが表示される前(大当り遊技の開始前と読み替えてもよい)のタイミングで抑制機能の所定条件(MY=95000)が成立した場合には、大当りタイトルの表示を行わない。このような構成によれば、大当りが確定していない状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、大当り遊技の直前に実行される大当りタイトルの表示)については、抑制機能の実施(抑制状態の制御及びその報知)を優先することで、リーチ後文字演出の実行による過度な射幸性を防止することができる。
【0678】
抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「BONUS」又は「SUPERBONUS」)を実行予定の特別図柄の変動に係る或る保留が存在する所定状況において、抑制機能の所定条件を充足した後に電源断が発生し、その後電源復帰した場合、当該或る保留が消化されることで実行予定であった所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)は実行されないように構成されてもよい。上記構成を具体的に説明すると、所定のリーチ中文字演出(SPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)を実行可能な特定保留が存在している変動中の状況で、抑制機能の所定条件を充足した場合には、抑制状態に制御されて遊技が停止するが、その後に遊技機の電源のOFF/ONを行った(電源断を発生させた後に電源復帰した)としても、上記特定保留の消化の際に実行予定であった所定のリーチ中文字演出(SPタイトルの表示)は実行されない、とするものである。このような構成によれば、大当りが確定していない状況におけるタイトル表示(上記例で言えば、特定保留の消化時に実行予定であったSPタイトルの表示)については、抑制機能の実施(抑制状態の制御及びその報知)を優先し、抑制状態の制御後に電源のOFF/ONが行われた(電源断を発生させた後に電源復帰した)としても当該表示を行わないようにすることで、リーチ中文字演出の実行による過度な射幸性を防止することができる。
【0679】
抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、抑制機能の所定条件を充足した場合に文字を表示する抑制関連文字演出を実行可能である。抑制関連文字演出は、実行される抑制機能に関する所定の文字(文字列)を表示する演出である。
図78には、抑制関連文字演出による表示画面の一例が表示されている。
【0680】
抑制関連文字演出は、抑制機能の所定条件を充足したときの遊技状態に応じて異なる文字(文字列)を表示するようにしてもよい(すなわち、複数種類の抑制関連文字演出が用意されていてもよい)。例えば、特別遊技の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合には第1の抑制関連文字演出(前述した特殊事前報知演出、もしくは特殊事前報知表示演出に相当)を実行可能とし、特別遊技の非実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合には第2の抑制関連文字演出(前述した抑制報知演出、もしくは抑制機能作動時報知演出に相当)を実行可能とすることができる。具体的には、第1の抑制関連文字演出は、現在実行中の大当り遊技の終了後に抑制機能の作動によって遊技が停止されることを、例えば「本日の出玉95000発到達、大当り終了後に抑制機能が作動し、本日の遊技は終了となります、カードの取り忘れにご注意ください」といった文字で表示する(もしくは、前述したとおり、「本日の出玉が95000発に到達したため、特別遊技の終了後に遊技が終了となり、発射が停止します」といった文字で表示してもよい)。第2の抑制関連文字演出は、抑制機能の作動によって以降の遊技が停止されることを、例えば「本日の出玉95000発到達、抑制機能が作動しました、本日の遊技は終了となります、カードの取り忘れにご注意ください」といった文字で表示する(もしくは、「本日の出玉が95000発に到達したため、遊技が終了となり、発射が停止します」といった文字で表示してもよい)。
【0681】
そして、上記のように第1の抑制関連文字演出及び第2の抑制関連文字演出を実行可能な遊技機では、第1の抑制関連文字演出が実行されている第1状況においては第2の抑制関連文字演出が実行されている第2状況へと移行可能である一方、第2状況から第1状況へは移行しないように構成される。すなわち、大当り中に抑制機能の所定条件を充足した場合、大当り遊技中は第1の抑制関連文字演出が実行され(第1の状況)、その大当り遊技の終了後に、第2の抑制関連文字演出が実行される(第2状況)が、第2の状況から第1の状況へと移行することはない。より具体的には、第2の状況となると、電源断を発生させ、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰をしないと、第2の状況は終了しないため、第2の状況から第1の状況へと移行することはない。なお、電源断を発生させ、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰をすることで、第2の状況からRAMクリアモードに移行する、換言すれば、電源断を発生させ、RAMクリア(RAMクリアスイッチの操作)を伴う電源復帰をすることで、第2の状況から低ベース状態である通常遊技状態に移行することは可能である。このように構成されることで、抑制機能の発生を適切なタイミングで段階的に遊技者に報知することができる。
【0682】
なお、第1の抑制関連文字演出が実行されている第1状況から、第2の抑制関連文字演出が実行されている第2状況へ移行する際には、直接移行する場合だけでなく、何れかの抑制関連文字演出が表示されなかったり一旦非表示にされたりする第3状況(例えば、抑制関連文字演出の種類を切り替えるためのブラックアウト画像を一瞬表示させたうえで移行したりしてもよく、第1の抑制関連文字演出及び第2の抑制関連文字演出を表示せずにブラックアウト画像のみを一瞬表示させる状況を第3状況とする)を途中に挟んでから移行する場合等を含んでもよい。
【0683】
また、第1の抑制関連文字演出及び第2の抑制関連文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色は、所定のリーチ中文字演出(例えば、SPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)において所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び所定のリーチ中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」や最高期待度を示唆する「虹」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」や中期待度又は高期待度を示唆する「赤」のいずれか、もしくはそれ以外の「黒」や「黄」など)とされ、上記の所定のリーチ中文字演出は、第1の抑制関連文字演出及び第2の抑制関連文字演出の何れとも同時に実行されないように構成されてもよい。更に、第1の抑制関連文字演出及び第2の抑制関連文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色は、所定の変動中文字演出(例えば、台詞演出)において所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び所定の変動中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」や最高期待度を示唆する「虹」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」や中期待度又は高期待度を示唆する「赤」のいずれか、もしくはそれ以外の「黒」や「黄」など)とされ、上記の所定の変動中文字演出は、第1の抑制関連文字演出及び第2の抑制関連文字演出の何れとも同時に実行されないように構成されてもよい。このように構成されることにより、抑制関連文字演出は、他の演出(リーチ中文字演出やその他の変動中文字演出)によって邪魔されることなく、かつ過剰な期待感を抱かせない文字演出対応色で、抑制機能の発生を報知することができる。すなわち、抑制機能の発生を、他の演出に邪魔されることなく、かつ射幸性を煽ることのないように、遊技者に報知することができる。
【0684】
また、本実施形態に係る遊技機は、抑制関連文字演出として、前述した第1の抑制関連文字演出と第2の抑制関連文字演出とを実行可能とするとき、所定のリーチ後文字演出(例えば、大当りタイトルである「BONUS」又は「SUPERBONUS」や大当りラウンドの表示)を、第1の抑制関連文字演出とは同時に実行可能とする一方で、第2の抑制関連文字演出とは同時に実行されないように構成してもよい。
【0685】
詳しく説明すると、第1の抑制関連文字演出は、特別遊技の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合に実行可能な抑制関連文字演出であり、特別遊技の終了後に抑制機能が実施されるよりも前に実行されることから、特別遊技の実行中に大当りタイトルの表示や大当りラウンドの表示といったリーチ後文字演出が実行される場合には、これらの演出を同時に実行可能としても、遊技者の射幸心を過剰に煽ることはなく、また、当該特別遊技の進行にも影響を与えない。一方、第2の抑制関連文字演出は、特別遊技の非実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合に実行可能な抑制関連文字演出であり、当該演出の実行時には抑制機能が実施されることから、特別遊技の非実行中に実行される所定のリーチ後文字演出(例えば、大当りタイトルである「BONUS」又は「SUPERBONUS」や大当りラウンドの表示)を同時に実行可能とすると、特別遊技による利益獲得の可能性がないにもかかわらず射幸性を煽ることになってしまうため、これを許可しない。以上のことから、上記のように構成されることにより、射幸性を煽ることなく抑制機能の発生を報知可能にするとともに、遊技者の利益獲得(大当り遊技による出玉獲得)を担保することが可能となる。
【0686】
ところで、本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の実行時には、所定の発光部(例えば枠ランプ10や盤ランプ25等の演出ランプ)が当該所定のリーチ中文字演出に対応した所定の発光パターン(リーチ中文字演出に対応した発光パターン)で発光するようにしてもよい。なお、「SPタイトルA」に対応した所定の発光パターンによる発光と「SPタイトルB」に対応した所定の発光パターンによる発光とは、発光パターンデータの容量削減のため同一としてもよい(例えば、いずれも青色の発光パターンによる発光としてもよい)が、より演出の差別化を図るのであれば、「SPタイトルA」では青色の発光パターンによる発光とし、「SPタイトルB」では緑色の発光パターンによる発光としてもよい。但し、このような遊技機では、所定のリーチ中文字演出の実行時に抑制機能の所定条件を充足した場合には、所定の発光パターンによる発光は強制的に終了されることが好ましい。より具体的には、所定のリーチ中文字演出の実行中且つ所定のリーチ中文字演出に対応した所定の発光パターンによる所定の発光部の発光中において、抑制機能の所定条件を充足した場合には、所定のリーチ中文字演出の実行が強制的に終了し且つ所定の発光パターンによる所定の発光部の発光も強制的に終了し、第2の抑制関連文字演出が表示され且つ所定の発光部が消灯又は紫色の発光パターンによる発光(青色や緑色や赤色の発光以外の発光)を行う。このように構成されることにより、抑制機能の所定条件を充足した場合に所定の発光部は消灯する(リーチ中文字演出に伴う所定の発光部の発光が行われない)又は第2の抑制関連文字演出に対応した紫色の発光パターンにて発光するなかで、第2の抑制関連文字演出を実行可能となるため、他の演出に邪魔されることなく抑制機能の発生を遊技者に確実に報知することができる。
【0687】
また、前述した通り、本実施形態に係る遊技機(パチンコ機1)は、エラー発生時に当該エラーに係る文字を表示するエラー中文字演出を実行可能とする。そして、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機では、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の実行に伴い所定の発光部(例えば演出ランプ)が所定の発光パターン(リーチ中文字演出に対応した発光パターン)にて発光している最中に所定のエラー中文字演出(例えば、「扉・枠が開いています」との文字)が実行される場合、所定の発光パターンによる発光が強制的に終了されて所定の発光パターンとは異なる規定の発光パターン(赤色の発光パターン)による発光を可能に構成してもよい(所定のリーチ中文字演出と所定のエラー中文字演出とは並行して同時に実行可能である)。さらに、当該所定のエラー中文字演出の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合には、規定の発光パターンによる発光が強制的に終了されるように構成してもよい。このような構成によれば、所定の発光部は、所定のリーチ中文字演出(SPタイトルの表示)の実行に伴って所定の発光パターンで発光していても、エラーが発生して所定のエラー中文字演出が実行されるときには、規定の発光パターンに変更されることで、エラー報知を優先することができる。さらに所定の発光部は、規定の発光パターンで発光していても、抑制機能の所定条件(MY=95000)を充足した場合には、その規定の発光パターンも強制的に終了されることで、抑制機能の発生をエラー報知によって邪魔しないようにできる(前述したように、抑制機能の所定条件を充足した場合に所定の発光部は消灯する(リーチ中文字演出に伴う所定の発光部の発光もエラー中文字演出に伴う所定の発光部の発光も行われない)又は第2の抑制関連文字演出に対応した紫色の発光パターンにて発光するなかで、第2の抑制関連文字演出を実行可能となる)。この結果、所定のリーチ中文字演出よりもエラー報知を優先する一方で、エラー報知によって邪魔されずに抑制機能の発生を報知することができる。
【0688】
なお、エラーが複数の種別(例えば前述した第1エラーと第2エラー)に区分され、エラー中文字演出として、第1エラーの発生時に当該エラーに係る文字を表示する第1エラー中文字演出と、第2エラーの発生時に当該エラーに係る文字を表示する第2エラー中文字演出と、を実行可能であるような場合には、何れかの種別のエラーに対応するエラー中文字演出(例えば第1エラー中文字演出)を、前段の「所定のエラー中文字演出」としてもよい。すなわち、第1エラーの発生に伴う第1エラー中文字演出の実行時に、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示)よりも優先されるように発光パターンが制御されるようにしてもよい。但し、このような場合でも、第2エラーの発生に伴って実行される第2エラー中文字演出は、所定のリーチ中文字演出よりも優先されないだけで、抑制機能の発生時には、所定の発光部の発光は強制的に終了される。変形例として、第1エラーの発生に伴って実行される第1エラー中文字演出であっても、第2エラーの発生に伴って実行される第2エラー中文字演出であっても、そのエラー中文字演出に対応した規定の発光パターンによる所定の発光部の発光が所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示)に対応した所定の発光パターンによる所定の発光部の発光よりも優先される(所定のリーチ中文字演出に対応した所定の発光パターンによる所定の発光部の発光が行われている最中にエラー中文字演出に対応した規定の発光パターンによる所定の発光部の発光に切り替わる)とともに、第1エラーの発生に伴って実行される第1エラー中文字演出に対応した規定の発光パターンによる所定の発光部の発光が行われている最中に抑制機能の所定条件を充足した場合に所定の発光部は消灯する又は第2の抑制関連文字演出に対応した紫色の発光パターンにて発光する一方で、第2エラーの発生に伴って実行される第2エラー中文字演出に対応した規定の発光パターンによる所定の発光部の発光が行われている最中に抑制機能の所定条件を充足した場合には所定の発光部は消灯せず第2の抑制関連文字演出に対応した紫色の発光パターンにて発光したりもせずに当該規定の発光パターンによる所定の発光部の発光が継続するよう構成してもよい。
【0689】
また、本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ後文字演出(例えば大当り開始後の大当りタイトルである「BONUS」又は「SUPERBONUS」や大当りラウンド等の表示)の実行時には、所定の発光部(例えば枠ランプ10や盤ランプ25等の演出ランプ)が当該所定のリーチ後文字演出に対応した特定の発光パターン(例えば、虹色の発光パターン)で発光するようにしてもよい。そして、このような遊技機では、所定のリーチ後文字演出の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合でも、特定の発光パターンによる発光が継続されることが好ましい。このように構成されることにより、大当りが確定している状況におけるタイトル表示については、抑制機能の実施を一旦保留して、上記タイトル表示の関連演出(特定の発光パターンによる発光)を継続させることで、実行中の大当り遊技への違和感をなくすことができ、遊技者が戸惑わないようにすることができる。但し、所定のリーチ後文字演出の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合、所定の発光部における発光制御は上記のとおりであるが、特殊事前報知演出でもある第1の抑制関連文字演出は所定のリーチ後文字演出と並行して同時に実行される。
【0690】
また、本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示等)の実行に伴い所定の発光部が当該所定のリーチ後文字演出に対応した特定の発光パターン(例えば、虹色の発光パターン)にて発光している最中に、所定のエラー中文字演出(例えば第1エラー中文字演出)が実行される場合、特定の発光パターンによる発光が強制的に終了されて特定の発光パターンとは異なる規定の発光パターン(赤色の発光パターン)による発光を可能とし、当該所定のエラー中文字演出の実行中に抑制機能の所定条件を充足した場合でも、規定の発光パターンによる発光が継続されるようにしてもよい。このように構成されることにより、所定の発光部は、所定のリーチ後文字演出の実行に伴って特定の発光パターンで発光していても、エラー(例えば第1エラー)が発生して所定のエラー中文字演出が実行されるときには、規定の発光パターンに変更されることで、エラー報知をすることができる。さらに所定の発光部は、規定のパターンで発光しているときに抑制機能の所定条件(MY=95000)を充足したとしても、規定の発光パターンを維持して発光することができる。このような構成は、特に、特別遊技の実行中に抑制機能の所定条件を充足したときに好適であり、リーチ後文字演出よりもエラー報知を優先しつつ、抑制機能の実施を一旦保留することで、エラー報知の確実性と遊技者の利益獲得(大当り遊技による出玉獲得)とをともに担保することが可能となる。なお、所定のリーチ後文字演出の実行中に第1エラーが発生した場合、所定のリーチ後文字演出と第1エラー中文字演出とを同時に実行可能であり、その状況で抑制機能の所定条件を充足した場合、所定の発光部における発光制御は上記のとおりであるが、特殊事前報知演出でもある第1の抑制関連文字演出も所定のリーチ後文字演出及び第1エラー中文字演出と並行して同時に実行される。
【0691】
抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、抑制機能の所定条件(例えばMY=95000到達)を充足した場合に文字を表示する抑制関連文字演出とは別に、事前報知の特定条件(MYが特定数に到達)を充足した場合に抑制状態に関する事前報知のための文字を表示する事前文字演出を実行可能である。事前文字演出は、抑制機能が作動する前に実行されて、間もなく抑制機能が作動する予定である旨を示す文字を表示する。具体的には、「本日の出玉が95000発に到達すると抑制機能が作動します、作動後は遊技が終了となり、発射が停止します」といった表示の他、「作動まで残り約****発」(「****」は、抑制機能が作動するまでの残りのMYの数値)といった表示も含めることができる。
図76及び
図77には、事前文字演出による表示画面の一例が表示されている。
【0692】
そして本遊技機は、特定条件を示す計数値「MY」(付与される遊技価値数と使用される遊技価値数との差数)の特定数として、少なくとも第1の特定数(例えば「90000」)と、第1の特定数よりも多い第2の特定数(例えば「90200」とを有するとき、計数値「MY」が第1の特定数に到達した場合には第1の事前文字演出を実行可能であり、計数値「MY」が第2の特定数に到達した場合には第2の事前文字演出を実行可能である。第1の事前文字演出は、「本日の出玉が95000発に到達すると抑制機能が作動します、作動後は遊技が終了となり、発射が停止します」との表示と「作動まで残り約5000発」との表示の組合せであり、第2の事前文字演出は、「本日の出玉が95000発に到達すると抑制機能が作動します、作動後は遊技が終了となり、発射が停止します」との表示と「作動まで残り約4800発」との表示の組合せである。このような遊技機では、第1の事前文字演出が実行されている第1状況から第2の事前文字演出が実行されている第2状況へと移行可能であり(第1状況から更にMYカウンタが増加することで移行可能であり)、且つ、第2状況から第1状況へも移行可能である(第2状況からMYカウンタが減少することで移行可能である)ように構成される。このように構成されることで、抑制機能の事前報知を適切なタイミングで段階的に実施することができる。
【0693】
なお、第1状況から第2状況へ移行する際、及び第2状況から第1状況に移行する際は、直接移行する場合だけでなく、何れかの事前文字演出が表示されなかったり一旦非表示にされたりする第3状況(例えば、事前文字演出の種類を切り替えるためのブラックアウト画像を一瞬表示させたうえで移行したりしてもよく、第1の抑制関連文字演出及び第2の抑制関連文字演出を表示せずにブラックアウト画像のみを一瞬表示させる状況を第3状況とする、もしくは、第1の事前文字演出と第2の事前文字演出とを行き来する際に、第3の事前文字演出である「本日の出玉が95000発に到達すると抑制機能が作動します、作動後は遊技が終了となり、発射が停止します」との表示と「作動まで残り約4900発」との表示の組合せを経由させたうえで移行したりしてもよく、当該第3の事前文字演出を表示させる状況を第3状況とする)を途中に挟んでから移行する場合等を含んでもよい。
【0694】
また、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機においては、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色が、所定のリーチ中文字演出(例えば、SPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)において所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び所定のリーチ中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」や最高期待度を示唆する「虹」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」や中期待度又は高期待度を示唆する「赤」のいずれか、もしくはそれ以外の「黒」や「黄」など)とされ、上記の所定のリーチ中文字演出は、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出の何れとも同時に実行可能であるように構成されてもよい。更に、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色は、所定の変動中文字演出(例えば、台詞演出)において所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び所定の変動中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」や最高期待度を示唆する「虹」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」や中期待度又は高期待度を示唆する「赤」のいずれか、もしくはそれ以外の「黒」や「黄」など)とされ、上記の所定の変動中文字演出は、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出の何れとも同時に実行可能であるように構成されてもよい。
【0695】
詳しく説明すると、事前文字演出は抑制機能の事前報知を行う演出であり、その他の演出(例えばリーチ中文字演出)のように文字演出対応色によって期待度を示唆する必要もないことから、射幸性を過度に煽らない色を文字演出対応色とすることが好ましい。また、事前文字演出の実行時点ではまだ抑制機能が実施されないことから、その他の演出(例えばリーチ中文字演出)を阻害してまで事前文字演出を強調して表示する必要性は高くない。そのため、事前文字演出とその他の演出(例えば、SPタイトルなどを表示するリーチ中文字演出)とを同時に実行可能にしてもよい。したがって、上記のように構成されることにより、抑制機能の事前報知とその他の演出の双方について各演出の実行を阻害しないとともに、射幸性を煽ることのないようにしながら抑制機能の事前報知を実施することができる。
【0696】
前述した通り、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機においては、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色が、所定のリーチ中文字演出(例えば、SPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)において所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び所定のリーチ中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」や最高期待度を示唆する「虹」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」や中期待度又は高期待度を示唆する「赤」のいずれか、もしくはそれ以外の「黒」や「黄」など)とされ、上記の所定のリーチ中文字演出は、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出の何れとも同時に実行可能であるように構成されてもよい。更に、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出において表示される文字自体の色または文字周辺の色である文字演出対応色は、所定の変動中文字演出(例えば、台詞演出)において所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第1の色(例えば、最低期待度以外の低期待度を示唆する「緑」)、及び所定の変動中文字演出において第1の色による期待度よりも高い所定の期待度を示唆する文字演出対応色である第2の色(例えば、最高期待度以外の高期待度を示唆する「キリン柄」や最高期待度を示唆する「虹」)の何れとも異なる色(例えば、最低期待度を示唆する「白」や中期待度又は高期待度を示唆する「赤」のいずれか、もしくはそれ以外の「黒」や「黄」など)とされ、上記の所定の変動中文字演出は、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出の何れとも同時に実行可能であるように構成されてもよい。そしてさらに、所定のリーチ後文字演出(例えば、大当りタイトルである「BONUS」又は「SUPERBONUS」や大当りラウンドの表示)は、第1の事前文字演出及び第2の事前文字演出の何れとも同時に実行可能であるように構成されてもよい。
【0697】
前述した通り、事前文字演出は抑制機能の事前報知を行う演出であり、その他の演出(例えばリーチ中文字演出)のように文字演出対応色によって期待度を示唆する必要もないことから、射幸性を過度に煽らない色を文字演出対応色とすることが好ましい。また、事前文字演出の実行時点ではまだ抑制機能が実施されないことから、その他の演出を阻害してまで事前文字演出を強調して表示する必要性は高くない。そのため、事前文字演出とその他の演出(例えば、大当りタイトルなどを表示するリーチ後文字演出)とを同時に実行可能にしてもよい。したがって、上記のように構成されることにより、抑制機能の事前報知とその他の演出の双方について各演出の実行を阻害しないとともに、射幸性を煽ることのないようにしながら抑制機能の事前報知を実施することができる。
【0698】
また、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の実行時には、所定の発光部(例えば枠ランプ10や盤ランプ25等の演出ランプ)を当該所定のリーチ中文字演出に対応した所定の発光パターンで発光可能とするとき、当該所定のリーチ中文字演出の実行中に事前報知の特定条件を充足した場合でも、所定の発光パターンによる発光を継続するようにしてもよい(所定のリーチ中文字演出と事前文字演出とは並行して同時に実行可能である)。事前報知の特定条件を充足した場合には、抑制機能の所定条件を充足した場合とは異なり、抑制機能が実施されるのではなく抑制機能の事前報知が行われるだけであるから、所定のリーチ中文字演出に対応した所定の発光パターンによる発光を強制的に終了する必要性は高くないためである。また、発光パターンを強制的に終了または変更すると、何らかの特別な演出と誤解されて射幸性が煽られる可能性もある。したがって、上記のように構成されることにより、抑制機能の事前報知とその他の演出(所定のリーチ中文字演出)の双方について各演出の実行を阻害しないとともに、射幸性を煽ることのないようにしながら抑制機能の事前報知を実施することができる。
【0699】
また、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の実行に伴い所定の発光部(例えば演出ランプ)が当該所定のリーチ中文字演出に対応した所定の発光パターン(リーチ中文字演出に対応した発光パターン)にて発光している最中に、所定のエラー中文字演出(例えば、「扉・枠が開いています」との文字)が実行される場合、所定の発光パターンによる発光が強制的に終了されて所定の発光パターンとは異なる規定の発光パターン(赤色の発光パターン)による発光を可能に構成してもよい(所定のリーチ中文字演出と所定のエラー中文字演出とは並行して同時に実行可能である)。さらに本遊技機では、当該所定のエラー中文字演出の実行中に事前報知の特定条件を充足した場合でも、規定の発光パターンによる発光が継続されるようにしてよい。なおこの場合でも、抑制機能の事前報知のための文字演出である事前文字演出は実行可能である。このような構成によれば、所定の発光部は、所定のリーチ中文字演出(SPタイトルの表示)の実行に伴って所定の発光パターンで発光していても、エラーが発生して所定のエラー中文字演出が実行されるときには、規定の発光パターンに変更されることで、エラー報知を優先することができる。さらに所定の発光部は、規定の発光パターンで発光しているときに、事前報知の特定条件(MY=90000やMY=90200など)を充足したとしても、規定の発光パターンによる発光が継続されることにより、エラー報知を抑制機能の事前報知が邪魔しないようにできる(所定のリーチ中文字演出と所定のエラー中文字演出と事前文字演出とは並行して同時に実行可能である)。この結果、エラー報知を他の演出(所定のリーチ中文字演出や事前文字演出)よりも優先しつつ、抑制機能の事前報知に係る事前文字演出が実行可能なことから、エラー報知の確実性を担保した上で抑制機能の事前報知を実現することができる。
【0700】
なお、エラーが複数の種別(例えば前述した第1エラーと第2エラー)に区分され、エラー中文字演出として、第1エラーの発生時に当該エラーに係る文字を表示する第1エラー中文字演出と、第2エラーの発生時に当該エラーに係る文字を表示する第2エラー中文字演出と、を実行可能であるような場合には、何れかの種別のエラーに対応するエラー中文字演出(例えば第1エラー中文字演出)を、前段の「所定のエラー中文字演出」としてもよい。
【0701】
また、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示である「BONUS」又は「SUPERBONUS」)の実行時には、所定の発光部が当該所定のリーチ後文字演出に対応した特定の発光パターン(例えば、虹色の発光パターン)で発光可能とされ、当該所定のリーチ後文字演出の実行中に事前報知の特定条件を充足した場合でも、特定の発光パターンによる発光が継続されるよう構成されてもよい(所定のリーチ後文字演出と事前文字演出とは並行して同時に実行可能である)。事前報知の特定条件を充足した場合には、抑制機能の所定条件を充足した場合とは異なり、抑制機能が実施されるのではなく抑制機能の事前報知が行われるだけであるから、所定のリーチ後文字演出に対応した特定の発光パターンによる発光を強制的に終了する必要性は高くないためである。また、発光パターンを強制的に終了または変更すると、何らかの特別な演出と誤解されて射幸性が煽られる可能性もある。したがって、上記のように構成されることにより、抑制機能の事前報知とその他の演出(所定のリーチ後文字演出)の双方について各演出の実行を阻害しないとともに、射幸性を煽ることのないようにしながら抑制機能の事前報知を実施することができる。
【0702】
また、抑制機能を搭載した本実施形態に係る遊技機は、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示)の実行時には、所定の発光部が当該所定のリーチ後文字演出に対応した特定の発光パターン(例えば、虹色の発光パターン)で発光可能とされ、所定のリーチ後文字演出の実行に伴い所定の発光部が特定の発光パターンにて発光している最中に所定のエラー中文字演出が実行される場合、特定の発光パターンによる発光が強制的に終了されて特定の発光パターンとは異なる規定の発光パターン(赤色の発光パターン)による発光を可能に構成してもよい。さらに本遊技機では、当該所定のエラー中文字演出の実行中に事前報知の特定条件を充足した場合でも、規定の発光パターンによる発光が継続されるようにしてよい(所定のリーチ後文字演出と所定のエラー中文字演出とは並行して同時に実行可能である)。なおこの場合でも、抑制機能の事前報知のための文字演出である事前文字演出は実行可能である。このような構成によれば、所定の発光部は、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示)の実行に伴って特定の発光パターンで発光していても、エラーが発生して所定のエラー中文字演出が実行されるときには、規定の発光パターンに変更されることで、エラー報知を優先することができる。さらに所定の発光部は、規定の発光パターンで発光しているときに、事前報知の特定条件(MY=90000やMY=90200など)を充足したとしても、規定の発光パターンによる発光が継続されることにより、エラー報知を抑制機能の事前報知が邪魔しないようにできる(所定のリーチ後文字演出と所定のエラー中文字演出と事前文字演出とは並行して同時に実行可能である)。この結果、エラー報知を他の演出(所定のリーチ後文字演出や事前文字演出)よりも優先しつつ、抑制機能の事前報知に係る事前文字演出を実行可能なことから、エラー報知の確実性を担保した上で抑制機能の事前報知を実現することができる。
【0703】
<9-4.その他>
以上、本実施形態に係る遊技機(パチンコ機1)において実行可能な様々な文字演出について説明したが、本遊技機は文字演出に関して以下のような構成を採用することも可能である。なお、以下に説明する構成は、上述してきた様々な構成と同様に、組合せを阻害する要因が存在しない限り、適宜組合せ可能である。
【0704】
本実施形態に係る遊技機(パチンコ機1)は、複数種類の特別図柄の変動パターンのうちに、大当り用の変動パターンである大当り変動パターンを複数種類有する(
図24参照)。本遊技機では、特別図柄の変動パターン抽選の結果、これら複数種類の大当り変動パターンのうちから、ある大当り変動パターンAが選ばれた場合には、大当たり確定の報知態様によるリーチ中文字演出Aを実行可能とする一方で、大当り変動パターンAとは別の大当り変動パターンBが選ばれた場合には、大当たり確定の報知態様によるリーチ中文字演出Aを実行不可能とするようにしてもよい。リーチ中文字演出Aとは、例えばSPリーチ演出Aのリーチ演出名「SPタイトルA」を表示するリーチ中文字演出であるとし、大当り確定の報知態様とは、例えば「虹」の文字演出対応色で文字が表示されることであるとする。すなわち、上記構成を採用する場合、大当り変動パターンAは、SPリーチ演出Aを実行可能で、その実行中に虹の文字演出対応色によるリーチ中文字演出Aを実行可能である一方、大当り変動パターンBは、SPリーチ演出Aを実行可能であったとしても、虹の文字演出対応色によるリーチ中文字演出Aを実行できない。なお、大当り変動パターンBに対応して、SPリーチ演出Aの実行中に大当り非確定の報知態様(例えば虹以外の文字演出対応色)によるリーチ中文字演出Aを実行したり、SPリーチ演出Aとは別のSPリーチ演出Bの実行中に、SPタイトルBを表示するリーチ中文字演出Bを大当り確定の報知態様(例えば虹の文字演出対応色)によって実行したりすることは可能であってよい。
【0705】
但し、前段のような構成が採用される場合でも、大当り変動パターンA,Bの何れもが、大当り確定の報知態様による特定演出(例えば、リーチ状態の成立前に実行される大当り確定系のプレミア演出、一発告知音など)は共通して(いずれの大当り変動パターンであっても)実行可能であってよい。
【0706】
さらに、大当り変動パターンA,Bの何れであっても、その変動パターンの終了後には、大当り中文字演出(例えば大当りタイトルの表示)を実行可能であってよく、共通する所定の大当り中文字演出(例えば、「BONUS」や「SUPERBONUS」の表示)を実行可能であってもよい。
【0707】
また、本実施形態に係る遊技機では、メイン装飾図柄の色彩種が、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の色彩種よりも多くなるように構成してもよい。「色彩種」とは色の数である。メイン装飾図柄は、様々な色彩を用いることにより、多種多様な図柄の変動を煌びやかに見せることができる。一方、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)では、使用する色彩種をメイン装飾図柄よりも抑えることにより(原則として単色で構成することが好ましいが、虹やメーカー柄等の特定の文字演出対応色についてはこの限りではない)、文字演出対応色が何であるかを遊技者が識別し易くなり、文字演出対応色が示唆する期待度を認識して興趣を高める効果が得られる。
【0708】
また、本実施形態に係る遊技機では、所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示である「BONUS」又は「SUPERBONUS」)の色彩種が、所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)の色彩種よりも多くなるように構成してもよい。これは、大当りタイトルの表示の方が、SPタイトルの表示よりも遊技者にとってはより有利な(利益の獲得期待度が高い)情報であることから、大当りタイトルの表示の色彩種を多くして目立つ表示とするためである。さらに言えば、SPタイトルの表示については、使用する色彩種を大当りタイトルの表示よりも抑えることにより(原則として単色で構成することが好ましいが、虹やメーカー柄等の特定の文字演出対応色についてはこの限りではない)、文字演出対応色が何であるかを遊技者が識別し易くなり、文字演出対応色が示唆する期待度を認識して興趣を高める効果が得られる。また、大当りタイトルの表示には、様々な色彩を用いて豪華な表示を行うことにより、祝福感を出すことができる。
【0709】
また、本実施形態に係る遊技機では、メイン装飾図柄と所定のリーチ中文字演出(例えばSPタイトルの表示である「SPタイトルA」又は「SPタイトルB」)とが重畳表示されないようにしてもよい。メイン装飾図柄と所定のリーチ中文字演出は、重畳しなければ同時に表示可能としてもよく、例えば、メイン装飾図柄がリーチ状態で画像表示領域の右上の端などに表示されたうえで、画像表示領域の中央付近にSPタイトルが表示されるといった実装が考えられる。このように構成されることにより、変動中のメイン装飾図柄の視認性を低下させることなく、リーチ中文字演出を表示できるため、遊技者の興味の対象がメイン装飾図柄またはリーチ中文字演出の何れであっても、ストレスを与えることなく遊技を楽しませることができる。
【0710】
また、本実施形態に係る遊技機では、メイン装飾図柄と所定のリーチ後文字演出(例えば大当りタイトルの表示である「BONUS」又は「SUPERBONUS」)とが重畳表示されないようにしてもよい。メイン装飾図柄と所定のリーチ後文字演出は、重畳しなければ同時に表示可能としてもよく、例えば、メイン装飾図柄がゾロ目で揃った状態で画像表示領域の右上の端などに表示されたうえで、画像表示領域の中央付近に大当りタイトルが表示されるといった実装が考えられる。このように構成されることにより、大当りを示す変動結果を表示中のメイン装飾図柄に対する視認性を低下させることなく、リーチ後文字演出を表示できるため、遊技者の興味の対象がメイン装飾図柄またはリーチ後文字演出の何れであっても、ストレスを与えることなく遊技を楽しませることができる。
【0711】
なお、以上に説明した文字演出に関する様々な特徴や構成は、タイトルを表示するタイトル演出に限定されてもよいし、遊技期間等の実行条件が合えば、タイトル以外の文字(文字列)を表示する文字演出(例えば、台詞演出やテロップ演出)に適用されてもよい。特に、以上に説明したリーチ中文字演出(主にタイトル演出)の特徴や構成は、同じ変動中文字演出であるその他文字演出(台詞演出やテロップ演出)に適用されてもよい。
【0712】
以上、本発明の遊技機の一実施形態としてパチンコ機で説明したが、本発明はパチンコ機に限定されることはない。すなわち、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機や、遊技球や遊技メダル等を要さない管理遊技機(封入式遊技機、メダルレス遊技機)や、カジノマシン等であっても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0713】
1:パチンコ機、 2:外枠、 2a~2d:フレーム、 2e,2f:ヒンジ部材、 2p:ドア開センサ、 3:ガラス枠(扉枠)、 3a,3b:ヒンジ機構、 3c:施錠装置、 3d:貫通口、 3e:ベースユニット、 3f:皿ユニット、 3g:領域、 3h:枠ランプ(LEDランプ)、 3i:スピーカ、 3j:演出ボタン、 3k:第2演出ボタン、 4:前枠、 4a:ハンドル、 4b:枠体、 4c,4d:ヒンジ、 4e:発射装置、 4f:施錠ユニット、 4g:基板ユニット、 4h:裏カバー、 4i,4j:ヒンジ部材、 4p:ドア開検知用部材、 5:遊技盤、 5a:遊技領域、 5b:主制御ユニット、 5c:周辺制御ユニット、 8:上球皿、 9:下球皿、 10:演出ランプ(枠ランプ)、 11:スピーカ、 12:発射ハンドル、 13:球送り機構、 14:発射機構、 15:演出ボタン、 20A:遊技領域、 22:センター飾り、 25:演出ランプ(盤ランプ)、 29:第1のアウト口、 31:貯留タンク、 34:賞球払出ユニット、 61:第1始動口、 62:第2始動口、 63:ゲート、 64:大入賞口、 66:一般入賞口、 70:液晶表示装置、 91:ランプ接続基板、 92:モータドライバ、 100:主制御基板、 100a:前部材、 100b:遊技パネル、 100c:機能表示ユニット、 100d:内レール、 100e:アウト誘導路、 100f:外レール、 100h:開口、 100m:表ユニット、 100n:主制御基板ケース、 100p:ハーネスカバー、 100q:設定キースイッチ、 101:主制御CPU、 101B:ストローブ信号出力ポート、 102:主制御ROM、 103:主制御RAM、 104:I/Oポート回路、 109:演出制御基板接続コネクタ、 110:入球判定手段、 111:データバス、 112:ストローブ信号バス、 120:遊技抽選乱数発生手段、 123:普通電動役物ソレノイド、 124:特別電動役物ソレノイド、 130:保留制御手段、 131:特別図柄保留制御手段、 132:普通図柄保留制御手段、 135:事前判定手段、 140:特別図柄抽選処理手段、 141:特別図柄当否判定手段、 142:特別図柄停止図柄判定手段、 143:特別図柄変動パターン判定手段、 145:普通図柄抽選処理手段、 146:普通図柄当否判定手段、 147:普通図柄停止図柄判定手段、 148:普通図柄変動パターン判定手段、 150:特別遊技制御手段、 155:図柄表示制御手段、 156:特別図柄表示制御手段、 157:普通図柄表示制御手段、 160:電動役物制御手段、 161:第1始動口スイッチ、 162:第2始動口スイッチ、 163:作動ゲートスイッチ、 164:大入賞口スイッチ、 166:一般入賞口スイッチ、 167:アウト球検出スイッチ、 169:遊技状態制御手段、 170:エラー監視制御手段、 171:第1特別図柄表示装置、 172:第2特別図柄表示装置、 173:第1特図保留ランプ、 174:第2特図保留ランプ、 175:普通図柄表示装置、 176:普図保留ランプ、 180:メイン情報記憶手段、 190:コマンド送受信手段、 195:設定変更手段、 196:設定確認手段、 197:設定表示部、 200:演出制御基板、 200a:開口、 200m:裏ユニット、 201:演出制御CPU、 202:演出制御ROM、 203:演出制御RAM、 204:I/Oポート回路、 210:演出抽選乱数発生手段、 220:演出統括手段、 221:演出モード制御手段、 222:保留情報表示制御手段、 223:先読み予告制御手段、 224:装飾図柄決定手段、 225:変動演出決定手段、 226:予告演出決定手段、 227:大当り演出決定手段、 230:ランプ演出制御手段、 240:役物演出制御手段、 250:エラー演出制御手段、 260:演出制御情報記憶手段、 270:コマンド送受信手段、 300:画像制御基板、 300m:液晶ベース、 301:画像制御CPU、 302:VDP、 303:音源IC、 304:ROM、 305:RAM、 306:I/Oポート回路、 400:払出制御基板、 400p:RAMクリアスイッチカバー、 400q:RAMクリアスイッチ、 401:払出制御CPU、 402:払出制御ROM、 403:払出制御RAM、 500:アタッカユニット、 600:電源基板、 600p:電源スイッチカバー、 600q:電源スイッチ、 622:普通電動役物、 642:特別電動役物、 700:画像表示画面、 710:メイン装飾図柄(装飾図柄)、 711:左図柄、 712:中図柄、 713:右図柄、 720:サブ装飾図柄、 750:当該変動アイコン、 760:保留アイコン、 761:第1保留アイコン、 762:第2保留アイコン、 763:第3保留アイコン、 764:第4保留アイコン、 770:保留数表示、 781,782:装飾役物