(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180210
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】段ボール箱自動封函システム
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20241219BHJP
B65B 51/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65B57/00 F
B65B51/06 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023109661
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】509323680
【氏名又は名称】株式会社タクテック
(72)【発明者】
【氏名】山崎 整
【テーマコード(参考)】
3E094
【Fターム(参考)】
3E094AA02
3E094CA33
3E094DA02
3E094EA14
3E094FA28
3E094GA22
3E094HA02
(57)【要約】
【課題】リールに巻き付けた封函用の粘着テープが無くなる前に、およびストック位置に剥離台紙が無くなる前にラインを停止することができ、これによって、リールの交換、テープのスプライスができ、および剥離台紙を新しくストックしスプライスができること。
【解決手段】段ボール箱自動封函システム100は、段ボール箱1をコンベア搬送する過程で、フラップ2-5を閉じ粘着テープTで封函し、つづら折れの剥離台紙PMを繰り出して送り状用紙に送付内容を印字し送り状として剥離して段ボール箱1Bの上面に貼付する構成であり、リールRの粘着テープTが残り数巻きになるときのテープ巻厚を検出する第1のセンサ63と、剥離台紙PMのストック位置における残り数枚のなるときの積層厚さを検出する第2のセンサ64とが設けられ、システム制御部40は、第1または第2のセンサ63,64の出力信号を入力すると、ライン稼働用電源をOFFにする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの上フラップが開いている四角箱状態にあり物品を収納した段ボール箱を搬送するコンベアと、
コンベア搬送される前記段ボール箱の進行方向前後の2つの内フラップを折り込む内フラップ折り込み機構と、
前記内フラップ折り込み機構の下流位置に備えられ、外フラップ閉じ合わせガイドと粘着テープを巻き付けたリールから粘着テープを繰り出すテープ繰り出し機構とを有し、コンベア搬送される前記段ボール箱の進行方向両側の外フラップを前記外フラップ閉じ合わせガイドにより閉じかつ前記外フラップ同士が閉じ合わされる箇所に前記リールから繰り出される粘着テープで封函する手段であって、前記リールから繰り出される前記粘着テープが残り数巻きになるときのテープ巻厚を検出する第1のセンサが設けられる、外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段と、
前記外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段の下流位置に備えられ、つづら折れに剥離台紙を繰り出して前記剥離台紙に剥離可能に粘着された送り状用紙に送付内容を印字した送り状を剥離して封函済の前記段ボール箱の上面に貼付する発行機であって、前記剥離台紙のストック位置における前記つづら折れの残り数枚のストックの厚さを検出する第2のセンサが設けられる、送り状発行機と、
前記第1のセンサまたは前記第2のセンサの出力信号を入力すると、前記コンベアラインで搬送中の複数の前記段ボール箱に関する実行処理中の処理データがリセットされないように保存してからライン稼働用電源をOFFにするように制御するシステム制御部と
を具備することを特徴とする段ボール箱自動封函システム。
【請求項2】
前記システム制御部は、前記ライン稼働用電源がONになるときには、コンベアラインで搬送中の複数の前記段ボール箱について継続して実行するよう制御することを特徴とする請求項1記載の段ボール箱自動封函システム。
【請求項3】
前記システム制御部は、前記第1のセンサの出力信号を入力するときは、異常発生告知ランプを点灯しかつ異常内容を告知する表示パネルに前記粘着テープの交換指示を告知し、また前記第2のセンサの出力信号を入力するときは、異常発生告知ランプを点灯しかつ異常内容を告知する表示パネルに前記剥離台紙の交換指示を告知するように制御することを特徴とする請求項1記載の段ボール箱自動封函システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば段ボール箱自動封函システムに関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール箱自動封函システムは、物品を収容した4つの上フラップが開いている四角箱状態の段ボール箱をコンベアラインで搬送する過程で、センタリング手段により段ボール箱の幅中央を搬送ラインに合わせかつ一定の搬送間隔を開け、次いで内フラップ折り込み機構により2つの内フラップを閉じ、次いで外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段により2つの外フラップを閉じ合わせ封函テープを貼付し、次いで送り状発行・貼付機により送り状を発行し段ボール箱の上面に貼付する構成である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の段ボール箱自動封函システムによれば、外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段が、外フラップ閉じ合わせガイドと粘着テープを巻き付けたリールから粘着テープを繰り出すテープ繰り出し機構とを有し、粘着テープの巻き付け端が、リールから離れ外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段を構成している複数のガイドロールを通り抜ける段階で異常として検出し、システム制御部が異常発生告知ランプを点灯するとともにブザーにより異常発生を知らせるブザー音を出力し、さらに異常内容を告知する表示パネルにリールの交換指示を告知するようになっている。
【0005】
また、従来の段ボール箱自動封函システムによれば、コンベアラインの下流端に備える送り状発行・貼付機が、つづら折れの積層状態でストックされた剥離台紙を繰り出し、水平板状のアンビルの上面をライン下流に向かい下側をライン上流に向かって流れさせて巻取りボビンに巻き取り、アンビル上で剥離台紙に粘着された送り状用紙に送付先と物品の情報等を印字し送り状とし、剥離台紙のアンビル下流端での180度ターンにより剥離される送り状を、アンビルの下側をコンベア搬送される封函済の段ボール箱の上面に貼付する構成であり、剥離台紙のストックが無くなり台紙終端がアンビルの手前まで来る段階で異常として検出するようになっている。このときも、システム制御部が異常発生告知ランプを点灯するとともに異常発生を知らせるブザー音を出力し、さらに異常内容を告知する表示パネルに剥離台紙の交換指示を告知するようになっている。
【0006】
しかるに、システムの操作者は、異常発生告知ランプの点灯とブザー音の出力があると、表示パネルの告知内容を確認してから、異常発生告知ランプを消灯しブザー音の出力を停止し、しかる後にシステムを開始・停止する駆動系メインスイッチをOFFにする。
【0007】
駆動系メインスイッチがOFFになると、コンベアラインで搬送中の複数の段ボール箱に関する処理データがリセットされるので、稼働を再開するには各構成部分の原点復帰処理を行う必要がある。このため、駆動系メインスイッチをOFFにした時点でコンベアラインに存在する送付状の貼付を終えていない全ての段ボール箱(具体的には、内フラップを折り込み中の段ボール箱、外フラップを折り込み中または粘着テープを貼付中の段ボール箱、テープ封函を終えているが送付状を貼付していないかまたは貼付中の段ボール箱)を取り除く必要があり、さらに取り除いた段ボール箱から粘着テープを取り除き、また貼付途中の送付状を取り除く必要がある。
【0008】
取り除いた段ボール箱の封函・送り状貼付は、当該段ボール箱を改めてライン上流に戻して、段ボール箱の側面の箱IDを読み込んでから内フラップ折り、外フラップ折り、テープ封函、再度の箱IDの読み込み、送り状の作成・貼付をやり直す必要がある。
【0009】
また、システムの操作者は、表示パネルの告知がリールの交換指示である場合、粘着テープを巻き付けたリールと交換してリールから粘着テープを繰り出し、繰出端を外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段を構成している複数のガイドロールを通り抜けさせて、垂れ下がった状態にセットしてから駆動系メインスイッチをONにする必要があり、また、表示パネルの告知が剥離台紙の交換指示である場合、送り状発行・貼付機において、つづら折れの積層状態で剥離台紙ストックし、剥離台紙を繰り出し、水平板状のアンビルの上面をライン下流に向かい下側をライン上流に向かって通し巻取りボビンに巻き取る状態にしてから駆動系メインスイッチをONにする必要がある。
【0010】
上記のように、駆動系メインスイッチをOFFにしてからONにするまでの作業に時間が多くかかり、システムの操作者に熟練を必要であってテープ等の交換時間ごとに煩雑な作業・労力を必要としており、生産性が低下の原因となっている、という問題点がある。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点を解消するために案出されたものであり、外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段におけるテープ繰り出し機構のリールに巻き付けた粘着テープが無くなる前に、および送り状発行・貼付機におけるストックされた剥離台紙が無くなる前にラインを停止することができ、これによって、空のリールと粘着テープを巻き付けたリールの交換、前の粘着テープの末端とのスプライスができ、およびつづら折れの剥離台紙を新しくストックして前の剥離台紙の末端とのスプライスができ、ラインを停止してから再開するまでの時間を従来に比べて大幅に短縮でき、作業の容易化と生産性の向上が図れる段ボール箱自動封函システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の第1の態様に係る段ボール箱自動封函システムは、上記の課題を解決するために、4つの上フラップが開いている四角箱状態にあり物品を収納した段ボール箱を搬送するコンベアと、コンベア搬送される前記段ボール箱の進行方向前後の2つの内フラップを折り込む内フラップ折り込み機構と、前記内フラップ折り込み機構の下流位置に備えられ、外フラップ閉じ合わせガイドと粘着テープを巻き付けたリールから粘着テープを繰り出すテープ繰り出し機構とを有し、コンベア搬送される前記段ボール箱の進行方向両側の外フラップを前記外フラップ閉じ合わせガイドにより閉じかつ前記外フラップ同士が閉じ合わされる箇所に前記リールから繰り出される粘着テープで封函する手段であって、前記リールから繰り出される前記粘着テープが残り数巻きになるときのテープ巻厚を検出する第1のセンサが設けられる、外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段と、前記外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段の下流位置に備えられ、つづら折れに剥離台紙を繰り出して前記剥離台紙に剥離可能に粘着された送り状用紙に送付内容を印字した送り状を剥離して封函済の前記段ボール箱の上面に貼付する発行機であって、前記剥離台紙のストック位置における前記つづら折れの残り数枚のストックの厚さを検出する第2のセンサが設けられる、送り状発行機と、前記第1のセンサまたは前記第2のセンサの出力信号を入力すると、前記コンベアラインで搬送中の複数の前記段ボール箱に関する実行処理中の処理データがリセットされないように保存してからライン稼働用電源(駆動系メインスイッチ)をOFFにするように制御するシステム制御部とを具備する。
【0013】
本願の第2の態様として、第1の態様において、前記システム制御部は、前記ライン稼働用電源がONになるときには、コンベアラインで搬送中の複数の前記段ボール箱について継続して実行するよう制御するようにしてもよい。
【0014】
本願の第3の態様として、第1の態様において、前記第1のセンサの出力信号を入力するときは、異常発生告知ランプを点灯しかつ異常内容を告知する表示パネルに前記粘着テープの交換指示を告知し、また前記第2のセンサの出力信号を入力するときは、異常発生告知ランプを点灯しかつ異常内容を告知する表示パネルに前記剥離台紙の交換指示を告知するように制御するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の各態様によれば、外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段におけるテープ繰り出し機構のリールに巻き付けた粘着テープが無くなる前に、および送り状発行・貼付機におけるストックされた剥離台紙が無くなる前にラインを停止することができ、これによって、空のリールと粘着テープを巻き付けたリールの交換、前の粘着テープの末端とのスプライスができ、およびつづら折れの剥離台紙を新しくストックして前の剥離台紙の末端とのスプライスができ、ラインを停止してから再開するまでの時間を従来に比べて大幅に短縮でき、作業の容易化と生産性の向上が図れる段ボール箱自動封函システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】底蓋を閉じて粘着テープを貼着した状態でかつ上蓋(4つの上側フラップ)が立ち上がっている状態の段ボール箱を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す本発明の実施形態に係る段ボール箱に物品および納品書を収容し上蓋を閉じて粘着テープを貼着し封函した状態の段ボール箱を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る段ボール箱自動封函システムを示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る段ボール箱自動封函システムのシステム制御部においてセンサ信号を入力したときの処理を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る段ボール箱自動封函システムについて図面を参照しつつ説明する。
【0018】
[基本的構成]
本発明の実施形態に係る段ボール箱自動封函システムは、
図1に示すように、物品が収容された4つの上フラップが開いている高さと幅と長さとが種々に異なる四角箱状態である段ボール箱1が処理対象であって、
図2に示すように、内フラップ2,4を折り込んでから外フラップ3,5を折り込み、外フラップ3,5同士の閉じ合わせ部6にテープ幅中央が来るように粘着テープ(封函テープ)Tを粘着し、封函形態の段ボール箱1Aになり、この段ボール箱1Aの上面に送り状Lを貼付して出荷箱としてラインアウトするシステムである。
【0019】
図3に示すように、段ボール箱自動封函システム100は、ゾーン1―5にわたりライン接続されそれぞれ独立した搬送と停止とを行い箱の高さと幅と長さとが種々に異なる段ボール箱1を所要間隔でライン搬送する第1ないし第5のコンベア11―15を有する。コンベア11、15はローラー式のコンベアであり、コンベア12-14はベルト式のコンベアである。コンベア13は押圧爪(プッシャー)13aを有し、コンベア14は押圧爪(プッシャー)14aを有する。なお、コンベア12-14は1つのベルト式のコンベアで構成しても良い。
【0020】
第1のコンベア11は、
図1に示す形態の段ボール箱1の間隔調整、待機処理を行う。コンベア上流側半部には、物品Gおよび納品書Jが収納された4つの上側フラップ2-5が立ち上がっていて箱の高さと幅と長さとが種々に異なる段ボール箱1が第1のコンベア11上にラインインされる。コンベア下流側半部に段ボール箱1が移送されると、第1のスキャナ18によりスキャンされる納品書の商品IDは、システム制御部40に送信され記憶される。
【0021】
システム制御部40は、装置フレームの適宜位置に支持され、後述する各構成要素を制御するとともに、箱幅測定手段と箱長さ測定手段と箱高さ測定手段をそれぞれ制御し箱幅と箱長さと箱高さの各測定値を取得し出庫データとして出力する。第1のコンベア11の下流側半部に段ボール箱1が移送されると、第1のスキャナ18によりスキャンされる納品書の商品IDは、システム制御部40に送信され記憶される。
【0022】
段ボール箱自動封函システム100は、第1のゾーン1に対応する搬入部100Aと、第2-4のゾーン1に対応する出荷箱自動封函機100Bと、第5のゾーン5に対応する出荷処理部100Cとに分かれる。
【0023】
[第1のゾーン1;搬入部100A]
搬入部100Aは、第1のコンベア11を含むとともに第1のコンベア11により搬送される段ボール箱1の左右の側面部に摺接し段ボール箱1の幅中心をライン中心に合わせるようにセンタリングしコンベアライン方向に案内する一対のプレセンタリング・ガイド手段17と第1のスキャナ18とが配設されてなる。
【0024】
搬入部100Aは、
図1に示すように、4つの上フラップ2-5が立ち上がっている函形態でありかつ物品Gが収納されている段ボール箱1であって、長さと高さと幅とが種々に異なる段ボール箱1を第1のコンベア11上に次々に送り込み、第1のコンベア11の切り離し送り込み機能により段ボール箱1を間隔を開けて1箱ずつ出荷箱自動封函機100Bに供給する。
【0025】
[第3、4のゾーン3、4;出荷箱自動封函機100B]
出荷箱自動封函機100Bは、第2-4のコンベア12―14(ベルトコンベア;出荷箱搬送手段)を含むとともにこれらコンベア12―14の上方に配設された内フラップ折り込み機構20と外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30とを有する
【0026】
出荷箱自動封函機100Bは、コンベア12、13により搬送される段ボール箱1の左右の側面部に摺接し段ボール箱1の幅中心をライン中心に合わせるようにセンタリングしコンベアライン方向に案内する一対のセンタリング・ガイド手段19と、コンベア13により搬送されプッシャー13aで後押しされる段ボール箱1のコンベアライン方向前後の内フラップ2,4を折り込む内フラップ折り込み機構20と、外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30とを有し、プッシャー14aで後押しされる段ボール箱1をコンベア搬送する過程で、前後の内フラップ2,4を折り込んでから、左右の外フラップ3,5を折り込み、左右の外フラップ3,5の閉じ合わせ部6を目張りするように粘着テープTを貼着し、もって封函する。
【0027】
[内フラップ折り込み機構20]
内フラップ折り込み機構20は第3のコンベア13の上方に設けられている。内フラップ折り込み機構20は、前側内フラップ折り込み用レバー21と、後側内フラップ折り込み用スウィングレバー22と、前側内フラップ折り込み用レバー21および後側内フラップ折り込み用スウィングレバー22を支持しており第1のセンサ25の検出信号に基づいて動作する第2のサーボモータ23により昇降される第1昇降フレーム24とを有する。
【0028】
前側内フラップ折り込み用レバー21は、第3のコンベア13により搬送される段ボール箱1の前側の内フラップ2が所要位置にくるとエアシリンダ装置21aが伸長作動することにより水平状態から傾斜状態となる。
【0029】
後側内フラップ折り込み用スウィングレバー22は、エアシリンダ装置22aが伸長作動することにより水平状態から下降する方向に回動する。
【0030】
内フラップ折り込み機構20は、センタリング・ガイド手段19に対応し第3のコンベア13の上方に待機し所定のタイミングで下降することにより、前側内フラップ折り込み用レバー21で前側の内フラップ2を水平に折り込むとともに、後側内フラップ折り込み用スウィングレバー22がスウィング下降して後側の内フラップ4を水平に折り込むよう構成されている。
【0031】
内フラップ押え26は、後述する一対の外フラップ折り込みガイド31の間に入り込んで内フラップ2,4の折込状態を一対の外フラップ折り込みガイド31に引き継ぐ。
【0032】
[外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30]
外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30は、第4のコンベア14の上方に設けられ、一対の外フラップ折り込みガイド31と、押圧ロール32と、一対の外フラップ折り込みガイド31および封函テープ貼着手段32を支持し第3のサーボモータ33により昇降される第2昇降フレーム34とを有する。
【0033】
一対の外フラップ折り込みガイド31は、プッシャー14aで後押しされコンベア14により搬送される段ボール箱1の左右の外フラップ3,5をライン下流側の当接しガイドしつつ次第に内側へ傾倒させて突き合わせ状態に折り込むようガイドする。
【0034】
粘着テープTが巻かれたリールRはリール支持軸35に被嵌する状態に装着される。スウイングアームの揺動端に軸支されたテープ剥離ロール36はリールRに巻かれている粘着テープTを押圧する方向に付勢され粘着テープTを剥離する。剥離され繰り出された粘着テープTは、複数のガイドロール37a-37cに掛けられた後、押圧ロール32とテープ押えピン39とに挟まれて押圧ロール32より下方へ所要寸法垂下した状態でカッター(不図示)によりカットされる。押圧ロール32は、段ボール箱1に密着して持ち上がり可能に設けられ、
図2に示すように粘着テープTが4つの上フラップが閉じた段ボール箱1の前面上部と上面閉じ合わせ部6と後面状部とに渡り貼着するよう当該粘着テープTを押圧する。なお、リールRの装着、リールRから繰り出す粘着テープTが押圧ロール32より下方へ垂下状態にすることは人為作業による。
【0035】
外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30は、内フラップ折り込み機構20の搬送方向下流側に隣接して第4のコンベア14の上方に待機し内フラップ折り込み機構20と略同時の所定のタイミングで第2昇降フレーム34を下降し、一対の外フラップ折り込みガイド31の張り出し側部分(コンベア搬送方向上流側部分)の間に挟み入れ、挟み間隔を狭めつつ下側へ案内して一対の外フラップ3,5を先に折り込まれた一対の内フラップ2、4の上に重なるように水平に折り込み、さらに、一対の外フラップ3,5が折り込まれた段ボール箱1が下側を通過するときに、リールRから繰り出される粘着テープ(封函テープ)Tを押圧ロール32の下側に繰り出し、粘着テープTを一対の上蓋用の外フラップ3,5の閉じ合わせ部を目張りするように貼着するようになっておって、
図2に示す封函形態の段ボール箱1Aになる。外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30は、粘着テープTの貼着を終えると、上方に復帰する。
【0036】
出荷箱自動封函機100Bは、段ボール箱1の箱幅、箱長さ、箱高さに関連し、第3のコンベア13に関連しセンタリング・ガイド手段19に箱幅測定手段(不図示)が付設され、第4のコンベア14に箱長さ測定手段(不図示)が付設され、第5のコンベア15の上方に箱高さ測定手段が付設されている。
【0037】
箱幅測定手段は、センタリング・ガイド手段19またはプレセンタリング・ガイド手段17に付設され、ライン搬送中の段ボール箱1を箱幅中心をライン中心に合わせるようセンタリングするときに、センタリング・ガイド移動機構の接近移動量に基づいて箱幅を測定する構成である。箱長さ測定手段は、段ボール箱1の前端が通過する時に該前端を検出する前端検出センサ(不図示)と、後端が通過する時に該後端を検出する後端検出センサ(不図示)と、2つの検出信号の経過時間に基づいて該段ボール箱1を搬送している一のコンベアの搬送距離を箱長さとして算出する搬送距離測定部としてのバリカム(不図示)とを有する。箱高さ測定手段は、第4のコンベア14の下流端に設けられている。箱高さ測定手段90は、第5のコンベア15上に搬送されてきて停止する段ボール箱1の上方に設けられ段ボール箱1の上面に当接するまで下降し停止する当接バーの下降ストロークに基づいて算出される。
【0038】
[第5のゾーン5;出荷処理部100C]
出荷処理部100Cは、第5のコンベア15を含むとともにコンベア15の上方に配設された送り状発行機50と送り状貼付装置61と第2のスキャナ62とが配設されてなる。
【0039】
送り状発行機50は、送り状用紙にプリンタ60で印字し送り状Lを発行しこの送り状Lを送り状貼付装置61により第5のコンベア15上の中程に搬送されてくる封函済の出荷箱1Bの上面に貼付する。送り状Lを貼付された出荷箱1Bが第6のコンベア16上の下流部に搬送されると、第2のスキャナ62により送り状Lがスキャンされ、スキャンデータがシステム制御部40に送信され、当該出荷箱1Bが第1のスキャナ18によりスキャンされ記憶されている商品IDと照合される。
【0040】
[本発明の特徴的構成]
【0041】
送り状発行・貼付機50は、ロールタイプではなく、つづら折れの積層状態の剥離台紙PMが適用される。送り状発行・貼付機50は、各折れ面に送り状用紙(不図示)が貼付されたつづら折れの積層状態の剥離台紙PMをストッカー51にストックし、上方の繰り出しロール52とフリーロール53により剥離台紙PMを転圧し走行させ曲面ガイド54に案内して下方へ方向を変え、ガイドロール55-58により剥離台紙PMを水平板状のアンビルPの上面をライン下流に向かいさらにアンビルPの下側をライン上流に向かって流れさせて巻取りボビン59に巻き取る。アンビルP上で剥離台紙PMに粘着された送り状用紙(図示せず)は、アンビルPの上に備えるプリンタ60により送付先と物品の情報等を印字され送り状Lとなり、この送り状Lは、剥離台紙PMのアンビル下流端での180度ターンにより剥離される。アンビルPの下流側にはバキューム機能を有する走行ベルトを上下動する送り状貼付装置61が備えられ、この送り状貼付装置61は、剥離台紙PMから剥離される送り状Lを受け取りアンビルPの下流側をコンベア搬送される出荷箱1Bの上面に押圧して貼付する。
【0042】
外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30には、リールRから繰り出される粘着テープTが残り数巻き(例えば2-5巻き)になるときのテープ巻厚を検出する第1のセンサ63が設けられ、送り状発行機50には、ストック51に載置された剥離台紙PMのつづら折れの残り数枚(例えば5-10枚)のストックの厚さを検出する第2のセンサ64が設けられている。なお、センサ63、64は、例えば発光素子と受光素子との組み合わせが採用され、粘着テープTが残り数巻きになるとき、またはつづら折れの残り数枚のストックの厚さになるときに発光素子が発光する光が受光素子に到達して信号をシステム制御部40に送信するように設けられる。
【0043】
システム制御部40は、第1のセンサ63または第2のセンサ64の出力信号を入力すると、コンベアラインで搬送中の複数の段ボール箱に関する実行処理中の処理データがリセットされないように保存してからライン稼働用電源(駆動系メインスイッチ;図示しない)をOFFにするよう設定され、さらに、ライン稼働用電源がONになるときはコンベアラインで搬送中の複数の段ボール箱に関する継続して実行するよう構成されている。
【0044】
図4は、本発明の実施の形態に係る段ボール箱自動封函システムのシステム制御部においてセンサ信号を入力したときの処理を示すフロー図である。システム制御部40は、第1のセンサ63の出力信号を入力するときは、第1の異常発生告知ランプ65を点灯しかつ異常内容を告知する表示パネル41に粘着テープTの交換指示を告知し、また第2のセンサ64の出力信号を入力するときは、第2の異常発生告知ランプ66を点灯しかつ異常内容を告知する表示パネル41に剥離台紙PMの交換指示を告知するようになっている。
【0045】
剥離台紙PMのストックが無くなり台紙終端がアンビルPの手前まで来る段階で異常として検出するようになっている。このときも、システム制御部40が異常発生告知ランプ67を点灯するとともに異常発生を知らせるブザー音を出力し、さらに異常内容を告知する表示パネル41につづら折れの剥離台紙PMの交換指示を告知するようになっている。
【0046】
本発明によれば、外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段30におけるテープ繰り出し機構のリールに巻き付けた粘着テープTが無くなる前に、および送り状発行機50におけるストックされた剥離台紙PMが無くなる前にラインを停止することができる。これによって、空のリールRと粘着テープを巻き付けたリールの交換、前の粘着テープの末端とのスプライスができ、およびつづら折れの剥離台紙PMを新しくストックして前の剥離台紙の末端とのスプライスができる。
【0047】
したがって、ライン稼働用電源(駆動系メインスイッチ)をOFFにした時点で従来行っていたコンベアラインに存在する送付状の貼付を終えていない全ての段ボール箱を取り除く作業が不要になり、稼働を再開するために従来行っていた各構成部分の原点復帰処理を行うことが不要になり、リールと交換してリールから粘着テープを繰り出し、繰出端を外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段を構成している複数のガイドロールを通り抜けさせる従来の作業が不要になり、つづら折れの積層状態で剥離台紙ストックし、剥離台紙を繰り出し、水平板状のアンビルの上面をライン下流に向かい下側をライン上流に向かって通し巻取りボビンに巻き取る状態とする従来の作業が不要になり、ラインを停止してから再開するまでの時間を従来に比べて大幅に短縮でき、熟練を必要とせず作業の容易化と生産性の向上が図れる段ボール箱自動封函システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…段ボール箱、
1A…封函済の段ボール箱、
1B…出荷箱、
2,4…内フラップ、
3,5…外フラップ、
6…閉じ合わせ部、
11―16…コンベア、
13a…押圧爪(プッシャー)、
14a…押圧爪(プッシャー)、
17…プレセンタリング・ガイド手段、
18…第1のスキャナ、
19…センタリング・ガイド手段、
20…内フラップ折り込み機構、
21…前側内フラップ折り込み用レバー、
21a…エアシリンダ装置、
22…後側内フラップ折り込み用スウィングレバー、
22c…ストライカーパネル、
23…第2のサーボモータ、
24…第1昇降フレーム、
25…第1のセンサ、
26…内フラップ押え、
30…外フラップ折り込み・封函テープ貼着手段、
31…外フラップ折り込みガイド、
32、38…押圧ロール、
33…第3のサーボモータ、
34…第2昇降フレーム、
35…リール支持軸、
36…テープ剥離ロール、
37a-37c…テープガイドロール、
39…テープ押えピン、
40…システム制御部、
41…表示部、
50…送り状発行機、
51…ストッカー、
52…繰り出しロール、
53…フリーロール、
54…曲面ガイド、
55、56、57、58…ガイドロール、
59…巻取りボビン、
P…アンビル、
60…プリンタ、
61…送り状貼付装置、
62…第2のスキャナ、
63…第1のセンサ、
64…第2のセンサ、
65…第1の異常発生告知ランプ、
66…第2の異常発生告知ランプ、
100…段ボール箱自動封函システム、
100A…搬入部、
100B…出荷箱自動封函機、
100C…出荷処理部、
G…物品、
L…送り状、
PM…剥離台紙、
R…リール、
T…粘着テープ(封函テープ)。