(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180362
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】座席アセンブリ、クリップ、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A47C 31/02 20060101AFI20241219BHJP
B29C 48/05 20190101ALI20241219BHJP
B29C 48/345 20190101ALI20241219BHJP
F16B 2/22 20060101ALI20241219BHJP
A47C 27/12 20060101ALI20241219BHJP
B68G 7/05 20060101ALI20241219BHJP
B60N 2/58 20060101ALN20241219BHJP
【FI】
A47C31/02 B
B29C48/05
B29C48/345
F16B2/22 B
A47C27/12 B
B68G7/05 Z
B60N2/58
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024096491
(22)【出願日】2024-06-14
(31)【優先権主張番号】63/508,301
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PA202370583
(32)【優先日】2023-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】18/629,363
(32)【優先日】2024-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599094510
【氏名又は名称】リア・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Lear Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】マーク カルジェス
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル エー.ブルジンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ハロック
【テーマコード(参考)】
3B087
3B096
3J022
4F207
【Fターム(参考)】
3B087DE03
3B087DE10
3B096AB08
3B096AD04
3B096AD07
3B096BA01
3J022EA41
3J022HA05
3J022HB02
3J022HB06
4F207AG14
4F207AH26
4F207KA01
4F207KA17
4F207KL64
(57)【要約】
【課題】クリップ、座席アセンブリ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】クリップは、クッション内に配置される。クッションは、フィラメントメッシュ構造体を備えていてもよい。クリップは、クリップをクッションに固定する少なくとも1つの棘部と、トリムカバーをクリップに固定する少なくとも1つの保持特徴部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面を備える脊椎状部と、
前記脊椎状部から延在する第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部と、
前記第1の保持特徴部及び前記脊椎状部のうちの少なくとも一方から延在する第1の棘部と、を備え、前記第1の棘部は、前記脊椎状部の前記底面から離れて延在する、クリップ。
【請求項2】
前記第1の保持特徴部及び前記第2の保持特徴部は、前記脊椎状部の頂面から延在し、前記頂面は、前記脊椎状部の前記底面の反対側に配置されている、請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記第2の保持特徴部及び前記脊椎状部のうちの少なくとも一方から延在する第2の棘部を更に備え、前記第2の棘部は、前記脊椎状部の前記底面から離れて延在する、請求項1に記載のクリップ。
【請求項4】
前記第1の棘部及び前記第2の棘部は、前記脊椎状部から間隔を空けて配置され、前記脊椎状部まで延在していない、請求項3に記載のクリップ。
【請求項5】
前記第1の棘部は、前記第2の棘部から離れて延在する、請求項3に記載のクリップ。
【請求項6】
前記第1の棘部は、第1の側面と第2の側面とを備え、前記第1の側面及び前記第2の側面は、互いに反対側に配置されて前記第1の保持特徴部から延在し、前記第1の側面及び前記第2の側面が前記第1の保持特徴部から離れる方向に延在するにつれて、前記第1の側面及び前記第2の側面は、互いに近づくように配置されている、請求項1に記載のクリップ。
【請求項7】
前記第1の側面は、前記第1の棘部の遠位端部で前記第2の側面に交差する、請求項6に記載のクリップ。
【請求項8】
前記第1の棘部は、上面と下面とを備え、前記上面と前記下面とが互いに反対側に配置されて前記第1の保持特徴部から延在し、前記上面と前記下面が前記第1の保持特徴部から離れる方向に延在するにつれて、前記上面と前記下面が前記脊椎状部から更に離れるように延在している、請求項1に記載のクリップ。
【請求項9】
前記上面は、前記下面に交差しない、請求項8に記載のクリップ。
【請求項10】
フィラメントの一式及び第1の面を備えるフィラメントメッシュ構造体と、
トリムカバーと、
前記フィラメントメッシュ構造体内に配置されたクリップと、
を備え、前記フィラメントの一式の各部材は、ループ状をなし、前記フィラメントの一式の少なくとも他の1つの部材に結合されており、
前記クリップは、
脊椎状部と、
第1のクリップ部分と、
を備え、前記第1のクリップ部分は、
前記脊椎状部から延在して前記トリムカバーを前記クリップに固定する第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部と、
前記第1のクリップ部分を前記フィラメントメッシュ構造体に固定する第1の棘部及び第2の棘部と、を備え、該第1の棘部及び該第2の棘部は、前記脊椎状部から離れる方向に前記フィラメントメッシュ構造体の前記第1の面に向かって延在している、座席アセンブリ。
【請求項11】
前記第1の棘部は、前記フィラメントの一式の部材間の隙間に受容される、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【請求項12】
前記フィラメントの一式の部材は、前記第1のクリップ部分の前記第1の棘部及び前記第2の棘部に接触する、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【請求項13】
前記フィラメントの一式の部材は、前記第1のクリップ部分の前記第1の棘部及び前記第1の保持特徴部に接触する、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【請求項14】
前記第1の棘部及び前記第2の棘部は、それぞれ前記第1の保持特徴部及び前記第2の保持特徴部から延在している、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【請求項15】
前記フィラメントメッシュ構造体は、前記第1の面から延在するスリットを更に備え、前記クリップは、前記スリット内に配置され、前記第1の面から間隔を空けて配置され、前記第1の面まで延在していない、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【請求項16】
前記フィラメントメッシュ構造体は、前記第1の面の反対側に配置された第2の面を更に備え、前記スリット及び前記クリップは、前記第2の面から間隔を空けて配置され、前記第2の面まで延在していない、請求項15に記載の座席アセンブリ。
【請求項17】
前記脊椎状部が自由状態にあるときに、前記脊椎状部は、直線状であり、前記脊椎状部が前記フィラメントメッシュ構造体の中に配置されたときに、前記脊椎状部の少なくとも一部分は、非直線状である、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【請求項18】
前記クリップは、第2のクリップ部分を更に備え、前記第2のクリップ部分は、前記脊椎状部から延在し、前記第1のクリップ部分から離れている、請求項10に記載の座席アセンブリ。
【請求項19】
前記フィラメントの一式の部材は、前記第1のクリップ部分及び前記第2のクリップ部分に接触する、請求項18に記載の座席アセンブリ。
【請求項20】
前記第1のクリップ部分と前記第2のクリップ部分が、前記フィラメントメッシュ構造体内の異なる高さ位置で互いに対して位置決めされるように、前記脊椎状部が弧に沿って延在している、請求項18に記載の座席アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な実施形態は、座席アセンブリ、トリムカバーを座席アセンブリに固定するクリップ、及び製造方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2023年6月15日に出願された米国仮特許出願第63/508,301号、2023年11月21日に出願されたデンマーク特許出願第PA202370583号、及び2024年4月8日に出願された米国非仮特許出願第18/629,363号の利益を主張するものであり、これらの出願の開示内容は、本引用によりその全体が本明細書に取り込まれる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの態様によれば、クリップは、底面を備える脊椎状部と、脊椎状部から延在する第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部と、第1の保持特徴部及び脊椎状部のうちの少なくとも一方から延在する第1の棘部と、を備え、第1の棘部は、脊椎状部の底面から離れて延在する。
【0004】
本発明の別の態様によれば、座席アセンブリは、第1の面及びフィラメントの一式を備えるフィラメントメッシュ構造体と、トリムカバーと、フィラメントメッシュ構造体内に配置されたクリップとを備え、フィラメントの一式の各部材は、ループ状をなし、フィラメントの一式の少なくとも他の1つの部材に結合されている。クリップは、脊椎状部と、第1のクリップ部分と、を備え、第1のクリップ部分は、脊椎状部から延在してトリムカバーをクリップに固定する第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部と、第1のクリップ部分をフィラメントメッシュ構造体に固定する第1の棘部及び第2の棘部と、を備え、第1の棘部及び第2の棘部は、脊椎状部から離れる方向にフィラメントメッシュ構造体の第1の面に向かって延在している。
【0005】
本発明の更なる態様については後述する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】座席アセンブリのクッションの一例の斜視図である。
【
図3】クッション用フィラメントメッシュ構造体を製造する製造システムの一例の概略図である。
【
図6】
図4に示すクリップの一部分の平面図である。
【
図7】
図4に示すクリップの一部分の側面図である。
【
図8】クリップの製造方法及びクッションへの取付け方法のフローチャートである。
【
図9】フィラメントメッシュ構造体の簡略側面図である。
【
図10】スリットを有するフィラメントメッシュ構造体の簡略側面図である。
【
図11】クリップを有するフィラメントメッシュ構造体の側面図であり、クリップが端面図として示されている。
【
図12】トリムカバーがクリップに固定されたフィラメントメッシュ構造体の簡略側面図である。
【
図13】クリップを有するフィラメントメッシュ構造体の側面図であり、クリップが側面図として示されている。
【
図14】クリップを有するフィラメントメッシュ構造体の一部分の一例の平面図である。
【
図15】フィラメントメッシュ構造体の中の異なる高さに位置決めされたクリップを示す、フィラメントメッシュ構造体の簡略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態を詳細に参照する。その例が添付図面に示されている。以下の詳細な説明において、様々な記載の実施形態の十分な理解を提供するために、数多くの特定の詳細を述べる。しかしながら、当業者には、様々な記載の実施形態をこれらの特定の詳細なしで実施できることが明白であろう。他の事例において、既知の方法、手順、構成要素、回路、及びネットワークについては、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように詳細には説明していない。
【0008】
開示される実施形態は例示にすぎず、様々な代替形態が可能であることを理解されたい。図面は、必ずしも正確な縮尺比で描かれているとは限らない。いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張又は最小化される場合がある。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、限定するものと解釈されるべきではなく、単に、本開示に係る実施形態を様々に採用するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0009】
「1つ以上の」は、機能が1つの要素によって行われること、機能が例えば分散方式で2つ以上の要素によって行われること、複数の機能が1つの要素によって行われること、複数の機能が複数の要素によって行われること、又は上記の任意の組合せを含む。
【0010】
また、第1の、第2の、等の用語が、いくつかの事例において、様々な要素を説明するために本明細書において使用されるが、これらの要素はこれらの用語によって制限されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、或る要素を別の要素から区別するために使用されるにすぎない。例えば、様々な記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の接点を第2の接点と称してもよく、同様に、第2の接点を第1の接点と称してもよい。第1の接点及び第2の接点は、どちらも接点であるが、同じ接点ではない。
【0011】
本明細書の様々な記載の実施形態の説明において使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的でしかなく、限定することを意図したものではない。様々な記載の実施形態の説明及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、文脈上明らかに別段の指定がなされていない限り、単数形(“a”, “an” and “the”)は、複数形も含むことを意図したものである。また、「及び/又は」という用語は、本明細書において使用される場合、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる可能な組合せを指し、これを包含するために使用されることを理解されるであろう。さらに、「~を備える」又は「~を含む」という用語は、本明細書において使用される場合、明記された特徴、完全体、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではないことを理解されるであろう。
【0012】
本明細書において使用される場合、「~する場合」という用語は、任意選択で、文脈に応じて、「~するとき」、又は「~するとすぐに」、又は「判断することに応じて」、又は「検出することに応じて」を意味するものと解釈される。同様に、「判断される場合」又は「[明記された条件又は事象]が検出される場合」という言い回しは、任意選択で、文脈に応じて、「判断するとすぐに」、又は「判断することに応じて」、又は「[明記された条件又は事象]を検出するとすぐに」、又は「[明記された条件又は事象]を検出することに応じて」を意味するものと解釈される。
【0013】
図1を参照すると、座席アセンブリ10の一例が示されている。いくつかの実施形態においては、座席アセンブリ10は、例えば、自動車、トラック、バスのような陸上車両用、又は航空機若しくは船舶のような非陸上車両用の車両座席アセンブリである。例えば、陸上車両用の座席アセンブリ10は、前列の運転席又は助手席、第2列、第3列、又は他の後列の座席として成形及びサイズ決定することができ、ベンチ型座席、バケット型座席、又は他の座席の型を含むことができる。さらに、座席アセンブリ10は、非格納式座席であってもよいし、車両の床の空洞内に折畳み可能又は折畳み可能かつ格納可能な格納式座席であってもよい。加えて、座席アセンブリ10は、家具等の非車両用途のために構成されてもよい。
【0014】
図1に示されている構成においては、座席アセンブリ10は、座席底部20と座席背部22とを備える。座席アセンブリ10がオートバイの座席すなわち腰掛として構成される場合等、いくつかの構成においては座席背部22を省略してもよいことが企図される。
【0015】
座席底部20は、着座者を受けて、着座者の骨盤及び大腿部を支持するように構成される。座席底部20は、座席底部フレーム30と、クッション32と、トリムカバー34とを備える。
【0016】
座席底部フレーム30は、クッション32を支持する構造体である。座席底部フレーム30は、1つ以上の構造部材を含み、金属合金、ポリマー材料、繊維強化ポリマー材料、又はそれらの組合せ等の任意の好適な材料から作製することができる。いくつかの構成においては、座席底部フレーム30は、クッション32が配置されるパネル、座席パン、懸架マット、又は懸架ワイヤを含む。
【0017】
クッション32は、座席底部フレーム30上に配置される。クッション32は、着座者を支持し、着座者からの荷重力を座席底部フレーム30に分散させるコンプライアント材料(弾力性材料)から作製される。クッション32及び関連する製造方法については、以下でより詳細に説明する。
【0018】
トリムカバー34は、クッション32の少なくとも一部を覆う。加えて、トリムカバー34は、座席背部22の1つ以上の視認可能な外面を提供する。着座者は、座席アセンブリ10に着座したときにトリムカバー34上に配置され得る。トリムカバー34は、任意の好適な単数又は複数の材料、例えば、布、皮革、合成皮革、ビニール、又はそれらの組合せから作製される。トリムカバー34は、融着又は縫合等の任意の好適な方法で組み立てられた複数のトリムパネルを含むことができる。トリムカバー34は、座席底部フレーム30、クッション32、又はその両方に取り付けられる。例えば、トリムカバー34は、トリムカバー34が外れることを阻止し、トリムカバー34を座席底部フレーム30、クッション32、又はその両方の輪郭に適合させるのを助けるために、座席底部フレーム30、クッション32、又はその両方に取り付けられるトリム取付け特徴部を備えることができる。トリムカバー34をクッション32よりも座席底部フレーム30に取り付けるために、異なるタイプのトリム取付け特徴部を採用することも企図される。
【0019】
座席背部22は、着座者の背中を支持するように構成される。座席背部22は、座席底部20に隣接して配置される。例えば、座席背部22は、座席底部20の上方かつ座席底部20の後側近傍に配置され得る。座席背部22は、座席底部20から離れるように略上方向に延在する。いくつかの構成においては、座席背部22は、座席底部20に取り付けられ、座席底部20に対して枢動可能とすることができる。他の構成においては、座席背部22は、座席底部20に取り付けられない。例えば、車両座席背部は、いくつかの第2列座席アセンブリのように、車体構造に取り付けられてもよい。座席背部22は、座席背部フレーム40と、クッション42と、トリムカバー44と、任意選択のヘッドレスト46とを備える。
【0020】
座席背部フレーム40は、クッション42を支持する構造体である。座席背部フレーム40は、1つ以上の構造部材を含み、金属合金、ポリマー材料、繊維強化ポリマー材料、又はそれらの組合せ等の任意の好適な材料から作製することができる。いくつかの構成においては、座席背部フレーム40は、クッション42が配置されるパネル、パン、懸架マット、又は懸架ワイヤを含む。座席背部フレーム40は、座席底部フレーム30と一体的に形成されてもよいことも企図される。
【0021】
クッション42は、座席背部フレーム40上に配置される。クッション42は、着座者を支持し、着座者からの荷重力を座席背部フレーム40に分散させるコンプライアント材料から作製される。クッション42は、座席底部20のクッション32と一体的に形成されてもよいか、又は座席底部20のクッション32とは別個であってもよいことが企図される。クッション42及び関連する製造方法については、以下でより詳細に説明する。
【0022】
トリムカバー44は、クッション42の少なくとも一部分を覆う。加えて、トリムカバー44は、座席背部22の1つ以上の視認可能な外面を提供する。着座者は、座席アセンブリ10に着座したときにトリムカバー44上に配置され得る。トリムカバー44は、任意の好適な単数又は複数の材料、例えば、布、皮革、合成皮革、ビニール、又はそれらの組合せから作製される。トリムカバー44は、融着又は縫合等の任意の好適な方法で組み立てられた複数のトリムパネルを含むことができる。トリムカバー44は、座席背部フレーム40、クッション42、又はその両方に取り付けられる。例えば、トリムカバー44は、トリムカバー44が外れることを阻止し、トリムカバー44を座席背部フレーム40、クッション42、又はその両方の輪郭に適合させるのを助けるために、座席背部フレーム40、クッション42、又はその両方に取り付けられるトリム取付け特徴部を備えることができる。トリムカバー44をクッション42よりも座席背部フレーム40に取り付けるために、異なるタイプのトリム取付け特徴部を採用してもよいことが企図される。
【0023】
ヘッドレスト46が設けられる場合、ヘッドレスト46は、着座者の頭部を支持するように構成される。ヘッドレスト46は、座席背部22の頂部に、すなわち座席底部20の反対側に配置された座席背部22の端部に配置される。ヘッドレスト46は、座席背部22に対して1つ以上の方向に移動可能とすることができるか、又は座席背部22と一体的に形成することができる。
【0024】
図2を参照すると、クッション50の一例が示されている。クッションは、参照の便宜上、全体的に参照符号50で示される。クッション50の構造及び説明は、座席底部20のクッション32、座席背部22のクッション42、又はその両方に適用可能であることを理解されたい。
【0025】
いくつかの実施形態においては、クッション50は、非発泡構成要素であるか、又は少なくとも1つの非発泡構成要素を含む。非発泡構成要素は、主に、フィラメントメッシュ構造体と呼ばれるが、メッシュクッション、メッシュ構造体、又はストランドメッシュとも呼ばれ得る。
図2においては、クッション50は、ウレタンフォーム又はポリウレタンフォーム等の発泡構成要素すなわち発泡材料を含まない、非発泡構成要素として描かれるが、クッション50は、また、非発泡構成要素に加えて、発泡構成要素すなわち発泡材料を含み、付加的なクッション性又は局所的なクッション性を着座者に提供し得ることが企図される。例えば、発泡材料は、クッション50と、クッション50上に配置されるトリムカバー(例えば、トリムカバー34、44)との間に、クッション50内に、又はそれらの組合せで設けることができる。クッション50に提供される発泡材料の量を低減すること、又はクッション50から発泡材料を排除することにより、重量を低減し、着座者の支持性及び快適性を向上させることができる。
【0026】
クッション50については、以下、クッション50が発泡材料を含んでいないという状況で説明する。この状況において、クッション50は、以下でより詳細に説明するように、無作為にループ状にされ、曲げられ、カール状にされ、又は絡み合わされ、共に結合されたポリマー材料のフィラメント52から作製される。フィラメント52の一例を有するクッションの拡大図を
図11及び
図13に示す。フィラメント52は、樹脂又は他の中間材料で間接的に結合されるのではなく、別のフィラメント52に直接的に結合される。
【0027】
ストランド又はスレッドとも称され得るフィラメント52は、任意の適切な単数又は複数の材料から作製される。いくつかの構成において、フィラメント52は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリイミド系、ポリオレフィン系(例えば、ポリプロピレン系、ポリエチレン系等)、ポリスチレン系、又はそれらの組合せである熱可塑性樹脂等のポリマー材料又は熱可塑性材料から作製される。1つの例として、ポリエチレン系フィラメントは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPDE)から作製されてもよい。フィラメント材料は、発泡材料とは異なりリサイクル可能であり得るか、又は発泡材料よりも容易にリサイクルされ得る。フィラメント52が強化繊維を含んでもよく、強化繊維が熱可塑性材料で作製されていなくてもよいことも企図される。
【0028】
いくつかの構成において、フィラメント52は、単一の材料から作製されるモノフィラメントであってもよい。いくつかの構成において、フィラメント52は、複数の材料から作製される。一例として、複数の材料から作製されたフィラメント52は、第1の熱可塑性材料から作製されたコア(芯)と、コアを取り囲み、第1の熱可塑性材料とは異なる第2の熱可塑性材料から作製されたシース(外被)とを含み得る。クッション50は、モノフィラメントと、複数の材料から作製され、モノフィラメントではないフィラメントとの組合せを含んでもよいことが企図される。
【0029】
無作為にループ状にされ、曲げられ、輪状にされ、カール状にされ、又は絡み合わされたフィラメント52は、1つのフィラメント52が別のフィラメント52に接触する場所で共に結合され、それによって、フィラメント52間の開口部すなわち空隙を有する軽量の通気性クッション(例えば、クッション32及び/又は42)すなわちメッシュ構造体がもたらされる。クッションすなわちフィラメントメッシュ構造体を製造する製造システム60の一例も
図3に示す。この例において、製造システム60は、材料供給部70、押出機72、及び漏斗74を備える。製造システム60は、また、冷却タンク76及びマテリアルハンドリングサブシステム78を備える。
【0030】
図3を参照すると、材料供給部70は、上記材料から作製された固体ビーズ、フレーク、顆粒、ペレット、又は粉末等の押し出される原材料を保持する。いくつかの構成においては、材料供給部70は、容器又はホッパーとして構成される。材料供給部70は、原材料を押出機72へ供給する。
【0031】
押出機72は、原材料を溶融し、原材料を押し出してフィラメント52の一式にする。押出機72は、任意の好適な構成を有することができる。いくつかの構成においては、押出機72は、回転可能なスクリュー及び加熱要素を収容するバレルを備える。スクリューの回転は、バレルの中を通して材料を移動させ、スクリューが回転するときに発生する摩擦により材料を加熱するのを助ける。材料は、加圧された溶融状態でバレルを出て、押出機72のダイ80へ輸送される。
【0032】
ダイプレート又は押出ダイとも称され得るダイ80は、溶融材料が通過する複数の貫通孔すなわちフィラメント形成開口部を有する。単一のフィラメント52が各貫通孔から押し出される。フィラメント52は、重力下でダイ80から漏斗74へと下向きに落下する。
【0033】
漏斗74は、フィラメントが曲がるか、カール状となるか、又はループ状となり、フィラメント52が少なくとも他の1つのフィラメント52に接触及び結合する、よりコンパクトな配列にフィラメント52を統合すなわちグループ化する。漏斗74は、漏斗入口と、漏斗入口よりも小さい漏斗出口とを有する。個々の分離されたフィラメント52は、漏斗入口に入る。フィラメント52は、曲がるか、カール状となるか、又はループ状となり、蓄積するにつれて移動して接触する。フィラメント52は、漏斗出口へ向かって漏斗74を滑り落ちる。フィラメント52の一式の各部材は、フィラメント52の一式の少なくとも他の1つの部材と結合していてもよい。結合部が、接触点においてフィラメント52間に形成され、一方、フィラメント52間の開口部すなわち空隙が、1つのフィラメント52が別のフィラメント52に接触又は結合しない他の場所に存在する。絡み合って結合したフィラメント52は、漏斗74の漏斗出口を通過し、冷却タンク76に入る。参照の便宜上、結合されたフィラメント52は、フィラメントメッシュ構造体90と称される。
【0034】
冷却タンク76は、水又は水と別の流体との混合物等の液体を保持する。冷却タンク76内の液体は、絡み合って結合したフィラメント52を支持して、フィラメント52がより開口部すなわち孔の少ない配置に更に圧縮すなわち圧密化されるのを制限するのに役立ち、フィラメントメッシュ構造体90の所望の多孔性及び密度を維持する。したがって、液体は、フィラメントメッシュ構造体90を更に構築するように、液体の表面に隣接して又は漏斗74内でフィラメント52が更に曲がるか、カール状となるか、又はループ状となり得る、或る程度の浮力又は抵抗を提供する。液体は、また、フィラメント52が液体中にあるときにフィラメント52を冷却する。例えば、液体は、フィラメント52を外側から冷却してフィラメント52を凝固させ、フィラメント52が更なる場所で結合するのを防止する。この時点で、フィラメント52は、比較的堅くなり、もはや塑性状態ではなくなることで、概して、形状を維持し、再加熱されることなくしては成形可能又は再成形可能ではなくなっている。
【0035】
マテリアルハンドリングサブシステム78は、冷却タンク76を通してフィラメントメッシュ構造体90を輸送する。マテリアルハンドリングサブシステム78は、液体を通して液体の外にフィラメントメッシュ構造体90を移動させるのを助ける様々なローラー及びコンベヤを備える。いくつかの構成においては、牽引コンベヤ92が、冷却タンク76内に設けられ、フィラメントメッシュ構造体90を漏斗74から引き離すことに役立ち、フィラメント52の浮力に対抗する。
【0036】
ローラー94等の1つ以上の他のローラーは、フィラメントメッシュ構造体90を液体中に浸漬された状態に保ち、冷却タンク76を通してフィラメントメッシュ構造体90を誘導する。例えば、ローラー94は、フィラメントメッシュ構造体90を、冷却タンク76の外側に配置されたコンベヤベルト96及び振とう機テーブル98へ向けて誘導することができる。振とう機テーブル98は、液体を除去するために、フィラメントメッシュ構造体90がコンベヤベルト96上にある間にフィラメントメッシュ構造体90を振とうさせる。代替的に、又は加えて、フィラメントメッシュ構造体90は、液体を除去するために圧搾されてもよく、空気が、フィラメントメッシュ構造体90から液体を除去するために、フィラメントメッシュ構造体90に向かって吹き付けられてもよく、又は両方であってもよい。
【0037】
上記の製造システム60は、フィラメント押出しが中断されない場合にフィラメントメッシュ構造体90が連続的な構造体として形成される連続フロープロセスである。フィラメントメッシュ構造体90を個々のクッション用の個々の部品すなわち素材(ブランク)に切断する、フィラメントメッシュ構造体90の更なる処理が冷却タンク76を出た後に提供される。このような処理は、製造システム60の切断サブシステムによって行われる。切断サブシステムは、任意の好適なタイプのものとすることができる。例えば、切断サブシステムは、ブレード、ナイフ、ホットナイフ、鋸、流体ジェット等を用いて、フィラメントメッシュ構造体90のフィラメント52を切断して素材にすることができる。また、切断サブシステムは、以下でより詳細に説明するように、クリップを受けるフィラメントメッシュ構造体90のスリットを切断することもできる。いくつかの構成において、フィラメントメッシュ構造体90は、切断前、切断後、又はその両方で型成形又は成形される。
【0038】
図4を参照すると、クリップ100の一例が示される。クリップ100は、フィラメントメッシュ構造体90を含むクッション50等のクッションにトリムカバーを固定するように構成されているが、クリップ100は、発泡体を含む又は発泡体で作製されたクッションが設けられてもよいことが企図される。参照の便宜上、トリムカバーは、全体的に参照符号102で示される。トリムカバー102は、座席底部20のトリムカバー34であってもよいし、座席背部22のトリムカバー44であってもよい。トリムカバー102の一部分の例を
図12に示す。
【0039】
図4を引き続き参照すると、クリップ100は、任意の適切な(単数又は複数の)材料から作製される。いくつかの構成において、クリップ100はポリマー材料から作製される。クリップ100は、フィラメント52と同じ材料から作製されてもよいし、フィラメント52とは異なる材料から作製されてもよい。ポリマー材料は、リサイクル可能であってもよい。クリップ100は、任意の適切なプロセスを用いて製造される。例えば、クリップ100は、型成形されてもよいし、3Dプリンティング等の付加製造プロセスを用いて作製されてもよい。クリップ100は、フィラメントメッシュ構造体90に取り付けられる適切な長さに切断され得る単一の一部品構成要素として作製されることが企図される。
【0040】
クリップ100は、1つ以上のクリップ部分110を含む。複数のクリップ部分110を有する構成においては、脊椎状部112がクリップ100に設けられる。このような構成において、脊椎状部112がクリップ部分110を相互接続する。クリップ部分110は、1つのクリップ部分110と隣接するクリップ部分110との間に隙間114が設けられるように、互いに間隔を空けて配置される。クリップ100は、主として、複数のクリップ部分110を有するクリップ100に関して説明される。
【0041】
図4及び
図5を参照すると、脊椎状部112の一例が示される。脊椎状部112には柔軟性があり、以下でより詳細に説明するように、クリップ部分110を互いに対して様々な向きに位置決めすることができる。脊椎状部112は、
図4に示すように脊椎状部112が自由状態にあるときに直線状の脊椎状部軸線120に沿って延在してすなわち直線状であってもよい。脊椎状部112は、底面130及び頂面132を含む。
【0042】
底面130は、クリップ部分110と反対の側を向いている。いくつかの構成において、底面130は、クリップ100の長さで延在している。
【0043】
頂面132は、底面130の反対側に配置されている。したがって、頂面132は、クリップ部分110の側を向いている。いくつかの構成において、頂面132は、区分されて1つのクリップ部分110から隣接するクリップ部分110まで延在しており、すなわち隣接するクリップ部分110、110の間に見える。
【0044】
図4及び
図5に示す構成においては、脊椎状部112は、クリップ部分110の下に配置されている。また、脊椎状部112は、これらの図に示されているよりも高い位置に配置されてもよいことが企図される。例えば、脊椎状部112は、1つ以上のクリップ部分110の下に配置されるのではなく、第1のクリップ部分110の、隣接する第2のクリップ部分110を向いている側面から、隣接する第2のクリップ部分110の、第1のクリップ部分110を向いている対応する側面まで延在していてもよい。一例として、脊椎状部112は、
図5に示す位置から上に移動されて、
図5に示す頂面132が底面130となり、頂面132が図示の視点から見るとクリップ部分110の背後に隠れるようにされてもよい。
【0045】
主に
図5を参照すると、クリップ部分110は、少なくとも1つの保持特徴部140と少なくとも1つの棘部142を含む。
【0046】
保持特徴部140は、脊椎状部112から延在している。いくつかの構成において、保持特徴部140は、脊椎状部112の頂面132から延在している。
図5に示す構成においては、クリップ部分110は、第1の保持特徴部140と第2の保持特徴部140とを含む。参照の便宜上、第1の保持特徴部140は
図5において左側に配置され、第2の保持特徴部140は右側に配置されてもよい。
【0047】
第1の保持特徴部140及び第2の保持特徴部140は、それぞれ、脊椎状部112から離れる方向に延在する腕部150を有する。例えば、腕部150は、クリップ部分110の中心平面154に関するすなわち中心平面154に沿う第1の方向152に、脊椎状部112から離れて延在していてもよい。中心平面154は、クリップ部分110を二等分してもよい。図示の構成においては、中心平面154は、第1の保持特徴部140と第2の保持特徴部140との間に、すなわち第1の保持特徴部140が第2の保持特徴部140と接する位置に配置される。第1の方向152は、脊椎状部112から離れる方向、すなわち
図5に示す視点から見ると上方向に延在している。中心平面154は、脊椎状部112を通って延在していてもよい。例えば、中心平面154は、脊椎状部112を二等分してもよい。脊椎状部軸線120は、クリップ100が自由状態にあるとき等、クリップ部分110の中心平面154内に配置されてもよい。
【0048】
第1の保持特徴部140の腕部150は、第2の保持特徴部140の腕部150から間隔を空けて配置される。したがって、腕部150、150は、それらの間に少なくとも部分的に空洞156を画定するように協働する。
【0049】
いくつかの構成において、腕部150は、腕部150の遠位端部に設けられた鉤部160を含む。第1の保持特徴部140の腕部150の鉤部160は、第2の保持特徴部140の腕部150の鉤部160に向かって延在することができ、それによって、鉤部160、160の間に、空洞156の隣接部分よりも狭い隙間162を提供する。鉤部160、160は、以下でより詳細に説明するように、トリムカバー102のトリム取付け特徴部を空洞156内に保持し固定するのに役立つ。
【0050】
1つ以上の棘部142がクリップ部分110に設けられている。棘部142は、保持特徴部140、脊椎状部112、又はその両方から延在している。
図5においては、2つの棘部142、142が示されており、第1の棘部142は第1の保持特徴部140から延在し、第2の棘部142は第2の保持特徴部140から延在している。いくつかの構成において、棘部142は、脊椎状部112から間隔を空けて配置され、脊椎状部112から延在していない。そのような構成において、棘部142は、中心平面154及び空洞156から離れる方向に、対応する保持特徴部140から延在する。同様に、脊椎状部112から延在する棘部もまた、中心平面154、空洞156、又はその両方から離れる方向に延在し得る。
【0051】
棘部142は、中心平面154に平行でなくかつ垂直でない関係で配置されている。さらに、棘部142は、脊椎状部112の底面130から離れる方向、すなわち
図5の視点から見ると上方向に延在するように方向付けられている。したがって、棘部142は、脊椎状部112からの距離が大きくなるにつれて第1の方向152に延在する。したがって、棘部142は、棘部142が脊椎状部112及び中心平面154から離れる方向に延在するにつれて、底面130から更に離れるように延在することができる。図示の構成において、第1の棘部142は、第2の棘部142から離れる方向に延在している。このように、第1の棘部142及び第2の棘部142は、互いに対してすなわち中心平面154に関して反対方向に延在することができる。
【0052】
棘部142は、直線的又は非直線的に、底面130から離れる方向に延在することができる。
図5において、各棘部142は、対応する棘部軸線170に沿って延在するように図示されている。棘部軸線170は、
図5に示されるように、中心平面154と鋭角172で交差し、
図6に示されるように、上から見たときすなわち平面視で見たときに、中心平面154に対して実質的に垂直に配置され得る。「実質的に垂直」という用語は、本明細書においては、垂直と同じか又は非常に近いという特徴すなわち軸線を指定するために使用され、互いに垂直である状態から±3度の範囲以内という特徴を含む。いくつかの構成において、棘部軸線170は、第1の保持特徴部140が第2の保持特徴部140に接する位置などの脊椎状部112に交差しない位置で、中心平面154と交差する。また、棘部142は、湾曲していてもよいし、非直線状に延在していてもよいことが企図される。例えば、棘部142又は棘部142の一部は、図示の視点から上向きに湾曲したすなわち脊椎状部112に対して凸状であり得る弧又は曲線に沿って延在することができる。
【0053】
いくつかの構成において、棘部142は、上面180、下面182、第1の側面184、及び第2の側面186を含む。
【0054】
上面180は、脊椎状部112から離れる方向を向いている。いくつかの構成において、上面180は、対応する保持特徴部140から延在している。例えば、上面180は、対応する保持特徴部140の腕部150に交差していてもよいし、腕部150から延在していてもよい。上面180は、対応する保持特徴部140から延在して保持特徴部140から離れるにつれて、脊椎状部112から更に離れるように延在する。上面180は、平面又は非平面の構成を有していてもよい。
【0055】
下面182は、上面180の反対側に配置されている。したがって、下面182は、脊椎状部112の側を向いている。いくつかの構成において、下面182は、対応する保持特徴部140から延在している。いくつかの構成において、下面182は、脊椎状部112に交差し、すなわち脊椎状部112から延在している。下面182は、平面又は非平面の構成を有していてもよい。下面182は、対応する保持特徴部140から延在して保持特徴部140から離れるにつれて、脊椎状部112から更に離れるように延在する。いくつかの構成において、下面182は、上面180よりも長さが長い。
【0056】
いくつかの構成において、下面182は、上面180と実質的に平行に配置される。本明細書において使用される「実質的に平行」という用語は、平行と同じか又は平行に非常に近いことを意味し、互いに平行である状態から±3度の範囲内の特徴又は軸線を含む。下面182が上面180に対して実質的に平行に配置されている場合、下面182は、上面180に交差しない。いくつかの構成において、下面182と上面180は、非平行な関係で配置される。例えば、中心平面154からの距離が大きくなるにつれて、下面182と上面180とが接近するようにしてもよい。棘部142の遠位端部等において、下面182が上面180に交差し得ることが、いくつかの構成において企図される。
【0057】
図5~
図7を参照すると、第1の側面184は、対応する保持特徴部140から延在している。例えば、
図5に最もよく示されているように、第1の側面184は、対応する保持特徴部140の突出部190から延在していてもよく、保持特徴部140の腕部150から間隔を空けて配置されていてもよい。また、第1の側面184又はその一部が腕部150から延在していてもよいことが企図される。第1の側面184は、上面180から下面182まで延在する。
図6に最もよく示されているように、第1の側面184は、中心平面154からの距離が大きくなるにつれて、第2の側面186に向かって延在する。例えば、第1の側面184は、中心平面154からの距離が大きくなるにつれて、対応する棘部軸線170に向かって延在する、すなわち対応する棘部軸線170に近づくようにされていてもよい。第1の側面184は、平面であっても非平面であってもよいことが企図される。
【0058】
第2の側面186は、対応する保持特徴部140から延在し、第1の側面184の反対側に配置される。例えば、第2の側面186は、対応する保持特徴部140の突出部190から延在していてもよく、保持特徴部140の腕部150から間隔を空けて配置されていてもよい。また、第2の側面186又はその一部が腕部150から延在していてもよいことが企図される。第2の側面186は、上面180から下面182まで延在している。第2の側面186は、中心平面154からの距離が大きくなるにつれて、第2の側面186に向かって延在する。例えば、第2の側面186は、中心平面154からの距離が大きくなるにつれて、対応する棘部軸線170に向かって延在する、すなわち対応する棘部軸線170に近づくようにされていてもよい。このような構成により、以下でより詳細に説明するように、クッション50へのクリップ100の取付けを容易にすることができる。第2の側面186は、平面であっても非平面であってもよいことが企図される。
【0059】
いくつかの構成において、第1の側面184は、棘部142の遠位端部192において第2の側面186に交差する。これは、第1の側面184及び第2の側面186が、
図6に最もよく示されるように、垂直方向に合わせた平面構成を有する場合、上方から見たとき、三角形の構成を有する棘部142をもたらし得る。また、遠位端部192は、直線状の縁部に沿ったものではなく、丸みを帯びたり、又は半径が設けられたりしてもよいことが企図される。
【0060】
図8を参照すると、クリップ100の製造方法及びクッション50への取付け方法のフローチャートが示されている。クッションは、クッションがフィラメントメッシュ構造体90である場合について説明される。
図9~
図12は、方法ステップに関連する例を示す。
【0061】
ブロック200において、フィラメントメッシュ構造体90が製造される。フィラメントメッシュ構造体90は、先に説明したように、製造システム60を用いて製造されてもよい。フィラメントメッシュ構造体90の一部分の一例を
図9に示す。
図9は、簡略化のために個々のフィラメント52を示さずにフィラメントメッシュ構造体90を簡略化して示している。
【0062】
ブロック202においては、フィラメントメッシュ構造体90にスリット210が設けられる。いくつかの構成において、スリット210は、先に説明したように、製造システム60の切断サブシステムによって提供される。したがって、スリット210は、フィラメントメッシュ構造体90のいくつかのフィラメント52を切断することによって設けることができる。スリット210の一例を
図10に示す。スリット210は、フィラメントメッシュ構造体90の第1の面212から、第1の面212の反対側に配置されたフィラメントメッシュ構造体90の第2の面214へ向かって延在している。いくつかの構成において、スリット210は、フィラメントメッシュ構造体90の厚さ方向に通る部分的な切れ目であり、第2の面214まで延在していない。いくつかの構成において、スリット210は、フィラメント52を切断することなく、フィラメントメッシュ構造体90にくぼみを形成することによって設けられる。例えば、スリット210は、第1の面212から延在する溝すなわち穴のようなスリット210を設けるようにフィラメントメッシュ構造体90を型成形又は再成形することにより設けられ得る。一例として、フィラメントメッシュ構造体90又はスリット210が設けられるフィラメントメッシュ構造体90の領域は、流体(例えば、気体、液体、又はその両方)で加熱されてフィラメントメッシュ構造体を軟化させ、軟化したフィラメント52が、第1の面212に対して係合されるロッド又は棒体等の金型又は他の工具の成形面の形状に適合するようにしてもよい。あるいは、流体は、1つ以上のノズルを介する等して加圧下で供給されてもよく、フィラメント52を加熱すると同時に、スリット210を形成するのに十分な力をフィラメント52に及ぼすことができる。その後、フィラメントメッシュ構造体90を冷却して、フィラメント52を硬くし、フィラメントメッシュ構造体90及びスリット210の形状を設定してもよい。
【0063】
ブロック204において、クリップ100は、スリット210に挿入され、フィラメントメッシュ構造体90に取り付けられる。クリップ100の挿入の一例を
図11に示す。拡大先端部222を有する工具220は、クリップ100の第1の保持特徴部140と第2の保持特徴部140との間の隙間162を通して空洞156の底部へ向かって挿入される。隙間162は、
図5に最もよく示されている。工具220によって及ぼされる力によって、第1の保持特徴部140及び第2の保持特徴部140の腕部150、150が互いに離れるように撓み、それによって、拡大先端部222が鉤部160、160を越えて空洞156内へ移動し、クリップ100を工具220に一時的に固定することを可能にする。
【0064】
工具220及びクリップ100は、スリット210と位置合わせされる。工具220とフィラメントメッシュ構造体90との間の相対的な動きは、下向きに指し示す矢印線で表されるように、工具220及びクリップ100をスリット210に向けて作動させる等して、クリップ100をスリット210内に移動させる。工具220によって及ぼされる力は、クリップ100をスリット210に進入させるのに充分であり、腕部150、150がスリット210に進入する前に、脊椎状部112がスリット210に進入する。棘部142、142が楔のように作用して、クリップ100がフィラメント52を押し広げる。フィラメント52は、クリップ100の挿入によってフィラメント52が切られたり切断されたりしないように、十分に柔軟であってもよい。
【0065】
クリップ100は、クリップ100がフィラメントメッシュ構造体90の第1の面212を越えて挿入され、すなわち、クリップ100が第1の面212から間隔を空けて配置され、第1の面212から延在しないように充分な深さまで挿入される。スリット210の構成によっては、この位置決めによって、いくつかのフィラメント52がクリップ100の上を延在してもよい。例えば、フィラメント52は、第1の面212と、脊椎状部112から最も離れて配置されている腕部150の最上部領域との間に配置されてもよい。これらのフィラメント52は、クリップ100の存在が着座者に知覚されないように、クッションの着座者にクッション性を提供するのに役立たせることができる。
【0066】
いくつかの構成において、クリップ100は、クリップ100がフィラメントメッシュ構造体90に取り付けられたときに、フィラメントメッシュ構造体90の第2の面214から間隔を空けて配置され、フィラメントメッシュ構造体90の第2の面214まで延在していない。その結果、クリップ100は、第2の面214に接触しない。
【0067】
クリップ100の挿入により、フィラメント52の少なくともいくつかが棘部142に接触するように棘部142がフィラメント52と相互作用し、クリップ100がフィラメントメッシュ構造体90に保持されるように棘部142がフィラメント52に捕捉される。棘部142の少なくとも一部は、フィラメント52の一式の部材間の空隙すなわち隙間230に受容される。分かりやすくするために、
図11においてはいくつかの隙間230のみに符号が付されている。他の場所では、棘部142は、フィラメント52の一式の1つ以上の部材に接触する。
【0068】
フィラメント52がループ状又はカール状であることにより、フィラメント52は、様々な位置でクリップ100に接触することができる。いくつかの構成において、フィラメント52の一式の少なくとも1つの部材が、クリップ部分110の第1の棘部142及び第2の棘部142に接触する。この一例は、
図11のフィラメント52’である。いくつかの構成において、フィラメント52の一式の少なくとも1つの部材は、少なくとも1つの保持特徴部140及び保持特徴部140から延在する棘部142に接触する。フィラメント52’もまた、この構成の一例を提供する。しかしながら、フィラメントは、別の保持特徴部及び/又はその対応する棘部に接触して又は接触することなく、保持特徴部及び対応する棘部と接触してもよいことを理解されたい。
【0069】
いくつかの構成において、フィラメント52の一式の少なくとも1つの部材が、複数のクリップ部分110に接触する。この一例を
図13に示す。
図13は、フィラメントメッシュ構造体90のスリット210内に挿入された第1のクリップ部分110及び第2のクリップ部分110の側面図であり、スリット210は、図示の視点からははっきりとは見えない。フィラメント52’’等のフィラメント52の一式の少なくとも1つの部材が、第1のクリップ部分110及び第2のクリップ部分110に接触する。
図13において、第1のクリップ部分110は、1番左にあるクリップ部分であり、第2のクリップ部分110は、1番右にあってもよい。フィラメント52’’は、第1のクリップ部分110の棘部142及び第2のクリップ部分110の棘部142の周囲でループ状又はカール状になって接触するように図示されているが、フィラメント52’’は、一方又は両方の棘部142の周囲で閉ループを形成したり、又は一方又は両方の棘部142を取り囲んだりする必要はないことを理解されたい。例えば、フィラメント52は、棘部142の上方に延在して上面180に係合してもよいし、棘部142の別の面に接触してもよいし、又はそれらの組合せであってもよい。いくつかの例においては、棘部142の下面182に接触するフィラメントは、クリップ100の下方への移動又は傾きを制限するのに役立ち得て、第1の側面184又は第2の側面186等の棘部142の側面に接触するフィラメント52は、スリット210に沿った少なくとも1つの方向、又はスリット210内の少なくとも1つの方向へのクリップ100の移動を防止又は制限することができる。
【0070】
クリップ100がフィラメントメッシュ構造体90内に挿入されると、工具220は、クリップ100から外される。例えば、スリット210内へのクリップ100の挿入に関連する方向と反対の方向への工具220とフィラメントメッシュ構造体90との間の相対的な移動により、第1の保持特徴部140及び第2の保持特徴部140の腕部150、150が互いに離れるように撓み、それによって、拡大先端部222が鉤部160、160を通過して空洞156から外へ移動することを可能にし、それにより、クリップ100の係合が解除される。クリップ100は、フィラメント52がクリップ100と相互作用することによって提供される抵抗力すなわち保持力により、フィラメントメッシュ構造体90内に固定されたままである。
【0071】
図12を参照すると、簡略化のために個々のフィラメント52を示さないフィラメントメッシュ構造体90の簡略化された描写が、トリムカバー102と共に示されている。いくつかの構成において、トリムカバー102は、クリップ100がスリット210内に挿入され、フィラメントメッシュ構造体90に固定された後に取り付けられる。例えば、トリムカバー102は、スリット210を通って空洞156内に挿入されるトリム取付け特徴部240を含むことができる。トリムカバー102は、フィラメントメッシュ構造体90の第1の面212の少なくとも一部分に配置されるか、又は第1の面212の一部分にわたって延在していてもよい。トリム取付け特徴部240は、トリムカバー102の一つ又は複数の外装パネルから、スリット210を通って空洞156内に延在する。
【0072】
充分な力でトリム取付け特徴部240をスリット210内に挿入すると、第1の保持特徴部140及び第2の保持特徴部140の腕部150、150が互いに離れるように撓み、それによって、トリム取付け特徴部240が空洞156に入ることができる。
【0073】
トリム取付け特徴部240は、空洞156からのトリム取付け特徴部240の取外しに抵抗するような形状であってもよい。例えば、トリム取付け特徴部240は、その先端部が細くなるテーパー状又は矢印状の構成を有してもよい。トリム取付け特徴部240は、トリムカバーパネルに近いほど幅広であってもよいし、そうでなければ、鉤部160、160がトリム取付け特徴部240に係合又は把持して、トリム取付け特徴部240を空洞156内に保持するのに役立つように構成されていてもよい。クリップ100がフィラメントメッシュ構造体90内に挿入される前に、トリム取付け特徴部240が空洞156内に挿入されてもよいことが企図される。
【0074】
図14を参照すると、クリップ100がスリット210に受け入れられた状態で、クッション50の一部が示されている。スリット210は、直線部分250及び非直線部分252の例を有する。非直線部分252は、弧又は曲線に沿って延在している。クリップ100は、脊椎状部112の柔軟性により、クリップ100が取り付けられるときにスリット210の経路に沿う。したがって、クリップ100及びその脊椎状部112がフィラメントメッシュ構造体90内に配置されるとき、スリット210の非直線部分252に受容される一部分等、脊椎状部112の少なくとも一部分は、非直線状である。
【0075】
図15を参照すると、簡略化のために個々のフィラメント52を示していないフィラメントメッシュ構造体90の簡略化された描写が、クリップ100の一部分と共に示されている。脊椎状部112は、平面内で曲線をなす経路に沿って可撓性があるだけでなく、直線経路又は曲線経路に沿って平面外へも可撓性がある。例えば、脊椎状部112は、1つ以上のクリップ部分110がフィラメントメッシュ構造体90内において互いに異なる高さに位置決めされるように、弧に沿って延在することができる。参照の便宜上、
図15のクリップ部分110は、左から右に、第1のクリップ部分、第2のクリップ部分、及び第3のクリップ部分という。
【0076】
この例においては、第1のクリップ部分は、第2のクリップ部分よりも高い位置に配置され、これにより、第1のクリップ部分は、第2のクリップ部分よりも第2の面214から離れた位置に位置決めされる、すなわち、第2のクリップ部分よりもクッションを貫通して延在する水平基準面260から離れた位置に位置決めされる。水平基準面260は、第1の面212と第2の面214との間の中間点等、クッションの中心又はその近くに配置することができる参照面すなわち基準面である。第2のクリップ部分は、第3のクリップ部分よりも高い位置にあるように図示されている。さらに、第2のクリップ部分は、水平基準面260並びに第1のクリップ部分及び第3のクリップ部分に対して斜めに配置されているように図示されている。また、隣接するクリップ部分110は、異なる高さに配置されてもよいが、水平基準面260に対して共通の関係で配置されてもよいことが企図される。したがって、本発明は、クリップ部分110を、クッションの輪郭に沿うように、曲線経路、直線経路に沿って、異なる高さで互いに位置決めすることを可能にし、クリップ部分110を第1の面212に対して同じ深さ又は異なる深さに位置決めすることを可能にする。この可能性により、クッションの輪郭に沿わせながらクリップ部分110をクッション内に十分な深さまで挿入することができ、着座者の快適性を維持することに役立つ。
【0077】
クッションに上記のようなクリップを使用することにより、クリップをクッションに確実に固定することができ、それにより、クリップ及び関連するトリムカバーが所望の位置に留まることができ、これは、トリムカバーの張りを維持するのに役立ち、望ましくない外観を与える可能性のあるしわ又はひだの形成を回避する。フィラメントメッシュ構造体を有するクッションにクリップを使用する場合、クリップは、取り外して交換することができるため、再加工が容易で無駄を省くことができる。
【0078】
第1項.底面を備える脊椎状部と、脊椎状部から延在する第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部と、第1の保持特徴部及び脊椎状部のうちの少なくとも一方から延在する第1の棘部と、を備え、第1の棘部は、脊椎状部の底面から離れて延在する、クリップ。
【0079】
第2項.第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部は、脊椎状部の頂面から延在し、頂面は、脊椎状部の底面の反対側に配置されている、第1項に記載のクリップ。
【0080】
第3項.第2の保持特徴部及び脊椎状部のうちの少なくとも一方から延在する第2の棘部を更に備え、第2の棘部は、脊椎状部の底面から離れて延在する、第1項又は第2項に記載のクリップ。
【0081】
第4項.第1の棘部及び第2の棘部は、脊椎状部から間隔を空けて配置され、脊椎状部まで延在していない、第3項に記載のクリップ。
【0082】
第5項.第1の棘部は、第2の棘部から離れて延在する、第3項又は第4項に記載のクリップ。
【0083】
第6項.第1の棘部は、第1の側面と第2の側面とを備え、第1の側面及び第2の側面は、互いに反対側に配置されて第1の保持特徴部から延在し、第1の側面及び第2の側面が第1の保持特徴部から離れる方向に延在するにつれて、第1の側面及び第2の側面は、互いに近づくように配置されている、第1項乃至第5項のいずれか一項に記載のクリップ。
【0084】
第7項.第1の側面は、第1の棘部の遠位端部で第2の側面に交差する、第6項に記載のクリップ。
【0085】
第8項.第1の棘部は、上面と下面とを備え、上面と下面とが互いに反対側に配置されて第1の保持特徴部から延在し、上面と下面が第1の保持特徴部から離れる方向に延在するにつれて、上面と下面が脊椎状部から更に離れるように延在している、第1項乃至第7項のいずれか一項に記載のクリップ。
【0086】
第9項.上面は、下面に交差しない、第8項に記載のクリップ。
【0087】
第10項.フィラメントの一式及び第1の面を備えるフィラメントメッシュ構造体と、トリムカバーと、フィラメントメッシュ構造体内に配置されたクリップと、を備え、フィラメントの一式の各部材は、ループ状をなし、フィラメントの一式の少なくとも他の1つの部材に結合されており、クリップは、脊椎状部と、第1のクリップ部分と、を備え、第1のクリップ部分は、脊椎状部から延在してトリムカバーをクリップに固定する第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部と、第1のクリップ部分をフィラメントメッシュ構造体に固定する第1の棘部及び第2の棘部と、を備え、第1の棘部及び第2の棘部は、脊椎状部から離れる方向にフィラメントメッシュ構造体の第1の面に向かって延在している、座席アセンブリ。
【0088】
第11項.第1の棘部は、フィラメントの一式の部材間の隙間に受容される、第10項に記載の座席アセンブリ。
【0089】
第12項.フィラメントの一式の部材は、第1のクリップ部分の第1の棘部及び第2の棘部に接触する、第10項又は第11項に記載の座席アセンブリ。
【0090】
第13項.フィラメントの一式の部材は、第1のクリップ部分の第1の棘部及び第1の保持特徴部に接触する、第10項乃至第12項のいずれか一項に記載の座席アセンブリ。
【0091】
第14項.第1の棘部及び第2の棘部は、それぞれ第1の保持特徴部及び第2の保持特徴部から延在している、第10項乃至第13項のいずれか一項に記載の座席アセンブリ。
【0092】
第15項.フィラメントメッシュ構造体は、第1の面から延在するスリットを更に備え、クリップは、スリット内に配置され、第1の面から間隔を空けて配置され、第1の面まで延在していない、第10項乃至第14項のいずれか一項に記載の座席アセンブリ。
【0093】
第16項.フィラメントメッシュ構造体は、第1の面の反対側に配置された第2の面を更に備え、スリット及びクリップは、第2の面から間隔を空けて配置され、第2の面まで延在していない、第15項に記載の座席アセンブリ。
【0094】
第17項.脊椎状部が自由状態にあるときに、脊椎状部は、直線状であり、脊椎状部がフィラメントメッシュ構造体の中に配置されたときに、脊椎状部の少なくとも一部分は、非直線状である、第10項乃至第16項のいずれか一項に記載の座席アセンブリ。
【0095】
第18項.クリップは、第2のクリップ部分を更に備え、第2のクリップ部分は、脊椎状部から延在し、第1のクリップ部分から離れている、第10項乃至第17項のいずれか一項に記載の座席アセンブリ。
【0096】
第19項.フィラメントの一式の部材は、第1のクリップ部分及び第2のクリップ部分に接触する、第17項に記載の座席アセンブリ。
【0097】
第20項.第1のクリップ部分と第2のクリップ部分が、フィラメントメッシュ構造体内の異なる高さ位置で互いに対して位置決めされるように、脊椎状部が弧に沿って延在している、第18項又は第19項に記載の座席アセンブリ。
【0098】
例示的な実施形態を上述したが、これらの実施形態が本発明の全ての可能な形態を表すことは意図されていない。むしろ、本明細書に使用されている文言は、限定ではなく記述のための文言であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることが理解される。加えて、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明の更なる実施形態を形成することができる。
【外国語明細書】