IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エナジー リカバリー,インコーポレイティドの特許一覧

特開2024-180403ハイブリッド動圧静水圧スラスト軸受のシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180403
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ハイブリッド動圧静水圧スラスト軸受のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 32/06 20060101AFI20241219BHJP
   F16C 17/04 20060101ALI20241219BHJP
   F16C 17/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F16C32/06 Z
F16C17/04 B
F16C17/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024163976
(22)【出願日】2024-09-20
(62)【分割の表示】P 2021523831の分割
【原出願日】2019-10-29
(31)【優先権主張番号】16/180,264
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516099646
【氏名又は名称】エナジー リカバリー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アザム ミヒール タッテ
(72)【発明者】
【氏名】ビフザード ザマニアン ヤズディー
(57)【要約】
【課題】改良されたハイブリッド動圧静水圧スラスト軸受のシステム及び方法の提供。
【解決手段】システムは、第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムを備え、第1の流体は、第2の流体よりも高い圧力を有する。流体圧伝達システムは、回転軸線を中心に周方向に回転するように構成され、互いに対向して配置された第1の端面と第2の端面とを有する筒状の回転子と、筒状の回転子の第1の端面との界面を有する第1の端カバーと、筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムとを備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムであって、前記第1の流体は前記第2の流体よりも高い圧力を有する、流体圧エネルギ伝達システムを備える、システムにおいて、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、
回転軸線を中心に周方向に回転するように構成された筒状の回転子であって、互いに対向して配置された、第1の端面と第2の端面とを有する、筒状の回転子と、
前記筒状の回転子の前記第1の端面との界面を有する第1の表面を有する第1の端カバーと、
前記筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムとを備える、システム。
【請求項2】
前記流体圧エネルギ伝達システムは、回転式圧力交換器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された静水圧強化機構を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記筒状の回転子の長手軸線に対して周方向に離間した第1の複数のポートを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した第2の複数のポートを備え、前記第2の複数のポートは、前記長手軸線に対して前記第1の複数のポートの半径方向内側に位置する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の複数のポート及び前記第2の複数のポートは、前記第1の端カバー内に配置された複数のチャネルに連結されて静水圧チャネルネットワークを形成する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のチャネルの各チャネルは、前記長手軸線に対して軸線方向に延びる第1の部分と、前記長手軸線に対して半径方向に延びる第2の部分とを備え、前記第2の部分は、高圧流体を受け入れるように構成された入口に連結されており、前記第1の部分は、前記高圧流体を排出するように構成された前記第1の複数のポート又は前記第2の複数のポートのいずれかのそれぞれのポートに連結されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の部分の直径は、前記第1の部分の直径よりも大きい、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記静水圧強化機構は、前記複数のチャネルの内の少なくとも1つのチャネル内に配置されたオリフィス流量制限器を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記静水圧強化機構は、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された複数の凹部を備え、前記第1の複数のポート又は前記第2の複数のポートのいずれかのそれぞれのポートが、前記複数の凹部のそれぞれの凹部内に配置されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された動圧生成機構を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された動圧生成機構が、前記長手軸線の周りに周方向に延びるへリングボーン形状の溝部を備え、前記第1の複数のポートが前記へリングボーン形状の溝部内に配置されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された表面上に配置された前記動圧生成機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した複数の溝部を備え、前記第1の複数のポートの各ポートは、前記複数の溝部の隣接する一対の溝部の間に配置されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の溝部の各溝部は、V字形又は螺旋状を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記動圧生成機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した複数のテーパ付きランドを備え、前記第1の複数のポートの各ポートは、前記複数のテーパ付きランドのそれぞれのテーパ付きランドに配置されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記筒状の回転子の前記第1の端面上に配置されたいくつかの動圧生成機構と、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置されたいくつかの静水圧強化機構とを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の端面上に配置された前記動圧生成機構は、前記筒状の回転子の外径に隣接する前記筒状の回転子の長手軸線に対して周方向に離間した第1の複数の溝部を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の端面上に配置された前記動圧生成機構は、前記筒状の回転子の内径に隣接する前記長手軸線に対して周方向に離間した第2の複数の溝部を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の複数の溝部の各溝部は、螺旋状を有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の端面上に配置された前記動圧生成機構は、前記筒状の回転子の外径に隣接する前記筒状の回転子の長手軸線の周りに延びるへリングボーン形状の溝部を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記筒状の回転子の長手軸線に対して周方向に離間した第1の複数のポートを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した第2の複数のポートを備え、前記第2の複数のポートは、前記長手軸線に対して前記第1の複数のポートの半径方向内側に位置する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の複数のポート及び前記第2の複数のポートは、前記第1の端カバー内に配置された複数のチャネルに連結されて静水圧チャネルネットワークを形成する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記静水圧強化機構は、前記複数のチャネルの内の少なくとも1つのチャネル内に配置されたオリフィス流量制限器を備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記静水圧強化機構は、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された複数の凹部を備え、前記第1の複数のポート又は第2の複数のポートのいずれかのそれぞれのポートが、前記複数の凹部のそれぞれの凹部内に配置されている、請求項21記載のシステム。
【請求項26】
第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムであって、前記第1の流体は前記第2の流体よりも高い圧力を有する、流体圧エネルギ伝達システムを備える、システムにおいて、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、
回転軸線を中心に周方向に回転するように構成された筒状の回転子であって、互いに対向して配置された、第1の端面と第2の端面とを有する、筒状の回転子と、
前記筒状の回転子の前記第1の端面との界面を有する第1の表面を有する第1の端カバーと、
前記筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムと、を備え、
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記筒状の回転子の前記第1の端面上に配置された動圧生成機構と、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された静水圧強化機構とを備え、
前記動圧生成機構は、前記第1の表面上に配置された1つ以上の溝部を備え、前記静水圧強化機構は複数のポートを備える、システム。
【請求項27】
第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムであって、前記第1の流体は前記第2の流体よりも高い圧力を有する、流体圧エネルギ伝達システムを備える、システムにおいて、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、
回転軸線を中心に周方向に回転するように構成された筒状の回転子であって、互いに対向して配置された、第1の端面と第2の端面とを有する、筒状の回転子と、
前記筒状の回転子の前記第1の端面との界面を有する第1の表面を有する第1の端カバーと、
前記筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムと、を備え、
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置されたいくつかの動圧生成機構と、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置されたいくつかの静水圧強化機構との両方を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド動圧静水圧スラスト軸受のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、下記において説明及び/又は特許請求されている本発明の様々な態様に関連しうる、当技術分野の様々な技術的態様を読者に紹介することが意図されている。この説明は、本発明の様々な態様のより適切な理解を容易にするために背景の情報を読者に提供することにおいて有用であると考えられる。したがって、これらの説明は、先行技術の承認としてではなく、この観点において認識されなければならないということを理解されたい。
【0003】
本明細書に開示される主題は、ポンプ、タービン及び他の回転機械と同様に、本明細書に記載される回転式圧力交換器と共に使用するためのハイブリッド動圧静水圧設計機構を有する軸線方向スラスト軸受システムのためのシステム及び方法に関する。
【0004】
ポンプなどの回転機器は、様々な流体を処理する(取り扱う)ことができる。特定の用途では、軸線方向圧力の不均衡(すなわち、2つの軸線方向面の間の平均圧力の差)が、回転機器の回転部品に実質的な正味の力を及ぼす可能性がある。また、回転部品の重量により軸力が発生する場合がある。回転機器の回転部品の回転を容易にするために様々な軸受を使用することができる。しかしながら、高圧及び/又は困難な環境を必要とする状況では、回転機器は、さらなる又は増大した支持能力及び機能性を必要とする場合がある。例えば、状況によっては、回転機器の支持能力が不十分であると、回転部品と静止部品との間の軸線方向接触をもたらし、ひいては、行き詰まり(stalling)、摩耗、応力をもたらし、機器の寿命を低減し、効率の損失をもたらしうる。従って、さらなる荷重支持能力又はさらなる剛性を提供する機構を回転機器に提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、システムが提供される。本システムは、第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムを備え、第1の流体は第2の流体よりも高い圧力を有する。流体圧伝達システムは、回転軸線を中心に周方向に回転するように構成されかつ互いに対向して配置された第1の端面と第2の端面とを有する筒状の回転子と、筒状の回転子の第1の端面との界面を有する第1の端カバーと、筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムとを備える。
【0006】
別の実施形態では、システムが提供される。本システムは、第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムを備え、第1の流体は、第2の流体よりも高い圧力を有する。流体圧伝達システムは、回転軸線を中心に周方向に回転するように構成されかつ互いに対向して配置された第1の端面と第2の端面とを有する筒状の回転子と、筒状の回転子の第1の端面との界面を有する第1の端カバーと、筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムとを備える。ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、筒状の回転子の第1の端面上に配置されたいくつかの動圧生成機構と、第1の端カバーの第1の表面上に配置されたいくつかの静水圧強化機構とを備える。動圧生成機構は、第1の表面上に配置された1つ以上の溝部を備える。静水圧強化機構は、複数のポートを有する。
【0007】
さらなる実施形態では、システムが提供される。本システムは、第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムを備え、第1の流体は、第2の流体よりも高い圧力を有する。流体圧伝達システムは、回転軸線を中心に周方向に回転するように構成されかつ互いに反対して配置された第1の端面と第2の端面とを有する筒状の回転子と、筒状の回転子の第1の端面との界面を有する第1の端カバーと、筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムとを備える。ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、第1の端カバーの第1の表面上に配置されたいくつかの動圧生成機構と、第1の端カバーの第1の表面上に配置されたいくつかの静水圧強化機構との両方を備える。
【0008】
本発明の様々な特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を、添付の図全体を通して、類似の文字が類似の部品を表す図を参照して読み取ると、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態のハイブリッド動圧静水圧軸受システムを有する流体圧エネルギ伝達システム模式図である。
図2図2は、一実施形態の流体圧エネルギ伝達システムを有するフラクシステムの模式図である。
図3図3は、回転式圧力交換器(PX)システムとして示されている、図1の一実施形態の流体圧エネルギ伝達システムの分解斜視図である。
図4図4は、第1の動作位置にある一実施形態の回転式PXの分解斜視図である。
図5図5は、第2の動作位置にある一実施形態の回転式PXの分解斜視図である。
図6図6は、第3の動作位置にある一実施形態の回転式PXの分解斜視図である。
図7図7は、第4の動作位置にある一実施形態の回転式PXの分解斜視図である。
図8図8は、一実施形態の動圧生成機構(例えば螺旋状の溝部)を有する回転式PXの回転子の端面の側面斜視図である.
図9A図9Aは、一実施形態の動圧生成機構(例えば螺旋状の溝部)を有する回転式PXの回転子の両端面の一方の側面斜視図である。
図9B図9Bは、一実施形態の動圧生成機構(例えば螺旋状の溝部)を有する回転式PXの回転子の両端面の他方の側面斜視図である。
図10図10は、図8の回転子の端面と対応する端カバーとの間の界面における動圧分布の二次元グラフである。
図11図11は、回転子の端面上の螺旋状の溝部についての異なる溝部深さについての(例えば、回転子の端面と端カバーとの間の)流体薄膜厚と流体力のグラフである。
図12図12は、一実施形態の静水圧強化機構(例えば、ポート)を有する回転式PXの端カバーの側面図である。
図13A図13Aは、一実施形態の静水圧強化機構(例えば、ポート)及び動圧生成機構(例えば、螺旋状の溝部)を有する回転式PXの端カバーの一方の側面図である。
図13B図13Bは、一実施形態の静水圧強化機構(例えば、ポート)及び動圧生成機構(例えば、螺旋状の溝部)を有する回転式PXの反対側端カバーの他方の側面図である。
図14図14は、一実施形態の静水圧強化機構(例えば、ポート及びポケット)を有する回転式PXの端カバーの側面図である。
図15図15は、一実施形態の回転式PXの端カバーの側面図である(例えば、静水圧チャネルネットワークを示す)。
図16図16は、一実施形態の回転式PXの端カバーの透視図である(例えば、静水圧チャネルネットワークを示す)。
図17図17は、図16の線17-17内で見た、一実施形態の(例えば、静水圧チャネルネットワークのチャネル内に配置されたオリフィス制限器を有する)回転式PXの端カバーの部分断面図である。
図18図18は、図11の回転子と端カバーとの間の界面における静水圧分布の二次元グラフである。
図19図19は、ハイブリッド軸受システムを有する回転子と端カバーとの間の界面における静水圧分布の二次元グラフである。
図20図20は、ハイブリッド軸受システムを欠く回転子と端カバーとの間の界面における静水圧分布の二次元グラフである。
図21図21は、一実施形態の動圧生成機構(例えば、へリングボーン形状の溝部)を有する回転式PXの回転子の端面の側面図である。
図22図22は、一実施形態の動圧生成機構及び静水圧強化機構(例えば、螺旋状の溝部及び溝部の間のポート)の両方を有する回転式PXの端カバーの側面図である。
図23図23は、一実施形態の動圧生成機構及び静水圧強化機構(例えば、螺旋状の溝部及び溝部内に配置されたポート)の両方を有する回転式PXの端カバーの側面図である。
図24図24は、一実施形態の動圧生成機構及び静水圧強化機構(例えば、へリングボーン形状の溝部及びポート)の両方を有する回転式PXの端カバーの側面図である。
図25図25は、一実施形態の動圧生成機構及び静水圧強化機構(例えば、V字形の溝部及びポート)の両方を有する回転式PXの端カバーの側面図である。
図26図26は、一実施形態の動圧生成機構及び静水圧強化機構(例えば、テーパ付きランド及びポート)の両方を有する回転式PXの端カバーの側面図である。
図27図27は、図26の端カバーの斜視図である。
図28図28は、図26の線28-28に沿った端カバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つ以上の特定の実施形態について以下に記載する。これらの記載された実施形態は、本発明の例示に過ぎない。さらに、これらの例示的実施形態の説明を簡潔にするため、実際の実施形態の全ての特徴は、本明細書において記載されない場合がある。全ての実際の実施例の展開において、全ての技術又は設計の計画におけるのと同様に、システム関連の制約又はビジネス関連の制約へ追従することなどの開発者に特有の目標を成し遂げるために、多くの実施例特有の決定がなされなければならず、これらは実施例によって変えることができるということが認識されよう。更に、上記の開発作業は複雑かつ時間がかかるものでありうるが、本開示の利益を受ける当業者にとって、設計、作製及び製造の日常的な作業であるということが理解されよう。
【0011】
以下に詳述するように、本明細書に開示される実施形態は、一般に、様々な産業的用途で利用され得る回転システムのシステム及び方法に関する。本明細書に開示される回転システムは、さらなる支持能力を提供するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムを有することができ、その結果、回転システムは、回転子などの特定の回転機器を支持するための十分な耐荷重を提供する。実際、高圧又は他の困難な用途を伴う特定の産業的状況では、回転システムの軸受システムは、回転子などの回転機器を支持するための十分な耐荷重又は機能を有していない場合がある。このような状況は、回転子の失速及び/又は軸受システムの部分間の接触や摩擦を生じさせ、それによって、効率の損失、摩耗、応力、及び/又は、回転機器の寿命の低下をもたらす。従って、本明細書に開示される実施形態は、さらなる軸受又は耐荷重を処理するように構成されたアキシャル軸受領域(例えば、流体圧エネルギ伝達システムの回転子と端カバーとの間の界面)内にハイブリッド動圧静水圧軸受システムを有する回転システムを提供することができ、これは、例えば、回転子などの回転機器を支持するためのさらなる軸線方向耐荷重及びより大きな剛性を提供することができる。特に、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、比較的に高い圧力(例えば、約68,947kPa又は10,000psi)を有する産業的用途において、及び/又は、例えば、圧力交換器、アキシャルピストンポンプ、蒸気タービンスラスト軸受、ガスタービンスラスト軸受及び航空機エンジンなどのより困難な用途において、利用され得る。特定の実施形態では、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、非回転機器に利用することができる。
【0012】
特定の実施形態では、回転システムは、様々な流体を処理するように構成された流体圧エネルギ伝達システムを有しうる。具体的には、流体圧エネルギ伝達システムは、回転機器の回転部品の回転を容易にするために使用され得るハイブリッド動圧静水圧軸受システムを介して、第1の流体と第2の流体の間で仕事及び/又は圧力を伝達しうる。一般に、流体圧エネルギ伝達システム内の静水圧軸受システムは、回転子と端カバー(例えば、回転子の支持体)との間に導入される流体源(例えば、高圧軸受流体)によって作動しうる。流体源の高圧は、流体薄膜上で回転子を支持するように構成することができ、回転構成要素の回転を容易にするように構成することができる。特に、回転子が端カバーから離れると、回転子と端カバーとの間の軸線方向クリアランス領域が増大することがある。軸線方向クリアランス領域の増大により、高圧流体を逃がし、それによって、回転子に作用する圧力を減少させうる。同様に、回転子と端カバーとの間の軸線方向クリアランス領域が小さい場合、アキシャル軸受領域内に高圧流体が生成される。(圧力ダムを形成する機構と併せて)回転子の高速度に依存するハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、同様に、流体薄膜上で回転子を支持し、(例えば、端カバー及び回転子に作用する)回転構成要素の回転を容易にする。
【0013】
ハイブリッド動圧静水圧軸受は、静水圧軸受システム及び動圧軸受システムの両方の特徴を強化する。例えば、比較的に高い速度(例えば、10,000rpm)では、ハイブリッド動圧静水圧軸受は優れた動圧軸受として性能を発揮し、一方、低速及び中速(例えば、5,000rpm以下)では、ハイブリッド軸受はより優れた静水圧軸受として性能を発揮する。全ての動作速度において、ハイブリッド軸受は、荷重支持能力及び剛性を強化しつつ、(例えば、純粋な動圧軸受システムと比較して)動的安定性を改善し、冷却能力又は粘性除熱を改善する。ハイブリッド軸受は、また、(例えば、回転子及びハウジングなどの構成要素の)動的運動を調節するように軸受薄膜圧の調整能力及び自己補正挙動を提供する。さらに、ハイブリッド軸受は、信頼性のある作動を提供する(例えば、静水圧軸受システムが閉塞又は隙間の閉鎖に起因して急に止まっても流体軸受システムが作動する)。さらに、ハイブリッド軸受は、外部の可動部品なしに作動し、疲労によって制限されない。さらに、ハイブリッド軸受は、流体中の微粒子(例えば砂)に対してより耐性がある。更に、ハイブリッド軸受は機械加工及び製造が容易である。
【0014】
特定の実施形態では、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、(例えば、回転等圧圧力交換器の)端カバー上に配置された静水圧強化機構と共に、回転子の端面上に配置された動圧生成機構と、を有しうる。他の実施形態では、ハイブリッド軸受システムは、回転子の端面に機構がなく端カバー上にのみ配置された動圧生成機構及び静水圧強化機構の両方を備えうる。動圧生成機構は、他の機構と共に、螺旋状の溝部、ヘリングボーン形状の溝部、テーパ付きランドを有しうる。静水圧強化機構は、他の機構と共に、ポート、ポケットと連動するポート、オリフィス流量制限器及びポケットの両方と連動するポートを有しうる。
【0015】
流体圧エネルギ伝達システムは、流体圧過給機、流体圧ポンプ、又は、回転圧力交換器(PX)などの流体圧交換システムを有しうる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の流体の容積の圧力は、完全に均一化されない場合がある。したがって、特定の実施形態では、PXは等圧で動作することができ、又は、PXは、実質的に等圧で動作しうる(例えば、圧力は、約±1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10%の範囲内で等しくなる)。特定の実施形態では、(例えば、圧力交換流体、動流体などの)第1の流体の第1の圧力は、(例えば、腐食性流体などの)第2の流体の第2の圧力よりも高くしうる。例えば、第1の圧力は、約5,000kPa~25,000kPa、20,000kPa~50,000kPa、40,000kPa~75,000kPa、75,000kPa~100,000kPa又は第2の圧力より大きくしうる。したがって、PXは、比較的に高い圧力の第1の流体(例えば、圧力交換流体、駆動流体など)から、比較的に低い圧力の第2の流体(例えば、腐食流体など)に圧力を伝達するために使用されうる。特に、作動中、流体圧エネルギ伝達システムは、腐食性流体と産業的用途の他の装置(例えば、ポンプ)との間の接触を遮断又は制限するのに役立ちうる。ポンプと腐食性流体との間の接触を阻止又は制限することによって、流体圧エネルギ伝達システムは、寿命や性能を増大させつつ、以下に詳細に説明するように、様々な産業的用途における様々な高圧ポンプのすり減りや摩耗を減少させる。
【0016】
図1は、一実施形態の流体圧エネルギ伝達システム10の模式図である。特に、図示の実施形態では、流体圧エネルギ伝達システム10(例えば、流体圧過給機又はPX)は、エネルギを第1の流体から第2の流体に伝達するように構成されうる。さらに、特定の実施形態では、流体圧エネルギ伝達システム10は、さらなる支持能力及び/又はさらなる軸線方向耐荷重を流体圧エネルギ伝達システム10に与えるのに役立つ機構を備えて構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システム12を備えうる。
【0017】
特定の実施形態において、流体圧エネルギ伝達システム10は、第1の流体及び第2の流体を受け入れるように構成された回転式PX20を備えるように構成されうる。様々な方向(例えば、軸線方向32、半径方向142、及び、周方向148)への参照は、以下の説明において参照され得ることに留意されたい。特定の実施形態では、高圧ポンプが、第1の流体を高圧で流体圧エネルギ伝達システム10に圧送するように構成されうる。例えば、図示されるように、第1の流体は、流体圧エネルギ伝達システム10への高圧の第1の流体入口14として提供されうる。さらに、特定の実施形態では、低圧ポンプが、第2の流体を低圧で流体圧エネルギ伝達システム10に圧送するように構成されうる。例えば、図示されているように、第2の流体は、エネルギ伝達システム10への低圧の第2の流体入口として提供されうる。作動中、流体圧エネルギ伝達システム10は、第1の流体と第2の流体との間で圧力を伝達するように構成することができる。
【0018】
本明細書で使用されるように、圧力交換器20は、遠心技術を利用せずに、高圧入口流れと低圧入口流れとの間で流体圧力を約90%を超える効率で伝達する装置として一般的に定義することができる。この文脈では、高圧とは、低圧よりも大きい圧力を指す。PX20の低圧入口流れは、加圧されて高圧で(例えば、低圧入口流れよりも大きい圧力で)PXから出ることができ、高圧入口流れは、減圧されて低圧で(例えば、高圧入口流れよりも低い圧力で)PX20から出ることができる。さらに、PX20は、高圧流体と低圧流体の間に流体分離器を備えているか又は備えていない状態で、高圧流体が力を低圧流体に直接的に加えて低圧流体を加圧することで作動しうる。PXと共に使用され得る流体分離器の例としては、ピストン、ブラダ、ダイヤフラム等が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、圧力交換器20は回転装置としうる。米国カリフォルニア州のサンリアンドロのエナジー・リカバリー(Energy Recovery)社によって製造されたものなどの回転式圧力交換器20は、図4図7に関して以下に詳細に説明するように、有効な弁作用が、端カバーに対する回転子の相対運動を介して装置の内部で達成されるので、いかなる分離弁も有していなくてもよい。回転式PX20は、流体同士を隔離し、入口流体の流れの混合を比較的少なくして圧力を伝達するために、内部ピストンで作動するように設計することができる。往復動PXは、流体の流れ同士の間で圧力を伝達するためにシリンダ内で前後に移動するピストンを有しうる。開示された実施形態において、限定されないが、回転式PX 、往復動PX、又はこれらの任意の組合せ等の任意のPX又は複数のPX20を使用することができる。さらに、PX20は、流体処理システムの他の構成要素とは別個のスキッド上に配置することができ、これは、PX20が既存の流体処理システムに追加される状況において望ましい場合がある。
【0019】
上述したように、特定の実施形態では、流体圧エネルギ伝達システム10は、回転子44などのシステム内の回転構成要素の回転を容易にするのを助けるように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システム12を有しうる。一般に、高圧プロセス流体(例えば、第1の流体及び/又は第2の流体)は、軸受流体として作用し、軸線方向の荷重の支持に利用されうる。PX20の回転子44は、ハウジング21のプレナム領域22内に封入されている。回転子44はスリーブ24と共に配置されている。PXシステム20のスリーブ24の内壁及びPXシステム20内に配置された回転子44の外壁は、スリーブ24と回転子44との間の半径方向の間隙26を規定する。アキシャル軸受領域28は、回転子44と端カバー30との間の軸線方向間隙29(例えば、数十ミクロン)を備える。プレナム領域22に導入された高圧軸受流体は、流体薄膜上で回転子44を支持するように構成することができ、回転子44の回転を容易にするように構成することができる。特に、回転子44に作用する流体圧力差によって生じる外力によって回転子44が端カバー30に向かって軸線方向32に移動すると、回転子44と端カバー30との間の軸線方向クリアランス領域34が減少することがある。軸線方向クリアランス領域34の低下により、軸受流体薄膜内の圧力を増加させ(軸受薄膜内の圧力は、軸受薄膜厚とほぼ逆三次関数の関係(inverse cubic relationship)を有する)、それによって、回転子44に作用する力を、回転子44を移動させ、軸受の隙間29を低減させる原因となった本来の外力とは反対の方向に増加させる。この新しい支持力(bearing force)により、軸線方向クリアランス領域34をより大きな量に増加させ、回転子44を新しい力の平衡位置にもたらす。それゆえ、これは、実質的に、回転子44が端カバー30に対して擦れ、場合によってはシステムを動かなくさせるのを回避する「自己補正」機構である。同様に、外力によって回転子44が軸線方向32に軸受から離れて移動するように強いられると、回転子44と端カバー30との間の軸線方向クリアランス領域34が増し、軸受流体薄膜内の圧力を減少させる。これにより、回転子44を平衡位置に戻す軸受薄膜から回転子44に作用する力を低減し、回転子44の反対側での擦れを回避することとなる。このようにして、ハイブリッド動圧静水圧軸受の構成要素は、回転子44の軸線方向変位に抵抗し、回転子44の安定した回転を容易にする堅い軸受システムを作るように協働しうる。
【0020】
図2は、流体圧エネルギ伝達システム10と共に使用され得る一実施形態のフラクシステム46(例えば、流体処理システム)の模式図である。動作中において、フラクシステム46は、岩石層における油及びガスの解放を増加させるための井戸完成作業を可能にする。フラクシステム46は、1つ以上の第1の流体ポンプ48と、流体圧エネルギ伝達システム10に連結された1つ以上の第2の流体ポンプ50とを有しうる。上述したように、流体圧エネルギ伝達システム10は、流体圧過給機、回転式PX、往復動PX、又はこれらの任意の組合せを有しうる。さらに、流体圧エネルギ伝達システム10は、フラクシステム46の他の構成要素とは別個のスキッド上に配置することができ、流体圧エネルギ伝達システム10が既存のフラクシステム46に追加される状況において望ましい場合がある。動作中において、流体圧エネルギ伝達システム10は、第1の流体ポンプ48によってポンプされる第1の流体(例えば、プロパント非含有流体)と、第2の流体ポンプ50によってポンプされる第2の流体(例えば、プロパント含有流体又はフラク流体)との間の実質的な混合なしに、圧力を伝達する。このようにして、流体圧エネルギ伝達システム10により、第1の流体ポンプ48(例えば、高圧ポンプ)上の摩耗を阻止又は制限しつつ、フラクシステム46が高圧フラク流体をウェル52内に圧送して油及びガスを解放することができる。さらに、流体圧エネルギ伝達システム10は、第1及び第2の流体に曝されるように構成されているので、流体圧エネルギ伝達システム10は、第1及び第2の流体のいずれかにおいて腐食性及び研磨性の物質に耐性のある材料で作製されうる。例えば、流体圧エネルギ伝達システム10は、コバルトクロム(CoCr)、ニッケル(Ni)、ニッケルクロム(NiCr)又はコバルト(Co)のマトリックス中の炭化タングステンなどの金属マトリックス(例えば、コバルト(Co)、クロム(Cr)又はニッケル(Ni)、又はこれらの任意の組合せ)内のセラミック(例えば、アルミナ、炭化物、酸化物、窒化物、又はホウ化物の硬質相などのサーメット)から作ることができる。
【0021】
ハイブリッド動圧静水圧軸受システム12を有する流体圧エネルギ伝達システム10(例えばPX)の使用が、フラクシステム46の文脈で説明しているが、流体圧エネルギ伝達システムは、他のタイプの用途(例えば、淡水化、泥水圧送等)で利用されうる。更に、ハイブリッド動圧静水圧軸受システム12は、他のタイプの機器と共に、特に、液体及びガス処理ターボ機械、蒸気タービン、ガスタービン、航空機エンジン、炭酸ガスコンプレッサと共に利用することができる。
【0022】
図1の流体圧エネルギ伝達システム10に戻ると、PXシステム20は、図3図7に関する説明においてさらに理解され得る。図3は、一実施形態の回転式PX20の分解図である。図示の実施形態では、回転式PX20は、ハウジング56及び回転子44を有する略筒状の本体部54を備えうる。回転式PX20は、また、マニホールド62及び64を備える2つの端部構造58及び60を有しうる。マニホールド62は入口ポート66及び出口ポート68を備え、マニホールド64は入口ポート70及び出口ポート72を備える。例えば、入口ポート66は、高圧の第1の流体を受け入れ、出口ポート68は、低圧の第1の流体をPX20から離れるように送るために使用されうる。同様に、入口ポート70は、低圧の第2の流体を受け入れ、出口ポート72は、高圧の第2の流体をPX20から離れて送るために使用されうる。端部構造58及び60は、ほぼ平坦な端板31、33(例えば、端カバー30)を備え、これら端板31、33は、それぞれ、マニホールド62及び64内に配置され、回転子44と流体シール接触するように適合されている。回転子44は筒状とすることができ、ハウジング56内に配置され、回転子44の長手軸線74を中心として回転するように配置されている。回転子44は、長手軸線74を中心として対称に配置された各端部に開口78及び80を有する回転子44を通して実質的に長手方向に延びる複数のチャネル76を有しうる。回転子44の開口78及び80は、回転中に、高圧の流体と低圧の流体をそれぞれのマニホールド62及び64に交互に流体圧的に曝すように、端板62及び64並びに入口開口82及び出口開口84並びに開口86及び開口88と流体圧連通するように配置されている。マニホールド62及び64の入口ポート66及び70及び出口ポート68及び72は、1つの端部要素58又は60内の高圧流体のための少なくとも1対のポートと、反対の端部要素58又は60内の低圧流体のための少なくとも1対のポートを形成する。端板62及び64並びに入口開口82及び86及び出口開口84及び88は、円の弧又はセグメントの形態の垂直な流れ断面を有するように設計されている。
【0023】
PX20に関して、プラント操作者は、第1の流体と第2の流体との間の混合の程度を制御し、これを使用して流体処理システムの操作性を改善することができる。例えば、PX20に入る第1の流体と第2の流体の比率を変化させることによって、プラント操作者は、流体処理システム内の流体混合の量を制御することができる。特定の実施形態において、流体処理システム内の混合量を制御するために、駆動流体の腐食性流体に関する割合を変化させうる。他の実施形態では、プラント操作者は、混合量を制御するために回転子44の回転角速度を制御することができる。混合に影響を及ぼすPX20の3つの特徴は、(1)回転子チャネル76のアスペクト比、(2)第1の流体と第2の流体の間の曝露の短い持続時間、及び(3)回転子チャネル76内の第1の流体と第2の流体の間の流体障壁(例えば、界面)の生成又は存在である。第1に、回転子チャネル76は、概ね長く狭く、PX20内の流れを安定化させる。さらに、第1及び第2の流体は、非常にわずかな軸線方向の混合で、プラグ流動様式でチャネル76を通って移動しうる。第2に、特定の実施形態では、約1200RPMの回転子速度で、第1の流体と第2の流体の間の接触時間は、約0.15秒、0.10秒、又は0.05秒未満とし、これにより、再び、流れの混合を制限しうる。第3に、回転子チャネル76の小さな部分が、第1の流体と第2の流体との間の圧力の交換のために使用される。したがって、流体の体積は、第1の流体と第2の流体との間の障壁として、チャネル76内に残る。これらの機構は全て、PX20内の混合を制限することができる。
【0024】
図4図7は、チャネル76が完全なサイクルを通して回転するときの回転子44内の単一のチャネル76の位置の順序を示す、一実施形態の回転式PX20の分解図であり、回転式PX20の理解に役立つ。図4図7は、1つのチャネル76を示す回転式PX20の簡略図であり、チャネル76は円形の断面形状を有するように示されていることに留意されたい。他の実施形態では、回転式PX20は、異なる断面形状を有する複数のチャネル76(例えば、2~100)を有しうる。したがって、図4図7は、説明の目的のための簡略化であり、回転式PX20の他の実施形態は、図5図8に示されるものとは異なる構成を有しうる。以下に詳細に説明するように、回転式PX20は、回転チャンバ内に瞬間的に接触させることによって、2つの液体の間の圧力の流体圧交換を容易にする。特定の実施形態では、この交換は高速で行われ、液体の混合が非常に少なく非常に高い効率をもたらす。
【0025】
図4において、チャネル開口78は、端板31の開口84と流体圧連通状態にあり、従って、回転子44の第1の回転位置でマニホールド62と流体圧連通状態にあり、反対側のチャネルの開口80は端板33の開口88と流体圧連通状態にあり、従って、マニホールド64と流体圧連通状態にある。後述するように、回転子44は、矢印90で示す時計回りの方向に回転する。図4に示すように、低圧の第2の流体92は、端板31を通過してチャネル76に入り、の第2の流体92は、チャネル76から第1の流体94を押し出し、端板31を通って、回転式PX20を出る。特定の実施形態では、第1の流体94と第2の流体92は界面96で互いに接触し、接触の持続時間が短いため、液体の混合が最小限になる。特定の実施形態では、界面96は、第2の流体92が第1の流体94と直接的に接触するため、直接接触界面としうる。他の実施形態では、界面96は、第1の流体と第2の流体とを分離するために利用される動的障壁を有しうる。他の実施形態では、第1の流体と第2の流体の非対称の流れは、第1の流体と第2の流体の間に特定量の混合をもたらし得る。
【0026】
図5において、チャネル76は、約90度の弧を通って時計回りに回転し、この時、出口80は、端板33の開口86と開口88との間で遮断され、チャネル76の出口78は、端板31の開口82と開口84との間に位置し、したがって、端部構造58のマニホールド62との流体圧連通から遮断される。したがって、低圧の第2の流体92は、チャネル76内に収容される。
【0027】
図6において、チャネル76は、図4に示された位置から約180度の弧を通って回転した。開口80は、端板33内の開口86と流体圧連通状態にありかつマニホールド64と流体圧連通状態にあり、チャネル76の開口78は、端板31の開口82と流体圧連通状態にありかつ端部構造58のマニホールド62と流体圧連通状態にある。端部構造60のマニホールド64の圧力であったチャネル76内の液体は、この圧力を、出口78及び開口82を通して端部構造58に伝達し、端部構造58のマニホールド62の圧力に到達する。したがって、高圧の第1の流体94は、第2の流体92を加圧及び変位させる。
【0028】
図7において、チャネル76は、図4に示す位置から約270度の弧を通して回転し、チャネル68の開口70及び72は、端板31の開口82と開口84の間、並びに、端板33の開口86と開口88の間にある。したがって、高圧の第1の流体94は、チャネル76内に収容される。チャネル76が、図4に示される位置から約360度の弧を通って回転すると、第2の流体92が第1の流体94を変位させ、サイクルを再開する。
【0029】
図8~21の説明を参照することで回転式PXシステム20及びハイブリッド動圧静水圧軸受システム12がさらに理解され得る。特定の実施形態において、回転子40の端面150の両方が、動圧生成機構152を有することができ、複数の端カバー30の一方又は両方は、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムを形成するための静水圧強化機構184を備える。他の実施形態では、複数の端カバー30の一方又は両方のみが、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムを形成するために、動圧生成機構152及び静水圧強化機構184の両方を備える。
【0030】
図8は、一実施形態の動圧生成機構152(例えば螺旋状の溝部)を有するPX20の回転子44の端面150の側面斜視図である。図示されるように、動圧生成機構152は、溝部154(例えば、螺旋状の溝部)である。第1の組156の溝部154(例えば、内向き圧送溝部)は、(例えば、チャネル76の半径方向外側にある)端面150の外周又は直径158に沿って、長手軸線74を中心に周方向148に配置される。第2の組160の溝部154(例えば、外向き圧送溝部)は、(例えば、チャネル76の半径方向内側にある)端面150の内径162に沿って、長手軸線74を中心に周方向148に配置される。溝部154の数及び形状は、変えることができる。
【0031】
螺旋状の溝部154は、浅い部分164と、深い部分166(すなわち、浅い部分164よりも長い)と、浅い部分164と深い部分166の間に配置されたダム部分168とを備える。螺旋状の溝部154は、螺旋に沿った流体の運動量の増加を、流体がダム部分168に衝突するときの動圧上昇に変換することによって、動圧を生成する。例えば、回転子44が矢印170で示すように回転すると、流体がダム部分168に衝突する(例えば、圧送作用を発生する)まで、第1の組156及び第2の組160のそれぞれの溝部154に沿って(それぞれ矢印172、174で示すように)加速する。ダム部分168では、運動エネルギが圧力に変換されて高圧スパイクとなり、この圧力が溝部の領域にわたって統合されると、回転子44を軸線方向32に端カバー30から押し離す力を発生させる。溝部の設計上の機構(例えば、溝部の螺旋角度、ダム対ランドの比、溝部のピッチ、溝部の深さなど)は、この圧力スパイクの大きさ、ひいては、溝部によって生成される抵抗力の大きさを微調整するために最適化され得る。内向き圧送溝部156の螺旋角度の方向は、外向き圧送溝部160の螺旋角度の方向とは逆である。これにより、流体は、溝部によってID方向(156の場合)及びOD方向(160の場合)に旋回させられ、軸受流体がそれぞれのダムセクションに半径方向内側(156の場合)及び半径方向外側(160の場合)に衝突する直前に、軸受流体に高い運動エネルギを提供することが保証される。第1の組156及び第2の組160の両方の溝部154が存在することによって、回転子44が端面150の全体にわたって支持されることが保証され、回転子44内の一時的な傾斜又はND2振動(回転子面の曲げモード)による端カバー30との擦れの可能性を減少させる。
【0032】
レイノルズ方程式は薄膜流れの物理特性を支配する。
このレイノルズ方程式は、以下の通りである。
【数1】
この式において、pは流体薄膜圧力であり、r及びθは軸受領域内の半径方向及び周方向座標であり、hは流体薄膜厚であり、μは流体速度であり、ρは流体密度であり、U及びUはそれぞれ境界面の速度(面の周方向速度×半径)であり、1及び2は回転子及び固定子面を示す添え字である。この方程式を解くことにより、動圧上昇は流体薄膜厚の逆三次関数であり、回転子速度と共に増加することが分かる。耐荷力と支持剛性は、溝部の深さ、溝部の数、及び溝部の螺旋角度、ダム半径、及び、ランド対幅比によって支配される。特定の実施態様において、溝部154の(例えば、軸線方向32における)深さは、約数十ミクロンとしうる。溝部154は、(例えば、放電加工を用いて)回転子の端面150上に製造されうる。互いに対向する端面150の最外面と端カバー30との間の隙間は、(機構152は存在しない場合に)約10~20μmとしうる。
【0033】
図9A及び図9Bは、一実施形態の動圧生成機構152(例えば螺旋状の溝部)を有する回転式PX20の回転子44の両方の端面150、151の側面斜視図である。図9Aは、回転子の端面150が外周158上の単一の組156の溝部154のみを備えることを除いて、図8と同様である。特定の実施形態では、端面150、151の両方が、図8と同様な内径に沿った溝部を備えうる。図9Bは、回転子44の反対側の端面151である。図示のように、端面151上のいくつかの溝部154は、回転子44を軸線方向に半分に切断する平面153の周りの端面150上の溝部154に関して鏡像である。端面150、151上のいくつかの溝部154は、端面150、151に対する回転方向170が反対であるため、鏡像である。これにより、内側及び外側への圧送が正しく機能する。
【0034】
図10は、図8の端面150と対応する端カバー30との間の軸受流体薄膜の(例えば、ミクロンスケールにおける)動圧分布の代表的なグラフである。例えば、高圧スパイク(例えば、領域175による表示)が、運動エネルギが圧力に変換されるために、第1の組156の溝部154のダム部分168において見える。図11は、回転子の端面150上の螺旋状の溝部154の異なる溝部深さについて、(例えば、回転子の端面150と端カバー30との間における)発生する流体力と流体薄膜厚のグラフ176である。グラフ178、180、182は、螺旋状の溝部154について溝部の深さがそれぞれ10μm、20μm、30μmであることを表す。グラフ176は、高い軸受剛性(薄膜厚の単位変化あたりに発生する流体力の変化)が、螺旋状の溝部154で得られ得ることを示している。特に、流体力は、回転子44と端カバー30との間の隙間を減少させると共に増加し、回転子44を端カバー30から押し離すための強い抵抗力を発生させる。
【0035】
回転子の端面150上の動圧生成機構152と併せて、静水圧強化機構が、回転子の端面150との界面を有する端カバー30の表面上に存在しうる。図12~14は、一実施形態の静水圧強化機構184を有する回転式PX20の端カバー30の側面図である。図12図14に示されているように、静水圧強化機構184は、回転子の端面150(又は回転子の端面151)との界面を有する端カバー30の表面186(表面187)上に配置されている。端カバー30は開口188、190を備え、特定の実施形態では、環状の溝部192(図12及び14参照)を備える。環状の溝部は、流体(例えば、HP第1の流体)を受け入れて、回転子44の周囲の周方向の圧力分布を均一化しようとするプレナムを形成する。図12~14に示されているように、静水圧強化機構184は、ポート又は開口194を備える。ポート194の数及び形状は、変えることができる。具体的には、第1の組196のポート194は、溝部192に隣接して配置され、これらポート194は、半径方向146において溝部192よりも内側に配置されており、(例えば、長手軸線74に対して)開口188、190よりも半径方向外側に配置されている。第2の組198のポート194は、半径方向146において溝部192及び開口188、190の両方よりも内側に配置される。
【0036】
第1の組196及び第2の組198のポート194は、図15及び図16に示されているように、静水圧チャネルネットワーク195を形成する。第1の組196及び第2の組198の両方の各ポート194は、端カバー30を通って延びるそれぞれのチャネル197(例えば、L字形チャネル)に連結されている。特に、チャネル197は、表面186から端カバー30内に軸線方向32に延びる第1の部分199と、端カバー30の外周又は直径203に半径方向146に延びる、第1の部分199に連結される第2の部分201とを含んでいる。高圧流体は、外周203から、第1の部分199を通って(例えば、入口209を介して)チャネル197の第2の部分201に流入し、半径方向146においてポート194(例えば、出口)から出て、アキシャル軸受薄膜内に圧力上昇を生成する。特定の実施形態では、(例えば、図15に示されているように)第1の組196の外径ポート194は、第2の組198の半径方向に隣接する内径ポート194の同じチャネル197の一部(例えば、第2の部分201)を共有しうる。特定の実施形態では、(例えば、図16に示されているように)第1の組196及び第2の組198の両方の各ポート194は、別個のチャネル197に連結されうる。端カバー30内のチャネル197の製造中、第2の部分201は、第1の部分199の直径207よりも大きい直径205を有する。それぞれのチャネル197にわたる圧力降下は、それぞれの直径205、207及び部分201、199の長さによって規定され、したがって、ポート出口における圧力が、有効な静水圧軸受作用を生成するために十分に高くなるように最適化される。これにより、部分199、201が互いに合流してチャネル197を形成することを保証される。特定の実施形態では、チャネル197は、機械加工されうる(例えば、放電加工されうる)。
【0037】
図12図13A及び図13Bに戻ると、第1の組196及び第2の組198のポート194は、(例えば、長手軸線74に対して)図8の回転子の端面150の第1の組156及び第2の組160の溝部154と半径方向146に位置合わせされている。特定の実施形態では、ポート194及び溝部154は、共にハイブリッド動圧静水圧軸受システムとして作用する。溝部154によって生成される流体力は、ポート194によって生成される静水圧力を補う。静水圧強化機構(例えば、参照番号184)は、これらのポート194を通して供給される高圧流体によって、さらなる荷重支持能力を提供しつつ、動圧生成機構は、回転子44の回転と運動エネルギの圧力上昇への変換とによって、さらなる荷重支持能力を提供することに留意することが重要である。動圧生成機構は、また、静水圧軸受単独で達成することができるものよりも高い流体薄膜剛性を提供し、ひいては、様々な振動モードによる回転子44の高速の一時的な運動によって引き起こされる擦り事象に対して、比較的に高い抵抗を提供する。
【0038】
特定の実施形態では、端カバー30は、動圧生成機構と静水圧強化機構の両方を有しうる。図13A及び13Bは、一実施形態の静水圧強化機構184(例えば、ポート)と動圧生成機構152(例えば、螺旋状の溝部154)とを有する回転式PX20の両方の端カバー30の側面図である。端カバー30の表面186、187は、それぞれ、回転子44の両方の端面150、151との界面を有する。端カバー30は、第1の組196のポート194に隣接する螺旋状の溝部154を有する。図示されているように、第1の組196のポート194は、周方向148に数個の溝部154ごとに分散されている(すなわち、ポートが数個の溝部154ごとに間に配置されている)。特定の実施形態において、ポート194は、各隣接する対の溝部154の間に配置されうる。端カバーの表面186上のいくつかの溝部154は、端回転子の端面150、151について上述したのと同じ理由により、平面153の周りの端カバーの表面187上の溝部154に関して鏡像である。端カバー30の溝部154は、回転子44の端面150、151上のものと同様に機能する。
【0039】
特定の実施形態では、静水圧強化機構184は、図14に示すようにポケット又は凹部200内に配置されたポート194を有しうる。ポケット200の形状及び数は、変えることができる。図示のように、ポケットは矩形を有する。ポケット200あたりのポート194の数は、変えることができる。さらに、ポケット200に対するポート194の位置は、変えることができる。ポケット200は、約30μm~100μmの(例えば、軸線方向32における)深さを有しうる。ポケット200は、改善された圧力分布及び剛性を提供する。ポケット200は、端カバー30と回転子44との間の隙間の完全な閉鎖が生じる場合に、軸受薄膜を通る流れを狭めるのを回避するのに役立つ。特定の実施形態では、(例えば、図12~14における)ポート194は、ポート194と関連付けられたチャネル197内に配置されたオリフィス流量制限器211を有しうる。図17に示されているように、オリフィス流量制限器211は、第1の組196及び第2の組198の両方において、ポート194に関連するチャネル197内に配置される。特に、オリフィス流量制限器211は、第1の部分199内に配置される。特定の実施形態において、オリフィス流量制限器211は、第2の部分201に配置されうる。オリフィス流量制限器211は、ポケットの圧力に負荷された荷重をそれ自体で調整する能力を提供する。例えば、回転子44が軸受隙間を閉じるように強いる、非常に高い負荷が回転子44に加えられると、軸受薄膜からの流出はほとんどゼロになり、オリフィスを越える流れはない。これにより、オリフィスを越える圧力降下が無視できるほどになり、静水圧ポケット内の圧力が上昇することが可能になる。ポケット圧力の上昇により、回転子44を端カバー30から押し離し、自己補正挙動を提供する。回転子44上の軸線方向スラストが無視できる値まで低下すると、軸受隙間の増加により、大きな漏れ流れが軸受隙間を通ることが可能となり、流れに対する唯一の抵抗がオリフィス流量制限器211によって提供される。これにより、オリフィスを越える圧力降下がポケット圧力を減らすのに十分になるまで、流量が増加する。これにより、また、自己補正挙動を介して、回転子44を平衡位置に戻す。オリフィス流量制限器211及びポケット200は、端カバー30上に機械加工(例えば、放電加工)されうる。特定の実施形態では、外部オリフィス流量制限器を端カバー30のOD上に位置する静水圧ポートの開口に取り付けることもできる。
【0040】
図14に戻ると、静水圧強化機構184(例えば、ポート194、ポケット200、オリフィス流量制限器など)は、高圧流体がポート194及び/又はオリフィス流量制限器を通って圧送されるときに、アキシャル軸受薄膜内に圧力上昇を生成する。動作中において、ポート194は、HP流体(例えば、端カバー30に応じて第1の流体又は第2の流体)の圧力を利用して、回転子44に対して力を加えて、回転子44が端カバー30に接触する可能性を排除及び/又は実質的に低減する。特に、第1の外力(及び意図しない力)を介して、回転子44が端カバー30に向かって駆動されるとき、アキシャル軸受(すなわち、静水圧強化機構184)内の局所化された圧力が増加し、それによって、第1の力と等しいか又は僅かに大きい第2の内力(及び意図された力)を回転子44に発生させる。その結果、アキシャル軸受によって生成される力により、回転子44を均衡のとれた位置に維持する。
【0041】
図18は、図12の回転子と端カバー30との間の界面における静水圧分布の二次元グラフである。図示されるように、高圧領域213が、第1の組196のポート194に対応する薄膜領域内に存在する。図19は、ハイブリッド軸受システムを有する回転子と端カバー(例えば、図13Aの端カバー30)との間の界面における静水圧分布の二次元グラフである。図19に示されているように、高圧領域215は、第1の組196及び第2の組198の両方のポート194及び螺旋状の溝部154に対応する薄膜領域内に存在する。図20は、ハイブリッド軸受システムを欠く回転子と端カバーとの間の界面における静水圧分布の二次元グラフである。 図20に示されているように、図19において観察される高圧領域が存在しない。図19のこれらの高圧領域215は、ハイブリッド軸受なしの端カバー30と比較して、さらなる荷重支持能力を提供する。
【0042】
図21は、回転子44の端面150上の動圧生成機構152についての代替の溝部形状を示す。動圧生成機構152はへリングボーン形状の溝部202を備える。この溝部202は、端面150の外周又は直径158に沿って(例えば、チャネル76の半径方向外側において)、長手軸線74を中心として周方向148に配置されている。溝部202は、中央円周部分204と、溝部202についてY字形部分を形成するために、中央円周部分204から離れる角度(例えば、斜角)で延びる分岐部206とを備える。へリングボーン形状の溝部202は、溝部202のY字型の分岐部による二方向の傾斜や撓みの補正能力を提供する。従って、回転子44が内径に向かって傾斜又は変形する場合、半径方向146において内側の分岐部206は、比較的に小さい薄膜厚に支えられる。これにより、内側の分岐部206は、半径方向146において外側の分岐部206よりも大きな動圧を生じさせ、その結果、回転子44をその平衡位置に押し戻す。回転子44が外径に向かって傾斜又は変形する場合、半径方向146において外側の分岐部は、比較的に小さい厚さに支えられる。これにより、外側の分岐部206は、内側の分岐部206よりも多くの動圧を生じさせ、その結果、回転子44をその平衡位置に押し戻す。いくつかのY字型部分の分岐部は、これら分岐部206の各々の分岐部206の端部に位置するダム部分に向かう流れを加速するのを助ける。溝部202の中央円周部分204は、Y字型の部分の全てを越える流れを均一に循環させるのを助け、回転子44上にモーメントの不均衡を作り出しうるいかなるチャネルを狭めるのを回避する。また、中央円周部分204は、Y字型の分岐部で発生する熱を取り除く。特に、中央円周部分204は、面の反りや熱亀裂を回避するために、動圧の作用から生じる高粘性熱を消散させるための冷却流を提供する。溝部202は、端面150上に機械加工(例えば放電加工)されうる。
【0043】
特定の実施形態において、端面150上の溝部202は、端カバー30上の静水圧強化機構184と併せて利用されうる。例えば、溝部202は、図12~14の端カバー30上の静水圧強化機構184(例えば、ポート、ポケットなど)と併せて利用されうる。特定の実施形態では、端カバー30上のいくつかのポート194は、半径方向146において中央円周部分204と位置合わせすることができる。
【0044】
特定の実施形態では、界面を有する回転子の端面150上に配置される機構152、184を有さず、動圧生成機構152及び静水圧強化機構184(例えば、溝部及びポート)の両方が端カバー30の表面186上にのみ配置されうる。図22及び図23は、一実施形態の動圧生成機構152及び静水圧強化機構184(例えば、螺旋状の溝部208と、いくつかの溝部208同士の間のポート210)の両方を有する回転式PX20の端カバー30の側面図である。第1の組212の溝部208(例えば、内向き圧送溝部)が、(例えば、半径方向146においてチャネル76と溝部192との間において)表面186上の長手軸線74に対して周方向148に配置される。第2の組214の溝部208(例えば、外向き圧送溝部)が、(例えば、半径方向146においてチャネル76及び溝部192の両方よりも内側において)表面186上の長手軸線74に対して周方向148に配置される。溝部208の数及び形状は、変えることができる。機能的には、溝部208は、図8の溝部154と同様に動作する。図22に示されているように、いくつかのポート210が、(例えば、いくつかの溝部208と周方向に位置合わせされて)いくつかの溝部208同士の間の表面180上に周方向に配置される。図22に示されているように、いくつかのポート210は、数個の溝部208ごとの間に配置される。特定の実施形態において、いくつかのポート210は、隣接する各対の溝部208の間に配置されうる。図23に示されているように、いくつかのポート210は、溝部208上の表面180上に周方向に配置される。図23に示されているように、いくつかのポート210は複数の溝部208のいくつかに配置されている。特定の実施形態において、いくつかのポート210は、いくつかの溝部208のそれぞれに配置されうる。いくつかのポート210は、上述したポート194と機能的に同様に動作する。溝部208とポート210とが共に、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムとして機能する。
【0045】
図24は、一実施形態の動圧生成機構152と静水圧強化機構184(例えば、へリングボーン形状の溝部とポート)との両方を有する回転式PX20の端カバー30の側面図である。図示されるように、動圧生成機構152は、半径方向において(放射状に)溝部192と開口188、190との間の端カバー30の表面186上に配置されたへリングボーン形状の溝部216を備える。構造的には、溝部216は、図21の溝部202に類似した、中央部分218及び分岐部220を備える。さらに、溝部216は、図21の溝部202と同様に機能する。図示されるように、静水圧強化機構184は、溝部216上に配置されたいくつかのポート222を備える。特に、いくつかのポート222は、いくつかのY字型部分同士の間の中央部分218上に配置される。図示されるように、いくつかのポート222は、溝部216の隣接する複数のY字形部分同士のいくつかの間に配置される。特定の実施態様において、いくつかのポート222は、溝部216の隣接する各対のY字形部分同士の間に配置されうる。ポート222の数及び形状は、変えることができる。いくつかのポート222は、図12~14のポート194と同様に機能する。ポート222と溝部216とが共に、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムとして機能するように作用する。
【0046】
図25は、一実施形態の動圧生成機構152及び静水圧強化機構184(例えば、V字形の溝部及びポート)の両方を有する回転式PX20の端カバー30の側面図である。図示されるように、動圧生成機構152は、半径方向において(放射状に)溝部192と開口188、190との間の端カバー30の表面186上に配置された複数の溝部224(例えば、V字形の溝部)を備える。さらに、いくつかの溝部224は、互いに対して周方向に位置合わせされる。各溝部224は、中央部分228上に収束する一対の分岐部226を備える。「V」字形の2つの分岐の目的は、図24におけるものと同様である。すなわち、「二方向」傾斜及びND2振動補正を提供することである。しかしながら、この場合には、全ての個々の溝部を接続する中央の周チャネルは含まれない。この理由は、軸受薄膜を通る漏れ流れを最小限に抑える必要がある特定の用途では、上記中央のより深い周チャネルがないことで、漏れを減少させるのに役立ちつつ、二方向傾斜補正機構からは依然として利益を得る。図示されるように、静水圧強化機構184は、隣接する各対の溝部224同士の間に配置されたいくつかのポート230を備える。いくつかのポート230は、いくつかの溝部224の中央部分と周方向に位置合わせされている。ポート230の数及び形状は、変えることができる。ポート230は、図12~14のポート194と同様に機能する。ポート230及び溝部224は共にハイブリッド動圧静水圧軸受システムとして機能するように作用する。
【0047】
図26及び図27は、それぞれ、一実施形態の動圧生成機構152及び静水圧強化機構184(例えば、テーパ付きランド、ポート、ポケット)の両方を有する回転式PX30の端カバー30の側面図及び斜視図である。図28は、図26の線28-28に沿った端カバー30の断面図である。動圧生成機構152は、半径方向において溝部192と開口188、190との間において(放射状に)配置されたいくつかのテーパ付きランド232を備える。静水圧強化機構184は、ポケット234と、各テーパ付きランド232に隣接するプラトー(plateau)又は平坦領域238上に配置されたポケット234内に配置されたポート236とを備える。特定の実施形態では、平坦領域238は、ポート236のみを備える(すなわち、ポケット234を伴わない)。ポケット234及びポート236は、図14で説明したように機能する。ポケット234の深さ、形状、及びサイズは、変えることができる。ポート236の形状、数、及び位置は、変えることができる。複数の対のテーパ付きランド232及び平坦領域238が、環状配置で長手軸線74を中心として位置合わせされて周方向に配置される。図28に示されているように、テーパ付きランド232は、周方向148に沿って、周方向位置θから平坦領域238に隣接するθまで(例えば、方向32において)上昇する。図示されるように、テーパ付きランド232の長さは、平坦領域238の長さよりも大きい。テーパ付きランド232上の平坦面(例えば、回転子44の端面150)の運動により、楔部を包囲する流体よりも高い圧力を楔部内に発生させる「絞り作用(squeeze action)」と呼ばれるものを使用して、収束する楔形状のゾーン240内に流体を引き込む。回転子44が流体を平坦領域238にわたって押し広げるとき、流体薄膜の内部の圧力は、この上昇値で一定に保たれる。ポート236は、平坦領域238内の圧力を補うだけでなく、平坦領域内の隙間が薄膜に入ることができない完全に閉じられた場合に、平坦領域内の流体の供給源を提供するために、静水圧を生成する。したがって、ポート236(及び/又はポケット234)及びテーパ付きランド232は、共に、ハイブリッド動圧静水圧軸受システムとして機能するように作用する。ハイブリッドテーパ付きランド静水圧軸受の性能は、テーパ付きランド232の角度、テーパ領域の最大深さ及び最小深さ、静水圧ポート236の位置、及び、静水圧ポケット234のサイズの調整を介して最適化することができる。
【0048】
本発明は、様々な変形例及び代替形態が可能であるが、具体的な実施形態は図面において例として示されており、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示された具体的な形態に限定されることは意図しないことが理解されるであろう。むしろ、本発明は以下の添付の特許請求の範囲によって規定される発明の精神及び範囲内にある全ての修正、均等物及び代替物に及ぶべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2024-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
本発明は、様々な変形例及び代替形態が可能であるが、具体的な実施形態は図面において例として示されており、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示された具体的な形態に限定されることは意図しないことが理解されるであろう。むしろ、本発明は以下の添付の特許請求の範囲によって規定される発明の精神及び範囲内にある全ての修正、均等物及び代替物に及ぶべきである。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムであって、前記第1の流体は前記第2の流体よりも高い圧力を有する、流体圧エネルギ伝達システムを備える、システムにおいて、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、
回転軸線を中心に周方向に回転するように構成された筒状の回転子であって、互いに対向して配置された、第1の端面と第2の端面とを有する、筒状の回転子と、
前記筒状の回転子の前記第1の端面との界面を有する第1の表面を有する第1の端カバーと、
前記筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムとを備える、システムである。
第2の態様は、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、回転式圧力交換器を備える、第1の態様におけるシステムである。
第3の態様は、
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された静水圧強化機構を備える、第1の態様におけるシステムである。
第4の態様は、
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記筒状の回転子の長手軸線に対して周方向に離間した第1の複数のポートを備える、第3の態様におけるシステムである。
第5の態様は、
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した第2の複数のポートを備え、前記第2の複数のポートは、前記長手軸線に対して前記第1の複数のポートの半径方向内側に位置する、第4の態様におけるシステムである。
第6の態様は、
前記第1の複数のポート及び前記第2の複数のポートは、前記第1の端カバー内に配置された複数のチャネルに連結されて静水圧チャネルネットワークを形成する、第5の態様におけるシステムである。
第7の態様は、
前記複数のチャネルの各チャネルは、前記長手軸線に対して軸線方向に延びる第1の部分と、前記長手軸線に対して半径方向に延びる第2の部分とを備え、前記第2の部分は、高圧流体を受け入れるように構成された入口に連結されており、前記第1の部分は、前記高圧流体を排出するように構成された前記第1の複数のポート又は前記第2の複数のポートのいずれかのそれぞれのポートに連結されている、第6の態様におけるシステムである。
第8の態様は、
前記第2の部分の直径は、前記第1の部分の直径よりも大きい、第7の態様におけるシステムである。
第9の態様は、
前記静水圧強化機構は、前記複数のチャネルの内の少なくとも1つのチャネル内に配置されたオリフィス流量制限器を備える、第6の態様におけるシステムである。
第10の態様は、
前記静水圧強化機構は、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された複数の凹部を備え、前記第1の複数のポート又は前記第2の複数のポートのいずれかのそれぞれのポートが、前記複数の凹部のそれぞれの凹部内に配置されている、第5の態様におけるシステムである。
第11の態様は、
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された動圧生成機構を備える、第4の態様におけるシステムである。
第12の態様は、
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された動圧生成機構が、前記長手軸線の周りに周方向に延びるへリングボーン形状の溝部を備え、前記第1の複数のポートが前記へリングボーン形状の溝部内に配置されている、第11の態様におけるシステムである。
第13の態様は、
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された表面上に配置された前記動圧生成機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した複数の溝部を備え、前記第1の複数のポートの各ポートは、前記複数の溝部の隣接する一対の溝部の間に配置されている、第11の態様におけるシステムである。
第14の態様は、
前記複数の溝部の各溝部は、V字形又は螺旋状を備える、第13の態様におけるシステムである。
第15の態様は、
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記動圧生成機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した複数のテーパ付きランドを備え、前記第1の複数のポートの各ポートは、前記複数のテーパ付きランドのそれぞれのテーパ付きランドに配置されている、第11の態様におけるシステムである。
第16の態様は、
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記筒状の回転子の前記第1の端面上に配置されたいくつかの動圧生成機構と、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置されたいくつかの静水圧強化機構とを備える、第1の態様におけるシステムである。
第17の態様は、
前記第1の端面上に配置された前記動圧生成機構は、前記筒状の回転子の外径に隣接する前記筒状の回転子の長手軸線に対して周方向に離間した第1の複数の溝部を備える、第16の態様におけるシステムである。
第18の態様は、
前記第1の端面上に配置された前記動圧生成機構は、前記筒状の回転子の内径に隣接する前記長手軸線に対して周方向に離間した第2の複数の溝部を備える、第17の態様におけるシステムである。
第19の態様は、
前記第1の複数の溝部の各溝部は、螺旋状を有する、第17の態様におけるシステムである。
第20の態様は、
前記第1の端面上に配置された前記動圧生成機構は、前記筒状の回転子の外径に隣接する前記筒状の回転子の長手軸線の周りに延びるへリングボーン形状の溝部を備える、第16の態様におけるシステムである。
第21の態様は、
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記筒状の回転子の長手軸線に対して周方向に離間した第1の複数のポートを備える、第16の態様におけるシステムである。
第22の態様は、
前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された前記静水圧強化機構は、前記長手軸線に対して周方向に離間した第2の複数のポートを備え、前記第2の複数のポートは、前記長手軸線に対して前記第1の複数のポートの半径方向内側に位置する、第21の態様におけるシステムである。
第23の態様は、
前記第1の複数のポート及び前記第2の複数のポートは、前記第1の端カバー内に配置された複数のチャネルに連結されて静水圧チャネルネットワークを形成する、第22の態様におけるシステムである。
第24の態様は、
前記静水圧強化機構は、前記複数のチャネルの内の少なくとも1つのチャネル内に配置されたオリフィス流量制限器を備える、第23の態様におけるシステムである。
第25の態様は、
前記静水圧強化機構は、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された複数の凹部を備え、前記第1の複数のポート又は第2の複数のポートのいずれかのそれぞれのポートが、前記複数の凹部のそれぞれの凹部内に配置されている、第21の態様におけるシステムである。
第26の態様は、
第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムであって、前記第1の流体は前記第2の流体よりも高い圧力を有する、流体圧エネルギ伝達システムを備える、システムにおいて、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、
回転軸線を中心に周方向に回転するように構成された筒状の回転子であって、互いに対向して配置された、第1の端面と第2の端面とを有する、筒状の回転子と、
前記筒状の回転子の前記第1の端面との界面を有する第1の表面を有する第1の端カバーと、
前記筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムと、を備え、
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記筒状の回転子の前記第1の端面上に配置された動圧生成機構と、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置された静水圧強化機構とを備え、
前記動圧生成機構は、前記第1の端面上に配置された1つ以上の溝部を備え、前記静水圧強化機構は複数のポートを備える、システムである。
第27の態様は、
第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムであって、前記第1の流体は前記第2の流体よりも高い圧力を有する、流体圧エネルギ伝達システムを備える、システムにおいて、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、
回転軸線を中心に周方向に回転するように構成された筒状の回転子であって、互いに対向して配置された、第1の端面と第2の端面とを有する、筒状の回転子と、
前記筒状の回転子の前記第1の端面との界面を有する第1の表面を有する第1の端カバーと、
前記筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムと、を備え、
前記ハイブリッド動圧静水圧軸受システムは、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置されたいくつかの動圧生成機構と、前記第1の端カバーの前記第1の表面上に配置されたいくつかの静水圧強化機構との両方を備える、システムである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体と第2の流体との間で圧力を交換するように構成された流体圧エネルギ伝達システムであって、前記第1の流体は前記第2の流体よりも高い圧力を有する、流体圧エネルギ伝達システムを備える、システムにおいて、
前記流体圧エネルギ伝達システムは、
回転軸線を中心に周方向に回転するように構成された筒状の回転子であって、互いに対向して配置された、第1の端面と第2の端面とを有する、筒状の回転子と、
前記筒状の回転子の前記第1の端面との界面を有する第1の表面を有する第1の端カバーと、
前記筒状の回転子の軸線方向変位に抵抗するように構成されたハイブリッド動圧静水圧軸受システムとを備える、システム。
【外国語明細書】