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特開2024-180288アンテナモジュールを有する電子装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180288
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】アンテナモジュールを有する電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20241219BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
H01Q21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072079
(22)【出願日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0077405
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ユソク,ソ
(72)【発明者】
【氏名】ドンイク,リ
(72)【発明者】
【氏名】スンミン,ウ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA07
5J021AA09
5J021AB03
5J021AB06
5J021HA05
5J047AA12
5J047AB06
5J047AB07
5J047AB13
5J047EF05
(57)【要約】
【課題】 本発明は最適化された方式でA/V無線通信を行うことを提案する。
【解決手段】 ディスプレイと、前記ディスプレイの周辺に配置される第1及び第2アンテナ構造とを備えてなり、前記第1アンテナ構造は、第1PCBと、第1及び第2アレイアンテナと、第1無線通信回路とを備え、前記第2アンテナ構造は、第2PCBと、第3及び第4アレイアンテナと、第2無線通信回路とを備え、前記第2及び第4アレイアンテナは、下方である第1方向にビームパターンを形成し、前記第1及び第3アレイアンテナは、前方である第3方向にビームパターンを形成する本発明により達成される。
【選択図】 図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
ディスプレイと;
前記ディスプレイの周辺に配置される第1アンテナ構造及び第2アンテナ構造と;を備えてなり、
前記第1アンテナ構造は、
多層構造を形成する第1PCBであって、複数の側面が形成され、
前記複数の側面のうち、第1面は、前記電子装置の前方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第2面は、前記電子装置の後方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第3面は、前記電子装置の左方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第4面は、前記電子装置の右方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第5面は、前記電子装置の下方を向くように形成される第1PCBと、
前記第1面に形成される第1アレイアンテナと、
前記第5面に形成される第2アレイアンテナと、
前記第2面に形成される第1無線通信ICと、を備え、
前記第2アンテナ構造は、
多層構造を形成する第2PCBであって、複数の側面が形成され、
前記複数の側面のうち、第1面は、前記電子装置の前方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第2面は、前記電子装置の後方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第3面は、前記電子装置の左方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第4面は、前記電子装置の右方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第5面は、前記電子装置の下方を向くように形成される第2PCBと、
前記第1面に形成される第5アレイアンテナと、
前記第5面に形成される第6アレイアンテナと、
前記第2面に形成される第2無線通信ICと、を備え、
前記第1アレイアンテナの偏波は、前記第5アレイアンテナの偏波と同一であり、
前記第2アレイアンテナの偏波は、前記第6アレイアンテナの偏波とは異なる、電子装置。
【請求項2】
前記第1アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射し、
前記第2アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射し、
前記第5アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射し、
前記第6アレイアンテナは、X軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記電子装置と無線信号を送受信する通信装置は、水平偏波信号を放射するように構成され、
前記通信装置が前記電子装置の前面領域に位置する場合、前記第1アンテナ構造及び前記第2アンテナ構造の前方を向くアレイアンテナの全てが動作し、
前記通信装置が前記電子装置の下部領域に位置する場合、前記第1アンテナ構造及び前記第2アンテナ構造の下面に位置するアレイアンテナの何れかが動作する、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記電子装置と無線信号を送受信する通信装置は、水平偏波信号を放射するように構成され、
前記通信装置が前記電子装置の左側面領域及び右側面領域の何れか一方に位置する場合、前記第1及び第2アンテナ構造の当該側面に位置するアレイアンテナの全てが動作し、
前記通信装置が前記電子装置の下部領域に位置する場合、前記第1アンテナ構造及び前記第2アンテナ構造の下面に位置するアレイアンテナの何れかが動作する、請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第1アレイアンテナは、2×8配列のパッチアンテナであり、
前記第5アレイアンテナは、2×8配列のパッチアンテナであり、
前記パッチアンテナの給電位置は、水平中心軸から一方に偏った位置に形成され、
前記第2アレイアンテナは、1×10配列のダイポールアンテナであり、
前記第6アレイアンテナは、1×10配列のモノポールアンテナであり、
前記第2アレイアンテナと前記第6アレイアンテナの偏波特性は、90度ずれている、請求項2に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第1アンテナ構造は、前記第1アレイアンテナの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第3アレイアンテナ及び第4アレイアンテナを更に備え、
前記第2アンテナ構造は、前記第5アレイアンテナの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第7アレイアンテナ及び第8アレイアンテナを更に備え、
前記第3アレイアンテナ及び第4アレイアンテナは、水平偏波信号を放射し、
前記第7アレイアンテナ及び第8アレイアンテナは、水平偏波信号を放射する、請求項2に記載の電子装置。
【請求項7】
前記通信装置と前記電子装置間に障害物があり、LOS経路上の無線リンクが形成されない場合、前記第1アレイアンテナ又は前記第3アレイアンテナのビーム方向が前方から前面上方に変更され、
前記第1無線通信ICは、前記第1アレイアンテナの第1行のアンテナに対して、第2行のアンテナに印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前記前面上方を向くように制御し、
前記第2無線通信ICは、前記第2アレイアンテナの第1行のアンテナに対して、第2行のアンテナに印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前記前面上方を向くように制御する、請求項2に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置に関し、より詳細には、無線でデータを受信するアンテナモジュールを有する電子装置に関する。
【0002】
〔関連技術〕
本願は、韓国特許出願第10-2023-0077405(出願日:2023年6月16日;DAS:AEC6)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、本願発明は、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書、特許請求の範囲及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂される。
【背景技術】
【0003】
映像技術がアナログ方式からデジタル方式に変化するにつれて、より実物に近い映像を提供するために、SD(Standard-Definition)からHD(Hi-Definition)に発展してきている。SDは、704×480の解像度をサポートし、35万ピクセル程度で構成されている。HDは、HDとFull HDに分けられ、そのうちより高い解像度をサポートするFull HDにおいては、1920×1080の解像度をサポートし、200万ピクセルで構成されているので、前記SDに比べて非常に高画質の映像を提供することができる。
【0004】
最近の映像技術は、前記Full HDを越え、UHD(Ultra High-Definition)にさらに一段階成長しており、超高画質及び超高解像度をサポートする前記UHDは、次世代メディア環境として脚光を浴びている。前記UHDは、4K(3840×2160)及び8K(7680×4320)解像度と最大22.2チャネルのサラウンドオーディオをサポートする。このようなUHDは、4K UHDにおいては、前記HDと比較して4倍鮮明な画質を提供し、8K UHDにおいては、前記HDと比較して16倍も鮮明な画質を提供する。
【0005】
最近は、このような高解像度の映像を無線でディスプレイ装置に送信する無線ディスプレイシステムが登場している。
【0006】
無線ディスプレイシステムは、A/V送信装置とA/V受信装置間で、近距離ネットワークを介してA/Vデータを送受信するシステムである。
【0007】
A/V受信装置は、A/V送信装置から受信したA/Vデータを表示する。
【0008】
例えば、A/V送信装置は、A/Vデータを無線で送信するアンテナモジュールを有する送信ボックスであってもよい。
【0009】
例えば、A/V受信装置は、A/V送信装置から送信されたA/Vデータを受信するアンテナモジュールを有し、受信したA/Vデータを出力するディスプレイ装置であってもよい。
【0010】
ディスプレイ装置は、一対のアンテナモジュールと、一対のアンテナモジュール間に位置するIRモジュールとを含んでもよく、また、一対のアンテナモジュールを左右に離隔して配置してもよい。
【0011】
無線ディスプレイシステムは、A/V送信装置のアンテナモジュールがディスプレイ装置の左側又は右側に位置してもよく、その場合、ディスプレイ装置に備えられた一対のアンテナモジュールは、A/V送信装置のアンテナモジュールから送信されたデータを2ストリーム方式で受信し、ディスプレイ装置は、映像を出力するようにしてもよい。
【0012】
A/V送信装置がディスプレイ装置の左側又は右側に配置される場合、ディスプレイ装置の一対のアンテナモジュールの一方のモジュールは、IRモジュールにより信号が遮断されてデータを受信することができず、ディスプレイ装置は、1ストリームで動作するようにしてもよい。
【0013】
1ストリームで動作する場合は、2ストリームで動作する場合に比べて、圧縮率を2倍に高めなければ、2ストリームの場合と同程度のデータ送受信が行えないが、圧縮率を高めると、映像の画質レベルが低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、A/V送信装置の位置に関係なく、データのA/V無線通信を行うことのできる電子装置を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、A/V送信装置と電子装置のアレイアンテナ配置構造に応じて最適化された方式でA/V無線通信を行うことを目的とする。
【0016】
本発明は、A/V送信装置と電子装置の位置及びアレイアンテナの偏波特性を考慮して、最適化された方式でA/V無線通信を行うことを目的とする。
【0017】
本発明は、A/V送信装置と電子装置間の無線通信経路上に障害物が存在しても切断されることのないA/V無線通信を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
〔本発明の一の態様〕
本発明にあっては、その一の態様として、以下の発明を提案する。
〔1〕
電子装置であって、
ディスプレイと;
前記ディスプレイの周辺に配置される第1アンテナ構造及び第2アンテナ構造と;を備えてなり、
前記第1アンテナ構造は、
多層構造を形成する第1PCBであって、複数の側面が形成され、
前記複数の側面のうち、第1面は、前記電子装置の前方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第2面は、前記電子装置の後方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第3面は、前記電子装置の左方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第4面は、前記電子装置の右方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第5面は、前記電子装置の下方を向くように形成される第1PCBと、
前記第1面に形成される第1アレイアンテナと、
前記第5面に形成される第2アレイアンテナと、
前記第2面に形成される第1無線通信ICと、を備え、
前記第2アンテナ構造は、
多層構造を形成する第2PCBであって、複数の側面が形成され、
前記複数の側面のうち、第1面は、前記電子装置の前方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第2面は、前記電子装置の後方を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第3面は、前記電子装置の左方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第4面は、前記電子装置の右方向を向くように形成され、
前記複数の側面のうち、第5面は、前記電子装置の下方を向くように形成される第2PCBと、
前記第1面に形成される第5アレイアンテナと、
前記第5面に形成される第6アレイアンテナと、
前記第2面に形成される第2無線通信ICと、を備え、
前記第1アレイアンテナの偏波は、前記第5アレイアンテナの偏波と同一であり、
前記第2アレイアンテナの偏波は、前記第6アレイアンテナの偏波とは異なる、電子装置。
〔2〕
前記第1アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射し、
前記第2アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射し、
前記第5アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射し、
前記第6アレイアンテナは、X軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する、〔1〕に記載の電子装置。
〔3〕
前記電子装置と無線信号を送受信する通信装置は、水平偏波信号を放射するように構成され、
前記通信装置が前記電子装置の前面領域に位置する場合、前記第1アンテナ構造及び前記第2アンテナ構造の前方を向くアレイアンテナの全てが動作し、
前記通信装置が前記電子装置の下部領域に位置する場合、前記第1アンテナ構造及び前記第2アンテナ構造の下面に位置するアレイアンテナの何れかが動作する、〔2〕に記載の電子装置。
〔4〕
前記電子装置と無線信号を送受信する通信装置は、水平偏波信号を放射するように構成され、
前記通信装置が前記電子装置の左側面領域及び右側面領域の何れか一方に位置する場合、前記第1及び第2アンテナ構造の当該側面に位置するアレイアンテナの全てが動作し、
前記通信装置が前記電子装置の下部領域に位置する場合、前記第1アンテナ構造及び前記第2アンテナ構造の下面に位置するアレイアンテナの何れかが動作する、〔2〕に記載の電子装置。
〔5〕
前記第1アレイアンテナは、2×8配列のパッチアンテナであり、
前記第5アレイアンテナは、2×8配列のパッチアンテナであり、
前記パッチアンテナの給電位置は、水平中心軸から一方に偏った位置に形成され、
前記第2アレイアンテナは、1×10配列のダイポールアンテナであり、
前記第6アレイアンテナは、1×10配列のモノポールアンテナであり、
前記第2アレイアンテナと前記第6アレイアンテナの偏波特性は、90度ずれている、〔2〕に記載の電子装置。
〔6〕
前記第1アンテナ構造は、前記第1アレイアンテナの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第3アレイアンテナ及び第4アレイアンテナを更に備え、
前記第2アンテナ構造は、前記第5アレイアンテナの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第7アレイアンテナ及び第8アレイアンテナを更に備え、
前記第3アレイアンテナ及び第4アレイアンテナは、水平偏波信号を放射し、
前記第7アレイアンテナ及び第8アレイアンテナは、水平偏波信号を放射する、〔2〕に記載の電子装置。
〔7〕
前記通信装置と前記電子装置間に障害物があり、LOS経路上の無線リンクが形成されない場合、前記第1アレイアンテナ又は前記第3アレイアンテナのビーム方向が前方から前面上方に変更され、
前記第1無線通信ICは、前記第1アレイアンテナの第1行のアンテナに対して、第2行のアンテナに印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前記前面上方を向くように制御し、
前記第2無線通信ICは、前記第2アレイアンテナの第1行のアンテナに対して、第2行のアンテナに印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前記前面上方を向くように制御する、〔2〕に記載の電子装置。
【0019】
〔本発明の詳しい態様〕
本発明による電子装置は、ディスプレイと、前記ディスプレイの周辺に配置される第1及び第2アンテナ構造とを含む(備える;構成する;構築する;設定する;包接する;包含する;含有する)。前記第1アンテナ構造は、多層構造を形成する第1PCBを含み、前記第2アンテナ構造は、多層構造を形成する第2PCBを含む。前記第1及び第2PCBには、複数の側面が形成される。前記第1PCBの前記複数の側面のうち、第1面に第1アレイアンテナが配置され、第2面に第1無線通信ICが配置され、第5面に第2アレイアンテナが配置される。前記第2PCBの前記複数の側面のうち、第1面に第5アレイアンテナが配置され、第2面に第2無線通信ICが配置され、第5面に第6アレイアンテナが配置される。
【0020】
実施形態によれば、前記複数の側面のうち、第1面は、前記電子装置の前方を向くように形成され、前記複数の側面のうち、第2面は、前記電子装置の後方を向くように形成され、前記複数の側面のうち、第3面は、前記電子装置の左方向を向くように形成され、前記複数の側面のうち、第4面は、前記電子装置の右方向を向くように形成され、前記複数の側面のうち、第5面は、前記電子装置の下方を向くように形成されてもよい。
【0021】
実施形態によれば、前記第1アレイアンテナの偏波は、前記第3アレイアンテナの偏波と同一のものであってもよい。前記第2アレイアンテナの偏波は、前記第4アレイアンテナの偏波と異なるものであってもよい。
【0022】
実施形態によれば、前記第1アレイアンテナの偏波は、前記第2アレイアンテナの偏波と同一のものであってもよく、前記第3アレイアンテナの偏波は、前記第4アレイアンテナの偏波と同一のものであってもよい。
【0023】
実施形態によれば、前記第1アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射し、前記第2アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。前記第5アレイアンテナは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射し、前記第6アレイアンテナは、X軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。
【0024】
実施形態によれば、前記第1アンテナ構造は、前記第1アレイアンテナの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第3及び第4アレイアンテナをさらに含む。前記第2アンテナ構造は、前記第5アレイアンテナの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第7及び第8アレイアンテナをさらに含む。前記第3及び第4アレイアンテナは、水平偏波信号を放射し、前記第7及び第8アレイアンテナは、水平偏波信号を放射するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本実施形態による電子装置は、A/V送信装置の位置に関係なく、複数のアレイアンテナが配置される第1及び第2アンテナ構造により、データのA/V無線通信を行うことができる。
【0026】
また、A/V送信装置がデータを2ストリーム送信することができ、データの圧縮率を高めると発生する映像の画質低下を最小限に抑えることができる。
【0027】
さらに、1枚の基板に水平偏波のアンテナと垂直偏波のアンテナが共に配置されるので、アンテナモジュールをコンパクト化することができ、データ受信率が高くなるという利点がある。
【0028】
さらに、A/V送信装置と電子装置のアレイアンテナ配置構造に応じて、水平偏波及び垂直偏波信号を用いて、通信容量が増大しながらも相互間の干渉が低減したA/V無線通信を行うことができる。
【0029】
さらに、A/V送信装置と電子装置の位置及びアレイアンテナの偏波特性を考慮して、水平偏波及び垂直偏波信号を用いて、通信容量が増大しながらも相互間の干渉が低減したA/V無線通信を行うことができる。
【0030】
さらに、A/V送信装置と電子装置間の無線通信経路上に障害物が存在しても、ビームフォーミング方向を変更し、反射波を用いて、切断されることのないA/V無線通信を提供することを目的とする。
【0031】
本発明を適用することのできるさらなる範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本発明の思想及び範囲内での様々な変更及び変形は、当業者であれば明確に理解することができるので、詳細な説明及び好ましい実施形態などの特定実施形態は単に本発明を例示するものにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本実施形態による無線ディスプレイシステムの構成について説明する図である。
図2】通信装置100及び電子装置200の詳細構成について説明するブロック図である。
図3】本実施形態による電子装置を示す斜視図である。
図4】実施形態による電子装置に傾斜して配置されるアンテナモジュールの変形例を示す図である。
図5】実施形態による電子装置に配置されるアンテナモジュールの配置構造を示す図である。
図6】ディスプレイが形成される電子装置が様々な位置に配置される他の通信装置とAV無線通信を行う構造図である。
図7A】電子装置の下部に配置されるアンテナモジュールの構造を示す図である。
図7B】電子装置の下部に配置されるアンテナモジュールの構造を示す図である。
図8A図5の(a)のアンテナ配置構造の第1PCBに実装される第1アンテナ構造の断面図である。
図8B図5の(a)のアンテナ配置構造の第2PCBに実装される第2アンテナ構造の断面図である。
図8C図5の(b)のアンテナ配置構造の第1PCBに実装される第1アンテナ構造の断面図である。
図8D図5の(b)のアンテナ配置構造の第2PCBに実装される第2アンテナ構造の断面図である。
図9A】複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第1アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図9B】複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第2アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図10A】複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第1アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図10B】複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第2アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図11A】複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第3PCBに実装される第3アンテナ構造の断面図である。
図11B】複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第4PCBに実装される第4アンテナ構造の断面図である。
図11C】複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第3PCBに実装される第3アンテナ構造の断面図である。
図11D】複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第4PCBに実装される第4アンテナ構造の断面図である。
図12A】複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第3アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図12B】複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第4アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図13A】複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第3アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図13B】複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第4アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
図14】本発明による通信装置とA/V信号を送受信する電子装置の動作を示すフローチャートである。
図15】本発明による電子装置がA/V信号を送受信する無線ビームフォーミング信号を選択、変更又は復元する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態についてより詳細に説明する。以下の説明で用いる構成要素の接尾辞である「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与又は混用されるものであり、それ自体が有意性や有用性を有するものではない。
【0035】
本発明の実施形態による映像/音声(以下、A/V)送信装置は、例えば放送受信機能にコンピュータ支援機能が追加されたインテリジェントデバイスであって、放送受信機能が正常に遂行されると共に、インターネット機能などが追加されており、手記入力装置、タッチスクリーン、空間リモコンなど、使用をより便利にするインタフェースを備えるものであってもよい。
【0036】
また、有線又は無線インターネット機能をサポートするので、インターネット及びコンピュータに接続されることにより、電子メール、ウェブブラウジング、インターネットバンキング、ゲームなどの機能も実行することができる。このような様々な機能のために、標準化された汎用OSが用いられてもよい。
【0037】
よって、本発明によるA/V送信装置は、例えば汎用OSのカーネル上に様々なアプリケーションを自由に追加、削除することができるので、使い勝手の良い様々な機能を実行することができる。
【0038】
図1は本実施形態による無線ディスプレイシステムの構成について説明する図である。
【0039】
図1に示すように、本実施形態による無線ディスプレイシステム1は、通信装置100と、電子装置200とを含む。
【0040】
無線ディスプレイシステム1は、通信装置100が無線でA/Vデータを電子装置200に送信し、電子装置200がA/Vデータを出力するシステムである。
【0041】
通信装置100は、映像及び音声を符号化し、符号化した映像及び音声コンテンツを無線で送信する装置である。
【0042】
通信装置100の一例としては、データを送信することのできるAIO(All In One)ボックスが挙げられ、具体的にはセットトップボックスが挙げられる。
【0043】
通信装置100の他の例としては、セットトップボックスやUSBメモリなどの外部装置に接続されるものが挙げられる。通信装置100は、接続された外部装置から受信した映像信号又は音声信号を電子装置200に送信する。
【0044】
電子装置200は、符号化された映像及び音声を無線で受信し、受信した映像及び音声を復号化するディスプレイ装置である。
【0045】
通信装置100及び電子装置200は、ビデオウォールディスプレイシステムを構成する。
【0046】
ビデオウォールにおいて、ディスプレイのベゼルが薄いことは、映像コンテンツの視覚化に重要な役割を果たす。ディスプレイのベゼルを薄くするためには、最小限の役割を果たす構成要素のみ備え、主要機能のための回路や構成要素は別途の装置で実行することが効率的である。
【0047】
通信装置100は、映像コンテンツのタイプを判断し、判断したタイプに基づいて映像コンテンツの圧縮率を決定する。映像コンテンツの圧縮率は、符号化する前の映像データサイズと符号化した後の映像データサイズの割合に応じて決定される。
【0048】
映像コンテンツのタイプとしては、静止画像タイプ、一般動画像タイプ、ゲーム動画像タイプが挙げられる。
【0049】
通信装置100は、決定された圧縮率で映像コンテンツを圧縮し、圧縮した映像コンテンツを無線で電子装置200に送信する。
【0050】
電子装置200は、通信装置100から受信した圧縮映像コンテンツを復元し、復元した映像コンテンツをディスプレイ上に表示するものであり、例えばディスプレイ装置である。
【0051】
図2は通信装置100及び電子装置200の詳細構成について説明するブロック図である。
【0052】
図2に示すように、通信装置100は、マイクロフォン110と、ワイファイモジュール120と、ブルートゥース(「登録商標」以下同じ)モジュール130と、メモリ140と、RF送信モジュール150と、プロセッサ190とを含む。
【0053】
マイクロフォン110は、入力された音声信号をプロセッサ190に伝達する。
【0054】
マイクロフォン110は、ユーザが発話した音声を受信する。
【0055】
ワイファイモジュール120は、ワイファイ規格で無線通信を行う。
【0056】
ワイファイモジュール120は、外部装置又は電子装置200とワイファイ規格で無線通信を行う。
【0057】
ブルートゥースモジュール130は、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy, BLE)規格で無線通信を行う。
【0058】
ブルートゥースモジュール130は、リモコンなどの外部装置又は電子装置200とブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy, BLE)規格で無線通信を行う。
【0059】
メモリ140は、信号処理及び制御を行うためのプログラムを保存し、信号処理された映像、音声又はデータ信号を保存する。
【0060】
メモリ140は、外部から入力された映像、音声又はデータ信号を一時保存する機能を実行すると共に、チャネル記憶機能により所定のイメージに関する情報を保存する。
【0061】
RF送信モジュール150は、A/V信号をRF(Radio Frequency)通信により電子装置200のRF受信モジュール240に送信する。
【0062】
RF送信モジュール150は、デジタル形態の圧縮されたA/V信号をRF受信モジュール240に送信する。
【0063】
RF送信モジュール150は、少なくとも1つのチャネルを介して、A/V信号をRF受信モジュール240に送信する。
【0064】
プロセッサ190は、通信装置100の動作を全般的に制御する。
【0065】
プロセッサ190は、システムオンチップ(System on Chip, SoC)の形態で構成される。
【0066】
プロセッサ190は、複数備えられる。
【0067】
プロセッサ190は、外部から入力された映像信号又は音声信号を圧縮し、圧縮した信号をRF送信モジュール150に伝達する。
【0068】
プロセッサ190は、映像信号又は音声信号を圧縮するためのエンコーダを備える。
【0069】
プロセッサ190は、メインSoCともいう。
【0070】
プロセッサ190は、外部装置に接続するための少なくとも1つのインタフェースを備える。例えば、プロセッサ190は、少なくとも1つのHDMI(登録商標)ポートを備え、少なくとも1つのUSBポートを備える。
【0071】
プロセッサ190は、放送信号を受信するチューナーを備える。
【0072】
電子装置200は、ワイファイモジュール210と、ブルートゥースモジュール220と、IRモジュール230と、RF受信モジュール240と、メモリ250と、ディスプレイパネル260と、プロセッサ290とを含む。
【0073】
ワイファイモジュール210は、ワイファイ規格で無線通信を行う。
【0074】
ワイファイモジュール120は、外部装置又は通信装置100とワイファイ規格で無線通信を行う。
【0075】
ブルートゥースモジュール220は、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy, BLE)規格で無線通信を行う。
【0076】
ブルートゥースモジュール220は、リモコンなどの外部装置又はA/V送信装置とブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy, BLE)規格で無線通信を行う。
【0077】
IRモジュール230は、IR(Infrared)通信によりリモコン(図示せず)から信号を受信する。
【0078】
RF受信モジュール240は、RF送信モジュール150からA/V信号を受信する。
【0079】
RF受信モジュール240は、複数のアンテナを含む。RF受信モジュール240は、ディスプレイパネル260の下段に配置される。
【0080】
RF受信モジュール240の一例としては、第1アンテナモジュール及び第2アンテナモジュールが挙げられる。第1アンテナモジュール及び第2アンテナモジュールは、それぞれ複数のアンテナを含む。
【0081】
RF受信モジュール240の他の例としては、1つのアンテナモジュールが挙げられ、そのアンテナモジュールは、複数のアンテナを含む。
【0082】
RF受信モジュール240は、RF送信モジュール150からデジタル形態の圧縮されたA/V信号を受信し、受信したA/V信号をプロセッサ290に伝達する。
【0083】
メモリ250は、信号処理及び制御を行うためのプログラムを保存すると共に、信号処理された映像、音声又はデータ信号を保存する。
【0084】
ディスプレイパネル260は、プロセッサ290から受信した映像信号を表示するディスプレイパネル260である。このようなディスプレイパネル260の一例としては、LEDパネルが挙げられる。
【0085】
ディスプレイパネル260は、タイミングコントローラ(図示せず)の駆動により、映像信号を表示する。
【0086】
プロセッサ290は、電子装置200の動作を全般的に制御する。
【0087】
プロセッサ290は、RF受信モジュール240が受信した圧縮されたA/V信号を復元する。そのために、プロセッサ290は、デコーダを含む。
【0088】
電子装置200はディスプレイ装置であってもよいので、以下では、ディスプレイ装置にA/V受信装置と同じ符号を付して説明する。
【0089】
図3は本実施形態による電子装置を示す斜視図である。
【0090】
電子装置200は、ディスプレイパネル260と、第1アンテナモジュール300と、第2アンテナモジュール310とを含む。
【0091】
第1アンテナモジュール300及び第2アンテナモジュール310は、それぞれ32個のアンテナを含むが、これは例示にすぎない。第1アンテナモジュール300及び第2アンテナモジュール310の両側面にモノポールアンテナ306、316が配置されてもよい。第1アンテナモジュール300の下端部にモノポールアンテナ316が配置されてもよい。第2アンテナモジュール310の下端部に第2モノポールアンテナ318が配置されてもよい。
【0092】
第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310は、ディスプレイパネル260の下部に配置される。
【0093】
第1アンテナモジュール300の第1基板302には、複数の第1アンテナパッチ304、複数のモノポールアンテナ306、及び複数のダイポールアンテナ308が配置される。
【0094】
第1基板302は、垂直に配置される。第1基板302は、上下方向Yの長さより、左右方向Xの長さの方が長い。第1基板302の前面は、ディスプレイパネル260の前面と同じく、前方を向いている。
【0095】
複数の第1アンテナパッチ304は、図3に示すように、水平方向に一列に配置されてもよく、上下方向Yに複数列に配置されてもよい。
【0096】
複数の第1アンテナパッチ304は、第1基板302の前面に配置される。
【0097】
複数のモノポールアンテナ306は、第1基板302の左端に配置される複数の左側モノポールアンテナと、第1基板302の右端に配置される複数の右側モノポールアンテナとを含む。複数のダイポールアンテナ308は、第1基板302の下端に配置される複数の下端ダイポールアンテナを含む。
【0098】
第1アンテナモジュール300は、ディスプレイパネル260の一端262と他端264のうち、一端262の方に近接する。第1アンテナモジュール300は、ディスプレイパネル260の左端と右端のうち、右端の方に近接する右側アンテナモジュールである。第1アンテナモジュール300は、ディスプレイ装置200の右側に偏って配置される。
【0099】
第1アンテナモジュール300は、第1基板302、複数の第1アンテナパッチ304、複数のモノポールアンテナ306、及び複数のダイポールアンテナ308をカバーする図4の第1カバー201をさらに含む。第1基板302、複数の第1アンテナパッチ304、及び複数のモノポールアンテナ306は、第1カバー201の内部に位置し、第1カバー201により保護される。
【0100】
第2アンテナモジュール310に含まれる少なくとも1つのアンテナは、第2基板312の幅となる上下方向Y、すなわちY軸方向に電界が形成される垂直偏波(vertically polarized)特性を有する。第2アンテナモジュール310の第2基板312には、複数の第2アンテナパッチ314、複数のモノポールアンテナ316、及び複数の第2モノポールアンテナ318が配置される。複数の第2モノポールアンテナ318は、上下方向Y、すなわちY軸方向に電界が形成される垂直偏波特性を有する。
【0101】
第2基板312は、垂直に配置される。第2基板312は、上下方向Yの長さより、左右方向Xの長さの方が長い。第2基板312の前面は、ディスプレイパネル260の前面と同じく、前方を向いている。
【0102】
複数の第2アンテナパッチ314は、図3に示すように、水平方向に一列に配置されてもよく、上下方向Yに複数列に配置されてもよい。
【0103】
複数の第2アンテナパッチ314は、第2基板312の前面に配置される。
【0104】
モノポールアンテナ316は、ダイポールアンテナの半分で動作し、垂直な直線状又は螺旋状の導体を有するアンテナである。
【0105】
モノポールアンテナ316は、第2基板312に複数実装される。
【0106】
複数のモノポールアンテナ316は、第2基板312の中央と縁部のうち、縁部の方に近接して配置される。
【0107】
複数のモノポールアンテナ316は、第2基板312の左端に配置される複数の左側ダイポールアンテナと、第2基板312の右端に配置される複数の右側モノポールアンテナとを含む。複数の第2モノポールアンテナ318は、第2基板312の下端に配置される複数の下端モノポールアンテナを含む。
【0108】
第2アンテナモジュール310は、ディスプレイパネル260の一端262と他端264のうち、他端264の方に近接する。第2アンテナモジュール310は、ディスプレイパネル260の左端と右端のうち、左端の方に近接する左側アンテナモジュールである。第2アンテナモジュール310は、ディスプレイ装置200の左側に偏って配置される。
【0109】
第2アンテナモジュール310は、第2基板312、複数の第2アンテナパッチ314、複数のモノポールアンテナ316、及び複数の第2モノポールアンテナ318をカバーする図4の第2カバー202をさらに含む。第2基板312、複数の第2アンテナパッチ314、及び複数のモノポールアンテナ316は、第2カバー202の内部に位置し、第2カバー202により保護される。
【0110】
第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310間には、図3に示すように、空間が形成される。IRモジュール230(図2参照)は、第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310間の空間に配置される。ディスプレイパネル260を左右に分割する中央線の延長線L1は、第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310間を通過する。
【0111】
第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310は、左右方向Xに所定の距離D1だけ離隔される。
【0112】
第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310は、ディスプレイパネル260の下部に垂直に配置される。第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310のそれぞれの上下方向の幅W1は、1cm~2cmであり、例えば1.5cmである。
【0113】
通信装置100は、図3に示すように、電子装置200の外部に位置し、第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310間には、通信装置100から送信されるデータが受信されない陰影空間(SA; Shaded Area)が形成される。
【0114】
以下、本発明による電子装置に配置されるアンテナモジュールについて説明する。図4は実施形態による電子装置に傾斜して配置されるアンテナモジュールの変形例を示す図である。
【0115】
図4の(a)に示すように、第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310は、ディスプレイパネル260の下部に水平に配置される。第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310が水平に配置されると、第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310は、前方を向くようになる。第1アンテナモジュール300と第2アンテナモジュール310は、垂直構造で配置されてもよく、水平構造で配置されてもよい。
【0116】
図4の(b)に示すように、第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bは、ディスプレイパネル260の下部に所定の角度aで傾斜して配置される。第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bは、前方下側の傾斜方向に傾斜して配置される。第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bの下端は、ディスプレイパネル260の前方下側を向いている。第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bは、図4の(a)のように、垂直構造の前方下側に配置されてもよく、図4の(b)のように、水平構造の前方下側に配置されてもよい。
【0117】
第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bがディスプレイパネル260の下部に所定の角度aで傾斜して配置される場合、第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bの上下方向の幅W2は、0.5cm~1.5cmである。例えば、第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bの上下方向の幅W2は1cmである。
【0118】
第1アンテナモジュール300bと第2アンテナモジュール310bの配置方向以外の他の構成は、図3に示すディスプレイ装置の第1例と同一又は類似の構成であるので、その詳細については省略する。
【0119】
一方、電子装置200は、通信装置100からA/V信号送受信ビームでA/V信号を受信する。そのために、通信装置100とA/V受信装置200間には、少なくとも1つのA/V信号送受信ビームが形成される。
【0120】
一方、図3及び図4のアンテナモジュール300、310は、垂直構造で配置されてもよく、水平構造で配置されてもよい。なお、図5は実施形態による電子装置に配置されるアンテナモジュールの配置構造を示す図である。図5の(a)はアンテナモジュール300が垂直に配置される第1構造を示す図である。図5の(b)はアンテナモジュール300が水平に配置される第2構造を示す図である。
【0121】
図5の(a)に示すように、第1カバー201と第2カバー202間の空間に配置される放熱板203の端部にアンテナ構造1000が結合される。第1カバー201と第2カバー202は、それぞれ前面カバー(front cover)と背面カバー(rear cover)に対応している。アンテナ構造1000が結合される第1カバー201の下部の長さは、所定の第1長さ(例えば、15mm)以下となるように構成される。アンテナ構造1000の上端部と下端部が第1カバー201の上部溝及び下部溝に結合されることにより、アンテナ構造1000が垂直に配置される。
【0122】
放熱板203の端部とアンテナ構造1000は、水平面に対して垂直構造で配置される。放熱板203の端部とアンテナ構造1000は、垂直軸であるY軸に対して平行に配置される。そのために、放熱板203の前面と背面において、ネジなどの組立構造又は別途の圧着構造により、放熱板203が第1カバー201、第2カバー202及びアンテナ構造1000に結合される。組立構造又は圧着構造は、前方である第1方向D1又は後方である第2方向D2に組立又は圧着するものである。
【0123】
アンテナ構造1000は、複数の側面BS1~BS6を含む。複数の側面のうち、第1面BS1は、電子装置200の前方D1を向くように形成され、複数の側面のうち、第2面BS2は、電子装置200の後方D2を向くように形成される。複数の側面のうち、第3面(図示せず)は、電子装置200の左方向を向くように形成され、複数の側面のうち、第4面BS4は、電子装置200の右方向を向くように形成される。複数の側面のうち、第5面BS5は、電子装置200の下方D3を向くように形成される。
【0124】
図5の(b)に示すように、第1カバー201と第2カバー202間の空間に配置される放熱板204の端部にアンテナ構造1000’が結合される。アンテナモジュール300’が結合される第1カバー201の下部の長さは、所定の第2長さ(例えば、9.8mm)以下となるように構成される。アンテナ構造1000’の一端部及び背面が第1カバー201の側面領域及び背面に結合されることにより、アンテナ構造1000’が水平面に対して平行に配置される。組立構造又は圧着構造は、下方である第5方向D5又は上方である第6方向D6に組立又は圧着するものである。
【0125】
放熱板204の端部とアンテナ構造1000’は、水平面に対応するように水平構造に配置される。放熱板204の端部とアンテナ構造1000’は、水平軸であるX軸に対して平行に配置される。そのために、放熱板204の前面と背面において、ネジなどの組立構造又は別途の圧着構造により、放熱板204が第1カバー201及びアンテナ構造1000’に結合される。組立構造又は圧着構造は、下方である第1方向D1及び上方である第2方向D2に組立又は圧着するものである。
【0126】
以下、本発明による電子装置に配置されるアンテナモジュールについて説明する。なお、図6はディスプレイが形成される電子装置が様々な位置に配置される他の通信装置とAV無線通信を行う構造図である。
【0127】
図6に示すように、通信装置100は、電子装置200の前方、下方、一側方又は他側方に配置される。通信装置100は、AVコンテンツを電子装置200に送信するAV送信装置である。通信装置100はセットトップボックスであるが、これに限定されるものではない。電子装置200は、AVコンテンツを通信装置100から受信するAV受信装置である。電子装置200はディスプレイ装置であるが、これに限定されるものではない。電子装置200は、通信装置100からデータを受信するが、通信装置100にデータを送信することもできる。
【0128】
通信装置100は、電子装置200の前方である第1方向D1に配置されてもよい。その場合、電子装置200は、前方である第1方向D1に無線信号を送受信する。電子装置200の後方は、第2方向D2と定義される。
【0129】
通信装置100は、電子装置200の左方向である第3方向D3又は右方向である第4方向D4に配置されてもよい。その場合、電子装置200は、左方向である第3方向D3又は右方向である第4方向D4に無線信号を送受信する。
【0130】
通信装置100は、電子装置200の下方である第5方向D5に配置されてもよい。その場合、電子装置200は、下方である第5方向D5に無線信号を送受信する。電子装置200の上方は、第6方向D6と定義される。
【0131】
一方、通信装置100と電子装置200間に障害物があり、LOS(Line-of-sight)経路上の無線リンクが形成されないことがある。その場合、電子装置200は、反射経路などのnon-LOS経路上の無線リンクで無線信号を送受信する。通信装置100は、前方上部の天井の方向に無線信号を送受信する。天井又は壁面で反射する無線信号により、通信装置100と電子装置200間の通信を行う。
【0132】
一方、本発明による電子装置は、複数のアンテナモジュール(構造)を含み、複数のアンテナモジュール(構造)により通信装置との無線通信を行う。なお、図7A及び図7Bは実施形態による電子装置の下部に配置されるアンテナモジュールの構造を示す図である。
【0133】
図3図7Aに示すように、電子装置200は、ディスプレイパネル260と、第1アンテナ構造1000aと、第2アンテナ構造1000bとから構成されてもよい。ディスプレイパネル260の周辺に、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bが配置される。図7Aの第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bは、それぞれ図9A及び図9Bの第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bに対応している。
【0134】
第1アンテナ構造1000aは、電子装置200の一側領域に配置される。第2アンテナ構造1000bは、電子装置200の他側領域に配置される。
【0135】
第1アンテナ構造1000aは、第1アレイアンテナ1200aと、第2アレイアンテナ1300aとを含む。第1アレイアンテナ1200aは、前方の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第2アレイアンテナ1300aは、下方の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第1アレイアンテナ1200aは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。第2アレイアンテナ1300aは、Y軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。
【0136】
第1アンテナ構造1000aは、第3アレイアンテナ1100aと、第4アレイアンテナ1100bとをさらに含む。第3アレイアンテナ1100aは、左方向の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第4アレイアンテナ1100bは、右方向の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第3アレイアンテナ1100aは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第4アレイアンテナ1100bは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。
【0137】
第2アンテナ構造1000bは、第5アレイアンテナ1200bと、第6アレイアンテナ1300dとを含む。第5アレイアンテナ1200bは、前方の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第6アレイアンテナ1300dは、下方の信号を送受信する垂直偏波アンテナとして動作する。第5アレイアンテナ1200bは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。第6アレイアンテナ1300dは、X軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。
【0138】
第2アンテナ構造1000bは、第7アレイアンテナ1100cと、第8アレイアンテナ1100dとをさらに含む。第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dは、水平偏波アンテナとして動作する。第7アレイアンテナ1100cは、左方向の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第8アレイアンテナ1100dは、右方向の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第7アレイアンテナ1100cは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第8アレイアンテナ1100dは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。
【0139】
図3図6及び図7Bに示すように、電子装置200は、ディスプレイパネル260と、第3アンテナ構造1000cと、第4アンテナ構造1000dとから構成されてもよい。ディスプレイパネル260の周辺に、第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dが配置される。図7Bの第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dは、図10A及び図10Bの第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dに対応している。
【0140】
第3アンテナ構造1000cは、電子装置200の一側領域に配置される。第4アンテナ構造1000dは、電子装置200の他側領域に配置される。
【0141】
第3アンテナ構造1000cは、第1アレイアンテナ1200cと、第2アレイアンテナ1300cとを含む。第1アレイアンテナ1200cは、前方の信号を送受信する垂直偏波アンテナとして動作する。第2アレイアンテナ1300cは、下方の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第1アレイアンテナ1200cは、Z軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。第2アレイアンテナ1300cは、X軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。
【0142】
第3アンテナ構造1000cは、第3アレイアンテナ1100eと、第4アレイアンテナ1100fとをさらに含む。第3アレイアンテナ1100eは、左方向の信号を送受信する垂直偏波アンテナとして動作する。第4アレイアンテナ1100fは、右方向の信号を送受信する水平偏波アンテナとして動作する。第3アレイアンテナ1100eは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第4アレイアンテナ1100fは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。
【0143】
第4アンテナ構造1000dは、第5アレイアンテナ1200dと、第6アレイアンテナ1300dとを含む。第5アレイアンテナ1200dは、前方の信号を送受信する垂直偏波アンテナとして動作する。第6アレイアンテナ1300dは、下方の信号を送受信する垂直偏波アンテナとして動作する。第5アレイアンテナ1200dは、Z軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。第6アレイアンテナ1300dは、Y軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。
【0144】
第4アンテナ構造1000dは、第7アレイアンテナ1100gと、第8アレイアンテナ1100hとをさらに含む。第7アレイアンテナ1100gは、左方向の信号を送受信する垂直偏波アンテナとして動作する。第8アレイアンテナ1100hは、右方向の信号を送受信する垂直偏波アンテナとして動作する。第7アレイアンテナ1100gは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第8アレイアンテナ1100hは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。
【0145】
一方、電子装置に配置される第1及び第2アンテナ構造は、多層基板構造に形成される。第1及び第2アンテナ構造は、PCB(printed circuit board)構造で実現される。なお、図8A及び図8B図5の(a)のアンテナ配置構造の第1及び第2PCBに実装される第1及び第2アンテナ構造の断面図である。図8C及び図8D図5の(b)のアンテナ配置構造の第1及び第2PCBに実装される第1及び第2アンテナ構造の断面図である。
【0146】
図8Aの(a)は、図5の(a)のアンテナ配置構造で配置され、第1PCB 1010aに実装される第1アンテナ構造1000aの断面図である。図8Aの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第1PCB 1010aの立体構造を示す図である。
【0147】
図8Bの(a)は、図5の(a)のアンテナ配置構造で配置され、第2PCB 1010bに実装される第2アンテナ構造1000bの断面図である。図8Bの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第2PCB 1010bの立体構造を示す図である。
【0148】
図8Cの(a)は、図5の(b)のアンテナ配置構造で配置され、第1PCB 1010aに実装される第1アンテナ構造1000aの断面図である。図8Cの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第1PCB 1010aの立体構造を示す図である。
【0149】
図8Dの(a)は、図5の(b)のアンテナ配置構造で配置され、第2PCB 1010bに実装される第2アンテナ構造1000bの断面図である。図8Dの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第2PCB 1010bの立体構造を示す図である。
【0150】
なお、図8A図8Dの第1及び第2アンテナ構造は、図7Aの第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bに対応している。よって、図8A図8Dの第1及び第2アンテナ構造において、前面及び側面に配置されるアレイアンテナは水平偏波アンテナとして動作し、下面に配置されるアレイアンテナは水平又は垂直偏波アンテナとして動作する。
【0151】
図4図7A図8A及び図8Cに示すように、多層構造を形成する第1アンテナ構造1000aは、第1PCB 1010aと、第1アレイアンテナ1200aと、第2アレイアンテナ1300aと、第1無線通信IC 1400aとを含む。また、第1アンテナ構造1000aは、左側面及び右側面に形成される第3アレイアンテナ1100a及び第4アレイアンテナ1100bをさらに含む。第1PCB 1010aの内部に複数のグランド層1110g、1120gが配置されるので、複数のアレイアンテナの信号間干渉が一定レベル以下に維持される。
【0152】
第1PCB 1010aには、複数の側面が形成される。第1PCB 1010aは、第1面BS1~第5面BS5を含む。複数の側面のうち、第1面BS1は、電子装置200の前方D1を向くように形成され、複数の側面のうち、第2面BS2は電子装置200の後方D2を向くように形成される。複数の側面のうち、第3面BS3は、電子装置200の左方向を向くように形成され、複数の側面のうち、第4面BS4は、電子装置200の右方向を向くように形成される。複数の側面のうち、第5面BS5は、電子装置200の下方D3を向くように形成される。
【0153】
第1面BS1は、第1方向(前方)D1を向くように形成される。第2面BS2は、第1方向D1に対向する第2方向(後方)D2を向くように形成される。第3面BS3~第5面BS5は、第1面BS1と第2面BS2間の空間を囲むように形成される。
【0154】
第3面BS3と第4面BS4間の第1面BS1に第1アレイアンテナ1200aが配置される。第3面BS3と第4面BS4間の第5面BS5に第2アレイアンテナ1300aが配置される。第1アレイアンテナ1200aは、第1方向D1にビームパターンを形成する。第2アレイアンテナ1300aは、第5方向D5にビームパターンを形成する。第2面BS2に第1無線通信IC 1400aが配置される。第1無線通信IC 1400aは、第1周波数範囲の無線信号を送受信する。
【0155】
図4図6図7B図8B及び図8Dに示すように、多層構造を形成する第2アンテナ構造1000bは、第2PCB 1010bと、第5アレイアンテナ1200bと、第6アレイアンテナ1300bと、第2無線通信IC 1400bとを含む。また、第2アンテナ構造1000bは、左側面及び右側面に形成される第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dをさらに含む。第2PCB 1010bの内部に複数のグランド層1110g、1120gが配置されるので、複数のアレイアンテナの信号間干渉が一定レベル以下に維持される。
【0156】
第2PCB 1010bには、複数の側面が形成される。第2PCB 1010bは、第1面BS1~第5面BS5を含む。複数の側面のうち、第1面BS1は、電子装置200の前方D1を向くように形成され、複数の側面のうち、第2面BS2は、電子装置200の後方D2を向くように形成される。複数の側面のうち、第3面BS3は、電子装置200の左方向を向くように形成され、複数の側面のうち、第4面BS4は、電子装置200の右方向を向くように形成される。複数の側面のうち、第5面BS5は、電子装置200の下方D3を向くように形成される。
【0157】
第1面BS1は、第1方向(前方)D1を向くように形成される。第2面BS2は、第1方向D1に対向する第2方向(後方)D2を向くように形成される。第3面BS3~第5面BS5は、第1面BS1と第2面BS2間の空間を囲むように形成される。
【0158】
第3面BS3と第4面BS4間の第1面BS1に第5アレイアンテナ1200bが配置される。第3面BS3と第4面BS4間の第5面BS5に第6アレイアンテナ1300bが配置される。第5アレイアンテナ1200bは、第1方向D1にビームパターンを形成する。第6アレイアンテナ1300bは、第5方向D5にビームパターンを形成する。第2面BS2に第2無線通信IC 1400bが配置される。第2無線通信IC 1400bは、第1周波数範囲の無線信号を送受信する。
【0159】
第1アレイアンテナ1200aの偏波は、第5アレイアンテナ1200bの偏波と同様に形成される。第1アレイアンテナ1200aは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。第5アレイアンテナ1200bは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。
【0160】
前方であるX軸方向に進行する信号において、Y軸方向に偏波を形成する場合は水平偏波信号に該当し、Z軸方向に偏波を形成する場合は垂直偏波信号に該当する。よって、第1アレイアンテナ1200aと第5アレイアンテナ1200bは、Y軸方向の水平偏波信号を放射する。水平偏波信号は、第1アンテナ構造1000aの長さに応じてY軸方向に電界が形成される信号である。
【0161】
第3アレイアンテナ1100aの偏波は、第4アレイアンテナ1100bの偏波と同様に形成される。第3アレイアンテナ1100aは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第4アレイアンテナ1100bは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。
【0162】
側方であるY軸方向に進行する信号において、X軸方向に偏波を形成する場合は水平偏波信号に該当し、Z軸方向に偏波を形成する場合は垂直偏波信号に該当する。よって、第3アレイアンテナ1100aと第4アレイアンテナ1100bは、X軸方向の水平偏波信号を放射する。
【0163】
第2アレイアンテナ1300aの偏波は、第6アレイアンテナ1300bの偏波とは異なる偏波に形成される。第2アレイアンテナ1300aの偏波は、第6アレイアンテナ1300bの偏波と直交(orthogonal)するように形成される。第2アレイアンテナ1300aは、Y軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。第6アレイアンテナ1300bは、X軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。
【0164】
Z軸方向に進行する信号において、Y軸方向に偏波を形成する場合は水平偏波信号に該当し、X軸方向に偏波を形成する場合は垂直偏波信号に該当する。よって、第2アレイアンテナ1300aは、Y軸方向の水平偏波信号を放射する。第6アレイアンテナ1300bは、X軸方向の垂直偏波信号を放射する。他の例として、第2アレイアンテナ1300aが垂直偏波信号を放射し、第6アレイアンテナ1300bが水平偏波信号を放射するようにしてもよい。
【0165】
第7アレイアンテナ1100cの偏波は、第8アレイアンテナ1100dの偏波と同様に形成される。第3アレイアンテナ1100cは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第8アレイアンテナ1100dは、X軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。よって、第7アレイアンテナ1100cと第8アレイアンテナ1100dは、X軸方向の水平偏波信号を放射する。
【0166】
電子装置200と無線信号を送受信する通信装置100は、水平偏波信号を放射する。通信装置100が電子装置200の前面領域又は側面領域に位置する場合は、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの両方が動作する。それに対して、通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合は、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの何れか一方が動作する。
【0167】
通信装置100が電子装置200の前面領域に位置する場合は、同一偏波で動作可能な第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bのそれぞれの前面部に位置するアレイアンテナ1200a、1200bの両方が動作して同時に通信を行う。同一偏波は、前面通信領域において床面に対する水平偏波又は垂直偏波の何れかの偏波である。
【0168】
通信装置100が電子装置200の左側面領域に位置する場合は、同一偏波で動作可能な第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bのそれぞれの左側面部に位置するアンテナと同時に通信を行う。同一偏波は、側面通信領域において床面に対する水平偏波又は垂直偏波の何れかの偏波である。
【0169】
通信装置100が電子装置200の右側面領域に位置する場合は、同一偏波で動作可能な第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bのそれぞれの右側面部に位置するアンテナと同時に通信を行う。同一偏波は、側面通信領域において床面に対する水平偏波又は垂直偏波の何れかの偏波である。
【0170】
よって、通信装置100が電子装置200の左側面領域及び右側面領域の何れかに位置する場合は、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの当該側面に位置するアレイアンテナが全て動作する。一方、通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合は、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの下面に位置するアレイアンテナ1300a、1300bの何れかが動作する。
【0171】
また、通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合、通信装置100は、異なる偏波で動作可能な第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの何れかと互いに通信を行う。通信装置100が壁面と水平な偏波を形成する位置の場合、同一偏波を形成するのは第1アンテナ構造1000aである。この場合、通信装置100のアンテナは、電子装置200の第1アンテナ構造1000aと通信を行う。通信装置100は、電子装置200の第2アンテナ構造1000bとは通信を行わない。
【0172】
通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合は、異なる偏波で動作可能な第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの何れかと互いに通信を行う。通信装置100が壁面と垂直な偏波を形成する位置の場合、同一偏波を形成するのは第2アンテナ構造1000bである。この場合、通信装置100のアンテナは、電子装置200の第2アンテナ構造1000bと通信を行う。通信装置100は、電子装置200の第1アンテナ構造1000aとは通信を行わない。
【0173】
通信装置100が前面領域に位置する場合、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bのそれぞれの前面のパッチアレイアンテナは、通信装置100と通信可能な偏波信号を放射する。前記偏波信号は、水平偏波であってもよく、垂直偏波であってもよい。
【0174】
通信装置100が側面領域に位置する場合、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bのそれぞれの側面のアレイアンテナのうち、一側面のアンテナは、通信装置100と通信可能な偏波信号を放射する。前記偏波信号は、水平偏波であってもよく、垂直偏波であってもよい。
【0175】
通信装置100が下部領域に位置する場合、第1無線通信IC 1400aは、第1アンテナ構造1000aの第2アレイアンテナ1300aを介して水平偏波信号が送受信されるように制御する。
【0176】
通信装置100が下部領域に位置するので、第2無線通信IC 1400bは、第2アンテナ構造1000bの第6アレイアンテナ1300bを介して垂直偏波信号を送受信する。
【0177】
一方、本発明による電子装置に配置される第1及び第2アンテナ構造は、それぞれ複数のアレイアンテナがPCBの異なる領域に配置される。なお、図9Aは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第1アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。図9Bは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第2アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
【0178】
図5の(a)、図7A図8A及び図9Aに示すように、第1アンテナ構造1000aは、第1アレイアンテナ1200aと、第2アレイアンテナ1300aと、第3アレイアンテナ1100aと、第4アレイアンテナ1100bとを含む。
【0179】
第1アンテナ構造1000aの一側領域に通信装置100aが配置される。通信装置100aには、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナが配置される。
【0180】
通信装置100aのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。通信装置100aのアレイアンテナの素子の数の合計は、第1アンテナ構造1000a又は第2アンテナ構造1000bのアレイアンテナの素子の数の合計と同じである。
【0181】
通信装置100aのアレイアンテナの素子の数は、第1アンテナ構造1000aの第1アレイアンテナ1200aの素子の数と、第2アンテナ構造1000bの第5アレイアンテナ1300aの素子の数の合計と同一である。通信装置100aのアレイアンテナの素子の数は、第1アンテナ構造1000aの第2アレイアンテナ1200bの素子の数と、第2アンテナ構造1000bの第6アレイアンテナ1300bの素子の数の合計より多い。
【0182】
第1アンテナ構造1000aの下部領域に通信装置100bが配置される。通信装置100bは、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナを含む。通信装置100bのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。
【0183】
第3アレイアンテナ1100aは、第1PCB 1010aの一側領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA3を含む。第4アレイアンテナ1100bは、第1PCB 1010aの他側領域に形成される複数のモノポールアンテナMA4~MA6を含む。
【0184】
第3アレイアンテナ1100aは、第1PCB 1010aの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第4アレイアンテナ1100bは、第1PCB 1010aの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0185】
第3アレイアンテナ1100a及び第4アレイアンテナ1100bは、一側領域及び他側領域に水平偏波信号を送受信する。第3アレイアンテナ1100aは、一側領域に配置される通信装置100aに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100aと第3アレイアンテナ1100aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0186】
第1アレイアンテナ1200aは、第1PCB 1010aの前面領域に配置される複数のパッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28を含む。パッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28の中心から水平方向であるY軸方向の左方向及び右方向にオフセットされた位置にカップリングパッチCP11~CP18、CP21~CP28が配置される。パッチアンテナPA11、P21の一側にダミーパッドDP11、DP21が配置されるので、側面放射(side surface radiation)が抑制される。パッチアンテナPA11、P21の他側にダミーパッチアンテナDP12、DP22が配置されるので、側面放射が抑制される。第1アレイアンテナ1200aは、16個の2×8アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0187】
第1アレイアンテナ1200aは、前面領域に水平偏波信号を送受信する。第1アレイアンテナ1200aは、前面領域に配置される通信装置に水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置と第1アレイアンテナ1200aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0188】
第1アンテナ構造1000aの下面アンテナである第2アレイアンテナ1300aは、第1PCBの下部領域に配置される複数のダイポールアンテナDA1~DA10を含む。第2アレイアンテナ1300aは、10個の1×10アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0189】
第2アレイアンテナ1300aは、下部領域に水平偏波信号を送受信する。第2アレイアンテナ1300aは、下部領域に配置される通信装置100bに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100aと第2アレイアンテナ1300aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0190】
通信装置100bは、任意の角度に回転した状態で配置される。第1回転状態の通信装置100b1と第2アレイアンテナ1300aは、同一偏波(co-polarization)を有する水平偏波信号を送受信する。一方、第2回転状態の通信装置100b2は、電子装置200の偏波信号を送受信しない状態で位置する。第2回転状態は、第1回転状態から90度を基準とする所定角度の範囲内で回転した状態である。第2回転状態の通信装置100b2の垂直偏波信号と第2アレイアンテナ1300aの水平偏波信号は、互いに直交する(orthogonal)交差偏波(cross-polarization)を有する。よって、第2回転状態の通信装置100bと第1アンテナ構造1000a間において、無線通信性能が低下することもあり、通信できない状態になることもある。
【0191】
よって、第2アンテナ構造1000bの下面アンテナである第6アレイアンテナ1300bは、第2回転状態の通信装置100bと垂直偏波信号を送受信するように構成される。
【0192】
第1アンテナ構造1000aの一側領域に通信装置100aが配置される。通信装置100aには、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナが配置される。通信装置100aのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。
【0193】
電子装置200の下部領域に通信装置100bが配置される。通信装置100bは、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナを含む。通信装置100bのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。
【0194】
第3アレイアンテナ1100aは、第1PCB 1010aの一側領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA3を含む。第4アレイアンテナ1100bは、第1PCB 1010aの他側領域に形成される複数のモノポールアンテナMA1~MA3を含む。
【0195】
第3アレイアンテナ1100aは、第1PCB 1010aの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第4アレイアンテナ1100bは、第1PCB 1010aの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0196】
第3アレイアンテナ1100a及び第4アレイアンテナ1100bは、一側領域及び他側領域に水平偏波信号を送受信する。第3アレイアンテナ1100aは、一側領域に配置される通信装置100aに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100aと第3アレイアンテナ1100aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0197】
図5の(a)、図7A図8B及び図9Bに示すように、第2アンテナ構造1000bは、第5アレイアンテナ1200bと、第6アレイアンテナ1300bと、第7アレイアンテナ1100cと、第8アレイアンテナ1100dとを含む。
【0198】
第5アレイアンテナ1200bは、第2PCB 1010bの前面領域に配置される複数のパッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28を含む。パッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28の中心から水平方向であるY軸方向の左方向及び右方向にオフセットされた位置にカップリングパッチCP11~CP18、CP21~CP28が配置される。パッチアンテナPA11、P21の一側にダミーパッドDP11、DP21が配置されるので、側面放射(side surface radiation)が抑制される。パッチアンテナPA11、P21の他側にダミーパッチアンテナDP12、DP22が配置されるので、側面放射が抑制される。第1アレイアンテナ1200aは、16個の2×8アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0199】
第5アレイアンテナ1200bは、前面領域に水平偏波信号を送受信する。第5アレイアンテナ1200bは、前面領域に配置される通信装置に水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置と第1アレイアンテナ1200aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0200】
第6アレイアンテナ1300bは、第2PCB 1010bの下部領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA10を含む。第6アレイアンテナ1300bは、10個の1×10アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0201】
第6アレイアンテナ1300bは、下部領域に垂直偏波信号を送受信する。第6アレイアンテナ1300bは、下部領域に配置される通信装置100bに垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置100aと第6アレイアンテナ1300dは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0202】
第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの各アンテナは、同じ構造又は異なる構造のアレイアンテナで実現される。第1アンテナ構造1000aの第1アレイアンテナ1200aと第2アンテナ構造1000bの第5アレイアンテナ1200bは、同じ構造のアレイアンテナで実現される。第1アンテナ構造1000aの第1アレイアンテナ1200aは、2×8配列のパッチアンテナであり、第2アンテナ構造1000bの第5アレイアンテナ1200bは、2×8配列のパッチアンテナである。パッチアンテナの給電位置は、Y軸に対応する水平中心軸から一方に偏った位置に形成される。
【0203】
第1アンテナ構造1000aの第2アレイアンテナ1300aと第2アンテナ構造1000bの第6アレイアンテナ1300bは、異なる構造のアレイアンテナで実現される。第1アンテナ構造1000aの第2アレイアンテナ1300aは、1×10配列のダイポールアンテナであり、第6アレイアンテナ1300bは、1×10配列のモノポールアンテナである。第2アレイアンテナ1300aと第6アレイアンテナ1300bの偏波特性は、90度ずれるように実現される。
【0204】
通信装置100bは、任意の角度の回転状態で配置される。第1回転状態の通信装置100b1の水平偏波信号と第6アレイアンテナ1300bの垂直偏波信号は、互いに直交する(orthogonal)交差偏波(cross-polarization)を有する。
【0205】
一方、第2回転状態の通信装置100b2は、垂直偏波信号を送受信する。第2回転状態は、第1回転状態から90度を基準とする所定角度の範囲内で回転した状態である。第2回転状態の通信装置100b2の垂直偏波信号と第6アレイアンテナ1300bの垂直偏波信号は、同一偏波(co-polarization)を有する。よって、第2回転状態の通信装置100bと第2アンテナ構造1000b間において、無線通信性能が向上する。
【0206】
第7アレイアンテナ1100cは、第2PCB 1010bの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第8アレイアンテナ1100dは、第2PCBの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0207】
第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dは、一側領域及び他側領域に水平偏波信号を送受信する。第7アレイアンテナ1100cは、一側領域に配置される通信装置100aに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100aと第7アレイアンテナ1100cは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0208】
第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの側面に配置されるアレイアンテナは、電子装置の側面に配置される通信装置から信号を受信するか、又は通信装置に信号を送信する。なお、第1アンテナ構造1000aは、第1アレイアンテナ1200aの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第3アレイアンテナ1100a及び第4アレイアンテナ1100bをさらに含む。第2アンテナ構造1000bは、第5アレイアンテナ1300aの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dをさらに含む。第1アンテナ構造1000aの第3アレイアンテナ1100a及び第4アレイアンテナ1100bは、水平偏波信号を放射する。第2アンテナ構造1000bの第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dは、水平偏波信号を放射する。
【0209】
一方、通信装置100と電子装置200間に障害物があり、LOS経路上の無線リンクが形成されない場合は、図6の前方ではなく、前面上方に無線信号を送受信するように制御する。なお、第1アレイアンテナ1200a又は第5アレイアンテナ1200bのビーム方向は、垂直方向、前方から前面上方に変更される。
【0210】
電子装置200は、通信装置100から送信された無線信号が天井又は壁面で反射されるように無線リンクを設定する。そのために、電子装置200は、天井方向(上方)にビームフォーミング無線信号を形成する。第1無線通信IC 1400aは、第1アレイアンテナ1200aの第1行のパッチアンテナPA11~PA18に対して、第2行のパッチアンテナPA21~PA28に印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前面上方を向くように制御する。また、第2無線通信IC 1400bは、第5アレイアンテナ1200bの第1行のパッチアンテナPA11~PA18に対して、第2行のパッチアンテナPA21~PA28に印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前面上方を向くように制御する。
【0211】
なお、本発明による電子装置に配置される第1及び第2アンテナ構造は、それぞれ複数のアレイアンテナがPCBの異なる領域に配置される。なお、図10Aは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第1アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。図10Bは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第2アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
【0212】
図5の(b)、図7A図8C及び図10Aに示すように、第1アンテナ構造1000aは、第1アレイアンテナ1200aと、第2アレイアンテナ1300aと、第3アレイアンテナ1100aと、第4アレイアンテナ1100bとを含む。
【0213】
第1アレイアンテナ1200aは、第1PCB 1010aの前面領域に配置される複数のダイポールアンテナDA1~DA14を含む。第1アレイアンテナ1200aは、14個の1×14アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0214】
第1アレイアンテナ1200aは、前面領域に水平偏波信号を送受信する。第1アレイアンテナ1200aは、前面領域に配置される通信装置に水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置と第1アレイアンテナ1200aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0215】
第2アレイアンテナ1300aは、第1PCB 1010aの下部領域に配置される複数のパッチアンテナPA1~PA12を含む。パッチアンテナPA1~PA12の中心から水平方向であるY軸方向の左方向及び右方向にオフセットされた位置にカップリングパッチCP1~CP12が配置され、信号を送受信する。第2アレイアンテナ1300aは、12個の1×12アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0216】
第2アレイアンテナ1300aは、下部領域に水平偏波信号を送受信する。第2アレイアンテナ1300aは、下部領域に配置される通信装置100bに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100bと第2アレイアンテナ1300aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0217】
第3アレイアンテナ1100aは、第1PCB 1010aの一側領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA3を含む。第4アレイアンテナ1100bは、第3PCB 1010cの他側領域に形成される複数のモノポールアンテナMA4~MA6を含む。第3アレイアンテナ1100aは、第1PCB 1010aの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第4アレイアンテナ1100bは、第1PCB 1010aの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0218】
第3アレイアンテナ1100a及び第4アレイアンテナ1100bは、一側領域及び他側領域に垂直偏波信号を送受信する。第3アレイアンテナ1100aは、一側領域に配置される通信装置100cに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100cと第3アレイアンテナ1100aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0219】
図5の(b)、図7A図8D及び図10Bに示すように、第2アンテナ構造1000bは、第5アレイアンテナ1200bと、第6アレイアンテナ1300bと、第7アレイアンテナ1100cと、第8アレイアンテナ1100dとを含む。
【0220】
第5アレイアンテナ1200bは、第2PCB 1010bの前面領域に配置される複数のダイポールアンテナDA1~DA14を含む。第5アレイアンテナ1200bは、14個の1×14アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0221】
第5アレイアンテナ1200bは、前面領域に水平偏波信号を送受信する。第5アレイアンテナ1200dは、前面領域に配置される通信装置に水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置と第5アレイアンテナ1200bは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0222】
第6アレイアンテナ1300bは、複数のパッチアンテナPA1~PA12を含む。パッチアンテナPA1~PA12の中心から垂直方向であるZ軸方向の上方及び下方にオフセットされた位置にカップリングパッチCP1~CP12が配置される。第6アレイアンテナ1300bは、12個の1×12アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0223】
第6アレイアンテナ1300bは、下部領域に垂直偏波信号を送受信する。第6アレイアンテナ1300bは、下部領域に配置される通信装置100bに垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置100bと第6アレイアンテナ1300bは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0224】
第7アレイアンテナ1100cは、第2PCB 1010bの一側領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA3を含む。第8アレイアンテナ1100dは、第2PCB 1010bの他側領域に形成される複数のモノポールアンテナMA4~MA6を含む。第7アレイアンテナ1100cは、第2PCB 1010bの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第8アレイアンテナ1100dは、第2PCB 1010bの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0225】
第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dは、一側領域及び他側領域に垂直偏波信号を送受信する。第7アレイアンテナ1100cは、一側領域に配置される通信装置100cに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100cと第7アレイアンテナ1100cは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0226】
一方、電子装置に配置される第1及び第2アンテナ構造は、多層基板構造に形成される。第1及び第2アンテナ構造は、PCB(printed circuit board)構造で実現される。なお、図11A及び図11Bは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第3及び第4PCBに実装される第3及び第4アンテナ構造の断面図である。図11C及び図11Dは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第3及び第4PCBに実装される第3及び第4アンテナ構造の断面図である。
【0227】
図11Aの(a)は、図5の(a)のアンテナ配置構造で配置され、第3PCB 1010cに実装される第3アンテナ構造1000cの断面図である。図11Aの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第3PCB 1010cの立体構造を示す図である。
【0228】
図11Bの(a)は、図5の(a)のアンテナ配置構造で配置され、第4PCB 1010dに実装される第4アンテナ構造1000dの断面図である。図11Bの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第4PCB 1010dの立体構造を示す図である。
【0229】
図11Cの(a)は、図5の(a)のアンテナ配置構造で配置され、第3PCB 1010cに実装される第3アンテナ構造1000cの断面図である。図11Cの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第3PCB 1010cの立体構造を示す図である。
【0230】
図11Dの(a)は、図5の(a)のアンテナ配置構造で配置され、第4PCB 1010dに実装される第4アンテナ構造1000dの断面図である。図11Dの(b)は第1表面BS1、第2表面BS2~第5表面BS5から形成される第4PCB 1010dの立体構造を示す図である。
【0231】
なお、図11A図11Dの第3及び第4アンテナ構造は、図7Bの第1アンテナ構造1000c及び第2アンテナ構造1000dに対応している。よって、図11A図11Dの第3及び第4アンテナ構造において、前面及び側面に配置されるアレイアンテナは垂直偏波アンテナとして動作し、下面に配置されるアレイアンテナは水平又は垂直偏波アンテナとして動作する。
【0232】
図4図6図7B図11A及び図11Cに示すように、多層構造を形成する第3アンテナ構造1000cは、第3PCB 1010cと、第1アレイアンテナ1200cと、第2アレイアンテナ1300cと、第1無線通信IC 1400cとを含む。また、第3アンテナ構造1000cは、左側面及び右側面に形成される第3アレイアンテナ1100e及び第4アレイアンテナ1100fをさらに含む。第3PCB 1010cの内部に複数のグランド層1110g、1120gが配置されるので、複数のアレイアンテナの信号間干渉が一定レベル以下に維持される。
【0233】
第3PCB 1010cには、複数の側面が形成される。第3PCB 1010cは、第1面BS1~第5面BS5を含む。複数の側面のうち、第1面BS1は、電子装置200の前方D1を向くように形成され、複数の側面のうち、第2面BS2は、電子装置200の後方D2を向くように形成される。複数の側面のうち、第3面BS3は、電子装置200の左方向を向くように形成され、複数の側面のうち、第4面BS4は電子装置200の右方向を向くように形成される。複数の側面のうち、第5面BS5は、電子装置200の下方D3を向くように形成される。
【0234】
第1面BS1は、第1方向(前方)D1を向くように形成される。第2面BS2は、第1方向D1に対向する第2方向(後方)D2を向くように形成される。第3面BS3~第5面BS5は、第1面BS1と第2面BS2間の空間を囲むように形成される。
【0235】
第3面BS3と第4面BS4間の第1面BS1に第1アレイアンテナ1200cが配置される。第3面BS3と第4面BS4間の第5面BS5に第2アレイアンテナ1300cが配置される。第1アレイアンテナ1200cは、第1方向D1にビームパターンを形成する。第2アレイアンテナ1300cは、第5方向D5にビームパターンを形成する。第2面BS2に第1無線通信IC 1400aが配置される。第1無線通信IC 1400cは、第1周波数範囲の無線信号を送受信する。
【0236】
図4図6図7B図11B及び図11Dに示すように、多層構造を形成する第4アンテナ構造1000dは、第4PCB 1010dと、第5アレイアンテナ1200dと、第6アレイアンテナ1300dと、第2無線通信IC 1400dとを含む。また、第4アンテナ構造1000dは、左側面及び右側面に形成される第7アレイアンテナ1100g及び第8アレイアンテナ1100hをさらに含む。第4PCB 1010dの内部に複数のグランド層1110g、1120gが配置されるので、複数のアレイアンテナの信号間干渉が一定レベル以下に維持される。
【0237】
第4PCB 1010dには、複数の側面が形成される。第4PCB 1010dは、第1面BS1~第5面BS5を含む。複数の側面のうち、第1面BS1は、電子装置200の前方D1を向くように形成され、複数の側面のうち、第2面BS2は、電子装置200の後方D2を向くように形成される。複数の側面のうち、第3面BS3は、電子装置200の左方向を向くように形成され、複数の側面のうち、第4面BS4は、電子装置200の右方向を向くように形成される。複数の側面のうち、第5面BS5は、電子装置200の下方D3を向くように形成される。
【0238】
第1面BS1は、第1方向(前方)D1を向くように形成される。第2面BS2は、第1方向D1に対向する第2方向(後方)D2を向くように形成される。第3面BS3~第5面BS5は、第1面BS1と第2面BS2間の空間を囲むように形成される。
【0239】
第3面BS3と第4面BS4間の第1面BS1に第5アレイアンテナ1200bが配置される。第3面BS3と第4面BS4間の第5面BS5に第6アレイアンテナ1300dが配置される。第5アレイアンテナ1200dは、第1方向D1にビームパターンを形成する。第6アレイアンテナ1300dは、第5方向D5にビームパターンを形成する。第2面BS2に第2無線通信IC 1400dが配置される。第2無線通信IC 1400dは、第1周波数範囲の無線信号を送受信する。
【0240】
第1アレイアンテナ1200cの偏波は、第5アレイアンテナ1200dの偏波と同様に形成される。第1アレイアンテナ1200cは、Z軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。第5アレイアンテナ1200dは、Y軸方向に偏波を形成し、X軸方向に進行する偏波信号を放射する。
【0241】
前方であるX軸方向に進行する信号において、Y軸方向に偏波を形成する場合は水平偏波信号に該当し、Z軸方向に偏波を形成する場合は垂直偏波信号に該当する。よって、第1アレイアンテナ1200cは、Z軸方向の垂直偏波信号を放射し、第5アレイアンテナ1200dは、Y軸方向の水平偏波信号を放射する。水平偏波信号は、第3アンテナ構造1000cの長さに応じてY軸方向に電界が形成される信号であり、垂直偏波信号は、第3アンテナ構造1000cの幅に応じてZ軸方向に電界が形成される信号である。
【0242】
第3アレイアンテナ1100eの偏波は、第4アレイアンテナ1100fの偏波と同様に形成される。第3アレイアンテナ1100eは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第4アレイアンテナ1100fは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。
【0243】
側方であるY軸方向に進行する信号において、Z軸方向に偏波を形成する場合は垂直偏波信号に該当し、Z軸方向に偏波を形成する場合は垂直偏波信号に該当する。よって、第3アレイアンテナ1100eと第4アレイアンテナ1100fは、Z軸方向の垂直偏波信号を放射する。
【0244】
第2アレイアンテナ1300cの偏波は、第6アレイアンテナ1300dの偏波とは異なる偏波に形成される。第2アレイアンテナ1300cの偏波は、第6アレイアンテナ1300dの偏波と直交(orthogonal)するように形成される。第2アレイアンテナ1300cは、Y軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。第6アレイアンテナ1300dは、X軸方向に偏波を形成し、Z軸方向の下方に進行する偏波信号を放射する。
【0245】
Z軸方向に進行する信号において、Y軸方向に偏波を形成する場合は水平偏波信号に該当し、X軸方向に偏波を形成する場合は垂直偏波信号に該当する。よって、第2アレイアンテナ1300cは、Y軸方向の水平偏波信号を放射する。第6アレイアンテナ1300dは、X軸方向の垂直偏波信号を放射する。他の例として、第2アレイアンテナ1300cが垂直偏波信号を放射し、第6アレイアンテナ1300dが水平偏波信号を放射するようにしてもよい。
【0246】
第7アレイアンテナ1100gの偏波は、第8アレイアンテナ1100hの偏波と同様に形成される。第7アレイアンテナ1100gは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の左方向に進行する偏波信号を放射する。第8アレイアンテナ1100hは、Z軸方向に偏波を形成し、Y軸方向の右方向に進行する偏波信号を放射する。よって、第7アレイアンテナ1100gと第8アレイアンテナ1100hは、Z軸方向の垂直偏波信号を放射する。
【0247】
電子装置200と無線信号を送受信する通信装置100は、水平偏波信号を放射する。通信装置100が電子装置200の前面領域又は側面領域に位置する場合は、第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの両方が動作する。それに対して、通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合は、第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの何れか一方が動作する。
【0248】
通信装置100が電子装置200の前面領域に位置する場合は、同一偏波で動作可能な第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dのそれぞれの前面部に位置するアレイアンテナ1200c、1200dの両方が動作して同時に通信を行う。同一偏波は、前面通信領域において床面に対する水平偏波又は垂直偏波の何れかの偏波である。
【0249】
通信装置100が電子装置200の左側面領域に位置する場合は、同一偏波で動作可能な第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dのそれぞれの左側面部に位置するアンテナと同時に通信を行う。同一偏波は、側面通信領域において床面に対する水平偏波又は垂直偏波の何れかの偏波である。
【0250】
通信装置100が電子装置200の右側面領域に位置する場合は、同一偏波で動作可能な第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dのそれぞれの右側面部に位置するアンテナと同時に通信を行う。同一偏波は、側面通信領域において床面に対する水平偏波又は垂直偏波の何れかの偏波である。
【0251】
よって、通信装置100が電子装置200の左側面領域及び右側面領域の何れかに位置する場合は、第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの当該側面に位置するアレイアンテナが全て動作する。一方、通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合は、第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの下面に位置するアレイアンテナ1300c、1300dの何れかが動作する。
【0252】
また、通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合、通信装置100は、異なる偏波で動作可能な第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの何れかと互いに通信を行う。通信装置100が壁面と水平な偏波を形成する位置の場合、同一偏波を形成するのは第3アンテナ構造1000cである。この場合、通信装置100のアンテナは、電子装置200の第3アンテナ構造1000cと通信を行う。通信装置100は、電子装置200の第4アンテナ構造1000dとは通信を行わない。
【0253】
通信装置100が電子装置200の下部領域に位置する場合は、異なる偏波で動作可能な第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの何れかと互いに通信を行う。通信装置100が壁面と垂直な偏波を形成する位置の場合、同一偏波を形成するのは第4アンテナ構造1000dである。この場合、通信装置100のアンテナは、電子装置200の第4アンテナ構造1000dと通信を行う。通信装置100は、電子装置200の第3アンテナ構造1000cとは通信を行わない。
【0254】
通信装置100が前面領域に位置する場合、第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dのそれぞれの前面のパッチアレイアンテナは、通信装置100と通信可能な偏波信号を放射する。前記偏波信号は、水平偏波であってもよく、垂直偏波であってもよい。
【0255】
通信装置100が側面領域に位置する場合、第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dのそれぞれの側面のアレイアンテナのうち、一側面のアンテナは、通信装置100と通信可能な偏波信号を放射する。前記偏波信号は、水平偏波であってもよく、垂直偏波であってもよい。
【0256】
通信装置100が下部領域に位置する場合、第1無線通信IC 1400cは、第3アンテナ構造1000cの第2アレイアンテナ1300cを介して水平偏波信号が送受信されるように制御する。
【0257】
通信装置100が下部領域に位置するので、第2無線通信IC 1400dは、第4アンテナ構造1000dの第6アレイアンテナ1300dを介して垂直偏波信号を送受信する。
【0258】
一方、本発明による電子装置に配置される第1及び第2アンテナ構造は、それぞれ複数のアレイアンテナがPCBの異なる領域に配置される。なお、図12Aは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第3アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
【0259】
図5の(a)、図7B及び図12Aに示すように、第3アンテナ構造1000cは、第1アレイアンテナ1200cと、第2アレイアンテナ1300cと、第3アレイアンテナ1100eと、第4アレイアンテナ1100fとを含む。
【0260】
第3アンテナ構造1000cの一側領域に通信装置100aが配置される。通信装置100aには、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナが配置される。
【0261】
通信装置100aのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。通信装置100aのアレイアンテナの素子の数の合計は、第3アンテナ構造1000c又は第4アンテナ構造1000dのアレイアンテナの素子の数の合計と同じである。
【0262】
通信装置100aのアレイアンテナの素子の数は、第3アンテナ構造1000cの第1アレイアンテナ1200cの素子の数と、第4アンテナ構造1000dの第5アレイアンテナ1200dの素子の数の合計と同一である。通信装置100aのアレイアンテナの素子の数は、第3アンテナ構造1000cの第2アレイアンテナ1300cの素子の数と、第4アンテナ構造1000dの第6アレイアンテナ1300dの素子の数の合計より多い。
【0263】
第3アンテナ構造1000cの下部領域に通信装置100bが配置される。通信装置100bは、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナを含む。通信装置100bのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。
【0264】
第3アレイアンテナ1100eは、第3PCB 1010cの一側領域に配置される複数のダイポールアンテナDA21~DA23を含む。第4アレイアンテナ1100fは、第3PCB 1010cの他側領域に形成される複数のダイポールアンテナDA24~DA26を含む。
【0265】
第3アレイアンテナ1100eは、第3PCB 1010cの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第4アレイアンテナ1100fは、第1PCB 1010aの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0266】
第3アレイアンテナ1100e及び第4アレイアンテナ1100fは、一側領域及び他側領域に水平偏波信号を送受信する。第3アレイアンテナ1100eは、一側領域に配置される通信装置100aに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100aと第3アレイアンテナ1100aは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0267】
第1アレイアンテナ1200cは、第3PCB 1010cの前面領域に配置される複数のパッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28を含む。パッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28の中心から垂直方向であるZ軸方向の上方及び下方にオフセットされた位置にカップリングパッチCP11~CP18、CP21~CP28が配置される。パッチアンテナPA11、P21の一側にダミーパッドDP11、DP21が配置されるので、側面放射(side surface radiation)が抑制される。パッチアンテナPA11、P21の他側にダミーパッチアンテナDP12、DP22が配置されるので、側面放射が抑制される。第1アレイアンテナ1200cは、16個の2×8アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0268】
第1アレイアンテナ1200cは、前面領域に垂直偏波信号を送受信する。第1アレイアンテナ1200cは、前面領域に配置される通信装置に水平偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置と第1アレイアンテナ1200cは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0269】
第3アンテナ構造1000cの下面アンテナである第2アレイアンテナ1300cは、第1PCBの下部領域に配置される複数のダイポールアンテナDA1~DA10を含む。第2アレイアンテナ1300cは、10個の1×10アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0270】
第2アレイアンテナ1300cは、下部領域に水平偏波信号を送受信する。第2アレイアンテナ1300cは、下部領域に配置される通信装置100bに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100aと第2アレイアンテナ1300cは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0271】
通信装置100bは、任意の角度に回転した状態で配置される。第1回転状態の通信装置100b1と第2アレイアンテナ1300cは、同一偏波(co-polarization)を有する水平偏波信号を送受信する。一方、第2回転状態の通信装置100b2は、電子装置200の偏波信号を送受信しない状態で位置する。第2回転状態は、第1回転状態から90度を基準とする所定角度の範囲内で回転した状態である。第2回転状態の通信装置100b2の垂直偏波信号と第2アレイアンテナ1300cの水平偏波信号は、互いに直交する(orthogonal)交差偏波(cross-polarization)を有する。よって、第2回転状態の通信装置100bと第3アンテナ構造1000c間において、無線通信性能が低下することもあり、通信できない状態になることもある。
【0272】
よって、第4アンテナ構造1000dの下面アンテナである第6アレイアンテナ1300dは、第2回転状態の通信装置100bと垂直偏波信号を送受信するように構成される。なお、図12Bは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(a)のアンテナ配置構造を有する第4アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
【0273】
第4アンテナ構造1000dの一側領域に通信装置100aが配置される。通信装置100aには、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナが配置される。通信装置100aのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。
【0274】
電子装置200の下部領域に通信装置100bが配置される。通信装置100bは、水平偏波信号を送受信するアレイアンテナを含む。通信装置100bのアレイアンテナは、16個又は32個のアンテナ素子で実現される。
【0275】
第3アレイアンテナ1100eは、第1PCB 1010aの一側領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA3を含む。第4アレイアンテナ1100fは、第1PCB 1010aの他側領域に形成される複数のモノポールアンテナMA4~MA6を含む。
【0276】
第3アレイアンテナ1100eは、第1PCBの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第4アレイアンテナ1100fは、第1PCBの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0277】
第3アレイアンテナ1100e及び第4アレイアンテナ1100fは、一側領域及び他側領域に垂直偏波信号を送受信する。第3アレイアンテナ1100eは、一側領域に配置される通信装置100aに垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置100aと第3アレイアンテナ1100eは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0278】
図5の(a)、図7B及び図12Bに示すように、第4アンテナ構造1000dは、第5アレイアンテナ1200dと、第6アレイアンテナ1300dと、第7アレイアンテナ1100gと、第8アレイアンテナ1100hとを含む。
【0279】
第5アレイアンテナ1200dは、第2PCBの前面領域に配置される複数のパッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28を含む。パッチアンテナPA11~PA18、PA21~PA28の中心から垂直方向であるZ軸方向の上方及び下方にオフセットされた位置にカップリングパッチCP11~CP18、CP21~CP28が配置される。パッチアンテナPA11、P21の一側にダミーパッドDP11、DP21が配置されるので、側面放射(side surface radiation)が抑制される。パッチアンテナPA11、P21の他側にダミーパッチアンテナDP12、DP22が配置されるので、側面放射が抑制される。第1アレイアンテナ1200aは、16個の2×8アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0280】
第5アレイアンテナ1200dは、前面領域に垂直偏波信号を送受信する。第5アレイアンテナ1200dは、前面領域に配置される通信装置に垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置と第5アレイアンテナ1200dは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0281】
第6アレイアンテナ1300dは、第2PCBの下部領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA10を含む。第6アレイアンテナ1300dは、10個の1×10アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0282】
第6アレイアンテナ1300dは、下部領域に水平偏波信号を送受信する。第6アレイアンテナ1300dは、下部領域に配置される通信装置100bに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100aと第6アレイアンテナ1300dは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0283】
第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの各アンテナは、同じ構造又は異なる構造のアレイアンテナで実現される。第3アンテナ構造1000cの第1アレイアンテナ1200cと第4アンテナ構造1000dの第5アレイアンテナ1300cは、同じ構造のアレイアンテナで実現される。第3アンテナ構造1000cの第1アレイアンテナ1200cは、2×8配列のパッチアンテナであり、第4アンテナ構造1000dの第5アレイアンテナ1300cは、2×8配列のパッチアンテナである。パッチアンテナの給電位置は、Z軸に対応する垂直中心軸から一方に偏った位置に形成される。
【0284】
第3アンテナ構造1000cの第2アレイアンテナ1300cと第2アンテナ構造1000dの第6アレイアンテナ1300dは、異なる構造のアレイアンテナで実現される。第1アンテナ構造1000aの第2アレイアンテナ1300aは、1×10配列のダイポールアンテナであり、第6アレイアンテナ1300aは、1×10配列のモノポールアンテナである。第2アレイアンテナ1300aと第6アレイアンテナ1300aの偏波特性は、90度ずれるように実現される。
【0285】
通信装置100bは、任意の角度の回転状態で配置される。第1回転状態の通信装置100b1の水平偏波信号と第6アレイアンテナ1300dの垂直偏波信号は、互いに直交する(orthogonal)交差偏波(cross-polarization)を有する。
【0286】
一方、第2回転状態の通信装置100b2は、垂直偏波信号を送受信する。第2回転状態は、第1回転状態から90度を基準とする所定角度の範囲内で回転した状態である。第2回転状態の通信装置100b2の垂直偏波信号と第6アレイアンテナ1300dの垂直偏波信号は、同一偏波(co-polarization)を有する。よって、第2回転状態の通信装置100bと第4アンテナ構造1000d間において、無線通信性能が向上する。
【0287】
第7アレイアンテナ1100cは、第2PCBの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第8アレイアンテナ1100dは、第2PCBの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0288】
第7アレイアンテナ1100g及び第8アレイアンテナ1100hは、一側領域及び他側領域に水平偏波信号を送受信する。第7アレイアンテナ1100gは、一側領域に配置される通信装置100aに垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置100aと第7アレイアンテナ1100gは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0289】
第3アンテナ構造1000c及び第4アンテナ構造1000dの側面に配置されるアレイアンテナは、電子装置の側面に配置される通信装置から信号を受信するか、又は通信装置に信号を送信する。なお、第3アンテナ構造1000cは、第1アレイアンテナ1200cの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第3アレイアンテナ1100e及び第4アレイアンテナ1100fをさらに含む。第4アンテナ構造1000dは、第5アレイアンテナ1200dの左側及び右側に、それぞれ1×3配列のモノポールアンテナである第7アレイアンテナ1100g及び第8アレイアンテナ1100hをさらに含む。第3アンテナ構造1000cの第3アレイアンテナ1100e及び第4アレイアンテナ1100fは、水平偏波信号を放射する。第4アンテナ構造1000dの第7アレイアンテナ1100g及び第8アレイアンテナ1100hは、垂直偏波信号を放射する。
【0290】
一方、通信装置100と電子装置200間に障害物があり、LOS経路上の無線リンクが形成されない場合は、図6の前方ではなく、前面上方に無線信号を送受信するように制御する。なお、第1アレイアンテナ1200c又は第5アレイアンテナ1200dのビーム方向は、垂直方向、前方から前面上方に変更される。
【0291】
電子装置200は、通信装置100から送信された無線信号が天井又は壁面で反射されるように無線リンクを設定する。そのために、電子装置200は、天井方向(上方)にビームフォーミング無線信号を形成する。第1無線通信IC 1400cは、第1アレイアンテナ1200cの第1行のパッチアンテナPA11~PA18に対して、第2行のパッチアンテナPA21~PA28に印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前面上方を向くように制御する。また、第2無線通信IC 1400dは、第5アレイアンテナ1200dの第1行のパッチアンテナPA11~PA18に対して、第2行のパッチアンテナPA21~PA28に印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前面上方を向くように制御する。
【0292】
なお、本発明による電子装置に配置される第1及び第2アンテナ構造は、それぞれ複数のアレイアンテナがPCBの異なる領域に配置される。なお、図13Aは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第3アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。図13Bは、複数のアンテナ配列を備え、図5の(b)のアンテナ配置構造を有する第4アンテナ構造が様々な位置の通信装置と無線通信を行う構造を示す図である。
【0293】
図5の(b)、図7B及び図13Aに示すように、第3アンテナ構造1000cは、第1アレイアンテナ1200cと、第2アレイアンテナ1300cと、第3アレイアンテナ1100eと、第4アレイアンテナ1100fとを含む。
【0294】
第1アレイアンテナ1200cは、第3PCB 1010cの前面領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA14を含む。第1アレイアンテナ1200cは、14個の1×14アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0295】
第1アレイアンテナ1200cは、前面領域に水平偏波信号を送受信する。第1アレイアンテナ1200cは、前面領域に配置される通信装置に垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置と第1アレイアンテナ1200cは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0296】
第2アレイアンテナ1300cは、第3PCB 1010cの下部領域に配置される複数のパッチアンテナPA1~PA12を含む。パッチアンテナPA1~PA12の中心から水平方向であるY軸方向の左方向及び右方向にオフセットされた位置にカップリングパッチCP1~CP12が配置される。第2アレイアンテナ1300cは、12個の1×12アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0297】
第2アレイアンテナ1300cは、下部領域に水平偏波信号を送受信する。第2アレイアンテナ1300cは、下部領域に配置される通信装置100bに水平偏波信号を送信し、そこから水平偏波信号を受信する。通信装置100bと第2アレイアンテナ1300cは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0298】
第3アレイアンテナ1100eは、第3PCB 1010cの一側領域に配置される複数のダイポールアンテナDA21~DA23を含む。第4アレイアンテナ1100fは、第3PCB 1010cの他側領域に形成される複数のダイポールアンテナDA24~DA26を含む。第3アレイアンテナ1100eは、第3PCB 1010cの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第4アレイアンテナ1100fは、第3PCB 1010cの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0299】
第3アレイアンテナ1100e及び第4アレイアンテナ1100fは、一側領域及び他側領域に垂直偏波信号を送受信する。第3アレイアンテナ1100eは、一側領域に配置される通信装置100cに垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置100cと第3アレイアンテナ1100eは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0300】
図5の(b)、図7B及び図13Bに示すように、第4アンテナ構造1000dは、第5アレイアンテナ1200dと、第6アレイアンテナ1300dと、第7アレイアンテナ1100gと、第8アレイアンテナ1100hとを含む。
【0301】
第5アレイアンテナ1200dは、第4PCB 1010dの前面領域に配置される複数のモノポールアンテナMA1~MA14を含む。第5アレイアンテナ1200dは、14個の1×14アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0302】
第5アレイアンテナ1200dは、前面領域に垂直偏波信号を送受信する。第5アレイアンテナ1200dは、前面領域に配置される通信装置に垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置と第5アレイアンテナ1200dは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0303】
第6アレイアンテナ1300dは、複数のパッチアンテナPA1~PA12を含む。パッチアンテナPA1~PA12の中心から垂直方向であるZ軸方向の上方及び下方にオフセットされた位置にカップリングパッチCP1~CP12が配置される。第6アレイアンテナ1300dは、12個の1×12アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0304】
第6アレイアンテナ1300dは、下部領域に垂直偏波信号を送受信する。第6アレイアンテナ1300dは、下部領域に配置される通信装置100bに垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置100bと第6アレイアンテナ1300dは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0305】
第7アレイアンテナ1100gは、第4PCB 1010dの一側領域に配置される複数のダイポールアンテナDA21~DA23を含む。第8アレイアンテナ1100hは、第4PCB 1010dの他側領域に形成される複数のダイポールアンテナDA24~DA26を含む。第7アレイアンテナ1100gは、第4PCB 1010dの一側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。第8アレイアンテナ1100dは、第4PCB 1010dの他側領域に1×3アレイアンテナで実現されるが、これに限定されるものではない。
【0306】
第7アレイアンテナ1100g及び第8アレイアンテナ1100hは、一側領域及び他側領域に垂直偏波信号を送受信する。第7アレイアンテナ1100gは、一側領域に配置される通信装置100cに垂直偏波信号を送信し、そこから垂直偏波信号を受信する。通信装置100cと第7アレイアンテナ1100gは、同一偏波(co-polarization)を有する無線信号を送受信する。
【0307】
以上、複数のアレイアンテナを備える第1及び第2アンテナ構造を有する電子装置について説明した。以下、図面を参照して、電子装置と通信装置間で無線通信を行う方法について詳細に説明する。
【0308】
なお、図14は本発明による通信装置とA/V信号を送受信する電子装置の動作を示すフローチャートである。図5図14を参照して、本発明による電子装置200が第1及び第2アンテナ構造の複数のアレイアンテナを介して無線信号を送受信する方法について説明する。
【0309】
無線ディスプレイシステムに含まれる通信装置100及び電子装置200の電源がオンになると(S11)、電子装置200は、通信装置100の装置IDを識別する(S12)。電子装置200は、通信装置100が配置される位置と回転状態を探索する(S13)。
【0310】
装置IDに基づいて、通信装置100が二重偏波を供給するか否かを判断する(S14)。通信装置100のアンテナ素子が水平偏波信号と垂直偏波信号を送受信できるか否かが判断される。
【0311】
通信装置100が電子装置200の前面領域、下部領域、一側領域及び他側領域のいずれの領域に配置されるかを探索する。よって、電子装置200は、通信装置100が電子装置200の下部領域に配置されるか否かを判断する(S15)。通信装置100が二重偏波を供給する場合は、通信装置100が電子装置200の前面領域又は下部領域に配置されるか否かを判断する(S16)。
【0312】
通信装置100が単一偏波を供給し、通信装置100が電子装置200の下部領域に配置される場合は、第1アンテナ構造1010a及び第2アンテナ構造1010bの何れかにより1T1R動作を行う(S21)。よって、第1アンテナ構造1010aの第2アレイアンテナ1300aを介して水平偏波信号を送受信する。あるいは、第2アンテナ構造1010bの第6アレイアンテナ1300dを介して垂直偏波信号を送受信する。よって、通信装置100と電子装置200は、第1アンテナ構造1010a及び第2アンテナ構造1010bの何れかにより1T1R動作を行う。
【0313】
通信装置100が単一偏波を供給し、通信装置100が電子装置200の前面領域、一側領域又は他側領域に配置される場合は、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bによりダイバーシティ動作を行う(S22)。よって、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bにより同一偏波信号を送受信するダイバーシティ動作を行う。
【0314】
通信装置100が二重偏波を供給し、通信装置100が電子装置200の前面領域又は下部領域に配置される場合は、第1アンテナ構造1000a及び第2アンテナ構造1000bの両方が動作するように制御する(S22)。
【0315】
第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dが垂直偏波を供給する場合は、第1アンテナ構造1010a及び第2アンテナ構造1010bにより2T2R動作を行う(S23)。よって、垂直偏波信号及び水平偏波信号を同時に送受信する多重入出力(MIMO)動作により2T2R動作が行われる。
【0316】
第7アレイアンテナ1100c及び第8アレイアンテナ1100dが垂直偏波を供給しない場合は、第1アンテナ構造1010a及び第2アンテナ構造1010bにより1T2R動作を行う(S24)。よって、通信装置100と電子装置200は、第1アンテナ構造1010a及び第2アンテナ構造1010bの何れかにより1T2R動作を行う。
【0317】
一方、本発明による電子装置は、通信装置の位置に基づいて第1及び第2アンテナ構造の複数のアレイアンテナを適宜選択し、最適なビームフォーミングによりA/V信号を受信する。なお、図15は本発明による電子装置がA/V信号を送受信する無線ビームフォーミング信号を選択、変更又は復元する方法のフローチャートである。
【0318】
図14に示すように、複数のアレイアンテナの動作モードを選択/変更し、その後、図15に示すように、ビーム選択、変更又は復元過程を行うが、これに限定されるものではない。図15に示すように、ビーム選択、変更又は復元過程で無線通信を行っているときに通信装置が配置される領域が変更されると、図14に示すように、アレイアンテナの動作モードが変更される。
【0319】
図1図2図5図15を参照して、電子装置がA/V信号を送受信する無線ビームフォーミング信号を選択、変更又は復元する方法について説明する。プロセッサ290は、通信装置100と電子装置200間に形成可能なビームを探索する(S111)。プロセッサ290は、通信装置100と電子装置200間に形成可能な全てのビームを探索結果として得る。一方、全てのビームは、通信装置100からA/V信号を送信する送信ビーム、及び電子装置200からA/V信号を受信する受信ビームから構成される一対(pair)のビームを有する。
【0320】
また、プロセッサ290は、通信装置100と電子装置200間に形成可能であると探索されたビーム300から有効ビームを得る(S112)。有効ビームは、プロセッサ290が探索した全てのビームのうち、実際にA/V信号を送受信するために選択される1つ以上のビームであってもよい。あるいは、有効ビームは、通信装置100と電子装置200間に形成可能なビーム300のうち、最小送信速度以上でA/V信号を送受信する1つ以上のビームであってもよい。
【0321】
また、プロセッサ290は、ビームIDに基づいてビーム角度を得る(S113)。ビームIDは、通信装置100と電子装置200に形成される各ビーム300を識別するためのIDである。ビーム角度は、電子装置200側における角度であるビーム受信角度と、通信装置100側における角度であるビーム送信角度とを含む。ビーム受信角度及びビーム送信角度は、通信装置100と電子装置200間に形成されるLOS経路において測定される角度である。
【0322】
また、プロセッサ290は、少なくとも1つの有効ビームがセンサ(図示せず)の検知範囲内に形成されるか否かを判断する(S121)。センサ(図示せず)は、オブジェクトの位置及び速度の少なくとも一部又は全部を得る。
【0323】
また、プロセッサ290は、センサ(図示せず)の検知範囲内に有効ビームが形成されると判断すると、基準範囲を設定する(S122)。基準範囲は、後述するオブジェクトモニタリング中にA/V信号送受信障害発生が予想される範囲であってもよい。基準範囲は、後述するオブジェクトモニタリング中にプロセッサ290がビーム変更命令又はビーム復元命令を送信するための基準となる範囲であってもよい。
【0324】
また、プロセッサ290は、オブジェクトモニタリングを開始する(S131)。オブジェクトモニタリングは、通信装置100と電子装置200間に位置するオブジェクトの位置及び速度の少なくとも一部又は全部をモニタリングする動作である。
【0325】
一方、プロセッサ290は、設定した基準範囲を調節する(S132)。プロセッサ290は、オブジェクトに応じて基準範囲を調節してもよく、基準範囲を調節しなくてもよい。すなわち、実施形態によってはステップS132を省略してもよい。プロセッサ290は、ステップS122で設定した基準範囲を調節する。例えば、プロセッサ290は、オブジェクトの速度を得て、オブジェクトの速度に基づいて基準範囲を調節する。
【0326】
本発明の一実施形態による電子装置200は、オブジェクトの速度を考慮して基準範囲の広さをリアルタイムで調節することができるので、送信速度が速いメインビームでA/V信号が送信される時間を最大化することにより送信効率を最大化できると共に、A/V信号送受信エラーを最小限に抑えることができる。プロセッサ290は、オブジェクトが基準範囲に進入したか否かを判断する(S133)。
【0327】
プロセッサ290は、オブジェクトが基準範囲に進入していないと判断した場合は、ビーム変更命令を送信せず、続けてオブジェクトが基準範囲に進入したか否かを判断する。
【0328】
一方、プロセッサ290は、オブジェクトが基準範囲に進入したと判断した場合は、通信装置100にビーム変更命令を送信する(S141)。ビーム変更命令は、A/V信号を送受信するビームを変更するための命令である。ビーム変更命令により、有効ビームの何れかのビームがA/V信号を送受信するビームに変更される。ビーム変更命令によりA/V信号を送受信するビームとして選択されるビームは、サブビームである。
【0329】
なお、オブジェクトが基準範囲に進入し、通信装置100と電子装置200間のLOS経路の無線通信性能が低下すると、他の経路を介して無線リンクが設定される。電子装置200は、通信装置100から送信された無線信号が天井又は壁面で反射されるように無線リンクを設定する。そのために、電子装置200は、天井方向(上方)にビームフォーミング無線信号を形成する。前方の第1アレイアンテナ1200aの第1行のパッチアンテナPA11~PA18に対して、第2行のパッチアンテナPA21~PA28に印加される信号の位相を調節し、ビームフォーミング無線信号が前面上方を向くように調節する。
【0330】
一方、プロセッサ290は、オブジェクトが基準範囲を逸脱したか否かを判断する(S142)。プロセッサ290は、基準範囲にオブジェクトが進入し、ビーム変更が行われると、オブジェクトが基準範囲を逸脱したか否かを判断する。
【0331】
プロセッサ290は、オブジェクトが基準範囲を逸脱していないと判断した場合は、ビーム復元命令を送信せず、続けてオブジェクトが基準範囲を逸脱したか否かを判断する。一方、プロセッサ290は、オブジェクトが基準範囲を逸脱したと判断した場合は、通信装置100にビーム復元命令を送信する(S143)。
【0332】
以上、アンテナモジュールを備える電子装置について説明した。本発明によるアンテナモジュールを備える電子装置の技術的効果は次の通りである。
【0333】
本実施形態による電子装置は、A/V送信装置の位置に関係なく、複数のアレイアンテナが配置される第1及び第2アンテナ構造により、データのA/V無線通信を行うことができる。
【0334】
また、A/V送信装置がデータを2ストリーム送信することができ、データの圧縮率を高めると発生する映像の画質低下を最小限に抑えることができる。
【0335】
さらに、1枚の基板に水平偏波のアンテナと垂直偏波のアンテナが共に配置されるので、アンテナモジュールをコンパクト化することができ、データ受信率が高くなるという利点がある。
【0336】
さらに、A/V送信装置と電子装置のアレイアンテナ配置構造に応じて、水平偏波及び垂直偏波信号を用いて、通信容量が増大しながらも相互間の干渉が低減したA/V無線通信を行うことができる。
【0337】
さらに、A/V送信装置と電子装置の位置及びアレイアンテナの偏波特性を考慮して、水平偏波及び垂直偏波信号を用いて、通信容量が増大しながらも相互間の干渉が低減したA/V無線通信を行うことができる。
【0338】
さらに、A/V送信装置と電子装置間の無線通信経路上に障害物が存在しても、ビームフォーミング方向を変更し、反射波を用いて、切断されることのないA/V無線通信を提供することを目的とする。
【0339】
本発明を適用することのできるさらなる範囲は、以上の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本発明の思想及び範囲内での様々な変更及び変形は、当業者であれば明確に理解することができるので、詳細な説明及び好ましい実施形態などの特定実施形態は単に本発明を例示するものにすぎない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15