(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180294
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】複数の幅の複合テープをレイダウンするように構成された自動繊維配置システム
(51)【国際特許分類】
B29C 70/38 20060101AFI20241219BHJP
B29C 70/54 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B29C70/38
B29C70/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024074333
(22)【出願日】2024-05-01
(31)【優先権主張番号】18/335,376
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ケネス-キュー・ルイ
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG03
4F205AH31
4F205AJ08
4F205HA14
4F205HA23
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HF23
4F205HK03
4F205HM13
4F205HT26
(57)【要約】
【課題】自動繊維配置システムを提供すること。
【解決手段】自動繊維配置システムは、複数の材料幅を有する複合材料の複数のスプールであって、各スプールが複数の材料幅におけるそれぞれの材料幅を有する複数のスプールと、複数のスプールにおける任意の所望のスプールから複合テープを同時にレイアップする自動繊維配置ヘッドとを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の材料幅(208)を有する複合材料(205)の複数のスプール(214)であって、複数の前記スプール(214)における各スプールが複数の前記材料幅(208)におけるそれぞれの材料幅を有する、複数のスプール(214)と、
複数の前記スプール(214)における任意の所望のスプールから複合テープを同時にレイアップする自動繊維配置ヘッド(216)と、
を備える、自動繊維配置システム(202)。
【請求項2】
前記自動繊維配置ヘッド(216)は、
前記複合材料をレイダウンするための複数のレーン(248)であって、複数の前記レーン(248)における各レーンが、前記複合材料(205)の複数のスプール(214)におけるそれぞれのスプールによって供給される、複数のレーン(248)と、
複数の圧縮ローラ(250)であって、複数の前記圧縮ローラ(250)における各圧縮ローラが、複数の前記レーン(248)におけるそれぞれのレーンに割り当てられ、各圧縮ローラ(254)が、前記それぞれのレーン(258)に供給するそれぞれのスプール(218)の材料幅(222)に基づくそれぞれの幅(256)を有する、複数の圧縮ローラ(250)と、
を備える、請求項1に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項3】
複数の前記レーン(248)は、複合部品(204)の設計における面取部(212)の角度(290)に基づいて順序付けられる、請求項2に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項4】
複数の前記レーン(248)は、複合充填材(207)の各プライ(211、219、227)を2つ以下のパス(288)でレイアップするように順序付けられる、請求項2に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項5】
複数の前記材料幅(208)は、複合充填材(207)の各プライ(211、219、227)のそれぞれの幅(213、221、229)を2つ以下のパス(288)でレイアップするように選択される、請求項2に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項6】
複数の前記材料幅(208)は、2つ以下のパス(288)でプライ幅(292)の範囲(294)内で0.05インチ(1.27mm)ごとにプライ幅(292)を与えるように選択される、請求項2に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項7】
前記範囲(294)は2インチ(50.8mm)~4インチ(101.6mm)である、請求項6に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項8】
前記複合材料(205)の複数のスプール(214)は、3つ以上の幅の複合材料を備える、請求項1に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項9】
前記複合材料(205)の複数のスプール(214)は、0.25インチ(6.35mm)、1インチ(25.4mm)、1.05インチ(26.67mmm)、及び1.1インチ(27.94mm)の幅の複合材料を備える、請求項1に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項10】
複数の前記レーン(248)は、所望の幅(213)及び所望の長さの連続プライ(211)を形成するために、複数の材料幅(208)を並べて配置するように順序付けられる、請求項2に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項11】
複合部品(204)のプライ(210)を形成するために複数の材料幅(208)の複合テープを同時にレイダウンする自動繊維配置ヘッド(216)を備え、
前記プライ(210)が様々な幅(291)を有する、自動繊維配置システム(202)。
【請求項12】
前記自動繊維配置ヘッド(216)の複数のレーン(248)は、前記複合部品(204)の設計における面取部(212)の角度(290)に基づいて順序付けられる、請求項11に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項13】
前記自動繊維配置ヘッド(216)に取り付けられた複合材料(205)の複数のスプール(214)を備え、
複数の前記スプール(214)が、複数の前記材料幅(208)の複合テープ(206)を有する、請求項11に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項14】
複数の圧縮ローラ(250)を備え、
複数の前記圧縮ローラ(250)における各圧縮ローラが、複数の前記レーン(248)におけるそれぞれのレーンに割り当てられ、
複数の前記圧縮ローラ(250)における各圧縮ローラ(254)が、複数の前記材料幅(208)の複合テープ(220)のそれぞれの幅(222)に基づく幅(256)を有する、請求項12に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項15】
複数の前記レーン(248)は、前記複合部品(204)の各プライを2つ以下のパス(288)でレイアップするように順序付けられる、請求項12に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項16】
複数の前記材料幅(208)は、複合充填材(207)の各プライのそれぞれの幅を2つ以下のパス(288)でレイアップするように選択される、請求項11に記載の自動繊維配置システム(202)。
【請求項17】
面取部(212)を有する複合充填材(207)を形成する方法(700)であって、
自動繊維配置ヘッド(216)の2つ以下のパス(288)で前記自動繊維配置ヘッド(216)を使用して、第1の幅(213)を有する第1のプライ(211)をレイダウンするステップ(702)と、
前記自動繊維配置ヘッド(216)の2つ以下のパス(288)で前記自動繊維配置ヘッド(216)を使用して、第2の幅(221)を有する第2のプライ(219)を前記第1のプライ(211)上にレイダウンするステップ(704)と、
を含み、
前記第2のプライ(219)が前記第1のプライ(211)とは異なる複合テープの連続体(223)を有し、
前記第1のプライ(211)をレイダウンする前記ステップ及び前記第2のプライ(219)をレイダウンする前記ステップの少なくとも一方が、2つ以上の幅の複合テープをレイダウンするステップを含む、方法。
【請求項18】
2つ以上の幅の複合テープをレイダウンする前記ステップは、2つ以上の幅の複合テープを同時にレイダウンするステップ(706)を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の幅(213)と前記第2の幅(221)との差が0.05インチ(1.27mm)~0.1インチ(2.54mm)の範囲(294)内にある(708)、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の幅(213)及び前記第2の幅(221)とは異なる第3の幅(229)を有する第3のプライ(227)をレイダウンするステップ(710)であって、前記第3のプライ(227)における複合テープの連続体(231)が、前記第1のプライ(211)における複合テープの第1の連続体(215)及び前記第2のプライ(219)における複合テープの第2の連続体(223)とは異なっている、ステップ(710)、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のプライ(219)をレイダウンする前記ステップは、前記第1の幅(213)及び前記第2の幅(221)における差に基づいて前記面取部(212)を形成するために前記第1のプライ(211)に対して前記第2のプライ(219)を位置決めするステップを含む(712)、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
面取部(212)を有する複合充填材(207)を形成する方法(800)であって、
複数のプライ(210)の複数の幅(291)の差によって作られる角度(290)を有する前記面取部(212)を形成するように配置された複数の前記幅(291)を有する複数の前記プライ(210)を順次形成するために、自動繊維配置ヘッド(216)を使用して複数の材料幅(208)を有する複数本の複合テープをレイダウンするステップ(802)、
を含む、方法。
【請求項23】
複数の前記材料幅(208)を有する複数本の前記複合テープ(206)をレイダウンする前記ステップは、
複合テープの第1の連続体(215)を使用して第1の幅(213)を有する第1のプライ(211)をレイダウンするステップ(804)と、
複合テープの第2の連続体(223)を使用して第2の幅(221)を有する第2のプライ(219)をレイダウンするステップ(806)と、
を含み、
前記複合テープの第1の連続体(215)及び前記複合テープの第2の連続体(223)が、共通ではない少なくとも1本の複合テープを有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
複数の前記プライ(210)の各々は、プライごとに前記自動繊維配置ヘッド(216)の2つ以下のパス(288)を使用して形成される(808)、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、複合材製造に関し、より具体的には、複数幅の複合テープ(composite tape)の自動繊維配置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材製造においては、いくつかの複合部品(composite part)が手作業によりレイアップされる。複合部品は、複合部品が1回限りの特有の設計であること、面取部を有すること、及び他の設計上の複雑さを有することのうちの少なくとも1つのために、手作業によりレイアップされ、手作業により搬送される場合がある。複合部品を手作業によりレイアップすると、製造プロセスに時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、上述した問題の少なくとも一部及び他の潜在的な問題を考慮した方法及び装置を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態は、自動繊維配置システムを提供する。自動繊維配置システムは、複数の材料幅を有する複合材料の複数のスプールと、複数のスプールのうち任意の所望のスプールから複合テープを同時にレイアップする自動繊維配置ヘッドとを備える。複数のスプールにおける各スプールは、複数の材料幅におけるそれぞれの材料幅を有する。
【0005】
本開示の別の実施形態は、自動繊維配置システムを提供する。この自動繊維配置システムは、複合部品のプライを形成するために複数の材料幅の複合テープを同時にレイダウンする自動繊維配置ヘッドを備え、プライは異なる幅を有する。
【0006】
本開示のさらに別の実施形態は、面取部を有する複合充填材(composite filler)を形成する方法を提供する。第1の幅を有する第1のプライは、自動繊維配置ヘッドの2つ以下のパスで自動繊維配置ヘッドを使用して、レイダウンされる。第2の幅を有する第2のプライは、自動繊維配置ヘッドの2つ以下のパスで自動繊維配置ヘッドを使用して、第1のプライ上にレイダウンされる。第2のプライは、第1のプライとは異なる複合テープの連続体(sequence)を有する。第1のプライをレイダウンすること及び第2のプライをレイダウンすることの少なくとも一方は、2つ以上の幅の複合テープをレイダウンすることを含む。
【0007】
上記の形態及び機能は、本開示の種々の実施形態で独立に実現することができる、又はさらなる詳細が下記の説明及び図面を参照して理解することができる他の実施形態において組み合わされてもよい。
【0008】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規な形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びにそれらの好ましい使用の態様、さらなる目的、及び形態は、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて検討することによって、最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な実施形態による航空機の説明図である。
【
図2】例示的な実施形態による製造環境のブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態による複合充填材の上面図である。
【
図4】例示的な実施形態による複数の複合充填材を有する複合アセンブリ(composite assembly)の等角図である。
【
図5A】例示的な実施形態による自動繊維配置システムのためのレーンの順序案の説明図である。
【
図5B】例示的な実施形態による自動繊維配置システムのためのレーンの順序案の説明図である。
【
図6】例示的な実施形態による自動繊維配置システムの等角図である。
【
図7】例示的な実施形態による面取部を有する複合充填材を形成する方法のフローチャートである。
【
図8】例示的な実施形態による面取部を有する複合充填材を形成する方法のフローチャートである。
【
図9】例示的な実施形態による航空機の製造及び保守点検方法の、ブロック図の形態での説明図である。
【
図10】例示的な実施形態が実装され得る航空機の、ブロック図の形態での説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで
図1を参照すると、例示的な実施形態による航空機の説明図が示されている。航空機100は、本体106に取り付けられた翼102及び翼104を有する。航空機100は、翼102に取り付けられたエンジン108と、翼104に取り付けられたエンジン110とを含む。
【0011】
本体106は尾部112を有する。水平安定板114、水平安定板116、及び垂直安定板118は、本体106の尾部112に取り付けられている。
【0012】
航空機100は、例示的な例の自動繊維配置システムを使用して形成された複合部品を有し得る航空機の一例である。例えば、翼102、翼104及び本体106の少なくとも1つの部分は、例示的な例の自動繊維配置システムを使用してレイアップされ得る。いくつかの例示的な例では、翼102、翼104及び本体106の少なくとも1つの複合充填材は、例示的な例の自動繊維配置システムを使用してレイアップされ得る。
【0013】
ここで
図2を参照すると、例示的な実施形態による製造環境のブロック図が示されている。複合部品204をレイダウンするために、製造環境200内の自動繊維配置システム202が使用され得る。自動繊維配置システム202は、面取部212を形成する複数のプライ210を形成するために、複数の材料幅208を有する複合テープ206をレイダウンするように構成される。
【0014】
自動繊維配置システム202は、複数の材料幅208を有する複合材料205の複数のスプール214と、複合材料205の複数のスプール214における任意の所望のスプールから複合テープを同時にレイアップするように構成された自動繊維配置ヘッド216とを備える。複合材料205の複数のスプール214における各スプールは、複数の材料幅208におけるそれぞれの材料幅を有する。例えば、スプール218は、材料幅222を有する複合テープ220を保持する。スプール224は、材料幅228を有する複合テープ226を保持する。スプール230は、材料幅234を有する複合テープ232を保持する。スプール236は、材料幅240を有する複合テープ238を保持する。スプール242は、材料幅246を有する複合テープ244を保持する。
【0015】
複数の材料幅208は、複数の幅のプライを形成するように選択される。いくつかの例示的な例では、複数の材料幅208は、角度290を有する面取部212を形成するように選択される。面取部212は、複数のプライ210における複数の幅291の違いによって形成される角度290を有する。複数の材料幅208は、複合部品204についての所望の幅のプライに基づいて変更され得る。
【0016】
自動繊維配置ヘッド216は、複合テープ206をレイダウンするための複数のレーン248を備える。複数のレーン248における各レーンは、複合材料205の複数のスプール214におけるそれぞれのスプールによって供給される。自動繊維配置ヘッド216は複数の圧縮ローラ250を備える。複数の圧縮ローラ250における各圧縮ローラは、複数のレーン248におけるそれぞれのレーンに割り当てられる。
【0017】
複数の圧縮ローラ250は複数の幅252を有する。複数の幅252は任意の望ましい数の幅を含む。各圧縮ローラは、それぞれのレーンに供給するそれぞれのスプールの材料幅に基づく、それぞれの幅を有する。
【0018】
例えば、圧縮ローラ254はレーン258に割り当てられる。圧縮ローラ254は、レーン258に供給するスプール218の材料幅222に基づく幅256を有する。
【0019】
図示のように、複合テープ220のスプール218はレーン258に供給する。圧縮ローラ254は、複数のレーン248におけるレーン258に割り当てられる。圧縮ローラ254は、複合テープ220の材料幅222に基づく幅256を有する。
【0020】
複合テープ226のスプール224はレーン264に供給する。圧縮ローラ260は、複数のレーン248におけるレーン264に割り当てられる。圧縮ローラ260は、複合テープ226の材料幅228に基づく幅262を有する。
【0021】
複合テープ232のスプール230はレーン270に供給する。圧縮ローラ266は、複数のレーン248におけるレーン270に割り当てられる。圧縮ローラ266は、複合テープ232の材料幅234に基づく幅268を有する。
【0022】
複合テープ238のスプール236はレーン276に供給する。圧縮ローラ272は、複数のレーン248におけるレーン276に割り当てられる。圧縮ローラ272は、複合テープ238の材料幅240に基づく幅274を有する。
【0023】
複合テープ244のスプール242はレーン282に供給する。圧縮ローラ278は、複数のレーン248におけるレーン282に割り当てられる。圧縮ローラ278は、複合テープ244の材料幅246に基づく幅280を有する。
【0024】
いくつかの例示的な例では、複数のレーン248は、複合部品204の設計における面取部212の角度290に基づいて順序付けられる。いくつかの例示的な例では、複合部品204は複合充填材207の形態をとる。各パスにおいて、隣り合うレーンから複合テープ206をレイダウンすることが望ましい。例えば、複数のレーン248の順序284は、2つ以下のパス288で複数のプライ210を形成するように構成される。複数のレーン248は、複数のプライ210のレイアップを可能にするために任意の望ましい数286のレーンを有する。いくつかの例示的な例では、数286は10レーンである。
図2には、複数のレーン248における5つのレーンが示されている。
【0025】
複数のレーン248は、複合部品204の各プライを2つ以下のパス288でレイアップするように順序付けられている。2つのパスにおける各パス288では、各パスについての積層複合テープ(deposited composite tapes)は隣り合っている。2つのパス288における各パスに関し、それぞれのパスについての積層複合テープは隣り合うレーンにある。
【0026】
複数の材料幅208は、複合部品204のそれぞれの幅の各プライを2つ以下のパス288でレイアップするように選択される。この例示的な例では、複数の材料幅208は、第1の幅213の第1のプライ211、第2の幅221の第2のプライ219、及び第3の幅229の第3のプライ227をレイアップするように選択される。
【0027】
いくつかの例示的な例では、複数の材料幅208は、2つ以下のパス288においてプライ幅292の範囲294内で0.05インチ(1.27mm)ごとにプライ幅292を与えるように選択される。いくつかの例示的な例では、範囲294は2インチ(50.8mm)~5インチ(127mm)である。いくつかの例示的な例では、範囲294は2インチ(50.8mm)~4インチ(101.6mm)である。
【0028】
いくつかの例示的な例では、複合材料205の複数のスプール214は、3つ以上の幅の複合材料205を備える。複数の材料幅208は、任意の望ましい数の幅を備える。いくつかの例示的な例では、複数の材料幅208は2つの幅を備える。いくつかの例示的な例では、複数の材料幅208は3つの幅を備える。いくつかの例示的な例では、複数の材料幅208は、4つ以上の幅を備える。複数の材料幅208における各材料幅の任意の望ましい数は、複数のスプール214にある。
【0029】
いくつかの例示的な例では、複合材料205の複数のスプール214は、0.25インチ(6.35mm)、1インチ(25.4mm)、1.05インチ(26.67mmm)、及び1.1インチ(27.94mm)の幅の複合材料205を備える。これらの例示的な例では、複数の材料幅208は、0.25インチ(6.35mm)、1インチ(25.4mm)、1.05インチ(26.67mmm)、及び1.1インチ(27.94mm)の幅の複合材料205を備える。
【0030】
いくつかの例示的な例では、複数のレーン248は、所望の幅及び所望の長さの連続プライを形成するために、複数の材料幅208を並べて配置するように順序付けられる。順序284は、所望の幅の連続プライを形成するために、複数の材料幅208における選択された材料幅を並べて配置するように構成される。
【0031】
自動繊維配置システム202は、複合部品204の複数のプライ210を形成するために、複数の材料幅208の複合テープを同時にレイダウンするように構成された自動繊維配置ヘッド216を備え、複数のプライ210は異なる幅を有する。複数のプライ210は複合部品204を形成する。さらに、複数のプライ210の幅の差は、面取部212を形成する。自動繊維配置ヘッド216の複数のレーン248は、複合部品204の設計における面取部212の角度290に基づいて順序付けられる。
【0032】
第1のプライ211は、第1の幅213を有する。第1の幅213は、複合テープの第1の連続体215によって形成される。複合テープの第1の連続体215は複数本のテープ217を備える。いくつかの例示的な例では、複合テープの第1の連続体215は2つ以上の材料幅を備える。複合テープの第1の連続体215は、材料幅の数及び順序である。複合テープの第1の連続体215は、自動繊維配置ヘッド216の最大2つのパス288で敷設され得る。
【0033】
複数本のテープ217は、複合テープ206のサブセットを備える。サブセットは、第1の幅213に基づいて選択される。サブセットは、複数のレーン248の順序284に基づいて選択される。
【0034】
第2のプライ219は、第2の幅221を有する。第2の幅221は、複合テープの第2の連続体223によって形成される。複合テープの第2の連続体223は、複合テープの第1の連続体215とは異なる。複合テープの第2の連続体223は、複合テープの第1の連続体215とは異なり、第1の幅213とは異なる第2の幅221を生成する。複合テープの第2の連続体223は複数本のテープ225を備える。
【0035】
いくつかの例示的な例では、複合テープの第2の連続体は、2つ以上の材料幅を備える。複合テープの第2の連続体223は、自動繊維配置ヘッド216の最大2つのパス288で敷設され得る。いくつかの例示的な例では、複合テープの第1の連続体215及び複合テープの第2の連続体223は、同じ材料幅の少なくとも1つを備える。いくつかの例示的な例では、複合テープの第1の連続体215及び複合テープの第2の連続体223は、同じ材料幅を有していない。
【0036】
いくつかの例示的な例では、複合テープの第1の連続体215及び複合テープの第2の連続体223は、同じ複合材スプールの少なくとも1つを備える。例えば、複合テープの第1の連続体215及び複合テープの第2の連続体223は両方とも、スプール218からの複合テープ220及びスプール224からの複合テープ226を備えることができる。いくつかの例示的な例において、複合テープの第1の連続体215及び複合テープの第2の連続体223は、共通ではない少なくとも1本の複合テープを有する。例えば、複合テープの第2の連続体223は、スプール230からの複合テープ232を有することができる。少なくとも1本の複合テープが共通でないことにより、第1の幅213は第2の幅221と異なる。いくつかの例示的な例では、複合テープの第1の連続体215及び複合テープの第2の連続体223は同じ材料幅の複合テープを備えるが、複数本のテープ217及び複数本のテープ225は共通の複合スプールを有することができない。
【0037】
第3のプライ227は、第3の幅229を有する。第3の幅229は、複合テープの第3の連続体231によって形成される。複合テープの第3の連続体231は、複合テープの第2の連続体223及び複合テープの第1の連続体215とは異なる。複合テープの第3の連続体231が複合テープの第2の連続体223及び複合テープの第1の連続体215の両方と異なることにより、第3の幅229は第1の幅213及び第2の幅221とは異なる。
【0038】
複合テープの第3の連続体231は複数本のテープ233を備える。いくつかの例示的な例では、複合テープの第3の連続体231は、2つ以上の材料幅を備える。複合テープの第3の連続体は、自動繊維配置ヘッド216の最大2つのパス288で敷設され得る。いくつかの例示的な例では、第3の連続体は、第2の連続体又は第1の連続体の少なくとも一方と共通の複合テープを含む。
【0039】
複合充填材207は、プライごとにレイアップされる。複数のプライ210が順次レイアップされる。複数のプライ210における各プライは、長手方向にレイアップされる。複数のプライ210における各プライは、面取部212を形成する複合部品204の縁部に平行な方向にレイアップされる。
【0040】
いくつかの例示的な例では、複合材料205の複数のスプール214が自動繊維配置ヘッド216に取り付けられる。自動繊維配置システム202は、複数の圧縮ローラ250をさらに備える。複数の圧縮ローラ250における各圧縮ローラは、複数のレーン248におけるそれぞれのレーンに割り当てられる。複数の圧縮ローラ250における各圧縮ローラは、複合テープ206の複数の材料幅208のそれぞれの幅に基づく幅を有する。
【0041】
複数のレーン248は、複合部品204の各プライを2つ以下のパス288でレイアップするように順序付けられている。複数の材料幅208は、複合部品204のそれぞれの幅の各プライを2つ以下のパス288でレイアップするように選択される。
【0042】
複合充填材207などの充填材は、航空機の胴体内の最も数の多い個別部品を構成する。複合充填材207は、独自の部品とすることができる。
【0043】
従来の複合材製造は、各複合充填材を手作業によりレイアップすることを含む。従来の複合材製造は、製造システム全体を通して各複合充填材を個別に管理し、次いで手作業により配置することを含む。従来のプロセスを使用する場合、各複合充填材は手作業でレイアップされ、製造に望ましくない時間がかかる。
【0044】
充填材をオフラインで製造するには、望ましくないほど長い時間がかかる。さらに、数百及び/又は数千の複合充填材の管理は、生産システムの課題である。
【0045】
自動繊維配置システム202は、製造時間を短縮し生産管理を軽減する。自動繊維配置システム202は、複合充填材207などの複合充填材の自動レイアップを可能にする。自動繊維配置システム202は、マンドレル上に直接複合充填材207などの複合充填材の自動レイアップを可能にする。複合充填材207をマンドレル上に直接レイアップすることにより、複合充填材207は生産システムによって保管も管理もされない。自動繊維配置ヘッド216を含む自動繊維配置システム202は、面取部を有する複合充填材をレイアップするように構成される。自動繊維配置システム202を使用して複合充填材207を形成することにより、オペレータ時間、レイアップ時間、管理時間、又は管理の複雑さのうちの少なくとも1つが減じられる。
【0046】
図2の製造環境200の説明は、例示的な実施形態が実施され得る態様に対する物理的又は構造的な制限を含意するものではない。図示の構成要素に加えて、又は図示の構成要素の代わりに他の構成要素が用いられてもよい。いくつかの構成要素は不要であり得る。また、ブロックは、一部の機能的構成要素を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1つ以上は、例示的な実施形態で実施されるときに異なるブロックに組み合わされてもよいし、分割されてもよいし、又は組み合わされ且つ分割されてもよい。
【0047】
例えば、5つのスプールのみが示されているが、任意の望ましいスプールが複数のスプール214にあるとすることができる。いくつかの例示的な例では、複数のスプール214は、複合材料205の10個のスプールを備える。
【0048】
別の例として、
図2には示されていないが、複合材料205を複数の材料幅208に切断するためにスリッタを設けることができる。例えば、スプール218上に配置される前に複合テープ220を材料幅222に切断するためにスリッタを設けることができる。
【0049】
いくつかの例示的な例では、自動繊維配置ヘッド216はドッキング可能であり得る。これらの例示的な例では、自動繊維配置ヘッド216は、取り外され自動繊維配置機(図示せず)上に交換され得る。これらの例示的な例では、自動繊維配置ヘッド216は、典型的な自動繊維配置(AFP)機に取り付けることができる。
【0050】
これらの例示的な例では、複合材料205は、自動繊維配置ヘッド216に供給される前に、少なくとも1つのスリッタによって複数の材料幅208に切断される。いくつかの他の例示的な例では、自動繊維配置ヘッド216はドッキング可能ではない。いくつかの例示的な例では、少なくとも1つのスリッタが恒久的な自動繊維配置ヘッドに設けられる。
【0051】
ここで
図3を参照すると、例示的な実施形態による複合充填材の上面図が示されている。複合充填材300は、
図1の航空機100の構成要素とすることができる。複合充填材300は、
図2の自動繊維配置システム202によってレイダウンされ得る。複合充填材300は、
図2の複合充填材207の物理的実装であり得る。
【0052】
複合充填材300は、複数のプライ302を備える。複数のプライ302の各々は、それ自体のそれぞれの幅を有する。複数のプライ302の箇所及び幅によって、複合充填材300の面取部304及び面取部306が形成される。面取部304は角度を有する。面取部306は角度を有する。複数のプライ302の幅は、面取部304及び面取部306の各々を形成するように構成される。複数のプライ302における各プライは、複合テープのそれぞれの連続体から形成される。複合テープの連続体は、プライのそれぞれの幅を形成するように選択される。
【0053】
例えば、第1のプライ308は第1の幅310を有する。第1の幅310は、複合テープの第1の連続体(図示せず)によって形成される。複合テープの第1の連続体は複数本のテープを備える。いくつかの例示的な例では、複合テープの第1の連続体は、2つ以上の材料幅を備える。複合テープの第1の連続体は、自動繊維配置ヘッドの最大2つのパスで敷設され得る。
【0054】
第2のプライ312は第2の幅314を有する。第2の幅314は、複合テープの第2の連続体(図示せず)によって形成される。複合テープの第2の連続体は、複合テープの第1の連続体とは異なる。複合テープの第2の連続体は、第2の複数本のテープを備える。いくつかの例示的な例では、複合テープの第2の連続体は、2つ以上の材料幅を備える。複合テープの第2の連続体は、自動繊維配置ヘッドの最大2つのパスで敷設され得る。いくつかの例示的な例では、第1の連続体及び第2の連続体は、いくつかの複合材料スプールを含む。複合テープの第1の連続体及び複合テープの第2の連続体は、共通ではない少なくとも1本の複合テープを有する。
【0055】
第3のプライ316は第3の幅318を有する。第3の幅318は、複合テープの第3の連続体(図示せず)によって形成される。複合テープの第3の連続体は、複合テープの第2の連続体及び複合テープの第1の連続体とは異なる。複合テープの第3の連続体は、第3の複数本のテープを備える。いくつかの例示的な例では、複合テープの第3の連続体は、2つ以上の材料幅を備える。複合テープの第3の連続体は、自動繊維配置ヘッドの最大2つのパスで敷設され得る。いくつかの例示的な例では、第3の連続体は、第2の連続体又は第1の連続体の少なくとも一方と共通の複合テープを含む。
【0056】
複合充填材300は、プライごとにレイアップされる。複数のプライ302は順次レイアップされる。複数のプライ302における各プライは、方向320にレイアップされる。方向320に複合テープを敷設することにより、面取部304から面取部306まで、方向320に垂直な方向に複合材料を敷設するよりも速く複合充填材300が形成される。
【0057】
ここで
図4を参照すると、例示的な実施形態による、複数の複合充填材を有する複合アセンブリの等角図が示されている。ストリンガー402及び複合充填材406は、
図1の航空機100の一部であり得る。複合充填材406は、
図2の複合充填材207の物理的実装であり得る。
図3の複合充填材300は、複合充填材406のうちの1つであり得る。製造環境400では、ストリンガー402がマンドレル404上に配置される。複合充填材406は、
図2の自動繊維配置システム202によってマンドレル404上に直接レイアップされ得る。
【0058】
複合充填材406は、構造的構成要素ではない。複合充填材406は、
図1の航空機100などの航空機に構造的支持を与えるようには構成されていない。
【0059】
ここで
図5A及び
図5Bを参照すると、例示的な実施形態による自動繊維配置システムにおけるレーンの順序の案の説明図が示されている。マトリクス500は、それぞれの材料幅506を有するプライ幅502及びレーン504のチャートである。レーン504は、
図2の複数のレーン248を表す。
図3の複合充填材300をレイアップするために、レーン504の構成507を用いることができる。いくつかの例示的な例では、
図4の複合充填材406をレイアップするために、レーン504の構成507を有する自動繊維配置ヘッドを用いることができる。
【0060】
レーン504から複合テープをレイダウンするために、
図2の自動繊維配置システム202などの自動繊維配置システムを用いることができる。レーン504の各レーンは、複合材料の複数のスプールにおけるそれぞれのスプールによって供給される。自動繊維配置ヘッドは、複合材料の複数のスプールにおける任意の所望のスプールから複合テープを同時にレイアップするように構成される。自動繊維配置ヘッドは、レーン504の任意の所望のレーンから複合テープを同時にレイアップするように構成されることによって、任意の所望のスプールから複合テープをレイアップするように構成される。
【0061】
レーン504は、2つ以下のパスを使用してプライ幅502の各プライ幅を生成するように構成される。各パスは、隣り合うレーンからの複合材料テープをレイダウンする。レーン504の構成507は、使用される材料幅506及びレーン504内の材料幅506の順序を含む。
【0062】
例えば、2インチ(50.8mm)のプライは、複合テープの連続体511において4番レーン508及び5番レーン510を使用してシングルパスでレイアップされ得る。レーン504の構成507では、4番レーン508及び5番レーン510は同じ材料幅を有する。レーン504の構成507では、4番レーン508及び5番レーン510はそれぞれ1インチ(25.4mm)の材料幅の複合テープである。シングルパスは、隣り合うレーン、すなわち4番レーン508及び5番レーン510からの複合材料テープをレイダウンして、2インチ(50.8mm)のプライを形成する。
【0063】
2.05インチ(52.07mm)のプライは、複合テープの連続体515において6番レーン512及び7番レーン514を使用してシングルパスでレイアップされ得る。レーン504の構成507では、6番レーン512及び7番レーン514は異なる材料幅を有する。5番レーン510及び6番レーン512は同じ材料幅を有するが、5番レーン510及び6番レーン512は異なる材料スプールによって供給される。シングルパスは、隣り合うレーン、すなわち6番レーン512及び7番レーン514から複合材料テープをレイダウンして、2.05インチ(52.07mm)のプライを形成する。
【0064】
この例示的な例では、複合テープの連続体511及び複合テープの連続体515は、共通のレーンを有さない。この例示的な例では、複合テープの連続体511及び複合テープの連続体515は、共通の1つの材料幅を有する。この例示的な例では、複合テープの連続体515は、複合テープの連続体511には見られない材料幅を有する。
【0065】
他のプライは、レーン504の構成507を用いて2つのパスでレイアップされる。例えば、2.3インチ(58.42mm)のプライは、2つのパスでレイアップすることができる。3番レーン516を用いて1つ目のパスが行われ、6番レーン512及び7番レーン514を用いて2つ目のパスが行われる。
【0066】
2.95インチ(58.42mm)のプライをレイアップするために用いられる複合テープの連続体518は、0.25インチ(6.35mm)の3本の複合テープと、1.1インチ(27.94mm)幅の2本の複合テープとを含む。レーン504の構成507では、2.95インチ(74.93mm)の幅を有するプライが2つのパスでレイアップされる。第1のパスでは、1番レーン520、2番レーン522、及び3番レーン516がレイアップされる。第2のパスでは、9番レーン524及び10番レーン526がレイアップされる。第1のパスは、隣り合うレーン、すなわち1番レーン520、2番レーン522、及び3番レーン516の複合材料をレイダウンする。第2のパスは、隣り合うレーン、すなわち9番レーン524及び10番レーン526の複合材料をレイダウンする。第2のパスは、2.95インチ(74.93mm)の幅を有する連続したプライを形成するために5本の複合テープが並んでレイダウンされるようにレイダウンされる。
【0067】
2.95インチ(74.93mm)のプライは、3インチ(76.2mm)のプライを形成するための複合テープの連続体とは異なる複合テープの連続体でレイアップされる。3インチ(76.2mm)のプライをレイアップするための複合テープの連続体は、複合テープの連続体528から分かるように、1インチ(25.4mm)の3本の複合テープを含む。レーン504の構成507では、3インチ(76.2mm)の幅を有するプライを形成する複合テープの連続体528が1つのパスでレイアップされる。
【0068】
いくつかの例示的な例では、それぞれのプライのための複合テープの連続体は、プライの直前又は直後に敷設されたプライと共通の同じ材料幅の少なくとも1つを有することができる。いくつかの例示的な例では、それぞれのプライのための複合テープの連続体は、プライの直前又は直後に敷設されたプライの少なくとも1つと共通の材料幅を有さなくてもよい。
【0069】
複数の材料幅506は、2つ以下のパスでプライ幅502の範囲内で0.05インチ(1.27mm)ごとにプライ幅を与えるように選択される。図示の範囲は2インチ(50.8mm)~3.95インチ(100.33mm)である。いくつかの例示的な例では、図示の範囲は2インチ(50.8mm)~5インチ(127mm)である。
【0070】
いくつかの例示的な例では、複合材料の複数のスプールは、3つ以上の材料幅を備える。この図示の例示的な例では、4つの材料幅が提供される。各材料幅は、レーン504における隣り合うレーンに配置されるが、他の図示されていない構成では、材料幅は、隣り合っていないレーンに存在する場合もある。
【0071】
いくつかの例示的な例では、複合材料の複数のスプールは、0.25インチ(6.35mm)、1インチ(25.4mm)、1.05インチ(26.67mmm)、及び1.1インチ(27.94mm)の幅の複合材料を備える。他の図示されていない例では、複合材料の複数のスプールは、複合材料の他の幅を有することができる。
【0072】
例示的な例では、ストリンガーが配置された後にレイアップマンドレル上に直接レイアップするために、新しいハイブリッド型10レーン自動繊維配置(AFP)ヘッドを利用することができる。マトリクス500には、1/4インチ(6.35mm)の材料幅の3本のレーン、1インチ(25.4mm)の材料幅の3本のレーン、1.05インチ(26.67mmm)の材料幅の2本のレーン、及び1.1インチ(27.94mm)の材料幅の2本のレーンがある。図示のように、各材料幅は、同じ材料幅の複合材料に隣り合っている。例えば、1/4インチ(6.35mm)の材料幅の3本のレーンは、1番レーン520、2番レーン522、及び3番レーン516である。他の図示されていない例では、異なる構成は、同じ材料幅を有する他の複合材料から分離された少なくとも1つの材料幅を有することができる。
【0073】
マトリクス500は、2インチ(50.8mm)と4インチ(101.6mm)との間のすべての充填材幅が、プライごとに2つ以下のパスでどのように配置され得るかを示す。プライの長さは、自動繊維配置(AFP)ヘッドを使用して指定されたエンジニアリングサイズに切断することができる。
【0074】
ここで
図6を参照すると、例示的な実施形態による自動繊維配置システムの等角図が示されている。自動繊維配置システム600は、
図2の自動繊維配置システム202の物理的実装である。自動繊維配置システム600は、
図3の複合充填材300をレイアップするために用いられ得る。自動繊維配置システム600は、複合充填材406をレイアップするために、
図4の製造環境400で用いられ得る。自動繊維配置システム600は、
図5A及び
図5Bの構成507を有することができる。
【0075】
自動繊維配置システム600は、複数のレーン604を有する自動繊維配置ヘッド602を備える。複数のスプール606は、複数の材料幅を有する複合材料を供給する。複合材料の複数のスプール606はそれぞれ、複数のスプール606によって与えられる複数の材料幅におけるそれぞれの材料幅を有する。複数のレーン604が複合材料をレイダウンする。複数のレーン604における各レーンは、複合材料の複数のスプール606におけるそれぞれのスプールによって供給される。
【0076】
自動繊維配置ヘッド602は、複数のスプール606における任意の所望のスプールから複合テープを同時にレイアップするように構成される。複数のレーン604における各レーンは、複合材料の複数のスプール606におけるそれぞれのスプールによって供給される。自動繊維配置ヘッド602は、複合材料をレイダウンするための複数のレーン604を備える。自動繊維配置ヘッド602は、複数の圧縮ローラ608を備える。複数の圧縮ローラ608における各圧縮ローラは、複数のレーン604におけるそれぞれのレーンに割り当てられる。各圧縮ローラは、それぞれのレーンに供給されるそれぞれのスプールの材料幅に基づくそれぞれの幅を有する。
【0077】
ここで
図7を参照すると、例示的な実施形態による面取部を有する複合充填材を形成する方法のフローチャートが示されている。方法700は、
図1の航空機100の複合部品を形成するために用いられ得る。
図2の複合部品204を形成するために、方法700を用いることができる。
図3の複合充填材300を形成するために、方法700を用いることができる。
図4の複合充填材406を形成するために、方法700を用いることができる。方法700は、
図5A及び
図5Bのレーン504の構成507を使用して実行され得る。方法700は、
図6の自動繊維配置システム600を使用して実行され得る。
【0078】
方法700では、自動繊維配置ヘッドの2つ以下のパスで自動繊維配置ヘッドを使用して、第1の幅を有する第1のプライをレイダウンする(操作702)。方法700では、自動繊維配置ヘッドの2つ以下のパスで自動繊維配置ヘッドを使用して、第2の幅を有する第2のプライを第1のプライ上にレイダウンし、ここで、第2のプライは第1のプライとは異なる複合テープの連続体を有し、第1のプライをレイダウンすること又は第2のプライをレイダウンすることの少なくとも一方は、2つ以上の幅の複合テープをレイダウンすることを含む(操作704)。その後、方法700は終了する。
【0079】
いくつかの例示的な例では、2つ以上の幅の複合テープをレイダウンすることは、2つ以上の幅の複合テープを同時にレイダウンすることを含む(操作706)。2つ以上の幅の複合テープが同時にレイダウンされる場合、2つ以上の幅の複合テープがシングルパスで敷設される。いくつかの例示的な例では、2つの複合材料幅がシングルパスでレイダウンされる。いくつかの例示的な例では、3つ以上の複合材料幅がシングルパスでレイダウンされる。これらの例示的な例では、異なる材料幅はそれぞれ互いに隣り合っている。
【0080】
いくつかの例示的な例では、第1の幅と第2の幅との間の差は、0.05インチ(1.27mm)~0.1インチ(2.54mm)の範囲内である(操作708)。いくつかの例示的な例では、第1の幅と第2の幅との間の差が面取部を形成する。
【0081】
いくつかの例示的な例では、方法700では、第1の幅及び第2の幅とは異なる第3の幅を有する第3のプライをレイダウンし、ここで、第3のプライにおける複合テープの連続体は、第1のプライにおける複合テープの第1の連続体及び第2のプライにおける複合テープの第2の連続体とは異なる(操作710)。いくつかの例示的な例では、第3の幅は、第2の幅及び第1の幅の両方よりも小さい。いくつかの例示的な例では、第1の幅から第2の幅へ、及び第2の幅から第3の幅への幅の縮小は、面取部を形成する。
【0082】
いくつかの例示的な例では、第2のプライをレイダウンすることは、第1の幅と第2の幅との差に基づいて面取部を形成するように第1のプライに対して第2のプライを位置決めすることを含む(操作712)。いくつかの例示的な例では、第2のプライをレイダウンすることは、第2のプライをレイダウンすることが面取部を形成するように、第2のプライを第1のプライの上に水平にセンタリングすることを含む。いくつかの例示的な例では、第2のプライは第1のプライの上に直接レイアップされる。
【0083】
ここで
図8を参照すると、例示的な実施形態による面取部を有する複合充填材を形成する方法のフローチャートが示されている。方法800は、
図1の航空機100の複合部品を形成するために用いられ得る。
図2の複合部品204を形成するために、方法800を用いることができる。
図3の複合充填材300を形成するために、方法800を用いることができる。
図4の複合充填材406を形成するために、方法800を用いることができる。方法800は、
図5A及び
図5Bのレーン504の構成を使用して実行され得る。方法800は、
図6の自動繊維配置システム600を使用して実行され得る。
【0084】
方法800では、自動繊維配置ヘッドを使用して複数の材料幅を有する複数本の複合テープをレイダウンして、複数のプライの複数の幅の差によって作られる角度を有する面取部を形成するように配置された複数の幅を有する複数のプライを順次形成する(操作802)。その後、方法800は終了する。
【0085】
いくつかの例示的な例では、複数の材料幅を有する複数本の複合テープをレイダウンすることは、複合テープの第1の連続体を使用して第1の幅を有する第1のプライをレイダウンすること(操作804)と、複合テープの第2の連続体を使用して第2の幅を有する第2のプライをレイダウンすることであって、複合テープの第1の連続体と複合テープの第2の連続体とが共通ではない少なくとも1本の複合テープを有する、こと(操作806)とを含む。いくつかの例示的な例では、複数のプライの各々は、プライごとに自動繊維配置ヘッドの最大2つのパスを使用して形成される(操作808)。
【0086】
本明細書で使用されるとき、「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という語句は、項目のリストと共に使用されるとき、リストされた項目のうちの1以上の様々な組合せが使用されてもよく、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要であり得ることを意味する。例えば、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含み得るが、これらに限定されない。また、この例は、項目A、項目B、及び項目C又は項目B及び項目Cを含み得る。もちろん、これらの項目の任意の組合せがあり得る。他の例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組合せであり得るが、これらに限定されない。項目は、特定の物体(object)、物(thing)、又はカテゴリーであってもよい。言い換えるならば、「のうちの少なくとも1つ」とは、任意の組合せ項目及び項目の数がリストから使用されてもよいが、リスト中の項目のすべてが必要とはされないことを意味する。
【0087】
本明細書で使用される場合、「いくつかの」は、項目を指して使用される場合、1以上の項目を意味する。
【0088】
異なる図示の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法のいくつかの考えられる実装形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能のうちの少なくとも1つ、又は動作若しくはステップの一部を表してもよい。
【0089】
例示的な実施形態のいくつかの代替実装形態では、ブロックに記されている1以上の機能は、図に記されている順序から外れて生じてもよい。例えば、一部のケースでは、連続して示されている2つのブロックは、関連する機能に応じて、実質的に同時に実行されてもよいし、場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、フローチャート又はブロック図の図示のブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。一部のブロックは任意選択であってもよい。例えば、操作706~操作712は任意選択であってもよい。例えば、操作804~操作808は任意選択であってもよい。
【0090】
本開示の例示的な実施形態は、
図9に示されている航空機の製造及び保守点検方法900並びに
図10に示されている航空機1000の状況で説明され得る。最初に
図9を参照すると、例示的な実施形態による、ブロック図の形態での航空機の製造及び保守点検方法の説明図が示されている。生産の前段階において、航空機の製造及び保守点検方法900は、
図10の航空機1000の仕様及び設計902、並びに材料調達904を含んでもよい。
【0091】
生産中、航空機1000の構成要素及び部分組立品の製造906並びにシステム統合908が行われる。その後、航空機1000は、就航中912になるために、認証及び搬送910を経てもよい。顧客による就航中912に、航空機1000は、定期的な整備及び保守点検914が予定され、これは修正、再構成、改修、又は他の整備及び保守点検を含んでもよい。
【0092】
航空機の製造及び保守点検方法900のプロセスの各々は、システム統合者、第3の業者、及び/又は運用者によって実行又は実施されてもよい。これらの例では、運用者は、顧客であってもよい。この説明の目的のために、システム統合者は、限定することなく、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含むことができ、第3の業者は、限定することなく、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、運用者は、航空会社、リース会社、軍事団体、保守点検組織などであってもよい。
【0093】
次に
図10を参照すると、例示的な実施形態が実装され得るブロック図の形態の航空機の説明図が示されている。この例では、航空機1000は、
図9の航空機の製造及び保守点検方法900によって生産され、複数のシステム1004及び内部1006を伴う機体1002を含んでもよい。システム1004の例は、推進システム1008、電気システム1010、油圧システム1012、及び環境システム1014のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。
【0094】
本明細書で具現化される装置及び方法は、航空機の製造及び保守点検方法900の段階のうちの少なくとも1つの間に採用されてもよい。1以上の例示的な実施形態は、
図9の構成要素及び部分組立品の製造906、システム統合908、就航中912、又は整備及び保守点検914のうちの少なくとも1つの間に製造され又は使用されてもよい。
【0095】
例示的な例は、異なる材料幅を有する複数のレーンから構成される自動繊維配置(AFP)ヘッドを提供する。いくつかの例では、自動繊維配置(AFP)ヘッドは10本のレーンで構成される。自動繊維配置(AFP)ヘッドには、任意の望ましい数の材料が提供される。いくつかの例示的な例では、4つの異なる材料幅が与えられる。
【0096】
例示的な例は、自動繊維配置機がプライごとに2つ以下のパスで幅の範囲内でフレーム充填材を正確にレイアップすることを可能にする。いくつかの例示的な例では、幅は2インチ(50.8mm)から4インチ(101.6mm)までの範囲で変化する。自動繊維配置(AFP)機は、プライを円周方向にレイアップすることができ(同じ順序で複数のプライのように扱う)、すべての充填材をレイアップマンドレル上に直接レイアップすることができる。これは、全体的な時間の節約につながり、かなりの量のオフラインの充填材製造作業及び充填材管理を削減することができる。例示的な例は、プライランプ(ply ramp)及び異なるサイズのプライ及び複合充填材を取り扱うことができる。
【0097】
例示的な例は、複合充填材をレイアップするための複数の材料を有する新しい自動繊維配置(AFP)ヘッドの設計を提供する。自動繊維配置(AFP)ヘッドは、複合充填材をレイアップマンドレル上に直接レイアップすることができる。
【0098】
従来の製造では、小さなシートをレイアップし、充填材パッチを切り出す。少なくともいくつかの複合充填材の従来の製造は、手作業のレイアップを使用して行われる。少なくともいくつかの複合充填材の従来の製造は、複合充填材を一度に1つずつオフラインでレイアップすることを含む。その後、従来の製造では、店舗は数百又は数千の個々の固有の充填材を保管及び管理しなければならない。
【0099】
1つの例示的な例では、自動繊維配置(AFP)ヘッド設計は、16度~17度のプライランプを占めることができる4つの異なる材料幅で提示される。0.025インチ(0.635mm)の間隔を作ることにより、自動繊維配置(AFP)ヘッドは、面取り設計の許容範囲内の面取部を生成する。
【0100】
いくつかの例示的な例では、近傍にあるシステムは、材料幅を1インチ(25.4mm)、1.05インチ(26.67mmm)、及び1.10インチ(27.94mm)に切断することができ、製造システムに統合され得る。いくつかの例示的な例では、材料幅は外部ベンダーによって提供され得る。
【0101】
例示的な例は、フレーム充填材製造の生産性を迅速に改善することができる。例示的な例は、数千のフレーム充填材を管理するという課題を軽減する。自動繊維配置(AFP)ヘッドはドッキング可能であり得る。自動繊維配置(AFP)ヘッドは、典型的な自動繊維配置(AFP)機に取り付けることができる。
【0102】
各複合充填材は個別の部品であり、一意である可能性があるため、例示的な例の自動繊維配置(AFP)プロセスを利用すると、かなりの時間を節約することができる。例示的な例は、充填材を工具に直接付着させることができ、これにより、数千の複合充填材の部品管理が大幅に軽減される。
【0103】
異なる例示的な実施形態の説明は、例示及び説明のために提示されたものであり、網羅的であること又は開示された形態の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者には多くの修正及び変形は明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比較して異なる形態を提供し得る。選択された実施形態又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の適用を最もよく説明するために、また、考えられる特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態の開示を他の当業者が理解できるようにするために選択され説明されている。
【符号の説明】
【0104】
100 航空機、102 翼、104 翼、106 本体、108 エンジン、110 エンジン、112 尾部、114 水平安定板、116 水平安定板、118 垂直安定板、200 製造環境、202 自動繊維配置システム、204 複合部品、205 複合材料、206 複合テープ、207 複合充填材、208 材料幅、210 プライ、211 第1のプライ、連続プライ、212 面取部、213 第1の幅、214 スプール、215 複合テープの第1の連続体、216 自動繊維配置ヘッド、217 テープ、218 スプール、219 第2のプライ、220 複合テープ、221 第2の幅、222 材料幅、223 複合テープの第2の連続体、224 スプール、225 テープ、226 複合テープ、227 第3のプライ、228 材料幅、229 第3の幅、230 スプール、231 複合テープの第3の連続体、232 複合テープ、233 テープ、234 材料幅、236 スプール、238 複合テープ、240 材料幅、242 スプール、244 複合テープ、246 材料幅、248 レーン、250 圧縮ローラ、252 幅、254 圧縮ローラ、256 幅、258 レーン、260 圧縮ローラ、262 幅、264 レーン、266 圧縮ローラ、268 幅、270 レーン、272 圧縮ローラ、274 幅、276 レーン、278 圧縮ローラ、280 幅、282 レーン、284 順序、286 数、288 パス、290 角度、291 幅、292 プライ幅、294 範囲、300 複合充填材、302 プライ、304 面取部、306 面取部、308 第1のプライ、310 第1の幅、312 第2のプライ、314 第2の幅、316 第3のプライ、318 第3の幅、320 方向、400 製造環境、402 ストリンガー、404 マンドレル、406 複合充填材、500 マトリクス、502 プライ幅、504 レーン、506 材料幅、507 構成、508 4番レーン、510 5番レーン、511 複合テープの連続体、512 6番レーン、514 7番レーン、515 複合テープの連続体、516 3番レーン、518 複合テープの連続体、520 1番レーン、522 2番レーン、524 9番レーン、526 10番レーン、528 複合テープの連続体、600 自動繊維配置システム、602 自動繊維配置ヘッド、604 レーン、606 スプール、608 圧縮ローラ、700 方法、702 操作、704 操作、706 操作、708 操作、710 操作、712 操作、800 方法、802 操作、804 操作、806 操作、808 操作、900 航空機の製造及び保守点検方法、902 仕様及び設計、904 材料調達、906 構成要素及び部分組立品の製造、908 システム統合、910 認証及び搬送、912 就航中、914 整備及び保守点検、1000 航空機、1002 機体、1004 システム、1006 内部、1008 推進システム、1010 電気システム、1012 油圧システム、1014 環境システム
【外国語明細書】