(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180280
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】体積測定システム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/62 20170101AFI20241219BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06T7/62
G01B11/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064333
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0075920
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524141186
【氏名又は名称】ディープ-イン-サイト・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】オー、ユンソン
(72)【発明者】
【氏名】オー、キョウンスク
(72)【発明者】
【氏名】ジ、インチャン
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA53
2F065AA59
2F065BB05
2F065FF04
2F065QQ23
5L096AA09
5L096FA16
5L096FA25
5L096FA64
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物流における積載及び運送の効率を高めるために、多様なサイズの物体の重量や体積を効率よく測定できる体積測定システムのための体積測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】体積測定装置が実行する体積測定方法は、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階と、3Dセンシング部により基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得する段階と、ターゲットデプスイメージに基づきセンシング座標系に係る点群データを取得する段階と、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて前記基準面座標系に係る点群データを取得する段階と、基準面座標系に係る点群データに基づき、ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階と、を含む。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティング装置により実行される方法であって、
3Dセンシング部により、基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得する段階、ここで前記3Dセンシング部は基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する;
前記ターゲットデプスイメージに基づき、センシング座標系に係る点群データを取得する段階;及び
前記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、前記基準面座標系に係る点群データを取得する段階;
を含む、
方法。
【請求項2】
前記センシング座標系と前記基準面座標系との間の変換関係に係る情報は、回転変換マトリックス(Rotation Transformation Matrix)及び移動変換マトリックス(Translation Transformation Matrix)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記回転変換マトリックスは、前記センシング座標系に基づく基準面の単位ベクトルマトリックスであり、且つ前記移動変換マトリックスはセンシング座標系に基づく基準面と対応する点群データの中心マトリックスである、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記センシング座標系と前記基準面座標系との間の変換関係に係る情報は、下記式に基づく、
請求項3に記載の方法。
【数1】
【請求項5】
前記センシング方向に係るセンシング座標系と前記基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階;
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記センシング方向に係るセンシング座標系と前記基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階は:
前記3Dセンシング部により、前記センシング方向を基準にして基準面に係る矯正デプスイメージを取得する段階;
前記矯正デプスイメージに基づき、基準面と対応する点群データを取得する段階;
前記基準面と対応する点群データに基づき、前記基準面に係る平面の方程式を決定する段階;及び
前記基準面に係る平面の方程式に基づき、前記センシング方向に係るセンシング座標系と前記基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階;
を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基準面と対応する点群データに基づき、前記基準面に係る平面の方程式を決定する段階は:
前記基準面と対応する点群データに特異値分解(Singular Value Decomposition)を適用することで、前記平面の方程式を決定する段階;
を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基準面座標系に係る点群データは、前記ターゲットデプスイメージと対応する鳥瞰図画像(Bird-eye View Image)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基準面座標系に係る点群データに基づき、前記ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階;
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基準面座標系に係る点群データに基づき、前記ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階は:
前記ターゲットオブジェクトが直方体の形状を有する場合、前記ターゲットオブジェクトの高さを決定するために前記ターゲットオブジェクトの上面を識別する段階;
を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基準面座標系に係る点群データに基づき、前記ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階は:
前記ターゲットオブジェクトが非定型の形状を有する場合、前記基準面座標系に係る点群データに基づき、前記ターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスを決定する段階;及び
前記ターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスを用いて、前記ターゲットオブジェクトの横、縦、高さの近似値を決定する段階;
を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータープログラムを保存する非一時的なコンピューター可読保存媒体であって、前記コンピュータープログラムは、1つ以上のプロセッサーに以下の方法を実行させるための命令を含み、前記方法は:
3Dセンシング部により、基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得する段階、ここで前記3Dセンシング部は基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する;
前記ターゲットデプスイメージに基づき、センシング座標系に係る点群データを取得する段階;及び
前記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、前記基準面座標系に係る点群データを取得する段階;
を含む、
コンピュータープログラムを保存する非一時的なコンピューター可読保存媒体。
【請求項13】
体積測定装置であって、
基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する3Dセンシング部;
前記体積測定装置の外観を形成し、ターゲットオブジェクトを置くことのできる上部平面を有する台及び前記3Dセンシング部が前記上部平面の方向を向くように配置されるボディー構造体;及び
制御部;
を含み、
前記制御部は:
前記3Dセンシング部により、基準面上に位置する前記ターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得し、
前記ターゲットデプスイメージに基づき、センシング座標系に係る点群データを取得し、
前記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、前記基準面座標系に係る点群データを取得し、且つ
前記基準面座標系に係る点群データに基づき、前記ターゲットオブジェクトの体積を決定する、
体積測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体積測定システム(Volume management System、VMS)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
宅配サービスとは、個人又は企業から少量の小型貨物の輸送を依頼され、荷物の受付から包装、輸送、配達に至るまでの一切のサービスを提供する輸送サービスを意味する。最近、国内外のオンラインショップ、テレビショッピング、中古品販売サイト等を通した物品の取引が盛んに行われており、販売される物品を配送するための宅配サービスの利用が急増している。また、配送された物品を返送したり、個人間の物品交換等の目的で、個人が宅配サービスを利用する頻度もまた急増している。
【0003】
物流における積載及び運送の効率を高めるために、多様なサイズの物体の重量だけでなく、体積を効率よく測定できる体積測定システム(Volume management System、VMS)に対する需要が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2003-0062774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、前述の課題を解決するためのものであり、体積測定システムのための体積測定方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述のような課題を解決するためのコンピューティング装置により実行される方法が開示される。
【0007】
上記方法は:3Dセンシング部により、基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得する段階、ここで上記3Dセンシング部は基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する;上記ターゲットデプスイメージに基づきセンシング座標系に係る点群データを取得する段階;及び上記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、上記基準面座標系に係る点群データを取得する段階;を含むことが可能である。
【0008】
代案として、上記センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報は、回転変換マトリックス(Rotation Transformation Matrix)及び移動変換マトリックス(Translation Transformation Matrix)を含むことが可能である。
【0009】
代案として、上記回転変換マトリックスは、センシング座標系に基づく基準面の単位ベクトルマトリックスであり、且つ上記移動変換マトリックスは、センシング座標系に基づく基準面と対応する点群データの中心マトリックスであることが可能である。
【0010】
代案として、上記センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報は、下記数式に基づくものであることが可能である。
【0011】
【0012】
代案として、上記方法は:上記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階;をさらに含むことが可能である。
【0013】
代案として、上記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階は:上記3Dセンシング部により、上記センシング方向を基準にして、基準面に係る矯正デプスイメージを取得する段階;上記矯正デプスイメージに基づき、基準面と対応する点群データを取得する段階;上記基準面と対応する点群データに基づき、基準面に係る平面の方程式を決定する段階;及び上記基準面に係る平面の方程式に基づき、上記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階;を含むことが可能である。
【0014】
代案として、上記基準面と対応する点群データに基づき、基準面に係る平面の方程式を決定する段階は:上記基準面と対応する点群データに特異値分解(Singular Value Decomposition)を適用することで、上記平面の方程式を決定する段階;を含むことが可能である。
【0015】
代案として、上記基準面座標系に係る点群データは、上記ターゲットデプスイメージと対応する鳥瞰図画像(Bird-eye View Image)を含むことが可能である。
【0016】
代案として、上記方法は:上記基準面座標系に係る点群データに基づき、上記ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階;をさらに含むことが可能である。
【0017】
代案として、上記基準面座標系に係る点群データに基づき、上記ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階は:上記ターゲットオブジェクトが直方体の形状を有する場合、上記ターゲットオブジェクトの高さを決定するために上記ターゲットオブジェクトの上面を識別する段階;を含むことが可能である。
【0018】
代案として、上記基準面座標系に係る点群データに基づき、上記ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階は:上記ターゲットオブジェクトが非定型の形状を有する場合、上記基準面座標系に係る点群データに基づき、上記ターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスを決定する段階;及び上記ターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスを用いて、上記ターゲットオブジェクトの横、縦、高さの近似値を決定する段階;を含むことが可能である。
【0019】
前述のような課題を解決するためのコンピュータープログラムを保存する非一時的なコンピューター可読保存媒体が開示される。
【0020】
上記コンピュータープログラムは、1つ以上のプロセッサーに以下の方法を実行させるための命令を含み、上記方法は:3Dセンシング部により、基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得する段階、ここで上記3Dセンシング部は基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する;上記ターゲットデプスイメージに基づき、センシング座標系に係る点群データを取得する段階;及び上記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、上記基準面座標系に係る点群データを取得する段階;を含むことが可能である。
【0021】
前述のような課題を解決するための体積測定装置が開示される。
【0022】
上記装置は:基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する3Dセンシング部;上記体積測定装置の外観を形成し、ターゲットオブジェクトを置くことのできる上部平面を有する台及び上記3Dセンシング部が上記上部平面の方向を向くように配置されるボディー構造体;及び制御部;を含み、上記制御部は:上記3Dセンシング部により、基準面上に位置する上記ターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得し、上記ターゲットデプスイメージに基づき、センシング座標系に係る点群データを取得し、上記センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、上記基準面座標系に係る点群データを取得し、且つ上記基準面座標系に係る点群データに基づき、ターゲットオブジェクトの体積を決定することが可能である。
【発明の効果】
【0023】
本開示は、前述の課題を解決するためのものであり、体積測定システムのための体積測定方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の複数の実施例に基づく体積測定装置のブロック図である。
【
図2】本開示の複数の実施例に基づく、センシング方向を基準にして基準面に係る矯正デプスイメージを取得するプロセスを説明するための図面である。
【
図3】本開示の複数の実施例に基づく、基準面に該当する領域を表示した矯正デプスイメージを示す図面である。
【
図4】本開示の複数の実施例に基づく、矯正デプスイメージから取得された基準面と対応する点群データを示す図面である。
【
図5】本開示の複数の実施例に基づく、基準面に係る点群データと対応する平面の方程式により定義される平面が図示されている図面である。
【
図6】本開示の複数の実施例に基づく、センシング座標系及び基準面座標系を説明するための図面である。
【
図7】基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得する段階を説明するための図面である。
【
図8】基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する3Dセンシング部により取得された例示的なターゲットデプスイメージを示す図面である。
【
図9】センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて取得された基準面座標系に係る点群データを説明するための図面である。
【
図10】本開示の複数の実施例に基づく、体積測定方法のフローチャートである。
【
図11】本開示の実施例を具現化できる例示的なコンピューティング環境に係る簡略かつ一般的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、多様な実施例及び/又は様相を、図面を用いて開示していく。下記の説明において、説明のために、1つ以上の様相に対する全般的な理解を助けるために多数の具体的な細部事項を開示する。しかし、このような(複数の)様相は、このような具体的な細部事項がなくても実行できるということを、本開示の技術分野における通常の知識を持つ者は認知することが可能である。以下に記載及び添付されている図面は、1つ以上の様相の特定の例示的様相について詳細に記述している。しかし、これらの様相は例示的なものであり、多様な様相の原理に基づく多様な方法のうち一部が利用される場合もあり、ここに述べられている説明は、そのような様相及びそれらの均等物をすべて含むという意図を持っている。具体的に、本明細書において用いられている「実施例」、「例」、「様相」、「例示」等の用語は、ここに述べられている任意の様相又は設計が、他の様相又は設計より優れていたり、利点があると解釈されるとは限らない。
【0026】
以下、図面の符号と関係なく、同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、それに係る重複する説明は省略する。また、本明細書に開示されている実施例を説明する際、それに係る公知の技術に関する具体的な説明が、本明細書に開示されている実施例の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示されている実施例に対する理解をより容易にするためのものに過ぎず、添付の図面によって本明細書に開示されている技術的思想が制限されるわけではない。
【0027】
「第1」、「第2」等の表現が、多様なエレメントや構成要素について述べるために使われているが、これらのエレメントや構成要素がこれらの用語によって制限されるわけではない。これらの用語は、単にある1つの素子や構成要素を他の素子や構成要素と区別するために使われているだけである。従って、以下に記載される第1のエレメントや構成要素は、本発明の技術的思想の中で第2のエレメントや構成要素にもなり得る。
【0028】
別段の定義がない限り、本明細書において使われているすべての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、共通して理解できる意味で使うことが可能である。また、一般的な辞書に定義されている用語は、別段の定義がない限り、理想的に又は過度に解釈されないものとする。
【0029】
また、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、内包的な「又は」を意味するものとする。つまり、特に特定されておらず、文脈上明確ではない場合、「Xは、A又はBを利用する」は、自然な内包的置換のうち1つを意味するものとする。つまり、XがAを利用したり;XがBを利用したり;又はXがA及びBの両方を利用する場合、「XはA又はBを利用する」は、これらのいずれにも当てはまるとすることが可能である。また、本明細書における「及び/又は」という用語は、取り挙げられた複数の関連アイテムのうち、1つ以上のアイテムの可能なすべての組み合わせを指し、含むものとする。
また、述語としての「含む(含める)」及び/又は修飾語としての「含む(含める)」という用語は、当該特徴及び/又は構成要素が存在することを意味するが、1つ以上の他の特徴、構成要素及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除しないものと理解される。また、特に数が特定されていない場合や、単数を示すことが文脈上明確でない場合、本明細書と請求範囲において単数は、一般的に「1つ又はそれ以上」を意味するものと解釈すべきである。
【0030】
また、本明細書において用いられる用語「情報」と「データ」は、相互置き換えできるように使うことができる。
【0031】
構成要素(elements)又は階層について、他の構成要素又は階層に対し「の上(on)」又は「上(on)」と記されるのは、他の構成要素又は階層の直上だけを指すのではなく、その間に他の階層又は他の構成要素が介在している場合をも含む。一方、構成要素に対し「直上(directly on)」又は「真上」と記されるのは、間に他の構成要素又は階層が介在していないことを意味する。
【0032】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」等は、図面に示されているように、一つの構成要素又は他の構成要素との相関関係を容易に記述するために用いられることが可能である。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時、又は、動作時における各素子のそれぞれ異なる方向を含む用語として理解すべきである。
【0033】
例えば、図面に示されている構成要素を逆様にした場合、他の構成要素に対し「下(below)」又は「下(beneath)」と記述されている構成要素は、他の構成要素の「上(above)」に置かれることになる場合がある。従って、例示的な用語である「下」は、下と上の方向を両方含むことが可能である。構成要素は他の方向に配向されることも可能であり、従って、空間的に相対的な用語は、配向によって解釈が変わる場合がある。
【0034】
ある構成要素が他の構成要素に「繋がって」いる、「連結されて」いる、又は「接続して」いるなどと記載された場合は、当該他の構成要素に直接繋がっていたり、連結されていたり又は接続していることも可能であるが、その間に他の構成要素が介在していることも可能であると解釈すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接繋がって」いる、「直接連結されて」いる、又は「直接接続して」いるなどと記述されている場合は、その間に他の構成要素が存在しないと解釈すべきである。
【0035】
以下の説明で用いられる構成要素に係る接尾語の「モジュール」及び「部」は、明細書作成を容易にするためだけの目的で付されたり混用されているものであり、これらの接尾語自体がそれぞれ異なる特定の意味や役割を有するわけではない。
【0036】
本開示の目的及び効果、そしてそれらを達成するための技術的構成は、添付の図面とともに詳しく後述する実施例を参照することで明確になる。本開示の説明において、公知の機能又は構成に係る具体的な説明が、本開示の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳しい説明を省略する。そして後述の用語は、本開示における機能を考慮して定義された用語であり、これは利用者や運用者の意図又は慣例等によって変わることが可能である。
【0037】
しかし、本開示は、以下に開示される実施例によって限定されるものではなく、多様な形で具現化されることが可能である。ただ、これらの実施例は、本開示を完全なものにし、本開示が属する技術分野における通常の知識を持つ者に、開示の範囲を完全に理解させるために提供されるものであり、本開示は、請求項の範囲によって定義されるものである。従って、その定義は、本明細書全般において記載されている内容に基づき決められるべきである。
【0038】
添付の図面は、本明細書に開示されている実施例を理解しやすくするためのものに過ぎず、添付の図面により本明細書に開示されている技術的思想が制限されるわけではなく、本発明の思想及び技術の範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解すべきである。
図1は、本開示の複数の実施例に基づく、体積測定装置(1000)のブロック構成図である。
【0039】
図1に示す体積測定装置(1000)の構成は、簡略化された例示にすぎない。本開示の複数の実施例において、体積測定装置(1000)は、体積測定機能及びその他の機能を実行するための他の構成を含むことが可能であり、開示されている構成の一部のみが体積測定装置(1000)を構成することも可能である。
【0040】
複数の例において、体積測定装置(1000)は、体積測定システム(Volume management System、VMS)のための装置になり得る。 例えば、体積測定装置(1000)は、オブジェクトに係るデプス情報(depth information)を用いてオブジェクトの体積を測定することが可能である。複数の例において体積測定装置(1000)は、無人宅配受付装置であることが可能である。例えば、体積測定装置(1000)は、物流における積載効率や輸送効率を高めるために、多様な大きさの物体を3Dセンシング部(140)を通して感知することで、リアルタイムに物体の横、縦、高さを測定することが可能である。ただし、これに限らず、体積測定装置(1000)は、多様な装置を含むことが可能である。
【0041】
図1を参照すると、体積測定装置(1000)は、制御部(110)、保存部(120)、ネットワーク部(130)、3Dセンシング部(140)、及びボディー構造体(150)を含むことが可能である。ただし、これに限らず、体積測定装置(1000)は、その用途に応じて他の構成をさらに含むことが可能であり、開示されている構成の一部のみが体積測定装置(1000)を構成することが可能である。例えば、体積測定装置(1000)が無人宅配受付装置である場合、体積測定装置(1000)は、重量測定部、カメラ部、ユーザー入力部、ディスプレイ部、音響出力部のうち、少なくとも1つをさらに含むことが可能である。ただし、これに限らず、体積測定装置(1000)は、多様な構成を含むことが可能である。
【0042】
制御部(110)は、通常、体積測定装置(1000)の全般的な動作を処理することが可能である。制御部(110)は、体積測定装置(1000)の構成要素を通じて入力又は出力される信号、データ、情報等を処理したり、保存部(120)に保存されている応用プログラムを駆動することで、ユーザーに適切な情報又は機能を提供又は処理することが可能である。複数の例において、体積測定装置(1000)が無人宅配受付装置である場合、制御部(110)は、体積測定機能と共に宅配サービスを提供するための多様な動作を処理することが可能である。
【0043】
本開示の複数の実施例において、制御部(110)は、本開示に基づく体積測定方法を実行することが可能である。体積測定方法は、
図2乃至
図9を用いて、詳しく説明される。
【0044】
保存部(120)は、メモリー及び/又は永久保存媒体を含むことが可能である。メモリーは、フラッシュメモリータイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリー(例えばSD又はXDメモリー等)、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read-Only Memory、ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリー、磁気ディスク、光ディスクのうち、少なくとも1つのタイプの保存媒体を含むことができる。
【0045】
保存部(120)は、通常、体積測定装置(1000)の全般的な動作を処理するプロセスにおいて用いられる多様な情報を保存することが可能である。本開示の複数の実施例に基づき、保存部(120)は、体積測定方法を実行するプロセスにおいて、多様なデータを保存することが可能である。例えば、保存部(120)は、3Dセンシング部(140)によって生成されるターゲットデプスイメージ又は矯正デプスイメージを保存することが可能である。他の例において、保存部(120)は、外部から受信される多様な情報を保存することが可能である。保存部(120)に保存されたデータは、ディスプレイ部(図示は省略)にディスプレイされたり、又は、他のデバイスに転送されることが可能である。
【0046】
ネットワーク部(130)は、有線や無線等のような通信の様態を問わずに構成されることが可能であり、短距離通信網(LAN:Local Area Network)、遠距離通信網(WAN:Wide Area Network) 等の多様な通信網で構成されることができる。ネットワーク部(130)は、本開示に基づく体積測定方法を実行するプロセスにおいて、多様なデータを送受信することが可能である。ネットワーク部(130)を介して受信されたデータは、ディスプレイ部(図示は省略)にディスプレイされたり、又は、他のデバイスに転送されることが可能である。
【0047】
3Dセンシング部(140)は、デプス情報(depth information)を取得することが可能である。複数の例において、3Dセンシング部(140)は、レーザー変位センサー(プロファイラー)、ステレオカメラ(Stereo camera)、レーザー又はLIDAR距離測定カメラ、TOFカメラ/センサー、RGB-Dカメラ、構造化光カメラ、その他多様な受動的又は能動的距離感知技術のような多様な技術に基づくものであることが可能である。複数の例において、3Dセンシング部(140)は、ターゲットデプスイメージ又は矯正デプスイメージのようなデプスイメージを生成することが可能である。この場合、3Dセンシング部(140)は、画像化されたオブジェクトの点群(point cloud)データを生成することが可能である。点群データは、各点(i)が(Xi、Yi、Zi)で表現されることのできる空間における複数の3D点の集合を含むことが可能である。点群データは、オブジェクトの背面、側面、上面、下面を含む3Dオブジェクトを表現することが可能である。3D点(Xi、Yi、Zi)は、カメラがオブジェクトをとらえることのできる(visible)空間における位置を表示することが可能である。ただし、これに限らず、3Dセンシング部(140)は、多様な方式でデプス情報を取得することが可能である。
【0048】
ボディー構造体(150)は、体積測定装置(1000)の外観を形成することが可能である。体積測定装置(1000)の外観は、その用途に応じて多様な形に形成されることが可能である。そして、ボディー構造体(150)は、上述の制御部(110)、保存部(120)、ネットワーク部(130)、3Dセンシング部(140)及びその他の構成要素を備えることが可能である。ただし、これに限らず、体積測定装置(1000)は、その用途に応じて、多様な構成要素を備えることが可能である。
【0049】
本開示の複数の実施例に基づき、体積測定装置(1000)は、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有するように設置された3Dセンシング部(140)を通して取得されるデプス情報(点群データ)を用いて、基準面に置かれているオブジェクトの体積を測定することが可能である。オブジェクトに対して垂直なセンシング方向に沿ってデプス情報を取得する場合、垂直なセンシング方向に沿って取得されるデプス情報は、オブジェクトの体積を容易に決定できるように、そのままオブジェクトの高さを示す。
【0050】
ただし、3Dセンシング装置をオブジェクトに対して垂直方向に位置させるために、体積測定装置は、オブジェクトの上部に3Dセンシング装置を設置できるようにサイズが大きいか、前方に長く突き出ておりユーザーに不便を感じさせるマウントアーム(mount arm)のような要素を備える必要がある。特に、3Dセンシング装置は、測定のために最低限の離隔距離を有する必要がある。従って、測定しようとするオブジェクトの高さが高いほど、3Dセンシング装置のセンシング位置も高くならなければならない。この場合、体積測定装置は、全体的なサイズが大きくなり、設置可能な場所が限られ、製造及び設置の費用が増加するといった欠点がある。
【0051】
本開示の複数の実施例に基づき、体積測定装置(1000)は、センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、ターゲットデプスイメージから基準面座標系に係る点群データを取得することが可能である。基準面座標系に係る点群データは、オブジェクトに対して垂直方向からとらえた鳥瞰図画像(Bird-eye View Image)の形で表示されることが可能である。従って、本開示の体積測定装置(1000)は、オブジェクトに対して垂直なセンシング方向に沿ってデプス情報を取得したのと同一の効果を提供することが可能である。
【0052】
また、本開示に基づく体積測定装置(1000)において、3Dセンシング部(140)は、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有するため、測定のための最低限の離隔距離を確保するための3Dセンシング部(140)の設置位置が、垂直なセンシング方向を有するように設置される場合に比べより低くなり得る。この場合、体積測定装置(1000)は、製造費用が安く、設置が容易な小型に製作されることが可能であるという長所を有することが可能である。また、鋭角なセンシング方向を有するように設置された3Dセンシング部(140)は、垂直なセンシング方向に比べ、同一の画角においてより大きい体積のオブジェクトを感知できるという効果を提供することが可能である。結果として、本開示は、VMSソリューションに係る改善効果を提供する体積測定装置(1000)を提供することが可能である。
【0053】
以下に、
図2乃至
図9を用いて、本開示に基づく体積測定装置(1000)が体積測定方法を実行する一例を説明する。
【0054】
図2を参照すると、例示的な体積測定装置(1000)は、無人宅配受付装置であることが可能である。
図2に示すように、体積測定装置(1000)は、無人宅配受付装置の外観を形成するボディー構造体(150)を含むことが可能である。複数の例において、体積測定装置(1000)は、基準面上に位置するターゲットオブジェクトの体積を測定することが可能である。基準面は、体積測定装置(1000)によりオブジェクトの体積を測定するときに基準となる平面を意味することが可能である。言い換えると、基準面は、オブジェクトに対して高さが0である平面を意味することが可能である。
図2を参照すると、ボディー構造体(150)は、体積測定装置(1000)を地面に安定的に設置するための台(151)を含むことが可能である。台(151)は、体積を測定するターゲットオブジェクトを置くことができる上部平面を有することが可能である。この場合、ボディー構造体(150)において、3Dセンシング部(140)を、上部平面の方向を向くように配置することが可能である。この場合、体積測定装置(1000)は、台(151)の上部平面に含まれる領域をオブジェクトの体積を測定するための基準面として設定することが可能である。
【0055】
3Dセンシング部(140)は、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有することが可能である。上述のように、3Dセンシング部(140)が基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する場合、最低限の離隔距離を確保できる3Dセンシング部(140)の設置位置が低くなることが可能である。また、3Dセンシング部(140)は、同一の画角においてより大きい体積のオブジェクトを探知することが可能である。
【0056】
複数の例において、
図2に示すように、3Dセンシング部(140)は、台(151)の一側面から上部に向かって延在する支持台(152)の上段に設置されることが可能である。そして、3Dセンシング部(140)は、基準面に含まれている台(151)の上部平面の方向を向くように配置されることが可能である。この場合、3Dセンシング部(140)は、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有することが可能である。
図2を参照すると、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する3Dセンシング部(140)は、センシング方向をZ軸とするセンシング座標系で表現されるデプスイメージを取得することが可能である。言い換えると、制御部(110)は、3Dセンシング部(140)によりセンシング座標系で表現されるデプスイメージを取得することが可能である。センシング方向が基準面に対して垂直ではないため、センシング座標系に係るデプスイメージを用いて基準面上に位置するオブジェクトの高さが直接計算されることは、不可能である。従って、体積測定装置(1000)は、体積の測定のために、センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いることが可能である。
【0057】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定することが可能である。
【0058】
センシング座標系を基準面座標系に変換するために、制御部(110)は、現在のセンシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定することが可能である。現在のセンシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定するプロセスは、基準面に対する矯正(Calibration)を称されることが可能である。基準面に対する矯正は、体積測定装置(1000)を設置するとき、又は、3Dセンシング部(140)の位置が調整される場合に行われることが可能である。例示的な基準面に対する矯正は、次のようなプロセスで行われることが可能である。
【0059】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、3Dセンシング部(140)により、センシング方向を基準にして、基準面に係る矯正デプスイメージを取得することが可能である。例えば、基準面上にいかなるオブジェクトも置かれていない状態で、3Dセンシング部(140)は、画角に収まる領域のピクセルに係るデプス値を含む矯正デプスイメージを取得することが可能である。この場合、矯正デプスイメージは、センシング座標系に基づき、Z軸の値(デプス値)をxyの平面において画像化したものであることが可能である。
【0060】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、矯正デプスイメージに基づき、基準面と対応する点群データ(210)を取得することが可能である。
【0061】
矯正デプスイメージを取得した後、制御部(110)は、矯正デプスイメージにおいて基準面に該当する領域を関心領域(200)に指定することが可能である。
図3において、台(151)の上部平面における一部の領域を、基準面に該当する関心領域(200)に指定した矯正デプスイメージが図示されている。複数の例において、矯正デプスイメージにおいて関心領域(200)である基準面を指定するために、制御部(110)は、セグメンテーション(Segmentation)手法を用いることが可能である。例えば、セグメンテーション手法が用いられる場合、制御部(110)は、矯正デプスイメージにおける全てのピクセルに係る点群データを取得することが可能である。制御部(110)は、矯正デプスイメージから取得された点群データからRANSAC(RANdom SAmple consensus)手法等を用いて平面に近似した点群領域を決定することが可能である。この場合、制御部(110)は、平面に近似した点群領域を関心領域(200)として決定することが可能である。そして、制御部(110)は、平面に近似した点群領域を基準面と対応する点群データ(210)として取得することが可能である。複数の例において、体積測定装置(1000)の設置場所等により、多数の平面が検出される場合もある。この場合、制御部(110)は、3Dセンシング部(140)と最も近い平面を基準面として決定することが可能である。
図4において、矯正デプスイメージから取得された、例示的な基準面と対応する点群データ(210)が示されている。
【0062】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、基準面と対応する点群データ(210)に基づき、基準面に係る平面の方程式を決定することが可能である。
【0063】
複数の例において、変換関係に係る情報を決定するために、制御部(110)は、基準面と対応する点群データ(210)を用いて、基準面を定義する平面の方程式を決定することが可能である。制御部(110)は、複数の3次元の点を用いて平面を近似する多様なアルゴリズムを用いることが可能である。例えば、制御部(110)は、基準面と対応する点群データ(210)に、特異値分解(Singular Value Decomposition、SVD)を適用することで、基準面に係る平面の方程式を決定することが可能である。例示的なSVDのプロセスは、以下のようなものである。
【0064】
センシング座標系において表現される1つの点(point)「p」は、次のようなベクトルで表現されることが可能である。
【0065】
【0066】
【0067】
一方、N個の点を含む点群マトリックスは、以下のように定義されることが可能である。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
SVDの性質により、u1、u2、u3は、互いに直交すると共に、その大きさが1である正規直交ベクトル(orthonormal vector)であることが可能である。
【0073】
また、u1、u2、u3は、各々の点が中心を基準にしてどの方向に分布しているかを示しており、これらは順番に分散が大きい方向を向くことが可能である。つまり、u1、u2は、近似しようとする平面に置かれているベクトルであり、各々の点が最も広く分布している2本の軸を向くことが可能である。そして、u3は、点の分布が最も少ない方向であるため、u3は、近似しようとする平面の法線ベクトル(normal vector)になり得る。従って、平面の方程式において法線ベクトルに該当するA,B,Cは、以下のように求めることが可能である。
【0074】
【0075】
また、平面の方程式の性質により、Dは、以下のように計算されることが可能である。
【0076】
【0077】
従って、以下のように基準面における複数の点により近似される平面の方程式は、以下のように得られることが可能である。
【0078】
【0079】
かかるSVDのプロセスを通じて、制御部(110)は、基準面に係る平面の方程式である「Ax+By+Cz+D=0」を決定することが可能である。
図5において、基準面に係る平面の方程式により定義される平面(220)が図示されている。後述の通り、変換関係に係る情報を用いて変換された基準面座標系に係る点群データ(又は、鳥瞰図画像)は、基準面に係る平面の方程式により定義される平面(220)を基準にして、高さを示すことが可能である。言い換えると、基準面に係る平面の方程式により定義される平面(220)は、高さが0である位置を示すことが可能である。
【0080】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、基準面に係る平面の方程式に基づき、センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定することが可能である。この場合、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報は、移動変換マトリックス(Translation Transformation Matrix)及び回転変換マトリックス(Rotation Transformation Matrix)を含むことが可能である。
【0081】
具体的に説明すると、センシング座標系と基準面座標系の座標変換は、移動変換(Translation)及び回転変換(Rotation)によって行われることが可能である。回転変換を定義する回転変換マトリックスは、基準面座標系のx軸及びy軸の方向をどのような方向に決定するかによって決定されることが可能である。複数の例において、
図6を参照すると、基準面に係る点群データを構成する複数の点の分布方向をそのまま活用する場合、SVDを行うプロセスにおいて計算された基準面の単位ベクトルマトリックスUが、回転変換マトリックスとして用いられ、中心マトリックス
【0082】
【数11】
は、移動変換マトリックスとして用いられることが可能である。言い換えると、回転変換マトリックスRは、センシング座標系に基づく基準面の単位ベクトルマトリックスUであり、移動変換マトリックスtは、センシング座標系に基づく基準面と対応する点群データ(210)の中心マトリックス
【0083】
【0084】
【0085】
上述の移動変換マトリックス及び回転変換マトリックスを含むセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報は、以下の通りである。
【0086】
【0087】
上述のプロセスに沿って、センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報が決定される場合、制御部(110)は、センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、ターゲットオブジェクトに係る体積を測定することが可能である。
【0088】
以下に、
図7乃至
図9を用いて、無人宅配受付装置である体積測定装置(1000)がターゲットオブジェクトに係る体積を測定する一例が説明される。説明を容易にするために、上述の例示に基づき、制御部(110)が、無人宅配受付装置である体積測定装置(1000)の台(151)の上部平面に含まれる領域を、オブジェクトの体積を測定するための基準面に設定してから、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定したと仮定する。
【0089】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、3Dセンシング部(140)により、基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得することが可能である。この場合、3Dセンシング部(140)は、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有することが可能である。
【0090】
図7において、無人宅配受付装置である体積測定装置(1000)の台(151)の上に、ターゲットオブジェクトが置かれている状態が図示されている。この場合、制御部(110)は、基準面として設定されている体積測定装置(1000)の台(151)の上部平面に含まれる領域について、鋭角なセンシング方向を有する3Dセンシング部(140)を通じてターゲットデプスイメージを取得することが可能である。
【0091】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、ターゲットデプスイメージに基づき、センシング座標系に係る点群データを取得することが可能である。
図8は、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有する3Dセンシング部(140)により取得された例示的なターゲットデプスイメージを示めしている。
図8に示すように、ターゲットデプスイメージは、センシング座標系において、z軸の値をxy平面において画像化したものであることが可能である。制御部(110)は、ターゲットデプスイメージの全てのピクセルについて、センシング座標系に係る点群データを取得することが可能である。センシング方向が基準面に対して垂直ではないため、センシング座標系に係る点群データを用いて基準面上に位置するオブジェクトの高さがすぐに計算されることは不可能である。従って、制御部(110)は、ターゲットオブジェクトの体積測定のために、センシング方向に沿って決定されたセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いることが可能である。
【0092】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、基準面座標系に係る点群データを取得することが可能である。
【0093】
具体的に説明すると、制御部(110)は、センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、センシング座標系に係る点群データを基準面上に位置するオブジェクトの高さを計算できる状態に変換することが可能である。
図9は、センシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて変換された基準面座標系に係る点群データを示している。
図9に示すように、基準面座標系に係る点群データは、ターゲットデプスイメージと対応する鳥瞰図画像(Bird-eye View Image)を含むことが可能である。言い換えると、基準面座標系に係る点群データは、ターゲットデプスイメージを基準面に対して垂直方向に変換した画像を含むことが可能である。従って、制御部(110)は、基準面座標系に係る点群データを用いて、ターゲットオブジェクトの高さを容易に決定することが可能である。
【0094】
本開示の複数の実施例に基づき、制御部(110)は、基準面座標系に係る点群データに基づき、ターゲットオブジェクトの体積を決定することが可能である。
【0095】
上述のように、基準面座標系に係る点群データは、ターゲットデプスイメージと対応する鳥瞰図画像を含むことが可能であるため、制御部(110)は、基準面座標系に係る点群データのz軸の値を用いて、ターゲットオブジェクトの高さを決定することが可能である。また、制御部(110)は、基準面座標系に係る点群データのx軸の値及びy軸の値を用いてターゲットオブジェクトの横/縦の長さを決定することが可能である。この場合、制御部(110)は、ターゲットオブジェクトの高さ、横/縦の長さを用いてターゲットオブジェクトの体積を決定することが可能である。
【0096】
複数の例において、体積測定装置(1000)が無人宅配装置である場合、ターゲットオブジェクトは、宅配で送る一般的な荷物の形状と同様に直方体の形状を有することが可能である。ターゲットオブジェクトが直方体の形状を有する場合、制御部(110)は、ターゲットオブジェクトの高さを決定するために、ターゲットオブジェクトの上面を識別することが可能である。制御部(110)は、識別された上面のx軸の値及びy軸の値を用いて、ターゲットオブジェクトの面積を決定することが可能である。そして、制御部(110)は、識別された上面のz軸の値を用いて、ターゲットオブジェクトの高さを決定することが可能である。この場合、制御部(110)は、直方体状のターゲットオブジェクトの面積及び高さを用いて、ターゲットオブジェクトの体積を測定することが可能である。
【0097】
他の例において、ターゲットオブジェクトが非定型の形状を有することが可能である。この場合、制御部(110)は、キューブ型のバウンディングボックスを用いて、ターゲットオブジェクトの体積に係る近似値を測定することが可能である。具体的に、制御部(110)は、基準面座標系に係る点群データに基づき、ターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスを決定することが可能である。制御部(110)は、鳥瞰図の画像によって識別されるターゲットオブジェクトの長方形のバウンディング領域を用いて、ターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスの横/縦の長さを決定することが可能である。そして、制御部(110)は、長方形のバウンディング領域のz軸の値(高さの値)のうち一部を用いてキューブ型のバウンディングボックスの高さを決定することが可能である。例えば、制御部(110)は、長方形のバウンディング領域のz軸の値の最大値を用いてキューブ型のバウンディングボックスの高さを決定することが可能である。他の例において、異常値(outlier)使わないように、制御部(110)は、長方形のバウンディング領域のz軸の値の(例えば、平均値、中央値等)を用いて、キューブ型のバウンディングボックスの高さを決定することが可能である。この場合、制御部(110)は、直方体状のキューブ型のバウンディングボックスの高さ、横/縦の長さを用いて非定型の形状を有するターゲットオブジェクトの体積を近似して測定することが可能である。
【0098】
図10は、本開示の複数の実施例に基づく、体積測定方法のフローチャートである。
【0099】
本開示の複数の実施例に基づき、体積測定方法は、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階(s100)を含むことが可能である。
【0100】
代案として、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階(s100)は:3Dセンシング部により、センシング方向を基準にして基準面に係る矯正デプスイメージを取得する段階;矯正デプスイメージに基づき、基準面と対応する点群データを取得する段階;基準面と対応する点群データに基づき、基準面に係る平面の方程式を決定する段階;及び基準面に係る平面の方程式に基づき、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を決定する段階を含むことが可能である。
【0101】
代案として、基準面と対応する点群データに基づき、基準面に係る平面の方程式を決定する段階は:基準面と対応する点群データに特異値分解(Singular Value Decomposition)を適用することで、平面の方程式を決定する段階を含むことが可能である。
【0102】
本開示の複数の実施例に基づき、体積測定方法は、3Dセンシング部により、基準面上に位置するターゲットオブジェクトに係るターゲットデプスイメージを取得する段階(s200)を含むことが可能である。この場合、3Dセンシング部は、基準面に対して鋭角なセンシング方向を有することが可能である。
【0103】
本開示の複数の実施例に基づき、体積測定方法は、ターゲットデプスイメージに基づき、センシング座標系に係る点群データを取得する段階(s300)を含むことが可能である。
【0104】
本開示の複数の実施例に基づき、体積測定方法は、センシング方向に係るセンシング座標系と基準面座標系との間の変換関係に係る情報を用いて、基準面座標系に係る点群データを取得する段階(s400)を含むことが可能である。
【0105】
本開示の複数の実施例に基づき、体積測定方法は、基準面座標系に係る点群データに基づき、ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階(s500)を含むことが可能である。
【0106】
代案として、基準面座標系に係る点群データに基づき、ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階(s500)は:ターゲットオブジェクトが直方体の形状を有する場合、ターゲットオブジェクトの高さを決定するためにターゲットオブジェクトの上面を識別する段階を含むことが可能である。
【0107】
代案として、基準面座標系に係る点群データに基づき、上記ターゲットオブジェクトの体積を決定する段階(s500)は:ターゲットオブジェクトが非定型の形状を有する場合、基準面座標系に係る点群データに基づき、ターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスを決定する段階;及びターゲットオブジェクトのキューブ型のバウンディングボックスを用いて、ターゲットオブジェクトの横、縦、高さの近似値を決定する段階を含むことが可能である。
【0108】
本開示における複数の実施例に基づき説明した前述の段階は、説明のために示されているものに過ぎず、一部の段階が省略されたり、他の段階が追加されることが可能である。また、前述の段階は、任意の順番に沿って実行されることが可能である。
【0109】
図11は、本開示の実施例を具現化できる例示的なコンピューティング環境に係る簡略かつ一般的な概略図である。
【0110】
本開示が一般的にコンピューティング装置により具現化されることが可能であると前述されているが、当業者であれば、本開示が1つ以上のコンピューター上で実行されることのできるコンピューター実行可能命令及び/又はその他のプログラムモジュールとの結合及び/又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして具現化されることが可能であるということをよく理解できるだろう。
【0111】
一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり特定の抽象的なデータ類型を実装するルーティン、プログラム、コンポーネント、データ構造、その他等々を含む。また、当業者なら、本開示の方法が、シングルプロセッサー又はマルチプロセッサーのコンピューターシステム、ミニコンピューター、メインフレームコンピューターはもちろん、パーソナルコンピューター、ハンドヘルド(handheld)コンピューティング装置、マイクロプロセッサー基盤の家電製品、又はプログラム可能な家電製品、その他等々(これらは、いずれも1つ以上の関連する装置と繋がって動作することができる)をはじめとする、他のコンピューターシステムの構成によって実施されることが可能であることをよく理解できる。
【0112】
さらに、本開示において説明された実施例は、あるタスクが通信ネットワークを通じて繋がっている遠隔処理装置によって実行される、分散コンピューティング環境で実施されることが可能である。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルと遠隔メモリー保存装置との両方に位置することが可能である。
【0113】
コンピューターは、通常、多様なコンピューター可読媒体を含む。コンピューターによってアクセス可能な媒体は、いずれもコンピューター可読媒体になり得るが、このようなコンピューター可読媒体は、揮発性及び非揮発性媒体、一時的(transitory)及び非一時的(non-transitory)媒体、移動式及び非移動式媒体を含む。制限ではなく例として、コンピューター可読媒体は、コンピューター可読保存媒体及びコンピューター可読伝送媒体を含むことが可能である。コンピューター可読保存媒体は、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータのような情報を保存する任意の方法又は技術により実装される揮発性及び非揮発性媒体、一時的及び非一時的媒体、移動式及び非移動式媒体を含む。コンピューター可読保存媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリー又はその他のメモリー技術、CD-ROM、DVD(digital video disk)又はその他の光ディスク保存装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク保存装置又はその他の磁気保存装置、又はコンピューターによってアクセスでき、情報を保存するために使われることのできる任意のその他の媒体を含むが、これに限定されない。
【0114】
コンピューター可読伝送媒体は、通常、搬送波(carrier wave)又はその他の伝送メカニズム(transport mechanism)のような被変調データ信号(modulated data signal)に、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータ等を実装し、すべての情報伝達媒体を含む。被変調データ信号という用語は、信号の中に情報をエンコードするように、その信号の特性のうち1つ以上を設定又は変更した信号を意味する。制限ではなく例として、コンピューター可読伝送媒体は、有線ネットワーク又は直接配線接続(direct-wired connection)のような有線媒体、そして音響、RF、赤外線、その他の無線媒体のような無線媒体を含む。上述の媒体のうち、任意のものによる組み合わせも、コンピューター可読伝送媒体の範疇に入るものとする。
【0115】
コンピューター(1102)を含む本開示の多様な側面を具現化する例示的な環境(1100)が示されており、コンピューター(1102)は、処理装置(1104)、システムメモリー(1106)及びシステムバス(1108)を含む。システムバス(1108)は、システムメモリー(1106)(これに限定されない)をはじめとするシステムコンポーネントを処理装置(1104)につなげる。処理装置(1104)は、多様な商用のプロセッサーのうち、いずれかのプロセッサーになり得る。デュアルプロセッサーやその他のマルチプロセッサーアーキテクチャも、処理装置(1104)として利用されることが可能である。
【0116】
システムバス(1108)は、メモリーバス、周辺装置バス、及び多様な商用のバスアーキテクチャのうち、いずれかを使用するローカルバスに、さらに相互連結できる複数の類型のバス構造のうち、いずれかになり得る。システムメモリー(1106)は、読み取り専用メモリー(ROM)(1110)やランダムアクセスメモリー(RAM)(1112)を含む。基本的な入出力システム(BIOS)は、ROM、EPROM、EEPROM等の非揮発性メモリー(1110)に保存され、このBIOSは、起動中の時等にコンピューター(1102)の中の複数の構成要素間の情報のやりとりをサポートする基本的なルーティンを含む。RAM(1112)は、またデータをキャッシュするための静的RAM等の高速RAMを含むことが可能である。
【0117】
コンピューター(1102)は、また、内蔵型ハードディスクドライブ(HDD)(1114)(例えば、EIDE、SATA)―この内蔵型ハードディスクドライブ(1114)は、適切なシャシー(図示は省略)の中において外付け型として使用することが可能である―、磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)(1116)(例えば、移動式ディスケット(1118)から読み取ったり、それに書き込むためのものである)及び光ディスクドライブ(1120)(例えば、CD-ROMディスク(1122)を読み取ったり、DVD等のその他の高容量光媒体から読み取ったり、それに書き込むためのものである)を含む。ハードディスクドライブ(1114)、磁気ディスクドライブ(1116)及び光ディスクドライブ(1120)は、それぞれハードディスクドライブインターフェース(1124)、磁気ディスクドライブインターフェース(1126)及び光ドライブインターフェース(1128)によってシステムバス(1108)に繋がることが可能である。外付け型ドライブの実装のためのインターフェース(1124)は、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394インターフェース技術のうち、少なくとも1つ又はその両方を含む。
【0118】
これらのドライブ及びこれらに係るコンピューター可読媒体は、データ、データ構造、コンピューターで実行可能な命令、その他等々に対する非揮発性保存を提供する。コンピューター(1102)の場合、ドライブ及び媒体は、任意のデータを適切なデジタル形式に保存することに対応する。前述のコンピューター可読保存媒体に係る説明において、HDD、移動式磁気ディスク及びCD又はDVD等の移動式光媒体について触れているが、当業者にとって、ジップドライブ(zip drive)、磁気カセット、フラッシュメモリーカード、カートリッジ、その他等々のコンピューターにより読み取り可能な他の類型の保存媒体も、例示的な運営環境において用いられることが可能であり、さらに、このような媒体のうち任意のある媒体が、本開示の方法を実行するためのコンピューターで実行可能な命令を含むことが可能であることは自明である。
【0119】
運営システム(1130)、1つ以上のアプリケーションプログラム(1132)、その他のプログラムモジュール(1134)及びプログラムデータ(1136)をはじめとする多数のプログラムモジュールが、ドライブ及びRAM(1112)に保存されることが可能である。運営システム、アプリケーション、モジュール及び/又はデータの全部又はその一部分がまたRAM(1112)にキャッシュされることが可能である。本開示が、商業的に利用可能な様々な運営システム又は複数の運営システムの組み合わせにより実装されることが可能であることは自明である。
【0120】
ユーザーは、1つ以上の有線・無線の入力装置、例えば、キーボード(1138)及びマウス(1140)等のポインティング装置を通じて、コンピューター(1102)に命令及び情報を入力することが可能である。その他の入力装置(図示は省略)としては、マイク、IRリモコン、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン、その他等々があり得る。これら及びその他の入力装置が、システムバス(1108)に繋がっている入力装置インターフェース(1142)を通じて処理装置(1104)に繋がる場合が多いが、並列ポート、IEEE1394直列ポート、ゲームポート、USBポート、IRインターフェース、その他等々のその他のインターフェースによって繋がることが可能である。
【0121】
モニター(1144)又は他の類型のディスプレイ装置も、ビデオアダプター(1146)等のインターフェースを通じてシステムバス(1108)に繋がる。モニター(1144)に加えて、コンピューターは一般的にスピーカー、プリンター、その他等々のその他の周辺出力装置(図示は省略)を含む。
【0122】
コンピューター(1102)は、有線及び/又は無線通信による、(複数の)遠隔コンピューター(1148)等の1つ以上の遠隔コンピューターへの論理的接続を利用し、ネットワーク化された環境で動作することが可能である。(複数の)遠隔コンピューター(1148)は、ワークステーション、コンピューティングデバイスコンピューター、ルーター、パーソナルコンピューター、携帯用コンピューター、マイクロプロセッサー基盤の娯楽機器、ピア装置又はその他の通常のネットワークノードであることが可能であり、一般的にコンピューター(1102)に関連付けて述べられた構成要素のうち、多数又はその全部を含むが、簡略化のために、メモリー保存装置(1150)のみ図示されている。図示されている論理的接続は、近距離通信網(LAN)(1152)及び/又は、より大きいネットワーク、例えば、遠距離通信網(WAN)(1154)への有線又は無線の接続を含む。このようなLAN及びWANのネットワーキング環境は、オフィスや会社では一般的なものであり、イントラネット等の全社的コンピューターネットワーク(enterprise-wide computer network)を容易にし、これらはすべて世界中のコンピューターネットワーク、例えば、インターネットに繋がることが可能である。
【0123】
LANネットワーキング環境で使われるとき、コンピューター(1102)は、有線及び/又は無線通信ネットワークインターフェース、又は、アダプター(1156)を通じてローカルネットワーク(1152)に繋がる。アダプター(1156)は、LAN(1152)への有線又は無線通信を容易にすることができ、このLAN(1152)は、また無線アダプター(1156)と通信するためにそれに設置されている無線アクセスポイントを含む。WANネットワーキング環境で使われるとき、コンピューター(1102)は、モデム(1158)を含むことが可能であり、又はWAN(1154)における通信コンピューティングデバイスに繋がったり、又はインターネットを通じる等、WAN(1154)を通じて通信を設定するその他の手段を有する。内蔵型又は外付け型、そして、有線又は無線装置になり得るモデム(1158)は、直列ポートインターフェース(1142)を通じて、システムバス(1108)に繋がる。ネットワーク化された環境において、コンピューター(1102)について説明されたプログラムモジュール又はその一部分が、遠隔メモリー/保存装置(1150)に保存されることができる。図示されているネットワーク接続は、例示的なものであり、複数のコンピューター間で通信リンクを設定する他の手段が用いられることも可能であるということは自明である。
【0124】
コンピューター(1102)は、無線通信で配置されて動作する任意の無線装置又はユニット、例えば、プリンター、スキャナー、デスクトップ及び/又は携帯用コンピューター、PDA(portable data assistant)、通信衛星、無線で検出可能なタグに係る任意の装備又は場所及び電話と通信する動作をする。これは、少なくとも、Wi-Fi及びブルートゥース(登録商標)無線技術を含む。従って、通信は、従来のネットワークのように、予め定義された構造であったり、単純なケースとして少なくとも2つの装置間のアドホック通信(ad hoc communication)になり得る。
【0125】
Wi-Fi(Wireless Fidelity)は、有線で繋がっていなくても、インターネット等への接続を可能にする。Wi-Fiはこのような装置、例えば、コンピューターが室内外を問わず、つまり基地局の通話圏内のどこからでも、データを送受信できるようにする、セル電話のような無線技術である。Wi-Fiネットワークは、安全で信頼性があり、高速の無線接続を提供するためにIEEE802.11(a、b、g、その他)という無線技術を用いる。コンピューターを互いに、インターネット及び有線ネットワーク(IEEE802.3又はイーサネットを使う)に接続させるために、Wi-Fiが利用されることが可能である。Wi-Fiネットワークは、非認可2.4や5GHzの無線帯域において、例えば、11Mbps(802.11a)又は54Mbps(802.11b)のデータレートで動作したり、両帯域(デュエル帯域)を含む製品において動作することが可能である。
【0126】
本開示の技術分野における通常の知識を持つ者は、情報及び信号が、任意の多様な相異なる技術及び手法を利用して表現されることができるということを理解することが可能である。例えば、上記の説明において参照できるデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁気波、磁場又は粒子、光学場又は粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表現されることが可能である。
【0127】
本開示の技術分野において通常の知識を持つ者は、ここに開示されている実施例に係る説明において取り挙げられた多様な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサー、手段、回路及びアルゴリズム段階が、電子ハードウェア、(説明の便宜上、ここでは「ソフトウェア」と称する)多様な形のプログラム又は、設計コード、又はこれらすべての結合によって具現化されることができるということを理解することが可能である。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互互換性を明確に説明するために、多様な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び段階について、これらの機能に着目して上記で一般的に説明した。このような機能がハードウェアやソフトウェアとして実装されるかどうかは、特定のアプリケーション及び全体システムに対して加えられる設計上の制限によって決定される。本開示の技術分野において通常の知識を持つ者は、個々の特定のアプリケーションについて多様な方法で説明された機能を具現化することができるが、このような具現化の決定は、本開示の範囲を逸脱するものと解釈すべきではない。
【0128】
ここに示されている多様な実施例は、方法、装置、又は標準プログラミング及び/又はエンジニアリング技術を使った製造物品(article)によって実現されることが可能である。用語として、「製造物品」は、任意のコンピューターで読み取り可能な装置からアクセス可能なコンピュータープログラム、キャリアー、又は媒体(media)を含む。例えば、コンピューターで読み取り可能な保存媒体は、磁気保存装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ等)、光学ディスク(例えば、CD、DVD等)、スマートカード及びフラッシュメモリー装置(例えば、EEPROM、カード、スティック、キードライブ等)を含むが、これらに限定されるわけではない。また、ここに示されている多様な保存媒体は、情報を保存するための1つ以上の装置及び/又は他の機械で読み取り可能な媒体を含む。
【0129】
ここに示されたプロセスにおける複数の段階の特定の順番又は階層構造は、例示的なアプローチの一例であることを理解されたい。設計上の優先順位に基づき、本開示の範囲内で、プロセスにおける段階の特定の順番又は階層構造が再配列されることができることを理解されたい。添付の方法請求項は、サンプルとしての順番で、多様な段階のエレメントを提供するが、示された特定の順番又は階層構造に限定されることを意味するわけではない。
【0130】
ここに示された実施例に関する説明は、任意の本開示の技術分野において通常の知識を持つ者が、本開示を利用したり又は実施できるように提供される。このような実施例に対する多様な変形は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者には明確に理解できるものであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用されることが可能である。従って、本開示はここに示す実施例によって限定されるものではなく、ここに示す原理及び新規な特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。