(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180454
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】装着作業システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241219BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024176929
(22)【出願日】2024-10-09
(62)【分割の表示】P 2022576255の分割
【原出願日】2021-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】野沢 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】川合 英俊
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 正隆
(57)【要約】
【課題】テープフィーダを適切に交換することを課題とする。
【解決手段】
上部移載部と下部移載部を有するテープフィーダ交換装置と、上部移載部に対向可能なテープフィーダ保持台と下部移載部に対向可能な下方収納スペースとを有する自動交換装着装置と、上部移載部に対向可能な上部収納スペースと下部移載部に対向可能な下部収納スペースとを有するフィーダ収納庫と、を備える装着作業システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部移載部と下部移載部を有するテープフィーダ交換装置と、
前記上部移載部に対向可能なテープフィーダ保持台と前記下部移載部に対向可能な下方収納スペースとを有する自動交換装着装置と、
前記上部移載部に対向可能な上部収納スペースと前記下部移載部に対向可能な下部収納スペースとを有するフィーダ収納庫と、
を備える装着作業システム。
【請求項2】
複数の前記自動交換装着装置は、列で配設され、
前記テープフィーダ交換装置は、前記複数の自動交換装着装置の列方向に移動する請求項1に記載の装着作業システム。
【請求項3】
前記自動交換装着装置の隣に前記フィーダ収納庫が配設される請求項1または請求項2に記載の装着作業システム。
【請求項4】
前記テープフィーダ保持台は前記上部収納スペースと同じ高さにある請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の装着作業システム。
【請求項5】
前記下方収納スペースは前記下部収納スペースと同じ高さにある請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の装着作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テープフィーダ交換装置の作動により自動でテープフィーダが交換される装着作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、テープフィーダにより供給される部品を基板に装着する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-075466号公報
【特許文献2】特開2020-014021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、テープフィーダを適切に交換することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、上部移載部と下部移載部を有するテープフィーダ交換装置と、前記上部移載部に対向可能なテープフィーダ保持台と前記下部移載部に対向可能な下方収納スペースとを有する自動交換装着装置と、前記上部移載部に対向可能な上部収納スペースと前記下部移載部に対向可能な下部収納スペースとを有するフィーダ収納庫と、を備える装着作業システムを開示する。
【発明の効果】
【0006】
本明細書の装着作業システムによれば、テープフィーダを適切に交換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】自動交換装着装置とフィーダ交換装置とを示す斜視図である。
【
図4】テープフィーダの交換作業を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に、対基板作業システム10を示す。
図1に示すシステム10は、回路基板に電子部品を実装するためのシステムである。対基板作業システム10は、1台のフィーダ収納庫20と3台の自動交換装着装置22と2台の手動交換装着装置24と1台のフィーダ交換装置26とから構成されている。そして、1台のフィーダ収納庫20と3台の自動交換装着装置22と2台の手動交換装着装置24とが、1台のフィーダ収納庫20,3台の自動交換装着装置22,2台の手動交換装着装置24の順に隣接した状態で1列に配設されている。また、フィーダ交換装置26は、自動交換装着装置22の前方側(
図1の手前側)に配設されている。なお、以下の説明では、フィーダ収納庫20,自動交換装着装置22,手動交換装着装置24の並ぶ方向をX方向、そのX方向に直角な水平の方向をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向と称する。また、X方向において、フィーダ収納庫20が配設されている側を上流側と称し、手動交換装着装置24が配設されている側を下流側と称する。
【0009】
3台の自動交換装着装置22は、互いに略同じ構成であり、それら3台の自動交換装着装置22の各々は、
図2に示すように、搬送装置30と、装着ヘッド32と、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)34と、供給装置36とを備えている。
【0010】
搬送装置30は、2つのコンベア装置50を備えている。それら2つのコンベア装置50は、互いに平行、かつ、X方向に延びるようにベース52上に配設されている。2つのコンベア装置50の各々は、電磁モータ(
図6参照)56によって各コンベア装置50に支持される回路基板57をX方向に搬送する。また、各コンベア装置50は、基板保持装置(
図6参照)58を有しており、回路基板57を、所定の位置において固定的に保持する。
【0011】
装着ヘッド32は、回路基板57に対して電子部品を装着するものである。詳しくは、装着ヘッド32は、下端面に設けられた吸着ノズル60を有している。吸着ノズル60は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(
図6参照)62に通じている。吸着ノズル60は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド32は、吸着ノズル60を昇降させるノズル昇降装置(
図6参照)64を有している。そのノズル昇降装置64によって、装着ヘッド32は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。なお、吸着ノズル60は、装着ヘッド32に着脱可能とされており、サイズの異なる吸着ノズルに変更することが可能である。
【0012】
移動装置34は、装着ヘッド32をベース52上の任意の位置に移動させる装置である。詳しくは、移動装置34は、X方向スライド機構70とY方向スライド機構72とによって構成されている。Y方向スライド機構72は、ベース52に上架されたビーム73に配設されており、1対のY方向ガイドレール74を有している。そして、それら1対のY方向ガイドレール74は、Y方向に延びるように配設されている。一方、X方向スライド機構70は、X方向ガイドレール76を有しており、そのX方向ガイドレール76は、X方向に延びるようにして、1対のY方向ガイドレール74に保持されている。Y方向スライド機構72は、電磁モータ(
図6参照)78を有しており、その電磁モータ78の駆動によって、X方向ガイドレール76がY方向の任意の位置に移動する。X方向ガイドレール76は、自身の軸線に沿って移動可能にスライダ80を保持している。X方向スライド機構70は、電磁モータ(
図6参照)82を有しており、その電磁モータ82の駆動によって、スライダ80がX方向の任意の位置に移動する。そのスライダ80には、装着ヘッド32が装着されている。このような構造により、装着ヘッド32は、移動装置34によってベース52上の任意の位置に移動する。なお、装着ヘッド32は、スライダ80にワンタッチで着脱可能である。これにより、ディスペンサヘッド等の種類の異なる作業ヘッドに変更することが可能である。
【0013】
供給装置36は、ベース52の前方側の端部に配設されており、複数のテープフィーダ90を有している。各テープフィーダ90は、
図3に示すように、リール92と送出装置94と剥離装置96とを有しており、上面の端部において、電子部品を供給する。詳しくは、リール92には、テープ化部品98が巻回されており、リール92からテープ化部品98が、テープガイド100上に引き出されている。テープ化部品98は、電子部品がテーピング化されたものであり、所定ピッチで送り穴(図示省略)が形成されている。その送り穴には、送出装置94のスプロケット102が噛合している。そして、スプロケット102は、電磁モータ104により回転する。このような構造により、テープ化部品98は、供給位置に向かって送り出される。
【0014】
また、剥離装置96は、フィルム剥離機構106とギア機構108とを有している。フィルム剥離機構106は、テープ化部品98からトップフィルム110を剥離するための機構であり、テープフィーダ90の上面端部に形成された開口112の手前に配設されている。ギア機構108は、テープ化部品98から剥離されたトップフィルム110を、フィルム回収部114内に引っ張り込む機構である。このような構造により、テープ化部品98からトップフィルム110が剥離されることで、テープ化部品98に収容されている電子部品が、開口112において露出し、その露出した電子部品が、装着ヘッド32の吸着ノズル60によって吸着保持される。つまり、開口112が、テープフィーダ90の電子部品供給位置となっている。なお、開口112のテープ化部品98の送り出し方向の側面には、下方に向かうように、テープ案内通路116が形成されている。このテープ案内通路116を通って、テープ化部品98から電子部品が取り出された廃棄テープ118が排出される。
【0015】
また、テープフィーダ90は、
図2に示すように、ベース52の前方側の端部に固定的に設けられたテープフィーダ保持台120に着脱可能とされている。テープフィーダ保持台120は、
図4に示すように、ベース52に対して垂直方向に立設された立設面122と、立設面122の下端から突出する突出面124とから構成されている。立設面122には、コネクタ接続部126が設けられている。一方、テープフィーダ90の側面には、コネクタ128が設けられている。そして、テープフィーダ90のコネクタ128が、立設面122のコネクタ接続部126に接続されることで、テープフィーダ90の底面が、突出面124によって支持される。これにより、テープフィーダ90が、テープフィーダ保持台120に電気的に接続される。また、立設面122には、挿入穴130が設けられている。一方、テープフィーダ90の側面には、ピン132が設けられている。そして、テープフィーダ90のピン132が、立設面122の挿入穴130に接続されることで、テープフィーダ90がテープフィーダ保持台120において位置決めされる。
【0016】
また、
図2に示すように、テープフィーダ保持台120の下方には、収納スペース140が形成されている。収納スペース140は、テープフィーダ保持台120の下方の空きスペースの幅方向、つまり、X方向の全体を利用して複数のテープフィーダ90を収納するためのスペースである。その収納スペース140には、
図5に示す収納ラック150が作業者によりワンタッチで着脱可能に位置決めして装着される。
【0017】
収納ラック150は、前方側の面が開口する箱形状である。その箱形状の収納ラック150の内部の高さ寸法はテープフィーダ90の高さ寸法より僅かに大きく、収納ラック150の内部の奥行寸法はテープフィーダ90の奥行寸法より僅かに大きい。そして、収納ラック150の内部の幅寸法はテープフィーダ90の幅寸法のN倍(例えば、30倍)より大きい。このような形状の収納ラック150の内部に、N個のテープフィーダ90を並べて収納することができる。なお、収納ラック150の天板152の下面には、前後方向に延びるように、複数のレール154がN本形成されている。また、収納ラック150の後方側の面の内側には、N個の挿入穴156が、収納ラック150の幅方向に並んで形成されている。このため、テープフィーダ90の上端をレール154に嵌め込んで、テープフィーダ90のピン132を挿入穴156に挿入することで、収納ラック150の内部においてテープフィーダ90が位置決めされる。
【0018】
また、収納ラック150の外寸は収納スペース140の内寸より僅かに小さい。このため、収納スペース140の内部、つまり、テープフィーダ保持台120の下方に収納ラック150を収納することができる。これにより、複数のテープフィーダ90が収納された収納ラック150を、収納スペース140に収納することで、
図1に示すように、自動交換装着装置22の下部の空きスペースを利用して、複数のテープフィーダ90を保管することができる。
【0019】
また、2台の手動交換装着装置24は、互いに略同じ構成であり、それら2台の手動交換装着装置24の各々は、収納スペース140を除いて、自動交換装着装置22と略同じ構成である。つまり、
図1に示すように、手動交換装着装置24の下部には収納スペース140が形成されておらず、テープフィーダ90を保管することができないことを除いて、自動交換装着装置22と略同じ構成である。このため、手動交換装着装置24の詳細な説明を省略し、手動交換装着装置24の構成要素、つまり、搬送装置,装着ヘッド,移動装置,供給装置等の符号として、自動交換装着装置22の構成要素と同じ符号を用いる。
【0020】
また、フィーダ収納庫20は、2段の棚形状であり、その2段の棚の上段に、上部収納スペース160が形成され、下段に下部収納スペース162が形成されている。上部収納スペース160及び下部収納スペース162の内部の幅寸法及び奥行寸法は、同じであるが、上部収納スペース160の内部の高さ寸法は、下部収納スペース162の高さ寸法より僅かに大きい。また、下部収納スペース162の内寸は、自動交換装着装置22の収納スペース140の内寸と同じである。このため、下部収納スペース162に収納ラック150を収納することが可能であり、複数のテープフィーダ90が収納された収納ラック150を、下部収納スペース162に収納することで、フィーダ収納庫20の下段に、複数のテープフィーダ90を保管することができる。
【0021】
また、収納ラック150と、高さ寸法を除いて略同じ構造の収納ラック(「上段用収納ラック」と記載する)166も用意されており、その上段用収納ラック166にも、収納ラック150と同様に、N個のテープフィーダ90を収納することが可能である。そして、上段用収納ラック166の高さ寸法は、上部収納スペース160の高さ寸法より僅かに小さい。このため、上部収納スペース160に上段用収納ラック166を収納することが可能であり、複数のテープフィーダ90が収納された上段用収納ラック166を、上部収納スペース160に収納することで、フィーダ収納庫20の上段に、複数のテープフィーダ90を保管することができる。
【0022】
また、フィーダ交換装置26は、3台の自動交換装着装置22及びフィーダ収納庫20のそれぞれに対してテープフィーダ90の交換作業を行う。詳しくは、3台の自動交換装着装置22及びフィーダ収納庫20の前面には、X方向に延びるように、上部ガイドレール170及び下部ガイドレール172が配設されている。なお、自動交換装着装置22及びフィーダ収納庫20の前面に配設された上部ガイドレール170は繋がっており、1本のレールとなっている。また、自動交換装着装置22及びフィーダ収納庫20の前面に配設された下部ガイドレール172も繋がっており、1本のレールとなっている。そして、フィーダ交換装置26が、上部ガイドレール170及び下部ガイドレール172によりX方向にスライド可能に保持されており、電磁モータ(
図6参照)176の駆動によってX方向の任意の位置に移動する。
【0023】
また、フィーダ交換装置26は、
図2に示すように、昇降装置180と水平移動装置182とクランプ機構184とを有している。昇降装置180は、1対のZ方向ガイドレール186を有しており、それら1対のZ方向ガイドレール186は、Z方向に延びるように、自動交換装着装置22のテープフィーダ保持台120及び収納スペース140の前方側に配設されている。また、水平移動装置182は、X方向ガイドレール188を有しており、そのX方向ガイドレール188は、X方向に延びるようにして、1対のZ方向ガイドレール186に保持されている。そして、そのX方向ガイドレール168は、Z方向モータ(
図6参照)190の駆動によって、Z方向の任意の位置に移動する。また、X方向ガイドレール168は、自身の軸線に沿って移動可能にクランプ機構184を保持している。そのクランプ機構184は、X方向モータ(
図6参照)192の駆動によって、X方向の任意の位置に移動する。さらに、クランプ機構184は、Y方向に伸縮可能とされており、伸縮モータ(
図6参照)194の駆動によって、Y方向に伸縮する。また、クランプ機構184の先端部には、テープフィーダ90をクランプするクランプ部(
図4参照)196が設けられている。このような構造により、フィーダ交換装置26は、後に詳しく説明するように、テープフィーダ保持台120と収納スペース140との間で、テープフィーダ90を自動で交換する。
【0024】
また、対基板作業システム10は、
図6に示すように、制御装置200を備えている。制御装置200は、コントローラ202と、複数の駆動回路204とを備えている。複数の駆動回路204は、自動交換装着装置22及び手動交換装着装置24の電磁モータ56,78,82,104、基板保持装置58、正負圧供給装置62、ノズル昇降装置64及び、フィーダ交換装置26の電磁モータ176、Z方向モータ190、X方向モータ192、伸縮モータ194に接続されている。コントローラ202は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路204に接続されている。これにより、搬送装置30、移動装置34、フィーダ交換装置26等の作動が、コントローラ202によって制御される。
【0025】
上述した構成によって、対基板作業システム10では、回路基板57が、3台の自動交換装着装置22及び2台の手動交換装着装置24の内部を搬送装置30によって搬送され、自動交換装着装置22及び手動交換装着装置24によって、回路基板57に電子部品が装着される。なお、自動交換装着装置22での電子部品の装着作業と、手動交換装着装置24での電子部品の装着作業とは同じであるため、装着作業の説明では自動交換装着装置22と手動交換装着装置24とを纏めて、装着装置22,24と記載する
【0026】
具体的には、まず、5台の装着装置22,24のうちの最上流に配置された装着装置に回路基板57が搬入される。そして、その装着装置において、コントローラ202の指令により、回路基板57が作業位置まで搬送され、その位置において、基板保持装置58によって固定的に保持される。また、テープフィーダ保持台120に装着されているテープフィーダ保持台120は、コントローラ202の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド32が、コントローラ202の指令により、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル60によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド32は、回路基板57の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板上に装着する。回路基板への電子部品の装着作業が終了すると、回路基板が、下流に向かって搬送され、下流側に配置された装着装置内に搬入される。そして、上記装着作業が、各装着装置で順次実行されることで、電子部品が装着された回路基板が生産される。
【0027】
このように、装着装置22,24は、テープフィーダ90によって供給された電子部品を、装着ヘッド32の吸着ノズル60によって吸着保持し、その吸着保持された電子部品を回路基板上に装着するように構成されている。このように構成された装着装置22,24では、電子部品の不足等に対応するべく、テープフィーダ保持台120に装着されたテープフィーダ90が、新たなテープフィーダ90に交換される。
【0028】
手動交換装着装置24では、テープフィーダ保持台120に装着されているテープフィーダ90を作業者が取り外し、その取り外したテープフィーダ90の代わりに、新たなテープフィーダ90を装着する。つまり、手動交換装着装置24では、テープフィーダ90の交換作業が手動で行われる。一方、自動交換装着装置22では、テープフィーダ90の交換作業が自動で行われる。
【0029】
詳しくは、自動交換装着装置22のテープフィーダ保持台120に装着されているテープフィーダ90の電子部品の数が、所定数以下となると、コントローラ202の指令により、電磁モータ176が駆動して、その自動交換装着装置22の前にフィーダ交換装置26が移動する。次に、コントローラ202の指令により、昇降装置180及び水平移動装置182のZ方向モータ190及びX方向モータ192が駆動し、電子部品の数が所定数以下のテープフィーダ(以下、「使用済みフィーダ90a」と記載する)と対向する位置にクランプ機構184が移動する。そして、コントローラ202の指令により、伸縮モータ194が駆動し、クランプ機構184が、伸長することで、使用済みフィーダ90aに接近し、使用済みフィーダ90aをクランプ部196によりクランプする。使用済みフィーダ90aがクランプ部196によりクランプされると、コントローラ202の指令により、伸縮モータ194が駆動し、クランプ機構184は収縮する。これにより、使用済みフィーダ90aは、
図4に示すように、矢印210の方向に引き出され、テープフィーダ保持台120から取り外される。この際、テープフィーダ保持台120から取り外された使用済みフィーダ90aは、フィーダ交換装置26の上部移載部(
図2参照)220に引き込まれる。
【0030】
次に、コントローラ202の指令により、昇降装置180のZ方向モータ190が駆動し、クランプ機構184が矢印212の方向(下方向)に移動する。これにより、クランプ部196にクランプされた使用済みフィーダ90aは、フィーダ交換装置26の内部において、上部移載部220から下部移載部(
図2参照)222に移動する。なお、下部移載部222は、自動交換装着装置22の収納スペース140と対向する位置に形成されており、クランプ機構184が下部移載部222に移動することで、収納スペース140に収容されている収納ラック150と対向する。
【0031】
そして、コントローラ202の指令により、水平移動装置182のX方向モータ192が駆動し、クランプ機構184は、X方向に移動する。この際、クランプ部196によってクランプされた使用済みフィーダ90aが、収納ラック150のテープフィーダ90が収容されていない空のスロットと対向する位置に移動するように、X方向モータ192の駆動が制御される。そして、コントローラ202の指令により、伸縮モータ194が駆動し、クランプ機構184は伸長する。これにより、使用済みフィーダ90aは、矢印214の方向に押し込まれ、収納ラック150の空のスロットに収納される。なお、使用済みフィーダ90aがスロットに収納されると、クランプ機構184は、コントローラ202の指令により、使用済みフィーダ90aのクランプを解除し、収縮する。
【0032】
続いて、使用済みフィーダ90aの代わりにテープフィーダ保持台120に装着予定のテープフィーダ(以下、「装着予定フィーダ90b」と記載する)が、収納スペース140の収納ラック150に収納されている場合には、コントローラ202の指令により、水平移動装置182のX方向モータ192が駆動し、クランプ機構184が、装着予定フィーダ90bの前方に移動する。そして、伸縮モータ194が、コントローラ202の指令により駆動して、クランプ機構184が伸長することで、装着予定フィーダ90bがクランプ部196によりクランプされる。
【0033】
次に、装着予定フィーダ90bがクランプ部196によりクランプされると、コントローラ202の指令により、伸縮モータ194が駆動し、クランプ機構184は収縮することで、装着予定フィーダ90bは、収納ラック150から引き出される。この際、収納ラック150から引き出された装着予定フィーダ90bは、フィーダ交換装置26の下部移載部222に引き込まれる。続いて、コントローラ202の指令により、昇降装置180のZ方向モータ190が駆動し、クランプ機構184が上方向に移動する。これにより、クランプ部196にクランプされた装着予定フィーダ90bは、フィーダ交換装置26の内部において、下部移載部222から上部移載部220に移動する。そして、コントローラ202の指令により、水平移動装置182のX方向モータ192が駆動し、クランプ機構184は、X方向に移動する。この際、クランプ部196によってクランプされた装着予定フィーダ90bが、使用済みフィーダ90aが装着されていたテープフィーダ保持台120の前方に移動するように、X方向モータ192の駆動が制御される。
【0034】
続いて、伸縮モータ194が、コントローラ202の指令により駆動して、クランプ機構184が伸長することで、テープフィーダ保持台120に接近し、装着予定フィーダ90bがテープフィーダ保持台120に装着される。そして、装着予定フィーダ90bがテープフィーダ保持台120に装着されると、クランプ機構184は、コントローラ202の指令により、装着予定フィーダ90bのクランプを解除し、収縮する。以上の一連のフィーダ交換装置26の作動により、使用済みフィーダ90aと装着予定フィーダ90bとの交換作業が自動で行われる。
【0035】
また、装着予定フィーダ90bが、フィーダ収納庫20に収容されている場合には、使用済みフィーダ90aを収納スペース140の収納ラック150に収容した後に、コントローラ202の指令により、電磁モータ176が駆動して、フィーダ交換装置26がフィーダ収納庫20の前に移動する。そして、コントローラ202の指令により、昇降装置180および水平移動装置182のZ方向モータ190およびX方向モータ192が駆動して、クランプ機構184が、装着予定フィーダ90bの前方に移動する。そして、伸縮モータ194が、コントローラ202の指令により、駆動し、クランプ機構184が伸長することで、装着予定フィーダ90bに接近し、装着予定フィーダ90bがクランプ部196によりクランプされる。装着予定フィーダ90bがクランプ部196によりクランプされた後の手法は、上記説明の手法と同じであるため、説明を省略する。
【0036】
ちなみに、上記実施例において、対基板作業システム10は、装着作業システムの一例である。フィーダ収納庫20は、収納庫の一例である。自動交換装着装置22は、装着作業機およびフィーダ自動交換作業機の一例である。手動交換装着装置24は、装着作業機およびフィーダ手動交換作業機の一例である。フィーダ交換装置26は、テープフィーダ交換装置の一例である。搬送装置30は、搬送装置の一例である。テープフィーダ90は、テープフィーダの一例である。テープフィーダ保持台120は、装着台の一例である。収納スペース140は、収納スペースの一例である。収納ラック150は、交換機構の一例である。上部収納スペース160及び下部収納スペース162は、収納スペースの一例である。
【0037】
以上、上記した本実施形態では、以下の効果を奏する。
【0038】
対基板作業システム10では、フィーダ収納庫20が3台の自動交換装着装置22の隣に配設されている。このため、例えば、装着予定フィーダ90bがフィーダ収納庫20に収納されている場合において、自動交換装着装置22の移動距離を少なくすることができる。これにより、テープフィーダ90の交換作業に要する時間を短縮することができる。
【0039】
また、対基板作業システム10では、2台の手動交換装着装置24が3台の自動交換装着装置22のフィーダ収納庫20と反対側の隣に配設されている。つまり、対基板作業システム10では、フィーダ収納庫20と1群の自動交換装着装置22と1群の手動交換装着装置24とが、フィーダ収納庫20,1群の自動交換装着装置22,1群の手動交換装着装置24の順番に並んで配設されている。これにより、自動交換装着装置22と手動交換装着装置24との一方において装着作業が完了した回路基板に対して、自動交換装着装置22と手動交換装着装置24との他方により装着作業を実行することができる。
【0040】
また、対基板作業システム10では、自動交換装着装置22の下方に収納スペース140が形成されており、その収納スペース140にテープフィーダ90が収納されている。このため、例えば、装着予定フィーダ90bが収納スペース140に収納されている場合には、フィーダ交換装置26を移動させることなく、テープフィーダ保持台120と収納スペース140との間でテープフィーダ90が自動で交換される。これにより、テープフィーダ90の交換作業に要する時間を短縮することができる。また、フィーダ収納庫20だけでなく、自動交換装着装置22にもテープフィーダ90を保管することが可能となり、対基板作業システム10において多くのテープフィーダ90を保管することが可能となる。さらに言えば、収納スペース140は、テープフィーダ保持台120の下方の空きスペースの幅方向の全体を利用して複数のテープフィーダ90が収納される。これにより、多くのテープフィーダ90を保管することが可能となる。ひいては、対基板作業システム10以外に保管されていたテープフィーダ90の数を少なくすることが可能となり、テープフィーダ90の保管エリアを縮小することが可能となる。
【0041】
また、対基板作業システム10では、収納ラック150を用いて自動交換装着装置22の収納スペース140及びフィーダ収納庫20の下部収納スペース162に複数のテープフィーダ90を一括して交換することができる。また、上段用収納ラック166を用いてフィーダ収納庫20の上部収納スペース160に複数のテープフィーダ90を一括して交換することができる。つまり、作業者が収納ラック150,166に複数のテープフィーダ90を収納し、収納ラック150,166を収納スペース140,160,162に出し入れするだけで、複数のテープフィーダ90を一括して交換することができる。これにより、作業者の手間を省くことが可能となる。
【0042】
また、対基板作業システム10では、フィーダ収納庫20に2段の収納スペース、つまり、上部収納スペース160と下部収納スペース162とが形成されている。これにより、フィーダ収納庫20に多くのテープフィーダ90を保管することが可能となる。
【0043】
尚、本開示は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、自動交換装着装置22に収納スペース140が形成されているが、手動交換装着装置24に収納スペースが形成されてもよい。このように、手動交換装着装置24にも収納スペースが形成されることで、より多くのテープフィーダ90を保管することが可能となる。
【0044】
また、上記実施例では、収納ラック150を利用して複数のテープフィーダ90が一括して交換されているが、他の機構を利用して複数のテープフィーダ90が一括して交換されてもよい。例えば、台車に複数のテープフィーダ90を搭載可能な搭載部を形成して、その搭載部を収納スペース140に挿入可能な構造とする。そして、搭載部に複数のテープフィーダ90を搭載して、その搭載部を空の収納スペース140の内部に挿入することで、それら複数のテープフィーダ90を収納スペース140に一括して装着してもよい。また、複数のテープフィーダ90が収納された収納スペース140に、空の搭載部を挿入して、収納スペース140から複数のテープフィーダ90を一括して取り出してもよい。
【0045】
また、上記実施例では、作業者が手動で収納ラック150等を収納スペース140等に収納しているが、収納装置等により自動で収納ラック150等を収納スペース140等に収納してもよい。
【0046】
また、上記実施例では、対基板作業システム10において収納ラック150を利用して複数のテープフィーダ90が一括して交換されているが、対基板作業システム10と異なる箇所において、収納ラック150を利用して複数のテープフィーダ90が一括して交換されてもよい。例えば、装着作業を行う作業エリアと異なるエリアであって、テープフィーダ90を保管するためのエリアにおいて、収納ラック150を利用して複数のテープフィーダ90が一括して交換されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10:対基板作業システム 20:フィーダ収納庫(収納庫) 22:自動交換装着装置(装着作業機)(フィーダ自動交換作業機) 24:手動交換装着装置(装着作業機)(フィーダ自動交換作業機) 26:フィーダ交換装置(テープフィーダ交換装置) 30:搬送装置 90:テープフィーダ 120:テープフィーダ保持台(装着台) 140:収納スペース 150:収納ラック(交換機構) 160:上部収納スペース(収納スペース) 162:下部収納スペース(収納スペース)