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特開2024-180293細長い医療デバイストルカーのシステム及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180293
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】細長い医療デバイストルカーのシステム及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A61M25/01
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024072861
(22)【出願日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】18/334,593
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ザープス
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB01
4C267GG02
4C267GG21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】細長い医療デバイスを支持するための装置を提供する。
【解決手段】細長い医療デバイスを支持するための装置であって、第1の表面を有する第1のジョー120と、第1のジョーの第1の表面130に配置された第1のパッド125と、第1の表面に対向する第2の表面131を有する第2のジョー122と、第2のジョーの第2の表面に配置された第2のパッド133と、を含む。第1のパッドは、第1のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延伸する少なくとも1つの第1の凹部を画定する。第1のパッド及び第2のパッドは、細長い医療デバイスとかみ合うように構成される。少なくとも1つの第1の凹部は、細長い医療デバイスの動作中、少なくとも1つの第1の凹部の中央部分に細長い医療デバイスを維持するように構成される。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い医療デバイスを支持するための装置であって、
第1の表面を有する第1のジョーと、
前記第1のジョーの前記第1の表面に配置された第1のパッドであり、該第1のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つの第1の凹部を画定する、第1のパッドと、
前記第1の表面に対向する第2の表面を有する第2のジョーと、
前記第2のジョーの前記第2の表面に配置された第2のパッドと、を含む装置。
【請求項2】
前記第1のパッド及び前記第2のパッドは、前記細長い医療デバイスとかみ合うように構成され、
前記少なくとも1つの第1の凹部は、前記細長い医療デバイスの動作中、前記少なくとも1つの第1の凹部の中央部分に前記細長い医療デバイスを維持するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記細長い医療デバイスの動作は、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間における前記細長い医療デバイスの軸方向の移動、回転、ピンチ、取り付け、及びクランプの1つ以上を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の凹部は、窪み形状又はV字形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のパッドは、前記第2のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つの第2の凹部を画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の凹部は、前記第1のパッドの長手方向に延伸する第1の曲面を含み、
前記少なくとも1つの第2の凹部は、前記第2のパッドの長手方向に延伸する第2の曲面を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の曲面の湾曲は、前記第1のパッドの長手方向軸と直交する方向に延び、
前記第2の曲面の湾曲は、前記第2のパッドの長手方向軸と直交する方向に延びる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の曲面又は前記第2の曲面の少なくとも1つは、一定の曲率半径を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のパッド又は前記第2のパッドの少なくとも1つの少なくとも一部が起伏形成された表面を有し、
前記起伏形成された表面は、周期的パターンを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記周期的パターンは、前記第1のパッドの外縁から前記第1のパッドの中央に向かって減少し、
前記周期的パターンは、前記第2のパッドの外縁から前記第2のパッドの中央に向かって減少する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のパッドの前記周期的パターンが、前記第2のパッドの前記周期的パターンに対し180°位相がずれている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のパッドの少なくとも一部分が、前記第1のパッドの長さの少なくとも前記一部分に沿って延びた第1の波状面を含み、
前記少なくとも1つの第1の凹部が前記第1の波状面に画定される、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第2のパッドの少なくとも一部分が、前記第2のパッドの長さの少なくとも前記一部分に沿って延びた第2の波状面を含み、
前記少なくとも1つの第2の凹部が前記第2の波状面に画定される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の波状面は、第1の複数の波を含み、
前記第2の波状面は、第2の複数の波を含み、
前記第1の複数の波の山が前記第2の複数の波の谷と整列するように構成され、
前記第2の複数の波の山が前記第1の複数の波の谷と整列するように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のパッドの長さの少なくとも前記一部に沿って延びる複数の第1の凹部をさらに含み、前記複数の第1の凹部の各々が湾曲した又はV字形状の溝である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第2のパッドの長さの少なくとも前記一部に沿って延びる複数の第2の凹部をさらに含み、前記複数の第2の凹部の各々が湾曲した又はV字形状の溝である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の第1の凹部が前記複数の第2の凹部と整列する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の第1の凹部が前記複数の第2の凹部からオフセットされている、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
第1のキャビティを画定する第1のハウジング部と、
前記第1のキャビティ内で作動するように構成されたジョーアセンブリであり、前記第1のジョー、前記第1のパッド、前記第2のジョー、及び前記第2のパッドを含む、ジョーアセンブリと、
第2のキャビティを画定する第2のハウジング部であり、前記第1のハウジング部の近位端に連結されるように構成される、第2のハウジング部と、
前記第2のキャビティ内にあって前記第1のハウジング部の少なくとも一部の中へ延びるように構成されたプッシャであり、前記ジョーアセンブリを第1の位置と第2の位置との間で作動させるように構成される、プッシャと、
前記プッシャと係合し、前記プッシャに付勢力を加えるように構成された付勢部材と、
前記付勢部材と係合するアクチュエータであり、前記付勢部材及び前記プッシャを第1の方向と第2の方向に作動させるように構成される、アクチュエータと、をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
細長い医療デバイスを支持するための装置であって、
第1の表面を有する第1のジョーと、
前記第1のジョーの前記第1の表面に対面する第2の表面を有する第2のジョーと、
前記第1のジョーの前記第1の表面に配置された第1のパッドと、
前記第2のジョーの前記第2の表面に配置された第2のパッドと、を含み、
前記第1のパッドの第1の表面が前記第2のパッドの第2の表面に対面し、
前記第1のパッドは、少なくとも前記第1のパッドの前記第1の表面の第1の外縁から前記第2のパッドの前記第2の表面に向かって延出する第1の壁を含み、
前記第2のパッドは、少なくとも前記第2のパッドの前記第2の表面の第1の外縁から前記第1のパッドの前記第1の表面に向かって延出する第2の壁を含む、装置。
【請求項21】
前記第1のパッドは、少なくとも前記第1のパッドの前記第1の表面の第2の外縁から前記第2のパッドの前記第2の表面に向かって延出する第3の壁を含み、
前記第2のパッドは、少なくとも前記第2のパッドの前記第2の表面の第2の外縁から前記第1のパッドの前記第1の表面に向かって延出する第4の壁を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の壁は、前記第1のパッドの前記第1の表面の前記第1の外縁の少なくとも一部に沿って延出し、
前記第2の壁は、前記第2のパッドの前記第2の表面の前記第1の外縁の少なくとも一部に沿って延出し、
前記第3の壁は、前記第1のパッドの前記第1の表面の前記第2の外縁の少なくとも一部に沿って延出し、
前記第4の壁は、前記第2のパッドの前記第2の表面の前記第2の外縁の少なくとも一部に沿って延出している、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の壁、前記第2の壁、前記第3の壁、及び前記第4の壁は、複数の胸壁を有する城壁である、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
第1のキャビティを画定する第1のハウジング部と、
前記第1のキャビティ内で作動するように構成されたジョーアセンブリであり、前記第1のジョー、前記第1のパッド、前記第2のジョー、及び前記第2のパッドを含む、ジョーアセンブリと、
第2のキャビティを画定する第2のハウジング部であり、前記第1のハウジング部の近位端に連結されるように構成される、第2のハウジング部と、
前記第2のキャビティ内にあって前記第1のハウジング部の少なくとも一部の中へ延びるように構成されたプッシャであり、前記ジョーアセンブリを第1の位置と第2の位置との間で作動させるように構成される、プッシャと、
前記プッシャと係合し、前記プッシャに付勢力を加えるように構成された付勢部材と、
前記付勢部材と係合し、前記付勢部材及び前記プッシャを第1の方向と第2の方向に作動させるように構成されたアクチュエータと、をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記第1のパッド及び前記第2のパッドは、前記細長い医療デバイスとかみ合い、前記細長い医療デバイスの動作中、前記第1のパッド及び前記第2のパッドの中央部分に前記細長い医療デバイスを維持するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
細長い形医療デバイスを支持するための装置であって、
第1の表面を有する第1のジョーと、
前記第1のジョーの前記第1の表面に配置された第1のパッドと、
前記第1の表面と対向する第2の表面を有する第2のジョーと、
前記第2のジョーの前記第2の表面に配置された第2のパッドと、を含み、
前記第1のパッド及び前記第2のパッドは、前記長い医療デバイスとかみ合ったときに、前記第1のパッド及び前記第2のパッドの中央部分に前記細長い医療デバイスを維持するように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、細長い医療デバイストルカーのためのシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルその他の細長い医療デバイス(EMD)は、様々な血管系の疾患を診断及び/又は治療するための低侵襲医療処置に使用され得る。医療処置の例としては、神経インターベンション手術としても知られる神経血管インターベンション(NVI)、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)及び末梢血管インターベンション(PVI)が含まれる。これらの処置は、通常、カテーテルを前進させて治療を施すために、血管系を通してガイドワイヤをナビゲートすることを伴う。医師が上述のような医療処置を行うのを助けるために、ロボット制御カテーテル式の処置システムが使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも1つの例示態様は、細長い医療デバイスを支持するための装置に関する。この装置は、第1の表面を有する第1のジョー(顎部)と、第1のジョーの第1の表面に配置された第1のパッドと、第1の表面に対向する第2の表面を有する第2のジョーと、第2のジョーの第2の表面に配置された第2のパッドと、を含む。第1のパッドは、第1のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つの第1の凹部を画定する。
【0004】
少なくとも1つの例示態様において、第1のパッド及び第2のパッドは、細長い医療デバイスとかみ合うように構成される。少なくとも1つの第1の凹部は、細長い医療デバイスの動作中、細長い医療デバイスを該少なくとも1つの第1の凹部の中央部分に維持するように構成される。
【0005】
少なくとも1つの例示態様において、細長い医療デバイスの動作は、第1のジョーと第2のジョーとの間における細長い医療デバイスの、軸方向の移動、回転、ピンチ(挟持)、取り付け、及びクランプ(固定)の1つ以上を含む。
【0006】
少なくとも1つの例示態様において、少なくとも1つの第1の凹部は、窪み形状又はV字形状を有する。
【0007】
少なくとも1つの例示態様において、第2のパッドは、第2のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つの第2の凹部を画定する。
【0008】
少なくとも1つの例示態様において、少なくとも1つの第1の凹部は、第1のパッドの長手方向に延伸する第1の曲面を含み、少なくとも1つの第2の凹部は、第2のパッドの長手方向に延伸する第2の曲面を含む。
【0009】
少なくとも1つの例示態様において、第1の曲面の湾曲は第1のパッドの長手方向軸と直交する方向に延び、第2の曲面の湾曲は第2のパッドの長手方向軸と直交する方向に延びる。
【0010】
少なくとも1つの例示態様において、第1の曲面又は第2の曲面の少なくとも1つは一定の曲率半径を有する。
【0011】
少なくとも1つの例示態様において、第1のパッド又は第2のパッドの少なくとも1つの少なくとも一部が起伏形成された表面を有し、この起伏形成表面は、周期的パターンを有する。
【0012】
少なくとも1つの例示態様において、周期的パターンは、第1のパッドの外縁から第1のパッドの中央に向かって減少し、周期的パターンは、第2のパッドの外縁から第2のパッドの中央に向かって減少する。
【0013】
少なくとも1つの例示態様において、第1のパッドの周期的パターンは、第2のパッドの周期的パターンに対し180°位相がずれている。
【0014】
少なくとも1つの例示態様において、第1のパッドの少なくとも一部分が、第1のパッドの長さの少なくとも該一部分に沿って延びた第1の波状面を含み、少なくとも1つの第1の凹部が第1の波状面に画定される。
【0015】
少なくとも1つの例示態様において、第2のパッドの少なくとも一部分が、第2のパッドの長さの少なくとも該一部分に沿って延びた第2の波状面を含み、少なくとも1つの第2の凹部が第2の波状面に画定される。
【0016】
少なくとも1つの例示態様において、第1の波状面は第1の複数の波を含み、第2の波状面は第2の複数の波を含む。第1の複数の波の山(ピーク)が第2の複数の波の谷と整列するように構成され、第2の複数の波の山が第1の複数の波の谷と整列するように構成される。
【0017】
少なくとも1つの例示態様において、本装置は、第1のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びる複数の第1の凹部を含む。複数の第1の凹部の各々は、湾曲した又はV字形状の溝を含む。
【0018】
少なくとも1つの例示態様において、本装置は、第2のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びる複数の第2の凹部を含む。複数の第2の凹部の各々は、湾曲した又はV字形状の溝を含む。
【0019】
少なくとも1つの例示態様において、複数の第1の凹部は複数の第2の凹部と整列する。
【0020】
少なくとも1つの例示態様において、複数の第1の凹部は複数の第2の凹部からオフセットされている(ずれている)。
【0021】
少なくとも1つの例示態様において、本装置は、第1のキャビティを画定する第1のハウジング部と、第1のキャビティ内で作動するように構成されたジョーアセンブリと、第2のキャビティを画定する第2のハウジング部と、第2のキャビティ内に配置され、第1のハウジング部の少なくとも一部の中へ延びるように構成されたプッシャと、プッシャと係合し、プッシャに付勢力を加えるように構成された付勢部材と、付勢部材と係合するアクチュエータと、を含む。ジョーアセンブリは、第1のジョー、第1のパッド、第2のジョー、及び第2のパッドを含む。第2のハウジング部は、第1のハウジング部の近位端に連結されるように構成される。プッシャは、ジョーアセンブリを第1の位置と第2の位置との間で作動させるように構成される。付勢部材は、プッシャと係合し、プッシャに付勢力を加えるように構成される。アクチュエータは、付勢部材及びプッシャを第1の方向と第2の方向に作動させるように構成される。
【0022】
少なくとも1つの例示態様は、細長い医療デバイスを支持するための装置に関する。この装置は、第1の表面を有する第1のジョーと、第2の表面を有する第2のジョーと、第1のジョーの第1の表面に配置された第1のパッドと、第2のジョーの第2の表面に配置された第2のパッドと、を含む。第2の表面は、第1のジョーの第1の表面に対面する。第1のパッドの第1の表面は、第2のパッドの第2の表面に対面する。第1のパッドは、少なくとも第1のパッドの第1の表面の第1の外縁から第2のパッドの第2の表面に向かって延出する第1の壁を含み、第2のパッドは、少なくとも第2のパッドの第2の表面の第1の外縁から第1のパッドの第1の表面に向かって延出する第2の壁を含む。
【0023】
少なくとも1つの例示態様において、第1のパッドは、少なくとも第1のパッドの第1の表面の第2の外縁から第2のパッドの第2の表面に向かって延出する第3の壁を含み、第2のパッドは、少なくとも第2のパッドの第2の表面の第2の外縁から第1のパッドの第1の表面に向かって延出する第4の壁を含む。
【0024】
少なくとも1つの例示態様において、第1の壁は、第1のパッドの第1の表面の第1の外縁の少なくとも一部に沿って延出し、第2の壁は、第2のパッドの第2の表面の第1の外縁の少なくとも一部に沿って延出し、第3の壁は、第1のパッドの第1の表面の第2の外縁の少なくとも一部に沿って延出し、第4の壁は、第2のパッドの第2の表面の第2の外縁の少なくとも一部に沿って延出している。
【0025】
少なくとも1つの例示態様において、第1の壁、第2の壁、第3の壁、及び第4の壁は、複数の胸壁(胸墻)を有する城壁である。
【0026】
少なくとも1つの例示態様において、本装置は、第1のキャビティを画定する第1のハウジング部と、第1のキャビティ内で作動するように構成されたジョーアセンブリと、第2のキャビティを画定する第2のハウジング部と、第2のキャビティ内に配置され、第1のハウジング部の少なくとも一部の中へ延びるように構成されたプッシャと、プッシャと係合し、プッシャに付勢力を加えるように構成された付勢部材と、付勢部材と係合し、付勢部材及びプッシャを第1の方向と第2の方向に作動させるように構成されたアクチュエータと、を含む。ジョーアセンブリは、第1のジョー、第1のパッド、第2のジョー、及び第2のパッドを含む。第2のハウジング部は、第1のハウジング部の近位端に連結されるように構成される。プッシャは、ジョーアセンブリを第1の位置と第2の位置との間で作動させるように構成される。
【0027】
少なくとも1つの例示態様において、第1のパッド及び第2のパッドは、細長い医療デバイスとかみ合い、細長い医療デバイスの動作中、細長い医療デバイスを第1のパッド及び第2のパッドの中央部分に維持するように構成される。
【0028】
少なくとも1つの例示態様は、細長い医療デバイスを支持するための装置に関する。この装置は、第1の表面を有する第1のジョーと、第1のジョーの第1の表面に配置された第1のパッドと、第2の表面を有する第2のジョーと、第2のジョーの第2の表面に配置された第2のパッドと、を含む。第2の表面は、第1の表面と対向する。第1のパッド及び第2のパッドは、細長い医療デバイスとかみ合ったときに、細長い医療デバイスを第1のパッド及び第2のパッドの中央部分に維持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書における限定的ではない実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて詳細な説明を参照することによって、より明らかになる。添付の図面は、単に例示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではない。添付の図面は、明示しない限り、縮尺通りに描かれていると見なされるべきではない。明確にするために、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
図1】少なくとも1つの例の実施形態に係る治療システムの側方斜視図。
図2】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図1の治療システムのブロック図。
図3A】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図1の治療システムのカセットアセンブリ、ロボット駆動装置、及び駆動モジュールの分解図。
図3B】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図3Aのトルカーアクチュエータ及びカセットの側面図。
図3C】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図3Bのトルカーアクチュエータ及びカセットの断面図。
図4】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図3B図3Cのトルカーアクチュエータの斜視図。
図5】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図4のトルカーアクチュエータの分解図。
図6】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図4のトルカーアクチュエータの断面図。
図7A】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図5のトルカーアクチュエータのジョーアセンブリの斜視図。
図7B】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図7Aのジョーアセンブリの端面図。
図7C】少なくとも1つの例の実施形態に係る、ジョーアセンブリの端面図。
図8A】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図。
図8B】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図8Aのジョーアセンブリの第2のジョーの斜視図。
図8C】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図8Aのジョーアセンブリの断面図。
図8D】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図8Aのジョーアセンブリの断面図。
図9A】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図。
図9B】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図9Aのジョーアセンブリの端面図。
図9C】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図9Aのジョーアセンブリの第1のジョーの底側斜視図。
図10A】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図。
図10B】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図10Aのジョーアセンブリの第1のジョーの底側斜視図。
図10C】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図10Aのジョーアセンブリの端面図。
図11A】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図。
図11B】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図11Aのジョーアセンブリの第1のジョーの底側斜視図。
図11C】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図11Aのジョーアセンブリの端面図。
図12A】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図。
図12B】少なくとも1つの例の実施形態に係る、図12Aのジョーアセンブリの端面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
文法上の用語の用法とは無関係に、男性、女性、その他のジェンダーアイデンティティの個人個人が、用語の中に含まれる。
【0031】
いくつかの詳細な例の実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、いくつか例示する実施形態を説明する目的のための単なる代表例である。すなわち、例示する実施形態は、多くの代替形態で実施されてもよく、本明細書に説明する例示の実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0032】
このように、例示の実施形態は様々な変形と代替の形態が可能であるが、その実施例が図面に一例として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、開示する特定の形態に実施例を限定する意図はなく、逆に言えば、実施例は、例示する実施形態の範囲内に入るすべての変形、組み合わせ、同等のもの、及び代替を網羅することを理解すべきである。図の説明全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0033】
要素又は層が別の要素又は層「にある」、「に接続される」、「に連結(結合)される」、又は「を覆う」と言う場合、それは、別の要素又は層に直接的に、ある、接続される、連結(結合)される、又は別の要素又は層を直接的に覆うこともあるし、介在する要素又は層が存在することもある、ということが理解されるべきである。対照的に、ある要素が、別の要素又は層に「直接的にある」、「直接的に接続される」、又は「直接的に連結(結合)される」と言う場合、介在する要素又は層は存在しない。明細書全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。本明細書で使用する「及び/又は」は、1つ以上の関連して列挙されている項目のいずれかの又はすべての組み合わせを含む。
【0034】
「第1」、「第2」、「第3」などが様々な要素、領域、層、及び/又はセクション(区域)を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、領域、層、及び/又はセクションがそのような修飾で限定されることにはならないと理解されるべきである。このような修飾は、1つの要素、領域、層、又はセクションを別の領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用される。すなわち、以下で説明する第1の要素、領域、層、又はセクションは、実施例の示唆から逸脱することなく、第2の要素、領域、層、又はセクションと称することができ得る。
【0035】
空間的に相対的な言葉(例えば、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」など)が、図面に示されているような、ある要素又は部分(特徴)と1つ以上の別の要素又は部分(特徴)との関係を説明する記述を容易にするために、本明細書で使用され得る。これら空間的に相対的な言葉は、図に示される方向に加えて、使用又は作動中のデバイスの別の方向も含む、という意図をもつことが理解されるべきである。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、別の要素又は部分の「下方」又は「下」として説明されていた要素は、該別の要素又は部分の「上方」に向けられることになる。すなわち、「下方」は、上方及び下方の両方の方向の意味を含み得る。デバイスはこれとはまた別の方向(90度回転などの他の向き)にもされ得るので、本明細書で使用される空間的に相対的な記述は場合に応じて解釈される。
【0036】
本明細書で使用される用語は種々の実施例を説明することのみを目的としており、実施例を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明記していない限り、複数形も含むと意図されている。本明細書において使用される場合、「を含む」、「を含んでいる」、及び/又は「から構成される(を備える)」、「から構成されている(を備えている)」は、列挙された部分(特徴)、整数、ステップ(工程/過程)、オペレーション(操作/作動)、及び/又は要素の存在を特定するが、1つ以上の他の部分、整数、ステップ、オペレーション、要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないと理解されるべきである。
【0037】
実施例は、実施例を概略的に図示する断面図を参照して本明細書で説明される。それ故、図示の形状からの派生が想到される。したがって、実施例は、本明細書に示される領域の形状に限定されると解釈されるべきではなく、形状のずれや派生を含むと解釈されるべきである。
【0038】
「約」及び「実質的」が数値に関連して本明細書において使用される場合、関連する数値は、特に明示的に定義されない限り、記載された数値を中心に±10%の許容誤差を含むことが意図される。さらに、「おおよそ/概して(一般的に)」又は「実質的に」が幾何学的形状に関連して使用される場合、幾何学的形状の正確性は必要ではなく、形状の許容度が本開示の範囲内であることが意図される。さらに、数値又は形状が「約」、「おおよそ」、又は「実質的に」に応じて変形されるかどうかにかかわらず、これらの数値及び形状は、記載された数値又は形状を中心とした製造時又は作動時の許容誤差(例えば、±10%)を含んでいると解釈されるべきであると、理解される。
【0039】
別途定義されない限り本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、実施例の属す技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義される用語を含めて、用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解される。
【0040】
図1は、少なくとも1つの実施例に係る治療システムの側方斜視図である。
【0041】
少なくとも1つの実施例において、治療システム10は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(例えば、STEMIを治療するため)、神経血管インターベンション処置(NVI)(例えば、急性大血管閉塞(ELVO)を治療するため)、及び/又は末梢血管インターベンション処置(PVI)(例えば、重症肢虚血(CLI)などのため)を含む経皮的インターベンション処置などのカテーテルベースの医療処置を実行するために使用され得る。カテーテルベースの医療処置は、1つ以上のカテーテルその他の細長い医療デバイス(EMD)が患者の疾患の診断を補助するために使用される診断カテーテル法処置を含み得る。カテーテルベースの医療処置は、カテーテル(その他のEMD)が疾患を治療するために使用されるカテーテルベースの治療処置(例えば、血管形成術、ステント留置、末梢血管疾患の治療、血餅除去、動静脈奇形治療、動脈瘤の治療など)も含み得る。治療処置は、血管内超音波(IVUS)、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、フラクショナルフローリザーブ(冠血流予備量比:FFR)などの補助デバイス54(図2に示す)を含むことによって強化され得る。少なくとも1つの実施例において、経皮的インターベンションデバイス又はコンポーネント(例えば、ガイドワイヤのタイプ、カテーテルのタイプなど)は、実施されるべき処置のタイプに基づいて選択され得る。
【0042】
少なくとも1つの実施例において、治療システム10は、ベッドサイドユニット20と、少なくとも1つの制御ステーションと、を含む。制御ステーションは、図2に示されるローカル制御ステーション38及び/又はリモート制御ステーション42など、ローカル制御ステーション又はリモート制御ステーションの1つ以上を含むことができる。ベッドサイドユニット20は、ロボット駆動装置24と、患者12に隣接する位置決めシステム22と、を含む。患者12は、患者テーブル18上に例えば寝かされる。位置決めシステム22の第1の端部は、図1に示されるように、患者テーブル18の端部に取り付けられる。他の実施例において、位置決めシステム22の第1の端部は、例えば、ベース又はカートに取り付けられる。少なくとも1つの実施例において、位置決めシステム22は、ロボット駆動装置24を位置決めし、支持するために使用される。位置決めシステム22の第2の端部に、ロボット駆動装置24が取り付けられる。位置決めシステム22は、ロボットアーム、関節アーム、ホルダなどを備え得る。位置決めシステム22及び/又はロボット駆動装置24は、患者12を患者テーブル18上に寝かせられるように、退避させることができる。患者12が患者テーブル18に載った後は、位置決めシステム22は、処置又は治療のためにロボット駆動装置24を患者12に対して固定又は位置決めするために使用される。少なくとも1つの実施例において、患者テーブル18は、部屋の床に据え付けられた台座17によって支持される。患者テーブル18は、台座17に対して多自由度、例えば、ロール、ピッチ、及びヨーで動かせるように構成される。少なくとも1つの実施例において、ベッドサイドユニット20は、図2に示すように、制御機器及びディスプレイ46を含むことができる。例えば、いくつかの実施例において、制御機器及びディスプレイ46は、ロボット駆動装置24の筐体に配置される。
【0043】
少なくとも1つの実施例において、ロボット駆動装置24は、図2に示すように、1つ以上のデバイス及びアクセサリ48を装備することができる。例えば、デバイス及びアクセサリ48は、1つ以上のガイドワイヤ、様々なタイプのカテーテル、限定的ではない例として、バルーンカテーテル、ステントデリバリシステム、ステント回収器、塞栓コイル、液体塞栓、吸引ポンプ、造影剤、薬剤を送り込むデバイス、止血弁アダプタ、シリンジ、ストップコック、膨張デバイスなど、を含む。1つ以上のデバイス及びアクセサリ48は、ユーザ(又はオペレータ)がカテーテルベースの医療処置などの処置又は治療を行うことを可能にする。少なくとも1つの実施例において、ベッドサイドユニット20及び/又はロボット駆動装置24は、ベッドサイドユニット20に本明細書に説明する機能を提供するためのコンポーネントをいくつか及び/又はその組み合わせを含むことができる。例えば、ロボット駆動装置24は、ロボット駆動装置24のレール又は直線部材に取り付けられる、複数のデバイスモジュール32a~dなどの、1つ以上のデバイスモジュールを含む。デバイスモジュール32a~dの各々は、カテーテル又はガイドワイヤなどの細長い医療デバイス(EMD)を駆動するために使用される。例えば、ロボット駆動装置24は、患者12の動脈内の診断用カテーテルの中へ及びガイドカテーテル中へガイドワイヤを自動的に供給するために使用される。EMDなどの1つ以上のデバイスは、例えば、イントロデューサシースを介して、挿入点16において患者12の体内(例えば、血管)へ入る。デバイスモジュール32a~dの各々は、図3Aに関して以下に説明するように、駆動モジュールと、駆動モジュールに取り外し可能に取り付けられたカセットと、を含む。各駆動モジュールは、ブラケット又はステージを用いてロボット駆動装置24の長手方向軸に沿って移動するように構成される。
【0044】
少なくとも1つの実施例において、ベッドサイドユニット20は、制御ステーションと通信し、制御ステーションのユーザ入力によって生成される信号がベッドサイドユニット20の様々な機能を制御するためにベッドサイドユニット20へ無線又は有線で送信されるようにしてある。例えば、図2に示されるように、制御コンピューティングシステム34が、ベッドサイドユニット20とローカル制御ステーション38及び/又はリモート制御ステーション42との間に設けられる。ベッドサイドユニット20は、フィードバック信号(例えば、負荷、速度、作動条件、警告信号、エラーコードなど)を制御コンピューティングシステム34に提供もする。制御コンピューティングシステム34と治療システム10の様々なコンポーネントとの間の通信は、無線接続、有線接続、又はコンポーネント間に生じる通信を可能にする能力をもつ他の手段又はメカニズムであり得る通信リンクを介して提供される。
【0045】
少なくとも1つの実施例において、制御ステーションは、ローカルサイト(例えば、図2に示すようなローカル制御ステーション38)又はリモートサイト(例えば、図2に示すようなリモート制御ステーション42)に配置することができる。例えば、治療システム10は、ローカル制御ステーション38又はリモート制御ステーション42、あるいはローカル制御ステーション38とリモート制御ステーション42の両方によって操作される。ローカルサイトにおいて、ユーザ(又はオペレータ)及びローカル制御ステーション38は、患者12及びベッドサイドユニット20と同じ部屋又は隣の部屋に配置される。例えば、ローカルサイトは、ベッドサイドユニット20及び患者12又は被検体(例えば、動物又は死体)の場所である。リモートサイトでは、ユーザ(又はオペレータ)がリモート制御ステーション42を使用して、ベッドサイドユニット20を遠隔から制御する。例えば、リモートサイトは、ベッドサイドユニット20及び/又は患者12に対する物理的アクセスをもたない。リモート制御ステーション42は、通信システム及びサービス36(図2に示される)を使用して、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又は他のネットワークを介し、ローカルサイトのベッドサイドユニット20及び/又は制御コンピューティングシステム34と通信するように構成される。
【0046】
少なくとも1つの実施例において、制御ステーションは、一般に、治療システム10の様々なコンポーネント又はシステムを作動させるためのユーザ入力を受信するように構成された1つ以上の入力モジュール28を含む。例えば、入力モジュール28は、(例えば、ガイドワイヤを前進、後進、又は回転させるため、カテーテルを前進、後進、又は回転させるため、カテーテルに位置するバルーンを膨張又は収縮させるため、ステントを配置し及び/又は展開するため、ステント回収器を配置し及び/又は展開するため、コイルを配置し及び/又は展開するため、カテーテルの中に造影剤を注入するため、カテーテルの中に液体塞栓を注入するため、カテーテルの中に薬剤又は生理食塩水を注入するため、カテーテルで吸引するため、又は、カテーテルベースの医療処置の一部として実行され得るその他の機能を実行するために)ロボット駆動装置24と相互作用する経皮的インターベンションデバイス(例えば、EMD)を使用して、ベッドサイドユニット20に様々なタスクを実行させるように構成される。ロボット駆動装置24は、1つ以上のデバイス及びアクセサリ48を含むベッドサイドユニット20のコンポーネントを動作(例えば、軸方向動作及び/又は回転動作)させるための様々な駆動機構を含む。
【0047】
少なくとも1つの実施例において、入力モジュール28は、1つ以上のタッチスクリーン、ジョイスティック、スクロールホイール、及び/又はボタンを含む。入力モジュール28に加えて、制御ステーションは、フットスイッチや音声コマンドのためのマイクロフォンなどの追加のユーザ制御機器44を使用することができる。入力モジュール28は、様々なコンポーネントと、例えばガイドワイヤや1つ以上のカテーテル又はマイクロカテーテルなどの1つ以上のデバイス及びアクセサリ48と、を前進させ、後進させ、又は回転させるように構成される。ボタンは、例えば、緊急停止ボタン、倍率ボタン、デバイス選択ボタン、及び自動作動ボタンを含むことができる。緊急停止ボタンが押されると、動力(例えば、電力)が、遮断されるか又はベッドサイドユニット20から外される。速度制御モードにあるとき、倍率ボタンは、関連するコンポーネントの作動する速度を入力モジュール28の操作に応答して増減させるように作用する。位置制御モードにあるとき、倍率ボタンは、入力距離と出力指令距離との間のマッピングを変更する。デバイス選択ボタンは、ユーザ(又はオペレータ)が、ロボット駆動装置24に装填された経皮的インターベンションデバイスのうちのどれを入力モジュール28によって制御するか、を選択することを可能にする。自動作動ボタンは、ユーザ(又はオペレータ)からの直接的なコマンドなしで治療システム10が経皮的インターベンションデバイスで実行するアルゴリズム動作を可能にするために、使用される。一実施例において、入力モジュール28は、タッチスクリーン(ディスプレイの一部であってもなくてもよい)に表示される1つ以上の制御部又はアイコン(図示せず)を含み、これらは、起動されると、治療システム10のコンポーネントを作動させる。入力モジュール28は、バルーンを膨張又は収縮させ及び/又はステントを展開するように構成されるバルーン又はステント制御器も含み得る。入力モジュール28の各々が1つ以上のボタン、スクロールホイール、ジョイスティック、タッチスクリーンなどを含むことができ、これらは、制御器が専用とされる特定の1つ以上のコンポーネントを制御するために使用することができる。さらに、1つ以上のタッチスクリーンが、入力モジュール28の様々な部分又は治療システム10の様々なコンポーネントに関連する1つ以上のアイコン(図示せず)を表示する。
【0048】
少なくとも1つの実施例において、治療システム10は、撮像システム14を含む。例えば、撮像システム14は、非デジタルX線、デジタルX線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴撮像(MRI)、超音波などの1つ以上を含む。少なくとも1つの実施例において、撮像システム14は、制御ステーションと通信するデジタルX線撮像デバイスを含む。少なくとも1つの実施例において、撮像システム14は、患者12に対して異なる角度位置(例えば、矢状ビュー、尾側ビュー、前後ビューなど)で画像を取得するために、撮像システム14が患者12の周りを部分的に又は完全に回転できるようにするCアームを含む。少なくとも1つの実施例において、撮像システム14は、X線源13及びイメージインテンシファイアとしても知られる検出器15を有するCアームを含んだX線透視システムである。
【0049】
少なくとも1つの実施例において、撮像システム14は、処置中に患者12の所望の領域のX線画像を撮影するように構成される。例えば、撮像システム14は、神経血管状態を診断するために頭部の1つ以上のX線画像を撮影するように構成される。撮像システム14は、カテーテルベースの医療処置中に1つ以上のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を撮影するようにも構成され、制御ステーションのユーザ(又はオペレータ)が処置中にガイドワイヤ、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、ステント回収器、コイル、ステント、バルーンなどを適切に位置決めできるように支援する。1つ以上の画像は、ディスプレイ30に表示される。例えば、画像は、ユーザ(又はオペレータ)がガイドカテーテル又はガイドワイヤを適切な又は所望の位置に正確に移動させることができるように、ディスプレイ30に表示される。
【0050】
少なくとも1つの実施例において、ロボット駆動装置24は、頂部又は第1の部材24aと、第1の部材24aの反対側にあって平行な底部又は第2の部材と、第1の部材24aと第2の部材との間に実質的に直交して延伸する前部又は第3の部材24cと、第3の部材24cの反対側にあって平行であり、第1の部材24a及び第2の部材に直交する第4の部材と、を有するハウジングを含む。第3の部材24cは、ロボット駆動装置24が使用されているときユーザに対面するように構成される。少なくとも1つの実施例において、ロボット駆動装置24は、遠位領域24eと、遠位領域24eの反対側の近位領域24fと、を含む。
【0051】
図2は、少なくとも1つの実施例に係る、図1の治療システムのブロック図である。
【0052】
少なくとも1つの実施例において、制御コンピューティングシステム34は、ローカル制御ステーション38及び/又はリモート制御ステーション42などの制御ステーションの一部である。制御コンピューティングシステム34は、通例として、本明細書に説明する様々な機能を治療システム10に提供するように構成された電子制御ユニットである。例えば、制御コンピューティングシステム34は、組み込みシステム、専用回路、本明細書に説明する機能をプログラムした汎用システムなどである。制御コンピューティングシステム34は、ベッドサイドユニット20、通信システム及びサービス36(例えば、インターネット、ファイアウォール、クラウドサービス、セッションマネージャ、病院ネットワークなどを介して)、ローカル制御ステーション38、追加の通信システム40(例えば、テレプレゼンスシステム)、リモート制御ステーション42、及び患者センサ56(例えば、心電図(ECG)デバイス、脳波(EEG)デバイス、血圧モニタ、温度モニタ、心拍数モニタ、呼吸モニタなど)と通信する。制御コンピューティングシステム34は、撮像システム14、患者テーブル18、追加の医療システム50、造影剤注入システム52、及び補助デバイス54(例えば、IVUS、OCT、FFRなど)とも通信する。
【0053】
少なくとも1つの実施例において、制御コンピューティングシステム34は、(例えば、ローカル制御ステーション38又はリモート制御ステーション42などの制御ステーションの)入力モジュール28とのユーザの対話に基づいて及び/又は制御コンピューティングシステム34のアクセス可能な情報に基づいて、治療システム10を使用して医療処置が実行されるように、制御信号を生成するように構成される。例えば、制御コンピューティングシステム34は、ベッドサイドユニット20、ロボット駆動装置24、位置決めシステム22、及び追加の制御機器及びディスプレイ46と通信し、ベッドサイドユニット20、ロボット駆動装置24、位置決めシステム22、及び追加の制御機器及びディスプレイ46の1つ以上に制御信号を提供して、経皮的インターベンションデバイス(例えば、ガイドワイヤ、カテーテルなど)を駆動するために使用されるモータ及び駆動機構の作動を制御する。例えば、各種の駆動機構は、ロボット駆動装置24の一部である。ローカル制御ステーション38は、1つ以上のディスプレイ30、1つ以上の入力モジュール28、及び追加のユーザ制御機器44を含むことができる。
【0054】
リモート制御ステーション42及び制御コンピューティングシステム34は、ローカル制御ステーション38と同様又は同類のコンポーネントを含むことができる。リモート制御ステーション42とローカル制御ステーション38とは、それらの必要な機能性に基づいて、異なっていてもよいし、調整されていてもよい。少なくとも1つの実施例において、追加のユーザ制御機器44は、1つ以上の足入力制御機器を含む。足入力制御機器は、X線をオン/オフすること及び複数の保存画像をスクロールすることなど、ユーザが撮像システム14の機能を選択することを可能にするように構成され得る。別の実施例において、足入力制御機器は、入力モジュール28に含まれたスクロールホイールに対しどのデバイスをマッピングするか、ユーザの選択を可能にするように構成される。少なくとも1つの実施例において、オーディオ及び/又はビデオ通信などの追加の通信システム40は、オペレータがベッドサイドの近くの患者、医療スタッフ、及び/又は機器と対話することを補助するために使用される。
【0055】
図3Aは、少なくとも1つの実施例に係る、図1の治療システムのカセットアセンブリ、ロボット駆動装置、及び駆動モジュールの分解図である。
【0056】
図3Aを参照すると、少なくとも1つの実施例において、デバイスモジュール32aが第1の駆動モジュール60及び第1のカセット68を含み、デバイスモジュール32bが第2の駆動モジュール62及び第2のカセット70を含み、デバイスモジュール32cが第3の駆動モジュール64及び第3のカセット72を含み、デバイスモジュール32dが第4の駆動モジュール66及び第4のカセット74を含んでいる。第1のカセット68、第2のカセット70、第3のカセット72、及び第4のカセット74は、マルチユニットカセットアセンブリ76を形成する。第1のカセット68、第2のカセット70、第3のカセット72、及び第4のカセット74の各々は、それぞれ、第1の駆動モジュール60、第2の駆動モジュール62、第3の駆動モジュール64、及び第4の駆動モジュール66に取り外し可能に連結されるように構成される。
【0057】
少なくとも1つの実施例において、複数のデバイスモジュール32a~dの各々は、遠位領域24eから近位領域24fまでロボット駆動装置24の長さにわたって延伸する長手方向軸78に沿って互いに独立して動作するように構成される。
【0058】
図3Bは、少なくとも1つの実施例に係る、図3Aのトルカーアクチュエータ及びカセットの側面図である。図3Cは、少なくとも1つの実施例に係る、図3Bのトルカーアクチュエータ及びカセットの断面図である。
【0059】
図3B及び図3Cを参照すると、少なくとも1つの実施例において、トルカーアクチュエータ100が、第1のカセット68、第2のカセット70、第3のカセット72、及び第4のカセット74の1つ以上の中に配置されるように構成される。一例として、図3Bは、第2のカセット70の中に配置されたトルカーアクチュエータ100を示す。トルカーアクチュエータ100は、EMD220を受け入れるように構成されたガイドチューブ208を含む。トルカーアクチュエータ100は、図4図6に関して以下で説明するように、EMD220をトルカーアクチュエータ100の第1のハウジング部110及び第2のハウジング部108の中で固定するように構成される。
【0060】
図4は、少なくとも1つの実施例に係る、図3B図3Cのトルカーアクチュエータの斜視図である。図5は、少なくとも1つの実施例に係る、図4のトルカーアクチュエータの分解図である。図6は、少なくとも1つの実施例に係る、図4のトルカーアクチュエータの断面図である。
【0061】
図4図6を参照すると、少なくとも1つの実施例において、トルカーアクチュエータは、第1のハウジング部110及び第2のハウジング部108を含んだハウジング106を含む。プッシャ112が、ハウジング106の近位端116と遠位端118との間のトルカー長手方向軸114に沿って移動可能にしてハウジング106の中に受容される。少なくとも1つの実施例において、ジョーアセンブリ500がハウジング106の中に配置され、EMD220のシャフトを解放可能にピンチ(挟持)するように構成される。例えば、ジョーアセンブリ500は、第1のジョー120及び第2のジョー122を含む。第1のジョー120及び第2のジョー122は、第1の位置と第2の位置との間で、例えば互いに向かう方向と互いから離れる方向へ、動作するように構成され、EMD220をピンチしアンピンチ(挟持解除)する。
【0062】
少なくとも1つの実施例において、プッシャ112は、第1の位置と第2の位置との間で第1のジョー120及び第2のジョー122を動作させるために、ジョーアセンブリ500に向かって及びジョーアセンブリ500から離れる方向へ作動するように構成される。例えば、近位端116から遠位端118へ向かうプッシャ112の動作が、第1のジョー120及び第2のジョー122を互いに向かって、例えばトルカー長手方向軸114に向かって、移動させ、遠位端118から近位端116へ向かうプッシャ112の動作が、第1のジョー120及び第2のジョー122を互いから離れる方向へ、例えばトルカー長手方向軸114から離れる方向へ、移動させる。他の実施例において、近位端116から遠位端118へ向かうプッシャ112の動作は、(例えば、第2のジョー122が第1のジョー120に対して静止している一方で)第1のジョー120を第2のジョー122に向かって移動させ、又は、(例えば、第1のジョー120が第2のジョー122に対して静止している一方で)第2のジョー122を第1のジョー120に向かって移動させる。
【0063】
少なくとも1つの実施例において、第1のジョー120は第1の表面130を含み、第2のジョー122は第2の表面131を含む。第1の表面130は、第2の表面131と対面するように構成される。少なくとも1つの実施例において、第1の表面130には第1のパッドが配置され、第2の表面131には第2のパッドが配置される。第1のパッド及び第2のパッドの各表面は、EMD220に接触又はかみ合うように構成される。明確性の観点から、第1のパッド及び第2のパッドは、図4図6には示されていない。第1のパッド及び第2のパッドの実施例は、図7A図12Bに関して後でより詳細に説明される。
【0064】
少なくとも1つの実施例において、第1のハウジング部110は、第1のランプ(傾斜面)142及び第2のランプ144を含む。プッシャ112も、第1のランプ146及び第2のランプ148を含む。プッシャ112が近位端116から遠位端118に向かって動作すると、プッシャ112の第1のランプ146が第1のジョー120の第1の近位ランプ132に接触し、プッシャ112の第2のランプ148が第2のジョー122の第2の近位ランプ138に接触する。同様に、第1のジョー120の第1の遠位ランプ134が第1のハウジング部110の第1のランプ142に接触し、第2のジョー122の第2の遠位ランプ140が第1のハウジング部110の第2のランプ144に接触する。この接触が、第1のジョー120及び第2のジョー122を、トルカー長手方向軸114へ向かうおおよそ直交方向に互いに向かって移動させ、第1のパッドと第2のパッドとの間にEMD220をピンチするように構成される。
【0065】
少なくとも1つの実施例において、プッシャ112は、アクチュエータ104の操作によって第1のハウジング部110の中で動作するように構成される。アクチュエータ104は、第2のハウジング部108と螺合するように構成されたシャフト150を含む。シャフト150の遠位端は、プッシャ112の少なくとも近位端158に連結されるように構成され、遠位方向へのシャフト150の動作が、ハウジング106の遠位端118に向かうような、遠位方向へプッシャ112を移動させる。加えて、近位方向へのシャフト150の動作が、ハウジング106の近位端116に向かうような、近位方向へプッシャ112を移動させる。少なくとも1つの実施例において、プッシャ112は、シャフト150の遠位端に係合するように構成された一対のアーム156を含んでおり、シャフト150が近位方向に移動するとき、プッシャ112も近位方向に移動する。
【0066】
少なくとも1つの実施例において、アクチュエータ104は、プッシャ112とは反対側のシャフト150の近位端に固定されるノブ160を含む。ノブ160は、締結具162を用いてシャフト150に固定される。ノブ160が第1の方向に回転すると、駆動歯車172が回転する。駆動歯車172は、ノブ160及び駆動歯車172の回転がシャフト150を第1の方向に回転させるように、シャフト150の近位端と係合する。少なくとも1つの実施例において、付勢具178が、ノブ160と駆動歯車172との間に配置される。付勢具178は、駆動ギア172をシャフト150に係合させるべく付勢するように構成される。
【0067】
さらに図4図6を参照すると、少なくとも1つの実施例において、ノブ160が第1の方向に回転すると、シャフト150は、ハウジング106の遠位端118に向かうような、遠位方向に移動する。この遠位方向の移動が、プッシャ112をハウジングの遠位端118に向かって遠位方向に移動させ、これによって、第1のジョー120及び第2のジョー122が互いに向かって移動してEMD220をピンチする。少なくとも1つの実施例において、ノブ160、駆動歯車172、及びシャフト150の各々は、トルカー長手方向軸114の周りを回転するように構成される。
【0068】
少なくとも1つの実施例において、第1の方向の回転は時計回り方向である。ノブ160、駆動歯車172、及びシャフト150は、反時計回り方向など、第2の方向にも回転するように構成される。ノブ160が第2の方向又は反時計回り方向に回転すると、シャフト150は、近位方向に移動する。この近位方向の移動は、プッシャ112も、ハウジング106の近位端116に向かって近位方向に移動させ、これによって、第1のジョー120及び第2のジョー122が互いから離れる方向へ動作する。第1のジョー120及び第2のジョー122が互いに離れる方へ動くと、EMD220をトルカーアクチュエータ100内に挿入でき、又は、EMD220をリリースしてトルカーアクチュエータ100から出すことができる。
【0069】
少なくとも1つの実施例において、付勢部材124は、開口194を有する基部190を含む。開口194は、シャフト150の少なくとも一部を受け入れるように構成される。シャフト150及び付勢部材124は、互いに独立してトルカー長手方向軸114に沿って自在に移動する。付勢部材124は、互いに離間すると共にトルカー長手方向軸114から離間した第1のアーム196及び第2のアーム198を含む。第1のアーム196及び第2のアーム198は、プッシャ112の外側に沿って延伸する。第1のアーム196は、第1のブランチ(枝部)200及び第2のブランチ202を含み、これらブランチは、第1の側において第1のジョー120の一部分及び第2のジョー122の一部分にそれぞれ係合するように構成される。同様に、第2のアーム198は、第1のブランチ204及び第2のブランチ206を含み、これらブランチは、第1の側とは反対側の第2の側において第1のジョー120の一部分及び第2のジョー122の一部分にそれぞれ係合するように構成される。ブランチ200,202,204,206は、第1のジョー120及び第2のジョー122を互いに向かって及び互いに離れる方向へ付勢するように構成される。例えば、シャフト150は、ブランチ200,202,204,206を含んでいる付勢部材124を、ハウジング106の遠位端118に向かって遠位方向に移動させて第1のジョー120及び第2のジョー122を互いに向かって動作させ、そして、付勢部材124を、ハウジング106の近位端116に向かって近位方向に移動させて第1のジョー120及び第2のジョー122を互いから離れる方向へ動作させるように、構成される。
【0070】
トルカーアクチュエータ100など、細長い医療デバイスのトルカーの作動については、2021年1月14日出願の国際特許出願公開WO2022/154977「TORQUER FOR AN ELONGATED MEDICAL DEVICE」においても説明されており、この出願の全内容は本明細書に援用される。
【0071】
以下により詳細に説明するように、1つ以上の実施例により、EMDの(例えば、実質的な)横方向の動きを低減し、ジョーアセンブリの長手方向軸に沿ったEMDのセンタリング(中心合わせ)を促進し、及び/又は、ジョーアセンブリのパッド以外の表面とのEMDの接触の可能性を低くする、トルカーアクチュエータのジョーアセンブリのためのパッド構成が提供される。
【0072】
1つ以上の実施例により、比較的高いトルク/力の性能を有する一方で、操作されるEMDへの悪影響を軽減する、トルカーデバイスのより経済的な製造が可能になる。
【0073】
図7Aは、少なくとも1つの実施例に係る、図5のトルカーアクチュエータのジョーアセンブリの斜視図である。図7Bは、少なくとも1つの実施例に係る、図7Aのジョーアセンブリの端面図である。
【0074】
図7A及び図7Bを参照すると、少なくとも1つの実施例において、ジョーアセンブリ500は、第1のジョー120の第1の表面130に配置された第1のパッド125と、第2のジョー122の第2の表面131に配置された第2のパッド133と、を含む。第2のジョー122の第2の表面131は、第1のジョー120の第1の表面130と対向している。第1のパッド125は、第1のパッド125の長さの少なくとも一部に沿って延伸する少なくとも1つの第1のチャンネル又は凹部127を画定する。例えば、第1のパッド125は、第1のパッド125の第1の端部700から第2の端部705まで延伸する凹部127を画定する。第2のパッド133は、第2のパッド133の長さの少なくとも一部に沿って延伸する少なくとも1つの第2のチャンネル又は凹部135を画定する。例えば、少なくとも1つの第2の凹部135は、第2のパッド133の第1の端部710から第2の端部715まで延伸する。
【0075】
第1の凹部127は、第1のパッド125の長手方向に延びる第1の曲面(窪み面)を含み、第2の凹部135は、第2のパッド133の長手方向に延びる第2の曲面(窪み面)を含む。第1の曲面の湾曲は、第1のパッド125の長手方向軸と直交する方向に延び、第2の曲面の湾曲は、第2のパッド133の長手方向軸と直交する方向に延びる。少なくとも1つの実施例において、第1の曲面及び/又は第2の曲面は、一定の曲率半径を有し、これらは、図8Cに示す実施例に関して後述するように、同じであっても異なっていてもよい。別の実施例において、第1の曲面及び/又は第2の曲面は、図8Dに示す実施例に関して後述するように、直線状であってもよい。例えば、第1のパッド125の第1の曲面及び第2のパッド133の第2の曲面は、それぞれ、第1の角度及び第2の角度を形成する。この場合、当該凹部の1つ以上は、湾曲しているのではなく、V字形状を有していてもよい。
【0076】
一例において、第1の凹部127及び/又は第2の凹部135は、それぞれ、第1のパッド125及び/又は第2のパッド133の全長にわたって連続して延伸する。あるいは、第1の凹部127及び/又は第2の凹部135は、第1のパッド125及び/又は第2のパッド133の長さに沿って破断した、不連続である。さらに別の例において、第1の凹部127及び/又は第2の凹部135は、それぞれのパッドの端部まで延びていない。
【0077】
少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125の第1の端部700及び/又は第2の端部705は、第1の表面130に向かって下り傾斜する斜めの又は先細りの縁部を有する。さらに、第2のパッド133の第1の端部710及び/又は第2の端部715は、図7Aに示されるように、第2の表面131に向かって下り傾斜する斜めの又は先細りの縁部を有する。
【0078】
少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125及び第2のパッド133は、EMD220とかみ合うように構成される。少なくとも1つの実施例において、少なくとも1つの第1の凹部127及び少なくとも1つの第2の凹部135は、EMD220が動作しているときに、第1のパッド125及び第2のパッド133の中央部分にEMD220を維持するように構成される。例えば、少なくとも1つの第1の凹部127及び少なくとも1つの第2の凹部135は、第1のジョー120の第1のパッド125の中央部分と第2のジョー122の第2のパッド133の中心部分との間にEMD220をピンチし、取り付け、かみ合わせ、及び/又はクランプするように構成される。EMD220の動作は、第1のジョー120と第2のジョー122との間でEMD220をピンチすること、取り付けること、及びクランプすることの1つ以上を含む。EMD220の動作は、処置実行中の、EMD220の長手方向軸に沿った軸方向の又は直線的な移動やEMD220の回転も含む。本明細書で説明する少なくともいくつかの実施例において、第1のパッド125及び第2のパッド133の中央又は中央部分は、ジョーアセンブリの長手方向軸に沿った中央部分を指す。
【0079】
少なくとも1つの実施例において、EMD220の外面は、コーティングを含んでいることがある。例えば、EMD220は、エラストマーコーティングされた超弾性コアに潤滑性の親水性コーティングを含む。当該コーティングは、湿潤時に滑りやすく、超弾性コアと共に、EMD220の動作中にEMD220を軸から外れさせてしまう場合がある。他の実施例において、EMD220は、金属コアにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングを備えていることがある。さらに他の実施例において、EMD220は、金属又はベアメタル材料から構成されていることがある。上述のように、少なくとも1つの第1の凹部127及び少なくとも1つの第2の凹部135は、EMD220に適用されている被覆又はEMD220の材料組成にかかわらず、EMD220の動作中に第1のパッド125及び第2のパッド133の中央部分にEMD220を維持するように構成される。
【0080】
図7Cは、少なくとも1つの実施例に係る、別のジョーアセンブリの端面図である。図7Cに示されるジョーアセンブリは、図7Bに示されるジョーアセンブリに類似しているが、第1及び第2のパッドの一方のみが凹部を含み、他方のパッドは平坦な又は実質的に平坦な表面を有する(凹部をもたない)ことが異なる。両実施例間の類似性に鑑み、ここでは相違点のみを説明する。
【0081】
図7Cを参照すると、第1のパッド125Fは、図7Bに示される第1の凹部127ではなく、平坦な又は実質的に平坦な表面を含む。EMD220は、図7Cに示されるように、第1のパッド125Fと第2のパッド133の少なくとも1つの第2の凹部135との間に配置される。図示されていないが、他の実施例において、第2のパッド133が平坦な又は実質的に平坦な表面を有し、第1のパッド125Fが図7Bに示される凹部127と同じか類似の凹部を有する。この場合、第2のパッド133は、図7Cに示した第1パッド125Fと同じか類似する。当該実施例において、第2のパッド133は、少なくとも1つの第2の凹部135を含んでおらず、EMD220は、第1の凹部127と第2のパッド133の平坦面との間に配置される。
【0082】
図8Aは、少なくとも1つの実施例に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図である。図8Bは、少なくとも1つの実施例に係る、図8Aのジョーアセンブリの第2のジョーの斜視図である。図8Cは、少なくとも1つの実施例に係る、図8Aのジョーアセンブリの断面図である。図8Dは、少なくとも1つの実施例に係る、図8Aのジョーアセンブリの断面図である。少なくともこの実施例よれば、第1のジョーは第2のジョーと同じであるが、別の方法で向きを合わせてあってもよい。
【0083】
図8A図8Dを参照すると、少なくとも1つの実施例において、ジョーアセンブリ500は、第1のパッド125A及び第2のパッド133Aを含む。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125A及び第2のパッド133Aは、それぞれ、起伏形成された表面を含む。例えば、起伏形成表面は、周期的パターンを含む。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Aは、第1のパッド125Aの長さの少なくとも一部に沿って設けられた第1の波状面を含み、第2のパッド133Aは、第2のパッド133Aの長さの少なくとも一部に設けられた第2の波状面を含む。少なくとも図8A図8Bに示されるように、例えば、第1のパッド125Aは、第1のパッド125Aの第1の端部700Aから第2の端部705Aまで延伸する第1の波状面を含み、第2のパッド133Aは、第2のパッド133Aの第1の端部710Aから第2の端部715Aまで延伸する第2の波状面を含む。一例において、第1の波状面及び/又は第2の波状面は、それぞれ、第1のパッド125A及び/又は第2のパッド133Aの全長にわたって連続して延びている。別の例では、第1の波状面及び/又は第2の波状面は、第1のパッド125A及び/又は第2のパッド133Aの長さに沿って破断箇所のある不連続とされる。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Aの周期的パターン又は第1の波状面は、第2のパッド133Aの周期的パターン又は第2の波状面に対し位相がずれるように構成される。例えば、第1のパッド125Aの第1の波状面は、第2のパッド133Aの第2の波状面に対し約180°位相がずれている。他の実施例において、第1のパッド125Aの第1の波状面は、第2のパッド133Aの第2の波状面に対し約180°未満で位相がずれている。ただし、実施例がこれらの例に限定されるべきではない。
【0084】
少なくともいくつかの実施例によれば、第1のパッド125Aの周期的パターン又は第1の波状面は、第1のパッド125Aの外縁から第1のパッド125Aの中央に向かって徐々に減少し、第1の凹部127Aを画定する。第2のパッド133Aの周期パターン又は第2の波状面も、第2のパッド133Aの外縁から第2のパッド133Aの中央に向かって徐々に減少し、第2の凹部135Aを画定する。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Aの周期的パターン又は第1の波状面及び/又は第2のパッド133Aの周期的パターン又は第2の波状面は、第1のパッド125A及び第2のパッド133Aの長さの方向で変化する。例えば、第1のパッド125Aの第1の波状面の振幅又は波長の1つ以上が第1のパッド125Aの長さの方向で変化し、及び/又は、第2のパッド133Aの第2の波状面の振幅又は波長の1つ以上が第2のパッド133Aの長さの方向で変化する。
【0085】
少なくとも1つの実施例において、第1の凹部127Aは、第1のパッド125Aの長手方向に延びる第1の曲面を含み、第2の凹部135Aは、第2のパッド133Aの長手方向に延びる第2の曲面を含む。第1の曲面の湾曲は、第1のパッド125Aの長手方向軸に直交する方向に延び、第2の曲面の湾曲は、第2のパッド133Aの長手方向軸に直交する方向に延びる。一実施例において、第1の曲面及び/又は第2の曲面は、図8Dに示されるように、直線状であってもよい。例えば、第1のパッド125Aの第1の曲面及び第2のパッド133Aの第2の曲面は、それぞれ、第1の角度820及び第2の角度825を形成する。第1の角度820及び第2の角度825は、いくつかの実施例において、約6度~約9度である。少なくとも1つの実施例において、第1の曲面及び/又は第2の曲面は、一定の曲率半径を有する。この場合、EMDとの接触角度は、各表面の中央から離れる方向へ動いても一定である。
【0086】
別の実施例において、図8Cに示すように、第1の曲面及び/又は第2の曲面は、変化する曲率半径を有する。この場合、EMD220との接触角度は、各表面の中央から離れる方向へ動くと増加又は減少する。
【0087】
少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Aの第1の波状面は、山800及び谷805を有する第1の複数の波を含む。第2のパッド133Aの第2の波状面は、山810及び谷815を有する第2複数の波を含む。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Aの第1の複数の波の山800は、第2のパッド133Aの第2の複数の波の谷815と整列するように構成される。第2のパッド133Aの第2の複数の波の山810も、第1のパッド125Aの第1の複数の波の谷805と整列するように構成される。
【0088】
他の実施例において、第1の波状面を含む第1のパッド125Aと第2の波状面を含む第2のパッド133Aとは、同形である。この例の場合、第1のパッド125Aが第2のパッド133Aの上方に配置されているとき又は上に載っているとき、第1のパッド125Aの第1の複数の波の谷805が第2のパッド133Aの第2の複数の波の谷815と整列する。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125A及び第2のパッド133Aの各々は、5個程度の山及び5個程度の谷を含み得る。他の実施例において、第1のパッド125A及び第2のパッド133Aの各々は、5個より多い又は少ない山と5個より多い又は少ない谷を含む。
【0089】
図9Aは、少なくとも1つの実施例に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図である。図9Bは、少なくとも1つの実施例に係る、図9Aのジョーアセンブリの端面図である。図9Cは、少なくとも1つの実施例に係る、図9Aのジョーアセンブリの第1のジョーの底側斜視図である。
【0090】
図9A図9Cを参照すると、少なくとも1つの実施例において、ジョーアセンブリ500は、第1のパッド125B及び第2のパッド133Bを含む。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Bの第1の表面901が第2のパッド133Bの第2の表面902に対面する。第1のパッド125Bは、第1のパッド125Bの第1の外縁905の少なくとも一部から第2のパッド133Bの第2の表面902に向かって延出する第1の壁900を含む。第2のパッド133Bは、第2のパッド133Bの第1の外縁920の少なくとも一部から第1のパッド125Bの第1の表面901に向かって延出する第2の壁915を含む。図9A図9Cに示されるように、例えば、第1の壁900は、第1のパッド125Bの実質的に全長にわたって、第1の外縁905から第2の表面902に向かって延出する。同様に、第2の壁915は、第1のパッド125Bの実質的に全長にわたって、第1の外縁920から第1の表面901に向かって延出する。少なくとも1つの実施例において、第1の壁900及び第2の壁915は、第1のパッド125B及び第2のパッド133Bと同じ材料で形成される。例えば、第1の壁900及び第1のパッド125が一体型(単一品)であり、第2の壁及び第2のパッド133Bが一体型(単一品)である。他の実施例において、第1の壁900及び第2の壁915は、第1のジョー120及び第2のジョー122と同じ材料から形成される。
【0091】
少なくとも1つの実施例において、第1の壁900及び第2の壁915は、チャンネル930を画定する。例えば、チャンネル930は、第1のパッド125Bの第1の表面901及び第1の壁900と第2のパッド133Bの第2の表面902及び第2の壁915との間に、画定される。チャンネル930は、EMD220の少なくとも一部を受容し、第1のパッド125Bと第2のパッド133Bとの間の中央部分にEMD220を維持するように構成される。例えば、チャンネル930は、EMD220の動作中に、第1のパッド125Bと第2のパッド133との間及び第1の壁900と第2の壁915との間のの中央にEMD220を維持するように構成される。EMD220の動作は、第1のジョー120と第2のジョー122との間におけるEMD220のピンチ、取り付け、及びクランプの1つ以上を含む。EMD220の動作は、処置を実行している間の、EMD220の長手方向軸に沿った軸方向の又は直線的な移動、EMD220の回転、も含む。
【0092】
少なくとも1つの実施例において、第1の壁900は、第1のパッド125Bの長手方向の長さの少なくとも一部に沿って延出する。例えば、第1の壁900は、図9Cに示されるように、第1の端部700Bから第1の端部700Bの反対側の第2の端部705Bまでの第1のパッド125Bの長さにおいて延出する。他の実施例において、第1の壁900は、図10Bに関して以下で説明するように、第1の端部700Bから第2の端部705Bまで又は第2の端部705Bから第1の端部700Bまでの第1のパッド125Bの長さの一部分において(例えば、一部分のみに)延出する。同様に、第2のパッド133Bの第2の壁915は、第1の端部710Bから第1の端部710Bの反対側の第2の端部715Bまでの第2のパッド133Bの長手方向の長さにわたって延出する。他の実施例において、第2のパッド133Bの第2の壁915は、第1の端部710Bから第2の端部715Bまで又は第2の端部715Bから第1の端部710Bまでの第2のパッド133Bの長さの一部分において(例えば、一部分のみに)延出する。
【0093】
少なくとも1つの実施例において、第1の壁900の内面は、図9Bに示されるように、第2のパッド133Bの第2の外縁925に対し整列する。同様に、第2の壁915の内面は、第1のパッド125Bの第2の外縁910に対し整列する。他の実施例において、第1の壁900は、第2のパッド133Bの第2の表面902に向かって延出する。例えば、第1の壁900の端面が、第2のパッド133Bの第2の表面902の少なくとも一部に対面する及び/又は接触する。同様に、第2の壁915は、第1のパッド125Bの第1の表面901に向け延出し得る。例えば、第2の壁915の端面が、第1のパッド125Bの第1の表面901に対面する及び/又は接触する。
【0094】
少なくとも1つの実施例において、第1の壁900が第1の高さ950を有し、第2の壁915が第2の高さ955を有する。第1の高さ950及び第2の高さ955は、いくつかの実施例において、同じ、実質的に同じ、又は等しい。例えば、第1の高さ950及び第2の高さ955は、約0.75mm~約1.5mmである。他の実施例において、第1の高さ950と第2の高さ955とは異なっていてもよい。例えば、第1の高さ950が第2の高さ955よりも高い、又は、第2の高さ955が第1の高さ950よりも高い、などがあり得る。
【0095】
図10Aは、少なくとも1つの実施例に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図である。図10Bは、少なくとも1つの実施例に係る、図10Aのジョーアセンブリの第1のジョーの底側斜視図である。図10Cは、少なくとも1つの実施例に係る、図10Aのジョーアセンブリの端面図である。
【0096】
図10A図10Cを参照すると、少なくとも1つの実施例において、ジョーアセンブリ500は、第1のパッド125C及び第2のパッド133Cを含む。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Cは、第1の表面901Cの一部から延出する第1の壁900Cと、第1の表面901Cの一部から延出する第3の壁1000と、を含む。第3の壁1000は、第1の壁900Cの反対側にある。例えば、図10Bに示されるように、第3の壁1000は、第1のパッド125Cの第2の外縁910Cに隣接し、第1の壁900Cは、第1のパッド125Cの第1の外縁905Cに隣接する。また、第1の壁900Cと第3の壁1000とは、第1のパッド125Cの反対側の端部に配置される。例えば、図10Bに示すように、第1の壁900Cは第1のパッド125Cの第2の端部705Cに隣接し、第3の壁1000は第1のパッド125Cの第1の端部700Cに隣接する。他の実施例において、第1の壁900Cが第1の端部700Cに隣接し、第3の壁1000が第1のパッド125Cの第2の端部705Cに隣接する。
【0097】
少なくとも1つの実施例において、第2のパッド133Cは、第2のパッド133Cの第2の表面902Cの一部から延出する第2の壁915Cと、第2の表面902Cの一部から延出する第4の壁1005と、を含む。少なくとも1つの実施例において、第2のパッド133Cの第2の壁915C及び第4の壁1005は、第1のパッド125Cの第1の壁900C及び第3の壁1000と同様又は同類である。第4の壁1005は、第2の壁915Cの反対側にある。例えば、第4の壁1005は、第2のパッド133Cの第2の外縁925Cに隣接し、第2の壁915Cは、第2のパッド133Cの第1の外縁920Cに隣接する。また、第2の壁915C及び第4の壁1005は、第2のパッド133Cの反対側の端部に配置される。例えば、図10Aに示されるように、第2の壁915Cが第2のパッド133Cの第2の端部715Cに隣接し、第4の壁1005が第2のパッド133Cの第1の端部710Cに隣接する。他の実施例において、第2の壁915Cが第1の端部710Cに隣接し、第4の壁1005が第2のパッド133Cの第2の端部715Cに隣接する。
【0098】
図10A図10Cでは第1の壁900C、第2の壁915C、第3の壁1000、及び第4の壁1005がそれぞれのパッドの長さの約半分に延伸するものとして示されているが、実施例がこの例に限定されるべきではない。むしろ、別の例では、壁900C,915C,1000,1005の各々は、第1のパッド125C及び第2のパッド133Cのそれぞれの側縁に沿って延びる壁の総長がおおよそ第1のパッド125C又は第2のパッド133Cの長さと同じになる限り、半分よりも長く又は短く延伸し得る。また、それぞれの壁は、それぞれのパッドの端まで延伸する必要はない。
【0099】
少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125C及び第2のパッド133Cの一部分が、第2のパッド133C及び第1のパッド125Cの壁の少なくとも1つの少なくとも一部分をそれぞれ受容するために、除去又は省略される。例えば、図10Bに示されるように、第1の壁900Cに隣接する第1のパッド125Cの部分は、第1の凹部1010を形成するために除去又は省略され、第3の壁1000に隣接する第1のパッド125Cの部分は、第2の凹部1015を形成するために除去又は省略される。第1の凹部1010は、第1の壁900Cとは反対側の第1のパッド125Cの第1の端部700Cに隣接し、第2の凹部1015は、第3の壁1000とは反対側の第1のパッド125Cの第2の端部705Cに隣接する。少なくとも1つの実施例において、第1の凹部1010は、第2のパッド133Cの第2の壁915Cを受容するように構成され、第2の凹部1015は、第2のパッド133Cの第4の壁1005を受容するように構成される。少なくとも1つの実施例において、第2のパッド133Cは、第1のパッド125Cと同様又は同類である。例えば、図10Aに示されるように、第2のパッド133Cは、第2の壁915Cとは反対側の第2のパッド133Cの第1の端部710Cに隣接し、第1のパッド125Cの第3の壁1000を受容するように構成された第3の凹部1020を画定する。第2のパッド133Cは、第4の壁1005とは反対側の第2のパッド133Cの第2の端部715Cに隣接し、第1のパッド125Cの第1の壁900Cを受容するように構成された第4の凹部(図示せず)も画定する。
【0100】
少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Cの第1の壁900C及び第3の壁1000、そして、第2のパッド133Cの第2の壁915C及び第4の壁1005は、チャンネル930Cを画定する。例えば、チャンネル930Cは、第1の表面901Cと、第1の壁900Cと、第3の壁1000と、第2の表面902Cと、第2の壁915Cと、第4の壁1005と、の間に画定される。チャンネル930Cは、EMD220の少なくとも一部を受容し、第1のパッド125Cと第2のパッド133Cとの間の中央部分にEMD220を維持するように構成される。例えば、チャンネル930Cは、EMD220の動作中に、EMD220を第1のパッド125Cと第2のパッド133Cとの間及び第1の壁900Cと第2の壁915Cとの間の中央に維持するように構成される。EMD220の動作は、第1のジョー120と第2のジョー122との間におけるEMD220のピンチ、取り付け、及びクランプの1つ以上を含む。EMD220の動作は、処置を実行している間の、EMD220の長手方向軸に沿った軸方向の又は直線的な移動、EMD220の回転、も含む。
【0101】
図11Aは、少なくとも1つの実施例に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図である。図11Bは、少なくとも1つの実施例に係る、図11Aのジョーアセンブリの第1のジョーの底面図である。図11Cは、少なくとも1つの実施例に係る、図11Aのジョーアセンブリの端面図である。
【0102】
図11A図11Cを参照すると、少なくとも1つの実施例において、ジョーアセンブリ500は、第1のパッド125D及び第2のパッド133Dを含む。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Dは、第1の外縁905Dに隣接する第1の壁1100と、第2の外縁910Dに隣接する第2の壁1105と、を含む。第1の壁1100は、第1の外縁905Dの少なくとも一部分に沿って延出し、第2の壁1105は、第2の外縁910Dの少なくとも一部分に沿って延出する。図11A図11Cに示すように、例えば、第1の壁1100及び第2の壁1105は、第1のパッド125Dの第1の端部700Dから第2の端部705Dまで(例えば、第1のパッド125Dの実質的に全長)延伸する。ただし、実施例がこの例に限定されるべきではない。例えば、第1の壁1100及び第2の壁1105は、第1のパッド125Dの端まで延伸する必要はない。
【0103】
少なくとも1つの実施例において、第1の壁1100及び第2の壁1105は、図11Bに示されるように、城壁である。例えば、第1の壁1100及び第2の壁1105の城壁は、複数の胸壁1110と、これら胸壁1110の各々の間の複数の凹部1113と、を含む。
【0104】
少なくとも1つの実施例において、第2のパッド133Dは、第3の壁1115及び第4の壁1120を含む。第2のパッド133Dの第3の壁1115及び第4の壁1120は、図11Bに関して上述した第1のパッド125Dの第1の壁1100及び第2の壁1105と同様又は同類である。例えば、第3の壁1115及び第4の壁1120は、複数の胸壁1110及び複数の胸壁1110の各々の間の複数の凹部1113を有する城壁である。
【0105】
少なくとも1つの実施例において、第1の壁1100及び第2の壁1105の城壁は、図11Aに示すように、第3の壁1115及び第4の壁1120の城壁に対しオフセットしている。例えば、第1の壁1100及び第2の壁1105の複数の胸壁1110は、第3の壁1115及び第4の壁1120の複数の凹部1113に受容されるように構成される。また、第3の壁1115及び第4の壁1120の複数の胸壁1110は、第1の壁1100及び第2の壁1105の複数の凹部1113に受容される。
【0106】
少なくとも1つの実施例において、第1の壁1100及び第2の壁1105を含む第1のパッド125Dと、第3の壁1115及び第4の壁1120を含む第2のパッド133Dとは、チャンネル930Dを画定する。チャンネル930Dは、EMD220の少なくとも一部を受容し、第1のパッド125Dと第2のパッド133Dとの間の中央部分にEMD220を維持するように構成される。例えば、チャンネル930Dは、EMD220の動作中、第1のパッド125Dと第2のパッド133Dとの間及び壁1100,1105,1115,1120との間の中央にEMD220を維持するように構成される。EMD220の動作は、第1のジョー120と第2のジョー122との間におけるEMD220のピンチ、取り付け、及びクランプの1つ以上を含む。EMD220の動作は、処置を実行している間の、EMD220の長手方向軸に沿った軸方向の又は直線的な移動、EMD220の回転、を含む。
【0107】
図12Aは、少なくとも1つの実施例に係る、図5のジョーアセンブリの斜視図である。図12Bは、少なくとも1つの実施例に係る、図12Aのジョーアセンブリの端面図である。
【0108】
少なくとも1つの実施例において、ジョーアセンブリ500は、第1のパッド125E及び第2のパッド133Eを含む。少なくとも1つの実施例において、第1のパッド125Eは、第1のパッド125Eの長さの少なくとも一部に沿って延びる複数の第1の凹部1200を画定し、第2のパッド133Eは、第2のパッド133Eの長さの少なくとも一部に沿って延びる複数の第2の凹部1205を画定する。例えば、図12A図12Bに示されるように、複数の第1の凹部1200は、第1のパッド125Eの第1の端部700Eから第2の端部705Eまで延伸し、複数の第2の凹部1205は、第2のパッド133Eの第1の端部710Eから第2の端部715Eまで延伸する。複数の第1の凹部1200の各々及び複数の第2の凹部1205の各々は、図12Bに示されるように、V字形の溝からなる。他の実施例において、複数の第1の凹部1200の各々及び複数の第2の凹部1205の各々は、U字形の湾曲した(又は窪んだ)溝からなる。
【0109】
少なくとも1つの実施例において、複数の第1の凹部1200は、図12Bに示されるように、複数の第2の凹部1205と整列する。他の実施例において、複数の第1の凹部1200は、複数の第2の凹部1205からオフセットさせてある。複数の第1の凹部1200及び複数の第2の凹部1205の少なくとも一部は、EMDの動作中、第1のパッド125E及び第2のパッド133Eの中央部分にEMD220を維持するように構成される。EMD220の動作は、第1のジョー120と第2のジョー122との間におけるEMD220のピンチ、取り付け、及びクランプの1つ以上を含む。EMD220の動作は、処置を実行している間の、EMD220の長手方向軸に沿った軸方向の又は直線的な移動、EMD220の回転、も含む。
【0110】
実施例によれば、複数の第1凹部1200及び複数の第2凹部1205は、それぞれ、第1パッド125E及び/又は第2パッド133Eの全長にわたって連続して延びる。別の例では、複数の第1の凹部1200及び複数の第2の凹部1205は、第1のパッド125E及び/又は第2のパッド133Eの長さに沿って破断箇所があるということで不連続である。さらに別の例において、複数の第1の凹部1200及び複数の第2の凹部1205は、それぞれのパッドの端まで延びていない。
【0111】
実施例は、特定のパッド構成を含むジョーアセンブリ500のパッドの各々に関してここで説明されているが、実施例がこれらの例に限定されるべきではない。すなわち、ジョーアセンブリ500の1つのパッドが図7A図12Bに関して説明した特定のパッド構成を含み、ジョーアセンブリ500の別のパッドは、図7A図12Bに関して説明したパッド構成の中から別のパッド構成を有することができる。別の例では、ジョーアセンブリ500のパッドのうちの1つだけが図7A図12Bに関して説明したようなパッド構成を有し、他方のパッドは、例えば、平坦な又は実質的に平坦な表面を有する。
【0112】
複数の実施例を本明細書に開示してきたが、その他の変形(派生)が可能であることはもちろんである。そのような変形が本開示の思想及び範囲から逸脱するとみなされるべきではなく、この分野で通常の知識をもつ者には明らかであるすべてのそのような変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
【手続補正書】
【提出日】2024-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項19
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項19】
第1のキャビティを画定する第1のハウジング部と、
前記第1のキャビティ内で作動するように構成されたジョーアセンブリであり、前記第1のジョー、前記第1のパッド、前記第2のジョー、及び前記第2のパッドを含む、ジョーアセンブリと、
第2のキャビティを画定する第2のハウジング部であり、前記第1のハウジング部の近位端に連結されるように構成される、第2のハウジング部と、
前記第2のキャビティ内にあって前記第1のハウジング部の少なくとも一部の中へ延びるように構成されたプッシャであり、前記ジョーアセンブリを第1の位置と第2の位置との間で作動させるように構成される、プッシャと、
前記プッシャと係合し、前記第1のジョー及び前記第2のジョーに付勢力を加えるように構成された付勢部材と、
前記付勢部材と係合するアクチュエータであり、前記付勢部材及び前記プッシャを第1の方向と第2の方向に作動させるように構成される、アクチュエータと、をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項24
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項24】
第1のキャビティを画定する第1のハウジング部と、
前記第1のキャビティ内で作動するように構成されたジョーアセンブリであり、前記第1のジョー、前記第1のパッド、前記第2のジョー、及び前記第2のパッドを含む、ジョーアセンブリと、
第2のキャビティを画定する第2のハウジング部であり、前記第1のハウジング部の近位端に連結されるように構成される、第2のハウジング部と、
前記第2のキャビティ内にあって前記第1のハウジング部の少なくとも一部の中へ延びるように構成されたプッシャであり、前記ジョーアセンブリを第1の位置と第2の位置との間で作動させるように構成される、プッシャと、
前記プッシャと係合し、前記第1のジョー及び前記第2のジョーに付勢力を加えるように構成された付勢部材と、
前記付勢部材と係合し、前記付勢部材及び前記プッシャを第1の方向と第2の方向に作動させるように構成されたアクチュエータと、をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10A
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10B
【手続補正書】
【提出日】2024-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記第1のパッド又は前記第2のパッドの少なくとも1つの少なくとも一部分が起伏形成された表面を有し、
前記起伏形成された表面は、周期的パターンを有する、請求項1に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項12】
前記第1のパッドの少なくとも一部分が、前記第1のパッドの長さの少なくとも前記一部に沿って延びた第1の波状面を含み、
前記少なくとも1つの第1の凹部が前記第1の波状面に画定される、請求項9に記載の装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項13】
前記第2のパッドの少なくとも一部分が、前記第2のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びた第2の波状面を含み、
前記少なくとも1つの第2の凹部が前記第2の波状面に画定される、請求項12に記載の装置。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項16
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項16】
前記第2のパッドの長さの少なくとも一部に沿って延びる複数の第2の凹部をさらに含み、前記複数の第2の凹部の各々が湾曲した又はV字形状の溝である、請求項15に記載の装置。
【外国語明細書】