(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180297
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】気象学的データからのコンテナ内部の気象推定のための方法
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
B65G61/00 520
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075674
(22)【出願日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】18/209,792
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.VISUAL BASIC
3.PYTHON
4.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】味藤 未冴来
(72)【発明者】
【氏名】アーナブ チャクラバーティ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】貨物のステータスを推定および管理するための方法を提供する。
【解決手段】貨物の配送情報を取得することと、貨物の配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出することと、貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の第1のセットに対して前処理を実行することと、気象情報の前処理された第1のセットの前記入力に基づいて、内部環境モデルからの貨物の内部環境の推定結果を取得することとを含み得、気象情報の第1のセットは、貨物の配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物のステータスを推定および管理するための方法であって、
前記貨物の配送情報を取得することと、
前記貨物の前記配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出することと、
前記貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の前記第1のセットに対して前処理を実行することと、
前記気象情報の前処理された前記第1のセットの前記入力に基づいて、内部環境モデルからの前記貨物の前記内部環境の前記推定結果を取得することとを含み、
気象情報の前記第1のセットは、前記貨物の前記配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される、方法。
【請求項2】
前記内部環境モデルが、
過去貨物の過去気象情報および過去センサデータを含むデータベースから、
前記過去センサデータに対して前記前処理を実行することと、
前記過去貨物の前記過去センサデータまたは前処理された過去センサデータの前記場所および前記時間間隔に対応する前記過去気象情報の第2のセットに対して前記前処理を実行することと、
前記過去気象情報の前処理された前記第2のセットの入力からの出力として前記前処理された過去センサデータを学習するように、前記内部環境モデルを訓練することと
を含むプロセスによって訓練される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記過去センサデータに対する前記前処理が、誤差および外れ値の除去を通して前記過去センサデータをクリーニングすることと、
前記過去センサデータを規則的な時系列に形成するために、前記過去センサデータを補間および標本再抽出することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記過去気象情報の前記第2のセットに対する前記前処理が、前記過去センサデータまたは前記前処理されたセンサデータの前記時間間隔を整合させるために、前記過去気象情報の前記第2のセットを補間することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記過去センサデータが過去貨物のセンサによって計測された環境変数を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記気象情報の前記前処理された第1のセットを用いて前記内部環境モデルを更新することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記気象情報の前記第1のセットの前記前処理が、
誤差および外れ値の除去を通して気象情報の前記第1のセットをクリーニングすることと、
前記時間間隔と整合するために、前記気象情報の前記第1のセットを補間または標本再抽出することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記気象情報が、時間および気象学的データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記配送情報が、行程情報と、前記貨物の前記行程情報に対応する時間情報とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
緩和計画が、所定のパラメータを超える前記内部環境の前記推定結果に応答してデータベースから取り出され、実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
貨物のステータスを推定および管理するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
前記貨物の配送情報を取得することと、
前記貨物の前記配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出することと、
前記貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の前記第1のセットに対して前処理を実行することと、
前記気象情報の前処理された前記第1のセットの前記入力に基づいて、内部環境モデルからの前記貨物の前記内部環境の前記推定結果を取得することとを含み、
気象情報の前記第1のセットは、前記貨物の前記配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
貨物と関連付けされた1つまたは複数の物理的システムと、
前記貨物のステータスを推定および管理するように構成された管理装置とを備え、前記管理装置が、
プロセッサであって、
前記貨物の配送情報を取得することと、
前記貨物の前記配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出することと、
前記貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の前記第1のセットに対して前処理を実行することと、
前記気象情報の前処理された前記第1のセットの前記入力に基づいて、内部環境モデルからの前記貨物の前記内部環境の前記推定結果を取得することと、を行うように構成されている、プロセッサを備え、
気象情報の前記第1のセットは、前記貨物の前記配送情報に対する更新に応答して、定期的に再標本抽出される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にコンテナ管理システムに関し、詳しくはコンテナ管理のためのコンテナ内部気象推定のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運送用コンテナは、世界の貨物の大部分を輸送する。コンテナの標準化は、世界貿易を支援し、経済的な効率性をもたらしてきた。しかしながら、運送用コンテナは、不透明で、監視しづらく、貨物条件の可視性の結果的な欠落が、損害および無駄の原因となり、経済的損失、遅延、および環境リスクから法的リスクの範囲のいくつかの種類のリスクをもたらす。最近の数十年において、貨物の場所、条件など部分的可視性を提供するモノのインターネット(IoT)のセンサによって、増加する数の運搬物が監視されてきた。
【0003】
関連技術において、重回帰モデルを使用するコンテナの外側の測定センサデータ(温度、湿度、日射)を使用したコンテナの内側の推定センサデータ(温度、水蒸気圧(湿度と類似)が存在する。上記モデルを使用して結露確率を推定するために、上記モデルおよび結露条件が使用される。
【0004】
関連技術において、センサを輸送中のコンテナに取り付けて、各センサ(ジャイロ、慣性、湿度、温度、光、圧力など)の値とその信頼水準とを記録して、品目が適切に管理されているかどうか(損害、損傷、窃盗などがない)を判定する実施態様が存在する。この信頼性は、機械学習を使用する信頼性判定モデルにセンサ値を入力することによって計算される。データは、ブロックチェーン上に記憶され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで説明する例示的な実施態様は、「センサレス」の解決策を含む。コンテナの内部気象を推定するために外部の気象データを使用することは、運送用コンテナがセンサを有さないとき、センサ故障があるとき、配送が将来的に計画されているときなどに、顕著な価値を加え得る。
【0006】
輸送中の貨物内の可視性を有する価値は、広く認められている。輸送中の品目の状態を検証することに関する関連技術が存在する。しかしながら、ほぼ全ての関連技術は、計測デバイス(センサ)が、運送用コンテナ内部の環境を計測するために存在することを前提としている。残念ながら、センサをコンテナ内に取り付けることは高費用である。全てのコンテナが、センサを有するわけではない。
【0007】
さらに、将来的に配送が計画されているとき、計測結果がまだ存在しないが、将来的な配送のリスクを推定することが依然として必要であるというユースケースも存在する。コンテナの内部計測結果が既知でない場合に代替案を有することは役に立つ。本明細書で説明する例示的な実施態様は、外部気象データに基づくそのような代替案を容易にする。本開示は、そのような解決策を実施する際に直面する実践的な問題、すなわち、空間-時間同期化、モデル作成、究極的には、リスク緩和につながる推定に関連する問題にさらに対処する。
【0008】
解決されるべき第1の問題において、非同期化されたデータが存在する。コンテナの内側および外側のセンサデータが、異なる時点で、さらにわずかに異なる場所で計測される場合がある。特に、外側データが、気象源から取得されたとき、そのタイミングおよび場所は、計測されている貨物の内側のセンサを用いて、高精度に整合している可能性が低い。この非同期性は、外部データを内部データに変換するモデルが構築される訓練段階において、課題となる。
【0009】
外部気象データを内部気象データに変換するモデルに外部気象計測結果が入力されると、センサなしで、コンテナの内部気象データが提供される。コンテナデータは、その気象データから推論されるが、訓練におけるデータの空間-時間の対応付けは、鍵となる工程である。本明細書で説明する例示的な実施態様は、関連技術が類似モデルを実施することを妨げるそのような技術的問題に対処する、そのような対応付けを確実にすることを容易にすることができる。
【0010】
センサが取り付けられたコンテナは、通常、変わりやすい環境下でリアルタイムの追跡のために電気通信を行うため、コンテナデータは、不規則な時間区分で計測される場合が多い。加えて、時系列モデルおよびいくつかの他の推定方法は、通常、同期がとられた規則的なサンプリング間隔でのデータを必要とする。
【0011】
第2の技術的問題において、関連技術では、推定は、航行に依存する。コンテナデータ(リスク)は、ルートの方向、時間、およびエリアに依存する。関連技術の実施態様は、異なる一次方程式でモデル化された少数の貨物のみを評価する傾向にあり、新規の航行ごとに真新しいモデルが追加される必要があるため、それらの解決策の開発費用は高い。
【0012】
第3の技術的問題において、不正確または不十分なリスク緩和が存在する。関連技術は、リスク緩和方法を提案しておらず、主要な痛点、すなわち貨物劣化に対処するまでは達しておらず、したがって、不十分な経済的利点を有する。
【0013】
第4の技術的問題において、内容物が不明のコンテナが存在する場合がある。コンテナの品目/顧客の名前は、顧客がその情報を共有しない限り、または情報が税関データなどの別のソースから推論されない限り、明らかでない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本明細書で説明する例示的な実施態様は、IoTセンサなしで、任意選択的に顧客/品目情報を用いて、コンテナパラメータおよび状態/リスクを推定できる。例示的な実施態様はまた、データのタイムスタンプ/地理的な位置を同期化して、推定モデルを訓練/推定するために規則的な時間データを生成する。加えて、例示的な実施態様は、ユーザに対してリスク緩和方法を提案できる。気象データは、(気象推定を使用して)過去データおよび未来データを推定するために使用され得る。
【0015】
本開示の態様は、貨物のステータスを推定および管理するための方法を含み得、方法は、貨物の配送情報を取得することと、貨物の配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出することと、貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の第1のセットに対して前処理を実行することと、気象情報の前処理された第1のセットの入力に基づいて、内部環境モデルからの貨物の内部環境の推定結果を取得することとを含み得、気象情報の第1のセットは、貨物の配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される。
【0016】
本開示の態様は、貨物のステータスを推定および管理するための命令を記憶するコンピュータプログラムを含み得、命令は、貨物の配送情報を取得することと、貨物の配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出することと、貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の第1のセットに対して前処理を実行することと、気象情報の前処理された第1のセットの入力に基づいて、内部環境モデルからの貨物の内部環境の推定結果を取得することとを含み得、気象情報の第1のセットは、貨物の配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される。そのコンピュータプログラムおよび命令は、非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されることが可能である。
【0017】
本開示の態様は、貨物のステータスを推定および管理するためのシステムを含み得、システムは、貨物の配送情報を取得する手段と、貨物の配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出する手段と、貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の第1のセットに対して前処理を実行する手段と、気象情報の前処理された第1のセットの入力に基づいて、内部環境モデルからの貨物の内部環境の推定結果を取得する手段とを含み得、気象情報の第1のセットは、貨物の配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される。
【0018】
本開示の態様は、貨物のステータスを推定および管理するために構成された装置を含み得、装置は、貨物の配送情報を取得することと、貨物の配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報の第1のセットを抽出することと、貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の第1のセットに対して前処理を実行することと、気象情報の前処理された第1のセットの入力に基づいて、内部環境モデルからの貨物の内部環境の推定結果を取得することとを行うように構成されたプロセッサを含み得、気象情報の第1のセットは、貨物の配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】例示的な実施態様による、情報処理デバイスを示す図である。
【
図2】例示的な実施態様による、訓練段階の貨物ステータス推定のシステムを示す図である。
【
図3】例示的な実施態様による、動作段階の貨物ステータス推定のシステムを示す図である。
【
図4】例示的な実施態様による、視覚化/入力ユニットを示す図である。
【
図5】例示的な実施態様による、訓練段階の例示的なフローチャートである。
【
図6】例示的な実施態様による、動作段階の例示的なフローチャートである。
【
図7】例示的な実施態様による、外部気象データの例示的なデータセットを示す図である。
【
図8】例示的な実施態様による、規則的な周期におけるクリーンな外部データの例示的なデータセットを示す図である。
【
図9】例示的な実施態様による、推定内部センサデータの例示的なデータセットを示す図である。
【
図10】例示的な実施態様による、顧客/品目仕様の例示的なフローチャートである。
【
図11】例示的な実施態様による、メタデータの一例を示す図である。
【
図12】例示的な実施態様による、顧客/品目情報の例示的なデータセットを示す図である。
【
図13】例示的な実施態様による、緩和提案の例示的なフローチャートである。
【
図14】例示的な実施態様による、緩和計画の例示的なデータセットを示す図である。
【
図15】例示的な実施態様による、提案情報の例示的なデータセットを示す図である。
【
図16】例示的な実施態様による、管理装置にネットワーク接続された複数の物理的システムを示す図である。
【
図17】いくつかの例示的な実施態様での使用に適した例示的なコンピュータデバイスを有する例示的なコンピューティング環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明は、本願の図および例示的な実施態様の詳細を提供するものである。図間で重複する要素の参照番号および説明は、明確性のために省略される。説明全体で使用される語は例として提供されたものであり、限定することは意図されない。例えば、「自動」という語の使用は、本願の実施を実践する当業者の所望の実施に応じて、実施の特定の態様に対するユーザまたは管理者の制御を含む、全自動または半自動の実施を含み得る。選択は、ユーザインターフェースまたは他の入力手段を介してユーザによって実行可能であり、あるいは所望のアルゴリズムを介して実施され得る。本明細書に記載するような例示的な実施態様は、単独で、または組み合わせによってのいずれかで利用可能であり、その例示的な実施態様の機能は、所望の実施態様による任意の手段を介して実施され得る。
【0021】
本明細書で説明される例示的な実施態様は、運送用コンテナに関して説明される。ただし、他のタイプの貨物も例示的な実施態様で利用可能であり、本開示は、それに限定されない。「貨物」および「コンテナ」という用語は、本開示全体を通して互換的に使用され得る。
【0022】
訓練段階において、データクリーナーは、内部センサデータおよび外部気象データを取得する。クリーニング(例えば、ジオロジおよびデータ準備の同期化による)後に、規則的な周期でクリーンな外部および内部データを出力する。次いで、訓練段階は、データクリーナーからの出力としての規則的な周期のクリーンな外部および内部データを使用することによって、内部状態推定モデルを訓練する。このプロセスは、前から存在するモデルが既にある場合、モデルパラメータを更新する。前から存在するモデルがない場合、このプロセスは、そのモデルを生成する。
【0023】
所望の実施態様に応じて、外部気象データは、1つまたは複数の外部サーバまたはデータベースから取得することができる。内部センサデータは、センサが、1つまたは複数の積荷に及び得る貨物を監視することによって計測される。そのような積荷は、トラック、船、および/または所望の実施態様に応じたその他の場所に位置し得る。
【0024】
図1は、例示的な実施態様による情報処理デバイス1000の一例を示す。情報処理デバイス1000は、
図16に関して説明するようなものなど、本明細書で説明するような、貨物を管理する任意の物理的システムにおいて実施され得る。そのような情報処理デバイスは、プロセッサ1001と、ローカルの配送情報もしくは気象情報を記憶するための主記憶デバイス1002および補助記憶デバイス1003と、入力デバイス1004と、出力デバイス1005と、
図16および
図17に記載されるような、通信ネットワークおよび管理装置と通信するための通信デバイス1006とを含み得る。
【0025】
図2は、例示的な実施態様による、訓練段階の貨物ステータス推定のシステム100を示す。貨物ステータス推定システム100に示すように、貨物1101の内部センサデータ1103を提供するセンサ1102を備える1つまたは複数の貨物1101が存在し得る。外部サーバ1104-1、1104-2、1104-3は、所望の実施態様により、外部気象データを提供するように構成されている。外部気象データおよび内部センサデータ1103は、配送状態管理サーバ1100に提供され、配送状態管理サーバ1100は、そのデータを取り込み、そのデータを、データクリーニングおよび地域-時間同期化プロセス1105を用いて前処理する。クリーニングおよび同期化されたデータは、規則的な周期のクリーニング済み外部および内部データ1106として提供される。次いで、このクリーニング済み外部および内部データ1106は、所望の実施態様により、既存の内部状態推定モデル1107のパラメータを更新すること、または内部状態推定モデル1107を生成することのいずれかになるように、内部状態推定モデルを訓練する(1108)ために使用される。
【0026】
図3は、例示的な実施態様による、動作段階の貨物ステータス推定のシステムを示す。具体的には、
図3は、動作段階において動作するモデル1107のための貨物ステータス推定を容易にするための、配送状態管理サーバ1100の他の機能を示す。動作段階において、本明細書で説明するように、配送状態管理サーバ1100は、センサデータを必要とせず、監視対象の貨物の配送情報1116のみを必要とする。
【0027】
外部気象データに加えて、推定対象の貨物の配送情報1116はまた、データクリーニングおよび地域-時間同期化プロセス1105のために提供される。規則的な周期のクリーニング済み外部データ1106は、配送情報1116および動作モデル1107とともに使用されて、推定対象の貨物の内部センサデータを推定する(1128)。次いで、推定結果は、推定内部センサデータ1109として記憶され、顧客/品目特定部1111に提供され、顧客/品目特定部1111は、顧客/品目情報1112を生成するためのメタデータ1110を取り込み、顧客/品目情報1112は、可視化/入力ユニット1115および緩和提案部1114に提供される。
【0028】
可視化/入力ユニット1115は、緩和のための提案1118、顧客/品目情報1112を表示するユーザインターフェースを容易化および表示するように構成され、目標コンテナ状態1117に関する入力を受信し得る。可視化/入力ユニット1115のさらなる詳細は、
図4に関連して提供される。
【0029】
緩和提案部1114は、緩和計画1113のデータベースを参照するように構成されており、顧客/品目情報1112および所望の目標コンテナ状態1117に基づいて、目標コンテナ状態1117を達成するための、緩和計画1113のデータベースから引用された提案1118を提供する。そのような提案は、可視化/入力ユニット1115に提供され、ユーザが、必要に応じてユーザインターフェースを介して呼び出す。
【0030】
図4は、例示的な実施態様による、視覚化/入力ユニット1200を示す。具体的には、
図4は、可視化/入力ユニット1200のためのユーザインターフェースの一例を示す。
【0031】
配送ルート1201は、追跡対象の貨物の配送ルートを表示するユーザインターフェースの例示的な構成要素を示す。ユーザは、マウス、タッチスクリーン、または所望の実施による他の入力手段によって実施され得るポインタ1202によって、「位置」および「日時」を指定できる。
【0032】
配送情報は、既知である場合、監視対象の貨物の指定されたインデックス1203、位置1204、日時1205、および品目名1206、ならびに所望の実施態様による他の情報を示す。配送情報は、物理的プラットフォームから取得することができ、可視化/入力ユニット1200を介して、または他の所望の実施態様によって入力され得る。ユーザは、インデックス1203、位置1204、日時1205などを編集できる。そのようなフィールドはまた、配送ルート1201の動作によって埋められ得る。例えば、開始および終了の日付および場所が供給されたとき、配送ルート/行程は、アルゴリズム、過去の配送の探索などによって生成され得る。
図4に示される例示的な実施態様は品目名1206を対象としているが、所望の実施態様により、他の情報もまた、使用され得る。例えば、顧客名または他の印を使用して、この品目を指定することができる。所望の実施態様に応じて、コンテナ/貨物の品目名1206はまた、このフィールドが別様に空である場合に、メタデータを使用して埋められ得る。
【0033】
目標コンテナ状態は、例示的な実施態様により、品目名1208、コンテナ温度1209、および他の情報を含み得る。目標コンテナ状態のためのインターフェースにおいて、ユーザは、コンテナ状態について所望の目標値を指定し得る。例えば、品目名1208およびコンテナ温度1209は、目標を管理するための標本名として指定され、コンテナの内側の温度を目標に定めることができる。
【0034】
推定実行1210は、トリガされたときに、推定情報1211および提案1212を生成できるボタンである。推定情報1211は、推定実行ボタンが押されたときに、気象データの推定情報および管理リスク(コンテナ状態)を視覚化する。提案1212は、コンテナの顧客/品目名を用いてリスク緩和方法を提案する。
【0035】
図5は、例示的な実施態様による、訓練段階の例示的なフローチャートを示す。外部気象データ(例えば、温度、相対湿度など)500および過去内部センサデータ(例えば、温度、相対湿度など)501を求めて、過去データベースが参照され、過去外部気象データと過去内部センサデータとの関係を訓練および学習するために過去外部気象データと過去内部センサデータを同期化することを試みる。
【0036】
そのジオロジの同期化のためのプロセスは、502で、まず、外部気象データにおける各日時について過去内部センサデータの好適な場所(例えば、最も近い場所)を識別する。503で、フローは、過去内部センサデータの各日時における内部センサデータの識別された場所の外部気象データを抽出する。
【0037】
ジオロジの同期化後、次のプロセスは、データ準備(同期化された過去外部気象データおよび内部センサデータのクリーニングおよび標本再抽出)を含む。504で、過去外部気象データおよび過去内部センサデータにおいて、誤差および外れ値除去が実行される。誤差および外れ値の除去は、規則的および不規則的な間隔で標本に対して作用し得る。
【0038】
505で、結果として得られた過去外部気象データおよび過去内部センサデータが、規則的な間隔で標本抽出されているかどうかに関して判定がなされる。そうでない場合(No)、506で、補間および標本再抽出を行うために補間プロセスが実行されて、データを規則的な間隔に是正する。標本再抽出され、かつ補間されたデータは、次いで、507で、過去外部気象データと過去内部センサデータとの間の同期を維持するために整合がとられる。
【0039】
結果として得られたデータは、規則的な周期のクリーンな外部データ508およびクリーンな内部データ509であるべきである。510で、訓練標本選択部は、所望の実施態様により、訓練に好適でない標本を除去するように実行される。次いで、残りの訓練標本を使用して、511で、入力としての外部気象データを用いて内部センサデータを推定するようにコンテナ内部状態推定モデル512を訓練する。
【0040】
この内部状態推定モデルの訓練は、規則的な周期でクリーンな外部および内部データを使用することによって実行される。このプロセスは、内部状態推定モデルが以前に生成された場合に、モデルのパラメータを更新する。以前に生成されていない場合、内部状態推定モデルが生成される。
【0041】
コンテナの場所におけるコンテナの内部パラメータと外部気象パラメータとの間の仮定される関係は、以下によって与えられる。
Y=M(X,Ω)
ここで、
Y=コンテナの温度および相対湿度などの内部パラメータである。
X=コンテナの場所における温度および相対湿度などの外部気象パラメータである。
Ω=コンテナタイプおよび貨物タイプなど、コンテナの内部パラメータに影響を及ぼし得る他の変数である。
【0042】
上記方程式は、XおよびYが同じ場所に対応すると仮定していることに留意されたい。
Mは、訓練段階において推定され、結果として、Mに近似するモデル、サーカムフレックスM(⌒M)が作成される。
【数1】
【0043】
ここで、サーカムフレックスM(⌒M)は、任意のタイプのモデルでもよく、モデル、サーカムフレックスM(⌒M)による他の情報Ωの使用は、任意選択的である。
【0044】
使用中、訓練済みモデル、サーカムフレックスM(⌒M)は、コンテナの場所Xにおけるコンテナの内部パラメータの推定結果であるサーカムフレックスY(⌒Y)を計算するために、既知の外部気象パラメータに対して作用する。
【数2】
【0045】
図6は、例示的な実施態様による、動作段階の例示的なフローチャートを示す。このフローは、事前に訓練された貨物内部状態推定モデル512を適用して、モデルの動作中にクリーンな外部気象データの入力から内部センサデータを推定する。
【0046】
外部気象データ(温度、相対湿度など)601は、推定対象の貨物を管理する物理的システム(例えば、配送船、トラック、ドッキングポートなど)の配送情報(日付、位置など)602と同期化される。同期しているジオロジについて、603で、フローは、外部気象データにおける各日時の配送情報の好適な場所(例えば、最も近い場所)を識別する。604で、フローは、各日時における内部センサデータの識別された場所の外部気象データを抽出する。
【0047】
対応する外部気象データが抽出されると、データ準備(クリーニングおよび標本再抽出)が実行される。605で、同期がとられた外部気象データおよび配送情報に対して、誤差および外れ値除去が実行される。606で、外部気象データが規則的な間隔で標本抽出されているかどうかの判定がなされる。規則的な間隔で標本抽出されていない(No)場合、フローは607に進み、外部気象データを補間および標本再抽出して、規則的な間隔に変換する。608で、結果として得られたデータは、規則的な周期のクリーニングされた外部気象データである。
【0048】
609で、内部状態推定モデル512は、規則的な周期のクリーニングされた外部気象データを取り込んで、内部センサデータを推定し、内部センサデータ(例えば、温度、相対湿度)の推定結果を提供する。
【0049】
図7は、例示的な実施態様による、外部気象データ1500の例示的なデータセットである。外部気象データの例は、地理的情報(例えば、
図7の例では、位置)に対応する日時の温度を含み得る。
図7の例では、外部気象データは、1つの場所で集められる。しかしながら、外部気象データは、地理的情報(例えば、サーバ場所)も有する複数の外部サーバにわたって収集され得る。
【0050】
外部気象データ1500は、エントリ1501のインデックス、その気象の位置1502、日時1503、および温度1504などのフィールドを含み得るが、それに限定されない。相対湿度などの他のフィールドも使用可能であり、本開示はそれに限定されない。位置1502は、地球投影位置決定衛星(GPS)または所望の実施態様に応じた他の方法などの座標を含み得る。
【0051】
図8は、例示的な実施態様による、規則的な周期のクリーンな外部気象データ1600の例示的なデータセットである。規則的な周期のクリーンな外部データ1600の例示的なフィールドは、エントリ1601のインデックス、位置1602、日付1603、温度1604、気象日時1605、および品目名1606を含み得るが、それに限定されない。品目名1606は、所望の実施態様に応じたメタデータ、貨物/コンテナの識別情報、顧客の名前などを含み得る。
【0052】
図8の例では、気象データは、補間のために使用された気象モデルからの温度1604および対応する気象日時1605を含み得る。温度1604は、気象日時1605とともに、可視化/入力ユニットの推定情報部分上に示されてもよい。
図8の例はまた、過去のプロセスの全てのデータフィールド(例えば、日付および他)を引き継いだ場合を示す。いくつかのフィールドはまた、次のプロセスにおける顧客名/品目名を検出するために使用され得る。
【0053】
図9は、例示的な実施態様による、推定内部センサデータ1800の例示的なデータセットである。推定内部センサデータ1800は、インデックス1801、位置1802、日付1803、温度1804、気象日1805、推定コンテナ温度1806、品目名1807などのフィールドを含み得るが、それに限定されない。他のフィールド(例えば、相対湿度)も利用可能であり、本開示はそれに限定されない。
【0054】
コンテナ/貨物温度は、
図9の例における推定内部センサデータ1800のデータであり、気象日時とともに、視覚化/入力ユニット内の推定情報部上に示され得る。さらに、この
図9の例は、過去のプロセスの全てのデータフィールド(例えば、日付および他)を引き継いだ場合を示す。いくつかのフィールドはまた、次のプロセスにおける緩和方法を決定するために使用され得る。
【0055】
図10は、例示的な実施態様による、顧客/品目仕様の例示的なフローチャートである。このフローは、コンテナ/貨物の品目名のフィールドが空いている場合に、メタデータを使用してコンテナ/貨物の品目名を指定する。品目名は、一例であり、所望の実施態様により他の情報が使用され得る。例えば、顧客名もまた、品目を指定するために使用され得る。
【0056】
1023で、フローは、推定内部センサデータ1021を取り込み、それを処理して、それが顧客名/品目名を含むかどうかを判定する。顧客名/品目名を含む場合(Yes)、フローは1024に進んで、推定内部センサデータを、顧客/品目情報としてエクスポートし、含んでいない場合(No)、フローは、1025に進む。1025で、フローは、メタデータ(例えば、顧客名、品目名、カスタムログなど)1022を取り込み、メタデータをチェックすることによって(例えば、カスタムログにおける輸送時間および商品名を使用して整合させることによって)、顧客名/品目名を指定する。1026で、フローは、顧客名/品目名を推定内部センサデータに追加することによって、顧客/品目情報をエクスポートする。1027で、顧客/品目情報1027は、内部センサデータに添付される。
【0057】
図11は、例示的な実施態様による、メタデータ2000の例である。メタデータ2000は、位置2001、日付2002、および品目名2003などのフィールドを含み得るが、それに限定されない。品目名2003は、コンテナ/貨物内の品物のタイプを示すことができ、または所望の実施態様に応じた他の情報であり得る。
【0058】
メタデータ2000は、顧客/品目名2003と、他の情報から顧客/品目名2003を検出するための他の情報とを含む。
図11の例では、メタデータ2000は、カスタムログの形態を有する。メタデータは、品目名を伴う何らかの情報(位置、データ)を有する。したがって、顧客/品目特定部は、配送情報とメタデータ2000との関係をチェックすることによって、品目名を検出できる。
【0059】
図12は、例示的な実施態様による、顧客/品目情報2100の例示的なデータセットである。顧客/品目情報2100は、エントリ2101のインデックス、位置2102、日付2103、温度2104、気象データ2105、コンテナ温度2106、および品目名2107などのフィールドを含み得るが、それに限定されない。
【0060】
図12の例では、品目名2107(例えば、水)は、このテーブル内の顧客/品目情報の一例である。さらに、この
図12の例はまた、過去のプロセスの全てのデータフィールド(例えば、日付および他)を引き継いだ場合を示す。いくつかのフィールドはまた、次のプロセスにおける緩和方法を決定するために使用され得る。
【0061】
図13は、例示的な実施態様による、緩和提案の例示的なフローチャートである。最初に、1303で、フローは、ユーザインターフェースで指定された顧客/品目情報1301および目標コンテナ/貨物状態1302を受信する。次いで、1304で、フローは、満たされた条件を調査し、緩和計画データベース1305から対応する計画を取得する。1306で、取得された計画は、気象によって引き起こされたコンテナ/貨物損害を緩和するために、選択および実行される、選択可能な提案1307として、ユーザインターフェースに表示するために出力される。所望の実施態様に応じて、提案はまた、ユーザインターフェースにおける視覚化のための顧客/品目情報を含み得る。
【0062】
図14は、例示的な実施態様による緩和計画2400の例示的なデータセットである。緩和計画2400は、その計画に必要な条件2401および対応する提案/計画2402などのフィールドを含み得るが、それに限定されない。緩和計画2400は、配送状態管理サーバまたは所望の実施態様による他のサーバ/データベースアーキテクチャによって管理される。
図14の例では、緩和計画(この例では「計画」)は、各選択条件(この例では「条件」)とともに含まれる。
【0063】
図15は、例示的な実施態様による、提案情報2500の例示的なデータセットである。提案情報2500は、品目名2501と、その品目名についての対応計画2502などのフィールドを含み得るが、それに限定されない。この例は、前のプロセスからの選択された提案を示す。計画は、提案情報を含む規定のフィールドであり、視覚化/入力ユニットの提案インターフェース上に示される。品目名は、計画に示された特定のアクションのために必要とされているかを説明するために使用され得る。このフィールドは、視覚化/入力ユニットに複数の顧客/品目を示すために使用され得る。
【0064】
本明細書で説明する例示的な実施態様を通して、それにより、センサを用いない気象データ取得が容易になり得る。ユーザは、配送日および発送元-宛先(あるいは、ルートまたは行程)を入力するだけで、コンテナ内部の気象データを迅速に推定できる。ユーザは、自分の船にセンサを取り付ける必要はない。加えて、ユーザは、将来的なデータが気象データにおいて使用される場合に、将来に向けて計画された船のコンテナ内部の気象データを予報できる。
【0065】
本明細書で説明する例示的な実施態様を通して、任意のルートにおけるリスク推定が容易化され得る。ユーザは、予め訓練されたモデルによって、気象データからコンテナ/貨物内部のリスクを推定できる。将来的な配送のためのコンテナ気象推定は、将来的な湿度が重要な船に対して適切な量の乾燥材を準備することによって、リスク推定および緩和を容易にする。加えて、ユーザは、特定のコンテナ内部の推定リスク(値)を使用することによって保険会社に対処することができる。
【0066】
本明細書で説明する例示的な実施態様を通して、それにより、リスク緩和が容易になり得る。ユーザは、配送日および発送元-宛先(あるいは、ルートまたは行程)を入力することによって、コンテナ/貨物内部のリスク緩和方法を知ることができる。
【0067】
本明細書で説明する例示的な実施態様を通して、顧客/品目情報が識別され得る。ユーザは、コンテナ/貨物を所有していなくても、顧客/品目情報に対応するコンテナ/貨物内部の気象データ/リスクを推定できる。そのような能力は、公開されている情報に大幅または全体的に基づいており、高リスクのコンテナまたはルートを識別することも目的とする政府もしくは監督機関、あるいは悪条件に起因する供給チェーンの遅延を予測することを試みる実体にとって有益である。
【0068】
図16は、例示的な実施態様による、管理装置にネットワーク接続された複数の物理的システムを示す。1つまたは複数の積荷を運搬する1つまたは複数の物理的システム1621(例えば、貨物船、ドッキングポート、トラックなど)は、管理装置1622に接続されている物理的システム1621に設置されているセンサシステムの対応するネットワークインターフェースを介して、ネットワーク1620(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN))に通信可能に接続されている。1つまたは複数のシステム1621は、所望の実施態様に応じて、センサと関連付けられていても、関連付けられていなくてもよい。管理装置1622は、物理的システム1621の各々からのセンサシステムから収集された過去データを含むデータベース1623を管理する。代替的な例示的な実施態様では、物理的システム1621のセンサシステムからのデータは、物理的システム1621からのデータを取り込む独自データベースなどの中央リポジトリまたは中央データベース、もしくはエンタープライズリソースプランニングシステムなどのシステムに記憶されることが可能であり、管理装置1622は、中央リポジトリまたは中央データベースからのデータにアクセスしたり、データを取り出したりすることが可能である。物理的システム1621のセンサシステムは、ジャイロスコープ、加速度計、地球投影位置決定衛星(GPS)、温度計、湿度計、もしくは温度、湿度、ガスレベル(例えば、CO2ガス)などのうちの1つまたは複数を測定できる任意のセンサなどであるが、それらに限定されない、所望の実施形態を促進する任意のタイプのセンサを含むことができる。本明細書で説明するように、管理装置1622は、適切な気象データを取得するために外部サーバに到達するように構成され得る。
【0069】
図17は、
図16に示される管理装置1622など、いくつかの例示的な実施態様での使用に適した例示的なコンピュータデバイスを有する例示的なコンピューティング環境を示す図である。コンピューティング環境1700におけるコンピュータデバイス1705は、1つまたは複数の処理ユニット、コア、またはプロセッサ1710、メモリ1715(例えばRAM、ROM、および/または同様のもの)、内部ストレージ1720(例えば磁気、光学、ソリッドステートのストレージ、および/または有機)、および/またはI/Oインターフェース1725を含むことが可能であり、そのいずれかは、情報を通信するための通信機構またはバス1730上で結合されることが可能であり、またはコンピュータデバイス1705に組み込まれ得る。I/Oインターフェース1725は、所望の実施に応じて、カメラから画像を受信する、またはプロジェクターまたはディスプレイに対して画像を提供するようにさらに構成される。
【0070】
コンピュータデバイス1705は、入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740に通信可能に結合され得る。入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740の一方または両方のいずれかは、有線または無線インターフェースであることが可能であり、取り外し可能であることが可能である。入力/ユーザインターフェース1735は、入力を提供するために使用可能である、物理的または仮想的な任意のデバイス、コンポーネント、センサまたはインターフェース(例えば、ボタン、タッチスクリーンインターフェース、キーボード、ポインティング/カーソルコントロール、マイクロフォン、カメラ、ブライユ、動きセンサ、光学読取装置、および/または同様のもの)を含み得る。出力デバイス/インターフェース1740は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカー、ブライユ、または同様のものを含み得る。いくつかの例示的な実施態様では、入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740は、コンピュータデバイス1705とともに組み込まれることが可能であり、またはそれと物理的に結合されることが可能である。他の例示的な実施態様では、他のコンピュータデバイスが、コンピュータデバイス1705のための入力/ユーザインターフェース1735および出力デバイス/インターフェース1740として機能し得る、またはその機能を提供し得る。
【0071】
コンピュータデバイス1705の例は、高移動性デバイス(例えばスマートフォン、車両および他の機械に搭載されたデバイス、人または動物によって保持されるデバイス、および同様のもの)、モバイルデバイス(例えばタブレット、ノートブック、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、携帯型テレビ、ラジオ、および同様のもの)、および移動性のために設計されていないデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、他のコンピュータ、情報キオスク、1つまたは複数のプロセッサが組み込まれたテレビおよび/または1つまたは複数のプロセッサが結合されたテレビ、ラジオ、および同様のもの)を含み得るが、それに限定されない。
【0072】
コンピュータデバイス1705は、同一または異なる構成の1つまたは複数のコンピュータデバイスを含む、任意の数のネットワーク接続されたコンポーネント、デバイス、およびシステムとの通信のために、(例えば、I/Oインターフェース1725を介して)外部ストレージ1745およびネットワーク1750へ通信可能に結合され得る。コンピュータデバイス1705または他の任意の接続済みコンピュータデバイスは、サーバ、クライアント、シンサーバ、汎用機械、専用機械、またはその他として機能、そのサービスを提供、またはそれらの名称で呼ばれることが可能である。
【0073】
I/Oインターフェース1725は、コンピューティング環境1700における少なくとも全ての接続済みコンポーネント、デバイス、およびネットワークへ、および/またはそこからの情報通信のために、任意の通信またはI/Oプロトコルまたは規約(例えば、Ethernet、802.11x、Universal System Bus、WiMax、モデム、セルラーネットワークプロトコル、および同様のもの)を使用する有線および/または無線インターフェースを含み得るが、それに限定されない。ネットワーク1750は、(例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、電話網、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、および同様のものなどの)任意のネットワークまたはネットワークの組み合わせであり得る。
【0074】
コンピュータデバイス1705は、一時的媒体および非一時的媒体を含むコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を使用、および/またはそれを使用して通信することが可能である。一時的媒体は、伝送媒体(例えば金属ケーブル、光ファイバー)、信号、搬送波、および同様のものを含む。非一時的媒体は、磁気媒体(例えば、ディスクおよびテープ)、光学媒体(例えばCD-ROM、デジタルビデオディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、ソリッドステート媒体(例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ)、および他の不揮発性ストレージまたはメモリを含む。
【0075】
コンピュータデバイス1705は、いくつかの例示的なコンピューティング環境において技法、方法、アプリケーション、プロセス、またはコンピュータ実行可能命令を実施するために使用され得る。コンピュータ実行可能命令は、一時的媒体から取り出され、非一時的媒体に記憶され、そこから取り出されることが可能である。実行可能命令は、任意のプログラミング言語、スクリプト言語、および機械言語(例えばC、C++、C#、Java、Visual Basic、Python、Perl、JavaScript、その他)のうちの1つまたは複数に由来し得る。
【0076】
プロセッサ1710は、ネイティブな環境または仮想環境において、任意のオペレーティングシステム(OS)(図示せず)の下で実行できる。論理ユニット1760と、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)ユニット1765と、入力ユニット1770と、出力ユニット1775と、異なるユニットが、相互通信、OSとの通信、および他のアプリケーション(不図示)との通信を行うためのユニット間通信機構1795とを含む1つまたは複数のアプリケーションが展開され得る。上述したユニットおよび要素は、設計、機能、構成、または実施において異なることが可能であり、上記説明に限定されない。プロセッサ1710は、中央演算処理装置(CPU)などのハードウェアプロセッサの形態を有することができ、またはハードウェアユニットおよびソフトウェアユニットの組み合わせであり得る。
【0077】
いくつかの例示的な実施態様では、APIユニット1765によって情報または実行命令が受信されると、それは、1つまたは複数の他のユニット(例えば、論理ユニット1760、入力ユニット1770、出力ユニット1775)に伝えられ得る。いくつかの例において、論理ユニット1760は、ユニット間の情報フローを制御し、上述したいくつかの例示的な実施態様において、APIユニット1765、入力ユニット1770、出力ユニット1775によって提供されたサービスを指示するように構成され得る。例えば、1つまたは複数のプロセスまたは実施のフローは、単独で、またはAPIユニット1765と併せて、論理ユニット1760によって制御され得る。入力ユニット1770は、例示的な実施態様で説明した計算に対する入力を取得するように構成されてもよく、出力ユニット1775は、例示的な実施態様で説明した計算に基づく出力を提供するように構成されてもよい。
【0078】
プロセッサ1710は、貨物のステータスを推定および管理するために、方法または命令を実行するように構成され得、方法または命令は、
図6に示されるように貨物の配送情報602を取得することと、外部サーバ1104-1によって示され、
図6および
図7に関して説明されるように、貨物の配送情報の場所および時間間隔に対応する1つまたは複数の場所から、1つまたは複数のデータベースから受信された気象情報601の第1のセットを抽出することと、
図6の605~608において示されるように、貨物の内部環境の推定結果を出力するように構成された内部環境モデルへの入力についての気象情報の第1のセットに対して前処理を実行することと、
図6の609および512において示されるように、気象情報の前処理された第1のセットの入力に基づいて、内部環境モデルからの貨物の内部環境の推定結果を取得して、推定内部センサデータ611を生成することとを含み得る。所望の実施態様に応じて、
図6のフローは、リアルタイムの更新で実行され、それによって気象情報の第1のセットが、貨物の配送情報に対する更新に応答して、定期的に標本再抽出される。
【0079】
プロセッサ1710は、上述したように方法または命令を実行するように構成され得、内部環境モデルが、過去貨物の
図5の500において示されるような過去気象情報および
図5の501において示されるような過去センサデータを含むデータベースから、
図5の504~508に示されるように、過去センサデータに対して前処理を実行することと、
図5の504~509に示すように、過去貨物の過去センサデータまたは前処理された過去センサデータの場所および時間間隔に対応する過去気象情報の第2のセットに対して前処理を実行することと、
図5の510~512に示すように、過去気象情報のクリーニングされた第2のセットの入力からの出力として前処理された過去センサデータを学習するように、内部環境モデルを訓練することと、によって訓練される。
【0080】
プロセッサ1710は、上述のような方法または命令を実行するように構成され得、
図5の504において示すように、過去センサデータに対する前処理が、誤差および外れ値の除去を通して過去センサデータをクリーニングすることと、
図5の505~509に示すように、過去センサデータを規則的な時系列に形成するために、過去センサデータを補間および標本再抽出することとを含み得る。
【0081】
プロセッサ1710は、上述のような方法または命令を実行するように構成され得、
図5の504~508に示すように、過去気象情報の第2のセットに対する前処理が、過去センサデータまたは前処理されたセンサデータの時間間隔を整合させるために、過去気象情報の第2のセットを補間することを含み得る。
【0082】
本明細書で説明するように、過去センサデータ501が、過去貨物のセンサによって計測された任意の種類の環境変数を含み得る。所望の実施態様に応じて、そのような環境変数は、温度、相対湿度などを含み得るが、それに限定されない。
【0083】
プロセッサ1710は、上述したような方法または命令を実行するように構成され得、
図2に関して説明したように、気象情報の前処理された第1のセットを用いて内部環境モデル1107を更新することをさらに含み得る。すなわち、内部状態推定モデル1107が以前に生成されていた場合、気象情報に対する更新は、内部環境モデルをさらに更新するために使用できる。
【0084】
プロセッサ1710は、上述したような方法または命令を実行するように構成され得、気象情報の第1のセットの前処理が、
図6の605において示されるように、誤差および外れ値の除去を通して過去気象情報の第1のセットをクリーニングすることと、
図6の607において示されるように、時間間隔と整合するために、気象情報の第1のセットを補間または標本再抽出することとを含み得る。
【0085】
所望の実施態様に応じて、気象データ601は、時間と、温度、相対湿度、および所望の実施態様に応じた、かつ
図7において示されたような他のものなどの気象学的データとを含み得る。
【0086】
所望の実施態様に応じて、配送情報は、行程情報(例えば、配送ルートまたは貨物の始点/終点)と、貨物の行程情報に対応する時間情報とを含み得る。
【0087】
所望の実施態様に応じて、緩和計画は、
図4に示されるように、かつ
図14および
図15に示されるような前提条件に基づくように、内部環境の推定結果が所定のパラメータを超えたことに応答して、データベースから取り出され、実行される。
【0088】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ内の動作のアルゴリズムおよび記号的表現によって提示される。それらのアルゴリズムの記載および記号的表現は、それらの革新の本質を他の当業者に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、所望の最終状態または結果につながる一連の定義されたステップである。例示的な実施態様では、実行されたステップは、有形の結果を実現するために有形の量の物理的な操作を必要とする。
【0089】
特段の記載がない限り、説明から明らかなように、本明細書全体を通して、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」、または同様のものなどの語を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内で物理的(電子的)量として表されるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタまたは他の情報記憶デバイス、伝送デバイスまたは表示デバイス内の物理的量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステムまたは他の情報処理デバイスのアクションおよびプロセスを含み得ることが理解される。
【0090】
例示的な実施態様は、本明細書において動作を実行するための装置にさらに関係してもよい。この装置は、求められた目的のために特別に構築されてもよく、または1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成される1つまたは複数の汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読信号媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、光学ディスク、磁気ディスク、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートデバイスおよびドライブ、または電子情報を記憶するのに適した任意の他のタイプの有形または非一時的媒体などであるがそれに限定されない有形の媒体を含み得る。コンピュータ可読信号媒体は、搬送波などの媒体を含み得る。本明細書で提示されたアルゴリズムおよび表示は、いずれかの特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関係しない。コンピュータプログラムは、所望の実施形態の動作を実行する命令を含む純粋なソフトウェアによる実施を含み得る。
【0091】
様々な汎用システムは、本明細書の例によるプログラムおよびモジュールとともに使用されてもよく、または所望の方法のステップを実行することにより特化した装置を構築することが結果として便利であってもよい。さらに、いずれかの特定のプログラミング言語を参照して、例示的な実施態様は説明されていない。本明細書に記載するような例示的な実施態様の技法を実施するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されるであろう。プログラミング言語の命令は、例えば、中央演算装置(CPU)、プロセッサ、またはコントローラなど、1つまたは複数の処理デバイスによって実行され得る。
【0092】
本発明が属する分野で知られるように、上述された動作は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの何らかの組み合わせによって実行され得る。例示的な実施態様の様々な態様は、回路および論理デバイス(ハードウェア)を使用して実施されてもよい一方、他の態様は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本願の実施を実行する方法を実行させる、機械可読媒体(ソフトウェア)上に記憶された命令を使用して実施されてもよい。さらに、本願のいくつかの例示的な実施態様はハードウェアのみで実行されてもよい一方、他の例示的な実施態様はソフトウェアのみで実行されてもよい。さらに、説明された様々な機能は、単体のユニットで実行されることが可能であり、または任意の数の手法で多数のコンポーネントにわたって分散され得る。ソフトウェアによって実行されると、方法は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令に基づいて、汎用コンピュータなどのプロセッサによって実行されてもよい。必要に応じて、命令は、圧縮形式および/または暗号化形式で媒体に記憶され得る。
【0093】
さらに、本願の他の実施態様は、本明細書の考慮および本願の技術の実践から、当業者とって明らかであろう。説明された例示的な実施態様の様々な態様および/または構成要素は、単体または何らかの組み合わせで使用されてもよい。本明細書および例示的な実施態様は例としてのみ考慮されることが意図され、本願の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0094】
1000 情報処理デバイス
1001 プロセッサ
1002 主記憶デバイス
1003 補助記憶デバイス
1004 入力デバイス
1005 出力デバイス
1006 通信デバイス
1100 配送状態管理サーバ
1101 貨物
1102 センサ
1103 外部気象データ
1111 顧客/品目特定部
1114 緩和提案部
1115 可視化/入力ユニット
1620 ネットワーク
1623 データベース
1705 コンピュータデバイス
1710 プロセッサ
1715 メモリ
1720 内部ストレージ
1725 I/Oインターフェース
1735 入力/ユーザインターフェース
1740 出力デバイス/インターフェース
1745 外部ストレージ
1750 ネットワーク
1760 論理ユニット
1765 APIユニット
1770 入力ユニット
1775 出力ユニット