(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180239
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】インターロックキット及び関連する家具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/50 20170101AFI20241219BHJP
A47B 88/443 20170101ALI20241219BHJP
【FI】
A47B88/50
A47B88/443
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188372
(22)【出願日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】112122513
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 石龍
(72)【発明者】
【氏名】趙 乙▲しゅえん▼
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB47
3B160AB48
3B160CA14
3B160DB41
3B160EA14
3B160EA32
3B160EA36
3B160EB75
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み付け誤差の許容範囲を有する、インターロックキット及び関連する家具アセンブリを提供する。
【解決手段】キャビネット本体と引き出しとに適合されたインターロックキットが提供される。第1フィッティング部材34は、キャビネット本体に着脱可能に取り付けられ、第1所定寸法を有する。第2フィッティング部材36は、引き出しに着脱可能に取り付けられ、第2所定寸法H2を有する。所定の隙間が、第1所定寸法H1と第2所定寸法H2との差によって規定される。インターロック機構40は、第1フィッティング部材34に配置されている。第2フィッティング部材36が、所定の隙間と第1フィッティング部材の位置とによって規定された取り付け範囲の中の位置に取り付けられている限り、第2フィッティング部材36は、インターロック機構40を正常に作動させるために、引き出しによって常に移動させることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット本体と、前記キャビネット本体に対して変位可能である引き出しとに適合されたインターロックキットであって、
第1所定寸法を有する第1フィッティング部材と、
第2所定寸法を有する第2フィッティング部材と、
前記第1フィッティング部材に配置されている補助装置であり、補助部材を含む補助装置と、
前記第1フィッティング部材に配置されているインターロック機構とを備え、
所定の隙間が、前記第1所定寸法と前記第2所定寸法との間の差によって規定され、
所定の前記隙間と前記第1フィッティング部材の位置とで規定された取り付け範囲の中の取り付け位置で、前記第2フィッティング部材が前記引き出しに取り付けられ、かつ前記第2フィッティング部材が、前記第1フィッティング部材に対して所定方向に移動された場合に、前記補助部材は、駆動されて第1補助位置から第2補助位置へ移動し、前記インターロック機構をロック状態に保持する、インターロックキット。
【請求項2】
前記第1フィッティング部材は、前記キャビネット本体に着脱可能に取り付けられ、前記第1フィッティング部材は、第1壁と、第2壁と、前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された中間壁とを含み、前記第1壁と前記第2壁と前記中間壁とは、協働して前記第1フィッティング部材の空間を画定し、
前記第1フィッティング部材の前記第1所定寸法は、高さ方向での前記第1壁と前記第2壁との間の距離によって規定された前記第1フィッティング部材の第1所定高さであり、前記第2フィッティング部材の前記第2所定寸法は、前記高さ方向での前記第2フィッティング部材の第2所定高さであり、所定の前記隙間は、前記第1フィッティング部材の前記第1所定高さと、前記第2フィッティング部材の前記第2所定高さとの差によって規定され、
前記第2フィッティング部材は、前記引き出しに着脱可能に取り付けられ、前記補助装置はさらに、ベースと作業部材とを含み、前記ベースは、前記第1フィッティング部材の前記空間の内側に取り付けられ、前記作業部材は、前記ベースに対して相対的に移動可能であり、前記補助部材は、前記ベースに対して相対的に移動可能であり、前記インターロック機構は、少なくとも1つのロック部材を含み、
所定の前記隙間と前記第1フィッティング部材の位置とで規定された前記取り付け範囲の中の前記取り付け位置で、前記第2フィッティング部材が前記引き出しに取り付けられ、かつ前記引き出しが、前記所定方向に後退位置から伸長位置に向かって変位した場合に、前記第2フィッティング部材は、前記作業部材を駆動して第1作業位置から第2作業位置へ移動させ、前記補助部材を駆動して前記第1補助位置から前記第2補助位置へ移動させ、少なくとも1つの前記ロック部材をロック位置に保持する、請求項1記載のインターロックキット。
【請求項3】
前記第2フィッティング部材は作動部を含み、前記作業部材は作業部を含み、
前記引き出しが前記後退位置から前記伸長位置に向かって変位する間に、前記作動部は、前記作業部材を駆動して前記第1作業位置から前記第2作業位置へ移動させるために、前記作業部に対して突き当たる、請求項2記載のインターロックキット。
【請求項4】
前記高さ方向での前記作動部の伸長長さは、前記高さ方向での前記作業部の伸長長さと異なり、
所定の前記隙間と前記第1フィッティング部材の位置とによって規定された前記取り付け範囲の中の前記取り付け位置で、前記第2フィッティング部材が前記引き出しに取り付けられた場合に、前記作動部は、前記作業部に対応する位置にあり、
前記引き出しが前記後退位置から前記伸長位置に向かって変位する間に、前記作動部は前記作業部に突き当たり、前記作業部材を駆動して前記第1作業位置から前記第2作業位置へ移動させる、請求項3記載のインターロックキット。
【請求項5】
前記高さ方向での前記作動部の前記伸長長さと、前記高さ方向での前記作業部の前記伸長長さとのうちの一方は、前記高さ方向での前記作動部の前記伸長長さと、前記高さ方向での前記作業部の前記伸長長さとのうちの他方よりも大きい、請求項4記載のインターロックキット。
【請求項6】
前記補助装置はさらに、ベースと、前記ベースに対して相対的に移動可能な作業部材とを含み、前記作業部材は作業部を含み、前記第2フィッティング部材は作動部を含み、
高さ方向での前記作動部の伸長長さは、前記高さ方向での前記作業部の伸長長さと異なって、所定の前記隙間と前記第1フィッティング部材の位置とによって規定された前記取り付け範囲の中の第1取り付け位置と第2取り付け位置とのうちの1つで、前記第2フィッティング部材を前記引き出しに取り付けることを可能にし、
前記引き出しが後退位置から伸長位置に向かって変位する間に、前記作動部を前記作業部に対応する位置になるようにし、
前記作業部材を駆動して第1作業位置から第2作業位置へ移動させるために、前記作動部は前記作業部に突き当たり、これにより、前記補助部材を駆動して前記第1補助位置から前記第2補助位置へ移動させ、少なくとも1つのロック部材をロック位置に保持する、請求項1記載のインターロックキット。
【請求項7】
前記作業部材が前記第1作業位置から前記第2作業位置へ移動する間に、前記作業部材は、前記補助部材を駆動して前記第1補助位置から前記第2補助位置へ移動させ、
前記ベースは、前記第1フィッティング部材に接続され、前記作業部材は、前記ベースに移動可能に取り付けられ、前記補助部材は、前記第1フィッティング部材の内側に配置され、
前記引き出しが前記伸長位置から前記後退位置に向かって変位した場合に、前記第2フィッティング部材は、前記補助部材を駆動して前記第2補助位置から前記第1補助位置へ復帰させ、
前記ベースは、長手方向部分と曲げ部分とを含み、前記曲げ部分は、前記長手方向部分から延びて曲がり、前記作業部材は支持特徴部を含み、前記作業部材は、前記支持特徴部によって前記長手方向部分と前記曲げ部分とに沿って移動可能である、請求項2ないし6のいずれか1項に記載のインターロックキット。
【請求項8】
前記第1フィッティング部材は、第1壁と、第2壁と、前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された中間壁とを含み、前記第1壁と前記第2壁と前記中間壁とは、協働して前記第1フィッティング部材の空間を画定し、
前記補助装置はさらに、ベースと作業部材とを含み、前記ベースは、前記第1フィッティング部材の前記空間の内側に位置し、前記作業部材は、前記ベースに対して相対的に移動可能であり、前記補助部材は、前記ベースに対して相対的に移動可能であり、
前記ベースは、前記第1フィッティング部材の前記中間壁に接続され、前記作業部材は、前記ベースに移動可能に取り付けられ、前記補助部材は、前記第1フィッティング部材の前記空間の内側に位置する、請求項1記載のインターロックキット。
【請求項9】
前記補助装置はさらに、前記第1フィッティング部材に接続されたベースと、前記ベースに移動可能に取り付けられた作業部材とを含み、
所定の前記隙間と前記第1フィッティング部材の位置とによって規定された前記取り付け範囲の中の前記取り付け位置で、前記第2フィッティング部材が前記引き出しに取り付けられた場合に、前記第2フィッティング部材の作動部は、前記作業部材の作業部に対応する位置にあり、
前記第2フィッティング部材が前記所定方向に移動する間に、前記第2フィッティング部材は前記作業部材を駆動して前記補助部材を前記第1補助位置から前記第2補助位置へ移動させ、前記インターロック機構を前記ロック状態に保持する、請求項1記載のインターロックキット。
【請求項10】
キャビネット本体と、
前記キャビネット本体に対して長手方向に変位可能である引き出しと、
請求項1記載のインターロックキット
とを備えている、家具アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び10の(特徴項に先立つ)プレアンブルに係るインターロックキット及び関連する家具アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
工業技術の発展に伴い、インターロック機能を有するさまざまな家具製品が市場に出回っている。キャビネットシステムに関しては、キャビネットシステムは、通常、キャビネット本体と複数の引き出しとを備えている。複数の引き出しの1つがキャビネット本体に対して開放された場合に、複数の引き出しの他の1つが、ロックされ、2つ以上の引き出しが同時に開放されることによって引き起こされるキャビネット本体の落下を防止するようにする。その上さらに、通常、キャビネットシステムは、キャビネット本体に取り付けられ、複数の引き出しを支持する複数のスライドレール組立体を含む。
【0003】
例えば、米国特許第4925257号(特許文献4)には、キャビネットシステムが開示され、これは、キャビネット本体と、キャビネット本体に配置されている複数の引き出し、例えば第1引き出しと第2引き出しとを備えている。第1引き出しと第2引き出しとのそれぞれは、キャビネット本体に対して、開放位置と閉鎖位置との間で選択的に移動可能である。キャビネットシステムはさらに、キャビネット本体に移動可能に取り付けられたロックロッドと、ロックロッドと協働するように構成され、第1引き出しと第2引き出しとが同時に開放されることを防止する協働構造とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7484817号
【特許文献2】米国特許第7320507号
【特許文献3】米国特許第6779855号
【特許文献4】米国特許第4925257号
【発明の概要】
【0005】
しかし、さまざまな要求を満たすために、さらに改良された家具製品を提供することが重要な課題(topic)となる。
【0006】
これを念頭において、本発明は、インターロック機能を伴い、組み付け誤差の許容範囲を有するインターロックキット、及び関連する家具アセンブリを提供することを目的とする。
【0007】
これは、請求項1及び10に記載のインターロックキット及び関連する家具アセンブリによって達成される。従属請求項は、対応する一層の開発と改良とに関する。
【0008】
後述する詳細な説明から一層明確に理解されるように、請求項に記載したインターロックキットは、キャビネット本体と、キャビネット本体に対して変位可能である引き出しとに適合される。インターロックキットは、第1所定寸法を有する第1フィッティング部材と;第2所定寸法を有する第2フィッティング部材と;第1フィッティング部材に配置されている補助装置であり、補助部材を含む補助装置と;第1フィッティング部材に配置されているインターロック機構とを備え;所定の隙間が、第1所定寸法と第2所定寸法との間の差によって規定され;所定の隙間と第1フィッティング部材の位置とで規定された取り付け範囲の中の取り付け位置で、第2フィッティング部材が引き出しに取り付けられ、かつ第2フィッティング部材が、第1フィッティング部材に対して所定方向に移動された場合に、補助部材は、駆動されて第1補助位置から第2補助位置へ移動し、インターロック機構をロック状態に保持する。
【0009】
これに加えて、請求項に記載した家具アセンブリは、キャビネット本体、引き出し、及び前述のインターロックキットを備えている。
【0010】
さまざまな図及び図面に示された好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読めば、本発明のこれらの目的及び他の目的は、当業者には間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の添付の図面を参照しながら、下記に本発明を例としてさらに説明する。
【0012】
【
図1】本発明の実施形態による家具アセンブリの図である。
【
図2】本発明の実施形態による家具アセンブリの部分図である。
【
図3】本発明の実施形態による第1インターロックキットの分解図である。
【
図4】本発明の実施形態に係り、異なる観点で第2フィッティング部材が第1取り付け位置にある際の第1インターロックキットの図である。
【
図5】本発明の実施形態に係り、異なる観点で第2フィッティング部材が第1取り付け位置にある際の第1インターロックキットの図である。
【
図6】本発明の実施形態に係り、異なる観点で第2フィッティング部材が第2取り付け位置にある際の第1インターロックキットの図である。
【
図7】本発明の実施形態に係り、異なる観点で第2フィッティング部材が第2取り付け位置にある際の第1インターロックキットの図である。
【
図8】本発明の実施形態に係り、第2フィッティング部材が第1取り付け位置にあり、第1引き出しが後退位置へ変位している際の第1インターロックキットの図である。
【
図9】本発明の実施形態に係り、第2フィッティング部材が第1取り付け位置にあり、第1引き出しが第1所定方向に後退位置から変位している際の第1インターロックキットの図である。
【
図10】本発明の実施形態に係り、第2フィッティング部材が第1取り付け位置にあり、第1引き出しが第1所定方向に伸長位置へ変位している際の第1インターロックキットの図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、第1インターロックキットが第2インターロックキットと第3インターロックキットとをロックし、第2フィッティング部材が第1取り付け位置にあることを示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、第2フィッティング部材が第2取り付け位置にあり、第1引き出しが後退位置へ変位している際の第1インターロックキットの図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、第2フィッティング部材が第2取り付け位置にあり、第1引き出しが第1所定方向に後退位置から変位している際の第1インターロックキットの図である。
【
図14】本発明の実施形態に係り、第2フィッティング部材が第1取り付け位置にあり、第1引き出しが第1所定方向に伸長位置へ変位している際の第1インターロックキットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書の一部を構成し、本発明が実施可能である具体的な実施形態が例示として示される添付図面を、以下の好ましい実施形態の詳細な説明で参照する。これに関して、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方向用語は、説明される図の向きを参照して使用される。本発明の部材は、多数の異なる方向に配置されてよい。そのため、方向用語は、例示の目的で使用され、決して限定はしない。従って、図面及び記載は、本質的に例示的なものとみなされ、制限的なものとはみなされない。また、特定されない場合に、「接続する」という用語は、間接的又は直接的な機械的接続のいずれかを意味することが意図される。従って、第1装置が第2装置に接続された場合に、その接続は、直接的な機械的接続、又は、他の装置や接続部を介した間接的な機械的接続によるものであってよい。
【0014】
図1に示すように、家具アセンブリは、キャビネット本体20と、複数の引き出し、例えば、第1引き出し22a、第2引き出し22b、第3引き出し22c、及び第4引き出し22dとを備えている。複数の引き出しは、縦方向及び/又は横方向にキャビネット本体20に配列され、キャビネット本体20に対して長手方向に変位可能である。
【0015】
図2に示すように、家具アセンブリはさらに、複数の引き出しをそれぞれ支持する複数のスライドレール組立体、例えば、第1スライドレール組立体24a、第2スライドレール組立体24b、第3スライドレール組立体24c、及び第4スライドレール組立体24dを備えている。第1スライドレール組立体24a、第2スライドレール組立体24b、第3スライドレール組立体24c、及び第4スライドレール組立体24dは、実質的に同一の構造を有してよい。第1スライドレール組立体24a、第2スライドレール組立体24b、第3スライドレール組立体24c、及び第4スライドレール組立体24dのそれぞれは、少なくとも2つのスライドレール、例えば、第1レール26と、長手方向に第1レール26に対して相対的に変位可能である第2レール28とを含む。この実施形態では、長手方向は、スライドレールの長さ方向又は変位方向によって、X軸に平行に、定義されてよい。横方向は、スライドレールの側方方向又は幅方向によって、Y軸に平行に、定義されてよい。縦方向は、スライドレールの高さ方向によって、Z軸に平行に、定義されてよい。
【0016】
好ましくは、第1スライドレール組立体24a、第2スライドレール組立体24b、第3スライドレール組立体24c、及び第4スライドレール組立体24dのそれぞれは、さらに、第3レール30を含み、第3レール30は、第1レール26に対する第2レール28の変位を大きくするために、第1レール26と第2レール28との間に移動可能に取り付けられている。
【0017】
好ましくは、
図2に示すように、第1スライドレール組立体24a、第2スライドレール組立体24b、第3スライドレール組立体24c、及び第4スライドレール組立体24dの第1レール26は、キャビネット本体20に取り付けられ、例えば、固定される。第1スライドレール組立体24a、第2スライドレール組立体24b、第3スライドレール組立体24c、及び第4スライドレール組立体24dの第2レール28は、それぞれ、第1引き出し22a、第2引き出し22b、第3引き出し22c、及び第4引き出し22dを支持するように構成されている。第1スライドレール組立体24a、第2スライドレール組立体24b、第3スライドレール組立体24c、及び第4スライドレール組立体24dは、第1引き出し22a、第2引き出し22b、第3引き出し22c、及び第4引き出し22dがキャビネット本体20に対して、円滑に開放又は後退することを容易にする。例えば、第1スライドレール組立体24aの第2レール28が第1スライドレール組立体24aの第1レール26に対して後退された場合に、第1引き出し22aはキャビネット本体20に対して後退される。これに代えて、第4スライドレール組立体24dの第2レール28が第4スライドレール組立体24dの第1レール26に対して後退された場合に、第4引き出し22dはキャビネット本体20に対して後退する。
【0018】
家具アセンブリはさらに、少なくとも1つのインターロックキット、例えば、第1インターロックキット32a、第2インターロックキット32b、第3インターロックキット32c、及び第4インターロックキット32dを備えている。第1インターロックキット32a、第2インターロックキット32b、第3インターロックキット32c、及び第4インターロックキット32dは、互いに移動可能に連結され、同様の構造を有する。第1インターロックキット32a、第2インターロックキット32b、第3インターロックキット32c、及び第4インターロックキット32dは、家具アセンブリにインターロック機能を付与し、例えば、第1引き出し22aがキャビネット本体20に対して開放された場合に、第2引き出し22bと第3引き出し22cとがキャビネット本体20に対して開放されることを防止する。
【0019】
さらに、第1インターロックキット32a、第2インターロックキット32b、第3インターロックキット32c、及び第4インターロックキット32dのそれぞれは、第1フィッティング部材34と第2フィッティング部材36とを備えている。第1フィッティング部材34は、キャビネット本体20に配置されている。第2フィッティング部材36は、第1引き出し22a、第2引き出し22b、第3引き出し22c、及び第4引き出し22dのうちの対応する1つに配置されている。本実施形態で一例として、第1フィッティング部材34を、キャビネット本体20に着脱可能に取り付け、第2フィッティング部材36を、対応する引き出しに着脱可能に取り付けてよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0020】
図3及び4に示すように、第1インターロックキット32aはさらに、補助装置38とインターロック機構40とを備えている。
【0021】
図4に示すように、第1フィッティング部材34は、第1所定寸法を有する。本実施形態で一例として、第1所定寸法は、第1所定高さH1である。さらに、第1フィッティング部材34は、第1壁42aと、第2壁42bと、第1フィッティング部材34の第1壁42a及び第2壁42bの間に接続された中間壁44とを含む。
図3に示すように、第1フィッティング部材34の第1壁42aと、第2壁42bと、中間壁44とは、協働して空間Sを画定する。
図4に示すように、第1所定高さH1は、高さ方向での第1フィッティング部材34の第1壁42aと第2壁42bとの間の距離によって規定される。
【0022】
図4に示すように、第2フィッティング部材36は、第2所定寸法を有する。本実施形態で一例として、第2所定寸法は、第2所定高さH2である。さらに、第2フィッティング部材36は、第1壁70aと、第2壁70bと、第2フィッティング部材36の第1壁70a及び第2壁70bの間に接続された中間壁72とを含む。第2所定高さH2は、高さ方向での第2フィッティング部材36の第1壁70aと第2壁70bとの間の距離によって規定され、第1所定高さH1は、第2所定高さH2と異なり、所定の隙間Gは、第1所定高さH1と第2所定高さH2との間の差によって規定される。本実施形態で一例として、所定の隙間Gを形成するように、第2所定高さH2は、第1所定高さH1よりも小さい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0023】
補助装置38は、第1フィッティング部材34に配置されている。補助装置38は、ベース46と、作業部材48と、補助部材50とを含む。ベース46は、第1フィッティング部材34に接続され、第1フィッティング部材34の空間Sの内側に配置されている。作業部材48と補助部材50とは、ベース46に対して相対的に移動可能であり、第1フィッティング部材34の空間Sの内側に配置されている。
【0024】
インターロック機構40は、第1フィッティング部材34に配置されている。インターロック機構40は、少なくとも1つのロック部材、例えば、第1ロック部材52と第2ロック部材54とを含む。第1ロック部材52と第2ロック部材54とは、第1フィッティング部材34に移動可能に取り付けられ、それぞれ第1フィッティング部材34の第1壁42aと第2壁42bとに隣接して配置されている。
【0025】
好ましくは、
図3に示すように、ベース46は、第1フィッティング部材34の中間壁44に接続され、空間Sの内側に位置する。この実施形態で一例として、第1フィッティング部材34とベース46との一方は、第1取り付け特徴部56を含んでよい。第1フィッティング部材34とベース46との他方は、第1取り付け特徴部56に取り外し可能に、例えば、挿入方式又は係合方式で、取り付けられるように構成されている第2取り付け特徴部58を含んでよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0026】
好ましくは、作業部材48は、ベース46に移動可能に取り付けられている。さらに、ベース46は、長手方向部分60と曲げ部分62とを含む。長手方向部分60は、所定の長手方向長さを有する。曲げ部分62は、長手方向部分60から延びて曲げられる。その上、
図3に示すように、作業部材48は支持特徴部64を含み、作業部材48は、支持特徴部64によって、ベース46の長手方向部分60と曲げ部分62とに沿って移動可能である。
【0027】
好ましくは、補助部材50は、ベース46に取り付けられ、ベース46に対して長手方向に移動可能である。この実施形態で一例として、ベース46と補助部材50とのうちの一方は、少なくとも1つの第1協働特徴部66を含んでよい。ベース46と補助部材50とのうちの他方は、少なくとも1つの第2協働特徴部68を含んでよく、少なくとも1つの第2協働特徴部68は、少なくとも1つの第1協働特徴部66と協働するように構成されている。少なくとも1つの第1協働特徴部66と、少なくとも1つの第2協働特徴部68との一方は、長手方向の突条(rib)であってよく、少なくとも1つの第1協働特徴部66と、少なくとも1つの第2協働特徴部68との他方は、溝であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0028】
好ましくは、第2フィッティング部材36は、作動部74を含む。作業部材48は作業部76(機能部76)を含む。作業部材48の作業部76は、第2フィッティング部材36の作動部74と協働するように構成されている。この実施形態で一例として、作業部76は突出部であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0029】
好ましくは、
図4に示すように、高さ方向での第2フィッティング部材36の作動部74の伸長長さh1は、高さ方向での作業部材48の作業部76の伸長長さh2と異なる。本実施形態で一例として、高さ方向での第2フィッティング部材36の作動部74の伸長長さh1は、高さ方向での作業部材48の作業部76の伸長長さh2よりも大きい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0030】
第2フィッティング部材36は、所定の隙間Gと第1フィッティング部材34の位置とで規定された取り付け範囲の中の任意の取り付け位置で、第1引き出し22aに取り付けが可能である。
図4及び5に示すように、第2フィッティング部材36の第1壁70aと第1フィッティング部材34の第1壁42aとが、互いに隣接し互いに実質的に位置合わせされ、第2フィッティング部材36の第2壁70bと第1フィッティング部材34の第2壁42bとが、所定の隙間Gにほぼ等しい距離で互いに離れる第1取り付け位置K1で、第2フィッティング部材36は、第1引き出し22aに取り付けが可能である。
図6及び7に示すように、第2フィッティング部材36の第1壁70aと第1フィッティング部材34の第1壁42aとが、所定の隙間Gにほぼ等しい距離で互いに離れ、第2フィッティング部材36の第2壁70bと第1フィッティング部材34の第2壁42bとが、互いに隣接し互いに実質的に位置合わせされる第2取り付け位置K2で、第2フィッティング部材36は、第1引き出し22aに取り付けが可能である。
【0031】
好ましくは、第1フィッティング部材34と第2フィッティング部材36とは、互いに拘束されるように構成されている。
図5に示すように、この実施形態で一例として、第2フィッティング部材36の第1壁70aと第1フィッティング部材34の第1壁42aとのうちの一方は、第1規制特徴部82を含んでよい。第1規制特徴部82は、第2フィッティング部材36が第1取り付け位置K1、例えば取り付け範囲の中の最も高い位置になるように、第2フィッティング部材36の第1壁70aと第1フィッティング部材34の第1壁42aとのうちの他方をブロックするように構成されている。
図7に示すように、この実施形態で一例として、第2取り付け部材36の第2壁70bと第1取り付け部材34の第2壁42bとのうちの一方は、第2規制特徴部84を含んでよい。第2規制特徴部84は、第2取り付け部材36が第2取り付け位置K2、例えば、取り付け範囲の中で最も低い位置になるように、第2取り付け部材36の第2壁70bと第1取り付け部材34の第2壁42bとのうちの他方をブロックするように構成されている。
【0032】
好ましくは、
図3に示すように、第2フィッティング部材36はさらに、第1所定部分78を含む。補助部材50はさらに、第1所定部分78と協働するように構成されている第2所定部分80を含む。本実施形態で一例として、第2所定部分80は、補助部材50の前端部であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0033】
以上より、理解可能なように、所定の隙間Gに起因して第1フィッティング部材34及び/又は第2フィッティング部材36に組み付け誤差があっても、本発明では、第1引き出し22aの開放動作又は後退動作の間に、第2フィッティング部材36を第1フィッティング部材34の空間Sの内側に確実に移動させ、インターロック機構40の正常な動作を確保することができる。
【0034】
第2インターロックキット32bと、第3インターロックキット32cと、第4のインターロックキット32dとに関しては、理解可能なように、第2インターロックキット32bと、第3インターロックキット32cと、第4のインターロックキット32dとのそれぞれの第1フィッティング部材34と第2フィッティング部材36とは、第1インターロックキット32aの第1フィッティング部材34と第2フィッティング部材36とに実質的に同じである。これにより、対応する引き出しの開放動作又は後退動作の間に、対応するインターロック機構の正常な動作を保証するようにする。
【0035】
第1インターロックキット32aに関しては、
図8に示すように、補助部材50と第1ロック部材52との一方が、第1ガイド部分86を含む。本実施形態で一例として、補助部材50は第1ガイド部分86を含む。好ましくは、第1ロック部材52は、第1ガイド部分86と協働するように構成された第1補助ガイド特徴部88を含む。
図8に示すように、本実施形態で一例として、第1ガイド部分86と第1補助ガイド特徴部88とは、傾斜面又は円弧面であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。同様に、補助部材50と第2ロック部材54との一方が、第2ガイド部分90を含む。本実施形態で一例として、補助部材50は第2ガイド部分90を含む。好ましくは、第2ロック部材54は、第2ガイド部分90と協働するように構成された第2補助ガイド特徴部92を含む。
図8に示すように、本実施形態で一例として、第2ガイド部分90と第2補助ガイド特徴部92とは、傾斜面又は円弧面であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0036】
好ましくは、この実施形態で一例として、第2フィッティング部材36の第1所定部分78は、弾力性のあるアームであってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0037】
好ましくは、
図11に示すように、第1インターロックキット32aの第1ロック部材52は、第2インターロックキット32bの第2ロック部材96に接続された第1ロッド94に接続されている。第1インターロックキット32aの第2ロック部材54は、第3インターロックキット32cの第1ロック部材100に接続された第2ロッド98に接続されている。
【0038】
好ましくは、作動部74は、第2フィッティング部材36に一体的に接続され、第2フィッティング部材36はさらに、作動部74に隣接するガイド区間102を含む。本実施形態で一例として、ガイド区間102は、円弧面又は傾斜面であってよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0039】
第1インターロックキット32aが
図8に示す状態、又は
図12に示す状態にある場合に、作業部材48は、ベース46に対して第1作業位置M1にあり、作業部材48の支持特徴部64は、長手方向部分60に対応する位置にある。その上、第1インターロックキット32aが
図8に示す状態又は
図12に示す状態にある場合に、補助部材50は、ベース46に対して第1補助位置Q1にある。さらに、
図8及び12に示すように、この時点で、第1ロック部材52は、第1ロック部材52の第1補助ガイド特徴部88が、補助部材50の第1ガイド部分86に対応する位置にあるロック解除位置J1にある。第2ロック部材54はロック位置J2’にあり、ここでロック位置J2’は、第2ロック部材54の第2補助ガイド特徴部92が、補助部材50の第2ガイド部分90に対応しない位置であって、例えば、第2ロック部材54の第2補助ガイド特徴部92が、補助部材50の第2ガイド部分90とずれている位置である。
【0040】
好ましくは、第1ロック部材52の一部は、第1フィッティング部材34の空間Sの内側に位置し、第1ロック部材52は、第1規制区間104を含む。第1規制区間104は、第1ロック部材52の過度の移動を防止するために、第1フィッティング部材34の第1壁42aの内側に突き当たるように構成されている。同様に、第2ロック部材54の一部は、第1フィッティング部材34の空間Sの内側に位置し、第2ロック部材54は、第2規制区間106を含む。第2規制区間106は、第2ロック部材54の過度の移動を防止するために、第1フィッティング部材34の第2壁42bの内側に突き当たるように構成されている。
【0041】
好ましくは、ベース46は、第1ロック部材52をロック解除位置J1に保持するために、第1ロック部材52を支持するように構成されている。その上、第2ロック部材54の第2規制区間106と第1フィッティング部材34の第2壁42bの内側とは、第2ロック部材54をロック位置J2’に保持するために互いに突き当たるように構成されている。
【0042】
図8、9及び10に示すように、第2フィッティング部材36が、取り付け範囲の中の第1取り付け位置K1で第1引き出し22aに取り付けられた場合に、第2フィッティング部材36の作動部74は、作業部材48の作業部76に対応する位置にある。また、
図8及び9に示すように、所定の隙間Gの構成により、及び/又は、高さ方向での第2フィッティング部材36の作動部74の伸長長さh1と、高さ方向での作業部材48の作業部76の伸長長さh2との差の構成により、第2フィッティング部材36が、第1取り付け位置K1と異なる取り付け範囲の中の他の位置に取り付けられても、第2フィッティング部材36の作動部74は、依然として作業部材48の作業部76に対応する位置にある。
【0043】
図8ないし10及び
図12ないし14は、第1引き出し22aとキャビネット本体20とを代表する要素として、第1フィッティング部材34と第2フィッティング部材36とを示す。
【0044】
さらに、
図8ないし10に示すように、第2フィッティング部材36が、第1取り付け位置K1で第1引き出し22aに取り付けられ、かつ第1引き出し22aが、
図8に示す後退位置Rから
図10に示す伸長位置Eに向かって、第1所定方向D1、例えば開放方向に変位された場合に、第1引き出し22aによって駆動される第2フィッティング部材36の作動部74は、作業部材48を駆動して、
図8及び9に示す第1作業位置M1から
図10に示す第2作業位置M2へ移動させるために、作業部材48の作業部76に突き当たる。これにより、作業部材48は、作業部材48の支持特徴部64をベース46の曲げ部分62に係合させるように傾斜され、補助部材50は駆動されて、インターロック機構40をロック状態に保持するために、
図8及び9に示す第1補助位置Q1から
図10に示す第2補助位置Q2へ移動する。
【0045】
第1補助位置Q1から第2補助位置Q2への補助部材50の前述の移動の間に、補助部材50は、第1ガイド部分86と第1補助ガイド特徴部88とが突き当たることにより、第1ロック部材52を駆動して、
図8に示すロック解除位置J1から
図10に示すロック位置J2へ縦方向、例えば高さ方向Uに移動させる。
図10に示すように、補助部材50が第2補助位置Q2にある場合に、補助部材50は、第1ロック部材52をロック位置J2に保持するために、第1ロック部材52を支持することができる。その上、
図10に示すように、補助部材50が第2補助位置Q2にある場合に、補助部材50は、第2ロック部材54をロック位置J2’に保持するために、第2ロック部材54を押圧することができる。さらに、
図10に示すように、第1作業位置M1から第2作業位置M2への作業部材48の前述の移動の間に、作業部材48の作業部76が第2フィッティング部材36の作動部74から係合解除されるように、作業部材48は傾斜される。
【0046】
好ましくは、
図8に示す第1作業位置M1から
図10に示す第2作業位置M2への作業部材48の移動の間に、補助部材50は、作業部材48によって駆動され、
図8に示す第1補助位置Q1から
図10に示す第2補助位置Q2へ移動する。
【0047】
図11に示すように、第1引き出し22aが伸長位置Eへ変位され、補助部材50が第2補助位置Q2にある場合に、対応する第1フィッティング部材34に対して第1所定方向D1に、他の第2フィッティング部材36、例えば、第2インターロックキット32bと第3インターロックキット32cとの第2フィッティング部材36が開放動作を行うことを防止するために、補助部材50は、第1ロック部材52と第2ロック部材54とをそれぞれロック位置J2,J2’に保持する。これにより、対応する引き出し、例えば、第2引き出し22bと第3引き出し22cとがキャビネット本体20に対して開放されることを防止する。
【0048】
さらに、第1ロッド94の両端は、第1インターロックキット32aの第1ロック部材52と、第2インターロックキット32bの第2ロック部材96とにそれぞれ接続されている。第2引き出し22bが後退位置Rにある場合に、第2インターロックキット32bの第2フィッティング部材36の作動部107は、第2インターロックキット32bの作業部材108、例えば作業部材108の作業部110(機能部110)と係合する。
図10に示すように、第1インターロックキット32aの第1ロック部材52がロック位置J2に保持された場合に、第2インターロックキット32bの第2ロック部材96、例えば、第2ロック部材96の第2補助ガイド特徴部112は、第2インターロックキット32bの補助部材114、例えば、補助部材114の第2ガイド部分116をブロックし、第2インターロックキット32bの補助部材114が、第1所定方向D1に移動することの防止が可能であり、これにより、第2インターロックキット32bの第2フィッティング部材36が、第1所定方向D1に第2インターロックキット32bの第1フィッティング部材34に対して相対的に移動することを防止し、第2引き出し22bが、第1所定方向D1に後退位置Rから開放されることを防止する。
【0049】
同様に、第2ロッド98の両端は、第1インターロックキット32aの第2ロック部材54と、第3インターロックキット32cの第1ロック部材100とにそれぞれ接続されている。第3引き出し22cが後退位置Rにある場合に、第3インターロックキット32cの第2フィッティング部材36の作動部117は、第3インターロックキット32cの作業部材118、例えば作業部材118の作業部120(機能部120)と係合する。
図10に示すように、第1インターロックキット32aの第2ロック部材54がロック位置J2’に保持された場合に、第3インターロックキット32cの第1ロック部材100、例えば、第1ロック部材100の第1補助ガイド特徴部122は、第3インターロックキット32cの補助部材124、例えば、補助部材124の第1ガイド部分126をブロックし、第3インターロックキット32cの補助部材124が、第1所定方向D1に移動することの防止が可能であり、これにより、第3インターロックキット32cの第2フィッティング部材36が、第1所定方向D1に第2インターロックキット32bの第1フィッティング部材34に対して相対的に移動することを防止し、第3引き出し22cが、第1所定方向D1に後退位置Rから開放されることを防止する。
【0050】
以上より、理解可能なように、第1引き出し22aが開放された場合に、第1インターロックキット32aの補助部材50は、インターロック機構40をロック状態に保持する第2補助位置Q2へ移動し、第2引き出し22bと第3引き出し22cとの開放を防止するインターロック機能を実現する。
【0051】
インターロック機能を終了させることが望まれる場合には、第1インターロックキット32aの補助部材50を、
図11及び10に示す第2補助位置Q2から
図8に示す第1補助位置Q1へ、逆に移動させる必要がある。さらに、第1引き出し22aが、第2所定方向D2、例えば後退方向に、伸長位置Eから後退位置Rに向かって変位された場合に、補助部材50は駆動されて、
図11及び10に示す第2補助位置Q2から
図8に示す第1補助位置Q1へ移動してよい。例えば、第2フィッティング部材36の第1所定部分78と補助部材50の第2所定部分80との突き当てによって、補助部材50は駆動されて、
図11及び10に示す第2補助位置Q2から
図8に示す第1補助位置Q1へ移動してよい。
図8に示すように、補助部材50が第1補助位置Q1にある場合に、補助部材50は、第1ロック部材52がロック解除位置J1へ復帰することを可能にするために、第1ロック部材52を支持しない。その上、
図8に示すように、補助部材50が第1補助位置Q1にある場合に、補助部材50は、第2ロック部材54がロック位置J2’から移動することを可能にするために、第2ロック部材54を押圧しない。換言すれば、補助部材50が第1補助位置Q1にある場合に、インターロック機能は終了する。その上、
図8に示すように、第1引き出し22aが、第2所定方向D2、例えば後退方向に、伸長位置Eから後退位置Rに向かって変位された場合に、作業部材48の支持特徴部64をベース46の曲げ部分62から係合解除し、作業部材48を第1作業位置M1へ復帰させるために、作業部材48の作業部76は駆動されて、作動部74のガイド区間102に沿って移動することができる。
【0052】
図12、13及び14に示すように、第2フィッティング部材36が、取り付け範囲の中の第2取り付け位置K2で第1引き出し22aに取り付けられた場合に、第2フィッティング部材36の作動部74は、作業部材48の作業部76に対応する他の位置にある。
図12及び13に示すように、所定の隙間Gの構成に起因し、及び/又は、高さ方向での第2フィッティング部材36の作動部74の伸長長さh1と、高さ方向での作業部材48の作業部76の伸長長さh2との差の構成に起因して、第2フィッティング部材36が、第2取り付け位置K2と異なる取り付け範囲の中の他の位置に取り付けられても、第2フィッティング部材36の作動部74は、依然として作業部材48の作業部76に対応する位置にある。
【0053】
さらに、第2フィッティング部材36が、第2取り付け位置K2で第1引き出し22aに取り付けられ、かつ第1引き出し22aが、
図12に示す後退位置Rから
図14に示す伸長位置Eに向かって、第1所定方向D1、例えば開放方向に変位された場合に、第1引き出し22aによって駆動される第2フィッティング部材36の作動部74は、作業部材48を駆動して、
図12及び13に示す第1作業位置M1から
図14に示す第2作業位置M2へ移動させるために、作業部材48の作業部76に突き当たる。これにより、作業部材48は、作業部材48の支持特徴部64をベース46の曲げ部分62に係合させるように傾斜され、補助部材50は駆動されて、インターロック機構40をロック状態に保持するために、
図12及び13に示す第1補助位置Q1から
図14に示す第2補助位置Q2へ移動する。
【0054】
第1補助位置Q1から第2補助位置Q2への補助部材50の前述の移動の間に、補助部材50は、第1ガイド部分86と第1補助ガイド特徴部88とが突き当たることによって、第1ロック部材52を駆動して、
図12に示すロック解除位置J1から
図14に示すロック位置J2へ、縦方向、例えば高さ方向Uに移動させる。
図14に示すように、補助部材50が第2補助位置Q2にある場合に、補助部材50は、第1ロック部材52をロック位置J2に保持するために第1ロック部材52を支持することができる。その上、
図14に示すように、補助部材50が第2補助位置Q2にある場合に、補助部材50は、第2ロック部材54をロック位置J2’に保持するために、第2ロック部材54を押圧することができる。さらに、
図14に示すように、第1作業位置M1から第2作業位置M2への作業部材48の前述の移動の間に、作業部材48は、作業部材48の作業部76が第2フィッティング部材36の作動部74から係合解除されるように、傾斜される。
【0055】
好ましくは、
図12に示す第1作業位置M1から
図14に示す第2作業位置M2への作業部材48の移動の間に、補助部材50は、作業部材48によって駆動され、
図12に示す第1補助位置Q1から
図14に示す第2補助位置Q2へ移動する。
【0056】
さらに、第1引き出し22aが、第2所定方向D2、例えば後退方向に、伸長位置Eから後退位置Rに向かって変位された場合に、第2フィッティング部材36の第1所定部分78と補助部材50の第2所定部分80との突き当てによって、補助部材50は第2フィッティング部材36により駆動されて、第2補助位置Q2から第1補助位置Q1へ移動してよいことに留意するものとする。さらに第2フィッティング部材36は、作業部材48を第1作業位置M1へ逆に復帰させるように、作業部材48の支持特徴部64をベース46の曲げ部分62から係合解除するために、作業部材48の別の作業部130(機能部130)に対して突き当たることができる。
【0057】
要するに、第2フィッティング部材36が取り付け範囲の中の位置、例えば、第1取り付け位置K1又は第2取り付け位置K2にある限り、所定方向D1に移動する第2フィッティング部材36は、補助部材50を駆動して、第1補助位置Q1から第2補助位置Q2へ移動させることができ、インターロック機構40をロック状態に保持する、例えば、第1ロック部材52と第2ロック部材54とをそれぞれロック位置J2,J2’に保持するようにし、インターロック機能を実現することができる。
【0058】
結論として、本発明には以下の特徴がある。
【0059】
1.家具アセンブリは、実際的な要求に応じてインターロック機能を実現するインターロックキット、例えば第1インターロックキット32aを、任意に備えることができる。
【0060】
2.第1フィッティング部材34の第1所定高さH1と、第2フィッティング部材36の第2所定高さH2との間の差により規定された所定の隙間Gの構成に起因し、及び/又は、高さ方向での第2フィッティング部材36の作動部74の伸長長さh1と、高さ方向での作業部材48の作業部76の伸長長さh2との差の構成に起因して、第1フィッティング部材34及び/又は第2フィッティング部材36に組み付け誤差がある場合であっても、本発明では、第2フィッティング部材36が取り付け範囲の中の位置、例えば第1取り付け位置K1又は第2取り付け位置K2にある限り、第1引き出し22aの開放動作中又は後退動作中に、第2フィッティング部材36を第1フィッティング部材34の空間Sの内側で移動させて、インターロック機構40の正常な動作を保証する。
【0061】
本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多数の修正及び変更がなされてよいことを、当業者であれば容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。