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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180303
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】三レベル変換器およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/487 20070101AFI20241219BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20241219BHJP
【FI】
H02M7/487
H02M7/48 E
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082570
(22)【出願日】2024-05-21
(31)【優先権主張番号】202310704136.X
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524192177
【氏名又は名称】フォクセス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ コン
(72)【発明者】
【氏名】ペン ジァン
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA02
5H770BA11
5H770CA05
5H770DA01
5H770DA34
5H770EA27
(57)【要約】
【課題】本発明は三レベル変換器及びその制御方法を提供する。
【解決手段】太陽光発電分野に関する。三レベル変換器は第1直流入力端、第2直流入力端、中性端、第1電力スイッチから第7電力スイッチを含み、第1電力スイッチの第1端はそれぞれ第1直流入力端及び第3電力スイッチの第1端に接続され、第2電力スイッチの第2端はそれぞれ第2直流入力端及び第4電力スイッチの第2端に接続され、第1電力スイッチの第2端と第2電力スイッチの第1端の接続点は第1交流出力端とし、第3電力スイッチの第2端と第4電力スイッチの第1端の接続点は第2交流出力端とし、第5電力スイッチ及び第6電力スイッチは第1交流出力端と中性端との間に直列接続され、第7電力スイッチは、第5電力スイッチと第6電力スイッチの接続点と第2交流出力との間に接続される。本発明の三レベル変換器は、グリッド接続及びグリッドオフの効率を向上させることができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三レベル変換器であって、第1直流入力端、第2直流入力端、中性端、第1電力スイッチ、第2電力スイッチ、第3電力スイッチ、第4電力スイッチ、第5電力スイッチ、第6電力スイッチおよび第7電力スイッチを含み、前記第1電力スイッチの第1端はそれぞれ前記第1直流入力端および前記第3電力スイッチの第1端に接続され、前記第2電力スイッチの第2端はそれぞれ前記第2直流入力端および前記第4電力スイッチの第2端に接続され、前記第1電力スイッチの第2端と前記第2電力スイッチの第1端の接続点は第1交流出力端とし、前記第3電力スイッチの第2端と前記第4電力スイッチの第1端の接続点は第2交流出力端とし、前記第5電力スイッチおよび前記第6電力スイッチは前記第1交流出力端と前記中性端との間に直列接続され、前記第7電力スイッチは、前記第5電力スイッチと前記第6電力スイッチの接続点と第2交流出力との間に接続される。ことを特徴とする三レベル変換器。
【請求項2】
前記第1電力スイッチと、前記第2電力スイッチと、前記第3電力スイッチおよび前記第4電力スイッチは高周波スイッチ管であり、前記第5電力スイッチ、前記第6電力スイッチおよび前記第7電力スイッチは商用周波数フリーホイール管であることを特徴とする請求項1に記載の三レベル変換器。
【請求項3】
前記三レベル変換器がグリッドオフモードで動作場合、前記第1交流出力端と前記中性端との間に第1負荷が接続され、前記第2交流出力端と前記中性端との間に第2負荷が接続されることを特徴とする請求項1に記載の三レベル変換器。
【請求項4】
前記三レベル変換器がグリッド接続モードで動作する場合、前記第1交流出力端と前記第2交流出力端との間にグリッドが接続されることを特徴とする請求項1に記載の三レベル変換器。
【請求項5】
前記第5電力スイッチの第1端は、前記第6電力スイッチの第1端および前記第7電力スイッチの第1端にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1に記載の三レベル変換器。
【請求項6】
前記第5電力スイッチの第2端は、前記第6電力スイッチの第2端および前記第7電力スイッチの第2端にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1に記載の三レベル変換器。
【請求項7】
前記三レベル変換器が第1半周期で動作する場合、前記第2電力スイッチおよび前記第3電力スイッチは常時オフし、前記第5電力スイッチは常時オンし、前記第1電力スイッチと前記第4電力スイッチは同時にオンまたはオフし、前記第6電力スイッチと前記第7電力スイッチは同時にオンまたはオフし、ここでは、前記第1電力スイッチと前記第6電力スイッチは、相補的に導通していることを特徴とする請求項1に記載の三レベル変換器。
【請求項8】
前記三レベル変換器が第2半周期で動作する場合、前記第1電力スイッチおよび前記第4電力スイッチは常時オフし、前記第7電力スイッチは常時オンし、前記第2電力スイッチと前記第3電力スイッチは同時にオンまたはオフし、前記第5電力スイッチと前記第6電力スイッチは同時にオンまたはオフし、ここでは、前記第2電力スイッチと前記第5電力スイッチは、相補的に導通していることを特徴とする請求項7に記載の三レベル変換器。
【請求項9】
第1フリーホイールブランチと第2フリーホイールブランチをさらに含み、前記第1フリーホイールブランチは、前記第1交流出力端と前記中性端との間に接続され、前記第2フリーホイールブランチは、前記中性端と前記第2交流出力端との間に接続されることを特徴とする請求項1に記載の三レベル変換器。
【請求項10】
前記第1フリーホイールブランチの導通方向は、前記第2フリーホイールブランチの導通方向と反対であることを特徴とする請求項9に記載の三レベル変換器。
【請求項11】
前記第1フリーホイールブランチおよび前記第2フリーホイールブランチはいずれも直列に接続されるダイオードおよび電力スイッチを含むことを特徴とする請求項9に記載の三レベル変換器。
【請求項12】
請求項1~6および9~11のいずれか一項に記載の三レベル変換器に応用される制御方法であって、
前記三レベル変換器が第1半周期で動作する場合、前記第2電力スイッチおよび前記第3電力スイッチが常時オフし、前記第5電力スイッチが常時オンし、前記第1電力スイッチと前記第4電力スイッチが同時にオンまたはオフし、前記第6電力スイッチと前記第7電力スイッチが同時にオンまたはオフするように制御し、ここでは、前記第1電力スイッチと前記第6電力スイッチは相補的に導通していることと、
前記三レベル変換器が第2半周期で動作する時、前記第1電力スイッチと前記第4電力スイッチが常時オフし、前記第7電力スイッチが常時オンし、前記第2電力スイッチと前記第3電力スイッチが同時にオンまたはオフし、前記第5電力スイッチと前記第6電力スイッチが同時にオンまたはオフするように制御し、ここでは、前記第2電力スイッチと前記第5電力スイッチは、相補的に導通していることとを含むことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽光発電分野に関し、特に三レベル変換器およびその制御方法に関する。
【0002】
本出願は、出願番号202310704136.Xで、出願日が2023年6月14日の中国特許出願に基づいて提出され、かつ当該中国特許出願の優先権を出張しており、当該中国特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
太陽光発電システムでは、インバータは不可欠な部分であり、太陽光発電パネルから発生した可変直流電圧を交流電圧に変換したり、商用送電システムにフィードバックしたり、様々な電気消費負荷に供給したりすることができる。
【0004】
北米戸用型光起電力インバータは動作時に分相して共に安定的にすることを必要とし、つまり2つの独立した交流電圧を出力でき、かつ位相が180°ずれることができる。図1に示すように、光起電力インバータ11は、3つの出力ポートL1、L2、Nを有し、出力ポートL1、L2は、火線ポートであり、出力ポートNは、ゼロラインポートであり、ここでは、出力ポートL1とL2との間の電圧は、出力ポートL1とNとの間の電圧の2倍であり、あるいは、出力ポートL1とL2との間の電圧は、出力ポートL2とNとの間の電圧の2倍である。出力ポートL1とNとの間に負荷1が接続され、出力ポートL1とNとの間の電圧によって負荷1に電力を供給し、出力ポートNとL2との間に負荷2が接続され、出力ポートL2とNとの間の電圧によって負荷2に電力を供給し、出力ポートL1とL2との間に負荷3が接続され、出力ポートL1とL2との間の電圧によって負荷3に電力を供給する。
【0005】
以下、出力ポートL1とL2との間の電圧は240Vとして説明するが、この光起電力インバータ11は、グリッドオフ出力時に、2相120Vを出力でき、すなわち、出力ポートL1とNとの間の電圧が120Vで、120Vの負荷1に電力を供給でき、出力ポートL2とNの間の電圧が120Vで、120Vの負荷2に電力を供給することができ、240Vの負荷3にも電力を供給できる。光起電力インバータ11のグリッドオフ出力時、2相120Vの電圧の負荷1と負荷2とが全く同じであることは必要とせず、光起電力インバータ11は、この2相の電圧を独立して制御する必要がある。光起電力インバータ11がグリッドに接続される時、該光起電力インバータ11の出力電圧は240Vであり、負荷バランスの問題はグリッドでバランスを取る必要があり、インバータ自身はバランス調整ができないため、光起電力インバータ11の出力ポートNをグリッドのN線に接続する必要がなく、この場合、光起電力インバータ11は、通常の単相インバータであると考えられる。
【0006】
従来のグリッドオフ光起電力インバータは、光起電力インバータがグリッド接続時とグリッドオフの両方において高効率であることを保証することができないという問題点がある。現在、一部の光起電力インバータはグリッド接続時に効率が高く、グリッドオフ時に効率が低く、システムの発熱が大きいが、一部の光起電力インバータがグリッド接続時に効率が低く、コストが高く、グリッドオフ時に効率が高い。従って、光起電力インバータがグリッド接続時とグリッドオフ時に高効率であることを保証することは、業界が早急に解決すべき技術問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、グリッド接続およびグリッドオフ効率を向上させ、システムの損失を減らすことができる三レベル変換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、三レベル変換器であって、第1直流入力端、第2直流入力端、中性端、第1電力スイッチ、第1電力スイッチ、第2電力スイッチ、第3電力スイッチ、第4電力スイッチ、第5電力スイッチ、第6電力スイッチおよび第7電力スイッチを含み、前記第1電力スイッチの第1端はそれぞれ前記第1直流入力端および前記第3電力スイッチの第1端に接続され、前記第2電力スイッチの第2端はそれぞれ前記第2直流入力端および前記第4電力スイッチの第2端に接続され、前記第1電力スイッチの第2端と前記第2電力スイッチの第1端の接続点は第1交流出力端とし、前記第3電力スイッチの第2端と前記第4電力スイッチの第1端の接続点は第2交流出力端とし、前記第5電力スイッチおよび第6電力スイッチは前記第1交流出力端と前記中性端との間に直列接続され、前記第7電力スイッチは、第5電力スイッチと第6電力スイッチの接続点と第2交流出力との間に接続される三レベル変換器を提供する。
【0009】
さらに、前記第1電力スイッチと、前記第2電力スイッチと、前記第3電力スイッチおよび前記第4電力スイッチは高周波スイッチ管であり、前記第5電力スイッチ、前記第6電力スイッチおよび前記第7電力スイッチは商用周波数フリーホイール管である。
【0010】
さらに、前記三レベル変換器がグリッドオフモードで動作場合、前記第1交流出力端と前記中性端との間に第1負荷が接続され、前記第2交流出力端と前記中性端との間に第2負荷が接続される。
【0011】
さらに、前記三レベル変換器がグリッド接続モードで動作する場合、前記第1交流出力端と前記第2交流出力端との間にグリッドが接続される。
【0012】
さらに、前記第5電力スイッチの第1端は、前記第6電力スイッチの第1端および前記第7電力スイッチの第1端にそれぞれ接続される。
【0013】
さらに、前記第5電力スイッチの第2端は、前記第6電力スイッチの第2端および前記第7電力スイッチの第2端にそれぞれ接続される。
さらに、前記三レベル変換器が第1半周期で動作する場合、前記第2電力スイッチおよび前記第3電力スイッチは常時オフし、前記第5電力スイッチは常時オンし、前記第1電力スイッチおよび前記第4電力スイッチは同時にオンまたはオフし、前記第6電力スイッチおよび前記第7電力スイッチは同時にオンまたはオフし、ここでは、前記第1電力スイッチおよび前記第6電力スイッチは、相補的に導通している。
【0014】
さらに、前記三レベル変換器が第2半周期で動作する場合、前記第1電力スイッチおよび前記第4電力スイッチは常時オフし、前記第7電力スイッチは常時オンし、前記第2電力スイッチおよび前記第3電力スイッチは同時にオンまたはオフし、前記第5電力スイッチおよび前記第6電力スイッチは同時にオンまたはオフし、ここでは、前記第2電力スイッチおよび前記第5電力スイッチは、相補的に導通している。
【0015】
さらに、第1フリーホイールブランチと第2フリーホイールブランチをさらに含み、前記第1フリーホイールブランチは、前記第1交流出力端と前記中性端との間に接続され、前記第2フリーホイールブランチは、前記中性端と前記第2交流出力端との間に接続される。
【0016】
さらに、前記第1フリーホイールブランチの導通方向は、前記第2フリーホイールブランチの導通方向と反対である。
【0017】
さらに、前記第1フリーホイールブランチおよび前記第2フリーホイールブランチはいずれも直列に接続されるダイオードおよび電力スイッチを含む。
【0018】
本願は、以上に記載の三レベル変換器に応用される制御方法を提供し、前記制御方法は、前記三レベル変換器が第1半周期で動作する場合、前記第2電力スイッチおよび前記第3電力スイッチが常時オフし、前記第5電力スイッチが常時オンし、前記第1電力スイッチと前記第4電力スイッチが同時にオンまたはオフし、前記第6電力スイッチと前記第7電力スイッチが同時にオンまたはオフするように制御し、ここでは、前記第1電力スイッチと前記第6電力スイッチは相補的に導通していることと、前記三レベル変換器が第2半周期で動作する時、前記第1電力スイッチと前記第4電力スイッチが常時オフし、前記第7電力スイッチが常時オンし、前記第2電力スイッチと前記第3電力スイッチが同時にオンまたはオフし、前記第5電力スイッチと前記第6電力スイッチが同時にオンまたはオフするように制御し、ここでは、前記第2電力スイッチと前記第5電力スイッチは、相補的に導通していることとを含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例の三レベル変換器は、第1直流入力端、第2直流入力端、中性端、第1電力スイッチ、第2電力スイッチ、第3電力スイッチ、第4電力スイッチ、第5電力スイッチ、第6電力スイッチおよび第7電力スイッチを含む。上記電力スイッチの接続関係および前記電力スイッチの相応する制御により、三レベル変換器をグリッド接続状態またはグリッドオフ状態で動作させることができ、且つグリッド接続状態およびグリッドオフ状態における三レベル変換器の効率を向上させてシステムの損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術による光起電力インバータおよびその負荷との接続構成を示す図である。
図2】従来技術による単相インバータがグリッド接続モードで動作する構成を示す図である。
図3図2のインバータがグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。
図4】従来のT字型三レベルインバータがグリッド接続モードで動作する構成を示す図である。
図5図4のインバータがグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。
図6】本願の一実施例による、三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。
図7図6における三レベル変換器がグリッド接続モードで動作する構成を示す図である。
図8図6および図7における三レベル変換器の電力スイッチの駆動波形図である。
図9】本願の別の実施例の三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。
図10】本願の別の実施例の三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。
図11】本願の別の実施例の三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明における技術解決手段を明確かつ詳細に説明するが、説明した実施例は本発明の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。追加の作業なく、本発明の実施例に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内に属するものである。
【0022】
当然のことながら、本発明は、様々な形態で実施されてもよく、本明細書に記載された実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例の提供は、開示を徹底的でかつ完全にし、本発明の範囲を当業者に完全に伝える。図面において、層および領域の寸法および相対寸法は、明確化のために誇張されている場合があり、全体を通して同じ参照符号は、同じ要素を示す。明らかなことに、要素または層が、他の要素または層に「…の上に」、「…に隣接している」、「接続されている」または「結合されている」と称される場合、直接、他の要素または層より上に、隣接され、接続され、または結合されることができ、あるいは、介在する要素または層が存在してもよいことを理解されたい。反対に、要素または層が、他の要素または層に「直接その上にある」、「直接隣接している」、「直接接続されている」、または「直接結合されている」と称される場合、介在する要素または層は存在していない。第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、部品、領域、層、および/または部分を記述するために使用できるが、これらの要素、部品、領域、層および/または部分はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、単に、1つの要素、部品、領域、層または部分を、別の要素、部品、領域、層または部分から区別するために使用される。したがって、以下で論じる第1要素、部品、領域、層、または部分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2要素、部品、領域、層または部分を示すことができる。
【0023】
空間的関係の用語、例えば、「下」、「下方」、「下の」、「の下に」、「の上に」、「上の」などは、本明細書では、説明の便宜上、図面に示された1つの要素または特徴と他の要素または特徴との関係を説明するために用いることができる。
【0024】
「上」や「上」など、本明細書では、説明の便宜上、図面に示された1つの要素または特徴と他の要素または特徴との関係を説明するために用いることができる。図に示される配向に加えて、空間的関係の用語は、使用中および動作中のデバイスの異なる配向も含むことが意図されることを理解されたい。例えば、図面中のデバイスが反転すると、「他の要素の下」または「その下」または「下」として記載される要素または特徴は、他の要素または特徴の「上に」配向される。したがって、例示的な用語「~の下方に」および「~の下に」は、上および下の両方の配向を包含することができる。デバイスは、付加的に配向(90度回転または他の配向)されてもよく、本明細書で使用される空間記述語は、それに応じて解釈される。
【0025】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定するものではない。本明細書において用いる場合、単数形「一」、「1つ」、および「前記/該」は、文脈が明らかに他の方式を示さない限り、複数形も含むものとする。用語「構成する」および/または「含む」は、本明細書で使用する場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素および/または部品の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、部品および/またはグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙された項目の任意のおよびすべての組合せを含む。
【0026】
図2図3を参照すると、図2は従来技術における単相インバータがグリッド接続モードで動作する構成を示す図であり、図3は、図2におけるインバータがグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。該インバータは第1入力端、中性端N、第2入力端、および電力スイッチQ11-Q16を含み、ここでは、第1入力端と中性端Nとの間の電圧は上半母線電圧V1であり、中性端Nと第2入力端との間の電圧は下半母線電圧V2である。電力スイッチQ11の第1端は、電力スイッチQ13と第1入力端にそれぞれ接続され、電力スイッチQ12の第1端と電力スイッチQ11の第2端との接続点は第1交流出力端Aとし、電力スイッチQ13の第2端と電力スイッチQ14の第1端との接続点は第2交流出力端Bとし、電力スイッチQ12の第2端はそれぞれ電力スイッチQ14の第2端および第2入力端に接続され、電力スイッチQ15、Q16は、第1交流出力端Aと第2交流出力端Bとの間に直列に接続され、ここでは、電力スイッチQ15、Q16は双方向スイッチであり、すなわち、電力スイッチQ15の第1端は電力スイッチQ16の第1端に接続され、電力スイッチQ15の第2端は電力スイッチQ11の第2端に接続され、電力スイッチQ16の第2端は、電力スイッチQ13の第2端に接続される。本実施例では、電力スイッチQ11-Q16はIGBT、MOSFET等の制御可能なスイッチであってもよく、例えば電力スイッチQ11-Q16はIGBTであり、電力スイッチQ11-Q16の第1端はドレインであり、電力スイッチQ11-16の第2端はドレインである。電力スイッチQ11-Q16の各々は、制御可能なスイッチと、この制御可能なスイッチに逆並列に接続されるダイオードとを含む。
【0027】
図2を参照すると、インバータがグリッド接続モードで動作しているとき、第1交流出力端Aと第2交流出力端Bとの間にグリッドGが接続される。該インバータはインダクタL1およびL2をさらに含み、グリッドGの一端はインダクタL1によって第1交流出力端Aに接続され、グリッドの他端はインダクタL2によって第2交流出力端Bに接続される。
【0028】
本実施例では、電力スイッチQ11-Q14は高周波スイッチ管であり、電力スイッチQ15およびQ16は商用フリーホイール管である。グリッドの正半周期において、コントローラ(図示せず)はそれぞれ電力スイッチQ11-Q16の制御端に接続され、電力スイッチQ12とQ13を常時オフ、電力スイッチQ15を常時オンに制御し、コントローラは電力スイッチQ11とQ14を同時にオンまたはオフに制御し、また、コントローラは、電力スイッチQ11およびQ16の相補的導通を制御する。グリッドの負半周期において、コントローラは電力スイッチQ11とQ14を常時オフ、電力スイッチQ16を常時オンに制御し、コントローラは電力スイッチQ12とQ13を同時にオンまたはオフに制御し、また、コントローラは、電力スイッチQ12およびQ15の相補的導通を制御する。インバータのグリッド接続電流と電圧が同位相である場合、グリッドの正半周期を例にとると、電力スイッチQ11とQ14がオンの時、インバータの出力電圧は母線電圧、すなわちV1+V2であり、電力スイッチQ11とQ14がオフの時、インダクタL1とL2における電流は電力スイッチQ15とQ16を流れ、インバータの出力電圧は0である。インバータの入力端からグリッドへの回路全体を通して、常に2つの電力スイッチを電流が流れていることが分かる。このインバータは分裂相出力モードに用いることができず、分裂相の2相負荷が不均衡な動作モードを調節できない。
【0029】
図3を参照すると、このインバータがグリッドオフモードで動作する場合、インダクタL1と負荷Z1は第1交流出力端Aと中性端Nとの間に直列に接続され、インダクタL2と負荷Z2は第2交流出力端Bと中性端Nとの間に直列に接続されるが、この場合、電力スイッチQ11-Q14を用いて双極性変調を行うしかなく、このような変調方式はシステム損失を著しく増大し、効率が低くなり、システムの発熱が大きい。
【0030】
図4図5を参照すると、図4は従来技術におけるT字型三レベルインバータがグリッド接続モードで動作する構成を示す図であり、図5は、図4のインバータがグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。該インバータは第1入力端、中性端N、第2入力端、および電力スイッチQ21-Q27を含み、ここでは、第1入力端と中性端Nとの間の電圧は上半母線電圧V1であり、中性端Nと第2入力端との間の電圧は下半母線電圧V2である。電力スイッチQ21の第1端は第1入力端と電力スイッチQ23の第1端にそれぞれ接続され、電力スイッチQ21の第2端と電力スイッチQ22の第1端との接続点は第1交流出力端Aとし、電力スイッチQ23の第2端と電力スイッチQ24の第1端との接続点は第2交流出力端Bとし、電力スイッチQ22の第2端はそれぞれ電力スイッチQ24の第2端と第2入力端に接続され、電力スイッチQ25とQ26は第1交流出力端Aと中性端Nとの間に直列接続され、電力スイッチQ27およびQ28は、第2交流出力端Bと中性端Nとの間に直列に接続される。本実施例では、電力スイッチQ25およびQ26は双方向スイッチであり、電力スイッチQ27およびQ28は双方向スイッチである。本実施例では、電力スイッチQ21-Q24は高周波スイッチ管であり、電力スイッチQ25-Q28は商用フリーホイール管である。電力スイッチQ21-Q28は、制御可能なスイッチと、それに逆並列に接続されたダイオードとを含む。
【0031】
図4を参照すると、インバータがグリッド接続モードで動作している時、第1交流出力端Aと第2交流出力端Bとの間にグリッドGが接続される。該インバータはインダクタL1およびL2をさらに含み、グリッドGの一端はインダクタL1によって第1交流出力端Aに接続され、グリッドの他端はインダクタL2によって第2交流出力端Bに接続される。
図5を参照すると、インバータがグリッドオフモードで動作する場合、インダクタL1と負荷Z1は第1交流出力端Aと中性端Nとの間に直列に接続され、インダクタL2と負荷Z2は第2交流出力端Bと中性端Nとの間に直列に接続される。
【0032】
本実施例において、インバータは、電力スイッチQ21-Q28の制御端にそれぞれ接続されたコントローラ(図示せず)をさらに含む。グリッドの正半周期において、コントローラは、電力スイッチQ25およびQ28を常時オン、電力スイッチQ22およびQ23を常時オフに制御し、コントローラは、電力スイッチQ21およびQ24を同時にオンまたはオフに制御し、電力スイッチQ26およびQ27を同時にオンまたはオフに制御し、ここでは、電力スイッチQ21およびQ24は、電力スイッチQ27およびQ26と相補的に導通している。電力スイッチQ21とQ24が導通しているとき、インバータ入力端からグリッドに至る全回路に2つの電力スイッチを電流が流れ、電力スイッチQ26とQ27が導通してフリーホイーリングする時、全回路で4つの電力スイッチを電流が流れる。該インバータは、フリーホイーリング時に4つの電力スイッチがフリーホイーリングに関与するが、図2のインバータは、フリーホイーリング時に2つの電力スイッチがフリーホイーリングに関与し、これから分かるように、フリーホイーリング時におけるインバータの総損失は、図2のインバータのフリーホイーリング時における総損失よりも大きい。
【0033】
以上のように、インバータがグリッド接続モードで動作する場合、図2のインバータの効率は図4のインバータの効率よりも高く、しかも、2つのフリーホイール管のコストを減らす。しかしながら、インバータがグリッドオフモードで動作する場合、図2のインバータは、図4よりも効率が低く、上記2種類のインバータにはそれぞれ長所と短所があり、インバータがグリッド接続モードとグリッドオフモードの両方で効率的に動作することを保証することは困難であることが分かる。
【0034】
図6図7を参照すると、図6は本願の一実施例の三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図である、図7は、図6における三レベル変換器がグリッド接続モードで動作する構成を示す図である。三レベル変換器は、第1直流入力端、第2直流入力端、中性端N、第1電力スイッチQ31、第2電力スイッチQ32、第3電力スイッチQ33、第4電力スイッチQ34、第5電力スイッチQ35、第6電力スイッチQ36および第7電力スイッチQ37を含み、前記第1電力スイッチQ31の第1端はそれぞれ前記第1直流入力端および前記第3電力スイッチQ33の第1端に接続され、前記第2電力スイッチQ32の第2端はそれぞれ前記第2直流入力端および前記第4電力スイッチQ34の第2端に接続され、前記第1電力スイッチQ31の第2端と前記第2電力スイッチQ32の第1端との接続点は第1交流出力端Aとし、前記第3電力スイッチQ33の第2端と前記第4電力スイッチQ34の第1端との接続点は、第2交流出力端Bとし、前記第5電力スイッチQ35と前記第6電力スイッチQ36は、前記第1交流出力端Aと前記中性端Nとの間に直列に接続され、ここでは、前記第5電力スイッチQ35および前記第6電力スイッチQ36は双方向スイッチであり、前記第7電力スイッチQ37は、前記第5電力スイッチQ35と前記第6電力スイッチ(Q36)との接続点と前記第2交流出力端Bとの間に接続される。本実施例では、第5電力スイッチQ35の第1端は、第6電力スイッチQ36の第1端と第7電力スイッチQ37の第1端にそれぞれ接続され、第5電力スイッチQ35の第2端は、第1交流出力端Aに接続され、第6電力スイッチQ36の第2端は、中性端Nに接続され、第7電力スイッチQ37の第2端は、第2交流出力端Bに接続される。本実施例では、第1電力スイッチQ31から第7電力スイッチQ37は、いずれも制御可能なスイッチと、それに逆並列に接続されたダイオードD31-D37とを含み、ここでは、制御可能なスイッチは、IGBT、MOSFET、IGCTなどであってもよく、制御可能なスイッチがIGBTである場合、第1電力スイッチQ31から第7電力スイッチQ37の第1端はIGBTのドレインであり、第1電力スイッチQ31から第7電力スイッチQ37の第2端は、IGBTのソースである。
【0035】
本実施例では、第1電力スイッチから第4電力スイッチQ31-Q34は高周波スイッチ管であり、第5電力スイッチから第7電力スイッチQ35-Q37は、商用周波数フリーホイール管である。
【0036】
前記三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する時、第1交流出力端Aと中性端Nとの間に第1負荷Z1が接続され、ここでは、第1負荷Z1はインダクタL1に直列接続されてから第1交流出力端Aと中性端Nとの間に接続されることができ、第2交流出力端Bと中性端Nとの間に第2負荷Z2が接続され、ここでは、第2負荷Z2はインダクタL2に直列接続されてから第2交流出力端Bと中性端Nとの間に接続されることができる。第1負荷Z1および第2負荷Z2は、それぞれ分相出力の負荷である。
【0037】
前記三レベルインバータがグリッド接続モードで動作する場合、第1交流出力端Aと第2交流出力端Bとの間にグリッドGが接続され、ここでは、グリッドGの一端と第1交流出力端Aとの間にインダクタL1が接続され、グリッドGの他端と第2交流出力端Bとの間にインダクタL2が接続される。
【0038】
図8を参照すると、図8は、図6および図7における三レベル変換器の電力スイッチの駆動波形図である。三レベル変換器は、第1電力スイッチQ31から第7電力スイッチQ37の制御端に接続されるコントローラ(図示せず)をさらに含み、第1電力スイッチQ31から第7電力スイッチQ37のオンまたはオフを制御するために用いられる。三レベル変換器が第1半周期(例えば、グリッドの正半周期)で動作する場合、コントローラは、前記第2電力スイッチQ32および前記第3電力スイッチQ33を常時オフ、前記第5電力スイッチQ35を常時オン、前記第1電力スイッチQ31および前記第4電力スイッチQ34を同時にオンまたはオフ、前記第6電力スイッチQ36および前記第7電力スイッチQ37を同時にオンまたはオフに制御し、ここでは、前記第1電力スイッチQ31と前記第6電力スイッチQ36は、相補的に導通している。三レベル変換器が第2半周期(例えば、グリッドの負半周期)で動作する場合、コントローラは、前記第1電力スイッチQ31および第4電力スイッチQ34を常時オフ、前記第7電力スイッチQ27を常時オン、前記第2電力スイッチQ32および前記第3電力スイッチQ33を同時にオンまたはオフ、前記第5電力スイッチQ35および前記第6電力スイッチQ36を同時にオンまたはオフに制御し、ここでは、前記第2電力スイッチQ32と前記第5電力スイッチQ35は、相補的に導通している。
【0039】
三レベル変換器がグリッド接続モードまたはグリッドオフモードで動作し、かつ二相負荷Z1とZ2が整合する場合、中性端Nにおけるライン電流は0であり、商用周波数フリーホイーリング時、電流は第5電力スイッチQ35と第7電力スイッチQ37を流れるが、第6電力スイッチQ36に電流が流れないので、フリーホイールループは2つの電力スイッチしかなく、図2に示すような、インバータがグリッド接続モードで動作する効率を達成できる。三レベル変換器がグリッドオフモードで動作し、かつ第1負荷Z1と第2負荷Z2が非対称である場合、第6電力スイッチQ36は、電流が流れる。仮に、第2交流出力端Bと中性点との間に接続される第2負荷Z2がアイドル時、第1交流出力端Aと中性端Nとの間にのみ電力を出力し、これは図5のインバータの電流経路と同じである。
【0040】
図7における三レベル変換器がグリッド接続モードで動作する時の効率は、図2におけるインバータがグリッド接続モードで動作する時と同じであり、図6における三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する時の効率が最も悪い状況は、図4におけるインバータがグリッドオフモードで動作する時と同じであり、最適な状況では、図2におけるインバータがグリッド接続モードで動作する効率と同じであることが分かる。図6および図7における三レベル変換器は、図2および図4におけるインバータの利点を生かし、グリッドオフモードおよびグリッド接続モードにおける三レベル変換器の動作効率を向上させる。
【0041】
図9を参照すると、図9は本願の一実施例による、三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。図9における三レベル変換器と図6における三レベル変換器の構成と接続関係とが同一である箇所については説明を省略するが、以下では、図9における三レベル変換器と図6における三レベル変換器の構成と接続関係との相違点を中心に説明するが、第5電力スイッチQ35の第2端は第6電力スイッチQ36の第2端および第7電力スイッチQ37の第2端にそれぞれ接続され、第5電力スイッチQ35の第1端は第1交流出力端Aに接続され、第7電力スイッチQ37の第1端は、第2交流出力端Bに接続される。
【0042】
図10および図11を参照すると、図10は本願の一実施例の三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図であり、図11は、本発明の第4実施形態による三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構成を示す図である。三レベル変換器は、第1フリーホイールブランチと第2フリーホイールブランチをさらに含み、前記第1フリーホイールブランチは、前記第1交流出力端Aと前記中性端とNの間に接続され、前記第2フリーホイールブランチは、前記中性端Nと前記第2交流出力端Bとの間に接続される。図10に示すように、第1フリーホイールブランチは、直列に接続されたダイオードD38と電力スイッチQ39とを含み、ここでは、ダイオードD38の陽極は第1交流出力端Aに接続され、ダイオードD38の陰極は電力スイッチQ39の第1端に接続され、電力スイッチQ39の第2端は、中性端Nに接続される。第2フリーホイールブランチは、直列接続された電力スイッチQ40とダイオードD41を含み、電力スイッチQ40の第2端は中性端Nに接続され、電力スイッチQ40の第1端はダイオードD41の陰極に接続され、ダイオードD41の陽極は、第2交流出力端Bに接続される。なお、ダイオードD38およびD41は、制御可能なスイッチに置き換えることができる。図11に示すように、第1フリーホイールブランチは、直列に接続されたダイオードD39と、電力スイッチQ38とを含み、ここでは、電力スイッチQ38の第2端は第1交流出力端Aに接続され、電力スイッチQ38の第1端はダイオードD39の陰極に接続され、ダイオードD39の陽極は中性端Nに接続される。第2フリーホイールブランチは、直列接続された電力スイッチQ41とダイオードD40とを含み、ダイオードD40の陽極は中性端Nに接続され、ダイオードD40の陰極は電力スイッチQ41の第1端に接続され、電力スイッチQ41の第2端は、第2交流出力端Bに接続される。第1フリーホイールブランチおよび第2フリーホイールブランチの導通方向は反対であることが分かる。第1フリーホイールブランチと第2フリーホイールブランチは、第2電力スイッチQ32と第4電力スイッチQ34がオフになってから、第5電力スイッチQ35から電力スイッチQ37が導通するまでの不感帯時間内に、第1フリーホイールブランチまたは第2フリーホイールブランチによって一時的なフリーホイール通路を提供することができ、三レベル変換器をより確実で安全にする。
【0043】
図6図8および図10を参照すると、三レベル変換器の動作原理は以下の通りである。
【0044】
三レベル変換器が第1周期で動作する場合、第1電力スイッチQ31と第4電力スイッチQ34をオンにし、第1直流入力端、第1電力スイッチQ31および第1負荷Z1と中性端Nは電流通路を構成し、第2直流入力端、中性端N、第4電力スイッチQ34および第2負荷Z2は、電流通路を構成する。第1電力スイッチQ31および第4電力スイッチQ34をオフにし、かつ第6電力スイッチQ36および前記第7電力スイッチQ37をまだオンにしない前に、中性端N、第2負荷Z2、電力スイッチQ40およびダイオードD41はフリーホイール通路を構成し、ダイオードD36、電力スイッチQ35、中性端Nおよび第1負荷Z1はフリーホイール通路を構成し、第6電力スイッチQ36と前記第7電力スイッチQ37をオンにした後に、第7電力スイッチQ37、第6電力スイッチQ36、中性端Nおよび第2負荷Z2はフリーホイール通路を構成し、第6電力スイッチQ36、第5電力スイッチQ35、第1負荷Z1および中性端Nは、フリーホイール通路を構成する。
【0045】
三レベル変換器が第2周期で動作する場合、第2電力スイッチQ32と第3電力スイッチQ33をオンにし、第2電力スイッチQ32、第2直流入力端、中性端Nと第1負荷Z1は電流通路を構成し、第1直流入力端、第3電力スイッチQ33、第2負荷Z2、および中性端Nは、電流通路を構成する。第2電力スイッチQ32および第3電力スイッチQ33をオフにし、かつ第6電力スイッチQ36および第5電力スイッチQ35をまだオンにしない前に、中性端N、第2負荷Z2、電力スイッチQ37とダイオードD36はフリーホイール通路を構成し、ダイオードD38、電力スイッチQ39、中性端Nおよび第1負荷Z1はフリーホイール通路を構成し、第6電力スイッチQ36と前記第5電力スイッチQ35をオンにした後、第6電力スイッチQ36、第7電力スイッチQ37、第2負荷Z2および中性端Nはフリーホイール通路を構成し、第5電力スイッチQ35、第6電力スイッチQ36、中性端N、および第1負荷Z1は、フリーホイール通路を構成する。
【0046】
明らかなことに、上記第1フリーホイールブランチと第2フリーホイールブランチは、第2電力スイッチQ32と第4電力スイッチQ34がオフになってから、第5電力スイッチQ35から電力スイッチQ37が導通するまでの不感帯時間内に、第1フリーホイールブランチまたは第2フリーホイールブランチによって一時的なフリーホイール通路を提供することができ、三レベル変換器をより確実で安全にする。
【0047】
図11は本願の別の実施例の三レベル変換器がグリッドオフモードで動作する構造を示す図である。図11の三レベル変換器の動作原理は、図10の動作原理に類似しているので、ここではこれ以上説明しない。
【0048】
本発明の一実施例は、上記三レベル変換器に応用される制御方法を提供し、該制御方法は、前記三レベル変換器が第1半周期で動作する場合、前記第2電力スイッチQ32および前記第3電力スイッチQ33を常時オフ、前記第5電力スイッチQ35を常時オン、前記第1電力スイッチQ31および前記第4電力スイッチQ34を同時にオンまたはオフし、前記第6電力スイッチQ36および前記第7電力スイッチQ37を同時にオンまたはオフに制御し、ここでは、前記第1電力スイッチQ31および前記第6電力スイッチQ36は、相補的に導通していることと、前記三レベル変換器が第2半周期で動作する場合、前記第1電力スイッチQ31および前記第4電力スイッチQ34を常時オフ、前記第7電力スイッチQ37を常時オン、前記第2電力スイッチQ32および前記第3電力スイッチQ33を同時にオンまたはオフ、前記第5電力スイッチQ35および前記第6電力スイッチQ36を同時にオンまたはオフに制御し、ここでは、前記第2電力スイッチQ32および前記第5電力スイッチQ35は、相補的に導通していることとを含む。
【0049】
上述の実施例は、グリッドオフモードおよびグリッド接続モードにおける三レベル変換器の動作効率を向上させる。
【0050】
最後に、上記の各実施例は、本発明の技術案を限定するものではなく、本発明の技術案を説明するためのものにすぎない。前述の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、前述の各実施例に記載された技術案を修正し、またはその一部または全部を均等に置換することができることを理解するであろう。これらの修正および置換は、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11