(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180201
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】透析システム排液のpH管理装置
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20241219BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61M1/16 161
A61M1/00 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023107540
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】522104772
【氏名又は名称】深田 健吾
(72)【発明者】
【氏名】深田 健吾
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077CC02
4C077CC08
4C077EE03
4C077EE04
4C077GG09
4C077JJ02
4C077JJ05
4C077JJ18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】透析システムの排液をpH5~9内に管理する手法と装置を提供する。
【解決手段】A・B剤各溶解装置1、10によるA・B各原液の液置換及び排液を中和タンク11に集め混合する事でpH調整する。A・B剤各溶解装置の洗浄液の中和は、コンソールの洗浄液をpH調整し、それらの排液を混合する事で行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工透析システムのA・B剤溶解装置が排出するA・B各原液を、下水道法の定めるpH範囲内に中和する手法と装置。
【請求項2】
人工透析システムのA・B剤溶解装置が排出する洗浄排液を、下水道法の定めるpH範囲内に中和する手法と装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
透析システムの排液をpH5~9内に管理する手法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透析システム排液は、下水道法の定めるpH5~9を外れる場合がある。
図1参照。
【0003】
透析施設の排液を中和するためには、中和装置が必要であるが、
ビル診療所では中和装置の導入は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-195997(P2020-195997A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
透析システム排液が、下水道法の定めるpH5~9を外れる工程が有り、それはA・B剤各原液及び洗浄液が排液される工程である。
一般の透析施設50床クラスで、中和装置は受水槽1トン、中和槽1トン、放流層1トンが必要となり、ビル診療所では対応が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
透析システム排液で、A・B剤各原液が排出される工程については以下の2つが考えられる。
1.A・B剤各溶解装置が、朝のAB剤各原液の液置換をする工程。
2.治療終了後にA・B剤各溶解装置が内部に貯留しているA・B剤各原液を排液する工程。
上記工程で、A・B剤各原液が排出されるタイミングがずれる事が、排液が下水道法排水基準を逸脱する原因である。
それを解決するには、A・B剤各原液が排液される流路を1つの中和タンクに集めてから排液すればよい。
図2参照。
【0007】
A・B剤各溶解装置が洗浄液を排液する工程については、透析用監視装置の洗浄液を排出している工程に重ねる事で、排液をpH5~9内にする事が出来る。
A・B剤各溶解装置が洗浄液は、次亜塩素酸ナトリウム300ppm、pH10.3を想定している。
透析用監視装置の洗浄液は、次亜塩素酸ナトリウム300ppmに酢酸360ppmを加える事でpH5.2に調整された洗浄液を想定している。
上記洗浄液濃度は限定されるものではなく、各装置の洗浄仕様や流量に応じ調整するものである。
【発明の効果】
【0007】
排水中和施設が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】通常の透析システムにおいて、A・B剤各原液が排液される流路を示す。
【
図2】本発明における透析システムの排液流路とタンクを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A・B剤溶解装置の排液回路と、A・B原液の液置換排液回路をタンクに集合させ混合する。
【0010】
タンクは、サイフォン部を有する排液チューブと、エアブリードチューブを有し、それらの作用によりタンク内を任意の水位に保つことが出来る。
【符号の説明】
【0011】
1 A剤溶解装置
2 原液供給ポート
3 排液ポート
4 排水口
5 電磁弁(液置換用)
6 フィルタ
7 A原液受液ポート
8 多人数用透析液供給装置(セントラル)
9 B原液受液ポート
10 B剤溶解装置
11 中和タンク
12 エアブリードチューブ
13 排液チューブ