(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180237
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】乗り物
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20241219BHJP
B60N 2/64 20060101ALI20241219BHJP
B60N 3/06 20060101ALI20241219BHJP
A47C 7/50 20060101ALI20241219BHJP
B60N 2/42 20060101ALI20241219BHJP
B62D 1/183 20060101ALI20241219BHJP
B60R 21/205 20110101ALI20241219BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B60N2/64
B60N3/06
A47C7/50 A
B60N2/42
B62D1/183
B60R21/205
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179710
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】63/508,623
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 生佳
(72)【発明者】
【氏名】小林 章人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 七海
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 佳与
(72)【発明者】
【氏名】阿部 航大
(72)【発明者】
【氏名】森 泰斗
(72)【発明者】
【氏名】前川 貴一
(72)【発明者】
【氏名】桝崎 航希
【テーマコード(参考)】
3B087
3B088
3D030
3D054
【Fターム(参考)】
3B087DE01
3B087DE10
3B088CA03
3B088CA15
3B088JA02
3B088JB02
3D030DC13
3D030DD62
3D054AA01
3D054AA07
3D054AA14
3D054AA22
3D054BB08
(57)【要約】
【課題】乗り物の内部空間をより有効に活用可能な乗り物を提供する。
【解決手段】乗り物Vは、乗り物の内部に設けられる第1乗り物用シート10と、乗り物の内部に設けられ、第1乗り物用シート10よりも後方位置に配置される第2乗り物用シート20と、第1乗り物用シート10及び第2乗り物用シート20の間の位置にある運転操作台30(乗り物用内装品)に取り付けられ、乗り物の運転を操作する運転操作部40と、を備えている。運転操作部40は、運転操作台30に設けられた格納凹部32に格納可能に取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の内部に設けられる第1の乗り物用シートと、
前記乗り物の内部に設けられ、前記第1の乗り物用シートよりも後方位置に配置される第2の乗り物用シートと、
前記第1の乗り物用シートの後面に取り付けられ、又は前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの間の位置にある乗り物用内装品に取り付けられ、前記乗り物の運転を操作する運転操作部と、を備え、
前記運転操作部は、前記第1の乗り物用シートの後面に設けられた格納部に格納可能に取り付けられ、又は前記乗り物用内装品に設けられた格納部に格納可能に取り付けられることを特徴とする乗り物。
【請求項2】
前記第1の乗り物用シートは、シートクッションと、前記シートクッションに取り付けられるシートバックと、を備え、
前記運転操作部は、
前記シートバックの後面に設けられた前記格納部に格納され、
前記格納部に格納された格納位置と、前記格納部から展開され、乗員が運転操作するための展開位置との間で切り替え可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物。
【請求項3】
前記運転操作部は、前記乗り物の操舵を行う操舵部と、前記乗り物の加減速を操作する加減速操作部と、を備え、
前記操舵部は、前記シートバックの後面に凹状に形成された前記格納部としての格納凹部に格納され、
前記加減速操作部は、前記第1の乗り物用シートの後面に凹状に形成され、前記格納凹部よりも下方位置に配置された収納凹部に収納されていることを特徴とする請求項2に記載の乗り物。
【請求項4】
前記運転操作部は、前記格納部に格納された格納位置と、前記格納部から展開され、乗員が運転操作するための展開位置との間で切り替え可能に設けられ、
前記第1の乗り物用シート又は前記乗り物用内装品に取り付けられ、前記運転操作部を前記格納位置と前記展開位置の間で切り替える切り替え部材を備え、
前記切り替え部材は、複数のリンクからなるリンク機構を有し、前記複数のリンクを折り畳むことで前記運転操作部を前記格納位置へと移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗り物。
【請求項5】
前記運転操作部は、前記乗り物の操舵を行う操舵部を備え、
前記操舵部の近傍位置に配置され、前記乗り物の運転に関する情報を表示する表示部をさらに備え、
前記操舵部、前記表示部は、前記格納部に格納可能に取り付けられ、
前記操舵部と前記表示部とが、それぞれ独立して可動し、前記格納部へと格納されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗り物。
【請求項6】
前記操舵部、前記表示部は、前記第1の乗り物用シートの後面又は前記乗り物用内装品に凹状に形成された前記格納部としての格納凹部に格納され、
前記第1の乗り物用シートの後面又は前記乗り物用内装品に取り付けられ、前記格納凹部を覆うカバーが取り付けられ、
前記カバーは、
前記格納凹部を露出させた状態と、前記格納凹部を覆った状態とに切り替えられ、
前記操舵部、前記表示部が前記格納凹部に格納された状態で前記格納凹部を覆うことを特徴とする請求項5に記載の乗り物。
【請求項7】
前記運転操作部は、後方運転操作部であって、
前記格納部に設けられ、前記格納部に前記後方運転操作部を格納させた状態で前記後方運転操作部の可動をロックするロック装置と、
前記第1の乗り物用シートの前方位置に取り付けられ、前記乗り物の運転を操作する前方運転操作部と、
前記乗り物の運転を制御する運転制御部と、を備え、
前記運転制御部は、
ユーザ操作の選択を受け付けて前記前方運転操作部、前記後方運転操作部それぞれを運転操作可能な操作可能状態と、運転操作不能な操作不能状態とに切り替えるように制御し、
前記後方運転操作部が前記操作不能状態であるとき、前記格納部に格納された前記後方運転操作部をロックするように前記ロック装置を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗り物。
【請求項8】
前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの一方の下方部分に設けられ、前記第2の乗り物用シートに着座した乗員の足を下方から支持する足支持部材を備え、
前記足支持部材は、
前記第1の乗り物用シートに設けられた前記加減速操作部よりも下方位置に配置され、
前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの前記一方から他方に向かって延びていることを特徴とする請求項3に記載の乗り物。
【請求項9】
前記足支持部材を前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの前記一方から前記他方に向かって移動可能に支持する移動装置を備え、
前記足支持部材は、前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの前記他方に設けられた被係合部に係合可能な係合部材を有していることを特徴とする請求項8に記載の乗り物。
【請求項10】
前記乗り物の内部に設けられる複数のエアバッグ装置と、
前記乗り物の運転を制御する運転制御部と、を備え、
前記運転操作部は、前記格納部に格納された格納位置と、前記格納部から展開され、乗員が運転操作するための展開位置との間で切り替え可能に設けられ、
前記運転制御部は、前記乗り物が外部からの衝撃を検出したとき、前記複数のエアバッグ装置のうち、前記運転操作部の切り替え位置に応じたエアバッグ装置のエアバッグを展開させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗り物。
【請求項11】
前記運転操作部、前記エアバッグは、
前記第1の乗り物用シートのシートバックの後面において異なる位置に配置され、又は、
前記乗り物用内装品において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の乗り物。
【請求項12】
前記エアバッグは、
前記第1の乗り物用シートのシートバックの後面において前記格納部とは異なる位置に配置され、又は、
前記乗り物用内装品において前記格納部とは異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の乗り物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物に係り、特に、複数の乗り物用シートを備えた乗り物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の内部に設けられる第1の車両用シート(前席)と、車両の内部に設けられ、第1の車両用シートよりも後方位置に配置される第2の車両用シート(後席)と、第1の車両用シートの後面に取り付けられ、車両の運転を操作する運転操作部(操作ハンドル)と、を備えた車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の車両では、第1の車両用シートと、第2の車両用シートと、第1の車両用シートに着座する乗員が操作する第1操作レバーと、第2の車両用シートに着座する乗員が操作する第2操作レバーと、第1操作レバー及び第2操作レバーの一方の運転操作を有効とする切替スイッチと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のような車両において、車両の内部空間をより有効に活用することが可能な技術が求められていた。
例えば、第2の車両用シート(後席)に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が第2の車両用シート周辺におけるスペースを有効に活用できることが求められていた(車内のスペースを制限されないことが求められていた)。
【0006】
本発明の目的は、乗り物の内部空間をより有効に活用することが可能な乗り物を提供することにある。
本発明の他の目的は、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用することが可能な乗り物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の乗り物によれば、乗り物の内部に設けられる第1の乗り物用シートと、前記乗り物の内部に設けられ、前記第1の乗り物用シートよりも後方位置に配置される第2の乗り物用シートと、前記第1の乗り物用シートの後面に取り付けられ、又は前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの間の位置にある乗り物用内装品に取り付けられ、前記乗り物の運転を操作する運転操作部と、を備え、前記運転操作部は、前記第1の乗り物用シートの後面に設けられた格納部に格納可能に取り付けられ、又は前記乗り物用内装品に設けられた格納部に格納可能に取り付けられること、により解決される。
上記構成により、乗り物の内部空間をより有効に活用可能な乗り物を実現することができる。
詳しく述べると、上記乗り物では、運転操作部が、第1の乗り物用シートの後面に取り付けられ、又は第1の乗り物用シート及び第2の乗り物用シートの間の位置にある乗り物用内装品に取り付けられている。そして、運転操作部は、第1の乗り物用シートの後面に設けられた格納部に格納可能に取り付けられ、又は乗り物用内装品に設けられた格納部に格納可能に取り付けられている。
そのため、例えば第2の乗り物用シート(後席)に着座する乗員が運転操作部を操作しない場合には、当該運転操作部を格納部に格納することができる。すなわち、乗員が第2の乗り物用シート周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0008】
このとき、前記第1の乗り物用シートは、シートクッションと、前記シートクッションに取り付けられるシートバックと、を備え、前記運転操作部は、前記シートバックの後面に設けられた前記格納部に格納され、前記格納部に格納された格納位置と、前記格納部から展開され、乗員が運転操作するための展開位置との間で切り替え可能となっていると良い。
上記構成により、第2の乗り物用シートに着座する乗員が運転操作部を操作しない場合には、第2の乗り物用シートの後面に運転操作部を格納することができる。
【0009】
このとき、前記運転操作部は、前記乗り物の操舵を行う操舵部と、前記乗り物の加減速を操作する加減速操作部と、を備え、前記操舵部は、前記シートバックの後面に凹状に形成された前記格納部としての格納凹部に格納され、前記加減速操作部は、前記第1の乗り物用シートの後面に凹状に形成され、前記格納凹部よりも下方位置に配置された収納凹部に収納されていると良い。
上記構成により、第2の乗り物用シートに着座する乗員が運転操作を行わない場合には、操舵部(例えば操作ハンドル)及び加減速操作部(例えば操作ペダル)を格納凹部に格納することができる。
【0010】
このとき、前記運転操作部は、前記格納部に格納された格納位置と、前記格納部から展開され、乗員が運転操作するための展開位置との間で切り替え可能に設けられ、前記第1の乗り物用シート又は前記乗り物用内装品に取り付けられ、前記運転操作部を前記格納位置と前記展開位置の間で切り替える切り替え部材を備え、前記切り替え部材は、複数のリンクからなるリンク機構を有し、前記複数のリンクを折り畳むことで前記運転操作部を前記格納位置へと移動させると良い。
上記構成により、切り替え部材を動作させて運転操作部を「格納位置」と「展開位置」で切り替えることができる。また、リンク機構によって運転操作部をコンパクトに格納することができる。
【0011】
このとき、前記運転操作部は、前記乗り物の操舵を行う操舵部を備え、前記操舵部の近傍位置に配置され、前記乗り物の運転に関する情報を表示する表示部をさらに備え、前記操舵部、前記表示部は、前記格納部に格納可能に取り付けられ、前記操舵部と前記表示部とが、それぞれ独立して可動し、前記格納部へと格納されると良い。
上記構成により、操舵部及び表示部をそれぞれ独立して可動させて格納部へと格納することができる。
【0012】
このとき、前記操舵部、前記表示部は、前記第1の乗り物用シートの後面又は前記乗り物用内装品に凹状に形成された前記格納部としての格納凹部に格納され、前記第1の乗り物用シートの後面又は前記乗り物用内装品に取り付けられ、前記格納凹部を覆うカバーが取り付けられ、前記カバーは、前記格納凹部を露出させた状態と、前記格納凹部を覆った状態とに切り替えられ、前記操舵部、前記表示部が前記格納凹部に格納された状態で前記格納凹部を覆うと良い。
上記構成により、操舵部及び表示部を使用しない場合には、操舵部及び表示部を格納部に格納させてカバーで覆うことができ、第2の乗り物用シート周辺における内部空間を好適にアレンジすることができる。
【0013】
このとき、前記運転操作部は、後方運転操作部であって、前記格納部に設けられ、前記格納部に前記後方運転操作部を格納させた状態で前記後方運転操作部の可動をロックするロック装置と、前記第1の乗り物用シートの前方位置に取り付けられ、前記乗り物の運転を操作する前方運転操作部と、前記乗り物の運転を制御する運転制御部と、を備え、前記運転制御部は、ユーザ操作の選択を受け付けて前記前方運転操作部、前記後方運転操作部それぞれを運転操作可能な操作可能状態と、運転操作不能な操作不能状態とに切り替えるように制御し、前記後方運転操作部が前記操作不能状態であるとき、前記格納部に格納された前記後方運転操作部をロックするように前記ロック装置を制御すると良い。
上記構成により、運転制御部は、第2の乗り物用シートに着座する乗員が運転操作を行わない場合に、後方運転操作部を格納部に格納させた状態でロックできる。そのため、乗員が前方運転操作部によって運転操作を行う場合には、第2の乗り物用シート周辺において内部空間をより有効に活用できる(後方運転操作部を格納させた状態で保持することができる)。
【0014】
このとき、前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの一方の下方部分に設けられ、前記第2の乗り物用シートに着座した乗員の足を下方から支持する足支持部材を備え、前記足支持部材は、前記第1の乗り物用シートに設けられた前記加減速操作部よりも下方位置に配置され、前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの前記一方から他方に向かって延びていると良い。
上記のように足支持部材を備えることで、第2の乗り物用シートに着座した乗員が足支持部材を利用しながら加減速操作部(操作ペダル)を好適に操作することができる。
【0015】
このとき、前記足支持部材を前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの前記一方から前記他方に向かって移動可能に支持する移動装置を備え、前記足支持部材は、前記第1の乗り物用シート及び前記第2の乗り物用シートの前記他方に設けられた被係合部に係合可能な係合部材を有していると良い。
上記構成により、第2の乗り物用シートに着座する乗員が運転操作部(加減速操作部)を操作しない場合には、足支持部材を引っ込めておくことができる。また、上記乗員が運転操作部を操作する場合には、足支持部材を引き出した状態で固定できる。
【0016】
このとき、前記乗り物の内部に設けられる複数のエアバッグ装置と、前記乗り物の運転を制御する運転制御部と、を備え、前記運転操作部は、前記格納部に格納された格納位置と、前記格納部から展開され、乗員が運転操作するための展開位置との間で切り替え可能に設けられ、前記運転制御部は、前記乗り物が外部からの衝撃を検出したとき、前記複数のエアバッグ装置のうち、前記運転操作部の切り替え位置に応じたエアバッグ装置のエアバッグを展開させると良い。
上記構成により、運転制御部は、運転操作部の切り替え位置(格納位置、展開位置)に応じたエアバッグ装置を作動させることができ、エアバッグを好適に膨出展開させることができる。すなわち、第2の乗り物用シート(後席)に着座する乗員が運転操作を行うにあたって、当該運転操作時における安全技術をより高めることができる。
【0017】
このとき、前記運転操作部、前記エアバッグは、前記第1の乗り物用シートのシートバックの後面において異なる位置に配置され、又は、前記乗り物用内装品において異なる位置に配置されていると良い。
また、前記エアバッグは、前記第1の乗り物用シートのシートバックの後面において前記格納部とは異なる位置に配置され、又は、前記乗り物用内装品において前記格納部とは異なる位置に配置されていると良い。
上記構成により、第1の乗り物用シートの後面において、又は乗り物用内装品において他の構成部品と干渉しないように、エアバッグを好適に配置することができる。また、後席に着座する乗員が運転操作を行うにあたって、安全技術をより高められる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、乗り物の内部空間をより有効に活用可能な乗り物を実現できる。具体的には、第2の乗り物用シート(後席)に着座する乗員が運転操作部を操作しない場合には、当該運転操作部を格納部に格納できる。すなわち、乗員が第2の乗り物用シート周辺におけるスペースを有効に活用できる。
また本発明によれば、第2の乗り物用シートに着座する乗員が運転操作しない場合には、操舵部(操作ハンドル)及び加減速操作部(操作ペダル)を格納凹部に格納できる。
また本発明によれば、切り替え部材によって運転操作部を「格納位置」と「展開位置」で切り替えできる。また、リンク機構によって運転操作部をコンパクトに格納できる。
また本発明によれば、操舵部及び表示部を独立して可動させて格納部へと格納できる。
また本発明によれば、操舵部及び表示部を格納部に格納させてカバーで覆うことができ、第2の乗り物用シート周辺における内部空間を好適にアレンジできる。
また本発明によれば、乗員が前方運転操作部によって運転操作する場合には、第2の乗り物用シート周辺において内部空間をより有効活用できる(後方運転操作部を格納させた状態で保持できる)。
また本発明によれば、第2の乗り物用シートに着座した乗員が足支持部材を利用しながら加減速操作部(操作ペダル)を好適に操作できる。
また本発明によれば、乗員が運転操作部を操作しない場合には、足支持部材を引っ込めておくことができる。また、乗員が運転操作部を操作する場合には、足支持部材を引き出した状態で固定できる。
また本発明によれば、エアバッグを好適に膨出展開できる。すなわち、第2の乗り物用シート(後席)に着座する乗員が運転操作を行うにあたって、当該運転操作時における安全技術をより高めることができる。
また本発明によれば、第1の乗り物用シートの後面において、又は乗り物用内装品において他の構成部品と干渉しないように、エアバッグを好適に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】乗り物内における乗り物内装品、操作部、表示部の斜視図であり、操作部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図3】操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図4A】操作部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図4B】操作部、表示部が「格納位置」から「展開位置」へと切り分かる様子を説明する図である。
【
図4C】操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図5】第2実施形態の乗り物であり、第1乗り物用シート、操作部、表示部の斜視図であって、操作部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図6】操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図7A】第1乗り物用シートの側断面図であり、操作部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図7B】操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図8】第3実施形態の乗り物であり、第1乗り物用シート、操作部、表示部の後面図であって、操作部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図9】操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図10A】第1乗り物用シートの側断面図であり、操舵部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図10B】操舵部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図11】第4実施形態の乗り物であり、第1乗り物用シート、操作部、表示部の後面図であって、操作部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図12】操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図13A】操作部、表示部が「格納位置」にいる状態を説明する図である。
【
図13B】操作部、表示部が「展開位置」の状態を説明する図である。
【
図14A】第1乗り物用シートの側面図であり、操作部(操舵部、加減速操作部)、足支持部材が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図14B】操舵部、加減速操作部、足支持部部材が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図15】第5実施形態の乗り物であり、第1乗り物用シート、操作部、表示部の後面図であって、操作部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図16】操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図17A】第1乗り物用シートの側断面図であり、操舵部、表示部が「格納位置」の状態を示す図である。
【
図17B】操舵部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図18】第6実施形態の乗り物であり、第1乗り物用シート、第2乗り物用シート、操作部、表示部の側面図であり、操作部、表示部が「展開位置」の状態を示す図である。
【
図19】第7実施形態の乗り物の内部空間を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について、
図1~
図19を参照して説明する。
本実施形態は、乗り物の内部空間をより有効に活用することを可能とする「乗り物」に関するものである。
なお、「乗り物の前後方向」とは、乗り物の通常走行時の前後方向を意味する。「乗り物の幅方向の内側」とは、乗り物用ドアに対して乗り物の室内側(車内側)を意味し、「乗り物の幅方向の外側」とは、乗り物用ドアに対して乗り物の室外側(車外側)を意味する。
【0021】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態の乗り物V1について、
図1~
図4Cに基づいて説明する。
乗り物V1は、
図1に示すように、例えば車両(自動車)であって、乗り物V1の前後方向に二列の乗り物用シート10、20を備えた車両(例えば電気自動車)である。なお、乗り物V1は、三列又は四列以上の乗り物用シートを備えた車両であっても良い。
乗り物V1は、後列の乗り物用シート20に着座する乗員が運転操作を行うことが可能な乗り物である。また、当該乗員が運転操作を行わない場合には、運転操作部40を格納凹部32に格納させることができる。そのため、後席に着座する乗員が車内スペースを有効に活用することができる。
上記のように、乗り物V1は、後列に着座する乗員が運転操作を行うことを可能とする乗り物であって、後席がコックピット(運転席、操縦席)となる乗り物である。
【0022】
乗り物V1は、
図1~
図4Cに示すように、乗り物本体1と、乗り物フロア2と、センターコンソール3と、ダッシュボード4と、第1乗り物用シート10と、第2乗り物用シート20と、運転操作台30と、運転操作部40と、表示部45と、を備えている。
また、乗り物V1は、運転操作部40及び表示部45を切り替える切り替え部材50、55と、複数のエアバッグ装置60と、運転制御装置70と、を備えている。
センターコンソール3の内部に運転制御装置70が取り付けられ、ダッシュボード4の後面に前方運転操作部5が取り付けられている。
【0023】
乗り物本体1は、車体に相当し、乗り物V1の側壁を形成する側壁部1aと、乗り物V1の天井を形成する天壁部1bと、乗り物V1の底壁を形成する底壁部1cと、前壁部1dと、後壁部1eと、を備えている。
【0024】
乗り物フロア2は、
図1に示すように、センターコンソール3、ダッシュボード4、乗り物用シート10、20、運転操作台30等を取り付けるための車体フロアであって、乗り物本体1の底壁部1c上に配置されている。
乗り物V1の内部において乗り物フロア2、側壁部1a、天壁部1b、前壁部1d及び後壁部1eによって囲まれた領域が、乗り物V1のキャビン(内部空間)となる。乗り物V1の走行中に乗員はキャビン内で過ごすことになる。
なお、乗り物V1の上下方向において乗り物フロア2及び底壁部1cの間には、乗り物用バッテリ(車載用バッテリ)が配置される。乗り物用バッテリは、例えば乗り物V1の駆動装置、各種の電気装置(電装装置)、制御装置及び乗り物用シート10、20と電気的に接続され、これら装置に電力を供給する。
【0025】
第1乗り物用シート10は、
図1に示すように、前席に相当するシートであって、乗り物フロア2上に設けられ、ダッシュボード4よりもやや後方位置に配置されている。
第1乗り物用シート10に着座した乗員は、ダッシュボード4に設けられた前方運転操作部5を操作することで、乗り物Vを運転することができる。
【0026】
第1乗り物用シート10は、シートクッション11、シートバック12及びヘッドレスト13を有するシート本体と、乗り物フロア2に対してシート本体を前後方向に移動させるレール装置15と、乗り物フロア2に対してシート本体を上下方向に沿った軸周りに回転させるシート回転装置16と、乗り物フロア2に対してシート本体を昇降させるハイトリンク装置17と、シートクッション11に対してシートバック12を回動可能に連結するリクライニング装置18と、を備えている。
【0027】
シートクッション11は、着座者を下方から支持する着座部であって、骨格となるクッションフレームと、クッションフレームに載置されるパッド材と、クッションフレーム及びパッド材を被覆する表皮材と、を備えている。
シートバック12は、着座者を後方から支持する背もたれ部であって、バックフレームと、パッド材と、表皮材と、を備えている。
ヘッドレスト13は、着座者の頭を後方から支持する頭部である。
【0028】
上記構成により、
図1に示すように、シート本体を上下方向に沿った軸周りに回転させ、シート本体を前後方向に移動させることで、第1乗り物用シート10に着座した乗員が、第2乗り物用シート20(後席)に着座した乗員側に振り向くことができ、互いに触れ合うことができる。つまりは、乗員同士がキャビン内で快適に過ごすことができる。
【0029】
第2乗り物用シート20は、
図1に示すように、後席に相当するシートであって、乗り物フロア2上に設けられ、第1乗り物用シート10及び運転操作台30よりもやや後方位置に配置されている。
第2乗り物用シート20に着座した乗員は、運転操作台30に設けられた運転操作部40を操作することで、乗り物Vを運転することができる。
【0030】
第2乗り物用シート20は、シートクッション21、シートバック22及びヘッドレスト23を有するシート本体と、レール装置25と、シート回転装置26と、ハイトリンク装置27と、リクライニング装置28と、を備えている。
【0031】
運転操作台30は、
図1~
図3に示すように、第1乗り物用シート10及び第2乗り物用シート20の前後方向の間に配置され、運転操作部40、表示部45及びエアバッグ装置60を取り付けるための乗り物用内装品である。
運転操作台30は、
図2に示すように、乗り物フロア2上に設置され、乗り物本体1の側壁部1aからセンターコンソール3に向かって中央側に延びている。
【0032】
運転操作台30は、操作台本体31と、操作台本体31の後面に凹状に形成された格納凹部32(格納部)と、操作台本体31の後面に凹状に形成され、格納凹部32よりも下方に配置された収納凹部33と、を備えている。
また、操作台本体31の内部には、エアバッグ装置60A(エアバッグ61A)、60B(エアバッグ61A)が異なる位置に取り付けられている。
【0033】
運転操作部40は、
図1~
図4Cに示すように、後方運転操作部とも称され、第2乗り物用シート20に着座した乗員によって操作されるものである。
運転操作部40は、乗り物V1の操舵を行う操舵部41(操舵ハンドル)と、乗り物V1の加減速を操作する加減速操作部42(操作ペダル)と、を備えている。
【0034】
操舵部41は、運転操作台30の格納凹部32に格納された
図2に示す「格納位置」と、格納凹部32から展開された
図3に示す「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
操舵部41は、例えば折畳み可能な操作ハンドルであって、折り畳まれた状態で格納凹部32に格納され、格納凹部32から展開されると、上下に拡開して乗員が操作可能な操作ハンドルの形状を形成する。
操舵部41は、上下に分割された第1操舵部分41a、第2操舵部分41bと、第1操舵部分41a及び第2操舵部分41bを連結するジョイント部41cと、を有している。
【0035】
加減速操作部42は、運転操作台30の収納凹部33に格納された
図2に示す「収納位置」と、収納凹部33から展開された
図3に示す「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
加減速操作部42は、例えばアクセルペダル及びブレーキペダルであって、左右に並ぶように配置されている。
なお、加減速操作部42は、オルガンペダルであっても良いし、吊り下げペダルであっても良い。
【0036】
表示部45は、
図1~
図4Cに示すように、乗り物Vの運転に関する情報を表示する表示ディスプレイであって、操舵部41の近傍に配置され、操舵部41とともに格納凹部32に格納される。
表示部45には、乗り物V1の運転に関する情報として例えばスピードメータ、タコメータ、燃料メータ等の情報のほか、乗り物V1の現在位置情報、ナビ情報等が表示される。
操舵部41、表示部45は、切り替え部材50によって切り替えられる。また、加減速操作部42は、第2切り替え部材55によって切り替えられる。
【0037】
切り替え部材50は、
図4A~
図4Cに示すように、運転操作台30(格納凹部32)に取り付けられ、操舵部41及び表示部45を格納凹部32から後方に向かって突出させるための部材である。
言い換えれば、切り替え部材50によって、第2乗り物用シート20に着座した乗員の前に操舵部41、表示部45を引き出す(露出させる)ことができる。
【0038】
切り替え部材50は、格納凹部32の内部にそれぞれ取り付けられ、操舵部41を伸縮可能に保持する筒状の第1伸縮部材51と、第1伸縮部材51の内部に挿入され、表示部45を伸縮可能に保持する第2伸縮部材52と、を有している。
第1伸縮部材51は、
図4B、
図4Cに示すように、乗り物V1の前後方向において操舵部41を後方に突出させる(突き出す)ように伸びる構造を有している。
第2伸縮部材52は、乗り物V1の前後方向において表示部45を後方に突出させる(突き出す)ように伸びる構造を有している。
伸縮部材51、52は、不図示の駆動部(駆動モータ)と接続されており、ユーザによる所定の操作を受け付けて運転制御装置70によって駆動部が制御されることで、伸縮動作を行うことができる。
なお、操舵部41は、不図示の付勢バネによって展開する向きに付勢されていると良い。そうすることで、
図4A~
図4Cに示すように、操舵部41が格納凹部32に格納された状態から脱したときに付勢バネによって付勢されて自動展開することができる。
【0039】
上記構成において、操舵部41と表示部45が、伸縮部材51、52によってそれぞれ独立して可動し、格納凹部32へと格納されている。
表示部45は、操舵部41よりもやや後方位置に配置され、操舵部41によって囲まれた位置に配置される。そうすることで、乗員が表示部45を確認しながら、操舵部41を操作することができる。
操舵部41を構成する第1操舵部分41a及び第2操舵部分41bそれぞれの後端部には、表示部45との干渉を避けるための切り欠き部41dが形成されている。
なお、第1伸縮部材51は、運転操作台30に対して第1伸縮部材51の延出方向に沿った軸周りに回転可能に取り付けられている。そして乗員が操舵部41を回転操作することで当該回転動作を不図示のギヤボックス(ステアリングギヤボックス)へと伝達させることができる。
【0040】
第2切り替え部材55は、
図2、
図3に示すように、運転操作台30(収納凹部33)に取り付けられ、加減速操作部42を収納凹部33から後方に向かって突出させるための部材である。
言い換えれば、第2切り替え部材55によって、第2乗り物用シート20に着座した乗員の前に加減速操作部42を引き出す(露出させる)ことができる。
【0041】
第2切り替え部材55は、収納凹部33の内部に取り付けられ、加減速操作部42を伸縮可能に保持する伸縮ロッド56を有している。
伸縮ロッド56は、不図示の駆動部(駆動モータ)と接続されており、ユーザによる所定の操作を受け付けて運転制御装置70によって駆動部が制御されることで、伸縮動作を行うことができる。
乗員が加減速操作部42を押圧操作することで加減速操作部への入力動作を不図示のギヤボックスへと伝達させることができる。
【0042】
エアバッグ装置60は、運転操作台30にそれぞれ内蔵されたエアバッグ装置60A、60Bを備えている。
エアバッグ装置60Aは、運転操作台30のうち、第2乗り物用シート20の前面側、すなわち、第2乗り物用シート20に着座した乗員の前面側に配置されている。
具体的には、エアバッグ装置60Aは、格納凹部32よりもやや上方位置に配置されている。
エアバッグ装置60Aは、乗り物V1(運転制御装置70)が外部からの衝撃を検出したとき、折り畳まれた状態のエアバッグ61Aが後方側に膨出展開する構成となっている。
そのため、第2乗り物用シート20(後席)に着座する乗員が運転操作を行うにあたって、当該運転操作時における安全技術をより高めることが可能な乗り物V1を実現できる。
【0043】
エアバッグ装置60Bは、運転操作台30のうち、第2乗り物用シート20の側面側、すなわち、第2乗り物用シート20に着座した乗員の側面側(右側面側)に配置されている。言い換えれば、エアバッグ装置60Bは、乗り物V1の側壁部1a側に配置されている。
エアバッグ装置60Bは、乗り物V1(運転制御装置70)が外部からの衝撃を検出したときに、折り畳まれた状態のエアバッグ61Bが乗り物V1の幅方向の外側から内側へと膨出展開する構成となっている。
【0044】
上記のように、運転操作部40、エアバッグ装置60A、60Bは、運転操作台30において異なる位置に配置されている。
また、エアバッグ装置60A、60Bは、運転操作台30において格納凹部32とは異なる位置に配置されている。
そのため、運転操作台30において他の構成部品と干渉しないように、エアバッグ装置60A、60Bを好適に配置することができる。
【0045】
運転制御装置70は、乗り物V1の運転を制御する運転制御部(ECU)であって、乗り物V1内の電気制御を総合的に実行する。
運転制御装置70は、ユーザによる所定の選択を受け付けて前方運転操作部5、運転操作部40(後方運転操作部)それぞれを運転操作可能な「操作可能状態」と、運転操作不能な「操作不能状態」とに切り替えるように制御する。
【0046】
具体的には、ユーザによる運転操作部40の選択を受け付けると、運転制御装置70は、前方運転操作部5を「操作不能状態」とし、運転操作部40を「操作可能状態」に切り替え制御する。そして、切り替え部材50、55を動作させて、運転操作部40、表示部45を「格納位置(収納位置)」から「展開位置」へと切り替える。
なお、運転操作部40を「操作可能状態」に設定することに伴い、運転制御装置70は、表示部45に乗り物V1の運転に関する情報を表示させる。
他方で、ユーザによる前方運転操作部5の選択を受け付けると、運転制御装置70は、前方運転操作部5を「操作可能状態」とし、運転操作部40を「操作不能状態」に切り替え制御する。そして、運転操作部40、表示部45を「格納位置(収納位置)」に保持する。
【0047】
また、運転制御装置70は、不図示の検出センサによって外部からの衝撃が検出され、当該検出センサから検出信号を受信したときに、複数のエアバッグ装置60A,60Bのうち、運転操作部40の切り替え位置に応じたエアバッグ装置のエアバッグを展開させる。
例えば、運転操作部40が
図2に示す「格納位置」にいるとき、運転制御装置70は、エアバッグ装置60A、60Bを膨出展開させると良い(エアバッグ装置60Bのみを展開させても良い)。また、運転操作部40が
図3に示す「展開位置」にいるとき、エアバッグ装置60Bを膨出展開させると良い。
なお、乗り物V1は、エアバッグ装置60A、60B以外のエアバッグ装置をさらに備えていても良い。
【0048】
そのほか、運転制御装置70は、不図示の検出センサによって外部からの衝撃が検出されたときに、切り替え部材50、55を動作させて、運転操作部40を「展開位置」から「格納位置(収納位置)」へと切り替えても良い。
【0049】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の乗り物V2について、
図5~
図7Bに基づいて説明する。
なお、上述の乗り物V1と重複する内容については説明を省略する。
【0050】
乗り物V2は、
図5、
図6に示すように、第1乗り物用シート110と、不図示の第2乗り物用シートと、運転操作部140(操舵部141、加減速操作部142)と、表示部145と、切り替え部材150、155と、ロック装置154と、エアバッグ装置160と、不図示の運転制御装置と、を備えている。
運転操作部140は、第2乗り物用シート(後席)に着座する乗員が運転操作するためのものであり、後方運転操作部に相当する。
【0051】
第1乗り物用シート110は、前席に相当するシートであって、シートクッション111と、シートバック112と、ヘッドレスト113と、を備えている。
シートバック112の後面には、凹部形状の格納凹部132と、格納凹部132よりも下方位置に配置され、凹部形状の収納凹部133とが形成されている。
【0052】
格納凹部132には、操舵部141及び表示部145が格納される。格納凹部132の開口部には、格納凹部132を覆うカバー153が取り付けられている。
収納凹部133には、加減速操作部142が収納される。収納凹部133の開口部には、収納凹部133を覆う板状の足支持部材157が取り付けられている。
また、シートバック112の上方部分の内部には、エアバッグ装置160(エアバッグ161)が取り付けられている。
【0053】
操舵部141は、
図5、
図6に示すように、格納凹部132に格納された「格納位置」と、格納凹部132から展開された「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
操舵部141は、例えば枠状の操作ハンドル(操作ステアリング)であって、格納凹部132から後方に突出した位置に展開される。
【0054】
加減速操作部142は、
図5、
図6に示すように、収納凹部133に収納された「収納位置」と、収納凹部133から展開された「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
加減速操作部142は、例えばアクセルペダル及びブレーキペダルであって、左右に並ぶように配置されている。
【0055】
表示部145は、
図5~
図7Bに示すように、表示ディスプレイであって、操舵部141の枠内に配置され、操舵部141とともに格納凹部132に格納される。
操舵部141、表示部145は、切り替え部材150によって切り替えられる。また、加減速操作部142は、第2切り替え部材155によって切り替えられる。
【0056】
切り替え部材150は、
図7A、
図7Bに示すように、複数のリンク151からなるリンク機構(多関節リンク機構)を有し、格納凹部132に取り付けられている。
切り替え部材150は、複数のリンク151を折り畳むことで操舵部141及び表示部145を「格納位置」へと移動させることができる。
【0057】
切り替え部材150は、リンク151の先端部(後端部)に固定され、操舵部141及び表示部145を保持する板状の保持部材152を有している。
保持部材152は、操舵部141の内部に設けられ、操舵部141の幅方向の内側面に接続されている。また、保持部材152は、表示部145の裏面に接続されている。
なお、リンク機構が、操舵部141又は表示部145に直接取り付けられても良い。
【0058】
切り替え部材150は、不図示の駆動部(駆動モータ)と接続されており、ユーザによる所定の操作を受け付けて運転制御装置によって駆動部が制御されることで、伸縮動作を行うことができる。
なお、切り替え部材150は、第1乗り物用シート110に対してリンク機構の伸縮向に沿った軸周りに回転可能に取り付けられている。そして、乗員が操舵部141を回転操作することで、当該回転動作を不図示のステアリングギヤボックスへと伝達できる。
【0059】
カバー153は、
図7A、
図7Bに示すように、例えば引き出し可能なシェード(ロールカーテン)であって、格納凹部132の開口部の上端部に取り付けられている。
カバー153は、
図7Aに示す格納凹部132覆った「被覆状態」と、
図7Bに示す格納凹部132を露出させた「展開状態」とに切り替えられる。
なお、カバー153の先端部に係合部材が固定され、格納凹部132の開口部の下端部に被係合部材が取り付けられても良い。上記係合部材及び被係合部材が係合することでカバー153が格納凹部132を覆った状態となる。
【0060】
ロック装置154は、格納凹部132の底部に設けられており、格納凹部132に格納された操舵部141を保持し、操舵部141の動作をロックすることができる。
ロック装置154は、操舵部141に形成された不図示の切り欠き部に係合することで、操舵部141をロックしても良い。
なお、ロック装置154は、運転制御装置の制御によってロック及びロック解除することができる。あるいは、手動によってロック及びロック解除することとしても良い。
【0061】
第2切り替え部材155は、
図5、
図6に示すように、収納凹部133の内部に取り付けられ、加減速操作部142を伸縮可能に保持する伸縮ロッド156を有している。
伸縮ロッド156は、不図示の駆動部(駆動モータ)と接続されており、ユーザによる所定の操作を受け付けて運転制御装置によって駆動部が制御されることで、伸縮動作を行うことができる。
【0062】
足支持部材157は、
図5、
図6に示すように、第1乗り物用シート110(シートバック112)の下方部分に回動軸を介して回動可能に取り付けられている。
足支持部材157は、収納凹部133を覆った「被覆状態」と、収納凹部133を露出させ、乗員の足を下方から支持する「展開状態」とに切り替えられる。
足支持部材157は、
図6に示す「展開状態」にいるとき、第1乗り物用シート110から後方に向かって延びている。
【0063】
エアバッグ装置160は、シートバック112の上端部(上方部分)に設けられ、第2乗り物用シート(後席)に着座した乗員に対向する位置に配置されている。
具体的には、エアバッグ装置160は、格納凹部132よりもやや上方位置に配置されている。
エアバッグ装置160は、乗り物V2が外部からの衝撃を検出したとき、折り畳まれた状態のエアバッグ161が後方側に膨出展開する構成となっている。
【0064】
なお、乗り物V2の内部に搭載された運転制御装置は、ユーザによる運転操作部40の選択を受け付けると、切り替え部材150、155を動作させて、運転操作部140、表示部145を「格納位置(収納位置)」から「展開位置」へと切り替える。また、表示部145に乗り物V2の運転に関する情報を表示させる。
また、運転制御装置は、運転操作部140を「操作可能状態」と「操作不能状態」とに切り替えるように制御する。そして、運転操作部140が「操作不能状態」であるとき、格納凹部132に格納された運転操作部140をロックするようにロック装置154を制御する。
【0065】
上記構成であっても、内部空間を有効に活用することが可能な乗り物を実現することができる。具体的には、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0066】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の乗り物V3について、
図8~
図10Bに基づいて説明する。
なお、上述の乗り物V1、V2と重複する内容については説明を省略する。
【0067】
乗り物V3は、
図8、
図9に示すように、第1乗り物用シート210と、不図示の第2乗り物用シートと、運転操作部240と、表示部245と、切り替え部材250と、ロック装置254と、エアバッグ装置260と、不図示の運転制御装置と、を備えている。
運転操作部240は、第2乗り物用シート(後席)に着座する乗員が運転操作するためのものであり、後方運転操作部に相当する。
【0068】
第1乗り物用シート210は、前席に相当するシートであって、シートバック212を備えている。シートバック212の後面には、凹部形状の格納凹部232が形成されている。
格納凹部232には、運転操作部240、表示部245及び切り替え部材250が格納される。格納凹部232の開口部には、カバー253が取り付けられている。
また、シートバック212の上方部分の内部には、エアバッグ装置260(エアバッグ261)が取り付けられている。
【0069】
運転操作部240は、
図8~
図10Bに示すように、格納凹部232に格納された「格納位置」と、格納凹部232から展開された「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
運転操作部240は、折畳み可能な操作ハンドルであって、折り畳まれた状態で格納凹部232に格納される。そして、格納凹部232から展開されると、上下に拡開して乗員が操作可能な操作ハンドルとなる。
運転操作部240は、上下に分割された第1操舵部分241a、第2操舵部分241bと、第1操舵部分241a及び第2操舵部分241bを連結するジョイント部241cと、を有している。
【0070】
表示部245は、
図8~
図10Bに示すように、表示ディスプレイであって、運転操作部240の枠内に配置され、運転操作部240とともに格納凹部232に格納される。
運転操作部240、表示部245は、切り替え部材250によって切り替えられる。
【0071】
切り替え部材250は、
図8、
図10A、10Bに示すように、リンク機構251(多関節リンク機構)を有し、格納凹部232に取り付けられ、格納凹部232に格納される。
切り替え部材250は、シートバック212から立ち上がるように後方へ回動することで、運転操作部240及び表示部245を「展開位置」へと移動させることができる。
【0072】
切り替え部材250は、リンク機構251の後端部に固定され、運転操作部240及び表示部245を保持する板状の保持部材252を有している。
保持部材252は、運転操作部240の枠内に設けられ、運転操作部240の幅方向の内側面に連結されている。また、保持部材252は、表示部245の裏面に連結されている。
なお、切り替え部材250は、第1乗り物用シート210に対して前後方向に沿った軸周りに回転可能に取り付けられている。そして、乗員が運転操作部240を回転操作することで、当該回転動作を不図示のステアリングギヤボックスへと伝達できる。
【0073】
カバー253は、
図10A、
図10Bに示すように、例えばバックボードであって、シートバック212に着脱可能に取り付けられている。
ロック装置254は、格納凹部232の底部に設けられ、格納凹部232に格納された運転操作部240をロックすることができる。具体的には、ロック装置254は、切り替え部材250(リンク機構251)に係合し、係合ロックする。
【0074】
エアバッグ装置260は、シートバック212の上端部(上方部分)に設けられ、第2乗り物用シート(後席)に着座した乗員に対向する位置に配置されている。
エアバッグ装置260は、格納凹部232よりもやや上方位置に配置されている。
【0075】
上記構成であっても、内部空間を有効に活用することが可能な乗り物を実現できる。
具体的には、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0076】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の乗り物V4について、
図11~
図14Bに基づいて説明する。
なお、上述の乗り物V1~V3と重複する内容については説明を省略する。
【0077】
乗り物V4は、
図11、
図12、
図14Aに示すように、第1乗り物用シート310と、第2乗り物用シート320と、運転操作部340(操舵部341、加減速操作部342)と、表示部345と、切り替え部材350、355と、ロック装置354と、移動装置358と、エアバッグ装置360と、運転制御装置370と、を備えている。
運転操作部340は、第2乗り物用シート320(後席)に着座する乗員が運転操作するためのものであり、後方運転操作部に相当する。
【0078】
第1乗り物用シート310は、前席に相当するシートであって、シートクッション311と、シートバック312と、を備えている。シートバック312の後面には、凹部形状の格納凹部332A、332Bと、凹部形状の収納凹部333とが形成されている。
左右の格納凹部332Aには、操舵部341が格納される。格納凹部332Bには、表示部345が格納される。
収納凹部333には、加減速操作部342が収納される。収納凹部333よりもやや下方位置には、板状の足支持部材357と、足支持部材357を支持する移動装置358とが設けられている。
また、シートバック312の上方部分、下方部分の内部には、エアバッグ装置360A、360Bが取り付けられている。
【0079】
操舵部341は、
図11~
図13Bに示すように、格納凹部332Aに格納された「格納位置」と、格納凹部332Aから展開された「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
操舵部341は、折畳み可能な操作ハンドルであって、折り畳まれた状態で格納凹部332Aに格納されており、格納凹部332から取り外し可能となっている。
操舵部341は、左右に分割された第1操舵部分341a、第2操舵部分341bと、第1操舵部分341a及び第2操舵部分341bを連結するジョイント部341cと、切り替え部材350(保持部材352)に接続するための接続部341dと、を有している。
なお、第1操舵部分341a、第2操舵部分341bは、それぞれ回動部341eを有しており、さらに折り畳まれた状態と、展開された状態との間で回動可能となっている。
【0080】
操舵部341は、格納凹部332Aの底部に設けられたロック装置354によって保持される。言い換えれば、ロック装置354は、分割された操舵部分341a(341b)を挟持し、操舵部分341aをロックする。
【0081】
加減速操作部342は、
図14A、14Bに示すように、収納凹部333に収納された「収納位置」と、収納凹部333から展開された「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
【0082】
表示部345は、
図11~
図13Bに示すように、表示ディスプレイであって、操舵部341の枠内に配置され、操舵部341とは別に格納凹部332Bに格納される。
表示部345は、切り替え部材350(保持部材352)によって保持されている。
【0083】
切り替え部材350は、
図8、
図10A、10Bに示すように、表示部345を伸縮させる伸縮部材351と、伸縮部材351の後端部に固定され、表示部345を保持する板状の保持部材352と、を有している。
保持部材352は、操舵部341の枠内に設けられ、操舵部341の幅方向の内側面に接続されている。また、保持部材352は、表示部345の裏面に接続されている。
なお、切り替え部材350は、第1乗り物用シート310に対して前後方向に沿った軸周りに回転可能に取り付けられている。そして、乗員が操舵部341を回転操作することで、当該回転動作を不図示のステアリングギヤボックスへと伝達できる。
【0084】
第2切り替え部材355は、
図14A、14Bに示すように、収納凹部333の内部に取り付けられ、加減速操作部342を伸縮可能に保持する伸縮ロッド356を有している。
足支持部材357は、移動装置358によって支持されている。
足支持部材357は、第1乗り物用シート310内に収納された「収納位置」と、第1乗り物用シート310から後方に突出し、乗員の足を下方から支持する「支持位置」とに切り替えられる。
足支持部材357は、
図14Bに示す「支持位置」にいるとき、第1乗り物用シート310から第2乗り物用シート320に向かって延びている。
足支持部材357は、第2乗り物用シート320に設けられた被係合部320aに係合可能な係合部材357aを有している。
なお、足支持部材357は、第1乗り物用シート310ではなく、第2乗り物用シート320に設けられても良い。その場合には、足支持部材357は、第2乗り物用シート320から第1乗り物用シート310に向かって延びていると良い。すなわち、前後逆の構成であっても良い。
【0085】
移動装置358は、例えばスライドレール装置であって、第1乗り物用シート310の前後方向に沿って延びる固定レール358aと、固定レール358aに摺動可能に取り付けられ、足支持部材357を支持するスライダ358bと、を備えている。
【0086】
上記構成であっても、内部空間を有効に活用することが可能な乗り物を実現できる。
具体的には、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0087】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態の乗り物V5について、
図15~
図17Bに基づいて説明する。
なお、上述の乗り物V1~V4と重複する内容については説明を省略する。
【0088】
乗り物V5は、
図15、
図16に示すように、第1乗り物用シート410と、不図示の第2乗り物用シートと、運転操作部440と、表示部445と、切り替え部材450と、エアバッグ装置460と、不図示の運転制御装置と、を備えている。
運転操作部440は、第2乗り物用シート(後席)に着座する乗員が運転操作するためのものであり、後方運転操作部に相当する。
【0089】
第1乗り物用シート410は、前席に相当するシートであって、シートバック412を備えている。シートバック412の後面には、凹部形状の格納凹部432が形成されている。
格納凹部432には、運転操作部440及び表示部445が格納される。
また、シートバック212の後面には、運転操作部440及び表示部445を囲むようにエアバッグ装置460A、460B、460C、460Dが取り付けられている。
【0090】
運転操作部440は、
図15~
図17Bに示すように、格納凹部432に格納された「格納位置」と、格納凹部432から展開された「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
運転操作部440は、折畳み可能な操作ハンドルであって、折り畳まれた状態で格納凹部432に格納される。そして、格納凹部432から展開されると、上下に拡開して乗員が操作可能な操作ハンドルとなる。
運転操作部440は、上下に分割された第1操舵部分441a、第2操舵部分441bと、第1操舵部分441a及び第2操舵部分441bを連結するジョイント部441cと、を有している。
表示部445は、表示ディスプレイであって、運転操作部440の枠内に配置され、運転操作部440とともに格納凹部432に格納される。
【0091】
切り替え部材450は、
図17A、17Bに示すように、運転操作部440及び表示部445を伸縮させる伸縮部材451と、伸縮部材451の後端部に固定される板状の保持部材452と、を有している。
保持部材452は、運転操作部440の枠内に設けられ、運転操作部440の幅方向の内側面に接続されている。また、保持部材452は、表示部445の裏面に接続されている。
【0092】
上記構成であっても、内部空間を有効に活用することが可能な乗り物を実現できる。
具体的には、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0093】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態の乗り物V6について、
図18に基づいて説明する。
なお、上述の乗り物V1~V5と重複する内容については説明を省略する。
【0094】
乗り物V6は、
図18に示すように、第1乗り物用シート510(前席)と、第2乗り物用シート520(後席)と、運転操作部540と、切り替え部材550と、アームレストを回動させる回動装置519と、オットマン装置529と、運転制御装置570と、を備えている。
運転操作部540は、第2乗り物用シート520に着座する乗員が運転操作するためのものであり、後方運転操作部に相当する。
運転操作部540は、操舵部541と、加減速操作部542と、操作受け付け部543と、を有している。
回動装置519、オットマン装置529は、第2切り替え部材に相当するものである。
【0095】
第1乗り物用シート510は、シートクッション511と、シートバック512と、シートバック512に取り付けられるアームレスト514と、シートバック512に対してアームレスト514を回動可能に連結する回動装置519と、を備えている。
アームレスト514は、回動装置519によって、第1乗り物用シート510に着座する乗員が使用する「基準位置」と、「基準位置」から後方へと回動し、第2乗り物用シート520に着座する乗員が使用する「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
アームレスト514の底面には、運転操作するための操作受け付け部543(操作ボダン、)が設けられている。なお、アームレスト514が「展開位置」にいるときは、
図18に示すように、アームレスト514の上面に操作受け付け部543が配置される。
【0096】
第2乗り物用シート520は、シートクッション521と、シートバック522と、シートクッション521の先端部に取り付けられ、乗員の足部を下方から支持する可動部材529aと、シートクッション521に対して可動部材529aを回動可能に連結するオットマン装置529と、を備えている。
オットマン装置529は、シートクッション521の先端部にある回動軸529bを回動中心として可動部材529aを「格納位置」と「展開位置」の間で前後移動させる装置である。
可動部材529aは、「格納位置」にいるときにシートクッション521側(シートクッション521の底面)に格納されている。また、「展開位置」にいるときにシート前方側に突出させた状態となっている。
【0097】
可動部材529aが
図18に示す「展開位置」にいるときの、可動部材529aの上面には、加減速操作部542と、乗員の足部(かかと部)を支持する足支持部材557と、が取り付けられている。
足支持部材557を設けることで、乗員が足を滑らすことを抑制できる。
【0098】
切り替え部材550は、シートバック512の後面に取り付けられ、操舵部541をシートバック512から後方に向かって突出させる部材である。
切り替え部材550によって、第2乗り物用シート520に着座した乗員の前に操舵部541を引き出すことができる。
【0099】
オットマン装置529は、可動部材529a、加減速操作部542及び足支持部材557を「格納位置」から
図18に示す「展開位置」へと切り替えて、上記乗員の足元に引き出すことができる。
回動装置519は、アームレスト514を「基準位置」から
図18に示す「展開位置」へと切り替えて、上記乗員の手元に引き出すことができる。
【0100】
運転制御装置570は、ユーザによる所定の選択を受け付けて回動装置519、オットマン装置529及び切り替え部材550を
図18に示す「展開位置」へと切り替えるように制御する。そして、操舵部541、加減速操作部542及び操作受け付け部543を「操作不能状態」から「操作可能状態」に切り替え制御する。
【0101】
上記構成であっても、内部空間を有効に活用することが可能な乗り物を実現できる。
具体的には、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0102】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態の乗り物V7について、
図19に基づいて説明する。
なお、上述の乗り物V1~V6と重複する内容については説明を省略する。
【0103】
乗り物V7は、乗り物本体601と、乗り物フロア602と、センターコンソール603と、ダッシュボード604と、第1乗り物用シート610(前席)と、不図示の第2乗り物用シート(後席)と、運転操作部640と、を備えている。切り替え部材650、655と、運転制御装置670と、を備えている。
乗り物本体601の天壁部601b及び前壁部601dの連結部分には、乗り物情報を表示可能な表示部606と、乗り物内を撮像可能な撮像部607が取り付けられている。
センターコンソール603の後面には、収納部603a及び車載情報表示部603bが取り付けられている。センターコンソール603の上面にも車載情報表示部603bが取り付けられている。また、センターコンソール603の内部には、運転制御装置670が取り付けられている。
ダッシュボード604の後面には格納凹部604aが形成されている。前方運転操作部605は、格納凹部604aに格納され、格納凹部604aから突出させることができる。
【0104】
第1乗り物用シート610は、シートクッション611と、シートバック612と、ヘッドレスト613と、アームレスト614と、を備えている。
シートバック612の後面には、格納凹部632と、格納凹部132よりも下方位置に配置された収納凹部633とが形成されている。
格納凹部632には、操舵部641が格納されており、収納凹部633には、加減速操作部642が収納されている。
シートバック612の後面には、そのほか車載部品操作部643、表示部645が取り付けられている。
なお、ヘッドレスト613の幅方向の内側部分には、切り欠き部613aが形成されている。そのため、後席に着座した乗員が、切り欠き部613aを介して前席に着座した乗員の顔を視認することができる。なお、切り欠き部613aの代わりに透明な部材が設けられていても良い。
【0105】
操舵部641は、切り替え部材650によって「格納位置」と、格納位置から後方に突出させた「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
加減速操作部642は、第2切り替え部材655によって、「収納位置」と、収納位置から後方に突出させた「展開位置」との間で切り替え可能となっている。
【0106】
乗り物フロア602には、段差を形成するようにフロア段差部602aが形成されている。そうすることで、乗り物V7内における乗り物内装品、乗り物用シートのアレンジをし易くなる。
【0107】
上記構成であっても、内部空間を有効に活用することが可能な乗り物を実現することができる。具体的には、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0108】
運転制御装置670は、ユーザによる所定の選択を受け付けて車載情報表示部603b、表示部606の表示内容を変更するように制御する。
また、運転制御装置670は、切り替え部材650、655を「格納位置(収納位置)」と「展開位置」の間でと切り替えるように制御する。そして、操舵部641、加減速操作部642及び車載部品操作部643を「操作不能状態」から「操作可能状態」に切り替え制御する。
【0109】
上記構成であっても、内部空間を有効に活用することが可能な乗り物を実現できる。
具体的には、後席に着座する乗員が運転操作を行わない場合に、当該乗員が後席周辺におけるスペースを有効に活用できる。
【0110】
<乗り物の製造方法>
次に、乗り物V1の製造方法について、
図1~
図4Cに基づいて説明する。
なお、乗り物V1の製造方法にあたって、下記以外の製造工程については説明を省略する。
まずは、乗り物本体1に運転操作台30と、第1乗り物用シート10と、第2乗り物用シート20とを設ける。このとき、運転操作台30よりも前方位置に第1乗り物用シート10を配置し、運転操作台30よりも後方位置に第2乗り物用シート20を配置する。
そして、運転操作台30に格納凹部32(格納部)を形成し、格納凹部32に、乗り物V1の運転を操作する運転操作部40を格納する。
このとき、運転操作台30に設けられた切り替え部材50によって運転操作部40を「格納位置」と「展開位置」の間で切り替え可能に構成すると良い。
【0111】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、
図1、
図3に示すように、運転操作部40(操舵部41)が操作ハンドルの形状を有しているが、特に限定されるものではない。
例えば、運転操作部40の形状は、コックピット型やレバー型の運転操作部であっても良い。
【0112】
上記実施形態では、
図1~
図4C、
図5~7Bに示すように、運転操作部40、140が運転操作台30又は第1乗り物用シート110の後面に格納されるが、特に限定されない。
例えば、運転操作部40、140を取り外すことができ、取り外した運転操作部40、140をアームレストやセンターコンソールに格納しても良い。また、運転操作部40、140を取り外すことができ、全ての席において運転操作部40、140を取り付けることができ、乗員が所定の席に着座し、乗り物V1を運転しても良い。
【0113】
上記実施形態では、具体例として自動車について説明したが、特に限定されることなく、電車、バス等の乗り物のほか、飛行機、船等の乗り物としても利用することができる。
【0114】
上記実施形態では、主として本発明に係る乗り物に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0115】
<第1実施形態>
V1 乗り物(車両)
1 乗り物本体(車体)
1a 側壁部
1b 天壁部
1c 底壁部
1d 前壁部
1e後壁部
2 乗り物フロア(車両フロア)
3 センターコンソール
4 ダッシュボード
5 前方運転操作部
10 第1乗り物用シート(第1車両用シート)
11 シートクッション
12 シートバック
13 ヘッドレスト
15 レール装置
16 シート回転装置
17 ハイトリンク装置
18 リクライニング装置
20 第2乗り物用シート(第2車両用シート)
21 シートクッション
22 シートバック
23 ヘッドレスト
25 レール装置
26 シート回転装置
27 ハイトリンク装置
28 リクライニング装置
30 運転操作台(乗り物用内装品)
31 操作台本体
32 格納凹部(格納部)
33 収納凹部(収納部)
40 運転操作部(後方運転操作部)
41 操舵部(操作ハンドル)
41a 第1操舵部分
41b 第2操舵部分
41c ジョイント部
41d 切り欠き部
42 加減速操作部(操作ペダル)
45 表示部
50 切り替え部材
51 第1伸縮部材
52 第2伸縮部材
55 第2切り替え部材
56 伸縮ロッド
60、60A、60B エアバッグ装置
61、61A、61B エアバッグ
70 運転制御装置(運転制御部)
<第2実施形態>
V2 乗り物
110 第1乗り物用シート
111 シートクッション
112 シートバック
113 ヘッドレスト
132 格納凹部
133 収納凹部
140 運転操作部(後方運転操作部)
141 操舵部
142 加減速操作部
145 表示部
150 切り替え部材
151 リンク
152 保持部材
153 カバー
154 ロック装置
155 第2切り替え部材
156 伸縮ロッド
157 足支持部材
160 エアバッグ装置
161 エアバッグ
<第3実施形態>
V3 乗り物
210 第1乗り物用シート
212 シートバック
232 格納凹部
233 収納凹部
240 運転操作部(後方運転操作部)
241a 第1操舵部分
241b 第2操舵部分
241c ジョイント部
245 表示部
250 切り替え部材
251 リンク機構
252 保持部材
253 カバー
254 ロック装置
260 エアバッグ装置
261 エアバッグ
<第4実施形態>
V4 乗り物
310 第1乗り物用シート
311 シートクッション
312 シートバック
320 第2乗り物用シート
320a 被係合部
332、332A、332B 格納凹部
333 収納凹部
340 運転操作部
341 操舵部
341a 第1操舵部分
341b 第2操舵部分
341c ジョイント部
341d 接続部
341e 回動部
342 加減速操作部
345 表示部
350 切り替え部材
351 リンク機構
352 保持部材
354 ロック装置
355 第2切り替え部材
356 伸縮ロッド
357 足支持部材
357a 係合部材
358 移動装置
358a 固定レール
358b スライダ
360、360A、360B エアバッグ装置
370 運転制御装置
<第5実施形態>
V5 乗り物
410 第1乗り物用シート
412 シートバック
432 格納凹部
440 運転操作部
441a 第1操舵部分
441b 第2操舵部分
441c ジョイント部
445 表示部
450 切り替え部材
451 伸縮部材
452 保持部材
460、460A、460B、460C、460D エアバッグ装置
<第6実施形態>
V6 乗り物
510 第1乗り物用シート
511 シートクッション
512 シートバック
514 アームレスト
519 回動装置
520 第2乗り物用シート
521 シートクッション
522 シートバック
529 オットマン装置(移動装置)
529a 可動部材
529b 回動軸
540 運転操作部
541 操舵部
542 加減速操作部
543 操作受け付け部
550 切り替え部材
557 脚支持部材
570 運転制御装置
<第7実施形態>
V7 乗り物
601 乗り物本体
601b 天壁部
601d 前壁部
602 乗り物フロア
602a フロア段差部
603 センターコンソール
603a 収納部
603b 車載情報表示部
604 ダッシュボード
604a 格納凹部
605 前方運転操作部
606 表示部
607 撮像部
610 第1乗り物用シート
611 シートクッション
612 シートバック
613 ヘッドレスト
613a 切り欠き部
614 アームレスト
632 格納凹部
633 収納凹部
640 運転操作部(後方運転操作部)
641 操舵部
642 加減速操作部
643 車載部品操作部
645 表示部
650 切り替え部材
655 第2切り替え部材
670 運転制御装置(運転制御部)