(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180256
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04D 19/04 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
F04D19/04 D
F04D19/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023213945
(22)【出願日】2023-12-19
(31)【優先権主張番号】23179789
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】520415627
【氏名又は名称】プファイファー・ヴァキューム・テクノロジー・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】トルステン・ゴーゴル
【テーマコード(参考)】
3H131
【Fターム(参考)】
3H131AA07
3H131BA02
3H131BA09
3H131CA04
3H131CA23
(57)【要約】
【課題】真空ポンプの軸受からポンプ作用を奏する領域内に潤滑剤が移ることを阻止する又は少なくとも低減する、真空ポンプを提供する。
【解決手段】真空ポンプ100において、ロータシャフト112と少なくとも1つの軸受142、143とを備え、ロータシャフトは、真空ポンプのロータ110のポンプ作用を奏する要素115を支持し、軸受に、ロータシャフトが回転自在に軸支されていて、軸受)を潤滑するための潤滑剤が用意されていて、ロータシャフトは、少なくとも1つの凹部212、312を有し、凹部は、ロータシャフトの軸受領域の外側に配置されていて、潤滑剤を受容するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプ(100)において、
ロータシャフト(112)と少なくとも1つの軸受(142、143)とを備え、
前記ロータシャフト(112)は、前記真空ポンプ(100)のロータ(110)のポンプ作用を奏する要素(115)を支持し、
前記軸受(142、143)に、前記ロータシャフト(112)が回転自在に軸支されていて、前記軸受(142、143)を潤滑するための潤滑剤が用意されていて、
前記ロータシャフト(112)は、少なくとも1つの凹部(212、312)を有し、前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の軸受領域の外側に配置されていて、前記潤滑剤を受容するように構成されている、真空ポンプ(100)。
【請求項2】
前記ロータシャフト(112)は、軸方向を規定する回転軸線(114)を有し、
前記ロータシャフト(112)の軸方向の端部(220、320)と少なくとも1つの前記凹部(212、312)とは、軸方向で前記軸受(142、143)のそれぞれ反対側に配置されている、請求項1に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項3】
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の外面(210、310)の傾斜及び/又は変位によって形成されている、請求項1又は2に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項4】
前記ロータシャフト(112)は、軸方向を規定する回転軸線(114)を有し、
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)が軸方向に対して直角に延在する半径方向を基準に傾斜していることによって形成されている、請求項3に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項5】
前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)と前記軸受(142、143)との間の軸方向の距離は、前記回転軸線(114)からの間隔が半径方向に減少するとき、少なくとも1つの前記凹部(212、312)に沿って増加する、請求項4に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項6】
前記ロータシャフト(112)の傾斜した前記外面(210、310)は、少なくとも部分的に平らな経過(214、314)を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項7】
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の外面(210、310)に丸み付けられた領域(216、316)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項8】
前記凹部(212、312)は、半径方向で内側の端部を有し、
前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)は、前記凹部(212、312)の内側の端部に丸みづけられた領域(216、316)を有する、請求項7に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項9】
前記真空ポンプ(100)は、2つの軸受(142、143)を有し、前記軸受(142、143)は、前記ロータシャフト(112)の互いに反対側の端部(220、320)の領域に配置されていて、前記ロータシャフト(112)をそれぞれ回転自在に軸支し、それぞれの前記軸受(142、143)を潤滑するための潤滑剤が用意されていて、
前記ロータシャフト(112)は、2つの前記軸受(142、143)の1つにそれぞれ割り当てられた少なくとも2つの凹部(212、312)を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項10】
少なくとも2つの前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)に沿って2つの前記軸受(142、143)の間に配置されている、請求項9に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項11】
前記真空ポンプ(100)の中央の吸気開口(130)が、2つの前記軸受(142、143)の間に配置されている、請求項9又は10に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項12】
前記真空ポンプ(100)の2つの排気開口(132、134)が、前記ロータシャフト(112)の2つの端部(220,320)が設けられた領域において前記2つの軸受(142、143)の間に配置されている、請求項9から11のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項13】
前記真空ポンプ(100)は、ターボ分子ポンプとして構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項14】
少なくとも1つの前記軸受(142、143)は、玉軸受として構成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項15】
少なくとも1つの前記凹部(212、312)は、潤滑剤を少なくとも1つの前記軸受(142、143)に戻すように構成された装置(230)に接続されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータシャフトと少なくとも1つの軸受とを備え、ロータシャフトは、真空ポンプのロータのポンプ作用を奏する要素を支持し、軸受にロータシャフトが回転可能に軸支されている、真空ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプを用いて真空チャンバを真空引きしようとするとき、真空ポンプは、真空チャンバに対して特定の位置に特定の空間的な姿勢で設置する必要があり得る。この位置は、例えば真空チャンバの領域に存在する構造スペースによって設定されてよい。真空ポンプが特定の回転軸線を持つロータとステータとを有するとき、これに応じて、真空ポンプをロータの水平の回転軸線を有する姿勢とロータの鉛直の回転軸線を有する姿勢との両方で、並びに場合によってはこれらの姿勢の間の別の姿勢で運転できることが必要であり得る。
【0003】
真空ポンプのロータは、一般的に、ロータシャフトを有し、ロータシャフトには軸支する部材が必要である。軸支は、例えばロータシャフトのそれぞれの端部の領域に位置する少なくとも2つの軸受箇所で行われる。主にターボ分子ポンプの高真空側で用いられる磁気軸受の他に、真空ポンプのロータシャフトを軸支するために玉軸受が使用されることが多い。というのも、玉軸受は、磁気軸受よりも安価であるからである。
【0004】
しかも、真空ポンプを運転しようとする条件においては、玉軸受の使用が可能でなければならない。これらの条件には、例えば真空チャンバ内の達成されるべき最終圧力又は最小圧力が含まれ、最終圧力又は最小圧力は、真空ポンプの特定の排気速度、ひいては特定のポンプ構造又は特定のポンプタイプに基づき、並びに真空チャンバ内の真空のオイルフリーに関する要求に基づく。玉軸受は、油などの潤滑剤で潤滑しなければならないので、真空ポンプ内で玉軸受を使用するにはある程度の制限がある。しかも、玉軸受からポンプシステムへの、すなわち真空ポンプのポンプ作用を奏する要素の領域への潤滑材の移動は、どのような場合でも真空ポンプの運転中に回避しなければならない。
【0005】
ロータの回転軸線が鉛直に向けられた真空ポンプを運転しようとして、ロータシャフトを軸支するために玉軸受がロータシャフトの上側の端部に設けられていると、潤滑剤又は油は、玉軸受からその下に位置するロータシャフトの領域に至るおそれがある。例えば、真空ポンプが停止しているとき、油が玉軸受から、ロータシャフトの、玉軸受の下に位置する平らな面上に滴下し得る。これに対して、真空ポンプを運転するために、油を玉軸受に戻すための装置、例えばリターンフェルトが設けられている。真空ポンプの運転時にロータが回転することによって、油は、ロータシャフトの平らな面から、そのようなリターンフェルトへ跳ね飛ばされ、そしてリターンフェルトの毛管作用によって玉軸受へ向けて戻される。
【0006】
しかも、真空ポンプの停止中に、油が玉軸受から、ロータシャフトの、玉軸受の下に位置する平らな面上に滴下すると、この油は、真空ポンプが再始動する際に同様にリターンフェルトに跳ね飛ばされ、平らな面から再び真空ポンプのポンプ作用を奏する領域には至らないはずである。ただし、このことは、少量の油又は他の潤滑剤でしか可能ではない。さらに、真空ポンプのスイッチオフ後に真空ポンプの空間的な姿勢が変わると、玉軸受から到来した油又は潤滑材は、不意にロータシャフトの平らな面から再び真空ポンプの内側に至り得る。したがって、ロータシャフトが鉛直の姿勢で組み込まれていて、玉軸受を有する場合、油又は潤滑剤が玉軸受の1つから真空ポンプのポンプシステムへ不意に移るという問題が起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、真空ポンプの軸受からポンプ作用を奏する領域内に潤滑剤が移ることを阻止する又は少なくとも低減する、冒頭で述べたタイプの真空ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴部に記載の構成を有する真空ポンプによって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項、明細書及び図面に記載されている。
【0009】
真空ポンプは、ロータシャフトと少なくとも1つの軸受とを有備え、ロータシャフトは、真空ポンプのロータのポンプ作用を奏する要素を支持し、軸受にロータシャフトが回転自在に軸支されている。軸受を潤滑するために、潤滑剤が用意されている。ロータシャフトは、少なくとも1つの凹部を有し、凹部は、ロータシャフトの軸受領域の外側に配置されていて、潤滑剤を受容するように構成されている。
【0010】
ロータシャフトの軸受領域は、軸受が真空ポンプ内に配置されていて、ロータシャフトを回転自在に軸支するためにロータシャフトに結合された空間領域である。軸受領域内に、例えば油などの、軸受を潤滑するための潤滑剤が存在する。凹部は、ロータシャフトの外面に配置されてよく、凹部がロータシャフトの直接の軸受領域の外側に配置されているときでも、軸受の付近の領域に位置してよい。
【0011】
ロータシャフト内の凹み又は切欠きであってよい凹部によって、例えばロータシャフトの外面に、真空ポンプの特定の組込み姿勢で、軸受から到来する潤滑剤を受容できる付加的な容積が提供される。したがって、凹部と潤滑剤を凹部の容積内に受容する性能とによって、潤滑剤が、真空ポンプの、ポンプ作用を奏する要素が位置する内室にさらに至ることが阻止される。したがって、真空ポンプの内室又は真空ポンプのポンプシステムへの望ましくない油の移動が、凹部を設けることによって阻止又は少なくとも低減される。
【0012】
一実施形態によれば、ロータシャフトは、軸方向を規定する回転軸線を有する。ロータシャフトの軸方向の端部と少なくとも1つの凹部とは、軸方向で軸受のそれぞれ反対側に配置されてよい。したがって、凹部は、この実施形態では、軸受に対して「軸方向内側」に、すなわち軸受の、ロータのポンプ作用を奏する要素に向いた側に配置されている。ロータシャフトの回転軸線が鉛直に延在するとともにロータのポンプ作用を奏する要素が軸受の下方に位置する姿勢で真空ポンプが位置決めされていると、軸方向で内側に位置する凹部は、潤滑剤がロータシャフトの軸受領域から進出するとき、潤滑剤を受容できる。したがって、鉛直方向でその下に位置するポンプ作用を奏する要素を潤滑剤の移動に対して防護できる。
【0013】
凹部は、ロータシャフトの外面の傾斜及び/又は変位によって形成されてよい。したがって、そのような凹部は、潤滑剤を受容するための付加的な容積を提供するためにわずかな手間で形成できる。さらに、ロータシャフトの外面の傾斜及び/変位によって、潤滑剤を受容するための凹部を、既存の真空ポンプの場合に後付けで形成することが可能となる。
【0014】
さらに、凹部は、ロータシャフトの外面が軸方向に対して直角に延在する半径方向を基準に傾斜していることによって形成されてよい。公知の真空ポンプは、多くの場合、半径方向に、すなわちロータの回転軸線に対して垂直に延在するロータシャフトの端面を有する。既存の真空ポンプのロータシャフトとは異なり、本実施形態で設けられた、軸方向に対するロータシャフトの外面の傾斜は、傾斜によって潤滑剤を受容するための凹部が形成されるように働く。
【0015】
そのような実施形態では、ロータシャフトの外面と軸受との間の軸方向の距離が、半径方向に回転軸線からの間隔が減少すると、少なくも1つの凹部に沿って増加し得る。換言すると、傾斜した外面は、半径方向及び軸方向で「内向き」に、すなわロータシャフトの回転軸線又は真空ポンプの内側領域へ向けて傾斜してよく、これにより、回転軸線が鉛直に向けられているとき、潤滑剤を受容するためにロータシャフトに凹みが形成される。そのような凹部の構成によって、軸受領域から進出する潤滑剤は、半径方向内向きに回転軸線の方へ移動し、ロータシャフトの端面の縁を越えてポンプ作用を奏する領域内へ移動することはない。
【0016】
したがって、ロータシャフトの外面の傾斜角は、半径方向を基準に0度よりも大きいが、90度よりははるかに小さくてよい。半径方向を基準に約10度よりも小さな傾斜角は、ロータシャフトの凹部の形態の、潤滑剤を受容するための十分に大きな容積を提供するのに十分であり得る。
【0017】
ロータシャフトの傾斜した外面は、少なくとも部分的に平らな経過を有してよい。このようにすると、凹部は、ここでも同様にわずかな手間で形成できる。さらに、凹部は、ロータシャフトの外面に設けられた丸み付けられた領域を有してよい。そのような丸み付けられた領域は、潤滑剤を受容するための凹部によって提供される容積をさらに増大できる。さらに、ロータシャフトの外面は、凹部の半径方向内側の端部に丸み付けられた領域を有してよい。そのような丸み付けられた領域は、場合によってはロータシャフトの製造を容易にできる及び/又はここでもまた凹部の容積を増大できる。
【0018】
別の一実施形態によれば、真空ポンプは、2つの軸受を有し、軸受は、ロータシャフトのそれぞれ反対側の端部の領域にそれぞれ配置されていて、ロータシャフトをそれぞれ回転自在に軸支し、この場合、それぞれの軸受を潤滑するための例えば油などの潤滑剤が用意されている。ロータシャフトは、少なくとも2つの凹部を有してよく、凹部は、2つの軸受のうちの1つにそれぞれ割り当てられている。2つの軸受は、例えばロータシャフトのそれぞれ反対側の軸方向の端部に配置されてよく、それぞれ1つの凹部が、それぞれの軸受に隣り合って又は軸受の付近に配置されてよい。
【0019】
この実施形態では、少なくとも2つの凹部のうちのそれぞれ1つが、ロータシャフトの回転軸線が鉛直に向けられているとき、凹部に割り当てられた軸受が鉛直方向で凹部の上方に位置し、したがってこの凹部が軸受領域から進出する潤滑剤を受容できるように、位置決めされてよい。このことは、真空ポンプを設置するときに付加的な柔軟性を実現する。というのも、真空ポンプを、ロータ軸線の回転軸線が鉛直のとき、回転軸線の向きが相対的に180度に回動する少なくとも2つの姿勢で設置できるからである。換言すると、これらの姿勢では、軸受のそれぞれ1つは、回転軸線の上側の軸方向端部に配置されてよく、その一方で、第2の軸受は、ロータシャフトの反対側の下側の端部に配置されていて、またその逆もいえる。
【0020】
少なくとも2つの凹部は、ロータシャフトに沿って2つの軸受の間に配置されてよい。したがって、少なくとも2つの凹部は、それぞれの軸受に対して軸方向内側に位置する。これにより、ロータシャフトの回転軸線が鉛直に向けられているとき、常に凹部のうちの1つが1つの軸受の下方に配置されていて、この軸受から進出する潤滑剤を受容できる。
【0021】
別の一実施形態によれば、真空ポンプの中央の吸気開口は、2つの軸受の間に配置されてよい。したがって、この真空ポンプは、いわゆる「ダブルフロー」ポンプとして構成されてよい。さらに、真空ポンプの2つの排気開口は、ロータシャフトの2つの端部の領域に、そして2つの軸受の間にそれぞれ配置されてよい。そのような実施形態では、ロータシャフトのそれぞれの凹部は、排気開口のうちの1つとそれぞれの軸受との間にそれぞれ配置されてよい。したがって、それぞれの凹部は、排出開口の領域に潤滑剤が移動することの阻止又は低減もできる。
【0022】
さらに、真空ポンプは、ターボ分子ポンプとして構成されていてよい。ターボ分子ポンプは高真空範囲用に設計されているので、ターボ分子ポンプのポンプ作用を奏する要素の領域への潤滑剤の移動を阻止することが特に望まれているだけではなく、このことは真空設備に使用するために必要であり得る。
【0023】
さらに、少なくとも1つの軸受は、玉軸受として構成されてよい。玉軸受は、ロータシャフト用の軸受を低コストに構成できる。
【0024】
少なくとも1つの凹部は、潤滑剤を少なくとも1つの軸受に戻すように構成された装置に機能的に接続されてよい。そのような装置は、リターンフェルトであってよく、リターンフェルトの端部は、一方では凹部の付近に、他方では軸受の付近に配置されている。したがって、潤滑剤を戻すための装置と凹部との間の機能的な接続は、潤滑剤がロータの回転時に凹部から装置の方へ、例えばリターンフェルトへ向けて跳ね飛ばされることにあってよい。したがって、そのような装置によって、進出した潤滑剤が凹部に残ることがなく、軸受領域に戻されることが実現できるので、軸受領域から進出し得るさらなる潤滑剤を受容する凹部が提供されてよい。
【0025】
以下、本発明を、例示的に有利な実施形態に基づいて、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、真空ポンプ100の概略的な断面図を示す。真空ポンプ100は、ハウジング105を有し、ハウジング105内にロータ110が配置されている。ハウジング105は、2つの部品からなり、第1の部分105ー1と第2の部分105ー2とを有する。第1の部分105-1と第2の部分105-2とは、シール106を用いながら互いに結合されている。ロータ110は、回転軸線114を有するロータシャフト112を備え、ロータシャフト112は、真空ポンプ100内で軸方向を規定する。
【0028】
ロータシャフト112は、ロータ110のポンプ作用を奏する要素を支持する。真空ポンプ100は、ターボ分子ポンプとして構成されていて、ポンプ作用を奏する要素115として動翼116とホルベック要素118とホルベックスリーブ120とを有する。
【0029】
真空ポンプ100は、中央の吸気開口130をさらに有し、吸気開口130を介して、例えば図示されていない真空チャンバから到来する圧送されるべき気体が真空ポンプ100に至る。ロータシャフト115のそれぞれの端部で軸方向の領域において、真空ポンプ100は、それぞれの排気開口132、134をさらに有し、排気開口132、134を介して、圧送されるべき気体は、真空ポンプ100から再び離反する。2つの排気開口132、134は、排気チャネル136を介して互いに接続されている。
【0030】
ポンプ作用を奏する要素115は、中央の吸気開口130の両側でほぼ対称に配置されている。これにより、圧送されるべき気体は、吸気開口130からポンプ作用を奏する要素115を介して両方の排気開口132、134へ運ばれる。したがって、真空ポンプ100は、ダブルフロー真空ポンプとも称される。
【0031】
ロータシャフト112は、ハウジング105に関して、それぞれの軸方向の端部220、320で、それぞれの玉軸受142、143に回転自在に軸支されている。第1の玉軸受142は、真空ポンプ100の駆動側とは反対側に位置する、ロータシャフト112の軸方向の端部220の付近で軸受領域に位置する。第2の玉軸受143は、ロータシャフト112を駆動する電動モータ150が設けられた、真空ポンプ100の駆動側に位置する。玉軸受142、143には、玉軸受142、143を潤滑するために、潤滑剤が用意されていて、この場合、潤滑手段として油が使用される。
【0032】
図1には、真空ポンプ100が水平の姿勢で示されていて、この場合、ロータシャフト112の回転軸線114は、水平方向に延在する。しかし、図示されていない真空チャンバに設置するとき、真空ポンプ100は、真空チャンバの周辺環境、例えば存在する構造空間に関する要求に応じて、様々な姿勢で真空チャンバに接続されてよい。したがって、真空ポンプは、その運転中、鉛直の空間的な姿勢にあってよく、この姿勢では、玉軸受142又は玉軸受143は、鉛直方向で真空ポンプ100の上側に配置されている。換言すると、ロータシャフト112の回転軸線114は、真空ポンプの100のそのような向きでは、鉛直方向に延在する。
【0033】
真空ポンプ100のそのような鉛直の向きでは、玉軸受142又は玉軸受143は、ロータシャフト112のそれぞれの軸方向の端部に設けられたそれぞれの端面210、310(
図2及び
図3も参照)の鉛直方向上方に位置する。真空ポンプ100のそのような鉛直の向きでは、さらに2つの玉軸受142、143のうちの1つが、軸方向でロータ110のポンプ作用を奏する要素115の上方に配置されている。
【0034】
図2には、玉軸受142の領域、具体的にはロータシャフト112の、
図1で左側に示された軸方向の端部220の領域が示されている。これに対して
図3では、真空ポンプ100の駆動側で、ロータシャフト112の、
図1で右側に示された軸方向の端部320の付近に位置する、軸受143の領域が拡大して示されている。
【0035】
玉軸受143の領域において、ロータシャフト112は、バランスリング330を有する(
図3参照)。バランスリング330は、真空ポンプ100を組み立てる前にロータシャフト112にプレス加工されている。したがって、バランスリング330は、ロータシャフト112の外面の一部を形成する。これにより、ロータシャフト112の端面310は、部分的にバランスリング330によって形成される。
【0036】
ロータシャフト112の回転軸線114が鉛直に延在する鉛直の空間的な姿勢に真空ポンプ100が向けられていると、油は、鉛直方向で真空ポンプ100の上側に位置する玉軸受142又は143から、この玉軸受142又は143の領域から到来し、真空ポンプのそれぞれの組込み姿勢でこの玉軸受142又は143の下方に位置する、ロータシャフト112の端面210又は310のうちの1つに滴下する。油は、とりわけ真空ポンプ100の停止時に、対応する玉軸受142、143から滴下し得る。
【0037】
真空ポンプ100を停止後に新たにスイッチオンする際に、及び真空ポンプ100の運転中に、それぞれの玉軸受142、143の領域から進出する油は、リターンフェルト230に遠心力に基づいて跳ね飛ばされる。それぞれのリターンフェルト230は、ロータシャフト112の2つの軸方向の端部220、320を取り囲み(
図1参照)、かつ複数のフェルトディスク又はフェルトリングを有する。フェルトディスク又はフェルトリングは、互いに結合されていて、そのうちのそれぞれ1つがロータシャフト112のそれぞれの端面210又は310を取り囲む。ロータシャフト112の2つの軸方向の端部220、320に設けられたリターンフェルト230の毛管作用によって、油は、再びそれぞれの玉軸受142、143の領域に戻される。しかし、油のそのような戻しガイドは、油の量が特定の値を超えないとき、及び真空ポンプ100の空間的な姿勢が真空ポンプ100をスイッチオフした後と再びスイッチオンする前とで変わらないときにだけ機能する。
【0038】
したがって、ロータシャフト112の回転軸線114が鉛直方向で床面に対して直角に延在する、真空ポンプ100の鉛直の組込み姿勢では、この組込み姿勢で、真空ポンプ100の上側でロータシャフト112の端面210、310のうちの1つの上方に位置する玉軸受142、143のうちの1つから、油が、ロータ110のポンプ作用を奏する要素115の領域に内へ移動するおそれがある。それぞれの玉軸受142、143からの油のそのような移動を低減又は完全に阻止するために、ロータシャフト112は、それぞれの端面210、310に、それぞれの凹部212(
図2参照)又は凹部312(
図3参照)を有する。凹部212、312は、真空ポンプ100が相応の鉛直の組込み姿勢で配置されているとき、その上に位置する玉軸受142、143から油を受容するための付加的な容積を提供するために設けられている。
【0039】
ロータシャフト112のそれぞれの端面210、310に凹部212,312を形成するために、それぞれの端面210、310の平らな部分214、314が、ロータシャフト112の回転軸線114に対して直角に延在する半径方向を基準に傾斜を有する。平らな部分214、314の傾斜は、回転軸線からの間隔が半径方向に減少するとき、端面210、310又は平らな部分214、314とそれぞれの玉軸受142、143との間の軸方向の距離が増加するように延在する。
【0040】
換言すると、平らな部分214、314は、半径方向内向きにロータシャフト112の回転軸線114の方に傾斜していて、平らな部分213、314のこの傾斜は、軸方向内向きにも、すなわちロータ110のポンプ作用を奏する要素115に面する方向にも延在する。したがって、真空ポンプ100がロータ110の鉛直の回転軸線114を有する空間的な姿勢にあるとき、凹部214、314は、ロータシャフト112の端面210、310に、それぞれの玉軸受142、143から油を受容するための付加的な容積を提供する凹みを形成する。
【0041】
半径方向内側の端部に、凹部212、312は、それぞれ丸み付けられた領域216、316を有する。端面310又は凹部312の丸み付けられた領域316(
図3)は、バランスリング330が半径方向内向きに丸み付けられていることによって、凸状に形成されている。丸み付けられた領域316がこのように形成されていることによって、凹部312の容積が拡大される。
【0042】
ロータシャフト112のそれぞれの軸方向の端部220又は320と端面210、310に設けられたそれぞれの凹部210、212とは、軸方向でそれぞれの玉軸受142、143の反対側に配置されている。したがって、凹部212、312は、ロータ110のポンプ作用を奏する要素115も位置する、玉軸受142、143の軸方向の内側にそれぞれ位置する。したがって、真空ポンプ100の鉛直の組込み姿勢では、常に凹部212、312のうちの1つが、この組込み姿勢で真空ポンプ100の上側に位置する対応する玉軸受142、143の下方に配置されている。
【0043】
2つの玉軸受142、143のうちのどちらが軸方向を基準として上側に配置されているにかにかかわらず、2つの凹部212、312のうちの1つが、この玉軸受の下方に位置し、これにより、真空ポンプの停止時に又は姿勢変化に際して対応する玉軸受142、143から場合によっては滴下する油を受容するための付加的な容積がそれぞれ提供される。これにより、2つの玉軸受142、143のうちの1つが真空ポンプ100の上側に位置する、真空ポンプ100の両方の鉛直の組込み姿勢において、玉軸受142、143からポンプ作用を奏する要素115の領域に油が移動することが低減又は阻止される。換言すると、これらの鉛直の組込み姿勢で油がロータシャフト112に沿って落下し、ポンプ作用を奏する要素115の領域に至ることが阻止される。というのも、この油は、事前に2つの凹部212、312のうちの1つに捕集されるからである。
【符号の説明】
【0044】
100 真空ポンプ
105 ハウジング
1051 ハウジングの第1の部分
1052 ハウジングの第2の部分
106 シール
110 ロータ
112 ロータシャフト
114 回転軸線
115 ロータのポンプ作用を奏する要素
116 動翼
118 ホルベック要素
120 ホルベックスリーブ
130 吸気開口
132 排気開口
134 排気開口
136 排気チャネル
142 玉軸受
143 玉軸受
150 電動モータ
210 ロータシャフトの端面
212 切欠き
214 平らな部分
216 丸み付けられた部分
220 ロータシャフトの軸方向の端部
230 リターンフェルト
310 ロータシャフトの端面
312 凹部
314 平らな部分
316 丸み付けられた部分
320 ロータシャフトの軸方向の端部
330 バランスリング
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプ(100)において、
ロータシャフト(112)と少なくとも1つの軸受(142、143)とを備え、
前記ロータシャフト(112)は、前記真空ポンプ(100)のロータ(110)のポンプ作用を奏する要素(115)を支持し、
前記軸受(142、143)に、前記ロータシャフト(112)が回転自在に軸支されていて、前記軸受(142、143)を潤滑するための潤滑剤が用意されていて、
前記ロータシャフト(112)は、少なくとも1つの凹部(212、312)を有し、前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の軸受領域の外側に配置されていて、前記潤滑剤を受容するように構成されている、真空ポンプ(100)。
【請求項2】
前記ロータシャフト(112)は、軸方向を規定する回転軸線(114)を有し、
前記ロータシャフト(112)の軸方向の端部(220、320)と少なくとも1つの前記凹部(212、312)とは、軸方向で前記軸受(142、143)のそれぞれ反対側に配置されている、請求項1に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項3】
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の外面(210、310)の傾斜及び/又は変位によって形成されている、請求項1に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項4】
前記ロータシャフト(112)は、軸方向を規定する回転軸線(114)を有し、
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)が軸方向に対して直角に延在する半径方向を基準に傾斜していることによって形成されている、請求項3に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項5】
前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)と前記軸受(142、143)との間の軸方向の距離は、前記回転軸線(114)からの間隔が半径方向に減少するとき、少なくとも1つの前記凹部(212、312)に沿って増加する、請求項4に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項6】
前記ロータシャフト(112)の傾斜した前記外面(210、310)は、少なくとも部分的に平らな経過(214、314)を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項7】
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の外面(210、310)に丸み付けられた領域(216、316)を有する、請求項1又は2に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項8】
前記凹部(212、312)は、半径方向で内側の端部を有し、
前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)は、前記凹部(212、312)の内側の端部に丸みづけられた領域(216、316)を有する、請求項7に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項9】
前記真空ポンプ(100)は、2つの軸受(142、143)を有し、前記軸受(142、143)は、前記ロータシャフト(112)の互いに反対側の端部(220、320)の領域に配置されていて、前記ロータシャフト(112)をそれぞれ回転自在に軸支し、それぞれの前記軸受(142、143)を潤滑するための潤滑剤が用意されていて、
前記ロータシャフト(112)は、2つの前記軸受(142、143)の1つにそれぞれ割り当てられた少なくとも2つの凹部(212、312)を有する、請求項1に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項10】
少なくとも2つの前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)に沿って2つの前記軸受(142、143)の間に配置されている、請求項9に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項11】
前記真空ポンプ(100)の中央の吸気開口(130)が、2つの前記軸受(142、143)の間に配置されている、請求項9に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項12】
前記真空ポンプ(100)の2つの排気開口(132、134)が、前記ロータシャフト(112)の2つの端部(220,320)が設けられた領域において前記2つの軸受(142、143)の間に配置されている、請求項9から11のいずれか一項に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項13】
前記真空ポンプ(100)は、ターボ分子ポンプとして構成されている、請求項1又は2に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項14】
少なくとも1つの前記軸受(142、143)は、玉軸受として構成されている、請求項1又は2に記載の真空ポンプ(100)。
【請求項15】
少なくとも1つの前記凹部(212、312)は、潤滑剤を少なくとも1つの前記軸受(142、143)に戻すように構成された装置(230)に接続されている、請求項1又は2に記載の真空ポンプ(100)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
2つの玉軸受142、143のうちのどちらが軸方向を基準として上側に配置されているにかにかかわらず、2つの凹部212、312のうちの1つが、この玉軸受の下方に位置し、これにより、真空ポンプの停止時に又は姿勢変化に際して対応する玉軸受142、143から場合によっては滴下する油を受容するための付加的な容積がそれぞれ提供される。これにより、2つの玉軸受142、143のうちの1つが真空ポンプ100の上側に位置する、真空ポンプ100の両方の鉛直の組込み姿勢において、玉軸受142、143からポンプ作用を奏する要素115の領域に油が移動することが低減又は阻止される。換言すると、これらの鉛直の組込み姿勢で油がロータシャフト112に沿って落下し、ポンプ作用を奏する要素115の領域に至ることが阻止される。というのも、この油は、事前に2つの凹部212、312のうちの1つに捕集されるからである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
真空ポンプ(100)において、
ロータシャフト(112)と少なくとも1つの軸受(142、143)とを備え、
前記ロータシャフト(112)は、前記真空ポンプ(100)のロータ(110)のポンプ作用を奏する要素(115)を支持し、
前記軸受(142、143)に、前記ロータシャフト(112)が回転自在に軸支されていて、前記軸受(142、143)を潤滑するための潤滑剤が用意されていて、
前記ロータシャフト(112)は、少なくとも1つの凹部(212、312)を有し、前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の軸受領域の外側に配置されていて、前記潤滑剤を受容するように構成されている、真空ポンプ(100)。
2.
前記ロータシャフト(112)は、軸方向を規定する回転軸線(114)を有し、
前記ロータシャフト(112)の軸方向の端部(220、320)と少なくとも1つの前記凹部(212、312)とは、軸方向で前記軸受(142、143)のそれぞれ反対側に配置されている、上記1の真空ポンプ(100)。
3.
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の外面(210、310)の傾斜及び/又は変位によって形成されている、上記1又は2の真空ポンプ(100)。
4.
前記ロータシャフト(112)は、軸方向を規定する回転軸線(114)を有し、
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)が軸方向に対して直角に延在する半径方向を基準に傾斜していることによって形成されている、上記3の真空ポンプ(100)。
5.
前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)と前記軸受(142、143)との間の軸方向の距離は、前記回転軸線(114)からの間隔が半径方向に減少するとき、少なくとも1つの前記凹部(212、312)に沿って増加する、上記4の真空ポンプ(100)。
6.
前記ロータシャフト(112)の傾斜した前記外面(210、310)は、少なくとも部分的に平らな経過(214、314)を有する、上記3から5のいずれか一つの真空ポンプ(100)。
7.
前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)の外面(210、310)に丸み付けられた領域(216、316)を有する、上記1から6のいずれか一つの真空ポンプ(100)。
8.
前記凹部(212、312)は、半径方向で内側の端部を有し、
前記ロータシャフト(112)の前記外面(210、310)は、前記凹部(212、312)の内側の端部に丸みづけられた領域(216、316)を有する、上記7の真空ポンプ(100)。
9.
前記真空ポンプ(100)は、2つの軸受(142、143)を有し、前記軸受(142、143)は、前記ロータシャフト(112)の互いに反対側の端部(220、320)の領域に配置されていて、前記ロータシャフト(112)をそれぞれ回転自在に軸支し、それぞれの前記軸受(142、143)を潤滑するための潤滑剤が用意されていて、
前記ロータシャフト(112)は、2つの前記軸受(142、143)の1つにそれぞれ割り当てられた少なくとも2つの凹部(212、312)を有する、上記1から8のいずれか一つの真空ポンプ(100)。
10.
少なくとも2つの前記凹部(212、312)は、前記ロータシャフト(112)に沿って2つの前記軸受(142、143)の間に配置されている、上記9の真空ポンプ(100)。
11.
前記真空ポンプ(100)の中央の吸気開口(130)が、2つの前記軸受(142、143)の間に配置されている、上記9又は10の真空ポンプ(100)。
12.
前記真空ポンプ(100)の2つの排気開口(132、134)が、前記ロータシャフト(112)の2つの端部(220,320)が設けられた領域において前記2つの軸受(142、143)の間に配置されている、上記9から11のいずれか一つの真空ポンプ(100)。
13.
前記真空ポンプ(100)は、ターボ分子ポンプとして構成されている、上記1から12のいずれか一つの真空ポンプ(100)。
14.
少なくとも1つの前記軸受(142、143)は、玉軸受として構成されている、上記1から13のいずれか一つの真空ポンプ(100)。
15.
少なくとも1つの前記凹部(212、312)は、潤滑剤を少なくとも1つの前記軸受(142、143)に戻すように構成された装置(230)に接続されている、上記1から14のいずれか一つの真空ポンプ(100)。
【外国語明細書】