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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180329
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】管状部品およびテニスラケット
(51)【国際特許分類】
   A63B 49/02 20150101AFI20241219BHJP
   A63B 102/02 20150101ALN20241219BHJP
【FI】
A63B49/02
A63B102:02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024094570
(22)【出願日】2024-06-11
(31)【優先権主張番号】112122192
(32)【優先日】2023-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】524221880
【氏名又は名称】シュアウィン ワールドワイド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン チン シャン
(72)【発明者】
【氏名】デニス チェン
(57)【要約】
【課題】異なるスイング体験を生み出す管状部品及びラケットを得る。
【解決手段】管状部品は、内フレーム部11と、外フレーム部12と、幅広部13と、幅狭部14とを含む。内フレーム部11は、第1の内フレームセクション111と、第2の内フレームセクション112と、内接続セクション117と、を含む。外フレーム部12は、第1の外フレームセクション121と、第2の外フレームセクション122と、外接続セクション127と、を含む。幅広部13は、外フレーム部12から内フレーム部11にまでまっすぐに延伸する。幅狭部14は、内フレーム部11と外フレーム部12とを相互接続する。テニスラケットは、前述の管状部品を曲げて打撃領域を画成することにより作られるラケットフレーム10を含み、内フレーム部11は、打撃領域を囲んで、打撃領域に隣接する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールを打つために使用されるスポーツ用具の部分的な構造に適する管状部品であって、
第1の軸方向に延伸する内フレーム部と、
前記第1の軸方向に延伸し、前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向において前記内フレーム部と間隔を置いている外フレーム部と、
前記第1の軸方向に延伸し、前記第2の軸方向において前記外フレーム部から前記内フレーム部にまでまっすぐに延伸する幅広部と、
前記第1の軸方向に延伸し、前記内フレーム部および前記外フレーム部を相互接続する幅狭部と、を含み、
前記内フレーム部は、第1の内フレームセクションと、第2の内フレームセクションと、前記第1の内フレームセクションおよび前記第2の内フレームセクションを相互接続する内接続セクションと、を含み、
前記外フレーム部は、第1の外フレームセクションと、第2の外フレームセクションと、前記第1の外フレームセクションおよび前記第2の外フレームセクションを相互接続する外接続セクションと、を含み、
前記幅狭部は、円弧状であり、前記第1の軸方向および前記第2の軸方向と直交する第3の軸方向において前記幅広部と間隔をおいており、前記幅広部の前記第2の軸方向における長さは第1の幅に等しく、前記幅狭部の前記第2の軸方向における長さは第2の幅に等しく、前記第2の幅は前記第1の幅より小さく、前記第1の内フレームセクションは、前記幅広部に接続する第1の内側端と、前記第1の内側端と反対する第1の内接続端と、を有し、前記第2の内フレームセクションは、前記幅狭部に接続する第2の内側端と、前記第2の内側端と反対する第2の内接続端と、を有し、前記内接続セクションは、前記第1の内接続端および前記第2の内接続端を相互接続し、前記第1の外フレームセクションは、前記幅広部に接続する第1の外側端と、前記第1の外側端と反対する第1の外接続端と、を有し、前記第2の外フレームセクションは、前記幅狭部に接続する第2の外側端と、前記第2の外側端と反対する第2の外接続端と、を有し、前記外接続セクションは、前記第1の外接続端および前記第2の外接続端を相互接続し、前記第2の軸方向と直交して前記幅広部および前記幅狭部を通過する平面は基準面として定義され、前記第1の内側端から始まり、前記第1の内フレームセクションは、前記基準面から徐々に離れるように第1の内接続端にまで延伸し、前記第2の内接続端から始まり、前記第2の内フレームセクションは、前記基準面に徐々に接近して前記幅狭部に到達し、前記第1の外側端から始まり、前記第1の外フレームセクションは、前記基準面から徐々に離れるように前記第1の外接続端にまで延伸し、前記第2の外接続端から始まり、前記第2の外フレームセクションは、前記基準面に徐々に接近して前記幅狭部に到達し、前記内接続セクションの前記外接続セクションから離れた縁と前記外接続セクションの前記内接続セクションから離れた縁との間の前記第2の軸方向における最大距離は第3の幅に等しく、前記第3の幅と前記第1の幅との比率は11:9であり、前記第1の内フレームセクションの前記幅広部に隣接する部分の曲率半径および前記第1の外フレームセクションの前記幅広部に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、71ミリメートルから86ミリメートルの範囲であり、前記第2の内フレームセクションの前記幅狭部に隣接する部分の曲率半径および前記第2の外フレームセクションの前記幅狭部に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、20ミリメートルから25ミリメートルの範囲であり、前記管状部品の前記第3の軸方向における長さは、断面の長さに等しく、前記断面の長さと前記第1の幅との比率は25:9であり、前記幅狭部の曲率半径は、2.7ミリメートルから3.3ミリメートルの範囲である、
管状部品。
【請求項2】
前記第1の軸方向と直交する断面視において、前記内フレーム部と前記外フレーム部は、前記基準面に対して鏡面対称であり、滑らかな流線型である、請求項1に記載の管状部品。
【請求項3】
前記幅狭部および前記幅広部の間に配置され、前記第3の軸方向において互いに間隔をおいている2つのリブフレーム部をさらに含み、前記リブフレーム部のそれぞれは、前記内フレーム部および前記外フレーム部を相互接続する、請求項1に記載の管状部品。
【請求項4】
請求項1に記載の管状部品を曲げて打撃領域を画成することにより作られるラケットフレームを含み、前記内フレーム部は、前記打撃領域を囲み、前記打撃領域に隣接する、テニスラケット。
【請求項5】
前記外フレーム部は、前記打撃領域を囲む回避溝を形成し、前記テニスラケットは、前記回避溝を画成する溝画成面に形成され、前記内フレーム部を通って延伸する複数のストリング穴をさらに含む、請求項4に記載のテニスラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールを打つための道具に関し、特に、管状部品およびテニスラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照し、台湾実用新案第M613814号公報によれば、従来のラケットは、ラケットフレーム3を含む。ラケットフレーム3は、第1の側面31と、第1の側面31と反対する第2の側面32とを含む。ラケットフレーム3の断面視において、ラケットフレーム3は、第1の側面31と第2の側面32との間にある半径方向線Aに対して鏡面対称になっている。
【0003】
ユーザーがラケットを第1の側面31をボールに向けてフォアハンドで握ってスイングする際に感じる空気抵抗は、ユーザーがラケットを第2の側面32をボールに向けてバックハンドで握ってスイングする際に感じる空気抵抗と同一である。したがって、このラケットは、フォアハンドおよびバックハンドでストロークを打つ際に異なるスイング体験を求めるユーザーの要求を満たしていない。さらに、ラケットは、異なる年齢のユーザーのために異なるスイング体験を生み出すように調整することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案第M613814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を少なくとも1つ軽減することができる管状部品およびテニスラケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、管状部品は、ボールを打つために使用されるスポーツ用具の部分的な構造に適し、内フレーム部と、外フレーム部と、幅広部と、幅狭部と、を含む。
【0007】
内フレーム部は、第1の軸方向に延伸し、第1の内フレームセクションと、第2の内フレームセクションと、第1の内フレームセクションおよび第2の内フレームセクションを相互接続する内接続セクションと、を含む。
【0008】
外フレーム部は、第1の軸方向に延伸し、第1の軸方向と直交する第2の軸方向において内フレーム部と間隔を置いている。外フレーム部は、第1の外フレームセクションと、第2の外フレームセクションと、第1の外フレームセクションおよび第2の外フレームセクションを相互接続する外接続セクションと、を含む。
【0009】
幅広部は、第1の軸方向に延伸し、第2の軸方向において外フレーム部から内フレーム部にまでまっすぐに延伸する。
【0010】
幅狭部は、第1の軸方向に延伸し、内フレーム部および外フレーム部を相互接続する。幅狭部は、円弧状であり、第1の軸方向および第2の軸方向と直交する第3の軸方向において幅広部と間隔をおいている。幅広部の第2の軸方向における長さは、第1の幅に等しい。幅狭部の第2の軸方向における長さは、第2の幅に等しい。第2の幅は、第1の幅より小さい。第1の内フレームセクションは、幅広部に接続する第1の内側端と、第1の内側端と反対する第1の内接続端と、を有する。第2の内フレームセクションは、幅狭部に接続する第2の内側端と、第2の内側端と反対する第2の内接続端と、を有する。内接続セクションは、第1の内接続端および第2の内接続端を相互接続する。第1の外フレームセクションは、幅広部に接続する第1の外側端と、第1の外側端と反対する第1の外接続端と、を有する。第2の外フレームセクションは、幅狭部に接続する第2の外側端と、第2の外側端と反対する第2の外接続端と、を有する。外接続セクションは、第1の外接続端および第2の外接続端を相互接続する。第2の軸方向と直交して幅広部および幅狭部を通過する平面は、基準面として定義される。第1の内側端から始まり、第1の内フレームセクションは、基準面から徐々に離れるように第1の内接続端にまで延伸する。第2の内接続端から始まり、第2の内フレームセクションは、基準面に徐々に接近して幅狭部に到達する。第1の外側端から始まり、第1の外フレームセクションは、基準面から徐々に離れるように第1の外接続端にまで延伸する。第2の外接続端から始まり、第2の外フレームセクションは、基準面に徐々に接近して幅狭部に到達する。内接続セクションの外接続セクションから離れた縁と外接続セクションの内接続セクションから離れた縁との間の第2の軸方向における最大距離は、第3の幅に等しい。第3の幅と第1の幅との比率は11:9である。第1の内フレームセクションの幅広部に隣接する部分の曲率半径および第1の外フレームセクションの幅広部に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、71ミリメートルから86ミリメートルの範囲である。第2の内フレームセクションの幅狭部に隣接する部分の曲率半径および第2の外フレームセクションの幅狭部に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、20ミリメートルから25ミリメートルの範囲である。管状部品の第3の軸方向における長さは、断面の長さに等しい。断面の長さと第1の幅との比率は25:9である。幅狭部の曲率半径は、2.7ミリメートルから3.3ミリメートルの範囲である。
本発明の第2の態様によれば、テニスラケットは、前述の管状部品を曲げて打撃領域を画成することにより作られるラケットフレームを含み、内フレーム部は、打撃領域を囲み、打撃領域に隣接する。
【0011】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来のラケットのラケットフレームの概略的な断片的断面図である。
図2】本発明に係る管状部品の第1の実施形態の断片的斜視断面図である。
図3】本発明に係る管状部品の第1の実施形態の断面図である。
図4】本発明に係る管状部品の第2の実施形態の断面図である。
図5】本発明に係るテニスラケットの第1の実施形態の断片的側面図である。
図6】テニスラケットの第1の実施形態の図5の線VI-VIに沿った断片的断面図である。
図7】テニスラケットの第1の実施形態の図5の線VII-VIIに沿った断片的断面図である。
図8】本発明に係るテニスラケットの第2の実施形態の断片的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、参照符号または参照符号の末端部は、同様の特性を有し得る対応のまたは類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。なお、本発明において、第1の軸方向D1、第2の軸方向D2、および第3の軸方向D3は、互いに直交する。
【0014】
図2および図3を参照すると、本発明に係る管状部品1の第1の実施形態は、ボールを打つために使用されるスポーツ用具の部分的な構造(例えば、ラケットフレーム、ラケットハンドル、ホッケースティックなど)に適する。管状部品1は、第1の軸方向D1に延伸する内フレーム部11と、第1の軸方向D1に延伸し、第2の軸方向D2において内フレーム部11と間隔をおいている外フレーム部12と、第1の軸方向D1に延伸し、第2の軸方向D2において外フレーム部12から内フレーム部11にまでまっすぐに延伸する幅広部13と、第1の軸方向D1に延伸し、内フレーム部11および外フレーム部12を相互接続する幅狭部14と、幅狭部14および幅広部13の間に配置される2つのリブフレーム部15と、を含む。本実施形態において、管状部品1は、押出成形によるアルミニウム合金、または炭素アルミニウム複合材料から形成されているが、これに限定されない。
【0015】
内フレーム部11は、第1の内フレームセクション111と、第2の内フレームセクション112と、第1の内フレームセクション111および第2の内フレームセクション112を相互接続する内接続セクション117と、を含む。第1の内フレームセクション111は、幅広部13に接続する第1の内側端113と、第1の内側端113と反対する第1の内接続端114と、を有する。第2の内フレームセクション112は、幅狭部14に接続する第2の内側端115と、第2の内側端115と反対する第2の内接続端116と、を有する。内接続セクション117は、第1の内接続端114および第2の内接続端116を相互接続する。
【0016】
外フレーム部12は、第1の外フレームセクション121と、第2の外フレームセクション122と、第1の外フレームセクション121および第2の外フレームセクション122を相互接続する外接続セクション127と、を含む。第1の外フレームセクション121は、幅広部13に接続する第1の外側端123と、第1の外側端123と反対する第1の外接続端124と、を有する。第2の外フレームセクション122は、幅狭部14に接続する第2の外側端125と、第2の外側端125と反対する第2の外接続端126と、を有する。外接続セクション127は、第1の外接続端124および第2の外接続端126を相互接続する。
【0017】
幅広部13は、第2の軸方向D2において、第1の外フレームセクション121の第1の外側端123から第1の内フレームセクション111の第1の内側端113にまでまっすぐに延伸する。
【0018】
幅狭部14は、円弧状であり、第2の内フレームセクション112の第2の内側端115および第2の外フレームセクション122の第2の外側端125を相互接続する。幅狭部14は、第3の軸方向D3において、幅広部13と間隔をおいている。
【0019】
第2の軸方向D2と直交して幅広部13および幅狭部14を通過する平面は、基準面Sとして定義される。第1の内側端113から始まり、第1の内フレームセクション111は、基準面Sから徐々に離れるように第1の内接続端114にまで延伸する。第2の内接続端116から始まり、第2の内フレームセクション112は、基準面Sに徐々に接近し、幅狭部14に到達する。第1の外側端123から始まり、第1の外フレームセクション121は、基準面Sから徐々に離れるように第1の外接続端124にまで延伸する。第2の外接続端126から始まり、第2の外フレームセクション122は、基準面Sに徐々に接近し、幅狭部14に到達する。第1の軸方向D1と直交する断面視において、内フレーム部11および外フレーム部12は、基準面Sに対して鏡面対称であり、滑らかな流線型である。
【0020】
管状部品1の寸法に関する詳細な説明は、後述する。
【0021】
第1の内フレームセクション111の幅広部13に隣接する部分の曲率半径および第1の外フレームセクション121の幅広部13に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、71ミリメートル(mm)から86mmの範囲である。第2の内フレームセクション112の幅狭部14に隣接する部分の曲率半径および第2の外フレームセクション122の幅狭部14に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、20mmから25mmの範囲である。幅狭部14の曲率半径は、2.7mmから3.3mmの範囲である。
【0022】
具体的には、本実施形態において、第1の内フレームセクション111の幅広部13に隣接する部分の曲率半径および第1の外フレームセクション121の幅広部13に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、78.625mmである。第2の内フレームセクション112の幅狭部14に隣接する部分の曲率半径および第2の外フレームセクション122の幅狭部14に隣接する部分の曲率半径はそれぞれ、22.3mmである。幅狭部14の曲率半径は、3mmである。
【0023】
幅広部13の第2の軸方向D2における長さは、第1の幅W1に等しく、幅狭部14の第2の軸方向D2における長さは、第2の幅W2に等しい。内接続セクション117の外接続セクション127から離れた縁と外接続セクション127の内接続セクション117から離れた縁との間の第2の軸方向D2における最大距離は、第3の幅W3に等しく、第3の幅W3は、管状部品1の第2の軸方向D2における最大幅と実質的に同一である。第3の幅W3と第1の幅W1との比率は11:9である。幅広部13の第2の軸方向D2における長さ(すなわち、第1の幅W1)は、幅狭部14の第2の軸方向D2における長さ(すなわち、第2の幅W2)より大きく、管状部品1の第2の軸方向D2における最大幅(すなわち、第3の幅W3)より小さい。管状部品1の第3の軸方向D3における長さは、断面の長さLに等しく、断面の長さLと第1の幅W1との比率は、25:9である。
【0024】
リブフレーム部15は、第3の軸方向D3において互いに間隔をおいており、内フレーム部11および外フレーム部12を相互接続する。リブフレーム部15は、管状部品1の剛性および強度を高めることができる。
【0025】
全体として、第1の軸方向D1と直交する断面視において、管状部品1の外輪郭は、流線型であり、弾丸状である。幅広部13に近接する管状部品1の形状は、弾丸のベースに類似しており、幅狭部14に近接する管状部品1の形状は、弾丸のヘッドに類似している。
【0026】
図4を参照すると、本発明の管状部品1’の第2の実施形態は、第1の実施形態に類似するが、その違いは、管状部品1’の第2の実施形態が炭素繊維複合材料のホットプレスにより形成されたこと、および管状部品1’の第2の実施形態が第1の実施形態のようなリブフレーム部15(図3を参照)を含まず、中空であることにある。
【0027】
図5を参照すると、本発明のテニスラケットの第1の実施形態は、ハンドルグリップ(図示せず)に接続し、複数のストリング(図示せず)を通すように構成される。テニスラケットは、ラケットフレーム10と、ラケットフレーム10に接続するラケットハンドル2と、を含む。ラケットフレーム10は、管状部品1の第1の実施形態を曲げて打撃領域16を囲んで画成することにより作られる。管状部品1の内フレーム部11は、打撃領域16を囲み、打撃領域16に隣接する。
【0028】
図6および図7を参照すると、外フレーム部12の外接続セクション127は、圧延され、打撃領域16を囲む回避溝17を形成する。テニスラケットは、外フレーム部12の回避溝17を画成する溝画成面に形成され、内フレーム部11を通って延伸する複数のストリング穴18を有する。ストリング穴18は、ストリングが通るように構成される。
【0029】
本実施形態において、テニスラケットの幅狭部14における剛性(Rahmen、RA)は80であり、幅広部13における剛性は83である。前述の剛性は、バボラ社により製造されたRDC(ラケット診断センター)機器(図示せず)を用いて測定された。測定時には、まず、テニスラケットをRDC機器のプラットフォーム(図示せず)上に水平に置き、ハンドルグリップをプラットフォームに固定し、付勢部品(図示せず)を用いて幅狭部14または幅広部13に圧力を加えて、付勢部品により加えられた圧力によってテニスラケットの剛性を得る。
【0030】
本発明のテニスラケットを使用する効果は、以下のように説明される。幅広部13をボールに向けてテニスラケットをスイングする際に、空気抵抗はより大きく、テニスラケットをスイングするのに必要なエネルギーはより多い。幅狭部14をボールに向けてテニスラケットをスイングする際に、空気抵抗はより小さく、テニスラケットをスイングするのに必要なエネルギーはより少ない。すなわち、フォアハンドスイングおよびバックハンドスイングの空気抵抗は異なる。したがって、本発明において、幅広部13または幅狭部14をボールに向けてテニスラケットを握ってスイングすることにより、異なるスイング体験が生み出される。
【0031】
例えば、練習中にユーザーのトレーニング負荷が低い場合に、ユーザーは、幅狭部14をボールに向けてテニスラケットをスイングすることを選択することができる。ユーザーは、トレーニング負荷を増加する際、幅広部13をボールに向けてテニスラケットをスイングするように容易に切り替えることができる。プレーヤーの年齢や性別の違いによって、各プレーヤーの腕の力が異なるため、腕の力の小さいプレーヤーは、幅狭部14をボールに向けてテニスラケットをスイングしてもよく、腕の力の大きいプレーヤーは、幅広部13をボールに向けてテニスラケットをスイングしてもよい。したがって、1つのテニスラケットで、プレーヤーの異なるニーズを満たすことができる。
【0032】
図8を参照すると、本発明のテニスラケットの第2の実施形態は、第1の実施形態に類似するが、第2の実施形態のラケットフレーム10’が管状部品1’の第2の実施形態を曲げることによって作られる点で第1の実施形態と異なる。ラケットフレーム10’の断面視における外輪郭の形状が第1の実施形態のラケットフレーム10(図6を参照)と同一であるため、異なる方向でスイングする際、ラケットフレーム10’は第1の実施形態と同一の効果を生じ得る。
【0033】
要約すると、本発明のテニスラケットの幅広部13がまっすぐであり、幅広部13の第2の軸方向D2における長さが幅狭部14の第2の軸方向D2における長さより大きいため、幅広部13または幅狭部14をボールに向けてテニスラケットをスイングする際に、ユーザーは異なる空気抵抗を感じる。ユーザーは、必要に応じて、異なる方法でテニスラケットを握ることを選択することができ、これにより、本発明の目的は達成される。
【0034】
上記の説明では、説明の目的のために、実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が述べられた。しかしながら、当業者であれば、一又はそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一実施形態」「一つの実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本明細書において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、又はこれらの説明に組み込まれているが、これは本明細書を合理化させるためのもので、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一又はそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本発明の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0035】
以上、本発明の実施形態および変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0036】
1、1’ 管状部品
10、10’ ラケットフレーム
11 内フレーム部
111 第1の内フレームセクション
112 第2の内フレームセクション
113 第1の内側端
114 第1の内接続端
115 第2の内側端
116 第2の内接続端
117 内接続セクション
12 外フレーム部
121 第1の外フレームセクション
122 第2の外フレームセクション
123 第1の外側端
124 第1の外接続端
125 第2の外側端
126 第2の外接続端
127 外接続セクション
13 幅広部
14 幅狭部
15 リブフレーム部
16 打撃領域
17 回避溝
18 ストリング穴
2 ラケットハンドル
D1 第1の軸方向
D2 第2の軸方向
D3 第3の軸方向
L 断面の長さ
W1 第1の幅
W2 第2の幅
W3 第3の幅
S 基準面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】