(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024180544
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】部品実装機
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024178901
(22)【出願日】2024-10-11
(62)【分割の表示】P 2023525245の分割
【原出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細井 規生
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓太
(57)【要約】
【課題】フィーダを収容する際の作業性を良好に確保すると共に、複数のフィーダを安定に収容することができる部品実装機の提供。
【解決手段】フィーダマガジンは、天井部と、底部と、背部と、背部とは反対側の開口部と、それぞれ開口部から背部に向けて互いに平行に延在するように天井部に形成され、フィーダの上端部が挿脱自在に差し込まれる複数の支持溝と、天井部の複数の支持溝と対向するように底部に形成された平面と、当該平面の開口部側で複数の支持溝の各々に対応するように底部に配設され、フィーダが開口部から背部に向けて押し込まれるのに伴って、それぞれフィーダの下端部に形成された係合部と係合する複数の位置決め部とを含み、フィーダを収容する際の作業性を良好に確保すると共に複数のフィーダを安定に収容する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部、底部、背部および前記背部とは反対側の開口部を含み、それぞれ複数の部品を保持した複数のフィーダを収容するフィーダマガジンであって、
それぞれ前記底部側で開口すると共に前記開口部から前記背部に向けて互いに平行に延在するように前記天井部に形成され、それぞれ前記フィーダの上端部が挿脱自在に差し込まれる複数の支持溝と、
前記天井部の前記複数の支持溝と対向するように前記底部に形成された平面と、
前記平面の前記開口部側で前記複数の支持溝の各々に対応するように前記底部に配設され、前記上端部が前記支持溝に差し込まれた状態で前記フィーダが前記開口部から前記背部に向けて押し込まれるのに伴って、それぞれ前記フィーダの下端部に形成された係合部と係合する複数の位置決め部と、
を備えるフィーダマガジン。
【請求項2】
請求項1に記載のフィーダマガジンにおいて、
前記平面の前記背部側で前記複数の支持溝の各々に対応するように前記底部に配設され、前記上端部が前記支持溝に差し込まれた状態で前記フィーダが前記開口部から前記背部に向けて押し込まれるのに伴って、それぞれ前記フィーダの前記下端部に形成された第2の係合部と係合する複数の第2の位置決め部を更に備えるフィーダマガジン。
【請求項3】
請求項2に記載のフィーダマガジンにおいて、
前記フィーダは、前記背部側の端面の上部から前記背部に向けて突出する第1位置決めピンと、前記第1位置決めピンの下方で前記端面から前記背部に向けて突出する第2位置決めピンとを有し、前記第1および第2位置決めピンの一方の先端は、他方の先端よりも前記開口部側に位置し、前記背部には、それぞれ前記フィーダの前記第1位置決めピンが挿入される複数の第1位置決め孔と、それぞれ前記フィーダの前記第2位置決めピンが挿入される複数の第2位置決め孔とが前記複数の支持溝の各々に対応するように形成されているフィーダマガジン。
【請求項4】
請求項3に記載のフィーダマガジンにおいて、
前記フィーダが前記開口部から前記背部に向けて押し込まれる間に、前記第1および第2位置決めピンの前記他方が前記第1または第2位置決め孔に達した後、前記フィーダの前記係合部が前記位置決め部と係合し、その後に、前記フィーダの前記第2の係合部が前記第2の位置決め部と係合するフィーダマガジン。
【請求項5】
請求項2から4の何れか一項に記載のフィーダマガジンにおいて、
前記平面は、前記天井部と平行に延在し、
前記係合部は、前記フィーダの下端面よりも下方に突出する突起であり、
前記第2の係合部は、前記フィーダの前記下端面を形成する部分の前記背部側の端部であり、
前記位置決め部は、前記開口部側で開口する前記平面から窪んだ凹部であって、前記フィーダの前記突起と係合し、
前記第2の位置決め部は、前記フィーダの前記第2の係合部を両側から保持するフィーダマガジン。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のフィーダマガジンにおいて、
前記フィーダは、上端面に固定されたT字状の断面形状を有するガイドレールを含み、前記支持溝に差し込まれた前記ガイドレールを介して前記天井部により吊り下げた状態で支持されるフィーダマガジン。
【請求項7】
請求項1から5の何れか一項に記載のフィーダマガジンにおいて、
前記フィーダは、前記複数の部品を保持するテープが巻回されたテープリールと、前記テープリールを収容するフィーダ本体とを含むフィーダマガジン。
【請求項8】
それぞれ複数の部品を保持した複数のフィーダを収容するフィーダ装着部を有し、前記フィーダから前記部品を採取して対象物上に搭載する部品実装機において、
前記フィーダ装着部は、
天井部と、
底部と、
背部と、
前記背部とは反対側の開口部と、
それぞれ前記底部側で開口すると共に前記開口部から前記背部に向けて互いに平行に延在するように前記天井部に形成され、それぞれ前記フィーダの上端部が挿脱自在に差し込まれる複数の支持溝と、
前記天井部の前記複数の支持溝と対向するように前記底部に形成された平面と、
前記平面の前記開口部側で前記複数の支持溝の各々に対応するように前記底部に配設され、前記上端部が前記支持溝に差し込まれた状態で前記フィーダが前記開口部から前記背部に向けて押し込まれるのに伴って、それぞれ前記フィーダの下端部に形成された係合部と係合する複数の位置決め部と、
を含む部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、それぞれ複数の部品を保持した複数のフィーダを収容するフィーダマガジンおよびフィーダから部品を採取して対象物上に搭載する部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品実装機に部品を供給するフィーダとして、薄型箱状のフィーダ本体と、複数の部品を保持した部品供給テープが巻回されており、フィーダ本体内に着脱可能に収容されるテープリールとを含むテープフィーダが知られている(例えば、特許文献1参照)。このテープフィーダのフィーダ本体の上端面部には、部品実装機のフィーダセット部の上部に形成されたスロット溝により保持されるガイドレールと、フィーダセット部に対してフィーダ本体を取り付け状態にクランプするクランプ装置とが設けられている。更に、フィーダ本体の下端面部には、フィーダセット部の下部に形成されたレール溝に嵌まるガイドレールが設けられている。加えて、フィーダ本体の取り付け方向側の端面部の高さ方向における中央よりも高い部分には、テープフィーダをフィーダ収容スペースに対して位置決めする2本の位置決めピンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/065754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のフィーダを一括して搬送したり、保管したりするために、当該複数のフィーダを収容するフィーダマガジンを用いたり、当該フィーダマガジンに相当する構造を実装機等に組み込んだりすることが考えられる。そして、かかるフィーダマガジンの天井部と底部との双方に溝を設けることで、複数のフィーダを安定に支持することができるであろう。しかしながら、この場合、天井部側の溝と、それに対応した底部側の溝とに対してフィーダを正しくセットするのは必ずしも容易ではなく、フィーダマガジンにフィーダを収容する際の作業性が悪化してしまう。更に、フィーダの下端部が天井部側の溝に対応していない底部側の溝により嵌まってしまった場合、フィーダが大きく撓んだり、他のフィーダと干渉したりして破損してしまうおそれもある。
【0005】
そこで、本開示は、フィーダを収容する際の作業性を良好に確保すると共に、複数のフィーダを安定に収容することができるフィーダマガジンおよび部品実装機の提供を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のフィーダマガジンは、天井部、底部、背部および前記背部とは反対側の開口部を含み、それぞれ複数の部品を保持した複数のフィーダを収容するフィーダマガジンであって、それぞれ前記底部側で開口すると共に前記開口部から前記背部に向けて互いに平行に延在するように前記天井部に形成され、それぞれ前記フィーダの上端部が挿脱自在に差し込まれる複数の支持溝と、前記天井部の前記複数の支持溝と対向するように前記底部に形成された平面と、前記平面の前記開口部側で前記複数の支持溝の各々に対応するように前記底部に配設され、前記上端部が前記支持溝に差し込まれた状態で前記フィーダが前記開口部から前記背部に向けて押し込まれるのに伴って、それぞれ前記フィーダの下端部に形成された係合部と係合する複数の位置決め部とを含むものである。
【0007】
本開示のフィーダマガジンにフィーダを収容する際には、天井部の対象となる支持溝にフィーダの上端部を差し込み、当該フィーダを開口部から背部に向けて押し込んでいく。そして、フィーダが開口部から背部に向けて押し込まれるのに伴って、当該フィーダの係合部が開口部側の位置決め部と係合し、フィーダマガジン内へのフィーダの収容が完了する。これにより、基本的に、フィーダを天井部の支持溝に支持させて背部に向けて押し込めば、フィーダマガジンにフィーダを収容することが可能となる。また、上端部を支持する支持溝に対応していない位置決め部の少なくとも何れか一方にフィーダの係合部が係合してしまっても、フィーダの全体をフィーダマガジンから取り出すことなく、上端部を支持する支持溝に対応した位置決め部にフィーダの係合部を改めて係合させることができる。従って、複数のフィーダを傾斜させることなく、上下方向に真っ直ぐに延在するようにフィーダマガジン内に収容することが可能となる。更に、底部の平面に異物が滞留し難くなることから、フィーダの下端部と当該平面との間に異物が噛み込まないようにして、異物の噛み込みによるフィーダの傾斜や他のフィーダとの干渉等を良好に抑制することができる。この結果、本開示のフィーダマガジンによれば、フィーダを収容する際の作業性を良好に確保すると共に、複数のフィーダを安定に収容することが可能となる。
【0008】
本開示の部品実装機は、それぞれ複数の部品を保持した複数のフィーダを収容するフィーダ装着部を有し、前記フィーダから前記部品を採取して対象物上に搭載する部品実装機において、前記フィーダ装着部が、天井部と、底部と、背部と、前記背部とは反対側の開口部と、それぞれ前記底部側で開口すると共に前記開口部から前記背部に向けて互いに平行に延在するように前記天井部に形成され、それぞれ前記フィーダの上端部が挿脱自在に差し込まれる複数の支持溝と、前記天井部の前記複数の支持溝と対向するように前記底部に形成された平面と、前記平面の前記開口部側で前記複数の支持溝の各々に対応するように前記底部に配設され、前記上端部が前記支持溝に差し込まれた状態で前記フィーダが前記開口部から前記背部に向けて押し込まれるのに伴って、それぞれ前記フィーダの下端部に形成された係合部と係合する複数の位置決め部とを含むものである。かかる部品実装機によれば、フィーダ装着部にフィーダを収容する際の作業性を良好に確保すると共に、複数のフィーダを安定に収容することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示のフィーダマガジンを利用する生産ラインを示す概略構成図である。
【
図2】本開示のフィーダマガジンに収容されるフィーダを示す概略構成図である。
【
図3】本開示のフィーダマガジンを示す斜視図である。
【
図4】本開示のフィーダマガジンを開口部側からみた拡大図である。
【
図5】本開示のフィーダマガジンおよびフィーダを示す拡大断面図である。
【
図6】本開示のフィーダマガジンにフィーダを収容する過程を示す部分断面図である。
【
図7】本開示のフィーダマガジンにフィーダを収容する過程を示す部分断面図である。
【
図8】本開示のフィーダマガジンにフィーダを収容する過程を示す部分断面図である。
【
図9】本開示のフィーダマガジンにフィーダが収容された状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
図1は、本開示のフィーダマガジン100を利用する生産ライン1を示す概略構成図である。同図に示す生産ライン1は、部品Pが実装された基板Sを生産するものであり、印刷装置2、印刷検査装置3、保管部(バッファステーション)4、複数(本実施形態では、例えば4台)の部品実装機5、実装検査装置6、リフロー装置7、リフロー検査装置8、ライン制御装置10等を含む。印刷装置2、印刷検査装置3、保管部4、複数の部品実装機5、実装検査装置6、リフロー装置7およびリフロー検査装置8は、予め定められた基板Sの搬送方向に沿って、この順番に配列される。
【0012】
印刷装置2は、基板Sの配線パターン上に、はんだを印刷するものであり、基板Sを搬送する基板搬送装置や、印刷ヘッド、当該印刷ヘッドを移動させるヘッド移動装置、スクリーンマスクが固定された固定枠、CPU,ROM,RAM、不揮発性の記憶装置、入出力インターフェース等を含むコンピュータである制御装置等(何れも図示省略)を含む。印刷検査装置3は、印刷装置2により基板Sに印刷されたはんだの状態を検査するものであり、検査機構および当該検査機構を制御する制御装置(コンピュータ)等を含む。印刷装置2および印刷検査装置3の制御装置は、それぞれ無線または有線通信を介してライン制御装置10と相互に情報をやり取りする。
【0013】
保管部4は、本実施形態において、生産ライン1の印刷検査装置3と最上流側の部品実装機5との間に組み込まれており、複数(本実施形態では、2つ)の保管スペース41と、それぞれ無人搬送車(AGV)90の電動コンベヤ91との間で物品を受け渡すように対応する保管スペース41に設置された複数(本実施形態では、2つ)の電動コンベヤ42とを含む。また、本実施形態において、生産ライン1のライン制御装置10は、保管部4に設置されており、保管部4の電動コンベヤ42といった制御対象を制御する。かかる保管部4には、生産ライン1における生産効率を向上させるべく、部品Pが実装された基板Sの生産に使用される複数の物品が一時的に保管される。
【0014】
本実施形態において、保管部4に保管される物品は、各部品実装機5に装着されるフィーダ50であり、部品実装機5に装着される予定(使用前)の複数のフィーダ50が一方の保管スペース41に保管され、部品実装機5から取り外された使用済みの複数のフィーダ50が他方の保管スペース41に保管される。また、本実施形態では、保管部4と無人搬送車90との間で複数のフィーダ50を一括して受け渡すために、複数のフィーダ50を収容可能な箱型のフィーダマガジン100が用いられる。なお、1つのフィーダマガジン100内に収容される複数のフィーダ50は、互いに異なる部品を収容するものであってもよく、互いに同一の部品を収容するものであってもよい
【0015】
更に、生産ライン1は、ローダ9を含む。ローダ9は、基板Sの搬送方向に沿って移動して保管部4と複数の部品実装機5との間でフィーダ50を受け渡すようにライン制御装置10により制御される。すなわち、ローダ9は、該当する部品実装機5から使用済みの複数のフィーダ50を回収して保管部4の上記他方の保管スペース41に保管されているフィーダマガジン100に格納する。また、ローダ9は、保管部4の上記一方の保管スペース41(フィーダマガジン100)から使用前の複数のフィーダ50を取り出して該当する部品実装機5に装着する。
【0016】
複数の部品実装機5は、何れもフィーダ50により送り出されるテープから部品Pを採取して対象物としての基板S上に搭載可能な表面実装機であり、
図1に示すように、印刷検査装置3の下流側に基板Sの搬送方向に沿って配列される。各部品実装機5は、筐体、複数のフィーダ50が装着されるフィーダセット台、基板搬送装置、XY移動装置、少なくとも1つの吸着ノズルを含む実装ヘッド、パーツカメラ、マークカメラ、ノズルステーション(何れも図示省略)、および制御装置5c等を含む。各部品実装機5の制御装置5cは、CPU,ROM,RAM、不揮発性の記憶装置、入出力インターフェース等を含むコンピュータであり、無線または有線通信を介してライン制御装置10と相互に情報をやり取りする。
【0017】
また、制御装置5cは、パーツカメラおよびマークカメラの撮像データや、基板搬送装置、XY移動装置、実装ヘッド等に設置された図示しない各種センサの検出値等を取得する。更に、制御装置5cは、ライン制御装置10からの情報や、パーツカメラおよびマークカメラの撮像データ、各種センサの検出値等に基づいて生産プログラムを実行し、複数のフィーダ50(部品供給ユニット)、基板搬送装置、XY移動装置、実装ヘッド等を制御する。生産プログラムは、生産ライン1の複数の部品実装機5における基板Sに対する部品Pの搭載順序や、基板Sの生産数等を規定するものあり、制御装置5cのROM等に格納されている。
【0018】
実装検査装置6は、各部品実装機5により実装された部品Pの実装状態を検査するものであり、検査機構および当該検査機構を制御する制御装置(コンピュータ)等を含む。実装検査装置6の制御装置も、無線または有線通信を介してライン制御装置10と相互に情報をやり取りする。リフロー装置7は、実装検査装置6の下流側に配置され、当該実装検査装置6からの基板Sを搬送する基板搬送装置と、当該基板搬送装置により搬送される基板Sを加熱する加熱部と、基板搬送装置や加熱部等を制御する制御装置とを含む。リフロー装置7は、加熱部で基板Sを予め定められたリフロー温度(例えば220℃-250℃)に加熱することにより基板S上のはんだを溶融させる。これにより、溶融したはんだが冷却されて固化することで各部品が基板Sの配線パターンに電気的に接続、固定されることになる。リフロー検査装置8は、リフロー処理が施された基板S上の部品Pの状態を検査するものであり、検査機構および当該検査機構を制御する制御装置等を含む。リフロー装置7およびリフロー検査装置8の制御装置は、何れもCPU,ROM,RAM、記憶装置等を含むコンピュータであり、それぞれ無線または有線通信を介してライン制御装置10と相互に情報をやり取りする。
【0019】
ライン制御装置10は、CPU,ROM,RAM、例えばハードディスクドライブあるいはソリッドステートドライブといった不揮発性の記憶装置および入出力インターフェース等を含むと共に、キーボード、マウスといった入力デバイスや表示装置(何れも図示省略)が接続されたコンピュータである。ライン制御装置10の記憶装置には、基板Sの生産に関連した各種生産情報が記憶される。生産情報には、基板Sに実装される部品Pの在庫状態や供給状態、基板Sの生産計画(部品Pの使用計画を含む)、基板Sの生産状態、生産ライン1を構成する複数の部品実装機5等の稼動状況等が含まれる。また、ライン制御装置10は、機器側からの要求等に応じて、印刷装置2の印刷制御部、各部品実装機5の制御装置5c、リフロー装置7のリフロー制御部等に各種指令信号等を与える。なお、ライン制御装置10は、サーバおよびネットワークを介して当該サーバに接続される端末により構成されてもよい。
【0020】
上記生産ライン1の各部品実装機5に装着されるフィーダ50は、カセット式のテープフィーダであり、
図2に示すように、複数の部品Pを収容したテープが巻回されたテープリール51と、当該テープリール51を着脱自在に収容する薄い箱状のフィーダ本体52とを含む。テープリール51において、複数の部品Pは、上記テープの表面を覆うフィルムによってそれぞれ保護されており、当該フィルムは、部品Pが部品実装機5における部品供給位置に達する前に剥がされる。更に、フィーダ本体52内には、テープリール51からテープを引き出して上記部品供給位置へ送り出すテープ送り機構と、当該テープ送り機構を制御するフィーダ制御装置とが収容されている(何れも図示省略)。フィーダ制御装置は、CPU,ROM,RAM等を有するマイクロコンピュータ等を含むものである。本実施形態において、テープ送り機構やフィーダ制御装置等の電装品は、フィーダ本体52の
図2における右側に位置する前端面52fと、テープリール51の収容部との間に画成された電装品収容部52e内に収容される。
【0021】
また、フィーダ本体52の前端面52fは、フィーダ本体52の高さ方向における中央よりも上方でフィーダ本体52の上端面と直交して上下方向に延在し、当該中央付近から下方に向かうにつれて
図2における左側に位置するフィーダ本体52の後端面52rに近接するように傾斜している。そして、フィーダ本体52の高さ方向における中央よりも上方に位置する前端面52fの上部52uには、第1および第2位置決めピン53a,53bが設けられている。第1位置決めピン53aは、フィーダ本体52の上端面付近で前端面52fの上部52uから
図2における右側に突出し、第2位置決めピン53bは、第1位置決めピン53aの下方で前端面52fの上部52uから
図2における右側に突出する。本実施形態において、下側の第2位置決めピン53bの先端は、上側の第1位置決めピン53aの先端よりも後端面52r側(
図2における左側)に位置する。
【0022】
更に、前端面52fの上部52uには、フィーダコネクタ54が設置されている。フィーダコネクタ54は、上下方向に間隔をおいて並ぶ第1および第2位置決めピン53a,53bの間から
図2における右側に突出する。部品実装機5にフィーダ50が装着され、フィーダコネクタ54が当該部品実装機5に設けられた図示しないコネクタと結合すると、部品実装機5側からテープ送り機構やフィーダ制御装置等の電装品に電力が供給されると共に、部品実装機5の制御装置5c(
図1参照)とフィーダ制御装置との間で各種情報がやり取りされる。加えて、フィーダ本体52は、前端面52fの上部52uと下方の傾斜部との間から
図2における右側に突出するバンパー52aを含む。
【0023】
また、フィーダ本体52の上端面には、T字状の断面形状を有する比較的長尺のガイドレール55が固定されている。ガイドレール55は、フィーダ本体52の電装品収容部52eの後端付近から後端面52rの手前まで延在し、フィーダ50の上端部を形成する。更に、フィーダ本体52は、フィーダ50を部品実装機5やフィーダマガジン100に対して固定するためのクランプ部材56aを含む。クランプ部材56aは、ガイドレール55の後端面52r側でフィーダ本体52の上端面から当該後端面52r側に斜め上方に突出するように図示しないスプリング等の付勢部材により付勢されており、部品実装機5やフィーダマガジン100に形成された被係合部と係合する。また、フィーダ本体52の後端面52rから突出するリリースレバー56bを操作することで、クランプ部材56aを付勢部材の付勢力に抗して移動させ、当該クランプ部材56aと被係合部との係合を解除することができる。
【0024】
加えて、フィーダ本体52の下端部には、フィーダ50の下端面を形成する比較的長尺のレール部材57が固定されている。レール部材57の前端57tは、第1および第2位置決めピン53a,53bや前端面52fの上部52uよりも後端面52r側に位置し、当該レール部材57は、フィーダ本体52の電装品収容部52eの後端付近から後端面52rの手前まで延在する。更に、フィーダ本体52の下端部には、レール部材57の後端面52r側で当該レール部材57(フィーダ50)の下端面よりも下方に突出する突起57pが形成されている。
【0025】
図3は、本開示のフィーダマガジン100を示す斜視図である。同図に示すように、フィーダマガジン100は、天井部110と、底部120と、それぞれ天井部110および底部120の対応する側縁部同士を繋ぐ一対(2つ)の側部130と、一対の側部130の側縁部同士を繋ぐ背部140とを含む。また、天井部110、底部120および一対の側部130は、背部140の反対側に位置する開口部150を画成する。
【0026】
フィーダマガジン100の天井部110は、
図3に示すように、底部120の開口部150側の所定範囲を覆うように形成されており、天井部110と背部140との間には、開口部が形成されている。更に、天井部110には、それぞれフィーダ50のガイドレール55(上端部)が挿脱自在に差し込まれる複数(本実施形態では、例えば65個)のスロット111(支持溝)が形成されている。複数のスロット111は、
図4に示すように、それぞれT字状の断面形状を有し、底部120側(下側)で開口すると共に開口部150から背部140に向けて互いに平行に延在する(
図3参照)。これにより、フィーダ50のガイドレール55がスロット111に差し込まれると、当該フィーダ50は、スロット111に差し込まれたガイドレール55を介して天井部110により吊り下げた状態で支持される。
【0027】
フィーダマガジン100の底部120は、
図3に示すように、凹凸(溝)のない平面12sと、それぞれフィーダ50の下端部に形成された突起57p(係合部)と係合可能な複数(本実施形態では、例えば65個)の第1位置決め部121と、それぞれフィーダ50の下端部に設けられたレール部材57の前端57t(第2の係合部)と係合可能な複数(本実施形態では、例えば65個)の第2位置決め部122とを含む。平面12sは、天井部110と平行に延在すると共に複数のスロット111と対向するように底部120の表面(上面)に形成された滑らかな平坦面である。
【0028】
複数の第1位置決め部121の各々は、
図3に示すように、平面12sの開口部150側で天井部110の複数のスロット111の各々に対応するように底部120に配設されている。より詳細には、複数の第1位置決め部121の各々は、開口部150側で開口する平面12sから窪んだ凹部であり、
図4に示すように、開口部150側からみて、対応するスロット111と上下方向において対向する。本実施形態において、複数の第1位置決め部121は、長手方向に延びる一方の縁部から他方の縁部に向かうにつれて薄肉になる略楔形の断面形状を有するプレート部材123の薄肉の縁部に当該長手方向に沿って間隔をおいて(等間隔に)形成されている。かかるプレート部材123は、厚肉の背部140側の表面が平面12sと面一に連続するように底部120に固定される。
【0029】
複数の第2位置決め部122は、
図3に示すように、細幅のプレート部材124に形成された複数の突片125により構成される。本実施形態において、複数の突片125は、プレート部材124の長手方向に沿ってスロット111の溝幅およびレール部材57(前端57t)の幅に応じた間隔をおいて(等間隔に)形成されており、それぞれプレート部材124の表面から上方に突出する。プレート部材124は、各突片125が天井部110のスロット111と平行に延在すると共に、隣り合う突片125同士の間の表面が平面12sの背部140側で当該平面12sと面一に連続するように底部120に固定される。プレート部材124が底部120に固定されると、
図3に示すように、複数の突片125が平面12sの背部140側で天井部110の複数のスロット111の各々に対応するように底部120に配設される。すなわち、隣り合う2つの突片125同士の間の空間は、
図4に示すように、開口部150側からみて、対応するスロット111と上下方向において対向し、レール部材57の前端57tと係合可能な第2位置決め部122を形成する。
【0030】
フィーダマガジン100の背部140は、
図3および
図4に示すように、それぞれフィーダ50の第1位置決めピン53aが挿入される複数(本実施形態では、例えば65個)の第1位置決め孔143aと、それぞれフィーダ50の第2位置決めピン53bが挿入される複数(本実施形態では、例えば65個)の第2位置決め孔143bとを含む。複数の第1位置決め孔143aは、天井部110の複数のスロット111の各々に対応するように、背部140の上縁部に沿って間隔をおいて(等間隔に)当該背部140に形成されている。複数の第2位置決め孔143bは、天井部110の複数のスロット111の各々に対応するように、各第1位置決め孔143aの下方に間隔をおいて背部140に形成されている。
【0031】
更に、背部140は、それぞれフィーダ50のフィーダコネクタ54と結合可能な複数(本実施形態では、例えば65個)のコネクタ144を含む。複数のコネクタ144は、
図4に示すように、それぞれ対応する第1および第2位置決め孔143a,143bの上下方向における間で開口部150側を向くように背部140に固定されている。複数のコネクタ144は、それぞれ背部140に固定された図示しない外部コネクタに接続され、当該外部コネクタは、保管部4の保管スペース41に設けられたコネクタ(図示省略)と結合可能である。これにより、フィーダコネクタ54、コネクタ144、外部コネクタ等を介して、各フィーダ50をライン制御装置10や図示しない保管部4の電源に接続し、各フィーダ50のフィーダ情報をライン制御装置10に取り込むことができる。
【0032】
加えて、背部140には、
図3および
図4に示すように、フィーダ50のバンパー52aを受け入れる凹部145が形成されている。なお、本実施形態において、各部品実装機5のフィーダ装着部5f(
図1参照)は、複数のフィーダ50を収容可能であり、フィーダ装着部5fは、上述の天井部110、底部120、一対の側部130、スロット111、第1および第2位置決め部121,122、第1および第2位置決め孔143a,143b、コネクタ144、凹部145等に相当するスロット、第1および第2位置決め部、第1および第1位置決め孔、コネクタ、凹部等を含む。
【0033】
上述のように構成されるフィーダマガジン100にユーザ(人)の手作業によりフィーダ50を収容するに際しては、まず、開口部150を介してフィーダマガジン100内にフィーダ50の前部を挿入すると共に、
図5に示すように、天井部110の対象となるスロット111に当該フィーダ50のガイドレール55(上端部)を差し込む。更に、ガイドレール55がスロット111に差し込まれた状態で、フィーダ50を開口部150から背部140に向けて押し込んでいく。この際、フィーダ50のバンパー52aは、フィーダマガジン100内に既に収容されている他のフィーダ50を適宜押し退けていく。
図6に示すように、フィーダ50が背部140側に押し込まれていくと、当該フィーダ50の第1位置決めピン53aが背部140の第1位置決め孔143aの入口に達する。また、フィーダ50の背部140側への更なる移動に応じて第1位置決めピン53aが第1位置決め孔143a内に挿入されていくと、フィーダ50の第2位置決めピン53bが背部140の第2位置決め孔143bの入口に達する。
【0034】
ここで、本実施形態のフィーダ50およびフィーダマガジン100は、
図7に示すように、第2位置決めピン53bが第2位置決め孔143bの入口に達した時点で、突起57p(係合部)と第1位置決め部121の係合開始位置との距離L1が、レール部材57の前端57t(第2の係合部)から第1位置決め部121としての2つの突片125まで距離L2よりも短くなるように構成されている。これにより、フィーダ50の移動に応じて、第2位置決めピン53bが第2位置決め孔143b内に挿入されていくと、
図8に示すように、フィーダ50の突起57pがガイドレール55を支持しているスロット111に対応した第1位置決め部121(凹部)内に入り込んで当該第1位置決め部121と係合する。
【0035】
そして、フィーダ50が更に背部140側に押し込まれると、
図9からわかるように、レール部材57の前端57t(第2の係合部)がガイドレール55を支持しているスロット111に対応した第2位置決め部122と係合する。すなわち、レール部材57の前端57tは、第2位置決め部122を構成する2つの突片125により両側から保持される。また、フィーダ50のフィーダコネクタ54は、
図8および
図9に示すように、フィーダ50の背部140側への移動に応じて、ガイドレール55を支持しているスロット111に対応したコネクタ144と結合する。更に、フィーダ50のクランプ部材56aがフィーダマガジン100に形成された図示しない被係合部と係合する。これにより、フィーダ50の背部140側への移動が規制され、1つのフィーダ50のフィーダマガジン100への収容が完了する。
【0036】
以上説明したように、フィーダマガジン100にフィーダ50を収容する際には、天井部110の対象となるスロット111にフィーダ50の上端部を形成するガイドレール55を差し込み、当該フィーダ50を開口部150から背部140に向けて押し込んでいく。そして、フィーダ50が開口部150から背部140に向けて押し込まれるのに伴って、当該フィーダ50の突起57p(係合部)およびレール部材57の前端57t(第2の係合部)が開口部150側の第1位置決め部121または背部140側の第2位置決め部122と係合し、フィーダマガジン100内へのフィーダ50の収容が完了する。これにより、基本的に、フィーダ50を天井部110のスロット111に支持させて背部140に向けて押し込めば、フィーダマガジン100にフィーダ50を収容することが可能となる。
【0037】
また、フィーダマガジン100において、複数の第1位置決め部121は、平面12sの開口部150側に配設され、複数の第2位置決め部122は、平面12sの背部140側に配設されている。これにより、ガイドレール55を支持するスロット111に対応していない第1および第2位置決め部121,122の少なくとも何れか一方にフィーダ50の突起57pおよび前端57tの少なくとも何れか一方が係合してしまっても、フィーダ50の全体をフィーダマガジン100から取り出すことなく、ガイドレール55を支持するスロット111に対応した第1および第2位置決め部121,122にフィーダ50の突起57pおよび前端57tを改めて係合させることができる。従って、複数のフィーダ50を傾斜させることなく、上下方向に真っ直ぐに延在するようにフィーダマガジン100内に収容することが可能となる。更に、フィーダマガジン100では、底部120の平面12sに異物が滞留し難くなることから、フィーダ50の下端部と平面12sとの間に異物が噛み込まないようにして、異物の噛み込みによるフィーダ50の傾斜や他のフィーダ50との干渉等を良好に抑制することができる。この結果、フィーダマガジン100によれば、フィーダ50を収容する際の作業性を良好に確保すると共に、複数のフィーダ50を安定に収容することが可能となる。
【0038】
更に、フィーダ50は、背部140側の端面である前端面52fの上部52uから背部140に向けて突出する第1位置決めピン53aと、当該第1位置決めピン53aの下方で前端面52fの上部52uから背部140に向けて突出する第2位置決めピン53bとを有し、上記実施形態では、第2位置決めピン53bの先端が、第1位置決めピン53aの先端よりも開口部150側に位置する。また、背部140には、それぞれフィーダ50の第1位置決めピン53aが挿入される複数の第1位置決め孔143aと、それぞれフィーダ50の第2位置決めピン53bが挿入される複数の第2位置決め孔143bとが複数のスロット111の各々に対応するように形成されている。
【0039】
これにより、フィーダ50が開口部150から背部140に向けて押し込まれると、第1位置決めピン53aが背部140の第1位置決め孔143aに挿入され、その後、第2位置決めピン53bが第2位置決め孔143bに挿入されていく。この結果、天井部110のスロット111により支持されたフィーダ50を第1および第2位置決めピン53bにより上下方向に真っ直ぐに延在させ、ガイドレール55を支持するスロット111に対応した第1および第2位置決め部121,122に当該フィーダ50の突起57pまたは前端57tをスムースに係合させることが可能となる。
【0040】
また、上記実施形態では、フィーダ50が開口部150から背部140に向けて押し込まれる間に、第2位置決めピン53bが第2位置決め孔143bに達した後、フィーダ50の突起57p(係合部)が第1位置決め部121と係合し、その後に、フィーダ50のレール部材57の前端57t(第2の係合部)が第2位置決め部122と係合する。すなわち、上記実施形態において、ガイドレール55を支持するスロット111に対応していない第1位置決め部121にフィーダ50の突起57pが係合すると、フィーダ50が傾くことでレール部材57の前端57tが第2位置決め部122とスムースに係合し得なくなり、フィーダ50を背部140側に押し込み難くなる。これにより、フィーダマガジン100にフィーダ50を収容しようとするユーザに、フィーダ50の突起57p(係合部)が本来係合すべき第1位置決め部121と係合していないことを容易に気付かせて修正を促すことが可能となる。
【0041】
更に、上実施形態において、底部120の平面12sは、天井部110と平行に延在する。また、フィーダ50の突起57p(係合部)は、レール部材57(フィーダ50)の下端面よりも下方に突出し、第1位置決め部121は、開口部150側で開口する平面12sから窪んだ凹部であってフィーダ50の突起57pと係合する。更に、第2位置決め部122を構成する2つの突片125は、フィーダ50のレール部材57の前端57t(背部140側の端部)を両側から保持する。これにより、天井部110のスロット111にフィーダ50のガイドレール55を差し込んでいく際にフィーダ50の下端部(レール部材57の前端57t等)が第1位置決め部121と干渉しないようにすると共に、フィーダ50のガイドレール55を支持するスロット111に対応していない第1位置決め部121(凹部)に突起57pを係合させてしまった際に、突起57pを当該第1位置決め部121から外して本来係合すべき第1位置決め部121に容易かつ速やかに係合させることが可能となる。
【0042】
また、フィーダ50は、フィーダ本体52の上端面に固定されたT字状の断面形状を有するガイドレール55を含み、スロット111に差し込まれたガイドレール55を介して天井部110により吊り下げた状態で支持される。これにより、背部140に向けて押し込まれるフィーダ50の突起57pおよびレール部材57の前端57tが第1または第2位置決め部121,122と係合するまでの間に、当該フィーダ50を自重により上下方向に真っ直ぐに延在させることが可能となる。
【0043】
なお、ここまで、フィーダマガジン100に手作業でフィーダ50を収容する場合を例にとって、本開示のフィーダマガジン100について説明したが、これに限られるものではなく、ローダ9等の搬送装置等によりフィーダマガジン100にフィーダ50を収容し得ることはいうまでもない。また、フィーダ50は、第1位置決めピン53aの先端が、第2位置決めピン53bの先端よりも開口部150側に位置するように構成されてもよい。更に、例えばフィーダ50が比較的高い剛性を有する場合には、フィーダ50の突起57p(係合部)およびレール部材57の前端57t(第2の係合部)が同時に第1または第2位置決め部121,122と係合するようにフィーダ50およびフィーダマガジン100が構成されてもよい。また、フィーダマガジン100の底部120の平面12sは、必ずしも天井部110と平行に延在する平坦面である必要はなく、凹凸(スロット)のない面であれば、斜面や緩曲面であってもよく、シール等が貼着されたり、配線等が固定されたりして形成されるような実質的に異物が滞留しない微小な凹凸を有する平面であってもよく、平面12sに穴が形成されていてもよい。
【0044】
更に、フィーダマガジン100に複数の第2位置決め部122(複数の突片125)を設けたり、部品実装機5のフィーダ装着部5fに複数の第2位置決め部122(複数の突片125)に相当する要素を設けたりすることで、フィーダマガジン100等により複数のフィーダ50を極めて安定に支持することが可能となるが、これに限られるものではない。すなわち、フィーダマガジン100から複数の第2位置決め部122(複数の突片125)が省略されてもよく、部品実装機5のフィーダ装着部5fから複数の第2位置決め部122(複数の突片125)に相当する要素が省略されてもよい。かかるフィーダマガジン100等においても、基本的に、フィーダ50を天井部110のスロット111に支持させて背部140に向けて押し込めば、フィーダマガジン100にフィーダ50を収容することが可能となる。更に、ガイドレール55を支持するスロット111に対応していない第1位置決め部121にフィーダ50の突起57pが係合してしまっても、フィーダ50の全体をフィーダマガジン100から取り出すことなく、ガイドレール55を支持するスロット111に対応した第1位置決め部121に突起57pを改めて係合させることができる。従って、かかる態様においても、複数のフィーダ50を傾斜させることなく、上下方向に真っ直ぐに延在するようにフィーダマガジン100やフィーダ装着部5f内に収容することが可能となり、フィーダ50を収容する際の作業性を良好に確保すると共に、複数のフィーダ50を安定に収容することができる。
【0045】
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本開示の発明は、部品が実装される物品の製造産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 生産ライン、5 部品実装機、5f フィーダ装着部、50 フィーダ、51 テープリール、52 フィーダ本体、52a バンパー、52e 電装品収容部、52f 前端面、52r 後端面、52u 上部、53a 第1位置決めピン、53b 第2位置決めピン、54 フィーダコネクタ、55 ガイドレール、56a クランプ部材、56b リリースレバー、57 レール部材、57p 突起(係合部)、57t 前端(第2の係合部)、100 フィーダマガジン、110 天井部、111 スロット、12s 平面、120 底部、121 第1位置決め部、122 第2位置決め部、123,124 プレート部材、125 突片、130 側部、140 背部、143a 第1位置決め孔、143b 第2位置決め孔、144 コネクタ、145 凹部、150 開口部、P 部品、S 基板。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ複数の部品を保持した複数のフィーダを収容するフィーダ装着部を有し、前記フィーダから前記部品を採取して対象物上に搭載する部品実装機において、
前記フィーダ装着部は、
それぞれ前記フィーダの上端部が挿脱自在に差し込まれる複数の支持溝と、
前記上端部が前記支持溝に差し込まれた状態で前記フィーダが前記フィーダ装着部内に押し込まれるのに伴って、前記フィーダの第1位置決めピンが挿入される複数の第1位置決め孔と、
を備える部品実装機。
【請求項2】
請求項1に記載の部品実装機において、
前記フィーダ装着部は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め孔に押し込まれるのに伴って、前記フィーダの第2位置決めピンが挿入される複数の第2位置決め孔を更に備える部品実装機。
【請求項3】
請求項2に記載の部品実装機において、
前記フィーダ装着部は、前記第2位置決めピンが前記第2位置決め孔に押し込まれるのに伴って、前記フィーダの下端部に形成された係合部と係合する複数の位置決め部を更に備える部品実装機。
【請求項4】
請求項3に記載の部品実装機において、
前記フィーダ装着部は、前記フィーダが前記フィーダ装着部内に押し込まれて前記係合部が前記位置決め部と係合した後に、前記フィーダの前記下端部に形成された第2の係合部と係合する第2の位置決め部を更に備える部品実装機。