(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180332
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電子ロックおよび充電台座アセンブリ
(51)【国際特許分類】
E05B 47/00 20060101AFI20241219BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20241219BHJP
E05B 81/06 20140101ALI20241219BHJP
E05B 81/34 20140101ALI20241219BHJP
E05B 81/66 20140101ALI20241219BHJP
E05B 85/22 20140101ALI20241219BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20241219BHJP
【FI】
E05B47/00 J
H01R13/639 Z
E05B81/06
E05B81/34
E05B81/66
E05B85/22
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024094786
(22)【出願日】2024-06-12
(31)【優先権主張番号】202310721088.5
(32)【優先日】2023-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516193944
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス テクノロジー (エスアイピー) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521523202
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (スーヂョウ) リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂィエンウェイ チィー
(72)【発明者】
【氏名】ヂィンシゥン ジェット ワン
(72)【発明者】
【氏名】ファンユエ ジェイソン ヂゥー
【テーマコード(参考)】
2E250
3D235
5E021
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250KK02
2E250PP03
2E250RR33
2E250RR43
2E250SS08
3D235AA01
3D235BB02
3D235BB41
3D235BB43
3D235CC15
3D235HH63
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC36
5E021HC11
5E021HC31
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】電子ロックおよび充電台座アセンブリを開示する。電子ロックは、ピン孔(142)が側壁に形成されるハウジング(1)と、ハウジング(1)に移動可能に設置される可動部品(8)と、可動部品(8)と共に移動するように可動部品(8)に固定されるロックピン(3)と、ハウジング(1)に設置され、可動部品(8)を駆動して移動させるためのモータ(70)を備えるモータ駆動デバイスを備える。ロックピン(3)は、ピン孔(142)を通してハウジング(1)から延出し、弾性バックル(80)が、可動部品(8)およびハウジング(1)のうちの一方に形成され、弾性バックル(80)との係合に適した突出部が、他方に形成される。ロックピン(3)が、充電ガンと係合するロック位置に移動すると、弾性バックル(80)が突出部(と係合して、ロックピン(3)をロック位置に保つ。
【効果】充電ガンを充電台座に高信頼にロックすることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ロックであって、
前記電子ロックは、
- ピン孔(142)が側壁に形成されているハウジング(1)と、
- 前記ハウジング(1)に移動可能に設置されている可動部品(8)と、
- 前記可動部品(8)と共に移動するように前記可動部品(8)に固定されているロックピン(3)と、
- 前記ハウジング(1)に設置され、前記可動部品(8)を駆動して移動させるためのモータ(70)を備えるモータ駆動デバイス(7)と
を備えており、
前記ロックピン(3)は、前記ピン孔(142)を通して前記ハウジング(1)から延出し、
弾性バックル(80)が、前記可動部品(8)および前記ハウジング(1)のうちの一方に形成され、前記弾性バックル(80)との係合に適した突出部(110)が、他方に形成され、
前記ロックピン(3)がロック位置に移動すると、前記弾性バックル(80)が前記突出部(110)と係合して、前記ロックピン(3)を前記ロック位置に保つ、
電子ロック。
【請求項2】
前記モータ(70)が停止するときにモータ逆起電力により生成される逆方向の力は、前記弾性バックル(80)と前記突出部(110)との間の係合力に打ち勝つことが不可能であり、そのため、前記弾性バックル(80)は、前記モータ(70)が停止するときに前記モータ逆起電力により生成される前記逆方向の力の下で前記突出部(110)から分離することが不可能であり、それにより、前記ロックピン(3)が前記モータ逆起電力により生成される前記逆方向の力により前記ロック位置からある一定距離後方に移動することを防止する、
請求項1に記載の電子ロック。
【請求項3】
前記モータ(70)が始動するときに生成される駆動力は、前記弾性バックル(80)と前記突出部(110)との間の係合力に打ち勝つことが可能であり、そのため、前記弾性バックル(80)は、前記モータ(70)が始動するときに生成される前記駆動力により前記突出部(110)から分離することが可能であり、前記ロックピン(3)が前記モータ(70)の前記駆動力により前記ロック位置から充電ガンから分離するロック解除位置へと移動することが可能となる、
請求項1に記載の電子ロック。
【請求項4】
前記モータ駆動デバイス(7)は、前記可動部品(8)および前記ロックピン(3)を駆動して前記ハウジング(1)の長手方向(Y)に沿って直線状に移動させ、前記ロックピン(3)の軸は、前記ハウジング(1)の前記長手方向(Y)に平行である、
請求項1に記載の電子ロック。
【請求項5】
前記モータ駆動デバイス(7)は、前記モータ(70)の回転運動を前記可動部品(8)の直線運動に変換するために、前記モータ(70)の出力シャフトと前記可動部品(8)との間に接続されている伝達機構(71~74)をさらに含む、
請求項4に記載の電子ロック。
【請求項6】
前記可動部品(8)は、ラック部(85)を有し、
前記伝達機構(71~74)は、
- 前記モータ(70)の前記出力シャフトに接続されている第1の傘歯車(71)と、
- 前記ハウジング(1)に回転可能に設置されている伝達シャフト(72)と、
- 前記伝達シャフト(72)の一端部に固定され、前記第1の傘歯車(71)と噛み合う第2の傘歯車(73)と、
- 前記伝達シャフト(72)の他端部に固定され、前記可動部品(8)における前記ラック部(85)と噛み合う平歯車(74)と
を備える、
請求項5に記載の電子ロック。
【請求項7】
前記モータ(70)の前記出力シャフトの軸は、前記ハウジング(1)の前記長手方向(Y)に平行であり、
前記伝達シャフト(72)の軸は、前記ハウジング(1)の横方向(X)に平行である、
請求項6に記載の電子ロック。
【請求項8】
前記弾性バックル(80)は、前記可動部品(8)に形成され、
前記突出部(110)は、前記ハウジング(1)の底壁(11)に形成され、
前記弾性バックル(80)は、
- 前記ラック部(85)の一方側に接続され、前記ハウジング(1)の前記長手方向(Y)に沿って所定の長さで延びる弾性アーム(80a)と、
- 前記突出部(110)との係合のために前記弾性アーム(80a)の端部に形成されているフック形状部(80b)と
を備える、
請求項6に記載の電子ロック。
【請求項9】
前記可動部品(8)はまた、前記ラック部(85)の前端部に配置されている前部体(86)および前記ラック部(85)の後端部に配置されている後部体(87)を有し、
前記ロックピン(3)は、前記可動部品(8)の前記前部体(86)に固定され、前記ピン孔(142)を通して前記ハウジング(1)の前側壁(140)を通過する、
請求項6に記載の電子ロック。
【請求項10】
- 前記ハウジング(1)の後壁(150)に形成されているロープ孔(16)を通過するロープスリーブ(60)と、
- 前記可動部品(8)の前記後部体(87)に接続され、前記ロープスリーブ(60)を通過するロープ(6)と、
- 前記ロープスリーブ(60)に取り付けられ、前記ロープ孔(16)を封止するために前記ロープ孔(16)に挿入されているロープスリーブ封止リング(61)と
をさらに備え、
前記ロープ(6)は、充電ガンから分離するロック解除位置へと前記ロックピン(3)を手動でリセットすることができるように、前記可動部品(8)を後方に引っ張るために用いられる、
請求項9に記載の電子ロック。
【請求項11】
前記ハウジング(1)に設置されている第1の電子スイッチ(91)および第2の電子スイッチ(92)
をさらに備え、
前記可動部品(8)はまた、前記後部体(87)の一方側に接続されている押圧部(88)を有し、
前記ロックピン(3)が前記ロック位置に移動すると、前記第1の電子スイッチ(91)は、前記押圧部(88)により押圧される閉状態となり、前記第2の電子スイッチ(92)は、前記押圧部(88)により押圧されない開状態となり、
前記ロックピン(3)がロック解除位置に移動すると、前記第1の電子スイッチ(91)は、前記押圧部(88)により押圧されない開状態となり、前記第2の電子スイッチ(92)は、前記押圧部(88)により押圧される閉状態となる、
請求項9に記載の電子ロック。
【請求項12】
- 前記ハウジング(1)に固定的に設置されている第1の回路基板(9a)と、
- 前記ハウジング(1)に固定的に設置されている第2の回路基板(9b)と
をさらに備え、
前記モータ(70)は、前記第1の回路基板(9a)に設置され、前記第1の電子スイッチ(91)および前記第2の電子スイッチ(92)は、前記第2の回路基板(9b)に設置されている、
請求項11に記載の電子ロック。
【請求項13】
- 前記第1の回路基板(9a)および前記第2の回路基板(9b)への電気的接続のために前記ハウジング(1)の後壁(150)に形成されている複数のケーブル孔(15)を通過する複数のケーブル(5)と、
- 前記複数のケーブル(5)にそれぞれ外装され、前記複数のケーブル孔(15)を封止するために前記複数のケーブル孔(15)にそれぞれ挿入されている複数のケーブル封止リング(51)と
をさらに備える、請求項12に記載の電子ロック。
【請求項14】
前記複数のケーブル(5)は、
- 前記第1の回路基板(9a)に電気的に接続され、前記第1の回路基板(9a)を介して前記モータ(70)に電気的に接続されている第1のケーブル(5a)と、
- 前記第2の回路基板(9b)に電気的に接続され、前記第2の回路基板(9b)を介して前記第1の電子スイッチ(91)および前記第2の電子スイッチ(92)に接続されている第2のケーブル(5b)と
を含む、
請求項13に記載の電子ロック。
【請求項15】
前記ハウジング(1)の前記前側壁(140)の外面に設置され、前記ロックピン(3)が通過することを可能とする貫通孔(42)が形成されている封止要素(4)
をさらに備え、
前記封止要素(4)は、前記ロックピン(3)と前記ピン孔(142)との間の封止を実現するために用いられる、
請求項9に記載の電子ロック。
【請求項16】
挿入孔(141)が、前記ハウジング(1)の前記前側壁(140)に形成され、
前記封止要素(4)は、
- 前記貫通孔(42)が形成されている封止体(40)と、
- 前記封止体(40)に接続され、前記ハウジング(1)の前記前側壁(140)の前記挿入孔(141)に挿入されている挿入部(41)と
を備え、
前記封止要素(4)を前記ハウジング(1)の前記前側壁(140)に固定するために前記挿入孔(141)の内側の段差部と係合するバックル部(41a)が、前記挿入部(41)の端部に形成されている、
請求項15に記載の電子ロック。
【請求項17】
複数の位置決めポスト(143)が、前記ハウジング(1)の前記前側壁(140)の外面に形成され、
複数の位置決め孔(43)が、前記封止要素(4)の前記封止体(40)に形成され、前記複数の位置決め孔(43)は、それぞれ前記複数の位置決めポスト(143)と嵌合する、
請求項16に記載の電子ロック。
【請求項18】
前記ハウジング(1)の上部開口部を覆うために前記ハウジング(1)の前記上部開口部に設置される上部カバー(2)
をさらに備える、請求項1に記載の電子ロック。
【請求項19】
- 充電台座ハウジング、および前記充電台座ハウジングに設置されている複数の端子を含む充電台座と、
- 充電ガンを前記充電台座にロックするために前記充電台座ハウジングに固定されている、請求項1から18のいずれか一項に記載の前記電子ロックと
を備える充電台座アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2023年6月16日に出願された中国特許出願第CN202310721088.5号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、電子ロック、特に充電台座用の電子ロック、および電子ロックを備える充電台座アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術において、充電ガンが電気自動車における充電台座と嵌合すると、充電台座に設置された電子ロックのロックピンが充電ガンにおけるロック孔と係合して、充電ガンを充電台座にロックし、電気自動車の充電プロセス中における充電ガンと充電台座との間の偶発的な分離を防止する。
【0004】
先行技術において、電子ロックは通常、ロックピンを駆動してロック位置とロック解除位置との間で移動させるためのモータを備える。ロックピンがロック位置に移動すると、モータが停止する。しかしながら、モータが停止するときにモータ逆起電力により生成される逆方向の力が、ロックピンを駆動してロック位置から後方に一定距離(通例0.5mm)移動させ、それにより、ロックピンが充電ガンにおけるロック孔と高信頼に係合せず、充電ガンおよび充電台座が偶発的に外れやすくなり、使用の安全性に深刻な影響が及ぶ場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の難点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、電子ロックが提供される。電子ロックは、ピン孔が側壁に形成されるハウジングと、ハウジングに移動可能に設置される可動部品と、可動部品と共に移動するように可動部品に固定されるロックピンと、ハウジングに設置され、可動部品を駆動して移動させるためのモータを備えるモータ駆動デバイスとを備える。ロックピンは、ピン孔を通してハウジングから延出し、弾性バックルが、可動部品およびハウジングのうちの一方に形成され、弾性バックルとの係合に適した突出部が、他方に形成され、ロックピンがロック位置に移動すると、弾性バックルが突出部と係合して、ロックピンをロック位置に保つ。
【0007】
本発明の例示的実施形態によれば、モータが停止するときにモータ逆起電力により生成される逆方向の力は、弾性バックルと突出部との間の係合力に打ち勝つことが不可能であり、そのため、弾性バックルは、モータが停止するときにモータ逆起電力により生成される逆方向の力の下で突出部から分離することが不可能であり、それにより、ロックピンがモータ逆起電力により生成される逆方向の力によりロック位置からある一定距離後方に移動することを防止する。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態によれば、モータが始動するときに生成される駆動力は、弾性バックルと突出部との間の係合力に打ち勝つことが可能であり、そのため、弾性バックルは、モータが始動するときに生成される駆動力により突出部から分離することが可能であり、ロックピンがモータの駆動力によりロック位置から充電ガンから分離するロック解除位置へと移動することが可能となる。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によれば、モータ駆動デバイスは、可動部品およびロックピンを駆動してハウジングの長手方向に沿って直線状に移動させ、ロックピンの軸は、ハウジングの長手方向に平行である。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、モータ駆動デバイスは、モータの回転運動を可動部品の直線運動に変換するために、モータの出力シャフトと可動部品との間に接続される伝達機構をさらに含む。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によれば、可動部品は、ラック部を有し、伝達機構は、モータの出力シャフトに接続される第1の傘歯車と、ハウジングに回転可能に設置される伝達シャフトと、伝達シャフトの一端部に固定され、第1の傘歯車と噛み合う第2の傘歯車と、伝達シャフトの他端部に固定され、可動部品におけるラック部と噛み合う平歯車とを備える。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態によれば、モータの出力シャフトの軸は、ハウジングの長手方向に平行であり、伝達シャフトの軸は、ハウジングの横方向に平行である。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態によれば、弾性バックルは、可動部品に形成され、突出部は、ハウジングの底壁に形成され、弾性バックルは、ラック部の一方側に接続され、ハウジングの長手方向に沿って所定の長さで延びる弾性アームと、突出部との係合のために弾性アームの端部に形成されるフック形状部とを備える。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態によれば、可動部品はまた、ラック部の前端部に配置されている前部体およびラック部の後端部に配置されている後部体を有し、ロックピンは、可動部品の前部体に固定され、ピン孔を通してハウジングの前側壁を通過する。
【0015】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電子ロックは、ハウジングの後壁に形成されるロープ孔を通過するロープスリーブと、可動部品の後部体に接続され、ロープスリーブを通過するロープと、ロープスリーブに取り付けられ、ロープ孔を封止するためにロープ孔に挿入されるロープスリーブ封止リングとをさらに備える。ロープは、充電ガンから分離するロック解除位置へとロックピンを手動でリセットすることができるように、可動部品を後方に引っ張るために用いられる。
【0016】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電子ロックは、ハウジングに設置される第1の電子スイッチおよび第2の電子スイッチをさらに備える。可動部品はまた、後部体の一方側に接続される押圧部を有する。ロックピンがロック位置に移動すると、第1の電子スイッチは、押圧部により押圧される閉状態となり、第2の電子スイッチは、押圧部により押圧されない開状態となり、ロックピンがロック解除位置に移動すると、第1の電子スイッチは、押圧部により押圧されない開状態となり、第2の電子スイッチは、押圧部により押圧される閉状態となる。
【0017】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電子ロックは、ハウジングに固定的に設置される第1の回路基板と、ハウジングに固定的に設置される第2の回路基板とをさらに備える。モータは、第1の回路基板に設置され、第1の電子スイッチおよび第2の電子スイッチは、第2の回路基板に設置される。
【0018】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電子ロックは、第1の回路基板および第2の回路基板への電気的接続のためにハウジングの後壁に形成される複数のケーブル孔を通過する複数のケーブルと、複数のケーブルにそれぞれ外装され、複数のケーブル孔を封止するために複数のケーブル孔にそれぞれ挿入される複数のケーブル封止リングとをさらに備える。
【0019】
本発明の別の例示的実施形態によれば、複数のケーブルは、第1の回路基板に電気的に接続され、第1の回路基板を介してモータに電気的に接続される第1のケーブルと、第2の回路基板に電気的に接続され、第2の回路基板を介して第1の電子スイッチおよび第2の電子スイッチに接続される第2のケーブルとを含む。
【0020】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電子ロックは、ハウジングの前側壁の外面に設置され、ロックピンが通過することを可能とする貫通孔が形成される封止要素をさらに備え、封止要素は、ロックピンとピン孔との間の封止を実現するために用いられる。
【0021】
本発明の別の例示的実施形態によれば、挿入孔が、ハウジングの前側壁に形成され、封止要素は、貫通孔が形成される封止体と、封止体に接続され、ハウジングの前側壁の挿入孔に挿入される挿入部とを備える。封止要素をハウジングの前側壁に固定するために挿入孔の内側の段差部と係合するバックル部が、挿入部の端部に形成される。
【0022】
本発明の別の例示的実施形態によれば、複数の位置決めポストが、ハウジングの前側壁の外面に形成され、複数の位置決め孔が、封止要素の封止体に形成され、複数の位置決め孔は、それぞれ複数の位置決めポストと嵌合する。
【0023】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電子ロックは、ハウジングの上部開口部を覆うためにハウジングの上部開口部に設置される上部カバーをさらに備える。
【0024】
本発明の別の態様によれば、充電台座アセンブリが提供される。充電台座アセンブリは、充電台座ハウジング、および充電台座ハウジングに設置される複数の端子を含む充電台座と、充電ガンを充電台座にロックするために充電台座ハウジングに固定される上記の電子ロックとを備える。
【0025】
本発明の上記の例示的実施形態においては、弾性バックルがロックピンをロック位置に高信頼に保持することができ、それにより、充電ガンを充電台座に高信頼にロックすることが可能となる。
【0026】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明斜視図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明分解図である。
【
図3】ハウジングが取り除かれた状態での、一方側から見たときの、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明斜視図である。
【
図4】ハウジングが取り除かれた状態での、他方側から見たときの、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明斜視図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの可動部品の説明斜視図である。
【
図6】ロックピンがロック位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの長手方向断面図である。
【
図7】ロックピンがロック解除位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。
【0029】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0030】
本発明の一般概念によれば、電子ロックが提供される。電子ロックは、ピン孔が側壁に形成されるハウジングと、ハウジングに移動可能に設置される可動部品と、可動部品と共に移動するように可動部品に固定されるロックピンと、ハウジングに設置され、可動部品を駆動して移動させるためのモータを備えるモータ駆動デバイスとを備える。ロックピンは、ピン孔を通してハウジングから延出し、弾性バックルが、可動部品およびハウジングのうちの一方に形成され、弾性バックルとの係合に適した突出部が、他方に形成され、ロックピンがロック位置に移動すると、弾性バックルが突出部と係合して、ロックピンをロック位置に保つ。
【0031】
本発明の別の一般概念によれば、充電台座アセンブリが提供される。充電台座アセンブリは、充電台座ハウジング、および充電台座ハウジングに設置される複数の端子を含む充電台座と、充電ガンを充電台座にロックするために充電台座ハウジングに固定される上記の電子ロックとを備える。
【0032】
図1は、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明斜視図を示す。
図2は、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明分解図を示す。
図3は、ハウジング1が取り除かれている、一方側から見たときの、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明斜視図を示す。
図4は、ハウジング1が取り除かれた状態での、他方側から見たときの、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの説明斜視図を示す。
【0033】
図1~
図4に示すように、本発明の例示的実施形態においては、充電台座用の電子ロックが開示される。電子ロックは、ハウジング1、可動部品8、ロックピン3、およびモータ駆動デバイス7を主に含む。ハウジング1は、その長手方向Yにおいて互いに反対側の前側壁140および後側壁150を有する。ピン孔142が、ハウジング1の前側壁140に形成される。可動部品8は、ハウジング1に移動可能に設置される。ロックピン3は、可動部品8と共に移動するように可動部品8に固定される。モータ駆動デバイス7は、ハウジング1に設置され、可動部品8の移動を駆動するためのモータ70を含む。ロックピン3は、充電ガン(不図示)を充電台座(不図示)にロックするために、ピン孔142を通してハウジング1から延出する。
【0034】
図5は、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの可動部品8の説明斜視図を示す。
図6は、ロックピン3がロック位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの長手方向断面図を示す。
図7は、ロックピン3がロック解除位置にある、本発明の例示的実施形態に係る電子ロックの長手方向断面図を示す。
【0035】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性バックル80が、可動部品8およびハウジング1のうちの一方に形成され、弾性バックル80との係合に適した突出部110が、他方に形成される。ロックピン3が、充電ガンと係合するロック位置へと前方に移動すると、弾性バックル80が突出部110と係合して、ロックピン3をロック位置に保つ。
【0036】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、モータ70がロックピン3をロック位置へと駆動すると、モータ70が停止する。この時点において、モータ70が停止するときにモータ逆起電力により生成される逆方向の力は、弾性バックル80と突出部110との間の係合力に打ち勝つことが不可能であり、そのため、弾性バックル80は、モータ70が停止するときにモータ逆起電力により生成される逆方向の力の下で突出部110から分離することが不可能であり、それにより、ロックピン3がモータ逆起電力により生成される逆方向の力の下でロック位置から後方に一定距離移動することを防止する。
【0037】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、モータ70が始動するときに生成される駆動力は、弾性バックル80と突出部110との間の係合力に打ち勝つことが可能であり、そのため、弾性バックル80は、モータ70が始動するときに生成される駆動力の下で突出部110から分離することが可能であり、ロックピン3がモータ70の駆動力の下でロック位置から充電ガンから分離するロック解除位置へと移動することが可能となる。
【0038】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、モータ駆動デバイス7は、可動部品8およびロックピン3を駆動してハウジング1の長手方向Yに沿って直線状に移動させ、ロックピン3の軸は、ハウジング1の長手方向Yに平行である。
【0039】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、モータ駆動デバイス7は、伝達機構71~74をさらに含む。伝達機構71~74は、モータ70の出力シャフトと可動部品8との間に接続され、モータ70の回転運動を可動部品8の直線運動に変換するために用いられる。
【0040】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、可動部品8は、ラック部85を有する。伝達機構71~74は、第1の傘歯車71、伝達シャフト72、第2の傘歯車73、および平歯車74を含む。第1の傘歯車71は、モータ70の出力シャフトと共に回転するようにモータ70の出力シャフトに接続される。伝達シャフト72の2つの端部は、ハウジング1の左壁および右壁に回転可能に設置される。第2の傘歯車73は、伝達シャフト72の一端部に固定され、第1の傘歯車71と噛み合う。平歯車74は、伝達シャフト72の他端部に固定され、可動部品8におけるラック部85と噛み合う。
【0041】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、モータ70の出力シャフトの軸は、ハウジング1の長手方向Yに平行であり、伝達シャフト72の軸は、ハウジング1の横方向Xに平行である。
【0042】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性バックル80は、可動部品8に形成され、突出部110は、ハウジング1の底壁11に形成される。弾性バックル80は、弾性アーム80aおよびフック形状部80bを含む。弾性アーム80aは、ラック部85の一方側に接続され、ハウジング1の長手方向Yに沿って所定の長さで延びる。フック形状部80bは、弾性アーム80aの端部に形成され、ハウジング1の底壁11における突出部110と係合するために用いられる。
【0043】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、可動部品8は、ラック部85の前端部に配置される前部体86およびラック部85の後端部に配置される後部体87をさらに有する。ロックピン3は、可動部品8の前部体86に固定され、ピン孔142を通してハウジング1の前側壁140を通過する。
【0044】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、電子ロックは、ロープスリーブ60、ロープ6、およびロープスリーブ封止リング61をさらに備える。ロープスリーブ60は、ハウジング1の後壁150に形成されるロープ孔16を通過する。ロープ6は、可動部品8の後部体87に接続され、ロープスリーブ60を通過する。ロープスリーブ封止リング61は、ロープスリーブ60に設置され、ロープ孔16を封止するためにロープ孔16に挿入される。ロープ6は、充電ガンから分離するロック解除位置へとロックピン3を手動でリセットすることができるように、可動部品8を後方に引っ張るために用いられる。これにより、停電または電子ロックの誤動作が生じた場合に、ロックピン3を手動でリセットすることができる。
【0045】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、電子ロックは、第1の電子スイッチ91および第2の電子スイッチ92をさらに備える。第1の電子スイッチ91および第2の電子スイッチ92は、ハウジング1に設置される。可動部品8はまた、後部体87の一方側に接続される押圧部88を有する。ロックピン3がロック位置に移動すると、第1の電子スイッチ91は、押圧部88により押圧される閉状態となり、第2の電子スイッチ92は、押圧部88により押圧されない開状態となる。ロックピン3がロック解除位置に移動すると、第1の電子スイッチ91は、押圧部88により押圧されない開状態となり、第2の電子スイッチ92は、押圧部88により押圧される閉状態となる。これにより、ロックピン3の位置を、第1の電子スイッチ91および第2の電子スイッチ92の状態に基づいて判定することができる。
【0046】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、電子ロックは、第1の回路基板9aおよび第2の回路基板9bをさらに備える。第1の回路基板9aは、ハウジング1に固定的に設置され、モータ70は、第1の回路基板9aに設置される。第2の回路基板9bは、ハウジング1に固定的に設置され、第1の電子スイッチ91および第2の電子スイッチ92は、第2の回路基板9bに設置される。
【0047】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、電子ロックは、複数のケーブル5および複数のケーブル封止リング51をさらに備える。複数のケーブル5は、第1の回路基板9aと第2の回路基板9bとの間の電気的接続のために、ハウジング1の後壁150に形成される複数のケーブル孔15をそれぞれ通過する。複数のケーブル封止リング51は、複数のケーブル5にそれぞれ外装され、複数のケーブル孔15を封止するために複数のケーブル孔15にそれぞれ挿入される。
【0048】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、複数のケーブル5は、第1のケーブル5aおよび第2のケーブル5bを含む。第1のケーブル5aは、第1の回路基板9aに電気的に接続され、第1の回路基板9aを介してモータ70に接続される。第2のケーブル5bは、第2の回路基板9bに電気的に接続され、第2の回路基板9bを介して第1の電子スイッチ91および第2の電子スイッチ92に接続される。
【0049】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、電子ロックは、封止要素4をさらに備える。封止要素4は、ハウジング1の前壁140の外面に設置され、封止要素4には、ロックピン3が通過することを可能とする貫通孔42が形成される。封止要素4は、ロックピン3とピン孔142との間の封止を実現して、水蒸気がピン孔142を通してハウジング1に入ることを防止するために用いられる。
【0050】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、挿入孔141が、ハウジング1の前側壁140に形成される。封止要素4は、封止体40および挿入部41を含む。封止体40には、上述の貫通孔42が形成される。挿入部41は、封止体40に接続され、ハウジング1の前側壁140における挿入孔141に挿入される。封止要素4をハウジング1の前側壁140に固定するために挿入孔141の内側の段差部(不図示)と係合するバックル部41aが、挿入部41の端部に形成される。
【0051】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、複数の位置決めポスト143が、ハウジング1の前側壁140の外面に形成され、複数の位置決め孔43が、封止要素4の封止体40に形成される。複数の位置決め孔43は、それぞれ複数の位置決めポスト143と合致する。
【0052】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、ハウジング1は、上部開口部を有する。電子ロックはまた、ハウジング1の上部開口部に設置され、ハウジング1の上部開口部を覆うために用いられる上部カバー2を含む。
【0053】
図1~
図7に示すように、本発明の別の例示的実施形態においては、充電台座アセンブリも開示される。充電台座アセンブリは、充電台座(不図示)および上記の電子ロックを主に含む。充電台座は、充電台座ハウジング、および充電台座ハウジングに設置される複数の端子を含む。電子ロックは、充電ガンを充電台座にロックするために充電台座ハウジングに固定される。
【0054】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。
【0055】
いくつかの例示的な実施形態について図示し説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0056】
本明細書で使用されるとき、単数形で記載され「a」または「an」という単語が前に付く要素は、前記要素またはステップの複数形を除外することが明示的に述べられていない限り、これらを除外しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された特徴を同じく組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素もしくは複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含んでよい。
【外国語明細書】