(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180205
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】偶数個のモードトラップ付きTE011モード空洞の閉じた連結によるD-D、D-T、D-He3、p-Li,p-B共鳴核融合炉(Resonantron)
(51)【国際特許分類】
G21B 1/05 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G21B1/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023108863
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】514197337
【氏名又は名称】光延 信二
(72)【発明者】
【氏名】光延 信二
(57)【要約】 (修正有)
【課題】今までの装置が3次元的温度を一億度以上に高めることを目指して来たのに対して、磁場と垂直な面内の等価的温度を1億度(約10keV)から数十10億度(約数100keV)に高め融合反応を生じさせる方法
【解決手段】本発明は、DC磁場と偶数個のモードトラップ付きTE011ユニット空洞をレーストラック状またはn角形に並べマイクロ波空洞を用いて水素または重水素を高エネルギーに加速しランダムに衝突させて核融合を生じさせその結果出てくる粒子のエネルギーを吸収させ熱エネルギーに変換して発電を行う装置である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明はDC磁場と偶数個のモードトラップ付きTE011空洞ユニットをレーストラック状やn角形に折り曲げて各辺に磁場を一様に発生させ磁場強度と空洞周波数をサイクロトロン共鳴が生じるよう選びD-D反応、D-T反応、D-He3反応等を用いいて核融合炉を実現させるものである。発生した高速の荷電粒子により共鳴高周波を発生させさらなる反応を引き起こす。空洞内への粒子入射や空洞壁にはLI,Be,B等の薄膜を設けて反応を増幅させることができる。また薄膜を設けることにより水素(p)を用いて空洞壁の軽元素との核融合炉としても使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC磁場と偶数個のモードトラップ付きTE011マイクロ波空洞リング状に並べた装置を用いてTE01n(nは偶数)モード相当の共鳴器を生成して、水素、重水素等を高エネルギーに加速し重水素同士、重水素と3重水素を衝突させて核融合を生じさせその結果出てくる高エネルギー粒子のエネルギーを空洞等に吸収させ熱エネルギーに変換して発電等を行う装置である。水素の場合は水素は核融合はほとんどしないが空洞壁にLi,Be,B等の薄膜を付けておき、またはこれらの中性原子を入射することにより、これらの原子核と融合反応を起こして核融合エネルギーを取り出すことができる。特に同位元素Li6は重陽子と、Li7とB11は陽子とそれぞれ反応した時中性子等の透過力の大きな放射線を出さないことから特に有用と考えられる。本特許は出願番号特願2022-24274のTE01nモードの直線型核融合炉HISAE TYPE3の拡張型になる。
【背景技術】
【0002】
現在核融合炉の開発には主に重水素(D)と3重水素(T)を用いて比較的低い温度で反応を進められるD+T反応が用いられる。本発明ではよく知られてはいるが高い反応エネルギーが必要な重水素同士や空洞内や壁面でのLi.Be,B等の軽元素との核融合を行う。
D+D→He+γ線(23.8MeV),D+D→T+p(4.03MeV),D+D→He3+n(3.27MeV)、空洞内や壁でのD+Li,T+Li,等の軽元素との反応をもちいる。
また、陽子(p)の場合は空洞壁または空洞内でのLi,Be,B等の軽元素との核融合(融合原子核は最終的には2つまたは3つのHeに分離する)を用いる。ここではプラズマ中の反応または壁面の個体ターゲットLi,Be,B等との反応を用いるのが特徴である。
【0003】
水素は元より、燃料の重水素は海水に0.06%含まれており無尽蔵と言ってよく、D+D反応が実現出来れば人類のエネルギー問題の解決につながる。D-D反応が進むとD-T、D-He3反応も加わる。D-T反応炉、D-He3反応炉としても応用できる。Liもリチウム電池の材料として豊富でありBもホウ素で広く用いられている。多角形型空洞を用いる事により核融合反応により発生した高速荷電粒子のエネルギーの多くのエネルギーを共鳴によりマイクロ波エネルギーとして回収しさらなる反応に利用できる装置である。
【0004】
現在の試験用核融合炉はプラズマを磁場により閉じこめ電流、高周波,中性ビーム加熱等により温度をあげて熱核融合を持続させることを目指している。本発明では磁場と垂直な面内に無数の高周波共鳴加速器(サイクロトロン)を形成して高エネルギーまで加速を行い互いに反対周りに加速された重水素同士の衝突また空洞内に導入したLi,Bや空洞壁に設けたけLi、B等の軽元素核との衝突により核融合を生じさせるものである。反応は多角形の各辺のDC磁場の一様性が良いところで多く発生する。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決に必要な課題は今までの装置が3次元的温度を一億度以上に高めることを目指して来たのに対して、磁場と垂直な面内の等価的温度を1億度(約10keV)から数十10億度(約数100keV)に高め融合反応を生じさせる方法にある。ちなみ文献によるとDT反応の断面積は数十keVにピークを持ちその他の反応は数100keVで反応の断面積が大きくなる。 本発明ではTE01nモード空洞を各n個の節で折り曲げたn角形の空洞を用いてその周りに一様に配置した磁石の磁場により強くプラズマを閉じ込める事ができる。プラズマは各n個の共鳴定在波中に多く発生して空間での衝突と壁との衝突で核融合を行うことでエネルギーを取り出すことができ発電等の産業応用が考えられる。nが大きい場合は角度が微小となり直線型に近づく、TE01nモードの隣り合う空洞の電場の方向は反対向きでありこれを曲げて端同士をつなげる場合んは偶数でなければ隣同士が反対むきの条件が崩れて定在波モードが発生しない。不要なモードと周波数をずらす為に空洞のユニットの端にモードトラップを設ける必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はDC磁場と偶数個のモードトラップ付きのユニット空洞(
図1)をレーストラック状に並べたり(
図2)、TE01nの空洞をn角形に折り曲げたn角形の空洞を用いて空洞の周りに一様な磁場を配置して加速電場が磁場と垂直面内に生じるようにする。(
図3、
図4)ここに水素または、重水素ガスを適度な圧力で導入することによりプラズマ状態となった水素または、重水素原子核が磁場の周りをサイクロトロン加速をはじめエネルギーが高まったところで反対方向に加速された重水素原子核や中性ガス原子核と衝突を起こし核融合が生じる。共鳴を起こす必要から磁場の千分の一程度の一様性と周波数の安定性を必要とする。水素の場合は散乱のみが起こり磁場から飛び出して壁面との衝突が起こる。磁場(B)の強さと加速空洞の角周波数はωc=eB/mの整数倍のよく知られた関係を満たす必要が有る。本方法ではプラズマの磁場による閉じ込めは必要無い。磁場方向の運動に比べ加速は十分早く行われる。さらにTE01nモードを用いる事により磁気瓶による完全ではない閉じ込めを用いる事により反応を強める事ができる。さらに偶数個のモードトラップ付きユニット空洞を閉じて使用することにより粒子損失を減らして効率を高めることができる。この原理は磁場の一様性が悪いトカマク型核融合装置にも周波数と磁場の値を適切に選択する事に寄り炉の一部領域に対して温度を上昇の為に応用することができる。
【発明の効果】
【007】
比較的小型の核融合発電機等に応用でき発電所や船舶の動力源等に利用でき強い放射性廃棄物を発生させない安全な装置を製作できる。燃料物質は海水等から無尽蔵に得られるため人類のエネルギー問題の解決に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【008】
【
図1】モードトラップ付きTE011モードユニット空洞。
【
図2】偶数個のユニット空洞を用いた核融合装置(レゾナントロン、Resonantronと呼ぶ)
【
図3】n角形レゾナントロンのユニット(nが6の場合)