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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180337
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】身体認識に基づく可動棚システム
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024095246
(22)【出願日】2024-06-12
(31)【優先権主張番号】18/335,577
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VISUAL BASIC
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジョン シュタイナー
(72)【発明者】
【氏名】ヘクター ガブリエル ルーラス コビアン
(72)【発明者】
【氏名】マーサ イー コントレラス ラミレス
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドラ ゴンザレス ゴンザレス
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル リザード シルバ
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA14
3B118BB04
3B118DA13
3B118GA36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小売店又は食料品店のための可動棚ステムが提供される。
【解決手段】本システムは、店舗場所にある可動棚と、可動棚を移動させるためのアクチュエータと、店舗場所にある複数のカメラと、ここで、複数のカメラの各々が視野を有し、互いに通信する複数のノードを有するビジョンメッシュネットワークと、を含み、複数のカメラの少なくとも1つは、ビジョンメッシュネットワーク上の複数のノードのうちのノードである。ビジョンメッシュネットワークは、可動棚についての情報を受信及び処理し、情報に基づいて命令を可動棚に送る。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売店又は食料品店のための可動棚システムであって、
店舗場所にある可動棚と、
前記可動棚を移動させるためのアクチュエータと、
前記店舗場所にあり、各々が視野を有する複数のカメラと、
互いに通信する複数のノードを有するビジョンメッシュネットワークと、
を備え、
前記複数のカメラの少なくとも1つは、前記ビジョンメッシュネットワーク上の前記複数のノードのうちのノードであり、
前記ビジョンメッシュネットワークは、前記可動棚についての情報を受信及び処理し、前記情報に基づいて命令を前記可動棚に送る、可動棚システム。
【請求項2】
前記ビジョンメッシュネットワークは、コンピュータビジョンモデルを使用して情報を処理する、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項3】
前記コンピュータビジョンモデルは、身体認識又は顔認識を含む、請求項2に記載の可動棚システム。
【請求項4】
前記情報は画像を含む、請求項2に記載の可動棚システム。
【請求項5】
前記複数のカメラの少なくとも1つは、エッジカメラであり、前記エッジカメラは、前記情報を受信及び処理し、前記命令を前記可動棚に送る、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項6】
前記情報は画像を含む、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項7】
前記複数のカメラは、エッジカメラであり、前記エッジカメラは、前記ビジョンメッシュネットワーク上の前記複数のノードのうちのノードであり、前記エッジカメラは互いに通信する、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項8】
前記複数のカメラは、共に有線接続されているか、又は無線で接続されている、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項9】
前記ビジョンメッシュネットワークは、顧客が前記可動棚の商品に関する補助を要求したときにその旨を決定する、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項10】
前記可動棚は、顧客要求に応答して目標高さに下降される、請求項9に記載の可動棚システム。
【請求項11】
前記ビジョンメッシュネットワークは、前記可動棚の経路に障害物があるかを決定する、請求項10に記載の可動棚システム。
【請求項12】
前記可動棚は、前記経路に障害物が検出された場合に、移動しないか又は移動するのを停止する、請求項11に記載の可動棚システム。
【請求項13】
前記障害物は、人物又は物体である、請求項11に記載の可動棚システム。
【請求項14】
前記ビジョンメッシュネットワークは、顧客要求が完了したときにその旨を決定し、完了した前記要求に基づいて命令を前記可動棚に送る、請求項9に記載の可動棚システム。
【請求項15】
前記可動棚に接続されたコントローラを更に備え、前記コントローラは、前記ビジョンメッシュネットワーク上のノードである、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項16】
制御ネットワークを更に備え、前記可動棚は、コントローラを介して前記制御ネットワークに接続され、前記ビジョンメッシュネットワークは、前記制御ネットワークに接続されている、請求項1に記載の可動棚システム。
【請求項17】
前記制御ネットワークは、クラウドネットワークである、請求項16に記載の可動棚システム。
【請求項18】
店舗場所にある可動棚に関連付けられた第1のカメラを用いて、前記可動棚についての情報を取得することと、
ビジョンメッシュネットワーク上で前記情報を処理して前記可動棚についての結果を得ることと、ここで、前記ビジョンメッシュネットワークは複数のノードを有し、前記第1のカメラは、前記ビジョンメッシュネットワーク上のノードであり、
前記ビジョンメッシュネットワークを介して前記結果に基づいて命令を前記可動棚に通信することと、
を備える、方法。
【請求項19】
前記情報を処理することは、コンピュータビジョンモデルを使用することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コンピュータビジョンモデルは、身体認識又は顔認識を使用することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のカメラは、第1のエッジカメラであり、前記第1のエッジカメラは、前記可動棚及び前記ビジョンメッシュネットワーク上の少なくとも1つの他のノードに通信可能に接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記可動棚に接続されたコントローラを更に備え、前記コントローラは、前記ビジョンメッシュネットワーク上のノードであり、前記第1のエッジカメラと通信する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のエッジカメラは、前記情報を処理し、前記命令を前記コントローラに通信する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のエッジカメラは、前記情報を処理し、前記命令を通信する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、
可動棚に関連付けられた第1のエッジカメラを用いて、前記可動棚についての情報を取得することと、
前記情報を処理して前記可動棚についての結果を得ることと、
前記結果に基づいて命令を前記可動棚に通信することと、
を行わせるコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 例えば食料品店などの小売場所で顧客は、棚の商品に、棚が高すぎる又は商品が手の届かないところにあるのでアクセスすることができない場合がある。顧客、特に身体の不自由な顧客は、他者の助けがないと棚の商品に手が届かないときに、困難及び不便に直面する場合がある。
【0002】
[0002] 本開示について、以下の図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】[0003] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムを有する店舗場所の平面図である。
図2】[0004] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムを有する通路を例示する図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムを有する店舗場所の平面図である。
図4A】[0005] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする顧客を例示する図である。
図4B】本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする顧客を例示する図である。
図4C】本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする顧客を例示する図である。
図5A】[0006] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする電気ショッピングカーに乗った顧客を例示する図である。
図5B】本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする電気ショッピングカーに乗った顧客を例示する図である。
図5C】本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする電気ショッピングカーに乗った顧客を例示する図である。
図6A】[0007] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする複数の顧客を例示する図である。
図6B】本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムとやり取りする複数の顧客を例示する図である。
図7】[0008] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムを例示する図である。
図8】[0009] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムを例示するフロー図である。
図9】[0010] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システムを例示するフロー図である。
図10】[0011] 本開示のいくつかの実施形態に係るビジョンメッシュネットワークを介して提供されたデータを処理するために使用することができるデータプロセッサの基本ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[0012] 本開示の例示的な実施形態について、添付図面を参照して詳述する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で例示されていてよく、本明細書に記載の具体的な例示的な実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。正確にいえば、これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に本開示の範囲を十分に伝えるものとなるように提供される。
【0005】
[0013] 顧客が小売店又は食料品店で買い物しており、棚又は陳列の商品に手が届かない又は別様にアクセスできないとき、顧客は補助を求めなければならない。多くの場合、この補助は、別の顧客又は店舗従業員によってもたらされる。助けを求める顧客は、助けが提供されるまで待たされる。例えば複数回又は複数の商品について助けを要求することの待ち時間又は不便さは、顧客の買い物経験に悪影響を及ぼす場合がある。また顧客が、助けを要求することに気後れがしたり気詰まりであったりする場合もある。
【0006】
[0014] 小売店及び食料品店は、一般に、従業員、顧客、損失防止、在庫、安全性等を監視するために、店舗全体にわたり設置された多数のカメラを含む。カメラは、スマートカメラ及び/又はエッジカメラであり、店舗の所望の目標エリアの視野角を提供するように位置付けられ得る。目標エリアは、例えば、チェックアウトステーション及びセルフチェックアウトステーションなどの販売時点情報管理エリア、入口、出口、通路、陳列物、調剤エリア等を含み得る。目標エリアは、店舗全体を包含してよく、重り合うエリア及び視野を含み得る。カメラは、互いに接続されてよく、ビジョンメッシュネットワークを形成する。
【0007】
[0015] 本明細書で使用されるとき、「エッジカメラ」は、一般に搭載型記憶装置を特徴とするカメラを指す。エッジカメラは、記録されたビデオ映像データを内部記憶装置ハードウェアに保存するセキュリティカメラとして使用され得る。したがって、エッジで記録するとは、ビデオを記録し、それを、デジタルビデオレコーダなどの集中型記録機構にネットワークを介して移送するのではなく、カメラ又は直接接続された記憶デバイスのいずれかに記憶することである。
【0008】
[0016] 本開示のいくつかの実施形態によれば、「ビジョンメッシュネットワーク」は、店舗全体にわたるカメラを互いに直接接続する。カメラは、顧客の移動及び行動を含む挙動を認識し、顧客のために便宜を図ることができる。一例では、エッジカメラは、顧客の手の届かないところにある棚の商品に向かって顧客が指さしていることを認識し、棚ユニットに棚を下降させるようにコマンドを送り、顧客が商品を選んだときにその旨を認識し、棚に元の位置に戻るようにコマンドすることができる。
【0009】
[0017] 本明細書で使用されるとき、「ビジョンメッシュネットワーク」とは、複数カメラの単一のネットワークとしての役割をするネットワーク、例えば、Wi-Fiルータを含むネットワークを介して接続されたカメラのグループ又は複数のカメラを指す。したがって、1つのみのカメラではなく、複数のデータ源がある。店舗全体にわたる各エッジカメラへのアクセスを可能にすることによって、各エッジカメラからの画像又はデータを、可動棚システムのためのデータ入力として使用することができる。このビジョンメッシュネットワークは、追加のデータ入力として使用することができる、目標エリアの有益な、追加の、又は代替の視界があるかを決定するために、アドホックでアクセスされ得る。情報はビジョンメッシュネットワークの中で共有され、それにより、1つのカメラが、例えば顧客が可動棚システムとやり取りしているなど、顧客又は活動についての決定を行うことができる。ビジョンメッシュネットワーク内のカメラの1つ、一部、又は全部からの入力を利用することができる。正確なセルフチェックアウトステーションの動作又はチェックアウトプロシージャを決定するために、コンピュータビジョンモジュールに入るデータ入力の量及び質を増加させることにより、システムの精度及び信頼性が改善することになる。クライアントサーバアーキテクチャを通じてすべてのカメラデータストリームを中央管理し、すべての入力を中央処理し、そして結果を適宜分配することは可能であるが、例えば、データセキュリティ、ネットワークリソースの増加、及びレイテンシの増加により、そのタイプの解決手段にかなりの支障をきたす場合がある。
【0010】
[0018] 本明細書で使用されるとき、コンピュータビジョンモジュールは、デジタル画像を取得、処理、解析、及び理解し、判定を形成するために現実世界から高次元データを抽出するための方法を含む。本明細書で説明されるコンピュータビジョンモジュールの様々な実施形態は、ビジョンメッシュネットワークからの画像及びデータを取得、処理、解析、及び理解し、顧客、買い物経験、及び/又は可動棚システムに関するフィードバック及び動作判定を提供する。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンモジュールは、顧客を識別及び認証し、顧客が補助を必要としているかを決定し、商品が手の届かないところにあるときに顧客を補助するために、顧客の身体運動及び顔の特徴をそれぞれ認識することができる身体認識モジュール及び顔認識モジュールを含む。更なる実施形態では、これらモジュールは、顧客が買い物中に顧客がどのような挙動をするか、及び補助が必要なときに顧客がどのような挙動をするかを見ることができる。
【0011】
[0019] まず図1及び図2を参照して、本開示のいくつかの実施形態に係る、例えば可動棚32dを含む、店舗場所18における可動棚システム10について説明する。例示されているように、店舗場所18は、複数の通路12、14、16を含み、これらは、通路12、14、16の少なくとも片側に隣接する棚セット20、22、24、26、28によって画定されている。棚セット20、22、24、26、28は、棚セット20、22、24、26、28を形成するように、共に接続され、共に配置され、及び/又は互いの近くに若しくは隣にグループ若しくはクラスタで設置された、複数の別個の棚ユニット30、32、34、36を含む。棚ユニット30、32、34、36は、独立型であってもよい。棚ユニットは、通路又は棚セットの端部に置かれるエンドキャップ棚ユニット31も含む。
【0012】
[0020] 図2に例示されているように、通路12は、左側及び右側にそれぞれ棚セット20、22が並べられている。棚セット20、22は、棚セット20、22を形成するように共に配置された複数の別個の棚ユニット30、32、34、36を含み、所望の長さの通路12を画定する。各棚ユニット30、32、34、36は、少なくとも1つの棚を含み、一例では、複数の棚30a、30b、30c、30d、32a、32b、32c、32dを含む。少なくとも1つの棚が、本開示の一実施形態に係る可動棚32dである。可動棚32dは、「スマート棚」であり、プログラム可能に制御され、遠隔で動作される。可動棚32dは、図2に例示されているように、棚ユニット32の最上棚である。
【0013】
[0021] 任意の数の可動棚32dが設けられ得る。通路12、14、16、棚セット20、22、24、26、28、棚ユニット30、32、34、36、エンドキャップ31、棚30a、30b、30c、30d、32a、32b、32c、及び可動棚32dの数及び配置は、所望のように調整可能及びカスタマイズ可能である。本開示のいくつかの好ましい実施形態では、別個の各棚ユニット30、32、34、36及びエンドキャップは、可動棚を含む。一例では、大部分又は全部の棚が可動である。顧客が、棚30a、30b、30c、30d、32a、32b、32c及び可動棚32dから商品を選ぶとき、顧客は、棚セット20、22、24、26、28によって画定された通路12、14、16を通る。
【0014】
[0022] 図1図3に例示されているように、店舗場所18は、少なくとも1つのエッジカメラ40を含む。各エッジカメラ40は、関連付けられた対応する視野(FOV)42を有する。エッジカメラ40は、FOV42が所望の目標エリアを含むように取り付けられている。エッジカメラ40は、FOV42が互いに重なり合い、及び/又は店舗場所18の完全な視界を形成するように配置され得る。またエッジカメラは、FOV42が、選択された目標エリア、例えば、可動棚32dへの焦点にあるようにも配置され得る。本開示のいくつかの実施形態では、エッジカメラ40は、店舗場所18全体を通して取り付けられており、それにより、エッジカメラ40は、顧客が買い物しているときに顧客を監視することができ、顔認識及び身体認識を含むコンピュータビジョンを通じて、顧客が買い物中に補助を必要とするときにその旨を認識することができる。
【0015】
[0023] 各エッジカメラ40は、ビジョンメッシュネットワーク50上のノードである。各エッジカメラ40は、少なくとも1つの他のエッジカメラ40に、又はビジョンメッシュネットワーク50を形成するノードに接続される。一例では、各エッジカメラは、他のすべてのカメラ40に直接接続される。各エッジカメラ40は、所望のように任意の数の他のエッジカメラ40に接続され得る。エッジカメラ40は、有線若しくは無線で、又はそれらの任意の組合せで互いに接続される。有線セットアップを使用すると、レイテンシ及び干渉が低減し得る。エッジカメラ40は、可動若しくは固定、又はそれらの任意の組合せであり得る。一部又は全部のエッジカメラ40が、本開示の範囲を逸脱することなしに、ビジョンメッシュネットワーク上で互いに直接接続され得ることが理解されよう。追加のデバイスが、メッシュネットワーク上のノードとしての働きをし得る。図4A図4Cを参照して以下で更に説明する一例では、可動棚32dのためのコントローラ68が、ビジョンメッシュネットワーク50上のノードである。
【0016】
[0024] エッジカメラ40の各々は、データ源の近くで、すなわちエッジカメラ40で、情報を処理し、画像及び他のデータの解析を含む計算をエッジカメラ40上で行う。エッジコンピューティングは、画像及び他のデータを処理のために中央サーバ又はクラウドサービスに送る必要の可能性を低減し、これにより、処理速度が増加し、全体的なネットワークに対するストレスが低減し得る。
【0017】
[0025] エッジカメラ40の各々は、指定された担当エリアを有する。エッジカメラ40は、データ入力、例えば画像又はビデオキャプチャを、指定されたエッジカメラに供給し、この指定されたエッジカメラは、顔認識モジュール及び身体認識モジュールを含み得るコンピュータビジョンモジュールを介してデータ入力を処理し、入力されたデータに基づいた動作決定を出力する。モジュールの精度は、入力データの質及び量に直接関係している。上述のように、コンピュータビジョンモジュールは、デジタル画像を取得、処理、解析、及び理解し、判定を形成するために現実世界から高次元データを抽出するための方法を含む。本明細書で説明されるコンピュータビジョンモジュールの様々な実施形態は、ビジョンメッシュネットワークからの画像及びデータを取得、処理、解析、及び理解し、顧客、買い物経験、及び/又は可動棚システムに関するフィードバック及び動作決定を提供する。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンモジュールは、顧客を識別及び認証し、顧客が補助を必要としているかを決定し、商品が手の届かないところにあるときに顧客を補助するために、顧客の身体運動及び顔の特徴をそれぞれ認識することができる身体認識モジュール及び顔認識モジュールを含む。コンピュータビジョンモジュールは、例えば、ある人が、背が低い、子供、及び/又は障害者であるためにアクセス可能ではない棚にその人がアクセスしようとしているジェスチャを注意して見ることができる。コンピュータビジョンモジュールは、商品に向かって指さす、ジェスチャする、又は手を伸ばすことを含む、補助を要求していることを示す挙動を探すことができる。更なる実施形態では、これらモジュールは、買い物中に顧客がどのような挙動をするか、及び補助が必要なときに顧客がどのような挙動をするかを見ることができる。この理由から、複数のカメラ40が店舗場所18全体を通して設置されている。目標エリアは、例えば、可動棚32dと、例えばロイヤルティプログラム又は他のオプトインプログラムを通じて、補助を受けることに登録した顧客とを含み得る。
【0018】
[0026] 図3のビジョンメッシュネットワーク50は、店舗場所18全体にわたるエッジカメラ40を接続し、それにより、エッジカメラ40は、接続されたエッジカメラ40及びノードのうちのいずれかからビジョンメッシュネットワーク50内の指定されたカメラへの画像又はデータを交換することができる。したがって、例えば、エッジカメラ40が設置された、図2に例示された通路12の可動棚システム10は、棚ユニット32のFOVを有するすべてのカメラ40と、それに加えて店舗場所18に設置された残りのエッジカメラ40とを活用することができる。したがって、ビジョンメッシュネットワーク50は、結果及び精度を改善し、そして可動棚システム10の判定能力を高めるために、システムが、店舗場所18中からの画像及びデータを使用することによってデータ入力の質及び量を増加させることを可能にする。
【0019】
[0027] 図1図3に例示されたシステムが例示のために提供されているにすぎず、したがって実施形態が、図示された構成に限定されないことが理解されよう。例えば、例示のものよりも多数又は少数のカメラ及び通路があってよく、これらの通路は、本開示の範囲から逸脱することなしに、より多数又は少数の棚セット、棚ユニット、棚、及び可動棚、並びにより多数又は少数の特徴を有し得る。
【0020】
[0028] 図4A図4Cに例示されているように、顧客70は、可動棚32dが高すぎるので、可動棚32dの商品に手が届かない。顧客70は、手の届かないところにある商品に向かって指さす又は手を伸ばすことによって、助けが必要であることを示す。エッジカメラ40a、40bは、顧客のジェスチャ、移動、及び行動を含む、顧客70の挙動を捕捉及び処理して、顧客70が、可動棚32dの手の届かない商品を要求していることを決定する。エッジカメラ40は、身体認識技法を含むコンピュータビジョンを使用して、顧客70の挙動を商品の要求として識別する。顧客要求が識別されると、指定されたカメラ、例えばカメラ40aは、可動棚32dに、目標場所又は目標高さ、例えば、図4Cに示す目標高さHT1に移動するようにコマンドを送る。
【0021】
[0029] 本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システム10は、例えば、アクチュエータ62及びモータ64に接続されたブラケット60によって棚ユニット32に可動に接続された可動棚32dを含む。棚ユニット32又は可動棚32dは、電源にも接続され得る。コントローラ68が、モータ64に接続され、エッジカメラ40aに通信可能に接続されている。一例では、図3に示すように、コントローラ68は、メッシュネットワーク50上のノードである。別の例では、コントローラ68は、メッシュネットワーク50上のノードではないが、別様にエッジカメラ40aに接続されている。例えば、コントローラ68は、有線ネットワーク、中央サーバ、制御ネットワーク、又はワイヤレスネットワーク、例えばクラウドネットワークなどを通じて接続され得る。
【0022】
[0030] 可動棚32dは、コントローラ68及びカメラ40aによってプログラム可能に制御され、遠隔で動作される。可動棚32dは、「スマート棚」であってよく、エッジカメラ40と通信することができる。コントローラ68は、エッジカメラ40aから、可動棚32dを初期位置から第1の目標高さHT1に下降させるための命令を受信する。第1の目標高さHT1は、顧客70の個人の特性に基づいて調整可能及びカスタマイズ可能であり得る。エッジカメラ40は、コンピュータビジョン及び身体認識特徴を用いて処理された画像に基づいて、顧客70の身長を検出し、顧客70の個人の身長及び特性から第1の目標高さHT1を計算し得る。一例では、エッジカメラ40は、顧客70の身体が不自由であるかを決定し、それに応じて目標高さ又は目標場所を調整する。別の例では、第1の目標高さHT1は、事前選択された高さであり得る。
【0023】
[0031] 可動棚32dとの顧客70のやり取りが完了すると、可動棚32dは、図4Aに示す初期位置に戻る。エッジカメラ40は、顧客70をリアルタイムで監視して、顧客70が目標高さHT1の可動棚32dとのやり取りを終えたときにその旨を決定する。一例では、エッジカメラ40を介したメッシュネットワーク50が、顧客70が棚ユニット32の近傍から離れたときに、顧客のやり取りが完了したことを決定する。他の例では、カメラ40が、顔認識及び身体認識などのコンピュータビジョンを使用して、顧客70が商品を可動棚32dから取ること又は商品を可動棚32dに戻すことを思案中かを決定する。例えば、顧客70は、商品80を選び、商品の栄養情報を調べ、そして商品80を可動棚32dに戻し得る。エッジカメラ40は、FOV42内の顧客70が商品80を調べているのを見て、顧客70には可動棚32dとのやり取りを完了するのに更に時間が必要であることを決定する。更なる例では、ビジョンメッシュネットワーク50は、可動棚32dに、制限時間が満了した後に初期位置に戻るように命令し得る。エッジカメラ40a、40bが、可動棚32dとのやり取りが完了したことを決定すると、エッジカメラ40aは、コントローラ68に、可動棚32dを初期位置に戻すように命令を送る。
【0024】
[0032] 可動棚システム10は、可動棚32dの経路38にある障害物を検出するため、例えば、別の顧客又は商品が行く手を塞いでいるかを検出するために、可動棚32dに、その近くに、又はその周りに位置するセンサ66を含み得る。センサ66は赤外光を含み得る。障害物が経路38にあるときに可動棚が移動するのを阻止するためにステップモータが設けられ得る。可動棚システム10はまた、可動棚32dが移動している又は移動するところであることを近くにいる顧客に警告するために、光又は音を含む信号を生成するための、ライト、アラーム、又はスピーカ63も含み得る。
【0025】
[0033] ビジョンメッシュネットワーク50は、安全要件又は選好について、顧客挙動、行動、及び特性を監視することができる。例えば、ビジョンメッシュネットワーク50は、顧客を子供として認識し、子供がキャンディー、医薬品、タバコ、又はアルコールにアクセスすることを防止するために子供からの要求を無視し得る。別の例では、ビジョンメッシュネットワーク50は、グループの買い物客をカップル又は家族として識別し、家族メンバー又はグループメンバーが近くにいるときには子供からの要求を履行し得る。ビジョンメッシュネットワーク50は、可動棚システム10及びビジョンメッシュネットワーク50とのやり取りに関する顧客の選好を示すロイヤルティカード保持者からの情報を受信し得る。
【0026】
[0034] 可動棚システム10は、可動棚32dの手の届かない商品を求める顧客の要求に便宜を図るために、メッシュネットワーク50によって取得、収集、及び処理されたデータ及び画像を使用する。ビジョンメッシュネットワーク50は、指定されたカメラ40aが、他のエッジカメラ及びビジョンメッシュネットワーク50上のノードと直接通信することを可能にする。棚ユニット32のための指定されたエッジカメラ40aは、顧客70、手の届かない商品の要求、及び可動棚32dに関して行われる決定及び結果を増強及び高めるために、エッジカメラ40b及び他のエッジカメラ40からの追加の画像を追加の入力として利用することができる。直接通信は、データ交換の速度を増加させ、潜在的な複数のデータ入力が、ネットワークトラフィック、データセキュリティ要件、又はレイテンシを増加させることなく、指定されたエッジカメラ40aによってリアルタイム又はニアタイムで処理され得ることを確実にする。本明細書で使用されるとき、「リアルタイム又はニアタイム」は、顧客が可動棚32dにおいて費やした時間の実際量と数分のオーダであり得る妥当な待ち時間とを含む。エッジカメラ40をデータ入力のメッシュとして活用することによって、システムは、システムのアセットの数及びコストを増加させることなく、精度を増加させることができる。ビジョンメッシュネットワーク50は、有効性を増加させるために、利用可能なエッジカメラ40の用途を広げる。
【0027】
[0035] 例えば、エッジカメラ40は、店舗場所18で買い物している顧客70の挙動を観察することができ、それにより、エッジカメラ40は、顧客70がショッピングカートに商品を入れる前に栄養表示を読むのを好むことを知る。この挙動は、顧客が通路12、14、16を歩いているときに顧客70に関連付けられ得る。したがって、顧客70が棚ユニット32に到着したときには、メッシュネットワーク50はすでに、可動棚システム10に関する決定で使用することができる顧客の買い物挙動についての情報を含んでいる。この例では、可動棚32dに対する所定の制限時間が延長されてもよいし、又は顧客が可動棚32dから遠ざかることが、やり取りの終了として認識されなくてもよい。
【0028】
[0036] 本開示のいくつかの実施形態では、カメラは、エッジカメラとは異なり、ビジュアルカメラであり、そこで処理を行わない。ビジュアルカメラは、店舗場所に位置するか又は現場から離れて位置するプロセッサに接続されている。プロセッサは、必要なコンピューティングを行い、必要な命令を可動棚に送る。ビジュアルカメラは、例えば光ファイバネットワークなどのネットワークを介して、互いに又はプロセッサに接続され得る。
【0029】
[0037] 図5A図5Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システム10を有利に使用する、電気ショッピングカー74に乗った顧客72示す。顧客72は、手の届かないところにある商品又は可動棚32dに向かって指さす、手を伸ばす、頷く、又は別の視覚的若しくは聴覚的に識別可能なジェスチャを行うことによって助けが必要であることを示す。エッジカメラ40は、顧客の移動、ジェスチャ、及び行動を含む、顧客72の挙動を捕捉及び処理して、顧客72が、可動棚32dの手の届かない商品を要求していることを決定する。エッジカメラ40は、身体認識及び顔認識技法を含むコンピュータビジョンを使用して、顧客72の挙動を商品の要求として識別し得る。決定が行われると、指定されたカメラ40aは、可動棚32dに、初期位置から目標場所又は図5Cに示す目標高さHT2に移動するようにコマンドを送る。電気ショッピングカー74に乗った顧客72のために便宜を図るとき、可動棚システム10は、電気ショッピングカー74に座った顧客72の高さにおける又はそれに近く、例えばかご73に隣接する、第2の目標高さHT2に可動棚32dを下降させることができ、それにより、顧客72は、下降した可動棚32dの商品に容易にアクセスすることができる。第2の目標高さHT2は、顧客72の個人の特性に基づいて調整可能及びカスタマイズ可能であってもよいし、又は例えば、目標高さHT2は、事前選択された高さであってもよい。第2の目標高さHT2は、図4A図4Cに示す第1の目標高さHT1よりも低くてよい。エッジカメラ40は、顧客72をリアルタイムで監視して、顧客72が目標高さHT2の可動棚32dとのやり取りを終えたときにその旨を決定する。エッジカメラ40が、やり取りが完了したことを決定すると、エッジカメラ40aは、可動棚32dに、コントローラ68、モータ64、及びアクチュエータ62を介して初期位置に戻るように指示する。
【0030】
[0038] 図6A及び図6Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システム10を使用する複数の顧客70、72、76を示す。顧客70は平均身長であり、顧客72は、電気ショッピングカー74に座っており、顧客76は、子供であり、平均の成人よりも身長が低い。複数の顧客70、72、76が棚ユニット32に到着すると、可動棚システムは、各顧客を補助するために様々な方法で機能し得る。
【0031】
[0039] 一例では、メッシュネットワークは、どの顧客70、72、76が最初に到着したかを識別し、図4A図5Cに関して上述したように、先着順で顧客を処理する。最初の顧客70が、ビジョンメッシュネットワークによって「制御顧客」として識別され、補助される最初の顧客である。最初の顧客70は、例えば、手の届かないところにある商品又は可動棚32dに向かって指さす又はジェスチャする身体運動により助けを要求する。エッジカメラ40は、身体認識及び顔認識技法を含むコンピュータビジョンを使用して、顧客70の挙動を手の届かない商品の要求として識別する。指定されたカメラ40aは、可動棚32dに、初期位置から、図6Bに示す第1の目標高さHT1に移動するようにコマンドを送る。顧客70は、第1の目標高さHT1の可動棚32dから商品を選ぶことによってやり取りを完了する。エッジカメラ40は、顧客70をリアルタイムで監視して、コンピュータビジョン及び身体認識を使用して、顧客70が第1の目標高さHT1の可動棚32dとのやり取りを終えたときにその旨を決定する。ビジョンメッシュネットワーク50が「制御」顧客70のやり取りが完了したことを決定すると、ビジョンメッシュネットワーク50は、「制御顧客」の指定を、次の顧客である顧客72に移す。
【0032】
[0040] いくつかの実施形態では、エッジカメラ40aは、可動棚32dに、更なる顧客72、76を補助する前に、初期位置に戻るように命令し得る。いくつかの実施形態では、図6Bに示すように、エッジカメラ40aは、顧客70、72、76ごとに可動棚32dを初期位置に戻すのではなく、エッジカメラ40aは、可動棚32dに第2の目標高さHT2に下降するように命令し、それにより、電気カー74に乗っている顧客72は、可動棚32dにアクセスすることができる。ビジョンメッシュネットワーク50が、顧客72とのやり取りが完了したことを決定すると、メッシュネットワークは、顧客76を「制御顧客」として指定する。メッシュネットワーク50は、可動棚32dをより低い第3の高さHT3に更に下降させることによって次の顧客76を補助し、それにより、顧客76は、可動棚32dにアクセスすることができる。ビジョンメッシュネットワーク50が、顧客76とのやり取りが完了し、保留中の顧客要求がそれ以上ないことを決定すると、可動棚32dは初期位置に戻るように命令される。
【0033】
[0041] いくつかの実施形態では、ビジョンメッシュネットワーク50が複数の顧客70、72、76から2つ以上の要求を受信したとき、システム10は、2人以上の顧客及び/又は大部分若しくは全部の顧客にとってアクセス可能な共通の目標高さを識別する。例えば、図6Bに示すように、可動棚32dは、第1の目標高さHT1、第2の目標高さHT2、そして第3の目標高さHT3に下降するのとは対照的に、初めに第3の目標高さHT3に下降して顧客70、72、及び76を同時に補助することができる。いくつかの実施形態では、ビジョンメッシュネットワーク50は、顧客の身体が不自由であり得るときにその旨を認識することができ、それにより、最も低い目標高さが低すぎる場合があり、その特定の顧客のために便宜を図るために可動棚32dをその後に調整する必要があり得る。
【0034】
[0042] 図7に示すように、可動棚システム10は、棚ユニット132のうち最も低い2つの棚である可動棚132a、132bを含む棚ユニット132を含む。可動棚132a、132bは、図7に矢印で示すように、棚ユニット132の後壁133から離れて横方向、外側方向に延びる。棚132a、132bの後壁133の近くにある商品82は、顧客にとって手が届きにくい可能性がある。この実施形態では、顧客72は、手の届かないところにある可動棚132aの商品82に向かって指さす、頷く、又は別の視覚的に識別可能なジェスチャを行うことによって助けが必要であることを示す。エッジカメラ40は、顧客72の挙動を、身体認識及び顔認識技法を含むコンピュータビジョンを使用して取得し、捕捉し、処理し、手の届かない商品82の要求として識別する。顧客要求が識別されると、指定されたカメラ40aは、可動棚132aに、初期位置から図7に示す目標場所LT1に移動するようにコマンドを送り、可動棚132aの後ろ部分にある商品を顧客72にとってアクセスしやすくする。更に、可動棚132a、132bは、任意の方向に移動され得る。したがって、可動棚132dは、横方向及び垂直方向の両方に延びるようにコマンドされてよく、それにより、電気ショッピングカー74に乗っている顧客72は、身を乗り出すことなく、又はより少ない労力で、商品82に容易に手が届くことができる。ビジョンメッシュネットワーク50が、やり取りが完了したことを決定すると、ビジョンメッシュネットワーク50は、上述のように、可動棚132aに、エッジカメラ40a、コントローラ68、モータ64、アクチュエータ62、及びブラケット60を介して初期位置に戻るように指示する。
【0035】
[0043] 図1図7に例示された構成が、例として提供されているにすぎず、本開示の実施形態が、それに限定されないことが理解されよう。
【0036】
[0044] 図8は、本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システム100を例示するフロー図である。1人又は複数の顧客70、72、76及び/又は可動棚32d(図4A図6B)に関する入力110が、プロセッサ150に入力される。入力110は、店舗場所18に取り付けられたエッジカメラ40から得られる。入力110は、身体認識及び顔認識技法を含むコンピュータビジョンを使用して処理され150、可動棚システム100に関する出力が提供される160。
【0037】
[0045] 図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る可動棚システム200を例示するフロー図である。ここで図9図4Cと共に参照すると、1人又は複数の顧客及び/又は可動棚32dに関する入力210がプロセッサ215に入力され、身体認識技法を含むコンピュータビジョンを使用して処理されて、顧客要求220が識別されたかが決定される。顧客要求220が識別されない場合、プロセッサ215は、顧客要求が識別されるまで入力を処理し続ける。入力210は、店舗場所18内のエッジカメラ40から得られる。
【0038】
[0046] 顧客要求220が識別されると、可動棚32dを目標位置、即ち目標高さHT1に移動させるための命令が送られ、それにより、顧客70は、下降した可動棚32dの商品80にアクセスすることができる。顧客70及び可動棚32dに関する入力230は、身体認識及び顔認識技法を含むコンピュータビジョンを使用して継続的に処理されて232、顧客70が可動棚システムとのやり取りを終えたか240が決定される。顧客70が終えていない場合、可動棚は、顧客が終えるまで、又はやり取りが制限時間に達する260まで、目標高さHT1に留まり、可動棚32dは、初期位置に戻される270。制限時間は、可動棚システム200にプログラムされたデフォルトの時間期間であり得る。システム200はまた、高さ又は位置調整が必要な場合、可動棚32dを再度移動させることができる。
【0039】
[0047] システム200が、顧客要求が完了したことを検出した240とき、システム200は、第1の顧客のやり取りの間に別の顧客要求が行われた又はキューに入れられたかどうか250を考慮する。例えば、エッジカメラ40は、第2の顧客が棚ユニット32において補助を必要としていることを検出する。未解決の更なる要求がない場合、可動棚32dは初期位置に戻る270。更なる要求が未解決である場合250、システムは、次の顧客を補助するために棚を別の位置に移動させる必要があるか252、更なる時間にわたり棚が目標位置に留まるべきか254、又は棚が初期位置に戻るべきかを決定する。棚が移動する必要がある場合、新たな目標位置が識別され、棚は移動するように命令される256。
【0040】
[0048] 上述のように、本開示のいくつかの実施形態は、可動棚システムの正確な成果を提供するために、多数のカメラからのデータが共有され、関連データが処理されることを可能にするビジョンメッシュネットワークを提供する。例えば、ビジョンメッシュネットワークを使用して提供される画像は、顧客が棚の商品に手が届かないかを決定するための情報を提供し得る。したがって、メッシュネットワークを使用して提供されたデータを処理するために、あるタイプのデータプロセッサが必要である。上述のように、本開示の一実施形態によれば、エッジカメラ40の各々が情報を処理し、画像及び他のデータの解析を含む計算をエッジカメラ40上で行う。
【0041】
[0049] 次に図10を参照して、ビジョンメッシュ50(図1及び図2)からの入力を受信する身体認識モジュール690と通信するデータプロセッサ600について説明する。データプロセッサが、本開示の範囲から逸脱することなしに、システムのいずれかの構成要素に含まれ得ることが理解されよう。例えば、データプロセッサは、可動棚システム10(図1及び図2)に存在してもよいし、又は中央に位置してもよい。
【0042】
[0050] 例示されているように、図10は、本開示の実施形態に係るシステムで使用するのに好適なデータ処理システム600の一例のブロック図である。データ処理は、本開示の範囲から逸脱することなしに、システム内のデバイスのいずれかにおいて(又はデバイスのすべてにおいて、例えば、各エッジカメラ40(図1図3)において)行われ得る。データ処理システム600は、キーボード、キーパッド、タッチパッド、音声起動回路、又は同類のものなどのユーザインターフェース644と、I/Oデータポート646と、プロセッサ638と通信するメモリ636とを含む。I/Oデータポート646は、データ処理システム600と別のコンピュータシステム又はネットワークとの間で情報を転送するために使用され得る。これらの構成要素は、多くの従来のデータ処理システムで使用されるものなどの従来の構成要素であってよく、本明細書で説明されたように動作するように構成され得る。身体認識モジュール692及び顔認識モジュール694を含み得るコンピュータビジョンモジュール690は、メッシュネットワーク50からの入力を処理し、メッシュネットワーク50及びデータ処理システム600と通信する。
【0043】
[0051] 前述のフロー論理及び/又は方法は、本明細書に記載の様々なサービス及びアプリケーションの機能及び動作を示す。ソフトウェアにおいて具現化される場合、各ブロックは、明示された論理機能(単数又は複数)を実装するためのプログラム命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの部分を表し得る。プログラム命令は、プログラミング言語で書かれた人間が読み取り可能なステートメントを含むソースコード、又はコンピュータシステム若しくは他のシステム内のプロセッサなどの好適な実行システムによって認識可能な数値命令を含む機械コードの形態で具現化され得る。機械コードは、ソースコード等から変換され得る。他の好適なタイプのコードは、コンパイル済みコード、解釈済みコード、実行可能コード、静的コード、動的コード、オブジェクト指向コード、及びビジュアルコードなどを含む。これら例は、このコンテキストで限定されるものではない。
【0044】
[0052] ハードウェアにおいて具現化される場合、各ブロックは、明示された論理機能(単数又は複数)を実装するための回路又は複数の相互接続された回路を表し得る。回路は、様々な市販のプロセッサのいずれかを含んでよく、限定ではなく、AMD(登録商標)のAthlon(登録商標)、Duron(登録商標)、及びOpteron(登録商標)プロセッサ、ARM(登録商標)のアプリケーションプロセッサ、組込みプロセッサ、及びセキュアプロセッサ、IBM(登録商標)及びMotorola(登録商標)のDragonBall(登録商標)及びPowerPC(登録商標)プロセッサ、IBM及びSony(登録商標)のCellプロセッサ、Qualcomm(登録商標)のSnapdragon(登録商標)、Intel(登録商標)のCeleron(登録商標)、Core(2)Duo(登録商標)、Core i3、Core i5、Core i7、Itanium(登録商標)、Pentium(登録商標)、Xeon(登録商標)、Atom(登録商標)、及びXScale(登録商標)プロセッサ、並びに類似のプロセッサを含む。他のタイプのマルチコアプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャもまた、回路の一部として用いられ得る。いくつかの例によれば、回路はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)も含んでよく、モジュールは、ASIC又はFPGAのハードウェア要素として実装され得る。更に、実施形態は、チップ、チップセット、又はパッケージの形態で提供され得る。
【0045】
[0053] 前述のフロー論理及び/又は方法の各々は、具体的な実行順序を示すが、実行順序は、図示されているものとは異なり得ることが理解される。また、フローチャートで連続して示されている動作を、同時に、又は部分的に同時に実行することができ得る。更に、いくつかの実施形態では、動作のうちの1つ又は複数を、スキップ又は省略することができる。更に、有用性の向上、会計、性能測定、又はトラブルシューティング支援の提供等を目的として、任意の数のカウンタ、状態変数、警告セマフォ、又はメッセージが、本明細書に記載の論理フロー又は方法に追加され得る。すべてのそのような変形形態が、本開示の範囲内にあることが理解される。更に、フロー論理又は方法に例示されたすべての動作が新規の実装形態のために必要なわけではない場合がある。
【0046】
[0054] 本明細書で説明される任意の動作又は構成要素がソフトウェアの形態で実装される場合、例えば、C、C++、C#、Objective C、Java(登録商標)、Javascript、Perl、PHP、Visual Basic、Python、Ruby、Delphi、Flash、又は他のプログラミング言語などの、複数のプログラミング言語のうちのいずれか1つが用いられ得る。ソフトウェア構成要素が、メモリに記憶され、プロセッサによって実行可能である。この点において、「実行可能」という用語は、プロセッサによって最終的に実行され得る形態のプログラムファイルを意味する。実行可能プログラムの例は、例えば、メモリのランダムアクセス部分にロードされ得るフォーマットの機械コードに変換され、プロセッサによって実行され得るコンパイル済みプログラム、メモリのランダムアクセス部分にロードされることが可能なオブジェクトコードなどの適切なフォーマットで表現され、プロセッサによって実行され得るソースコード、又はプロセッサによって実行されるべき命令をメモリのランダムアクセス部分において生成するように別の実行可能プログラムによって解釈され得るソースコード等であり得る。実行可能プログラムは、メモリの任意の部分又は構成要素に記憶され得る。本開示のコンテキストでは、「コンピュータ可読媒体」とは、命令実行システムによる又はそれに関連した使用のための、本明細書に記載の論理又はアプリケーションを含み、記憶し、又は維持することができる任意の媒体(例えば、メモリ)であり得る。
【0047】
[0055] メモリは、本明細書では、揮発性及び/又は不揮発性メモリ、取り外し可能及び/又は取り外し不可能メモリ、消去可能及び/又は消去不可能メモリ、並びに書き込み可能及び/又は再書き込み可能メモリなどを含む、製造品として定義される。揮発性構成要素とは、電力損失時にデータ値を保持しない構成要素である。不揮発性構成要素は、電力損失時にデータを保持する構成要素である。したがって、メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、USBフラッシュドライブ、メモリカードリーダを介してアクセスされるメモリカード、関連するフロッピー(登録商標)ディスクドライブを介してアクセスされるフロッピーディスク、光ディスクドライブを介してアクセスされる光ディスク、適切なテープドライブを介してアクセスされる磁気テープ、及び/又は他のメモリ構成要素、又はこれらのメモリ構成要素のうちの任意の2つ以上の組合せを含み得る。更に、RAMは、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、又は磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、及び他のそのようなデバイスを含み得る。ROMは、例えば、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、又は他の同様のメモリデバイスを含み得る。
【0048】
[0056] 本明細書に記載のデバイスは、並列処理回路でそれぞれ動作する複数のプロセッサ及び複数のメモリを含み得る。そのような場合、通信バスなどのローカルインターフェースは、複数のプロセッサのうちの任意の2つ間、任意のプロセッサと任意のメモリとの間、又はメモリのうちの任意の2つ間等の通信を容易にし得る。ローカルインターフェースは、例えば、負荷分散を行うことを含む、この通信を調整するように設計された追加のシステムを含み得る。プロセッサは、電気的なものであってもよいし、又は他の何らかの利用可能な構造であってもよい。
【0049】
[0057] 本開示の上述の実施形態が、本開示の原理の明確な理解のために記載された実装形態の可能な例にすぎないことを強調しておきたい。当然のことながら、構成要素及び/又は方法の考えられるすべての組合せを説明することは可能ではないが、当業者は、多くの更なる組合せ及び置換が可能であることを認識し得る。すなわち、本開示の要旨及び原理から実質的に逸脱することなしに、上述の実施形態(単数又は複数)に多くの変形及び修正を行うことができる。すべてのそのような修正及び変形が、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0050】
[0058] 本開示では、「顧客のやり取り」について言及する。本明細書で使用されるとき、「顧客のやり取り」という用語は、購入するための商品を選ぶことなど、小売場所での取り引き又は行動を実施するためのプロセスの任意の部分を指すために広く使用される。関与する具体的なステップは、小売業者、顧客、店舗構成、及び棚ユニットに依存して変わり得る。
【0051】
[0059] 本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、他の実施形態に限定されることを意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、そうでないことがコンテキストにより明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。「備える」、「備えている」、「含む」及び/又は「含んでいる」、「有する」及び/又は「有している」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではないことが更に理解されよう。機能、行動、及び/又は動作を行う「ための」ものとして説明されている要素は、そのようにするように構成されるか、又は他の形で構造化され得る。本明細書で使用されるとき、「及び/又は」という用語は、関連するリスト項目のうちの1つ又は複数のあらゆる組合せを含み、「/」と略す場合がある。
【0052】
[0060] 別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本明細書に記載の様々な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。更に、本明細書で使用される用語が、本明細書及び関連する技術分野のコンテキストでの意味と矛盾しない意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明確にそのように定義されていない限り、理想化された又は過度に正式な意味で解釈されるものではないことが理解されよう。
【0053】
[0061] 前述の内容は本開示の態様を対象としているが、本開示の他の及び更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなしに考案されてよく、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】