(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180413
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】移動支援装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20241219BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20241219BHJP
B60K 35/10 20240101ALI20241219BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241219BHJP
B60Q 1/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W60/00
B60K35/10
G08G1/09 V
B60Q1/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024175013
(22)【出願日】2024-10-04
(62)【分割の表示】P 2023128967の分割
【原出願日】2019-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中元 祥吾
(57)【要約】
【課題】
車両の移動先を設定する際に、直感的かつ容易に目標移動先を指示することを可能とする移動支援装置を提供することを目的の1つとしている。
【解決手段】
自律走行可能な車両の移動を支援する車両移動支援装置であって、前記車両の周囲の互いに異なる位置に1又は複数の目印を投影する投影部と、前記1又は複数の目印のうちの1つを特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得部と、前記特定情報に基づいて、前記車両が自律走行で移動する際の目標位置を設定する移動先設定部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の車両を示す図形である基準車両図形及び前記1の車両の移動先の状態を示す移動先車両図形を表示部に表示させる表示制御部と、
前記移動先車両図形を表示させる前記表示部の表示上の位置を指定する入力操作を受付ける受付部と、
前記入力操作によって指定された前記移動先車両図形の位置と前記基準車両図形との相対的位置関係に基づいて前記1の車両の実際の移動先である移動先位置に関する位置指定情報を送信する位置指定情報送信部と、
を有する車両移動支援端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動支援装置及び移動支援端末装置に関し、特に、例えば移動体の移動先の設定に関する支援を行う移動支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
目標駐車位置に車両を駐車させるために支援を行う駐車支援装置が知られている。例えば、特許文献1には、車両周辺を映し出した撮像画像上に目標駐車枠を重畳表示させる表示制御手段と、入力手段を用いてユーザから入力された位置に前記目標駐車枠を移動させる目標駐車枠移動手段とを含む駐車支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、自律走行可能な車両において、上記のような駐車支援装置のユーザが、車両の外側に居ながら当該車両の移動先を指示する状況が生じ得る。このような場合、目標駐車位置を直感的かつ容易に指示できることがより好ましいことが課題の一つとして挙げられる。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、車両の移動先を設定する際に、直感的かつ容易に目標移動先を指示することを可能とする移動支援装置を提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、自律走行可能な車両の移動を支援する車両移動支援装置であって、前記車両の周囲の互いに異なる位置に1又は複数の目印を投影する投影部と、前記1又は複数の目印のうちの1つを特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得部と、前記特定情報に基づいて、前記車両が自律走行で移動する際の目標位置を設定する移動先設定部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項9に記載の発明は、自律走行可能な車両の移動を支援する車両移動支援装置によって前記車両の移動の目標位置を設定する方法であって、投影部が、前記車両の周囲の互いに異なる位置に1又は複数の目印を投影する投影ステップと、特定情報取得部が、前記1又は複数の目印のうちの1つを特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得ステップと、移動先設定部が、前記特定情報に基づいて、前記車両が自律走行で移動する際の目標位置を設定する移動先設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項10に記載の発明は、コンピュータを備え、自律走行可能な車両の移動を支援する車両移動支援装置によって実行される車両移動支援プログラムであって、前記車両の周囲の互いに異なる位置に1又は複数の目印を投影する投影部と、前記1又は複数の目印のうちの1つを特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得部と、前記特定情報に基づいて、前記車両が自律走行で移動する際の目標位置を設定する移動先設定部、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1に係る移動支援装置としての車載機器及び移動支援端末装置としての端末装置を含む移動支援システムを模式的に示す図である。
【
図2】実施例1に係る移動支援装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】実施例1に係る端末装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】実施例1において車両の周囲に投影される目印の一例を模式的に示す図である。
【
図5】実施例1において車両の周囲に投影される目印と移動先座標の対応を示す図である。
【
図6】実施例1の端末装置のディスプレイに表示される目印の選択画面の一例を示す図である。
【
図7】実施例1の端末装置のディスプレイに表示される目印の選択画面の一例を示す図である。
【
図8】実施例1において車両の周囲に投影される目印の一例を模式的に示す図である。
【
図9】実施例1において車両の周囲に投影される目印の一例を模式的に示す図である。
【
図10】実施例1の端末装置のディスプレイに表示される目印の選択画面の一例を示す図である。
【
図11】実施例1の端末装置のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図12】実施例1の端末装置のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図13】実施例1の端末装置のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】実施例1の端末装置のディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図15】実施例1において移動支援装置が実行するルーチンの一例を示す図である。
【
図16】実施例1において端末装置が実行するルーチンの一例を示す図である。
【
図17】実施例2の端末装置のディスプレイに表示される受付画面の一例を示す図である。
【
図18】実施例2において車両の周囲に投影される表示の一例を示す図である。
【
図19】実施例2において車両の周囲に投影される表示の一例を示す図である。
【
図20】実施例2において移動支援装置が実行するルーチンの一例を示す図である。
【
図21】実施例2において端末装置が実行するルーチンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0011】
図1は、本発明の実施例1に係る移動支援装置としての車載機器10及び移動支援端末装置としての端末装置30を含む移動支援システム100の構成を模式的に示している。
図1に示すように、移動支援システム100は、車両Mに搭載されている車載機器10を含んで構成されている。
図1において、車両Mの上面図を模式的に示している。
【0012】
車載機器10と端末装置30とは、相互にデータの送受信が可能であるように構成されている。車載機器10と端末装置30との間の通信は、無線通信によって、例えば、IEEE802.11、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、もしくはWi-Fi Direct(登録商標)などの無線LAN規格、又はBluetooth(登録商標)などの他の無線通信規格に従って行うことができる。
【0013】
例えば、当該無線通信は、P2P(Peer to Peer)通信によって行われる。当該無線通信によるデータの送受信は、例えばTCP/IP等の通信プロトコルを用いて行われる。
また、例えば、当該無線通信は、ブロードキャスト送信によって行われてもよい。
【0014】
本実施例において、車載機器10が搭載されている車両Mは、自律走行が可能である自律走行車として説明する。例えば、車両Mは、SAE J3016の規格におけるレベル4以上の運転が可能である。
【0015】
例えば、車両Mは、車両Mの運転者が降車した後に、自律走行による駐車又は移動が可能である。例えば、車両Mの運転者は、駐車を希望する場所の周辺に一端停車して降車し、その後、駐車位置、すなわち移動先を設定することが可能である。
【0016】
また、例えば、車両Mの運転者が車両Mを用いて回収や配達の業務を行う際に、短距離の間で複数回降車の必要が生じ、その都度降車していては作業効率が低下する場合がある。このような場合、車両Mの運転者は、例えば車両Mから降車後に短距離の移動先を設定し、車両Mを当該移動先まで自律走行させることで、当該運転者は効率よく業務を進めることができる。
【0017】
図1に示すように、車載機器10が搭載されている車両Mには、カメラ11及び投影装置13が備えられている。本実施例において、例えば、カメラ11及び投影装置13は、車両Mの前、後、及び左右のサイドミラーの位置に設置されている。
【0018】
カメラ11の各々は、例えば、車両Mの前方、後方及び側方の所定の範囲を撮像範囲とする撮像装置である。カメラ11の各々によって撮像された画像データは、例えば、車両Mの自律走行に用いられる。
【0019】
投影装置13は、車両Mの周囲の複数の位置に投影光を投影可能に設置されたプロジェクタである。
図1に示すように、例えば、投影装置13は、車両Mの前方、後方及び側方の所定の範囲に投影光を投影可能に設置されている。
【0020】
本実施例において、投影装置13は、車両Mの移動先の候補の目印となる投影光を車両Mの周囲に投影することが可能であるように構成されて取り付けられている。例えば、車両Mが道路上に停車している場合に、車両Mの周囲の路面に当該目印を投影する。
【0021】
図1に示すように、端末装置30には、カメラ31が備えられている。また、端末装置30は、表示部としてのディスプレイ33及び受付部としてのタッチパネル35を有しており、ディスプレイ33への情報の表示及びタッチパネル35を介した入力操作の受付が可能である。
【0022】
図2は、車載機器10の構成の一例を示している。車載機器10は、システムバス15を介して各部が接続されて構成されている。記憶部17は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成された記憶装置である。
【0023】
記憶部17は、車載機器10において実行される各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されてもよく、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれてもよい。例えば、記憶部17は、車載機器10が搭載されている車両Mにおいて投影される画像の種類及び投影位置を記憶する。
【0024】
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)19A、ROM(Read Only Memory)19B及びRAM(Random Access Memory)19Cを含み、車載機器10の動作の制御を行うコンピュータである。CPU19Aが、ROM19Bや記憶部17に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
【0025】
本実施例において、制御部19は、車載機器10と端末装置30との間のデータの送受信に関する制御を行う。例えば、制御部19は、車載機器10から端末装置30に送信されるデータを生成する。例えば、制御部19は、車両Mの移動先の設定に関する制御を行う。
【0026】
送受信部21は、無線装置に接続されたNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタである。送受信部21は、制御部19の指示に従って外部とのデータの送受信を行う。送受信部21は、例えば、車載機器10と端末装置30との間で車両Mの移動先の設定に関するデータの送受信を行う。
【0027】
入力部23は、車両Mに備えられている機器からデータを取得するインターフェースである。入力部23は、車両Mに備えられている機器であるカメラ11、センサ24及びGPS受信機25に接続されている。入力部23は、当該機器から、例えば車両Mの周囲の道路の形状及び障害物の有無等の走行に必要な情報を取得する。
【0028】
カメラ11は、車両Mの周囲の風景を撮像可能に取り付けられている。カメラ11は、例えば、車両Mの前方、後方及び側方の風景を撮像可能に取り付けられている。
【0029】
例えば、入力部23は、カメラ11から、車両Mの周囲の風景を撮像した画像データを取得する。当該画像データは、例えば自動運転の制御に用いられる。当該画像データは、例えば駐車スペースの有無や駐車スペースの位置、障害物の有無等の情報の収集に用いられる。
【0030】
センサ24は、1又は複数のセンサであり、例えば、ソナー(SONAR;Sound Navigation And Ranging)、ミリ波レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging)等のセンサを含む。
【0031】
例えば、センサ24は、車両Mの周囲の障害物の有無を検出する。また、センサ24による検出データは、カメラ11による画像データと組み合わせて解析され、車両Mの周囲の車両数や交通状況の把握に用いられる。例えば、当該解析は、制御部19によって行われてもよい。
【0032】
GPS受信機25は、入力部23に接続されており、入力部23に車両Mの現在位置情報を供給する。例えば、現在位置情報は、車両Mの移動先位置を設定するための基準の位置として用いられる。
【0033】
出力部27は、車両Mに備えられた自動運転制御装置28及び投影装置13に接続されている。出力部27は、制御部19からの命令に従って、自動運転制御装置28及び投影装置13に各種情報を供給するインターフェースである。
【0034】
例えば、出力部27は、車両Mの移動先を示す情報を自動運転制御装置28に供給する。また、例えば、出力部27は、車両Mの移動先の候補の目印となる投影光の投影指示及び投影すべき目印の種類及び位置を示す情報を投影装置13に供給する。
【0035】
図3は、端末装置30の構成の一例を示している。端末装置30は、システムバス37を介して各部が接続されて構成されている。記憶部39は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成された記憶装置である。
【0036】
記憶部39は、端末装置30において実行される各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されてもよく、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれてもよい。例えば、車両Mの移動先の設定に関する画面を表示するための情報を記憶する。
【0037】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)41A、ROM(Read Only Memory)41B及びRAM(Random Access Memory)41Cを含み、端末装置30の動作の制御を行うコンピュータである。CPU41Aが、ROM41Bや記憶部39に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
【0038】
本実施例において、制御部41は、端末装置30と車載機器10との間のデータの送受信に関する制御を行う。また、制御部41は、車載機器10によって投影された複数の目印のうち車両Mの移動先の設定に用いる目印の選択に関する制御を行う。
【0039】
送受信部43は、無線装置に接続されたNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタである。送受信部43は、制御部41の指示に従って外部とのデータの送受信を行う。送受信部43は、例えば、端末装置30と車載機器10との間で車両Mの移動先の設定に関するデータの送受信を行う。
【0040】
撮像入力部45は、端末装置30に備えられているカメラ31に接続されており、カメラ31から画像データを取得するインターフェースである。例えば、撮像入力部45は、カメラ31から、当該車両Mの周囲に投影された投影目印を撮像した画像を取得する。
【0041】
出力部46は、端末装置30に備えられたディスプレイ33及びスピーカ47に接続されている。出力部46は、制御部41からの命令に従って、ディスプレイ33に表示する画像データを供給するインターフェースである。また、出力部46は、スピーカ47によって音声出力するためのデータを供給するインターフェースとしても機能する。
【0042】
例えば、出力部46は、車両Mの移動先の候補である投影目印の選択画面を表示するためのデータをディスプレイ33に供給する。例えば、出力部46は、投影目印の選択を促す音声を出力するためのデータをスピーカ47に供給する。
【0043】
操作入力部48は、端末装置30に備えられたタッチパネル35及びマイク49に接続されている。制御部41による制御によって、タッチパネル35を介した入力及びマイク49からの音声入力を受け付けるインターフェースである。
【0044】
例えば、操作入力部48は、タッチパネル35を介して、車両Mの移動先の候補である投影目印の選択を受け付ける。また、例えば、操作入力部48は、当該投影目印の選択を示す音声入力を受け付ける。
【0045】
図4は、上面視において、車両M及び車両Mに備えられている4つの投影装置13によって、車両Mの周囲に投影されている投影目印を示す図である。
図4において、車両Mの周囲の路面に、複数の投影目印MR1~MR8が投影されている。複数の投影目印MR1~MR8の各々は、互いに異なる位置に投影されている。
【0046】
図4は、前方に2つ、後方に2つ、一方の側方に2つ、他方の側方に2つ、の合計8つの投影目印MR1~MR8が投影されている例を示している。また、
図4に示すように、8つの投影目印MR1~MR8の各々は、互いに異なる形状を有している。
【0047】
なお、8つの投影目印MR1~MR8の各々は、互いに異なる形状の図形である例を示しているが、
図4に示した形状以外の他の形状を有していてもよい。例えば、文字や記号等を示す形状を有する投影目印が投影されていてもよい。
【0048】
また、8つの投影目印MR1~MR8の各々には、互いに異なる色彩で投影されているものが含まれていてもよい。その場合、互いに異なる色彩を有する投影目印は、同一の形状を有していてもよい。すなわち、投影目印MR1~MR8の各々は、互いに区別され得るように投影されていればよい。
【0049】
また、例えば、投影目印MR1~MR8の各々は、向きが一意に特定可能な形状であるか又は下線や矢印等の向きを示す補助的な図形と共に投影されてもよい。
図4は、投影目印MR1~MR8の各々の車両Mに近い部分に引かれた線と共に投影されている例を示している。
【0050】
本実施例において、投影目印MR1~MR8の各々は、例えば、車両Mの位置を基準とした所定の位置に投影される。例えば、当該所定の位置は、車両M上の特定の位置を基準点として、当該基準点からの距離及び方向によって定められている。例えば、車両Mの中心を基準とし、当該中心の座標を基準点(0,0)として、投影目印MR1~MR8の各々の位置を示す座標が定められていてもよい。
【0051】
当該所定の位置は、車両Mが自律走行で移動する際の目標位置、すなわち、移動先となる。なお、車両Mの移動先は、選択された投影目印が実際に投影されている位置を基準に決定されてもよい。その場合、例えばカメラ11及びセンサ24によって、選択された投影目印が実際に投影されている位置が特定されてもよい。
【0052】
図5は、目印のパターンと、対応する車両Mの移動先を対応付けられた移動先対応テーブルTB1の一例を示す図である。移動先対応テーブルTB1は、例えば、車載機器10の記憶部17に格納されている。
【0053】
図5に示すように、移動先対応テーブルTB1には、投影目印MR1~MR8に対応する「マークNo.」の各々と、「移動先座標」とが対応付けて記載されている。「移動先座標」は、各々の投影目印が投影される位置を示す座標であり、対応する投影目印が選択された場合に車両Mの移動先となる位置を示す位置情報である。
【0054】
本実施例において、例えば、「移動先座標」には、車両Mの位置を基準とした所定の位置を示す座標が記載されている。
【0055】
制御部19は、移動先対応テーブルTB1の「移動先座標」に基づいて投影装置13を制御して目印を投影する。従って、当該目印は、例えば、車両Mの位置を基準とした所定の位置に投影される。
【0056】
従って、移動先対応テーブルTB1に記憶されている「移動先座標」は、投影装置13が投影する予定の位置であるといえる。
【0057】
なお、目印が実際に投影されている位置が投影される予定の所定の位置と必ずしも一致するとは限らない。例えば、投影装置13は、投影の方向が固定されており、投影する際に投影方向を制御不可能な構成であってもよい。この場合、例えば、車両Mの周囲の路面の凹凸等の状態や、投影装置13の位置調整のずれによって、所定の位置に投影されない場合が生じ得る。
【0058】
このような場合、例えば、車載機器10は、例えばカメラ11やセンサ24によって、実際に投影されている位置を検出して、当該検出された位置を基準に移動先を設定するように構成されていてもよい。
【0059】
投影された複数の目印の中から、1つの目印が選択されると、車両Mが移動する際の目標位置である移動先の位置として、例えば、当該選択された目印の移動先座標が指定される。
【0060】
例えば、車両Mの運転者は、投影されている目印を端末装置30のカメラ31で撮像して、車載機器10に送信することで、車両Mの移動先を設定することができる。また、例えば、車両Mの運転者は、端末装置30のディスプレイ33に表示された選択画面上において、1つの目印に対応する対応目印を選択することで、車両Mの移動先を設定することができる。
【0061】
図6は、端末装置30のディスプレイ33に表示された目印の選択画面の一例を示している。
図6に示すように、ディスプレイ33上には、車両Mの周囲に投影されている投影目印MR1~MR8に対応する対応目印CMR1~CMR8の一覧表が選択を促すメッセージとともに表示されている。
【0062】
例えば、当該一覧表は、投影目印MR1~MR8の各々の色彩又は形状に、対応目印CMR1~CMR8の各々の色彩又は形状が対応する表示態様で表示されていてもよい。
【0063】
例えば、車両Mの運転者は、タッチパネル35を介して、対応目印CMR1~CMR8の一覧表の中から1つの対応目印を選択することができる。
【0064】
図7は、端末装置30のディスプレイ33に表示された目印の選択画面の他の一例を示している。
図7に示すように、ディスプレイ33上には、車両Mを示す図形である車両図形VMが表示されており、その周囲に、投影目印MR1~MR8に対応する対応目印CMR1~CMR8が表示されている。
【0065】
ディスプレイ33上には、車両Mと車両Mの周囲に投影されている投影目印との実際の位置関係と、車両図形VMと対応目印CRM1~8との位置関係と、が対応するように、車両図形VMとともに対応目印CMR1~CMR8が表示されている。
【0066】
例えば、車両Mの運転者は、タッチパネル35を介して、車両図形VMの周囲に表示された対応目印CMR1~CMR8の中から1つの対応目印を選択することができる。
【0067】
図8は、車両Mの周囲に障害物が存在する場合における目印の投影制御の一例を示す平面図である。
図8中のFは、車両Mの周囲に存在する壁を示している。
図8中のAR1は、壁Fが存在することによって車両Mを駐車できない領域を示している。
【0068】
壁Fは、車両Mの移動を妨げる要因となる。すなわち、領域AR1は、車両Mの周囲の車両Mの移動を妨げる要因によって定まる車両Mの移動が可能でない領域であるといえる。
【0069】
上述したように、投影目印MR1~MR8は、移動先対応テーブルTB1の「移動先位置」に記載されている所定の位置に投影される。
図8に示すように、投影目印MR1~MR8が投影される所定の位置のうち、投影目印MR5及びMR6が投影される位置は、領域AR1内に存在する。
【0070】
従って、投影目印MR5又はMR6に割り当てられた移動先位置には、壁Fが障害となって車両Mを移動することができない。また、投影目印MR5及びMR6は、適切に所定の位置に投影することが困難な場合もある。
【0071】
このような場合、制御部19は、投影目印MR5及びMR6を投影しないように投影装置13を制御することができる。
図8において、投影目印MR5及びMR6が投影される位置(すなわち、移動先対応テーブルTB1に記載されている移動先座標の位置)が破線で示されている。
図8は、投影目印MR5及びMR6が投影されていないことを示している。
【0072】
例えば、車両Mの運転者は、投影目印MR1~MR4、MR7及びMR8の中から1つの投影目印を車両Mの移動先として選択することができる。
【0073】
このように、目印が投影される所定の位置に障害物が存在する場合に、当該障害物は車両Mの移動を妨げる要因となる。当該障害物が存在する領域には目印が投影されないようにすることで、当該領域が車両Mが移動する際の目標位置として設定されることを防止することができる。
【0074】
すなわち、投影部としての制御部19は、1又は複数の目印MR1~MR8のうち、車両Mの周囲の車両Mの移動を妨げる要因の有無に関わらず車両Mの移動が可能である領域に投影される目印のみを投影することができる。
【0075】
なお、障害物の他に、停止禁止部分等の道路標示、建物の入口付近等の人や車両の通行を遮るような位置も、車両Mの移動を妨げる要因となる場合がある。例えば、道路標示が施されている領域又は建物の入口を塞ぐ領域を、車両Mの移動が可能でない領域とすることができる。
【0076】
図9は、車両Mの周囲に障害物が存在する状況における、
図8の場合と異なる目印の投影制御の一例を示す平面図である。
図9は、車両M及び車両Mの周囲に投影されている投影目印MR1、MR2及びMR8を示している。
【0077】
図9中、
図8の場合と同様に、車両Mの周囲に存在する壁F及び壁Fが存在することによって車両Mを駐車できない領域AR1が示されている。上述したように、投影目印MR5及びMR6は投影されていない。
【0078】
また、
図9において、投影目印MR3~MR7が投影される位置(すなわち、移動先対応テーブルTB1に記載されている移動先座標の位置)が破線で示されている。当該破線は、投影目印MR3~MR7が投影されていないことを示している。
【0079】
図9中のMSは、投影目印MR7を目印として、車両Mの中心の位置が投影目印MR7が投影される位置となるように車両Mが移動した場合に車両Mが占める領域である駐車見込み範囲を示している。
図9に示すように、駐車見込み範囲MSは、車両Mを駐車できない領域AR1と部分的に重複している。従って、車両Mは、投影目印MR7を目印として駐車することができない。
【0080】
このような場合、制御部19は、投影目印MR7を投影しないように投影装置13を制御してもよい。同様に、車両Mは、投影目印MR3及びMR4についても、目印とすることができないため、投影されないこととしてもよい。この場合、投影目印MR1、MR2及びMR8のみが投影される。例えば、車両Mの運転者は、MR1、MR2及びMR8の中から1つの投影目印を車両Mの移動先として選択することができる。
【0081】
投影目印MR3、MR4及びMR7が投影される位置は、障害物である壁Fが存在する領域に無いが、車両Mの駐車見込み範囲を考慮すると、投影目印MR3、MR4及びMR7を目印として駐車することができない場合が生じ得る。従って、目印MR3、MR4及びMR7は、車両Mの移動を妨げる要因によって定まる車両Mの移動が可能でない領域に対応する目印であるといえる。
【0082】
すなわち、投影部としての制御部19は、1又は複数の目印MR1~MR8のうち、車両Mの周囲の車両Mの移動を妨げる要因の有無に関わらず車両Mの移動が可能である領域に対応する目印のみを投影することができる。
【0083】
図10は、投影される目印のうち、当該目印に基づいた位置に車両Mが移動できないものが含まれる場合の目印の選択画面の一例を示している。
図10において、端末装置30のディスプレイ33には、対応目印CMR1~CMR8の各々について、各々の目印に基づく移動の可否、すなわち選択の可否を示すメッセージが表示されている。
【0084】
より詳細には、
図10において、対応目印CRM1、CRM2及びCRM8については、選択を促すメッセージが表示されている。対応目印CMR3~CMR7については、移動できない旨、すなわち選択できない旨を示すメッセージが表示されている。例えば、
図10の選択画面は、ディスプレイ33がCMR3~CMR7を表示している領域においてはタッチパネル35が選択を受付けないように表示されていてもよい。
【0085】
例えば、
図10の選択画面は、
図8又は
図9に示した状況で表示されてもよい。当該表示によって、車両Mの移動が可能でない領域に投影されている目印が車両Mの移動先として選択されることを防止することができる。
【0086】
すなわち、ディスプレイ33には、車両Mの周囲の車両Mの移動を妨げる要因によって定まる車両Mの移動が可能でない領域に投影されている投影目印に対応する対応目印が、当該対応目印を選択できない旨を示す表示とともに表示される。
【0087】
上述したように、端末装置30の制御部41が、当該移動が可能でない領域に目印が実際に投影されているか否かに関わらず、
図10の選択画面をディスプレイ33に表示させる場合の例について説明したが、これに限られない。例えば、車両Mの移動が可能でない領域に投影される目印に対応する対応目印を表示しないこととしてもよい。
【0088】
すなわち、
図10の選択画面においては、車両Mの周囲の車両Mの移動を妨げる要因によって定まる車両Mの移動が可能でない領域に投影されている投影目印以外の投影目印に対応する対応目印のみを表示することとしてもよい。
【0089】
図11は、1つの目印が選択された後に、車両Mの移動先としての位置の指定を受け付ける位置指定受付画面の一例を示す図である。
図11に示すように、位置指定受付画面において、選択された対応目印であるCRM2、現在位置の車両Mを示す車両図形VM(0)及び移動後の位置の車両Mを示す車両図形VM(1)がディスプレイ33に表示されている。
【0090】
例えば、向き指定受付画面は、車両図形VM(1)の表示上の位置を変更する変更操作を受付け可能に表示されている。例えば、車両Mの運転者は、車両図形VM(1)を画面上で移動させて表示上の位置を変更する入力操作を行うことで、車両Mの移動先を指定することができる。
図11は、車両図形VM(0)の位置から車両図形VM(1)が移動されて位置が指定されている様子を示している。なお、位置指定受付画面において、例えば、
図11に示すように、指定する位置の決定を促すボタンが表示される。
【0091】
図12は、1つの目印が選択された後に、移動先における車両Mの向きの指定を受け付ける向き指定受付画面の一例を示す図である。
図12に示すように、向き指定受付画面において、選択された対応目印であるCRM2、現在の向きの車両Mを示す車両図形MD(0)及び変更後の向きの車両図形MD(1)がディスプレイ33に表示されている。
【0092】
向き指定受付画面には、例えば、
図12に示すように、回転ボタンが表示され、選択された対応目印を基準に車両図形MD(1)を回転させることで、移動先における車両Mの向きを指定することができる。
図12は、現在の向きから右方向に90℃回転された向きが指定されている様子を示している。なお、向き指定受付画面において、例えば、
図12に示すように、指定する向きの決定を促すボタンが表示される。
【0093】
図13は、
図11に示したような位置指定受付画面において、指定された位置に車両Mが移動できない場合にディスプレイ33に表示される表示画面の一例を示す図である。
図13において、指定された位置に車両Mが移動できないことを示すために、表示上の位置を変更する変更操作の受付け後の車両図形VM(1)に重畳して、禁止を示すマークが表示されている。また、当該車両図形VM(1)とともに、変更操作の受付け後の位置に対応する実際の位置を目標位置として決定できない旨を示すためのメッセージとして「その位置には停車できません」という文字が表示されている。
【0094】
例えば、当該変更操作の受付け後の車両図形VM(1)の表示上における位置が、車両Mの周囲の、車両Mの移動を妨げる要因によって定まる車両Mの移動が可能でない領域に対応する場合に、
図13のような画像がディスプレイ33に表示される。このような表示によって、車両Mの移動が可能でない領域が目標位置として指定されることを防止することができる。
【0095】
なお、
図13において、禁止を示すマークを表示する代わりに、車両Mの移動が可能でない領域に対応する表示上の領域においては、車両図形VM(1)を表示しないこととしてもよい。
【0096】
図14は、
図12に示したような向き指定受付画面において、指定された向きとなるように車両Mが移動できない旨を示しディスプレイ33に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0097】
図14において、表示上の向きを変更する変更操作の受付け後の車両図形VM(1)の近傍に、禁止を示すマークが表示されている。また、当該車両図形VM(1)とともに、変更操作の受付け後の表示上の向きに対応する実際の向きを移動先における車両Mの向きとして決定できない旨を示すメッセージとして「その向きには停車できません」という文字が表示されている。
【0098】
例えば、当該変更操作の受付け後の車両図形VM(1)の表示上における向きに対応する実際の向きに車両Mを移動すると、車両Mの一部が車両Mの移動が可能でない領域に含まれる場合に、
図14のような画像がディスプレイ33に表示される。このような表示によって、車両Mの移動が可能でない向きが移動先における車両Mの向きとして指定されることを防止することができる。
【0099】
図15を参照しつつ、車両Mに搭載されている車載機器10の制御部19によって実行される移動支援ルーチンRT1について説明する。例えば、制御部19は、車両Mの運転者が降車して運転席が無人となった場合に、本ルーチンを開始する。
【0100】
制御部19は、移動支援ルーチンRT1を開始すると、投影要求を受信したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、制御部19は、端末装置30から、目印の投影を要求する旨を示す情報を受信したか否かを判定する。ステップS11において、制御部19は、投影要求を受信していないと判定すると、ステップS11を繰り返し、再び投影要求を受信したか否かを判定する。
【0101】
ステップS11において、制御部19は、投影要求を受信したと判定すると(ステップS11:YES)、車両Mの周囲の障害物を検出する(ステップS12)。例えば、ステップS12において、制御部19は、入力部23を介してカメラ11及びセンサ24からデータを取得して、車両Mの周囲の障害物を検出する。
【0102】
例えば、ステップS12において、制御部19は、車両Mの移動を妨げる要因となるものとして、車両Mの周囲の障害物の他に、車両Mの周囲に描かれた道路標示の内容又は周囲の建物の入口の位置等の周囲の状況を検出してもよい。
【0103】
制御部19は、ステップS12の実行後、投影する目印を決定する(ステップS13)。例えば、ステップS13において、制御部19は、
図8及び
図9に例示したように、車両Mの移動を妨げる要因によって定まる車両Mが移動できない領域に投影される目印以外の目印を投影する目印として決定する。
【0104】
制御部19は、ステップS13の実行後、目印の投影を開始する(ステップS14)。
ステップS14において、制御部19は、出力部27を介して投影装置13を制御して、ステップS13において決定された目印を車両Mの周囲に投影する、ステップS14において、制御部19は、車両Mの周囲の互いに異なる位置に1又は複数の目印を投影する投影部として機能する。
【0105】
制御部19は、ステップS14の実行後、投影目印情報を端末装置30に送信する(ステップS15)。ステップS15において、制御部19は、送受信部21を介して、投影目印情報を送信する。
【0106】
例えば、投影目
印情報は、いずれの目印が投影されているかを示す情報である。例えば、投影目印情報は、
図5に示した「マークNo.」のように、投影されている投影目印の各々を識別する情報である。また、例えば、投影目印情報は、投影目印の各々の形状又は色彩等の特徴を示す情報であってもよい。
【0107】
すなわち、投影目印情報は、投影目印の形状又は色彩に関する情報を含んでいてもよい。また、投影目印情報は、車両Mと投影目印との位置関係を示す情報を含んでいてもよい。
【0108】
例えば、ステップS12において障害物が検出された場合、投影目印情報には、車両Mの移動を妨げる要因によって定まる車両Mが移動できない領域に投影される目印以外の目印を示す情報が含まれる。
【0109】
なお、ステップS15において、制御部19は、例えば、端末装置30のディスプレイ33に、投影目印に対応する対応目印が表示されない場合、又は目印を選択する選択画面が表示されない場合には、投影目印情報を送信しなくともよい。
【0110】
制御部19は、ステップS15の実行後、移動先設定情報を取得したか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において、制御部19は、送受信部21を介して、端末装置30から移動先設定情報を受信したか否かを判定する。
【0111】
移動先設定情報には、車両Mの周囲に投影されている目印のうちの1つを特定する特定情報が含まれる。ステップS16において、制御部19は、1又は複数の目印のうちの1つを特定する情報である特定情報を取得する特定情報取得部として機能する。
【0112】
例えば、特定情報は、端末装置30のタッチパネル35を介して選択された1つの目印を形状、色彩又は識別番号等の識別情報によって特定する情報である。すなわち、特定情報取得部は、1又は複数の目印に対応する対応目印が表示された端末装置30のディスプレイ33の画面上で、1の対応目印が選択される際の入力情報に基づいて生成される情報を特定情報として取得する。
また、例えば、特定情報は、端末装置30のカメラ11によって、車両Mの周囲に投影されている目印のうちの1つが撮像された画像データであってもよい。すなわち、特定情報取得部は、投影された1又は複数の目印のうちの1つを撮影した画像を特定情報として取得してもよい。
【0113】
また、移動先設定情報には、特定情報によって特定された位置を基準とした相対位置を示す情報である位置調整情報が含まれていてもよい。例えば、位置調整情報には、
図11に示した位置指定受付画面及び
図12に示した向き指定受付画面によって受け付けられた変更操作に基づく情報が含まれる。
【0114】
すなわち、位置調整情報は、車両Mの移動先の目標位置を指定する情報に加えて、車両Mの移動先における向きを指定する情報を含む情報であってもよい。
【0115】
制御部19は、ステップS16において、移動先設定情報を取得していないと判定すると、ステップS16を繰り返し、移動先設定情報を取得したか否かを判定する。制御部19は、ステップS16において、移動先設定情報を取得したと判定すると(ステップS16:YES)、取得した移動先設定情報に基づいて、移動先位置情報を自動運転制御装置28に供給する(ステップS17)。
【0116】
ステップS17において、制御部19は、例えば、特定情報に基づいて、特定情報によって特定された目印にあらかじめ定められている位置情報(例えば、
図5参照)を自動運転制御装置28に供給する。ステップS17において、制御部19は、特定情報に基づいて、車両Mが移動する際の目標位置を設定する移動先設定部として機能する。
【0117】
また、移動先設定情報が位置調整情報を含む場合、ステップS17において、制御部19は、特定情報及び位置調整情報に基づいて生成した位置情報を自動運転制御装置28に供給する。すなわち、移動先設定情報が位置調整情報を含む場合、自動運転制御装置28に供給される移動先位置情報は、特定情報によって定められた位置に修正を加えたものとなる。
【0118】
すなわち、移動先設定情報が位置調整情報を含む場合、ステップS17において、移動先設定部としての制御部19は、特定情報及び位置調整情報に基づいて車両Mの移動先を設定する。
【0119】
ステップS17の終了後、制御部19は、目印の投影を終了して(ステップS18)移動支援ルーチンRT1を終了し、繰り返し移動支援ルーチンRT1を実行する。
【0120】
図16を参照しつつ、端末装置30の制御部41によって実行される移動支援ルーチンRT2について説明する。例えば、制御部41は、端末装置30が起動されると移動支援ルーチンRT2を開始する。
【0121】
制御部41は、移動支援ルーチンRT2を開始すると、投影指示を受付けたか否かを判定する(ステップS21)。例えば、ステップS21において、端末装置30のディスプレイ33に表示された入力画面において、車両Mの移動先候補の目印の投影を要求する旨の表示が選択されたか否かが判定される。
【0122】
制御部41は、ステップS21において、投影指示を受付けていないと判定すると、ステップS21を繰り返し、投影指示を受付けたか否かを再び判定する。
【0123】
制御部41は、ステップS21において、投影指示を受付けたと判定すると(ステップS21:YES)、投影要求を車載機器10に送信する(ステップS22)。例えば、ステップS22において、制御部41は、送受信部43を介して、車両Mの移動先候補の目印の投影を要求する旨を示す情報を送信する。
【0124】
制御部41は、ステップS22の実行後、投影目印情報を受信したか否かを判定する(ステップS23)。例えば、ステップS23において、制御部41は、送受信部43を介して、投影目印情報を車載機器10から受信したか否かを判定する。例えば、投影目印情報は、車両Mの周囲に投影される、当該車両Mの移動先候補の目印である1又は複数の投影目印に関する情報である。ステップS23において、制御部41は、投影目印情報取得部として機能する。上述したように、例えば、投影目印情報は、いずれの目印が車両Mの周囲に投影されているかを示す情報である。
【0125】
なお、例えば、上述のように、目印の選択の際に、1つの投影目印が端末装置30のカメラ11によって撮像されて車載機器10に送信されることによって選択される場合には、端末装置30のディスプレイ33に、投影目印に対応する対応目印が表示されなくともよい。例えば、
図6に示したような選択画面は表示されなくともよい。
【0126】
従って、撮像によって目印が選択される場合、端末装置30は、投影目印情報を受信しなくともよい。すなわち、ステップS23を設けなくともよい。
【0127】
制御部41は、ステップS23において、投影目印情報を受信していないと判定すると、ステップS23を繰り返し、投影目印情報を受信したか否かを再び判定する。
【0128】
制御部41は、ステップS23において、投影目印情報を受信したと判定する(ステップS23:YES)と、目印選択要求画面をディスプレイ33に表示させる(ステップS24)。例えば、ステップS24において、制御部41は、投影目印情報に基づいて、車両Mの周囲に投影されている投影目印の各々に対応する1又は複数の対応目印をディスプレイ33に表示させる。ステップS24において、制御部41は、表示制御部として機能する。
【0129】
例えば、ステップS24において、制御部41は、
図6、
図7及び
図10に示したように、対応目印を含み目印の選択を促す画面を表示する。
【0130】
また、例えば、ステップS24において、制御部41は、車両Mの周囲に投影されている投影目印のうちの1つを撮像する要求を示す画面を目印選択要求画面としてディスプレイ33に表示させてもよい。
【0131】
制御部41は、ステップS24の実行後、目印が選択されたか否かを判定する(ステップS25)。例えば、制御部41は、ステップS25において、ディスプレイ33に表示された1又は複数の対応目印のうちの1つを選択する入力操作をタッチパネル35を介して受付けたか否かを判定する。ステップS25において、制御部41は、受付部として機能する。
【0132】
また、例えば、制御部41は、ステップS25において、車両Mの周囲に投影されている投影目印のうちの1つが撮像されたか否かを判定する。例えば、ステップS25において、カメラ11によって投影目印のうちの1つが撮像されて撮像入力部45を介して画像データが取り込まれたか否かが判定される。
【0133】
制御部41は、ステップS25において、目印が選択されていないと判定すると、ステップS25を繰り返し、目印が選択されたか否かを再び判定する。
【0134】
制御部41は、ステップS25において、目印が選択されたと判定する(ステップS25:YES)と、車両Mの移動先の位置及び向きの設定画面をディスプレイ33に表示させる(ステップS26)。
【0135】
例えば、ステップS26において、制御部41は、ステップS25において入力操作によって選択された対応目印、及び車両Mを示す図形である車両図形VM(1)をディスプレイ33に表示させ(
図11参照)、当該車両図形VM(1)の表示上の位置を変更する変更操作を受付ける。例えば、ステップS26において、制御部41は、当該車両図形VM(1)の表示上の向きを変更する変更操作を受付ける(
図12参照)。
【0136】
また、例えば、ステップS26において、制御部41は、変更操作の受付け後の車両図形VM(1)の表示上における位置が、車両Mの周囲の車両の移動を妨げる要因によって定まる車両Mの移動が可能でない領域に対応する場合に、
図13に示したように、車両図形VM(1)とともに変更操作の受付け後の位置に対応する実際の位置を目標位置として決定できない旨を示す画像を表示させてもよい。
【0137】
また、例えば、ステップS26において、制御部41は、
図14に示したような、当該車両図形VM(1)とともに、車両図形VM(1)の表示上の向きを変更する変更操作の受付け後の表示上の向きに対応する実際の向きを移動先における車両Mの向きとして決定できない旨を示す画像を表示させてもよい。
【0138】
制御部41は、ステップS26の実行後、決定ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS27)。例えば、ステップS27において、制御部41は、ディスプレイ33に表示された決定ボタンへの入力操作がタッチパネル35を介して受け付けられたか否かを判定する。
【0139】
例えば、当該決定ボタンは、ディスプレイ33に表示された対応目印の選択を受付けた際、又は当該選択後に位置又は向きの変更操作を受付けた際に表示される。また、例えば、当該決定ボタンは、投影目印のうちの1つが撮像された際にディスプレイ33に表示される。
【0140】
制御部41は、ステップS27において、決定ボタンが押されていないと判定すると、一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS28)。制御部41は、ステップS28において、一定時間が経過していないと判定すると、ステップS27に戻り、決定ボタンが押されたか否かを再び判定する。
【0141】
制御部41は、ステップS27において、決定ボタンが押されたと判定した場合(ステップS27:YES)又はステップS28において一定時間が経過したと判定した(ステップS28:YES)場合に、移動先設定情報を車載機器10に送信する(ステップS29)。
【0142】
ステップS29において、制御部41は、移動先設定情報を生成し、送受信部43を介して送信する。移動先設定情報は、車両Mの周囲に投影されている目印のうちの1つを特定する特定情報を含む。
【0143】
例えば、特定情報は、ステップS25において、ディスプレイ33に表示された1又は複数の対応目印のうち入力操作によって選択された対応目印を特定する情報である。
ステップS29において、制御部41は、当該入力操作によって選択された対応目印を特定する特定情報を車両Mに搭載されている車載機器10に送信する送信部として機能する。
【0144】
また、例えば、特定情報は、ステップS25において、車両Mの周囲に投影されている投影目印のうちの1つが撮像された画像データであってもよい。
【0145】
移動先設定情報は、選択された目印を基準として指定された位置又は移動先における向きを指定する位置調整情報を含んでいてもよい。
【0146】
制御部41は、ステップS29の実行後、移動支援ルーチンRT2を終了し、繰り返し移動支援ルーチンRT2を実行する。
【0147】
以上、詳細に説明したように、本実施例の移動支援システム100によれば、車両Mを移動させる際の目標位置を設定する際に、車両Mの周囲に目印を投影し、移動先の候補を提示することができる。移動支援システム100のユーザは、投影されている投影目印を目視することで、移動先の候補となる実際の位置を確認することができる。
【0148】
そして、投影された目印の1つを選択することで、目標位置を決定することができる。
当該目印の選択は、投影されている目印の撮像又は端末装置30のディスプレイ33に表示される画面上での選択によって行うことができる。
【0149】
また、障害物等によって車両Mの移動先として決定できない位置を区別して提示することができる。また、移動先の位置の選択後に、移動先における車両Mの位置や向きを指定することができる。
【0150】
従って、車両Mの移動先を設定する際に、直感的かつ容易に目標移動先を指示することを可能とする移動支援装置を提供することができる。
添付図面を参照しつつ、本発明の実施例2に係る移動支援装置としての車載機器10及び移動支援端末装置としての端末装置30を含む移動支援システム100について説明する。
基準車両図形MV(0)は、タッチパネル35を介した入力操作によって、表示上の位置が変更されないように表示されている。移動先車両図形MV(1)は、ディスプレイ33における表示上の位置を指定するタッチパネル35を介した入力操作を受付け可能に表示されている。
例えば、移動先車両図形MV(1)は、ユーザによるスワイプ操作等の入力操作によって表示上で移動可能であり、表示上の位置が変更されることで、表示上の位置を指定する入力操作を受付ける。
より詳細には、移動先車両図形MV(1)が表示上で移動されると、基準車両図形MV(0)と、移動先車両図形MV(1)との相対的位置関係が変更される。当該相対的位置関係に基づいて、車両Mの実際の移動先である移動先位置に関する位置指定情報が生成される。生成された位置指定情報は、車載機器10に送信される。
例えば、端末装置30の制御部41は、当該移動先設定画面への入力操作によって移動先車両図形MV(1)の表示上の位置が指定された際の基準車両図形MV(0)から移動先車両図形MV(1)までの表示上の距離及び方向に基づいて、車両Mから移動先位置までの実際の距離及び方向を示す情報を、前記位置指定情報として車載機器10に送信する。
また、例えば、端末装置30の制御部41は、当該入力操作によって指定された移動先車両図形MV(1)の表示上の向きと基準車両図形MV(0)の表示上の向きとの相対的方向関係に基づいて、移動先位置における車両Mの実際の向きに関する向き指定情報を生成して送信してもよい。
例えば、端末装置30の制御部41は、車両Mの実際の寸法に関するサイズ情報を取得し、基準車両図形(0)から移動先車両図形(1)までの表示上の距離及び方向、並びに当該サイズ情報に基づいて、車両Mから移動先位置までの実際の距離及び方向を示す情報を、位置指定情報として生成して車載機器10に送信してもよい。
なお、例えば、移動先設定画面には、回転ボタンが表示されていてもよい。基準車両図形MV(0)と同じ向きを基準に移動先車両図形MV(1)を回転させることで、移動先における車両Mの向きを指定することができる。また、移動先設定画面には、例えば、移動先の位置及び向きの指定の決定を受付ける「決定ボタン」が表示されていてもよい。
なお、位置ガイドPG(1)及び位置ガイドPG(2)の投影パターンは、上記の形状に限られない。例えば、車両Mの外周を取り囲むように投影されてもよく、車両Mが占める領域の全面に投影光が照射されてもよい。
例えば、上述のように、端末装置30における移動先設定画面を用いて車両Mの移動先位置が指定された際に、端末装置30において、当該移動先位置に関する位置指定情報が生成されて車載機器10に送信される。
例えば、位置ガイドPG(2)は、移動先設定画面における移動先車両図形MV(1)の表示上の動きに追従して投影されてもよい。このような車両Mの位置を示す表示の投影によって、ユーザは、実際の位置を確認しつつ移動先の設定を行うことができ、より直感的かつ容易に移動先の設定を行うことができる。
例えば、車載機器10は、カメラ11及びセンサ24によって横断歩道ZBを検出し、当該横断歩道ZBの領域AR2には車両Mを移動することができないと判定して、禁止を示すマークを投影する。すなわち、領域AR2は、車両Mが移動できない要因となる横断歩道ZBによって定まる車両Mの移動が可能でない領域であるといえる。
このように、車載機器10は、位置指定情報によって指定された移動先位置が、車両Mが移動できない要因によって定まる車両Mの移動が可能でない領域にあるか否かに応じて車両Mの周囲に投影する表示の態様を変更することができる。
制御部41は、移動支援ルーチンRT3を開始すると、移動先設定開始入力を受付けたか否かを判定する(ステップS31)。例えば、ステップS31において、端末装置30のディスプレイ33に表示された入力画面において、車両Mの移動先設定を開始する旨の表示が選択されたか否かが判定される。
制御部41は、ステップS31において、移動先設定開始入力を受付けていないと判定すると、ステップS31を繰り返し、移動先設定開始入力を受付けたか否かを再び判定する。
制御部41は、ステップS31において、移動先設定開始入力を受付けたと判定する(ステップS31:YES)と、開始指示を車載機器10に送信する(ステップS32)。
ステップS32において、例えば、車両Mの位置を示す表示の投影の開始を指示する情報が送信される。
制御部41は、ステップS32の実行後、車両Mを識別する識別情報である車両IDを取得する(ステップS33)。例えば、ステップS33において、制御部41は、車載機器10と通信を行い、車両Mの車両IDを取得する。
制御部41は、ステップS33の実行後、車両サイズが登録済みであるか否かを判定する(ステップS34)。例えば、ステップS34において、制御部41は、ステップS33において取得した車両IDに対応する車両サイズが記憶部39に記憶されているか否かを判定する。
制御部41は、ステップS34において、車両サイズが登録済みでないと判定する(ステップS34:NO)と、車両サイズを取得する(ステップS35)。例えば、ステップS35において、制御部41は、サイズ情報の送信を要求する情報を車載機器10に送信し、これに対する車載機器10からの応答によって、送受信部43を介して車両サイズを取得する。
ステップS35において、制御部41は、車両Mの実際の寸法に関するサイズ情報を取得するサイズ情報取得部として機能する。なお、ステップS35において、当該車両サイズは、ユーザによる入力を受け付けることによって、タッチパネル35を介して取得されてもよい。
制御部41は、ステップS34において、車両サイズが登録済みであると判定した場合(ステップS34:YES)、又はステップS35の実行後、移動先位置の設定画面を表示する(ステップS36)。
例えば、ステップS36において、制御部41は、基準車両図形MV(0)の表示上の寸法を基準とするグリッド線をディスプレイ33に表示させてもよい。すなわち、表示制御部としての制御部41は、基準車両図形MV(0)及び移動先車両図形MV(1)とともに、基準車両図形MV(0)の表示上の寸法を基準とするグリッド線をディスプレイ33に表示させる。
また、例えば、ステップS36において、表示制御部としての制御部41は、移動先車両図形MV(1)を、基準車両図形(0)と同一の寸法及び形状でディスプレイ33に表示させ、且つ基準車両図形(0)を表示上の基準位置に移動不能に表示させる。
制御部41は、ステップS36の実行後、操作を受付けたか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37において、制御部41は、移動先車両図形MV(1)を表示させるディスプレイ33の表示上の位置を指定する入力操作を受付けたか否かを判定する。ステップS37において、制御部41は、受付部として機能する。
制御部41は、ステップS37において、操作を受付けたと判定する(ステップS37:YES)と、暫定位置指定情報を車載機器10に送受信部43を介して送信する(ステップS38)。暫定位置指定情報は、例えば、決定ボタンが押されていない状態で、移動先設定画面における入力操作によって指定された移動先車両図形MV(1)の位置と基準車両図形MV(0)との相対的位置関係に基づいて生成される情報であって、車両Mの実際の移動先である移動先位置に関する情報である。ステップS38において、制御部41は、位置指定情報送信部として機能する。
例えば、ステップS38において、表示制御部としての制御部41は、当該暫定位置指定情報によって指定された移動先位置に車両Mが移動できない要因がある場合に、当該移動先位置に車両Mを移動することができない旨を示す表示を、移動先設定画面の表示上における移動先位置に対応する位置に表示させてもよい。
制御部41は、ステップS37において、操作を受付けていない判定した(ステップS37:NO)場合、又はステップS38の実行後、決定ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS39)。例えば、ステップS39において、ディスプレイ33に表示された移動先設定画面における決定ボタンへの操作が、タッチパネル35を介して受付けられたか否かが判定される。
制御部41は、ステップS39において、決定ボタンが押されていないと判定すると、ステップS37に戻り、移動先設定画面における位置又は向きを指定する操作を受付けたか否かを再び判定する。
制御部41は、ステップS39において、決定ボタンが押されたと判定すると、最終位置指定情報を車載機器10に送受信部43を介して送信する(ステップS40)。当該最終位置指定情報は、例えば、決定ボタンが押される際の、移動先設定画面における入力操作によって指定された移動先車両図形MV(1)の位置と基準車両図形MV(0)との相対的位置関係に基づいて生成される情報であって、車両Mの実際の移動先である移動先位置に関する情報である。ステップS40において、制御部41は、位置指定情報送信部として機能する。
制御部19は、移動支援ルーチンRT4を開始すると、開始指示を受信したか否かを判定する(ステップS51)。ステップS51において、制御部19は、端末装置30から、例えば、車両Mの位置を示す表示の投影の開始を指示する情報を車載機器10から受信したか否かを判定する。
制御部19は、ステップS51において、開始指示を受信していないと判定すると、ステップS51を繰り返し、開始指示を受信したか否かを再び判定する。制御部19は、ステップS51において、開始指示を受信したと判定すると、車両Mの車両IDを端末装置30に送信する(ステップS52)。
例えば、車載機器10の記憶部17には、車両Mの車両IDが予め記憶されていてもよい。例えば、ステップS51において、制御部19は、予め記憶されている車両Mの車両IDを送受信部21を介して送信する。車両IDは、例えば自動車登録番号等の車両Mを識別可能な情報である。
制御部19は、ステップS52の実行後、周囲の障害物を検出する(ステップS12)。移動支援ルーチンRT1におけるステップS12の場合と同様に、制御部19は、例えば、入力部23を介してカメラ11及びセンサ24からデータを取得して、車両Mの周囲の障害物を検出する。
例えば、ステップS12において、制御部19は、車両Mの移動を妨げる要因となるものとして、車両Mの周囲の障害物の他に、車両Mの周囲に描かれた道路標示の内容又は周囲の建物の入口の位置等の周囲の状況を検出してもよい。
制御部19は、ステップS53の実行後、暫定位置指定情報を受信したか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54において、制御部19は、車両Mの移動先位置を指定する位置指定情報であって、暫定の情報である暫定位置指定情報を端末装置30から受信したか否かを判定する。
例えば、当該暫定位置指定情報は、端末装置30の移動先設定画面の決定ボタンが押されていない状態において受付けられた入力操作によって指定された位置に関する情報であってもよい。ステップS54において、制御部19は、位置指定情報取得部として機能する。
例えば、ステップS55において、制御部19は、当該暫定位置指定情報によって指定された移動先位置に車両Mが移動できない要因がある場合に、当該移動先位置に車両Mを移動することができない旨を示す移動不可情報を生成して送信してもよい。この場合、ステップS55において、制御部19は、移動不可情報送信部として機能する。例えば、ステップS12において、障害物が検出されていた場合に、ステップS55において移動不可情報が送信される。
制御部19は、ステップS54において、暫定位置指定情報を受信していないと判定した場合、又はステップS55の実行後、最終位置指定情報を受信したか否かを判定する(ステップS56)。
ステップS56において、制御部19は、車両Mの移動先位置を指定する位置指定情報であって、決定された情報である最終位置指定情報を端末装置30から受信したか否かを判定する。
例えば、当該最終位置指定情報は、端末装置30の移動先設定画面において、車両Mの移動先位置を指定する入力操作が受付けられて、決定ボタンが押された際の最終的な位置に関する情報であってもよい。ステップS56において、制御部19は、位置指定情報取得部として機能する。
制御部19は、ステップS56において、最終位置指定情報を受信していないと判定する(ステップS56:NO)と、ステップS54に戻り、暫定位置指定情報を受信したか否かを再び判定する。
制御部19は、ステップS56において、最終位置指定情報を受信したと判定する(ステップS56:YES)と、移動先位置情報を自動運転制御装置28に供給する(ステップS57)。ステップS57において、制御部19は、ステップS56において取得した位置指定情報に基づいて、移動先位置情報を生成して自動運転制御装置28に供給する。
例えば、ステップS57において、当該位置指定情報が、実際の位置を示す位置情報である場合には、位置指定情報が移動先位置情報として供給されてもよい。また、例えば、当該位置指定情報が、端末装置30の移動先設定画面における表示上の位置である場合には、制御部19は、表示上の距離及び方向並びに車両Mのサイズ情報に基づいて、車両Mの現在位置から移動先位置までの実際の距離及び方向を示す情報を生成して移動先位置情報としてもよい。
なお、ステップS57において、制御部19は、移動先位置まで車両Mが移動するように車両Mの自律走行を制御するための移動制御情報を生成して自動運転制御装置28に供給してもよい。ステップS57において、制御部19は、制御情報生成部として機能する。
制御部19は、ステップS57の実行後、前記移動先位置に前記車両が移動したと仮定した際の前記車両の位置を示す表示の投影を終了し(ステップS58)、移動支援ルーチンRT4を終了して、繰り返し移動支援ルーチンRT4を実行する。
以上、詳細に説明したように、本実施例の移動支援システム100によれば、車両Mを移動させる際の目標位置を設定する際に、端末装置30の移動先設定画面に、車両Mのサイズに基づく基本車両図形及び移動先車両図形が表示され、移動先車両図形を表示上で移動して移動先の指定を受け付けることができる。
また、当該移動先車両図形の表示上の移動に伴って、指定された移動先位置に車両Mが移動したと仮定した際の車両Mの位置を示す表示の投影を行うことができる。従って、ユーザは、実際の移動先位置に投影された表示を確認しながら最終的に移動先を決定することができる。
また、障害物等によって車両Mの移動先として決定できない位置を移動先とする指定を受付けた場合には、当該投影及び移動先設定画面上の表示によって示すことができる。