(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180217
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】二酸化炭素濃度計測センサの校正システム、二酸化炭素濃度計測センサの校正システムのシステム制御装置、および、二酸化炭素濃度計測センサの校正方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/61 20060101AFI20241219BHJP
G01N 27/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G01N21/61
G01N27/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112149
(22)【出願日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2023098349
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗田 了輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 文俊
【テーマコード(参考)】
2G059
2G060
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059CC04
2G059EE01
2G059EE11
2G059FF04
2G059KK01
2G059KK03
2G059MM05
2G059MM14
2G060AA01
2G060AB09
2G060AE19
2G060HC24
2G060KA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】空調システムとしてのコストアップを抑えながら複数のCO2センサによって高精度なCO2計測値を得続ける。
【解決手段】校正システムは、マスタセンサ、複数のスレーブセンサ、システム制御装置を備える。マスタセンサは、二酸化炭素濃度が安定したリファレンス環境に設置され、リファレンス環境の二酸化炭素濃度を高精度に計測し、マスタCO2センサ値を出力する。複数のスレーブセンサは、マスタセンサよりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、複数の居室のそれぞれに設置され、居室の二酸化炭素濃度を計測し、スレーブCO2センサ値を出力する。システム制御装置は、スレーブCO2センサ値を時間的に継続的に取得する。システム制御装置は、スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出すると、安定した期間のマスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とに基づいて、複数のスレーブCO2センサ値を校正する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の複数の居室を有する建築物における前記複数の居室よりも二酸化炭素濃度が安定したリファレンス環境に設置され、前記リファレンス環境の二酸化炭素濃度を高精度に計測し、マスタCO2センサ値を出力するマスタセンサと、
前記マスタセンサよりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、前記複数の居室のそれぞれに設置され、それぞれの居室の二酸化炭素濃度を計測し、それぞれにスレーブCO2センサ値を出力する複数のスレーブセンサと、
前記マスタCO2センサ値に基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正するシステム制御装置と、
を備え、
前記システム制御装置は、
前記スレーブCO2センサ値を時間的に継続的に取得し、
前記スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出すると、
安定した期間の前記マスタCO2センサ値と前記スレーブCO2センサ値とに基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、
二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【請求項2】
前記システム制御装置は、
取得した前記スレーブCO2センサ値が前記所定期間で所定のばらつき範囲内に収まっていることを検出すると、前記安定したことを検出する、
請求項1に記載の二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【請求項3】
前記システム制御装置は、
計時を行い、
夜間に取得した前記スレーブCO2センサ値に基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、
請求項1に記載の二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【請求項4】
前記システム制御装置は、
計時を行い、
前記スレーブCO2センサ値が不安定な時間が所定時間経過すると、
強制換気制御を行う、
請求項1に記載の二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【請求項5】
前記システム制御装置は、
前記リファレンス環境の状態を取得し、
前記リファレンス環境の状態が換気条件を満たした場合に前記強制換気制御を行う、
請求項4に記載の二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【請求項6】
居室よりも二酸化炭素濃度が安定したリファレンス環境の二酸化炭素濃度を高精度に計測したマスタCO2センサ値と、前記マスタCO2センサ値よりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、前記居室の二酸化炭素濃度を計測したスレーブCO2センサ値とを時間的に継続的に取得するデータ取得部と、
前記スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出する安定検出部と、
安定した期間の前記マスタCO2センサ値と前記スレーブCO2センサ値とに基づいて、前記スレーブCO2センサ値を校正する校正情報を生成する、校正情報生成部と、
を備える、
二酸化炭素濃度計測センサの校正システムのシステム制御装置。
【請求項7】
マスタセンサが、計測対象の複数の居室を有する建築物における前記複数の居室よりも二酸化炭素濃度が安定したリファレンス環境に設置され、前記リファレンス環境の二酸化炭素濃度を高精度に計測し、マスタCO2センサ値を出力し、
複数のスレーブセンサが、前記マスタセンサよりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、前記複数の居室のそれぞれに設置され、それぞれの居室の二酸化炭素濃度を計測し、それぞれにスレーブCO2センサ値を出力し、
システム制御装置が、前記マスタCO2センサ値に基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、
二酸化炭素濃度計測センサの校正方法であって、
前記システム制御装置が、
前記スレーブCO2センサ値を時間的に継続的に取得し、
前記スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出すると、
安定した期間の前記マスタCO2センサ値と前記スレーブCO2センサ値とに基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、
二酸化炭素濃度計測センサの校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素濃度計測センサの校正を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、全館空調システムが記載されている。特許文献1の全館空調システムは、複数の部屋のそれぞれに、空気質センサを配置している。
【0003】
複数の空気質センサは、それぞれに配置された部屋の二酸化炭素濃度等を計測する。全館空調システムは、複数の空気質センサの検出したセンサ値に基づいて、空調を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すような複数のセンサを用いて空調を制御する空調制御システムでは、各部屋の二酸化炭素濃度に基づいて空調を行うことがある。例えば、空調制御システムは、部屋の二酸化炭素濃度が換気用閾値を超えた場合に、強制換気を行ったり、換気を促す通知を行う。
【0006】
このような場合、複数の二酸化炭素濃度計測センサ(CO2センサ)のセンサ値(CO2計測値)の精度が重要になる。ここで、一般的に、CO2センサは、自装置内に校正機能を有する高精度CO2センサと、自装置内に校正機能を有さない汎用CO2センサが存在する。そして、高精度CO2センサは、高精度なCO2計測値を継続的に出力できるが高価である。一方、汎用CO2センサは、安価であるが、高精度なCO2計測値を継続的に出力し続けることができない。
【0007】
そして、上述のような複数のセンサを用いるシステムでは、全てのCO2センサに高精度CO2センサを用いれば、高精度なCO2計測値を継続的に得られるが、大幅なコストアップになってしまう。一方、全てのCO2センサに汎用CO2センサを用いれば、コストアップは避けられるものの、高精度なCO2計測値を継続的に得ることができない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、空調システムとしてのコストアップを抑えながら複数のCO2センサによって高精度なCO2計測値を得続けることが可能にする二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の二酸化炭素濃度計測センサの校正システムは、マスタセンサ、複数のスレーブセンサ、および、システム制御装置を備える。マスタセンサは、計測対象の複数の居室を有する建築物に設置し、二酸化炭素濃度を高精度に計測し、マスタCO2センサ値を出力する。複数のスレーブセンサは、マスタセンサよりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、複数の居室のそれぞれに設置され、それぞれの居室の二酸化炭素濃度を計測し、それぞれにスレーブCO2センサ値を出力する。システム制御装置は、マスタCO2センサ値に基づいて、複数のスレーブCO2センサ値を校正する。
【0010】
システム制御装置は、スレーブCO2センサ値を時間的に継続的に取得する。システム制御装置は、スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出すると、安定した期間のマスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とに基づいて、複数のスレーブCO2センサ値を校正する。
【0011】
この構成では、人の動き等によってCO2濃度の計測値(スレーブCO2センサ値)の変動が大きな期間を用いず、CO2濃度の計測値(スレーブCO2センサ値)が安定している期間において、計測誤差を有する可能性のあるスレーブCO2センサ値と高精度のマスタCO2センサ値とを比較できる。
【0012】
これにより、スレーブCO2センサ値とマスタCO2センサ値との差が高精度に得られる。したがって、スレーブCO2センサ値を高精度に校正できる。そして、スレーブセンサは、マスタセンサよりも安価であるので、このような校正システムを安価に構成できる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、空調システムとしてのコストアップを抑えながら複数のCO2センサによって高精度なCO2計測値を得続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを含む空調システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るシステム制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、CO2濃度の変化の一例と安定検出の概念とを示す図である。
【
図4】
図4は、スレーブCO2センサ値の経時変化の一例を概略的に示すグラフである。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る校正フローの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを含む空調システムの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るシステム制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、強制換気を利用した場合のCO2濃度の変化の一例と校正タイミングとを示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る校正フローの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る校正フローの別の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の第3の実施形態に係るシステム制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態に係る校正フローの一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の第4の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを含む空調システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムについて、図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを含む空調システムの一例を示す図である。なお、以下では、二酸化炭素濃度はCO2濃度と称し、二酸化炭素濃度計測センサはCO2センサと称する。
【0016】
図1に示すように、空調システムは、マスタCO2センサ20、複数のスレーブCO2センサ31-34、システム制御装置40、および、複数の空調機51-54を備える。なお、図示は省略しているが、空調システムは、複数の空調機51-54を集中制御する空調制御装置をさらに備える。
【0017】
マスタCO2センサ20は、自己校正機能を有するセンサである。例えば、マスタCO2センサ20は、1光源2波長方式のCO2センサである。複数のスレーブCO2センサ31-34は、上述のような自己校正機能を有さないセンサである。このため、マスタCO2センサ20は、複数のスレーブCO2センサ31-34のそれぞれよりも高価である。
【0018】
空調システムは、例えば、複数の居室91-94を備えるビル90に設置される。なお、ビル90の居室数はこれに限らない。複数の空調機51-54および複数のスレーブCO2センサ31-34は、複数の居室91-94にそれぞれ設置されている。具体的には、空調機51およびスレーブCO2センサ31は居室91に設置され、空調機52およびスレーブCO2センサ32は居室92に設置される。空調機53およびスレーブCO2センサ33は居室93に設置され、空調機54およびスレーブCO2センサ34は居室94に設置される。
【0019】
複数の空調機51-54は、それぞれが設置される複数の居室91-94の空調を行う。
【0020】
複数のスレーブCO2センサ31-34は、所定のサンプリング周期で、それぞれが設置される複数の居室91-94のCO2濃度を計測し、スレーブCO2センサ値を出力する。具体的には、スレーブCO2センサ31は、居室91のCO2濃度を計測し、居室91のスレーブCO2センサ値を出力する。スレーブCO2センサ32は、居室92のCO2濃度を計測し、居室92のスレーブCO2センサ値を出力する。スレーブCO2センサ33は、居室93のCO2濃度を計測し、居室93のスレーブCO2センサ値を出力する。スレーブCO2センサ34は、居室94のCO2濃度を計測し、居室94のスレーブCO2センサ値を出力する。
【0021】
マスタCO2センサ20は、ビル90内に設置される。例えば、マスタCO2センサ20は、ビル90の屋上901におけるマスタセンサ設置ルーム910に設置される。マスタセンサ設置ルーム910は、例えば、百葉箱のようなものであり、直射日光を避け、外気を容易に取り込める構造である。マスタセンサ設置ルーム910の内部環境、または、外気環境が、本発明の「リファレンス環境」に対応する。
【0022】
マスタCO2センサ20は、所定のサンプリング周期で外気のCO2濃度を計測し、マスタCO2センサ値を出力する。
【0023】
システム制御装置40は、ビル90の所定位置に設置される。一例として、
図1の場合、システム制御装置40は、居室94に設置される。
【0024】
システム制御装置40には、複数のスレーブCO2センサ31-34から、それぞれが計測したスレーブCO2センサ値が入力される。また、システム制御装置40は、マスタCO2センサ20から、マスタCO2センサ値が入力される。
【0025】
システム制御装置40は、複数のスレーブCO2センサ値が安定している期間におけるマスタCO2センサ値と複数のスレーブCO2センサ値とに基づいて、複数のスレーブCO2センサ値を校正する。システム制御装置40は、それぞれのスレーブCO2センサ31-34に対する校正情報を、スレーブCO2センサ31-34のそれぞれに出力する。
【0026】
複数のスレーブCO2センサ31-34は、校正情報に基づいて、それぞれのスレーブCO2センサ値を校正する。
【0027】
このような校正によって、マスタCO2センサ20、複数のスレーブCO2センサ31-34、および、システム制御装置40を備える二酸化炭素濃度計測センサの校正システムは、経時誤差を含む複数のスレーブCO2センサ31-34の計測誤差の発生を抑制できる。
【0028】
また、二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを含む空調システムは、全ての居室にマスタCO2センサ20と同様の高精度なCO2センサを設置しなくても、各居室91-94のCO2濃度を継続的に高精度に計測できる。
【0029】
(システム制御装置40の具体的構成例、および、具体的な校正方法)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るシステム制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、システム制御装置40は、IF41、データ記憶部42、安定検出部43、校正情報生成部44、および、計時部49を備える。なお、計時部49は、省略することも可能である。システム制御装置40は、マイコンやコンピュータ装置によって実現される。
【0030】
IF41は、システム制御装置40と外部装置とのインタフェースであり、マスタCO2センサ20、および、複数のスレーブCO2センサ31-34と接続する。
【0031】
IF41は、所定のサンプリング周期で計測されたマスタCO2センサ値、同じく所定のサンプリング周期で計測された複数のスレーブCO2センサ値を取得し、データ記憶部42に出力する。
【0032】
データ記憶部42は、所定のサンプリング周期で計測されたマスタCO2センサ値と、それぞれに所定のサンプリング周期で計測された複数のスレーブCO2センサ値とを記憶する。この際、データ記憶部42は、略同じタイミングで計測されたマスタCO2センサ値と複数のスレーブCO2センサ値とが分かるように、例えば、タイムスタンプをつけてこれらを記憶する。
【0033】
安定検出部43は、複数のスレーブCO2センサ値の安定性を検出する。
【0034】
図3は、CO2濃度の変化の一例と安定検出の概念とを示す図である。
図3に示すように、長期休暇の期間を除くと、複数の居室91-94に設置された複数のスレーブCO2センサ31-34のスレーブCO2センサ値の変動は大きくなる。これは、例えば、複数の居室91-94に人が居ること、人の出入りがあること等に起因する。一方、マスタCO2センサ20は、二酸化炭素濃度が安定した環境に配置されている。したがって、マスタCO2センサ20のマスタCO2センサ値の変動は小さく、マスタCO2センサ値は、安定している。
【0035】
一方、長期休暇期間は、複数の居室91-94に設置された複数のスレーブCO2センサ31-34のスレーブCO2センサ値の変動は小さくなる。これは、複数の居室91-94に人が居ないこと、人の出入りがないこと等に起因する。
【0036】
安定検出部43は、安定検出用のデータ取得期間を設定し、データ取得期間内の複数タイミングのスレーブCO2センサ値を、データ記憶部42から読み出す。安定検出部43は、この安定検出用のデータ取得期間を時間的にずらしていく。
【0037】
安定検出部43は、安定検出用のデータ取得期間内の複数タイミングのスレーブCO2センサ値に基づいて、スレーブCO2センサ値が安定であるか否かを検出する。
【0038】
例えば、安定検出部43は、安定検出用のデータ取得期間内の複数タイミングのスレーブCO2センサ値のばらつきを算出し、このばらつきが所定のばらつき範囲内に収まっているか否かで、センサ値の安定性、すなわち、センサ値が安定であるか否かを検出する。
【0039】
具体的には、安定検出部43は、複数タイミングのスレーブCO2センサ値の分散または標準偏差を算出する。安定検出部43は、分散または標準偏差が安定検出用の閾値以下であれば、スレーブCO2センサ値が安定であることを検出する。一方、安定検出部43は、分散または標準偏差が安定検出用閾値よりも大きければ、スレーブCO2センサ値が安定でないことを検出する。
【0040】
図3の場合であれば、長期休暇期間外では、スレーブCO2センサ値のばらつきは大きく、分散または標準偏差は安定検出用閾値を超える。このため、安定検出部43は、長期休暇期間外では、スレーブCO2センサ値が安定でないことを検出する。一方、長期休暇期間内では、スレーブCO2センサ値のばらつきは小さく、分散または標準偏差は安定検出用閾値以下となる。このため、このため、安定検出部43は、長期休暇期間内では、スレーブCO2センサ値が安定であることを検出する。
【0041】
なお、スレーブCO2センサ値の安定性の有無(安定であるかか安定でないか)の検出は、分散または標準偏差を用いなくても、他の方法を用いてもよい。例えば、安定検出用のデータ取得期間内の複数タイミングのスレーブCO2センサ値の最大値と最小値との差、隣り合うタイミングのスレーブCO2センサ値の微分値等を用いてもよい。
【0042】
安定検出部43は、複数のスレーブCO2センサ31-34毎に、スレーブCO2センサ値の安定性を検出する。安定検出部43は、安定検出用のデータ取得期間毎の安定性検出結果(安定であるか否かを示す結果)を、校正情報生成部44に出力する。
【0043】
校正情報生成部44は、安定性検出結果を参照して、安定期間(センサ値が安定している期間)のスレーブCO2センサ値およびマスタCO2センサ値を、データ記憶部42から読み出す。
【0044】
校正情報生成部44は、安定期間のスレーブCO2センサ値およびマスタCO2センサ値に基づいて、スレーブCO2センサの校正情報を生成する。
【0045】
図4は、スレーブCO2センサ値の経時変化の一例を概略的に示すグラフである。
図4に示すように、自己校正機能を有さないスレーブCO2センサは、CO2濃度の違いの影響よりも、オフセット値の影響を受ける。言い換えれば、どのようなCO2濃度であっても、実際のCO2濃度に対して所定の差(オフセット値)を有する。
【0046】
具体的に、
図4の場合、実際のCO2濃度(二点鎖線)が線形に変化した場合、スレーブCO2センサ値も同様に線形に変化するが、オフセット値bを有する。このオフセット値bは、経時的に変化し、徐々に大きくなる。
【0047】
一方、マスタCO2センサ値は、実際のCO2濃度を高精度に反映する。
【0048】
そして、上述の安定期間では、複数の居室91-94に人が居ないため、オフセット値が存在しなければ、マスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とは、略同じになる。
【0049】
このため、スレーブCO2センサ値とマスタCO2センサ値との差分が、スレーブCO2センサの経時劣化によるオフセット値bに相当する判断できる。
【0050】
校正情報生成部44は、安定期間内における略同じタイミングのスレーブCO2センサ値とマスタCO2センサ値との差分値を算出する。校正情報生成部44は、この差分値を校正情報として出力する。
【0051】
校正情報生成部44は、複数のスレーブCO2センサ31-34のそれぞれのスレーブCO2センサ値とマスタCO2センサ値との差分値を算出し、複数のスレーブCO2センサ31-34のそれぞれに対する校正情報を出力する。
【0052】
IF41は、複数のスレーブCO2センサ31-34のそれぞれに対する校正情報を、複数のスレーブCO2センサ31-34のそれぞれに出力する。
【0053】
複数のスレーブCO2センサ31-34は、それぞれに入力された校正情報に基づいて、それぞれのスレーブCO2センサ値を校正する。
【0054】
これにより、空調システムとしてのコストアップを抑えながら複数のスレーブCO2センサ31-34によって、複数の居室91-94毎に高精度なCO2計測値を得続けることができる。
【0055】
さらに、システム制御装置40は、計時部49を備えることで、校正のための安定期間を時間で制限することができる。例えば、計時部49は、時刻を計時し、校正情報生成部44に出力する。
【0056】
校正情報生成部44は、安定期間であり、時刻が校正対象時刻であれば、校正情報を生成する。具体的な一例として、校正情報生成部44は、夜間を示す時刻であることを検出すると、校正情報を生成する。夜間は、光合成等が行われておらず、ビル90外の社会活動に大きな変化が生じ難いので、マスタCO2センサ20のマスタCO2センサ値が安定し易い。したがって、校正情報生成部44は、夜間のマスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とを用いることで、より高精度な校正情報を生成できる。
【0057】
(校正フロー)
図5は、第1の実施形態に係る校正フローの一例を示すフローチャートである。なお、フローに示す各処理の具体的内容は、上述の構成の説明で行っているため、フローチャートの説明では省略する。
【0058】
システム制御装置40は、マスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とを逐次取得する(S11)。
【0059】
システム制御装置40は、スレーブCO2センサ値(計測値)が安定しているか否かを検出する。システム制御装置40は、スレーブCO2センサ値(計測値)が安定していない間は(S12:NO)、マスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値と取得を継続する。
【0060】
システム制御装置40は、スレーブCO2センサ値(計測値)が安定していることを検出すると(S12:YES)、安定期間のマスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とに基づいて、スレーブCO2センサ値の校正情報を生成し、スレーブCO2センサを校正する(S13)。
【0061】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムについて、図を参照して説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを含む空調システムの一例を示す図である。
【0062】
図6に示すように、第2の実施形態に係る空調システムは、第1の実施形態に係る空調システムに対して、システム制御装置40Aを備える点、複数の換気機構61-64を備える点で異なる。第2の実施形態に係る空調システムにおける第1の実施形態に係る空調システムと同様の点は、説明を省略する。
【0063】
複数の換気機構61-64は、それぞれに居室91-94に設置されている。具体的には、換気機構61は居室91に設置され、換気機構62は居室92に設置される。換気機構63は居室93に設置され、換気機構64は居室94に設置される。
【0064】
複数の換気機構61-64は、システム制御装置40Aからの換気制御信号に基づいて、それぞれが設置された複数の居室91-94の外気導入を行う。なお、複数の空調機51-54が内気循環と外気導入とを切り替える機構を有している場合、複数の換気機構61-64は省略できる。この場合、換気制御信号は複数の空調機51-54に入力され、複数の空調機51-54が内気循環から外気導入に切り替えて換気を行う。
【0065】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るシステム制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、第2の実施形態に係るシステム制御装置40Aは、第1の実施形態に係るシステム制御装置40に対して、換気制御部45を追加した点で異なる。システム制御装置40Aがシステム制御装置40と同様の箇所の説明は省略する。
【0066】
換気制御部45は、安定検出部43で検出した複数のスレーブCO2センサ値が不安定な期間を計時する。換気制御部45は、強制換気用の閾値時間を予め記憶している。
【0067】
換気制御部45は、不安定な期間の時間長が強制換気用の閾値時間を超えると、換気制御信号を生成し、複数の換気機構61-64に出力する。
【0068】
なお、安定検出部43は、複数のスレーブCO2センサ値のそれぞれに対して不安定な期間を検出できるので、換気制御部45は、複数のスレーブCO2センサ31-34が設置される複数の居室91-94の換気機構61-64のそれぞれに対して個別に換気制御信号を生成できる。
【0069】
換気制御部45は、換気制御信号を校正情報生成部44に出力する。
【0070】
校正情報生成部44は、換気制御信号を受け付けると、所定の待機時間後のマスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とに基づいて、上述のように、校正情報を生成する。
【0071】
図8は、強制換気を利用した場合のCO2濃度の変化の一例と校正タイミングとを示す図である。
図8に示すように、強制換気を行うことによって、マスタCO2センサ値およびスレーブCO2センサ値は、強制換気の開始から所定時間後に安定する。この安定後の安定期間のマスタCO2センサ値およびスレーブCO2センサ値を用いることで、高精度な校正情報を生成できる。
【0072】
また、複数の居室91-94は、それぞれにスレーブCO2センサを備えているので、
図8等では具体的に示していないが、複数の居室91-94は、個別のタイミングで強制換気を行うことができる。これにより、全居室を同時(一斉)に換気するよりも、空調の省エネ効率の低下を抑えつつ、各居室のスレーブCO2センサを輪番的に校正できる。
【0073】
(校正フロー1)
図9は、第2の実施形態に係る校正フローの一例を示すフローチャートである。なお、フローに示す各処理の具体的内容における上述の各説明において説明済みの箇所については、以下での説明は省略する。
【0074】
システム制御装置40Aは、スレーブCO2センサ値が安定しておらず(S12:NO)、所定時間(強制換気用の閾値時間)でその状態が続くと(S21:YES)、換気制御信号を生成し、強制換気開始制御を行う(S22)。
【0075】
システム制御装置40Aは、強制換気開始から待機時間を待ち、待機時間が経過すると(S23:YES)、待機時間の経過後のマスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とに基づいて、スレーブCO2センサの校正情報を生成し、スレーブCO2センサの校正を行う(S24)。
【0076】
システム制御装置40Aは、校正が終了すると、強制換気の終了制御を行う(S25)。複数の換気機構61-64は、強制換気の終了制御を受け、外気導入を終了する。
【0077】
(校正フロー2)
図10は、第2の実施形態に係る校正フローの別の一例を示すフローチャートである。なお、フローに示す各処理の具体的内容における上述の各説明において説明済みの箇所については、以下での説明は省略する。
【0078】
図10に示す校正フローは、
図9に示す校正フローに対して、待機時間をカウントするのではなく、強制換気の開始後にスレーブCO2センサ値の安定性を検出して、安定性の検出結果に基づいて校正を行う点で異なる。
【0079】
システム制御装置40Aは、強制換気の開始制御後、スレーブCO2センサ値の安定性を検出する。システム制御装置40Aは、スレーブCO2センサ値が安定すれば(S23A:YES)、安定後の安定期間のマスタCO2センサ値とスレーブCO2センサ値とに基づいて、スレーブCO2センサの校正情報を生成し、スレーブCO2センサの校正を行う(S24)。
【0080】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムについて、図を参照して説明する。
図11は、本発明の第3の実施形態に係るシステム制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
【0081】
図11に示すように、第3の実施形態に係るシステム制御装置40Bは、第2の実施形態に係るシステム制御装置40Aに対して、外気状態取得部450をさらに備える点、換気制御部45Bによる換気制御において異なる。システム制御装置40Bがシステム制御装置40Aと同様の箇所の説明は省略する。
【0082】
システム制御装置40Bは、外気状態取得部450を備える。外気状態取得部450は、外気の状態を計測する各種のセンサから外気状態を取得する。外気状態は、少なくとも外気温を含み、外気湿度等、空調に関わる外気の状態を含む。外気状態取得部450は、継続的に所定の時間間隔で外気情報を取得する。
【0083】
外気状態取得部450は、取得した外気情報を換気制御部45Bに出力する。
【0084】
換気制御部45Bは、上述の不安定期間の検出とともに、外気情報に基づいて、強制換気を行うための換気制御信号を生成する。より具体的には、換気制御部45Bは、外気温が空調の目標設定温度に対して所定の閾値温度範囲内であることを検出すると、換気制御信号を生成して、複数の換気機構61-64に出力する。一方、換気制御部45Bは、外気温が空調の目標設定温度に対して所定の閾値温度範囲外であることを検出すると、換気制御信号を生成しない、または出力しない。
【0085】
なお、換気制御部45Bは、温度に加えて、湿度についても同様に参照して強制換気を行うか否かを決定してもよい。さらには、換気制御部45Bは、空調エンタルピーに基づいて強制換気を行うか否かを決定してもよい。
【0086】
このような制御を行うことで、複数の居室91-94の大幅な室温の変化や室内雰囲気の変化を抑制できる。したがって、校正後、強制換気の終了後における室温や室内雰囲気を元に戻すための空調の電力を低減できる。
【0087】
(校正フロー)
図12は、第3の実施形態に係る校正フローの一例を示すフローチャートである。なお、フローに示す各処理の具体的内容における上述の各説明において説明済みの箇所については、以下での説明は省略する。
【0088】
図12に示す校正フローは、
図8に示す校正フローに対して、換気条件のクリアの選択処理を追加した点で異なり、他の処理は同様である。
【0089】
システム制御装置40Bは、スレーブCO2センサ値の不安定状態が所定時間経過した後(S12:NO、S21:YES)、外気が換気条件をクリアしているか否かを検出する。外気が換気条件をクリアしているか否かは、例えば、上述のように、外気温が空調の目標設定温度に対して所定の閾値温度範囲内であるか閾値温度範囲外であるかによって検出できる。外気温が空調の目標設定温度に対して所定の閾値温度範囲内であれば、外気が換気条件をクリアしていることを検出でき、外気温が空調の目標設定温度に対して所定の閾値温度範囲外であれば、外気が換気条件をクリアしていないことを検出できる。
【0090】
システム制御装置40Bは、外気が換気条件をクリアしていれば(S30:YES)、強制換気を開始する(S22)。
【0091】
[第4の実施形態]
図13は、本発明の第4の実施形態に係る二酸化炭素濃度計測センサの校正システムを含む空調システムの一例を示す図である。
図13に示すように、第4の実施形態に係る校正システムは、第1の実施形態に係る校正システムに対して、マスタCO2センサ20の設置位置が異なる。以下では、第4の実施形態に係る校正システムが第1の実施形態に係る校正システムと異なる箇所のみを説明し、同様の箇所の説明は省略する。
【0092】
ビル90Cは、複数の居室91-94の上に機械室99を備える。機械室99は、例えば、ビル90Cに設置されたエレベータ(図示を省略)等を制御する機械が設置された室である。機械室99には、空調機59が設置されている。この空調機59、および、複数の空調機51-54は、屋上901に設置されたチラー80に接続されている(配管の図示は省略している。)。
【0093】
機械室99の人の出入りは、複数の居室91-94の人の出入りよりも大幅に少ない。言い換えれば、機械室99には、人の出入りがほとんど無い。したがって、機械室99の温度湿度および二酸化炭素濃度は、安定しており、変動が小さい。この機械室99の室内環境が、本発明の「リファレンス環境」に対応する。
【0094】
なお、機械室99は、外部へ出入りするドアを備えており、ドアを開けることで、外気と取り込むことも可能である。この場合、外気の取り込みによって、機械室99の二酸化炭素濃度を外気の二酸化炭素濃度に略一致させることも可能である。
【0095】
このような構成によって、第1の実施形態と同様に、マスタCO2センサ20は、二酸化炭素濃度が安定した環境に配置されている。したがって、マスタCO2センサ20のマスタCO2センサ値の変動は小さく、マスタCO2センサ値は、安定している。
【0096】
これにより、第4の実施形態に係る校正システムは、第1の実施形態に係る校正システムと同様に、複数のスレーブCO2センサ31-34を高精度に校正できる。
【0097】
なお、上述の各実施形態の構成および処理は、適宜組み合わせが可能であり、それぞれの組み合わせに応じた作用効果を奏することができる。
【0098】
<1> 計測対象の複数の居室を有する建築物における前記複数の居室よりも二酸化炭素濃度が安定したリファレンス環境に設置され、前記リファレンス環境の二酸化炭素濃度を高精度に計測し、マスタCO2センサ値を出力するマスタセンサと、
前記マスタセンサよりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、前記複数の居室のそれぞれに設置され、それぞれの居室の二酸化炭素濃度を計測し、それぞれにスレーブCO2センサ値を出力する複数のスレーブセンサと、
前記マスタCO2センサ値に基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正するシステム制御装置と、
を備え、
前記システム制御装置は、
前記スレーブCO2センサ値を時間的に継続的に取得し、
前記スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出すると、
安定した期間の前記マスタCO2センサ値と前記スレーブCO2センサ値とに基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【0099】
<2> 前記システム制御装置は、
取得した前記スレーブCO2センサ値が前記所定期間で所定のばらつき範囲内に収まっていることを検出すると、前記安定したことを検出する、<1>の二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【0100】
<3> 前記システム制御装置は、
計時を行い、
夜間に取得した前記スレーブCO2センサ値に基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、<1>または<2>の二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【0101】
<4> 前記システム制御装置は、
計時を行い、
前記スレーブCO2センサ値が不安定な時間が所定時間経過すると、
強制換気制御を行う、<1>乃至<3>のいずれかの二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【0102】
<5> 前記システム制御装置は、
前記リファレンス環境の状態を取得し、
前記リファレンス環境の状態が換気条件を満たした場合に前記強制換気制御を行う、<4>の二酸化炭素濃度計測センサの校正システム。
【0103】
<6> 二酸化炭素濃度を高精度に計測したマスタCO2センサ値と、前記マスタCO2センサ値よりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、居室の二酸化炭素濃度を計測したスレーブCO2センサ値とを時間的に継続的に取得するデータ取得部と、
前記スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出する安定検出部と、
安定した期間の前記マスタCO2センサ値と前記スレーブCO2センサ値とに基づいて、前記スレーブCO2センサ値を校正する校正情報を生成する、校正情報生成部と、
を備える、二酸化炭素濃度計測センサの校正システムのシステム制御装置。
【0104】
<7> マスタセンサが、計測対象の複数の居室を有する建築物における前記複数の居室よりも二酸化炭素濃度が安定したリファレンス環境に設置され、前記リファレンス環境の二酸化炭素濃度を高精度に計測し、マスタCO2センサ値を出力し、
複数のスレーブセンサが、前記マスタセンサよりも二酸化炭素濃度の計測精度が低く、前記複数の居室のそれぞれに設置され、それぞれの居室の二酸化炭素濃度を計測し、それぞれにスレーブCO2センサ値を出力し、
システム制御装置が、前記マスタCO2センサ値に基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、
二酸化炭素濃度計測センサの校正方法であって、
前記システム制御装置が、
前記スレーブCO2センサ値を時間的に継続的に取得し、
前記スレーブCO2センサ値が所定期間にわたり安定したことを検出すると、
安定した期間の前記マスタCO2センサ値と前記スレーブCO2センサ値とに基づいて、前記複数のスレーブCO2センサ値を校正する、二酸化炭素濃度計測センサの校正方法。
【符号の説明】
【0105】
20:マスタCO2センサ
31、32、33、34:スレーブCO2センサ
40、40A、40B:システム制御装置
41:IF
42:データ記憶部
43:安定検出部
44:校正情報生成部
45、45B:換気制御部
450:外気状態取得部
49:計時部
51、52、53、54、59:空調機
61、62、63、64:換気機構
80:チラー
90、90C:ビル
91、92、93、94:居室
99:機械室
901:屋上
910:マスタセンサ設置ルーム