(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180369
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】油中水型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/29 20060101AFI20241219BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241219BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20241219BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20241219BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20241219BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20241219BHJP
A61K 8/85 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K8/29
A61K8/37
A61K8/06
A61K8/34
A61K8/86
A61Q1/00
A61K8/85
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096827
(22)【出願日】2024-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2023098819
(32)【優先日】2023-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】大友 真由
(72)【発明者】
【氏名】吉川 健太郎
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB102
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC331
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC441
4C083AC442
4C083AC552
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC692
4C083AC852
4C083AC862
4C083AC902
4C083AC912
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD202
4C083AD242
4C083AD262
4C083AD282
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD412
4C083AD432
4C083AD492
4C083AD572
4C083AD632
4C083BB02
4C083BB04
4C083CC03
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC19
4C083DD08
4C083DD32
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE17
(57)【要約】
【課題】 重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れる油中水型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)~(D);
(A)顔料級二酸化チタン
(B)25℃で液状の、エステル結合を3つ以上持つ粉体分散剤
(C)25℃で固形の、非イオン性界面活性剤
(D)ハンセン溶解度パラメータにおける、√{(δp)2+(δh)2}が20未満である水性成分
を含有する油中水型乳化化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)顔料級二酸化チタン
(B)25℃で液状の、エステル結合を3つ以上持つ粉体分散剤
(C)25℃で固形の、非イオン性界面活性剤
(D)ハンセン溶解度パラメータにおける、√{(δp)2+(δh)2}が20未満である水性成分
を含有する油中水型乳化化粧料。
【請求項2】
前記成分(B)が、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油よりなる群から選択される1種または2種以上である請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項3】
前記成分(C)が、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルよりなる群から選択される1種または2種以上であるである請求項1または2に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項4】
前記成分(A)顔料級二酸化チタンが、疎水化表面処理された顔料級二酸化チタンである請求項1または2に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項5】
前記成分(A)疎水化表面処理された顔料級二酸化チタンが、シランカップリング剤及び/又はリン脂質で処理された顔料級二酸化チタンである請求項4に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項6】
前記成分(D)が、多価アルコール、一般式(1)で示されるグリセリン誘導体、ポリオキシエチレングルコシドよりなる群から選択される1種または2種以上である請求項1または2に記載の油中水型乳化化粧料。
(化1)
G-[O-(PO)a-(EO)b-(BO)c-H]3 (1)
(式中、Gはグリセリン又はジグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基、a、b及びcはそれぞれPO、EO及びBOの平均付加モル数を表し、aは0~10の整数、bは0~30の整数、cは0~5の整数であり、a、b及びcの全てが0になることはない。)
【請求項7】
前記成分(C)に対する前記成分(D)の含有質量割合(D)/(C)が、0.1~5である請求項1または2に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項8】
前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、0.5~20である請求項1または2に記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項9】
前記成分(C)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(C)が、1~20である請求項1または2に記載の油中水型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油中水型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの感染症予防のためマスクの着用機会が増えたことで、顔を動かす回数が減って表情筋が衰えやすくなり、若年層でもたるみに悩む消費者が増加している。これに伴い、たるみとは対照的な、引き締まったフレッシュな印象を与える化粧料のニーズが高まっている。このような印象を与えるためには、頬骨が高くなったように見せる立体感のあるツヤを演出することが重要である。また、ファンデーション、下地をはじめとするベースメイクアップ化粧料において、従来はカバー力が重視された。一方、近年のマスク生活により色むらを完全にカバーする必要がない場合もあり、カバー力を抑えた素肌感のあるメイクアップにも注目が集まるようになった。そのため、顔の部位ごとに容易にカバー力を調整でき、素肌感のある仕上がりでありながら、隠したい色むらはしっかりとカバーできるベースメイクアップ化粧料が求められる。
【0003】
これまでにも、硫酸バリウム、油剤、パール光沢顔料、球状粉末、特定の酸化チタンを組み合わせることで、肌のシミやくすみ、凹凸をナチュラルに整え、さらにツヤっぽく立体感があり素肌感のある仕上がりの得られるメイクアップ化粧料の技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、高屈折オイル及び高屈折ポリオールを組み合わせることで、高屈折オイルを含みながらも息苦しい使用感を改善すると同時に、肌艶の持続力を向上できる油中水型化粧料組成物の技術がある(例えば、特許文献2参照)。さらに、特定の多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤、揮発性油剤、特定の二酸化チタン顔料を含有することで、カバー力を上げながらも厚ぼったくならず自然な仕上がりで、感触も良く、分散安定性に優れた粉末含有油中水型乳化化粧料の技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-134197号公報
【特許文献2】特表2022-506541号公報
【特許文献3】特開2013-028567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりを兼ね備える油中水型乳化化粧料の具現化は困難であった。例えば、ツヤを出すためにパール顔料を多く含有すると、化粧料中の粉体含有量が多くなり、なめらかな伸び広がりに満足のいく品質がえられなかった。また、二酸化チタンを含有すると、カバー力が高くなる一方で、伸びが重くなる、ツヤが出にくくなる、粉体の分散不良(凝集)により化粧膜が不均一になるなどの場合があった。さらに、二酸化チタンなどの顔料分散性を高めるために界面活性剤を多く含有すると、重ね塗りをした際に下の化粧膜がよれやすくなり、カバー力の調整は困難であった。そこで本発明は、二酸化チタンなどの顔料分散性に優れながらも、なめらかに伸び広がり、肌に均一に密着することで、立体感のあるツヤを演出し、かつ重ね塗りが容易で、カバー力に優れる油中水型乳化化粧料の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記実情に鑑み本発明者らは、油中水型乳化化粧料において、25℃で液状の、エステル結合を3つ以上持つ粉体分散剤と、25℃で固形の、非イオン性界面活性剤を組み合わせることで、顔料級二酸化チタンの油への分散性および化粧膜の均一性を向上させ、化粧膜に立体感のあるツヤ、カバー力およびなめらかな伸び広がりを付与できることを見出した。さらに水相に、特定のハンセン溶解度パラメータを満たす水性成分を含有することで、塗膜中の水分が揮発した後に油性成分と水性成分の相溶性がより高まることで、化粧膜の均一性がさらに増すと共に、重ね付けがしやすくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
[1]
次の成分(A)~(D);
(A)顔料級二酸化チタン
(B)25℃で液状の、エステル結合を3つ以上持つ粉体分散剤
(C)25℃で固形の、非イオン性界面活性剤
(D)ハンセン溶解度パラメータにおける、√{(δp)2+(δh)2}が20未満である水性成分
を含有する油中水型乳化化粧料に関するものである。
[2]
前記成分(B)が、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油よりなる群から選択される1種または2種以上である[1]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
[3]
前記成分(C)が、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルよりなる群から選択される1種または2種以上であるである[1]または[2]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
[4]
前記成分(A)顔料級二酸化チタンが、疎水化表面処理された顔料級二酸化チタンである[1]または[2]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
[5]
前記成分(A)疎水化表面処理された顔料級二酸化チタンが、シランカップリング剤及び/又はリン脂質で処理された顔料級二酸化チタンである[4]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
[6]
前記成分(D)が、多価アルコール、一般式(1)で示されるグリセリン誘導体、ポリオキシエチレングルコシドよりなる群から選択される1種または2種以上である[1]または[2]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
(化1)
G-[O-(PO)a-(EO)b-(BO)c-H]3 (1)
(式中、Gはグリセリン又はジグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基、a、b及びcはそれぞれPO、EO及びBOの平均付加モル数を表し、aは0~10の整数、bは0~30の整数、cは0~5の整数であり、a、b及びcの全てが0になることはない。)
[7]
前記成分(C)に対する前記成分(D)の含有質量割合(D)/(C)が、0.1~5である[1]または[2]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
[8]
前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、0.5~20である[1]または[2]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
[9]
前記成分(C)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(C)が、1~20である[1]または[2]に記載の油中水型乳化化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れる油中水型乳化化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、本発明における「平均粒子径」とは、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。
【0010】
本発明における成分(A)顔料級二酸化チタンは、平均粒子径が100~1000nmの二酸化チタンである。顔料級二酸化チタンは、微粒子二酸化チタンと比較してカバー力に優れ、白色顔料としても使用される。成分(A)の平均粒子径は、120nm以上が好ましく、150nm以上がより好ましい。また、800nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましい。また、120~800nmが好ましく、150~500nmがより好ましい。この範囲であると、カバー力等により優れより好ましい。
【0011】
本発明における成分(A)は、表面処理されていても良い。表面処理剤としては、特に限定されず、例えば、ジメチコン、メチコン等のシリコーン化合物、トリエトキシカプリリルシラン等のシランカップリング剤、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン等の有機チタネート、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、パーフルオロエーテル等のフッ素化合物、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、ポリウレタン、炭化水素、高級脂肪酸、リン脂質、アシル化アミノ酸、セラミド、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、多価アルコール、コラーゲン、界面活性剤等が挙げられ、公知の方法により表面処理することができる。
【0012】
本発明においては、顔料分散性、立体感のあるツヤ、なめらかな伸び広がりの観点から、成分(A)の表面を疎水化処理すると好ましい。さらに、顔料分散性、なめらかな伸び広がりの観点から、表面処理剤としては、シリコーン化合物、シランカップリング剤、有機チタネート、金属石鹸、リン脂質、アシル化アミノ酸及びセラミドよりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、シリコーン化合物、シランカップリング剤、有機チタネート、金属石鹸、リン脂質及びアシル化アミノ酸よりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましく、顔料分散性の観点から、シランカップリング剤及び/又はリン脂質がさらにより好ましい。本発明においては、顔料分散性、なめらかな伸び広がりの観点から、疎水化表面処理された顔料級二酸化チタンを2種以上用いるとより好ましい。
【0013】
本発明において、成分(A)の表面処理量は、特に限定されず、疎水化表面処理された粉体100質量%(以下、「%」と略す)に対して、0.001~10%が好ましく、0.01~6%がより好ましく、0.1~4%がさらにより好ましい。この範囲であれば、顔料分散性により優れより好ましい。
【0014】
本発明において成分(A)の含有量は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料全量に対し、1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、3%以上がさらにより好ましい。また、15%以下が好ましく、12%以下がより好ましく、10%以下がさらにより好ましい。また、1~15%が好ましく、2~12%がより好ましく、3~10%がさらにより好ましい。この範囲であれば、カバー力、なめらかな伸び広がりにより優れより好ましい。
【0015】
本発明における成分(B)は、25℃で液状の、エステル結合を3つ以上持つ粉体分散剤である。ここで、25℃で液状とは、25℃環境下で流動性を有する性状を意味する。また、粉体分散剤とは、粉体の凝集を防ぎ、分散させる機能を有する物質を指す。例えば、表面が親水性の粉体を油相に分散する場合であれば、親水性の粉体同士が結合し、凝集しやすいことが知られており、この粉体間の表面作用を阻害し、凝集を防止する作用を有する粉体分散剤を用いる。また、本発明において、粉体分散剤が化学構造中にエステル結合を3つ以上持つことで、そのエステル結合が粉体への吸着点となり、粉体の分散性により高い作用を奏すると考えられる。本発明における成分(B)のエステル結合の数は、3以上であれば良く、エステル結合の位置は特に限定されない。特に、エステル結合の数が3~10が好ましく、3~6がより好ましい。
【0016】
成分(B)は、通常化粧料に使用されるものであれば、特に限定されず、いずれのものも使用できる。例えば、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0017】
これらの中でも、重ね付けのしやすさ、カバー力の観点から、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油よりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、ポリヒドロキシステアリン酸又はポリグリセリン脂肪酸エステルがより好ましく、なめらかな伸び広がりの観点から、ポリヒドロキシステアリン酸がさらにより好ましい。特にポリヒドロキシステアリン酸の重合度は3~10が好ましく、4~7がより好ましい。
【0018】
本発明において成分(B)の含有量は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料全量に対し、0.3%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、0.8%以上がさらにより好ましい。また、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらにより好ましい。また、0.3~5%が好ましく、0.5~3%がより好ましく、0.8~2%がさらにより好ましい。この範囲であれば、カバー力、顔料分散性、重ね付けのしやすさにより優れより好ましい。
【0019】
本発明においては、前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)は特に限定されず、カバー力の観点から、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.5以上がさらにより好ましい。また、顔料分散性、なめらかな伸び広がりの観点から、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらにより好ましい。また、0.5~20が好ましく、1~15がより好ましく、1.5~10がさらにより好ましい。
【0020】
本発明における成分(C)は、25℃で固形の非イオン性界面活性剤である。ここで、25℃で固形とは、25℃環境下で流動性を有さない性状を意味する。また、非イオン性界面活性剤とは、イオン性を示さない界面活性剤である。成分(C)は、25℃で固形であり、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されず、いずれのものも使用することができる。例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、モノステアリン酸PEG-2、モノステアリン酸PEG-10、モノステアリン酸PEG-20、モノステアリン酸PEG-25、モノステアリン酸PEG-40等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、セスキステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、モノステアリン酸ポリグリセリル-10等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸グリセリル等のモノグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0021】
これらの中でも、重ね付けのしやすさの観点から、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルよりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、カバー力の観点から、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルがより好ましく、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルがさらにより好ましい。ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの中でも、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30が好ましい。
【0022】
本発明において、成分(C)は、成分(A)の分散性の観点から、HLBを特定すると好ましい。ここで、本発明におけるHLB(Hydphile-Lipophile Balance)とは、親水性-親油性のバランスを示す指標であり、小田・寺村らによる下記(式2)で計算されるものである。
HLB=「無機性値(IV)/有機性値(OV)」×10・・・(式2)
(甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、11~17頁、三共出版、1984年発行参照)
【0023】
本発明における成分(C)は、HLB1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらにより好ましい。また、HLB15以下が好ましく、12以下がより好ましく、7以下がさらにより好ましい。また、HLB1~15が好ましく、2~12がより好ましく、3~7がさらにより好ましい。この範囲であると、重ね付けのしやすさ、カバー力により優れるため、より好ましい。
【0024】
このようなHLBを持つ成分(C)としては、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30(HLB5)、モノステアリン酸PEG-2(HLB4)、モノステアリン酸PEG-10(HLB11)、モノステアリン酸PEG-20(HLB14)、モノステアリン酸PEG-25(HLB15)、セスキステアリン酸ソルビタン(HLB4.2)、トリステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB7.5)、モノステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB12)、ステアリン酸グリセリル(HLB3)等が挙げられ、これらから1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、重ね付けのしやすさ、カバー力の観点から、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、モノステアリン酸PEG-2、及びセスキステアリン酸ソルビタンよりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、顔料分散性の観点から、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30及び/又はセスキステアリン酸ソルビタンがより好ましい。
【0025】
本発明において成分(C)の含有量は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料全量に対し、0.3%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、0.8%以上がさらにより好ましい。また、3%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1.5%以下がさらにより好ましい。また、0.3~3%が好ましく、0.5~2%がより好ましく、0.8~1.5%がさらにより好ましい。この範囲であれば、重ね付けのしやすさ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりにより優れより好ましい。
【0026】
本発明においては、前記成分(C)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(C)は特に限定されず、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上がさらにより好ましい。また、顔料分散性、立体感のあるツヤの観点から、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらにより好ましい。また、1~20が好ましく、2~15がより好ましく、3~10がさらにより好ましい。
【0027】
本発明における成分(D)は、ハンセン溶解度パラメータにおける、√{(δp)2+(δh)2}が20未満である水性成分である。このパラメータを満たす成分(D)を用いることで、本発明の油中水型乳化化粧料を塗布した際の成分(B)および(C)の溶解性が高まり、重ね付けのしやすさにより優れる点で、より好ましい。
【0028】
本発明におけるハンセン溶解度パラメータ (Hansen solubility parameter)(以下、HSPともいう)とは、Charles M. Hansenが1967年に発表した、物質の溶解性の予測に用いられる値であって、「分子間の相互作用が似ている2つの物質は、互いに溶解しやすい」との考えに基づくパラメータである。HSPは以下の3つのパラメータ(単位:MPa1/2)で構成されている。
δd:分子間の分散力によるエネルギー
δp:分子間の双極子相互作用によるエネルギー
δh:分子間の水素結合によるエネルギー
これら3つのパラメータは3次元空間(ハンセン空間)における座標とみなすことができ、2つの物質のHSPをハンセン空間内に置いたとき、2点間の距離が近ければ近いほど互いに溶解しやすいことを示している。すなわち「似た者同士は良く溶け合う」と言う言葉が示す通り、HSPは親和性の指標として用いることが出来る。化学工業2010年3月号(化学工業社)等に詳細な説明があり、パソコン用ソフト「HSPiP:Hansen Solubility Parameters in Practice」等を用いることで各種物質のHSPを得ることができる。本開示では特に断りがない場合は、このパソコン用ソフト「HSPiP:Hansen Solubility Parameters in Practice」ver.5.3.02 を用いて得られたHSPを用いている。以後、成分XのHSPを標記する際はδd=δdx、δp=δpx、δh=δhx)、もしくは[δdx,δpx,δhx]とする。
【0029】
HSPのうち、δpおよびδhは化合物の極性を表す指標であるため、これらを用いて化合物の極性を表すことができる。この極性を表す指標を用いることで、成分(D)の極性を特定し、極性を有する成分(B)及び(C)の成分(D)への溶解性を高めることができる。
【0030】
成分(D)による成分(B)及び(C)の溶解性は、以下の方法で確認することができる。成分(B)、(C)及び(D)を質量比(B):(C):(D)=1.5:1:1の割合で、ビーカーを用いて70℃に加温して混合し、室温まで放冷した後観察し、透明溶解したか否かで確認することができる。
【0031】
本発明に用いられる成分(D)は、前記パラメータを満たす水性成分であれば、性状、由来、その他物性値を限定されず、いずれのものも使用でき、1種のみ用いても、2種以上組み合わせて用いても良い。ここで水性成分とは、水に可溶な成分を意味する。このような成分(D)を以下に例示するが、成分名称以降の大括弧中の数値は各成分のHSP[δd,δp,δh]を示す。
【0032】
具体的には、トリエチレングリコール[17.03,9.77,16.91]、ペンチレングリコール[16.75,7.79,17.69]、ヘキシレングリコール[16.7,6.94,14.8]、1,2-ヘキサンジオール[16.69,7.13,17.51]6.91]、PEG-4[16.73,9.02,14.58]、PEG-6[16.24,8.15,11.8]、PEG-8[15.88,7.65,10.23]、PEG-9[15.73,7.47,9.68]、PEG-10[15.6,7.3,9.3]、PEG-12[15.39,7.1,8.62]、PEG-14[15.23,6.94,8.2]、PEG-16[15.1,6.81,7.94]、PEG-20[14.91,6.64,7.69]、トリプロピレングリコール[16.6,6.96,12.46]、PPG-6[16.38,5.79,7.83]、PPG-7[16.4,5.56,7.03]、PPG-9[16.51,5.19,5.93]、PPG-12[16.78,4.69,4.96]等の多価アルコール、PPG-9ジグリセリル[16.68,6.15,4.88]、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン[14.98,7.89,5.19]、グリセレス-26[14.7,6.97,8.64]、PPG-8グリセリル[16.53,5.92,6.32]、PPG-10グリセリル[16.68,5.49,5.21]、PPG-24グリセレス-24[16.29,7.58,9.52]、エチルヘキシルグリセリン[16.28,5.9,11.64]等のグリセリン誘導体、メチルグルセス-10[15.49,8.11,6.01]、メチルグルセス-20[15.01,7.19,3.38]等のポリオキシエチレングルコシド、PPG-4ブチル[16.13,5.11,6.63]、エトキシジグリコール[16.34,7.43,11.99]、1-ブタノール[15.83,6.39,14.77]、イソプロパノール[15.47,7.18,12.84]等が挙げられる。
【0033】
ここで、グリセリン誘導体とは、グリセリン基を有する一般式(1)で示される化合物である。
(化1)
G-[O-(PO)a-(EO)b-(BO)c-H]3 (1)
(式中、Gはグリセリン又はジグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基、a、b及びcはそれぞれPO、EO及びBOの平均付加モル数、aは0~10の整数、bは0~30の整数、cは0~5の整数を表し、a、b及びcの全てが0になることはない。)
【0034】
これらの中でも、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性の観点から、前記成分(D)は、多価アルコール、一般式(1)で示されるグリセリン誘導体、ポリオキシエチレングルコシドよりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、多価アルコール及び/又は一般式(1)で示されるグリセリン誘導体がより好ましく、多価アルコールがさらにより好ましい。多価アルコールの中でも、トリプロピレングリコールが特に好ましい。
【0035】
本発明において成分(D)の含有量は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料全量に対し、0.1%以上が好ましく、0.3%以上がより好ましく、0.5%以上がさらにより好ましい。また、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらにより好ましい。また、0.1~5%が好ましく、0.3~3%がより好ましく、0.5~2%がさらにより好ましい。この範囲であれば、重ね付けのしやすさ、立体感のあるツヤ、なめらかな伸び広がりにより優れより好ましい。
【0036】
本発明においては、前記成分(C)に対する前記成分(D)の含有質量割合(D)/(C)は特に限定されず、重ね付けのしやすさの観点から、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上がさらにより好ましい。また、立体感のあるツヤ、顔料分散性の観点から5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらにより好ましい。また、0.1~5が好ましく、0.3~3がより好ましく、0.5~2がさらにより好ましい。
【0037】
本発明の油中水型乳化化粧料は、水を含有する。本発明において、水の含有量は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料全量に対して、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらにより好ましい。また、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下がさらにより好ましい。また、10~70%が好ましく、20~60%がより好ましく、30~50%がさらにより好ましい。この範囲であると、なめらかな伸び広がりにより優れるため、より好ましい。
【0038】
本発明の油中水型乳化化粧料は、油剤を含有することができる。当該油剤は、揮発性、不揮発性等の特性を特に限定されず、いずれのものも使用できる。ここで揮発性とは、常圧での沸点が260℃以下であることを意味する。また、不揮発性とは、前記揮発性油剤以外の油剤を意味する。
【0039】
揮発性油剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン等の揮発性炭化水素油、メチルトリメチコン、カプリリルトリメチコン、低分子ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、エチルトリシロキサン等の揮発性シリコーン油等が挙げられる。
【0040】
本発明において、揮発性油剤の含有量は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料全量に対して、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がさらにより好ましい。また、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらにより好ましい。また、5~50%が好ましく、10~40%がより好ましく、15~30%がさらにより好ましい。この範囲であると、重ね付けのしやすさ、なめらかな伸び広がりにより優れるため、より好ましい。
【0041】
不揮発性油剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されず、性状、化学種等を特に限定されず、いずれのものを用いても良い。不揮発性油剤としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブチレン、α-オレフィンオリゴマー、ワセリン、パラフィン等の炭化水素類;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、コハク酸ジ-2-エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル等のエステル油;ステアリルジメチコン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等の高級アルコール;イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油;等が挙げられる。
【0042】
これらの中でも、不揮発性油剤としてエステル油を含有すると、立体感のあるツヤ、なめらかな伸び広がりにより優れるため、より好ましい。
【0043】
本発明において、不揮発性油剤の含有量は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料全量に対して、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらにより好ましい。また、50%以下が好ましく、45%以下がより好ましく、40%以下がさらにより好ましい。また、1~50%が好ましく、3~45%がより好ましく、5~40%がさらにより好ましい。この範囲であれば、立体感のあるツヤにより優れるため、より好ましい。
【0044】
本発明の油中水型乳化化粧料は、上記の成分(A)~(D)の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、成分(A)以外の粉体、成分(C)以外の界面活性剤、繊維、水溶性高分子、成分(D)以外の水性成分、糖類、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
【0045】
本発明の油中水型乳化化粧料は常法に従って製造することができる。例えば、成分(B)及び(C)に必要に応じて油剤を添加混合し、必要に応じて加温溶解し、これに(A)及び必要に応じてその他の粉体を添加混合し、油性区分を得る。成分(D)及び必要に応じてその他の成分を均一に混合し、水性区分を得る。前記油性区分に前記水性区分を添加混合し、乳化して得たものを、容器に充填して得ることができるが、この製造方法に限定されるものではない。
【0046】
本発明の油中水型乳化化粧料の性状は、特に限定されず、固形状、ゲル状、液状等、様々な性状とすることができる。また、使用方法は、特に限定されず、油中水型乳化化粧料をそのまま使用しても良く、噴射剤と共にスプレー缶に充填し、エアゾール剤として使用しても良い。
【0047】
本発明の油中水型乳化化粧料は、特に限定されず、例えば、ファンデーション、下地、白粉、コンシーラー、BBクリーム、CCクリーム等のベースメイク化粧料、アイシャドウ、頬紅、口紅、アイブロウ等のポイントメイク化粧料等のメイクアップ化粧料、乳液、クリーム等のスキンケア化粧料、育毛剤、毛髪着色料等の毛髪化粧料等が挙げられる。これらの中でもメイクアップ化粧料が好ましく、ベースメイク化粧料がより好ましく、ファンデーション、下地、コンシーラー、BBクリーム及びCCクリームよりなる群から選ばれる1種または2種以上がさらにより好ましい。
【0048】
本発明は以下の構成をとることもできる。
[1]
次の成分(A)~(D);
(A)顔料級二酸化チタン
(B)25℃で液状の、エステル結合を3つ以上持つ粉体分散剤
(C)25℃で固形の、非イオン性界面活性剤
(D)ハンセン溶解度パラメータにおける、√{(δp)2+(δh)2}が20未満である水性成分
を含有する油中水型乳化化粧料。
[2]
前記成分(B)が、ポリヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油よりなる群から選択される1種または2種以上である[1]に記載の油中水型乳化化粧料。
[3]
前記成分(C)が、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルよりなる群から選択される1種または2種以上であるである[1]または[2]に記載の油中水型乳化化粧料。
[4]
前記成分(A)顔料級二酸化チタンが、疎水化表面処理された顔料級二酸化チタンである[1]~[3]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
[5]
前記成分(A)疎水化表面処理された顔料級二酸化チタンが、シランカップリング剤及び/又はリン脂質で処理された顔料級二酸化チタンである[4]に記載の油中水型乳化化粧料。
[6]
前記成分(D)が、多価アルコール、一般式(1)で示されるグリセリン誘導体、ポリオキシエチレングルコシドよりなる群から選択される1種または2種以上である[1]~[5]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
(化1)
G-[O-(PO)a-(EO)b-(BO)c-H]3 (1)
(式中、Gはグリセリン又はジグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基、a、b及びcはそれぞれPO、EO及びBOの平均付加モル数を表し、aは0~10の整数、bは0~30の整数、cは0~5の整数であり、a、b及びcの全てが0になることはない。)
[7]
前記成分(C)に対する前記成分(D)の含有質量割合(D)/(C)が、0.1~5である[1]~[6]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
[8]
前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、0.5~20である[1]~[7]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
[9]
前記成分(C)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(C)が、1~20である[1]~[8]のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
【実施例0049】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0050】
実施例1~22及び比較例1~13:油中水型乳化下地
下記表1~3に示す処方の油中水型乳化下地を下記の製造方法で調製し、イ.重ね付けのしやすさ、ロ.カバー力、ハ.立体感のあるツヤ、ニ.顔料分散性、ホ.なめらかな伸び広がりについて下記評価方法により評価し、下記判定方法により判定した。その結果も併せて表1~3に示す。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
※1:CITHROL DPHS(クローダジャパン社製)
【0055】
(製造方法)
A:成分(5)~(18)を80℃に加熱し均一に混合する。
B:Aに成分(1)~(4)を添加し、25℃で均一に混合する。
C:成分(19)~(27)を25℃で均一に混合する。
D:BにCを添加し、混合して25℃で乳化する。
E:Dをディスペンサー容器に25℃で充填し、油中水型乳化下地を得た。
【0056】
(評価方法1)
下記評価項目について、各試料について化粧料評価専門パネル5名による使用テストを行った。各パネルが下記絶対評価基準に従って各試料を評価し評点を付け、全パネルの評点の平均点から下記判定基準に基づき判定した。
【0057】
<評価項目(イ)重ね付けのしやすさ>
各試料を顔面に1回塗布した後、その上からさらに塗布したときの化粧膜のよれの状態を下記の絶対評価基準に従って評価した。
【0058】
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
4点 :よれがなく、均一に重ね付けができる
3点 :わずかによれがあるが、おおむね均一に重ね付けできる
2点 :よれがあり、重ね付けがしづらい
1点 :はっきりとよれがあり、重ね付けにより膜抜けする
【0059】
<評価項目(ロ)カバー力>
各試料をディスペンサー容器から1プッシュした各試料を、同じ部位には2度以上の重ね付けをせずに顔面に塗布し、色むらがカバーされているかどうかを下記の絶対評価基準に従って評価した。
【0060】
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
4点 :色むらが完全にカバーされる
3点 :色むらがほとんどカバーされる
2点 :色むらが未塗布時に比べてやや目立たなくなる
1点 :色むらが全くカバーされない
【0061】
<評価項目(ハ)立体感のあるツヤ>
(ロ)の評価の後、1000lxのLED照明下におけるツヤの見え方を、「テカリに見えず、骨格に沿って密着したように見えるツヤであるか」という観点のもと下記の絶対評価基準に従って評価した。
【0062】
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
4点 :非常にツヤがある
3点 :ツヤがある
2点 :テカって見える
1点 :非常にテカって見える
【0063】
<評価項目(ホ)なめらかな伸び広がり>
各試料を指にとって顔面に塗布する際に、「引っかかりを感じることなく、塗布膜を何度もこすらなくても均一な化粧膜が形成されるか」という観点のもと下記の絶対評価基準に従って評価した。
【0064】
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
4点 :1~2回擦ると均一な化粧膜が形成される
3点 :3~5回擦ると均一な化粧膜が形成される
2点 :6~10回擦ると均一な化粧膜が形成される
1点 :均一な化粧膜が形成されない
【0065】
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ :3.5点以上
○ :3.0点以上3.5点未満
△ :2.0点以上3.0点未満
× :2.0点未満
【0066】
(評価方法2)
下記評価項目について、各試料をガラス製の6号規格瓶に40g充填して、50℃の恒温槽に2週間静置保管し、室温保管の試料と比較して、下記の判定基準に従って評価した。
【0067】
<評価項目(ニ)顔料分散性>
各試料について、6号規格瓶の側方及び上方から観察し、白いスジ等の顔料凝集が見られないか確認し、分散状態を下記判定基準に従って判定した。
【0068】
<判定基準>
(判定):(分散状態)
◎ :顔料凝集が見られない
○ :白いスジが1本観察される
△ :白いスジが2~5本観察される
× :白いスジが6本以上観察される
【0069】
表1~3の結果から明らかなように、本発明の実施例は、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。一方、成分(A)を含有しない比較例1は、カバー力に満足する品質が得られず、成分(A)を含有しないため、顔料分散性については評価ができなかった。成分(A)の代わりに微粒子二酸化チタンを用いた比較例2は、カバー力、なめらかな伸び広がりに満足のいく品質が得られなかった。成分(B)を含有しない比較例3は、重ね付けのしやすさ、カバー力、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに満足する品質を得られなかった。成分(B)の代わりに成分(C)を増加させた比較例4は、重ね付けのしやすさ、カバー力、なめらかな伸び広がりに満足する品質を得られなかった。成分(B)の代わりにエステル結合が2つのジイソステアリン酸ポリグリセリル-10を用いた比較例5は、顔料分散性に満足する品質を得られなかった。成分(C)を含有しない比較例6は、重ね付けのしやすさ、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに満足する品質を得られなかった。成分(C)の代わりに25℃において液状であるセスキオレイン酸ソルビタンを用いた比較例7、ビス(PEG/PPG-14/14)ジメチコンを用いた比較例8は、立体感のあるツヤに満足する品質を得られなかった。成分(D)を含有しない比較例9は、重ね付けのしやすさ、顔料分散性に満足のいく品質が得られなかった。成分(D)の代わりに√{(δp)2+(δh)2}が20以上である1,3-ブチレングリコールを用いた比較例10、グリセリンを用いた比較例11、ジプロピレングリコールを用いた比較例12は、重ね付けのしやすさに満足のいく品質が得られなかった。成分(D)の代わりにエタノールを用いた比較例13は、重ね付けのしやすさ、なめらかな伸び広がりに満足のいく品質が得られなかった。
【0070】
実施例23:油中水型乳化ファンデーション
(成分) (%)
1.トリエトキシカプリリルシラン3%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
2.レシチン1%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
3.トリエトキシカプリリルシラン3%処理ベンガラ 0.2
4.トリエトキシカプリリルシラン3%処理黄色酸化鉄 1
5.トリエトキシカプリリルシラン3%処理黒色酸化鉄 0.1
6.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 1.5
7.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30
(成分(C)) (※1) 1
8.イソノナン酸イソトリデシル 10
9.ジメチコン3%処理タルク(平均粒子径9.5μm) 4
10.イソステアリン酸ソルビタン(HLB5.0) 0.5
11.メチルトリメチコン 7
12.イソドデカン 7
13.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5
14.水添ポリイソブテン (※3) 5
15.(ジメチコン/ビニルトリメチルシロキシケイ酸)クロスポリマー 3
16.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
17.リンゴ酸ジイソステアリル 5
18.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 1
19.ジステアルジモニウムヘクトライト 0.8
20.ステアラルコニウムヘクトライト 0.5
21.トリプロピレングリコール (成分(D)) 1
22.エタノール 4.5
23.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール 1
24.精製水 残量
※2:サラコスHS-6C(日清オイリオグループ社製)
※3:パールリーム18(日油社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(9)を80℃に加熱し均一に混合し、25℃で3本ロールミルにて分散する。
B:Aに成分(10)~(20)を添加し、25℃で均一に混合する。
C:AにBを添加し、25℃で均一に混合する。
D:成分(21)~(24)を25℃で均一に混合する。
E:CにDを添加し、混合して25℃で乳化する。
F:Eをディスペンサー容器に25℃で充填し、油中水型乳化ファンデーションを得た。
【0071】
実施例23の油中水型乳化ファンデーションは、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。
【0072】
実施例24:油中水型乳化日焼け止め
(成分) (%)
1.トリエトキシカプリリルシラン3%処理微粒子二酸化チタン 5
2.ステアロイルグルタミン酸2Na2%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
3.ラウロイルリシン10%処理微粒子酸化亜鉛 15
4.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 2
5.ジヒドロキシステアリン酸PEG-30 (成分(C)) (※1) 1
6.微粒子酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 3
7.リン酸セチル (※4) 0.1
8.イソヘキサデカン 4.9
9.イソノナン酸イソノニル(※5) 10
10.ミリスチン酸イソプロピル(※6) 8
11.PEG-9ジメチコン(※7) 2
12.シクロペンタシロキサン 10
13.精製水 残量
14.トリプロピレングリコール (成分(D)) 1
15.ヒアルロン酸Na(※8) 3
※4:NIKKOL ピュアフォス α(日光ケミカルズ社製)
※5:サラコス99(日清オイリオ社製)
※6:IPM-EX(日本サーファクタント工業社製)
※7:KF-6019(信越化学工業社製)
※8:ヒアルロン酸FCH-SU(キッコーマンバイオケミファ社製)
【0073】
(製造方法)
A:成分(1)~(5)を80℃で加熱して均一に混合し、25℃で3本ロールミルにて分散する。
B:成分(6)~(8)を混合分散する。
C:成分(9)~(12)を混合し、A及びBを加え、混合分散する。
D:成分(13)~(15)を均一に混合し、Cに加えて乳化することで、油中水型乳化日焼け止めを得た。
【0074】
実施例24の油中水型乳化日焼け止めは、重ね付けのしやすさ、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れ、カバー力が良好なものであった。
【0075】
実施例25:油中水型乳化頬紅
(成分) (%)
1.ハイドロゲンジメチコン3%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
2.板状酸化亜鉛(平均粒子径0.3μm) 2
3.赤色226号 2.3
4.黄色4号 1.2
5.ステアロイルグルタミン酸2Na1%処理黄色酸化鉄 0.02
6.ステアロイルグルタミン酸2Na1%処理ベンガラ 0.01
7.黒色酸化鉄被覆合成フルオロフロゴパイト 0.03
8.酸化チタン被覆合成フルオロフロゴパイト(干渉色:ゴールド) 1
9.酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)(干渉色:シルバー) 0.5
10.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 1.5
11.ジヒドロキシステアリン酸PEG-30(成分(C))(※1) 2.3
12.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.8
13.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.3
14.2-エチルヘキサン酸セチル 8
15.イソドデカン 9
16.ジメチルポリシロキサン(25℃動粘度2CS) 5
17.ワセリン(融点57℃) 2
18.ステアリルジメチコン(融点40℃) 1.5
19.リンゴ酸ジイソステアリル 1
20.スクワラン 0.1
21.ホホバ種子油 0.05
22.シア脂 0.05
23.オリーブ油 0.01
24.1,3-ブチレングリコール 5
25.カルボキシビニルポリマー 0.01
26.キサンタンガム 0.02
27.PEG-30水添ヒマシ油(成分(B)) 0.3
28.精製水 10
29.トリプロピレングリコール (成分(D)) 3
30.エタノール 5
31.エチルヘキシルグリセリン (成分(D)) 1.5
32.精製水 残量
【0076】
(製造方法)
A:成分(1)~(14)を混合し、ロールミルにて分散する。
B:Aに成分(15)~(16)を添加し、均一に混合分散する。
C:成分(17)~(23)を80℃に加熱し、均一に混合する。
D:BにCを添加し、25℃で均一に混合する。
E:成分(24)~(28)を60℃に加熱し、均一に混合する。
F:Eに成分(29)~(32)を添加し、25℃で均一に混合する。
G:DにFを25℃で添加し、乳化、脱泡後、油中水型乳化頬紅を得た。
【0077】
実施例25の油中水型乳化頬紅は、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。
【0078】
実施例26:油中水型乳化下地化粧料(エアゾール)
(成分) (%)
1.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
2.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
3.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシメチルジメチコン
(HLB3.0) 1.5
4.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) 1
5.ジヒドロキシステアリン酸PEG-30 (成分(C)) 1
6.コハク酸2-エチルヘキシル 20
7.シクロペンタシロキサン 10
8.テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2処理(3%)顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm)(成分(A)) 2
9.ベンガラ 1.5
10.黄色酸化鉄 1.5
11.黒色酸化鉄 0.5
12.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
13.エタノール 10
14.トリプロピレングリコール (成分(D)) 5
15.精製水 残量
【0079】
(製造方法)
A:成分(1)~(7)を80℃で均一に混合溶解する。
B:Aおよび成分(8)~(12)を25℃で均一に分散する。
C:成分(13)~(15)を均一に混合する。
D:BにCを加えて乳化する。
E:Dで得られた原液4gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 6gを耐圧容器に充填し、油中水型乳化下地(エアゾール)を得た。
【0080】
実施例26のエアゾール型下地化粧料は、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。
【0081】
実施例27:油中水型乳化ファンデーション(エアゾール)
(成分) (%)
1.トリエトキシカプリリルシラン3%処理微粒子二酸化チタン
(平均粒子径35nm) 10
2.ステアロイルグルタミン酸2Na2%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm)(成分(A)) 3
3.ラウリン酸亜鉛2%処理顔料級酸化チタン(平均粒子径250nm)
(成分(A)) 3
4.ステアロイルグルタミン酸2Na2%処理ベンガラ 0.1
5.ステアロイルグルタミン酸2Na2%処理黄色酸化鉄 0.2
6.ステアロイルグルタミン酸2Na2%処理黒色酸化鉄 0.05
7.ジメチコン3%処理タルク(平均粒子径9.5μm) 2
8.トリフルオロプロピルジメチルトリシロキシケイ酸 3
9.ポリアクリレート-44 3
10.ジメチコン(25℃、動粘度10CS) 17
11.トリシロキサン 5
12.イソノナン酸イソトリデシル 3
13.リンゴ酸ジイソステアリル 1
14.トリメチルシロキシケイ酸 2
15.ジステアルジモニウムヘクトライト 1
16.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 2
17.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30 (成分(C))(※1) 0.5
18.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(HLB3.0) 3
19.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(HLB4.0) 3
20.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5
21.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.5
22.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 0.5
23.ステアリルジメチコン 1
24.パルミチン酸デキストリン 0.1
25.ポリメチルシルセスキオキサン(球状、平均粒子径2μm) 1
26.球状セルロース(平均粒子径5μm) 1
27.多孔質シリカ(平均粒子径5μm、吸油量80ml/100g) 1
28.窒化ホウ素(板状、平均粒子径4μm) 2
29.ポリエチレン(平均粒子径10μm) 1
30.エタノール 5
31.トリプロピレングリコール (成分(D)) 3.5
32.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
33.精製水 残量
【0082】
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を均一に混合する。
B:成分(20)~(24)を80℃で混合して、均一に溶解し、25℃に冷却する。
C:BにA及び成分(12)~(19)、(25)~(29)を添加し、均一に分散する。
D:成分(30)~(33)を均一に混合する。
E:CにDを添加して乳化する。
F:Eで得られた原液6gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 6gを耐圧容器に充填し、油中水型乳化ファンデーション(エアゾール)を得た。
【0083】
実施例27の油中水型乳化ファンデーション(エアゾール)は、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。
【0084】
実施例28:油中水型乳化固形コンシーラー
(成分) (%)
1.トリイソステアリン酸イソプロピルチタン3%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 8
2.セラミド1%処理ベンガラ 1.3
3.トリエトキシカプリリルシラン1%処理黄色酸化鉄 2
4.パルミチン酸デキストリン1%処理黒色酸化鉄 0.3
5.ジメチコン4%処理タルク(板状、平均粒子径13μm) 4
6.雲母チタン(干渉色:シルバー、平均粒子径40μm) 1
7.酸化鉄被覆雲母チタン(干渉色:赤、平均粒子径70μm) 0.4
8.デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 (成分(B)) 3
9.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 1.5
10.ジメチルポリシロキサン(25℃動粘度2CS) 8
11.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30 (成分(C))(※1) 2
12.球状シリカ(無孔質、平均粒子径10μm) 6
13.窒化ホウ素(平均粒子径6μm) 2
14.セスキオレイン酸ソルビタン 1.3
15.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー
(溶媒:イソドデカン、固形分30%) 4
16.トリメチルシロキシケイ酸(溶媒:イソドデカン、固形分50%) 3
17.ジメチルポリシロキサン(25℃動粘度10CS) 2
18.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 10
19.マイクロクリスタリンワックス(融点80℃) 5
20.トリベヘニン(融点63℃) 3
21.キャンデリラロウ(融点75℃) 3
22.エタノール 3
23.グリセリン 1
24.トリプロピレングリコール (成分(D)) 2
25.1,3-ブチレングリコール 1
26.精製水 残量
27.加水分解コラーゲン 0.01
28.加水分解エラスチン 0.01
29.チャエキス 0.01
30.ナイアシンアミド 2
【0085】
(製造方法)
A:成分(1)~(5)、(8)~(11)を3本ロールミルにて均一に混合する。
B:Aに成分(6)~(7)、(12)~(17)を添加し、25℃で均一に混合する。
C:成分(18)~(21)を90℃に加熱し、均一に混合する。
D:BにCを添加し、25℃で均一に混合する。
E:成分(22)~(30)を25℃で均一に混合する。
F:DにEを添加し、乳化する。
G:Fを85℃に加熱し、金皿容器に充填して油中水型乳化固形コンシーラーを得た。
【0086】
実施例28の油中水型乳化固形コンシーラーは、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。
【0087】
実施例29:油中水型乳化ハイライター
(成分) (%)
1.ステアロイルグルタミン酸2Na1%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 4
2.レシチン2%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
3.トリエトキシカプリリルシラン1%処理黄色酸化鉄 0.2
4.ラウロイルリシン1%処理ベンガラ 0.1
5.ステアロイルグルタミン酸2Na1%処理黒色酸化鉄 0.01
6.イソノナン酸イソトリデシル 10
7.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 1.5
8.酸化チタン被覆ガラス末(※9) 1
9.アルミニウム末(※10) 0.3
10.雲母チタン(干渉色:シルバー、平均粒子径40μm) 3
11.イソドデカン 12
12.メチルトリメチコン 6
13.ジメチルポリシロキサン(25℃動粘度6CS) 3
14.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.6
15.ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 0.2
16.モノステアリン酸PEG-2 (成分(C)) 0.3
17.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30 (成分(C))(※1) 1.6
18.(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー (※11) 1.5
19.水添ポリイソブテン (※12) 0.8
20.多孔質シリカ(平均粒子径8μm) 1.2
21.窒化ホウ素(平均粒子径6μm) 2
22.アモジメチコン2%処理マイカ 4.5
23.オキシ塩化ビスマス 0.2
24.精製水 残量
25.シロキクラゲ多糖体 0.01
26.塩化ナトリウム 0.3
27.トリプロピレングリコール (成分(D)) 5
28.メチルグルセス-10 (成分(D)) 1
29.1,3-ブチレングリコール 2
30.フェノキシエタノール 0.1
31.グリセリン 3
※9:REFLECKS MULTIDIMENSIONS VARYING VIOLET(BASF社製)
※10:COSMICOLOR METALLICS FROST SL(東洋アルミニウム社製)
※11:KSG-710(信越化学工業社製)
※12:パールリーム18(日油社製)
【0088】
(製造方法)
A:成分(1)~(7)を3本ロールミルにて均一に混合する。
B:成分(12)~(15)を3本ロールミルにて均一に混合する。
C:成分(8)~(11)、(16)~(23)を25℃で均一に混合する。
D:CにA及びBを添加し、25℃で均一に混合する。
E:成分(24)~(31)を25℃で均一に混合する。
F:DにEを添加し、25℃で乳化する。
G:Fをチューブ容器に充填して油中水型乳化ハイライターを得た。
【0089】
実施例29の油中水型乳化ハイライターは、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。
【0090】
実施例30:油中水型乳化ファンデーション
(成分) (%)
1.トリエトキシカプリリルシラン3%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
2.レシチン1%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
3.トリエトキシカプリリルシラン3%処理ベンガラ 0.2
4.トリエトキシカプリリルシラン3%処理黄色酸化鉄 1
5.トリエトキシカプリリルシラン3%処理黒色酸化鉄 0.1
6.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 1.5
7.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30
(成分(C)) (※1) 1
8.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル
/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー 0.1
9.イソノナン酸イソトリデシル 5
10.メドウフォーム油 5
11.ジメチコン3%処理セリサイト(平均粒子径9.5μm) 4
12.イソステアリン酸ソルビタン(HLB5.0) 0.5
13.メチルトリメチコン 7
14.イソドデカン 6
15.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5
16.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル) 2
17.マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 3
18.(ジメチコン/ビニルトリメチルシロキシケイ酸)クロスポリマー 3
19.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
20.リンゴ酸ジイソステアリル 5
21.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 1
22.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.05
23.シクロペンタシロキサン 0.95
24.ジステアルジモニウムヘクトライト 0.8
25.ステアラルコニウムヘクトライト 0.5
26.トリプロピレングリコール (成分(D)) 1
27.エタノール 4.5
28.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール 1
29.精製水 残量
(製造方法)
A:成分(1)~(9)を80℃に加熱し均一に混合し、25℃で3本ロールミルにて分散する。
B:Aに成分(10)~(25)を添加し、25℃で均一に混合する。
C:AにBを添加し、25℃で均一に混合する。
D:成分(26)~(29)を25℃で均一に混合する。
E:CにDを添加し、混合して25℃で乳化する。
F:Eをチューブ容器に25℃で充填し、油中水型乳化ファンデーションを得た。
【0091】
実施例30の油中水型乳化ファンデーションは、重ね付けのしやすさ、カバー力、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れたものであった。
【0092】
実施例31:油中水型乳化日焼け止め
(成分) (%)
1.トリエトキシカプリリルシラン3%処理微粒子二酸化チタン 5
2.ステアロイルグルタミン酸2Na2%処理顔料級二酸化チタン
(平均粒子径250nm) (成分(A)) 3
3.ラウロイルリシン10%処理微粒子酸化亜鉛 15
4.ポリヒドロキシステアリン酸 (成分(B)) (※2) 2
5.ジヒドロキシステアリン酸PEG-30 (成分(C)) (※1) 1
6.微粒子酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 3
7.リン酸セチル (※4) 0.1
8.イソヘキサデカン 4.9
9.イソステアリン酸デキストリン 0.75
10.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 0.25
11.イソノナン酸イソノニル(※5) 10
12.ミリスチン酸イソプロピル(※6) 8
13.PEG-9ジメチコン(※7) 2
14.シクロペンタシロキサン 10
15.精製水 残量
16.トリプロピレングリコール (成分(D)) 1
17.ヒアルロン酸Na(※8) 3
【0093】
(製造方法)
A:成分(1)~(5)を80℃で加熱して均一に混合し、25℃で3本ロールミルにて分散する。
B:成分(6)~(8)を混合分散する。
C:成分(9)~(14)を混合し、A及びBを加え、混合分散する。
D:成分(15)~(17)を均一に混合し、Cに加えて乳化することで、油中水型乳化日焼け止めを得た。
【0094】
実施例31の油中水型乳化日焼け止めは、重ね付けのしやすさ、立体感のあるツヤ、顔料分散性、なめらかな伸び広がりに優れ、カバー力が良好なものであった。