(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180287
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】腕時計の時計ムーブメントのための巻き上げデバイス
(51)【国際特許分類】
G04D 7/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G04D7/02
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024069700
(22)【出願日】2024-04-23
(31)【優先権主張番号】23179858.8
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ボーン、 ジャン-ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ファブレ、 ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、 セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ヒノー、 バプティスト
(57)【要約】 (修正有)
【課題】腕時計の位置決めを簡略化可能な時計ムーブメントの巻き上げる装置を提供する。
【解決手段】腕時計20の時計ムーブメントを巻き上げる装置10であって、腕時計20の巻き上げ部材を回転させるように意図された駆動部材に運動学的に接続されたモーター14を制御するように構成された電子モジュール13を含み、装置10は、腕時計20のブレスレットのストランド21を受容するように意図された凹部118を形成するように互いから一定距離に配列された中心要素110と少なくとも一つの側部要素111とを有する本体によって形成された腕時計20のための支持体11を含むことを特徴とし、中心要素110及び側部要素111は、ストランド21が凹部118に保持されることを保証するべく、相対する力をストランド21に加えるように適合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計(20)の時計ムーブメントを巻き上げる装置(10)であって、
前記腕時計(20)の巻き上げ部材を回転させるように意図された駆動部材に運動学的に接続されたモーター(14)を制御するように構成された電子モジュール(13)を含み、
前記装置(10)は、中心要素(110)と2つの側部要素(111)とを有する本体によって形成された前記腕時計(20)のための支持体(11)を含み、
前記中心要素(110)は、前記腕時計(20)のブレスレットのストランド(21)をそれぞれが受容するように意図された2つの凹部(118)を形成するように前記中心要素(110)に対して配列された前記2つの側部要素(111)間に介在され、
前記中心要素(110)及び前記側部要素(111)は、前記凹み(118)に保持されることを保証するべく相対する力を前記ストランド(21)に加えるように適合され、
前記中心要素(110)は、「前端」(115)と称される一端の反対側に、「後端」(114)と称される一端を有し、
前記前端(115)は、前記側部要素(111)の2つの対向端の間に配列され、支承対象の前記腕時計(20)のケース(22)を受容するように意図され、
前記後端(114)は前記前端(115)よりも、圧縮されたときの大きな弾性変形能力を有する、装置(10)。
【請求項2】
前記凹部(118)は、凹状断面を有する前記側部要素(111)の内側フランク(112)と、凸状断面を有する前記中心要素(110)の外側フランク(113)とによって画定される、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記ベース(12)の固定部分(121)によって形成されるクレードルに配列された前記ベース(12)の可動部分(120)によって形成され、
前記固定部分(121)は、前記電子モジュール(13)及び前記モーター(14)が収容される内部容積を有し、
前記ベース(12)の可動部分(120)は、往復回転運動で駆動されるように前記モーター(14)に接続される、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記駆動部材は、前記腕時計(20)の巻き上げボタンを、その時計ムーブメントを巻き上げるべく回転させるように意図された接続部材(122)によって形成される、請求項1に記載の装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計製造の技術分野に関し、詳しくは、腕時計の時計ムーブメントを巻き上げる装置に関する。
【0002】
巻き上げデバイスは、機械的時計ムーブメントを巻き上げるように設計される。
【背景技術】
【0003】
時計ムーブメントを巻き上げるデバイスは、腕時計がユーザによって装着されていない場合であってもムーブメントを動作させ続ける。この目的に向けて、これらのデバイスは、巻き上げ中、腕時計にフィットされる時計ムーブメントのタイプに応じて、主ゼンマイを締めるべく巻き上げボタン又は振動おもりに作用する。詳しくは、特許文献1に記載されるように巻き上げボタンが、この目的のために設けられた把持部材によって回転駆動され、又は特許文献2に記載されるように腕時計ケースが、振動おもりを枢動させるべく回転駆動される。
【0004】
先行技術における巻き上げデバイスすべてによれば、ムーブメントが巻き上げられようとする腕時計を、巻き上げ中に腕時計が所定位置に保持されることを保証するように、この目的のために設けられた支持体に置く必要がある。この操作は典型的に、ユーザにとって比較的面倒である。
【0005】
これを行うには、典型的に「クッション」と称される取り外し可能な支持体を、ユーザがデバイスにおけるベッドから抜き出し、次に腕時計を操作してそのブレスレットを支持体まわりに閉じて張力がかかるようにし、次に腕時計によって包囲された支持体をベッドに戻さなければならない。
【0006】
既存の巻上げデバイスのもう一つの欠点は、支持体が、すべての腕時計ブレスレット長さには適応していないことであり、これは特に折りたたみ式の留め具を有するブレスレットにとって有害となる。詳しくは、ブレスレットが短すぎると、支持体まわりに閉じることができず、ブレスレットが長すぎると、支持体によって引っ張られないので時計が一定位置に保持されない。
【0007】
本発明の目的は、巻き上げデバイスにおける腕時計の位置決めを簡略化することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、支持体が、ブレスレット長さにかかわらずいずれの腕時計にも容易に適合されてブレスレットが引っ張られ得ることを許容することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1220061号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1489470号明細書
【発明の概要】
【0010】
この目的に向けて、本発明は、腕時計の時計ムーブメントを巻き上げる装置に関し、この装置は電子モジュールを含み、この電子モジュールは、腕時計の巻上げ部材を回転させるように意図された駆動部材に運動学的に接続されたモーターを制御するように構成される。この装置は、駆動部材に接続された腕時計のための支持体を含み、この支持体は、腕時計のブレスレットのストランドを受容するように意図された凹部を形成するべく、互いから一定距離に配列された中心要素と少なくとも一つの側部要素とを有する本体によって形成され、当該中心要素及び当該側部要素は、当該ストランドが当該凹部に保持されることを保証するべく、相対する力を当該ストランドに加えるように適合される。
【0011】
特定実施形態において、本発明はさらに、単独で又は技術的に可能な任意の組み合わせで、以下の特徴のうちの一以上を含んでよい。
【0012】
特定実施形態において、凹部は、側部要素の内側フランクによって画定され、この内側フランクは凹状断面を有し、中心要素の外側フランクによって画定され、この外側フランクは凸状断面を有する。
【0013】
特定実施形態において、中心要素は2つの側部要素の間に介在される。これら2つの側部要素は、腕時計のブレスレットの一つのストランドをそれぞれが受容するように意図された2つの凹部を形成するように、中心要素に対して配列される。中心要素及び側部要素は、当該ストランドを当該凹部に保持するように、当該ストランドに摩擦力を加えるように適合される。
【0014】
特定実施形態において、中心要素は、「前端」と称される一端の反対側に、「後端」と称される一端を有し、中心要素の前端は、側部要素の2つの対向端の間に配列され、支承対象の腕時計ケースを受容するように意図される。
【0015】
特定実施形態において、後端は前端よりも、圧縮されたときの大きな弾性変形能力を有する。
【0016】
特定実施形態において、装置は、支持体が配列されるベースを含み、中心要素は、後端を形成するストッパを有する。ストッパが、ベースに取り外し可能に取り付けられて少なくとも2つの離散的な位置を占めるように構成される。これらの離散的な位置のそれぞれにおいて、ストッパは前端から異なる距離で配列される。
【0017】
特定実施形態において、駆動部材は、クレードルに配列されたベースの可動部分によって形成される。クレードルは、ベースの固定部分によって形成される。固定部分は、電子モジュール及びモーターが収容される内部容積を有し、ベースの可動部分は、往復回転運動で駆動されるようにモーターに接続される。
【0018】
特定実施形態において、駆動部材は、腕時計の巻き上げボタンを、その時計ムーブメントを巻き上げるべく回転させるように意図された接続部材によって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の他の特徴及び利点が、添付図面を参照する以下の詳細な説明から明らかになる。この説明は、例示により与えられ、決して限定とはならない。
【0020】
【
図1】本発明の好ましい実施形態に係る腕時計の時計ムーブメントを巻き上げる装置と、この装置に挿入された腕時計との斜視図を概略的に示す。
【
図2】
図1の装置の支持体の上面図を概略的に示す。この支持体は、圧縮されると、前端よりも弾性変形する能力が高い後端を有する中心要素を含み、後端は静止位置にある。
【
図3】
図2に示される支持体の上面図を概略的に示す。後端は、支持体に配列された腕時計のブレスレットにより応力を受けている。
【
図4】
図1に示される装置の斜視図を示す。支持体が、中心要素のためのストッパを締結する複数の孔を含むベースに配列される。
【
図5】
図4の装置の斜視図を示す。ストッパが、ベースにおける複数の孔のうちの一つに締結されている。
【
図6】
図1に示される装置の正面図を概略的に示す。ベースは、当該ベースの固定部分のクレードルにおいて回転可能となるように配列された可動部分を含む。
【
図7】本発明の他実施形態に係る装置の正面図を概略的に示す。この装置は、腕時計の巻き上げボタンを回転させるように意図された接続部材を含む。
【0021】
なお、明確性を理由として図面は必ずしも縮尺どおりには描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、好ましい実施例が
図1から
図6に示される腕時計20の時計ムーブメントを巻き上げる装置10に関する。
【0023】
図示のように、装置10は、腕時計20のための支持体11を含む。この支持体11はベース12に締結され、巻き上げ対象の時計ムーブメントを有する時計20を保持するように意図される。支持体11は、腕時計20のブレスレットのストランド21を受容する凹部118を形成するべく、互いから一定距離に配列された中心要素110と少なくとも一つの側部要素111とを有する本体によって形成される。すなわち、凹部118は、凹部118の背面を構成するベース12から、挿入開口まで延びる。腕時計20を支持体11に固定するべく、この挿入開口を通るようにストランド21が係合されることが意図される。
【0024】
詳しくは、中心要素110と側部要素111とが、当該ストランド21が当該凹部118に確実にクランプされるように、相対する力を当該ストランド21に加えるように適合される。これらの力は、
図3において矢印で示される。換言すれば、ストランド21は、クランプ力を受けることから生じる摩擦力によって、凹部118に、ひいては支持体11に保持される。
【0025】
凹部118は、より正確には、側部要素111の内側フランク112と中心要素110の外側フランク113とによって画定される。本発明の好ましい実施例において、特に
図2及び
図3に示されるように、側部要素111の内側フランク112は凹状断面を有し、中心要素110の外側フランク113は凸状断面を有する。この配列は、凹部118に係合したストランド21に多くの摩擦を生じさせるので、支持体11における一定位置に腕時計20を良好に保持するのに役立つ。
【0026】
側部要素111は、ストランド21が受けるように意図される力が分散されるべく凹部118の断面が一定となるように、中心要素110から一規定距離をおいて配列されるか、又は、当該ストランド21に応力の集中を引き起こすべく凹部118の断面の減少を局所的に生じさせるように、側部要素111と中心要素110との間の距離が最小となる局所ゾーンを生じさせるように配列される。
【0027】
好ましくは、中心要素110は、
図1から
図7に示されるように、腕時計20のブレスレットの2つの対向するストランド21を一定位置に保持するように、2つの側部要素111間に介在される。
【0028】
図1には、特に、腕時計20を支持体11に締結するべく、ストランド21挿入のための開口を通って凹部118に腕時計20のストランド21が係合する方向が矢印で示される。
【0029】
中心要素110は、好ましくは、卵形断面を有して2端間に延びる。これら2端は、一方が「後端」114と称され、「前端」115と称される他方よりも狭い形状を有する。前端115は、
図1及び
図3から
図7に示されるように、腕時計20のケース22、特にケース22の背面を支持するように意図される。
【0030】
有利なことに、
図1及び
図3から
図7に見られるように、腕時計20のケース22は、側部要素111の2つの対向端を分離する空間に静止するように意図される。この特徴により、ユーザは、現在時刻のような時間値を示す腕時計20の表示部材23をいつでも観察することができる。
【0031】
図2及び
図3に示される本発明の実施例において、後端114は前端115よりも、圧縮されたときの大きな弾性変形能力を有する。
【0032】
詳しくは、中心要素110の後端114は比較的高い弾性変形能力を有し、前端115は実質的に非変形性である。説明のために、
図2は、後端114を概略的に示し、
図3は、腕時計20のブレスレットからの圧縮応力を受けた位置にある後端114を概略的に示す。この実施例における本発明の特徴のおかげで、支持体11への時計20の設置が非常に容易となり、中心要素110は腕時計20のブレスレットの任意の寸法に適合され得る。
【0033】
詳しくは、腕時計20を支持体11に設置するべく必要なことは、
図3に示されるように、腕時計20のブレスレットを閉じ、次に中心要素110の後端114をブレスレットで圧縮し、腕時計20のケース22を中心要素110の前端115に対して静止させるように、ストランド21を各凹部118に係合させることだけである。かかる操作は、有利なことに、片手のみで行うことができる。すなわち、腕時計20は、ストランド21が受ける摩擦力と、静止位置に戻る傾向がある後端114によるブレスレットに生じる弾力的な戻り力とによって保持される。
【0034】
側部要素111及び中心要素110によって画定された凹部118のおかげで、
図1に示されるように、腕時計20のブレスレットを開いたままにすることも可能であり、この場合、腕時計20は、ストランド21が受ける摩擦力によってのみ保持される。
【0035】
代替的に、
図4及び
図5に示される本発明の実施例において、中心要素110は、後端114を形成するストッパ116を含んでよい。このストッパ116は、少なくとも2つの離散的な位置を占めるようにベース12に取り外し可能に締結されるように構成される。これらの離散位置のうちの一位置は、他位置よりも前端115から離れている。すなわち、支持体11、特に中心要素110を、腕時計20のブレスレットの任意の寸法に適合させることができる。
【0036】
図5に示される特定実施形態において、ストッパ116は、延長結び材117を介して、前端115を含む中心要素110の固定部分に接続される。延長結び材117は、中心要素110の両側に配列され、例えば、起伏のある形状を有する材料の弾性変形可能ストリップによって形成される。
【0037】
ストッパ116は、任意の適切な取り外し可能締結ソリューションによってベース12に締結され得る。一例として、ストッパ116には、
図4に示されるように、ベース12において延びる複数の孔のうちの一つに係合するように意図されたピンが設けられてよい。この場合、ストッパ116は、ベース12が有する孔と同じ数だけの位置を占めることができる。詳しくは、
図4に示される例において、ベース12は、中心要素110の前端115から異なる距離に配列された3つの孔を有するので、ストッパ116は、3つの別個の位置を占めることができる。
【0038】
腕時計20は、
図2及び
図3に示される本発明の実施例について上述したものと同じ方法で支持体11に設置される。換言すれば、ブレスレットが閉じられた後にストッパ116に支承されるようにされ、ストランド21のそれぞれがその後、腕時計20のケース22が中心要素110の前端115に押し付けられるまで、凹部118に係合される。
【0039】
図2及び
図3に示される本発明の実施例と同様に、腕時計20のブレスレットを開いたままにしてもよい。この場合、腕時計20は、ストランド21が受ける摩擦力のみによって保持される。
【0040】
すべての実施例において、本発明はそれゆえ、腕時計20が含むブレスレットのタイプにかかわらず、かつ、そのブレスレットの長さにかかわらず、装置10の動作中に腕時計20が支持体11の一定位置に保持されることを保証する。
【0041】
さらに、腕時計20がそのブレスレットを閉じたまま支持体11に設置される場合、ブレスレットは、その周縁のサイズが、
図2及び
図3に示される実施例の場合においては連続的に、又は
図4及び
図5に示される実施例の場合においては離散的に、可変である限りにおいて、中心要素110によって引っ張られるように意図される。すなわち、これらの特徴のおかげで、本発明はさらに、装置10の操作中に腕時計が一定位置に保持されることを保証する。
【0042】
ベース12は、集積回路のような電子モジュール13を収容する内部容積を画定するとともに、腕時計20の巻き上げ部材を回転させて時計ムーブメントを巻き上げるように、支持体11に接続された駆動部材に運動学的に接続されたモーター14を駆動するように構成される。
【0043】
一実施例において、巻き上げ装置10の駆動部材は、
図1及び
図4から
図6に示されるように、ベース12の可動部分120によって形成してよく、当該可動部120は、時計ムーブメントを巻き上げるために腕時計20の振動おもりを回転させるように意図される。
【0044】
詳しくは、ベース12の可動部分120は、相補的な形状を有するクレードルに配置され得る。このクレードルは、ベース12の固定部分121によって形成される。固定部分121は、電子モジュール13及びモーター14が収容される内部容積を有する。可動部分120は、当業者の手が届く範囲内で、任意の適切な運動伝達ソリューションによって駆動され得る。本発明のこの実施例において、ベース12の可動部分120は、
図6に見られるように、支持体11に設置されたときに、腕時計20のケース22の中心軸に平行な軸まわりに、180度未満、好ましくはほぼ90度の角度変位で交互に回転駆動される。
【0045】
代替的に、巻き上げ装置10の駆動部材は、
図7に示されるように、時計ムーブメントを巻き上げるべく腕時計20の巻き上げボタンを回転させるように意図された接続部材122、例えばベル、によって形成され得る。この場合、腕時計20が支持体11に設置される場合、ベルと協働できるように、巻き上げボタンがベース12の方を向くように配置されなければならないことは明らかである。
【0046】
一般には、上記で考慮された実装例及び実施例は、非限定的な例として説明されており、他の代替例も考えられることに留意すべきである。
【0047】
詳しくは、中心要素110は、円形又は楕円形の断面を有してよく、前端115と後端114とは、それゆえ実質的に同一の寸法となる。一般に、中心要素110は、本発明を実装するのに適した、特に凹部118に一以上のストランド21をクランプするのに必要な力を生じさせるのに適した、任意の形状の断面を有してよい。
【0048】
最後に、本発明は、支持体11に設置された腕時計20に正確な周波数の周期的な励振振動を与えることに適合し、電子モジュール13は、この目的のために、
図6に概略的に示されるように、腕時計20の巻き上げボタンに接触するように意図された、例えばマイクロホンタイプの、ベース12に配列された速度測定センサを含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計(20)の時計ムーブメントを巻き上げる装置(10)であって、
前記腕時計(20)の巻き上げ部材を回転させるように意図された駆動部材に運動学的に接続されたモーター(14)を制御するように構成された電子モジュール(13)と、
中心要素(110)と2つの側部要素(111)とを有する本体によって形成された前記腕時計(20)のための支持体(11)と
を含み、
前記中心要素(110)は、前記腕時計(20)のブレスレットのストランド(21)をそれぞれが受容するように意図された2つの凹部(118)を形成するように前記中心要素(110)に対して配列された前記2つの側部要素(111)間に介在され、
前記中心要素(110)及び前記側部要素(111)は、前記凹み(118)に保持されることを保証するべく相対する力を前記ストランド(21)に加えるように適合され、
前記中心要素(110)は、「前端」(115)と称される一端の反対側に、「後端」(114)と称される一端を有し、
前記前端(115)は、前記側部要素(111)の2つの対向端の間に配列され、支承対象の前記腕時計(20)のケース(22)を受容するように意図され、
前記後端(114)は前記前端(115)よりも、圧縮されたときの大きな弾性変形能力を有する、装置(10)。
【請求項2】
前記凹部(118)は、凹状断面を有する前記側部要素(111)の内側フランク(112)と、凸状断面を有する前記中心要素(110)の外側フランク(113)とによって画定される、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記ベース(12)の固定部分(121)によって形成されるクレードルに配列された前記ベース(12)の可動部分(120)によって形成され、
前記固定部分(121)は、前記電子モジュール(13)及び前記モーター(14)が収容される内部容積を有し、
前記ベース(12)の可動部分(120)は、往復回転運動で駆動されるように前記モーター(14)に接続される、請求項1に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記駆動部材は、前記腕時計(20)の巻き上げボタンを、その時計ムーブメントを巻き上げるべく回転させるように意図された接続部材(122)によって形成される、請求項1に記載の装置(10)。
【外国語明細書】