(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180145
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20241219BHJP
B63B 25/24 20060101ALI20241219BHJP
B63B 79/15 20200101ALI20241219BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20241219BHJP
G08B 31/00 20060101ALI20241219BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20241219BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
B63B25/24 A
B63B79/15
G08B21/00 A
G08B31/00 B
H04N7/18 K
G08B21/24
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099621
(22)【出願日】2023-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】593005644
【氏名又は名称】JFE物流株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】白岩 遼
(72)【発明者】
【氏名】建部 啓太
【テーマコード(参考)】
5C054
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC14
5C054FE28
5C054HA19
5C054HA26
5C086AA60
5C086BA21
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA14
5C086DA33
5C086FA06
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA25
5C087AA44
5C087AA51
5C087DD12
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG14
5C087GG66
(57)【要約】
【課題】移動体に積載された積荷の荷崩れを抑制可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、積荷を積載した移動体が移動するときの、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と積荷の積載状態とに基づき、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知する制御部15、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知する制御部、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記積載状態に基づいて前記積荷の荷ずれが発生したと判定すると、アラート情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動に伴う前記移動条件の直前までの履歴が第1条件を満たしたと判定すると、アラート情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体が移動する予定の移動ルート上の前記環境条件が第2条件を満たすと判定すると、アラート情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とを移動ルートごとに互いに関連付けた過去の実測データに基づく予測モデルを用いて、予測情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体が移動する予定の前記移動ルート上での前記積載状態を前記予測モデルに基づき予測し、予測された前記積載状態を第1予測情報として通知する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れを抑制する前記移動ルートを前記予測モデルに基づき予測し、予測された前記移動ルートを第2予測情報として通知する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れを抑制する前記移動条件及び前記環境条件の少なくとも一方を前記予測モデルに基づき予測し、予測された前記移動条件及び前記環境条件の少なくとも一方を第3予測情報として通知する、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記移動体は、船舶を含む、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記船舶の船倉内で撮像された画像を解析することで前記積載状態を情報として取得する、
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の情報処理装置と、
前記積載状態を撮像して得られた画像を前記情報処理装置に送信する撮像装置と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項12】
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知すること、
を含む、
情報処理方法。
【請求項13】
情報処理装置に、
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知すること、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体が移動するときに、移動体に積載されている積荷の荷崩れなどを監視するための技術が知られている。例えば、特許文献1には、運送中の荷物の監視装置であって、特に、車両、船舶、鉄道などで運送中の積荷の荷崩れを監視し、荷物の損害を軽減するための荷物の監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、荷崩れの監視について考慮されているだけであり、荷崩れが抑制されるように荷崩れが生じる前にユーザを支援することについて改善の余地があった。
【0005】
本開示は、移動体に積載された積荷の荷崩れを抑制可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための第1の観点による情報処理装置は、
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知する制御部、
を備える。
【0007】
第2の観点による情報処理システムは、
上記の情報処理装置と、
前記積載状態を撮像して得られた画像を前記情報処理装置に送信する撮像装置と、
を備える。
【0008】
第3の観点による情報処理方法は、
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知すること、
を含む。
【0009】
第4の観点によるプログラムは、
情報処理装置に、
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知すること、
を含む動作を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムによれば、移動体に積載された積荷の荷崩れを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の情報処理装置により実行される情報処理方法の第1例を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図1の情報処理装置により実行される情報処理方法の第2例を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図1の情報処理装置により実行される情報処理方法の第3例を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図1の情報処理装置により実行される情報処理方法の第4例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図1の情報処理装置により実行される情報処理方法の第5例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図1の情報処理装置による処理の一例を説明するための第1図である。
【
図8】
図1の情報処理装置による処理の一例を説明するための第2図である。
【
図9】
図1の情報処理装置による処理の一例を説明するための第3図である。
【
図10】
図1の情報処理装置による処理の一例を説明するための第4図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。以下の説明は、本開示を適用した、情報処理装置10が実行する情報処理方法及びプログラムにも当てはまる。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概略構成を示すブロック図である。
図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、撮像装置20を有する。
【0014】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10及び撮像装置20の各々について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10及び撮像装置20の数はそれぞれ2つ以上であってもよい。情報処理装置10及び撮像装置20は、後述する移動体に設置され、移動体において任意の通信規格に基づき互いに通信可能に接続されている。
【0015】
一実施形態の概要を説明する。情報処理装置10は、積荷を積載した移動体が移動するときの、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と積荷の積載状態とに基づき、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知する。
【0016】
本開示において、「移動体」は、例えば、近海船などの船舶を含む。「積荷」は、例えば、船舶によって輸送される鋼材貨物を含む。鋼材貨物は、例えば、スチールコイルを含む。「移動条件」は、鉛直方向及び進行方向などを含む6方向の加速度、速度、ローリング、ピッチング、GM(Gravity Metacenter)、トリム、積荷の積載数、及び積荷の積載重量などの条件を含む。「環境条件」は、天候、気温、及び風の強さなどの大気の状態及び現象を含む気象条件、並びに波高などの海洋の状態及び現象を含む海象条件などを含む。
【0017】
本開示において、「積載状態」は、例えば、移動体にける積荷の配置を含む。積載状態は、積荷の回転及び並進移動などに基づいて荷ずれが生じたときの積荷の配置を含んでもよいし、荷ずれが生じず、移動体に積載された初期の状態のまま維持された積荷の配置を含んでもよい。積載状態は、荷ずれが進んで荷崩れが起きたときの積荷の配置を含んでもよい。「荷ずれ」は、例えば、移動体の移動に伴い積荷が回転したり、並進移動したり、傾いたりして、移動体に積載された積荷の配置が初期の配置から変化することを意味する。
【0018】
本開示において、「通知情報」は、アラート情報及び予測情報などを含む。「アラート情報」は、例えば、荷ずれが検知されたことを単に事実として示すか、又は荷ずれが発生している可能性が高いことを示す。「予測情報」は、例えば、第1予測情報、第2予測情報、及び第3予測情報を含む。第1予測情報は、移動体の今後の移動にあたり荷ずれ及び荷崩れなどの発生が予測されるか否かを示す。第2予測情報は、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制が予測される移動ルートを示す。第3予測情報は、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制が予測される移動条件及び環境条件の少なくとも一方を示す。
【0019】
本開示において、「ユーザ」は、例えば、移動体を操作しながら移動体を移動させる任意の操作者を含む。ユーザは、船舶の移動条件を調整しながら所定の移動ルート上で船舶を航行させる船員などを含む。
【0020】
情報処理装置10は、移動体に設置され、ユーザから必要な入力操作を受けたり必要な情報をユーザに出力したりする任意の電子機器である。情報処理装置10は、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。情報処理装置10は、これらに限定されず、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよい。
【0021】
撮像装置20は、移動体において積荷が積載されている倉庫及びコンテナなどの内部空間を撮像する任意の電子機器である。撮像装置20は、カメラなどを含む。撮像装置20は、移動体に積載されている積荷を撮像して画像を生成する。例えば、撮像装置20は、船舶の船倉内に積載されたスチールコイルを撮像して画像を生成する。撮像装置20は、生成された画像を情報処理装置10に送信する。
【0022】
図1を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10の構成の一例について主に説明する。情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、入力部13、出力部14、及び制御部15を有する。
【0023】
通信部11は、撮像装置20と通信可能に接続される1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、情報処理装置10と撮像装置20との間で定められた任意の通信規格に対応する。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介して撮像装置20と通信可能に接続されている。通信部11は、撮像装置20により生成された画像を撮像装置20から受信する。
【0024】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの記憶モジュールを含む。記憶部12は、情報処理装置10の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部12は、情報処理装置10の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0025】
記憶部12は、主記憶モジュール、補助記憶モジュール、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0026】
入力部13は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部14のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0027】
出力部14は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音で出力するスピーカ、及び情報を振動で出力するバイブレータなどを含む。
【0028】
制御部15は、1つ以上のプロセッサを含む。本開示において、「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部15は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0029】
情報処理システム1に含まれる撮像装置20の構成の一例について主に説明する。撮像装置20は、通信部21、記憶部22、撮像部23、及び制御部24を有する。
【0030】
通信部21は、情報処理装置10と通信可能に接続される1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、情報処理装置10と撮像装置20との間で定められた任意の通信規格に対応する。一実施形態において、撮像装置20は、通信部21を介して情報処理装置10と通信可能に接続されている。通信部21は、撮像装置20により生成された画像を情報処理装置10に送信する。
【0031】
記憶部22は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶モジュールを含む。記憶部22は、撮像装置20の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部22は、撮像装置20の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0032】
記憶部22は、主記憶モジュール、補助記憶モジュール、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、撮像装置20に内蔵されているものに限定されず、USBなどのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0033】
撮像部23は、撮像素子を含む。撮像素子は、例えば、光を検出可能な素子が数万個から数百万個以上の数で小さなチップ上に集積されることで構成されている。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)及びCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などを含む。
【0034】
制御部24は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部24は、撮像装置20を構成する各構成部と通信可能に接続され、撮像装置20全体の動作を制御する。
【0035】
図2は、
図1の情報処理装置10により実行される情報処理方法の第1例を説明するためのフローチャートである。
図2を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する情報処理方法の第1例について主に説明する。
【0036】
ステップS101では、情報処理装置10の制御部15は、撮像装置20により撮像された積荷の画像を、通信部11を介して撮像装置20から定期的又は非定期的に取得する。制御部15は、移動体の移動中に撮像装置20を用いて繰り返し撮像された積荷の画像を、時系列で複数枚取得する。
【0037】
ステップS102では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS101において取得された複数枚の画像を解析する。制御部15は、画像を解析することで、移動体における積荷の積載状態を情報として取得する。例えば、制御部15は、船舶の船倉内で撮像された画像を解析することでスチールコイルの積載状態を情報として取得する。
【0038】
制御部15は、ステップS101において取得された各画像に対し、一次微分を利用して画像から輪郭を抽出するソーベルフィルタを用いた画像処理を実行する。制御部15は、ステップS101において取得された各画像に対し、輪郭画像を取得する。制御部15は、取得された輪郭画像同士を重ね合わせる。
【0039】
このとき、積荷の積載状態が変化して荷ずれなどが生じていると、一の画像と他の画像との間で輪郭が重ならない。例えば、スチールコイルが回転又は並進移動していると、当該スチールコイルの輪郭が一の画像と他の画像との間で重ならない。制御部15は、一の画像と他の画像との間で輪郭の一致又は不一致を判定することで、荷ずれが生じている積荷を特定する。例えば、制御部15は、回転又は並進移動に基づき荷ずれが生じているスチールコイルを特定する。
【0040】
ステップS103では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS102における画像解析に基づき得られた積荷の積載状態に基づいて、積荷の荷ずれが発生したか否かを判定する。制御部15は、荷ずれが発生したと判定すると、ステップS104の処理を実行する。制御部15は、荷ずれが発生していないと判定すると、処理を終了する。
【0041】
ステップS104では、情報処理装置10の制御部15は、移動体の移動に伴う移動条件の直前までの履歴が第1条件を満たすか否かを判定する。本開示において、「第1条件」は、例えば、積荷の荷ずれが発生しやすい移動条件を含む。第1条件は、例えば、移動体の移動条件と積荷の積載状態とを互いに関連付けた過去の実測データに基づいて客観的に定められていてもよいし、ユーザの経験則に基づいて主観的に定められていてもよい。制御部15は、移動条件の履歴が第1条件を満たすと判定すると、ステップS105の処理を実行する。制御部15は、移動条件の履歴が第1条件を満たさないと判定すると、処理を終了する。
【0042】
ステップS105では、情報処理装置10の制御部15は、移動体が移動する予定の移動ルート上の環境条件が第2条件を満たすか否かを判定する。本開示において、「第2条件」は、例えば、積荷の荷ずれが発生しやすい環境条件を含む。第2条件は、例えば、移動体の周囲の環境条件と積荷の積載状態とを互いに関連付けた過去の実測データに基づいて客観的に定められていてもよいし、ユーザの経験則に基づいて主観的に定められていてもよい。制御部15は、環境条件が第2条件を満たすと判定すると、ステップS106の処理を実行する。制御部15は、環境条件が第2条件を満たさないと判定すると、処理を終了する。
【0043】
ステップS106では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS103乃至ステップS105の判定処理において全ての条件が満たされると、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制を支援するアラート情報を通知情報としてユーザに対して通知する。例えば、制御部15は、出力部14を用いてユーザの視覚、聴覚、又は触覚に働きかけるように、荷ずれが検知されたことを事実として示すアラート情報をユーザに対して通知する。制御部15は、出力部14を用いてユーザに対し荷ずれの検知に関するアラートを発出する。
【0044】
図3は、
図1の情報処理装置10により実行される情報処理方法の第2例を説明するためのフローチャートである。
図3を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する情報処理方法の第2例について主に説明する。
【0045】
ステップS201では、情報処理装置10の制御部15は、積荷を積載した移動体が過去に所定の移動ルートを移動したときの移動体の移動条件を取得する。例えば、制御部15は、積荷を積載した移動体の過去の移動記録として記憶部12が記憶している移動体の移動条件を、記憶部12を参照することで取得する。このような移動条件の記録は、情報処理装置10の入力部13を用いたユーザの過去の入力操作に基づいて行われてもよいし、情報処理装置10の通信部11を用いた移動体の各種センサ装置からの過去の受信動作に基づいて行われてもよい。
【0046】
ステップS202では、情報処理装置10の制御部15は、積荷を積載した移動体が過去に所定の移動ルートを移動したときの移動体の周囲の環境条件を取得する。例えば、制御部15は、積荷を積載した移動体の過去の移動記録として記憶部12が記憶している移動体の周囲の環境条件を、記憶部12を参照することで取得する。このような環境条件の記録は、情報処理装置10の入力部13を用いたユーザの過去の入力操作に基づいて行われてもよいし、情報処理装置10の通信部11を用いた情報処理システム1の外部のサーバ装置からの過去の受信動作に基づいて行われてもよい。例えば、制御部15は、積荷を積載した移動体の過去の移動ルート及び移動日時と一致する環境条件を、当該サーバ装置から通信部11を介して情報として取得していてもよい。
【0047】
ステップS203では、情報処理装置10の制御部15は、積荷を積載した移動体が過去に所定の移動ルートを移動したときの積荷の積載状態を取得する。例えば、制御部15は、積荷を積載した移動体の過去の移動記録として記憶部12が記憶している積荷の積載状態を、記憶部12を参照することで取得する。このような積載状態の記録は、情報処理装置10の入力部13を用いたユーザの過去の入力操作に基づいて行われてもよいし、情報処理装置10の通信部11を用いた撮像装置20からの過去の受信動作に基づいて行われてもよい。
【0048】
ステップS204では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS201乃至ステップS203において取得された情報に基づいて、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と積荷の積載状態とを移動ルートごとに互いに関連付けた過去の実測データを記憶部12に格納する。
【0049】
ステップS205では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS204において記憶部12に格納された過去の実測データに基づいて予測モデルを構築する。例えば、制御部15は、過去の実測データに基づいて、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方に応じた積荷の積載状態を学習して予測モデルを構築する。制御部15は、情報処理装置10自体において予測モデルを構築して、当該予測モデルを自装置内で取得する。制御部15は、構築された予測モデルを記憶部12に格納する。
【0050】
予測モデルは、取得された過去の実測データに基づき学習された機械学習モデルである。例えば、予測モデルは、教師あり学習モデルであり、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方を入力データとし、積荷の積載状態を教師データとして、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方に応じた積荷の積載状態を学習する数学モデルである。教師あり学習モデルは、例えば、入力層、1つ以上の中間層、及び出力層を含むニューラルネットワークであるが、これに限定されない。
【0051】
教師あり学習モデルの学習は、情報処理装置10の制御部15により実行される。教師あり学習モデルの学習は、バッチ学習であってもよく、オンライン学習であってもよい。本開示において、「予測モデルを構築する」とは、バッチ学習が完了し、又はオンライン学習が一定程度実施された状態を意味する。オンライン学習の場合、学習が一定程度実施された後も継続して学習が実行されてもよい。
【0052】
以下では、
図4乃至
図6を参照しながら、
図3のステップS205において構築された予測モデルを用いて情報処理装置10の制御部15が通知情報を通知するときの処理について主に説明する。
【0053】
図4は、
図1の情報処理装置10により実行される情報処理方法の第3例を説明するためのフローチャートである。
図4を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する情報処理方法の第3例について主に説明する。
【0054】
ステップS301では、情報処理装置10の制御部15は、
図3のステップS205において構築された予測モデルに、例えば、移動体の移動に伴う移動条件の直前までの履歴及び移動体が移動する予定の移動ルート上の環境条件の少なくとも一方を入力する。
【0055】
ステップS302では、情報処理装置10の制御部15は、移動体が移動する予定の移動ルート上での積荷の積載状態を、ステップS301において入力を受けた予測モデルに基づき予測する。
【0056】
ステップS303では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS302において予測された積荷の積載状態を通知情報に含まれる第1予測情報として通知する。
【0057】
図5は、
図1の情報処理装置10により実行される情報処理方法の第4例を説明するためのフローチャートである。
図5を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する情報処理方法の第4例について主に説明する。
【0058】
ステップS401では、情報処理装置10の制御部15は、撮像装置20により撮像された積荷の画像を、通信部11を介して撮像装置20から定期的又は非定期的に取得する。制御部15は、移動体の移動中に撮像装置20を用いて繰り返し撮像された積荷の画像を、時系列で複数枚取得する。
【0059】
ステップS402では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS401において取得された複数枚の画像を、
図2のステップS102における画像処理と同様の処理に基づいて解析する。制御部15は、画像を解析することで、移動体における積荷の積載状態を情報として取得する。例えば、制御部15は、船舶の船倉内で撮像された画像を解析することでスチールコイルの積載状態を情報として取得する。
【0060】
ステップS403では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS402における画像解析に基づき得られた積荷の積載状態に基づいて、積荷の荷ずれが発生したか否かを判定する。制御部15は、荷ずれが発生したと判定すると、ステップS404の処理を実行する。制御部15は、荷ずれが発生していないと判定すると、処理を終了する。
【0061】
ステップS404では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS403において荷ずれが発生したと判定すると、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制する移動ルートを、
図3のステップS205において構築された予測モデルに基づき予測する。
【0062】
ステップS405では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS404において予測された移動体の今後の移動ルートを通知情報に含まれる第2予測情報として通知する。
【0063】
図6は、
図1の情報処理装置10により実行される情報処理方法の第5例を説明するためのフローチャートである。
図6を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する情報処理方法の第5例について主に説明する。
【0064】
ステップS501では、情報処理装置10の制御部15は、撮像装置20により撮像された積荷の画像を、通信部11を介して撮像装置20から定期的又は非定期的に取得する。制御部15は、移動体の移動中に撮像装置20を用いて繰り返し撮像された積荷の画像を、時系列で複数枚取得する。
【0065】
ステップS502では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS501において取得された複数枚の画像を、
図2のステップS102における画像処理と同様の処理に基づいて解析する。制御部15は、画像を解析することで、移動体における積荷の積載状態を情報として取得する。例えば、制御部15は、船舶の船倉内で撮像された画像を解析することでスチールコイルの積載状態を情報として取得する。
【0066】
ステップS503では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS502における画像解析に基づき得られた積荷の積載状態に基づいて、積荷の荷ずれが発生したか否かを判定する。制御部15は、荷ずれが発生したと判定すると、ステップS504の処理を実行する。制御部15は、荷ずれが発生していないと判定すると、処理を終了する。
【0067】
ステップS504では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS503において荷ずれが発生したと判定すると、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制する移動条件及び環境条件の少なくとも一方を、
図3のステップS205において構築された予測モデルに基づき予測する。
【0068】
ステップS505では、情報処理装置10の制御部15は、ステップS504において予測された移動条件及び環境条件の少なくとも一方を通知情報に含まれる第3予測情報として通知する。
【0069】
図7は、
図1の情報処理装置10による処理の一例を説明するための第1図である。
図7は、
図3のステップS204において記憶部12に格納された過去の実測データの一例を示す。
【0070】
図7に示されるように、過去の実測データでは、積荷を積載した移動体が過去に実際に移動した所定の移動ルートが情報として含まれている。過去の実測データでは、当該移動ルートの各々に対して、対応する移動ルートを移動体が移動したときの移動体の過去の移動条件が情報として関連付けられている。過去の実測データでは、当該移動ルートの各々に対して、対応する移動ルートを移動体が移動したときの移動体の過去の周囲の環境条件が情報として関連付けられている。過去の実測データでは、当該移動ルートの各々に対して、対応する移動ルートを移動体が移動したときの積荷の過去の積載状態が情報として関連付けられている。
【0071】
図8は、
図1の情報処理装置10による処理の一例を説明するための第2図である。
図8は、
図2のステップS101などにおいて情報処理装置10の制御部15により取得される画像を撮像するための撮像装置20の配置の一例を示す。
【0072】
撮像装置20は、例えば、船倉内に積載されたスチールコイルの積載状態を監視するために船倉に取り付けられている。撮像装置20は、船倉内の全体を撮像するために、船倉の天井側で互いに対向する位置に一対取り付けられている。
【0073】
一対の撮像装置20の各々の制御部24は、船倉内に積載されているスチールコイルを、撮像部23を用いて船倉の天井側から撮像し、画像を取得する。一対の撮像装置20の各々の制御部24は、船倉内に積載されているスチールコイルの画像を記憶部22に格納すると共に、当該船倉を有する船舶の操舵室などに設置されている情報処理装置10に対し通信部21を介して送信する。情報処理装置10の制御部15は、船倉内に積載されているスチールコイルの画像を、通信部11を介して一対の撮像装置20の各々から受信する。
【0074】
図9は、
図1の情報処理装置10による処理の一例を説明するための第3図である。
図10は、
図1の情報処理装置10による処理の一例を説明するための第4図である。
図9及び
図10は、
図2のステップS102などにおいて情報処理装置10の制御部15により実行される画像解析に関連したスチールコイルの荷ずれの一例を示す。
【0075】
例えば、船倉内に積載されたスチールコイルは、船舶の移動に伴って荷ずれを引き起こす場合もある。例えば、スチールコイルC1及びC2の上に積載されたスチールコイルC3は、船舶の移動に伴って船舶が傾いたり、波による衝撃を受けたりすると、
図9に示されるように自転したり並進移動したりする場合もある。スチールコイルC3が回転及び並進移動に基づく荷ずれを引き起こすと、
図10に示されるように、スチールコイルC3を載せているスチールコイルC1及びC2がその軸方向に対して傾いたりする。
【0076】
情報処理装置10の制御部15は、船舶の船倉内で撮像装置20を用いて撮像された画像を解析することでスチールコイルの積載状態を情報として取得する。制御部15は、通信部11を介して撮像装置20から取得された各画像に対し、一次微分を利用して画像から輪郭を抽出するソーベルフィルタを用いた画像処理を実行する。制御部15は、通信部11を介して撮像装置20から取得された各画像に対し、輪郭画像を取得する。制御部15は、取得された輪郭画像同士を重ね合わせる。
【0077】
このとき、
図9及び
図10に示されるように、スチールコイルC1、C2、及びC3の積載状態が変化して荷ずれが生じていると、一の画像と他の画像との間で各スチールコイルの輪郭が重ならない。例えば、スチールコイルC3が回転及び並進移動していると、スチールコイルC3の輪郭が一の画像と他の画像との間で重ならない。例えば、スチールコイルC1及びC2の各々が軸方向に対して傾いていると、スチールコイルC1及びC2の各々の輪郭が一の画像と他の画像との間で重ならない。
【0078】
制御部15は、一の画像と他の画像との間で輪郭の一致又は不一致を判定することで、荷ずれが生じているスチールコイルを特定する。例えば、制御部15は、回転及び並進移動に基づき荷ずれが生じているスチールコイルC3を特定する。例えば、制御部15は、軸方向に対する傾きに基づき荷ずれが生じているスチールコイルC1及びC2を特定する。
【0079】
以上のような一実施形態に係る情報処理装置10によれば、移動体に積載された積荷の荷崩れを抑制可能である。情報処理装置10は、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と積荷の積載状態とに基づき、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知する。これにより、情報処理装置10は、所定の条件が満たされたときに、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制するための必要な対処をユーザに促すことができる。ユーザは、情報処理装置10から受けた通知情報に基づき、移動体の移動に伴って積荷が荷崩れしないように必要な対処を行うことができる。結果として、移動体に積載された積荷の荷崩れが抑制可能となる。
【0080】
情報処理装置10は、積荷の積載状態に基づいて積荷の荷ずれが発生したと判定すると、アラート情報を通知情報として通知する。これにより、情報処理装置10は、移動体の移動に伴って積荷の荷ずれが発生したことを事実としてユーザに通知することが可能である。ユーザは、例えば、情報処理装置10から受けた通知情報に含まれるアラート情報に基づいて、荷ずれが発生したことを事実として容易に把握可能である。これにより、ユーザは、例えば、移動体の移動の途中で荷ずれが発生した時点で、さらなる荷ずれ及び荷崩れを避けるために、移動体の移動ルートを変更したり、加速度及び速度などの移動体の移動条件を適切に変更したりすることも可能である。
【0081】
情報処理装置10は、移動体の移動に伴う移動条件の直前までの履歴が第1条件を満たしたと判定すると、アラート情報を通知情報として通知する。これにより、情報処理装置10は、移動体の移動に伴って積荷の荷ずれが発生している可能性が高いことをユーザに通知することが可能である。ユーザは、例えば、情報処理装置10から受けた通知情報に含まれるアラート情報に基づいて、荷ずれが発生している可能性が高いことを容易に把握可能である。これにより、ユーザは、例えば、移動体の移動の途中で荷ずれが発生している可能性が高いと認識した時点で、さらなる荷ずれ及び荷崩れを避けるために、移動体の移動ルートを変更したり、加速度及び速度などの移動体の移動条件を適切に変更したりすることも可能である。
【0082】
情報処理装置10は、移動体が移動する予定の移動ルート上の環境条件が第2条件を満たすと判定すると、アラート情報を通知情報として通知する。これにより、情報処理装置10は、移動体の移動に伴って積荷の荷ずれが発生している可能性が高いことをユーザに通知することが可能である。ユーザは、例えば、情報処理装置10から受けた通知情報に含まれるアラート情報に基づいて、荷ずれが発生している可能性が高いことを容易に把握可能である。これにより、ユーザは、例えば、移動体の移動の途中で荷ずれが発生している可能性が高いと認識した時点で、さらなる荷ずれ及び荷崩れを避けるために、移動体の移動ルートを変更したり、加速度及び速度などの移動体の移動条件を適切に変更したりすることも可能である。
【0083】
情報処理装置10は、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と積荷の積載状態とを移動ルートごとに互いに関連付けた過去の実測データに基づく予測モデルを用いて、予測情報を通知情報として通知する。これにより、情報処理装置10は、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制するために必要なより正確な対処をユーザに促すことができる。ユーザは、情報処理装置10から受けた予測情報に基づき、移動体の移動に伴って積荷が荷崩れしないようにより正確な対処を行うことができる。
【0084】
情報処理装置10は、移動体が移動する予定の移動ルート上での積載状態を予測モデルに基づき予測し、予測された積載状態を第1予測情報として通知する。これにより、情報処理装置10は、例えば、移動体が移動する予定の移動ルート上での積荷の積載状態を予測して、正確な対処をユーザに促すことができる。
【0085】
例えば、ユーザは、移動体の移動途中でこのままの移動ルートで移動体を移動させると積荷が荷崩れを引き起こすと情報処理装置10により予測される場合には、その時点で移動ルートを変更することも可能になる。ユーザは、移動体の移動途中でこのままの移動ルートで移動体を移動させると積荷が荷崩れを引き起こさないと情報処理装置10により予測される場合には、その時点で移動ルートを維持することも可能になる。又は、ユーザは、積荷が荷崩れを引き起こさない最適な移動ルートを、情報処理装置10から通知される第1予測情報に基づいて、移動体がそもそも移動する前の時点で予め間接的に決定することも可能である。
【0086】
情報処理装置10は、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制する移動ルートを予測モデルに基づき予測し、予測された移動ルートを第2予測情報として通知する。これにより、情報処理装置10は、例えば、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制する移動ルートを予測して、正確な対処をユーザに促すことができる。
【0087】
例えば、ユーザは、移動体の移動途中で撮像装置20からの画像に基づき積荷の荷ずれが情報処理装置10により検知されたときに、その時点で第2予測情報に基づく最適な移動ルートに移動ルートを変更することも可能になる。ユーザは、移動体の移動途中で撮像装置20からの画像に基づき積荷の荷ずれが情報処理装置10により検知されていないときであっても、荷ずれが起きる前に第2予測情報に基づく最適な移動ルートに移動ルートを予め変更することも可能になる。又は、ユーザは、積荷が荷崩れを引き起こさない最適な移動ルートを、情報処理装置10から通知される第2予測情報に基づいて、移動体がそもそも移動する前の時点で予め直接的に決定することも可能である。
【0088】
情報処理装置10は、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制する移動条件及び環境条件の少なくとも一方を予測モデルに基づき予測し、予測された移動条件及び環境条件の少なくとも一方を第3予測情報として通知する。これにより、情報処理装置10は、例えば、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制する移動条件及び環境条件の少なくとも一方を予測して、正確な対処をユーザに促すことができる。
【0089】
例えば、ユーザは、移動体の移動途中で撮像装置20からの画像に基づき積荷の荷ずれが情報処理装置10により検知されたときに、その時点で第3予測情報に基づく最適な移動条件に移動体の移動条件を変更することも可能になる。ユーザは、移動体の移動途中で撮像装置20からの画像に基づき積荷の荷ずれが情報処理装置10により検知されていないときであっても、荷ずれが起きる前に第3予測情報に基づく最適な移動条件に移動体の移動条件を予め変更することも可能になる。又は、ユーザは、積荷が荷崩れを引き起こさない最適な移動条件を、情報処理装置10から通知される第3予測情報に基づいて、移動体がそもそも移動する前の時点で予め直接的に決定することも可能である。
【0090】
例えば、ユーザは、移動体の移動途中で撮像装置20からの画像に基づき積荷の荷ずれが情報処理装置10により検知されたときに、その時点で第3予測情報に基づく最適な環境条件となるように移動体の移動ルートを変更することも可能になる。ユーザは、移動体の移動途中で撮像装置20からの画像に基づき積荷の荷ずれが情報処理装置10により検知されていないときであっても、荷ずれが起きる前に第3予測情報に基づく最適な環境条件となるように移動体の移動ルートを予め変更することも可能になる。又は、ユーザは、積荷が荷崩れを引き起こさない最適な環境条件となる移動ルートを、情報処理装置10から通知される第3予測情報に基づいて、移動体がそもそも移動する前の時点で予め間接的に決定することも可能である。
【0091】
情報処理装置10は、移動体が船舶を含むことで、船舶に積載されたスチールコイルなどの積荷の荷崩れを抑制可能である。情報処理装置10は、上述したようなアラート情報及び予測情報に基づいて、船舶の移動に伴う積荷の荷崩れを抑制するための必要な対処をユーザに促すことができる。ユーザは、情報処理装置10から受けたこれらの通知情報に基づき、船舶の移動に伴って積荷が荷崩れしないように必要な対処を行うことができる。結果的に、積荷の荷崩れが抑制される。
【0092】
情報処理装置10は、船舶の船倉内で撮像された画像を解析することで積荷の積載状態を情報として取得する。これにより、情報処理装置10は、撮像装置20により撮像された船倉内の積荷の画像に基づいて、荷ずれなどを精度良く検知可能である。
【0093】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0094】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した一実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、一実施形態に係る情報処理装置10などの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0095】
又は、本開示は、一実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0096】
例えば、上述した一実施形態で情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が撮像装置20において実行されてもよい。撮像装置20において実行される少なくとも一部の処理動作が情報処理装置10において実行されてもよい。
【0097】
上記実施形態では、情報処理装置10は、
図2のステップS103乃至ステップS105の判定処理において全ての条件が満たされると、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制を支援するアラート情報をユーザに対して通知すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、
図2のステップS103乃至ステップS105の判定処理において少なくとも1つの条件が満たされたときであっても、移動体の移動に伴う積荷の荷崩れの抑制を支援するアラート情報をユーザに対して通知してもよい。
【0098】
情報処理装置10は、ユーザに対してアラート情報を通知するためのif thenルールのような条件を、
図2のフローチャートに示される条件に限定されずに、任意に決定してもよい。例えば、当該条件は、移動体の移動条件及び移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と積荷の積載状態とを移動ルートごとに互いに関連付けた過去の実測データに基づいて客観的に定められていてもよいし、ユーザの経験則に基づいて主観的に定められていてもよい。
【0099】
上記実施形態では、予測モデルは、ニューラルネットワークにより構築された機械学習モデルを含むと説明したが、これに限定されない。予測モデルは、重回帰分析などの他の方法を用いて構築された機械学習モデルを含んでもよい。
【0100】
上記実施形態では、情報処理装置10は、予測モデルの構築に関する演算処理を情報処理装置10自体で実行し、予測モデルを構築すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、すでに構築済みの予測モデルを、ネットワーク及び通信部11を介して任意の他の外部装置から受信することで、予測モデルを取得してもよい。
【0101】
上記実施形態では、情報処理装置10は、アラート情報及び予測情報を含む通知情報をユーザに対して通知すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、アラート情報及び予測情報のいずれか一方のみを通知情報としてユーザに対し通知してもよい。
【0102】
上記実施形態では、情報処理装置10は、第1予測情報、第2予測情報、及び第3予測情報を含む予測情報を通知情報としてユーザに通知すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、第1予測情報、第2予測情報、及び第3予測情報のいずれか1つ又はいずれか2つを通知情報としてユーザに通知してもよい。
【0103】
上記実施形態では、移動体は、船舶を含むと説明したが、これに限定されない。移動体は、海を移動するものに限定されずに、陸及び空などを移動する任意の他のものも含んでもよい。例えば、移動体は、陸を移動する車両及び鉄道を含んでもよいし、空を移動する飛行体を含んでもよい。
【0104】
上記実施形態では、情報処理装置10は、船舶の船倉内で撮像された画像を解析することで積載状態を情報として取得すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、画像解析に基づく方法とは異なる任意の他の方法に基づいて、積荷の積載状態を情報として取得してもよい。例えば、情報処理装置10は、船倉内に設置された、撮像装置20以外の他のセンサ装置に基づいてセンサ情報を取得し、取得されたセンサ情報を解析することで積載状態を情報として取得してもよい。
【0105】
上記実施形態では、情報処理システム1は、情報処理装置10と撮像装置20とを有すると説明したが、これに限定されない。情報処理システム1は、情報処理装置10及び撮像装置20に加えて、移動体の外部に設置されているサーバ装置をさらに有してもよい。上述した一実施形態で情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が当該サーバ装置において実行されてもよい。
【0106】
情報処理装置10、撮像装置20、及び当該サーバ装置のそれぞれは、移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワークと通信可能に接続されている。このとき、各装置が有する通信部は、ネットワークに接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。例えば、当該通信インタフェースは、近距離無線通信規格にも対応してもよい。情報処理装置10、撮像装置20、及び当該サーバ装置は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0107】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知する制御部、
を備える、
情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記積載状態に基づいて前記積荷の荷ずれが発生したと判定すると、アラート情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
[付記3]
付記1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動に伴う前記移動条件の直前までの履歴が第1条件を満たしたと判定すると、アラート情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
[付記4]
付記1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体が移動する予定の移動ルート上の前記環境条件が第2条件を満たすと判定すると、アラート情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
[付記5]
付記1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とを移動ルートごとに互いに関連付けた過去の実測データに基づく予測モデルを用いて、予測情報を前記通知情報として通知する、
情報処理装置。
[付記6]
付記5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体が移動する予定の前記移動ルート上での前記積載状態を前記予測モデルに基づき予測し、予測された前記積載状態を第1予測情報として通知する、
情報処理装置。
[付記7]
付記5又は6に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れを抑制する前記移動ルートを前記予測モデルに基づき予測し、予測された前記移動ルートを第2予測情報として通知する、
情報処理装置。
[付記8]
付記5乃至7のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れを抑制する前記移動条件及び前記環境条件の少なくとも一方を前記予測モデルに基づき予測し、予測された前記移動条件及び前記環境条件の少なくとも一方を第3予測情報として通知する、
情報処理装置。
[付記9]
付記1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記移動体は、船舶を含む、
情報処理装置。
[付記10]
付記9に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記船舶の船倉内で撮像された画像を解析することで前記積載状態を情報として取得する、
情報処理装置。
[付記11]
付記1乃至10のいずれか1つに記載の情報処理装置と、
前記積載状態を撮像して得られた画像を前記情報処理装置に送信する撮像装置と、
を備える、
情報処理システム。
[付記12]
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知すること、
を含む、
情報処理方法。
[付記13]
情報処理装置に、
積荷を積載した移動体が移動するときの、前記移動体の移動条件及び前記移動体の周囲の環境条件の少なくとも一方と前記積荷の積載状態とに基づき、前記移動体の移動に伴う前記積荷の荷崩れの抑制を支援する通知情報をユーザに対して通知すること、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【符号の説明】
【0108】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 入力部
14 出力部
15 制御部
20 撮像装置
21 通信部
22 記憶部
23 撮像部
24 制御部
C1、C2、C3 スチールコイル