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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180236
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】車両用ランプ装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/265 20180101AFI20241219BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20241219BHJP
   F21S 43/40 20180101ALI20241219BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20241219BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20241219BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20241219BHJP
   F21S 41/40 20180101ALI20241219BHJP
   F21S 41/30 20180101ALI20241219BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20241219BHJP
【FI】
F21S41/265
F21S45/47
F21S43/40
F21S43/20
F21V29/76
F21V29/503 100
F21S41/40
F21S41/30
F21W102:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179483
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】112122446
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514008468
【氏名又は名称】巨鎧精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 柏樺
(57)【要約】
【課題】新たな視覚効果を生じて表示美観を高めることができる車両用ランプ装置を提供する。
【解決手段】外枠1と光整形用枠2と発光ユニット3と配光カバー4とを備えており、光整形用枠2は、内側に複数の光散乱領域20が画成されており、各光散乱領域20は、第1光整形セクション201と第2光整形セクション202とに区分されており、発光ユニット3は、複数の発光部材31を備えており、各発光部材31は、第1光整形セクション201へ発光する第1発光モジュール311と、第2光整形セクション202へ発光する第2発光モジュール312と、を有しており、配光カバー4は、複数のレンズ部41を備えており、各レンズ部41は、第1光整形セクション201に位置を合わせる第1レンズセクション411と、第2光整形セクション202に位置を合わせる第2レンズセクション412と、を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠と、光整形用枠と、発光ユニットと、配光カバーと、を備えており、
前記外枠は、前後方向へ開口している取り付け空間を取り囲むように構成されており、
前記光整形用枠は、前記外枠の前記取り付け空間内に配置されており、内側に前後方向へそれぞれ開口している複数の光散乱領域が画成されており、
各前記光散乱領域は、第1光整形セクションと、前記第1光整形セクションと間隔をあけるように配置されている第2光整形セクションと、に区分されており、
前記発光ユニットは、前記外枠の後側と連接されて、前記外枠の前記後側を覆っており、且つ複数の発光部材を備えており、
各前記発光部材は、対応する前記光散乱領域に位置を合わせるように配置されており、且つ対応する前記光散乱領域の前記第1光整形セクションへ発光することができる第1発光モジュールと、対応する前記光散乱領域の前記第2光整形セクションへ発光することができる第2発光モジュールと、を有しており、
前記配光カバーは、前記外枠の前側と連接されて、前記外枠の前記前側を覆っており、且つ複数のレンズ部を備えており、
各前記レンズ部は、対応する前記光散乱領域に位置を合わせるように配置されており、対応する前記発光部材の発する光が外側へ透過することができ、且つ対応する前記光散乱領域の前記第1光整形セクションに位置を合わせるように配置されている第1レンズセクションと、対応する前記光散乱領域の前記第2光整形セクションに位置を合わせるように配置されている第2レンズセクションと、を有しており、
前記第1レンズセクションのレンズ曲率は、前記第2レンズセクションのレンズ曲率と異なっているように構成されている、
ことを特徴とする車両用ランプ装置。
【請求項2】
隣り合っている前記光散乱領域の前記第1光整形セクションは、互いに連通している、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプ装置。
【請求項3】
隣り合っている前記光散乱領域の前記第2光整形セクションは、互いに連通している、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプ装置。
【請求項4】
隣り合っている前記光散乱領域の前記第2光整形セクションは、互いに連通している
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用ランプ装置。
【請求項5】
1つの前記光散乱領域の前記第1光整形セクションは、前記1つの前記光散乱領域と隣り合っている他の1つの前記光散乱領域の前記第2光整形セクションと連通している、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用ランプ装置。
【請求項6】
前記光整形用枠は、複数の枠体部と、複数の水平光遮蔽板と、を有しており、
各前記枠体部は、対応する前記光散乱領域を取り囲むように構成されており、
各前記水平光遮蔽板は、対応する前記枠体部に設けられており、対応する前記枠体部の前側部から前方向へ突出して、対応する前記レンズ部における前記第1レンズセクションと前記第2レンズセクションとの境界箇所と当接しており、且つ対応する前記光散乱領域を前記第1光整形セクション及び前記第2光整形セクションとなるように区分するように配置構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプ装置。
【請求項7】
各前記発光部材の前記第1発光モジュールは、第1光源と、第1光反射部と、を有しており、
前記第1光反射部は、前方向へ開口している第1開口が形成されており、且つ前記第1光源により発された光を、前記第1開口を通して対応する前記光散乱領域の前記第1光整形セクションへ前方向に反射することができるように構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両用ランプ装置。
【請求項8】
各前記発光部材の前記第2発光モジュールは、第2光源と、第2光反射部と、を有しており、
前記第2光反射部は、前方向へ開口している第2開口が形成されており、且つ前記第2光源により発された光を、前記第2開口を通して対応する前記光散乱領域の前記第2光整形セクションへ前方向に反射することができるように構成されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の車両用ランプ装置。
【請求項9】
前記光整形用枠は、複数の垂直光遮蔽板を更に備えており、
各前記垂直光遮蔽板は、対応する前記水平光遮蔽板から対応する前記光散乱領域における前記第1光整形セクション及び前記第2光整形セクションのいずれか一者の方へ突出して、前記第1光整形セクション及び前記第2光整形セクションのいずれか一者に位置を合わせるように配置された対応する前記発光部材における前記第1開口及び前記第2開口のいずれか一者を部分的に遮蔽することができる、
ことを特徴とする請求項8に記載の車両用ランプ装置。
【請求項10】
各前記レンズ部間で前記第1レンズセクションのレンズ曲率が異なっている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプ装置。
【請求項11】
各前記レンズ部間で前記第2レンズセクションのレンズ曲率が異なっている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項10に記載の車両用ランプ装置。
【請求項12】
前記車両用ランプ装置は、前記発光ユニットに設けられる放熱ユニットを更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプ装置。
【請求項13】
前記放熱ユニットは、複数の放熱部を有しており、
各前記放熱部は、対応する前記発光部材における前記第1発光モジュールと前記第2発光モジュールとの間に設けられている、
ことを特徴とする請求項12に記載の車両用ランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用部品に関し、具体的には、車両用ランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用前照灯とは、自動車の前部に搭載し、運転手の視認性と外側からの被視認性を高めるように用いられる照明器具である。
【0003】
従来の車両用前照灯として、例えば特許文献1に記載されたものが挙げられる。
【0004】
特許文献1に記載された従来の車両用前照灯は、ハウジング内において互いに間隔をあけるように配置されているハイビーム光源とロービーム光源と方向指示器、及び前照灯の前側を覆っている前カバーを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許第I642876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の車両用前照灯によれば、ハイビームモード、ロービームモード、又は方向指示モードとなるように制御すると、切り替えられるモードに対応する光源のみ発光するので、その光源の付近だけ明るくなり、その他の部分は暗い状態が維持される。つまり、従来の車両用前照灯が使用されている際に、その前カバーから見ると、必ず明るい箇所と暗い箇所が存在し、全体的に明るくなった状態を実現することはできない。それだけではなく、従来の車両用前照灯が異なるモードに切り替えられると、ハイビームモードとロービームモードとで、使用者のニーズに応じて同じ形状の光を発することができない。このため、従来の車両用ランプ装置の構成に対して改善する余地がある。
【0007】
よって、本発明は上記問題点に鑑みて、上記した欠点を少なくとも1つ解決できる車両用ランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、外枠と、光整形用枠と、発光ユニットと、配光カバーと、を備えており、
前記外枠は、前後方向へ開口している取り付け空間を取り囲むように構成されており、
前記光整形用枠は、前記外枠の前記取り付け空間内に配置されており、内側に前後方向へそれぞれ開口している複数の光散乱領域が画成されており、
各前記光散乱領域は、第1光整形セクションと、前記第1光整形セクションと間隔をあけるように配置されている第2光整形セクションと、に区分されており、
前記発光ユニットは、前記外枠の後側と連接されて、前記外枠の前記後側を覆っており、且つ複数の発光部材を備えており、
各前記発光部材は、対応する前記光散乱領域に位置を合わせるように配置されており、且つ対応する前記光散乱領域の前記第1光整形セクションへ発光することができる第1発光モジュールと、対応する前記光散乱領域の前記第2光整形セクションへ発光することができる第2発光モジュールと、を有しており、
前記配光カバーは、前記外枠の前側と連接されて、前記外枠の前記前側を覆っており、且つ複数のレンズ部を備えており、
各前記レンズ部は、対応する前記光散乱領域に位置を合わせるように配置されており、対応する前記発光部材の発する光が外側へ透過することができ、且つ対応する前記光散乱領域の前記第1光整形セクションに位置を合わせるように配置されている第1レンズセクションと、対応する前記光散乱領域の前記第2光整形セクションに位置を合わせるように配置されている第2レンズセクションと、を有しており、
前記第1レンズセクションのレンズ曲率は、前記第2レンズセクションのレンズ曲率と異なっているように構成されている、車両用ランプ装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車両用ランプ装置によれば、各発光部材における第1発光モジュール及び第2発光モジュールが、各光散乱領域における第1光整形セクション及び第2光整形セクションへそれぞれ発光して、第1光整形セクション及び第2光整形セクションを通した光が、対応するレンズ部における第1レンズセクション及び第2レンズセクションからそれぞれ透過することができる。且つ、各第1発光モジュール及び各第2発光モジュールの一方または両方を同時に発光させても、いずれのレンズ部にも光が透過するようになる。
【0010】
これによって、本発明に係る車両用ランプ装置は、配光カバーを透過した光がハイビーム又はロービームとして前向きに進行して、配光カバーの方から見た場合に所望の形状となるよう光を発することができるため、新たな視覚効果を生じて表示美観を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される斜視図である。
図2】該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される分解斜視図である。
図3】該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される側面断面図である。
図4図3の部分拡大断面図である。
図5】該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される上面断面図である。
図6】該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される正面断面図である。
図7図6の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る車両用ランプ装置は、例えば自動車に設けられて前照灯または後照灯として用いられるものであり、且つ制御されることによって少なくとも2種類の配光パターンを形成することができる。その配光パターンは、例えばハイビーム及びロービームである。
【0013】
以下、本発明に係る車両用ランプ装置について図面を参照して説明する。
【0014】
図1図7を参照して本発明に係る車両用ランプ装置の実施形態の構成を説明する。ここで、図1は本発明の一実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される斜視図であり、図2は該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される分解斜視図であり、図3は該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される側面断面図であり、図4図3の部分拡大断面図である。
【0015】
また、図5は該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される上面断面図であり、図6は該実施形態に係る車両用ランプ装置の構成が示される正面断面図であり、図7図6の部分拡大断面図である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る車両用ランプ装置は、図1及び図2に示されるように、外枠1と、光整形用枠2と、発光ユニット3と、配光カバー4と、放熱ユニット5と、を備えている。
【0017】
外枠1は、図1及び図2に示されるように、それぞれF字形状となっていて互いに重なり合うように並べられている2つの枠体11を備えており、且つこれら2つの枠体11により前後方向へ開口する取り付け空間10を取り囲むように構成されている。
光整形用枠2は、図2図3図5に示されるように、不透明な材料から作成されている上に、形状が外枠1の形状(即ち、F字形状)と合わせるように構成されており、且つ外枠1の取り付け空間10内に配置されており、内側に前後方向へそれぞれ開口している複数の光散乱領域20が画成されている。上記した複数の光散乱領域20は、F字形状となるように排列されている。なお、本実施形態では、外枠1と光整形用枠2との形状は、F字形状となっているが、本発明はそれに限定されず、他の実施形態においてニーズに応じて変更され得る。
【0018】
また、本実施形態では、光散乱領域20は、図2に示されるように、6つ設けられている。なお、光散乱領域20の数量は、上記に限定されず、他の実施形態において変更することができる。
【0019】
各光散乱領域20は、図2図4に示されるように、第1光整形セクション201と、第1光整形セクション201と間隔をあけるように配置されている第2光整形セクション202と、に区分されている。
【0020】
該光整形用枠2は、図2図4図5に示されるように、F字形状となるように排列されている複数の枠体部21と、複数の水平光遮蔽板22と、複数の垂直光遮蔽板23と、を有している。
【0021】
各枠体部21は、図2に示されるように、対応する光散乱領域20を取り囲むように構成されている。
【0022】
各水平光遮蔽板22は、図2に示されるように、対応する枠体部21に設けられており、且つ対応する枠体部21の前側部から前方向へ突出している。また、各光散乱領域20における第1光整形セクション201及び第2光整形セクション202は、図2図4に示されるように、対応する水平光遮蔽板22により区分されている。
【0023】
各垂直光遮蔽板23は、対応する水平光遮蔽板22から、対応する光散乱領域20における第1光整形セクション201及び第2光整形セクション202のいずれか一者の方へ突出するように配置されている。本実施形態では、図2に示されるように、各垂直光遮蔽板23は、第1光整形セクション201の方へ突出している。
【0024】
なお、本実施形態では、枠体部21と水平光遮蔽板22と垂直光遮蔽板23とは、図2に示されるように、光散乱領域20に対応するように、いずれも6つ設けられている。なお、それらの数量は、上記に限定されず、他の実施形態に応じて変更することができる。
【0025】
本実施形態では、図2に示されるように、6つの枠体部21のうち、2つが光整形用枠2の上部において横方向に沿って排列され、他の4つが上記2つのうちの1つと共に上下方向に沿って排列されている。
【0026】
横方向に沿って排列されている2つの枠体部21においては、図3図5に示されるように、隣り合っている光散乱領域20の第1光整形セクション201は、互いに連通しており、且つ隣り合っている光散乱領域20の第2光整形セクション202は、互いに連通している。
【0027】
上下方向に沿って排列されている5つの枠体部21においては、図3に示されるように、1つの光散乱領域20の第1光整形セクション201は、それに隣り合っている他の1つの光散乱領域20(即ち、その上にある光散乱領域20)の第2光整形セクション202と連通している。
【0028】
なお、本実施形態では、各光散乱領域20における第1光整形セクション201及び第2光整形セクション202の連通関係は、以上のように設計されているが、本発明はそれに限定されず、他の実施形態において、横方向で隣り合っている2つの枠体部21においては、それらの光散乱領域20の第1光整形セクション201が互いに連通しなく、且つそれらの光散乱領域20の第2光整形セクション202が互いに連通しなくてもよい。また、上下方向に沿って排列されている5つの枠体部21においては、1つの光散乱領域20の第1光整形セクション201は、それに隣り合っている他の1つの光散乱領域20の第2光整形セクション202と連通しなくてもよい。
【0029】
発光ユニット3は、図2図6に示されるように、外枠1の後側と連接されて、外枠1の後側を覆っており、且つ複数の発光部材31を備えている。本実施形態では、発光部材31は、光整形用枠2の光散乱領域20に対応するように、6つ設けられている。
【0030】
各発光部材31は、図2図7に示されるように、対応する光散乱領域20に位置を合わせるように配置されており、且つ上側にあって対応する光散乱領域20の第1光整形セクション201へ発光することができる第1発光モジュール311と、下側にあって対応する光散乱領域20の第2光整形セクション202へ発光することができる第2発光モジュール312と、を有している。
【0031】
各発光部材31の第1発光モジュール311は、図4に示されるように、第1光源313と、第1光反射部314と、を有している。第1光反射部314は、前方向へ開口している第1開口315が形成されており、且つ第1光源313により発された光を、第1開口315を通して対応する光散乱領域20の第1光整形セクション201へ前方向に反射することができるように構成されている。
【0032】
各発光部材31の第2発光モジュール312は、図4に示されるように、第2光源316と、第2光反射部317と、を有している。第2光反射部317は、前方向へ開口している第2開口318が形成されており、且つ第2光源316により発された光を、第2開口318を通して対応する光散乱領域20の第2光整形セクション202へ前方向に反射することができるように構成されている。
【0033】
なお、本実施形態では、各発光部材31における、第1発光モジュール311の第1光源313及び第2発光モジュール312の第2光源316のいずれか又はいずれも複数設けられ、且つ第1光源313の数量がそれに対応する第2光源316の数量よりも多くなっている。勿論、本発明はそれに限定されず、他の実施形態において、各発光部材31における、第1発光モジュール311の第1光源313及び第2発光モジュール312の第2光源316は、いずれも1つ設けられてもよい。
【0034】
配光カバー4は、図2図5に示されるように、外枠1の前側と連接されて、外枠1の前側を覆っており、且つ複数のレンズ部41を備えている。本実施形態では、レンズ部41は、光整形用枠2の光散乱領域20に対応するように、6つ設けられている。
【0035】
各レンズ部41は、図2図4に示されるように、対応する光散乱領域20に位置を合わせるように配置されており、対応する発光部材31の発する光が外側へ透過することができる。
【0036】
また、各レンズ部41は、図2図4に示されるように、対応する光散乱領域20の第1光整形セクション201に位置を合わせるように配置されている第1レンズセクション411と、対応する光散乱領域20の第2光整形セクション202に位置を合わせるように配置されている第2レンズセクション412と、を有している。各レンズ部41における第1レンズセクション411及び第2レンズセクション412は、上下方向に沿って互いに繋がるように配置されている。
【0037】
以下、光整形用枠2の水平光遮蔽板22及び垂直光遮蔽板23に関してより詳細に説明する。
【0038】
各水平光遮蔽板22は、図2図4に示されるように、対応する枠体部21の後側縁からその前側縁へ延伸して、対応するレンズ部41における第1レンズセクション411と第2レンズセクション412との境界箇所と当接している。
【0039】
各垂直光遮蔽板23は、図2図4に示されるように、第1光整形セクション201及び第2光整形セクション202のいずれか一者に位置を合わせるように配置された対応する発光部材31における第1開口315及び第2開口318のいずれか一者を部分的に遮蔽することができる。
【0040】
本実施形態では、各垂直光遮蔽板23は、図2図4に示されるように、第1光整形セクション201の方(即ち、上側)へ延伸して、第1光反射部314の第1開口315の底部を遮蔽するように配置構成されている。それにより、第1光整形セクション201へ発光または反射された光を遮蔽することができ、これによって配光カバー4から前方向へ投射される光の光パターンは、例えば交通安全に関連する法規の要求を満たすようにすることができる。
【0041】
本実施形態では、第1レンズセクション411のレンズ曲率は、第2レンズセクション412のレンズ曲率と異なっている。また、各レンズ部41間で第1レンズセクション411のレンズ曲率は異なっており、且つ各レンズ部41間で第2レンズセクション412のレンズ曲率は異なっている。勿論、本発明はそれに限定されず、他の実施形態において、それらの第1レンズセクション411のレンズ曲率は、部分的に又は全部が同じであるように設計されてもよく、それらの第2レンズセクション412のレンズ曲率は、部分的に又は全部が同じであるように設計されてもよい。
【0042】
留意されたいのは、第1レンズセクション411及び第2レンズセクション412のレンズ曲率は、配光カバー4における各レンズ部41から透過される光の光パターンに応じて設計することができ、図面(例えば、図1図4)に記載されるような態様に限定されない。
【0043】
放熱ユニット5は、図1図5に示されるように、発光ユニット3に設けられていると共に、複数の放熱部51を有している。各放熱部51は、対応する発光部材31における第1発光モジュール311と第2発光モジュール312との間に設けられている。
【0044】
ここで、放熱部51の具体的な構成、及び放熱部51を発光ユニット3に近接するように配置することは、すでに車両用ランプ装置に属する周知技術であるので、それらに関する更なる詳細な記載がなくても、同業者であれば、従来技術に基づいて利用できると考えられる。
【0045】
本発明の一実施形態に係る車両用ランプ装置は、自動車の前照灯として用いられる場合、ハイビームモードとロービームモードとの間に切り替えられることができ、この場合、配光カバー4は、前方向へ透過する光を、ハイビームの光パターンまたはロービームの光パターンとなるように調整するものである。
【0046】
該実施形態の車両用ランプ装置は、ロービームモードに切り替えられると、各発光部材31の第2光源316が発光するように制御されて、対応する第2光反射部317が、対応する第2光源316の発光した光を、対応する第2光整形セクション202へ前向きに反射するようになる。
【0047】
この場合、上側にある横方向に沿って排列されている2つの光散乱領域20の第2光整形セクション202が、互いに連通しているので、その発光部材31の第2光源316が発光した光又は対応する第2光反射部317により反射された光は、それに対応する第2光整形セクション202へ進行して、対応するレンズ部41の第2レンズセクション412を透過することができるだけではなく、隣り合っている第2光整形セクション202へ進行して、それに対応するレンズ部41の第2レンズセクション412を透過することもできる。
【0048】
また、上下方向に沿って排列されている、互いに隣り合っている光散乱領域20には、1つの光散乱領域20の第2光整形セクション202が、他の1つの光散乱領域20の第1光整形セクション201と互いに連通しているので、その発光部材31の第2光源316が発光した光又は対応する第2光反射部317により反射された光は、それに対応する第2光整形セクション202へ進行して、対応するレンズ部41の第2レンズセクション412を透過することができるだけではなく、隣り合っている光散乱領域20の第1光整形セクション201へ進行して、それに対応するレンズ部41の第1レンズセクション411を透過することもできる。
【0049】
このような設計によって、配光カバー4の方から見ると、該実施形態の車両用ランプ装置がF字形状の光を発することができることに加え、配光カバー4を透過した光が、所望のロービームとして前向きに進行することができる。
【0050】
一方、該実施形態の車両用ランプ装置は、ハイビームモードに切り替えられると、各発光部材31における第1光源313及び第2光源316が共に発光するように制御されて、対応する第1光反射部314が、対応する第1光源313の発光した光を、対応する第1光整形セクション201へ前向きに反射するようになると共に、対応する第2光反射部317が、対応する第2光源316の発光した光を、対応する第2光整形セクション202へ前向きに反射するようになる。
【0051】
この場合、上側にある横方向に沿って排列されている2つの光散乱領域20における、第1光整形セクション201が、互いに連通していると共に、第2光整形セクション202が、互いに連通しているので、その発光部材31の第1光源313が発光した光又は対応する第1光反射部314により反射された光は、それに対応する第1光整形セクション201へ進行して、対応するレンズ部41の第1レンズセクション411を透過することができるだけではなく、隣り合っている第1光整形セクション201へ進行して、それに対応するレンズ部41の第1レンズセクション411を透過することもでき、且つその発光部材31の第2光源316が発光した光又は対応する第2光反射部317により反射された光は、それに対応する第2光整形セクション202へ進行して、対応するレンズ部41の第2レンズセクション412を透過することができるだけではなく、隣り合っている第2光整形セクション202へ進行して、それに対応するレンズ部41の第2レンズセクション412を透過することもできる。
【0052】
また、上下方向に沿って排列されている、互いに隣り合っている光散乱領域20においては、1つの光散乱領域20の第2光整形セクション202が、他の1つの光散乱領域20の第1光整形セクション201と互いに連通しているので、その発光部材31の第2光源316が発光した光又は対応する第2光反射部317により反射された光は、それに対応する第2光整形セクション202へ進行して、対応するレンズ部41の第2レンズセクション412を透過することができるだけではなく、隣り合っている光散乱領域20の第1光整形セクション201へ進行して、それに対応するレンズ部41の第1レンズセクション411を透過することもできる。
【0053】
このような設計によって、配光カバー4の方から見ると、該実施形態の車両用ランプ装置がF字形状の光を発することができることに加え、配光カバー4を透過した光が、所望のハイビームとして前向きに進行することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、該実施形態の車両用ランプ装置においてハイビームモードとロービームモードとを切り替えることは、上記のように実施されるが、他の実施形態において、例えば、各発光部材31の第1発光モジュール311及び第2発光モジュール312のいずれか一者が発光するように制御することによって、配光カバー4を透過する光が、ハイビーム又はロービームの光パターンとなるようにさせることもできる。或いは、一部の発光部材31の第1発光モジュール311及び第2発光モジュール312のいずれか一者が発光し、且つその他の各発光部材31の第1発光モジュール311及び第2発光モジュール312のすべて発光するように制御することによって、配光カバー4を透過する光が、ハイビーム又はロービームの光パターンとなるようにさせることもできる。
【0055】
なお、本実施形態では、上述のように光散乱領域20と発光部材31とレンズ部41とは、いずれも6つ設けられていてF字形状となるように排列されているが、本発明はそれに限定されず、他の実施形態において、光散乱領域20と発光部材31とレンズ部41と放熱部51との数量は、ニーズや設計に応じて変更することができ、且つそれらの排列方式がF字形状ではなく、例えば、英語アルファベットの大文字や小文字、日本語の平仮名や片仮名、韓国語のハングル、数字、又は特殊な符号などに変更することもできる。例を挙げると、上記したものをO字形状や星形状に排列する場合、それらの形状に応じて光散乱領域20と発光部材31とレンズ部41と放熱部51との数量や排列方式を決めるようになる。
【0056】
更に、本実施形態では、各光散乱領域20の第1光整形セクション201及び第2光整形セクション202を上下方向に沿って排列するように設計するが、所望の形状を排列するために、例えば横方向に沿う排列又は径方向に沿う排列を実行し、そして対応する発光部材31における第1発光モジュール311及び第2発光モジュール312の位置や対応するレンズ部41における第1レンズセクション411及び第2レンズセクション412の位置を、それに従って調整することもできる。
【0057】
総括すると、本発明に係る車両用ランプ装置によれば、各発光部材31における第1発光モジュール311及び第2発光モジュール312が、各光散乱領域20における第1光整形セクション201及び第2光整形セクション202へそれぞれ発光して、第1光整形セクション201及び第2光整形セクション202を通した光が、対応するレンズ部41における第1レンズセクション411及び第2レンズセクション412からそれぞれ透過することができる。且つ、各第1発光モジュール311及び各第2発光モジュール312の一方または両方を同時に発光させても、いずれのレンズ部41にも光が透過するようになる。
【0058】
これによって、本発明に係る車両用ランプ装置は、配光カバー4を透過した光がハイビーム又はロービームとして前向きに進行して、配光カバー4の方から見ると、所望形状の光を発することができるため、新たな視覚効果を生じて表示美観を高めることができる。
【0059】
上記においては、本発明の全体的な理解を促すべく、多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る車両用ランプ装置によれば、新たな視覚効果を生じて表示美観を高めることができる。そのため、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0062】
1 外枠
10 取り付け空間
11 枠体
20 光散乱領域
201 第1光整形セクション
202 第2光整形セクション
21 枠体部
22 水平光遮蔽板
23 垂直光遮蔽板
31 発光部材
311 第1発光モジュール
312 第2発光モジュール
313 第1光源
314 第1光反射部
315 第1開口
316 第2光源
317 第2光反射部
318 第2開口
4 配光カバー
41 レンズ部
411 第1レンズセクション
412 第2レンズセクション
5 放熱ユニット
51 放熱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7