(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180325
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】漏洩の能動的な検出
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
G01M3/20 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024094131
(22)【出願日】2024-06-11
(31)【優先権主張番号】23179533.7
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】311014956
【氏名又は名称】エアバス オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Airbus Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Kreetslag 10,21129 Hamburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クレ イェンス-ディートリヒ
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA22
2G067AA44
2G067BB02
2G067BB12
2G067BB26
2G067CC04
2G067DD08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】反応伝達デバイスに関する。
【解決手段】反応伝達デバイス(10)は、排出発生化合物(12)を含む。排出発生化合物は、細長い構造に沿った第1端部と第2端部との間のトリガ位置(22)で、筐体(26)からの漏洩物質(24)による局所熱エネルギー放出(20)にさらされるように構成され、筐体は、物質(28)を周囲(30)から封入するように構成される。排出発生化合物は、局所熱エネルギー放出によりトリガされると、排出反応(32)を提供するように構成される。排出発生化合物は、細長い伝達構造に沿ったトリガ位置から第2端部へ排出反応を中継するように構成される。第2端部は、漏洩物質を示す信号(42)として、伝達された排出反応(40)を検出するように構成された検知ユニット(38)にさらされるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出発生化合物(12)を含み、
前記排出発生化合物は、細長い伝達構造(14)として提供され、
前記細長い伝達構造は、第1端部(16)及び第2端部(18)を有し、前記排出発生化合物は、前記第1端部から前記第2端部に達するように配置され、
前記排出発生化合物は、前記細長い構造に沿った前記第1端部と前記第2端部との間のトリガ位置(22)で、筐体(26)からの漏洩物質(24)による局所熱エネルギー放出(20)にさらされるように構成され、前記筐体は、物質(28)を周囲(30)から封入するように構成され、
前記排出発生化合物は、前記局所熱エネルギー放出によりトリガされると、排出反応(32)を提供するように構成され、
前記排出発生化合物は、前記細長い伝達構造に沿った前記トリガ位置から前記第2端部へ前記排出反応を中継するように構成され、
前記第2端部は、前記漏洩物質を示す信号(42)として、伝達された排出反応(40)を検出するように構成された検知ユニット(38)にさらされるように構成される、反応伝達デバイス(10)。
【請求項2】
細長い導管構造(44)を含み、
前記細長い導管構造は、第1導管端部(46)及び第2導管端部(48)を有し、前記第1導管端部と前記第2導管端部との間に内容積(50)を構成し、
前記排出発生化合物は、前記第1導管端部から前記第2導管端部に達する前記内容積内に配置され、
前記第1導管端部は、前記細長い導管構造に沿った前記第1導管端部と前記第2導管端部との間のトリガ位置で、前記筐体からの前記漏洩物質による前記局所熱エネルギー放出にさらされるように構成され、
前記導管構造は、前記局所熱エネルギー放出によりトリガされると、前記排出発生化合物に前記排出反応を提供するように構成され、
前記導管構造は、前記細長い伝達構造に沿った前記トリガ位置から前記第2導管端部へ前記排出反応を中継するように構成され、
前記第2導管端部は、前記漏洩物質を示す信号として、伝達された前記排出反応を検出するように構成された検知ユニットにさらされるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記導管構造は、前記排出反応を前記周囲から密封的に隔離するように構成される、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記局所熱エネルギー放出は、漏洩水素を燃焼することによるものである、請求項1、2又は3に記載のデバイス。
【請求項5】
発火物質(52)は、少なくとも前記第1端部で提供され、
前記発火物質は、漏洩水素に接触すると、前記局所熱エネルギー放出を発生させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記排出発生化合物は、反応スタータ(54)を更に含み、
前記反応スタータは、前記排出発生化合物が水素及び酸素及び/又は水素に接触すると、前記局所熱エネルギー放出を発生させる、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記導管構造は、前記第1端部から第2端部への排出反応の伝播を加速し、及び/又は集中させるように更に構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記排出発生化合物は、花火材料であり、
前記花火材料は、酸素欠乏雰囲気で化学的に反応する、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
少なくとも1つの検知ユニット(138)と、
少なくとも1つの請求項1~8のいずれか一項に記載の反応伝達デバイス(110)と、を含み、
少なくとも1つの検知ユニットは、少なくとも1つの反応伝達デバイスの前記第2端部(118)に配置され、
少なくとも1つの検知ユニットは、少なくとも1つの反応伝達デバイスからの前記排出反応(132)の排出(144)を受け取ると、検出信号(142)を生成するように構成される、検出装置(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの反応伝達デバイスからの前記排出反応の排出は、酸化発熱反応から生じ、
前記排出は、物体とエネルギーからなる群のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項9又は10に記載の検出装置と、
物質(228)を貯蔵する筐体(226)と、を含み、
少なくとも1つの検出装置は、前記反応伝達デバイス(210)の第1端部(216)が、前記筐体の漏洩が監視される領域(229)に近接する、漏洩に対応する供給システム(200)。
【請求項12】
エンベロープ(240)を更に含み、
前記エンベロープは、前記筐体を封入し、
前記エンベロープと前記筐体との間の隙間は、保持容積(241)として構成され、
前記保持容積は、前記筐体からの漏洩物質を捕獲するように形成され、
少なくとも1つの検出装置の少なくとも第1端部は、前記保持容積内に配置され、前記第1端部は、前記漏洩物質にさらされるように構成され、
前記保持容積は、酸素欠乏雰囲気(244)を含み、
少なくとも1つの検出装置の前記第2端部(218)及び割り当てられた前記検知ユニットは、前記エンベロープの外側(230)に配置される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
遮断弁(252)を有する少なくとも1つの供給ライン(250)と、
処理ユニット(254)と、を更に含み、
少なくとも1つの供給ラインは、前記筐体に接続され、前記遮断弁が開かれる場合に、前記筐体に水素を供給するように構成され、
前記遮断弁は、前記遮断弁が閉じられる場合に、水素の前記筐体への供給を停止するように構成され、
前記処理ユニットは、少なくとも1つの検知ユニット及び前記遮断弁に接続され、
少なくとも1つの検出装置は、前記筐体を監視し、検出信号(242)を生成するように構成され、
少なくとも1つの検知ユニットから検出信号を受信すると、前記処理ユニットは、前記筐体から及び/又は前記筐体への前記供給ラインによる水素の供給を停止するために、前記遮断弁を閉じるように構成される、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記筐体は、
水素により電気的及び/又は機械エネルギーを提供するように構成された燃料電池と、
水素を供給するように構成された供給システムと、
前記供給システムを介して燃料電池及び/又は機能ユニットに水素を供給するように構成された貯蔵ユニットと、
水素に接触可能に構成された機能ユニットとからなる群のうちの少なくとも1つとして構成される、請求項11、12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
筐体での漏洩通知方法(300)であって、
細長い伝達構造を提供するステップ(302)と、
前記筐体に前記細長い伝達構造の第1端部を配置するステップ(304)と、
検知ユニットに前記細長い伝達構造の第2端部を配置するステップ(306)であって、
前記第1端部又は前記第1端部と前記第2端部との間のある位置が前記筐体からの漏洩物質による局所熱エネルギー放出にさられている場合、前記排出発生化合物が、前記局所熱エネルギー放出によりトリガされると、排出反応を発生させ、
前記排出発生化合物が前記第1端部から前記第2端部へ前記排出反応を中継し、
前記検知ユニットが、伝達された前記排出反応(140)を、前記漏洩物質を示す信号として検出するステップ(306)と、
少なくとも1つの前記検知ユニットにより、前記排出反応から、前記筐体での漏洩を示す検出信号を生成するステップ(308)と、を含む、筐体での漏洩通知方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩を能動的に検出することに関し、より具体的には、本発明は、反応伝達デバイス、検出装置、漏洩に対応するシステム、及び筐体での漏洩通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を供給、貯蔵又は処理するシステムには、漏洩事故が発生する。流体の漏洩事故は、即時点検を必要とすることになる場合がある。したがって、水素のような特定の流体、一例として、漏洩現象を検出し、その後の漏洩事故を解消するために、漏洩監視システムを適用することができる。しかしながら、水素のようないくつかの流体の漏洩は、漏洩がかなり小さい場合には検出しにくいことが示されている。
【発明の概要】
【0003】
物質の漏洩の検出を改善する必要がある。
【0004】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって達成され、更に、実施形態は、従属請求項に組み込まれる。以下に説明する本発明の態様は、反応伝達デバイス、検出装置、漏洩に対応するシステム、及び筐体での漏洩通知方法にも適用することができることに注意されたい。
【0005】
本発明によれば、排出発生化合物を含む反応伝達デバイスが提供される。排出発生化合物は、細長い伝達構造として提供される。細長い伝達構造は、第1端部及び第2端部を有し、排出発生化合物は、第1端部から第2端部に達するように配置される。排出発生化合物は、細長い構造に沿った第1端部と第2端部との間のトリガ位置で、筐体からの漏洩物質による局所熱エネルギー放出にさらされるように構成され、筐体は、物質を周囲から封入するように構成される。排出発生化合物は、局所熱エネルギー放出によりトリガされると、排出反応を提供するように構成される。排出発生化合物は、細長い伝達構造に沿ったトリガ位置から第2端部へ排出反応を中継するように構成される。第2端部は、漏洩物質を示す信号として、伝達された排出反応を検出するように構成された検知ユニットにさらされるように構成される。
【0006】
利点として、発火性花火材料、例えば、ニトロセルロースなどが非常に迅速に燃焼するため、水素炎の検出及び任意に水素漏洩は、迅速である。
【0007】
利点として、物理センサ及び/又は化学センサは、発火性材料が燃焼する場合にのみトリガされ、特に微小漏洩の検出に有用であるため、検出は、確実である。
【0008】
利点として、検出は、包括的であり、また、検出は、システム領域全体をカバーし、発火性花火材料によりカバーされた任意の位置で水素微小火炎も検出することができる。
【0009】
さらなる利点として、局所ホットスポットが容易に検出される。
【0010】
利点として、潜在的な火炎の全ての領域は、いわば、任意にカバーされる。
【0011】
利点として、発火性材料が急速かつ完全に燃焼し、任意の固形残留物もなく、いかなる場合にも難燃性が必要である周囲の材料に点火するリスクもないため、検出は、耐爆燃性と安全性がある。
【0012】
利点として、従来の検出器技術で見えない漏洩部位が開示される。
【0013】
一例によれば、反応伝達デバイスは、細長い導管構造を含む。細長い導管構造は、第1導管端部及び第2導管端部を有し、第1導管端部と第2導管端部との間に内容積を構成する。排出発生化合物は、第1導管端部から第2導管端部に達する内容積内に配置される。第1導管端部は、細長い導管構造に沿った第1導管端部と第2導管端部との間のトリガ位置で、筐体からの漏洩物質による局所熱エネルギー放出にさらされるように構成される。導管構造は、排出発生化合物に排出反応を提供するように構成される。導管構造は、局所熱エネルギー放出によりトリガされると、排出反応を提供するように構成される。導管構造は、細長い伝達構造に沿ったトリガ位置から第2導管端部へ排出反応を中継するように構成される。第2導管端部は、漏洩物質を示す信号として、伝達された排出反応を検出するように構成された検知ユニットにさらされるように構成される。
【0014】
一例によれば、局所熱エネルギー放出は、漏洩水素を燃焼することによるものである。
【0015】
本発明によれば、検出装置が提供される。検出装置は、上述の例の1つに記載の少なくとも1つの検知ユニット及び少なくとも1つの反応伝達デバイスを含む。少なくとも1つの検知ユニットは、少なくとも1つの反応伝達デバイスの第2端部に配置される。少なくとも1つの検知ユニットは、少なくとも1つの反応伝達デバイスからの排出反応の排出を受け取ると、検出信号を生成するように構成される。
【0016】
本発明によれば、漏洩に対応する供給システムも提供される。供給システムは、上述の例のうちの1つに記載の少なくとも1つの検出装置と、物質を貯蔵する筐体と、を含む。少なくとも1つの検出装置は、反応伝達デバイスの第1端部が、筐体の漏洩が監視される領域に近接する。
【0017】
一例によれば、システムは、遮断弁を有する少なくとも1つの供給ラインと、処理ユニットと、を更に含む。少なくとも1つの供給ラインは、筐体に接続され、遮断弁が開かれる場合に、筐体に水素を供給するように構成される。遮断弁は、遮断弁が閉じられる場合に、水素の筐体への供給を停止するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つの検知ユニット及び遮断弁に接続される。少なくとも1つの検出装置は、筐体を監視し、検出信号を生成するように構成される。少なくとも1つの検知ユニットから検出信号を受信すると、処理ユニットは、筐体から及び/又は筐体への供給ラインによる水素の供給を停止するために、遮断弁を閉じるように構成される。
【0018】
本発明によれば、筐体での漏洩通知方法も提供される。方法は、
細長い伝達構造を提供するステップと、
筐体に細長い伝達構造の第1端部を配置するステップと、
検知ユニットに細長い伝達構造の第2端部を配置するステップであって、第1端部又は第1端部と第2端部との間のある位置が筐体からの漏洩物質による局所熱エネルギー放出にさられている場合、排出発生化合物が、局所熱エネルギー放出によりトリガされると、排出反応を発生させ(the local thermal energy release.)、排出発生化合物が第1端部から第2端部への排出反応を中継し(the second end.)、検知ユニットが、伝達された排出反応を、漏洩物質を示す信号として検出するステップと、
少なくとも1つの検知ユニットにより、排出反応から、筐体での漏洩を示す検出信号を生成するステップと、を含む。
【0019】
一態様によれば、漏洩によりトリガされたときに高速化学反応を実行する物質は、漏洩が発生する可能性がある筐体と検出器との間の中間構成要素として提供される。中間構成要素は、高速化学反応の形態の「信号」を長手方向構成要素に沿って伝達する。中間構成要素は、検出器又はセンサを筐体から離間するように配置することができる。中間構成要素は、ヒューズ又は導爆線として機能するが、発火発生を可能な限り速く伝達することを目的とする。
【0020】
一態様によれば、漏洩現象、例えば、水素炎を迅速かつ確実に検出することができる。検出は、以下の原則に基づくものである。水素炎は、例えば、故障の場合により、燃料電池システム、例えば、筐体内に発生する。水素炎は、燃料電池システムを取り囲む易燃性花火材料をすぐに点火する。重要なことには、花火材料は、可燃性材料と必要な酸素とを含むため、外気/酸素は、材料の燃焼に必要がない。点火された花火材料は、「検知ユニット」に向かう専用経路において迅速に燃焼する。検知ユニットは、燃焼生成物及び/又は空気/ガス組成の変化を測定して、燃焼している/燃焼した花火材料、例えば、光子/光、増加した温度及び/又は圧力、燃焼生成物、変化した空気/ガス組成を検出するための少なくとも1つの物理センサ、例えば、光センサ/フォトセンサ及び/又は温度センサ及び/又は圧力センサ及び/又は音響センサ及び/又は化学センサを備える。センサユニットからの信号は、水素炎を最終的に停止するように燃料電池システム内の水素供給の遮断をトリガするために使用することができる。
【0021】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかになり、以下に説明される実施形態を参照して解明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を以下に説明する。
【0023】
【
図1】反応伝達デバイス及びその応用の例を概略的に示す。
【
図2】検出装置及び漏洩に対応する供給システムの例を示す。
【
図3】筐体での漏洩通知方法の例の基本的なステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
具体的な実施形態について添付図面を参照してより詳細に説明する。以下の説明では、同一の図面の参照符号は、同一の要素、更に異なる図面における同一の要素を示すために使用される。本明細書に定義される事項、例えば、詳細な構造及び要素は、例示的な実施形態の包括的な理解を支援する。また、周知の機能又は構造は、不必要な詳細で実施形態を不明確にするため、詳細な説明を省略する。また、「少なくとも1つ」などの表現は、要素リストの前に、要素リスト全体を修正し、リストの各要素を修正しない。
【0025】
図1は、反応伝達デバイス10及びその応用の例を概略的に示す。反応伝達デバイス10は、排出発生化合物12を含む。排出発生化合物12は、細長い伝達構造14として提供される。細長い伝達構造14は、第1端部16及び第2端部18を有し、排出発生化合物12は、第1端部16から第2端部18に達するように配置される。排出発生化合物12は、細長い構造に沿った第1端部16と第2端部18との間のトリガ位置22で、筐体26からの漏洩物質24による局所熱エネルギー放出20にさらされるように構成され、筐体26は、物質28を周囲30から封入するように構成される。排出発生化合物12は、
図1における矢印34に示されるように、局所熱エネルギー放出20によりトリガされると、排出反応32を提供するように構成される。排出発生化合物12は、
図1における矢印36に示されるように、細長い伝達構造14に沿ったトリガ位置22から第2端部18へ排出反応32を中継するように構成される。第2端部18は、漏洩物質24を示す信号42として、伝達された排出反応40を検出するように構成された検知ユニット38にさらされるように構成される。
【0026】
用語「反応伝達デバイス」は、空間的手段における化学反応の位置の伝送器、運搬装置、コンベヤ、配達装置、伝送器、配送として理解することもできる。
【0027】
一例では、反応伝達デバイス10は、ヒューズのように形成されるが、ヒューズの機能を加速することにより、一端から他端への燃焼からのその反応を遅延させない。反応伝達デバイス10のヒューズは、一端又は一端と他端との間のある位置から他端へのその燃焼を提供及び加速する。
【0028】
一例では、ヒューズは、第1端部及び第2端部を含め、第1端部と第2端部との間の任意の位置で燃焼するようにトリガされる。燃焼は、第1端部から第2端部へ拡散するが、第2端部から第1端部へ又はその第1端部と第2端部との間の任意の位置から第1端部及び/又は第2端部へも拡散する。これは、トリガ点が反応伝達デバイス10における任意の点にあり、排出反応を反応伝達デバイスにおける任意の点に拡散させることができることを意味する。
【0029】
一例では、反応伝達デバイス10は、反応がその第1端部と第2端部との間のトリガ点から第1端部及び第2端部へ拡散するように構成される。これにより、第1端部と第2端部に2つの平行な通信チャネルが開かれる。
【0030】
用語「細長い伝達構造」は、コイル、ストランド、ワイヤ、ねじ、線の形態の排出発生化合物12として理解できるが、チューブ又はパイプラインにより似ている。細長いとは、排出発生化合物12が、例えば、
図1に示されない加工室のインフラストラクチャーのような導管チャネルに沿った経路に沿って、ある距離にわたって延在された形態を有することを意味する。
【0031】
一例では、排出発生化合物12は、細長い伝達構造14の形状及び可撓性を維持する不燃性、温度安定性及び気密性の支持材料を含む。
【0032】
用語「第1端部」及び「第2端部」とは、複数の形状及び形態を含み得る
図1における細長い伝達構造14のエンドピースを指す。
【0033】
一例では、第1端部16と第2端部18との間のある位置は、トリガ位置22として第1端部16又は第2端部18を更に含む。
【0034】
用語「排出発生化合物」は、その一部をその環境に能動的に放出、排出又は伝達する物質として理解することができる。排出発生化合物12は、エミッタ、伝送器、パルス伝送器、パルスエミッタ、ラジエータ、トランスデューサー、プロジェクター、センダー又はソースとも呼ばれてもよい。
【0035】
排出は、必ずしも材料自体を含むものではなく、主に材料の化学的変換部分及び物理的変換部分を含む。
【0036】
化合物は、物質、薬剤又は材料とも呼ばれてもよい。
【0037】
用語「配置」とは、排出発生化合物12がどのように
図1の導管構造の内容積又は容積内に分散するかという方法を指す。
【0038】
一例では、排出発生化合物12は、内容積の内壁をカバーする。
【0039】
他の例では、排出発生化合物12は、内容積を満たす。
【0040】
他の例では、排出発生化合物12の部分は、互いに間隔をおいて内容積内に分散する。
【0041】
一例では、排出発生化合物12は、第1端部16から少なくとも第2端部18へ達する。
【0042】
用語「局所熱エネルギー放出」とは、
図1における筐体26の特定の部位での発熱に関する事件を指す。
【0043】
一例では、局所熱エネルギー放出20又は熱エネルギーの放出は、燃焼反応において燃焼する物質28で発生する。熱エネルギーは、
図1に示されず、放射又は対流の形態で、燃焼物質28の火炎を介して放出される。
【0044】
一例では、燃焼物質28の火炎は、主に、対流を介して、それらの熱エネルギーを伝達する。これにより、火炎は、それらの放出された放射線(emitted radiation)によって検出することが困難である。排出発生化合物12は、火炎の熱対流によって活性化されて、排出反応32を引き起こし、それぞれは、化学反応、及びより容易に検出される、導管構造の内容積内により高い放射を有する第2火炎である。
【0045】
一例では、火炎は、漏洩流体である燃料の燃焼から生じる。
【0046】
一例では、火炎は、漏洩流体である水素の燃焼から生じる。
【0047】
他の例では、水素を燃焼させて、筐体26の表面の外部に水素微小火炎を発生させる。
【0048】
用語「漏洩した物質(漏洩物質、leaked substance)」とは、漏洩する物質(漏洩物質、leaking substance)とも呼ばれてもよい。
図1において、これは、筐体26のチャネル及び孔を介して筐体26の内容積から筐体26の外部に流体が浸透、拡散又は徐々に進行する過程を指す。
【0049】
用語「筐体」とは、2つの空間を分離し、即ち、密閉空間を周囲又は環境から分離する実体を指す。1つの空間は、環境であり、別の空間は、筐体26内の内容積である。内容積及び環境は、互いに直接的に接触又は連通しない。筐体26は、内容積を囲む。内容積は、内部と呼ばれてもよい。
【0050】
筐体26は、タンク、容器、コンテナ、貯水槽又は鉢(basin)とも呼ばれてもよい。一例では、貯蔵ユニットは、
図1に示されず、チューブ、パイプ又は配管システムであってもよい。
【0051】
用語「封入」とは、互いに接触しないように内容積を環境から分離するための筐体26の機能を指す。
【0052】
用語「物質」とは、物体(matter)を指し、気体又は流体である液体状態であってもよい。
【0053】
一例では、物質28は、化学エネルギーを運ぶ材料である。
【0054】
一例では、物質28は、燃料である。
【0055】
一例では、物質28は、水素を含む。
【0056】
他の例では、物質28は、極低温又は液体水素である。
【0057】
他の例では、物質28は、加圧水素である。
【0058】
一例では、筐体26は、水素に対して通常の条件下で漏洩しない。
【0059】
用語「トリガ」は、活性化エネルギーを排出発生化合物12に供給する、
図1における局所熱エネルギー放出20と排出発生化合物12との間の熱伝達として理解することができる。用語「活性化エネルギー」は、排出発生化合物12がそれ自体でその状態又は状況を変更するように、克服する必要があるエネルギー障壁として理解することができる。状態の変更は、不可逆的であり、特定の量のエネルギーを排出発生化合物12に印加することにより引き起こされる。特定の量又は分量のエネルギーは、電磁エネルギー、熱エネルギー又は機械エネルギーの形態で印加されてもよい。
【0060】
用語「中継」とは、
図1における矢印36により示されるように、反応がどのように導管構造の第1端部16から第2端部18へ伝播、配達、移送、伝導、案内、伝達又は運搬されるかという方法を指す。
【0061】
一例では、導管構造は、ガラス繊維又は小径鋼管を含み、ガラス繊維又は小径鋼管は、外部環境から完全に分離される排出反応32の排出を伝達するように構成される。この場合、例えば、
図1に示されるように、排出発生化合物12は、第1端部16のみで応用され、第1端部16から第2端部18への経路に沿って応用されない。
【0062】
一例では、導管構造は、第1端部から第2端部へのガラス繊維を含み、排出発生化合物は、ガラス繊維の第1端部と第2端部との間に位置する。排出発生化合物は、ガラス繊維を介して、その排出反応を第1端部及び/又は第2端部に伝達するように構成される。
【0063】
一例では、ガラス繊維は、少なくとも部分的に排出発生化合物で充填される。
【0064】
一例では、ガラス繊維は、少なくとも部分的に排出発生化合物でカバーされる。
【0065】
一例では、ガラス繊維は、少なくとも部分的に排出発生化合物を含む。
【0066】
用語「信号」とは、検知ユニット38又は反応伝達デバイス10自体内の排出反応32により引き起こされる反応を指す。信号42は、光信号、音響信号、電気信号、機械信号又はそれらの組み合わせとして認識することができる。
【0067】
用語「周囲」は、筐体26が接続されるか又は組み込まれる構造として理解することができる。周囲30は、環境にある。周囲30の外部は、外部環境である。
【0068】
一例では、周囲30は、車両の貯蔵空間である。
【0069】
他の例では、周囲30は、航空機の内部である。
【0070】
排出反応32は、化学反応とも呼ばれてもよい。これは、排出発生化合物12の物体内の原子の間の電子の転位及び移動を指す。排出発生化合物12の原子構造内の転位は、物体及びエネルギーの排出を引き起こす。
【0071】
用語「さらされた」とは、検知ユニット38が
図1における矢印37により示されるように排出反応40の生成物に接触するように、検知ユニット38が反応伝達デバイス10に間隔をおいて配置されることを意味する。
【0072】
用語「検知ユニット」とは、排出(排気、emission)に接触すると、信号42を生成する実体を指す。
【0073】
一例では、検知ユニット38は、検出器の一部として構成される。
【0074】
一例では、検知ユニット38は、電磁波、物質波(matter wave)、例えば、振動又は物質波中の特定の粒子に応答する。電磁波は、180~800nmの波長のUV、VIS、IR又はマイクロ波放射を含む。物質波は、原子、イオン、分子、電子、陽子又は中性子を更に含んでもよい。
【0075】
一例では、反応伝達デバイス10は、検出器の一部とも見なされてもよい。
【0076】
図1において、細長い伝達構造14は、オプションとして、細長い導管構造44内に存在する。細長い導管構造44が省略されてもよいが、上述したように、排出発生化合物12は、例えば、反応伝達デバイス10を提供するためにコーティングとしてワイヤに塗布される支持材料と結合されることに注意されない。
【0077】
一例では、排出発生化合物12は、繊維自体から細長い反応伝達デバイスを提供するニトロセルロースのような繊維状化合物を含む。
【0078】
一例では、排出発生化合物12は、バインダーを含み、細長い伝達構造14内にプレス又は押出される。
【0079】
図1のオプションでは、反応伝達デバイス10は、細長い導管構造44を含む。細長い導管構造44は、第1導管端部46及び第2導管端部48を有し、第1導管端部46と第2導管端部48との間に内容積50を提供する。排出発生化合物12は、第1導管端部46から第2導管端部48に達する内容積50内に配置される(arranged within the inner volume 50)。第1導管端部46は、細長い導管構造44に沿った第1導管端部46と第2導管端部48との間のトリガ位置22で、筐体26からの漏洩物質24による局所熱エネルギー放出20にさらされるように構成される。導管構造は、局所熱エネルギー放出20によりトリガされると、排出発生化合物12に排出反応32を提供するように構成される。導管構造は、細長い伝達構造14に沿ったトリガ位置22から第2導管端部48へ排出反応32を中継するように構成される。第2導管端部48は、漏洩物質24を示す信号42として、伝達された排出反応40を検出するように構成された検知ユニット38にさらされるように構成される。
【0080】
用語「細長い導管構造」は、コイル、ストランド、ワイヤ、ねじ、線として理解できるが、チューブ又はパイプラインにより似ている。細長いとは、チューブ又はパイプが、例えば、信号を、ほとんどアクセスできない漏洩位置から信号評価ユニットへ案内する導管チャネルに沿った経路に沿って、ある距離にわたって延在されることを意味する。
【0081】
一例では、導管構造は、可撓性材料で製造される。
【0082】
一例では、導管構造は、断熱材料で製造される。
【0083】
用語「第1導管端部」及び「第2導管端部」とは、エンドピース、導管構造のエンドポート、パイプ若しくはチューブを指す。
【0084】
一例では、これらのエンドピースは、
図1に示されず、細長い導管構造44の壁の材料により密封される。
【0085】
他の例では、導管のエンドは、
図1に示されず、特定の物体又はエネルギーに対して透過性を有する薄膜により密封される。
【0086】
他の例では、導管のエンドは、
図1に示されず、排出発生化合物12を周囲30に露出する。
【0087】
用語「内容積」とは、細長い導管構造により囲まれた容積を指す。排出発生化合物12は、この容積を占める。
【0088】
図1の例では、導管構造は、排出反応32を周囲30から密封的に隔離するように構成される。
【0089】
用語「密封的に隔離」とは、物体の状況の変化が物体を定義する環境に移動しないことを意味する。
【0090】
一例では、導管構造は、その周囲30に発火源をもたらさないように排出反応32を周囲30から隔離するように構成される。
【0091】
利点として、迅速かつ安全な漏洩通知方法が提供される。
【0092】
図1の例において、局所熱エネルギー放出20は、漏洩水素(leaked hydrogen)を燃焼することによるものである。
【0093】
一例では、
図1において、筐体26での漏洩水素(leaking hydrogen)は、燃焼し、熱エネルギーは、排出源の排出反応32を開始する。
【0094】
一例では、水素炎は、その熱エネルギーの伝達方法のため、検出が困難である。
【0095】
図1の例では、発火物質52は、少なくとも第1端部16に提供される。発火物質は、漏洩水素に接触すると、局所熱エネルギー放出20を発生させる。
【0096】
一例では、局所熱エネルギー放出20は、燃焼によって熱を供給する水素だけでなく、その化学結合によってエネルギーを供給する水素にも関する。
【0097】
一例では、導管構造は、排出反応32を介して局所熱エネルギー放出20の自己倍力効果を達成する。
図1に示されない自己倍力効果は、導管構造の第1端部16から第2端部18への排出反応32の伝播を引き起こす。
【0098】
用語「自己倍力効果」とは、局所熱エネルギー(local thermal energy)、例えば、水素微小火炎が排出発生化合物12の排出反応32の化学反応により改善されることを意味する。活性化エネルギーは、排出発生化合物12における連鎖反応を引き起こす。
図1に示されない水素微小火炎は、第1小火炎であり、排出発生化合物12の化学反応、それぞれ排出は、第2大火炎を提供する。第2大火炎は、検出器で容易に検出される。これは、機械エネルギー及び熱エネルギー(heat energy)のような他の検出可能な排出にも適用される。排出発生化合物12は、漏洩物質24の事件を強化し、安全な方法で検出できるようにすると言える。
【0099】
図1の例では、排出発生化合物12は、反応スタータ54を更に含む。反応スタータ54は、排出発生化合物12が水素及び酸素及び/又は水素に接触すると、局所熱エネルギー放出20を発生させる。
【0100】
オプションでは、局所熱エネルギー放出20は、排出発生化合物12内に最初に生成される。排出発生化合物12は、筐体26からの漏洩物質24に接触すると、活性化エネルギーを生成する反応開始剤又は反応スタータ54を含む。したがって、活性化エネルギーは、漏洩物質24の化学結合のエネルギーとも呼ばれてもよい。
【0101】
一例では、反応開始剤は、
図1に示されず、水素又は水素及び酸素に接触して、活性化エネルギーとして熱を生成する。
【0102】
一例では、反応開始剤は、有機金属化合物を含む。
【0103】
一例では、反応開始剤は、Pd又はPtを含む。
【0104】
一例では、排出発生化合物12は、
・化学反応を遅らせて反応を遅らせ、
・反応生成物を増幅させ、又は、
・その排出反応を制限する、
他の物質を更に含んでもよい。
【0105】
一例では、易燃性材料、即ち、排出発生化合物12は、空気、酸素が存在する場合に水素の触媒酸化を介して熱くなる触媒材料により囲まれ、及び/又は該触媒材料と組み合わせられてもよい。酸素が存在しなくても水素と発熱反応が発生する材料があってもよい。この組み合わせにより、生成した熱が可燃性材料を点火するため、水素ガス漏洩は、検出することもできる。
【0106】
図1に示されていない例では、細長い導管構造44は、第1端部16から第2端部18への排出反応32の伝播を加速し、及び/又は集中させるように更に構成される。
【0107】
一例では、導管構造の内壁又は導管構造は、光子伝送を改善するように構成される。
【0108】
一例では、導管構造は、
図1に示されない導管分岐を含む分岐導管構造として構成される。導管分岐は、複数の第1端部及び/又は第2端部を形成する。複数の第1端部と複数の第2端部との間の分岐導管構造の交点は、漏洩物質24から生じる局所熱エネルギーにさらされるように構成される。導管分岐及び排出発生化合物12は、第1端部16若しくは複数の第1端部及び/又は交点から第2端部18若しくは複数の第2端部へ排出反応32を運搬するように構成される。
【0109】
一例では、内容積50内の排出反応32は、排出フラッシュを生成する。排出フラッシュは、内容積50により、局所熱エネルギー放出20及び筐体26の周囲30における漏洩物質24よりも速く拡散するように更に構成される。
【0110】
一例では、排出発生化合物12は、排出フラッシュにより、筐体26での漏洩物質24の位置を示すように構成される。
【0111】
一例では、異なる排出発生化合物は、筐体の異なる個別領域で分散し、指紋パターンのように個別領域の独特で単一の化学的同一性を提供する。異なる排出発生化合物の排出反応の測定結果、それぞれ化学手段及び物理手段による排出反応の組成によって、又は言い換えれば、その排出パターンを評価することによって、より短時間で、漏洩物質24を有する個別領域をより正確に検出することができる。
【0112】
一例では、排出発生化合物12は、
図1における導管構造の内容積50を塞ぐ残留物を残さずに、酸化発熱反応中にそれ自身を消費する。
【0113】
一例では、排出発生化合物12は、それ自身と反応し、それ自身を気体生成物、即ち、導管構造を介して伝導する流体に完全に変換する。
【0114】
効果として、排出発生化合物12は、化学反応後に固形残留物の火源又は火花を残さない。
【0115】
効果として、チューブの閉塞が防止される。
【0116】
利点として、反応伝達デバイス10の信頼性が保証される。
【0117】
利点として、安全な排出発生化合物12が提供される。
【0118】
一例では、物質28は、水素であり、排出発生化合物12の化学反応は、
図1に示されず、筐体26での水素を燃焼することによる熱エネルギー放出により開始される。
【0119】
一例では、筐体26での漏洩水素は、燃焼し、熱エネルギーは、排出源の化学反応を開始する。
【0120】
一例では、
図1に示されず、排出発生化合物12は、花火材料(pyrotechnic material)である。花火材料は、酸素欠乏雰囲気で化学的に反応する。
【0121】
用語「酸化発熱反応」は、排出発生化合物12における、酸化剤と還元剤との間の電子移動反応を説明し、熱エネルギー及び/又は光エネルギーと反応生成物を排出する。
【0122】
一例では、
図1に示されず、排出発生化合物12は、酸化剤及び還元剤を含む。
【0123】
一例では、
図1に示されず、酸化剤は、酸素源を含み、還元剤は、金属及び/又は非金属を含む。
【0124】
一例では、非金属は、炭素、硫黄又は窒素、又はそれらの組み合わせからなる群のうちの少なくとも1つを含む。
【0125】
一例では、
図1に示されず、排出発生化合物12は、花火的材料(pyrotechnical material)である。
【0126】
一例では、
図1に示されず、排出発生化合物12は、ニトロセルロースである。
【0127】
一例では、ニトロセルロースは、異なる機能を生成する異なる程度のニトロ化を含む。
【0128】
一例では、導管構造は、花火材料で製造される。
【0129】
効果として、排出発生化合物12の化学反応は、酸素欠乏条件下で進行する。
【0130】
利点として、排出発生化合物12は、酸素欠乏環境で展開することができる。
【0131】
図2は、検出装置の例を示す。検出装置100は、上述の例の1つに記載の少なくとも1つの検知ユニット138及び少なくとも1つの反応伝達デバイス110を含む。少なくとも1つの検知ユニット138は、少なくとも1つの反応伝達デバイス110の第2端部118に配置される。少なくとも1つの検知ユニット138は、少なくとも1つの反応伝達デバイス110からの排出反応140の排出144を受け取ると、検出信号142を生成するように構成される。排出反応は、矢印145の方向において、反応伝達デバイス110から第2端部118に伝達される。
【0132】
一例では、
図2における検知ユニット138は、排出発生化合物12の排出144の煙分子及び/又はエネルギーに応答する。この場合、検知ユニット138は、吸光度又は排出信号142を取得するために、IR又はUV/VIS放射線で排出144をサンプリングする。検知ユニット138は、質量分析計又はガスクロマトグラフィーを更に含んでもよい。検知ユニット138は、NMR分光計であってもよい。
【0133】
一例では、検知ユニット138は、一酸化炭素検出器である。
【0134】
一例では、
図2に示されず、排出144は、検出器までの検出距離における障害を乗り越えるように構成される。
【0135】
一例では、1つ以上の検知ユニット138が取り付けられ、例えば、2つ、3つ、5つ又は多くの検出器及び様々な種類の検知ユニットが組み合わせられる。
【0136】
一例では、検知ユニット138は、光電子増倍管が取り付けられる。
【0137】
一例では、反応伝達デバイス110は、光子を検知ユニット138に向かって案内する光導波路又は光ファイバーを含む。
【0138】
一例では、反応伝達デバイス110は、排出144を蓄積するために、検知ユニット138の前にある
図2に示されないコンセントレータを含む。
【0139】
一例では、2つ、3つ又は5つなど、いくつかの反応伝達デバイスが取り付けられ、それらの第2端部118が1つの検知ユニット138から延在する。
【0140】
一例では、1つ以上の検知ユニット138が取り付けられる。複数の検知ユニットは、反応伝達デバイス138に取り付けられる。排出反応は、反応伝達デバイスの任意の点での物質の漏洩により引き起こされる。排出反応の拡散、及び複数の検知ユニットのうちどれが最初に反応するかによって、漏洩の位置を決定することができる。
【0141】
一例では、複数の検知ユニットは、複数の反応伝達デバイスに取り付けられ、複数の検知ユニットの反応時間は、物質の漏洩を位置決めするために使用される。
【0142】
一例では、
図2に示されず、少なくとも1つの反応伝達デバイス110の排出反応140の排出144は、酸化発熱反応から生じる。排出144は、物体とエネルギーからなる群のうちの少なくとも1つを含む。
【0143】
一例では、物体は、原子、イオン、分子、電子、陽子又は中性子を含む。
【0144】
一例では、エネルギーは、UV、VIS、IR又はマイクロ波光子及び/又は機械エネルギーを含む。
【0145】
一例では、排出144は、光信号、音響信号、電気信号、機械信号又はそれらの組み合わせとして認識することができる。
【0146】
他の例では、物体は、CO、CO2、NOx、SO2のような煙又は燃焼若しくは煙分子である。
【0147】
図2は、漏洩に対応する供給システム200の例を更に示す。供給システム200は、上述の例のうちの1つに記載の少なくとも1つの検出装置100と、物質228を貯蔵する筐体226と、を含む。少なくとも1つの検出装置100は、反応伝達デバイス210の第1端部216が、筐体226の漏洩が監視される領域229に近接する。
【0148】
用語「近接する」とは、第1端部216が筐体226の近傍にあることを意味し、局所熱エネルギー放出20のエネルギーを伝達デバイスに伝達することを可能にする。
【0149】
図2の例では、システム200は、エンベロープ240を更に含む。エンベロープ240は、筐体226を封入する。エンベロープ240と筐体226との間の隙間は、保持容積241として構成される。保持容積241は、筐体226からの漏洩物質24を捕獲するように形成される。少なくとも1つの検出装置100の少なくとも第1端部216は、保持容積241内に配置され、第1端部216は、漏洩物質24にさらされるように構成される。
【0150】
オプションでは、好ましくは、
図2に示すように、保持容積241は、酸素欠乏雰囲気244を含む。
【0151】
オプションでは、好ましくは、少なくとも1つの検出装置100の第2端部218及び割り当てられた検知ユニット138は、エンベロープ240の外側230に配置される。
【0152】
一例では、エンベロープ240が取り付けられる。エンベロープ240は、漏洩水素を保持容積241内に保持するバッグ又はチャンバとして構成することができる。
【0153】
用語「保持容積」は、トラップ、コレクター、アキュムレータ、インターセプター、サンプラー、収集装置、レシーバー、捕獲ユニット、レシーバーとも呼ばれてもよい。
【0154】
一例では、
図2に示すように、保持容積241は、酸素欠乏雰囲気244として窒素、ヘリウム、アルゴン、又は六フッ化硫黄のような不活性ガスで充填される。
【0155】
一例では、エンベロープ240は、燃料貯蔵空間又は車両の内部空間である。
【0156】
一例では、エンベロープ240は、
図2に示されない、保持容積241を換気又は再充填するためのバルブシステムを含む。バルブシステムは、より高い高さの航空機の内部ガス、窒素、アルゴン、ヘリウム又は大気などの酸素欠乏雰囲気244で、及び/又は酸素欠乏雰囲気244下で保持容積241を換気及び再充填するように構成される。
【0157】
用語「外側230」とは、内側の反対側を指す。外側230は、
図2における保持容積241に接触していないエンベロープ240の表面を説明する。
【0158】
図2の例では、システム200は、遮断弁252を有する少なくとも1つの供給ライン250と、処理ユニット254と、を更に含む。少なくとも1つの供給ライン250は、筐体226に接続され、遮断弁252が開かれる場合に、筐体226に水素を供給するように構成される。水素の流れは、矢印253により示される。遮断弁252は、遮断弁252が閉じられる場合に、水素の筐体226への供給を停止するように構成される。処理ユニット254は、少なくとも1つの検知ユニット138及び遮断弁252に接続される。少なくとも1つの検出装置100は、筐体226を監視し、検出信号242を生成するように構成される。少なくとも1つの検知ユニット138から検出信号242を受信すると、処理ユニット254は、筐体226から及び/又は筐体226への供給ラインによる水素の供給を停止するために、遮断弁252を閉じるように構成される。
【0159】
ただし、
図2における遮断弁252は、実際には、遮断弁252と筐体226との間に追加の供給ライン250がなく、筐体226に直接的に接続される。明瞭さと可視性のために、
図2における遮断弁252の位置が選択されている。遮断弁252の位置は、遮断弁252と筐体226との間の供給ライン250に、筐体226での漏洩を促進する残留水素流れがないように選択される。
【0160】
一例では、遮断弁252が極低温弁である。
【0161】
一例では、少なくとも1つの反応伝達デバイス210は、遮断弁252に直接的に接続され、排出反応132は、
図2における遮断弁252を閉じる。
【0162】
一例では、少なくとも1つの検出器の即時応答は、遮断弁252の即時遮断につながる。
【0163】
効果として、筐体226への水素供給が即時に中断される。
【0164】
利点として、燃焼物質、例えば、水素微小火炎を消す改良された方法が提供される。
【0165】
利点として、小(微小)水素炎の火炎伝播も、その後の高速水素遮断機能によって回避することができる。
【0166】
図2の例では、筐体226は、水素により電気的及び/又は機械エネルギーを提供するように構成された燃料電池と、水素を供給するように構成された供給システムと、供給システムを介して燃料電池と、機能ユニットに水素を供給するように構成された貯蔵ユニットと、及び/又は、機能ユニット及び水素に接触可能に構成された機能ユニットとからなる群のうちの少なくとも1つとして構成される。
【0167】
用語「機能ユニット」は、ガス圧縮機又は熱交換器、又は水素に接触する他の任意の実体と理解することができる。
【0168】
用語「燃料電池」は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができるユニットである流体消費負荷と理解することもできる。燃料の連続供給は、電力を供給するために提供される。
【0169】
一例では、異なる排出発生化合物は、システム200の構成要素の異なる個別領域で分散し、指紋パターンのように構成要素及び構成要素自体の個別領域の独特で単一の化学的同一性を提供する。排出パターンによって、漏洩水素を有する構成要素又は漏洩水素と構成要素の個別領域をより正確に検出することができ、より短時間で、火又は漏洩水素を停止するために異なる構成要素の遮断弁をより効果的に操作することができる。
【0170】
図3は、筐体226での漏洩通知方法(method for leakage communication)の例の基本的なステップを示す。方法300は、以下のステップ302~308を含む。
・第1ステップ302では、
図1及び
図2に示すように、細長い伝達構造14を提供する。
・第2ステップ304では、
図2に示すように、筐体226に細長い伝達構造14の第1端部216を配置する。
・第3ステップ306では、検知ユニット138に細長い伝達構造14の第2端部218を配置する。第1端部又は第1端部と第2端部との間のある位置が筐体226からの漏洩物質24による局所熱エネルギー放出20にさられている場合、排出発生化合物12は、局所熱エネルギー放出20によりトリガされると、排出反応132を発生させる。排出発生化合物12は、第1端部216から第2端部218への排出反応132を中継する。検知ユニット138は、伝達された排出反応140を、漏洩物質24を示す信号42として検出する。
・第4ステップ308では、少なくとも1つの検知ユニット138により、排出反応132から筐体226での漏洩を示す検出信号242を生成する。
【0171】
方法の例では、検出信号に基づいて、物質を有する筐体226の操作を停止するステップが提供される。
【0172】
一例では、別の方法ステップとして、遮断弁を閉じ、その後に水素供給を停止することが提供される。
【0173】
一例では、任意に、細長い伝達構造14は、細長い導管構造44内に取り付けられる。
【0174】
ただし、本発明の実施形態は、異なる主題を参照して説明される。特に、いくつかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明されるが、他の実施形態は、装置タイプの請求項を参照して説明される。しかしながら、当業者であれば、以上及び以下の説明から、特別な通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせも本願とともに開示されると考えられることを理解するであろう。しかしながら、全ての特徴を組み合わせて、特徴の単純な総和だけではない相乗効果を提供することができる。
【0175】
本発明を図面及び前述の説明において詳細に図示し説明してきたが、そのような図示及び説明は、限定的なものではなく、図示的又は例示的なものと見なされる。本発明は、開示された実施形態に限定されない。当業者は、特許請求された発明を実施する際に、図面、開示内容、及び従属請求項を検討することにより、開示された実施形態の他の変形を理解し、実現することができる。
【0176】
特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つ(a)」又は「1つ(an)」は、複数を除外するものではない。シングルプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されているいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【外国語明細書】